説明

遊技機

【課題】低コストで磁石による不正行為を検出し得ると共に、磁気センサの存在を知られることがないようにした遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤12は、透明板と裏ユニット22とから構成される。透明板には、始動入賞装置が配設される。透明板には、始動入賞装置に向けてパチンコ球を誘導可能な誘導路を形成する複数の遊技釘が植設されている。透明板の裏側にある裏ユニット22には、支持口部42aが形成された飾り部材42が配設されており、当該飾り部材42の支持口部42aに磁気センサ44を挿通することで、当該磁気センサ44の少なくとも上部の一部を覆うよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技球の入賞を契機として図柄表示装置による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置を備える遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域に装飾部材が配設され、該装飾部材に形成した開口部に、機裏側に配設した液晶式やドラム式等の図柄表示装置の表示部を臨ませると共に、該図柄表示装置による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置が遊技領域に配設されている。そして、始動入賞装置へのパチンコ球の入賞に基づいて、前記図柄表示装置で図柄組み合わせゲームやリーチ演出が行なわれ、表示部に所定の図柄が停止表示されたときに、大当り遊技状態を発生させて、遊技者に多くの賞球を獲得するチャンスを与えるようになっている。
【0003】
前記パチンコ機において、遊技者は前記始動入賞装置への入賞に期待を持って遊技を行なっているが、遊技領域を流下するパチンコ球が始動入賞装置に向けて流れていく確率が低いと、遊技者の期待感も低下してパチンコ機として飽きられてしまう。そこで、遊技盤に植設する遊技釘によって、遊技領域を流下するパチンコ球を始動入賞装置に向けて高確率で誘導可能な誘導路を形成して、遊技者の期待感を維持し得るようにしたパチンコ機が提案されている。
【0004】
ここで、パチンコ遊技場においては、パチンコ機のガラス面に磁石を近づけて遊技領域を流下するパチンコ球を始動入賞装置に直に誘導したり、あるいは所定箇所に集めたりする「磁石によるゴト行為」と称される不正行為が行なわれることがある。例えば、前記誘導路には、始動入賞装置へ誘導されるパチンコ球の確率を調節するための落下口が設けられているが、磁石により誘導路に多数のパチンコ球を集めて落下口をわざと詰まらせることで、始動入賞装置へのパチンコ球の誘導確率を高める不正行為が行なわれる虞がある。
【0005】
前記磁石による不正行為に対して、例えば特許文献1のパチンコ機では、遊技盤または集合樋の裏側に磁気センサを配置し、不正行為を意図してガラス面に磁石を近づけたときに、該磁石の磁気を磁気センサで検出して打球発射装置を停止する等の不正防止対策を講じるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−40078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のパチンコ機では、遊技盤または集合樋の裏側に磁気センサを取付けるようになっているので、遊技盤または集合樋の厚さ分を考慮して、ガラス面に近づけた磁石の磁気を検出できる高性能の磁気センサが必要となり、コストが嵩む問題がある。また、磁気センサが遊技盤または集合樋から後方に突出するため、他の部材の取付けの障害となったり、該磁気センサを保護する部品が別途必要となる等の難点も指摘される。
【0008】
なお、遊技盤に設けた貫通孔に磁気センサを嵌挿することで、該磁気センサとガラス面との離間距離を短かくして、検出感度が低い磁気センサを使用し得るようにすることが考えられる。しかるに、この場合は遊技者から磁気センサが見えてしまい、見栄えが低下するばかりか、不正行為者に磁気センサの位置が知られてしまうために、該磁気センサを避けるように不正行為が行なわれる虞がある。
【0009】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、低コストで磁石による不正行為を検出し得ると共に、磁気センサの存在を知られることがないようにした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
前側に遊技領域(12a)が画成される遊技盤(12)と、前記遊技盤(12)の裏側に配設され、図柄を変動表示可能な表示部を該遊技盤(12)に設けた可視部を介して前側から視認可能に臨ませる図柄表示装置(14)と、前記遊技盤(12)に配設されて遊技領域(12a)を流下する遊技球が入賞可能で、遊技球の入賞を契機として前記図柄表示装置(14)による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置(27)と、前記遊技盤(12)に植設され、前記始動入賞装置(27)に向けて遊技球を誘導可能であると共にアウト口(36)に向けて遊技球が落下可能な落下口(31a,32a)を有する誘導路(31,32)を形成する複数の遊技釘(30)とを備える遊技機において、
前記遊技盤(12)は、前側に前記遊技領域(12a)が画成されると共に前記始動入賞装置(27)および遊技釘(30)が設けられる板部材(21)の裏側に、前記図柄表示装置(14)が裏側に配設された裏ユニット(22)が取り付けられ、
