説明

遊技用装置及び遊技用システム

【課題】所定値未満の端数を特定可能なビジタ用記録媒体が返却されることがないような遊技用装置、及び該遊技用装置を備える遊技用システムを提供する。
【解決手段】カードユニット20は、持玉返却操作が有ると、ビジタカードを受付中において(S100でYES)、計数値が125個以上ならば該125個の玉を払い出し(S103)、該払出後の計数値が25個未満の端数ならば該端数の玉を払い出すので(S106)、カード返却操作が有っても、該端数を特定可能なビジタカードが返却されることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられ、計数手段により計数された遊技媒体の計数値を、会員用記録媒体の記録情報から特定可能とする会員用計数値特定処理と、ビジタ用記録媒体の記録情報から特定可能とするビジタ用計数値特定処理とを行う遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技機に対応して設けられ、会員用記録媒体の挿入を受け付け、該受け付けた会員用記録媒体の所有者が本人であると認証されたこと(暗証番号の照合がOKであること)を条件として、該受け付けた会員用記録媒体の記録情報から特定される貯玉数を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする貯玉再プレイ処理を行う遊技装置(台間機)と、遊技機に対応して設けられ、当該遊技機での遊技により遊技者が獲得した遊技媒体を計数する各台計数機と、からなるシステムが知られている。このシステムでは、遊技装置で会員用記録媒体を受け付けているか否かに拘わらず、該遊技装置に対応する各台計数機で遊技媒体の計数が可能であり、計数確定ボタンが操作されたときに遊技装置で会員用記録媒体を受け付けていれば、各台計数機による計数値を、前記受け付けている会員用記録媒体の記録情報から特定可能とする(ここでは会員用記録媒体に書き込む)計数値特定処理が行われる。即ち、このシステムでは、貯玉再プレイ処理において本人認証が必要である一方、計数値特定処理においては本人認証が不要である。
【0003】
また、特許文献2に示すように、遊技機に対応して設けられ、会員用記録媒体の挿入を受け付け、該受け付けた会員用記録媒体の所有者が本人であると認証されたこと(暗証番号の照合がOKであること)を条件として、該受け付けた会員用記録媒体の記録情報から特定される貯玉数を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする貯玉再プレイ処理を行う遊技装置(台間機)と、遊技場内の所定箇所に設けられ、遊技媒体を計数する計数機と、からなるシステムも知られている。このシステムでは、計数機において、会員用記録媒体の挿入を受け付け、該受け付けた会員用記録媒体の所有者が本人であると認証されたこと(暗証番号の照合がOKであること)を条件として、該計数機による計数値を、前記受け付けている会員用記録媒体の記録情報から特定可能とする(ここでは会員用記録媒体に書き込む)計数値特定処理が行われる。即ち、このシステムでは、貯玉再プレイ処理において本人認証が必要であると共に、計数値特定処理においても本人認証が必要である。
【0004】
さらに、遊技機に対応して設けられ、計数手段により計数された遊技媒体の計数値を、ビジタ用記録媒体の記録情報から特定可能とするビジタ用計数値特定処理を行う遊技用装置も知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−175061号公報(段落0108〜0133,0447〜0453,図78,図79)
【特許文献2】特開2007−065930号公報(段落0457,0475,図19,図24)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すシステムのように、各台計数機による計数値を、受け付けている会員用記録媒体の記録情報から特定可能とする計数値特定処理を行う遊技装置において、本人認証を、前記貯玉再プレイ処理のみならず、特許文献2に示すシステムの如く当該計数値特定処理においても必要とすると、会員遊技者が、計数値特定処理のために会員用記録媒体を挿入し、本人認証が必要なことに気付かずに該会員用記録媒体を返却してしまうと、計数値特定処理が行われていないことに気付かずに損をしてしまうおそれがある。
【0007】
また、前記計数値にかかわらず前記ビジタ用計数値特定処理を可能とすると、該計数値が所定値(例えば景品交換ができる最小額に相当する数)未満の端数である場合にも前記ビジタ用記録媒体が返却されることになるが、該ビジタ用記録媒体は捨てられてしまう可能性があるため、遊技場にとって損であると共に、該端数が使用されないため、遊技者にとっても損である。
【0008】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、所定値未満の端数を特定可能なビジタ用記録媒体が返却されることがないような遊技用装置、及び該遊技用装置を備える遊技用システムを提供することにある。また他の目的は、各台計数機による計数値を、受け付けている会員用記録媒体の記録情報から特定可能とする会員用計数値特定処理においても、本人認証が必要な遊技用装置で、会員遊技者が該本人認証が必要なことに気付かなかった場合であっても損をしてしまうことがないような、遊技用装置、及び該遊技用装置を備える遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0010】
まず請求項1に係る発明は、
遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、
会員登録を行った会員遊技者に対して発行された会員用記録媒体(会員カード2)を受け付ける記録媒体受付手段(カードR/W23)と、
該記録媒体受付手段により受け付けている前記会員用記録媒体の返却操作を受け付ける返却操作受付手段(カード返却ボタン16)と、
前記遊技機での遊技により遊技者が獲得した遊技媒体(パチンコ玉)を計数する計数手段(各台計数機19)と、
少なくとも前記返却操作を受け付けた際に、前記記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けていることを条件として、該会員用記録媒体の記録情報(会員カードID)から前記計数手段により計数された遊技媒体の計数値を特定可能とする会員用計数値特定処理を行う一方、前記記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けていないことを条件として、会員登録を行っていないビジタ遊技者に対して発行されるビジタ用記録媒体(ビジタカード3)の記録情報(ビジタカードID)から前記計数値を特定可能とするビジタ用計数値特定処理を行う計数値特定処理手段(制御部22)と、
を有する遊技用装置(カードユニット20及び各台計数機19)であって、
前記ビジタ用計数値特定処理は、前記計数値が所定値(例えば景品交換ができる最少額に相当する数であるが、任意に設定可能である)以上である場合に実行可能である一方、前記計数値が前記所定値未満である場合には実行不能であり、
前記会員用計数値特定処理は、前記計数値が前記所定値未満であるか否かにかかわらず実行可能であることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、少なくとも記録媒体の返却操作を受け付けた際に、計数値が所定値未満である場合には、ビジタ用記録媒体の記録情報から該計数値を特定可能とするビジタ用計数値特定処理を実行不能であるので、該所定値未満の計数値を特定可能なビジタ用記録媒体が返却されることがない。
【0011】
また請求項2に係る発明は、
請求項1に記載した遊技用装置であって、
前記記録媒体受付手段により受け付けた会員用記録媒体の所有者が該会員用記録媒体の発行を受けた本人であることを認証するための認証情報(暗証番号)の入力を受け付ける認証情報受付手段(テンキー24b)と、
該認証情報受付手段により受け付けた認証情報により本人であると認証されたことを条件として、認証フラグを記憶する認証フラグ記憶手段(制御部22)と、をさらに有し、
前記会員用計数値特定処理は、前記認証フラグを記憶していることを条件として実行可能であり、
前記遊技用装置は、前記記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けており、前記認証フラグを記憶しておらず、かつ前記計数手段による計数値が存在することを条件として、前記認証情報受付手段による認証情報の受付を促す旨を報知する認証情報受付報知手段(ディスプレイ24)をさらに有することを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、認証情報を受け付けて本人であると認証されると、認証フラグが記憶され、該認証フラグが記憶されていると、認証情報の入力を再度受け付けなくても、会員用計数値特定処理が行われるので、使い勝手を良くすることができる一方、会員用記録媒体を受け付けており、認証フラグが記憶されておらず、かつ計数値が存在することを条件として、認証情報の受付を促す旨が報知されることにより、会員遊技者に対して会員用計数値特定処理を行うために本人認証が必要であることを認識させることができるので、該会員遊技者が損をしてしまうことがなくなる。
【0012】
また請求項3に係る発明は、
請求項1又は2に記載した遊技用装置であって、
遊技者から使用操作(持玉返却ボタンの操作)を受け付けたことに基づいて、前記ビジタ用記録媒体の記録情報から特定される計数値の範囲内の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第1のビジタ遊技使用処理を行い、該第1のビジタ遊技使用処理後における前記計数値が前記所定値未満であることを条件として、該第1のビジタ遊技使用処理に引き続いて当該計数値の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第2のビジタ遊技使用処理を行うビジタ遊技使用処理手段(制御部22)をさらに有することを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、ビジタ用記録媒体の記録情報から特定される計数値を遊技に使用可能とする第1のビジタ遊技使用処理後に、当該計数値が所定値未満であることを条件として、該第1のビジタ遊技使用処理に引き続いて、当該計数値を遊技に使用可能とする第2のビジタ遊技使用処理が行われるので、該所定値未満の計数値を遊技に使用可能とするための操作が必要なく、遊技者の利便性が向上する。
【0013】
また請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
遊技者から使用操作を受け付けたことに基づいて、前記会員用記録媒体の記録情報から特定される計数値の範囲内の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第1の会員遊技使用処理を行う会員遊技使用処理手段(制御部22)と、
該第1の会員遊技使用処理後における前記計数値が前記所定値未満であることを条件として、該第1の会員遊技使用処理に引き続いて当該計数値の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第2の会員遊技使用処理を実行するか否かを設定する実行設定手段と、をさらに有し、
前記会員遊技使用処理手段は、前記実行設定手段により第2の会員遊技使用処理を実行すると設定されていることを条件として、該第2の会員遊技使用処理を実行することを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、会員用記録媒体の記録情報から特定される計数値を遊技に使用可能とする第1の会員遊技使用処理後に、当該計数値が所定値未満であることを条件として、該第1のビジタ遊技使用処理に引き続いて、当該計数値を遊技に使用可能とする第2の会員遊技使用処理を実行するか否かを設定可能なので、遊技場が希望する運営を行うことができる。
【0014】
また請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置と、
該遊技用装置と通信可能であり、前記会員用計数値特定処理に基づいて、前記計数値を当日のみ遊技及び景品交換に使用可能な獲得遊技媒体数(持玉数)として前記会員用記録媒体の記録情報に対応付けて管理する獲得遊技媒体数管理手段(持玉管理装置32)と、
を備えた遊技用システムである。
これによれば、会員毎の獲得遊技媒体数を獲得遊技媒体数管理手段で管理できる。
【0015】
さらに請求項6に係る発明は、
請求項5に記載した遊技用システムであって、
遊技者により貯蓄操作が行われたことに基づいて、前記獲得遊技媒体数を当該貯蓄操作が行われた当日及び翌日以降の遊技及び景品交換に使用可能な貯蓄遊技媒体数(貯玉数)として前記会員用記録媒体の記録情報に対応付けて管理する貯蓄遊技媒体数管理手段(会員管理装置31)をさらに備え、
前記獲得遊技媒体数管理手段は、当日の営業が終了すると、前記会員用記録媒体の記録情報に対応付けて管理している獲得遊技媒体数を前記貯蓄遊技媒体数管理手段が前記貯蓄遊技媒体数として管理するための処理を行うことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、当日の営業が終了すると、獲得遊技媒体数管理手段で管理している獲得遊技媒体数を、貯蓄遊技媒体数管理手段で貯蓄遊技媒体数として管理するための処理が行われるので、遊技者がわざわざ貯蓄操作をしなくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は第1実施形態に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2は会員管理装置が記憶している会員情報DBの一例を表す図である。
【図3】図3(a)は本発明に係る遊技用装置であるカードユニット及び各台計数機と、該遊技用装置に対応するパチンコ機の正面図であり、図3(b)は同カードユニットの断面右側面図である。
【図4】図4はカードユニットが行うメイン処理の一例を表すフローチャートである。
【図5】図5は図4に続く図である。
【図6】図6はカードユニットが行う持玉返却処理の一例を表すフローチャートである。
【図7】図7はカードユニットのディスプレイに表示される画面の一例を表す図である。
