遊技機
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、複数の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を備えた遊技機に関する。
(従来の技術)
遊技領域内に設けられた特定入賞口への打球の入賞を基に複数の数字等の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、この可変表示が停止したときの識別情報の組み合わせが当たりになると、変動入賞装置を開状態に変換する等、遊技者に有利な特別遊技態様を発生するパチンコ遊技機がある。
(発明が解決しようとする問題点)
従来の遊技機の可変表示装置にあっては、数字等の限られた記号(識別情報)しか表示していなかった。
そのため、識別情報の表示に趣向を凝らしたり、遊技にしたがってメッセージ等、種々の表示を行わせることによって、興趣に溢れた表示を行わせることが考えられている。
しかし、このようにすると、表示用のデータが多くなり、以下のような問題がある。即ち、種々の制御データと表示用のデータとをメモリに記憶してマイクロコンピュータにより制御を行うが、これらのデータを一つのメモリに記憶させたものだと、プログラムが煩雑になると共に、応答遅れを生じかねない。また、ワンチップ構成のマイクロコンピュータの場合には、メモリに記憶するデータが多くなれば、メモリの容量に比例して中央処理装置(CPU)が高機能なものが多く、必要以上に高機能の中央処理装置(CPU)を搭載したワンチップコンピュータを用いないと処理できず、さらには、表示用のデータのみ変更を必要とする場合や、制御データのみ変更を必要とする場合であっても、メモリ内の全てのデータを書き換えなければならない。したがって、制御装置の開発が容易ではなく、開発に時間を労することにもなる。
この発明は、このような問題点を解決することを目的としている。
(問題点を解決するための手段)
第1の発明は、複数の識別情報を可変表示して、所定の停止識別情報になった際に特別遊技を起生するための可変表示手段(例えば、可変表示装置4等)と、 上記可変表示手段への所要の表示指令制御を含む遊技制御を行う遊技制御手段(例えば、制御装置76等)と、を有する遊技機(例えば、パチンコ機等)において、 上記可変表示手段には、上記の識別情報以外にもメッセージ等の付加表示情報を表示可能に構成し、 上記遊技制御手段には、上記識別情報および付加表示情報の双方の表示指令を行うための制御情報を記憶する第1の記憶手段(例えば、ROM78等)と、 上記制御情報に基づく制御を行う際に、制御に要する所定制御情報の一時記憶および読出が可能な一時記憶手段(例えば、RAM79等)と、 少なくとも上記付加表示情報等を予め記憶させた第2の記憶手段(例えば、外部フォントROM80等)と、を有し、 上記第1の記憶手段と上記第2の記憶手段とは個別に分離構成した。
第2の発明は、上記第2の記憶手段は、所要の表示指令に基づいて同該第2の記憶手段が記憶している表示情報を可変表示手段へ直接出力する。
(作用)
所要の表示指令に基づき、遊技制御手段が第1の記憶手段に記憶された制御情報に基づいて一時記憶手段を用いて第2の記憶手段に記憶された表示情報を可変表示手段に表示する。
したがって、制御情報を記憶する第1の記憶手段と表示情報を記憶する第2の記憶手段とを個別に分離構成できるので、可変表示手段に種々の表示が可能であり、趣向に富んだ識別情報を表示でき、メッセージ等の表示によって、高い興趣が得られると共に、例えばワンチップ構成のマイクロコンピュータの場合に、情報が多くても、制御が複雑になったり、制御に遅れを生じるようなことはなく、さらには表示情報の変更も容易となる。
また、第2の記憶手段が記憶している表示情報を可変表示手段へ直接出力することによって、つまり表示指令を出す遊技制御手段が表示情報を読み込むことなく処理を進めるので、処理の高速化を図れる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図、第2図において、パチンコ機の遊技盤1の表面には、ガイドレール2で囲われた遊技部3のほぼ中央に可変表示装置4が、可変表示装置4の下方に変動入賞装置5が、可変表示装置4と変動入賞装置5の間および変動入賞装置5の左右に三角形に特定入賞口6a,6b,6cが配設される。
7は可変表示装置4の上部に設けられる天入賞口(一般入賞口)、8a,8b,9a,9bは遊技部3の左右に配設される一般入賞口、10a〜10fは風車等の転動誘導部材、11はアウトロである。
遊技盤1の下部には、パチンコ球の供給皿12と、受皿13と、打球発射装置の操作部14が配設され、打球発射装置により発射された打球は、ガイドレール2に案内されて遊技部3内に入る。
15は打球発射装置の作動中を示すパイロットランプ、16は打止め等を示す完了ランプ、17は賞球ランプである。また、18a,18b,18c,18dは一般入賞口8a,8b,9a,9bの下部に一体的に設けられる飾りランプ、19a,19b,20a,20bは当たり表示ランプである。
各入賞口6〜9は、遊技盤1の裏面側から見ると第3図R>図のように配置され、特定入賞口6a,6b,6cにはそれぞれ入賞球を検出するスイッチ(特定入賞球検出スイッチ)21a,21b,21cが設けられる。また、23,24は変動入賞装置5に設けられ、変動入賞装置5内に入賞した入賞球を検出するスイッチ(カウントスイッチ)と、変動入賞装置5内の連続作動口(後述する)に入賞した入賞球を検出するスイッチ(サイクルスイッチ)を示す。25〜32は各入賞球を案内する流下樋である。
可変表示装置4は、第4図〜第8図のように遊技盤1の表面に取り付けられる主基板33を備え、主基板33の前面側上部には、天入賞口7の流下棚34と、左右に鐙部35を設けた前飾り板36とが組み付けられる。37は天入賞口7の出口流路、38はそのカバーである。
前飾り板36の中央にはネームプレート39が取り付けられ、ネームプレート39の後方には飾りランプ18e〜18gが配設される。主基板33の開口部40の左右にはのランプカバー41a,41bを介して飾りランプ42a,42bが装着される。
主基板33の後面側には、開口部40上縁の上枠79と接続して開口部40を囲う枠部材43と、中央に可変表示部44の窓部45を形成し下部に記憶個数表示部46の収納枠47を取り付ける表示カバー48と、可変表示部44および記憶個数表示部46等を取り付ける表示基板49と、配線等を保護する後面カバー50とが組み付けられる。
可変表示部44には、可変表示部44を保護しかつ表示部44の表示に拡がりを持たせるよう凸面状に形成した可視部材からなるクリアプレート51が装着される。
可変表示部44には、例えば136個のLED(発光素子)を横方向に17列、縦方向に8列並べて所定の画面を形成したドットマトリクス型のもので、発光の組み合わせによって第9図(A)〜(C)のように種々の数字、文字、図柄等の表示および発光の位置を変えることによって横方向や縦方向等に移動表示等が可能である。
記憶個数表示部46は、4つのLEDからなり、特定入賞口6a〜6cへ入賞した球数の未処理個数(後述する)をLEDの点灯個数にて表示する。
また、表示基板49には可変表示部44の上方に3群の停止表示LED51a〜51c(それぞれ3つのLEDからなる)が、記憶個数表示部46の左右には各1群の飾りLED52a,52b(それぞれ3つのLEDからなる)が取り付けられる。停止表示LED51a〜51cは、可変表示部44を3つの画面44a,44b,44cに分けるように間をおいて配置されると共に、それぞれ発光色の異なる2種類の素子を備え、緑色あるいは赤色に発光可能である。
変動入賞装置5は、第10図〜第13図のように遊技盤1の表面に取り付けられる基板53の中央上部に入賞口となる開口部54が設けられ、開口部54の左右に開口部54の上方に突設した鐙部55と連続して流下してきた打球が開口部54側に流入することを阻止する閉状態(第10図の実線で示す)と、上端を起こして流下してきた打球を開口部54側に流入させる開状態(第10図の点線で示す)とに変換可能な一対の可動部材56a,56bが配設される。
可動部材56a,56bは、それぞれ基板53に設けた軸受部57a,57bを貫通する回動軸58a,58bに取り付けられ、回動軸58a,58bの軸端にアーム59a,59bが固定され、アーム59a,59bに係合する駆動レバー60を介してソレノイド61に連結される。ソレノイド61に通電されると、上動する駆動レバー60によりアーム59a,59bが所定角度回動され、可動部材56a,56bは閉状態から開状態に作動される。
基板53の前面には、可動部材56a,56bの下部にて可動部材56a,56bが受け入れた打球を開口部54内に案内する流下棚62を形成したケース63が取り付けられ、ケース63内にそれぞれ前面のレンズ部64を介して可視される7セグメントLEDからなる入賞個数表示器66と継続回数表示器67が並設される。
入賞個数表示器66は開口部54内に入賞した個数を、継続回数表示器67は特別遊技のサイクル継続回数(後述する)を表示する。また、表示器66,67の回りには飾りランプ42c〜42fが配設される。
基板53の裏面側にはカバー部材68が取り付けられ、カバー部材68には前記流下棚62と連続して中央に連続作動口69が形成され、連続作動口69には連続作動口69への入賞球を検出するサイクルスイッチ24が設けられる。連続作動口69の左右には一般入賞口70a,70bが画成され、これらの下方の出口流路71には連続作動口69および一般入賞口70a,70bを通過した入賞球を検出するカウントスイッチ23が設けられる。
また、カバー部材68の裏面側には前記開口部54の後方位置に当たり表示ランプ72a〜72cが配設される。
ところで、変動入賞装置5は遊技部3の下部に配置されるため、打球発射装置により遊技部3内に発射された打球が、第2図のようにその左右上方に植設された群73a,73bの遊技釘の間に入ると、高い確率で変動入賞装置5へ導かれ、このとき可動部材56a,56bが開状態であれば多量に変動入賞装置5へ入賞するが、この可動部材56a,56bが開状態にあるときは、打球が特定入賞口6b,6cにも入りやすくなるように、可動部材56a,56bと関連して各遊技釘の位置が定められる。
即ち、群73a,73bの遊技釘に沿って流下する打球が群73a,73bと可動部材56a,56bの先端の間に向かうように、群73a,73bの内側に群74a,74bの遊技釘が配置され、さらに群73a,73bと可動部材56a,56bの先端の間を通った打球が特定入賞口6b,6cへ向かうように群75a,75bの遊技釘が配置される。したがって、可動部材56a,56bが開状態にあるときは、多数の打球が変動入賞装置5に入賞する一方、群74a,74bおよび75a,75bの遊技釘の調節により、群73a,73bに沿う打球は高い確率で特定入賞口6b,6cに入賞するようになる。
第14図は制御系のブロック構成を示すもので、制御装置76はCPU77、ROM78、RAM79、バッファゲート、出力ポートならびにROM78とは別の外部フォントROM80a、80b等からなるマイクロコンピュータにて構成される。
ROM78にはCPU77を制御するプログラムデータや可変表示部(デジタル)44の遊技用表示データ等が格納され、CPU77はプログラムデータおよび各スイッチ21a〜21c、22、23、24の検出信号等に基づいて、ROM78、RAM79とでデータの授受および処理等を行い、出力ポートを介してデジタル44、ランプ18a〜18g、19a、19b、20a、20b、42a〜42f、72a〜72c、LED−A,B、記憶個数表示部46、停止表示LED51a〜51c、飾りLED52a、52b、変動入賞装置5のソレノイド61等を制御する。
また、外部に接続した外部フォントROM80a、80bにはメッセージや動画等の付加表示データが格納され、出力ポートを介してイネーブルされると、切替回路により外部フォントROM80a、80bは出力ポートから送られるアドレスに応じてメモリの所定の付加表示データをデジタル44に出力する。第27図に外部フォントROM80a、80bのデータ内容を示すが、この場合メッセージでは、横スクロールにより表示を行うように、表示するデータが連続して設定され、動画では、画面切り換えにより表示を行うように、表示するデータが1画面毎に設定される。したがって、後述するがメッセージは表示領域のアドレスを一つづつ増やすことにより、デジタル44上では右から左に移動するように表示され、動画等は表示領域のアドレスを一画面分づつ増やすことにより切り換え表示される。なお、外部フォントROM80a、80bはそれぞれのデジタルの右半分と左半分のデータを格納している。81はサウントジェネレータ、82はスピーカである。
また、制御装置76は分周回路が2m秒毎に発生するリセット信号を割り込みとして用いており、したがってCPU77は2m秒毎に定期的に1回分のプログラムを実行する。なお、ストラップスイッチ22は遊技者がデジタル44の回転停止を指令するもので、遊技盤1の左下部に設けられる。
次に制御装置76による制御内容を第15図〜第25図に基づいて説明する。
第15図はメインプログラムを示すもので、各スイッチに対する“入力処理(フェーズ0)”、電源投入等に対する“初期化処理(フェーズ1)”、“不正監視処理((フェーズ2)”、ゲーム処理(フェーズ3)”、“出力編集(フェーズ4)”、“出力処理、音の編集・出力および乱数の生成(フェーズ5)”の順に進行する。
第16図はフェーズ0のフローを示すもので、スタックポインタの開始アドレスを設定し(0.01)、各スイッチの状態を読み込みチャタリングの除去後(0.02〜0.04)、各スイッチの現状態、アクティブ状態(立ち上がりエッジ)を検出、記憶する(0.05〜0.11)。チャタリングの除去により誤検出を防止し、他のフェーズにて使用可能とする。
第17図はフエーズ1のフローを示すもので、電源投入時およびRAM領域が異常の場合にRAM領域の初期化処理を行う。この初期化処理は3回に分けて行われ、まず、所定A群のRAM領域の不確定なデータを加算しながら該RAM領域をクリアし(1.04,1.06)、RAM検査領域0に所定の検査データを設定する(1.05、1.09)。次に、所定B群のRAM領域の不確定なデータを加算しながら該RAM領域をクリアし(1.15、1.06)、各乱数の初期値を乱数領域に設定、(1.13、1.14、1.07)、RAM検査領域2に所定の検査データを設定する(1.16、1.10)。そして、各乱数の値からサブルーチンCHGBCD(第25図(C))にてデジタル44の表示値を算出、設定し(1.18〜1.23)、デジタルの呼ぶ込み表示を設定し(1.24)、RAM検査領域1に所定の検査データを設定して(1.25、1.11)初期化処理を終了する。なお、検査データの設定後毎に、第24図(B)のように乱数の更新が行われる(後述する)。
第18図(A)、(B)はフエーズ2のフローを示すもので、フェーズ4で出力編集された出力情報をサブルーチンNMIINT(第25図(E))にて各出力ポートに出力すると共に(後述する)、不正検出処理を行う。不正検出処理では、カウントスイッチ23が例えば1.992秒以上連続してオンの場合あるいは1.992秒以上連続してショートした場合(2.02〜2.09)、該当不正フラグをセットして不正有と判定する(2.10,2.20)。また、特別遊技の大当たり動作中(後述する)にサイクルスイッチ24のオン2秒以内にカウントスイッチ23がオンとならなかった場合(2.02〜2.09、2.18)、通過時間不正フラグをセットして不正有と判定する(2.10,2.20)、また、同じく大当たり動作中のカウントスイッチ23の有効時間(例えば16.5+1.9秒)に1回もカウントスイッチ23がオンとならなかった場合、サブルーチンNCCHK(第25図(D))にてノーカウント不正フラグをセットして不正有と判定する(2.11、2.12、2.20)。そして、不正有の場合、不正音の出力およびランプ42a〜42fの点滅を行う(2.21〜2.23)。なお、通過時間監視要求、ノーカウント監視要求はフェーズ3にてセットされる(後述する)。