前記裏ユニット(22)は、前側に開口する箱枠状の枠状本体(40)を有し、当該枠状本体(40)が前記板部材(21)と略整合する大きさおよび形状に形成されており、前記板部材(21)と枠状本体(40)との間の空間部分において前記誘導路(31,32)の下側に臨む位置に、検出部(44a)を板部材(21)に近接して磁気センサ(44)が収容配設され、
前記板部材(21)の裏側に、前記磁気センサ(44)の少なくとも上部の一部を覆う部材(42)を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によれば、板部材と裏ユニットとから遊技盤を構成することで、合板等の単体で形成される遊技盤に比べて遊技領域が画成される板部材の厚みを裏ユニット分だけ薄くすることができ、板部材と裏ユニットとの間に配置した磁気センサと板部材の前面との離間距離を短かくし得る。すなわち、検出感度の低い磁気センサを使用することが可能となり、コストを低減することができる。更に、板部材と裏ユニットとの間に磁気センサを配置したから、遊技盤の後方に磁気センサが突出することはなく、磁気センサが他の部材の取付けの障害となったり、保護する部品が別途必要となることもない。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機によれば、低コストで磁石による不正行為を検出し得ると共に、磁気センサの存在を知られるのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機の外枠および中枠を示す正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤を示す正面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤を透明板と裏ユニットを分解して示す側面図である。
【図5】実施例に係る裏ユニットの要部を示す正面図である。
【図6】実施例に係る磁気センサの組付けに関連する部品を示す分解斜視図である。
【図7】実施例に係る磁気センサの組付けに関連する部品を示す拡大分解斜視図である。
【図8】実施例に係る磁気センサの配設部位の各部品の関係を概略で示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0015】
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される外枠11の開口前面側に、遊技盤12を着脱可能に保持した中枠13が開閉および着脱可能に組付けられて、該遊技盤12の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置14が着脱し得るよう構成される。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板15aを備えた前枠15が開閉可能に組付けられると共に、該前枠15の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿16が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前記前枠15の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿17が一体的に組付けられており、前枠15の開閉に合わせて上球受け皿17も一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
(中枠について)
図2に示すように、前記中枠13は、上縁をなす上枠部材13aと、下縁をなす下枠部材13bと、左側縁をなす左枠部材13cと、右側縁をなす右枠部材13dとから構成されて、これら上下左右の枠部材13a,13b,13c,13dを組み付けた際に、全体が前記外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、前記上下左右の枠部材13a,13b,13c,13dを組み付けた際に前後に開口する開口部分が、前記遊技盤12を設置する遊技盤保持部18として機能する。
【0017】
前記左枠部材13cの開口内側(遊技盤保持部18側)には、図2に示すように、上下に離間する位置に、前記遊技盤12の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具19が複数(実施例では2個であるが、1個あるいは3個以上であってもよい)設けられると共に、上下の枠部材13a,13bにおける右端部(右枠部材13d側)に、遊技盤12の右側上下端部を固定する固定具20が夫々設けられている。すなわち、中枠13に対して遊技盤12は、前記遊技盤保持部18に対して前側から斜めに遊技盤12を臨ませて、該遊技盤12の左側端部を前記回転保持具19,19で保持した状態で、遊技盤12の右側端部を押し込んで遊技盤12の左側端部(回転保持具19,19)を中心に回動させて遊技盤12の全体を遊技盤保持部18に臨ませた状態で、前記固定具20,20で遊技盤12の右側上下端部を前側から支持することで組付けられる。中枠13に組付けられる遊技盤12は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材13a,13b,13cに当接支持された状態で、前記回転保持具19,19および固定具20,20で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。そして、この状態の遊技盤12の前面(後述する透明板21の前面)は、該中枠13に組付けられている前記前枠15のガラス板15aに対して予め設定された距離だけ離間する位置に臨むよう構成されている(図8参照)。
【0018】
(遊技盤について)