【図8】図8は第2実施形態に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図9】図9は第2実施形態に係る遊技用システムの作用の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用装置は、図1及び図8に示すように、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、会員遊技者に対して発行された会員用記録媒体(会員カード2)の挿入を受け付け、該受け付けた会員用記録媒体の所有者が本人であることを認証するための認証情報(暗証番号)の入力を受け付け、該受け付けた認証情報により本人であると認証されたことを条件として、前記受け付けた会員用記録媒体の記録情報から特定される有価価値の大きさを遊技機での遊技に使用可能とする遊技使用処理を行うカードユニット20と、同じく遊技機に対応して設けられ、該遊技機での遊技により遊技者が獲得した遊技媒体(パチンコ玉)を計数する各台計数機19とを少なくとも含み、各台計数機19により計数された遊技媒体の計数値を、前記受け付けた会員用記録媒体の記録情報から特定可能とする計数値特定処理を行うものである。
【0018】
そして本発明に係る遊技用装置は、会員用記録媒体を受け付けており、前記受け付けた認証情報により本人であると認証されたことを条件として、前記計数値特定処理を行う一方、会員用記録媒体を受け付けており、前記受け付ける認証情報により本人であると認証されておらず、かつ前記各台計数機19による計数値が存在することを条件として、前記受け付けている会員用記録媒体の返却動作の不能動化及び/又は前記認証情報の受付を促す旨の報知を行うことを特徴とするものである。
【0019】
ここで本発明には、図1に示すように、遊技用装置が、計数値特定処理を行うカードユニット20と、各台計数機19とからなる第1実施形態と、図8に示すように、遊技用装置が、カードユニット20と、各台計数機19と、計数値特定処理を行う中継装置50とからなる第2実施形態とが含まれる。以下においては、まず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、最後に変形例について説明する。また、以下においては、遊技機がパチンコ機10であり、遊技媒体がパチンコ玉である例について説明し、リーダ/ライタを「R/W」,データベースを「DB」,ステップを「S」と略記する。
【0020】
[1.第1実施形態に係る遊技用装置]
第1実施形態に係る遊技用装置は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられるカードユニット20及び各台計数機19からなるものであり、該カードユニット20と各台計数機19とが通信可能なものである。この第1実施形態に係る遊技用装置を複数含む、第1実施形態に係る遊技用システム1は、各カードユニット20と通信可能な残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32を遊技場内に備えるものである。また第1実施形態に係る遊技用システム1では、会員カード2,ビジタカード3,及び端末装置5が使用される。まず図1及び図2を参照して、これら会員カード2,ビジタカード3,端末装置5,残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32について説明する。
【0021】
会員カード2及びビジタカード3は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、不揮発性のEEPROMからなる記憶領域を備える非接触式のICチップが設けられている記録媒体(ICカード)である。なお会員カード2とビジタカード3とを区別しない場合には、単に「カード」と称し、後述する会員カードIDとビジタカードIDとを区別しない場合には、単に「カードID」と称する。
【0022】
会員カード2は、会員登録を行った会員遊技者に対して発行される会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体を個々に識別可能な会員用記録媒体識別情報である会員カードIDが、ICチップに予め記録されている。この会員カードIDには、会員(メンバー)である旨を示す符号「M」と、各々が重複しない6桁の番号とが含まれている。この会員カードIDは、会員遊技者が所有する有価価値の大きさ(後述する残額,貯玉数,持玉数)を特定可能な有価価値特定情報でもある。なお会員カード2には、これら有価価値の大きさや計数値自体は記録されない。
【0023】
この会員カード2は、遊技場において、会員カード2の所有者が該会員カード2の発行を受けた本人であることを認証するための認証情報であって遊技者が希望する暗証番号と、該遊技者の属性情報(ここでは氏名,住所,性別,生年月日,及び電子メールアドレス)とが受け付けられて会員登録が行われると、カード会社から遊技場に納入されている会員カード2のうちの1枚から、当該会員カード2のICチップに予め記録されている会員カードIDが読み取られて、当該会員カード2が発行される。この会員カード2から読み取った会員カードIDと、前記受け付けられた暗証番号及び属性情報とは、後述する図2に示すように、会員管理装置31の会員情報DBで記憶される。
【0024】
ビジタカード3は、会員登録を行っていないビジタ遊技者に対して発行されるビジタ用記録媒体であり、該ビジタカード3を個々に識別可能なビジタ用記録媒体識別情報であるビジタカードIDが、ICチップに予め記録されている。このビジタカードIDには、ビジタである旨を示す符号「V」と、各々が重複しない6桁の番号とが含まれている。このビジタカードIDは、ビジタ遊技者が所有する有価価値の大きさ(後述する残額,持玉数)を特定可能な有価価値特定情報でもある。なおビジタカード3には、これら有価価値の大きさや計数値自体は記録されない。
【0025】
端末装置5は、遊技場の店員が所持する携帯型のコンピュータであり、後述する図5のS84に示すように、カードユニット20から送信されてくるカードID,計数値,及び持玉数を受信して表示する。
【0026】
残額管理装置30はコンピュータであり、記憶手段であるハードディスク(図示外)で、図1に示す残額DBを記憶している。この残額DBは、カード(会員カード2又はビジタカード3)のカードID(会員カードID又はビジタカードID)に対応付けて、パチンコ玉の貸与に使用される残額を管理するものである。ここで残額は、管理が行われた当日及び翌日以降において、後述する玉貸処理に使用可能である。なお残額管理装置30で管理している残額を、「管理残額」とも称する。
【0027】
この残額管理装置30は、以下のようにして、管理残額を更新する。まず紙幣を受け付けて管理残額加算処理(図4のS44,図5のS61)が行われたカードユニット20からカードIDと該管理残額加算処理に供された入金額(即ち受け付けた紙幣の額)とを含む入金要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している管理残額に該入金額を加算する。また玉貸処理及び管理残額減算処理(図5のS63)が行われたカードユニット20からカードIDと該玉貸処理で使用された玉貸使用額とを含む残額減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している管理残額から該玉貸使用額を減算する。
【0028】
会員管理装置31はコンピュータであり、記憶手段であるハードディスク(図示外)で、図2に示す会員情報DBを記憶している。この会員情報DBは、遊技者が希望する暗証番号と、該遊技者の属性情報(ここでは氏名,住所,性別,生年月日,及び電子メールアドレス)と、会員遊技者が獲得した持玉数が貯蓄されてなる貯玉数とを管理するものである。ここで貯玉数は、貯蓄が行われた当日及び翌日以降において、後述する貯玉再プレイ処理及び景品交換に使用可能である。なお会員管理装置31で管理している貯玉数を、「管理貯玉数」とも称する。
【0029】
この会員管理装置31は、以下のようにして、管理貯玉数を更新する。まず貯玉処理が行われたPOS端末(図示外)から会員カードIDと該貯玉処理に供された持玉数とを含む貯玉数加算要求を受信すると、該会員カードIDに対応付けて管理している管理貯玉数に該貯玉処理に供された持玉数を加算する。また貯玉再プレイ処理及び管理貯玉数減算処理(図5のS64)が行われたカードユニット20から会員カードIDを含む貯玉再プレイ情報を受信すると、該会員カードIDに対応付けて管理している管理貯玉数から貯玉再プレイ処理で返却される所定玉数(例えば125個)+手数料に相当する手数料玉数(例えば25個)を減算する。即ち貯玉再プレイ処理においては、手数料が徴収される。さらに景品交換が行われて減算処理が行われたPOS端末(図示外)から会員カードIDと該景品交換に使用された貯玉数とを含む貯玉数減算要求を受信すると、該会員カードIDに対応付けて管理している管理貯玉数から該景品交換に供された貯玉数を減算する。
【0030】
持玉数管理装置32はコンピュータであり、記憶手段であるハードディスク(図示外)で、図1に示す持玉DBを記憶している。この持玉DBは、カード(会員カード2又はビジタカード3)のカードID(会員カードID又はビジタカードID)に対応付けて、遊技者が獲得したパチンコ玉が計数されてなる持玉数を管理するものである。ここで持玉数は、計数が行われた当日のみ、後述する持玉返却処理及び景品交換に使用可能であり、当日の営業が終了すると、会員カードIDに対応付けられている持玉数は会員管理装置31に送信されて貯玉数として管理され、ビジタカードIDに対応付けられている持玉数は無効となる。なお持玉数管理装置32で管理している持玉数を、「管理持玉数」とも称する。
【0031】
この持玉数管理装置32は、以下のようにして、管理持玉数を更新する。まず管理持玉数更新処理(図5のS85)が行われたカードユニット20から制御部22のRAMで記憶しているカードIDと計数値+持玉数とを含む持玉数更新要求を受信すると、該持玉数更新要求に含まれるカードIDが記憶されていなければ、該持玉数更新要求に含まれるカードIDと計数値+持玉数とを対応付けて記憶し、該持玉数更新要求に含まれるカードIDが記憶されていれば、該カードIDに対応付けて管理している管理持玉数を該持玉数更新要求に含まれる計数値+持玉数に更新する。また持玉数加算処理が行われたPOS端末(図示外)からカードIDと該持玉数加算処理に供された持玉数とを含む持玉数加算要求を受信すると、該会員カードIDに対応付けて管理している管理持玉数に該持玉数加算処理に供された持玉数を加算する。さらに景品交換が行われて減算処理が行われたPOS端末(図示外)からカードIDと該景品交換に使用された持玉数とを含む持玉数減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している管理持玉数から該景品交換に供された持玉数を減算する。
【0032】
次に図1及び図3を参照して、パチンコ機10と、該パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置であるカードユニット20及び各台計数機19について説明する。ここでカードユニット20は、パチンコ機10の向かって左側に隣接して設けられ、各台計数機19は、パチンコ機10の下皿18の下側に設けられる。
【0033】
パチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応するカードユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に配置された遊技島(図示外)において該パチンコ機10の機種等に従って設置されている。
【0034】
このパチンコ機10は、図3(a)に示すように、その前面に遊技領域,残度数表示器14,玉貸ボタン15,カード返却ボタン16,上皿17,下皿18,及び発射ハンドル等を備えると共に、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
【0035】
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、カードユニット20の後述する玉貸通信部21aと通信可能に接続され、パチンコ機10とカードユニット20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。さらに払出制御基板12は、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16とも接続されている。玉払出装置13は、玉貸処理が行われて遊技者に貸し出されたパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
【0036】
残度数表示器14は、カードユニット20のカードR/W23にて受け付けているカード(会員カード2又はビジタカード3)のカードID(会員カードID又はビジタカードID)に対応付けて残額管理装置30で管理されている管理残額に相当する残度数を表示するための表示器である。ここで残度数は、管理残額が所定の比率で変換されたもの(例えば100円=1度数)である。この残度数表示器14では、玉貸通信部21aから残度数を示す度数表示信号が入力されることにより、残度数が表示される。
【0037】
玉貸ボタン15は、残度数表示器14で表示されている残度数を使用して玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が操作されたことにより、玉貸通信部21aに貸出入力信号が入力され、該入力の検出によってカードユニット20の制御部22が、玉貸ボタン15が操作された旨を認識する。
【0038】
カード返却ボタン16は、カードユニット20のカードR/W23にて受け付けているカード(会員カード2又はビジタカード3)を該カードユニット20の外部に排出するための排出操作を受け付けるものである。このカード返却ボタン16が操作されたことにより、玉貸通信部21aに返却入力信号が入力され、該入力の検出によってカードユニット20の制御部22が、カード返却ボタン16が操作された旨を認識して、カードR/W23にて受け付けているカードの排出制御が行われ、該カードがカード挿入口23aから排出されて遊技者に返却される(図5のS87)。なおカードユニット20の制御部22が、返却操作の不能動化(図5のS74)を行うと、カードR/W23にて受け付けているカードの排出制御は行われない。
【0039】
上皿17及び下皿18は、玉払出装置13から払い出されたパチンコ玉を貯留するものである。なお上皿17に貯留されているパチンコ玉は、上皿レバー(図示外)を操作することにより、下皿18に供給され、該下皿18に貯留されているパチンコ玉は、下皿レバー(図示外)を操作することにより、各台計数機19に供給される。
【0040】
各台計数機19は遊技用装置の一部を構成する計数手段の一例であって、遊技機(パチンコ機10)での遊技により遊技者が獲得した遊技媒体(パチンコ玉)を計数するものであり、ここでは計数ボタン(図示外)の操作に基づいて、下皿18から供給されたパチンコ玉を計数する。この計数は、カードユニット20でカードを受け付けているか否かに拘わらず可能である。この各台計数機19は、カードユニット20の後述する計数機通信部21cと通信可能に接続されており、前記計数が行われることにより、計数機通信部21cに該計数値を示す計数値情報が入力され(図4のS03,図5のS52)、該計数値情報が示す計数値が後述する制御部22のRAMで記憶している計数値に加算される(図4のS46,図5のS62)。なお各台計数機19により計数されたパチンコ玉は、遊技島に設けられた打込玉回収樋(図示外)に導かれて回収される。
