説明

遊技球循環型遊技システムのための遊技機及び遊技球循環型遊技システム

【課題】球払い出し装置から球発射通路を通り球送り装置に払い出される遊技球が多くなり過ぎるときその一部の遊技球を球発射通路の中間部位から排出するようにした遊技球循環型遊技システムのための遊技機及び遊技球循環型遊技システムを提供する。
【解決手段】球払い出し装置40の払い出し部材40aと球送り装置20dとの間には、通路部材40b及び案内通路40cが介装されている。通路部材40bは、払い出し通路43と、分岐通路44とを備えており、払い出し通路43は、案内通路40cを介し球送り装置20dに連結されている。分岐通路44は、払い出し通路43の開口部43gから下方へ延出されて球移送装置の案内通路台60の導入口部に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球循環型遊技システムのための遊技機及び遊技球循環型遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技球循環型遊技システムの例としては、下記特許文献1に記載のパチンコ遊技機が提案されている。当該パチンコ遊技機は、遊技台、球貸機及び球移送装置でもって構成されている。
【0003】
ここで、球移送装置は、上部タンク、下部タンク及び球搬送機構でもって構成されており、上部タンクは、遊技台の上方に設けられて、当該遊技台から排出される特賞球及び球貸機から排出される貸球を貯留する。下部タンクは、遊技台の下方に設けられて当該遊技台から排出される球を貯留する。球搬送機構は、下部タンクに貯留されている球を上部タンクに搬送するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−290058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記構成のパチンコ遊技機によれば、球タンクに移送された遊技球は、払い出し装置により払い出されて発射球通路を通り球送り装置を介し球発射装置に送られることとなる。
【0006】
しかしながら、払い出し装置から払い出される遊技球が多すぎると、上述した発射球通路への遊技球が多すぎて滞留して球噛みを生じてしまい球送り装置による球発射装置に対する遊技球の送りが円滑になされにくいという不具合を招く。
【0007】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、球払い出し装置から球発射通路を通り球送り装置に払い出される遊技球が多くなり過ぎるときその一部の遊技球を球発射通路の中間部位から排出するようにした遊技球循環型遊技システムのための遊技機及び遊技球循環型遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決にあたり、本発明は、請求項1の記載によれば、
遊技球を移送する球移送装置(S3)を介し球発射装置(20c)から発射される遊技球を再び球発射装置に戻すように循環させる遊技球循環型遊技システムに適用されて、球発射装置に加え、球タンク(50)、球払い出し装置(40)及び球送り装置(20d)を有する遊技機本体(20)を具備してなる遊技機において、
球タンクから流下する遊技球を払い出す払い出し手段(40a)と、
この払い出し手段から払い出される遊技球を、球発射装置に送るように球送り装置に向けて案内する通路部材であって球移送装置へ排出するための開口部(43g)を有してなる通路部材(40b、40c)とを備えており、
当該通路部材は、球送り装置への案内方向から外れる遊技球を、上記開口部から排出するようにした遊技球循環型遊技システムのための遊技機である。
【0009】
このように、払い出し手段から払い出される遊技球を、球送り装置に向けて案内する通路部材に球移送装置へ排出するための開口部を設けて、通路部材が、球送り装置への案内方向から外れる遊技球を上記開口部から排出するようにした。
【0010】
これにより、例えば、払い出し手段から通路部材内に払い出される遊技球が多すぎることで、遊技球が球送り装置への案内方向から外れても、当該遊技球を上述のように開口部から排出することで、通路部材による球送り装置への遊技球の数を適正数に維持することができ、その結果、球発射装置への球送り装置による球送りが円滑になされ得る。
【0011】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の遊技球循環型遊技システムのための遊技機において、
通路部材は、
払い出し手段から払い出される遊技球を案内する第1通路であって上記開口部を有する第1通路(43)と、
この第1通路から案内される遊技球を球送り装置に向けて案内する第2通路(40c)と、
第1通路から第2通路に案内される遊技球のうち球送り装置への案内方向から上記開口部内に外れる遊技球を排出するように設けた第3通路(44)とを備えることを特徴とする。
【0012】
このように、第1〜第3の通路でもって通路部材を構成することで、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0013】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の遊技球循環型遊技システムのための遊技機において、
第3通路は、所定数の遊技球が第1通路から第2通路内に案内された後に第1通路から案内される遊技球のうち球送り装置への案内方向から上記開口部内に外れる遊技球を排出することを特徴とする。
【0014】
このように、所定数の遊技球が第1通路から第2通路内に案内された後に第1通路から案内される遊技球のうち球送り装置への案内方向から上記開口部内に外れる遊技球を排出することで、所定数を超えて第1通路から第2通路内に案内される遊技球は、球送り装置への案内方向から外れて上記開口部内に排出される。その結果、請求項2に記載の発明の作用効果より一層確実に達成され得る。
【0015】
また、本発明に係る遊技球循環型遊技システムは、請求項4の記載によれば、
遊技者の持ち球となる遊技球の数を管理する持ち球管理装置(S2)と、
請求項2また3に記載の遊技機(S1)と、請求項2または3に記載の球移送装置(S3)と、
遊技機の第3通路から排出された遊技球を検出する検出手段とを備えて、
遊技機は、払い出し手段により、球タンクから流下する遊技球を払い出し、
通路部材は、払い出し手段から払い出される遊技球のうち、球送り装置への案内方向から外れる遊技球を、上記開口部を通り第3通路から球タンクに移送するように球移送装置へ排出し、
持ち球管理装置は、第3通路から排出されて検出手段により検出された遊技球の数を記憶する記憶手段を備えて、この記憶遊技球の数に基づき上記持ち球の数を管理するようにしたものである。
【0016】
これによれば、払い出し手段により払い出された遊技球が、球送り装置への案内方向から外れて第3通路から球移送装置に排出されても、当該遊技球は、遊技者の持ち球になるべき球であることから、検出手段により検出されて記憶手段に記憶される。これにより、上記持ち球の数が持ち球管理装置により適正に管理され得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、払い出し手段から払い出された遊技球が球送り装置への案内方向から外れても、当該遊技球は上記開口部から排出されるので、球送り装置への遊技球の数を適正数に維持することができ、その結果、球発射装置への球送り装置による球送りが円滑になされ得る。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る遊技球循環型遊技システムの一実施形態を島に設置した状態にて、遊技機を球管理装置及び球移送装置とは分解して前面側から示す斜視図である。
【図2】図1の遊技球循環型遊技システムを、後面側から示す斜視図である。
【図3】図1の前面側から見た拡大斜視図である。
【図4】図3の遊技球循環型遊技システムを後面側から見た拡大斜視図である。
【図5】図4の遊技球循環型遊技システムの右側面図である。
【図6】図5の遊技球循環型遊技システムを、遊技機と球管理装置及び球移送装置とを分解した状態で示す分解右側面図である。
【図7】図6の遊技球循環型遊技システムを遊技機と球管理装置及び球移送装置とを分解した状態で前側から示す分解斜視図である。
【図8】図6の遊技球循環型遊技システムを遊技機と球管理装置及び球移送装置とを分解した状態で後側から示す分解斜視図である。遊技機本体の上端部に上側連結部材を取付けた状態を示す要部縦断面図である。
【図9】図6の遊技球循環型遊技システムを、遊技機と球管理装置及び球移送装置とを分解した状態で前側から示す拡大分解斜視図である。
【図10】図6の遊技球循環型遊技システムを、遊技機と球管理装置及び球移送装置とを分解した状態で後側から示す拡大分解斜視図である。
【図11】上記実施形態において、遊技盤の下部、球発射装置、球送り装置、ファウル球通路部材及びファウル球受け部材を前側から見た状態で示す部分拡大前面図である。
【図12】図11の遊技盤の下部、球発射装置、球送り装置、ファウル球通路部材及びファウル球受け部材を斜め前方から見た状態で示す部分拡大斜視図である。
【図13】上記実施形態において、遊技盤の下部、球発射装置、球送り装置、ファウル球通路部材及びファウル球受け部材を、遊技球の逆戻り経路と共に前側から見た状態で示す部分拡大前面図である。
