説明

遊技機

【課題】扉部材を介しての不正行為を低減できる遊技機を提供する。
【解決手段】内枠に対して開閉自在な扉部材としての前面枠セット14は、前面側の前面枠体410と裏面側の裏面枠体430とを備え、前面枠体410と裏面枠体430との間に補強用の板金440bの一部である挟持部分446を挟み込んでおり、補強用の板金440bでの非挟持部分は、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442としているので、断面視で折り曲げ部442の箇所が略L字状となった補強用の板金440bとすることができ、丈夫な補強構造を維持しつつ、補強用の板金440bの折り曲げ部442の前面枠セット14の裏面側への突出量を、裏面枠体430の厚みの分だけ減らすことができ、前面枠セット14の厚みを薄くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、当該パチンコ機の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の正面視での左端側を開閉軸として外枠に対して開閉可能に支持される内枠と、この内枠の開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視での左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域に対応した視認窓を有する前面扉(扉部材)とを備えている。この前面扉を内枠に対して開状態とすることで、遊技盤の遊技領域にアクセスできる。また、前面扉は、その裏面側(遊技盤と対向する面側)で視認窓を除く箇所に補強用の板金が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−868号公報(第2−4頁,第2−3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、前面扉(扉部材)は樹脂成形されており、前述したようにその前面扉の裏面側で視認窓を除く箇所に補強用の板金を設けており、この補強用の板金は、前面扉の裏面側でかつその端部箇所で裏面から外側に突出するように折り曲げられた、断面視で略L字状とすることで、丈夫な補強構造を実現しつつ、前面扉の端部の樹脂を溶かして不正な孔を空けたりすることを困難にできる等の不正抑止機能を備えているが、その板金の折り曲げ長さの分だけ前面扉が厚くなり、板金を折り曲げ形成する以上ある程度の折り曲げ長さが必要であり、これ以上前面扉の厚みを薄くできないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
本体部材に対して開閉自在な扉部材を備えた遊技機において、
前記扉部材は、前記本体部材と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する前面側部材と、前記本体部材と対向する面である裏面側に位置する裏面側部材とを備え、前記前面側部材と前記裏面側部材との間に補強部材の一部である挟持部分を挟み込んでおり、
前記補強部材での非挟持部分は、前記扉部材での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉部材の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部としている
ことを特徴とするものである。
【0007】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、遊技機における、本体部材に対して開閉自在な扉部材は、その前面側(本体部材と対向する面とは反対側の面)に位置する前面側部材と、その裏面側(本体部材と対向する面)に位置する裏面側部材とを備えている。また、この扉部材は、前面側部材と裏面側部材との間に補強部材の一部である挟持部分を挟み込んでおり、補強部材での非挟持部分は、扉部材での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉部材の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部としているので、断面視で略L字状の補強部材とすることができ、丈夫な補強構造を維持しつつ、補強部材の折り曲げ部の扉部材の裏面側への突出量を、裏面側部材の厚みの分だけ減らすことができ、扉部材の厚みを薄くできる。したがって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えた遊技機を提供できる。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る遊技機によれば、遊技機における、本体部材に対して開閉自在な扉部材は、その前面側(本体部材と対向する面とは反対側の面)に位置する前面側部材と、その裏面側(本体部材と対向する面)に位置する裏面側部材とを備えている。また、この扉部材は、前面側部材と裏面側部材との間に補強部材の一部である挟持部分を挟み込んでおり、補強部材での非挟持部分は、扉部材での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉部材の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部としているので、断面視で略L字状の補強部材とすることができ、丈夫な補強構造を維持しつつ、補強部材の折り曲げ部の扉部材の裏面側への突出量を、裏面側部材の厚みの分だけ減らすことができ、扉部材の厚みを薄くできる。したがって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図3】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図6】実施例2の前面枠セットの正面図である。
【図7】実施例2の前面枠セットの裏面図である。
【図8】実施例2の前面枠セットの分解斜視図である。
【図9】実施例2の裏面枠体の正面図である。
【図10】実施例2の裏面枠体を正面側の右上から見た斜視図である。
【図11】実施例2の裏面枠体からサブベースを取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図12】実施例2の裏面枠体を裏面側の左上から見た斜視図である。
【図13】実施例2の裏面枠体を裏面側の右上から見た斜視図である。
【図14】図11のベース枠を正面側の右上から見た斜視図である。
【図15】図14のベース枠から支持部を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図16】図15の支持部取り外し後のベース枠を正面側の右上から見た斜視図である。
【図17】図16のベース枠から板金を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図18】板金の斜視図である。
【図19】内枠に対して閉状態とした裏面枠体の正面図である。
【図20】図19に示すA−A線箇所の断面図である。
【図21】内枠に対して前面枠セットを閉じた状態での図19に示したA−A線と同一箇所の概略断面図である。
【図22】(a)は比較例の前面枠セットの要部を示す概略平面図であり、(b)は実施例2の前面枠セットの要部を示す概略平面図である。
【図23】(a)は比較例の前面枠セットの要部を示す概略平面図であり、(b)は変形例の前面枠セットの要部を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0011】
(1) 本体部材に対して開閉自在な扉部材を備えた遊技機において、
前記扉部材は、扉本体部を備え、前記扉本体部での前記本体部材と対向する面とは反対側の面である前面側に、補強部材の一部である前面側部分が取り付けられており、
前記補強部材での非前面側部分は、前記扉本体部での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉本体部の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部としている
ことを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(1)に記載の発明によれば、遊技機における、本体部材に対して開閉自在な扉部材は、扉本体部を備えている。扉本体部は、その前面側(本体部材と対向する面とは反対側の面)に、補強部材の一部である前面側部分が取り付けられており、補強部材での非前面側部分は、扉本体部での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉本体部の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部としているので、断面視で略L字状の補強部材とすることができ、丈夫な補強構造を維持しつつ、補強部材の折り曲げ部の扉部材の裏面側への突出量を、扉本体部の厚みの分だけ減らすことができ、扉部材の厚みを薄くできる。したがって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えた遊技機を提供できる。