前記遊技盤12は、図3または図4に示すように、略正方形に形成されたアクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる平板状の透明板21と、該透明板21の裏側に組付けられる裏ユニット22とから構成される。そして、裏ユニット22の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な前記図柄表示装置14が着脱自在に取付けられると共に、裏ユニット22に形成された前後に開口する可視表示部22a(図6参照)を介して図柄表示装置14の表示部を前面側から視認し得るようになっている。
【0019】
(透明板について)
図3に示すように、前記透明板21の前面には、内レール23と外レール24が半円弧状に配設されて、両レール23,24によりパチンコ球が流下可能な遊技領域12aが透明板前面に画成され、図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域12a内に打ち出されるようになっている。なお、内レール23は、透明板21の左側の上部に開放端を臨ませるよう構成され、打球発射装置から発射されたパチンコ球は、透明板21の下側から左側に両レール23,24で案内され、内レール23の開放端から遊技領域12aの上部に打ち出される。
【0020】
前記透明板21において外レール24の外側の領域には、当該領域を前面から覆う透視不能な合成樹脂材から形成されたコーナー飾り25が夫々設けられている。各コーナー飾り25は、図3に示すように、前記遊技領域12aに臨む内周面が前記外レール24に沿って湾曲形成されている。すなわち、実施例の遊技盤12は、コーナー飾り25が配設されている部分を除く略全ての領域において、前記透明板21を介して裏側が視認し得るよう構成される。
【0021】
前記透明板21の前面には、前記図柄表示装置14において主に図柄変動ゲームが展開される領域を囲む枠状に形成された装飾部材26が配設されている。また透明板21の前面には、前記装飾部材26の配設位置より下方位置に、図1および図3に示す如く、前記遊技領域12aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置27や第1の特別入賞装置28が配設されている。この始動入賞装置27にパチンコ球が入賞することを契機として、図示しない制御手段に前記図柄表示装置14での図柄変動ゲームの開始条件が付与され、該制御手段からの制御信号に基づいて、図柄表示装置14において図柄変動ゲームが展開されるようになっている。そして、該図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置14に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されると、前記第1の特別入賞装置28の開閉板28aが閉状態から開状態に作動して入賞口が開放して所謂大当りが発生し、多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
【0022】
前記始動入賞装置27は、図3に示す如く、上下2段で入賞口27a,27bを備え、上段の上入賞口27aは、常に開放して入賞を許容する単なる口として形成される。これに対し、下段の下入賞口27bは、開閉可能な一対の羽根部材27c,27cにより開閉されるものであって、後述する普通図柄の抽選の結果、当りとなった場合に閉鎖状態の羽根部材27c,27cが開放状態に作動したときにのみ下入賞口27bが開放して入賞可能となるよう構成される。
【0023】
前記透明板21の前面には、前記装飾部材26の左側に臨む遊技領域12aに、該遊技領域12aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート29が配設されている。球通過ゲート29には、該ゲート29を通過するパチンコ球を検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる入球検知信号を出力する普通図柄入球検出手段(図示せず)が配設されている。この普通図柄入球検出手段は、前記制御手段に電気的に接続され、該制御手段は、球通過ゲート29を通過するパチンコ球を普通図柄入球検出手段が検出したことを条件として、前記始動入賞装置27の羽根部材27c,27cを開放するか否かの抽選を行なうよう設定されている。
【0024】
(誘導路について)
前記透明板21の遊技領域12aには、複数の遊技釘30が植設されており、遊技領域12aを流下するパチンコ球は、該遊技釘30によって流下方向が変更されるようになっている。前記始動入賞装置27を挟む左右両側の遊技領域12aには、前記遊技釘30によって始動入賞装置27に向けてパチンコ球を誘導可能な誘導路31,32が形成されている。左右の誘導路31,32の構成は、図3に示すように流路の長さが異なるだけで基本的な構成は同じであるので、左側の誘導路31,32の構成についてのみ説明する。
【0025】
前記誘導路31,32は、上下2段で形成されており、上段誘導路31は、複数の遊技釘30を、始動入賞装置27の上入賞口27aに向けて斜め下方に傾斜する線に沿って透明板21に植設して形成されて、該上段誘導路31に沿って流下するパチンコ球を上入賞口27aに向けて誘導可能に構成される。また下段誘導路32は、始動入賞装置27の下入賞口27bに向けて斜め下方に傾斜する線に沿って複数の遊技釘30を透明板21に植設して形成されて、該下段誘導路32に沿って流下するパチンコ球を下入賞口27bに向けて誘導可能に構成される。上下の誘導路31,32には、その流路の途中に、誘導路31,32に沿って流下するパチンコ球を誘導路外に落下させる複数の落下口31a,32aが設けられており、該落下口31a,32aによって前記上下の入賞口27a,27bへの誘導確率を調節するようになっている。