【図14】上記実施形態において、遊技盤の下部、球発射装置、球送り装置、ファウル球通路部材及びファウル球受け部材を案内通路台と共に斜め前側から見た状態で示す部分拡大斜視図である。
【図15】上記実施形態において、ファウル球受け部材20gを案内通路台と共に示す斜視図である。
【図16】上記実施形態における球発射装置の斜視図である。
【図17】上記実施形態における球送り装置を案内通路と共に示す斜視図である。
【図18】上記実施形態において、遊技盤を案内通路台と共に前面側から示す斜視図である。
【図19】上記実施形態において、遊技盤を案内通路台と共に後面側から示す斜視図である。
【図20】上記実施形態において、移送装置を、球タンク及び球払い出し装置等と共に示す拡大斜視図である。
【図21】上記実施形態において、遊技球が案内通路台及び案内通路との関係において球払い出し装置により払い出される過程を説明するために示す斜視図である。
【図22】上記実施形態において、球タンク及び案内通路台と共に、球払い出し装置を示す分解斜視図である。
【図23】上記実施形態において、球タンク及び案内通路台と共に、球払い出し装置を示す平面図である。
【図24】上記実施形態において、球タンク球と共に払い出し装置を示す側面図である。
【図25】図24にて図示25ー25線に沿う断面図である。
【図26】上記実施形態において、開閉機構の配設位置を球送り装置及び排出通路の部分破断状態にて示す斜視図である。
【図27】上記実施形態における開閉機構の分解斜視図である。
【図28】上記実施形態における開閉機構の動作説明図である。
【図29】上記実施形態における開閉機構の動作説明図である。
【図30】上記実施形態における移送装置、案内通路台、球タンク、球発射装置及び球送り装置の斜視図である。
【図31】上記実施形態における移送装置の揚送機構を案内通路台及び球タンクと共に示す斜視図である。
【図32】上記実施形態における移送装置の揚送機構を案内通路台及び球タンクと共に示す斜視図である。
【図33】上記実施形態における移送装置の分解斜視図である。
【図34】図31の移送装置におけるベルトコンベヤーの部分斜視図である。
【図35】図31の移送装置におけるベルトコンベヤーの部分斜視図である。
【図36】上記実施形態における球充填装置を案内通路台と共に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面により説明する。
【0021】
図1及び図2は、本発明を適用してなる遊技球循環型遊技システムが、複数、ホールの島設備10に配設されてなる例を示している。なお、上記島設備は、長手状の基台10a上に枠体10bを一体的に形成して構成されている。
【0022】
複数の遊技球循環型遊技システムは、上記島設備の枠体10b内に横方向に列状に並んで配設されている。当該複数の遊技球循環型遊技システムは、共に、同一の構成を有するので、以下、当該複数の遊技球循環型遊技システムのうちの一遊技球循環型遊技システムを例にとってその構成について説明する。
【0023】
当該一遊技球循環型遊技システム(以下、遊技球循環型遊技システムSともいう)は、図1から分かるように、枠体10b内にその一端部側にて配設されており、当該遊技球循環型遊技システムSは、図1〜図8のいずれかにて示すごとく、パチンコ遊技機S1と、このパチンコ遊技機S1の左側に位置する持ち球管理装置S2と、パチンコ遊技機S1の後側にて当該パチンコ遊技機S1に着脱可能に付設される球移送装置S3とでもって構成されている。
【0024】
本実施形態では、当該遊技球循環型遊技システムSにおいて、パチンコ遊技機S1は、いわゆる封入式(循環式)のものであるから、遊技者が、当該パチンコ遊技機S1に封入されている遊技球に直接触れることはできない。このことは、遊技球循環型遊技システムSが、パチンコ遊技機S1を含め、封入式であることを意味する。
【0025】
また、遊技者は、持ち球管理装置S2及び球移送装置S3においても、遊技球に直接触れることはできない。また、遊技球循環型遊技システムSにおいて、持ち球管理装置S2及び球移送装置S3は、図面によっては、便宜上、相互に分離した装置として記載されているが、これら持ち球管理装置S2及び球移送装置S3は、通常、一体的な装置として構成される。
【0026】
なお、図3において、図示斜め左側後方及び図示斜め右側前方が、それぞれ、遊技球循環型遊技システムSの左側及び右側に対応し、図示斜め左方前側及び図示斜め右方後側が、それぞれ、遊技球循環型遊技システムSの前側及び後側に対応し、かつ、図示上側及び下側が、それぞれ、遊技球循環型遊技システムSの上側及び下側に対応する。
【0027】
パチンコ遊技機S1は、機枠(図示しない)と、遊技機本体20と、前扉30とにより構成されている(図1〜図8のいずれか参照)。しかして、当該パチンコ遊技機S1は、上記機枠を介し、枠体10b内に配設されており、このパチンコ遊技機S1において、遊技機本体20は、図9〜図13のいずれかにて示すごとく、遊技盤20a、案内レール20b、球発射装置20c及び球送り装置20dを備えている。なお、制御装置20eは、遊技盤20aにその後側から組み付けられている。
【0028】
遊技盤20aは、遊技機本体20の板状本体枠(図示しない)に組み付けられて、遊技機本体20の前面側に位置している。案内レール20bは、図9及び図11〜図14のいずれかにて示すごとく、遊技盤20aの盤面の外周部に沿い組み付けられており、当該案内レール20bは、内レール部21及び外レール部22でもって構成されている。
【0029】
ここで、内レール部21は、下方に凸な円弧状にて、外レール部22の内側に沿い遊技盤20aの盤面にその左上側隅角部から下方及び右上隅角部にかけて組み付けられている。外レール部22は、上方に向け凸な円弧状にて、遊技盤20aの盤面にその左下側隅角部から上方及び右上隅角部にかけて組み付けられている。また、外レール部22は、その左側部にて、内レール部21の左側部との間にて、遊技盤20aの盤面に沿い案内通路23を形成している。
【0030】
しかして、案内レール20bは、球発射装置20cにより後述のように発射される遊技球を案内通路23に沿い遊技領域24の左上側隅角部内に案内する。なお、遊技領域24は、案内レール20bによりその内周側にて遊技盤20aの盤面上に形成されている(図9参照)。
【0031】
また、アウト口24aは、図11〜図14のいずれかに示すごとく、内レール部21の左右方向中央下部の直上にて、遊技盤20aに形成されている。このアウト口24aは、遊技盤20aの遊技領域24内にて当該遊技盤20aの盤面に沿い各入賞口(例えば、図18にて符号24b参照)のいずれにも入賞することなく下方へ転動する遊技球を消費球として遊技盤20aの後側へ排出する役割を果たす。
【0032】
球発射装置20cは、基板25aにて、遊技盤20aの左右方向中間部位の下方にて遊技機本体20の上記板状本体枠に支持されている(図11〜図14のいずれかの図参照)。当該球発射装置20cは、図16にて例示するごとく、ロータリーソレノイド25bを備えており、このロータリーソレノイド25bは、基板25aの後面の右側部に同軸的に組み付けられている。これに伴い、ロータリーソレノイド25bは、基板25aからその後面側(遊技盤20aの後面側)へ延出している。なお、当該ロータリーソレノイド25bは、その軸にて、基板25aを通り回動可能に前方へ突出している。
【0033】
また、当該球発射装置20cは、槌(図示しない)及び発射レール25c(図16参照)を備えており、上記槌は、その回動基部にて、基板25aの前面に沿い回動するようにロータリーソレノイド25bの軸に同軸的に支持されている。
【0034】
しかして、当該槌は、ハンドルHD(図1、図3或いは図5〜図7のいずれか参照)の操作に伴うロータリーソレノイド25bの一方向への回動(或いは他方向への回動)に伴い、後退回動位置から打撃回動位置(或いは、打撃回動位置から後退回動位置)へ回動する。なお、当該槌は、打撃回動位置に達したとき、その槌部にて、発射レール25cの発射基端部上の遊技球を打つようになっている。なお、ハンドルHDは、球発射装置20cの一構成部材として、前扉30の右側下部に回動可能に設けられている。
【0035】
発射レール25cは、基板25aの前面に沿い、上記槌の打撃回動位置における上記槌部に対する対向位置から案内レール20bの案内通路23の案内基端部23a(図11参照)に向けて、左上側へ傾斜状に延出するように配設されている。これにより、上記槌の槌部により打たれた遊技球は、発射レール25cに沿い案内通路23の案内基端部23aに向けて発射される。
【0036】
球送り装置20dは、図9及び図11〜図14のいずれかから分かるように、球発射装置20cにその前側から対向するように、遊技機本体20の上記板状本体枠に支持されて、球発射装置20cに併設されている。
【0037】
具体的には、当該球送り装置20dは、その後壁26a(図17参照)にて、球発射装置20cにその前側から対向するように、遊技機本体20の上記板状本体枠に支持されている。
【0038】
しかして、当該球送り装置20dは、その前壁26b(図17参照)の左右方向中央下部に形成した球導入口部26cから遊技球を導入し、この導入遊技球を球発射装置20cの発射レール25cの上記発射基端部上に送るようになっている。
