遊技機
【課題】複数の可動体により多彩な演出を行い得る遊技機を提供する。
【解決手段】第1の駆動機構115の駆動により回転する第1の可動体100と、第1の可動体100の外周側に配設され、第2の駆動機構125の駆動に伴い第1の可動体100と同一方向に回転可能な第2の可動体110とを可動演出装置90に備えると共に、第2の可動体110が、第1の可動体100を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、該第1の可動体100を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成する。
【解決手段】第1の駆動機構115の駆動により回転する第1の可動体100と、第1の可動体100の外周側に配設され、第2の駆動機構125の駆動に伴い第1の可動体100と同一方向に回転可能な第2の可動体110とを可動演出装置90に備えると共に、第2の可動体110が、第1の可動体100を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、該第1の可動体100を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可動体を動作させて演出を行う可動演出装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状装飾部材(所謂センター役物)が配設されており、この枠状装飾部材の開口部を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾部材の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動演出に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、遊技盤に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
【0003】
また、所要の動作を行う可動体を備えた可動演出装置を配設し、図柄表示装置で行われる遊技演出に合わせて駆動モータを駆動して可動体を動作させることにより、視覚的な演出効果を向上させ、遊技の興趣を高めるようにしたパチンコ機も知られている(例えば、特許文献1参照)。近年ではパチンコ機に可動演出装置を配設する構成にあっては、可動体による演出効果を高めることを目的に、可動演出装置が複数の可動体を備えるよう構成されたものがある。例えば、前述した特許文献1には、前後移動可能な第1の可動体の前側に、左右方向に揺動する第2の可動体を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−29255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機は、前後移動可能な第1の可動体を動作させるために、左右方向に揺動する第2の可動体を予め動作させて、該第1の可動体が移動可能なスペースを空ける必要があり、複数の可動体を備えていても演出が単調なものとなっていた。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、複数の可動体により多彩な演出を行い得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、
動作による演出を行う可動演出装置(90)を備えた遊技機において、
前記可動演出装置(90)は、
第1の駆動手段(115)の駆動により回転する第1の可動体(100)と、
前記第1の可動体(100)の外周側に配設され、第2の駆動手段(125)の駆動に伴い第1の可動体(100)と同一方向に回転可能な第2の可動体(110)とを備え、
前記第2の可動体(110)は、前記第1の可動体(100)を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、該第1の可動体(100)を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成されることを要旨とする。
このように、第1の可動体の外側に、該第1の可動体とは独立して回転動作可能な第2の可動体を設け、第1の可動体を遮蔽する遮蔽位置と当該第1の可動体を露出する露出位置に第2の可動体が移動するよう構成することで、第1の可動体の回転・停止状態や第2の可動体の回転・停止状態により複雑で多彩な演出を実現できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記可動演出装置(90)は、同一の回転軸線上に前記第1の可動体(100)を複数備え、前記第1の駆動手段(115)の駆動に伴い複数の第1の可動体(100)が同時に回転駆動されると共に、各第1の可動体(100)毎に対応して前記第2の可動体(110)が複数設けられて、各第2の可動体(110)毎に前記第2の駆動手段(125)が個別に配設されることを要旨とする。
このように、同時に回転する複数の第1の可動体の外周側に第2の可動体を個別に設けることで、複数の第1の可動体および第2の可動体の動作を組み合わせて多彩な演出が可能となる。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記第1の可動体(100)は、球状に形成されると共に、異なる識別情報(104)が回転方向に離間して複数設けられ、前記第1の駆動手段(115)の駆動に伴い第1の可動体(100)を回転することで、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報(104)を切替え得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、球状に形成した第1の可動体の外面に異なる識別情報を表示することで、第1の可動体および第2の可動体の動作を組み合わせて多彩な演出が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機によれば、複数の可動体の動作を組み合わせた多彩な演出を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤の正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤の背面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤と設置部材とを分解した状態を示す斜視図であって、遊技盤を背面側から示すと共に設置部材を正面側から示す。
【図5】実施例に係る設置部材および可動演出体の分解図であって、設置部材を正面側から示し、可動演出体を背面側から示す。
【図6】実施例に係る可動演出体の正面図であって、(a)は第1の可動体が原位置にあると共に第2の可動体が露出位置にある状態を示し、(b)は第1の可動体が原位置にあり、左側の第2の可動体が遮蔽位置にあると共に右側の第2の可動体が露出位置と遮蔽位置の中間に位置した状態を示す。
【図7】実施例に係る可動演出体を揺動カバー体が被覆位置にある状態で縦断した側断面図である。
【図8】実施例に係る第1の可動演出装置を、装飾カバー体を取り外した状態で示す正面図である。
【図9】実施例に係る上側支持ベースに第2の可動演出装置を配設した状態を示す正面図である。
【図10】実施例に係る上側支持ベースに第2の可動演出装置を配設した状態を示す背面図である。
【図11】実施例に係る上側支持ベースに第2の可動演出装置を配設した状態を示す右側面図である。
【図12】実施例に係る第2の可動演出装置を正面側から視た斜視図である。
【図13】実施例に係る第2の可動演出装置を背面側から視た斜視図である。
【図14】実施例に係る右側の第1および第2の可動体を分解して示す分解斜視図である。
【図15】第1および第2の可動体を図9のA−A線で縦断した断面図であって、(a)は第2の可動体が露出位置にある状態を示し、(b)は第2の可動体が遮蔽位置にある状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置40,45の始動入賞口41,46へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行う図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0014】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aの回動量を操作することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に調整し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、ドットマトリックス式の表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置18や液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。そして、実施例に係る図柄表示装置18には、前記飾図を変動表示可能な図柄表示部(図示せず)が横並び状に3列設けられており、図柄変動演出の開始に伴い各列の飾図が予め定められた変動方向(例えば縦スクロール、横スクロール等)へ変動表示し、所定のタイミングで各列の飾図が全て停止表示されることで、1回の図柄変動演出が終了するようになっている。
【0015】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2〜図4に示すように、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を表面に貼付けて装飾した略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に配設された設置部材60に、前記図柄表示装置18が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面(盤面)には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、ルーター加工等の孔空け加工により前後に貫通する複数の装着口22が開設されており(図4参照)、各装着口22に対して各種の遊技盤20設置部品(例えば、後述する枠状装飾体30、始動入賞装置40、特別入賞装置50、普通入賞装置27等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が設けられている。なお、前記装着口22の形成数や形成位置は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤20設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0016】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図4に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口22に、前後に開口する表示窓口30aが形成された枠状装飾体30が取り付けられている。ここで、前記枠状装飾体30が取り付けられる装着口22は、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの大部分で開口する大型の開口とされ、該装着口22に取り付けられた枠状装飾体30の表示窓口30aを介して前記図柄表示装置18および後述する第1の可動演出装置70が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘24が設けられると共に、枠状装飾体30の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材25が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘24や回転案内部材25に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
【0017】
また、前記遊技盤20において前記枠状装飾体30の下方には、図4に示すように、遊技領域20aの左右幅方向の略中央に装着口22が開設されており、該装着口22に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口41を有する第1始動入賞装置40が取り付けられている。そして、前記遊技盤20において枠状装飾体30の右下方に開設された装着口22に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口を有する特別入賞装置50が取り付けられている。このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞装置41および特別入賞装置50は異なる装着口22に取り付けられている。すなわち、遊技状態に応じて遊技者が操作ハンドル17を操作してパチンコ球の打ち出し位置を変更することで、第1始動入賞装置40または特別入賞装置50にパチンコ球を入賞させ得るよう構成されている。また、前記遊技盤20には、前記特別入賞装置50の上方位置に、前記遊技盤20を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材28が設置される装着口22が開設されており、該ゲート部材28に設けられたゲートセンサ28aによるパチンコ球の検出に基づいて、前記枠状装飾体30に設けられた後述する第2始動入賞装置45の開閉部材47が開閉するよう構成される。また、前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞装置27を取り付ける装着口22が適宜位置に形成されている(実施例では3箇所)。
【0018】
(枠状装飾体30について)
前記枠状装飾体30は、前記遊技盤20に開設された装着口22に沿って延在する環状に形成され、該装着口22に内挿される枠状本体31と、該枠状本体31の前側端部に遊技盤20の表面に当接するよう設けられた固定板32と、当該枠状本体31の前面側に設けられて遊技盤20の前面より前方に突出する庇状部33とを備えている(図2、図4参照)。そして、前記固定板32を遊技盤20の表面に当接させた状態で、固定板32の前側からビス等の固定手段を用いて遊技盤20に固定される。すなわち、前記遊技領域20aに発射されたパチンコ球は、前記枠状装飾体30の庇状部33に沿って左右側部へ案内されることで、該パチンコ球が表示窓口30aを横切って流下するのを規制している。すなわち、実施例のパチンコ機10は、前記操作ハンドル17の操作レバー17aの操作に応じて、操作ハンドル17の操作レバー17aの回動操作量を可変することで、前記枠状装飾体30の左側部をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該枠状装飾体30の右側部をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るよう構成されており、右打ちされた際にパチンコ球が流下する経路中に前記特別入賞装置50およびゲート部材28が配設されている。なお、前記庇状部33は、前記枠状本体31の左側部から上部を経て右側部に至る形態で形成されている。
【0019】
前記枠状装飾体30には、図4に示すように、前記表示窓口30aの内側の左右側部および上部に、発光演出装置34が取り付けられると共に、該枠状装飾体30の下部(開口下縁部)に、パチンコ球が左右に転動可能なステージ35が設けられている。なお、前記枠状装飾体30におけるステージ35の後端部には、前記表示窓口30aの内側へ延出する透明な規制壁30b(図2、図4参照)が設けられており、該ステージ35上を転動するパチンコ球が後方(遊技盤20の裏側)へ移動するのを防止している。また、前記枠状装飾体30には、前記ステージ35の右側方に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口46を有する第2始動入賞装置45が配設されている。
【0020】
(第1始動入賞装置40について)