【0041】
このパチンコ機10において、玉払出装置13から払い出されたパチンコ玉は、上皿17に供給され、発射ハンドルの操作により遊技領域の内部に打ち込まれて、遊技が行われる。そして該打ち込まれたパチンコ玉が、遊技領域に形成された入賞口に入賞すると、払出制御基板12から発せられる払出信号に基づいて、賞球として玉払出装置13からパチンコ玉が払い出され、上皿17又は下皿18に供給される。なお打ち込まれたパチンコ玉は、遊技島内の打込玉回収樋(図示外)に導かれて回収される。またパチンコ機10からは、打ち込まれたパチンコ玉が始動入賞口に入賞した旨を示すスタート信号や、大当りが発生した旨を示す大当り信号等の遊技情報が出力され、該遊技情報は、遊技場内に設けられる遊技データ管理装置(図示外)に入力されて、遊技データとして管理される。
【0042】
次に遊技用装置の一部を構成するカードユニット20について説明する。カードユニット20は、図1及び図3に示すように、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図3(a)に示すように、その前面に紙幣挿入口26a,突出部20a,ノズル27a,及びカード挿入口23a等を備え、図3(b)に示すように、その内部に玉貸通信部21a,場内通信部21b,計数機通信部21c,端末装置通信部21d,制御部22,カードR/W23,ビジタカードストッカ23b,紙幣識別機26,及び玉払出装置27等を備え、突出部20aの右側面(即ち遊技者に向く側)にタッチパネル式のディスプレイ24,暗証入力ランプ24a,及びテンキー24bを備え、突出部20aの内部にレシートプリンタ25を備え、突出部20aの下面にレシート排出口25aを備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。このカードユニット20は、対応するパチンコ機10と共に、台番号により個々に識別可能とされている。
【0043】
玉貸通信部21aは、図1に示すように、対応するパチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続され、玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りを行うものである。場内通信部21bは、残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32と通信可能に接続され、残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32と通信するための通信手段として機能するものである。計数機通信部21cは、前述の如く、対応するパチンコ機10の各台計数機19と通信可能に接続され、パチンコ玉の計数が行われた各台計数機19から、該パチンコ玉の計数値を示す計数値情報を受信するものである。端末装置通信部21dは計数値出力手段の一例であって、後述する通信可否検知手段(制御部22)により持玉数管理装置32と通信できない通信不可能状態(オフライン状態)を検知していることを条件として、計数値を特定可能に出力するものであり、ここでは遊技場の店員が所持する端末装置5と無線通信可能であり、該端末装置5に対して、後述する制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を送信する計数値送信処理(図5のS84)を行うものである。
【0044】
制御部22は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMあるいはEEPROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0045】
ここでRAMは、カードR/W23により受け付けたカード(会員カード2又はビジタカード3)から読み取ったカードID(会員カードID又はビジタカードID)を記憶する。またRAMは、カードR/W23により受け付けた会員カード2の所有者が本人であると認証されているか否かを示す認証フラグを記憶する。ここで認証フラグが0であれば、本人であると認証されていない旨を示し、認証フラグが1であれば、本人であると認証されている旨を示す。さらにRAMは、残額管理装置30から取得した残額,会員管理装置31から取得した貯玉数,持玉数管理装置32から取得した持玉数,及び各台計数機19から送信されてきた計数値情報が示す計数値を記憶する。なおRAMで記憶している残額,貯玉数,持玉数,及び計数値を、それぞれ「記憶残額」,「記憶貯玉数」,「記憶持玉数」,及び「記憶計数値」とも称する。
【0046】
この制御部22は通信可否検知手段の一例であって、各管理装置(残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32)と通信できる通信可能状態(オンライン状態)であるか通信できない通信不可能状態(オフライン状態)であるかを検知するものである。具体的には、各管理装置から各カードユニット20に対して定期的(例えば10秒ごと)に送信されてくる通信確認要求に基づいて、該通信確認要求の受信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ち各管理装置と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認要求の受信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ち各管理装置と通信できない通信不可能状態)であると判定する。
【0047】
また制御部22は遊技使用処理手段の一例であって、カード(会員カード2又はビジタカード3)の記録情報(会員カードID又はビジタカードID)から特定される有価価値の大きさ(残額,貯玉数,持玉数,計数値)を当該カードユニット20に対応するパチンコ機10での遊技に使用可能とする遊技使用処理を行うものであり、特に会員カード2の会員カードIDから特定される有価価値の大きさについては、後述する認証情報受付手段(テンキー24b)により受け付けた認証情報(暗証番号)により本人であると認証されたこと(即ち制御部22のRAMで認証フラグ1を記憶していること)を条件として、遊技使用処理を行う。この遊技使用処理には、玉貸処理,貯玉再プレイ処理,及び持玉返却処理が含まれる。
【0048】
ここで玉貸処理は、カードのカードIDに対応付けて残額管理装置30で管理されている管理残額を使用して、玉貸使用額に相当する数のパチンコ玉を貸与する処理である。そして該玉貸処理に引き続き、管理残額から玉貸使用額を減算するための管理残額減算処理として、カードIDと玉貸使用額と含む残額減算要求が残額管理装置30に対して送信される(図5のS63)。このように、玉貸処理に引き続いて残額減算要求を残額管理装置30に対して送信する必要があることから、該玉貸処理は、カードユニット20と残額管理装置30とがオンライン状態である場合にのみ行われ、オフライン状態である場合には行われない。
【0049】
また貯玉再プレイ処理は、会員カード2の会員カードIDに対応付けて会員管理装置31で管理されている管理貯玉数を使用して、所定玉数(例えば125個)のパチンコ玉を払い出す処理である。そして該貯玉再プレイ処理に引き続き、管理所玉数から所定玉数+手数料玉数(例えば25個)を減算するための管理貯玉数減算処理として、カードIDを含む貯玉数減算要求が会員管理装置31に対して送信される(図5のS64)。このように、貯玉再プレイ処理に引き続いて貯玉数減算要求を会員管理装置31に対して送信する必要があることから、該貯玉再プレイ処理は、カードユニット20と会員管理装置31とがオンライン状態である場合にのみ行われ、オフライン状態である場合には行われない。
【0050】
さらに持玉返却処理は、制御部22のRAMで記憶している記憶計数値(即ち各台計数機19から受信した計数値情報が示す計数値をカードIDと共に記憶しているもの)及び制御部22のRAMで記憶している記憶持玉数(即ちカードのカードIDに対応付けて持玉数管理装置32で管理されている管理持玉数を取得して記憶しているもの)を使用して、後述する図6に示すようにしてパチンコ玉を払い出す処理である。そして該持玉返却処理に引き続き、記憶計数値及び記憶持玉数から払い出された玉数を減算する記憶計数値・持玉数減算処理が行われ(図5のS65)、その後にカード返却ボタン16の操作が有ると(S57でYES)、管理持玉数を記憶計数値+記憶持玉数に更新するための管理持玉数更新処理として、カードIDと記憶計数値+記憶持玉数とを含む持玉数更新要求が持玉数管理装置32に対して送信される(S85)。このように、持玉返却処理に引き続いては記憶計数値及び記憶持玉数の減算が行われるが、持玉数更新要求を持玉数管理装置32に対して送信する必要がないことから、該持玉返却処理は、カードユニット20と持玉数管理装置32とがオンライン状態であるかオフライン状態であるかに拘わらず行われる。なお記憶計数値・持玉数減算処理では、まず記憶計数値から払い出された玉数が減算され、減算しきれない場合には、記憶持玉数から不足分が減算される。また持玉返却処理においては、前記貯玉再プレイ処理と異なり、手数料は徴収されない。
【0051】
また制御部22は計数値特定処理手段の一例であって、各台計数機19により計数されたパチンコ玉の計数値を、カードR/W23により受け付けた会員カード2の記録情報(会員カードID)から特定可能とする計数値特定処理を行うものであり、またカードR/W23により会員カード2を受け付けていないことを条件として、各台計数機19により計数されたパチンコ玉の計数値を、カードR/W23により受け付けた(カード挿入口23aから挿入された,又はビジタカードストッカ23bから搬送された)ビジタカード3の記録情報(ビジタカードID)から特定可能とする計数値特定処理を行うものである。
【0052】
具体的には、各台計数機19から計数値情報を受信したことに基づき(図4のS03,図5のS52)、該計数値情報が示す計数値をRAMで記憶している記憶計数値に加算する処理(図4のS46,図5のS62)を、計数値特定処理として行う。またカード返却ボタン16が操作されたことに基づき(図5のS57でYES)、通信可否検知手段により持玉数管理装置32とオンライン状態を検知していることを条件として、カードR/W23により受け付けたカードに計数値を記録することなく、制御部22のRAMで記憶している当該カードのカードIDと記憶計数値+記憶持玉数とを含む持玉数更新要求を持玉数管理装置32に対して送信する処理(図5のS85)を、計数値特定処理として行う。
【0053】
また制御部22は、カード返却ボタン16が操作されたことに基づき(図5のS57でYES)、通信可否検知手段により持玉数管理装置32とオフライン状態を検知していることを条件として(S81でNO)、制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を記録したレシート4をレシートプリンタ25から発行するレシート発行処理(S83),又は制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を端末装置通信部21dから端末装置5に対して送信する計数値送信処理(S84)の、いずれを行うかのオフライン処理設定を記憶するものである。このオフライン処理設定は、持玉数管理装置32で設定が行われ、該設定内容が、持玉数管理装置32から各カードユニット20に対して送信されて、制御部22のEEPROMで記憶される。なお制御部22のその他の機能については、図4〜図7を参照して後述する。
【0054】
カードR/W23は記録媒体受付手段の一例であって、カード(会員カード2又はビジタカード3)の挿入をカード挿入口23aから受け付けて、該受け付けたカードに記録されているカードID(会員カードID又はビジタカードID)を読み取るものである。ここでカード挿入口23aには、カードの挿入を検知するカード挿入センサ(図示外)が設けられており、このカード挿入センサによりカードの挿入が検知されると、制御部22にカード挿入信号が入力されて、該制御部22がカードの挿入を認識する。ビジタカードストッカ23bは、カードR/W23の背後において該カードR/W23に連通して設けられ、複数枚のビジタカード3をストックしておくものである。
【0055】
ここでカードR/W23がビジタカード3を受け付けている状態で、管理残額減算処理(図5のS63)や記憶計数値・持玉数減算処理(S65)が行われて、該ビジタカード3のビジタカードIDと共に制御部22のRAMで記憶している残額,持玉数,及び計数値が零になると、該ビジタカード3はビジタカードストッカ23bに収納され、カード返却ボタン16の操作を受け付けても返却されない。
【0056】
またカードR/W23がビジタカード3を受け付けていない状態で、紙幣識別機26により紙幣を受け付けたとき(図4のS02でYES→S41でNO),又はカード返却操作を受け付けたとき(図5のS57でYES→S71でNO→S79aでNO)には、ビジタカードストッカ23bでストックしている複数枚のビジタカード3のうちの1枚がカードR/W23に搬送され(S42又はS79b)、カードR/W23は、該搬送されたビジタカード3を受け付けてビジタカードIDを読み取る(S43又はS79c)。
【0057】
なおカードR/W23は、カード挿入センサがカードの挿入を検知したときに(図5のS56)、既にカード(会員カード2又はビジタカード3)を受け付けていると(S66でYES)、前記カードの挿入は受け付けず、カード受け付けていなければ(S66でNO)、前記挿入されたカードを受け付ける(図4のS04)。
【0058】
タッチパネル式のディスプレイ24は、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスであるが、その機能については図7を参照して後述する。暗証入力ランプ24aは、カードR/W23で会員カード2を受け付けたときに点灯してテンキー24bによる暗証番号の入力を促し(図4のS15)、暗証番号が入力されると消灯するものである(S18)。テンキー24bは認証情報受付手段の一例であって、カードR/W23により受け付けた会員カード2の所有者が該会員カード2の発行を受けた本人であることを認証するための認証情報である暗証番号の入力を受け付けるものである。
【0059】
レシートプリンタ25は計数値出力手段の一例であって、前記通信可否検知手段(制御部22)により持玉数管理装置32と通信できない通信不可能状態(オフライン状態)を検知していることを条件として、計数値を特定可能に出力するものであり、ここでは制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を記録した発行するレシート発行処理(図5のS83)を行うものである。
【0060】