【0039】
また、遊技機本体20は、図11或いは図12にて示すごとく、ファウル球通路部材20f及びファウル球受け部材20gを備えている。
【0040】
ファウル球通路部材20fは、図11〜図15のいずれかにて示すごとく、案内通路23の案内基端部23aの直下にてファウル球受け部材20gの直上に位置するように、遊技機本体20の上記板状本体枠に支持されている。
【0041】
当該ファウル球通路部材20fは、図11〜図15のいずれかにて示すごとく、縦筒部27a及び横筒部27bでもって略L字状となるように一体的に形成されている。縦筒部27aは、その上端開口部27cにて、案内通路23の案内基端部23aに下方から対向しており、当該縦筒部27aは、上端開口部27cから下方に向けて延出している。
【0042】
横筒部27bは、縦筒部27aの延出下端連通口部から前方へ略L字状に延出しており、当該横筒部27bは、その延出基端連通口部から前側右方へ緩やかに湾曲している(図14参照)。
【0043】
このように構成したファウル球通路部材20fによれば、球発射装置20cの発射レール25cから矢印AR1(図11或いは図12参照)の方向に遊技盤20aの案内通路23の案内基端部23aに向けて発射された遊技球が、案内通路23の案内方向中間部位P1(図13或いは図14参照)まで達した後矢印AR2(図13或いは図14参照)の方向に逆戻りする場合、このように逆戻りした遊技球は、ファウル球通路部材20fの縦筒部27a内にその上端開口部27cから落下する。
【0044】
このように落下した遊技球は、縦筒部27a内に沿い落下した後、横筒部27b内に進入して当該横筒部27bによりその延出開口端部27dに向けて案内される。
【0045】
ファウル球受け部材20gは、図11〜図14のいずれかにて示すごとく、ファウル球通路部材20fの下方にて、遊技機本体20の上記板状本体枠に支持されており、当該ファウル球受け部材20gは、受け部材本体28と、案内筒29とにより構成されている。
【0046】
受け部材本体28は、底壁28aと、コ字状周壁28bとを有している。コ字状周壁28bは、左壁部Wa、前壁部Wb及び後壁部Wcでもって、コ字状に構成されており、左壁部Waは、底壁28aの左縁部から上方へ延出している。前壁部Wb及び後壁部Wcは、それぞれ、底壁28aの前縁左側部位及び後縁左側部位から互いに平行に上方へ延出している。このことは、コ字状周壁28bは、そのコ字状上端開口部にて、案内レール20bの案内通路23の案内基端部23aにその直下から対向することを意味する。
【0047】
これにより、上述のように矢印AR1の方向に遊技盤20aの案内通路23に向けて発射された遊技球が、案内通路23の案内方向中間部位P1よりも下方の案内方向中間部位P2(図13或いは図14参照)まで達した後矢印AR3(図13或いは図14参照)の方向に逆戻りする場合、このように逆戻りした遊技球は、縦筒部27aの上端開口部27cよりも右方へずれて、受け部材本体28のコ字状周壁28b内にその上端開口部から落下した後、底壁28a上に落下する。
【0048】
また、底壁28aは、その右側部位にて、球発射装置20cの発射レール25cの直下に位置している。このため、上述のように球発射装置20cの発射レール25cの発射基端部において上記槌により打たれた遊技球が発射レール25cの発射方向中間部位から図13或いは図14にて示すごとく、矢印AR4の方向に落下する場合、当該遊技球は、底壁28a上に落下する。これは、矢印AR4の方向に落下する遊技球の位置は、底壁28a上に近いためである。
【0049】
ここで、底壁28aはその右側から左壁部Wa及び後壁部Wcの交差下側隅角部(図14参照)に向けて順次下方へ緩やかに傾斜している。このため、上述のようにコ字状周壁28bの内部を通り底壁28a上に落下した遊技球、或いは矢印AR4の方向に沿い底壁28a上に落下した遊技球は、当該底壁28aにより左壁部Wa及び後壁部Wcの交差下側隅角部に向けて案内される。
【0050】
また、ファウル球受け部材20gにおいて、案内筒29は、図12、図14及び図15のいずれかにて示すごとく、その基端開口部にて、コ字状周壁28b内にその後壁部Wcの左下隅角部を介し開口するように、当該後壁部Wcの左下隅角部から後方へ延出している。これに伴い、上述のように底壁28a上に落下して左壁部Wa及び後壁部Wcの交差下側隅角部に向けて案内された遊技球は、案内筒29内にその基端開口部から進入して当該案内筒29によりその延出開口端部29aに向けて案内される(図14参照)。
【0051】
また、遊技機本体20は、図18或いは図19にて示すごとく、受け皿20hを有しており、この受け皿20hは、遊技盤20aの直下にて遊技機本体20の上記板状本体枠に支持されている。しかして、当該受け皿20hは、アウト口24aから落下する遊技球或いは上記各入賞口(例えば、図18にて符号24b参照)のいずれかに入賞して落下する遊技球を収容する。このように収容された遊技球は、受け皿20hの底壁中央開口部から下方へ延出する排出路24c(図18或いは図19参照)を通り排出される。
【0052】
前扉30は、その左縁部にて、遊技機本体20の左縁部に前後方向に回動可能に支持されている。これにより、当該前扉30は、後方への回動により、遊技盤20aをその前面から閉じ、また、前方への回動により、遊技盤20aをその前面から開く。
【0053】
当該パチンコ遊技機S1は、遊技盤20a、案内レール20b、球発射装置20c及び球送り装置20d等と共に遊技機本体20を構成する球払い出し装置40を備えており、この球払い出し装置40は、後述する球タンク50の直下にて、遊技機本体20の上記板状本体枠の左側下部に配設されている(図8、図10、図20或いは図21等参照)。
【0054】
当該球払い出し装置40は、図20〜図25のいずれかにて示すごとく、払い出し部材40aと、通路部材40bと、案内通路40cと、ピニオン40d及び払い出しモータ40eとを備えている。
【0055】
払い出し部材40aは、図21或いは図22にて示すごとく、円板状歯車41及び円板状払い出し板42を備えており、歯車41は、後述のように払い出し板42及び支持片42aを介し、軸41b(図22参照)により回転可能に支持されている。当該歯車41は、複数の貫通孔部41aを有しており、これら複数の貫通孔部41aは、歯車41の外周部に沿いその周方向に間隔をおいて形成されている。ここで、各貫通孔部41aの内径は、1個の遊技球を通すに要する値に設定されている。
【0056】
しかして、当該歯車41は、その回転に伴い、球タンク50の底壁51の一部に形成した円弧状開口部51a(図22参照)を通り落下(流下)する遊技球を順次複数の貫通孔部41aのいずれかを通して下方へ落下させるようになっている。なお、円弧状開口部51aは、歯車41の複数の貫通孔部41aのうちの所定数(例えば3つ)の各貫通孔部41aに対向するように、球タンク50の底壁51に形成されている。
【0057】
払い出し板42は、歯車41の直下にて当該歯車41と同軸的に位置するように、支持片42aにより、遊技機本体20の上記枠体の一部に回転不能に支持されている。当該払い出し板42は、単一の貫通孔部42b(図22参照)を有しており、この貫通孔部42bは、歯車41の複数の貫通孔部41aのいずれかに下方から同軸的に対向するように、払い出し板42の外周部に形成されている。なお、貫通孔部42bは、貫通孔部41aと同一の内径を有している。また、歯車41は、軸41bにより、払い出し板42及び支持片42aを介し、回転可能に、遊技機本体20の上記板状本体枠の一部に支持されている。
【0058】
しかして、当該払い出し板42は、歯車41の複数の貫通孔部41aのいずれかを通り落下する遊技球を順次貫通孔部42bを通して下方へ払い出すようになっている。
【0059】
通路部材40bは、図21にて示すごとく、払い出し部材40aの下側にて、案内通路40cと球移送装置S3の案内通路台60との間に連結されるように、遊技機本体20の上記板状本体枠の一部に支持されている。
【0060】
当該通路部材40bは、図21及び図22により示すごとく、払い出し通路43と、分岐通路44とを備えている。払い出し通路43は、長手状底壁43aと、この底壁43aの幅方向両縁部の各々から上方へL字状に延出する両側壁43b、43cと、底壁43aの長手方向両端部の各々から上方へL字状に延出する両端壁43d、43eとでもって、上方へ開口するように、略断面コ字状に形成されている。このことは、払い出し通路43は、長手状底壁43a、両側壁43b、43c及び両端壁43d、43eでもって、その内側にて、長手状収容案内部Eを形成することを意味する。
【0061】
ここで、払い出し通路43は、長手状収容案内部Eの端壁43d側部位にて、払い出し板42の貫通孔部42bにその直下から対向する。このため、払い出し板42の貫通孔部42bから払い出される遊技球は、払い出し通路43の長手状収容案内部Eの端壁43d側部位内に落下して収容される。
【0062】
また、払い出し通路43は、長手状収容案内部Eの端壁43e側部位にて、図21或いは図22にて示すごとく、右壁43c側から左壁43b側に向け横方向にコ字状に突出して、横方向拡大収容部Eaとして形成されている。
【0063】
