遊技機
【課題】遊技者が操作手段を操作することで演出を選択可能な遊技機において、より操作性を向上する。
【解決手段】演出表示部50aには、円形の仮想線分L1に沿って6つの選択表示部60a〜60fが等間隔に表示され、現在、遊技者が選択している選択表示部が大きく識別表示される。遊技者が操作手段を回転操作すると、回転角度が15度になるたびに回転操作が検出される。隣接する選択表示部60a、60bの回転方向の位相角度θ1は60度であり、回転操作が4回検出されると、識別表示が選択表示部60aから選択表示部60bに切り換わる。演出表示部50aに8つの選択表示部が表示され、隣接する選択表示部の回転方向の位相角度が45度の場合には、回転操作が3回検出されると識別表示が切り換わる。
【解決手段】演出表示部50aには、円形の仮想線分L1に沿って6つの選択表示部60a〜60fが等間隔に表示され、現在、遊技者が選択している選択表示部が大きく識別表示される。遊技者が操作手段を回転操作すると、回転角度が15度になるたびに回転操作が検出される。隣接する選択表示部60a、60bの回転方向の位相角度θ1は60度であり、回転操作が4回検出されると、識別表示が選択表示部60aから選択表示部60bに切り換わる。演出表示部50aに8つの選択表示部が表示され、隣接する選択表示部の回転方向の位相角度が45度の場合には、回転操作が3回検出されると識別表示が切り換わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作手段を操作することにより演出を選択することができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1、2に示されるように、遊技者が操作可能な操作手段が設けられるとともに、当該操作手段を遊技者が操作することによって、実行される演出を選択可能とした遊技機が知られている。こうした遊技機においては、液晶表示画面等の演出表示部に複数の選択表示部が整列して表示され、遊技者が選択した選択表示部を、他の選択表示部に比べて大きく表示したり点滅表示したりして識別表示することにより、現在選択されている選択表示部を判別可能なようにしている。
【0003】
また、上記の遊技機においては、回転操作可能な所謂ジョグダイヤル等で操作手段が構成されており、遊技者が操作手段を回転操作すると、識別表示される選択表示部すなわち選択中の選択表示部が、順次、切り換わり、最終的に遊技者が選択した選択表示部に対応する演出が実行されることとなる。
【0004】
こうした従来の遊技機は、操作手段の操作受け付け中に有効期間と無効期間とが設けられており、有効期間内に一度操作を受け付けると、その後、数ミリ秒〜数百ミリ秒にわたって操作が無効化され、無効期間が経過すると再び操作が受け付けられるようにしている。このようにすることで、遊技者が操作手段を一定方向に連続的に操作したとしても、一定の間隔で有効な操作が受け付けられることから、選択表示部の識別表示の切り換えが高速でなされてしまうのを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−154617号公報
【特許文献2】特開2009−153884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の遊技機においては、操作手段の操作量と、演出表示部における選択表示部の識別表示の切り換わりとが対応付けられていないため、所望の選択表示部を選択する際に必要となる操作量や操作速度を把握しにくく、場合によっては所望の選択表示部を選択することができないおそれがあり、操作性のより一層の向上が望まれている。
【0007】
本発明は、遊技者が操作手段を操作することで演出を選択可能な遊技機において、より操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者の操作によって所定の操作方向に可動する操作手段と、前記操作手段が前記操作方向に所定量可動するごとに当該操作手段の操作を検出する検出手段と、演出表示部に複数の選択表示部を整列して表示する選択表示部制御手段と、前記複数の選択表示部の中から遊技者が選択している選択表示部を他の選択表示部と判別可能に識別表示するとともに、前記検出手段によって前記操作手段の操作が予め設定された回数検出された場合に、識別表示中の選択表示部に隣接して表示されている選択表示部を前記識別表示に切り換える識別表示制御手段と、前記演出表示部に識別表示されている選択表示部に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出表示部に表示される選択表示部の表示パターンは複数あり、前記複数の表示パターンは、前記演出表示部において同一の配列方向に複数の選択表示部が表示されるとともに当該表示される選択表示部の数を互いに異にし、前記識別表示制御手段は、前記演出表示部に表示される選択表示部の数が相対的に多い場合には、前記選択表示部の数が相対的に少ない場合よりも、前記検出手段による前記操作手段の操作検出回数が少ない回数で、前記識別表示の切り換えを行うことを特徴とする。
【0009】
また、前記複数の選択表示部を通る仮想線分を結んで描かれる形状は、前記操作手段の可動軌跡形状と同一もしくは相似形状であるとよい。
【0010】
また、前記操作手段は回転可能に設けられ、前記検出手段は前記操作手段が所定角度回転するごとに当該操作手段の操作を検出し、前記選択表示部制御手段は、複数の前記選択表示部を円形の仮想線分上に整列して表示するとよい。
【0011】
また、前記識別表示制御手段は、前記操作手段の回転角度が、前記円形の仮想線分の中心点から前記選択表示部の中心に向けて線分を描いたときに隣接する選択表示部それぞれを通る2つの線分がなす角度になると、前記識別表示を前記操作手段の回転方向前方に位置する選択表示部に切り換えるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】扉が開放された状態を示す遊技機の斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】遊技機のブロック図である。
【図4】(a)は演出操作装置を説明する図であり、(b)は回転検出手段を説明する図である。
【図5】大当たりの抽選結果を報知するための変動演出の一例である第1選択演出を説明する図である。
【図6】遊技機の待機中等に実行されるデモ演出の一例である第2選択演出を説明する図である。
【図7】副制御基板における変動パターンコマンド受信処理を示す図である。
【図8】副制御基板における押下検出コマンド受信処理を示す図である。
【図9】副制御基板における回転検出コマンド受信処理を示す図である。
【図10】副制御基板における正転コマンド受信処理を示す図である。
【図11】副制御基板における逆転コマンド受信処理を示す図である。
【図12】副制御基板におけるタイマ更新処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0015】
(遊技機の機械的構成)
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0016】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0017】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0018】
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0019】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0020】
なお、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態、時短遊技状態または非時短遊技状態等)をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会、すなわち、大当たりの抽選の権利を獲得することとなる。
【0021】
また、第2始動口22には、一対の可動片22bが開閉可能に設けられており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、第2始動口22の上方には突起部23が設けられており、一対の可動片22bが閉状態にあるときには、この突起部23によって第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0022】
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0023】
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが大入賞口28を閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが遊技盤8の裏面側に没入して、大入賞口28への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0024】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0025】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部50aには、図示のように演出図柄40a、40b、40cが変動表示され、これら各演出図柄40a、40b、40cの停止表示態様によって大当たりの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
【0026】
また、演出表示部50aの上方には、演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、上記の演出図柄40a、40b、40cの変動表示中などに作動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0027】
また、遊技盤8には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が設けられている。さらに、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作および回転操作を受け付ける演出操作装置56が設けられている。そして、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置53が設けられている。
【0028】