【0026】
前記透明板21には、前記下段誘導路32の下方位置に、前記第1の特別入賞装置28を挟む左右両側に普通入賞口33が夫々設けられている。実施例では、右側に1つの普通入賞口33が位置するのに対し、左側には3つの普通入賞口33が、前記下段誘導路32に略沿って階段状に配置されている。なお、下段誘導路32と各普通入賞口33との間の遊技領域12aにも複数の遊技釘30が植設されて、各普通入賞口33へのパチンコ球の入賞確率を調節するよう構成される。
【0027】
前記左側に位置する上2つの普通入賞口33,33は、透明板21に配設される側部装飾部品(装飾部品)34に形成されている。この側部装飾部品34は、前面側に所要の装飾が施された不透明な部材であって、透明板21に形成された取付孔21a(図8参照)に前側から嵌挿された状態でネジ止めされている。また、左側の最も下側に位置する普通入賞口33と、右側の普通入賞口33とは、前記第1の特別入賞装置28を下側から囲むように透明板21に配設された中央装飾部品35に形成されている。なお、この中央装飾部品35も、前面側に所要の装飾が施された不透明な部材であって、透明板21に形成された取付孔(図示せず)に前側から嵌挿された状態でネジ止めされる。
【0028】
前記遊技領域12aの最下部には、前記始動入賞装置27、第1および第2の特別入賞装置28,39および各普通入賞口33に入賞することなく流下したパチンコ球を機裏側に排出するアウト口36が形成されている。
【0029】
(装飾部材について)
前記装飾部材26は、透明板21に開設した装着孔(図示せず)に前側から挿入したもとでネジ止めされ、略中央位置に開設した開口部26aを介して、前記図柄表示装置14の表示部が遊技盤12の前側から視認可能に構成される。この装飾部材26の上縁部には、前方に延出する庇部が形成され、前記遊技領域12aに打ち出されたパチンコ球が図柄表示装置14における図柄変動ゲームが展開される領域を横切って流下するのを該庇部で規制するよう構成される。実施例では、装飾部材26の開口部26aに対応する領域が、図柄表示装置14の表示部を前側から視認可能とする遊技盤12の可視部となる。
【0030】
前記装飾部材26の下縁部には、図1および図3に示す如く、枠内に取込まれたパチンコ球を左右に転動可能なステージ37が配設されており、該ステージ37から遊技領域12aに排出されたパチンコ球が、前記始動入賞装置27や普通入賞口33等に入賞可能に構成される。また、装飾部材26におけるステージ37の左側に位置する左側枠部26bには、遊技領域12aを流下するパチンコ球が通入可能な球誘導部38(所謂ワープ通路)が設けられ、該球誘導部38に通入したパチンコ球は、前記ステージ37の左端側に誘導されるようになっている。
【0031】
前記装飾部材26における左側枠部26bの上部に、裏側に配設された図示しない電磁ソレノイド等の駆動手段によって開閉作動される1枚の羽根部材39aを備える第2の特別入賞装置39が配設されている。この第2の特別入賞装置39は、前記始動入賞装置27へのパチンコ球の入賞に基づく前記図柄表示装置14で展開される図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置14に所定の図柄組合わせ(第1の特別入賞装置28で開閉板28aが開放する組合わせとは異なる組合わせ)で図柄が停止表示されたときに羽根部材39aが閉状態から開状態に作動して入賞口(他の入賞口)を開放して所謂大当りが発生し、多数の賞球を獲得し得るよう構成されている。また左側枠部26bの裏側には、前記第2の特別入賞装置39の入賞口に連通する球通路部材(図示せず)が開口部26aに沿って配設されており、入賞口に入賞したパチンコ球を、後述する球排出路部材43に案内するよう構成される。
【0032】
(裏ユニットについて)
前記裏ユニット22は、図4または図6に示す如く、透視不能な合成樹脂材(例えばABS樹脂)から形成されて前側に開口する箱枠状の枠状本体40を有し、該枠状本体40の略中央位置に前記可視表示部22aが矩形状に開設されている。枠状本体40の上下左右の4辺の前端には、外方に向けて透明板21と平行に延出するフランジ部40aが夫々形成されており、このフランジ部40aを含む枠状本体40の全体の外郭形状が、前記透明板21と略整合する大きさおよび形状に形成されている。前記透明板21は、枠状本体40の上下および左右のフランジ部40aの前面に裏面を当接した状態で配設されて、該透明板21の裏面と枠状本体40との間に所要の空間を画成するよう構成してある。そして、透明板21と枠状本体40との間の空間部分に、装飾品や可動体等の各種の部品が収容配置される。
【0033】
前記透明板21と裏ユニット22とからなる遊技盤12は、裏ユニット22のフランジ部40aと透明板21とが当接する部分が、前記中枠13の枠部材13a,13b,13cと前記回転保持具19および固定具20で挟持されるよう構成される。すなわち、フランジ部40aと透明板21とを合わせた厚みが、従来の合板等からなる単体の遊技盤の厚みと同一寸法となっており、中枠13を従来品と共通に使用し得るようになっている。
【0034】
(磁気センサについて)
前記裏ユニット22には、前記透明板21における側部装飾部品34の配設位置に対応する位置に、左側に位置する3つの普通入賞口33に入賞したパチンコ球を排出案内する集合排出樋(排出樋)41が配設されている。集合排出樋41は、図5〜図7に示す如く、前側に開放する樋状に形成されるものであって、各普通入賞口33に対応して上下方向に延在する3つの受部41aと、該3つの受部41aに下端で連通して右方向に下方傾斜する集合部41bとからなり、各受部41aに通入したパチンコ球は、集合部41bを介して遊技盤12の下方に排出されるよう構成される。