換言すれば、払い出し通路43において、左壁43bは、図21或いは図22にて示すごとく、端壁43e側部位にて、端壁43eと共に、右壁43cとは反対側へコ字状に突出する突出壁部45を形成してなり、この突出壁部45は、左壁43bのうち上記端壁43e側部位を除く部位の上記端壁43e側端部から右壁43cとは反対側へL字状に屈曲する壁部45aと、この壁部45aから端壁43e側へL字状に屈曲する壁部45bと、端壁43eの壁部45aに対する対向部位とでもって、コ字状に形成されている。また、底壁43aは、突出壁部45の両壁部45a、45b、端壁43eの上記対向部位の各下縁部に亘り閉塞するように拡大するように形成されている。
【0064】
このような構成のもと、コ字状突出壁部45が、右壁43cのうち突出壁部45に対向する部位並びにこれに対する底壁43aの対応部位とともに、横方向拡大収容部Eaを形成する。
【0065】
また、端壁43eは、図21〜図23にて示すごとく、連通口部43fを有しており、この連通口部43fは、端壁43eの右側壁43c側部位にて、遊技球を1個ずつ通過させ得るように、開口形成されている。このことは、横方向拡大収容部Eaが、端壁43eの右側壁43c側部位にて、連通口部43fを形成することを意味する。
【0066】
また、底壁43aは、図23にて示すごとく、開口部43gを有しており、この開口部43gは、払い出し通路43内に落下する各遊技球を必要に応じて分岐通路44内に落下させ得るように、端壁43eと突出壁部45の壁部45bとの交差隅角側に形成されている。換言すれば、横方向拡大収容部Eaが、底壁43aのうち端壁43eと突出壁部45の壁部45bとの交差隅角側部位にて、開口部43gを有するように形成されている。なお、開口部43gは、分岐通路44の横方向拡大収容部Ea内への開口部として把握してもよい。
【0067】
ここで、払い出し通路43は、図21にて示すごとく、その長手方向中間部位から端壁43e側にかけて、左壁43b側から右壁43c側へ緩やかな凸形状に湾曲しながら延在するように形成されている。従って、遊技球は、払い出し通路43の長手状収容案内部Eの内部を端壁43d側から転動するにあたり、払い出し通路43の長手方向中間部位内に達した後は、払い出し通路43の上記湾曲形状に基づき、右壁43cの内面に沿うように端壁43eに向けて転動するようになっている。
【0068】
ここで、払い出し通路43の連通口部43fを通過する遊技球が一度に連続することは、現実の遊技にあたっては過剰となることから、所定数(例えば、40個)の遊技球を、連通口部43fを通過させるようにし、かつ、残りの遊技球を外れ球として分岐通路44側内に分岐して落下させるように、開口部43gが、壁部45bと端壁43eとの交差隅角側に形成されるとともに、当該開口部43gの開口面積が設定されている。ここで、上述のように払い出し通路43の連通口部43fを通過する遊技球を所定数(例えば、40個)の遊技球とすることは、連通口部43fから案内通路40c(後述する)内に案内される遊技球が、案内通路40c内にて所定数(例えば、40個)溜まることを意味する。
【0069】
また、上述のように、所定数(例えば、40個)の遊技球を連通口部43fから案内通路40c内に通過させかつ残りの遊技球を外れ球として分岐通路44側内に分岐して落下させるにあたり、長手状収容案内部Eの横方向拡大収容部Eaの底壁部は、図25にて示すごとく、上下両側段壁部43h、43iでもって、階段状に形成されるとともに、上述のごとく遊技球が案内通路40c内に所定数(例えば、40個)溜まるように案内通路40cが構成されている。
【0070】
ここで、上側段壁部43hは、壁43cの端壁43e側部位に沿うように形成されている。また、下側段壁部43iは、上側段壁部43h上から外れて(溢れて)落下する遊技球を分岐通路44内に落下させるように、突出壁部45側に形成されている。従って、上述した開口部43gは、壁部45bと端壁43eとの交差隅角側にて、下側段壁部43iに形成されている。
【0071】
分岐通路44は、図21にて示すごとく、払い出し通路43の開口部43gから下方へ延出している。当該分岐通路44は、その中間部位にて、さらに、略L字状に折れ曲がって払い出し部材40aの下側に向け延出しており、当該分岐通路44は、その延出端開口部44aにて、案内通路台60の導入口部61c(後述する)に連結されている。
【0072】
しかして、遊技球は、払い出し通路43の開口部43gから分岐通路44内に落下した遊技球は、分岐通路44によりその延出端開口部44aを介し案内通路台60の導入口部61cへ案内される。
【0073】
案内通路40cは、図17或いは図20にて示すごとく、払い出し通路43の連通口部43fと球送り装置20dの球導入口部26cとの間に連結されているもので、当該案内通路40cは、上方へ開口するように、長手状底壁46a(図23参照)と、この底壁46aの幅方向両縁部の各々から上方へL字状に延出する両側壁46b、46cとでもって構成されている。
【0074】
ここで、当該案内通路40cは、その長手方向一端開口部46dにて、払い出し通路43の連通口部43fに連結されている。また、当該案内通路40cは、その長手方向他側部位にて、後方(球送り装置20dの球導入口部26c側方向)に向け、L字状に折れ曲がように延出して形成されている。但し、両側壁46b、46cは、長手状底壁46aよりも球導入口部26cに向け長く延出している(図26参照)。
【0075】
このため、案内通路40cは、その長手方向他側部位以外の部位にて、上方へ横断面コ字状に開口し、上記長手方向他側部位にて、上方、下方及び後方に向け開口する。また、案内通路40cの長手方向他側部位は、その下部にて、開閉板47d(後述する)により閉塞されるようになっている(図26参照)。これに伴い、案内通路40cの長手方向他側部位は、開閉板47dと共に、上方へ横断面略コ字状に開口するとともに後方へ開口する長手方向他端開口部46eとして、球送り装置20dの球導入口部26cに連結されて当該球導入口部26cを介し球送り装置20d内に連通している。
【0076】
これにより、遊技球は、当該案内通路40c内にその長手方向一端開口部46dから進入して当該案内通路40cにより案内されて長手方向他端開口部46eを通り球送り装置20dによりその球導入口部26cから導入可能となっている。
【0077】
また、案内通路40cにおいて、側壁46cは、図22にて例示するごとく、開口部46fを有しており、この開口部46fは、ファウル球通路部材20fの横筒部27bの延出端開口部27dに連結されている。これに伴い、ファウル球通路部材20fの横筒部27b内を通る遊技球は、その延出端開口部27dから案内通路40c内に開口部46fを通り進入して当該案内通路40cにより案内されて長手方向他端開口部46eを通り球送り装置20dによりその球導入口部26cから導入される。
【0078】
ピニオン40dは、図21或いは図22から分かるように、払い出しモータ40eと共に、球タンク50の収容部50a内に同軸的に支持されている。ここで、収容部50aは、底壁51の一側部位から下方にコ字状に突出して形成されており、当該収容部50aは、その一側開口部にて、払い出し部材40aの歯車41に隣接している。
【0079】
払い出しモータ40eは、収容部50a内にてその底壁部52上に組み付けられており、当該払い出しモータ40eの出力軸は、底壁51の一側部位に向けて延出している。ピニオン40dは、払い出しモータ40eの出力軸に同軸的に支持されて、収容部50aの一側開口部を介し歯車41に噛合している。
【0080】
これにより、ピニオン40dは、払い出しモータ40eの回転に伴い歯車41を逆方向に回転させるようになっている。なお、払い出しモータ40eは、持ち球管理装置S2へのカード(プリペイドカード)の挿入或いはパチンコ遊技機S1による遊技中における入賞口への入賞を前提とする制御装置20eによる制御のもとに駆動されて回転する。
【0081】
また、当該球払い出し装置40は、図20或いは図26にて示すごとく、開閉機構40f及び排出通路40gを有しており、開閉機構40fは、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの下方にて、球送り装置20dの前壁26bのうち球導入口部26cの右側近傍に組み付けられている。
【0082】
当該開閉機構40fは、図27にて示すごとく、機構本体47aと、レバー47bと、コイルスプリング47cと、開閉板47dとでもって構成されている。
【0083】
機構本体47aは、円筒状ボビンBと、このボビンB内に同軸的に嵌装した円筒状ヨーク(図示しない)と、ボビンBに巻装してなるソレノイドSLと、上記ヨーク内に軸動可能に挿入してなるプランジャーPと、上記ヨーク内にその底壁とプランジャーPとの間に同軸的に介装されて当該プランジャーPをボビンBの外方へ付勢する付勢スプリング(図示しない)とを備えている。
【0084】
しかして、当該機構本体47aにおいては、ソレノイドSLの消磁状態にあっては、プランジャーPは、上記付勢スプリングにより付勢されて、頭部Pa(図28或いは図29参照)にて、上記ヨークから外方へ突出している。また、ソレノイドSLが励磁されると、プランジャーPは、上記ヨーク内に上記付勢スプリングに抗して吸引されて当該ヨーク内に後退する。
【0085】