第19図(A)〜(C)、第20図(A)〜(J)はフェーズ3のフローを示すもので、入賞スイッチ21(特定入賞球検出スイッチ21a,21b,21c)の貯留処理、カウントスイッチ23、サイクルスイッチ24の入力監視、ゲームシーケンス用タイマの監視および更新、ゲーム進行により変化するステップ処理からなる。
まず、第19図(A)にて入賞スイッチ21に打球の入賞がある場合は、入賞に伴い入賞スイッチ21の貯留数を最大4個まで更新、記憶し(3.01〜3.03、3.06)、また入賞毎に主乱数RANDOMの値を抽出し、記憶する(3.07)。また、このとき普段動作中であれば、入賞音の出力要求をセットする(3.04、3.05)。
次に、第19図(B)にて大当たり動作中になければ、3.26以降に進み(3.09)、大当たり動作中にあれば、カウントスイッチ23のオン毎に入賞数の表示要求をセットし(3.10、3.12、3.14、3.15)、入賞数が10個になるとシーケンスタイマを初期化する(3.17)。そして、大当たり動作中にサイクルスイッチ24がオンすれば、ステップ番号(後述する)を切り換え、フェーズ2の不正処理の通過時間監視要求をセットして3.26以降に進み(3.18〜3.21、3.24)、さらにサイクル継続が10回未満であれば、アタッカー(変動入賞装置の可動部材56a,56b)のインターバル時間を補正してST8010(第20図(I))に移行する。(3.25)。なお、カウントスイッチ23のオン時には入賞音の、ステップの切り換え時には継続音の出力要求をセットする(3.11、3.22)。
第19図(C)にて3.26以降では、シーケンスタイマが0のときに実行ステップ番号に対応したゲーム処理に入る(3.31〜3.40)。
STEP0(貯留数のチェック)では、入賞スイッチ21の貯留情報を判定し(3.001)、貯留の無い場合はフェーズ4へ移行する。貯留が有る場合は貯留情報を更新し、乱数の記憶領域を更新し、デジタル44の回転制御カウンタを回転にセットし、停止表示LED51a〜51cの消灯情報をセットし、デジタル回転音の出力開始をセットし、シーケンスタイマに自然停止時間(ストップスイッチ22の有効期間)をセットし、実行ステップ番号を“1"に変更してフェーズ4へ移行する(3.002〜3.008)。
STEP1(固定時間の設定)では、シーケンスタイマにデジタル44の最小回転可能時間となる固定時間を設定し、実行ステップ番号を“2"に変更してフェーズ4へ移行する(3.101、3.102)。
STEP2(停止図柄の確定)では、デジタル44の左デジタル(画面44a)、中デジタル(画面44b)、右デジタル(画面44c)の回転停止データの作成を行うが、ここで各デジタルの表示図柄、回転停止データを作成するための乱数およびランダム時間について説明する。
表示図柄 表示図柄は左、中、右デジタルともに第26図(A)のように11種類あり、変動順序(回転順序)は左、中、右デジタルともに図の上から下である。図中カッコ内はプログラムで扱う数値である。また、表示図柄の組み合わせは11×11×11=1331通りあり、そのうち大当たりとなる組み合わせは第26図(B)のように6通りある。したがって、大当たりの発生確率=6/1331=1/221.8…となる。
乱数 乱数には主乱数RANDOM、副乱数SUBGENを用いる。
主乱数RANDOMは、デジタル停止時の表示図柄の組み合わせに使用する乱数で、2バイトのバイナリカウンタで構成され、CPU77のリセット割込み毎に元の値に“1"を加算することにより更新を行い、、1331以上となった場合は1331を引くことにより0〜1330の値を発生する。このRANDOMの値は前述のように入賞スイッチ21の入賞時に抽出され、記憶される(第19図(A)の3.07)。この記憶されたRANDOMの値を11進の桁データに変更し、各桁データに各デジタルが現在表示している値(第26図(A)のカッコ内の値)を加えた結果が次の停止図柄となる。
副乱数SUBGENは、ランダム時間の設定に用いるもので、1バイトのバイナリカウンタで構成され、CPU77の処理時間の余りを利用して次のリセット割り込みまで、繰り返し更新を行う。更新はビット6とビット0の排他論理和をビット0に入れ、元のビット0〜6を順にシフトすることにより行い、127通りのビットパターンを発生する。
なお、乱数RANDOM、SUBGENの更新、生成はフェーズ5の第24図(B)のフローにて行われる。
ランダム時間 ランダム時間は、副乱数SUBGENから算出するα時間、β時間、γ時間よりなる。
α、β、γ時間は、左、中、右デジタルの停止時間(スクロール時間)を設定するもので、各デジタルの停止図柄の決定後、SUBGENの下2桁を抽出し、抽出した値に96m秒を乗算し、さらに512m秒を加算して求める。この、α、β、γ時間中に対応するデジタルの図柄の回転速度(更新速度)を減速させると共に、α、β、γ時間が512m秒よりも多い場合は、停止する図柄をオーバランさせ、オーバラン後停止させる(後述する)。
STEP2に入ると、記憶していた主乱数RANDOMの値を読み出し、このRANDOMの値からサブルーチンCHGBCD(第25図(C))にて11進データに変換して求めた百位の値を左デジタルの駒送り数としてセットし、その十位の値を中デジタルの駒送り数としてセットし、その一位の値を右デジタルの駒送り数としてセットする(3.201〜3.205)。そして、これらの駒送り数として各デジタルの現表示図柄の値に加算し、停止図柄データとして設定する(3.206)。また、当たりフラグを初期化し、実行ステップ番号を“3"に変更してSTEP3に移行する(3.207、3.208)。
STEP3(デジタルの停止監視)では、回転制御カウンタを更新し(左、中、右の順にデジタルが停止となる)、該当デジタルの停止データ(停止図柄)を取り出し、該当デジタルの表示図柄を示すベースポインタを停止データに変更し、さらに乱数SUBGENを抽出してα、β、γ時間をセットし、該当デジタルのスクロール動作時のオフセット量を示すオフセットポインタおよびスクロールタイマを初期化する(3.301〜3.304)。
そして、シーケンスタイマに固定時間(1.0秒)をセットし、全デジタルの停止処理が終了すれば実行ステップ番号を“4"に変更してフェーズ4へ移行する(3.306、3.307)。
STEP4(大当たり/外れ判定処理)では、当たりフラグの値から大当たりか外れかを判定し(3.402)、外れの場合には外れ動作時間をセットし、実行ステップ番号を“5"に変更する(3.403、3.404)。大当たりの場合にはデジタル44のディスプレイ要求をセットし、連続回数カウンタおよびカウントスイッチ23の入力カウンタを初期化し、ファンファーレ音(大当たり動作音)の出力開始およびファンファーレ動作時間(大当たり開始時のアタッカーのウエイトタイムとなる)をセットし、実行ステップ番号を“6"に変更する(3.405〜3.410)。
STEP5(外れ動作時間の終了監視)では、外れのため、STEP9にて普段動作への復帰処理を行い、実行ステップ番号を“0"に戻してフェーズ4へ移行する。
STEP6(ファンファーレ出力時間の監視)では、連続回数カウンタを更新し、サイクル継続が10回未満であれば1〜9回目の大当たり動作音をセットし、10回目であれば、10回目の大当たり動作音をセットする。また、LED−A(継続回数表示器67)とLED−B(入賞個数表示器66)の表示およびカウントスイッチ23の入力カウンタを初期化する(3.601〜3.606)。そして、アタッカーのオープン時間(大当たり動作時間)16.5秒を設定し、実行ステップ番号を“7"に変更してフェーズ4へ移行する(3.607、3.608)。
STEP7(サイクルスイツチ入力前のアタッカーオープン時間の終了監視)では、不正処理(フェーズ2)のノーカウント監視要求をセットし、デジタル44の制御情報を設定し、大当たり動作音の停止要求をセツトし、サイクルスイツチ24、カウントスイッチ23の有効時間1.9秒をセットし、実行ステップ番号を“9"に変更してフェーズ4へ移行する(3.701〜3.705)。
STEP8(サイクルスイツチ入力後のアタツカーオープン時間の終了監視)では、アタツカーのインターバル時間をセット後、ノーカウント監視要求をセットし、またアタッカーのウェイトタイム中のデジタル44のディスプレイ要求をセットし、インターバル音の出力開始をセットし、実行ステップ番号を“6"に変更してフェーズ4へ移行する(3.801〜3.805)。
STEP9(スイッチの有効時間の終了監視)では、大当たり終了の動作時間をセットし、音出力の停止データを設定し、実行ステップ番号を“0"に変更する(3.901〜3.903)。また、実行ステップ番号のセット、シーケンスタイマのセット、音の制御情報のセットを行う(3.904〜3.906)。
なお、STEP6,7は大当たり時に実行され、STEP8はサイクル継続時に実行される。
第21図(A)〜(D)、第22図(A)、(B)、第23図(A)〜(C)はフェーズ4のフローを示すもので、他のフェーズで設定された動作処理情報を出力デバイスに対する情報に変換する処理を行い、その処理項目はデジタルの表示切換え、制御情報作成、デジタル回転・スクロール制御、デジタル表示制御、呼び込み表示制御、ディスプレイ制御、各LEDの制御、ソレノイド・各ランプの制御、LED−A.Bの制御からなる。
デジタル44の表示切換えは、デジタル44に呼び込み表示を行うタイミングをセットするもので、第21図(A)にて普段動作が連続して2分以上続いた場合に(4.101〜4.106)、表示制御ブロック番号(後述する)を設定し、呼び込み表示動作を起動する(4.107)。
デジタル44の制御情報としては、第21図(B)にて各デバイスのタイミングを取るためのタイマを更新すると共に(4.109)、所定時間(512m秒)が経過する毎に、大文字表示を行うデジタルを判定するための大文字フォントのポインタを更新する(4.110〜4.113)。そして、リセット割り込み毎に、左、中、右デジタルのうち制御の対象となるデジタルを選択するためのスキャンポインタを選択し(4.114〜4.116)、スキャンポインタにより現デジタルの制御領域のアドレスを算出し、さらに現デジタルの表示領域(デジタルの表示内容をビットイメージにて格納するVRAM領域で、17×8dotのイメージが約1画面格納される)のアドレスを算出する(4.117〜4.120)。
デジタル回転・スクロール制御および表示制御では、普段動作であれば、第21図(D)にて左、中、右デジタルの順に大文字の表示タイミング条件に応じて大文字の表示データあるいは小文字の表示データをVRAMにセットし(4.145、4.151〜4.153)、デジタル44の回転であれば、小文字の表示データをVRAMにセットする(4.146、4.153)。また大当たり動作中でサイクル継続前であれば、継続10回目を除いて所定時間(64m秒)毎に交互に小文字の表示データと消灯データをVRAMにセットし(4.147〜4.149、4.153、4.154)、サイクル継続(サイクルスイッチ24のオン)となれば、所定時間(512m秒)毎に交互に大文字の表示データと小文字の表示データをVRAMにセットする(4.147、4.150〜4.153)。大文字表示は普段動作時と大当たり動作中のサイクル継続時に行われ、普段動作時にはデジタル44の図柄は左、中、右デジタルの順に第28図(A)〜(C)のように伸び縮みし、サイクル継続時にはデジタル44の図柄(当たり図柄である)は各デジタルとも第29図(A)、(B)のように伸び縮みする。
そして、デジタル44が回転中(回転制御カウンタからの情報による)であれば、第21図(C)にて、左、中、右デジタルの順にサブルーチンPNTUP(第25図(B))にてオフセット量を示すオフセットポインタを更新し、さらに図柄を示すベースポインタを更新する(4.121〜4.123)。したがって、各デジタル44a,44b,44cはリセット割り込み毎に1ドットづつ回転する。また、回転後のスクロール要求(スクロールタイマによる)により、スクロール時間32m秒毎にサブルーチンPNTUPにてオフセットポインタを更新し、さらにベースポインタを更新する(4.125〜4.128)。この場合、各デジタル44a、44b、44cは32m秒毎に1ドットづつ回転する。そして、2つの図柄のスクロール終了時にオフセットポインタが0であれば、4.135以降へ進み、オフセットポインタが0でなければ、64m秒毎にオフセットポインタを更新(−1)して0になると4.135以降に進む(4.129〜4.134)。これにより、デジタルが回転から停止処理に入ったときに図柄の更新速度を減速してスクロール表示を行う。また、スクロール終了時にオフセットポインタが0になるかどうかは、前述のα、β、γ時間により定まり、したがって停止する図柄はランダムにオーバラン(順スクロール→逆スクロール)する。なお、逆スクロールは64m秒毎に1ドットづつの移動となる。
第30図にデジタルの回転から停止までの図柄の移行例を示すと、スクロールの開始時に例えば停止図柄〔7〕の2つの手前の図柄〔5〕に変換され、その図柄〔5〕から縦方向に16スクロール(1スクロール32m秒)して停止し、このときα、β、γ時間に応じて停止図柄〔7〕がランダムにオーバランする。
4.135以降では、デジタルの表示情報を取り出し、左デジタル44aが当たり図柄で停止すると、停止表示LED51aに緑の点灯情報をセットし、次に中デジタル44bが当たり図柄(左デジタル44aと同図柄)で停止すると、停止表示LED51bに緑の点灯情報をセットし、さらに右デジタル44cが当たり図柄(左、中デジタル44a,44bと同図柄)で停止すると、停止表示LED51cに緑の点灯情報をセットする(4.135〜4.142)。停止表示LED51a〜51cは当たりの可能性が無いときは赤色に点灯し(4.139)、当たりの可能性が有るときは順に緑色に点灯する。
呼び込み表示制御は電源投入時および普段動作時に、ディスプレイ制御は大当たり時に第22図(A)、(B)にて実行されるもので、24のブロックから構成されており、各ブロックに対応した時間値と上限ポインタおよび表示領域のアドレスがデータテーブル化されている。そして、この場合選択されたブロックにしたがい呼び込み表示制御は外部フォントROM80a、80bに対して、ディスプレイ制御は外部フォントROM80a、80bのVRAMに対して行うと共に、割り込み毎に表示時間を監視するタイマを更新し、設定された時間値を越えた場合制御の動作回数を監視するポインタを更新し、ポインタが上限値を越えた場合ブロックを更新する(4.156〜4.173)。
呼び込み表示制御は、電源投入時および普段動作時に呼び込み表示が指令されると(第17図の1.24、第21図(A)4.107)、まずUNIT1(画面横スクロール)にて外部フォントROM80a、80bを選択し、外部フォントROM80a、80bに記憶した“イラッシャイマセ!"の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する(4.1017〜4.1019)。次にUNIT2(画面切り換え)にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“おじぎパターン”の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“9"(左右半分づつの画面分)を設定し、表示アドレスに移動量を加算する(4.1018〜4.1020)。次にUNIT1にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“ヨウコソ…”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“円盤”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT1にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“リムジンP−7…”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“円盤”の表示データのアドレス(前述と同一)をセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。
“イラッシャイマセ!"、“ヨウコソ…”、“リムジンP−7…”はデジタル44上を横方向に移動表示され、“おじぎパターン”、“円盤”は1画面づつ切り換え表示される。第31図に呼び込み表示の例を示す。
