説明

遊技盤

【課題】遊技盤としての必要な機能を維持しつつ、従来のパチンコ機製造方法に大きな変更を必要としないで、リサイクルによる再生利用が可能となる遊技機用の遊技盤を提供することにある。
【解決手段】
本発明の遊技盤は、障害釘を打設する基板を発泡樹脂製とすると共に、前記発泡樹脂板は、発泡倍率が1.7〜2.5倍に発泡され、表層から中心まで同一組成のポリスチレン樹脂の単板であり、前記発泡樹脂板は、HIPS(High
Impact Poly Styrene)樹脂製の単板であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等遊技機の遊技盤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技機用の遊技盤について、従来のベニヤ合板が抱える森林資源と環境保護の両面の問題から脱却するために、低発泡合成樹脂を用いることが提案されている(特許文献1乃至6)。
特許文献1は、図3(a)に示す様に、発泡倍率1.5〜2.5倍で発泡させた発泡ポリスチレン製の板材51を芯材とし、0.5mm〜2.0mmの広葉樹単板52を、接着剤で貼り合わせたものをパチンコの遊技盤として用いることを提案している。
特許文献2は、発泡ポリエチレン樹脂製の平板を遊技盤とすることを提案している。
特許文献3は、図3(b)に示す様に、ポリスチレン製発泡層53を芯にして、その両面にポリエチレン製スキン層54を形成した板を用いて、発泡層53の両側のスキン層54、54に跨るように障害釘55を打ち込んで遊技盤とすることを提案している。
【0003】
特許文献4は、ABS樹脂に発泡剤を混練し、ガスカウンタープレッシャー法を用い、金型内のガス圧力を95kg/cm2に保ち、金型内にほぼ90%の樹脂を射出した段階で金型内のガスを脱気し、発泡させながら更に樹脂を100%まで射出することにより、図3(c)に示すように、2〜3mm幅の発泡部56をW部の厚み方向中央にのみ発生させ、表裏面を平滑とした遊技盤を提案している。
特許文献5の一案目には、ポリエチレン樹脂製の硬質押出シートと、ABS樹脂発泡押出しシート4枚を流れ方向が交差させた上で貼り合わせ、更にポリスチレン樹脂硬質押出シートを上下に貼り合わせたものを遊技盤とする提案が記載されている。
二案目および三案目は、一案目のポリエチレン樹脂製硬質シートをABS樹脂シートに代えて貼り合わせたものを遊技盤とする提案である。
四案目は、ABS発泡樹脂シートにABS樹脂硬質シートを上下に組み合わせた三層押出シートを遊技盤とする提案である。
【0004】
特許文献6には、紙質材付樹脂シートまたは樹脂シート単体からなる化粧シートを金型内に配置し、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂と相溶化材を含むアロイ化合成樹脂からなる材料を射出し、接着剤を用いることなく化粧シートと熱融着により化粧シートを貼り付ける遊技盤の製造方法が記載されている。基板(台板)が射出成形による発泡合成樹脂であることと、化粧シートを一体成形で貼り付けることを特徴としている。
【特許文献1】特開平5−168746号公報
【特許文献2】特開平8−243216号公報
【特許文献3】実用新案登録第2565443号公報
【特許文献4】特開平11−99244号公報
【特許文献5】特開2005−13589号公報
【特許文献6】特開平10−99488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のベニヤ板では、以下の問題がある。
第一に、天然木材を使用している為、森林資源および環境保護の両面に問題がある。
第二に、木材の特性上、湿度変化によりソリ等形状変化が発生しやすいという欠点がある。また、木材の特性上、木材の強度が不均質である。
第三に、ベニヤ板は障害釘保持強度を維持する為、板厚が厚くなり、また重量も重くなり、加工および製造時に多大な労力を必要とする。
そこで、前述した特許文献1乃至6は上記問題を解決しようとしたものであるが以下の課題がある。
【0006】
特許文献1の技術は、低発泡合成樹脂の両面または片面に熱可塑性樹脂接着剤/エポキシ樹脂/ホットメルト接着剤等を用いて木材単板を貼り合わせたものである為、剥離が困難であり、容易に再生プラスチックとしてリサイクルすることが難しいという面がある。