図2に示すように、前記第1始動入賞装置40は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口41が設けられている。ここで、前記第1始動入賞口41は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が一定の確率で入賞し得るようになっている。そして、前記第1始動入賞口41に入賞したパチンコ球は、制御装置に配線接続された第1始動入賞球検出センサ42(図4、図5参照)で検出されるよう構成されており、該センサ42の検出を契機として所定数の賞球が払い出されると共に大当り抽選が行われて、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18における各図柄表示部の飾図を変動表示して図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18の各図柄表示部に所定の組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で飾図が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置50を所定の開放条件で開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例の第1始動入賞球検出センサ42は、前記設置部材60に設けられた第1始動入賞口41に入賞したパチンコ球の排出通路67(図4、図5参照)に設けられている。
【0021】
(第2始動入賞装置45について)
前記第2始動入賞装置45は、図2に示すように、前記枠状装飾体30の右下部位置に配設されて、該枠状装飾体30の右側方に開口して遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口46を備えている。また、前記第2始動入賞装置45は、前記第2始動入賞口46の右側部に、駆動手段としてのソレノイド48(図4参照)の駆動に伴って揺動する開閉部材47を備えており、該ソレノイド48の駆動に伴って開閉部材47が第2始動入賞口46を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に揺動変位するよう構成されている。すなわち、前記第1始動入賞口41は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が一定の確率で入賞し得るよう構成されると共に、第2始動入賞口46は、開閉部材47の開閉によりパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。なお、前記第2始動入賞装置45のソレノイド48は、パチンコ機10の裏側に配設された制御装置(図示せず)に配線接続されており、前記ゲートセンサ28aによるパチンコ球の検出に基づいて所定の開閉条件に従って駆動制御されるようになっている。そして、前記第2始動入賞口46に入賞したパチンコ球は、制御装置に配線接続された第2始動入賞球検出センサ49(図4、図5参照)で検出されるよう構成されており、該センサ49の検出を契機として所定数の賞球が払い出されると共に大当り抽選が行われて、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18における各図柄表示部の飾図を変動表示して図柄変動演出が実行されるようになっている。実施例の第2始動入賞球検出センサ49は、前記設置部材60に設けられた第2始動入賞口46に入賞したパチンコ球の排出通路67(図4、図5参照)に設けられている。
【0022】
(特別入賞装置50について)
前記特別入賞装置50は、図2、図4に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉53(開閉部材47)を備えており、駆動手段としての図示しない特別入賞ソレノイド52(図4参照)の駆動に伴って開閉扉53が揺動変位することで特別入賞口が開閉するようよう構成されている。なお図2では、前記開閉扉53により特別入賞口が閉鎖された状態を示している。そして、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球は、制御装置に配線接続された図示しない特別入賞球検出センサで検出されるよう構成されており、該特別入賞球検出センサから制御装置への入賞検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では、特別入賞球検出センサは前記特別入賞装置50に設けられている。
【0023】
(設置部材60について)
次に、前記設置部材60に関して説明する。前記設置部材60は、図4,図5に示すように、前記遊技盤20に対向する対向面部61と、該対向面部61の外周縁部から前方に突出する外周壁部62とから前方に開口する箱状に形成されている。また、前記設置部材60には、前記外周壁部62の前端部に、外方へ延出する取付片63が形成されると共に、該取付片63に前後に貫通する貫通孔63aが形成されている。そして、前記取付片63(すなわち外周壁部62の開口前端部)を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、貫通孔63aに後方から挿通したネジ64(図3参照)を遊技盤20に螺挿することで、設置部材60が遊技盤20に固定されるようになっている。そして、前記設置部材60における前記遊技盤20との間に画成される設置空間60aに、各種演出装置や発光装置等の遊技部品が設置されて、設置部材60を基材とする単一のユニットとして扱い得るようになっている。なお、前記取付片63は、前記外周壁部62の全周に設けてもよく、また外周壁部62の適宜位置に形成するようにしてもよい。実施例では、前記設置部材60の左右側面をなす外周壁部62から外方へ延出するよう取付片63が複数箇所形成されている。
【0024】
ここで、前記設置部材60は、前記遊技盤20に形成された各装着口22が前記設置空間60aの内側で開口する大きさに形成されると共に、該遊技盤20に取り付けられた前記枠状装飾体30の表示窓口30aに後方から臨む位置に、前記遊技部品としての第1の可動演出装置70が配設されている(図4参照)。また、前記設置部材60には、前記遊技盤20に取り付けられた各入賞装置27,40,45,50と対応する位置に球排出通路67が設けられており、各入賞装置27,40,45,50に入賞したパチンコ球を対応の排出通路67を介して遊技盤20の下方へ排出案内するよう構成されている。また、前記設置部材60には、図4に示すように、前記枠状装飾体30に設けられた前記規制壁30bの後方に対向する位置に、前記図柄表示装置18が設置部材60の開口前端部に位置するよう配設されて、該図柄表示装置18で行われる図柄変動演出を、該規制壁30bを介して遊技盤20の前側から視認し得るようになっている。
【0025】
(第1の可動演出装置70について)
前記第1の可動演出装置70は、前記枠状装飾体30の表示窓口30aに後方から臨むと共に、該表示窓口30aを略全体的に覆う可動演出体71と、該可動演出体71を動作させる駆動モータ(駆動手段)72とから構成されている(図2〜図4、図5参照)。ここで、前記第1の可動演出装置70を動作させる駆動モータ72は、前記設置部材60の対向面部61の上部位置に、駆動軸を前記設置空間60a内へ突出させた姿勢で取り付けられると共に、該駆動軸に対して径方向へ延在するよう作動アーム73が取り付けられている。
【0026】
また、前記可動演出体71には、背面側の左右中央下部位置に、後方へ突出する揺動軸71aが設けられ、前記設置部材60の対向面部61に形成された軸孔61aに、該揺動軸71aが揺動自在に枢支されている。そして、前記可動演出体71における背面側の左右中央上部位置に、上下にスライド移動自在な連結軸71dが設けられており、前記駆動モータ72の駆動軸72aに取り付けられた前記作動アーム73が連結軸71dに回転可能に連結されている。すなわち、前記駆動モータ72の駆動に伴い前記作動アーム73を回転することで、前記可動演出体71が揺動軸71aを中心として揺動するようになっている。また、前記可動演出体71が初期位置にある状態では、前記作動アーム73が上下方向に延在して前記連結軸71dと揺動軸71aとが鉛直線上で整列するようになっている。このとき、前記可動演出体71の荷重が揺動軸71aに対して鉛直線方向から作用するよう構成されており、当該可動演出体71の荷重による可動演出体71の揺動を防止している。
【0027】
また、前記可動演出体71の背面側には、該可動演出体71の左右側部位置に後方へ突出する支持軸71b,71bが夫々設けられると共に、前記設置部材60には、当該支持軸71b,71bと対応する位置に、前記揺動軸71aを中心とする円弧状に延在するガイド孔61b,61bが夫々形成されており、各支持軸71b,71bがガイド孔61b,61bに沿って摺動し得るよう挿通されている。ここで、前記可動演出体71が初期位置にある状態では、前記各支持軸71b,71bが対応のガイド孔61b,61bの延在長の中間位置に位置するよう構成されており、前記駆動モータ72の駆動に伴い各支持軸71b,71bがガイド孔61b,61bの端部に至る範囲で可動演出体71が初期位置から左右に揺動し得るようになっている。なお、前記各支持軸71b,71bの後端部には、前記ガイド孔61b,61bからの脱落を防止する抜止め部材71c(図3参照)が取り付けられている。
【0028】
また、図4、図5に示すように、前記設置部材60には、前方へ開口する半球状の装飾部材65が設置空間60a内に取り付けられており、前記可動演出体71の後方および側方を装飾部材65で囲繞するよう構成されている。前記装飾部材65の前端部には、径方向延出する鍔状部65aが設けられており、前記設置部材60を遊技盤20に固定した際に、前記枠状装飾体30の枠状本体31の後端部に鍔状部65aが当接するよう構成されている。すなわち、前記設置部材60を遊技盤20に固定した状態では、前記可動演出体71を囲繞する前記装飾部材65により設置空間60a内部を遊技盤20の前側から視認不能に塞ぐことで、遊技盤20の装飾性を損なわないようになっている。なお、実施例の装飾部材65は、左右の半体から構成されて、各半体を前記設置部材60の対向面部61に固定するようになっている。
【0029】
(可動演出体71について)
次に、前記第1の可動演出装置70における可動演出体71の構成について具体的に説明する。前記可動演出体71は、図5〜図7に示すように、前記設置部材60に支持される支持ベース75と、該支持ベース75の前側に配設され、支持ベース75との間に収容空間81a,81bを画成する装飾カバー体85とを備えている。ここで、前記装飾カバー体85は、前記支持ベース75の前側全体を覆って可動演出体71の前面をなすよう構成されており、前記枠状装飾体30の表示窓口30aを介して装飾カバー体85が遊技盤20の前面に露出するようになっている。
【0030】
また、前記支持ベース75は、前記設置部材60の対向面部に対向する上下の支持ベース76,77と、該上下の支持ベース76,77の間に設けられ、前記収容空間81a,81bを上下に区切る設置ベース80とから構成されている。そして、前記下側支持ベース77に前記揺動軸が設けられると共に、上側支持ベース76に前記支持軸が設けられている。なお、前記上下の支持ベース76,77および設置ベース80の夫々は、平板状に形成されており、該設置ベース80の上側に上部収容空間81aが画成され、当該設置ベース80の下側に下部収用空間81bが画成されている。また、前記設置ベース80は、前記可動演出体71が初期位置にある状態で、略水平に延在するよう構成されており、以下の説明において「上」、「下」、「左」、「右」は、前記可動演出体71が初期位置にある状態を基準として指称するものとする。なお、前記上側支持ベース76は、前記設置ベース80の後端縁から上方へ延在するよう取り付けられると共に、前記下側支持ベース77は、設置ベース80の後端縁より前側に偏倚した位置から下方へ延在するよう取り付けられている。
【0031】
(装飾カバー体85について)
前記装飾カバー体85は、図6、図7に示すように、前記上側支持ベース76および設置ベース80の端縁部に整合すると共に前側に膨出する曲面形状に形成された固定カバー体85aを備えており、該上側支持ベース76、設置ベース80および固定カバー体85aで囲まれた上部収容空間81aを画成している。そして、前記上部収容空間81aを画成する上側支持ベース76に、後述する第2の可動演出装置90が設置されている。また、前記上部収容空間81aを画成する前記設置ベース80の上面には、後述する第3の可動演出装置130が設置されている。すなわち、前記第1の可動演出装置70に対して別の可動演出装置90,130が設置されている。また、前記固定カバー体85aには、前記上部収容空間81aを前方に開口する開口部85bが開設されており、該開口部85bを介して前記第2の可動演出装置90を構成する第1および第2の可動体100,110が枠状装飾体30の表示窓口30a内に露出するよう構成されている(図2参照)。ここで、前記固定カバー体85aには、前記開口部85bが左右に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に開設されており、各開口部85bを介して第1および第2の可動体100,110が露出し得るよう構成されている。
【0032】
また、前記装飾カバー体85は、図6〜図7に示すように、前記下側支持ベース77の前側を被覆可能な曲面形状に形成された揺動カバー体85cを備えている。前記揺動カバー体85bは、前記固定カバー体85aの左右両下端部に側方へ突出するよう形成された図示しない軸部に枢支されており、該下側支持ベース77の裏側に設置された駆動モータ88(図5参照)の駆動に伴って揺動カバー体85cの装飾面が正面側を向いて前記下側支持ベース77の前側を被覆する被覆位置と、当該揺動カバー体85cの装飾面が下側を向いて下側支持ベース77の前側を露出する開放位置とに変位し得るよう構成されている。すなわち、前記揺動カバー体85cが被覆位置にある状態で、前記下側支持ベース77、設置ベース80および揺動カバー体85cで囲まれた下部収容空間81bが画成されるようになっている。なお、前記下部収容空間81bには、図7に示すように、発光演出装置83が設置されており、前記揺動カバー体85cの開放位置への揺動に伴って該発光演出装置83が枠状装飾体30の表示窓口30aに露出するようになっている。
【0033】
(第2の可動演出装置90について)
前記第2の可動演出装置(可動演出装置)90は、図7〜図11に示すように、前記上側支持ベース76に回転可能に支持された第1の可動体100と、該該第1の可動体100の外周側に位置するよう上側支持ベース76に回転可能に支持された第2の可動体110と、当該上側支持ベース76に配設されて第1の可動体100に連繋接続する第1の駆動機構(第1の駆動手段)115と、上側支持ベース76に配設されて第2の可動体110に連繋接続する第2の駆動機構(第2の駆動手段)125とを備えており、第1の駆動機構115の駆動に伴い第1の可動体100が回転すると共に、第2の駆動機構125の駆動に伴い第2の可動体110が回転するよう構成されている。すなわち、実施例では、前記支持ベース75(上側支持ベース76)は、前記第2の可動演出装置90の取付基材として機能している。ここで、前記第1の可動体100および第2の可動体110は、前記上部収容空間81a内において前記装飾カバー体85に開設された開口部85bと対応する位置に配置されており、第1の可動体100および第2の可動体110の回転姿勢に応じて装飾カバー体85の開口部85bを介して各可動体100,110を遊技盤20前面側から視認し得るよう構成されている。
【0034】
前記第1の可動体100は、図8、図9、図12〜図14に示すように、前記上側支持ベース76の前面側に配設された軸部材92に対して回転可能に支持されている。前記軸部材92は、前後方向に延在する固定部93と、該固定部93可動体100が回転可能に配設されている。ここで、前記回転軸部94は、前記固定部93の前端部から左右両側方へ同一直線に延出するよう形成されて、各回転軸部94に第1の可動体100が夫々配設されている。すなわち、実施例の第2の可動演出装置90では、左右に離間する位置に一対の第1の可動体100,100を同一の回転軸線上に備えている。また、前記各回転軸部94には、前記固定部93側の端部に、該回転軸部94の周方向に環状に延在する環状突部95が形成されており、該環状突部95に沿って前記第2の可動体110が摺動するよう構成されている。