レバー47bは、図26〜図28のいずれかにて示すごとく、その長手方向中央部でもって、支持ピンSPにより、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの下方にて、球送り装置20dの前壁26bのうち球導入口部26cの右側近傍に前壁26bに沿い回動可能に支持されている。
【0086】
当該レバー47bは、その長手方向下端部にて、コイルスプリング47cの付勢力のもと、機構本体47aのプランジャーPの頭部Paに摺接可能に当接しており、当該レバー47bの長手方向上端部は、開閉板47dの貫通孔部h(図26或いは図27参照)内に下方から左右方向に傾動自在に嵌装されている。なお、貫通孔部hは、図26或いは図27にて示すごとく、その長手方向に沿いスリット状に形成されている。
【0087】
ここで、レバー47bの回動過程において、当該レバー47bが、その長手方向下端部にてプランジャーPの頭部Paと円滑に摺接しながら当接するように、当該レバー47bの長手方向下端部は、そのプランジャーPの頭部Pa側の表面部にて、図28或いは図29にて例示するごとく、円弧面状に形成されている。これに伴い、プランジャーPは、その頭部Paにて、レバー47bの長手方向下端部の円弧面状表面部と円滑に摺接しながら当接するように、図28或いは図29にて例示するごとく、半円筒面状に形成されている。
【0088】
しかして、当該レバー47bは、プランジャーPによりその上記ヨークから外方へ突出に伴い図28にて示すごとく図示反時計方向に回動し、プランジャーPの上記ヨーク内への後退に伴い図29にて示すごとく図示時計方向に回動する。
【0089】
コイルスプリング47cは、その一端部にて、レバー47bの長手方向上端部に係止されており、当該コイルスプリング47cの他端部は、球送り装置20dの前壁26bのうち支持軸SPの斜め右側上方部位に係止されている。これにより、当該コイルスプリング47cは、レバー47bの長手方向上端部を右方へ付勢している。
【0090】
このことは、レバー47bが、その長手方向下端部にて、常時、機構本体47aのプランジャーPの頭部Paに当接していることを意味する。なお、コイルスプリング47cは、その一端部及び他端部にて、球送り装置20cの前壁26bの下縁部からほぼ同一の高さに位置するように、レバー47bの長手方向上端部及び前壁26bの上記斜め右側上方部位に係止している。
【0091】
開閉板47dは、長方形板状のもので、当該開閉板47dは、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの底壁板としての機能を有する。具体的には、開閉板47dは、案内通路40cの側壁46bのうち長手方向他端開口部46eに対する対応部位(側壁46bの上記長手方向他側部位に対する対応部位)の下部に形成したスリット状切り欠き部46g(図27参照)を通してその右側から左右方向に摺動可能に嵌装されている。このことは、開閉板47dが、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの下部を開閉可能となっていることを意味する。
【0092】
以上のように構成した開閉機構40fによれば、開閉板47dが長手方向他端開口部46eの下部を閉じていれば、案内通路40cにより球送り装置20dに向け案内される遊技球は球導入口部26cに達する。また、開閉板47dが切り欠き部46gを介し右側へ摺動して長手方向他端開口部46eを下方に向け開口すれば、案内通路40cにより球送り装置20dに向け案内される遊技球は、長手方向他端開口部46eから球送り装置20dの球導入口部26cに達することなく、長手方向他端開口部46eから落下して排出通路40g内に進入する。本実施形態では、機構本体47aのソレノイドSLは、球抜き操作ボタンスイッチ(図示しない)の操作に基づく制御装置20eの制御のもとに励磁(或いは消磁)される。なお、上記球抜き操作ボタンスイッチは、遊技機本体20の前面の適所に設けられている。
【0093】
排出通路40gは、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの下部から下方へ延出し、さらにファウル球受け部材20gの受け部材本体28の底壁28aの直上に向け折れ曲がって延出している。これにより、案内通路40cの長手方向他端開口部46eから下方へ落下する遊技球は、排出通路40g内に進入し当該排出通路40gにより案内されて受け部材本体28の底壁28a上に落下する。
【0094】
球タンク50は、パチンコ遊技機S1の一構成部材であって、当該球タンク50は、図8或いは図10にて示すごとく、制御装置20eの直下にて、遊技機本体20の後面左側部に設けられている。このことは、当該球タンク50は、遊技機本体20に対しその上下方向中央部の下側近傍に位置することを意味する。
【0095】
しかして、当該球タンク50は、球移送装置S3の後述する案内筒70b(図20参照)から落下する遊技球を順次収容する。
【0096】
持ち球管理装置S2は、直方体形状のもので、当該持ち球管理装置S2は、その右側後部にて、図1、図3及び図4のいずれかにて示すごとく、パチンコ遊技機S1の左縁部に着脱可能に連結されている。これにより、当該持ち球管理装置S2は、パチンコ遊技機S1の左縁部から後方へ延出している。
【0097】
当該持ち球管理装置S2は、紙幣或いは硬貨の投入に伴い、遊技球を払い出すべく払い出し装置40に対しパチンコ遊技機S1の制御装置20e(後述する)による払い出し指令をもたらすようになっている。また、当該持ち球管理装置S2は、挿入カードに持ち球情報を書き込み或いは当該持ち球情報を読み出す処理を行うカード処理装置を内蔵している。なお、このカード処理装置は、上記持ち球情報に基づき遊技球を払い出すべく払い出し装置40に対しパチンコ遊技機S1の制御装置20eによる払い出し指令をもたらすようになっている。
【0098】
球移送装置S3は、持ち球管理装置S2と一体となって、パチンコ遊技機S1に着脱可能に付設されるものである。以下、球移送装置S3の構成について詳細に説明する。
【0099】
当該球移送装置S3は、図4〜図10のいずれかにて示すごとく、案内通路台60及び揚送装置70をハウジング80内に組み付けて構成されている。ハウジング80は、直方体形状のもので、このハウジング80は、パチンコ遊技機S1の後側にて遊技機本体20の左下隅角部に着脱可能に組み付けられている(図4〜図6参照)。
【0100】
案内通路台60は、図4或いは図5にて示すごとく、ハウジング80の内部からその後壁81の横長状開口部81aに嵌装されている。これにより、当該案内通路台60は、その後部を、横長状開口部81aから後方へ突出させて、ハウジング80の底壁に平行となるように当該ハウジング80内に支持されている。
【0101】
当該案内通路台60は、図33にて例示するごとく、底壁60aを有しており、この底壁60aは、右側底壁部61及び左側底壁部62でもって構成されている。右側底壁部61は、その前縁部にて、3つの導入口部61a、61b及び61cに区画形成されている。
【0102】
しかして、これら導入口部61a、61b及び61cのうち、導入口部61aには、受け皿20hの排出路24cが連結され、導入口部61bには、ファウル球受け部材20gの案内筒29が連結され、また、導入口部61cには、通路部材40bの分岐通路44が連結されている(図30参照)。
【0103】
これにより、受け皿20hの排出路24c内の遊技球(アウト球)が、案内通路台60の右側底壁部61上に導入口部61aを通り導入され、ファウル球受け部材20gの案内筒29内の遊技球(ファウル球)が、案内通路台60の右側底壁部61上に導入口部61bを通り導入され、また、分岐通路44内の遊技球(外れ球)が、案内通路台60の右側底壁部61上に導入口部61cを通り導入される。
【0104】
本実施形態では、分岐通路44内の遊技球(外れ球)及びファウル球受け部材20gの案内筒29内の遊技球(ファウル球)は、共に、遊技者の持ち球に属すべきであることから、導入口部61bを通る遊技球は、ファウル球センサ(図示しない)により検出され、導入口部61cを通る遊技球は、外れ球センサ(図示しない)により検出されるようになっている。ここで、上記外れ球センサ或いは上記ファウル球センサにより検出された遊技球は、順次、持ち球管理装置S2のカード処理装置により挿入カードに持ち球として記憶される。なお、上記外れ球センサ及び上記ファウル球センサは、それぞれ、導入口部61a及び導入口部61bに付設されている。
【0105】
左側底壁部62は、図33にて例示するごとく、その右縁部にて、右側底壁部61の左縁部に一体的に形成されており、当該左側底壁部62の前縁部には、複数の係合溝部62aが、形成されている。ここで、左側底壁部62の上面は、右側底壁部61の上面よりも低く位置するように構成されている。これにより、遊技球は、右側底壁部61の上面から左側底壁部62の上面へ円滑に転動し得る。
【0106】
当該案内通路台60は、外壁60b及び中壁60cを有しており、外壁60bは、右側底壁部61の右縁部から左側底壁部62の左縁部にかけて底壁60aを囲うように右側底壁部61及び左側底壁部62から上方に向けL字状に延出している。また、中壁60cは、右側底壁部61の左縁部から上方へL字状に延出されており、当該中壁60cは、その後端部63にて、外壁60bのうち後端部63に対する対応部との間に、右側底壁部61の上面から左側底壁部62の上面への複数の遊技球の転動を可能にするように、所定の間隔が付与されている(図33参照)。