【0013】
(2) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記本体部材は、当該本体部材の正面視でその外端箇所に、前記扉部材の閉状態において当該扉部材の前記外周部の少なくとも前記本体部材に近い側が内接する外壁部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(2)に記載の発明によれば、本体部材は、当該本体部材の正面視でその外端箇所に、扉部材の閉状態において当該扉部材の外周部の少なくとも本体部材に近い側が内接する外壁部を備えているので、扉部材の外周部で本体部材に近い側が本体部材の外壁部に内接して閉じた状態となるので、扉部材と本体部材との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が本体部材の奥面に当たりそれ以上進まないかあるいは進み難いので、不正行為を低減できる。
【0015】
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記折り曲げ部は、その先端が前記本体部材の方に向かって突出した突出部を備え、
前記本体部材は、前記外壁部の内側で、前記扉部材の閉状態において当該扉部材の前記折り曲げ部の前記突出部が入る凹部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(3)に記載の発明によれば、折り曲げ部は、その先端が本体部材の方に向かって突出した突出部を備えている。本体部材は、外壁部の内側で、扉部材の閉状態において当該扉部材の折り曲げ部の突出部が入る凹部を備えているので、扉部材が本体部材に対して閉じた状態となると、扉部材の外周部で本体部材に近い側が本体部材の外壁部に内接して閉じた状態となるだけでなく、折り曲げ部の先端である突出部が本体部材の凹部に入った状態となるので、扉部材と本体部材との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が本体部材の凹部に当たりそれ以上進まないかあるいは凹部から出難くそれ以上進み難いので、不正行為を低減できる。
【0017】
(4) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記補強部材は補強用の板金であることを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(4)に記載の発明によれば、補強部材は、補強用の板金としているので、扉部材の剛性を確保できるのみならず、この板金を溶かして孔を空けることは困難であり、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
【0019】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記本体部材は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤を備え、
前記扉部材は、前記本体部材に対して閉じた状態で前記遊技盤の遊技領域が視認可能な視認窓を備え、
前記補強部材は、複数個の補強用の板金からなり、
前記複数個の板金は、前記扉部材の正面視で当該扉部材のうちで前記視認窓を除く箇所で、かつ、前記視認窓の周囲にそれぞれ位置するように設けられており、これら板金が電気的に接続されている
ことを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(5)に記載の発明によれば、補強部材としての複数個の補強用の板金は、扉部材の正面視で当該扉部材のうちで視認窓を除く箇所で、かつ、視認窓の周囲にそれぞれ位置するように設けられているので、扉部材の剛性を確保できるのみならず、この板金を溶かして孔を空けることは困難であり、扉部材を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金が電気的に接続されているので、いずれかの板金を接地することで、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
【0021】
(6) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記複数個の補強用の板金は、前記扉部材の正面視で当該扉部材の上部に位置する補強用の上板金と、前記扉部材の正面視で当該扉部材の右部に位置する補強用の右板金と、前記扉部材の正面視で当該扉部材の下部に位置する補強用の下板金と、前記扉部材の正面視で当該扉部材の左部に位置する補強用の左板金であり、これら板金が電気的に接続されている
ことを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(6)に記載の発明によれば、扉部材の上部には補強用の上板金を、扉部材の右部には補強用の右板金を、扉部材の下部には補強用の下板金を、扉部材の左部には補強用の左板金をそれぞれ備えているので、扉部材の剛性を確保できるのみならず、この板金を溶かして孔を空けることは困難であり、扉部材を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金が電気的に接続されているので、いずれかの板金に対して接地することで、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
【0023】
(7) 前記(4)または(5)に記載の遊技機において、
前記本体部材は、前記扉部材を開閉可能に軸支する導電性の軸支部を備え、
前記軸支部は、前記複数個の板金のうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されている
ことを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(7)に記載の発明によれば、本体部材は、扉部材を開閉可能に軸支する導電性の軸支部を備え、本体部材の軸支部は、複数個の板金のうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されているので、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
【0025】
(8) 前記(4)または(5)に記載の遊技機において、
前記本体部材は、前記扉部材が当該本体部材に対して閉状態となると少なくとも一つの前記板金に接触して電気的に接続される接続部を備え、
前記接続部または前記板金は接地されている
ことを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(8)に記載の発明によれば、本体部材の接続部は、扉部材が当該本体部材に対して閉状態となると少なくとも一つの板金に接触して電気的に接続され、接続部または板金は接地されているので、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
【0027】
(9) 前記(7)または(8)に記載の遊技機において、
前記前面側部材は、発光手段と、前記発光手段により照らされる装飾部材とを備え、
前記補強部材は、前記装飾部材の裏面側でかつ前記裏面側部材の前面側に位置している
ことを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(9)に記載の発明によれば、装飾部材(例えば金属製又は金属メッキを施した装飾部材など)に電荷が溜まることがあり、この電荷に起因して発生するノイズが扉部材から裏面側へ出射されることを導電性の補強部材により低減でき、本体部材の遊技盤の各種遊技部品や、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことを低減できる。
【0029】
(10) 前記(7)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記前面側部材は、発光手段と、前記発光手段により照らされ金属製又は金属メッキを施した装飾部材とを備え、
前記補強部材は前記装飾部材に電気的に接続されている