【0035】
更に、図14に示すように、前記軸部材92には、前記回転軸部94の突出端部に基板取付部96が設けられており、前方へ向けて光を照射するLED(発光体)97aを有するLED基板97が基板取付部96に取り付けられている。このLED基板97は、前記第1の可動体100に画成される内部空間103(後述)に位置するよう配置されており、該第1の可動体100を内側から照明し得るようになっている。また、前記軸部材92(回転軸部94の基板取付部96)には、前記第1の可動体100の原位置を検出する第1位置検出センサ98が取り付けられており、LED基板97と同様に第1の可動体100に画成される内部空間103に収容されている。なお、前記回転軸部94には、軸中心位置に左右に貫通する配線挿通孔94aが形成されており、前記LED基板97および第1位置検出センサ98に接続する配線を、該配線挿通孔94aを介して第1の可動体100の内部空間103に挿通し得るよう構成されている
【0036】
(第1および第2の可動体100,110について)
次に、前記第1の可動体100および第2の可動体110の構成について説明する。なお、前記左右の回転軸部94,94に配設された左右の第1の可動体100,100は、基本的に左右対称の形態で形成されていることから、以下の説明では、右側の回転軸部94に配設される第1の可動体100について説明し、左側の回転軸部94に配設される第1の可動体100については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また同様に、前記左右の回転軸部94,94に配設された第2の可動体110,110は、基本的に左右対称の形態で形成されていることから、以下の説明では、右側の回転軸部94に配設される第2の可動体110について説明し、左側の回転軸部94に配設される第2の可動体110については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
図14に示すように、前記第1の可動体100は、第1半体101および第2半体102を組み付けて構成されている。前記第1半体101および第2半体102は、中心側に開口した半球状に夫々形成されており、該第1半体101および第2半体102を組み付けることで、中空の球体状を呈するよう形成されている。ここで、前記第1半体101には、一方の端縁部に径方向へ突出する固定軸部101aが形成されており、該第1半体101における固定軸部101aと整列する他方の端縁部に、円弧状の凹部101bが形成されると共に該凹部101bを挟んで一対の係止孔101c,101cが軸方向に開設されている。一方、前記第2半体102には、一方の端縁部に前記固定軸部101aを内挿可能な第1の軸挿通孔102aが形成されると共に、該第2半体102における第1の軸挿通孔102aと整列する他方の端縁部に、円弧状の凹部102bが形成されると共に該凹部102bを挟んで一対の係止突部102c,102cが開設されている。そして、前記回転軸部94を挟んで第1半体101および第2半体102を対向配置した状態で、第1半体101の固定軸部101aを第2半体102の第1の軸挿通孔102aに挿通すると共に、該第2半体102の係止突部102c,102cを第1半体101の係止孔101c,101cに嵌合することで、当該回転軸部94に対して第1の可動体100が回転可能に支持されるようになっている。ここで、前記第1半体101および第2半体102を組み付けた状態で、両半体101,102の凹部101b,102bが整合して前記回転軸部94の外周部に摺接する環状の摺動孔を形成して、該回転軸部94に対して第1の可動体100を回転可能に支持するようになっている。なお、前記第1半体101および第2半体102を組み付けた状態で、第1半体101および第2半体102により画成される第1の可動体100の内部空間103の内側に、前記LED基板97が収容され、該LED基板97のLED97aを発光することで、第1の可動体100な内部から照明されるようになっている。
【0038】
また、前記固定軸部101aは、前記第2半体102の第1の軸挿通孔102aに挿通したもとで、前記第2の可動体110に形成された第2の軸挿通孔111aに挿通されると共に、該第2の軸挿通孔111aした固定軸部101aの端部に、前記第1の駆動機構115を構成する作動歯車120が取り付けられている。このように、前記固定軸部101aに作動歯車120を取り付けることで、前記第1の可動体100を構成する第1半体101および第2半体102が分離不能に組み付けられる。また、前記作動歯車120の側面には、前記回転軸部94(固定軸部101a)の軸線上に筒状の軸突部120aが形成されており、当該軸突部120aが後述する支持壁118に形成された支持孔118bに回転可能に挿入されている。すなわち、前記第1の可動体100は、前記回転軸部94および支持壁118に支持されることで、回転時のブレを抑制して安定的な回転を実現するようになっている。なお、前記回転軸部94に第1の可動体100が支持された状態で、前記固定軸部101aが回転軸部94と同一直線状に位置するようになっている。
【0039】
また、前記第1の可動体100には、回転方向に離間する位置に複数の異なる識別情報104が設けられている。具体的には、前記第1の可動体100に複数(実施例では3つ)の表示領域HR1〜HR3(図15参照)が形成されており、各表示領域HR1〜HR3毎に異なる識別情報104が形成されている。なお、図15において、各表示領域HR1〜HR3の形成領域毎に傾斜の異なる斜線で第1の可動体100の断面を表示してある。そして、前記第1の可動体100の回転に伴って前記装飾カバー体85(固定カバー体85a)の開口部85bに臨む各表示領域HR1〜HR3を変更することで、パチンコ機10の前面側に露出する識別情報104が切り替えられるようになっている。実施例では、第1の可動体100に形成される1つの表示領域HR1は、光透過性の高い合成樹脂材により形成されて、前記識別情報104として該表示領域HR1にダイヤカットやシボ加工等の光拡散加工により適宜の模様が形成されている。また、第1の可動体100に形成される2つの表示領域HR2,HR3は、光透過率の高い塗装が当該表示領域HR2,HR3の全面に施されると共に、前記識別情報104としてより光透過率の低い塗装により適宜の図柄が表示されている。すなわち、前記表示領域H1を装飾カバー体85の開口部85bに臨ませた状態で前記LED基板97のLED97aを発光することで、該開口部85bの全体が明るく明輝され、表示領域H2,H3を装飾カバー体85の開口部85bに臨ませた状態でLED97aを発光することで、該開口部85bの内側に夫々の識別情報104に合わせた図柄が浮かび上がるよう明記されるようになっている。なお、実施例では、前記表示領域H2には「○」型の図柄が描かれると共に、別の表示領域H3には「へ」字状の図柄が描かれている。
【0040】
また、実施例では、前記表示領域H1〜H3は、前記第1の可動体100の回転方向に略均等に形成されて、各表示領域H1〜H3の識別情報104が回転方向に離間して位置するよう形成されている。ここで、前記第1の可動体100に表示される識別情報104としては、前述したように絵柄や文字、数字等の図柄を描いたものに限られるものではなく、樹脂加工や塗装等による模様であってもよく、各識別情報104を明瞭に区別し得る形態であればよい。また、前記第1の可動体100(具体的には第2半体102)には、前記第1位置検出センサ98で検出される位置検出部材105が前記内部空間103の内側に位置するよう取り付けられており、該第1位置検出センサ98により位置検出部材105が検出されることで、特定の識別情報104(実施例では「○」型の識別情報104)が前記装飾カバー体85(固定カバー体85a)の開口部85bに臨む原位置が検出されるようになっている。
【0041】
前記第2の可動体110は、図14に示すように、中心側に開口した半球状に形成された本体111と、前記回転軸部94を挟んで本体111に固定される軸受け部材112とを備えており、該回転軸部94に取り付けた状態で第2の可動体110の本体111の内側に前記第1の可動体100が位置するよう構成されている。すなわち、前記第2の可動体110は、前記第1の可動体100よりも僅かに径の大きな半球状に形成されている。ここで、前記第2の可動体110の中心位置は、前記第1の可動体100の中心位置と略一致するよう構成されて、該第2の可動体110が第1の可動体100の外周面に沿って回転移動し得るよう構成されている。前記第2の可動体110の本体111には、前記第1の可動体100の固定軸部101aと対応する位置に、該固定軸部101aを内挿可能な第2の軸挿通孔111aが形成されると共に、該第2の可動体110の本体111における第2の軸挿通孔111aと整列する他方の端縁部に、円弧状の凹部111cが形成されている。そして、前記回転軸部94を挟んで本体111の凹部111cと対応する位置に前記軸受け部材112が固定されるようになっている。
【0042】
すなわち、前記第2の可動体110は、前記第1の可動体100の固定軸部101aを第2の可動体110の本体111における第2の軸挿通孔111aに挿通すると共に、前記回転軸部94を挟んで位置する軸受け部材112を本体111に固定することで、当該回転軸部94に対して回転可能に支持される。そして、前記第2の軸挿通孔111aに挿通された前記第1の可動体100の固定軸部101aに対して前記作動歯車120が固定されており、回転軸部94を中心として相対的に回転可能な状態で、第1の可動体100および第2の可動体110が連結されるようになっている。
【0043】
また、前記第2の可動体110の凹部111cに軸受け部材112を組み付けた状態で、前記回転軸部94に摺接する環状の摺動孔を形成するよう構成されている。前記第2の可動体110の凹部111cおよび軸受け部材112には、内周面側(摺動孔の内周面側)に環状に延在する環状溝部113が形成されており、前記回転軸部94に形成された環状突部95が摺動可能に嵌合するよう構成されている。すなわち、前記第2の可動体110は、前記環状突部95に沿って回転するようになっている。また、前記環状突部95が環状溝部113に嵌合することで、回転軸部94の軸方向に第2の可動体110がずれ動くのを防止している。そして、前記回転軸部94の軸方向への第2の可動体110のずれ動きを防止することで、前記作動歯車120を介して相対的に回転可能に連結された第1の可動体100が回転軸部94の軸方向にずれ動くのも防止している。
【0044】
ここで、前記第2の可動体110は、該第2の可動体110が前記装飾カバー体85の開口部85bに臨んで前記第1の可動体100をパチンコ機10前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置(図15(b)参照)と、該装飾カバー体85の開口部85bの上方側に退避して該第1の可動体100をパチンコ機10前面側から視認可能に露出する露出位置(図15(a)参照)に移動可能に構成される。すなわち、前記第2の可動体110を遮蔽位置および露出位置の範囲で適宜に回転させることで、前記装飾カバー体85の開口部85bを介して第1の可動体100が露出する割合を任意に変化させて演出を行い得るようになっている(図6参照)。なお、図6(a)では、左右の第2の可動体110の夫々を露出位置に変位させて、装飾カバー体85の開口部85bの全体に左右の第1の可動体100,100を臨ませた状態を示し、図6(b)では、左側の第2の可動体110を遮蔽位置に変位させて左側の第1の可動体100をパチンコ機10前面側から視認不能に遮蔽すると共に、右側の第2の可動体110を遮蔽位置および露出位置の中間に変位させて右側の第1の可動体100の半分を装飾カバー体85の開口部85bに臨ませた状態を示している。
【0045】
(第1の駆動機構115について)
次に、前記第1の可動体100を駆動する第1の駆動機構115について説明する。図7〜図14に示すように、前記第1の駆動機構115は、前記上側支持ベース76に配設される駆動モータ116と、前記左右第1の可動体100を駆動モータ116に連繋接続する第1の駆動伝達手段119a〜119c,120,121とから構成され、当該駆動モータ116の駆動に伴い左右一対の第1の可動体100,100が同期して回転駆動されるよう構成されている。なお、以下の説明では、前記第1の駆動機構115を構成する駆動モータを第1駆動モータ116と指称する。実施例において前記第1駆動モータ116は、上側支持ベース76の前面右上部位置に、駆動軸を右側方へ向けた姿勢で設置されている。
【0046】
前記第1の駆動伝達手段119a〜119c,120,121は、前記上側支持ベース76の前面に、前記左右一対の第1の可動体100,100を挟んで対向するよう配設された一対の支持壁118,118の夫々に枢支された複数の歯車119a〜119cと、各第1の可動体100に取り付けられた作動歯車120と、該一対の支持壁118,118に枢支された歯車の1組を連結する連結シャフト121とから構成されている。なお、実施例において前記各支持壁118には、3つの歯車119a〜119cが連続して噛合するよう設けられており、2つの歯車119a,119bが前記上側支持ベース76の前面側で上下に隣接すると共に、上下に隣接した上側の歯車(以下、上側歯車119aという)の後方に隣接して1つの歯車(以下、連結歯車119cという)が位置している。ここで、前記連結歯車119cは、前記各支持壁118において上側支持ベース76の後面側に突出した突出部118aに枢支されており、該上側支持ベース76の後面において、左右の支持壁118,118に枢支された連結歯車119cが前記連結シャフト121で転結されている。そして、右側の支持壁118に設けられた上側歯車119aには、前記第1駆動モータ116の駆動軸が連結されている。すなわち、単一の第1駆動モータ116を駆動することで、左右の支持壁118,118に枢支された各歯車119a〜119cが連動して回転するようになっている。
【0047】
また、前記各支持壁118には、前記軸部材92の回転軸部94の軸線上に位置するよう左右に貫通する支持孔118bが夫々形成されている(図14参照)。そして、前記各支持壁118の支持孔118bには、対応する左右の第1の可動体100に固定された前記作動歯車120の軸突部120aが回転可能に挿通されるようになっている。すなわち、前記第1および第2の可動体100,110は、前記軸部材92の回転軸部94に回転可能に支持されると共に、対応する左右の支持壁118に回転可能に支持されることで、該回転軸部94を中心として安定して回転し得るよう構成されている。また、前記各支持壁118の支持孔118bに前記作動歯車120の軸突部120aを挿通した状態で、前記上下に隣接する下側の歯車(以下、下側歯車119bという)が対応の作動歯車120と噛合するよう構成されている(図12等参照)。これにより、前記第1駆動モータ116の駆動に伴い前記回転軸部94中心として左右の第1の可動体100,100が同一方向に同時に回転される。
【0048】
(第2の駆動機構125について)
図7〜図13に示すように、前記第2の駆動機構125は、前記上側支持ベース76に配設される駆動モータ126と、前記第2の可動体110を駆動モータ126に連繋接続する第2の駆動伝達手段127,128とから構成され、当該駆動モータ126の駆動に伴い第2の可動体110が回転駆動されるよう構成されている。また、前記第2の駆動機構125は、前記第2の可動体110毎に個別に設けられており、各第2の駆動機構125の駆動に伴い対応の第2の可動体110が回転駆動されるようになっている。なお、以下の説明では、前記第2の駆動機構125を構成する駆動モータを第2駆動モータ126と指称する。実施例において前記各第2駆動モータ126は、対応する第2の可動体110の後方に位置するよう前記上側支持ベース76の後面側に左右に偏倚して配置されて、各第2駆動モータ126の駆動軸が上側支持ベース76の左右中央側へ向けた姿勢で設置されている。
【0049】