【0107】
しかして、このように構成した案内通路台60によれば、右側底壁部61の上面上に各導入口部61a、61b及び61cのいずれかから案内される遊技球は、右側底壁部61の上面から左側底壁部62の上面へ案内されて複数の係合溝部62aに向けて転動する。
【0108】
揚送装置70は、図31〜図33のいずれかにて示すごとく、ケーシング70aと、このケーシング70aから延出する案内筒70bと、ケーシング70a内に収容してなる揚送機構70c及び駆動機構70dとにより構成されている。
【0109】
ケーシング70aは、図30、図31及び図32のいずれかにて示すように、案内通路台60の底壁60aのうち左側底壁部62の前側にて、中壁60cに沿うように、ハウジング80内にてその底壁上に立設されている。
【0110】
ケーシング70aは、図33にて示すごとく、ケーシング本体71と、蓋壁72とにより構成されており、当該ケーシング70aは、ケーシング本体71の開口部に蓋壁72(ケーシング70aの左壁に相当する)を装着することで、直方体状に形成されている。
【0111】
案内筒70bは、その基端開口部にて、ケーシング本体71の右壁部(ケーシング70aの右壁部)の前上側隅角部に形成した貫通穴部71a(図30参照)に嵌着されている。当該案内筒70bは、その基端開口部から右方へ延出しさらに前方へL字状に折れ曲がるように延出しており、当該案内筒70bは、その延出端開口部にて、球タンク50の右側部内にその直上から開口している。これにより、揚送機構70cにより後述のように揚送された遊技球は、案内筒70b内にその基端開口部から順次進入して当該案内筒70bにより案内されてその延出端開口部から球タンク50の右側部内に落下して収容される。
【0112】
揚送機構70cは、図31〜図33のいずれかにて示すごとく、ベルトコンベヤー73と、下側円筒状ローラ73aと、上側円筒状ローラ73bとを備えており、ベルトコンベヤー73は、下側円筒状ローラ73a及び上側円筒状ローラ73bにより、ケーシング70a内にてケーシング本体72の後壁下部近傍から前壁上部近傍にかけて、傾斜状に位置するように、ケーシング本体71に後述のように支持した下側円筒状ローラ73a及び上側円筒状ローラ73bの双方に沿い回動可能に支持されている。
【0113】
ベルトコンベヤー73は、エンドレスベルト73cと、多数の揚送片73dとを有しており、エンドレスベルト73cは、下側円筒状ローラ73a及び上側円筒状ローラ73bの双方に亘るように巻装されている。これにより、エンドレスベルト73cは、下側円筒状ローラ73a及び上側円筒状ローラ73bの同一方向への回転に伴い下側円筒状ローラ73a及び上側円筒状ローラ73bの双方に亘り回動する。
【0114】
多数の揚送片73dは、エンドレスベルト73cの外面に沿い、エンドレスベルト73cの幅方向に間隔をおいて5つずつ並びかつエンドレスベルト73cの回動方向に多数列並ぶように、突設されている。但し、エンドレスベルト73cの傾斜角度、多数の揚送片73dの各突設長さ及び多数の揚送片73dのうちエンドレスベルト73cの回動方向に沿う各両揚送片73dの間隔は、遊技球を、エンドレスベルト73cの回動に伴い、各列の揚送片73dによりすくい上げて揚送するに適した値に設定されている。
【0115】
下側円筒状ローラ73aは、ケーシング70aのケーシング本体71の後壁部の下端部近傍に形成した開口部71b(図30或いは図33参照)の近傍にて、ケーシング70aの左壁(蓋壁72)及びケーシング本体71の右壁(ケーシング70aの右壁に相当)に支持軸73e(図33参照)を介し回転可能に支持されている。ここで、支持軸73eは、下側円筒状ローラ73aに同軸的に挿通されており、当該支持軸73eは、その左右両側端部にて、ケーシング70aの左壁及び右壁により支持されて、下側円筒状ローラ73aを回転可能に支持されている。なお、支持軸73eの左側端部は、ケーシング70aの左壁(蓋壁72)に挿通されている。
【0116】
また、上側円筒状ローラ73bは、ケーシング70aのケーシング本体71の前壁(ケーシング70aの前壁に相当)の上端部に突設した案内壁73j(図33参照)の近傍にて、ケーシング70aの左壁及び右壁に支持軸73f(図33及び図35参照)を介し回転可能に支持されている。
【0117】
ここで、支持軸73fは、その左右両側端部にて、ケーシング70aの左壁及び右壁により支持されて、上側円筒状ローラ73bを回転可能に支持している。また、案内壁73jは、ケーシング本体71の前壁の上端部から後方に向け突出するように設けられており、当該案内壁73jは、その幅方向の右側縁部から左側縁部にかけて、下方へ傾斜して、案内筒70bの基端開口部に対向している。これにより、案内壁73j上に転動する遊技球は、案内壁73jにより案内筒70bの基端開口部に向けて円滑に案内される。なお、支持軸73fの左側端部は、ケーシング70aの左壁(蓋壁72)に挿通されている。
【0118】
また、当該案内壁73jは、その突出端部にて、櫛歯状に形成されている。ここで、当該案内壁73jの櫛歯状突出端部の各櫛歯部73k(図35参照)のうち各両隣接櫛歯部73kは、その間隔にて、ベルトコンベヤー73の各列の5つの揚送片73dの各幅よりも幾分広く形成されており、当該櫛歯状突出端部の各櫛歯部は、各列の5つの揚送片73dの各両隣接揚送片73dの間に対応して位置している。
【0119】
しかして、ベルトコンベヤー73が、上側円筒状ローラ73bの後側、上側及び前側を介し下側円筒状ローラ73aの前側に向けて回動し、さらに下側円筒状ローラ73aの下側を介し当該下側円筒状ローラ73aの後側へ回動する循環回動過程において、多数の揚送片73dが、その列毎にベルトコンベヤー73の回動に従い、図31にて図示反時計方向(図32にて図示時計方向)に沿い移動する。
【0120】
そして、この移動過程において、多数の揚送片73dの各列の各揚送片73dは、案内壁73jの各櫛歯部73kの間を通り、抜ける。この場合、多数の揚送片73dの各列のうちの一列の揚送片73dが、上側円筒状ローラ73bの後側、上側及び前側に向かう方向に移動しながら遊技球をすくい上げた状態で、案内壁73jの各櫛歯部73kの間を通り抜けるとき、当該遊技球は、案内壁73jの上面により、図35にて図示矢印により示す方向に案内されて案内筒70bの基端開口部内に進入する。
【0121】
駆動機構70dは、図33にて示すごとく、揚送モータ74と、駆動歯車75と、被動歯車76とを有している。揚送モータ74は、そのモータ本体74aにて、ケーシング70a内にてその蓋壁72の下縁中央部に組み付けられており、当該揚送モータ74の出力軸74bは、蓋壁72の下縁中央部に形成した貫通孔部72aに回転自在に挿通されている。しかして、当該揚送モータ74は、パチンコ遊技機S1による遊技の開始に伴う制御装置20eによる制御のもとに、図33にて図示反時計方向に回転する。
【0122】
駆動歯車75は、揚送モータ74の出力軸74bの蓋壁72の貫通孔部72aからの延出端部に同軸的に支持されて、当該揚送モータ74と一体的に回転する。被動歯車76は、移送装置73の支持軸73eの左側延出端部に同軸的に支持されて、駆動歯車75に噛合する。しかして、当該被動歯車76は、駆動歯車75の回転に伴い下側ロータ73aを図33にて図示時計方向に回転する。
【0123】
球移送装置S3は、図36にて示すごとく、球充填装置90を備えており、この球充填装置90は、図5或いは図6にて示すごとく、ハウジング80の横長状開口部81aからの案内通路台60の後方への突出部上に着脱可能に設置されている。この球充填装置90は、遊技球S1において遊技に使用されている遊技球の汚れや摩耗等を考慮して、一定期間毎に、所定数(例えば、250)の新しい遊技球を案内通路台60内に充填する役割を果たす。なお、球充填装置90は250個の遊技球を収容するようになっており、当該球充填装置90はその底壁開口部から案内通路台60内に充填する。
【0124】
以上のように構成した本実施形態において、当該遊技球循環型遊技システムが遊技可能状態におかれているものとする。このような段階において、遊技者が持ち球管理装置S2にカードを挿入すると、持ち球管理装置S2が、そのカード処理装置により、当該カードに記憶済みの持ち球情報を読み出す。これに基づき、パチンコ遊技機S1の制御装置20eが球払い出し装置40に対し遊技球の払い出しを指令する。なお、このとき、多数の遊技球が球タンク50内に収容されているものとする。
【0125】
上述のように制御装置20eが球払い出し装置40に遊技球の払い出しを指令すると、球払い出し装置40においては、払い出しモータ40eが制御装置20eによる制御のもとに回転し、ピニオン40eが払い出しモータ40eと同一方向に回転する。
【0126】
これに伴い、払い出し部材40aの歯車41が、ピニオン40eとの噛合のもとに当該ピニオン40eとは逆方向に回転するにつれて、球タンク50内に収容されている各遊技球(例えば、3個ずつ)が、順次、球タンク50の円弧状開口部51aを通り払い出し部材40aの歯車41上に落下して、この歯車41の複数の貫通孔部41aのいずれかを介し払い出し板42の貫通孔部42bを通り、払い出されて、通路部材40bの払い出し通路43の長手状収容案内部E内に落下して収容される。
【0127】