なお、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については説明を省略する。
【0029】
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0030】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0031】
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
【0032】
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
【0033】
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0035】
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
【0036】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0037】
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0038】
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび操作ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0039】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0040】
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。
【0041】
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置53から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を作動させたり演出照明装置54を点灯制御したりする。
【0042】
さらには、電飾制御基板220には、演出操作装置56が押下操作された際に、押下検出スイッチ58aから押下操作検出信号が入力されるとともに、演出操作装置56が回転操作された際に、回転検出手段59aから回転操作検出信号が入力される。このように、電飾制御基板220に押下操作検出信号や回転操作検出信号が入力された場合には、電飾制御基板220は、所定のコマンドを副制御基板200に送信する。
【0043】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
【0044】
次に、上記の演出操作装置56について図4を用いて説明する。図4(a)は演出操作装置56を説明する図であり、図4(b)は回転検出手段59aを説明する図である。図4(a)に示すように、演出操作装置56は、円筒状の筒部57と、筒部57の開口を閉塞するように設けられた押下部58と、筒部57を軸として回転可能に設けられた回転体59と、を備えている。
【0045】
押下部58は、通常、不図示のスプリングの弾性力によって筒部57よりも鉛直上方に突出した位置に保持されており、遊技者の押下操作によってスプリングの弾性力に抗して筒部57内に没入するようになっている。また、回転体59は、筒部57の直径よりも僅かに小径の環状孔59bを有するリング状の部材によって構成されており、筒部57を軸として図中x方向およびy方向に回転自在に可動するようになっている。なお、以下では、図中x方向の回転を正転とよび、図中y方向の回転を逆転とよぶ。
【0046】
そして、筒部57の内部には、押下部58が押下操作されたことを検出する押下検出スイッチ58a(図4においては不図示、図3参照)と、回転体59が回転操作されたことを検出する回転検出手段59a(図4においては不図示、図3参照)と、が設けられている。本実施形態においては、図4(b)に示すように、1回転中に24回のパルス出力がなされる周知のロータリーエンコーダによって回転検出手段59aが構成されている。
【0047】
回転検出手段59aは、回転体59の回転に伴って、90度位相をずらした2相(A相およびB相)のパルスを出力するものであり、回転体59が正転すると、まずA相のパルスが出力されるとともに、A相のパルス出力中にB相のパルスが遅れて出力される。これとは逆に、回転体59が逆転すると、まずB相のパルスが出力されるとともに、B相のパルス出力中にA相のパルスが遅れて出力される。こうしたパルス出力は回転検出手段59aから電飾制御基板220に入力され、電飾制御基板220において、A相およびB相のパルス入力のタイミングから、回転体59が正転しているのか逆転しているのかが判別され、その判別結果に対応する正転コマンドもしくは逆転コマンドが副制御基板200に送信されることとなる。
【0048】
なお、回転検出手段59aの分解能は24パルス/回転であることから、回転体59が15度回転するたびに、回転検出手段59aからパルスが出力されることとなる。換言すれば、遊技者が回転体59を回転操作すると、その操作角度が15度進むたびに、回転体59の回転操作が検出され、正転コマンドまたは逆転コマンドが副制御基板200に送信されることとなる。
【0049】
次に、図5および図6を用いて、上記の演出操作装置56(回転体59)を利用した演出の一例について説明する。図5は、大当たりの抽選結果を報知するための変動演出の一例である第1選択演出を説明する図であり、図6は、遊技機1の待機中等に実行されるデモ演出の一例である第2選択演出を説明する図である。
【0050】
図5に示す第1選択演出は、まず、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出表示部50aに6つの選択表示部60a、60b、60c、60d、60e、60f(以下、全選択表示部を共通して説明する場合には選択表示部60と示す)が表示される。各選択表示部60には、変動演出の種別や内容がそれぞれ記されており、最初に当該画像が表示されたときには、図5(b)に示すように、選択表示部60aが点灯表示され、かつ、他の選択表示部60b〜60fに比べて大きく表示されている。換言すれば、選択表示部60が最初に表示されたときには、選択表示部60aが、他の選択表示部60b〜60fと判別可能に識別表示されている。このように、演出表示部50aに複数の選択表示部60が表示されているときには、選択表示部60のうち、現在、いずれの選択表示部60が選択されているのかを、遊技者が容易に判別できるようにしている。
【0051】
そして、図5(b)に示す状態から、遊技者が回転体59を正転させると、図5(c)に示すように、選択表示部60bが識別表示されるとともに、選択表示部60aが他の選択表示部60c〜60fと同じ態様で表示される。これにより、選択されている選択表示部60が、選択表示部60aから選択表示部60bに切り換わったこと、すなわち、現在、選択表示部60bが選択されていることを遊技者が判別できるようにしている。
【0052】
なお、遊技者がいずれかの選択表示部60を選択することができる時間、すなわち、演出操作装置56の操作有効時間は予め設定されており、当該操作有効時間が経過したときに選択されている選択表示部60に対応する変動演出が、演出表示部50aにおいて実行されることとなる。したがって、この第1選択演出は、当該変動演出の内容を遊技者自身が選択、決定することができる演出となっている。
【0053】
また、図6に示す第2選択演出は、例えば、特別図柄の変動表示が所定時間にわたって開始されない等、遊技機1における遊技の進行が中断された待機状態において、遊技者が演出操作装置56の押下部58を押下操作した場合に開始される。この第2選択演出においては、演出表示部50aに、8つの選択表示部61a、61b、61c、61d、61e、61f、61g、61h(以下、全選択表示部を共通して説明する場合には選択表示部61と示す)が表示される。各選択表示部61には、キャラクタの種別や内容がそれぞれ記されており、最初に当該画像が表示されたときには、図6(b)に示すように、選択表示部61aが点灯表示され、かつ、他の選択表示部61b〜61hに比べて大きく表示されている。換言すれば、選択表示部61が最初に表示されたときには、選択表示部61aが、他の選択表示部61b〜61hと判別可能に識別表示されている。このように、演出表示部50aに複数の選択表示部61が表示されているときには、選択表示部61のうち、現在、いずれの選択表示部61が選択されているのかを、遊技者が容易に判別できるようにしている。
【0054】
そして、図6(b)に示す状態から、遊技者が回転体59を正転させると、図6(c)に示すように、選択表示部61bが識別表示されるとともに、選択表示部61aが他の選択表示部61c〜61hと同じ態様で表示される。これにより、選択されている選択表示部61が、選択表示部61aから選択表示部61bに切り換わったこと、すなわち、現在、選択表示部61bが選択されていることを遊技者が判別できるようにしている。
【0055】
なお、遊技者がいずれかの選択表示部61を選択した状態で、再度、押下部58を押下して決定操作を行うと、以後の遊技の進行中、当該決定した選択表示部61に対応するキャラクタが演出表示部50aに表示されたり、当該キャラクタに係る変動演出が実行されたりすることとなる。したがって、この第2選択演出は、以後の遊技進行中における演出の態様や表示画像等を遊技者自身が選択、決定することができる演出となっている。
【0056】
ここで、図5に示す第1選択演出においては、図5(a)に示すように、選択表示部60の配列方向が円周方向となっており、6つの選択表示部60が、円形の仮想線分L1に沿って等間隔で整列して表示されている。したがって、仮想線分L1の中心点から、各選択表示部60の中心に向けて線分を描いたとき、隣接する選択表示部60それぞれを通る2つの線分がなす角度θ1は60度となる。
【0057】
このとき、上記したように、回転体59の回転操作は、当該回転体59が15度回転するたびに検出される。そこで、本実施形態においては、第1選択演出中、回転検出手段59aから、同一方向の回転操作が4回検出されたところで、選択表示部60の識別表示を切り換えることとしている。これにより、回転体59が約60度回転したところで、選択表示部60の識別表示対象が60度移行することとなり、遊技者の操作と、演出表示部50aに表示されている選択表示部60の識別表示の切り換えとが対応することとなる。
【0058】