前記第2の駆動伝達手段127,128は、前記第2駆動モータ126の駆動軸に連結される駆動歯車127と、対応する第2の可動体110の外面に取り付けられて駆動歯車127と噛合する円弧状歯車128とから構成されている(図13、図14参照)。ここで、前記各円弧状歯車128は、前記回転軸部94を中心とした円弧状に形成されて、その外縁側に前記駆動歯車127と噛合する歯車部128aが形成されており、前記各第2駆動モータ126の駆動に伴い対応する第2の可動体110が回転軸部94を中心として第1の可動体100と同一方向に回転するよう構成されている。なお、前記上側支持ベース76には、前記各駆動歯車127および円弧状歯車128と対応する位置で前後に開口する連繋孔78(図10参照)が開設されており、該連繋孔78を介して上側支持ベース76の前後に位置する駆動歯車127と円弧状歯車128とを噛合させるようになっている。また、前記円弧状歯車128には、前記回転軸部94を中心とする径方向外方へ向けて突出する位置検出片128bが設けられると共に、該位置検出片128bを検出可能な第2位置検出センサ79が前記上側支持ベース76に配設されている。ここで、前記第2位置検出センサ79は、前記第2の可動体110が前記露出位置にある状態で対応する位置検出片128bを検出するよう構成されている。
【0050】
(第3の可動演出装置130について)
前記第3の可動演出装置130は、図7、図8に示すように、前記装飾カバー体85の前面側に配設された可動体131,132と、前記設置ベース80に配設された駆動源としてのソレノイド133と、該可動体131,132およびソレノイド133を連繋接続する第3の駆動機構135とから構成されている。ここで、前記第3の可動演出装置130の可動体は、前記装飾カバー体85に形成された前記開口部85bの間に配置され、所定範囲で上下移動可能な第3の可動体131と、該第3の可動体131の下方位置で装飾カバー体85に揺動可能に枢支された左右一対の第4の可動体132,132とから構成されて、当該第3の可動体131の上下移動に伴って一対の第4の可動体132,132が連動して揺動するよう第3の可動体131および第4の可動体132が接続されている。なお、図6(a)には、前記第3の可動体131が下方に移動すると共に第4の可動体132が略水平姿勢に保持された状態(初期状態)を実線で示し、該第3の可動体131が上方移動すると共に第4の可動体132の延出端部から下方へ下がった傾斜姿勢に保持された状態を二点鎖線で示してある。なお、前記第3の可動体131は、上下方向に延在するよう前記装飾カバー体85(固定カバー体85a)に形成されたスリット(図示せず)を介して前記上部収容空間81aに突出する連繋軸131a(図7参照)を備えており、該連繋軸131aが前記第3の駆動機構135に連繋接続されている。
【0051】
また、前記ソレノイド133は、図7に示すように、前記上側支持ベース76取り付けられた前記左右一対の第1の可動体100,100の間に位置するよう前記設置ベース80の上面に配設された取付ベース134に、通電により進退移動するプランジャ133aが前後に延在する姿勢で配設されている。すなわち、前記上側支持ベース76取り付けられた前記左右一対の第1の可動体100,100の間に、前記ソレノイド133が位置している。前記第3の駆動機構135は、前記プランジャ133aの突出端部に取り付けられ、該プランジャ133aと一体的に前後移動する第1作動アーム136と、前記ソレノイド133の取付ベース134および第1作動アーム136の前端部に回転可能に枢支され、当該第1作動アーム136の前後移動に伴って揺動する第2作動アーム137とから構成されている。第2作動アーム137は、図7に示すように、上下に延在するアーム部分137aと、前後に延在するアーム部分137bとから略L字状に形成されており、該第2作動アーム137の屈曲位置で前記取付ベース134に枢支されている。そして、第2作動アーム137の上下に延在するアーム部分137aが前記第1作動アーム136に対して回転可能に枢支されると共に、前後に延在するアーム部分137bが、前記第3の可動体131の連繋軸131aに連繋接続されている。すなわち、前記ソレノイド133の駆動に伴って第1作動アーム136が前後移動することで、第2作動アーム137における連繋軸131aと接続部が上下移動して前記第3の可動体131が上下にスライド移動すると共に、前記第4の可動体132が揺動するようになっている。なお、前記プランジャ133aは、図示しないバネ部材により常には前方へ突出した状態に付勢されて、前記第3および第4の可動体131,132を初期状態に保持するようになっている。
【0052】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0053】
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル17を遊技者が回転操作すると、打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された遊技領域20a内に打ち出されて、遊技釘24等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記第1始動入賞装置40または第2始動入賞装置45の始動入賞口に入賞することで、前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせで飾図が表示されると大当りが発生し、大当りが発生する図柄の組み合わせに応じて、前記遊技盤20に設けられた特別入賞装置50が開放されると共に、図柄表示装置18において大当り演出が行われる。
【0054】
そして、前記第1始動入賞装置40または第2始動入賞装置45の始動入賞口41,46に入賞した際に、前記制御装置が所定の制御条件に基づいて前記第1の可動演出装置70の駆動モータ72を作動すると、該第1の可動演出装置70の可動演出体71が揺動軸71aを中心に左右に揺動する。また、前記第1の可動演出装置70には、第2の可動演出装置90および第3の可動演出装置130が配設されており、前記制御装置が所定の制御条件に基づいて第2の可動演出装置90の第1駆動モータ116および第2駆動モータ126を駆動することで、第1の可動体100および第2の可動体110が回転動作すると共に、第3の可動演出装置130のソレノイド133を駆動することで、第3の可動体131が上下移動すると共に第4の可動体132が揺動する。このように、第1の可動演出装置に第2の可動演出装置90や第3の可動演出装置130を配設することで、可動演出体71の動作と第1〜第4の可動体100,110,131,132の動作とを複合させた複雑な演出が可能となり、多彩な遊技演出が可能となる。
【0055】
ここで、前記第2の可動演出装置90は、前記第1の可動体100の外側に、第1の可動体100とは独立して回転動作可能な第2の可動体110を備え、前記装飾カバー体85の開口部85bから第1の可動体100が露出するのを遮蔽する遮蔽位置と、当該開口部85bから退避して第1の可動体100がパチンコ機10の前面に露出する露出位置に第2の可動体110が移動するよう構成してある。このため、前記第1の可動体100の回転・停止状態や、第2の可動体110の回転・停止状態を組み合わせることで、図6(a),(b)に一例を示すように前記開口部85bを介して露出する第1の可動体100および第2の可動体110を切り替えたり、第1の可動体100の一部を第2の可動体110で被覆して開口部85bに露出する割合を容易に変化させることができ、多彩な演出を実現できる。
【0056】
特に、実施例の第2の可動演出装置90では、前記第1の可動体100を球状に形成して、該第1の可動体100の外面の回転方向に離間する位置に複数の異なる識別情報104を表示してあるから、第1の可動体100および第2の可動体110の動作を組み合わせた演出のバリエーションを格段に増やすことができ、より一層多彩な演出が可能となる。例えば、前記第2の可動体110を遮蔽位置に回転移動した状態で、第1の可動体100を回転して前記装飾カバー体85の開口部85bに臨む識別情報104を切り替えて、該第2の可動体110を露出位置に回転することで、遊技者に新鮮な驚きを与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0057】
更に、前記第2の可動演出装置90は、左右に離間した位置に連動して同時に回転する第1の可動体100を備えると共に、各第1の可動体100の外周側に、独立して回転駆動される第2の可動体110を個別に設けてある。これにより、各第1の可動体100および第2の可動体110の夫々の動作を組み合わせることで、従来にない多彩な演出が可能となる。例えば一方の第1の可動体100のみを露出させ、他方の第1の可動体100の一部を第2の可動体110で被覆する状態を容易に創出することができる。更に、開口部85bに露出する第1の可動体100および第2の可動体110を上下に微少に揺動させる動作を組み合わせることもできるから、第1の可動体100および第2の可動体110の動作バリエーションを極めて多彩にすることができる。
【0058】
また、前記第2の可動演出装置90では、前記各第1の可動体100の内部空間103にLED基板97が収容されており、該LED基板97のLED97aを発光することで対応の第1の可動体100を内部から個別に照明し得るよう構成してあるから、第1の可動体100および第2の可動体110の回転動作に加えて、第1の可動体100の発光による演出を組み合わせることで、多彩な演出を行い得る。しかも、前記第1の可動体100には複数の識別情報104が回転方向に設けられているから、開口部85bに臨ませた識別情報104に応じてLED97aを発光した際の装飾が変化し、演出効果の高めることができる。ここで、前記LED基板97に接続する配線は、前記第1の可動体100および第2の可動体110が回転可能に支持される回転軸部94に形成された配線挿通孔94aを挿通させるよう構成されているから、当該第1の可動体100および第2の可動体110の回転時に配線が損傷するのを防止できる。また、第1の可動体100および第2の可動体110とは分離した状態でLED基板97の配線を回転軸部94の配線挿通孔94aに挿通してあるから、配線の引っ掛かり等を確実に防止して第1の可動体100および第2の可動体110を自在に回転駆動させることができる。
【0059】
また、前記第1の可動演出装置70に配設された第3の可動演出装置130は、球状に形成された左右一対の第1の可動体100,100の間に生ずるスペースを利用して駆動源としてのソレノイド133が設置されているから、スペースの有効利用を図りつつ、第3および第4の可動体131,132の動作による多彩な演出を実現できる。しかも、前記第1の可動体100,100の間に生ずるスペースを利用することで、該第3の可動演出装置130を設置しても第1の可動演出装置70の大型化を招来することはない。更に、前記第2の可動演出装置90における前記第1の可動体100および第2の可動体110の動作と、前記第3の可動演出装置130における第3の可動体131および第4の可動体132の動作とを組み合わせることで、より一層多彩なバリエーションの演出が可能となり、演出効果の向上を図り得る。
【0060】
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。以下にその一例を示す。
【0061】
(1) 実施例では、第1の可動体を球体状に形成するようにしたが、これに限られるものではなく、第1の可動体としては、第1の駆動手段の駆動により回転し得るよう構成すれば、平板状に形成してもよく、また円柱や角柱状に形成するようにしてもよい。第1の可動体を平板状に形成した場合には、各平面に識別情報を表示することができる。また、円柱状に第1の可動体を形成する形態では、周面に回転方向に離間するよう識別情報が表示することができる。更に、第1の可動体を角柱状に形成する形態では、周方向の各平面に識別情報を個別に識別情報を表示することで、識別情報を回転方向に離間して設けることが可能である。
(2) 実施例では、第1の可動体を半球の半体を組み合わせて形成したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。まあ、第1の可動体を回転可能に支持する構成としても実施例に示したものである必要はなく、従来公知の各種構成により回転可能に支持するようにすればよい。
(3) 実施例では、第2の可動体を半球状に形成したが、これに限られるものではなく、前記第1の可動体の外周側に配設され、第2の駆動手段の駆動に伴い第1の可動体と同一方向に回転し得るよう構成すれば、平板状に形成してもよく、また円柱や角柱状に形成するようにしてもよい。また、第2の可動体としては、第1の可動体の外周側を完全に囲繞するよう形成することもできる。この場合には、第2の可動体に透視部と非透視部とを形成して、非透視部により第1の可動体を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、透視部を介して第1の可動体を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成される。
(4) 実施例では、第1の可動体を同一の回転軸線上に2つ設けるようにしたが、1つであってもよく、また3つ以上設けるようにしてもよい。また第1の可動体を異なる回転軸線上に位置するよう複数設ける構成とすることも可能である。また、第1の可動体を3つ以上設けた構成にあって、第1の駆動手段の駆動に伴い全ての第1の可動体が同時に回転駆動されるようにしてもよく、一部の第1の可動体のみを第1の駆動手段の駆動に伴い同時に回転駆動されるようにしてもよい。また、複数の第1の可動体を連動させる第1の駆動手段の構成としては、実施例に示したものに限られるものではなく、ベルト機構やリンク機構の従来公知の各種連繋機構を利用して複数の第1の可動体を連動させることも可能である。同様に、第2の可動体を回転駆動する第2の駆動手段の構成としても、従来公知の各種手段を採用し得る。
(5) 実施例では、前記第1の可動体に3つの異なる識別情報を回転方向に離間して設けたが、これに限られるものではなく、2つまたは4つ以上の識別情報を設けるようにして、第1の可動体の回転に伴い、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報を切替え得るよう構成することもできる。
(6) 実施例では、識別情報を第1の可動体にのみ表示するよう構成したが、第2の可動体に識別情報を表示して、第2の可動体の回転に伴い、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報を切替え得るよう構成することもできる。
(7) 実施例では、第1の可動体を中空に形成して内部に発光体としてのLEDを収容するようにしたが、必ずしもLEDを収容する必要はなく、また第1の可動体が中空である必要はない。
(8) 実施例では、第1の可動体および第2の可動体を備えた可動演出装置(第2の可動演出装置)を、別の可動演出装置(第1の可動演出装置)に対して設けるようにしたが、これに限られるものではなく、該第1の可動体および第2の可動体を備えた可動演出装置を独立して配設することも可能である。
(9) 実施例では、遊技盤を合板で形成したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から透明または不透明に形成するようにしてもよい。
(10) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
【符号の説明】
【0062】
90 第2の可動演出装置(可動演出手段)
100 第1の可動体
110 第2の可動体
115 第1の駆動機構(第1の駆動手段)
125 第2の駆動機構(第2の駆動手段)
104 識別情報
【技術分野】
【0001】
この発明は、可動体を動作させて演出を行う可動演出装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状装飾部材(所謂センター役物)が配設されており、この枠状装飾部材の開口部を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾部材の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動演出に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、遊技盤に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
【0003】