このように収容された各遊技球は、順次、払い出し通路43により案内される。そして、当該各遊技球は、順次、横方向拡大収容部Eaの上側壁部43h(図25参照)上に沿い案内されて連通口部43fを通り案内通路40c内に移動する。このように案内通路40c内に移動する各遊技球は、順次、1個ずつ、球送り装置20dによりその球導入口部26c内に案内通路40cの長手方向他端開口部46eから導入される。
【0128】
このとき、開閉機構40fにおいては、機構本体47aのソレノイドSLが消磁状態にあるものとすれば、レバー47bが、図28にて示すごとく、機構本体47aのプランジャーPによりコイルスプリング47cの付勢力に抗して図示反時計方向に傾動した状態に維持されている。このため、開閉板47dは、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの下部を閉じている。従って、球送り装置20dによる球導入口部26c内への遊技球の導入は、開閉板47d上に沿い、良好になされ得る。
【0129】
また、上述のように、払い出し通路43により一度に案内される遊技球が多すぎて横方向拡大収容部Eaの上側段壁部43hから外れて下側段壁部43i上に落下すると、このように落下した遊技球は、順次、横方向拡大収容部Eaの開口部43gから分岐通路44内に落下する。
【0130】
すると、このように落下した各遊技球は、順次、分岐通路44を通り、球移送装置S3の案内通路台60の右側底壁部61上に導入口部61cから導入される。このとき、このように導入された遊技球は、外れ球として、上記外れ球センサにより検出されて、持ち球管理装置S2のカード処理装置により上記カードに持ち球として加算記憶される。
【0131】
上述のように球送り装置20dによりその球導入口部26c内に導入された遊技球は、当該球送り装置20dにより、球発射装置20cの発射レール25cの基端部上に送られる。
【0132】
このような段階において、遊技者によるハンドルHDの回動操作のもと、球発射装置20cが、その槌により発射レール25cの発射基端部上の遊技球を打てば、この遊技球は、発射レール25cに沿い案内レール20bの案内通路23の案内基端部23aに向けて発射される。
【0133】
ここで、このように発射された遊技球が、案内通路23に達することなく、発射レール25cの中間部位から図13にて矢印AR4により示す方向に落下する場合には、当該遊技球は、ファウル球として、ファウル球受け部材20gの受け部材本体28の底壁28a上に落下する。
【0134】
また、上述のように発射された遊技球が、矢印AR1に沿い案内通路23の案内方向中間部位P1に達することなく、案内方向中間部位P2に達して時点で逆戻りする場合には、当該遊技球は、矢印AR3(図13或いは図14参照)に沿い落下した後、ファウル球として、受け部材本体28のコ字状周壁28b内にその上端開口部から落下して底壁28a上に落下する。
【0135】
以上のようにして受け部材本体28の底壁28a上に落下した遊技球は、ファウル球受け部材20gの案内筒29を通り球移送装置S3の案内通路台60の右側底壁部61上に導入口部61bを通り導入される。このとき、導入口部61bを通る遊技球は、上記ファウル球センサにより検出されて、持ち球管理装置S2のカード処理装置により挿入カードに持ち球として記憶される(図14或いは図15参照)。
【0136】
このとき、揚送装置70の揚送機構70cにおいては、駆動機構70dが、ベルトコンベヤー73にて、制御装置20eによる制御のもと、揚送モータ74の回転に伴う駆動歯車75及び被動歯車76の回転に伴い、回動している。このため、ベルト73cは、多数の揚送片73dと共に、図31にて図示反時計方向に循環するように移動する。換言すれば、ベルト73cは、多数の揚送片73dと共に、下側ローラ73a及び上側ローラ73bの後側、上側及び前側に向かう方向に循環移動する。
【0137】
しかして、上述のように案内通路台60の右側底壁部61上に導入された遊技球が、左側底壁部62上に案内された後、揚送装置70のケーシング70a内にその開口部71bから進入すると、当該遊技球は、揚送機構70cにより、その列状の5つの揚送片73dのいずれかでもって、すくい上げられて、上方へ揚送される。このとき、すくい上げられた遊技球は、上述したベルト73cの前後方向への傾斜のもと、すくい上げた列状の5つの揚送片73dとベルト73cの外面のうち当該5つの揚送片73dの直上部位とにより受承される。
【0138】
ついで、このように遊技球をすくい上げた5つの揚送片73dが、上側円筒状ローラ73bの上側から前側へ移動しながら上方から案内壁73jに達すると、すくい上げた5つの揚送片73dが、案内壁73jの各櫛歯部73kの間を通り上側円筒状ローラ73bの後側へ移動するにつれて、すくい上げられた遊技球が、
すくい上げた5つの揚送片73dから分離されて、案内壁73jの上面に沿い転動し、案内筒70b内にその基端開口部から進入して球タンク50内に落下収容される。これに伴い、当該遊技球は、上述と同様に、球払い出し装置40により払い出される。
【0139】
また、上述のように発射された遊技球が、矢印AR1に沿い案内通路23の案内方向中間部位P1(図13或いは図14参照)まで達した後、矢印AR2(図13或いは図14参照)の方向に逆戻りする場合には、当該遊技球は、ファウル球として、ファウル球通路部材20fの縦筒部27a内にその上端開口部27cから落下する。然る後、このように縦筒部27aに落下した遊技球は、当該縦筒部27a及び横筒部27bにより案内されて、その延出端開口部27dから案内通路40c内に開口部46fを通り進入する。そして、このように進入した遊技球は、案内通路40cにより案内されて球送り装置20dによりその導入口部26cから導入されて、上述と同様に、球発射装置20cに送られる。
【0140】
また、上述のように発射された遊技球が、案内通路23を通り遊技領域24内に案内されると、当該遊技球は、遊技領域24内にて遊技盤20aの盤面に沿い下方へ向けて転動していく。
【0141】
ここで、当該遊技球が入賞口24bに入賞すると、当該入賞遊技球は、遊技盤20aの後面に沿い落下して受け皿20h内に収容される。また、上述のように下方に向けて転動する遊技球が、いずれの入賞口にも入賞することなく、アウト口24aに達した場合には、当該遊技球は、アウト球として、遊技盤20aの後面から受け皿20h内に収容される。
【0142】
しかして、このように受け皿20h内に収容された遊技球は、当該受け皿20hの底壁中央開口部から排出路24c内に排出されて球移送装置S3の案内通路台60の右側底壁部61上に導入口部61aを通して導入される。なお、導入口部61aを通して導入される遊技球は、遊技者の持ち球ではなく、ホール側の所有遊技球であるため、検出されることはない。
【0143】
また、以上の遊技状態において、当該遊技球循環型遊技システムによる遊技を終了するにあたっては、遊技者が、上記球抜き操作ボタンスイッチを操作すれば、回壁機構40fにおいて、機構本体47aが制御装置20eによる制御のもとに、ソレノイドSLの励磁によりプランジャーPを上記ヨーク内に吸引する。
【0144】
これに伴い、プランジャーPが、上記ヨーク内に上記付勢スプリングに抗して軸動して後退し、レバー47bが、コイルスプリング47cの付勢力に基づき、図28にて図示時計方向に傾動し、開閉板37dが、図28にて図示右方へ移動して、案内通路40cの長手方向他端開口部46eの下部を開く(図29参照)。
【0145】
このため、払い出し通路43及び案内通路40c内に残存する各遊技球が、玉送り装置20dの球導入口部26cに達することなく、抜き出され、案内通路40cの長手方向他端開口部46eから排出通路40g内に落下して当該排出通路40gにより案内されて、受け部材本体28の底壁28a上に落下する。
【0146】
このように落下する遊技球は、ファウル球と同様に、底壁28aから案内通路台60の右側壁部上に球同級口部61bを通り導入される。但し、当該遊技球は、
ファウル球と同様に遊技者の所有に帰すべきものであるから、ファウル球と同様に、上記ファウル球センサにより検出されて、上記カードに書き込まれる。
【0147】
以上説明したように、本実施形態においては、上述したように、球払い出し装置40が、通路部材40b及び案内通路40cを備えており、通路部材40bが、払い出し通路43と、この払い出し通路43の横方向拡大収容部Eaから分岐する分岐通路44とでもって構成されている。
【0148】
これにより、払い出し部材40aから払い出し通路43内に払い出される遊技球は、順次、横方向拡大収容部Eaを通り案内通路40cに案内されることとなるが、横方向拡大収容部Ea内に達する遊技球が多すぎるときには、遊技球は、外れ球として、横方向拡大収容部Eaの開口部43gから分岐通路44内に分岐して案内通路台60内にその導入口部61cから導入される。
【0149】
従って、現段階にて遊技に使用可能な数の遊技球が案内通路40cに案内され、一方、余分な遊技球は、分岐通路から案内通路台60内に導入されるので、パチンコ遊技機S1による遊技が円滑に行われ得る。
【0150】