特許文献2には、発泡ポリエチレン樹脂製の平板を用いるとよいことが記載されているに過ぎず、その「用い方」および「構造」についての記載がない。また、発泡ポリエチレン樹脂製の平板を遊技盤に用いることから、遊技盤の表面に絵や文字等を印刷するために熱処理工程が必要になるという問題がある。
特許文献3に記載の発明においては、ポリエチレン製板材は印刷性が悪く、熱処理を行なう必要がある。従って、特許文献3の技術では、遊技盤の表面に絵や文字等を印刷するために熱処理工程が必要になるという問題がある。
【0007】
特許文献4の技術では金型が複雑になり、容易に製造できないという問題がある。
特許文献5の技術では、種類の異なる樹脂を貼りあわせていることから、再生利用が困難である。
特許文献6の技術では金型が複雑になり、容易に製造できないという問題がある。
そこで本発明は発泡樹脂板を用いることにより、遊技盤としての必要な機能を維持しつつ、従来のパチンコ機製造方法に大きな変更を必要としないで、リサイクルによる再生利用が可能な遊技機用の遊技盤を提供する。これにより、近年の問題である遊技機の廃棄処理問題にも大きく貢献できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、障害釘を打設する基板を発泡樹脂製とすると共に、さらに前記発泡樹脂板は、発泡倍率が1.7〜2.5倍に発泡され、表層から中心まで同一組成のポリスチレン樹脂の単板であり、前記発泡樹脂板は、HIPS(High
Impact Poly Styrene)樹脂製の単板であることを特徴とする遊技盤である。
上述した本発明に係わる遊技盤によれば、表層から中心までが同一組成である上に、直接印刷によって装飾が施されていることから、役物などの取付部品をはずし、障害釘を抜き取り、インキを脱墨処理し、破砕してペレット化することで、再び遊技盤材料として再利用が可能となる。従って、リサイクルが容易になり、環境問題、資源問題に大きく貢献できる。
【0009】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技盤において、前記発泡樹脂板は、表層に近いほど密度が高く、中心ほど密度が低い発泡樹脂単板であることを特徴とする
上述した本発明に係わる遊技盤によれば、発泡倍率を1.7乃至2.5倍の範囲で発泡し、且つ表層に近いほど密度が高く、中心ほど密度を低くした発泡樹脂である。
従って、表層の部分は十分な硬度を得ることができ、釘の保持力を保てると同時に、中心の部分は密度が低い構造のため、障害釘を容易に打ち込むことができ、遊技盤の両面に必要な特性を備える。
また、遊技盤の表層部は密度が高いので平滑性がある表面となる。
また、本発明の発泡構成により、障害釘を打ち込まれた時の衝撃を気泡部で吸収し、本発明の樹脂板の割れを防ぐことができる。
なお、障害釘はその先端が樹脂板の中心の部分を越えて裏面近くまで打ち込まれるようにするとさらによい。このようにすると、障害釘に対して作用する障害釘の軸を保持しようとする力が、釘先端で強く、中心の部分に近づくに従って徐々に弱くなった後、表面近くに近づくにつれて再び強くなり、(表面および裏面の)表層近くで最も強くなる。
このように、本発明では釘先端も十分な保持力を受けているので、釘師による障害釘の角度調整の際に、釘が緩んだり、あるいは障害釘が樹脂板から抜けてしまうといった問題が発生しない。
また、障害釘の中心の部分の保持力が弱くなっているので、障害釘の軸方向に障害釘を抜くときの摩擦抵抗はそれ程大きくならず、リサイクル時に障害釘の樹脂板からの抜き取りを円滑に実施することができるという利点を有する。
【0010】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の遊技盤において、前記発泡樹脂板は、押出成形品であることを特徴とする。
上述した本発明に係わる遊技盤によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、遊技盤を押出成形で形成することにより、発泡体でありながら表面を滑らかな単板へと容易に仕上げることができ、直接印刷をするのに適した遊技盤とすることができる。
【0011】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の遊技盤において、前記発泡樹脂板は、HIPSのみの単板であり、リサイクルが容易であることを特徴とする。
上述した本発明に係わる遊技盤によれば、樹脂の特性上、ベニヤ板に比較して吸水率が非常に低く、湿度によるソリ等の形状変化が起こりにくいという利点がある。従って、ベニヤ板のように合板構造にする必要がないので、作業工程を簡素化することができる。