ディスプレイ制御は、大当たりによりディスプレイ要求がセットされると(第20図(E)の3.405)、まずBLK09(停止図柄選択)にて外部フォントROM80a、80bを選択し、外部フォントROM80a、80bに記憶した該当する大当たり図柄(“111"“333"、…)の表示データのアドレスを算出し、セットし(4.1002〜4.1006)、次にUNIT2にて画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する(4.1018、4.1020)。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記載した“爆発パターン”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記載した“デター”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。
大当たり図柄、“爆発パターン”、“デター"1画面づつ切換え表示され、その表示例を第32図に示す。この場合、大当たり図柄(例えば当、当、当)が点滅後中央に圧縮されて爆発するように表示され、爆発を終えると徐々に“デター”が現れるように表示される。
“デター”の表示を終えると、UNIT0(VRAMのデジタル表示)にてVRAMが選択され、表示アドレスVRAMが設定される。(4.1015、4.1016)。この場合、第21図(D)にてVRAMにセットされたデータ(小文字データ、大文字データ、消灯データ)により表示が行われる。
次に大当たり中にサイクル継続によるディスプレイ要求がセットされると(第20図(I)の3.803)、BLK14(継続回数選択)にて外部フォントROM80a、80bを選択し、サイクル継続回数に応じて外部フォントROM80a、80bに記憶した継続表示データ(“2回目ヒラキマス”、“3回目ヒラキマス”、……)のアドレスを算出し、セットし(4.1002、4.1003、4.1005〜4.1007)、次にUNIT1にて画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。
継続表示を終えると、UNIT0にてVRAMが選択され、表示アドレスにVRAMが設定される。このBLK14、UNIT1、0の処理はサイクルが継続される毎に行われる。第33図(A)〜(I)に継続回数2回目から10回目までの表示例を示す。
そして、大当たりが終了すると、BLK17、(終了表示選択)、BLK19(制御ブロック切り換え)にて終了表示の選択が行われ(4.1009〜4.1011、4.1013)、この場合継続回数が10回での終了であれば、UNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“バンザイパターン”の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“9"を表示アドレスに加算する。次に外部フォントROM80a、80bに記憶した“ファイトパターン”の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“9"を表示アドレスに加算し、さらにUNIT1にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“モウ1回!"の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“1"を表示アドレスに加算する。
また、継続回数が10回未満での終了であれば、“バンザイパターン”の表示を行わず、“ファイトパターン”、“モウ1回!"の表示のみを行う。“バンザイパターン”、“ファイトパターン”、“モウ1回!"の表示例を第34図(A)〜(C)に示す。
停止表示LED51a〜51cの制御は、第23図(A)にて、普段動作中であれば512m秒毎に交互に点灯データa(LED51a−赤、51b−緑、51c−赤)、点灯データb(LED51a−緑、51b−赤、51c−緑)をセットし、64m秒毎に、点灯データをセットし、これらのデータをダイナミック点灯制御領域にセットする(4.174〜4.179)したがって、普段動作中は512m秒毎にLED51aは赤■緑、LED51bは緑■赤、LED51cは赤■緑に、かつ64m秒毎に点滅を行いながら点灯する。
また、大当たり動作中であれば、デジタルのディスプレイ中に128m秒毎に交互に点灯データc(LED51a,51b,51cの9つのLEDを順に、赤、緑、赤、緑…に点灯)、点灯データd(LED51a,51b,51cの9つのLEDを順に、緑、赤、緑、赤…に点灯)をダイナミック点灯制御領域にセットする(4.180〜4.185)。したがって、大当たり動作中は、9つのLEDが128m秒毎に順に赤■緑、緑■赤、…に点灯する。なお、デジタルの停止処理中の制御は、第241図(C)に述べたように当たりの可能性の有無に応じて緑または赤の点灯を行う。
他方、飾りLED52a,52bは、64m秒毎に点滅を行うように点灯データと消灯データをダイナミック点灯制御領域にセットし、また記憶個数表示部46は入賞スイッチ21の貯留情報(貯留数)に対応して点灯するように点灯データをダイナミック点灯制御領域にセットする。(4.186〜4.189)。
ソレノイド61、各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b,72a〜72cの制御は、第23図(B)にて、フェーズ3の実行ステップ番号(第19図(C))をオフセットした点滅データテーブル(ソレノイドのオン−オフデータを含む)のアドレスを算出し、データ列の規定時間とタイマ値を比較して第1点滅データまたは第2点滅データを選択し、出力域にセットする(4.190〜4.197)。なお、各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72cは、点滅データにより第35図のように点滅する。
LED−A(連続回数表示器67)、B(入賞個数表示器66)の制御は、第23図(C)にて、大当たり動作中になければ、64m秒毎にポインタを更新し、サブルーチンTBLCHG(第25図(A))にて普段動作の点滅データを取り出し、ダイナミック点灯制御領域にセットする(4.212〜4.217)。この場合、LED−A、Bは第36図(A)のように8の字を描くように点灯制御される。
また、大当たり動作中にあれば、サイクルスイッチ24に入力があったか、サイクルスイッチ24、カウントスイッチ23の有効期間中か、10回目の継続動作中か、64m秒経過したかによりLED−A、Bの制御情報をセットし、ディスプレイ要求(第20図(I))および入賞数表示要求(第19図(B))毎に各マスクデータポインタを更新して、サブルーチンTBLCHGにてマスクデータおよびディスプレイデータを取り出し、これらの論理積をダイナミック点灯制御領域にセットする(4.198〜4.211)。したがって、LED−Aは継続回数を、LED−Bは入賞数を表示すると共に、その表示更新は第36図(B)のように1セグメントずつ行われる。
第24図(A),(B)はフェーズ5のフローを示すもので、フエーズ4で出力編集された出力情報をサブルーチンNMIINT(第25図(E))にて各出力ポートに出力すると共に(5.01)、音の編集およびその出力処理(5.02〜5.26)と、前述した各乱数の生成を行う。(5.27〜5.31)。
NMIINTでは、デジット出力をオフし、デジットポインタを更新して対応するセグメントデータを取り出し(6.501〜6.503)、不正が無ければ(フェーズ2)、各データを対応する出力ポートに出力する(6.504〜6.512)。6.50ではランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72の点灯データとソレノイド61のオンデータを、6.506では記憶表示部46、停止表示LED51a〜51c、飾りLED52a、52b、LED−A、Bのデータを、6.5、10、6.511ではデジタル44のデータを、この場合VRAMが選択されているときには表示アドレスより取り出したデータを、外部フォントRAM80a、80bが選択されているときは表示アドレスを出力する。
音の出力制御は、フェーズ4にて要求された音データにより音階データ(周波数データ)、発音時間、発音停止時間および音量データ(アッテネーションデータ)を取り出し、逐次サウンドジェネレータ81の各チャンネルに出力する。
次に、上記のように構成されたパチンコ機における遊技を説明する。
まず、電源が投入されると、可変表示装置4の停止表示LED51a〜51cが選択的に赤と緑に交互に点灯、点滅し(第23図(A)の4.175〜4.179)、飾りLED52a、52bが点滅を繰り返し(第23図(A)の4.186〜4.188)、LED−A、Bが第36図(A)のように表示制御され、(第23図(C)の4.212〜4.217)、またデジタル44により呼び込み表示が行われる(第22図(A)、(B))。
呼び込み表示では、マイクロコンピュータの外部フォントROM80a、80bに記憶した付加表示データに基づき、第31図のように“イラッシャイマセ!"、“おじぎパターン”、“ヨウコソ……”、“円盤”、“リムジンP−7……”等のメッセージや動画が表示され、これは遊技者により遊技が始められるまで(遊技部3に発射された打球が特定入射口6a〜6cに入賞するまで)、定期的に(呼び込み表示の前後でデジタル44に遊技用の図柄の伸び縮み表示が2分間づつおこなわれる)行われる(第17図の1.24、第21図(A))。
このため、デジタル44の表示に遊技者の目が行きやすく、パチンコ機を選ぶときに遊技者を十分に引き付けることができると共に、パチンコ機あるいは島設備全体を華やかに彩ることができる。
そして、遊技が始められ遊技部3に発射された打球がうまく特定入賞口6a〜6cに入賞すると、デジタル44の図柄が回転を始め(第20図(A)の3.003、第21図(C)の4.121〜4.123)、また乱数RANDOMおよびSUBGENが抽出され(第19図(A)の3.07、第20図(D)の3.304)、デジタル回転音が出力され、停止表示LED51a〜51cが消灯する(第20図(A)の3.005、3.006)。なお、LED−A、B等は前の状態を継続する。
次に、デジタル44の自然停止時間が経過するとあるいはストップスイッチ22が押されると、まず左デジタル44aの図柄のスクロールが開始され(第21図(C)の4.125〜4.134)、このとき乱数SUBGENより求めたα時間つまり左デジタル44aのスクロール時間がセットされる(第20図(D)の3.304)。また、乱数RANDOMおよび回転前の表示図柄により左、中、右デジタル44a〜44cに停止する図柄が決定される(第20図(C)の3.201〜3.206)。
スクロールは第30図のように停止図柄の2つの前の図柄から緩やかな更新速度で行われ、この場合前記スクロール時間が経過すると停止するが、スクロール時間が所定時間より多いかどうかにより停止図柄はランダムにオーバランし、後に定位置に戻る。
左デジタル44aのスクロールが停止すると、固定時間経過後に中デジタル44bのスクロールが開始され、乱数SUBGENによるβ時間(スクロール時間)が経過すると、中デジタル44aのスクロールが停止され、次に固定時間経過後に右デジタル44cのスクロールが開始され、乱数SUBGENによるγ時間(スクロール時間)が経過すると、右デジタル44cのスクロールが停止される(第20図(D)の3.304、第21図(C)の4.125〜4.134)。中デジタル44bのスクロールおよび右デジタル44cのスクロールも左デジタル44aと同様に第30図のように行われ、停止図柄はスクロール時間に応じてランダムにオーバランする。
デジタル44a〜44cの図柄の回転を停止する際に、図柄を緩やかな速度でスクロール、つまりドットマトリクス型の表示装置により図柄が流れるように表示および更新されるため、図柄および図柄の切り換わりが大変見やすくなり、このため遊技者にとって各デジタル44a〜44cが目標(当たり)の図柄で停止するかどうかの高い期待感が得られる。また、デジタル44a〜44cの停止直前にランダムに停止図柄がオーバランするため、意外性も有り、特にオーバランする図柄やその次の図柄等が当たり目のときには、スクロール表示とによって当たりに対する期待感が一層高められる。
また、この場合各デジタル44a〜44cが停止するのに伴い停止表示LED51a〜51cが、例えば左デジタル44aが当たり図柄で停止すると対応する停止表示LED51aが緑に点灯し、次に中デジタル44bが左デジタル44aと同図柄で停止すると対応する停止表示LED51bが同じく緑に点灯し、さらに右デジタル44cがこのとき左、中デジタル44a、44bと異なる図柄で停止すると対応する停止表示LED51cが赤に点灯するが、左、中デジタル44a,44cと同図柄で停止すると停止表示LED51cがLED51a,51bと同じく緑に点灯する(第21図(C)の4.136〜4.142)。
このため、当たりの可能性が有るときは、デジタル44a〜44bの停止に伴って停止表示LED51a〜51bが順々に緑に点灯するため、先のLED51a,51bが緑になれば、デジタル44a,44bの停止図柄と共に当たりの可能性が高いことを知ることができ、最後のデジタル44cがどの図柄で停止するかあるいは最後のLED51cが緑になるかどうかの当たりの可能性への高い期待感が得られる。
そして、デジタル44a〜44cが停止し、停止図柄が当たりでなければ、外れ動作時間経過後にデジタル44a〜44c等が普段表示に戻り、デジタル44a〜44cに停止図柄が第28図(A)〜(C)のように伸び縮み表示されるが(第21図(D)の4.151〜4.153)、この外れ動作終了から普段表示が連続して2分以上続くとつまりデジタル44が回転されないと、再びデジタル44により呼び込み表示が行われる(第21図(A)、第22図(A))。
この場合、2分のうちには打球が特定入賞口6a〜6cに入賞する可能性が高いため、呼び込み表示は例えば遊技者が遊技を中止してパチンコ機から離れたときに行われることが多い。なお、呼び込み表示は特定入賞口6a〜6cに打球が入賞すると中止される。
一方、デジタル44a〜44cが停止して停止図柄が当たりとなれば、以下の特別遊技が行われる。停止図柄は乱数RANDOMの値だけでなく、乱数RANDOMの値とデジタル回転前の表示図柄とにより定まり、当たりの発生確率は当たり図柄の組み合わせ数/表示図柄の組み合わせ数=1/221.8……である。
なお、特定入賞口6a〜6cへの打球の入賞後、当たり、外れの判定が出るまでの間に、さらに特定入賞口6a〜6cに打球が入賞すると、その入賞打球を未処理貯留数として記憶個数表示部46が点灯し、当たり、外れの判定後(あるいは特別遊技終了後)、再び前記制御が繰り返される(第19図(A)の3.01〜3.08、第23図(A)の4.189)。
そして、当たりとなれば、所定のウェイトタイム経過後に変動入賞装置5のアタッカー(可動部材56a,56b)が開かれるのであるが、このウェイトタイム期間中ファンファーレ音が出力され、LED−A,Bに“0"が表示されると共に(第20図(E)の3.408、3.410、第20図(G)の3.605)、デジタル44の大当たり時のディスプレイ表示が行なわれる(第22図(A)、(B))。また、当たりにより停止表示LED51a〜51cは9つのLEDが赤と緑に交互に切り換え点灯され、飾りランプ18a〜18g、42a〜42f、当たり表示ランプ19a,19b,20a,20b,72a〜72cが点滅される(第23図(A)の4.180〜4.185、第23図(B))。
デジタル44のディスプレイ表示は、外部フォントROM80a、80bに記憶した付加表示データに基づき、当たり図柄の点滅表示後、第32図のように当たり図柄が圧縮表示され、次に“爆発パターン”が表示され、さらに“デター”が現れるように表示および点滅表示される。この後、VRAMにセットされた当たり図柄が表示される(第21図(D))。