換言すれば、払い出し部材40aが、従来のように分岐通路44及び横方向拡大収容部Eaを設けることなく、単なる従来通路のみで構成されている場合には、払い出された遊技球が上記従来通路を通り案内通路40cにより案内されて球送り装置20dに達することとなる。しかしながら、球送り装置20dの球送りは、遊技球1個ずつなされることから、上記従来通路内に払い出される遊技球の数が多すぎると、遊技球が、当該従来通路だけでなく案内通路40c内に滞留して球噛みを生じ、その結果、球送り装置20dの球送り動作が適正になされず、遊技者による円滑な遊技に支障をきたすこととなる。
【0151】
これに対し、上記従来通路における遊技球の通路断面積を広くすることも考えられるが、このようなことは、一般に、パチンコ遊技機において確保し得るスペースが通常狭いことから、不向きで現実的ではない。
【0152】
しかしながら、本実施形態では、上述のように払い出し部材40aが分岐通路44及び横方向拡大収容部Eaを有するように構成されているから、上述のような球噛みを生ずることなく、球送り装置20dの球送り動作が適正になされ得る。
【0153】
また、このようなことは、本実施形態のように封入式の遊技球循環型遊技システムにおいて、封入される遊技球の数が決まっていることから、上述のような球噛みを未然に防止して円滑な遊技を維持し得ることで、特に、有効である。
【0154】
なお、本実施形態のように封入式の遊技球循環型遊技システムではなく、遊技者が遊技球に触れることができる構成の遊技球循環型遊技システムの場合には、遊技者が、上述のような球噛みをわざわざ崩すことで、遊技の円滑さを維持することになる。このようなことは、遊技者にとって面倒なことで避けるべきである。
【0155】
ここで、案内通路台60内にその導入口部61cから導入される遊技球は、上述のごとく、外れ球センサーにより検出されて、持ち球管理装置S2のカード処理装置によりカードに遊技者の持ち球として加算記憶される。従って、持ち球管理装置S2による遊技者の持ち球の管理が正しくなされ得る。
【0156】
また、本実施形態においては、球タンク50が、遊技機本体20に対しその上下方向中央部の下側近傍に位置するように設けられている。しかも、これにあわせて、揚送装置70、特に揚送機構70cが、その高さにて、球タンク50の位置に基づき低くなるように構成されている。
【0157】
従って、揚送機構70cによる案内通路台60から球タンク50までの遊技球に対する揚送構成をより一層コンパクトにすることができるのは勿論のこと、遊技球が案内通路台60から球タンク50に達するまでの遊技球に対する揚送距離及び揚送時間が大幅に短縮され得るため、遊技機による遊技が円滑になされ得る。
【0158】
また、上述のように遊技球に対する揚送距離が短縮されるため、揚送過程における遊技球の汚れや摩耗等による劣化をより一層抑制することができるのは勿論のこと、揚送機構70cにより案内通路台60から球タンク50まで揚送される遊技球の個数がより一層少なくて済み、便利である。
【0159】
また、上述ように構成したパチンコ遊技機S1、持ち球管理装置S2及び球移送装置S3でもって、遊技球循環型遊技システムを構成することで、当該遊技球循環型遊技システムは、パチンコ遊技機S1、持ち球管理装置S2及び球移送装置S3の各作用効果を相乗的に達成し得るシステムとして提供され得る。
【0160】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた球払い出し装置40において、通路部材40bの払い出し通路43は、案内通路40cと一体的に形成されていてもよい。
(2)本発明の実施にあたり、球タンク50は上記実施形態にて述べた位置に限ることなく、遊技機本体20の高さ方向中央部等の高さ方向中間部位に当該遊技機本体20の後面に設けるようにしてもよい。この場合、揚送装置70の揚送機構70cは、球タンク50と同等の高さ以下にて構成すればよい。 これによっても、上記実施形態と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
(3)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた揚送装置70は、球タンク50内に揚送するのではなく、遊技球を球タンク50内に移送するように構成してもよい。この場合、揚送装置70及び揚送機構70cは、それぞれ、移送装置及び移送機構として構成する。これによっても、上記実施形態と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
(4)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた上記外れ球センサ及び上記ファウル球センサは、それぞれ、導入口部61a及び導入口部61bに付設されていなくてもよく、これら外れ球センサ及びファウル球センサは、外れ球及びファウル球の球タンク50までの書く移送経路のどこかに設けられていてもよい。なお、外れ球及びファウル球の球タンク50までの各移送経路は、球案内台60及び球揚送装置70において、相互に区別し得るように、構成する。
(5)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べたように遊技球が案内通路40c内に所定数(例えば、40個)溜まるように案内通路40cが構成されていることを前提として、案内通路40c内の遊技球が例えば9個に減少したとき、これをセンサ(図示しない)により検出し、球払い出し装置40が、当該センサの検出に基づき、球タンク50からの遊技球を払い出し通路43内に遊技球を払い出すようにしてもよい。
(6)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた通路部材40bは、分岐通路44を、開口部43gのみで構成し、この開口部43gからの遊技球を案内通路台60にその導入口部61cから排出するようにしてもよい。
(7)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べたパチンコ遊技機S1は、封入式(或いは循環式)パチンコ遊技機に限ることなく、一般的なパチンコ遊技機や回胴式遊技機等の各種遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0161】
20…遊技機本体、20c…球発射装置、20d…球送り装置、
40a…払い出し部材、40b…通路部材、40c…案内通路、
43…払い出し通路、43g…開口部、44…分岐通路、50…球タンク、
S1…遊技機、S2…球管理装置、S3…球移送装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を移送する球移送装置を介し球発射装置から発射される遊技球を再び前記球発射装置に戻すように循環させる遊技球循環型遊技システムに適用されて、前記球発射装置に加え、球タンク、球払い出し装置及び球送り装置を有する遊技機本体を具備してなる遊技機において、
前記球タンクから流下する遊技球を払い出す払い出し手段と、
この払い出し手段から払い出される遊技球を、前記球発射装置に送るように前記球送り装置に向けて案内する通路部材であって前記球移送装置へ排出するための開口部を有してなる通路部材とを備えており、
当該通路部材は、前記球送り装置への案内方向から外れる遊技球を、前記開口部から排出するようにしたことを特徴とする遊技球循環型遊技システムのための遊技機。
【請求項2】
前記通路部材は、
前記払い出し手段から払い出される遊技球を案内する第1通路であって前記開口部を有する第1通路と、
この第1通路から案内される遊技球を前記球送り装置に向けて案内する第2通路と、
前記第1通路から前記第2通路に案内される遊技球のうち前記球送り装置への案内方向から前記開口部内に外れる遊技球を排出するように設けた第3通路とを備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技球循環型遊技システムのための遊技機。
【請求項3】
前記第3通路は、所定数の遊技球が前記第1通路から前記第2通路内に案内された後に前記第1通路から案内される遊技球のうち前記球送り装置への案内方向から前記開口部内に外れる遊技球を排出することを特徴とする請求項2に記載の遊技球循環型遊技システムのための遊技機。
【請求項4】
遊技者の持ち球となる遊技球の数を管理する持ち球管理装置と、
請求項2また3に記載の遊技機と、請求項2または3に記載の球移送装置と、
前記遊技機の前記第3通路から排出された遊技球を検出する検出手段とを備えて、
前記遊技機は、前記払い出し手段により、前記球タンクから流下する遊技球を払い出し、
前記通路部材は、前記払い出し手段から払い出される遊技球のうち、前記球送り装置への案内方向から外れる遊技球を、前記開口部を通り前記第3通路から前記球タンクに移送するように前記球移送装置へ排出し、
前記持ち球管理装置は、前記第3通路から排出されて前記検出手段により検出された遊技球の数を記憶する記憶手段を備えて、この記憶遊技球の数に基づき前記持ち球の数を管理するようにした遊技球循環型遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−111304(P2013−111304A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261129(P2011−261129)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】