一方、図6に示す第2選択演出においては、図6(a)に示すように、選択表示部61の配列方向が円周方向となっており、8つの選択表示部61が、円形の仮想線分L2に沿って等間隔で整列して表示されている。つまり、仮想線分L1を結んで描かれる形状と、仮想線分L2を結んで描かれる形状とは、相似関係をなしている。そして、仮想線分L2の中心点から、各選択表示部61の中心に向けて線分を描いたとき、隣接する選択表示部61それぞれを通る2つの線分がなす角度θ2は45度となる。
【0059】
上記したように、回転体59の回転操作は、当該回転体59が15度回転するたびに検出される。そこで、本実施形態においては、第2選択演出中、回転検出手段59aから、同一方向の回転操作が3回検出されたところで、選択表示部61の識別表示を切り換えることとしている。これにより、回転体59が約45度回転したところで、選択表示部61の識別表示対象が45度移行することとなり、遊技者の操作と、演出表示部50aに表示されている選択表示部61の識別表示の切り換えとが対応することとなる。
【0060】
以上のように、本実施形態においては、選択表示部の表示パターンとして、演出表示部50aにおいて同一の配列方向に複数の選択表示部60、61が表示されるとともに、当該表示される選択表示部60、61の数を互いに異にする表示パターンが少なくとも含まれている。しかも、複数の選択表示部60、61を通る仮想線分L1、L2を結んで描かれる形状は、回転体59の可動軌跡形状と同一もしくは相似形状となっている。
【0061】
そして、演出表示部50aに表示される選択表示部の数が相対的に多い場合(8つの選択表示部60が表示される場合)には、選択表示部の数が相対的に少ない場合(6つの選択表示部61が表示される場合)よりも、回転検出手段59aの操作検出回数が少ない回数で、識別表示の切り換えが行われる。これにより、遊技者による回転体59の回転量と、選択表示部60、61の識別表示の移動量と、が対応することとなり、操作性を向上することができる。
【0062】
しかも、本実施形態においては、回転体59の操作角度が、仮想線分L1、L2上に隣接して表示される選択表示部60、61の回転方向の位相角度と等しくなったところで、各選択表示部60、61の識別表示が切り換えられるので、操作角度と視覚とが対応することとなり、選択表示部60、61を選択する際の操作性を一層向上することができる。以下に、上記の第1選択演出および第2選択演出を実行するための副制御基板200の処理について説明する。
【0063】
図7は、副制御基板200における変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。図7に示す処理は、特別図柄の変動表示の開始時に、主制御基板100から送信される変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。
【0064】
(ステップS101)
主制御基板100から送信される変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU200aは、まず、当該受信した変動パターンコマンドに基づいて、演出表示部50aに表示する変動演出の態様や、音声出力装置53から出力する音声、演出役物装置52の可動態様等を決定する。そして、決定内容に対応する演出実行コマンドを、画像制御基板210および電飾制御基板220に送信する。これにより、当該演出実行コマンドを受信した画像制御基板210および電飾制御基板220において、変動演出を実行する処理がなされることとなる。
【0065】
(ステップS102)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS101で決定した演出が第1選択演出であるかを判定する。その結果、決定した演出が第1選択演出であると判定した場合にはステップS103に処理を移し、決定した演出は第1選択演出ではないと判定した場合には当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0066】
(ステップS103)
上記ステップS102において、決定した演出が第1選択演出であると判定した場合には、サブCPU200aは、サブRAM200cの所定領域に第1選択演出フラグをオンする。この第1選択演出フラグは、現在、第1選択演出が実行されていることを示すものである。
【0067】
(ステップS104)
次に、サブCPU200aは、演出操作装置56(回転体59)の操作を有効とみなす時間を計時すべく、操作有効タイマをセットする。これにより、以後、第1選択演出の開始とともに、演出操作装置56(回転体59)の操作が有効に受け付けられることとなる。
【0068】
図8は、副制御基板200における押下検出コマンド受信処理を説明するフローチャートである。図8に示す処理は、押下検出スイッチ58aによって演出操作装置56(押下部58)の押下操作が検出されて、電飾制御基板220から送信される押下検出コマンドを受信した場合に実行される。
【0069】
(ステップS201)
電飾制御基板220から送信される押下検出コマンドを受信すると、サブCPU200aは、まず、遊技機1が待機中であるかを判定する。その結果、現在、遊技機1が待機中であると判定した場合にはステップS202に処理を移し、遊技機1が待機中ではないと判定した場合にはステップS204に処理を移す。
【0070】
なお、詳しい説明は省略するが、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われないと、主制御基板100から副制御基板200にデモコマンドが送信される。副制御基板200においては、デモコマンドを受信すると、現在の状態が待機中であることを記憶するとともに、演出表示部50aにデモ画面を表示させ、遊技機1が待機中である場合専用の演出を実行することとなる。
【0071】
(ステップS202)
上記ステップS201において、現在、遊技機1が待機中であると判定した場合には、サブCPU200aは、図6(b)に示す画像を演出表示部50aに表示させるための演出実行コマンド等を、画像制御基板210および電飾制御基板220に送信する。これにより、遊技機1の待機中に演出操作装置56(押下部58)が押下操作されたことを契機として、第2選択演出が開始されることとなる。
【0072】
(ステップS203)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの所定領域に第2選択演出フラグをオンする。この第2選択演出フラグは、現在、第2選択演出が実行されていることを示すものである。
【0073】
(ステップS204)
なお、上記ステップS201において、遊技機1は待機中ではないと判定した場合には、サブCPU200aは、演出の進行状況や演出操作装置56の操作有効期間中であるか等を判定して、種々の処理を実行することとなる。
【0074】
図9は、副制御基板200における回転検出コマンド受信処理を説明するフローチャートである。図9に示す処理は、回転検出手段59aによって演出操作装置56(回転体59)の回転操作が検出されて、電飾制御基板220から送信される回転検出コマンドを受信した場合に実行される。
【0075】
(ステップS301)
電飾制御基板220から送信される回転検出コマンドを受信すると、サブCPU200aは、まず、第1選択演出フラグまたは第2選択演出フラグがオンしているかを判定する。その結果、いずれかの選択演出フラグがオンしていると判定した場合にはステップS302に処理を移し、いずれの選択演出フラグもオンしていないと判定した場合には当該回転検出コマンド受信処理を終了する。
【0076】
(ステップS302)
上記ステップS301において、いずれかの選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、受信した回転検出コマンドが正転コマンドであるかを判定する。その結果、正転コマンドを受信したと判定した場合にはステップS310に処理を移し、受信したコマンドは正転コマンドではないと判定した場合にはステップS330に処理を移す。
【0077】
(ステップS310)
上記ステップS302において、受信したコマンドが正転コマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、正転コマンド受信処理を実行する。この正転コマンド受信処理については、図10を用いて詳細に説明する。
【0078】
(ステップS330)
一方、上記ステップS302において、受信したコマンドは正転コマンドではないと判定した場合、すなわち、受信したコマンドが逆転コマンドであった場合には、サブCPU200aは、逆転コマンド受信処理を実行する。この逆転コマンド受信処理については、図11を用いて詳細に説明する。
【0079】
図10は、上記した正転コマンド受信処理を説明するフローチャートである。
【0080】
(ステップS311)
サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた正転カウンタに記憶されている値に「1」加算した値を、当該正転カウンタに記憶する。
【0081】
(ステップS312)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた逆転カウンタに記憶されている値から「1」減算した値を、当該逆転カウンタに記憶する。
【0082】
(ステップS313)
次に、サブCPU200aは、第1選択演出フラグがオンしているかを判定する。その結果、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、ステップS314に処理を移し、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合には、ステップS315に処理を移す。
【0083】
(ステップS314)
上記ステップS313において、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、上記ステップS311で更新された正転カウンタが「4」であるかを判定する。その結果、正転カウンタが「4」であると判定した場合にはステップS316に処理を移し、正転カウンタは「4」ではないと判定した場合には当該正転コマンド受信処理を終了する。
【0084】
(ステップS315)
一方、上記ステップS313において、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合、すなわち、第2選択演出フラグがオンしている場合には、サブCPU200aは、上記ステップS311で更新された正転カウンタが「3」であるかを判定する。その結果、正転カウンタが「3」であると判定した場合にはステップS316に処理を移し、正転カウンタは「3」ではないと判定した場合には当該正転コマンド受信処理を終了する。