従来の7セグメント型等のデジタル表示装置では、当たりが発生した場合に当たり図柄の点滅等を行うのみだったのに対して、ドットマトリクス型のデジタル表示装置では、文字や図柄により種々の表示さらには動きのある変化に富んだ表示が可能であり、したがって当たりが発生したときの楽しさや喜びが増し、また各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72cや各LED51a〜51c等の当たり時の装飾点滅動作等も加わり、大きな満足感が得られる。
そして、ウェイトタイムが経過すると変動入賞装置5のアタッカー56a,56bが開かれる(第20図(G)の3.607)。これにより、遊技部3の上方から流下してきた打球が多数アタッカー56a,56bに受けとめられて変動入賞装置5の流下棚62から開口部54内に流入するようになり、このとき開口部54から中央の連続作動口69や左右の一般入賞口70a,70bに入った打球は、出口流路71を通過する際カウントスイッチ23により入賞球数をカウントされ、また連続作動口69に打球が入るとサイクルスイッチ24により次のサイクルを継続するように指示される(第19図(B))。
アタッカー56a,56bの開動作中にカウントされた入賞球数は、変動入賞装置5前面のLED−Bに表示され(第23図(C)の4.198〜4.211)、入賞球数が10個になるとあるいは所定時間(16.5秒)が経過すると、アタッカー56a,56bは閉じ、1サイクル終了となる(第19図(B)の3.17)。
また、アタッカー56a,56bの開動作中に打球が連続作動口69に入らなければ、次のサイクルが継続されないが(第20図(J)の3.903)、連続作動口69に入賞があれば、入賞した時点でサイクル継続音が出力され、点滅していたデジタル44の当たり図柄が第29図(A),(B)のように伸び縮み表示される(第19図(B)の3.22、第21図(D)の4.146〜4.155)。また、同時に各ランプの点滅速度が切り換えられる。(第23図(B))。したがって、サイクル中に遊技者はデジタル44の表示等の変化によって次のサイクルが継続可能なことを確認でき、安心してゲームを続行することができる。
そして、連続作動口69への入賞があれば、1サイクルの終了後、所定のインターバル時間が経過したときに、新しいサイクルに入り、再びアタッカー56a,56bが開かれる(第19図(B)の3.23、3.25、第20図(G)の3.607)。この場合、新しいサイクルに入る前のインターバル中にファンファーレ音が出力されると共に(第20図(G)の3.603)、デジタル44に外部フォントROM80a、80bの付加表示データに基づき、第33図(A)〜(I)のように連続回数に応じて遊技情報を表す“n回目ヒラキマス”、声援や称賛を表す“GO!GO!GO!"、“ラッキー7GO!"等の文字が横方向に送り表示される(第22図(A)、(B))。また、変動入賞装置5のLED−Bの表示がリセットされ、LED−Aに継続回数が表示され、(第20図(G)の3.605、第23図(C)の4.198〜4.211)、インターバルの経過後にアタッカー56a,56bが開かれる。
新しいサイクルにてアタッカー56a,56bが開かれると、打球が多数変動入賞装置5の開口部54内に入賞し、入賞球数が10個になるとあるいは所定時間が経過すると、アタッカー56a,56bが閉じてサイクルが終了となり、またアタッカー56a,56bの開動作中に連続作動口69に入賞があれば、前述と同様サイクル継続音が出力され、デジタル44の当たり図柄が伸び縮み表示され、各ランプの点滅速度が切り換えられると共に、次の新しいサイクルへ入る前のインターバル中にファンファーレ音が出力され、デジタル44に継続表示の文字が送り表示され、LED−Bの表示がリセットされ、LED−Aに継続回数が表示され、インターバルの経過後にアタッカー56a,56bが開かれる。
これらのサイクルは最高10回繰り返され、この場合10回目のサイクルに入る前のインターバル中には、1〜9回目までのファンファーレ音とは異なるファンファーレ音が出力される(第20図(G)の3.604)。
そして、10回目のサイクル中に変動入賞装置5への入賞個数が10個になるとあるいは所定時間が経過すると、アタッカー56a,56bが閉じ、大当たりが終了となり、LED−A,B、停止LED51a〜51b、飾りランプ18a〜18g、42a〜42f、当たり表示ランプ19a,19b,20a,20b、72a〜72c等が普段表示に戻される(第20図(J)、第23図(C)の4.212〜4.217、第23図(A)の4.174〜4.179、第23図(B))と共に、デジタル44に外部フォントROM80a、80bの付加表示データに基づき、第34図(A)〜(C)のように“バンザイパターン”、“ファイトパターン”、“モウ1回!"の表示が行われる(第22図(A)、(B))。
また、サイクルが継続されないときは、その時点で大当たりが終了となり、この場合には終了時に“バンザイパターン”が表示されず、“ファイトパターン”、“モウ1回!"のみ表示される。サイクルが10回であれば、遊技者の喜びが大きく、サイクルが10回未満であれば、遊技者を元気づけることになる。
そして、大当たりが終了すると、デジタル44が普段表示に戻り、このとき記憶個数表示部46に未処理貯留数があれば、あるいは特定入賞口6a〜6cへの打球の入賞があれば、デジタル44が回転する一方、普段表示が連続して2分続くと、前述した呼び込み表示が行われる。
このようにして、遊技がおこなわれるのであり、ドットマトリクス型のデジタル44を用いたので、表示が見やすくきれいであり、またデジタル44の図柄を回転から停止する際に図柄をスクロール表示およびランダムにオーバランさせるので、当たり図柄で停止するかどうかの高い期待感が得られ、また大当たり時にはデジタル44を介して文字や図柄等による種々のメッセージが表現されるので、その楽しみも大きくかつ十分な満足感が得られる。
また、デジタル44の図柄の停止に伴い、当たりの可能性の有無に応じて順に停止表示LED51a〜51cが緑あるいは赤に点灯されると共に、大当たりの発生時には停止表示LED51a〜51cおよび各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72cが一斉に点滅を開始するので、高い装飾効果が得られ、大当たり発生に対する楽しみおよび大当たり発生時の喜びが増大する。
また、大当たり中にサイクル継続となると、デジタル44に遊技情報や声援、称賛等を表す表示がされるので、遊技の進行状況を把握できると共に、サイクル継続が進むにつれて充足感が高まり、また大当たりの終了時には、サイクル継続回数に応じて表示されるメッセージ等により、大きな喜びあるいははげましとなり、デジタル式のパチンコ機としての高い興趣ならびに高い機能が確保される。
他方、電源投入時ならびに普段動作時(普段表示時)には、デジタル44に定期的に“イラッシャイマセ!"、おじぎパターン”、“ヨウコソ……”等のメッセージや動画が表示され、このためパチンコ機あるいは島設備全体を華やかに彩ることができると共に、パチンコ機を選ぶ際に遊技者を十分に引き付けることができる。
この呼び込み表示は、遊技中でないときならびに遊技中でも普段動作が連続して2分以上続いたときに、つまり特定入賞口6a〜6cに一定時間打球の入賞がないときに行われるため、遊技者に煩わしさを与えることはない。
また、このような大当たりのディスプレイ表示ならびに呼び込み表示に用いるメッセージや動画等の付加表示データをマイクロコンピュータ内部のROM78とは別の外部フォントROM80a、80bに記憶させ、外部フォントROM80a、80bから直接デジタル44に送るようにしたので、制御が複雑になったり、制御に遅れを生じたりすることはなく、リアルタイムの制御が可能になると共に、容量の大きい制御装置を用いずともメッセージ等の種々の表示、複雑かつ多彩な表示を行うことができ、またメッセージ等を変更するときには、外部フォントROM80a、80bのデータを書き換えるだけで簡単に対応でき、制御装置の開発さらにはパチンコ機の開発が極めて容易となる。
また、大当たりのアタッカー56a,56bの開動作中には、打球がアタッカー56a,56bの先端上方の群73a,73bの遊技釘の間に入ると、高い確率で変動入賞装置5に入賞するようになるが(第2図参照)、このとき群73a,73bの遊技釘に沿う打球は、群73a,73bの内側に設けた群73a,73bの遊技釘に案内されて、群73a,73bの遊技釘とアタッカー56a,56bの先端の間を通り、さらに群75a,75bの遊技釘によって特定入賞口6b,6c側へ導かれる。このため、群73a,73bおよび75a,75bの遊技釘の調整によりアタッカー56a,56bの開動作時には特定入賞口6b,6cへも多数の打球が入賞するようになり、大当たり時に十分な獲得球が得られる。なお、特定入賞口6b,6cに入賞した入賞球は、記憶個数表示部46に表示される貯留球となるため、大当たりが終了すると、もちろん貯留球に応じてデジタル44が回転される。
また、アタッカー56a,56bの開動作中には、遊技者の視線はデジタル44からの変動入賞装置5に移り、打球が変動入賞装置5にスムーズに入賞しているかどうかあるいはどれだけ入賞したかどうか等を注目するようになるが、この場合変動入賞装置5の前面にLED−A,Bを配置したので、これらの入賞状況あるいはサイクル継続回数等を容易に把握でき、また変動入賞装置5の左右に特定入賞口6b,6cを配置したので、特定入賞口6b,6cへの打球の動きも見やすく、このため視線をそれほど動かさずに特定入賞口6b,6cへの打球の流れあるいは特定入賞口6b,6cにたくさん入賞したかどうかも確認でき、遊技者がゲームに集中できると共に、特定入賞口6b,6cの入賞を見ることで、喜びが大きなものとなる。
(発明の効果)
以上のように本発明によれば、複数の識別情報を可変表示して、所定の停止識別情報になった際に特別遊技を起生させるための可変表示手段と、上記可変表示手段への所要の表示指令制御を含む遊技制御を行う遊技制御手段と、を有する遊技機において、上記可変表示手段には、上記複数の識別情報以外にもメッセージ等の付加表示情報を表示可能に構成し、上記遊技制御手段には、上記識別情報および付加表示情報の双方の表示指令を行うための制御情報を記憶する第1の記憶手段と、上記制御情報に基づく制御を行う際に、制御に要する所定制御情報の一時記憶および読出が可能な一時記憶手段と、少なくとも上記付加表示情報等を予め記憶させた第2の記憶手段と、を有し、上記第1の記憶手段と上記第2の記憶手段とは個別に分離構成したので、第2の記憶手段に容量の多い記憶手段を用いることが可能になり、多量の表示情報を用いて興趣に溢れた表示を実現でき、遊技機の興趣を十分に高めることができる。また、ワンチップ構成のマイクロコンピュータの場合に、不必要に高機能な中央処理装置(CPU)を用いる必要もないので、制御が複雑化することもなく、制御系または表示情報のどちらか一方に変更が生じた場合には、変更を必要とする記憶手段のみの変更が可能であるので、例えば特別遊技を起生する識別情報の組合わせの発生確率のみを変更する場合や、特別遊技を起生する識別情報の発生確率制御は変更せずに、可変表示手段へ表示される表示情報のみを変更する場合であっても、容易に変更作業が行え、遊技機の開発が極めて容易となる。
また、表示情報を可変表示手段へ直接出力するので、多量の表示情報を扱う場合であっても中央処理装置(CPU)の負担がなく、処理の高速化を図れ、大量の表示情報に対応できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の実施例を示す遊技盤の正面図と要部正面図と背面図、第4図〜第8図は可変表示装置の斜視図と正面図と側断面図と分解斜視図、第9図(A)〜(C)はデジタルの表示例を示す図、第10図〜第13図は変動入賞装置の斜視図と側断面図と分解斜視図、第14図は制御系のブロック構成図、第15図はプログラムの概略図、第16図は入力処理を示すフローチャート、第17図は初期化処理を示すフローチャート、第18図(A)、(B)は不正監視処理を示すフローチャート、第19図(A)〜(C)、第20図(A)〜(J)はゲーム動作処理を示すフローチャート、第21図(A)〜(D)、第22図(A)、(B)、第23図(A)〜(C)は出力編集を示すフローチャート、第24図(A),(B)は出力処理等を示すフローチャート、第25図(A)〜(E)はサブルーチンのフローチャート、第26図(A),(B)は表示図柄の例を示す表図、第27図は付加表示データ例を示す表図、第28図(A)〜(C)、第29図(A)、(B)、第30図、第31図、第32図、第33図(A)〜(I)、第34図(A)〜(C)はデジタルの表示動作を示す図、第35図は各ランプの点灯例を示す表図、第36図(A),(B)はLED−A,Bの表示動作を示す図である。
1……遊技盤、3……遊技部、4……可変表示装置、5……変動入賞装置、6a〜6c……特定入賞口、7、8a,8b,9a,9b……一般入賞口、18a〜18g……飾りランプ、19a,19b,20a,20b……当たり表示ランプ、21a〜21c……特定入賞球検出スイッチ、22……ストップスイッチ、23……カウントスイッチ、24……サイクルスイッチ、42a〜42f……飾りランプ、44……可変表示部、44a〜44c……画面、46……記憶個数表示部、51a〜51c……停止表示LED、52a,52b……飾りLED、56a,56b……可動部材、61……ソレノイド、66……入賞個数表示器、67……継続回数表示器、69……連続作動口、72a〜72c……当たり表示ランプ、76……制御装置、77……CPU、78……ROM、80a,80b……外部フォントROM、82……スピーカ。
(産業上の利用分野)
この発明は、複数の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を備えた遊技機に関する。
(従来の技術)
遊技領域内に設けられた特定入賞口への打球の入賞を基に複数の数字等の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、この可変表示が停止したときの識別情報の組み合わせが当たりになると、変動入賞装置を開状態に変換する等、遊技者に有利な特別遊技態様を発生するパチンコ遊技機がある。
(発明が解決しようとする問題点)
従来の遊技機の可変表示装置にあっては、数字等の限られた記号(識別情報)しか表示していなかった。
そのため、識別情報の表示に趣向を凝らしたり、遊技にしたがってメッセージ等、種々の表示を行わせることによって、興趣に溢れた表示を行わせることが考えられている。
しかし、このようにすると、表示用のデータが多くなり、以下のような問題がある。即ち、種々の制御データと表示用のデータとをメモリに記憶してマイクロコンピュータにより制御を行うが、これらのデータを一つのメモリに記憶させたものだと、プログラムが煩雑になると共に、応答遅れを生じかねない。また、ワンチップ構成のマイクロコンピュータの場合には、メモリに記憶するデータが多くなれば、メモリの容量に比例して中央処理装置(CPU)が高機能なものが多く、必要以上に高機能の中央処理装置(CPU)を搭載したワンチップコンピュータを用いないと処理できず、さらには、表示用のデータのみ変更を必要とする場合や、制御データのみ変更を必要とする場合であっても、メモリ内の全てのデータを書き換えなければならない。したがって、制御装置の開発が容易ではなく、開発に時間を労することにもなる。
この発明は、このような問題点を解決することを目的としている。
(問題点を解決するための手段)
第1の発明は、複数の識別情報を可変表示して、所定の停止識別情報になった際に特別遊技を起生するための可変表示手段(例えば、可変表示装置4等)と、 上記可変表示手段への所要の表示指令制御を含む遊技制御を行う遊技制御手段(例えば、制御装置76等)と、を有する遊技機(例えば、パチンコ機等)において、 上記可変表示手段には、上記の識別情報以外にもメッセージ等の付加表示情報を表示可能に構成し、 上記遊技制御手段には、上記識別情報および付加表示情報の双方の表示指令を行うための制御情報を記憶する第1の記憶手段(例えば、ROM78等)と、 上記制御情報に基づく制御を行う際に、制御に要する所定制御情報の一時記憶および読出が可能な一時記憶手段(例えば、RAM79等)と、 少なくとも上記付加表示情報等を予め記憶させた第2の記憶手段(例えば、外部フォントROM80等)と、を有し、 上記第1の記憶手段と上記第2の記憶手段とは個別に分離構成した。