また、所要の動作を行う可動体を備えた可動演出装置を配設し、図柄表示装置で行われる遊技演出に合わせて駆動モータを駆動して可動体を動作させることにより、視覚的な演出効果を向上させ、遊技の興趣を高めるようにしたパチンコ機も知られている(例えば、特許文献1参照)。近年ではパチンコ機に可動演出装置を配設する構成にあっては、可動体による演出効果を高めることを目的に、可動演出装置が複数の可動体を備えるよう構成されたものがある。例えば、前述した特許文献1には、前後移動可能な第1の可動体の前側に、左右方向に揺動する第2の可動体を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−29255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機は、前後移動可能な第1の可動体を動作させるために、左右方向に揺動する第2の可動体を予め動作させて、該第1の可動体が移動可能なスペースを空ける必要があり、複数の可動体を備えていても演出が単調なものとなっていた。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、複数の可動体により多彩な演出を行い得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、
動作による演出を行う可動演出装置(90)を備えた遊技機において、
前記可動演出装置(90)は、
第1の駆動手段(115)の駆動により回転する第1の可動体(100)と、
前記第1の可動体(100)の外周側に配設され、第2の駆動手段(125)の駆動に伴い第1の可動体(100)と同一方向に回転可能な第2の可動体(110)とを備え、
前記第2の可動体(110)は、前記第1の可動体(100)を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、該第1の可動体(100)を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成されることを要旨とする。
このように、第1の可動体の外側に、該第1の可動体とは独立して回転動作可能な第2の可動体を設け、第1の可動体を遮蔽する遮蔽位置と当該第1の可動体を露出する露出位置に第2の可動体が移動するよう構成することで、第1の可動体の回転・停止状態や第2の可動体の回転・停止状態により複雑で多彩な演出を実現できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記可動演出装置(90)は、同一の回転軸線上に前記第1の可動体(100)を複数備え、前記第1の駆動手段(115)の駆動に伴い複数の第1の可動体(100)が同時に回転駆動されると共に、各第1の可動体(100)毎に対応して前記第2の可動体(110)が複数設けられて、各第2の可動体(110)毎に前記第2の駆動手段(125)が個別に配設されることを要旨とする。
このように、同時に回転する複数の第1の可動体の外周側に第2の可動体を個別に設けることで、複数の第1の可動体および第2の可動体の動作を組み合わせて多彩な演出が可能となる。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記第1の可動体(100)は、球状に形成されると共に、異なる識別情報(104)が回転方向に離間して複数設けられ、前記第1の駆動手段(115)の駆動に伴い第1の可動体(100)を回転することで、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報(104)を切替え得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、球状に形成した第1の可動体の外面に異なる識別情報を表示することで、第1の可動体および第2の可動体の動作を組み合わせて多彩な演出が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機によれば、複数の可動体の動作を組み合わせた多彩な演出を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤の正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤の背面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤と設置部材とを分解した状態を示す斜視図であって、遊技盤を背面側から示すと共に設置部材を正面側から示す。
【図5】実施例に係る設置部材および可動演出体の分解図であって、設置部材を正面側から示し、可動演出体を背面側から示す。
【図6】実施例に係る可動演出体の正面図であって、(a)は第1の可動体が原位置にあると共に第2の可動体が露出位置にある状態を示し、(b)は第1の可動体が原位置にあり、左側の第2の可動体が遮蔽位置にあると共に右側の第2の可動体が露出位置と遮蔽位置の中間に位置した状態を示す。
【図7】実施例に係る可動演出体を揺動カバー体が被覆位置にある状態で縦断した側断面図である。
【図8】実施例に係る第1の可動演出装置を、装飾カバー体を取り外した状態で示す正面図である。
【図9】実施例に係る上側支持ベースに第2の可動演出装置を配設した状態を示す正面図である。
【図10】実施例に係る上側支持ベースに第2の可動演出装置を配設した状態を示す背面図である。
【図11】実施例に係る上側支持ベースに第2の可動演出装置を配設した状態を示す右側面図である。
【図12】実施例に係る第2の可動演出装置を正面側から視た斜視図である。
【図13】実施例に係る第2の可動演出装置を背面側から視た斜視図である。
【図14】実施例に係る右側の第1および第2の可動体を分解して示す分解斜視図である。
【図15】第1および第2の可動体を図9のA−A線で縦断した断面図であって、(a)は第2の可動体が露出位置にある状態を示し、(b)は第2の可動体が遮蔽位置にある状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置40,45の始動入賞口41,46へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行う図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0014】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aの回動量を操作することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に調整し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、ドットマトリックス式の表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置18や液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。そして、実施例に係る図柄表示装置18には、前記飾図を変動表示可能な図柄表示部(図示せず)が横並び状に3列設けられており、図柄変動演出の開始に伴い各列の飾図が予め定められた変動方向(例えば縦スクロール、横スクロール等)へ変動表示し、所定のタイミングで各列の飾図が全て停止表示されることで、1回の図柄変動演出が終了するようになっている。
【0015】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2〜図4に示すように、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を表面に貼付けて装飾した略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に配設された設置部材60に、前記図柄表示装置18が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面(盤面)には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、ルーター加工等の孔空け加工により前後に貫通する複数の装着口22が開設されており(図4参照)、各装着口22に対して各種の遊技盤20設置部品(例えば、後述する枠状装飾体30、始動入賞装置40、特別入賞装置50、普通入賞装置27等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が設けられている。なお、前記装着口22の形成数や形成位置は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤20設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0016】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図4に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口22に、前後に開口する表示窓口30aが形成された枠状装飾体30が取り付けられている。ここで、前記枠状装飾体30が取り付けられる装着口22は、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの大部分で開口する大型の開口とされ、該装着口22に取り付けられた枠状装飾体30の表示窓口30aを介して前記図柄表示装置18および後述する第1の可動演出装置70が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘24が設けられると共に、枠状装飾体30の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材25が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘24や回転案内部材25に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
【0017】
また、前記遊技盤20において前記枠状装飾体30の下方には、図4に示すように、遊技領域20aの左右幅方向の略中央に装着口22が開設されており、該装着口22に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口41を有する第1始動入賞装置40が取り付けられている。そして、前記遊技盤20において枠状装飾体30の右下方に開設された装着口22に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口を有する特別入賞装置50が取り付けられている。このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞装置41および特別入賞装置50は異なる装着口22に取り付けられている。すなわち、遊技状態に応じて遊技者が操作ハンドル17を操作してパチンコ球の打ち出し位置を変更することで、第1始動入賞装置40または特別入賞装置50にパチンコ球を入賞させ得るよう構成されている。また、前記遊技盤20には、前記特別入賞装置50の上方位置に、前記遊技盤20を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材28が設置される装着口22が開設されており、該ゲート部材28に設けられたゲートセンサ28aによるパチンコ球の検出に基づいて、前記枠状装飾体30に設けられた後述する第2始動入賞装置45の開閉部材47が開閉するよう構成される。また、前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞装置27を取り付ける装着口22が適宜位置に形成されている(実施例では3箇所)。
【0018】
(枠状装飾体30について)
前記枠状装飾体30は、前記遊技盤20に開設された装着口22に沿って延在する環状に形成され、該装着口22に内挿される枠状本体31と、該枠状本体31の前側端部に遊技盤20の表面に当接するよう設けられた固定板32と、当該枠状本体31の前面側に設けられて遊技盤20の前面より前方に突出する庇状部33とを備えている(図2、図4参照)。そして、前記固定板32を遊技盤20の表面に当接させた状態で、固定板32の前側からビス等の固定手段を用いて遊技盤20に固定される。すなわち、前記遊技領域20aに発射されたパチンコ球は、前記枠状装飾体30の庇状部33に沿って左右側部へ案内されることで、該パチンコ球が表示窓口30aを横切って流下するのを規制している。すなわち、実施例のパチンコ機10は、前記操作ハンドル17の操作レバー17aの操作に応じて、操作ハンドル17の操作レバー17aの回動操作量を可変することで、前記枠状装飾体30の左側部をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該枠状装飾体30の右側部をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るよう構成されており、右打ちされた際にパチンコ球が流下する経路中に前記特別入賞装置50およびゲート部材28が配設されている。なお、前記庇状部33は、前記枠状本体31の左側部から上部を経て右側部に至る形態で形成されている。
【0019】
前記枠状装飾体30には、図4に示すように、前記表示窓口30aの内側の左右側部および上部に、発光演出装置34が取り付けられると共に、該枠状装飾体30の下部(開口下縁部)に、パチンコ球が左右に転動可能なステージ35が設けられている。なお、前記枠状装飾体30におけるステージ35の後端部には、前記表示窓口30aの内側へ延出する透明な規制壁30b(図2、図4参照)が設けられており、該ステージ35上を転動するパチンコ球が後方(遊技盤20の裏側)へ移動するのを防止している。また、前記枠状装飾体30には、前記ステージ35の右側方に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口46を有する第2始動入賞装置45が配設されている。
【0020】
(第1始動入賞装置40について)
図2に示すように、前記第1始動入賞装置40は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口41が設けられている。ここで、前記第1始動入賞口41は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が一定の確率で入賞し得るようになっている。そして、前記第1始動入賞口41に入賞したパチンコ球は、制御装置に配線接続された第1始動入賞球検出センサ42(図4、図5参照)で検出されるよう構成されており、該センサ42の検出を契機として所定数の賞球が払い出されると共に大当り抽選が行われて、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18における各図柄表示部の飾図を変動表示して図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18の各図柄表示部に所定の組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で飾図が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置50を所定の開放条件で開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例の第1始動入賞球検出センサ42は、前記設置部材60に設けられた第1始動入賞口41に入賞したパチンコ球の排出通路67(図4、図5参照)に設けられている。
【0021】
(第2始動入賞装置45について)