【0085】
(ステップS316)
上記ステップS314において正転カウンタが「4」であると判定した場合、もしくは、上記ステップS315において正転カウンタが「3」であると判定した場合には、サブCPU200aは、選択表示部60、61のうち、識別表示対象を切り換えるための切り換えコマンドをセットする。ここでセットされた切り換えコマンドが画像制御基板210に送信されると、画像制御基板210において、演出表示部50aに現在識別表示されている選択表示部60、61に対して正転方向に隣接して表示されている選択表示部60、61を識別表示する処理がなされる。なお、ここでは、切り換え後にいずれの選択表示部が識別表示対象となるかがサブRAM200cに記憶される。
【0086】
(ステップS317)
次に、サブCPU200aは、正転カウンタをリセットする。
【0087】
(ステップS318)
次に、サブCPU200aは、逆転カウンタをリセットする。
【0088】
図11は、上記した逆転コマンド受信処理を説明するフローチャートである。
【0089】
(ステップS331)
サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた逆転カウンタに記憶されている値に「1」加算した値を、当該逆転カウンタに記憶する。
【0090】
(ステップS332)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた正転カウンタに記憶されている値から「1」減算した値を、当該正転カウンタに記憶する。
【0091】
(ステップS333)
次に、サブCPU200aは、第1選択演出フラグがオンしているかを判定する。その結果、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、ステップS334に処理を移し、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合には、ステップS335に処理を移す。
【0092】
(ステップS334)
上記ステップS333において、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、上記ステップS331で更新された逆転カウンタが「4」であるかを判定する。その結果、逆転カウンタが「4」であると判定した場合にはステップS336に処理を移し、逆転カウンタは「4」ではないと判定した場合には当該逆転コマンド受信処理を終了する。
【0093】
(ステップS335)
一方、上記ステップS333において、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合、すなわち、第2選択演出フラグがオンしている場合には、サブCPU200aは、上記ステップS331で更新された逆転カウンタが「3」であるかを判定する。その結果、逆転カウンタが「3」であると判定した場合にはステップS336に処理を移し、逆転カウンタは「3」ではないと判定した場合には当該逆転コマンド受信処理を終了する。
【0094】
(ステップS336)
上記ステップS334において逆転カウンタが「4」であると判定した場合、もしくは、上記ステップS335において逆転カウンタが「3」であると判定した場合には、サブCPU200aは、選択表示部60、61のうち、識別表示対象を切り換えるための切り換えコマンドをセットする。ここでセットされた切り換えコマンドが画像制御基板210に送信されると、画像制御基板210において、演出表示部50aに現在識別表示されている選択表示部60、61に対して逆転方向に隣接して表示されている選択表示部60、61を識別表示する処理がなされる。なお、ここでは、切り換え後にいずれの選択表示部が識別表示対象となるかがサブRAM200cに記憶される。
【0095】
(ステップS337)
次に、サブCPU200aは、正転カウンタをリセットする。
【0096】
(ステップS338)
次に、サブCPU200aは、逆転カウンタをリセットする。
【0097】
図12は、副制御基板200におけるタイマ更新処理を説明するフローチャートである。図12に示す処理は、サブCPU200aのタイマ割込み処理の周期である例えば2msごとに実行される。
【0098】
(ステップS401)
まず、サブCPU200aは、操作有効タイマが作動中であるか、すなわち、操作有効タイマのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、操作有効タイマが作動中であると判定した場合にはステップS402に処理を移し、操作有効タイマは作動中ではないと判定した場合には当該タイマ更新処理を終了する。
【0099】
(ステップS402)
上記ステップS401において、操作有効タイマが作動中であると判定した場合には、サブCPU200aは、操作有効タイマのカウンタ値を所定値減算して更新する。
【0100】
(ステップS403)
次に、サブCPU200aは、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、セットされた操作有効時間が経過したかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合にはステップS404に処理を移し、カウンタ値が「0」ではないと判定した場合には当該タイマ更新処理を終了する。
【0101】
(ステップS404)
上記ステップS403において、カウンタ値が「0」であると判定した場合には、サブCPU200aは、現在、識別表示されている選択表示部60、61に対応する変動演出を実行するための演出実行コマンドをセットする。この演出実行コマンドが画像制御基板210および電飾制御基板220に送信されると、画像制御基板210および電飾制御基板220において、選択された選択表示部60、61に対応する変動演出が実行されることとなる。
【0102】
(ステップS405)
次に、サブCPU200aは、第1選択演出フラグをオフして、当該タイマ更新処理を終了する。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0104】
なお、上記実施形態における演出操作装置56が操作手段に相当する。ここで、上記実施形態においては、演出操作装置56を360度回転操作可能な構成としたが、操作手段は、例えば、一直線上に往復動可能な構成であってもよいし、あるいは、円弧状に往復動可能な構成であってもよい。いずれにしても、操作手段の具体的な形状や構造、可動態様等は限定されるものではなく、所定方向に可動するものであり、その可動過程を段階的に検出可能なものであればよい。
【0105】
また、上記実施形態における回転検出手段59aが検出手段に相当する。
また、上記実施形態において、図7および図8に示す処理を実行して、図5に示す第1選択演出および図6に示す第2選択演出を実行するサブCPU200aが選択表示部制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図10および図11に示す処理を実行するサブCPU200aが識別表示制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図12に示す処理、および、第2選択演出において選択された選択表示部61に対応する演出を実行するための処理を行うサブCPU200aが演出実行手段に相当する。
【0106】
なお、上記実施形態においては、回転体59の操作角度と、隣接して表示される選択表示部60、61の回転方向の位相角度と、が等しく設定されているが、両者は必ずしも等しくなければならないものではない。
また、上記実施形態においては、回転体59の可動軌跡形状、および、選択表示部60、61が整列して表示される際の基準となる仮想線分L1、L2が、いずれも円形であり、互いに同一もしくは相似形状となっている。しかしながら、例えば、上記実施形態と同様に、選択表示部60、61が円形の仮想線分L1、L2に沿って整列して表示される場合において、操作手段が一直線上に往復動するようにしても構わない。このようにしても、遊技者の操作量と、選択表示部60、61の識別表示が切り換わる際の移動量と、が対応することから、従来に比して操作性を向上することができるからである。
【符号の説明】
【0107】
56 演出操作装置(操作手段)
59 回転体
59a 回転検出手段(検出手段)
100 主制御基板
100a メインCPU
100b メインROM
100c メインRAM
200 副制御基板
200a サブCPU
200b サブROM
200c サブRAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作手段を操作することにより演出を選択することができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1、2に示されるように、遊技者が操作可能な操作手段が設けられるとともに、当該操作手段を遊技者が操作することによって、実行される演出を選択可能とした遊技機が知られている。こうした遊技機においては、液晶表示画面等の演出表示部に複数の選択表示部が整列して表示され、遊技者が選択した選択表示部を、他の選択表示部に比べて大きく表示したり点滅表示したりして識別表示することにより、現在選択されている選択表示部を判別可能なようにしている。
【0003】
また、上記の遊技機においては、回転操作可能な所謂ジョグダイヤル等で操作手段が構成されており、遊技者が操作手段を回転操作すると、識別表示される選択表示部すなわち選択中の選択表示部が、順次、切り換わり、最終的に遊技者が選択した選択表示部に対応する演出が実行されることとなる。
【0004】
こうした従来の遊技機は、操作手段の操作受け付け中に有効期間と無効期間とが設けられており、有効期間内に一度操作を受け付けると、その後、数ミリ秒〜数百ミリ秒にわたって操作が無効化され、無効期間が経過すると再び操作が受け付けられるようにしている。このようにすることで、遊技者が操作手段を一定方向に連続的に操作したとしても、一定の間隔で有効な操作が受け付けられることから、選択表示部の識別表示の切り換えが高速でなされてしまうのを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−154617号公報