第2の発明は、上記第2の記憶手段は、所要の表示指令に基づいて同該第2の記憶手段が記憶している表示情報を可変表示手段へ直接出力する。
(作用)
所要の表示指令に基づき、遊技制御手段が第1の記憶手段に記憶された制御情報に基づいて一時記憶手段を用いて第2の記憶手段に記憶された表示情報を可変表示手段に表示する。
したがって、制御情報を記憶する第1の記憶手段と表示情報を記憶する第2の記憶手段とを個別に分離構成できるので、可変表示手段に種々の表示が可能であり、趣向に富んだ識別情報を表示でき、メッセージ等の表示によって、高い興趣が得られると共に、例えばワンチップ構成のマイクロコンピュータの場合に、情報が多くても、制御が複雑になったり、制御に遅れを生じるようなことはなく、さらには表示情報の変更も容易となる。
また、第2の記憶手段が記憶している表示情報を可変表示手段へ直接出力することによって、つまり表示指令を出す遊技制御手段が表示情報を読み込むことなく処理を進めるので、処理の高速化を図れる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図、第2図において、パチンコ機の遊技盤1の表面には、ガイドレール2で囲われた遊技部3のほぼ中央に可変表示装置4が、可変表示装置4の下方に変動入賞装置5が、可変表示装置4と変動入賞装置5の間および変動入賞装置5の左右に三角形に特定入賞口6a,6b,6cが配設される。
7は可変表示装置4の上部に設けられる天入賞口(一般入賞口)、8a,8b,9a,9bは遊技部3の左右に配設される一般入賞口、10a〜10fは風車等の転動誘導部材、11はアウトロである。
遊技盤1の下部には、パチンコ球の供給皿12と、受皿13と、打球発射装置の操作部14が配設され、打球発射装置により発射された打球は、ガイドレール2に案内されて遊技部3内に入る。
15は打球発射装置の作動中を示すパイロットランプ、16は打止め等を示す完了ランプ、17は賞球ランプである。また、18a,18b,18c,18dは一般入賞口8a,8b,9a,9bの下部に一体的に設けられる飾りランプ、19a,19b,20a,20bは当たり表示ランプである。
各入賞口6〜9は、遊技盤1の裏面側から見ると第3図R>図のように配置され、特定入賞口6a,6b,6cにはそれぞれ入賞球を検出するスイッチ(特定入賞球検出スイッチ)21a,21b,21cが設けられる。また、23,24は変動入賞装置5に設けられ、変動入賞装置5内に入賞した入賞球を検出するスイッチ(カウントスイッチ)と、変動入賞装置5内の連続作動口(後述する)に入賞した入賞球を検出するスイッチ(サイクルスイッチ)を示す。25〜32は各入賞球を案内する流下樋である。
可変表示装置4は、第4図〜第8図のように遊技盤1の表面に取り付けられる主基板33を備え、主基板33の前面側上部には、天入賞口7の流下棚34と、左右に鐙部35を設けた前飾り板36とが組み付けられる。37は天入賞口7の出口流路、38はそのカバーである。
前飾り板36の中央にはネームプレート39が取り付けられ、ネームプレート39の後方には飾りランプ18e〜18gが配設される。主基板33の開口部40の左右にはのランプカバー41a,41bを介して飾りランプ42a,42bが装着される。
主基板33の後面側には、開口部40上縁の上枠79と接続して開口部40を囲う枠部材43と、中央に可変表示部44の窓部45を形成し下部に記憶個数表示部46の収納枠47を取り付ける表示カバー48と、可変表示部44および記憶個数表示部46等を取り付ける表示基板49と、配線等を保護する後面カバー50とが組み付けられる。
可変表示部44には、可変表示部44を保護しかつ表示部44の表示に拡がりを持たせるよう凸面状に形成した可視部材からなるクリアプレート51が装着される。
可変表示部44には、例えば136個のLED(発光素子)を横方向に17列、縦方向に8列並べて所定の画面を形成したドットマトリクス型のもので、発光の組み合わせによって第9図(A)〜(C)のように種々の数字、文字、図柄等の表示および発光の位置を変えることによって横方向や縦方向等に移動表示等が可能である。
記憶個数表示部46は、4つのLEDからなり、特定入賞口6a〜6cへ入賞した球数の未処理個数(後述する)をLEDの点灯個数にて表示する。
また、表示基板49には可変表示部44の上方に3群の停止表示LED51a〜51c(それぞれ3つのLEDからなる)が、記憶個数表示部46の左右には各1群の飾りLED52a,52b(それぞれ3つのLEDからなる)が取り付けられる。停止表示LED51a〜51cは、可変表示部44を3つの画面44a,44b,44cに分けるように間をおいて配置されると共に、それぞれ発光色の異なる2種類の素子を備え、緑色あるいは赤色に発光可能である。
変動入賞装置5は、第10図〜第13図のように遊技盤1の表面に取り付けられる基板53の中央上部に入賞口となる開口部54が設けられ、開口部54の左右に開口部54の上方に突設した鐙部55と連続して流下してきた打球が開口部54側に流入することを阻止する閉状態(第10図の実線で示す)と、上端を起こして流下してきた打球を開口部54側に流入させる開状態(第10図の点線で示す)とに変換可能な一対の可動部材56a,56bが配設される。
可動部材56a,56bは、それぞれ基板53に設けた軸受部57a,57bを貫通する回動軸58a,58bに取り付けられ、回動軸58a,58bの軸端にアーム59a,59bが固定され、アーム59a,59bに係合する駆動レバー60を介してソレノイド61に連結される。ソレノイド61に通電されると、上動する駆動レバー60によりアーム59a,59bが所定角度回動され、可動部材56a,56bは閉状態から開状態に作動される。
基板53の前面には、可動部材56a,56bの下部にて可動部材56a,56bが受け入れた打球を開口部54内に案内する流下棚62を形成したケース63が取り付けられ、ケース63内にそれぞれ前面のレンズ部64を介して可視される7セグメントLEDからなる入賞個数表示器66と継続回数表示器67が並設される。
入賞個数表示器66は開口部54内に入賞した個数を、継続回数表示器67は特別遊技のサイクル継続回数(後述する)を表示する。また、表示器66,67の回りには飾りランプ42c〜42fが配設される。
基板53の裏面側にはカバー部材68が取り付けられ、カバー部材68には前記流下棚62と連続して中央に連続作動口69が形成され、連続作動口69には連続作動口69への入賞球を検出するサイクルスイッチ24が設けられる。連続作動口69の左右には一般入賞口70a,70bが画成され、これらの下方の出口流路71には連続作動口69および一般入賞口70a,70bを通過した入賞球を検出するカウントスイッチ23が設けられる。
また、カバー部材68の裏面側には前記開口部54の後方位置に当たり表示ランプ72a〜72cが配設される。
ところで、変動入賞装置5は遊技部3の下部に配置されるため、打球発射装置により遊技部3内に発射された打球が、第2図のようにその左右上方に植設された群73a,73bの遊技釘の間に入ると、高い確率で変動入賞装置5へ導かれ、このとき可動部材56a,56bが開状態であれば多量に変動入賞装置5へ入賞するが、この可動部材56a,56bが開状態にあるときは、打球が特定入賞口6b,6cにも入りやすくなるように、可動部材56a,56bと関連して各遊技釘の位置が定められる。
即ち、群73a,73bの遊技釘に沿って流下する打球が群73a,73bと可動部材56a,56bの先端の間に向かうように、群73a,73bの内側に群74a,74bの遊技釘が配置され、さらに群73a,73bと可動部材56a,56bの先端の間を通った打球が特定入賞口6b,6cへ向かうように群75a,75bの遊技釘が配置される。したがって、可動部材56a,56bが開状態にあるときは、多数の打球が変動入賞装置5に入賞する一方、群74a,74bおよび75a,75bの遊技釘の調節により、群73a,73bに沿う打球は高い確率で特定入賞口6b,6cに入賞するようになる。
第14図は制御系のブロック構成を示すもので、制御装置76はCPU77、ROM78、RAM79、バッファゲート、出力ポートならびにROM78とは別の外部フォントROM80a、80b等からなるマイクロコンピュータにて構成される。
ROM78にはCPU77を制御するプログラムデータや可変表示部(デジタル)44の遊技用表示データ等が格納され、CPU77はプログラムデータおよび各スイッチ21a〜21c、22、23、24の検出信号等に基づいて、ROM78、RAM79とでデータの授受および処理等を行い、出力ポートを介してデジタル44、ランプ18a〜18g、19a、19b、20a、20b、42a〜42f、72a〜72c、LED−A,B、記憶個数表示部46、停止表示LED51a〜51c、飾りLED52a、52b、変動入賞装置5のソレノイド61等を制御する。
また、外部に接続した外部フォントROM80a、80bにはメッセージや動画等の付加表示データが格納され、出力ポートを介してイネーブルされると、切替回路により外部フォントROM80a、80bは出力ポートから送られるアドレスに応じてメモリの所定の付加表示データをデジタル44に出力する。第27図に外部フォントROM80a、80bのデータ内容を示すが、この場合メッセージでは、横スクロールにより表示を行うように、表示するデータが連続して設定され、動画では、画面切り換えにより表示を行うように、表示するデータが1画面毎に設定される。したがって、後述するがメッセージは表示領域のアドレスを一つづつ増やすことにより、デジタル44上では右から左に移動するように表示され、動画等は表示領域のアドレスを一画面分づつ増やすことにより切り換え表示される。なお、外部フォントROM80a、80bはそれぞれのデジタルの右半分と左半分のデータを格納している。81はサウントジェネレータ、82はスピーカである。
また、制御装置76は分周回路が2m秒毎に発生するリセット信号を割り込みとして用いており、したがってCPU77は2m秒毎に定期的に1回分のプログラムを実行する。なお、ストラップスイッチ22は遊技者がデジタル44の回転停止を指令するもので、遊技盤1の左下部に設けられる。
次に制御装置76による制御内容を第15図〜第25図に基づいて説明する。
第15図はメインプログラムを示すもので、各スイッチに対する“入力処理(フェーズ0)”、電源投入等に対する“初期化処理(フェーズ1)”、“不正監視処理((フェーズ2)”、ゲーム処理(フェーズ3)”、“出力編集(フェーズ4)”、“出力処理、音の編集・出力および乱数の生成(フェーズ5)”の順に進行する。
第16図はフェーズ0のフローを示すもので、スタックポインタの開始アドレスを設定し(0.01)、各スイッチの状態を読み込みチャタリングの除去後(0.02〜0.04)、各スイッチの現状態、アクティブ状態(立ち上がりエッジ)を検出、記憶する(0.05〜0.11)。チャタリングの除去により誤検出を防止し、他のフェーズにて使用可能とする。
第17図はフエーズ1のフローを示すもので、電源投入時およびRAM領域が異常の場合にRAM領域の初期化処理を行う。この初期化処理は3回に分けて行われ、まず、所定A群のRAM領域の不確定なデータを加算しながら該RAM領域をクリアし(1.04,1.06)、RAM検査領域0に所定の検査データを設定する(1.05、1.09)。次に、所定B群のRAM領域の不確定なデータを加算しながら該RAM領域をクリアし(1.15、1.06)、各乱数の初期値を乱数領域に設定、(1.13、1.14、1.07)、RAM検査領域2に所定の検査データを設定する(1.16、1.10)。そして、各乱数の値からサブルーチンCHGBCD(第25図(C))にてデジタル44の表示値を算出、設定し(1.18〜1.23)、デジタルの呼ぶ込み表示を設定し(1.24)、RAM検査領域1に所定の検査データを設定して(1.25、1.11)初期化処理を終了する。なお、検査データの設定後毎に、第24図(B)のように乱数の更新が行われる(後述する)。
第18図(A)、(B)はフエーズ2のフローを示すもので、フェーズ4で出力編集された出力情報をサブルーチンNMIINT(第25図(E))にて各出力ポートに出力すると共に(後述する)、不正検出処理を行う。不正検出処理では、カウントスイッチ23が例えば1.992秒以上連続してオンの場合あるいは1.992秒以上連続してショートした場合(2.02〜2.09)、該当不正フラグをセットして不正有と判定する(2.10,2.20)。また、特別遊技の大当たり動作中(後述する)にサイクルスイッチ24のオン2秒以内にカウントスイッチ23がオンとならなかった場合(2.02〜2.09、2.18)、通過時間不正フラグをセットして不正有と判定する(2.10,2.20)、また、同じく大当たり動作中のカウントスイッチ23の有効時間(例えば16.5+1.9秒)に1回もカウントスイッチ23がオンとならなかった場合、サブルーチンNCCHK(第25図(D))にてノーカウント不正フラグをセットして不正有と判定する(2.11、2.12、2.20)。そして、不正有の場合、不正音の出力およびランプ42a〜42fの点滅を行う(2.21〜2.23)。なお、通過時間監視要求、ノーカウント監視要求はフェーズ3にてセットされる(後述する)。
第19図(A)〜(C)、第20図(A)〜(J)はフェーズ3のフローを示すもので、入賞スイッチ21(特定入賞球検出スイッチ21a,21b,21c)の貯留処理、カウントスイッチ23、サイクルスイッチ24の入力監視、ゲームシーケンス用タイマの監視および更新、ゲーム進行により変化するステップ処理からなる。
まず、第19図(A)にて入賞スイッチ21に打球の入賞がある場合は、入賞に伴い入賞スイッチ21の貯留数を最大4個まで更新、記憶し(3.01〜3.03、3.06)、また入賞毎に主乱数RANDOMの値を抽出し、記憶する(3.07)。また、このとき普段動作中であれば、入賞音の出力要求をセットする(3.04、3.05)。
次に、第19図(B)にて大当たり動作中になければ、3.26以降に進み(3.09)、大当たり動作中にあれば、カウントスイッチ23のオン毎に入賞数の表示要求をセットし(3.10、3.12、3.14、3.15)、入賞数が10個になるとシーケンスタイマを初期化する(3.17)。そして、大当たり動作中にサイクルスイッチ24がオンすれば、ステップ番号(後述する)を切り換え、フェーズ2の不正処理の通過時間監視要求をセットして3.26以降に進み(3.18〜3.21、3.24)、さらにサイクル継続が10回未満であれば、アタッカー(変動入賞装置の可動部材56a,56b)のインターバル時間を補正してST8010(第20図(I))に移行する。(3.25)。なお、カウントスイッチ23のオン時には入賞音の、ステップの切り換え時には継続音の出力要求をセットする(3.11、3.22)。
第19図(C)にて3.26以降では、シーケンスタイマが0のときに実行ステップ番号に対応したゲーム処理に入る(3.31〜3.40)。
STEP0(貯留数のチェック)では、入賞スイッチ21の貯留情報を判定し(3.001)、貯留の無い場合はフェーズ4へ移行する。貯留が有る場合は貯留情報を更新し、乱数の記憶領域を更新し、デジタル44の回転制御カウンタを回転にセットし、停止表示LED51a〜51cの消灯情報をセットし、デジタル回転音の出力開始をセットし、シーケンスタイマに自然停止時間(ストップスイッチ22の有効期間)をセットし、実行ステップ番号を“1"に変更してフェーズ4へ移行する(3.002〜3.008)。
STEP1(固定時間の設定)では、シーケンスタイマにデジタル44の最小回転可能時間となる固定時間を設定し、実行ステップ番号を“2"に変更してフェーズ4へ移行する(3.101、3.102)。
STEP2(停止図柄の確定)では、デジタル44の左デジタル(画面44a)、中デジタル(画面44b)、右デジタル(画面44c)の回転停止データの作成を行うが、ここで各デジタルの表示図柄、回転停止データを作成するための乱数およびランダム時間について説明する。
表示図柄 表示図柄は左、中、右デジタルともに第26図(A)のように11種類あり、変動順序(回転順序)は左、中、右デジタルともに図の上から下である。図中カッコ内はプログラムで扱う数値である。また、表示図柄の組み合わせは11×11×11=1331通りあり、そのうち大当たりとなる組み合わせは第26図(B)のように6通りある。したがって、大当たりの発生確率=6/1331=1/221.8…となる。