【0035】
前記集合排出樋41には、所要形状に形成された飾り部材42が着脱自在に配設されており、該飾り部材42は、一部が前記透明板21を介して前側から視認可能になっている。また集合排出樋41の裏側には、前記球通路部材に連通する球排出路部材43が着脱自在に配設されている。この球排出路部材43は、図6および図7に示す如く、前後に分割可能な前半体43aと後半体43bとから構成され、前半体43aが集合排出樋41に裏側からネジ止めされると共に、該前半体43aに対して後半体43bが裏側からネジ止めされるようになっている。そして、両半体43a,43bを組付けることで、前記球通路部材を流下したパチンコ球を遊技盤12の下方に排出案内するための通路が画成されるよう構成している。
【0036】
前記集合排出樋41、飾り部材42および球排出路部材43に、外部磁石による不正行為を検出するための磁気センサ44が配設されている。この磁気センサ44は、図7および図8に示す如く、前後方向に長尺な角柱状に形成されて内部に磁気素子(図示せず)を配設した本体45と、該本体45の後端部に配設されたコネクタ46とから基本的に構成される。コネクタ46の接続口は後方に開口しており、前記裏ユニット22に配設される中継端子板47に設けたコネクタ接続部(図示せず)にコネクタ46が接続口を介して差込み接続されて、前記制御手段に磁気センサ44が電気的に接続するようになっている。そして、中継端子板47から前方に延出する本体45が、前記集合排出樋41、飾り部材42および球排出路部材43に支持されるように配設されて、該本体45の前端の検出部44aを、前記透明板21の裏面に近接させるようにしてある。なお、磁気素子としては、例えばホール素子や磁気抵抗素子等、磁気を検出し得るものを適宜に採用可能である。
【0037】
前記磁気センサ44の本体45には、図7および図8に示す如く、その後端上部に、本体上面から所定高さだけ下がる段部45aが設けられている。また、本体45におけるコネクタ46の配設位置の前側に、下方に延出する延出部45bが設けられている。
【0038】
前記飾り部材42における前記側部装飾部品34の裏側に臨んで前側から隠れる位置に、図7および図8に示す如く、前記磁気センサ44の本体45が挿通可能な支持口部42aが前後方向に貫通形成されている。また支持口部42aの後方に臨む前記集合排出樋41には、磁気センサ44の本体45を下側から支え受ける凹部(保持部)41cが形成される。更に、前記球排出路部材43には、前記凹部41cの後方に臨む位置に、磁気センサ44の後部を位置決め保持可能な保持部48が形成されており、該保持部48で後部が保持された磁気センサ44における球排出路部材43から前方に延出する本体部分が、前記凹部41cで下方から支持されると共に、支持口部42aに挿通支持されて、前記検出部44aが前記透明板21に対して適正な位置に保持されるよう構成される。なお、前記飾り部材42の支持口部42aは、図5に示す如く、当該飾り部材42を集合排出樋41にネジ止めされる固定部に近接して位置し、支持口部42aに挿通されている磁気センサ44の前端部を安定して支持し得るようにしてある。また磁気センサ44の検出部44aは、図3に示す如く、左右方向に隣り合う普通入賞口33,33の間に位置する側部装飾部品34の後側に臨んでいる。
【0039】
前記球排出路部材43の保持部48は、前半体側に形成される前保持部49と、後半体側に設けられる後保持部50とから構成される。前保持部49は、図7および図8に示す如く、磁気センサ44の本体45を挿通可能な前通孔部49aと、該前通孔部49aの下方に凹設されて後方に開口する前規制部49bとからなり、磁気センサ44の本体45を前通孔部49aに後側から挿通した際に、前記延出部45bの前面が前規制部49bに当接することで、磁気センサ44の前方への移動を規制するよう構成される。そして、前規制部49bに延出部45bが当接して規制された位置で、本体45の前部が前記飾り部材42の支持口部42aに挿通支持されると共に検出部44aが透明板21の裏面に略当接する位置に位置決めされるようになっている。
【0040】
前記後半体43bに形成される後保持部50は、図7および図8に示す如く、磁気センサ44のコネクタ46を挿通可能な後通孔部50aと、該後通孔部50aの上方において下側に向けて突設された後規制部50bとからなり、磁気センサ44のコネクタ46を後通孔部50aに前側から挿通した際に、前記段部45aが後規制部50bに当接することで、該磁気センサ44は前半体43aと後半体43bとで挟持されて位置決め保持されるよう構成される。すなわち、磁気センサ44は、前半体43aに後半体43bを組付けることで位置決め固定され、該磁気センサ44を位置決め固定するためのネジ等を省略し得るようになっている。
【0041】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
【0042】
前記遊技領域12aに打ち出されたパチンコ球は、前記装飾部材26の主に左側の遊技領域12aを、前記複数の遊技釘30によって不規則な流路を流下する。そして、遊技領域12aを流下するパチンコ球が前記球誘導部38に通入すると、該パチンコ球は前記ステージ37に通出され、該ステージ37を左右に転動した後に遊技領域12aに排出され、このパチンコ球は始動入賞装置27の上入賞口27aや普通入賞口33に入賞可能となる。何れの入賞口27a,33にも入賞しなかったパチンコ球は、前記アウト口36から盤裏側に排出される。