紙幣識別機26は、紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)を紙幣挿入口26aから受け付けて、該受け付けた紙幣を識別するものである。この識別により、受け付けた紙幣が正規の紙幣でなければ、該紙幣を紙幣挿入口26aから排出して返却し、受け付けた紙幣が正規の紙幣であれば、該紙幣をカードユニット20の背面から排出して、識別された紙幣の額である入金額を制御部22に出力する。なおカードユニット20の背面から排出された紙幣は、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)に導かれて搬送され、遊技島に設けられた金庫(図示外)に回収される。
【0061】
玉払出装置27は、遊技島に設けられた補給樋(図示外)からパチンコ玉の供給を受けて、該パチンコ玉をノズル27aを介してパチンコ機10の上皿17に払い出すものである。この玉払出装置27からは、貯玉再プレイ処理が行われると、予め定められた所定玉数数(例えば125個)のパチンコ玉が払い出され、また持玉返却処理が行われると、後述する図6に示すようにして第1返却個数及び第2返却個数のパチンコ玉が払い出される。
【0062】
ここでカードユニット20が行うメイン処理を、図4〜図6に示すフローチャートに基づき、図7に示す画面図を参照しながら説明する。
【0063】
まずカードユニット20は、図7のD11に示す画面をディスプレイ24に表示する(S00)。このD11では、会員カード2又はビジタカード3の挿入を促す旨,及び紙幣の挿入を促す旨が表示されると共に、「遊技データ」ボタンが表示される。またD11が表示されている状態では、暗証入力ランプ24aは消灯している。
【0064】
カードユニット20は、このD11が表示されているS00の状態で、カード挿入センサによるカード(会員カード2又はビジタカード3)の挿入の検知(S01),紙幣識別機26による紙幣の受付(S02),各台計数機19から送信されてくる計数値情報の受信(S03),又は遊技データ表示操作の受付(図示外)を待機する。なおS00の状態では、玉貸ボタン15の操作の受付,及びカード返却ボタン16の操作の受付は、無効とされる。
【0065】
ここで遊技データ表示操作、即ちD11で表示される「遊技データ」ボタンの操作の受付が有ると(YES)、遊技データ表示処理(図示外)を行う。この遊技データ表示処理では、遊技データ管理装置(図示外)で管理している当該カードユニット20に対応するパチンコ機10の遊技データを該遊技データ管理装置から取得してディスプレイ24に表示する。該遊技データを表示してから所定時間が経過すると、遊技データ表示処理を終了し、前記D11をディスプレイ24に表示して、S01に戻る。
【0066】
また前記S01でカード挿入センサによるカードの挿入の検知が有ると(YES)、該挿入されたカードをカードR/W23により受け付けて(S04)、該受け付けたカードに記録されているカードIDを読み取り(S05)、該読み取ったカードIDを制御部22のRAMで記憶して、該記憶したカードIDが会員カードIDであるか否かを判定する(S11)。
【0067】
このS11で会員カードIDである(YES)と判定された場合には、制御部22のRAMで計数値を記憶しているか否かを判定する(S12)。このS12で計数値の記憶が無い(NO)と判定された場合には、図7のD12に示す画面をディスプレイ24に表示する(S13)。このD12では、S11で読み取った会員カードIDと、制御部22のRAMで記憶している計数値(ここでは零)が表示されると共に、「遊技データ」ボタンが表示される。一方、S12で計数値の記憶が有る(YES)と判定された場合には、図7のD12’に示す画面をディスプレイ24に表示する(S14)。このD12’では、S11で読み取った会員カードIDと、制御部22のRAMで記憶している計数値が表示されると共に、「遊技データ」ボタンが表示される。なおD12又はD12’で「遊技データ」ボタンの操作の受付が有ると、図4では示さないが、前述したのと同様の遊技データ表示処理を行う。
【0068】
カードユニット20は、このD12が表示されているS13の状態,又はD12’が表示されているS14の状態で、暗証入力ランプ24aを点灯して(S15)、テンキー24bによる暗証番号の入力(S16),又はカード返却操作の受付(S17)を待機する。このS17でカード返却操作、即ちカード返却ボタン16の操作の受付が有ると(YES)、図5に示すS71に進むが、これについては後述する。一方、S16でテンキー24bによる暗証番号の入力が有ると(YES)、暗証入力ランプ24aを消灯して(S18)、制御部22のRAMで記憶している会員カードIDとS16で入力された暗証番号とを含む認証要求を、会員管理装置31に対して送信する(S19)。
【0069】
この認証要求を受信した会員管理装置31は、該認証要求に含まれる会員カードID及び暗証番号と、図2に示す会員情報DBで記憶している会員カードID及び暗証番号とを照合することにより、カードR/W23により受け付けた会員カード2の所有者が該会員カード2の発行を受けた本人であるか否かを認証し、認証OK(即ち会員カードID及び暗証番号が一致する)ならば、当該会員カードIDに対応付けて記憶している貯玉数を含む認証OK通知を、前記カードユニット20に対して送信し、認証NG(即ち会員カードID及び暗証番号が一致しない)ならば、認証NG通知を、前記カードユニット20に対して返信する。
【0070】
S19で認証要求を送信したカードユニット20は、会員管理装置31から送信されてくる認証OK通知(S20),又は認証NG通知(S21)の受信を待機する。このS21で認証NG通知の受信が有ると(YES)、本人認証ができない旨をディスプレイ24に表示し(S22)、受付中の会員カード2を返却して(S23)、メイン処理を終了する。一方、S20で認証OK通知の受信が有ると(YES)、該認証OK通知に含まれる貯玉数を制御部22のRAMで記憶し(S24)、制御部22のRAMで記憶している認証フラグを1(即ち本人であると認証されている旨)に更新して(S25)、残額取得処理(S26),及び持玉数取得処理(S27)を行う。なお残額取得処理及び持玉数取得処理は、いずれが先に行われても良く、また同時並行で行われても良い。
【0071】
ここでS26の残額取得処理では、制御部22のRAMで記憶している会員カードIDを含む残額取得要求を、残額管理装置30に対して送信して、該残額取得要求に含まれる会員カードIDに対応付けて管理されている残額を含む残額情報が残額管理装置30から送信されてくるのを待機し、該残額情報を受信すると、当該残額情報に含まれる残額を、制御部22のRAMで記憶すると共に、該記憶している残額に相当する残度数を示す度数表示信号を、玉貸通信部21aから払出制御基板12に対して送信する。
【0072】
またS27の持玉数取得処理では、制御部22のRAMで記憶している会員カードIDを含む持玉数取得要求を、持玉数管理装置32に対して送信して、該持玉数取得要求に含まれる会員カードIDに対応付けて管理されている持玉数を含む持玉数情報が持玉数管理装置32から送信されてくるのを待機し、該持玉数情報を受信すると、当該持玉数情報に含まれる持玉数を、制御部22のRAMで記憶する。
【0073】
S26〜S27の処理を行ったカードユニット20は、図7のD13に示す画面をディスプレイ24に表示して(S28)、図5のS51に進む。このD13では、制御部22のRAMで記憶している会員カードID,貯玉数,持玉数,及び計数値(ここでは零)が表示され、カードを返却すると計数値が記録される旨が表示されると共に、「遊技データ」ボタン,「貯玉再プレイ」ボタン,及び「持玉返却」ボタンが表示される。
【0074】
前記S11で会員カードIDでない(NO)、即ちビジタカードIDであると判定された場合には、残額取得処理(S32),及び持玉数取得処理(S33)を行う。なお残額取得処理及び持玉数取得処理は、いずれが先に行われても良く、また同時並行で行われても良い。
【0075】
ここでS32の残額取得処理では、制御部22のRAMで記憶しているビジタカードIDを含む残額取得要求を、残額管理装置30に対して送信して、該残額取得要求に含まれるビジタカードIDに対応付けて管理されている残額を含む残額情報が残額管理装置30から送信されてくるのを待機し、該残額情報を受信すると、当該残額情報に含まれる残額を、制御部22のRAMで記憶すると共に、該記憶している残額に相当する残度数を示す度数表示信号を、玉貸通信部21aから払出制御基板12に対して送信する。
【0076】
またS33の持玉数取得処理では、制御部22のRAMで記憶しているビジタカードIDを含む持玉数取得要求を、持玉数管理装置32に対して送信して、該持玉数取得要求に含まれるビジタカードIDに対応付けて管理されている持玉数を含む持玉数情報が持玉数管理装置32から送信されてくるのを待機し、該持玉数情報を受信すると、当該持玉数情報に含まれる持玉数を、制御部22のRAMで記憶する。
【0077】
S32〜S33の処理を行ったカードユニット20は、図7のD14に示す画面をディスプレイ24に表示して(S34)、図5のS51に進む。このD14では、制御部22のRAMで記憶しているビジタカードID,持玉数,及び計数値(ここでは零)が表示され、カードを返却すると計数値が記録される旨が表示されると共に、「遊技データ」ボタン,及び「持玉返却」ボタンが表示される。なおD13と異なり、貯玉数,及び「貯玉再プレイ」ボタンは表示されない。
【0078】
また前記S02で紙幣識別機26による紙幣の受付が有ると(YES)、該受け付けた紙幣を紙幣識別機26で識別し、正規の紙幣であれば、カードR/W23でビジタカード3を受付中であるか否かを判定する(S41)。このS41でビジタカード3を受付中でない(NO)と判定された場合には、ビジタカードストッカ23bがストックしている複数枚のビジタカード3のうちの1枚をカードR/W23に搬送して受け付け(S42)、該受け付けたビジタカード3に記録されているビジタカードIDを読み取り(S43)、該読み取ったビジタカードIDを制御部22のRAMで記憶して、管理残額加算処理(S44)を行う。一方、S41でビジタカード3を受付中である(YES)と判定された場合にも、管理残額加算処理(S44)を行う。
【0079】
この管理残額加算処理では、制御部22のRAMで記憶しているビジタカードIDと該識別した紙幣の額である入金額とを含む入金要求を、残額管理装置30に対して送信して、該入金要求に含まれるビジタカードIDに対応付けて管理されている残額に対して該入金要求に含まれる入金額を加算した後の残額を含む残額加算完了通知が残額管理装置30から送信されてくるのを待機し、該残額加算完了通知を受信すると、当該残額加算完了通知に含まれる加算後の残額を、制御部22のRAMで記憶すると共に、該記憶している加算後の残額に相当する残度数を示す度数表示信号を、玉貸通信部21aから払出制御基板12に対して送信する。この残額加算処理を終了すると、前記S34の処理を行って、図5のS51に進むが、S34におけるD14では、持玉数として零が表示される。
【0080】
また前記S03で各台計数機19から送信されてくる計数値情報の受信が有ると(YES)、該受信した計数値情報が示す計数値を制御部22のRAMで記憶している記憶計数値に加算し(S46)、前記S34の処理を行って、図5のS51に進むが、S34におけるD14では、ビジタカードIDが表示されない一方、計数値として制御部22のRAMで記憶している記憶計数値が表示される。
【0081】
図5に進み、カードユニット20は、前記D13が表示されているS28の状態又は前記D14が表示されているS34の状態で、紙幣識別機26による紙幣の受付(S51),各台計数機19から送信されてくる計数値情報の受信(S52),玉貸操作の受付(S53),貯玉再プレイ操作の受付(S54),持玉返却操作の受付(S55),カード挿入センサによるカード(会員カード2又はビジタカード3)の挿入の検知(S56),カード返却操作の受付(S57),又は遊技データ表示操作の受付(図示外)を待機する。なおD13又はD14で「遊技データ」ボタンの操作の受付が有ると、図5では示さないが、前述したのと同様の遊技データ表示処理を行う。またD14では、「貯玉再プレイ」ボタンは表示されないため、S34の状態では、貯玉再プレイ操作が受け付けられることは無い。
【0082】
このS51で紙幣識別機26による紙幣の受付が有ると(YES)、残額管理装置30とオフライン状態であれば、該受け付けた紙幣を返却し、残額管理装置30とオンライン状態であれば、該受け付けた紙幣を識別し、正規の紙幣であれば、残額加算処理(S71)を行う。この残額加算処理は、図4のS44で説明した残額加算処理と同様である。この残額加算処理を終了すると、前記D13又はD14をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。
【0083】
前記S52で各台計数機19から計数値情報の受信が有ると(YES)、該受信した計数値情報が示す計数値を制御部22のRAMで記憶している記憶計数値に加算する(S62)。このS62の処理が終了すると、制御部22のRAMで記憶している加算後の持玉数を表示した前記D13又はD14をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。
【0084】
前記S53で玉貸操作、即ち玉貸ボタン15の操作の受付が有ると(YES)、残額管理装置30とオフライン状態であれば、該玉貸操作を無効とし、残額管理装置30とオンライン状態であれば、遊技使用処理手段として機能する制御部22により玉貸処理を行うと共に管理残額減算処理(S63)を行う。まず玉貸処理では、制御部22のRAMで記憶している残額が0であるか否かを判定し、該残額が0でなければ、該残額が予め設定された玉貸設定額(例えば500円)以上であるか否かを判定し、該残額が玉貸設定額以上であれば、該玉貸設定額を玉貸使用額として特定し、該残額が玉貸設定額未満であれば、該残額を玉貸使用額として特定して、該特定した玉貸使用額に相当する数のパチンコ玉の払出を、パチンコ機10の払出制御基板12に対して指令する。なお残額が0であれば、玉貸処理及び残額減算処理は行われない。
【0085】
次に管理残額減算処理では、制御部22のRAMで記憶しているカードIDと玉貸処理に使用された玉貸使用額とを含む残額減算要求を、残額管理装置30に対して送信して、該残額減算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理されている残額から該残額減算要求に含まれる玉貸使用額を減算した後の残額を含む残額減算完了通知が残額管理装置30から送信されてくるのを待機し、該残額減算完了通知を受信すると、当該残額減算完了通知に含まれる減算後の残額を、制御部22のRAMで記憶すると共に、該記憶している減算後の残額に相当する残度数を示す度数表示信号を、玉貸通信部21aから払出制御基板12に対して送信する。これら玉貸処理及び管理残額減算処理を終了すると、前記D13又はD14をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。