また、本発明に係わる遊技盤はHIPSのみの単板であるので、ベニヤ合板等の木材に比べて均質な構成とすることができる。
また、ベニヤ合板等の木材に比べて、板厚を薄くすることができるので、遊技盤を軽量化することができる。
また、パチンコ機等の遊技機の裏側に従来のベニヤ合板と比較して自由に使用できる空間ができるので、機構設計上、従来に比べて有利になる。
さらに、本発明に係わる遊技盤はHIPSのみの単板である発泡樹脂板から構成されているので、従来のベニヤ合板と同様に、木工用ルータ加工機での加工、および釘打ち機での釘打ちが可能であり、従来からの製造方法および製造設備に大きな変更を必要としない利点がある。
【発明の効果】
【0012】
以上述べたように、本発明によれば、遊技盤の表層の部分は十分な硬度を得ることができ、釘の保持力を保てると同時に、その中心部分は密度が低い構造である為、障害釘を容易に打ち込むことができ、また遊技盤両面の必要な特性を備えている。
また、表層部は密度が高いことにより、平滑性がある表面となる。
さらに、発泡構成により、障害釘が打ち込まれた時の衝撃を気泡部で吸収し、遊技盤(発泡樹脂板)が割れることを防ぐことができる。
さらに、樹脂の特性上、吸水率が非常に低く、湿度によるソリ等形状変化が起こりにくく、またベニヤ板のような合板構造にする必要もない。
さらに、木材に比べて均質な構造となり、ベニヤ合板に比べて板厚を薄くできる為、軽量にすることができる。また、板厚を薄くできる為、パチンコ機等遊技機の裏側に従来と比べてスペースが確保できるので、機構設計上、有利になる。
また、この発泡樹脂板は従来のベニヤ合板と同様、木工用ルータ加工機での加工、および釘打ち機での釘打ちが可能であり、従来の製造方法および製造設備に大きな変更を必要としない。
さらに、本発明の発泡樹脂板は、HIPSの単一素材であり、単板構造のため、リサイクルが容易となり、環境問題、資源問題に大きく貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本願に最適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
ここで実施形態は、パチンコ機の遊技盤(発泡樹脂板)について説明する。
またこの遊技盤は、遊技盤基板に対して各種部品を取り付けることにより製造され、障害釘は、釘打ち機によって遊技盤基板に対して直に打ち込まれる。さらに役物等やコーナー飾りは、この遊技盤基板に対してネジ止め固定されている。以下遊技盤と遊技盤基板とは、同義語として使用する。
【0014】
本実施形態では、遊技盤基板としてHIPS樹脂製の単板を使用している。このHIPS樹脂製の単板は図1に示すように、HIPS原料に発泡剤を混入し、攪拌後成形過程で発泡させ、単層押出成形によって厚さをおおよそ10mmの単板にしたものである。その成形条件によっては、単板の厚さをおおよそ2mmから15mmの範囲までにすることができる。本実施形態においては、パチンコ機メーカの樹脂製遊技盤の業界標準厚寸法が、ほぼ10mmであることからこれに準じる厚さについて説明したものである。
【0015】
本実施形態においては、HIPS樹脂を発泡倍率1.7倍から2.5倍の間で発泡したものを使用している。本実施形態で採用したHIPS樹脂製単板は、いずれの発泡倍率においても板厚をおおよそ10mmとした単層押出し成形物を採用することで、樹脂組成が表面および裏面の表層から中心まで同一組成となっている。さらにこのHIPS樹脂製単板は、その内部における気泡の分布を中心の部分に集中させることにより、図1に示すように中心ほど密度が低く、表層に近づくほど密度が高く形成されたものとなっている。またHIPS樹脂製単板の内部の気泡直径が、中心の部分においてほぼ0.12〜0.15mm程度またはそれらよりやや大きい程度となるように製造されている。
【0016】
ここで発泡倍率が、2.0倍および2.5倍におけるHIPS樹脂製単板の物性値を下記の表1に示す。
【0017】
【表1】

【0018】
こうして製造したHIPS樹脂製単板1を、ベニヤ合板と同様に、従来から用いられている遊技盤基板の形状に加工し、釘打ち機で障害釘を打つ。