乱数 乱数には主乱数RANDOM、副乱数SUBGENを用いる。
主乱数RANDOMは、デジタル停止時の表示図柄の組み合わせに使用する乱数で、2バイトのバイナリカウンタで構成され、CPU77のリセット割込み毎に元の値に“1"を加算することにより更新を行い、、1331以上となった場合は1331を引くことにより0〜1330の値を発生する。このRANDOMの値は前述のように入賞スイッチ21の入賞時に抽出され、記憶される(第19図(A)の3.07)。この記憶されたRANDOMの値を11進の桁データに変更し、各桁データに各デジタルが現在表示している値(第26図(A)のカッコ内の値)を加えた結果が次の停止図柄となる。
副乱数SUBGENは、ランダム時間の設定に用いるもので、1バイトのバイナリカウンタで構成され、CPU77の処理時間の余りを利用して次のリセット割り込みまで、繰り返し更新を行う。更新はビット6とビット0の排他論理和をビット0に入れ、元のビット0〜6を順にシフトすることにより行い、127通りのビットパターンを発生する。
なお、乱数RANDOM、SUBGENの更新、生成はフェーズ5の第24図(B)のフローにて行われる。
ランダム時間 ランダム時間は、副乱数SUBGENから算出するα時間、β時間、γ時間よりなる。
α、β、γ時間は、左、中、右デジタルの停止時間(スクロール時間)を設定するもので、各デジタルの停止図柄の決定後、SUBGENの下2桁を抽出し、抽出した値に96m秒を乗算し、さらに512m秒を加算して求める。この、α、β、γ時間中に対応するデジタルの図柄の回転速度(更新速度)を減速させると共に、α、β、γ時間が512m秒よりも多い場合は、停止する図柄をオーバランさせ、オーバラン後停止させる(後述する)。
STEP2に入ると、記憶していた主乱数RANDOMの値を読み出し、このRANDOMの値からサブルーチンCHGBCD(第25図(C))にて11進データに変換して求めた百位の値を左デジタルの駒送り数としてセットし、その十位の値を中デジタルの駒送り数としてセットし、その一位の値を右デジタルの駒送り数としてセットする(3.201〜3.205)。そして、これらの駒送り数として各デジタルの現表示図柄の値に加算し、停止図柄データとして設定する(3.206)。また、当たりフラグを初期化し、実行ステップ番号を“3"に変更してSTEP3に移行する(3.207、3.208)。
STEP3(デジタルの停止監視)では、回転制御カウンタを更新し(左、中、右の順にデジタルが停止となる)、該当デジタルの停止データ(停止図柄)を取り出し、該当デジタルの表示図柄を示すベースポインタを停止データに変更し、さらに乱数SUBGENを抽出してα、β、γ時間をセットし、該当デジタルのスクロール動作時のオフセット量を示すオフセットポインタおよびスクロールタイマを初期化する(3.301〜3.304)。
そして、シーケンスタイマに固定時間(1.0秒)をセットし、全デジタルの停止処理が終了すれば実行ステップ番号を“4"に変更してフェーズ4へ移行する(3.306、3.307)。
STEP4(大当たり/外れ判定処理)では、当たりフラグの値から大当たりか外れかを判定し(3.402)、外れの場合には外れ動作時間をセットし、実行ステップ番号を“5"に変更する(3.403、3.404)。大当たりの場合にはデジタル44のディスプレイ要求をセットし、連続回数カウンタおよびカウントスイッチ23の入力カウンタを初期化し、ファンファーレ音(大当たり動作音)の出力開始およびファンファーレ動作時間(大当たり開始時のアタッカーのウエイトタイムとなる)をセットし、実行ステップ番号を“6"に変更する(3.405〜3.410)。
STEP5(外れ動作時間の終了監視)では、外れのため、STEP9にて普段動作への復帰処理を行い、実行ステップ番号を“0"に戻してフェーズ4へ移行する。
STEP6(ファンファーレ出力時間の監視)では、連続回数カウンタを更新し、サイクル継続が10回未満であれば1〜9回目の大当たり動作音をセットし、10回目であれば、10回目の大当たり動作音をセットする。また、LED−A(継続回数表示器67)とLED−B(入賞個数表示器66)の表示およびカウントスイッチ23の入力カウンタを初期化する(3.601〜3.606)。そして、アタッカーのオープン時間(大当たり動作時間)16.5秒を設定し、実行ステップ番号を“7"に変更してフェーズ4へ移行する(3.607、3.608)。
STEP7(サイクルスイツチ入力前のアタッカーオープン時間の終了監視)では、不正処理(フェーズ2)のノーカウント監視要求をセットし、デジタル44の制御情報を設定し、大当たり動作音の停止要求をセツトし、サイクルスイツチ24、カウントスイッチ23の有効時間1.9秒をセットし、実行ステップ番号を“9"に変更してフェーズ4へ移行する(3.701〜3.705)。
STEP8(サイクルスイツチ入力後のアタツカーオープン時間の終了監視)では、アタツカーのインターバル時間をセット後、ノーカウント監視要求をセットし、またアタッカーのウェイトタイム中のデジタル44のディスプレイ要求をセットし、インターバル音の出力開始をセットし、実行ステップ番号を“6"に変更してフェーズ4へ移行する(3.801〜3.805)。
STEP9(スイッチの有効時間の終了監視)では、大当たり終了の動作時間をセットし、音出力の停止データを設定し、実行ステップ番号を“0"に変更する(3.901〜3.903)。また、実行ステップ番号のセット、シーケンスタイマのセット、音の制御情報のセットを行う(3.904〜3.906)。
なお、STEP6,7は大当たり時に実行され、STEP8はサイクル継続時に実行される。
第21図(A)〜(D)、第22図(A)、(B)、第23図(A)〜(C)はフェーズ4のフローを示すもので、他のフェーズで設定された動作処理情報を出力デバイスに対する情報に変換する処理を行い、その処理項目はデジタルの表示切換え、制御情報作成、デジタル回転・スクロール制御、デジタル表示制御、呼び込み表示制御、ディスプレイ制御、各LEDの制御、ソレノイド・各ランプの制御、LED−A.Bの制御からなる。
デジタル44の表示切換えは、デジタル44に呼び込み表示を行うタイミングをセットするもので、第21図(A)にて普段動作が連続して2分以上続いた場合に(4.101〜4.106)、表示制御ブロック番号(後述する)を設定し、呼び込み表示動作を起動する(4.107)。
デジタル44の制御情報としては、第21図(B)にて各デバイスのタイミングを取るためのタイマを更新すると共に(4.109)、所定時間(512m秒)が経過する毎に、大文字表示を行うデジタルを判定するための大文字フォントのポインタを更新する(4.110〜4.113)。そして、リセット割り込み毎に、左、中、右デジタルのうち制御の対象となるデジタルを選択するためのスキャンポインタを選択し(4.114〜4.116)、スキャンポインタにより現デジタルの制御領域のアドレスを算出し、さらに現デジタルの表示領域(デジタルの表示内容をビットイメージにて格納するVRAM領域で、17×8dotのイメージが約1画面格納される)のアドレスを算出する(4.117〜4.120)。
デジタル回転・スクロール制御および表示制御では、普段動作であれば、第21図(D)にて左、中、右デジタルの順に大文字の表示タイミング条件に応じて大文字の表示データあるいは小文字の表示データをVRAMにセットし(4.145、4.151〜4.153)、デジタル44の回転であれば、小文字の表示データをVRAMにセットする(4.146、4.153)。また大当たり動作中でサイクル継続前であれば、継続10回目を除いて所定時間(64m秒)毎に交互に小文字の表示データと消灯データをVRAMにセットし(4.147〜4.149、4.153、4.154)、サイクル継続(サイクルスイッチ24のオン)となれば、所定時間(512m秒)毎に交互に大文字の表示データと小文字の表示データをVRAMにセットする(4.147、4.150〜4.153)。大文字表示は普段動作時と大当たり動作中のサイクル継続時に行われ、普段動作時にはデジタル44の図柄は左、中、右デジタルの順に第28図(A)〜(C)のように伸び縮みし、サイクル継続時にはデジタル44の図柄(当たり図柄である)は各デジタルとも第29図(A)、(B)のように伸び縮みする。
そして、デジタル44が回転中(回転制御カウンタからの情報による)であれば、第21図(C)にて、左、中、右デジタルの順にサブルーチンPNTUP(第25図(B))にてオフセット量を示すオフセットポインタを更新し、さらに図柄を示すベースポインタを更新する(4.121〜4.123)。したがって、各デジタル44a,44b,44cはリセット割り込み毎に1ドットづつ回転する。また、回転後のスクロール要求(スクロールタイマによる)により、スクロール時間32m秒毎にサブルーチンPNTUPにてオフセットポインタを更新し、さらにベースポインタを更新する(4.125〜4.128)。この場合、各デジタル44a、44b、44cは32m秒毎に1ドットづつ回転する。そして、2つの図柄のスクロール終了時にオフセットポインタが0であれば、4.135以降へ進み、オフセットポインタが0でなければ、64m秒毎にオフセットポインタを更新(−1)して0になると4.135以降に進む(4.129〜4.134)。これにより、デジタルが回転から停止処理に入ったときに図柄の更新速度を減速してスクロール表示を行う。また、スクロール終了時にオフセットポインタが0になるかどうかは、前述のα、β、γ時間により定まり、したがって停止する図柄はランダムにオーバラン(順スクロール→逆スクロール)する。なお、逆スクロールは64m秒毎に1ドットづつの移動となる。
第30図にデジタルの回転から停止までの図柄の移行例を示すと、スクロールの開始時に例えば停止図柄〔7〕の2つの手前の図柄〔5〕に変換され、その図柄〔5〕から縦方向に16スクロール(1スクロール32m秒)して停止し、このときα、β、γ時間に応じて停止図柄〔7〕がランダムにオーバランする。
4.135以降では、デジタルの表示情報を取り出し、左デジタル44aが当たり図柄で停止すると、停止表示LED51aに緑の点灯情報をセットし、次に中デジタル44bが当たり図柄(左デジタル44aと同図柄)で停止すると、停止表示LED51bに緑の点灯情報をセットし、さらに右デジタル44cが当たり図柄(左、中デジタル44a,44bと同図柄)で停止すると、停止表示LED51cに緑の点灯情報をセットする(4.135〜4.142)。停止表示LED51a〜51cは当たりの可能性が無いときは赤色に点灯し(4.139)、当たりの可能性が有るときは順に緑色に点灯する。
呼び込み表示制御は電源投入時および普段動作時に、ディスプレイ制御は大当たり時に第22図(A)、(B)にて実行されるもので、24のブロックから構成されており、各ブロックに対応した時間値と上限ポインタおよび表示領域のアドレスがデータテーブル化されている。そして、この場合選択されたブロックにしたがい呼び込み表示制御は外部フォントROM80a、80bに対して、ディスプレイ制御は外部フォントROM80a、80bのVRAMに対して行うと共に、割り込み毎に表示時間を監視するタイマを更新し、設定された時間値を越えた場合制御の動作回数を監視するポインタを更新し、ポインタが上限値を越えた場合ブロックを更新する(4.156〜4.173)。
呼び込み表示制御は、電源投入時および普段動作時に呼び込み表示が指令されると(第17図の1.24、第21図(A)4.107)、まずUNIT1(画面横スクロール)にて外部フォントROM80a、80bを選択し、外部フォントROM80a、80bに記憶した“イラッシャイマセ!"の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する(4.1017〜4.1019)。次にUNIT2(画面切り換え)にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“おじぎパターン”の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“9"(左右半分づつの画面分)を設定し、表示アドレスに移動量を加算する(4.1018〜4.1020)。次にUNIT1にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“ヨウコソ…”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“円盤”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT1にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“リムジンP−7…”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“円盤”の表示データのアドレス(前述と同一)をセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。
“イラッシャイマセ!"、“ヨウコソ…”、“リムジンP−7…”はデジタル44上を横方向に移動表示され、“おじぎパターン”、“円盤”は1画面づつ切り換え表示される。第31図に呼び込み表示の例を示す。
ディスプレイ制御は、大当たりによりディスプレイ要求がセットされると(第20図(E)の3.405)、まずBLK09(停止図柄選択)にて外部フォントROM80a、80bを選択し、外部フォントROM80a、80bに記憶した該当する大当たり図柄(“111"“333"、…)の表示データのアドレスを算出し、セットし(4.1002〜4.1006)、次にUNIT2にて画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する(4.1018、4.1020)。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記載した“爆発パターン”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。次にUNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記載した“デター”の表示データのアドレスをセットし、同じく画面移動量“9"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。
大当たり図柄、“爆発パターン”、“デター"1画面づつ切換え表示され、その表示例を第32図に示す。この場合、大当たり図柄(例えば当、当、当)が点滅後中央に圧縮されて爆発するように表示され、爆発を終えると徐々に“デター”が現れるように表示される。
“デター”の表示を終えると、UNIT0(VRAMのデジタル表示)にてVRAMが選択され、表示アドレスVRAMが設定される。(4.1015、4.1016)。この場合、第21図(D)にてVRAMにセットされたデータ(小文字データ、大文字データ、消灯データ)により表示が行われる。
次に大当たり中にサイクル継続によるディスプレイ要求がセットされると(第20図(I)の3.803)、BLK14(継続回数選択)にて外部フォントROM80a、80bを選択し、サイクル継続回数に応じて外部フォントROM80a、80bに記憶した継続表示データ(“2回目ヒラキマス”、“3回目ヒラキマス”、……)のアドレスを算出し、セットし(4.1002、4.1003、4.1005〜4.1007)、次にUNIT1にて画面移動量“1"を設定し、表示アドレスに移動量を加算する。
継続表示を終えると、UNIT0にてVRAMが選択され、表示アドレスにVRAMが設定される。このBLK14、UNIT1、0の処理はサイクルが継続される毎に行われる。第33図(A)〜(I)に継続回数2回目から10回目までの表示例を示す。