ことを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(10)に記載の発明によれば、金属製又は金属メッキを施した装飾部材に電荷が溜まることがあり、この電荷がノイズなどを発生させる要因となり、扉部材に取り付けられる電気部品(例えば、装飾部材を照らすランプ基板など)、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことになるという問題に対して、補強部材は装飾部材に電気的に接続されているので、扉部材内の補強部材つまり前面側部材と裏面側部材とに挟まれた補強部材によって、装飾部材が接地されることになり、装飾部材に電荷が溜まることがない。その結果、扉部材に取り付けられる各種電気部品(例えば、装飾部材を照らすランプ基板など)や遊技内容を制御する制御基板に対して悪影響をもたらすことがなく、装飾部材がノイズなどの電気的不具合を生じさせることがない。
【0031】
(11) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0032】
前記(11)に記載の遊技機によれば、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0033】
(12) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0034】
前記(12)に記載の遊技機によれば、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0035】
(13) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0036】
前記(13)に記載の遊技機によれば、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる扉部材を備えた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0037】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0038】
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
【0039】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
【0040】
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
【0041】
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
【0042】
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
【0043】
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
【0044】
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
【0045】
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受ける枠ボタン20(演出ボタン)を備えている。図4に示すように、枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。例えば、所定の操作有効条件成立時には、当該枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
【0046】
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
【0047】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0048】
遊技盤30は、図2に示すように、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0049】
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
【0050】
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
【0051】
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
【0052】
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
【0053】
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
【0054】
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
【0055】
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
【0056】
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0057】
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
【0058】
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
【0059】
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0060】
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
【0061】
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
【0062】
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
【0063】
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0064】
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0065】
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
【0066】
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0067】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
【0068】
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0069】
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0070】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0071】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。ている。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
【0072】
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
【0073】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
【0074】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
【0075】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0076】
封印手段としての封印ユニットはボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0077】
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
【0078】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電 /非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0079】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0080】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0081】
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0082】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
【0083】
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
【0084】
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0085】