このとき障害釘は図2に示すように、その先端が遊技盤基板(HIPS樹脂製単板1)の表面1aから遊技盤基板(HIPS樹脂製単板1)の中心1cの部分を越えて遊技盤基板(HIPS樹脂製単板1)の裏面1b近くまで打ち込まれる。このような状態で障害釘を打ち込むことで、障害釘に対する保持力は、遊技盤基板の裏面1b近くの障害釘先端部分で強く、遊技盤基板の中心1cの部分に向かうに従って徐々に障害釘に対する保持力が弱くなり、その後に、再び遊技盤基板の中心1cの部分から遊技盤基板の表面1aに向かうに連れて障害釘に対する保持力が徐々に強くなり、遊技盤基板の裏面および表面の表層近辺で最も障害釘に対する保持力が強くなる。
【0019】
こうして障害釘2は、遊技盤基板(HIPS樹脂製単板1)の内に打ち込まれた状態において、遊技盤基板の表面および裏面の表層近辺で強く保持された状態となる。従って、障害釘の軸を保持しようとする保持力は、遊技盤基板の表面近辺および裏面近辺で大きく作用することになる。その結果、釘師による障害釘2の角度調整の際に障害釘が緩んでしまったり、また抜けてしまうというような問題は発生しない。
また、前述したように中心の部分の保持力は弱くなっているので、障害釘2の軸方向に障害釘を抜くときの抵抗はそれ程大きくならない。そのため、パチンコ機の遊技盤をリサイクルする場合に障害釘2の抜き取りを効率よく円滑に実施することができる。
【0020】
さらに、本実施形態の遊技盤基板は表面および裏面の表層から中心まで同一組成であるが、図1に示されるように気泡の分布を中心の部分に集中させるように成形されている。また、発泡率を1.7倍乃至2.5倍に発泡させていても、表層の気泡は中心の部分に比べて相対的に少なくなっているので、非発泡状態で押出成形したHIPS樹脂製単板と比べて、表面または裏面の祖度は10%前後程度しか大きくなっていない。このため、発泡率が1.7倍乃至2.5倍になっている低発泡HIPS樹脂製単板であっても表面密度が高く滑らかな表面および裏面となる。
【0021】
また、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板は、従来から使用されていたベニヤ板の合板構造の切削加工に用いられている木工機械をそのまま用いることが可能である。そのために、従来から使用されていたベニヤ合板の遊技盤に対する手法と同じ手法および装置を用いて、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板を加工することが可能になる。従って、木工機械に対する新たな設備投資をすることなく、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板を遊技盤基板として使用することが可能である。
【0022】
ついで、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板は、上記の表1に記載された数値から明らかなように耐衝撃性、耐熱性に優れているので、遊技球の衝突および擦過に対して損傷を受けにくいという特徴がある。そのため、遊技球の衝突および擦過を受ける遊技盤に要求される耐衝撃性の基準を十分に満たしている。
また、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板は、表1から明らかなように吸水による反りを非常に生じにくいので、従来用いられていたベニヤ板のように合板構造とする必要がない。
従来から用いられているベニヤ合板の遊技盤基板では、その板厚を18.5〜19.0mmとしていたが、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板においては、その板厚をおおよそ10mm前後とすることができ、遊技盤基板の板厚を大幅に薄くすることができる。その結果、遊技機の厚み方向に占める遊技盤基板の板厚を、従来のベニヤ合板製の遊技盤基板よりおおよそ8.5〜9.0mm薄くできるので、遊技機の設計の自由度が向上した。
【0023】
つぎに、本実施形態で採用する低発泡HIPS樹脂製単板においては、従来提案されているABS樹脂製単板における気泡の直径(約0.12mm〜0.15mm)よりやや大きくすることができる(成形条件により気泡の直径を制御することが可能である)ので、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板は、従来のABS樹脂製単板よりも剛性が大きくなり、そのため一層強度の強い遊技盤基板を提供することが可能となった。
また、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板における発泡率を1.7乃至2.5倍にした場合には、表層近くにはほとんど気泡をなくすことができるので、障害釘の保持力を良好に保つことが可能となる。また、障害釘の保持力が低発泡HIPS樹脂製単板の中心部分で弱くなっているので、リサイクルを行なう場合の障害釘の抜き取りは容易である。