【特許文献2】特開2009−153884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の遊技機においては、操作手段の操作量と、演出表示部における選択表示部の識別表示の切り換わりとが対応付けられていないため、所望の選択表示部を選択する際に必要となる操作量や操作速度を把握しにくく、場合によっては所望の選択表示部を選択することができないおそれがあり、操作性のより一層の向上が望まれている。
【0007】
本発明は、遊技者が操作手段を操作することで演出を選択可能な遊技機において、より操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者の操作によって所定の操作方向に可動する操作手段と、前記操作手段が前記操作方向に所定量可動するごとに当該操作手段の操作を検出する検出手段と、演出表示部に複数の選択表示部を整列して表示する選択表示部制御手段と、前記複数の選択表示部の中から遊技者が選択している選択表示部を他の選択表示部と判別可能に識別表示するとともに、前記検出手段によって前記操作手段の操作が予め設定された回数検出された場合に、識別表示中の選択表示部に隣接して表示されている選択表示部を前記識別表示に切り換える識別表示制御手段と、前記演出表示部に識別表示されている選択表示部に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出表示部に表示される選択表示部の表示パターンは複数あり、前記複数の表示パターンは、前記演出表示部において同一の配列方向に複数の選択表示部が表示されるとともに当該表示される選択表示部の数を互いに異にし、前記識別表示制御手段は、前記演出表示部に表示される選択表示部の数が相対的に多い場合には、前記選択表示部の数が相対的に少ない場合よりも、前記検出手段による前記操作手段の操作検出回数が少ない回数で、前記識別表示の切り換えを行うことを特徴とする。
【0009】
また、前記複数の選択表示部を通る仮想線分を結んで描かれる形状は、前記操作手段の可動軌跡形状と同一もしくは相似形状であるとよい。
【0010】
また、前記操作手段は回転可能に設けられ、前記検出手段は前記操作手段が所定角度回転するごとに当該操作手段の操作を検出し、前記選択表示部制御手段は、複数の前記選択表示部を円形の仮想線分上に整列して表示するとよい。
【0011】
また、前記識別表示制御手段は、前記操作手段の回転角度が、前記円形の仮想線分の中心点から前記選択表示部の中心に向けて線分を描いたときに隣接する選択表示部それぞれを通る2つの線分がなす角度になると、前記識別表示を前記操作手段の回転方向前方に位置する選択表示部に切り換えるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】扉が開放された状態を示す遊技機の斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】遊技機のブロック図である。
【図4】(a)は演出操作装置を説明する図であり、(b)は回転検出手段を説明する図である。
【図5】大当たりの抽選結果を報知するための変動演出の一例である第1選択演出を説明する図である。
【図6】遊技機の待機中等に実行されるデモ演出の一例である第2選択演出を説明する図である。
【図7】副制御基板における変動パターンコマンド受信処理を示す図である。
【図8】副制御基板における押下検出コマンド受信処理を示す図である。
【図9】副制御基板における回転検出コマンド受信処理を示す図である。
【図10】副制御基板における正転コマンド受信処理を示す図である。
【図11】副制御基板における逆転コマンド受信処理を示す図である。
【図12】副制御基板におけるタイマ更新処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0015】
(遊技機の機械的構成)
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0016】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0017】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0018】
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0019】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0020】
なお、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態、時短遊技状態または非時短遊技状態等)をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会、すなわち、大当たりの抽選の権利を獲得することとなる。
【0021】
また、第2始動口22には、一対の可動片22bが開閉可能に設けられており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、第2始動口22の上方には突起部23が設けられており、一対の可動片22bが閉状態にあるときには、この突起部23によって第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0022】
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0023】
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが大入賞口28を閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが遊技盤8の裏面側に没入して、大入賞口28への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0024】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0025】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部50aには、図示のように演出図柄40a、40b、40cが変動表示され、これら各演出図柄40a、40b、40cの停止表示態様によって大当たりの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
【0026】
また、演出表示部50aの上方には、演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、上記の演出図柄40a、40b、40cの変動表示中などに作動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0027】
また、遊技盤8には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が設けられている。さらに、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作および回転操作を受け付ける演出操作装置56が設けられている。そして、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置53が設けられている。
【0028】
なお、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については説明を省略する。
【0029】
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0030】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0031】
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
【0032】
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
【0033】
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0035】
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
【0036】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0037】
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0038】
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび操作ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0039】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0040】
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。
【0041】
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置53から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を作動させたり演出照明装置54を点灯制御したりする。
【0042】
さらには、電飾制御基板220には、演出操作装置56が押下操作された際に、押下検出スイッチ58aから押下操作検出信号が入力されるとともに、演出操作装置56が回転操作された際に、回転検出手段59aから回転操作検出信号が入力される。このように、電飾制御基板220に押下操作検出信号や回転操作検出信号が入力された場合には、電飾制御基板220は、所定のコマンドを副制御基板200に送信する。
【0043】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
【0044】
次に、上記の演出操作装置56について図4を用いて説明する。図4(a)は演出操作装置56を説明する図であり、図4(b)は回転検出手段59aを説明する図である。図4(a)に示すように、演出操作装置56は、円筒状の筒部57と、筒部57の開口を閉塞するように設けられた押下部58と、筒部57を軸として回転可能に設けられた回転体59と、を備えている。
【0045】
押下部58は、通常、不図示のスプリングの弾性力によって筒部57よりも鉛直上方に突出した位置に保持されており、遊技者の押下操作によってスプリングの弾性力に抗して筒部57内に没入するようになっている。また、回転体59は、筒部57の直径よりも僅かに小径の環状孔59bを有するリング状の部材によって構成されており、筒部57を軸として図中x方向およびy方向に回転自在に可動するようになっている。なお、以下では、図中x方向の回転を正転とよび、図中y方向の回転を逆転とよぶ。