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0086】
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0087】
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
【0088】
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
【0089】
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0090】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0091】
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0092】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
【0093】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0094】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0095】
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0096】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0097】
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
【0098】
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
【0099】
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
【0100】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0101】
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
【0102】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0103】
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0104】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0105】
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0106】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
【0107】
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
【0108】
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0109】
さらに、本実施例1のパチンコ機10は、内枠12に対して開閉自在な前面枠セット14は、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する前面枠体と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する裏面枠体とを備え、前面枠体と裏面枠体との間に補強用の板金の一部である挟持部分を挟み込んでおり、補強用の板金での非挟持部分は、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442としている。なお、これらの点については後述の実施例2でも説明する。
【0110】
こうすることで、本実施例1のパチンコ機10では、断面視で折り曲げ部の箇所が略L字状となった補強用の板金とすることができ、丈夫な補強構造を維持しつつ、補強用の板金の折り曲げ部の前面枠セット14の裏面側への突出量を、裏面枠体の厚みの分だけ減らすことができ、前面枠セット14の厚みを薄くできる。したがって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる前面枠セット14を備えたパチンコ機を提供できる。
【実施例2】
【0111】
次に、実施例2のパチンコ機10について図6〜図16を用いて説明する。図6は、実施例2の前面枠セット14の正面図である。図7は、実施例2の前面枠セット14の裏面図である。図8は、実施例2の前面枠セット14の分解斜視図である。図9は、実施例2の裏面枠体430の正面図である。図10は、実施例2の裏面枠体430を正面側の右上から見た斜視図である。図11は、実施例2の裏面枠体430からサブベースを取り外した状態を示す分解斜視図である。図12は、実施例2の裏面枠体430を裏面側の左上から見た斜視図である。図13は、実施例2の裏面枠体430を裏面側の右上から見た斜視図である。図14は、図11のベース枠432を正面側の右上から見た斜視図である。図15は、図14のベース枠432から支持部を取り外した状態を示す分解斜視図である。図16は、図15の支持部取り外し後のベース枠432を正面側の右上から見た斜視図である。図17は、図16のベース枠432から板金440a〜440dを取り外した状態を示す分解斜視図である。図18は、板金440a〜440dの斜視図である。なお、図18では、板金440a〜440dにおける一点鎖線円箇所の断面を矢印先の一点鎖線円内に示している。図19は、内枠12に対して閉状態とした裏面枠体430の正面図である。図20は、図19に示すA−A線箇所の断面図である。なお、図19,図20では、前面枠体410を除いた状態としている。
【0112】
実施例2では、実施例1の図1に示した前面枠セット14に替えて、図6に示す前面枠セット14を採用している点が、前述した実施例1とは異なっている。なお、前述の実施例1と同様の内容については説明を省略し、以下に、本実施例2での前面枠セット14などの構成について詳細に説明することとする。
【0113】
本実施例2のパチンコ機10は、その前面側に、図6に示すような前面枠セット14を備えている。図6に示す実施例2の前面枠セット14は、前述の実施例1と同様に、内枠12に対して開閉自在なものであり、下皿15、排出口16、球抜きレバー17、遊技球発射ハンドル18、窓部101およびガラス板137などを備えている。
【0114】
実施例2での前面枠セット14は、図6,図7に示すように、内枠12の正面視での左端側を開閉軸J1としてこの内枠12に対して開閉可能に支持されるものである。つまり、前面枠セット14は内枠12に対して右側が開く片開き構造となっている。図6,図7に示すように、窓部101は、透明なガラス板137(ガラスに限らず、透明樹脂などの透明板材を採用してもよい。)が嵌め込まれる開口部であり、前面枠セット14が内枠12に対して閉じた状態で遊技盤30の遊技領域30aが窓部101のガラス板137を通して視認可能となっている。
【0115】
実施例2のパチンコ機10の遊技盤30は、前述の実施例1と比べて、遊技領域30aが縦方向に拡張された縦楕円形状となっており、内枠12の開口も当然にその遊技領域30aに応じた縦楕円形状となっており、図6,図7に示すように、前面枠セット14の窓部101も当然にその遊技領域30aに応じた縦楕円形状となっている。
【0116】
また、実施例2の前面枠セット14は、図6に示すように、窓部101の周縁のうちで左側箇所には、LED422等の発光部420(図8参照)を内蔵した第1電飾部400が設けられ、窓部101の周縁のうちで右側箇所には、LED422等の発光部420(図8参照)を内蔵した第2電飾部402が設けられ、窓部101の周縁のうちで上側箇所には、LED422等の発光部420(図8参照)を内蔵した第3電飾部404が設けられている。
【0117】
なお、この実施例2の前面枠セット14では、第3電飾部404は、大当たりランプ(図示省略)を備えており、この大当たりランプが大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、この第3電飾部404は、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ(図示省略)と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ(図示省略)とを備えている。
【0118】
なお、これらの大当たりランプ(図示省略)、賞球ランプ(図示省略)およびエラー表示ランプ(図示省略)を第3電飾部404ではなく第1電飾部400または第2電飾部402にもうけるようにしてもよいし、これらのランプを第1電飾部400から第3電飾部404などに分散させて設けるようにしてもよいし、それ以外の種類のランプを第1電飾部400から第3電飾部404などに設けるようにしてもよい。