【0086】
なおカードR/W23でビジタカード3を受付中である場合には、これら玉貸処理及び管理残額減算処理の終了後に、制御部22のRAMで記憶している残額,持玉数,及び計数値が零であるか否かを判定する。ここで残額,持玉数,又は計数値のいずれかが零でなければ、前記D13又はD14をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。一方、残額,持玉数,及び計数値がすべて零であれば、受付中のビジタカード3をビジタカードストッカ23bに収納して、メイン処理を終了する。
【0087】
前記S54で貯玉再プレイ操作、即ちD13aで表示される「貯玉再プレイ」ボタンの操作の受付が有ると(YES)、会員管理装置31とオフライン状態であれば、貯玉再プレイ操作を無効とし、会員管理装置31とオンライン状態であれば、遊技使用処理手段として機能する制御部22により貯玉再プレイ処理を行うと共に管理貯玉数減算処理(S64)を行う。まず貯玉再プレイ処理では、制御部22のRAMで記憶している貯玉数が当該貯玉再プレイ処理で返却される所定玉数(例えば125個)+手数料に相当する手数料玉数(例えば25個)以上であるか否かを判定し、貯玉数が所定玉数+手数料玉数以上であれば、該所定玉数のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出す。なお貯玉数が所定玉数+手数料玉数未満であれば、貯玉再プレイ処理及び貯玉数減算処理は行われない。
【0088】
次に管理貯玉数減算処理では、制御部22のRAMで記憶している会員カードIDを含む貯玉数減算要求を、会員管理装置31に対して送信して、該貯玉数減算要求に含まれる会員カードIDに対応付けて管理されている貯玉数から前記所定玉数+手数料玉数を減算した後の貯玉数を含む貯玉数減算完了通知が会員管理装置31から送信されてくるのを待機し、該貯玉数減算完了通知を受信すると、当該貯玉数減算完了通知に含まれる減算後の貯玉数を、制御部22のRAMで記憶する。これら貯玉再プレイ処理及び管理貯玉数減算処理を終了すると、制御部22のRAMで記憶している減算後の貯玉数を表示した前記D13をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。
【0089】
前記S55で持玉返却操作、即ちD13又はD14で表示される「持玉返却」ボタンの操作の受付が有ると(YES)、遊技使用処理手段として機能する制御部22により持玉返却処理を行うと共に記憶持玉数減算処理(S65)を行う。
【0090】
まず持玉返却処理では、図6に示すように、カードR/W23でビジタカード3を受付中であるか否かを判定する(S100)。このS100でビジタカード3を受付中である(YES)と判定された場合には、制御部22のRAMで記憶している計数値+持玉数が予め定められた第1の所定値以上であるか否かを判定する(S101)。ここでの第1の所定値は、前記玉貸処理における玉貸設定額である500円に相当するパチンコ玉の数として、125個と設定されているものとする。このS101で計数値+持玉数が125個以上である(YES)と判定された場合には、該125個を第1返却個数と特定し(S102)、該特定した第1返却個数のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出して(S103)、S104に進む。
【0091】
S104では、制御部22のRAMで記憶している計数値+持玉数から前記第1返却個数を減算した後の計数値+持玉数が、予め定められた第2の所定値未満であり、かつ1個以上であるか否かを判定する。ここでの第2の所定値は、景品交換ができる最少額である100円に相当するパチンコ玉の数として、25個と設定されているものとする。このS104で第1返却個数を減算後の計数値+持玉数が25個以上又は零である(NO)と判定された場合には、持玉返却処理を終了して、記憶計数値・持玉数減算処理に進む。一方、S104で第1返却個数を減算後の計数値+持玉数が25個未満かつ1個以上である(YES)と判定された場合には、該第1返却個数を減算後の計数値+持玉数を第2返却個数と特定し(S105)、該特定した第2返却個数のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出して(S106)、持玉返却処理を終了し、記憶計数値・持玉数減算処理に進む。
【0092】
このS101〜S106の処理を行う、前記遊技使用処理手段として機能する制御部22は、ビジタカード3の記録情報から特定される計数値(即ち制御部22のRAMで記憶している計数値+持玉数)が予め定められた第1の所定値以上であることを条件として、該第1の所定値を対応するパチンコ機10での遊技に使用可能とする第1の遊技使用処理(即ちS103で第1返却個数のパチンコ玉を払い出す処理)を行う一方、該第1の遊技使用処理後における計数値(即ち第1返却個数を減算後の計数値+持玉数)が予め定められた第2の所定値未満であることを条件として、該第1の遊技使用処理に引き続いて当該計数値を対応するパチンコ機10での遊技に使用可能とする第2の遊技使用処理(即ちS106で第2返却個数のパチンコ玉を払い出す処理)を行うものである。
【0093】
これによれば、ビジタカード3の記録情報から特定される計数値+持玉数が第2の所定値未満であることを条件として、第1の遊技使用処理に引き続いて第2の遊技使用処理が行われるので、該第2の所定値未満の計数値+持玉数を遊技に使用可能とするための操作が必要なく、遊技者の利便性が向上する。つまり第2の所定値を、前述の如く景品交換ができる最少額である100円に相当するパチンコ玉の数と設定した場合には、該第2の所定値未満の計数値+持玉数(以下「端数」と称する。)を残しておいても景品交換に使用することができないため、該端数を遊技に使用させることが好ましい。しかしながら、該端数を遊技に使用させるために、例えばカード返却ボタン16の操作を必要とすると、遊技を終了しようとしてカード返却ボタン16を操作したにも拘わらず端数のパチンコ玉が払い出されるので、遊技を終了しようとする遊技者の意図に添わず、また例えば再度の「持玉返却」ボタンの操作を必要とすると、遊技者にとって煩わしいという問題がある。これに対し、本発明によれば、パチンコ玉の返却を受けて遊技を継続しようとする遊技者により、「持玉返却」ボタンが一度操作されると、第1の遊技使用処理が行われ、該第1の遊技使用処理後に端数が生ずる場合であっても、該第1の遊技使用処理に引き続いて、当該端数のパチンコ玉を払い出す第2の遊技使用処理が行われるので、遊技を継続しようとする遊技者の意図に添うと共に、遊技者にとって煩わしくもない。
【0094】
前記S101で計数値+持玉数が125個未満である(NO)と判定された場合には、該計数値+持玉数が1個以上であるか否かを判定する(S111)。このS111で計数値+持玉数が零である(NO)と判定された場合には、持玉返却処理を終了して、記憶計数値・持玉数減算処理に進むが、パチンコ玉の払い出しは行われていないので、記憶計数値や記憶持玉数の減算は行われない。一方、S111で計数値+持玉数が1個以上である(YES)と判定された場合には、該計数値+持玉数を第1返却個数と特定し(S112)、該特定した第1返却個数のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出して(S103)、S104に進む。なお当該第1返却個数を減算後の計数値+持玉数は常に零になるので、S104ではNOと判定され、S105〜S106の処理は行われない。
【0095】
前記S100でビジタカード3を受付中でない(NO)、即ち会員カード2を受付中であると判定された場合には、制御部22のRAMで記憶している計数値+持玉数が前記第1の所定値である125個以上であるか否かを判定する(S121)。このS121で計数値+持玉数が125個以上である(YES)と判定された場合には、該125個を第1返却個数と特定し(S122)、該特定した第1返却個数のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出して(S123)、持玉返却処理を終了し、記憶計数値・持玉数減算処理に進む。
【0096】
前記S121で計数値+持玉数が125個未満である(NO)と判定された場合には、該計数値+持玉数が1個以上であるか否かを判定する(S131)。このS131で計数値+持玉数が零である(NO)と判定された場合には、持玉返却処理を終了して、記憶計数値・持玉数減算処理に進むが、パチンコ玉の払い出しは行われていないので、記憶計数値や記憶持玉数の減算は行われない。一方、S131で計数値+持玉数が1個以上である(YES)と判定された場合には、該計数値+持玉数を第1返却個数と特定し(S132)、該特定した第1返却個数のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出して(S123)、持玉返却処理を終了し、記憶計数値・持玉数減算処理に進む。
【0097】
図5に戻り、S65に示す記憶計数値・持玉数減算処理では、制御部22のRAMで記憶している計数値及び持玉数から、前記第1返却個数(S103又はS123に示す第1の遊技使用処理が行われなかった場合には零)及び前記第2返却個数(S106に示す第2の遊技使用処理が行われなかった場合には零)を減算する。具体的には、まず記憶計数値から第1返却個数+第2返却個数を減算し、減算しきれない場合には、記憶持玉数から不足分を減算する。これら持玉返却処理及び記憶計数値・持玉数減算処理を終了すると、制御部22のRAMで記憶している減算後の計数値及び持玉数を表示した前記D13又はD14をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。
【0098】
なおカードR/W23でビジタカード3を受付中である場合には、これら持玉返却処理及び記憶計数値・持玉数減算処理の終了後に、制御部22のRAMで記憶している残額,持玉数,及び計数値が零であるか否かを判定する。ここで残額,持玉数,又は計数値のいずれかが零でなければ、前記D13又はD14をディスプレイ24に表示して、S51に戻る。一方、残額,持玉数,及び計数値がすべて零であれば、受付中のビジタカード3をビジタカードストッカ23bに収納して、メイン処理を終了する。
【0099】
前記S56でカード挿入センサによるカードの挿入の検知が有ると(YES)、カードR/W23でカード(会員カード2又はビジタカード3)を受付中であるか否かを判定する(S66)。このS66でカードを受付中である(YES)と判定された場合には、前記挿入されたカードを受け付けずに、S51に戻る。一方、S66でカードを受付中でない(NO)と判定された場合には、前記S04に進む。このS66でNOと判定されるのは、前記D11が表示されているS00の状態で、S03でYESと判定されて、S46の処理が行われた後に、カードが挿入された場合である。
【0100】
前記S57でカード返却操作、即ちカード返却ボタン16の操作の受付が有ると(YES)、カードR/W23で会員カード2を受付中であるか否かを判定する(S71)。このS71で会員カード2を受付中である(YES)と判定された場合には、制御部22のRAMで記憶している認証フラグが1であるか否かを判定する(S72)。このS72で認証フラグが1である(YES)と判定された場合、即ちカードR/W23により受け付けた会員カード2の所有者が本人であると認証されている場合には、該認証フラグを0に更新して(S78)、持玉数管理装置32とオンライン状態であるか否かを判定する(S81)。このS81で持玉数管理装置32とオンライン状態である(YES)と判定された場合には、計数値特定処理手段として機能する制御部22により管理持玉数更新処理(S85)を行う。
【0101】
この管理持玉数更新処理では、制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を含む持玉数更新要求を、持玉数管理装置32に対して送信して、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理されている持玉数が該持玉数更新要求に含まれる計数値+持玉数に更新された後に持玉数更新完了通知が持玉数管理装置32から送信されてくるのを待機し、該持玉数更新完了通知を受信すると、管理持玉数更新処理を終了する。この管理持玉数更新処理を終了すると、制御部22のRAMで記憶している内容(残額,貯玉数,持玉数,計数値)を消去し(S86)、受付中のカードを返却して(S87)、メイン処理を終了する。
【0102】
ここでS85の処理を行う、前記計数値特定処理手段として機能する制御部22は、カードR/W23により会員カード2を受け付けており、かつテンキー24bにより受け付けた暗証番号により本人であると認証されたことを条件として、計数値特定処理を行うものである。
【0103】
前記S81で持玉数管理装置32とオンライン状態でない(NO)、即ちオフライン状態であると判定された場合には、オフライン処理設定としてレシート発行処理が設定されているか否かを判定する(S82)。このS82でレシート発行処理が設定されている(YES)と判定された場合には、計数値出力手段として機能するレシートプリンタ25により、制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を記録したレシート4を発行して(S83)、前記S86に進む。一方、S82でレシート発行処理が設定されていない(NO)、即ち計数値送信処理が設定されていると判定された場合には、計数値出力手段として機能する端末装置通信部21dにより、制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を、遊技場の店員が所持している端末装置5に対して送信して(S84)、前記S86に進む。このカードID,計数値,及び持玉数を受信した端末装置5では、これらが表示される。
【0104】
これによれば、カードユニット20と持玉数管理装置32とが通信できないオフライン状態になった場合であっても、計数値及び持玉数が出力されることにより、該出力された計数値及び持玉数に基づいて、カードIDに対応付けて管理されている管理持玉数を加算したり、パチンコ玉の補償を行ったりすることができるので、遊技者の不便を軽減することができる。
【0105】
前記S72で認証フラグが0である(NO)と判定された場合、即ちカードR/W23により受け付けた会員カード2の所有者が本人であると認証されていない場合には、制御部22のRAMで計数値の記憶が有るか否かを判定する(S73)。このS73で計数値の記憶が無い(NO)、即ち記憶計数値が零であると判定された場合には、前記S87に進む。一方、S73で計数値の記憶が有る(YES)と判定された場合には、会員カード2の返却操作を不能動化し(S74)、図7のD13’に示す画面をディスプレイ24に表示して(S75)、S76に進む。このD13’では、制御部22のRAMで記憶している会員カードID,及び計数値が表示され、暗証番号の入力を促す旨が表示される。ここでS71でYES→S72でNO→S73でYESと進むのは、D12’(図7)が表示されているS14(図4)の状態で、S17のカード返却操作が有った場合である。