【0024】
さらに、樹脂製単板にて製造されている従来の透明ポリスチレンン樹脂製の遊技盤と、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板を用いた遊技盤とを比較した結果、実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板を用いた遊技盤の方が、光沢性が良好であり、遊技盤に取り付けられる部品の接着性が良好であり、さらに遊技盤が割れにくいという優れた効果を有していることが確認された。
加えてリサイクルにおける障害釘の抜き取り易さも、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板を用いた遊技盤の方が、樹脂製単板にて製造されている従来の透明ポリスチレンン樹脂製の遊技盤よりも優れていることが確認された。このことより、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板は、リサイクル性が高いということが判明した。
【0025】
以上述べてきたように、本実施形態の低発泡HIPS樹脂製単板を用いた遊技盤は、遊技盤として供えるべき機能を十分に備え、製造方法も容易であり、さらにはリサイクルとしての再生利用も可能であるという特徴を有している。このことより、遊技機の産業廃棄処理問題に対して大きな効果を発揮することができ、また遊技盤の薄型化を図ることができるだけでなく、遊技機の設計の自由度が増すという効果も発揮できるという特徴がある。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、遊技機の製造を行う業界、特にパチンコ遊技機などの遊技盤を製造する分野で利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態における低発泡HIPS樹脂製単板の製造方法を示す模式図である。
【図2】本実施形態におけるパチンコ機の遊技盤基板に対する障害釘の打ち込み状態を示す縦断面図である。
【図3】従来技術を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1…HIPS樹脂製単板
1a…HIPS樹脂製単板の表面
1b…HIPS樹脂製単板の裏面
1c…HIPS樹脂製単板の中心
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g…障害釘


【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害釘を打設する基板を発泡樹脂製とすると共に、さらに以下の構成をも備えることを特徴とする遊技盤。
前記発泡樹脂板は、発泡倍率が1.7〜2.5倍に発泡され、表層から中心まで同一組成のポリスチレン樹脂の単板であること。
前記発泡樹脂板は、HIPS(High
Impact Poly Styrene)樹脂製の単板であること。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技盤において、
前記発泡樹脂板は、表層に近いほど密度が高く、中心ほど密度が低い発泡樹脂単板であることを特徴とする遊技盤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技盤において、
前記発泡樹脂板は、押出成形品であることを特徴とする遊技盤。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の遊技盤において、
前記発泡樹脂板は、HIPSのみの単板であり、リサイクルが容易であることを特徴とする遊技盤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−148962(P2008−148962A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340653(P2006−340653)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(591112658)ユニオン電子工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】