【0119】
実施例2の前面枠セット14は、図6に示すように、正面視でその上部側の第3電飾部404から下部側の下皿ユニット13(下皿15や遊技球発射ハンドル18など)までも含む単一の枠体となっているので、この前面枠セット14を内枠12に対して開状態とすると、下皿ユニット13も含めて一体的に開かれた状態となる。なお、この前面枠セット14を、下皿ユニット13を除いたものとしてもよい。
【0120】
また、実施例2の前面枠セット14は、図7,図8に示すように、裏面視で左端側で縦方向に間隔を空けて3個の係止爪406を備えている。前面枠セット14が内枠12に閉じられる際に、これら3個の係止爪406が内枠12の係止部(図示省略)に係止されることで、前面枠セット14が内枠12に閉状態に保持されるようになっている。また逆に、この係止爪406を係止部(図示省略)から解除することで、内枠12の正面視での左端側を開閉軸J1として前面枠セット14が内枠12に対して開放可能となる。
【0121】
さらに、実施例2の前面枠セット14は、図8に示すように分解視すると、前後方向に二分され、前面側の前面枠体410と、裏面側の裏面枠体430とから構成されている。つまり、前面枠セット14は、図8に示すように、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する不透明な前面枠体410と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する不透明な裏面枠体430とを備えている。
【0122】
前面枠体410および裏面枠体430は、樹脂成形されたものとしている。具体的には、前面枠体410は、当該前面枠体410と同程度の大きさでベースとなる本体枠部412を備えており、この本体枠部412は有色(例えば青色など)の樹脂成形品とし、本体枠部412に各種の部材(他の樹脂成形品や装飾品や金具など)が取り付けられて構成されている。このように前面枠体410は、本体枠部412が有色であることから不透明となっている。また、裏面枠体430は、当該裏面枠体430と同程度の大きさでベースとなる後述するベース枠432を備えており、このベース枠432は有色(例えば青色など)の樹脂成形品とし、ベース枠432に各種の部材(他の樹脂成形品や部品など)が取り付けられて構成されている。このように裏面枠体430は、ベース枠432が有色であることから不透明となっている。つまり、前面枠体410および裏面枠体430は、着色された材料で形成されている。
【0123】
さらに、実施例2の前面枠セット14は、図8に示すように、前面枠体410と裏面枠体430との間に補強部材としての板金440a〜440d(例えば、補強用の板金440a〜440d)を挟み込んで構成されている。本実施例2では、裏面枠体430の前面側(内枠12と対向する面とは反対側)にその板金440a〜440dが取り付けられており、この裏面枠体430の前面側に前面枠体410を取り付けることで、前面枠体410と裏面枠体430との間に板金440a〜440dを挟み込む構成を実現している。なお、この板金440a〜440dについては後述する。
【0124】
内枠12は、図10に示すように、前面枠セット14を開閉可能に軸支する導電性の軸支部460を備えている。具体的には、軸支部460は、図10に示すように、内枠12の正面視で左端上部と左端下部との2箇所に設けられている。
【0125】
左端上部の軸支部460は、裏面枠体430の正面視で左端上部に設けられた導電性の上部金具434の高さ方向の軸部434aが挿入される、平面視で略U字形状(その切欠き口の幅が切欠き内部の幅よりも小さくなっている形状)の切欠き部462を有する導電性の上部支持具464である。軸部434aは、その上側に位置する直径の大きい円柱体と、それよりも直径の小さい下側に位置する円柱体とが同心軸で一体となった二段軸となっている。つまり、軸部434aの下側円柱体(幅細軸)を上部支持具464の切欠き部462にその切欠き口から入れた後、裏面枠体430が僅かに下がって上部支持具464の切欠き部462の切欠き内部に軸部434aの上側円柱体(幅広軸)が位置し、裏面枠体430を持ち上げなければ軸部434aが切欠き部462から外れないようになっている。
【0126】
また、左端下部の軸支部460は、裏面枠体430の正面視で左端下部に設けられた導電性の下部金具436の水平方向に突き出た支持片438の円形の貫通孔438aに挿入される、高さ方向に突出する平面視で円形の突出ピン466を有する導電性の下部支持具468である。
【0127】
図14に示した裏面枠体430の上部金具434および下部金具436は、図15に示すように、それに該当するネジ435(図14参照)を緩めて外すことで、裏面枠体430から取り外すことができる。
【0128】
ところで、実施例2の前面枠セット14は、前述したように第1電飾部400、第2電飾部402および第3電飾部404を備えている(図6参照)。これらの第1電飾部400、第2電飾部402および第3電飾部404は、図8に示すように、前面枠体410の装飾部材414と、この装飾部材414を照らすための発光部420とを備えている。つまり、発光部420は、図10,図11に示すように、所定箇所にLED422(発光ダイオード)が実装されたランプ基板424と、このランプ基板424を支持する支持部材426とを備えている。ランプ基板424を支持する支持部材426を裏面枠体430の正面視で窓部101の上側、右側および左側箇所に取り付けられている。ランプ基板424のLED422が発光することで前面枠体410の装飾部材414が照らされ、つまり、の第1電飾部400、第2電飾部402および第3電飾部404が照らされ、前面枠体410の装飾部材414(第1電飾部400、第2電飾部402および第3電飾部404)が発光表示されるようになっている。なお実施例2では、ランプ基板424のLED422として多色発光タイプのものを採用している。
【0129】
ここで、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれる補強用の板金440a〜440dについて説明する。
【0130】
図8等を用いて前述したように、裏面枠体430は発光部420を備え、前面枠体410は裏面枠体430の発光部420により照らされる装飾部材414を備え、補強用の板金440a〜440dは、装飾部材414の裏面側でかつ裏面枠体430の前面側に位置している。
【0131】
具体的には、補強用の板金440a〜440dは、図16,図17に示すように、導電性の部材であり、裏面枠体430に複数個(本実施例では4個)備えられている。つまり、4個の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲にそれぞれ位置するように裏面枠体430に設けられている。また、これら板金440a〜440dが電気的に接続されている。
【0132】
図16,図17に示すように、4個の補強用の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14の上部に位置する補強用の上板金440aと、前面枠セット14の右部に位置する補強用の右板金440bと、前面枠セット14の下部に位置する補強用の下板金440cと、前面枠セット14の左部に位置する補強用の左板金440dのことである。また、図14,図18に示すように、板金440b,440cは、その一部同士が直接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定され、板金440d,440cも、その一部同士が直接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定され、板金440a,440dが上部金具434の導電性金具434b(導電性部材)を介して間接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定され、板金440a,440bが図14に示す導電性金具434c(導電性部材)を介して間接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定されていることから、これらの板金440a〜440dが相互に電気的に接続された状態となっている。
【0133】
さらに詳細に言えば、図14,図15に示すように、左板金440dの上部と上板金440aの左端部とは導電性の上部金具434の導電性金具434bで締結されているので、左板金440dと上板金440aとが電気的に接続されている。また、左板金440dの下部と下板金440cの左端部とは導電性の下部金具436で締結されているので、左板金440dと下板金440cとが電気的に接続されている。また、右板金440bの上部と上板金440aの右端部とは導電性金具434cで締結されているので、右板金440bと上板金440aとが電気的に接続されている。また、右板金440bの下部と下板金440cの右端部とは重なった状態でネジ435により締結されているので、右板金440bと下板金440cとが電気的に接続されている。