【0046】
そして、筒部57の内部には、押下部58が押下操作されたことを検出する押下検出スイッチ58a(図4においては不図示、図3参照)と、回転体59が回転操作されたことを検出する回転検出手段59a(図4においては不図示、図3参照)と、が設けられている。本実施形態においては、図4(b)に示すように、1回転中に24回のパルス出力がなされる周知のロータリーエンコーダによって回転検出手段59aが構成されている。
【0047】
回転検出手段59aは、回転体59の回転に伴って、90度位相をずらした2相(A相およびB相)のパルスを出力するものであり、回転体59が正転すると、まずA相のパルスが出力されるとともに、A相のパルス出力中にB相のパルスが遅れて出力される。これとは逆に、回転体59が逆転すると、まずB相のパルスが出力されるとともに、B相のパルス出力中にA相のパルスが遅れて出力される。こうしたパルス出力は回転検出手段59aから電飾制御基板220に入力され、電飾制御基板220において、A相およびB相のパルス入力のタイミングから、回転体59が正転しているのか逆転しているのかが判別され、その判別結果に対応する正転コマンドもしくは逆転コマンドが副制御基板200に送信されることとなる。
【0048】
なお、回転検出手段59aの分解能は24パルス/回転であることから、回転体59が15度回転するたびに、回転検出手段59aからパルスが出力されることとなる。換言すれば、遊技者が回転体59を回転操作すると、その操作角度が15度進むたびに、回転体59の回転操作が検出され、正転コマンドまたは逆転コマンドが副制御基板200に送信されることとなる。
【0049】
次に、図5および図6を用いて、上記の演出操作装置56(回転体59)を利用した演出の一例について説明する。図5は、大当たりの抽選結果を報知するための変動演出の一例である第1選択演出を説明する図であり、図6は、遊技機1の待機中等に実行されるデモ演出の一例である第2選択演出を説明する図である。
【0050】
図5に示す第1選択演出は、まず、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出表示部50aに6つの選択表示部60a、60b、60c、60d、60e、60f(以下、全選択表示部を共通して説明する場合には選択表示部60と示す)が表示される。各選択表示部60には、変動演出の種別や内容がそれぞれ記されており、最初に当該画像が表示されたときには、図5(b)に示すように、選択表示部60aが点灯表示され、かつ、他の選択表示部60b〜60fに比べて大きく表示されている。換言すれば、選択表示部60が最初に表示されたときには、選択表示部60aが、他の選択表示部60b〜60fと判別可能に識別表示されている。このように、演出表示部50aに複数の選択表示部60が表示されているときには、選択表示部60のうち、現在、いずれの選択表示部60が選択されているのかを、遊技者が容易に判別できるようにしている。
【0051】
そして、図5(b)に示す状態から、遊技者が回転体59を正転させると、図5(c)に示すように、選択表示部60bが識別表示されるとともに、選択表示部60aが他の選択表示部60c〜60fと同じ態様で表示される。これにより、選択されている選択表示部60が、選択表示部60aから選択表示部60bに切り換わったこと、すなわち、現在、選択表示部60bが選択されていることを遊技者が判別できるようにしている。
【0052】
なお、遊技者がいずれかの選択表示部60を選択することができる時間、すなわち、演出操作装置56の操作有効時間は予め設定されており、当該操作有効時間が経過したときに選択されている選択表示部60に対応する変動演出が、演出表示部50aにおいて実行されることとなる。したがって、この第1選択演出は、当該変動演出の内容を遊技者自身が選択、決定することができる演出となっている。
【0053】
また、図6に示す第2選択演出は、例えば、特別図柄の変動表示が所定時間にわたって開始されない等、遊技機1における遊技の進行が中断された待機状態において、遊技者が演出操作装置56の押下部58を押下操作した場合に開始される。この第2選択演出においては、演出表示部50aに、8つの選択表示部61a、61b、61c、61d、61e、61f、61g、61h(以下、全選択表示部を共通して説明する場合には選択表示部61と示す)が表示される。各選択表示部61には、キャラクタの種別や内容がそれぞれ記されており、最初に当該画像が表示されたときには、図6(b)に示すように、選択表示部61aが点灯表示され、かつ、他の選択表示部61b〜61hに比べて大きく表示されている。換言すれば、選択表示部61が最初に表示されたときには、選択表示部61aが、他の選択表示部61b〜61hと判別可能に識別表示されている。このように、演出表示部50aに複数の選択表示部61が表示されているときには、選択表示部61のうち、現在、いずれの選択表示部61が選択されているのかを、遊技者が容易に判別できるようにしている。
【0054】
そして、図6(b)に示す状態から、遊技者が回転体59を正転させると、図6(c)に示すように、選択表示部61bが識別表示されるとともに、選択表示部61aが他の選択表示部61c〜61hと同じ態様で表示される。これにより、選択されている選択表示部61が、選択表示部61aから選択表示部61bに切り換わったこと、すなわち、現在、選択表示部61bが選択されていることを遊技者が判別できるようにしている。
【0055】
なお、遊技者がいずれかの選択表示部61を選択した状態で、再度、押下部58を押下して決定操作を行うと、以後の遊技の進行中、当該決定した選択表示部61に対応するキャラクタが演出表示部50aに表示されたり、当該キャラクタに係る変動演出が実行されたりすることとなる。したがって、この第2選択演出は、以後の遊技進行中における演出の態様や表示画像等を遊技者自身が選択、決定することができる演出となっている。
【0056】
ここで、図5に示す第1選択演出においては、図5(a)に示すように、選択表示部60の配列方向が円周方向となっており、6つの選択表示部60が、円形の仮想線分L1に沿って等間隔で整列して表示されている。したがって、仮想線分L1の中心点から、各選択表示部60の中心に向けて線分を描いたとき、隣接する選択表示部60それぞれを通る2つの線分がなす角度θ1は60度となる。
【0057】
このとき、上記したように、回転体59の回転操作は、当該回転体59が15度回転するたびに検出される。そこで、本実施形態においては、第1選択演出中、回転検出手段59aから、同一方向の回転操作が4回検出されたところで、選択表示部60の識別表示を切り換えることとしている。これにより、回転体59が約60度回転したところで、選択表示部60の識別表示対象が60度移行することとなり、遊技者の操作と、演出表示部50aに表示されている選択表示部60の識別表示の切り換えとが対応することとなる。
【0058】
一方、図6に示す第2選択演出においては、図6(a)に示すように、選択表示部61の配列方向が円周方向となっており、8つの選択表示部61が、円形の仮想線分L2に沿って等間隔で整列して表示されている。つまり、仮想線分L1を結んで描かれる形状と、仮想線分L2を結んで描かれる形状とは、相似関係をなしている。そして、仮想線分L2の中心点から、各選択表示部61の中心に向けて線分を描いたとき、隣接する選択表示部61それぞれを通る2つの線分がなす角度θ2は45度となる。
【0059】
上記したように、回転体59の回転操作は、当該回転体59が15度回転するたびに検出される。そこで、本実施形態においては、第2選択演出中、回転検出手段59aから、同一方向の回転操作が3回検出されたところで、選択表示部61の識別表示を切り換えることとしている。これにより、回転体59が約45度回転したところで、選択表示部61の識別表示対象が45度移行することとなり、遊技者の操作と、演出表示部50aに表示されている選択表示部61の識別表示の切り換えとが対応することとなる。
【0060】
以上のように、本実施形態においては、選択表示部の表示パターンとして、演出表示部50aにおいて同一の配列方向に複数の選択表示部60、61が表示されるとともに、当該表示される選択表示部60、61の数を互いに異にする表示パターンが少なくとも含まれている。しかも、複数の選択表示部60、61を通る仮想線分L1、L2を結んで描かれる形状は、回転体59の可動軌跡形状と同一もしくは相似形状となっている。
【0061】
そして、演出表示部50aに表示される選択表示部の数が相対的に多い場合(8つの選択表示部60が表示される場合)には、選択表示部の数が相対的に少ない場合(6つの選択表示部61が表示される場合)よりも、回転検出手段59aの操作検出回数が少ない回数で、識別表示の切り換えが行われる。これにより、遊技者による回転体59の回転量と、選択表示部60、61の識別表示の移動量と、が対応することとなり、操作性を向上することができる。
【0062】
しかも、本実施形態においては、回転体59の操作角度が、仮想線分L1、L2上に隣接して表示される選択表示部60、61の回転方向の位相角度と等しくなったところで、各選択表示部60、61の識別表示が切り換えられるので、操作角度と視覚とが対応することとなり、選択表示部60、61を選択する際の操作性を一層向上することができる。以下に、上記の第1選択演出および第2選択演出を実行するための副制御基板200の処理について説明する。
【0063】
図7は、副制御基板200における変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。図7に示す処理は、特別図柄の変動表示の開始時に、主制御基板100から送信される変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。
【0064】
(ステップS101)
主制御基板100から送信される変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU200aは、まず、当該受信した変動パターンコマンドに基づいて、演出表示部50aに表示する変動演出の態様や、音声出力装置53から出力する音声、演出役物装置52の可動態様等を決定する。そして、決定内容に対応する演出実行コマンドを、画像制御基板210および電飾制御基板220に送信する。これにより、当該演出実行コマンドを受信した画像制御基板210および電飾制御基板220において、変動演出を実行する処理がなされることとなる。