前記第2始動入賞装置45は、図2に示すように、前記枠状装飾体30の右下部位置に配設されて、該枠状装飾体30の右側方に開口して遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口46を備えている。また、前記第2始動入賞装置45は、前記第2始動入賞口46の右側部に、駆動手段としてのソレノイド48(図4参照)の駆動に伴って揺動する開閉部材47を備えており、該ソレノイド48の駆動に伴って開閉部材47が第2始動入賞口46を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に揺動変位するよう構成されている。すなわち、前記第1始動入賞口41は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が一定の確率で入賞し得るよう構成されると共に、第2始動入賞口46は、開閉部材47の開閉によりパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。なお、前記第2始動入賞装置45のソレノイド48は、パチンコ機10の裏側に配設された制御装置(図示せず)に配線接続されており、前記ゲートセンサ28aによるパチンコ球の検出に基づいて所定の開閉条件に従って駆動制御されるようになっている。そして、前記第2始動入賞口46に入賞したパチンコ球は、制御装置に配線接続された第2始動入賞球検出センサ49(図4、図5参照)で検出されるよう構成されており、該センサ49の検出を契機として所定数の賞球が払い出されると共に大当り抽選が行われて、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18における各図柄表示部の飾図を変動表示して図柄変動演出が実行されるようになっている。実施例の第2始動入賞球検出センサ49は、前記設置部材60に設けられた第2始動入賞口46に入賞したパチンコ球の排出通路67(図4、図5参照)に設けられている。
【0022】
(特別入賞装置50について)
前記特別入賞装置50は、図2、図4に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉53(開閉部材47)を備えており、駆動手段としての図示しない特別入賞ソレノイド52(図4参照)の駆動に伴って開閉扉53が揺動変位することで特別入賞口が開閉するようよう構成されている。なお図2では、前記開閉扉53により特別入賞口が閉鎖された状態を示している。そして、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球は、制御装置に配線接続された図示しない特別入賞球検出センサで検出されるよう構成されており、該特別入賞球検出センサから制御装置への入賞検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では、特別入賞球検出センサは前記特別入賞装置50に設けられている。
【0023】
(設置部材60について)
次に、前記設置部材60に関して説明する。前記設置部材60は、図4,図5に示すように、前記遊技盤20に対向する対向面部61と、該対向面部61の外周縁部から前方に突出する外周壁部62とから前方に開口する箱状に形成されている。また、前記設置部材60には、前記外周壁部62の前端部に、外方へ延出する取付片63が形成されると共に、該取付片63に前後に貫通する貫通孔63aが形成されている。そして、前記取付片63(すなわち外周壁部62の開口前端部)を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、貫通孔63aに後方から挿通したネジ64(図3参照)を遊技盤20に螺挿することで、設置部材60が遊技盤20に固定されるようになっている。そして、前記設置部材60における前記遊技盤20との間に画成される設置空間60aに、各種演出装置や発光装置等の遊技部品が設置されて、設置部材60を基材とする単一のユニットとして扱い得るようになっている。なお、前記取付片63は、前記外周壁部62の全周に設けてもよく、また外周壁部62の適宜位置に形成するようにしてもよい。実施例では、前記設置部材60の左右側面をなす外周壁部62から外方へ延出するよう取付片63が複数箇所形成されている。
【0024】
ここで、前記設置部材60は、前記遊技盤20に形成された各装着口22が前記設置空間60aの内側で開口する大きさに形成されると共に、該遊技盤20に取り付けられた前記枠状装飾体30の表示窓口30aに後方から臨む位置に、前記遊技部品としての第1の可動演出装置70が配設されている(図4参照)。また、前記設置部材60には、前記遊技盤20に取り付けられた各入賞装置27,40,45,50と対応する位置に球排出通路67が設けられており、各入賞装置27,40,45,50に入賞したパチンコ球を対応の排出通路67を介して遊技盤20の下方へ排出案内するよう構成されている。また、前記設置部材60には、図4に示すように、前記枠状装飾体30に設けられた前記規制壁30bの後方に対向する位置に、前記図柄表示装置18が設置部材60の開口前端部に位置するよう配設されて、該図柄表示装置18で行われる図柄変動演出を、該規制壁30bを介して遊技盤20の前側から視認し得るようになっている。
【0025】
(第1の可動演出装置70について)
前記第1の可動演出装置70は、前記枠状装飾体30の表示窓口30aに後方から臨むと共に、該表示窓口30aを略全体的に覆う可動演出体71と、該可動演出体71を動作させる駆動モータ(駆動手段)72とから構成されている(図2〜図4、図5参照)。ここで、前記第1の可動演出装置70を動作させる駆動モータ72は、前記設置部材60の対向面部61の上部位置に、駆動軸を前記設置空間60a内へ突出させた姿勢で取り付けられると共に、該駆動軸に対して径方向へ延在するよう作動アーム73が取り付けられている。
【0026】
また、前記可動演出体71には、背面側の左右中央下部位置に、後方へ突出する揺動軸71aが設けられ、前記設置部材60の対向面部61に形成された軸孔61aに、該揺動軸71aが揺動自在に枢支されている。そして、前記可動演出体71における背面側の左右中央上部位置に、上下にスライド移動自在な連結軸71dが設けられており、前記駆動モータ72の駆動軸72aに取り付けられた前記作動アーム73が連結軸71dに回転可能に連結されている。すなわち、前記駆動モータ72の駆動に伴い前記作動アーム73を回転することで、前記可動演出体71が揺動軸71aを中心として揺動するようになっている。また、前記可動演出体71が初期位置にある状態では、前記作動アーム73が上下方向に延在して前記連結軸71dと揺動軸71aとが鉛直線上で整列するようになっている。このとき、前記可動演出体71の荷重が揺動軸71aに対して鉛直線方向から作用するよう構成されており、当該可動演出体71の荷重による可動演出体71の揺動を防止している。
【0027】
また、前記可動演出体71の背面側には、該可動演出体71の左右側部位置に後方へ突出する支持軸71b,71bが夫々設けられると共に、前記設置部材60には、当該支持軸71b,71bと対応する位置に、前記揺動軸71aを中心とする円弧状に延在するガイド孔61b,61bが夫々形成されており、各支持軸71b,71bがガイド孔61b,61bに沿って摺動し得るよう挿通されている。ここで、前記可動演出体71が初期位置にある状態では、前記各支持軸71b,71bが対応のガイド孔61b,61bの延在長の中間位置に位置するよう構成されており、前記駆動モータ72の駆動に伴い各支持軸71b,71bがガイド孔61b,61bの端部に至る範囲で可動演出体71が初期位置から左右に揺動し得るようになっている。なお、前記各支持軸71b,71bの後端部には、前記ガイド孔61b,61bからの脱落を防止する抜止め部材71c(図3参照)が取り付けられている。
【0028】
また、図4、図5に示すように、前記設置部材60には、前方へ開口する半球状の装飾部材65が設置空間60a内に取り付けられており、前記可動演出体71の後方および側方を装飾部材65で囲繞するよう構成されている。前記装飾部材65の前端部には、径方向延出する鍔状部65aが設けられており、前記設置部材60を遊技盤20に固定した際に、前記枠状装飾体30の枠状本体31の後端部に鍔状部65aが当接するよう構成されている。すなわち、前記設置部材60を遊技盤20に固定した状態では、前記可動演出体71を囲繞する前記装飾部材65により設置空間60a内部を遊技盤20の前側から視認不能に塞ぐことで、遊技盤20の装飾性を損なわないようになっている。なお、実施例の装飾部材65は、左右の半体から構成されて、各半体を前記設置部材60の対向面部61に固定するようになっている。
【0029】
(可動演出体71について)
次に、前記第1の可動演出装置70における可動演出体71の構成について具体的に説明する。前記可動演出体71は、図5〜図7に示すように、前記設置部材60に支持される支持ベース75と、該支持ベース75の前側に配設され、支持ベース75との間に収容空間81a,81bを画成する装飾カバー体85とを備えている。ここで、前記装飾カバー体85は、前記支持ベース75の前側全体を覆って可動演出体71の前面をなすよう構成されており、前記枠状装飾体30の表示窓口30aを介して装飾カバー体85が遊技盤20の前面に露出するようになっている。
【0030】
また、前記支持ベース75は、前記設置部材60の対向面部に対向する上下の支持ベース76,77と、該上下の支持ベース76,77の間に設けられ、前記収容空間81a,81bを上下に区切る設置ベース80とから構成されている。そして、前記下側支持ベース77に前記揺動軸が設けられると共に、上側支持ベース76に前記支持軸が設けられている。なお、前記上下の支持ベース76,77および設置ベース80の夫々は、平板状に形成されており、該設置ベース80の上側に上部収容空間81aが画成され、当該設置ベース80の下側に下部収用空間81bが画成されている。また、前記設置ベース80は、前記可動演出体71が初期位置にある状態で、略水平に延在するよう構成されており、以下の説明において「上」、「下」、「左」、「右」は、前記可動演出体71が初期位置にある状態を基準として指称するものとする。なお、前記上側支持ベース76は、前記設置ベース80の後端縁から上方へ延在するよう取り付けられると共に、前記下側支持ベース77は、設置ベース80の後端縁より前側に偏倚した位置から下方へ延在するよう取り付けられている。
【0031】
(装飾カバー体85について)
前記装飾カバー体85は、図6、図7に示すように、前記上側支持ベース76および設置ベース80の端縁部に整合すると共に前側に膨出する曲面形状に形成された固定カバー体85aを備えており、該上側支持ベース76、設置ベース80および固定カバー体85aで囲まれた上部収容空間81aを画成している。そして、前記上部収容空間81aを画成する上側支持ベース76に、後述する第2の可動演出装置90が設置されている。また、前記上部収容空間81aを画成する前記設置ベース80の上面には、後述する第3の可動演出装置130が設置されている。すなわち、前記第1の可動演出装置70に対して別の可動演出装置90,130が設置されている。また、前記固定カバー体85aには、前記上部収容空間81aを前方に開口する開口部85bが開設されており、該開口部85bを介して前記第2の可動演出装置90を構成する第1および第2の可動体100,110が枠状装飾体30の表示窓口30a内に露出するよう構成されている(図2参照)。ここで、前記固定カバー体85aには、前記開口部85bが左右に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に開設されており、各開口部85bを介して第1および第2の可動体100,110が露出し得るよう構成されている。
【0032】
また、前記装飾カバー体85は、図6〜図7に示すように、前記下側支持ベース77の前側を被覆可能な曲面形状に形成された揺動カバー体85cを備えている。前記揺動カバー体85bは、前記固定カバー体85aの左右両下端部に側方へ突出するよう形成された図示しない軸部に枢支されており、該下側支持ベース77の裏側に設置された駆動モータ88(図5参照)の駆動に伴って揺動カバー体85cの装飾面が正面側を向いて前記下側支持ベース77の前側を被覆する被覆位置と、当該揺動カバー体85cの装飾面が下側を向いて下側支持ベース77の前側を露出する開放位置とに変位し得るよう構成されている。すなわち、前記揺動カバー体85cが被覆位置にある状態で、前記下側支持ベース77、設置ベース80および揺動カバー体85cで囲まれた下部収容空間81bが画成されるようになっている。なお、前記下部収容空間81bには、図7に示すように、発光演出装置83が設置されており、前記揺動カバー体85cの開放位置への揺動に伴って該発光演出装置83が枠状装飾体30の表示窓口30aに露出するようになっている。
【0033】
(第2の可動演出装置90について)
前記第2の可動演出装置(可動演出装置)90は、図7〜図11に示すように、前記上側支持ベース76に回転可能に支持された第1の可動体100と、該該第1の可動体100の外周側に位置するよう上側支持ベース76に回転可能に支持された第2の可動体110と、当該上側支持ベース76に配設されて第1の可動体100に連繋接続する第1の駆動機構(第1の駆動手段)115と、上側支持ベース76に配設されて第2の可動体110に連繋接続する第2の駆動機構(第2の駆動手段)125とを備えており、第1の駆動機構115の駆動に伴い第1の可動体100が回転すると共に、第2の駆動機構125の駆動に伴い第2の可動体110が回転するよう構成されている。すなわち、実施例では、前記支持ベース75(上側支持ベース76)は、前記第2の可動演出装置90の取付基材として機能している。ここで、前記第1の可動体100および第2の可動体110は、前記上部収容空間81a内において前記装飾カバー体85に開設された開口部85bと対応する位置に配置されており、第1の可動体100および第2の可動体110の回転姿勢に応じて装飾カバー体85の開口部85bを介して各可動体100,110を遊技盤20前面側から視認し得るよう構成されている。
【0034】
前記第1の可動体100は、図8、図9、図12〜図14に示すように、前記上側支持ベース76の前面側に配設された軸部材92に対して回転可能に支持されている。前記軸部材92は、前後方向に延在する固定部93と、該固定部93可動体100が回転可能に配設されている。ここで、前記回転軸部94は、前記固定部93の前端部から左右両側方へ同一直線に延出するよう形成されて、各回転軸部94に第1の可動体100が夫々配設されている。すなわち、実施例の第2の可動演出装置90では、左右に離間する位置に一対の第1の可動体100,100を同一の回転軸線上に備えている。また、前記各回転軸部94には、前記固定部93側の端部に、該回転軸部94の周方向に環状に延在する環状突部95が形成されており、該環状突部95に沿って前記第2の可動体110が摺動するよう構成されている。
【0035】
更に、図14に示すように、前記軸部材92には、前記回転軸部94の突出端部に基板取付部96が設けられており、前方へ向けて光を照射するLED(発光体)97aを有するLED基板97が基板取付部96に取り付けられている。このLED基板97は、前記第1の可動体100に画成される内部空間103(後述)に位置するよう配置されており、該第1の可動体100を内側から照明し得るようになっている。また、前記軸部材92(回転軸部94の基板取付部96)には、前記第1の可動体100の原位置を検出する第1位置検出センサ98が取り付けられており、LED基板97と同様に第1の可動体100に画成される内部空間103に収容されている。なお、前記回転軸部94には、軸中心位置に左右に貫通する配線挿通孔94aが形成されており、前記LED基板97および第1位置検出センサ98に接続する配線を、該配線挿通孔94aを介して第1の可動体100の内部空間103に挿通し得るよう構成されている
【0036】
(第1および第2の可動体100,110について)
次に、前記第1の可動体100および第2の可動体110の構成について説明する。なお、前記左右の回転軸部94,94に配設された左右の第1の可動体100,100は、基本的に左右対称の形態で形成されていることから、以下の説明では、右側の回転軸部94に配設される第1の可動体100について説明し、左側の回転軸部94に配設される第1の可動体100については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また同様に、前記左右の回転軸部94,94に配設された第2の可動体110,110は、基本的に左右対称の形態で形成されていることから、以下の説明では、右側の回転軸部94に配設される第2の可動体110について説明し、左側の回転軸部94に配設される第2の可動体110については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