【0134】
図10に示すように、内枠12の左端上部の軸支部460としての導電性の上部支持具464は、裏面枠体430の導電性の上部金具434を介して上板金440aおよび左板金440dに電気的に接続されており、内枠12の左端下部の軸支部460としての導電性の下部支持具468は、裏面枠体430の導電性の下部金具436を介して下板金440cおよび左板金440dに電気的に接続されており、内枠12の上部支持具464および下部支持具468が接地(アース)されている。
【0135】
つまり、板金440a〜440dは、図8に示すように、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲に位置するように、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれている。
【0136】
また、上板金440a、左板金440dおよび右板金440bは、図17,図18に示すように、断面視でコノ字形状である長手部材となっている。下板金440cは、図17,図18に示すように、裏面枠体430の幅と同程度の幅で窓部101の下部から裏面枠体430の下端までの高さを有する略平板状で、下方箇所が裏面枠体430の方に折り曲げられた形状となっている。
【0137】
上述した4個の板金440a〜440dは、図18に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部(リブ)442をそれぞれ備えている。
【0138】
具体的には、上板金440aは、図18に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の上部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。右板金440bは、図18に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の右部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。下板金440cは、図18に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の下部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。左板金440dは、図18に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の左部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。
【0139】
さらに、図21を用いて前面枠セット14での補強用の板金440a〜440dについて説明する。図21(a)は、内枠12に対して前面枠セット14を開いた状態での図19に示したA−A線と同一箇所の概略断面図である。図21(b)は、内枠12に対して前面枠セット14を閉じた状態での図19に示したA−A線と同一箇所の概略断面図である。図21に示すように、補強用の板金440a〜440dは、その一部である挟持部分446(折り曲げ部442を除く箇所)が前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれている。また、補強用の板金440a〜440dでの非挟持部分である折り曲げ部442は、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられたものとしている。
【0140】
内枠12は、図20に示すように、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が近接する外壁部470を備えている。
【0141】
図20に示すように、前述した板金440a〜440dの折り曲げ部442は、その先端が内枠12の方に向かって突出した突出部444を備えている。内枠12は、外壁部470の内側で、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の板金440a〜440dの折り曲げ部442の突出部444が入る凹部472を備えている。
【0142】
なお、上述した内枠12が本発明における本体部材に相当し、上述した前面枠セット14が本発明における扉部材に相当し、上述した前面枠体410が本発明における前面側部材に相当し、上述した裏面枠体430が本発明における裏面側部材に相当し、上述した板金440a〜440d(上板金440a、右板金440b、下板金440c、左板金440d)が本発明における補強部材に相当し、上述した窓部101およびガラス板137が本発明における視認窓に相当し、上述した発光部420が本発明における発光手段に相当する。
【0143】
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、内枠12に対して開閉自在な前面枠セット14は、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する前面枠体410と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する裏面枠体430とを備え、前面枠体410と裏面枠体430との間に補強用の板金440a〜440dの一部である挟持部分446を挟み込んでおり、補強用の板金440a〜440dでの非挟持部分は、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442としているので、断面視で折り曲げ部442の箇所が略L字状となった補強用の板金440a〜440dとすることができ、丈夫な補強構造を維持しつつ、補強用の板金440a〜440dの折り曲げ部442の前面枠セット14の裏面側への突出量を、裏面枠体430の厚みの分だけ減らすことができ、前面枠セット14の厚みを薄くできる。したがって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる前面枠セット14を備えたパチンコ機を提供できる。
【0144】
ここで、実施例2の前面枠セット14が優れていることを、図22を用いてもう少し具体的に説明する。図22(a)は比較例の前面枠セット480Aの要部を示す概略平面図であり、図22(b)は実施例2の前面枠セット14と同様の前面枠セット480Bの要部を示す概略平面図である。なお、図22に示す補強用の板金483は、その断面形状が略L字状となったものを採用している点が前述の補強用の板金440a〜440dと異なっているだけであり、実施例2のような断面形状がコノ字形状としてもよいことは言うまでもない。また、図22に示す補強用の板金483の折り曲げ部484も前述の補強用の板金440a〜440dの折り曲げ部442と同様のものである。
【0145】
比較例の場合では、図22(a)に示すように、略L字状の補強用の板金483が前面枠セット480Aの裏面側に設けられているので、補強用の板金483の前面枠セット14の裏面側への突出量は、長さd1となっている。この長さd1は、折り曲げ部484の長さと板金483の板厚とを合算した長さである。これに対して、図22(b)に示すように本実施例2の場合では、略L字状の補強用の板金483がその折り曲げ部484を除いて前面枠セット480Bの前面枠体481と裏面枠体482との間に設けられているので、補強用の板金483の前面枠セット480Bの裏面側への突出量は、長さd2となっている。この長さd2は、折り曲げ部484の長さから裏面枠体482の厚みを引いた長さである。つまり、長さd1>長さd2となっている。すなわち、本実施例2の場合では、比較例の場合と比べて、補強用の板金483の折り曲げ部484の前面枠セット480Bの裏面側への突出量を、裏面枠体482の厚みの分だけ減らすことができ、前面枠セット480Bの厚みを薄くできる。
【0146】
このように、薄くした分(裏面枠体482の厚みの分)だけさらに前面側に盛り上った形状の前面枠セット480Aを採用することもでき、盛り上がり程度を大きくできることから造形性を向上させることができる。また、前面枠セット480Aは、前述したように薄くすることができるので、従来のパチンコ機での開き角(隣のパチンコ機に当たる角度)よりも大きな開き角とすることができ、作業性を向上させることができる。
【0147】