そして、大当たりが終了すると、BLK17、(終了表示選択)、BLK19(制御ブロック切り換え)にて終了表示の選択が行われ(4.1009〜4.1011、4.1013)、この場合継続回数が10回での終了であれば、UNIT2にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“バンザイパターン”の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“9"を表示アドレスに加算する。次に外部フォントROM80a、80bに記憶した“ファイトパターン”の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“9"を表示アドレスに加算し、さらにUNIT1にて外部フォントROM80a、80bに記憶した“モウ1回!"の表示データのアドレスをセットし、画面移動量“1"を表示アドレスに加算する。
また、継続回数が10回未満での終了であれば、“バンザイパターン”の表示を行わず、“ファイトパターン”、“モウ1回!"の表示のみを行う。“バンザイパターン”、“ファイトパターン”、“モウ1回!"の表示例を第34図(A)〜(C)に示す。
停止表示LED51a〜51cの制御は、第23図(A)にて、普段動作中であれば512m秒毎に交互に点灯データa(LED51a−赤、51b−緑、51c−赤)、点灯データb(LED51a−緑、51b−赤、51c−緑)をセットし、64m秒毎に、点灯データをセットし、これらのデータをダイナミック点灯制御領域にセットする(4.174〜4.179)したがって、普段動作中は512m秒毎にLED51aは赤
また、大当たり動作中であれば、デジタルのディスプレイ中に128m秒毎に交互に点灯データc(LED51a,51b,51cの9つのLEDを順に、赤、緑、赤、緑…に点灯)、点灯データd(LED51a,51b,51cの9つのLEDを順に、緑、赤、緑、赤…に点灯)をダイナミック点灯制御領域にセットする(4.180〜4.185)。したがって、大当たり動作中は、9つのLEDが128m秒毎に順に赤
他方、飾りLED52a,52bは、64m秒毎に点滅を行うように点灯データと消灯データをダイナミック点灯制御領域にセットし、また記憶個数表示部46は入賞スイッチ21の貯留情報(貯留数)に対応して点灯するように点灯データをダイナミック点灯制御領域にセットする。(4.186〜4.189)。
ソレノイド61、各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b,72a〜72cの制御は、第23図(B)にて、フェーズ3の実行ステップ番号(第19図(C))をオフセットした点滅データテーブル(ソレノイドのオン−オフデータを含む)のアドレスを算出し、データ列の規定時間とタイマ値を比較して第1点滅データまたは第2点滅データを選択し、出力域にセットする(4.190〜4.197)。なお、各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72cは、点滅データにより第35図のように点滅する。
LED−A(連続回数表示器67)、B(入賞個数表示器66)の制御は、第23図(C)にて、大当たり動作中になければ、64m秒毎にポインタを更新し、サブルーチンTBLCHG(第25図(A))にて普段動作の点滅データを取り出し、ダイナミック点灯制御領域にセットする(4.212〜4.217)。この場合、LED−A、Bは第36図(A)のように8の字を描くように点灯制御される。
また、大当たり動作中にあれば、サイクルスイッチ24に入力があったか、サイクルスイッチ24、カウントスイッチ23の有効期間中か、10回目の継続動作中か、64m秒経過したかによりLED−A、Bの制御情報をセットし、ディスプレイ要求(第20図(I))および入賞数表示要求(第19図(B))毎に各マスクデータポインタを更新して、サブルーチンTBLCHGにてマスクデータおよびディスプレイデータを取り出し、これらの論理積をダイナミック点灯制御領域にセットする(4.198〜4.211)。したがって、LED−Aは継続回数を、LED−Bは入賞数を表示すると共に、その表示更新は第36図(B)のように1セグメントずつ行われる。
第24図(A),(B)はフェーズ5のフローを示すもので、フエーズ4で出力編集された出力情報をサブルーチンNMIINT(第25図(E))にて各出力ポートに出力すると共に(5.01)、音の編集およびその出力処理(5.02〜5.26)と、前述した各乱数の生成を行う。(5.27〜5.31)。
NMIINTでは、デジット出力をオフし、デジットポインタを更新して対応するセグメントデータを取り出し(6.501〜6.503)、不正が無ければ(フェーズ2)、各データを対応する出力ポートに出力する(6.504〜6.512)。6.50ではランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72の点灯データとソレノイド61のオンデータを、6.506では記憶表示部46、停止表示LED51a〜51c、飾りLED52a、52b、LED−A、Bのデータを、6.5、10、6.511ではデジタル44のデータを、この場合VRAMが選択されているときには表示アドレスより取り出したデータを、外部フォントRAM80a、80bが選択されているときは表示アドレスを出力する。
音の出力制御は、フェーズ4にて要求された音データにより音階データ(周波数データ)、発音時間、発音停止時間および音量データ(アッテネーションデータ)を取り出し、逐次サウンドジェネレータ81の各チャンネルに出力する。
次に、上記のように構成されたパチンコ機における遊技を説明する。
まず、電源が投入されると、可変表示装置4の停止表示LED51a〜51cが選択的に赤と緑に交互に点灯、点滅し(第23図(A)の4.175〜4.179)、飾りLED52a、52bが点滅を繰り返し(第23図(A)の4.186〜4.188)、LED−A、Bが第36図(A)のように表示制御され、(第23図(C)の4.212〜4.217)、またデジタル44により呼び込み表示が行われる(第22図(A)、(B))。
呼び込み表示では、マイクロコンピュータの外部フォントROM80a、80bに記憶した付加表示データに基づき、第31図のように“イラッシャイマセ!"、“おじぎパターン”、“ヨウコソ……”、“円盤”、“リムジンP−7……”等のメッセージや動画が表示され、これは遊技者により遊技が始められるまで(遊技部3に発射された打球が特定入射口6a〜6cに入賞するまで)、定期的に(呼び込み表示の前後でデジタル44に遊技用の図柄の伸び縮み表示が2分間づつおこなわれる)行われる(第17図の1.24、第21図(A))。
このため、デジタル44の表示に遊技者の目が行きやすく、パチンコ機を選ぶときに遊技者を十分に引き付けることができると共に、パチンコ機あるいは島設備全体を華やかに彩ることができる。
そして、遊技が始められ遊技部3に発射された打球がうまく特定入賞口6a〜6cに入賞すると、デジタル44の図柄が回転を始め(第20図(A)の3.003、第21図(C)の4.121〜4.123)、また乱数RANDOMおよびSUBGENが抽出され(第19図(A)の3.07、第20図(D)の3.304)、デジタル回転音が出力され、停止表示LED51a〜51cが消灯する(第20図(A)の3.005、3.006)。なお、LED−A、B等は前の状態を継続する。
次に、デジタル44の自然停止時間が経過するとあるいはストップスイッチ22が押されると、まず左デジタル44aの図柄のスクロールが開始され(第21図(C)の4.125〜4.134)、このとき乱数SUBGENより求めたα時間つまり左デジタル44aのスクロール時間がセットされる(第20図(D)の3.304)。また、乱数RANDOMおよび回転前の表示図柄により左、中、右デジタル44a〜44cに停止する図柄が決定される(第20図(C)の3.201〜3.206)。
スクロールは第30図のように停止図柄の2つの前の図柄から緩やかな更新速度で行われ、この場合前記スクロール時間が経過すると停止するが、スクロール時間が所定時間より多いかどうかにより停止図柄はランダムにオーバランし、後に定位置に戻る。
左デジタル44aのスクロールが停止すると、固定時間経過後に中デジタル44bのスクロールが開始され、乱数SUBGENによるβ時間(スクロール時間)が経過すると、中デジタル44aのスクロールが停止され、次に固定時間経過後に右デジタル44cのスクロールが開始され、乱数SUBGENによるγ時間(スクロール時間)が経過すると、右デジタル44cのスクロールが停止される(第20図(D)の3.304、第21図(C)の4.125〜4.134)。中デジタル44bのスクロールおよび右デジタル44cのスクロールも左デジタル44aと同様に第30図のように行われ、停止図柄はスクロール時間に応じてランダムにオーバランする。
デジタル44a〜44cの図柄の回転を停止する際に、図柄を緩やかな速度でスクロール、つまりドットマトリクス型の表示装置により図柄が流れるように表示および更新されるため、図柄および図柄の切り換わりが大変見やすくなり、このため遊技者にとって各デジタル44a〜44cが目標(当たり)の図柄で停止するかどうかの高い期待感が得られる。また、デジタル44a〜44cの停止直前にランダムに停止図柄がオーバランするため、意外性も有り、特にオーバランする図柄やその次の図柄等が当たり目のときには、スクロール表示とによって当たりに対する期待感が一層高められる。
また、この場合各デジタル44a〜44cが停止するのに伴い停止表示LED51a〜51cが、例えば左デジタル44aが当たり図柄で停止すると対応する停止表示LED51aが緑に点灯し、次に中デジタル44bが左デジタル44aと同図柄で停止すると対応する停止表示LED51bが同じく緑に点灯し、さらに右デジタル44cがこのとき左、中デジタル44a、44bと異なる図柄で停止すると対応する停止表示LED51cが赤に点灯するが、左、中デジタル44a,44cと同図柄で停止すると停止表示LED51cがLED51a,51bと同じく緑に点灯する(第21図(C)の4.136〜4.142)。
このため、当たりの可能性が有るときは、デジタル44a〜44bの停止に伴って停止表示LED51a〜51bが順々に緑に点灯するため、先のLED51a,51bが緑になれば、デジタル44a,44bの停止図柄と共に当たりの可能性が高いことを知ることができ、最後のデジタル44cがどの図柄で停止するかあるいは最後のLED51cが緑になるかどうかの当たりの可能性への高い期待感が得られる。
そして、デジタル44a〜44cが停止し、停止図柄が当たりでなければ、外れ動作時間経過後にデジタル44a〜44c等が普段表示に戻り、デジタル44a〜44cに停止図柄が第28図(A)〜(C)のように伸び縮み表示されるが(第21図(D)の4.151〜4.153)、この外れ動作終了から普段表示が連続して2分以上続くとつまりデジタル44が回転されないと、再びデジタル44により呼び込み表示が行われる(第21図(A)、第22図(A))。
この場合、2分のうちには打球が特定入賞口6a〜6cに入賞する可能性が高いため、呼び込み表示は例えば遊技者が遊技を中止してパチンコ機から離れたときに行われることが多い。なお、呼び込み表示は特定入賞口6a〜6cに打球が入賞すると中止される。
一方、デジタル44a〜44cが停止して停止図柄が当たりとなれば、以下の特別遊技が行われる。停止図柄は乱数RANDOMの値だけでなく、乱数RANDOMの値とデジタル回転前の表示図柄とにより定まり、当たりの発生確率は当たり図柄の組み合わせ数/表示図柄の組み合わせ数=1/221.8……である。
なお、特定入賞口6a〜6cへの打球の入賞後、当たり、外れの判定が出るまでの間に、さらに特定入賞口6a〜6cに打球が入賞すると、その入賞打球を未処理貯留数として記憶個数表示部46が点灯し、当たり、外れの判定後(あるいは特別遊技終了後)、再び前記制御が繰り返される(第19図(A)の3.01〜3.08、第23図(A)の4.189)。
そして、当たりとなれば、所定のウェイトタイム経過後に変動入賞装置5のアタッカー(可動部材56a,56b)が開かれるのであるが、このウェイトタイム期間中ファンファーレ音が出力され、LED−A,Bに“0"が表示されると共に(第20図(E)の3.408、3.410、第20図(G)の3.605)、デジタル44の大当たり時のディスプレイ表示が行なわれる(第22図(A)、(B))。また、当たりにより停止表示LED51a〜51cは9つのLEDが赤と緑に交互に切り換え点灯され、飾りランプ18a〜18g、42a〜42f、当たり表示ランプ19a,19b,20a,20b,72a〜72cが点滅される(第23図(A)の4.180〜4.185、第23図(B))。
デジタル44のディスプレイ表示は、外部フォントROM80a、80bに記憶した付加表示データに基づき、当たり図柄の点滅表示後、第32図のように当たり図柄が圧縮表示され、次に“爆発パターン”が表示され、さらに“デター”が現れるように表示および点滅表示される。この後、VRAMにセットされた当たり図柄が表示される(第21図(D))。
従来の7セグメント型等のデジタル表示装置では、当たりが発生した場合に当たり図柄の点滅等を行うのみだったのに対して、ドットマトリクス型のデジタル表示装置では、文字や図柄により種々の表示さらには動きのある変化に富んだ表示が可能であり、したがって当たりが発生したときの楽しさや喜びが増し、また各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72cや各LED51a〜51c等の当たり時の装飾点滅動作等も加わり、大きな満足感が得られる。
そして、ウェイトタイムが経過すると変動入賞装置5のアタッカー56a,56bが開かれる(第20図(G)の3.607)。これにより、遊技部3の上方から流下してきた打球が多数アタッカー56a,56bに受けとめられて変動入賞装置5の流下棚62から開口部54内に流入するようになり、このとき開口部54から中央の連続作動口69や左右の一般入賞口70a,70bに入った打球は、出口流路71を通過する際カウントスイッチ23により入賞球数をカウントされ、また連続作動口69に打球が入るとサイクルスイッチ24により次のサイクルを継続するように指示される(第19図(B))。
アタッカー56a,56bの開動作中にカウントされた入賞球数は、変動入賞装置5前面のLED−Bに表示され(第23図(C)の4.198〜4.211)、入賞球数が10個になるとあるいは所定時間(16.5秒)が経過すると、アタッカー56a,56bは閉じ、1サイクル終了となる(第19図(B)の3.17)。
また、アタッカー56a,56bの開動作中に打球が連続作動口69に入らなければ、次のサイクルが継続されないが(第20図(J)の3.903)、連続作動口69に入賞があれば、入賞した時点でサイクル継続音が出力され、点滅していたデジタル44の当たり図柄が第29図(A),(B)のように伸び縮み表示される(第19図(B)の3.22、第21図(D)の4.146〜4.155)。また、同時に各ランプの点滅速度が切り換えられる。(第23図(B))。したがって、サイクル中に遊技者はデジタル44の表示等の変化によって次のサイクルが継続可能なことを確認でき、安心してゲームを続行することができる。
そして、連続作動口69への入賞があれば、1サイクルの終了後、所定のインターバル時間が経過したときに、新しいサイクルに入り、再びアタッカー56a,56bが開かれる(第19図(B)の3.23、3.25、第20図(G)の3.607)。この場合、新しいサイクルに入る前のインターバル中にファンファーレ音が出力されると共に(第20図(G)の3.603)、デジタル44に外部フォントROM80a、80bの付加表示データに基づき、第33図(A)〜(I)のように連続回数に応じて遊技情報を表す“n回目ヒラキマス”、声援や称賛を表す“GO!GO!GO!"、“ラッキー7GO!"等の文字が横方向に送り表示される(第22図(A)、(B))。また、変動入賞装置5のLED−Bの表示がリセットされ、LED−Aに継続回数が表示され、(第20図(G)の3.605、第23図(C)の4.198〜4.211)、インターバルの経過後にアタッカー56a,56bが開かれる。