図14に示すように、前記第1の可動体100は、第1半体101および第2半体102を組み付けて構成されている。前記第1半体101および第2半体102は、中心側に開口した半球状に夫々形成されており、該第1半体101および第2半体102を組み付けることで、中空の球体状を呈するよう形成されている。ここで、前記第1半体101には、一方の端縁部に径方向へ突出する固定軸部101aが形成されており、該第1半体101における固定軸部101aと整列する他方の端縁部に、円弧状の凹部101bが形成されると共に該凹部101bを挟んで一対の係止孔101c,101cが軸方向に開設されている。一方、前記第2半体102には、一方の端縁部に前記固定軸部101aを内挿可能な第1の軸挿通孔102aが形成されると共に、該第2半体102における第1の軸挿通孔102aと整列する他方の端縁部に、円弧状の凹部102bが形成されると共に該凹部102bを挟んで一対の係止突部102c,102cが開設されている。そして、前記回転軸部94を挟んで第1半体101および第2半体102を対向配置した状態で、第1半体101の固定軸部101aを第2半体102の第1の軸挿通孔102aに挿通すると共に、該第2半体102の係止突部102c,102cを第1半体101の係止孔101c,101cに嵌合することで、当該回転軸部94に対して第1の可動体100が回転可能に支持されるようになっている。ここで、前記第1半体101および第2半体102を組み付けた状態で、両半体101,102の凹部101b,102bが整合して前記回転軸部94の外周部に摺接する環状の摺動孔を形成して、該回転軸部94に対して第1の可動体100を回転可能に支持するようになっている。なお、前記第1半体101および第2半体102を組み付けた状態で、第1半体101および第2半体102により画成される第1の可動体100の内部空間103の内側に、前記LED基板97が収容され、該LED基板97のLED97aを発光することで、第1の可動体100な内部から照明されるようになっている。
【0038】
また、前記固定軸部101aは、前記第2半体102の第1の軸挿通孔102aに挿通したもとで、前記第2の可動体110に形成された第2の軸挿通孔111aに挿通されると共に、該第2の軸挿通孔111aした固定軸部101aの端部に、前記第1の駆動機構115を構成する作動歯車120が取り付けられている。このように、前記固定軸部101aに作動歯車120を取り付けることで、前記第1の可動体100を構成する第1半体101および第2半体102が分離不能に組み付けられる。また、前記作動歯車120の側面には、前記回転軸部94(固定軸部101a)の軸線上に筒状の軸突部120aが形成されており、当該軸突部120aが後述する支持壁118に形成された支持孔118bに回転可能に挿入されている。すなわち、前記第1の可動体100は、前記回転軸部94および支持壁118に支持されることで、回転時のブレを抑制して安定的な回転を実現するようになっている。なお、前記回転軸部94に第1の可動体100が支持された状態で、前記固定軸部101aが回転軸部94と同一直線状に位置するようになっている。
【0039】
また、前記第1の可動体100には、回転方向に離間する位置に複数の異なる識別情報104が設けられている。具体的には、前記第1の可動体100に複数(実施例では3つ)の表示領域HR1〜HR3(図15参照)が形成されており、各表示領域HR1〜HR3毎に異なる識別情報104が形成されている。なお、図15において、各表示領域HR1〜HR3の形成領域毎に傾斜の異なる斜線で第1の可動体100の断面を表示してある。そして、前記第1の可動体100の回転に伴って前記装飾カバー体85(固定カバー体85a)の開口部85bに臨む各表示領域HR1〜HR3を変更することで、パチンコ機10の前面側に露出する識別情報104が切り替えられるようになっている。実施例では、第1の可動体100に形成される1つの表示領域HR1は、光透過性の高い合成樹脂材により形成されて、前記識別情報104として該表示領域HR1にダイヤカットやシボ加工等の光拡散加工により適宜の模様が形成されている。また、第1の可動体100に形成される2つの表示領域HR2,HR3は、光透過率の高い塗装が当該表示領域HR2,HR3の全面に施されると共に、前記識別情報104としてより光透過率の低い塗装により適宜の図柄が表示されている。すなわち、前記表示領域H1を装飾カバー体85の開口部85bに臨ませた状態で前記LED基板97のLED97aを発光することで、該開口部85bの全体が明るく明輝され、表示領域H2,H3を装飾カバー体85の開口部85bに臨ませた状態でLED97aを発光することで、該開口部85bの内側に夫々の識別情報104に合わせた図柄が浮かび上がるよう明記されるようになっている。なお、実施例では、前記表示領域H2には「○」型の図柄が描かれると共に、別の表示領域H3には「へ」字状の図柄が描かれている。
【0040】
また、実施例では、前記表示領域H1〜H3は、前記第1の可動体100の回転方向に略均等に形成されて、各表示領域H1〜H3の識別情報104が回転方向に離間して位置するよう形成されている。ここで、前記第1の可動体100に表示される識別情報104としては、前述したように絵柄や文字、数字等の図柄を描いたものに限られるものではなく、樹脂加工や塗装等による模様であってもよく、各識別情報104を明瞭に区別し得る形態であればよい。また、前記第1の可動体100(具体的には第2半体102)には、前記第1位置検出センサ98で検出される位置検出部材105が前記内部空間103の内側に位置するよう取り付けられており、該第1位置検出センサ98により位置検出部材105が検出されることで、特定の識別情報104(実施例では「○」型の識別情報104)が前記装飾カバー体85(固定カバー体85a)の開口部85bに臨む原位置が検出されるようになっている。
【0041】
前記第2の可動体110は、図14に示すように、中心側に開口した半球状に形成された本体111と、前記回転軸部94を挟んで本体111に固定される軸受け部材112とを備えており、該回転軸部94に取り付けた状態で第2の可動体110の本体111の内側に前記第1の可動体100が位置するよう構成されている。すなわち、前記第2の可動体110は、前記第1の可動体100よりも僅かに径の大きな半球状に形成されている。ここで、前記第2の可動体110の中心位置は、前記第1の可動体100の中心位置と略一致するよう構成されて、該第2の可動体110が第1の可動体100の外周面に沿って回転移動し得るよう構成されている。前記第2の可動体110の本体111には、前記第1の可動体100の固定軸部101aと対応する位置に、該固定軸部101aを内挿可能な第2の軸挿通孔111aが形成されると共に、該第2の可動体110の本体111における第2の軸挿通孔111aと整列する他方の端縁部に、円弧状の凹部111cが形成されている。そして、前記回転軸部94を挟んで本体111の凹部111cと対応する位置に前記軸受け部材112が固定されるようになっている。
【0042】
すなわち、前記第2の可動体110は、前記第1の可動体100の固定軸部101aを第2の可動体110の本体111における第2の軸挿通孔111aに挿通すると共に、前記回転軸部94を挟んで位置する軸受け部材112を本体111に固定することで、当該回転軸部94に対して回転可能に支持される。そして、前記第2の軸挿通孔111aに挿通された前記第1の可動体100の固定軸部101aに対して前記作動歯車120が固定されており、回転軸部94を中心として相対的に回転可能な状態で、第1の可動体100および第2の可動体110が連結されるようになっている。
【0043】
また、前記第2の可動体110の凹部111cに軸受け部材112を組み付けた状態で、前記回転軸部94に摺接する環状の摺動孔を形成するよう構成されている。前記第2の可動体110の凹部111cおよび軸受け部材112には、内周面側(摺動孔の内周面側)に環状に延在する環状溝部113が形成されており、前記回転軸部94に形成された環状突部95が摺動可能に嵌合するよう構成されている。すなわち、前記第2の可動体110は、前記環状突部95に沿って回転するようになっている。また、前記環状突部95が環状溝部113に嵌合することで、回転軸部94の軸方向に第2の可動体110がずれ動くのを防止している。そして、前記回転軸部94の軸方向への第2の可動体110のずれ動きを防止することで、前記作動歯車120を介して相対的に回転可能に連結された第1の可動体100が回転軸部94の軸方向にずれ動くのも防止している。
【0044】
ここで、前記第2の可動体110は、該第2の可動体110が前記装飾カバー体85の開口部85bに臨んで前記第1の可動体100をパチンコ機10前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置(図15(b)参照)と、該装飾カバー体85の開口部85bの上方側に退避して該第1の可動体100をパチンコ機10前面側から視認可能に露出する露出位置(図15(a)参照)に移動可能に構成される。すなわち、前記第2の可動体110を遮蔽位置および露出位置の範囲で適宜に回転させることで、前記装飾カバー体85の開口部85bを介して第1の可動体100が露出する割合を任意に変化させて演出を行い得るようになっている(図6参照)。なお、図6(a)では、左右の第2の可動体110の夫々を露出位置に変位させて、装飾カバー体85の開口部85bの全体に左右の第1の可動体100,100を臨ませた状態を示し、図6(b)では、左側の第2の可動体110を遮蔽位置に変位させて左側の第1の可動体100をパチンコ機10前面側から視認不能に遮蔽すると共に、右側の第2の可動体110を遮蔽位置および露出位置の中間に変位させて右側の第1の可動体100の半分を装飾カバー体85の開口部85bに臨ませた状態を示している。
【0045】
(第1の駆動機構115について)
次に、前記第1の可動体100を駆動する第1の駆動機構115について説明する。図7〜図14に示すように、前記第1の駆動機構115は、前記上側支持ベース76に配設される駆動モータ116と、前記左右第1の可動体100を駆動モータ116に連繋接続する第1の駆動伝達手段119a〜119c,120,121とから構成され、当該駆動モータ116の駆動に伴い左右一対の第1の可動体100,100が同期して回転駆動されるよう構成されている。なお、以下の説明では、前記第1の駆動機構115を構成する駆動モータを第1駆動モータ116と指称する。実施例において前記第1駆動モータ116は、上側支持ベース76の前面右上部位置に、駆動軸を右側方へ向けた姿勢で設置されている。
【0046】
前記第1の駆動伝達手段119a〜119c,120,121は、前記上側支持ベース76の前面に、前記左右一対の第1の可動体100,100を挟んで対向するよう配設された一対の支持壁118,118の夫々に枢支された複数の歯車119a〜119cと、各第1の可動体100に取り付けられた作動歯車120と、該一対の支持壁118,118に枢支された歯車の1組を連結する連結シャフト121とから構成されている。なお、実施例において前記各支持壁118には、3つの歯車119a〜119cが連続して噛合するよう設けられており、2つの歯車119a,119bが前記上側支持ベース76の前面側で上下に隣接すると共に、上下に隣接した上側の歯車(以下、上側歯車119aという)の後方に隣接して1つの歯車(以下、連結歯車119cという)が位置している。ここで、前記連結歯車119cは、前記各支持壁118において上側支持ベース76の後面側に突出した突出部118aに枢支されており、該上側支持ベース76の後面において、左右の支持壁118,118に枢支された連結歯車119cが前記連結シャフト121で転結されている。そして、右側の支持壁118に設けられた上側歯車119aには、前記第1駆動モータ116の駆動軸が連結されている。すなわち、単一の第1駆動モータ116を駆動することで、左右の支持壁118,118に枢支された各歯車119a〜119cが連動して回転するようになっている。
【0047】
また、前記各支持壁118には、前記軸部材92の回転軸部94の軸線上に位置するよう左右に貫通する支持孔118bが夫々形成されている(図14参照)。そして、前記各支持壁118の支持孔118bには、対応する左右の第1の可動体100に固定された前記作動歯車120の軸突部120aが回転可能に挿通されるようになっている。すなわち、前記第1および第2の可動体100,110は、前記軸部材92の回転軸部94に回転可能に支持されると共に、対応する左右の支持壁118に回転可能に支持されることで、該回転軸部94を中心として安定して回転し得るよう構成されている。また、前記各支持壁118の支持孔118bに前記作動歯車120の軸突部120aを挿通した状態で、前記上下に隣接する下側の歯車(以下、下側歯車119bという)が対応の作動歯車120と噛合するよう構成されている(図12等参照)。これにより、前記第1駆動モータ116の駆動に伴い前記回転軸部94中心として左右の第1の可動体100,100が同一方向に同時に回転される。
【0048】
(第2の駆動機構125について)
図7〜図13に示すように、前記第2の駆動機構125は、前記上側支持ベース76に配設される駆動モータ126と、前記第2の可動体110を駆動モータ126に連繋接続する第2の駆動伝達手段127,128とから構成され、当該駆動モータ126の駆動に伴い第2の可動体110が回転駆動されるよう構成されている。また、前記第2の駆動機構125は、前記第2の可動体110毎に個別に設けられており、各第2の駆動機構125の駆動に伴い対応の第2の可動体110が回転駆動されるようになっている。なお、以下の説明では、前記第2の駆動機構125を構成する駆動モータを第2駆動モータ126と指称する。実施例において前記各第2駆動モータ126は、対応する第2の可動体110の後方に位置するよう前記上側支持ベース76の後面側に左右に偏倚して配置されて、各第2駆動モータ126の駆動軸が上側支持ベース76の左右中央側へ向けた姿勢で設置されている。
【0049】
前記第2の駆動伝達手段127,128は、前記第2駆動モータ126の駆動軸に連結される駆動歯車127と、対応する第2の可動体110の外面に取り付けられて駆動歯車127と噛合する円弧状歯車128とから構成されている(図13、図14参照)。ここで、前記各円弧状歯車128は、前記回転軸部94を中心とした円弧状に形成されて、その外縁側に前記駆動歯車127と噛合する歯車部128aが形成されており、前記各第2駆動モータ126の駆動に伴い対応する第2の可動体110が回転軸部94を中心として第1の可動体100と同一方向に回転するよう構成されている。なお、前記上側支持ベース76には、前記各駆動歯車127および円弧状歯車128と対応する位置で前後に開口する連繋孔78(図10参照)が開設されており、該連繋孔78を介して上側支持ベース76の前後に位置する駆動歯車127と円弧状歯車128とを噛合させるようになっている。また、前記円弧状歯車128には、前記回転軸部94を中心とする径方向外方へ向けて突出する位置検出片128bが設けられると共に、該位置検出片128bを検出可能な第2位置検出センサ79が前記上側支持ベース76に配設されている。ここで、前記第2位置検出センサ79は、前記第2の可動体110が前記露出位置にある状態で対応する位置検出片128bを検出するよう構成されている。
【0050】
(第3の可動演出装置130について)
前記第3の可動演出装置130は、図7、図8に示すように、前記装飾カバー体85の前面側に配設された可動体131,132と、前記設置ベース80に配設された駆動源としてのソレノイド133と、該可動体131,132およびソレノイド133を連繋接続する第3の駆動機構135とから構成されている。ここで、前記第3の可動演出装置130の可動体は、前記装飾カバー体85に形成された前記開口部85bの間に配置され、所定範囲で上下移動可能な第3の可動体131と、該第3の可動体131の下方位置で装飾カバー体85に揺動可能に枢支された左右一対の第4の可動体132,132とから構成されて、当該第3の可動体131の上下移動に伴って一対の第4の可動体132,132が連動して揺動するよう第3の可動体131および第4の可動体132が接続されている。なお、図6(a)には、前記第3の可動体131が下方に移動すると共に第4の可動体132が略水平姿勢に保持された状態(初期状態)を実線で示し、該第3の可動体131が上方移動すると共に第4の可動体132の延出端部から下方へ下がった傾斜姿勢に保持された状態を二点鎖線で示してある。なお、前記第3の可動体131は、上下方向に延在するよう前記装飾カバー体85(固定カバー体85a)に形成されたスリット(図示せず)を介して前記上部収容空間81aに突出する連繋軸131a(図7参照)を備えており、該連繋軸131aが前記第3の駆動機構135に連繋接続されている。