【0106】
より具体的には、図4のS01でカード(会員カード2又はビジタカード3)の挿入を検知して該カードを受け付け、該カードの受付中に玉貸処理で貸与されたパチンコ玉,貯玉再プレイ処理で返却されたパチンコ玉,又は持玉返却処理で返却されたパチンコ玉で遊技を行った結果、大当りが発生し、受付中のカードを返却すると、図4及び図5のメイン処理が一旦終了して、制御部22のRAMで残額,貯玉数,持玉数,及び計数値を記憶しておらず、カードを受け付けていない状態となる。この状態で、前記大当りで獲得したパチンコ玉の計数を行うと、図4のS03でYES→S46→S34と進んで、制御部22のRAMで計数値を記憶しているが、ビジタカード3を受け付けておらず、D14が表示されている状態となる。
【0107】
また図4のS01でカード(会員カード2又はビジタカード3)の挿入を検知することなく、S02で紙幣を挿入すると、該紙幣の額である入金額が、受付中又はビジタカードストッカ23bから搬送されたビジタカード3のビジタカードIDに対応付けて、管理残額として残額管理装置30で管理され(S44)、該管理残額を玉貸処理ですべて使用すると、ビジタカード3がビジタカードストッカ23bに収納され、図4及び図5のメイン処理が一旦終了して、制御部22のRAMで残額,貯玉数,持玉数,及び計数値を記憶しておらず、カードを受け付けていない状態となる。この状態で、前記玉貸処理で貸与されたパチンコ玉で遊技を行った結果、大当りが発生し、該大当りで獲得したパチンコ玉の計数を行うと、図4のS03でYES→S46→S34と進んで、制御部22のRAMで計数値を記憶しているが、ビジタカード3を受け付けておらず、D14が表示されている状態となる。
【0108】
これらのように、制御部22のRAMで計数値を記憶しており、カードを受け付けていない状態で、該記憶している計数値を持玉数管理装置32で管理させようとして、会員カード2を挿入し、S56でYES→S66でNO→S04から進んだS12でYES→S14と進んで、図7のD12’が表示されたが、S16で暗証番号を入力せずに、S17でカード返却操作が有ると、本人認証が行われていないため、図5のS85に示す管理持玉数更新処理(計数値特定処理)が行われず、そのまま会員カード2を返却してしまうと、計数値が制御部22のRAMで記憶されたまま残ってしまうので、会員遊技者が損をしてしまう。そこで本発明では、このような場合に、S71でYES→S72でNO→S73でYESと進んで、会員カード2の返却操作の不能動化(S74),及び暗証番号の入力を促す旨の報知(S75)が行われるので、会員遊技者が損をしてしまうことがない。
【0109】
ここでS74の処理を行う制御部22は、カードR/W23により会員カード2を受け付けており、テンキー24bにより受け付ける暗証番号により本人であると認証されておらず(即ちテンキー24bにより暗証番号の入力を受け付けておらず)、かつ各台計数機19による計数値が存在する(即ち制御部22のRAMで計数値を記憶している)ことを条件として、前記受け付けている会員カード2の返却操作を不能動化する返却不能動化手段として機能するものである。これによれば、会員カード2を受け付けており、本人であると認証されておらず、かつ計数値が存在することを条件として、前記受け付けている会員カード2の返却操作が不能動化されることにより、会員遊技者が計数値特定処理が行われていないことに気付かずに会員カード2を持ち去ってしまうことを防止できるので、該会員遊技者が損をしてしまうことがなくなる。
【0110】
またS75の処理でD13’の画面を表示するディスプレイ24は、前記返却不能動化手段(制御部22)による返却操作の不能動化が行われることを条件として、テンキー24bによる暗証番号の受付を促す旨を報知する認証情報受付報知手段として機能するものである。これによれば、返却操作の不能動化が行われることを条件として、認証情報の受付を促す旨が報知されることにより、会員遊技者に対して計数値特定処理を行うために本人認証が必要であることを認識させることができるので、該会員遊技者が損をしてしまうことがなくなる。
【0111】
ここで前記特許文献2に示すシステムのように、遊技場内の所定箇所に設けられる計数機において計数値特定処理を行う場合には、会員カード2の挿入を受け付けると共に、暗証番号を入力するので、暗証番号を入力し忘れたために計数値特定処理が行われなかったという問題は、通常は生じない。
【0112】
これに対し、本発明のように、遊技機に対応して設けられるカードユニット20と各台計数機19においては、カードユニット20に会員カード2を挿入しても暗証番号を入力しないと、玉貸処理,貯玉再プレイ処理,及び持玉返却処理を行うことができないため、遊技のためには暗証番号の入力が必要であると認識することができるが、計数値特定処理を行うために暗証番号の入力が必要であると認識していないと、前述の如く、制御部22のRAMで残額及び持玉数を記憶していないが計数値を記憶しており、ビジタカード3を受け付けている状態で、計数値特定処理を行うために会員カード2を挿入しても、暗証番号を入力することなく、カード返却操作を行ってしまうことがある。
【0113】
これを解消するためには、カード返却操作のときに一律に暗証番号の入力を求めるようにすれば良いが、これだとカード挿入時に既に暗証番号を入力していてもカード返却時に再度暗証番号を入力しなければならないため、使い勝手が悪いという問題がある。そこで本発明では、既に本人認証が行われている場合には再度の暗証番号の入力無しで計数値特定処理が行われるようにして、使い勝手を良くする一方、本人認証が行われていない場合には会員カード2の返却操作を不能動化したり暗証番号の入力を促す旨を報知して、計数値特定処理においても本人認証が必要であることを認識させるようにしたのである。
【0114】
前記S75の処理を行ったカードユニット20は、テンキー24bによる暗証番号の入力を待機し(S76)、暗証番号の入力が有ると(YES)、前記図4に示すS18〜S23の処理を行い(S77)、S20で認証OK通知の受信が有ると(YES)、S81以下に進む。つまり、カードR/W23により会員カード2を受け付けており、かつテンキー24bにより受け付けた暗証番号により本人であると認証されたことを条件として、計数値特定処理が行われる。
【0115】
前記S71で会員カード2を受付中でない(NO)、即ちビジタカード3を受付中であると判定された場合には、カードR/W23でビジタカード3を受付中であるか否かを判定する(S79a)。このS79aでビジタカード3を受付中でない(NO)と判定された場合には、ビジタカードストッカ23bがストックしている複数枚のビジタカード3のうちの1枚をカードR/W23に搬送して受け付け(S79b)、該受け付けたビジタカード3に記録されているビジタカードIDを読み取り(S79c)、該読み取ったビジタカードIDを制御部22のRAMで記憶して、S81以下に進む。このS79aでNOと判定されるのは、前記D11が表示されているS00の状態で、S03でYESと判定されて、S46の処理が行われた後に、カード返却操作が有った場合である。一方、S79aでビジタカード3を受付中である(YES)と判定された場合にも、S81以下に進む。
【0116】
[2.第2実施形態に係る遊技用装置]
第2実施形態に係る遊技用装置は、図8に示すように、パチンコ機10に対応して設けられるカードユニット20,各台計数機19,及び中継装置50からなるものであり、該カードユニット20と中継装置50とが通信可能であると共に、該中継装置50と各台計数機19とが通信可能である一方、カードユニット20と各台計数機19とは通信不能なものである。この第2実施形態に係る遊技用装置を複数含む、第2実施形態に係る遊技用システム1は、各中継装置50と通信可能な残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32を遊技場内に備えるものであり、これら残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32は、第1実施形態と同様のものである。また第2実施形態に係る遊技用システム1では、会員カード2,ビジタカード3,及び端末装置5が使用され、これら会員カード2,ビジタカード3,及び端末装置5も、第1実施形態と同様のものである。この第2実施形態は、第1実施形態と比較して、主に以下の3点が相違する。以下、各相違点について説明した後に、遊技用装置の作用について説明する。
【0117】
まず第1の相違点として、残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32は、各中継装置50を介して各カードユニット20との通信を行う。従って、残額取得処理(図4のS26,S32)と、管理残額加算処理(S44,図5のS61)と、管理残額減算処理(S63)では、カードユニット20から中継装置50を介して残額管理装置30との間で通信を行う。また認証要求の送信(図4のS19)及び認証OK通知(S20)又は認証NG通知(S21)の受信と、管理貯玉数減算処理(図5のS64)では、カードユニット20から中継装置50を介して会員管理装置31との間で通信を行う。なお持玉数取得処理(図4のS27,S33)と、管理持玉数更新処理(図5のS85)でも、カードユニット20から中継装置50を介して持玉数管理装置32との間で通信を行うが、これについては図9を参照して後述する。
【0118】
次に第2の相違点として、遊技装置であるカードユニット20について説明する。カードユニット20は、中継装置50と通信可能であると共に記録媒体受付手段(カードR/W23),認証情報受付手段(テンキー),遊技使用処理手段(制御部22),返却不能動化手段(制御部22),及び認証情報受付報知手段(ディスプレイ24)を有するものであり、これら記録媒体受付手段,認証情報受付手段,遊技使用処理手段,返却不能動化手段,及び認証情報受付報知手段は、第1実施形態と同様のものである。
【0119】
このカードユニット20は、図8及び図3に示すように、第1実施形態と異なり、場内通信部21b,計数機通信部21c,及び端末装置通信部21dを備えていない一方で、中継装置通信部21eを備えている。この中継装置通信部21eは、後述する中継装置50のユニット通信部51aと通信可能に接続され、カードユニット20と中継装置50との間における通信を司るものである。また制御部22は、第1実施形態と異なり、計数値特定処理手段としては機能しない。また制御部22のRAMは、持玉返却処理に供するために計数値及び持玉数を記憶しているのではなく、単にディスプレイ24に表示するために計数値及び持玉数を記憶している。さらにレシートプリンタ25は第1の計数値出力手段の一例であって、中継装置50から計数値出力要求(レシート発行要求)を受信したことを条件として、中継装置50が記憶している計数値を特定可能に出力するものであり、ここではレシート発行要求に含まれるカードID,計数値,及び持玉数を記録した発行するレシート発行処理(図9(d)のS234)を行うものである。
【0120】
そして第3の相違点として、中継装置50について説明する。中継装置50は、各台計数機19と通信可能であり該各台計数機19による計数値を記憶すると共に計数値特定処理手段を有するものである。この中継装置50は、図8に示すように接続されるユニット通信部51a,場内通信部51b,計数機通信部51c,端末装置通信部51d,及び制御部52を備えるコンピュータである。
【0121】
ユニット通信部51aは、前述の如く、カードユニット20の中継装置通信部21eと通信可能に接続される。場内通信部51bは、残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32と通信可能に接続され、残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32と通信するための通信手段として機能するものである。計数機通信部51cは、前述の如く、対応するパチンコ機10の各台計数機19と通信可能に接続され、パチンコ玉の計数が行われた各台計数機19から、該パチンコ玉の計数値を示す計数値情報を受信するものである。端末装置通信部51dは第2の計数値出力手段の一例であって、後述する遊技装置通信可否検知手段(制御部52)によりカードユニット20と通信できない通信不可能状態(オフライン状態)を検知していることを条件として、記憶している計数値を特定可能に出力するものであり、ここでは遊技場の店員が所持する端末装置5と無線通信可能であり、該端末装置5に対して、後述する制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を送信する計数値送信処理(図9(e)のS242)を行うものである。
【0122】
制御部52は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMあるいはEEPROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、中継装置50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0123】
ここでRAMは、カードR/W23により受け付けたカード(会員カード2又はビジタカード3)から読み取ったカードID(会員カードID又はビジタカードID)を含む持玉数取得要求をカードユニット20から受信すると(図9(aのS201)、該持玉数取得要求に含まれるカードIDを記憶する(S202)。またRAMは、該記憶したカードIDに対応付けて管理されている持玉数を含む持玉数情報を持玉数管理装置32から受信すると(S204)、該持玉数情報に含まれる持玉数を記憶する。さらにRAMは、計数値を示す計数値情報を各台計数機19から受信すると(図9(b)のS212)、該計数値情報が示す計数値を記憶する。
【0124】
この制御部52は管理装置通信可否検知手段の一例であって、持玉数管理装置32と通信できる通信可能状態(オンライン状態)であるか通信できない通信不可能状態(オフライン状態)であるかを検知するものである。具体的には、持玉数管理装置32から中継装置50に対して定期的(例えば10秒ごと)に送信されてくる通信確認要求に基づいて、該通信確認要求の受信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ち持玉数管理装置32と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認要求の受信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ち持玉数管理装置32と通信できない通信不可能状態)であると判定する。
【0125】