【0043】
前記球誘導部38に通入しなかったパチンコ球は、前記左側の上下の誘導路31,32の傾斜上端部に至る。そして、上段誘導路31に導入されたパチンコ球は、前記始動入賞装置27の上入賞口27aに向けて誘導され、該上入賞口27aに入賞可能となる。また下段誘導路32に導入されたパチンコ球は、始動入賞装置27の下入賞口27bに向けて誘導される。なお、前記羽根部材27c,27cが閉鎖状態であれば、下入賞口27bにはパチンコ球が入賞不能な状態であるので、下段誘導路32で誘導されたパチンコ球は遊技領域12aを最下端まで流下して前記アウト口36から盤裏側に排出される。なお、前記上下の誘導路31,32には、複数の落下口31a,32aが形成されているから、該誘導路31,32で誘導される全てのパチンコ球が上下の入賞口27a,27bまで誘導されものではなく、誘導途中で落下口31a,32aから路外に落下する。但し、上段誘導路31の落下口31aから落下したパチンコ球は、下段誘導路32で始動入賞装置27の下入賞口27bに向けて誘導される可能性はある。
【0044】
前記下段誘導路32の落下口32aから落下したパチンコ球は、遊技釘30によって不規則に方向を変えつつ流下し、前記複数の普通入賞口33に入賞可能となる。また普通入賞口33に入賞しなかったパチンコ球は、前記アウト口36から盤裏側に排出される。
【0045】
前記左側の遊技領域12aを流下するパチンコ球が前記球通過ゲート29を通過すると、前記普通図柄入球検出手段の球検出に基づいて前記普通図柄表示装置による抽選が行なわれる。そして、抽選の結果、当りとなった場合は、前記始動入賞装置27の羽根部材27c,27cが開放されて、下入賞口27bへの入賞確率が高まる。始動入賞装置27の上または下の入賞口27a,27bにパチンコ球が入賞すると、前記制御手段の制御信号に基づいて、前記図柄表示装置14の図柄が変動開始され、所要の図柄組合わせゲームが展開される。そして、前記図柄表示装置14で展開される図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置14に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに、前記第1の特別入賞装置28の開閉板28aまたは第2の特別入賞装置39の羽根部材39aが閉状態から開状態に作動することで入賞口を開放して所謂大当りが発生し、多数の賞球の獲得が可能となる。
【0046】
ここで、前記遊技領域12aに打ち出されたパチンコ球が主に流下する前記装飾部材26の左側の領域の下側に位置する誘導路31,32の下側には、複数の普通入賞口33および該普通入賞口33へのパチンコ球の入賞確率を調節する複数の遊技釘30が存在するため、当該領域はパチンコ球を詰まらせ易い構造となっている。このため、下段誘導路31の下側の部分は、不正行為を意図している不正遊技者が、前記上下の誘導路31,32の落下口31a,32aを塞ぐことを目的として、前記ガラス板15aに磁石を近づけてパチンコ球を落下口31aの下側に集め、パチンコ球を遊技釘30や側部装飾部品34の間に詰まらせる行為が行なわれ易い。この場合に、前記普通入賞口33を形成する側部装飾部品34の裏側に、前記磁気センサ44が配設されているから(図3参照)、前記下段誘導路31の下側に臨むガラス板15aに磁石を近づけたときには、該磁石の磁力を磁気センサ44で検出して不正行為が行なわれていることを発見することができる。
【0047】
なお、前記誘導路31,32の落下口31a,32aをパチンコ球で塞ぐ不正行為がなされた場合は、前記始動入賞装置27への入賞確率が異常に上昇するため、遊技店では不正行為を容易に知ることができる。このため、不正遊技者は、磁石を用いて前記普通入賞口33に直にパチンコ球を入賞させることで、賞球を不正に稼ぐ行為を行なう場合がある。しかるに、前記磁気センサ44の検出部44aは、普通入賞口33,33に近接しているから、該普通入賞口33,33に直にパチンコ球を不正入賞させるためにガラス板15aに近づけた磁石の磁気も、該磁気センサ44で検出することができる。すなわち、実施例の磁気センサ44では、始動入賞装置27へのパチンコ球の誘導確率を不正に上げるための行為および普通入賞口33へ直にパチンコ球を不正入賞させる行為の何れをも検出することができる。
【0048】
実施例の遊技盤12は、前述したように透明板21および裏ユニット22から構成されて、透明板21の厚みは、従来の単体の遊技盤より薄くなっているから、該透明板21の裏面に近接配置した磁気センサ44の検出部44aと、前記ガラス板15aとの離間距離は、従来より短かくすることができる。従って、磁気センサ44に要求される検出感度を、従来の単体の遊技盤に用いられるものより低いものを使用しても、離間距離が短かくなったことで同等の検出能力を発揮することができ、コストを低廉に抑えることができる。また磁気センサ44は、前記普通入賞口33が形成されている側部装飾部品34で隠れて前側から視認不能になっているので、盤面の装飾性が低下することはない。更には、不正遊技者に、磁気センサ44の存在や配設位置を認識させないから、当該磁気センサ44で磁気が検出できないような部位での不正が行なわれるのを抑制し得る。しかも、磁気センサ44を隠すための前記側部装飾部品34は、前記普通入賞口33を形成するための部品であるから、磁気センサ44を隠すための専用の部品を省略して部品点数を低減し得ると共にコストを低く抑えることができる。
【0049】
次に、前記磁気センサの配設構造の作用につき説明する。
【0050】