新しいサイクルにてアタッカー56a,56bが開かれると、打球が多数変動入賞装置5の開口部54内に入賞し、入賞球数が10個になるとあるいは所定時間が経過すると、アタッカー56a,56bが閉じてサイクルが終了となり、またアタッカー56a,56bの開動作中に連続作動口69に入賞があれば、前述と同様サイクル継続音が出力され、デジタル44の当たり図柄が伸び縮み表示され、各ランプの点滅速度が切り換えられると共に、次の新しいサイクルへ入る前のインターバル中にファンファーレ音が出力され、デジタル44に継続表示の文字が送り表示され、LED−Bの表示がリセットされ、LED−Aに継続回数が表示され、インターバルの経過後にアタッカー56a,56bが開かれる。
これらのサイクルは最高10回繰り返され、この場合10回目のサイクルに入る前のインターバル中には、1〜9回目までのファンファーレ音とは異なるファンファーレ音が出力される(第20図(G)の3.604)。
そして、10回目のサイクル中に変動入賞装置5への入賞個数が10個になるとあるいは所定時間が経過すると、アタッカー56a,56bが閉じ、大当たりが終了となり、LED−A,B、停止LED51a〜51b、飾りランプ18a〜18g、42a〜42f、当たり表示ランプ19a,19b,20a,20b、72a〜72c等が普段表示に戻される(第20図(J)、第23図(C)の4.212〜4.217、第23図(A)の4.174〜4.179、第23図(B))と共に、デジタル44に外部フォントROM80a、80bの付加表示データに基づき、第34図(A)〜(C)のように“バンザイパターン”、“ファイトパターン”、“モウ1回!"の表示が行われる(第22図(A)、(B))。
また、サイクルが継続されないときは、その時点で大当たりが終了となり、この場合には終了時に“バンザイパターン”が表示されず、“ファイトパターン”、“モウ1回!"のみ表示される。サイクルが10回であれば、遊技者の喜びが大きく、サイクルが10回未満であれば、遊技者を元気づけることになる。
そして、大当たりが終了すると、デジタル44が普段表示に戻り、このとき記憶個数表示部46に未処理貯留数があれば、あるいは特定入賞口6a〜6cへの打球の入賞があれば、デジタル44が回転する一方、普段表示が連続して2分続くと、前述した呼び込み表示が行われる。
このようにして、遊技がおこなわれるのであり、ドットマトリクス型のデジタル44を用いたので、表示が見やすくきれいであり、またデジタル44の図柄を回転から停止する際に図柄をスクロール表示およびランダムにオーバランさせるので、当たり図柄で停止するかどうかの高い期待感が得られ、また大当たり時にはデジタル44を介して文字や図柄等による種々のメッセージが表現されるので、その楽しみも大きくかつ十分な満足感が得られる。
また、デジタル44の図柄の停止に伴い、当たりの可能性の有無に応じて順に停止表示LED51a〜51cが緑あるいは赤に点灯されると共に、大当たりの発生時には停止表示LED51a〜51cおよび各ランプ18a〜18g、42a〜42f、19a,19b,20a,20b、72a〜72cが一斉に点滅を開始するので、高い装飾効果が得られ、大当たり発生に対する楽しみおよび大当たり発生時の喜びが増大する。
また、大当たり中にサイクル継続となると、デジタル44に遊技情報や声援、称賛等を表す表示がされるので、遊技の進行状況を把握できると共に、サイクル継続が進むにつれて充足感が高まり、また大当たりの終了時には、サイクル継続回数に応じて表示されるメッセージ等により、大きな喜びあるいははげましとなり、デジタル式のパチンコ機としての高い興趣ならびに高い機能が確保される。
他方、電源投入時ならびに普段動作時(普段表示時)には、デジタル44に定期的に“イラッシャイマセ!"、おじぎパターン”、“ヨウコソ……”等のメッセージや動画が表示され、このためパチンコ機あるいは島設備全体を華やかに彩ることができると共に、パチンコ機を選ぶ際に遊技者を十分に引き付けることができる。
この呼び込み表示は、遊技中でないときならびに遊技中でも普段動作が連続して2分以上続いたときに、つまり特定入賞口6a〜6cに一定時間打球の入賞がないときに行われるため、遊技者に煩わしさを与えることはない。
また、このような大当たりのディスプレイ表示ならびに呼び込み表示に用いるメッセージや動画等の付加表示データをマイクロコンピュータ内部のROM78とは別の外部フォントROM80a、80bに記憶させ、外部フォントROM80a、80bから直接デジタル44に送るようにしたので、制御が複雑になったり、制御に遅れを生じたりすることはなく、リアルタイムの制御が可能になると共に、容量の大きい制御装置を用いずともメッセージ等の種々の表示、複雑かつ多彩な表示を行うことができ、またメッセージ等を変更するときには、外部フォントROM80a、80bのデータを書き換えるだけで簡単に対応でき、制御装置の開発さらにはパチンコ機の開発が極めて容易となる。
また、大当たりのアタッカー56a,56bの開動作中には、打球がアタッカー56a,56bの先端上方の群73a,73bの遊技釘の間に入ると、高い確率で変動入賞装置5に入賞するようになるが(第2図参照)、このとき群73a,73bの遊技釘に沿う打球は、群73a,73bの内側に設けた群73a,73bの遊技釘に案内されて、群73a,73bの遊技釘とアタッカー56a,56bの先端の間を通り、さらに群75a,75bの遊技釘によって特定入賞口6b,6c側へ導かれる。このため、群73a,73bおよび75a,75bの遊技釘の調整によりアタッカー56a,56bの開動作時には特定入賞口6b,6cへも多数の打球が入賞するようになり、大当たり時に十分な獲得球が得られる。なお、特定入賞口6b,6cに入賞した入賞球は、記憶個数表示部46に表示される貯留球となるため、大当たりが終了すると、もちろん貯留球に応じてデジタル44が回転される。
また、アタッカー56a,56bの開動作中には、遊技者の視線はデジタル44からの変動入賞装置5に移り、打球が変動入賞装置5にスムーズに入賞しているかどうかあるいはどれだけ入賞したかどうか等を注目するようになるが、この場合変動入賞装置5の前面にLED−A,Bを配置したので、これらの入賞状況あるいはサイクル継続回数等を容易に把握でき、また変動入賞装置5の左右に特定入賞口6b,6cを配置したので、特定入賞口6b,6cへの打球の動きも見やすく、このため視線をそれほど動かさずに特定入賞口6b,6cへの打球の流れあるいは特定入賞口6b,6cにたくさん入賞したかどうかも確認でき、遊技者がゲームに集中できると共に、特定入賞口6b,6cの入賞を見ることで、喜びが大きなものとなる。
(発明の効果)
以上のように本発明によれば、複数の識別情報を可変表示して、所定の停止識別情報になった際に特別遊技を起生させるための可変表示手段と、上記可変表示手段への所要の表示指令制御を含む遊技制御を行う遊技制御手段と、を有する遊技機において、上記可変表示手段には、上記複数の識別情報以外にもメッセージ等の付加表示情報を表示可能に構成し、上記遊技制御手段には、上記識別情報および付加表示情報の双方の表示指令を行うための制御情報を記憶する第1の記憶手段と、上記制御情報に基づく制御を行う際に、制御に要する所定制御情報の一時記憶および読出が可能な一時記憶手段と、少なくとも上記付加表示情報等を予め記憶させた第2の記憶手段と、を有し、上記第1の記憶手段と上記第2の記憶手段とは個別に分離構成したので、第2の記憶手段に容量の多い記憶手段を用いることが可能になり、多量の表示情報を用いて興趣に溢れた表示を実現でき、遊技機の興趣を十分に高めることができる。また、ワンチップ構成のマイクロコンピュータの場合に、不必要に高機能な中央処理装置(CPU)を用いる必要もないので、制御が複雑化することもなく、制御系または表示情報のどちらか一方に変更が生じた場合には、変更を必要とする記憶手段のみの変更が可能であるので、例えば特別遊技を起生する識別情報の組合わせの発生確率のみを変更する場合や、特別遊技を起生する識別情報の発生確率制御は変更せずに、可変表示手段へ表示される表示情報のみを変更する場合であっても、容易に変更作業が行え、遊技機の開発が極めて容易となる。
また、表示情報を可変表示手段へ直接出力するので、多量の表示情報を扱う場合であっても中央処理装置(CPU)の負担がなく、処理の高速化を図れ、大量の表示情報に対応できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の実施例を示す遊技盤の正面図と要部正面図と背面図、第4図〜第8図は可変表示装置の斜視図と正面図と側断面図と分解斜視図、第9図(A)〜(C)はデジタルの表示例を示す図、第10図〜第13図は変動入賞装置の斜視図と側断面図と分解斜視図、第14図は制御系のブロック構成図、第15図はプログラムの概略図、第16図は入力処理を示すフローチャート、第17図は初期化処理を示すフローチャート、第18図(A)、(B)は不正監視処理を示すフローチャート、第19図(A)〜(C)、第20図(A)〜(J)はゲーム動作処理を示すフローチャート、第21図(A)〜(D)、第22図(A)、(B)、第23図(A)〜(C)は出力編集を示すフローチャート、第24図(A),(B)は出力処理等を示すフローチャート、第25図(A)〜(E)はサブルーチンのフローチャート、第26図(A),(B)は表示図柄の例を示す表図、第27図は付加表示データ例を示す表図、第28図(A)〜(C)、第29図(A)、(B)、第30図、第31図、第32図、第33図(A)〜(I)、第34図(A)〜(C)はデジタルの表示動作を示す図、第35図は各ランプの点灯例を示す表図、第36図(A),(B)はLED−A,Bの表示動作を示す図である。
1……遊技盤、3……遊技部、4……可変表示装置、5……変動入賞装置、6a〜6c……特定入賞口、7、8a,8b,9a,9b……一般入賞口、18a〜18g……飾りランプ、19a,19b,20a,20b……当たり表示ランプ、21a〜21c……特定入賞球検出スイッチ、22……ストップスイッチ、23……カウントスイッチ、24……サイクルスイッチ、42a〜42f……飾りランプ、44……可変表示部、44a〜44c……画面、46……記憶個数表示部、51a〜51c……停止表示LED、52a,52b……飾りLED、56a,56b……可動部材、61……ソレノイド、66……入賞個数表示器、67……継続回数表示器、69……連続作動口、72a〜72c……当たり表示ランプ、76……制御装置、77……CPU、78……ROM、80a,80b……外部フォントROM、82……スピーカ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の識別情報を可変表示して、所定の停止識別情報になった際に特別遊技を起生させるための可変表示手段と、上記可変表示手段への所要の表示指令制御を含む遊技制御を行う遊技制御手段と、を有する遊技機において、上記可変表示手段には、上記複数の識別情報以外にもメッセージ等の付加表示情報を表示可能に構成し、上記遊技制御手段には、上記識別情報および付加表示情報の双方の表示指令を行うための制御情報を記憶する第1の記憶手段と、上記制御情報に基づく制御を行う際に、制御に要する所定制御情報の一時記憶および読出が可能な一時記憶手段と、少なくとも上記付加表示情報等を予め記憶させた第2の記憶手段と、を有し、上記第1の記憶手段と上記第2の記憶手段とは個別に分離構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】上記第2の記憶手段は、所要の表示指令に基づいて当該第2の記憶手段が記憶している表示情報を可変表示手段へ直接出力する請求項1に記載の遊技機。
【請求項1】複数の識別情報を可変表示して、所定の停止識別情報になった際に特別遊技を起生させるための可変表示手段と、上記可変表示手段への所要の表示指令制御を含む遊技制御を行う遊技制御手段と、を有する遊技機において、上記可変表示手段には、上記複数の識別情報以外にもメッセージ等の付加表示情報を表示可能に構成し、上記遊技制御手段には、上記識別情報および付加表示情報の双方の表示指令を行うための制御情報を記憶する第1の記憶手段と、上記制御情報に基づく制御を行う際に、制御に要する所定制御情報の一時記憶および読出が可能な一時記憶手段と、少なくとも上記付加表示情報等を予め記憶させた第2の記憶手段と、を有し、上記第1の記憶手段と上記第2の記憶手段とは個別に分離構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】上記第2の記憶手段は、所要の表示指令に基づいて当該第2の記憶手段が記憶している表示情報を可変表示手段へ直接出力する請求項1に記載の遊技機。
【第5図】
【第9図(A)】
【第9図(B)】
【第9図(C)】
【第18図(B)】
【第1図】
【第2図】
【第20図(B)】
【第3図】
【第4図】
【第7図】
【第20図(C)】
【第20図(F)】
【第6図】
【第11図】
【第15図】
【第20図(H)】
【第8図】
【第34図】
【第10図】
【第16図】
【第20図(G)】
【第25図(A)】
【第12図】
【第30図】
【第13図】
【第14図】
【第17図】
【第26図(B)】
【第18図(A)】
【第19図(A)】
【第19図(B)】
【第19図(C)】
【第20図(A)】
【第20図(D)】
【第20図(I)】
【第29図】
【第33図(A)】
【第20図(E)】
【第20図(J)】
【第21図(A)】
【第24図(B)】
【第21図(B)】
【第23図(B)】
【第25図(B)】
【第25図(D)】
【第21図(C)】
【第21図(D)】
【第28図】
【第22図(A)】
【第33図(B)】
【第22図(B)】
【第23図(A)】
【第33図(C)】
【第23図(C)】
【第25図(C)】
【第24図(A)】
【第25図(E)】
【第33図(D)】
【第33図(E)】
【第33図(G)】
【第33図(I)】
【第26図(A)】
【第27図】
【第31図】
【第32図】
【第33図(F)】
【第33図(H)】
【第35図】
【第36図(A)】
【第36図(B)】
【第9図(A)】
【第9図(B)】
【第9図(C)】
【第18図(B)】
【第1図】
【第2図】
【第20図(B)】
【第3図】
【第4図】
【第7図】
【第20図(C)】
【第20図(F)】
【第6図】
【第11図】
【第15図】
【第20図(H)】
【第8図】
【第34図】
【第10図】
【第16図】
【第20図(G)】
【第25図(A)】
【第12図】
【第30図】
【第13図】
【第14図】
【第17図】
【第26図(B)】
【第18図(A)】
【第19図(A)】
【第19図(B)】
【第19図(C)】
【第20図(A)】
【第20図(D)】
【第20図(I)】
【第29図】
【第33図(A)】
【第20図(E)】
【第20図(J)】
【第21図(A)】
【第24図(B)】
【第21図(B)】
【第23図(B)】
【第25図(B)】
【第25図(D)】
【第21図(C)】
【第21図(D)】
【第28図】
【第22図(A)】
【第33図(B)】
【第22図(B)】
【第23図(A)】
【第33図(C)】
【第23図(C)】
【第25図(C)】
【第24図(A)】
【第25図(E)】
【第33図(D)】
【第33図(E)】
【第33図(G)】
【第33図(I)】
【第26図(A)】
【第27図】
【第31図】
【第32図】
【第33図(F)】
【第33図(H)】
【第35図】
【第36図(A)】
【第36図(B)】
【特許番号】第2682670号
【登録日】平成9年(1997)8月8日
【発行日】平成9年(1997)11月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭63−278480
【出願日】昭和63年(1988)11月2日
【公開番号】特開平2−124190
【公開日】平成2年(1990)5月11日
【出願人】(999999999)株式会社ソフィア
【参考文献】
【文献】特開 平1−136680(JP,A)
【登録日】平成9年(1997)8月8日
【発行日】平成9年(1997)11月26日
【国際特許分類】
【出願日】昭和63年(1988)11月2日
【公開番号】特開平2−124190
【公開日】平成2年(1990)5月11日
【出願人】(999999999)株式会社ソフィア
【参考文献】
【文献】特開 平1−136680(JP,A)
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