また制御部52は遊技装置通信可否検知手段の一例であって、遊技装置であるカードユニット20と通信できる通信可能状態(オンライン状態)であるか通信できない通信不可能状態(オフライン状態)であるかを検知するものである。具体的には、カードユニット20から中継装置50に対して定期的(例えば10秒ごと)に送信されてくる通信確認要求に基づいて、該通信確認要求の受信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ちカードユニット20と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認要求の受信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ちカードユニット20と通信できない通信不可能状態)であると判定する。
【0126】
また制御部52は計数値特定処理手段の一例であって、各台計数機19により計数されたパチンコ玉の計数値を、カードR/W23により受け付けた会員カード2の記録情報(会員カードID)から特定可能とする計数値特定処理を行うものであり、またカードR/W23により会員カード2を受け付けていないことを条件として、各台計数機19により計数されたパチンコ玉の計数値を、カードR/W23により受け付けた(カード挿入口23aから挿入された,又はビジタカードストッカ23bから搬送された)ビジタカード3の記録情報(ビジタカードID)から特定可能とする計数値特定処理を行うものである。
【0127】
具体的には、各台計数機19から計数値情報を受信したことに基づき(図9(b)のS212)、該計数値情報が示す計数値をカードR/W23により受け付けているカードのカードIDと共に制御部52のRAMで記憶している計数値に加算する処理(S213)を、計数値特定処理として行う。カード返却ボタン16が操作されたカードユニット20から持玉数更新要求を受信したことに基づき(図9(d)のS231)、管理装置通信可否検知手段により持玉数管理装置32とオンライン状態を検知していることを条件として、制御部52のRAMで記憶しているカードID(即ちカードR/W23により受け付けてたカードのカードID)と計数値+持玉数とを含む持玉数更新要求を持玉数管理装置32に対して送信する処理(S235)を、計数値特定処理として行う。
【0128】
さらに制御部52は、管理装置通信可否検知手段により持玉数管理装置32とオフライン状態を検知していることを条件として、記憶している計数値を出力するための計数値出力要求(レシート発行要求)をユニット通信部51aからカードユニット20に対して送信する処理を行うものであり、ここでは制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を含むレシート発行要求を送信する(図9(d)のS233)。
【0129】
この第2実施形態で、カードユニット20は、制御部22が前記図4〜図6で説明したのと略同様の処理を行い、ディスプレイ24が前記図7で説明したのと同様の画面を表示するが、上述した相違点があることにより、図9に示す各処理において、第1実施形態と異なる。
【0130】
まず図9(a)に示すように、前記図4のS27,S33に示す持玉数取得処理において、カードユニット20は、制御部22のRAMで記憶しているカードID(即ちカードR/W23で受け付けているカードのカードID)を含む持玉数取得要求を、中継装置50に対して送信し(S201)、該中継装置50は、受信した持玉数取得要求に含まれるカードIDを制御部52のRAMで記憶して(S202)、該カードIDを含む持玉数取得要求を、持玉数管理装置32に対して送信し(S203)、該持玉数管理装置32は、受信した持玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を、中継装置50に対して送信し(S204)、該中継装置50は、受信した持玉数情報に含まれる持玉数を制御部52のRAMで記憶して(S205)、該持玉数を含む持玉数情報を、カードユニット20に対して送信し(S206)、該カードユニット20は、受信した持玉数情報に含まれる持玉数をディスプレイ24への表示用として制御部22のRAMで記憶する(S207)。
【0131】
また図9(b)に示す記憶計数値加算処理として、各台計数機19は、パチンコ玉の計数を行うと(S211)、該計数値を示す計数値情報を、中継装置50に対して送信し(S212)、該中継装置50は、受信した計数値情報が示す計数値を制御部52のRAMで記憶している計数値に加算して(S213)、該計数値を示す計数値情報を、カードユニット20に対して送信し(S214)、該カードユニット20は、図4のS46に進むか、あるいは図5のS62に進んで、受信した計数値情報が示す計数値をディスプレイ24への表示用として制御部52のRAMで記憶している計数値に加算する。
【0132】
また図9(c)に示すように、前記図5のS65に示す記憶計数値・持玉数減算処理として、カードユニット20は、前記第1返却個数及び前記第2返却個数(S106に示す第2の遊技使用処理が行われなかった場合には零)を含む計数値・持玉数減算要求を、中継装置50に対して送信し(S221)、該中継装置50は、制御部52のRAMで記憶している計数値及び持玉数から、受信した計数値・持玉数減算要求に含まれる第1返却個数及び第2返却個数を減算して(S222)、該減算後の計数値及び持玉数を含む計数値・持玉数減算完了通知を、カードユニット20に対して送信し(S223)、該カードユニット20は、ディスプレイ24への表示用として制御部52のRAMで記憶している計数値及び持玉数を、受信した計数値情報が示す計数値及び持玉数に更新する(S224)。
【0133】
また図9(d)に示すように、前記図5のS85に示す管理持玉数更新処理として、カードユニット20は、持玉数更新要求を、中継装置50に対して送信し(S231)、該中継装置50は、持玉数管理装置32とオンライン状態であるか否かを判定する(S232)。このS232で持玉数管理装置32とオンライン状態でない(NO)、即ちオフライン状態であると判定された場合には、中継装置50は、制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を含むレシート発行要求を、カードユニット20に対して送信し(S233)、該カードユニット20は、第1の計数値出力手段として機能するレシートプリンタ25により、受信したレシート発行要求に含まれるカードID,計数値,及び持玉数を記録したレシート4を発行する(S234)。これによれば、中継装置50と持玉数管理装置32とが通信できないオフライン状態になった場合であっても、中継装置50が記憶しているカードID,計数値,及び持玉数がカードユニット20で出力されることにより、該出力された計数値及び持玉数に基づいて、カードIDに対応付けて管理されている計数値及び持玉数を加算したり、パチンコ玉の補償を行ったりすることができるので、遊技者の不便を軽減することができる。
【0134】
一方、S232で持玉数管理装置32とオンライン状態である(YES)と判定された場合には、制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を含む持玉数更新要求を、持玉数管理装置32に対して送信し(S235)、該持玉数管理装置32は、受信した持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している管理持玉数を、受信した持玉数更新要求に含まれる計数値+持玉数に更新して(S236)、持玉数更新完了通知を、中継装置50に対して送信し(S237)、該中継装置50は、制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を消去して(S238)、持玉数更新完了通知を、カードユニット20に対して送信する(S239)。
【0135】
さらに図9(e)に示すユニットオフライン検知処理として、中継装置50は、カードユニット20とのオフライン状態を検知すると(S241)、第2の計数値出力手段として機能する端末装置通信部51dにより、制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を、遊技場の店員が所持している端末装置5に対して送信する(S242)。このカードID,計数値,及び持玉数を受信した端末装置5では、これらが表示される。これによれば、中継装置50とカードユニット20とが通信できないオフライン状態になった場合であっても、中継装置50が記憶しているカードID,計数値,及び持玉数が出力(ここでは端末装置5で表示)されることにより、該出力された計数値及び持玉数に基づいて、カードIDに対応付けて管理されている計数値及び持玉数を加算したり、パチンコ玉の補償を行ったりすることができるので、遊技者の不便を軽減することができる。
【0136】
なお第2実施形態では、中継装置50が、オンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知し、オフライン状態であれば、図9(d)に示すS233の処理や図9(e)に示すS242の処理を行うので、カードユニット20は、図5に示すS81〜S84の処理を行わない。
【0137】
[3.本発明の変形例]
次に、本発明の変形例について説明する。
【0138】
上記の実施形態では、図1に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体としてパチンコ玉を使用するスロットマシンであるパロット(登録商標),遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。また有価価値の大きさ(残額,貯玉数,持玉数,計数値)を遊技に使用可能とする遊技使用処理は、パチンコ玉を貸与・返却する処理には限らず、メダルを貸与・返却する処理や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいて有価価値の大きさを遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用可能とする処理等でも良い。さらに遊技媒体の計数は、パチンコ玉の計数には限らず、メダルの計数や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおける遊技媒体である得点の集計であっても良い。
【0139】
上記の実施形態では、玉貸処理が行われた場合に、カードユニット20とCR式のパチンコ機10との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて、該パチンコ機10に設けられた玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて貸与される例について説明したが、これに限らず、カードユニット20に設けられた玉払出装置27からパチンコ玉が払い出されて貸与されるようにしても良い。逆に貯玉再プレイ処理や持玉返却処理が行われた場合に、パチンコ機10に設けられた玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されるようにしても良く、これによればカードユニット20に玉払出装置27を設ける必要が無くなる。
【0140】
上記の実施形態では、図1及び図2に示すように、残額が残額管理装置30で、貯玉数が会員管理装置31で、持玉数が持玉数管理装置32で、それぞれ記憶されており、カード(会員カード2,ビジタカード3)では記録されていない例について説明したが、これら残額,貯玉数,持玉数は、各管理装置とカードの両方に記憶・記録されているようにしても良く、またカードのみに記録されているようにしても良い。
【0141】
上記の実施形態では、図1及び図8に示すように、遊技用システム1において、残額管理装置30,会員管理装置31,及び持玉数管理装置32の3つの管理装置が設けられている例について説明したが、これに限らず、遊技用システム1において、これら3つの管理装置の機能を併せ持つ1つの管理装置が設けられるようにしても良い。
【0142】
上記の実施形態では、認証情報が暗証番号であり、認証情報受付手段がテンキー24bである例について説明したが、これに限らず、該認証情報は、生体情報(例えば指紋,虹彩,静脈パターン等)であっても良く、認証情報受付手段は、該生体情報を赤外線,BLUETOOH(登録商標),又はFelica(登録商標)等の非接触通信により受け付けるものであっても良い。
【0143】
上記の実施形態では、認証情報(暗証番号)による本人認証が、会員管理装置31で行われる例について説明したが、これに限らず、該本人認証が、遊技用装置(カードユニット20)で行われるようにしても良く、この場合には、カードR/W23で会員カード2を受け付けると、該受け付けた会員カード2の会員カードIDに対応付けて会員管理装置31で管理されている暗証番号を取得して、テンキー24bにより入力された暗証番号と照合するようにすれば良い。
【0144】
上記の実施形態では、図1及び図3に示すように、会員用記録媒体(会員カード2)及びビジタ用記録媒体(ビジタカード3)が、カード型である例について説明したが、これに限らず、これら記録媒体は、コイン型であっても良く、また赤外線,BLUETOOH(登録商標),又はFelica(登録商標)等の非接触通信により情報をやり取りする機能を備える携帯電話であっても良い。また記録媒体の記録領域は、ICチップではなく、磁気ストライプ等であっても良い。
【0145】
上記の実施形態では、図3に示すように、カードユニット20で、貨幣として紙幣を使用可能である例について説明したが、これに限らず、貨幣として硬貨を使用可能としても良い。また貨幣は、紙幣や硬貨のような実物以外にも、クレジットカードにより使用可能な与信金額,デビットカードにより使用される預金残高等であっても良い。
【0146】
上記の実施形態では、図3に示すように、カードユニット20の前面から突出する突出部20aが設けられ、該突出部20aにディスプレイ24,暗証入力ランプ24a,及びテンキー24bが設けられる例について説明したが、これに限らず、突出部20aを設けずに、カードユニット20の前面に暗証入力ランプ,テンキー,貯玉数表示器,貯玉再プレイボタン,持玉数表示器,計数値表示器,及び持玉返却ボタンを設けるようにしても良い。
【0147】
上記の実施形態では、図5に示すように、会員カード2を受付中であるか否か(S71),認証フラグが1であるか否か(S72),及び計数値の記憶が有るか否か(S73)の判定を行って、会員カード2を受付中であり、認証フラグが0であり、かつ計数値の記憶が有るという3条件を満たすと判定された場合には、返却操作の不能動化(S74)と暗証番号の入力を促す旨の報知(S75)の両方の処理を行う例について説明したが、これに限らず、3条件を満たすと判定された場合に、返却操作の不能動化のみを行うものであっても良い。また3条件を満たすと判定された場合に、暗証番号の入力を促す旨の報知のみを行うものであっても良く、この場合における認証情報受付報知手段(ディスプレイ24)は、記録媒体受付手段(カードR/W23)により会員用記録媒体(会員カード2)を受け付けており、認証情報受付手段(テンキー24b)により受け付ける認証情報(暗証番号)により本人であると認証されておらず、かつ計数手段(各台計数機19)による計数値が存在することを条件として、認証情報受付手段による認証情報の受付を促す旨を報知するものである。これによれば、会員カード2を受け付けており、本人であると認証されておらず、かつ計数値が存在することを条件として、暗証番号の受付を促す旨が報知されることにより、会員遊技者に対して計数値特定処理を行うために本人認証が必要であることを認識させることができるので、該会員遊技者が損をしてしまうことがなくなる。