前記磁気センサ44を遊技盤12に組付ける場合は、前記集合排出樋41に飾り部材42および球排出路部材43の前半体43aを夫々ネジ止めする。前記磁気センサ44の本体45を前半体43aの前通孔部49aに後側から挿通すると共に、該前半体43aの前方に突出する本体45の前部を、飾り部材42の支持口部42aに挿通する。このとき、前半体43aと支持口部42aとの間に臨む本体45は、図8に示す如く、前記集合排出樋41の凹部41cで支持される。すなわち、前後方向に長尺な磁気センサ44の本体45は、飾り部材42、集合排出樋41および球排出路部材43の前半体43aにより安定して支持される。
【0051】
次に、前記前半体43aの後方に突出する磁気センサ44のコネクタ46を、後通孔部50aに前側から挿通するように前記後半体43bを前半体43aの後側に位置決めしてネジ止めする。前記磁気センサ44は、前半体43aの前規制部49bに延出部45bが当接して前側への位置規制がなされると共に、該磁気センサ44の前記段部45aが後半体43bの後規制部50bに当接して後側への位置規制がなされる。すなわち、磁気センサ44は、前半体43aと後半体43bとで挟持されて位置決め保持される。従って、磁気センサ44を位置決め固定するためのネジ等を省略することができる。また、磁気センサ44を位置決め保持する前記集合排出樋41、飾り部材42および球排出路部材43は、他の機能を有する構成部品であるから、磁気センサ44を位置決め保持するための専用の部材を省略して部品点数を低減し得ると共にコストを低く抑えることができる。
【0052】
前記磁気センサ44が組付けられた集合排出樋41および球排出路部材43を、前記裏ユニット22における枠状本体40の前側に組付ける。このとき、該枠状本体40に配設されている前記中継端子板47に、磁気センサ44のコネクタ46を接続する。そして、裏ユニット22の前面に前記透明板21を組付けることで、磁気センサ44は、前記透明板21に配設されている前記側部装飾部品34の裏側に位置決めされる。前述したように、球排出路部材43の両半体43a,43bによって後部が前後から挟持されている磁気センサ44の検出部44aは、図8に示す如く、前記透明板21に裏面に略当接する適正な位置に位置決めされるから、前述した磁石を用いた不正行為を確実に検出することができる。しかも、透明板21と裏ユニット22との間に磁気センサ44を配置したから、遊技盤12の後方に磁気センサ44が突出することはなく、遊技盤12の裏側に配設される他の部材の取付けに磁気センサ44が障害となることはない。また、磁気センサ44を保護する専用の部品を省略し得る。
【0053】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、集合排出樋や球排出路部材を介して磁気センサを裏ユニットに配設したが、透明板に配設した装飾部品の裏側に取付部材を介して磁気センサを配設する構成を採用し得る。
(2) 実施例では、始動入賞装置の入賞口を上下2段で形成したが、上または下の何れか1つであってもよく、その場合は誘導路も対応する位置に1つ形成されていればよい。
(3) 実施例では、主にパチンコ球が流下する左側の遊技領域に形成される誘導路の下側に3つの普通入賞口を設けたが、該普通入賞口は1つ、2つあるいは4つ以上であってもよい。
(4) 実施例では、装飾部材を配設するための装着孔を透明板に開設した場合で説明したが、透明板としては、装着孔が開設されていないものであってもよい。この場合は、透明板の前面や裏面に、装飾部材やこれに配設される各種の部品を配設すると共に、遊技領域から板裏側に遊技球を通出したり板裏側から遊技領域に通出する通孔を透明板に形成する構成とすればよい。
(5) 実施例では、磁気センサを、集合排出樋、飾り部材および球排出路部材で位置決め保持するよう構成したが、飾り部材の支持口部に代えて、集合排出樋に保持部としての支持口部を形成して、集合排出樋および球排出路部材の2つの部材で磁気センサを位置決め保持する構成を採用し得る。
(6) 実施例では、1つの磁気センサを配設する場合で説明したが、複数の磁気センサを不正行為が行なわれ易い箇所に配置してもよく、また左側の普通入賞口の夫々に近接して磁気センサを配置したり、右側の普通入賞口に近接して磁気センサを配置する構成を採用し得る。
(7) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【0054】
また、本願には、以下のような技術的思想が含まれている。
(A) 前側に遊技領域(12a)が画成される遊技盤(12)と、前記遊技盤(12)の裏側に配設され、図柄を変動表示可能な表示部を該遊技盤(12)に設けた可視部を介して前側から視認可能に臨ませる図柄表示装置(14)と、前記遊技盤(12)に配設されて遊技領域(12a)を流下する遊技球が入賞可能で、遊技球の入賞を契機として前記図柄表示装置(14)による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置(27)と、前記遊技盤(12)に植設され、前記始動入賞装置(27)に向けて遊技球を誘導可能であると共にアウト口(36)に向けて遊技球が落下可能な落下口(31a,32a)を有する誘導路(31,32)を形成する複数の遊技釘(30)とを備える遊技機において、
前記遊技盤(12)は、前記遊技領域(12a)が前側に画成されると共に前記始動入賞装置(27)および遊技釘(30)が設けられる透明板(21)と、該透明板(21)の裏側に取付けられると共に、前記図柄表示装置(14)が裏側に配設される裏ユニット(22)とからなり、
前記透明板(21)および裏ユニット(22)の間における前記誘導路(32)の下側に臨む位置に、検出部(44a)を透明板(21)に近接して磁気センサ(44)が配設され、