【0065】
(ステップS102)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS101で決定した演出が第1選択演出であるかを判定する。その結果、決定した演出が第1選択演出であると判定した場合にはステップS103に処理を移し、決定した演出は第1選択演出ではないと判定した場合には当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0066】
(ステップS103)
上記ステップS102において、決定した演出が第1選択演出であると判定した場合には、サブCPU200aは、サブRAM200cの所定領域に第1選択演出フラグをオンする。この第1選択演出フラグは、現在、第1選択演出が実行されていることを示すものである。
【0067】
(ステップS104)
次に、サブCPU200aは、演出操作装置56(回転体59)の操作を有効とみなす時間を計時すべく、操作有効タイマをセットする。これにより、以後、第1選択演出の開始とともに、演出操作装置56(回転体59)の操作が有効に受け付けられることとなる。
【0068】
図8は、副制御基板200における押下検出コマンド受信処理を説明するフローチャートである。図8に示す処理は、押下検出スイッチ58aによって演出操作装置56(押下部58)の押下操作が検出されて、電飾制御基板220から送信される押下検出コマンドを受信した場合に実行される。
【0069】
(ステップS201)
電飾制御基板220から送信される押下検出コマンドを受信すると、サブCPU200aは、まず、遊技機1が待機中であるかを判定する。その結果、現在、遊技機1が待機中であると判定した場合にはステップS202に処理を移し、遊技機1が待機中ではないと判定した場合にはステップS204に処理を移す。
【0070】
なお、詳しい説明は省略するが、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われないと、主制御基板100から副制御基板200にデモコマンドが送信される。副制御基板200においては、デモコマンドを受信すると、現在の状態が待機中であることを記憶するとともに、演出表示部50aにデモ画面を表示させ、遊技機1が待機中である場合専用の演出を実行することとなる。
【0071】
(ステップS202)
上記ステップS201において、現在、遊技機1が待機中であると判定した場合には、サブCPU200aは、図6(b)に示す画像を演出表示部50aに表示させるための演出実行コマンド等を、画像制御基板210および電飾制御基板220に送信する。これにより、遊技機1の待機中に演出操作装置56(押下部58)が押下操作されたことを契機として、第2選択演出が開始されることとなる。
【0072】
(ステップS203)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの所定領域に第2選択演出フラグをオンする。この第2選択演出フラグは、現在、第2選択演出が実行されていることを示すものである。
【0073】
(ステップS204)
なお、上記ステップS201において、遊技機1は待機中ではないと判定した場合には、サブCPU200aは、演出の進行状況や演出操作装置56の操作有効期間中であるか等を判定して、種々の処理を実行することとなる。
【0074】
図9は、副制御基板200における回転検出コマンド受信処理を説明するフローチャートである。図9に示す処理は、回転検出手段59aによって演出操作装置56(回転体59)の回転操作が検出されて、電飾制御基板220から送信される回転検出コマンドを受信した場合に実行される。
【0075】
(ステップS301)
電飾制御基板220から送信される回転検出コマンドを受信すると、サブCPU200aは、まず、第1選択演出フラグまたは第2選択演出フラグがオンしているかを判定する。その結果、いずれかの選択演出フラグがオンしていると判定した場合にはステップS302に処理を移し、いずれの選択演出フラグもオンしていないと判定した場合には当該回転検出コマンド受信処理を終了する。
【0076】
(ステップS302)
上記ステップS301において、いずれかの選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、受信した回転検出コマンドが正転コマンドであるかを判定する。その結果、正転コマンドを受信したと判定した場合にはステップS310に処理を移し、受信したコマンドは正転コマンドではないと判定した場合にはステップS330に処理を移す。
【0077】
(ステップS310)
上記ステップS302において、受信したコマンドが正転コマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、正転コマンド受信処理を実行する。この正転コマンド受信処理については、図10を用いて詳細に説明する。
【0078】
(ステップS330)
一方、上記ステップS302において、受信したコマンドは正転コマンドではないと判定した場合、すなわち、受信したコマンドが逆転コマンドであった場合には、サブCPU200aは、逆転コマンド受信処理を実行する。この逆転コマンド受信処理については、図11を用いて詳細に説明する。
【0079】
図10は、上記した正転コマンド受信処理を説明するフローチャートである。
【0080】
(ステップS311)
サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた正転カウンタに記憶されている値に「1」加算した値を、当該正転カウンタに記憶する。
【0081】
(ステップS312)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた逆転カウンタに記憶されている値から「1」減算した値を、当該逆転カウンタに記憶する。
【0082】
(ステップS313)
次に、サブCPU200aは、第1選択演出フラグがオンしているかを判定する。その結果、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、ステップS314に処理を移し、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合には、ステップS315に処理を移す。
【0083】
(ステップS314)
上記ステップS313において、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、上記ステップS311で更新された正転カウンタが「4」であるかを判定する。その結果、正転カウンタが「4」であると判定した場合にはステップS316に処理を移し、正転カウンタは「4」ではないと判定した場合には当該正転コマンド受信処理を終了する。
【0084】
(ステップS315)
一方、上記ステップS313において、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合、すなわち、第2選択演出フラグがオンしている場合には、サブCPU200aは、上記ステップS311で更新された正転カウンタが「3」であるかを判定する。その結果、正転カウンタが「3」であると判定した場合にはステップS316に処理を移し、正転カウンタは「3」ではないと判定した場合には当該正転コマンド受信処理を終了する。
【0085】
(ステップS316)
上記ステップS314において正転カウンタが「4」であると判定した場合、もしくは、上記ステップS315において正転カウンタが「3」であると判定した場合には、サブCPU200aは、選択表示部60、61のうち、識別表示対象を切り換えるための切り換えコマンドをセットする。ここでセットされた切り換えコマンドが画像制御基板210に送信されると、画像制御基板210において、演出表示部50aに現在識別表示されている選択表示部60、61に対して正転方向に隣接して表示されている選択表示部60、61を識別表示する処理がなされる。なお、ここでは、切り換え後にいずれの選択表示部が識別表示対象となるかがサブRAM200cに記憶される。
【0086】
(ステップS317)
次に、サブCPU200aは、正転カウンタをリセットする。
【0087】
(ステップS318)
次に、サブCPU200aは、逆転カウンタをリセットする。
【0088】
図11は、上記した逆転コマンド受信処理を説明するフローチャートである。
【0089】
(ステップS331)
サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた逆転カウンタに記憶されている値に「1」加算した値を、当該逆転カウンタに記憶する。
【0090】
(ステップS332)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cに設けられた正転カウンタに記憶されている値から「1」減算した値を、当該正転カウンタに記憶する。
【0091】
(ステップS333)
次に、サブCPU200aは、第1選択演出フラグがオンしているかを判定する。その結果、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、ステップS334に処理を移し、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合には、ステップS335に処理を移す。
【0092】
(ステップS334)
上記ステップS333において、第1選択演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU200aは、上記ステップS331で更新された逆転カウンタが「4」であるかを判定する。その結果、逆転カウンタが「4」であると判定した場合にはステップS336に処理を移し、逆転カウンタは「4」ではないと判定した場合には当該逆転コマンド受信処理を終了する。
【0093】
(ステップS335)
一方、上記ステップS333において、第1選択演出フラグはオンしていないと判定した場合、すなわち、第2選択演出フラグがオンしている場合には、サブCPU200aは、上記ステップS331で更新された逆転カウンタが「3」であるかを判定する。その結果、逆転カウンタが「3」であると判定した場合にはステップS336に処理を移し、逆転カウンタは「3」ではないと判定した場合には当該逆転コマンド受信処理を終了する。
【0094】
(ステップS336)