【0148】
上記の実施形態では、図5に示すように、カード返却操作(S57)が行われた後に、会員カード2を受付中であるか否か(S71),認証フラグが1であるか否か(S72),及び計数値の記憶が有るか否か(S73)の判定を行って、会員カード2を受付中であり、認証フラグが0であり、かつ計数値の記憶が有るという3条件を満たすと判定された場合に、返却操作の不能動化(S74)を行っているが、これに限らず、予めS71〜S73の判定を行って、前記3条件を満たすと判定された場合には不能動化フラグを立てておき、カード返却操作が行われたときには、該不能動化フラグが立てられているか否かを判定して、不能動化フラグが立てられていれば、返却操作の不能動化(S74),及び暗証番号の入力を促す旨の報知(S75)を行うようにしても良い。
【0149】
上記の実施形態では、図5に示すように、カード返却操作(S57)が行われた後に、会員カード2を受付中であるか否か(S71),認証フラグが1であるか否か(S72),及び計数値の記憶が有るか否か(S73)の判定を行って、会員カード2を受付中であり、認証フラグが0であり、かつ計数値の記憶が有るという3条件を満たすと判定された場合に、返却操作の不能動化(S74)を敢えて行っているが、これに限らず、該S74の処理を行わずに、S75に進むようにしても良い。この場合にも、S76で暗証番号が入力され、S77で引用するS20で認証OK通知の受信がなければ、S81以下に進むことが無く、S87で会員カード2が返却されることがないので、前記S74の処理を敢えて行わなくても、会員カード2の返却操作が不能動化されていることになる。
【0150】
上記の第1実施形態では、カードユニット20に設けられる計数値出力手段が、レシート発行処理を行うレシートプリンタ25,及び計数値送信処理を行う端末装置通信部21dである例について説明したが、該計数値出力手段は、いずれか一方のみであっても良い。また計数値出力手段は、制御部22のRAMで記憶している計数値を表示する手段(例えばディスプレイ24,又はその他の表示器)であっても良い。
【0151】
上記の第1実施形態では、図5のS83に示すように、計数値を特定可能に出力する処理が、該計数値を記録したレシートを発行する処理である例について説明したが、これに限らず、計数値を特定可能に出力する処理は、該計数値をビジタカードストッカ23bでストックしているビジタカード3に記録して排出する処理であっても良い。
【0152】
上記の実施形態では、図5のS85に示すように、計数値特定処理(管理持玉数更新処理)が、カードIDと計数値とを含む持玉数更新要求を持玉数管理装置32に対して送信する処理である例について説明したが、これに限らず、該計数値特定処理は、カードに計数値を記録する処理であっても良い。
【0153】
上記の実施形態では、図5のS85に示すように、カード返却操作の後に、管理持玉数更新処理が行われる例について説明したが、これに限らず、制御部22,52のRAMで記憶している持玉数が変動する毎(即ちS65の処理後)に、該管理持玉数更新処理が行われるようにしても良い。
【0154】
上記の実施形態では、図6に示すように、第1の所定値が125個であり、第2の所定値が25個である例について説明したが、これら第1の所定値と第2の所定値は、任意に設定可能であり、両者が同じ値であっても良い。
【0155】
上記の実施形態では、図6に示す持玉返却処理において、ビジタカード3の受付中には、第1の遊技使用処理(S103)に引き続いて、第2の所定値未満の計数値+持玉数のパチンコ玉を払い出す第2の遊技使用処理(S106)が行われる一方、会員カード2の受付中には、第1の遊技使用処理(S123)は行われるが、第2の遊技使用処理は行われない例について説明したが、これに限らず、会員カード2の受付中にも、第1の遊技使用処理に引き続いて第2の遊技使用処理が行われるようにしても良い。即ち遊技使用処理手段として機能する制御部22は、会員用記録媒体(会員カード2)の記録情報から特定される計数値(記憶計数値+記憶持玉数)が予め定められた第1の所定値以上であることを条件として、該第1の所定値を対応する遊技機(パチンコ機10)での遊技に使用可能とする第1の遊技使用処理を行う一方、該第1の遊技使用処理後における前記計数値が予め定められた第2の所定値未満であることを条件として、該第1の遊技使用処理に引き続いて当該計数値を対応する遊技機での遊技に使用可能とする第2の遊技使用処理を行うものであっても良い。
【0156】
上記の実施形態では、図7に示すように、持玉数と計数値とが別個に表示される例について説明したが、これに限らず、該持玉数と計数値の合算値が表示されるようにしても良い。
【0157】
上記の実施形態では、図7に示すように、暗証入力ランプ24aが点灯することにより、暗証番号の入力が促される例について説明したが、これに限らず、該暗証入力ランプ24aを設けずに、ディスプレイ24に暗証番号の入力を促す旨が表示されるようにしても良く、また音声により暗証番号の入力が促されるようにしても良い。
【0158】
上記の第2実施形態では、図8に示すように、カードユニット20(遊技装置)と中継装置50とが1対1で対応して設けられる例について説明したが、これに限らず、複数のカードユニット20に対して1の中継装置50が対応して設けられるものであっても良い。
【0159】
上記の第2実施形態では、カードユニット20(遊技装置)に設けられる第1の計数値出力手段が、レシート発行処理を行うレシートプリンタ25である例について説明したが、該第1の計数値出力手段は、中継装置50が制御部52のRAMで記憶している計数値を表示する手段(例えばディスプレイ24,又はその他の表示器)であっても良い。
【0160】
上記の第2実施形態では、中継装置50に設けられる第2の計数値出力手段が、計数値送信処理を行う端末装置通信部51dである例について説明したが、該第2の計数値出力手段は、制御部52のRAMで記憶している計数値を表示する手段であっても良い。
【0161】
上記の第2実施形態では、図9(d)に示すように、S233で、中継装置50が、制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数を含むレシート発行要求(計数値出力要求)をカードユニット20(遊技装置)に対して送信し、S234で、該カードユニット20が、受信したレシート発行要求に含まれるカードID,計数値,及び持玉数を記録したレシート4を発行する例について説明したが、これに限らず、中継装置50が、カードID,計数値,及び持玉数を含まないレシート発行要求をカードユニット20に対して送信し、該レシート発行要求を受信したカードユニット20が、ディスプレイ24への表示用として制御部22のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数(即ち中継装置50が制御部52のRAMで記憶しているカードID,計数値,及び持玉数と同一のもの)を記録したレシート4を発行するようにしても良い。つまり第1の計数値出力手段として機能するレシートプリンタ25は、計数値出力要求を受信したことを条件として、中継装置50が記憶している計数値を特定可能に出力するものであれば良い。
【0162】
上記の第2実施形態では、図9(d)のS234に示すように、計数値を特定可能に出力する処理が、該計数値を記録したレシートを発行する処理である例について説明したが、これに限らず、計数値を特定可能に出力する処理は、該計数値をビジタカードストッカ23bでストックしているビジタカード3に記録して排出する処理であっても良い。
【0163】
上記の第1実施形態では、カードユニット20と持玉数管理装置32とがオフライン状態である場合に、制御部22のRAMで記憶している計数値等が、遊技場の店員が所持する端末装置5で表示され、上記の第2実施形態では、カードユニット20と中継装置50とがオフライン状態である場合に、制御部52のRAMで記憶している計数値等が、遊技場の店員が所持する端末装置5で表示される例について説明したが、これに限らず、これらの場合において、計数値が、遊技場内の所定箇所に設けられる管理装置で表示されるようにしても良く、この場合における前記計数値送信処理は、計数値を当該管理装置に対して送信する処理になる。
【符号の説明】
【0164】
1…遊技用システム
2…会員カード
3…ビジタカード
4…レシート
5…端末装置
10…パチンコ機
19…各台計数機
20…カードユニット
21b…場内通信部
21d…端末装置通信部
22…制御部
23…カードR/W
24…(タッチパネル式の)ディスプレイ
24b…テンキー
25…レシートプリンタ
30…残額管理装置
31…会員管理装置
32…持玉数管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、
会員登録を行った会員遊技者に対して発行された会員用記録媒体を受け付ける記録媒体受付手段と、
該記録媒体受付手段により受け付けている前記会員用記録媒体の返却操作を受け付ける返却操作受付手段と、
前記遊技機での遊技により遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
少なくとも前記返却操作を受け付けた際に、前記記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けていることを条件として、該会員用記録媒体の記録情報から前記計数手段により計数された遊技媒体の計数値を特定可能とする会員用計数値特定処理を行う一方、前記記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けていないことを条件として、会員登録を行っていないビジタ遊技者に対して発行されるビジタ用記録媒体の記録情報から前記計数値を特定可能とするビジタ用計数値特定処理を行う計数値特定処理手段と、
を有する遊技用装置であって、
前記ビジタ用計数値特定処理は、前記計数値が所定値以上である場合に実行可能である一方、前記計数値が前記所定値未満である場合には実行不能であり、
前記会員用計数値特定処理は、前記計数値が前記所定値未満であるか否かにかかわらず実行可能であることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
請求項1に記載した遊技用装置であって、
前記記録媒体受付手段により受け付けた会員用記録媒体の所有者が該会員用記録媒体の発行を受けた本人であることを認証するための認証情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、
該認証情報受付手段により受け付けた認証情報により本人であると認証されたことを条件として、認証フラグを記憶する認証フラグ記憶手段と、をさらに有し、
前記会員用計数値特定処理は、前記認証フラグを記憶していることを条件として実行可能であり、
前記遊技用装置は、前記記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けており、前記認証フラグを記憶しておらず、かつ前記計数手段による計数値が存在することを条件として、前記認証情報受付手段による認証情報の受付を促す旨を報知する認証情報受付報知手段をさらに有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した遊技用装置であって、
遊技者から使用操作を受け付けたことに基づいて、前記ビジタ用記録媒体の記録情報から特定される計数値の範囲内の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第1のビジタ遊技使用処理を行い、該第1のビジタ遊技使用処理後における前記計数値が前記所定値未満であることを条件として、該第1のビジタ遊技使用処理に引き続いて当該計数値の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第2のビジタ遊技使用処理を行うビジタ遊技使用処理手段をさらに有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
遊技者から使用操作を受け付けたことに基づいて、前記会員用記録媒体の記録情報から特定される計数値の範囲内の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第1の会員遊技使用処理を行う会員遊技使用処理手段と、
該第1の会員遊技使用処理後における前記計数値が前記所定値未満であることを条件として、該第1の会員遊技使用処理に引き続いて当該計数値の遊技媒体を前記遊技機での遊技に使用可能とする第2の会員遊技使用処理を実行するか否かを設定する実行設定手段と、をさらに有し、
前記会員遊技使用処理手段は、前記実行設定手段により第2の会員遊技使用処理を実行すると設定されていることを条件として、該第2の会員遊技使用処理を実行することを特徴とする遊技用装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置と、
該遊技用装置と通信可能であり、前記会員用計数値特定処理に基づいて、前記計数値を当日のみ遊技及び景品交換に使用可能な獲得遊技媒体数として前記会員用記録媒体の記録情報に対応付けて管理する獲得遊技媒体数管理手段と、
を備えた遊技用システム。
【請求項6】
請求項5に記載した遊技用システムであって、
遊技者により貯蓄操作が行われたことに基づいて、前記獲得遊技媒体数を当該貯蓄操作が行われた当日及び翌日以降の遊技及び景品交換に使用可能な貯蓄遊技媒体数として前記会員用記録媒体の記録情報に対応付けて管理する貯蓄遊技媒体数管理手段をさらに備え、
前記獲得遊技媒体数管理手段は、当日の営業が終了すると、前記会員用記録媒体の記録情報に対応付けて管理している獲得遊技媒体数を前記貯蓄遊技媒体数管理手段が前記貯蓄遊技媒体数として管理するための処理を行うことを特徴とする遊技用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−81854(P2013−81854A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−25974(P2013−25974)
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2007−281805(P2007−281805)の分割
【原出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】