【0051】
また、前記ソレノイド133は、図7に示すように、前記上側支持ベース76取り付けられた前記左右一対の第1の可動体100,100の間に位置するよう前記設置ベース80の上面に配設された取付ベース134に、通電により進退移動するプランジャ133aが前後に延在する姿勢で配設されている。すなわち、前記上側支持ベース76取り付けられた前記左右一対の第1の可動体100,100の間に、前記ソレノイド133が位置している。前記第3の駆動機構135は、前記プランジャ133aの突出端部に取り付けられ、該プランジャ133aと一体的に前後移動する第1作動アーム136と、前記ソレノイド133の取付ベース134および第1作動アーム136の前端部に回転可能に枢支され、当該第1作動アーム136の前後移動に伴って揺動する第2作動アーム137とから構成されている。第2作動アーム137は、図7に示すように、上下に延在するアーム部分137aと、前後に延在するアーム部分137bとから略L字状に形成されており、該第2作動アーム137の屈曲位置で前記取付ベース134に枢支されている。そして、第2作動アーム137の上下に延在するアーム部分137aが前記第1作動アーム136に対して回転可能に枢支されると共に、前後に延在するアーム部分137bが、前記第3の可動体131の連繋軸131aに連繋接続されている。すなわち、前記ソレノイド133の駆動に伴って第1作動アーム136が前後移動することで、第2作動アーム137における連繋軸131aと接続部が上下移動して前記第3の可動体131が上下にスライド移動すると共に、前記第4の可動体132が揺動するようになっている。なお、前記プランジャ133aは、図示しないバネ部材により常には前方へ突出した状態に付勢されて、前記第3および第4の可動体131,132を初期状態に保持するようになっている。
【0052】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0053】
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル17を遊技者が回転操作すると、打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された遊技領域20a内に打ち出されて、遊技釘24等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記第1始動入賞装置40または第2始動入賞装置45の始動入賞口に入賞することで、前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせで飾図が表示されると大当りが発生し、大当りが発生する図柄の組み合わせに応じて、前記遊技盤20に設けられた特別入賞装置50が開放されると共に、図柄表示装置18において大当り演出が行われる。
【0054】
そして、前記第1始動入賞装置40または第2始動入賞装置45の始動入賞口41,46に入賞した際に、前記制御装置が所定の制御条件に基づいて前記第1の可動演出装置70の駆動モータ72を作動すると、該第1の可動演出装置70の可動演出体71が揺動軸71aを中心に左右に揺動する。また、前記第1の可動演出装置70には、第2の可動演出装置90および第3の可動演出装置130が配設されており、前記制御装置が所定の制御条件に基づいて第2の可動演出装置90の第1駆動モータ116および第2駆動モータ126を駆動することで、第1の可動体100および第2の可動体110が回転動作すると共に、第3の可動演出装置130のソレノイド133を駆動することで、第3の可動体131が上下移動すると共に第4の可動体132が揺動する。このように、第1の可動演出装置に第2の可動演出装置90や第3の可動演出装置130を配設することで、可動演出体71の動作と第1〜第4の可動体100,110,131,132の動作とを複合させた複雑な演出が可能となり、多彩な遊技演出が可能となる。
【0055】
ここで、前記第2の可動演出装置90は、前記第1の可動体100の外側に、第1の可動体100とは独立して回転動作可能な第2の可動体110を備え、前記装飾カバー体85の開口部85bから第1の可動体100が露出するのを遮蔽する遮蔽位置と、当該開口部85bから退避して第1の可動体100がパチンコ機10の前面に露出する露出位置に第2の可動体110が移動するよう構成してある。このため、前記第1の可動体100の回転・停止状態や、第2の可動体110の回転・停止状態を組み合わせることで、図6(a),(b)に一例を示すように前記開口部85bを介して露出する第1の可動体100および第2の可動体110を切り替えたり、第1の可動体100の一部を第2の可動体110で被覆して開口部85bに露出する割合を容易に変化させることができ、多彩な演出を実現できる。
【0056】
特に、実施例の第2の可動演出装置90では、前記第1の可動体100を球状に形成して、該第1の可動体100の外面の回転方向に離間する位置に複数の異なる識別情報104を表示してあるから、第1の可動体100および第2の可動体110の動作を組み合わせた演出のバリエーションを格段に増やすことができ、より一層多彩な演出が可能となる。例えば、前記第2の可動体110を遮蔽位置に回転移動した状態で、第1の可動体100を回転して前記装飾カバー体85の開口部85bに臨む識別情報104を切り替えて、該第2の可動体110を露出位置に回転することで、遊技者に新鮮な驚きを与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0057】
更に、前記第2の可動演出装置90は、左右に離間した位置に連動して同時に回転する第1の可動体100を備えると共に、各第1の可動体100の外周側に、独立して回転駆動される第2の可動体110を個別に設けてある。これにより、各第1の可動体100および第2の可動体110の夫々の動作を組み合わせることで、従来にない多彩な演出が可能となる。例えば一方の第1の可動体100のみを露出させ、他方の第1の可動体100の一部を第2の可動体110で被覆する状態を容易に創出することができる。更に、開口部85bに露出する第1の可動体100および第2の可動体110を上下に微少に揺動させる動作を組み合わせることもできるから、第1の可動体100および第2の可動体110の動作バリエーションを極めて多彩にすることができる。
【0058】
また、前記第2の可動演出装置90では、前記各第1の可動体100の内部空間103にLED基板97が収容されており、該LED基板97のLED97aを発光することで対応の第1の可動体100を内部から個別に照明し得るよう構成してあるから、第1の可動体100および第2の可動体110の回転動作に加えて、第1の可動体100の発光による演出を組み合わせることで、多彩な演出を行い得る。しかも、前記第1の可動体100には複数の識別情報104が回転方向に設けられているから、開口部85bに臨ませた識別情報104に応じてLED97aを発光した際の装飾が変化し、演出効果の高めることができる。ここで、前記LED基板97に接続する配線は、前記第1の可動体100および第2の可動体110が回転可能に支持される回転軸部94に形成された配線挿通孔94aを挿通させるよう構成されているから、当該第1の可動体100および第2の可動体110の回転時に配線が損傷するのを防止できる。また、第1の可動体100および第2の可動体110とは分離した状態でLED基板97の配線を回転軸部94の配線挿通孔94aに挿通してあるから、配線の引っ掛かり等を確実に防止して第1の可動体100および第2の可動体110を自在に回転駆動させることができる。
【0059】
また、前記第1の可動演出装置70に配設された第3の可動演出装置130は、球状に形成された左右一対の第1の可動体100,100の間に生ずるスペースを利用して駆動源としてのソレノイド133が設置されているから、スペースの有効利用を図りつつ、第3および第4の可動体131,132の動作による多彩な演出を実現できる。しかも、前記第1の可動体100,100の間に生ずるスペースを利用することで、該第3の可動演出装置130を設置しても第1の可動演出装置70の大型化を招来することはない。更に、前記第2の可動演出装置90における前記第1の可動体100および第2の可動体110の動作と、前記第3の可動演出装置130における第3の可動体131および第4の可動体132の動作とを組み合わせることで、より一層多彩なバリエーションの演出が可能となり、演出効果の向上を図り得る。
【0060】
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。以下にその一例を示す。
【0061】
(1) 実施例では、第1の可動体を球体状に形成するようにしたが、これに限られるものではなく、第1の可動体としては、第1の駆動手段の駆動により回転し得るよう構成すれば、平板状に形成してもよく、また円柱や角柱状に形成するようにしてもよい。第1の可動体を平板状に形成した場合には、各平面に識別情報を表示することができる。また、円柱状に第1の可動体を形成する形態では、周面に回転方向に離間するよう識別情報が表示することができる。更に、第1の可動体を角柱状に形成する形態では、周方向の各平面に識別情報を個別に識別情報を表示することで、識別情報を回転方向に離間して設けることが可能である。
(2) 実施例では、第1の可動体を半球の半体を組み合わせて形成したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。まあ、第1の可動体を回転可能に支持する構成としても実施例に示したものである必要はなく、従来公知の各種構成により回転可能に支持するようにすればよい。
(3) 実施例では、第2の可動体を半球状に形成したが、これに限られるものではなく、前記第1の可動体の外周側に配設され、第2の駆動手段の駆動に伴い第1の可動体と同一方向に回転し得るよう構成すれば、平板状に形成してもよく、また円柱や角柱状に形成するようにしてもよい。また、第2の可動体としては、第1の可動体の外周側を完全に囲繞するよう形成することもできる。この場合には、第2の可動体に透視部と非透視部とを形成して、非透視部により第1の可動体を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、透視部を介して第1の可動体を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成される。
(4) 実施例では、第1の可動体を同一の回転軸線上に2つ設けるようにしたが、1つであってもよく、また3つ以上設けるようにしてもよい。また第1の可動体を異なる回転軸線上に位置するよう複数設ける構成とすることも可能である。また、第1の可動体を3つ以上設けた構成にあって、第1の駆動手段の駆動に伴い全ての第1の可動体が同時に回転駆動されるようにしてもよく、一部の第1の可動体のみを第1の駆動手段の駆動に伴い同時に回転駆動されるようにしてもよい。また、複数の第1の可動体を連動させる第1の駆動手段の構成としては、実施例に示したものに限られるものではなく、ベルト機構やリンク機構の従来公知の各種連繋機構を利用して複数の第1の可動体を連動させることも可能である。同様に、第2の可動体を回転駆動する第2の駆動手段の構成としても、従来公知の各種手段を採用し得る。
(5) 実施例では、前記第1の可動体に3つの異なる識別情報を回転方向に離間して設けたが、これに限られるものではなく、2つまたは4つ以上の識別情報を設けるようにして、第1の可動体の回転に伴い、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報を切替え得るよう構成することもできる。
(6) 実施例では、識別情報を第1の可動体にのみ表示するよう構成したが、第2の可動体に識別情報を表示して、第2の可動体の回転に伴い、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報を切替え得るよう構成することもできる。
(7) 実施例では、第1の可動体を中空に形成して内部に発光体としてのLEDを収容するようにしたが、必ずしもLEDを収容する必要はなく、また第1の可動体が中空である必要はない。
(8) 実施例では、第1の可動体および第2の可動体を備えた可動演出装置(第2の可動演出装置)を、別の可動演出装置(第1の可動演出装置)に対して設けるようにしたが、これに限られるものではなく、該第1の可動体および第2の可動体を備えた可動演出装置を独立して配設することも可能である。
(9) 実施例では、遊技盤を合板で形成したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から透明または不透明に形成するようにしてもよい。
(10) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
【符号の説明】
【0062】
90 第2の可動演出装置(可動演出手段)
100 第1の可動体
110 第2の可動体
115 第1の駆動機構(第1の駆動手段)
125 第2の駆動機構(第2の駆動手段)
104 識別情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作による演出を行う可動演出装置を備えた遊技機において、
前記可動演出装置は、
第1の駆動手段の駆動により回転する第1の可動体と、
前記第1の可動体の外周側に配設され、第2の駆動手段の駆動に伴い第1の可動体と同一方向に回転可能な第2の可動体とを備え、
前記第2の可動体は、前記第1の可動体を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、該第1の可動体を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動演出装置は、同一の回転軸線上に前記第1の可動体を複数備え、前記第1の駆動手段の駆動に伴い複数の第1の可動体が同時に回転駆動されると共に、各第1の可動体毎に対応して前記第2の可動体が複数設けられて、各第2の可動体毎に前記第2の駆動手段が個別に配設される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1の可動体は、球状に形成されると共に、異なる識別情報が回転方向に離間して複数設けられ、前記第1の駆動手段の駆動に伴い第1の可動体を回転することで、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報を切替え得るよう構成された請求項1または2記載の遊技機。
【請求項1】
動作による演出を行う可動演出装置を備えた遊技機において、
前記可動演出装置は、
第1の駆動手段の駆動により回転する第1の可動体と、
前記第1の可動体の外周側に配設され、第2の駆動手段の駆動に伴い第1の可動体と同一方向に回転可能な第2の可動体とを備え、
前記第2の可動体は、前記第1の可動体を遊技機前面側から視認不能に遮蔽する遮蔽位置と、該第1の可動体を遊技機前面側から視認可能に露出する露出位置に移動可能に構成される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動演出装置は、同一の回転軸線上に前記第1の可動体を複数備え、前記第1の駆動手段の駆動に伴い複数の第1の可動体が同時に回転駆動されると共に、各第1の可動体毎に対応して前記第2の可動体が複数設けられて、各第2の可動体毎に前記第2の駆動手段が個別に配設される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1の可動体は、球状に形成されると共に、異なる識別情報が回転方向に離間して複数設けられ、前記第1の駆動手段の駆動に伴い第1の可動体を回転することで、遊技機前面側から視認可能に露出する識別情報を切替え得るよう構成された請求項1または2記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−81720(P2013−81720A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225377(P2011−225377)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]