上記ステップS334において逆転カウンタが「4」であると判定した場合、もしくは、上記ステップS335において逆転カウンタが「3」であると判定した場合には、サブCPU200aは、選択表示部60、61のうち、識別表示対象を切り換えるための切り換えコマンドをセットする。ここでセットされた切り換えコマンドが画像制御基板210に送信されると、画像制御基板210において、演出表示部50aに現在識別表示されている選択表示部60、61に対して逆転方向に隣接して表示されている選択表示部60、61を識別表示する処理がなされる。なお、ここでは、切り換え後にいずれの選択表示部が識別表示対象となるかがサブRAM200cに記憶される。
【0095】
(ステップS337)
次に、サブCPU200aは、正転カウンタをリセットする。
【0096】
(ステップS338)
次に、サブCPU200aは、逆転カウンタをリセットする。
【0097】
図12は、副制御基板200におけるタイマ更新処理を説明するフローチャートである。図12に示す処理は、サブCPU200aのタイマ割込み処理の周期である例えば2msごとに実行される。
【0098】
(ステップS401)
まず、サブCPU200aは、操作有効タイマが作動中であるか、すなわち、操作有効タイマのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、操作有効タイマが作動中であると判定した場合にはステップS402に処理を移し、操作有効タイマは作動中ではないと判定した場合には当該タイマ更新処理を終了する。
【0099】
(ステップS402)
上記ステップS401において、操作有効タイマが作動中であると判定した場合には、サブCPU200aは、操作有効タイマのカウンタ値を所定値減算して更新する。
【0100】
(ステップS403)
次に、サブCPU200aは、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、セットされた操作有効時間が経過したかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合にはステップS404に処理を移し、カウンタ値が「0」ではないと判定した場合には当該タイマ更新処理を終了する。
【0101】
(ステップS404)
上記ステップS403において、カウンタ値が「0」であると判定した場合には、サブCPU200aは、現在、識別表示されている選択表示部60、61に対応する変動演出を実行するための演出実行コマンドをセットする。この演出実行コマンドが画像制御基板210および電飾制御基板220に送信されると、画像制御基板210および電飾制御基板220において、選択された選択表示部60、61に対応する変動演出が実行されることとなる。
【0102】
(ステップS405)
次に、サブCPU200aは、第1選択演出フラグをオフして、当該タイマ更新処理を終了する。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0104】
なお、上記実施形態における演出操作装置56が操作手段に相当する。ここで、上記実施形態においては、演出操作装置56を360度回転操作可能な構成としたが、操作手段は、例えば、一直線上に往復動可能な構成であってもよいし、あるいは、円弧状に往復動可能な構成であってもよい。いずれにしても、操作手段の具体的な形状や構造、可動態様等は限定されるものではなく、所定方向に可動するものであり、その可動過程を段階的に検出可能なものであればよい。
【0105】
また、上記実施形態における回転検出手段59aが検出手段に相当する。
また、上記実施形態において、図7および図8に示す処理を実行して、図5に示す第1選択演出および図6に示す第2選択演出を実行するサブCPU200aが選択表示部制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図10および図11に示す処理を実行するサブCPU200aが識別表示制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図12に示す処理、および、第2選択演出において選択された選択表示部61に対応する演出を実行するための処理を行うサブCPU200aが演出実行手段に相当する。
【0106】
なお、上記実施形態においては、回転体59の操作角度と、隣接して表示される選択表示部60、61の回転方向の位相角度と、が等しく設定されているが、両者は必ずしも等しくなければならないものではない。
また、上記実施形態においては、回転体59の可動軌跡形状、および、選択表示部60、61が整列して表示される際の基準となる仮想線分L1、L2が、いずれも円形であり、互いに同一もしくは相似形状となっている。しかしながら、例えば、上記実施形態と同様に、選択表示部60、61が円形の仮想線分L1、L2に沿って整列して表示される場合において、操作手段が一直線上に往復動するようにしても構わない。このようにしても、遊技者の操作量と、選択表示部60、61の識別表示が切り換わる際の移動量と、が対応することから、従来に比して操作性を向上することができるからである。
【符号の説明】
【0107】
56 演出操作装置(操作手段)
59 回転体
59a 回転検出手段(検出手段)
100 主制御基板
100a メインCPU
100b メインROM
100c メインRAM
200 副制御基板
200a サブCPU
200b サブROM
200c サブRAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作によって所定の操作方向に可動する操作手段と、
前記操作手段が前記操作方向に所定量可動するごとに当該操作手段の操作を検出する検出手段と、
演出表示部に複数の選択表示部を整列して表示する選択表示部制御手段と、
前記複数の選択表示部の中から遊技者が選択している選択表示部を他の選択表示部と判別可能に識別表示するとともに、前記検出手段によって前記操作手段の操作が予め設定された回数検出された場合に、識別表示中の選択表示部に隣接して表示されている選択表示部を前記識別表示に切り換える識別表示制御手段と、
前記演出表示部に識別表示されている選択表示部に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備え、
前記演出表示部に表示される選択表示部の表示パターンは複数あり、前記複数の表示パターンは、前記演出表示部において同一の配列方向に複数の選択表示部が表示されるとともに当該表示される選択表示部の数を互いに異にし、
前記識別表示制御手段は、
前記演出表示部に表示される選択表示部の数が相対的に多い場合には、前記選択表示部の数が相対的に少ない場合よりも、前記検出手段による前記操作手段の操作検出回数が少ない回数で、前記識別表示の切り換えを行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記複数の選択表示部を通る仮想線分を結んで描かれる形状は、前記操作手段の可動軌跡形状と同一もしくは相似形状であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作手段は回転可能に設けられ、
前記検出手段は前記操作手段が所定角度回転するごとに当該操作手段の操作を検出し、
前記選択表示部制御手段は、複数の前記選択表示部を円形の仮想線分上に整列して表示することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記識別表示制御手段は、
前記操作手段の回転角度が、前記円形の仮想線分の中心点から前記選択表示部の中心に向けて線分を描いたときに隣接する選択表示部それぞれを通る2つの線分がなす角度になると、前記識別表示を前記操作手段の回転方向前方に位置する選択表示部に切り換えることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項1】
遊技者の操作によって所定の操作方向に可動する操作手段と、
前記操作手段が前記操作方向に所定量可動するごとに当該操作手段の操作を検出する検出手段と、
演出表示部に複数の選択表示部を整列して表示する選択表示部制御手段と、
前記複数の選択表示部の中から遊技者が選択している選択表示部を他の選択表示部と判別可能に識別表示するとともに、前記検出手段によって前記操作手段の操作が予め設定された回数検出された場合に、識別表示中の選択表示部に隣接して表示されている選択表示部を前記識別表示に切り換える識別表示制御手段と、
前記演出表示部に識別表示されている選択表示部に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備え、
前記演出表示部に表示される選択表示部の表示パターンは複数あり、前記複数の表示パターンは、前記演出表示部において同一の配列方向に複数の選択表示部が表示されるとともに当該表示される選択表示部の数を互いに異にし、
前記識別表示制御手段は、
前記演出表示部に表示される選択表示部の数が相対的に多い場合には、前記選択表示部の数が相対的に少ない場合よりも、前記検出手段による前記操作手段の操作検出回数が少ない回数で、前記識別表示の切り換えを行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記複数の選択表示部を通る仮想線分を結んで描かれる形状は、前記操作手段の可動軌跡形状と同一もしくは相似形状であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作手段は回転可能に設けられ、
前記検出手段は前記操作手段が所定角度回転するごとに当該操作手段の操作を検出し、
前記選択表示部制御手段は、複数の前記選択表示部を円形の仮想線分上に整列して表示することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記識別表示制御手段は、
前記操作手段の回転角度が、前記円形の仮想線分の中心点から前記選択表示部の中心に向けて線分を描いたときに隣接する選択表示部それぞれを通る2つの線分がなす角度になると、前記識別表示を前記操作手段の回転方向前方に位置する選択表示部に切り換えることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【公開番号】特開2013−85907(P2013−85907A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232226(P2011−232226)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
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