前記透明板(21)には、前記磁気センサ(44)を前側から視認不能に隠す部品(34)が配設されることを特徴とする。
これによれば、透明板と裏ユニットとから遊技盤を構成することで、合板等の単体で形成される遊技盤に比べて遊技領域が画成される透明板の厚みを裏ユニット分だけ薄くすることができ、透明板と裏ユニットとの間に配置した磁気センサと透明板の前面との離間距離を短かくし得る。すなわち、検出感度の低い磁気センサを使用することが可能となり、コストを低減することができる。また、透明板に配設した部品により磁気センサを隠すことで、遊技者に磁気センサの存在を知られることはなく、装飾性を損なうことなく不正行為を抑制し得る。更に、透明板と裏ユニットとの間に磁気センサを配置したから、遊技盤の後方に磁気センサが突出することはなく、磁気センサが他の部材の取付けの障害となったり、保護する部品が別途必要となることもない。
すなわち、(A)の構成を含む遊技機によれば低コストで磁石による不正行為を検出し得ると共に、磁気センサの存在を知られるのを防止し得る。
(B) (A)の構成を含む遊技機に関し、前記磁気センサ(44)を隠す部品は、前記遊技領域(12a)を流下する遊技球が入賞可能な普通入賞口(33)を形成する装飾部品(34)であることを要旨とする。
これによれば、磁気センサを隠す部品を、普通入賞口を形成する装飾部品としたから、磁気センサを隠すための部品を別途設ける必要はなく、部品点数を低減すると共にコストを低減し得る。
(C) (A)の構成を含む遊技機に関し、前記透明板(21)には、前記誘導路(32)の下側に臨む遊技領域(12a)に複数の普通入賞口(33,33)が設けられ、透明板(21)の裏側における隣り合う普通入賞口(33,33)の間に、前記磁気センサ(44)の検出部(44a)が臨むよう配置されることを要旨とする。
これによれば、隣り合う普通入賞口の間に磁気センサの検出部を臨ませることで、該普通入賞口へ直に遊技球を不正入賞させるために近づけた磁石の磁気を、当該磁気センサで検出して、不正行為を発見することができる。
(D) (B)の構成を含む遊技機に関し、前記透明板(21)の裏側に、前記普通入賞口(33)に入賞した遊技球を排出案内する排出樋(41)と、透明板(21)に設けられた他の入賞口に入賞した遊技球を排出案内する球排出路部材(43)とが前後に重なるように配置され、後側に位置する球排出路部材(43)の後方に配設された中継端子板(47)にコネクタ接続して前方に延出する前記磁気センサ(44)を、球排出路部材(43)および排出樋(41)に設けた保持部(48,41c)により夫々保持するよう構成したことを要旨とする。
これによれば、透明板から後方に離間する位置に配置される中継端子板にコネクタ接続されて前方に延出する磁気センサを、前後に重なるように配置される排出樋および球排出路部材の各保持部で保持することができ、該磁気センサの検出部を透明板に対して適正な位置に安定して位置決めし得る。また、排出樋および球排出路部材は、遊技球を排出案内するための構成部品であるから、磁気センサを位置決め保持するための専用の部材を省略して、部品点数を低減し得ると共にコストを低く抑えることができる。
(E) 請求項1または(A)の構成を含む遊技機に関し、前記板部材の裏側に配設された部材に形成された口部に、前記磁気センサを挿通することで、当該磁気センサの少なくとも上部側の視認性を妨げるよう構成されたことを要旨とする。
【符号の説明】
【0055】
12 遊技盤
12a 遊技領域
14 図柄表示装置
21 透明板
22 裏ユニット
40 枠状本体
27 始動入賞装置
30 遊技釘
31 上段誘導路(誘導路)
31a 落下口
32 下段誘導路(誘導路)
32a 落下口
36 アウト口
42 飾り部材(透明板の裏側に備えた部材)
44 磁気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に遊技領域が画成される遊技盤と、前記遊技盤の裏側に配設され、図柄を変動表示可能な表示部を該遊技盤に設けた可視部を介して前側から視認可能に臨ませる図柄表示装置と、前記遊技盤に配設されて遊技領域を流下する遊技球が入賞可能で、遊技球の入賞を契機として前記図柄表示装置による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置と、前記遊技盤に植設され、前記始動入賞装置に向けて遊技球を誘導可能であると共にアウト口に向けて遊技球が落下可能な落下口を有する誘導路を形成する複数の遊技釘とを備える遊技機において、
前記遊技盤は、前側に前記遊技領域が画成されると共に前記始動入賞装置および遊技釘が設けられる板部材の裏側に、前記図柄表示装置が裏側に配設された裏ユニットが取り付けられ、
前記裏ユニットは、前側に開口する箱枠状の枠状本体を有し、当該枠状本体が前記板部材と略整合する大きさおよび形状に形成されており、前記板部材と枠状本体との間の空間部分において前記誘導路の下側に臨む位置に、検出部を板部材に近接して磁気センサが収容配設され、
前記板部材の裏側に、前記磁気センサの少なくとも上部の一部を覆う部材を備えた
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−99631(P2013−99631A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−37629(P2013−37629)
【出願日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【分割の表示】特願2008−296926(P2008−296926)の分割
【原出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】