また、内枠12に対して開閉自在な前面枠セット14は、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する不透明な前面枠体410と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する不透明な裏面枠体430とを備え、前面枠体410と裏面枠体430との間に補強用の板金440a〜440dを挟み込んで構成されているので、前面枠セット14を前面視したとしてもその前面枠体410が不透明なものであることから、前面枠セット14における補強用の板金440a〜440dの配置箇所をわからないようにできるし、たとえ前面枠セット14を開けて裏面視したとしても、裏面枠体430が不透明なものであるため、前面枠セット14における補強用の板金440a〜440dの配置箇所をわからないようにできる。つまり、前面枠セット14での補強用の板金440a〜440dの有無、補強用の板金440a〜440dを避けた位置やその有無についてもわからないようにできる。したがって、補強用の板金440a〜440dを避けた位置に孔(不正な孔)を空けることを困難とすることができ、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
【0148】
また、前面枠体410および裏面枠体430は、着色された材料で形成されており、不透明な部材となっているので、前面枠セット14における補強用の板金440a〜440dの配置箇所をわからないようにでき、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
【0149】
また、内枠12は、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aを有する遊技盤30を備え、前面枠セット14は、内枠12に対して閉じた状態で遊技盤30の遊技領域30aが視認可能な窓部101およびガラス板137を備え、補強用の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101およびガラス板137を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲に位置するように、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれているので、前面枠セット14の窓部101の周囲箇所のうちで補強用の板金440a〜440dを避けた位置やその有無についてもわからないようにでき、補強用の板金440a〜440dを避けた位置に孔を空けることを困難とすることができ、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
【0150】
また、補強部材として補強用の板金440a〜440dを採用しているので、前面枠セット14の剛性を確保できるのみならず、この板金440a〜440dを溶かして孔を空けることは困難であり、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
【0151】
また、複数個の補強用の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101およびガラス板137を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲にそれぞれ位置するように、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれているので、前面枠セット14の剛性を確保できるのみならず、この板金440a〜440dを溶かして孔を空けることは困難であり、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金440a〜440dが電気的に接続されているので、いずれかの板金440a〜440dを接地することで、前面枠セット14の全体にわたって接地させることができる。
【0152】
また、前面枠セット14の上部には補強用の上板金440aを、前面枠セット14の右部には補強用の右板金440bを、前面枠セット14の下部には補強用の下板金440cを、前面枠セット14の左部には補強用の左板金440dをそれぞれ備えており、これらの板金440a〜440dが前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれているので、前面枠セット14の剛性を確保できるのみならず、この板金440a〜440dを溶かして孔を空けることは困難であり、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金440a〜440dが電気的に接続されているので、いずれかの板金440a〜440dに対して接地することで、前面枠セット14の全体にわたって接地させることができる。
【0153】
また、内枠12は、前面枠セット14を開閉可能に軸支する導電性の軸支部460を備え、内枠12の軸支部460は、複数個の板金440a〜440dのうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されているので、前面枠セット14の全体にわたって接地させることができる。
【0154】
また、裏面枠体430は発光部420を備え、前面枠体410は裏面枠体430の発光部420により照らされる装飾部材414を備え、補強用の板金440a〜440dは、装飾部材414の裏面側でかつ裏面枠体430の前面側に位置しているので、装飾部材414に溜まるノイズによる悪影響を低減できる。つまり、装飾部材414(特に金属製又は金属メッキを施した装飾部材など)に電荷が溜まることがあり、この電荷に起因して発生するノイズが前面枠セット14から裏面側へ出射されることを導電性の板金440a〜440dにより低減でき、内枠12の遊技盤30の各種遊技部品や、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことを低減できる。
【0155】
また、板金440a〜440dは、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部(つまり、前面枠セット14の外周側)でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えているので、前面枠セット14の外周部に孔を空けることを困難とすることができ、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
【0156】
また、内枠12は、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が近接する外壁部470を備えているので、前面枠セット14の外周部で内枠12に近い側が内枠12の外壁部470に近接して閉じた状態となるので、前面枠セット14と内枠12との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が内枠12の奥面に当たりそれ以上進まないかあるいは進み難いので、不正行為を低減できる。
【0157】
また、板金440a〜440dの折り曲げ部442は、その先端が内枠12の方に向かって突出した突出部444を備え、内枠12は、外壁部470の内側で、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の板金440a〜440dの折り曲げ部442の突出部444が入る凹部472を備えているので、前面枠セット14が内枠12に対して閉じた状態となると、前面枠セット14の外周部で内枠12に近い側が内枠12の外壁部470に近接して閉じた状態となるだけでなく、板金440a〜440dの折り曲げ部442の先端である突出部444が内枠12の凹部472に入った状態となるので、前面枠セット14と内枠12との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が内枠12の凹部472に当たりそれ以上進まないかあるいは凹部472から出難くそれ以上進み難いので、不正行為を低減できる。
【0158】
また、前面枠体410と裏面枠体430とは樹脂成形されたものとしているので、前面枠体410と裏面枠体430とを容易に成形することができる。
【0159】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0160】
(1)上述した実施例2では、前面枠セット14の前面枠体410と裏面枠体430との間に補強用の板金440a〜440dを挟み込んでいるが、前面枠セット14の前面側に補強用の板金440a〜440dを設けるようにしてもよい。つまり、前面枠セット14を構成する扉本体部485(図23参照)での内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に、補強用の板金483の一部である前面側部分483aが取り付けられており、補強用の板金483での非前面側部分は、扉本体部485での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉本体部485の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部484としている。この変形例の前面枠セット480Dが優れていることを、図23を用いて以下に説明する。図23(a)は比較例の前面枠セット480Cの要部を示す概略平面図であり、図23(b)は変形例の前面枠セット480Dの要部を示す概略平面図である。なお、図23に示す補強用の板金483は、その断面形状が略L字状となったものを採用している点が前述の補強用の板金440a〜440dと異なっているだけであり、実施例2のような断面形状がコノ字形状としてもよいことは言うまでもない。また、図23に示す補強用の板金483の折り曲げ部484も前述の補強用の板金440a〜440dの折り曲げ部442と同様のものである。
【0161】
比較例の場合では、略L字状の補強用の板金483が前面枠セット480Cの裏面側(つまり、扉本体部485の裏面側)に設けられているので、補強用の板金483の前面枠セット480Cの裏面側への突出量は、長さd1となっている。この長さd1は、折り曲げ部484の長さと板金483の板厚とを合算した長さである。これに対して、図23(b)に示すように本変形例の場合では、略L字状の補強用の板金483がその折り曲げ部484を除いて前面枠セット480Dの扉本体部485の前面側に設けられているので、補強用の板金483の前面枠セット480Dの裏面側への突出量は、長さd3となっている。この長さd3は、折り曲げ部484の長さから扉本体部485の厚みを引いた長さである。つまり、長さd1>長さd3となっている。すなわち、本変形例の場合では、比較例の場合と比べて、補強用の板金483の折り曲げ部484の前面枠セット480Dの裏面側への突出量を、扉本体部485の厚みの分だけ減らすことができ、前面枠セット480Dの厚みを薄くできる。
【0162】
(2)上述した実施例2では、前面枠体410および裏面枠体430は着色された材料で形成されている(正確に言えば、本体枠部412およびベース枠432が着色された材料で形成されている)が、前面枠体410は、その前面側(前面枠体410における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)が少なくとも着色されたものとし、裏面枠体430は、その裏面側(裏面枠体430における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)が少なくとも着色されたものとしてもよい。例えば、前面枠体410および裏面枠体430のその外面を着色塗装するなどが挙げられる。この場合でも、扉部材(前面枠セット14)における補強部材(板金440a〜440d)の配置箇所をわからないようにでき、扉部材(前面枠セット14)を介しての不正行為を低減できる。
【0163】
(3)上述した実施例2では、前面枠体410および裏面枠体430は着色された材料で形成されている(正確に言えば、本体枠部412およびベース枠432が着色された材料で形成されている)が、前面枠体410は、その前面側(前面枠体410における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)に着色された部材を備え、裏面枠体430は、その裏面側(裏面枠体430における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)に着色された部材を備えるようにしてもよい。例えば、前面枠体410および裏面枠体430のその外面に着色された部材(例えば、着色されたシート、シールなど)を貼り付けたり、取り付けたりすることなどが挙げられる。この場合でも、扉部材(前面枠セット14)における補強部材(板金440a〜440d)の配置箇所をわからないようにでき、扉部材(前面枠セット14)を介しての不正行為を低減できる。
【0164】
(4)上述した実施例2では、本体部材(内枠12)は、扉部材(前面枠セット14)を開閉可能に軸支する導電性の軸支部460を備え、この軸支部460は、複数個の板金440a〜440dのうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されている構成を採用しているが、以下のような構成を採用してもよい。
【0165】
例えば、本体部材(内枠12)は、扉部材(前面枠セット14)が当該内枠12に対して閉状態となると、少なくとも一つの板金440a〜440dに接触して電気的に接続される図示省略の接続部(接触部)を備え、この接続部は接地されている構成が挙げられる。この場合には、本体部材(内枠12)の接続部(接触部)は、扉部材(前面枠セット14)が当該内枠12に対して閉状態となると、少なくとも一つの板金440a〜440dに接触して電気的に接続され、この接続部は接地されているので、扉部材(前面枠セット14)の全体にわたって接地させることができる。
【0166】
(5)上述した実施例2の装飾部材414を、発光部420により照らされ金属製又は金属メッキを施したものとし、補強部材(板金440a〜440d)はこの装飾部材414に電気的に接続されているという構成を採用した場合には、以下の効果がある。
【0167】
つまり、金属製又は金属メッキを施した装飾部材414に電荷が溜まることがあり、この電荷がノイズなどを発生させる要因となり、扉部材(前面枠セット14)に取り付けられる電気部品(例えば、装飾部材414を照らすランプ基板424など)、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことになるという問題に対して、補強部材は装飾部材414に電気的に接続されているので、扉部材(前面枠セット14)内の補強部材つまり前面側部材(前面枠体410)と裏面側部材(裏面枠体430)とに挟まれた補強部材(板金440a〜440d)によって、装飾部材414が接地されることになり、装飾部材414に電荷が溜まることがない。その結果、扉部材(前面枠セット14)に取り付けられる各種電気部品(例えば、装飾部材414を照らすランプ基板424など)や遊技内容を制御する制御基板に対して悪影響をもたらすことがなく、装飾部材414がノイズなどの電気的不具合を生じさせることがない。
【0168】
(6)上述した実施例2では、内枠12は、図20に示すように、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が近接する外壁部470を備えているが、この外壁部470を、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が内接するものとしてもよい。
【0169】
(7)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0170】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0171】
以上のように、この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に適している。
【符号の説明】
【0172】
12 …内枠(本体部材)
14 …前面枠セット(扉部材)
101 …窓部(視認窓)
137 …ガラス板(視認窓)
410 …前面枠体(前面側部材)
430 …裏面枠体(裏面側部材)
440a〜440d …板金(補強部材)
442 …折り曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部材に対して開閉自在な扉部材を備えた遊技機において、
前記扉部材は、前記本体部材と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する前面側部材と、前記本体部材と対向する面である裏面側に位置する裏面側部材とを備え、前記前面側部材と前記裏面側部材との間に補強部材の一部である挟持部分を挟み込んでおり、
前記補強部材での非挟持部分は、前記扉部材での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその扉部材の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部としている
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−99698(P2013−99698A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−46793(P2013−46793)
【出願日】平成25年3月8日(2013.3.8)
【分割の表示】特願2011−164494(P2011−164494)の分割
【原出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】