説明

遊技管理方法および遊技管理システム

【課題】プリペイド用の媒体を発行することなく、一般遊技者(非会員)が遊技媒体を借り受けて遊技を行うことのできる遊技管理システムを提案すること。
【解決手段】遊技管理システム1では、予め会員登録した遊技者は会員ICカード11を用いて遊技媒体を借り受けてプレイできる(ST1、31、8〜12)。一般遊技者は、台間機3において顔画像とチケット12の二次元コードをカメラ25で読み取って貰い、二次元コードに担持されているパスワードによる認証が得られると、顔画像が遊技者IDとして、入金される遊技代金と共に、遊技者IDデータベース72に登録される(ST3〜6)。登録後、一般遊技者は、当日限りではあるが別の台間機3において顔画像と二次元コードを読み取って貰い、顔認証とパスワード認証を受けて、当該台間機3で遊技媒体を借り受けて隣接の遊技台2でプレイができる(ST2、21、22、8〜12)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会員カードを用いて遊技媒体の貸し出しを行わせる会員システムを採用している遊技店において、会員登録していない一般遊技者(非会員)が、ICカード、ICコインなどの媒体の貸し出しを受けることなく各遊技台でプレイすることのできる遊技管理方法および遊技管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技店では、遊技者に会員登録してもらい、会員IDが記録されたICカードなどからなる会員カードを発行し、会員カードを用いて遊技媒体の貸し出し処理を行う会員カードシステムが採用されている。会員が遊技台でプレイする場合には、隣接配置されている台間機に会員カードを挿入することによって当該台間機から遊技媒体を借り受けることができる。このような会員カードシステムは特許文献1に開示されている。
【0003】
ここで、会員カードシステムを採用している遊技店においては、会員となっていない一般遊技者(非会員)が遊技媒体を借り受けて遊技台で遊技を行うことができるように、ICコインを非会員に発行するプリペイドシステムが採用されている。すなわち、遊技店にICコイン発行機を配置し、遊技者が金銭を投入すると、投入金額が記憶保持されたICコインが遊技者に発行される。
【0004】
また、台間機にも、ICコインのリーダライタおよびICコインのストッカが内蔵され、ICコインの発行機能が備わっている。ICコインを受け取った遊技者は、会員カードと同様に、ICコインを台間機に投入して、遊技媒体を借り受けることができる。別の遊技台に移動する場合には、台間機からICコインを排出させ、これを移動先の遊技台の台間機に投入すればよい。このようなプリペイド用の媒体を用いれば、各台間機において現金の精算処理を行うことなくプレイすることができる。
【特許文献1】特開2002−166035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
会員カードシステムと共に一般遊技者(非会員)用にICコインなどを発行するプリペイドシステムを採用している場合には、各台間機にICコインなどの媒体のストッカを配置しておく必要があり、その分、台間機の寸法およびコストが増加してしまう。また、台間機にストックされている媒体が無くなった場合には、当該台間機から媒体を発行してもらえなくなり、一般遊技者にとっては不便になる。さらに、ICコインなどの媒体は磁気カードなどに比べて偽造しずらいのでセキュリティは高いものの、高価であるという問題点がある。特に、遊技店などにおいては一般遊技者がそのまま媒体を持ち帰ってしまう場合があり、コスト高につながっている。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、プリペイド用の媒体を発行することなく、一般遊技者(非会員)が遊技媒体を借り受けて遊技を行うことのできる遊技管理方法および遊技管理システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の遊技管理方法は、
遊技者の生体情報を台間機に読み取らせ、
読み取らせた生体情報を遊技者IDとして用いて、当該遊技者が入金した金額と共にデータベースに登録し、
当該遊技者が遊技媒体の貸し出しを受ける際には、当該遊技者の生体情報を台間機に読み取らせ、
読み取らせた生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた場合には、照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額の範囲内で当該遊技者に対して遊技媒体の貸し出しを行い、当該金額を、貸し出された遊技媒体に対応する金額が減算された値となるように更新し、
前記遊技者が精算機において残金の精算を行う際には、当該遊技者の生体情報を前記精算機によって読み取らせ、
読み取らせた生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額を前記遊技者に払い戻し、
当該遊技者の遊技者IDを前記データベースから削除することを特徴としている。
【0008】
ここで、遊技者の登録動作を最初のプレイの終了後に行わせることもできる。この場合の本発明の遊技管理方法は、
遊技者が台間機に現金を投入すると、当該台間機から遊技媒体の貸し出しを行い、
投入金額が残っている時点で遊技を終了すると、前記台間機によって当該遊技者の生体情報を読み取らせ、
読み取らせた生体情報を遊技者IDとして用いて、当該遊技者の入金残高と共にデータベースに登録し、
当該遊技者が再度、遊技媒体の貸し出しを受ける際には、当該遊技者の生体情報を台間機に読み取らせ、
読み取らせた生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた場合には、照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額の範囲内で当該遊技者に対して遊技媒体の貸し出しを行い、当該金額を、貸し出された遊技媒体に対応する金額が減算された値に更新し、
前記遊技者が精算機において残金の精算を行う際には、当該遊技者の生体情報を前記精算機によって読み取らせ、
読み取った生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額を前記遊技者に払い戻し、
当該遊技者の遊技者IDを前記データベースから削除することを特徴としている。
【0009】
本発明においては、前記生体情報として遊技者の顔画像を採用することができ、この場合には、前記台間機および前記精算機に組み込まれたカメラを用いて遊技者の顔画像を取得して顔認証を行うようにすればよい。このように、各台間機にカメラを設置して遊技者の顔画像を取得して認証を行う場合には、犯罪者などの顔画像を登録しておくことにより、そのような人物を見つけることができる。また、カメラを設置しておくことにより、台間機周囲が常に監視されている状況下に置かれるので、不正行為の抑止効果も得られ防犯上の点でも有利である。
【0010】
また、本発明では、前記生体情報の取得時に、遊技者にパスワードを入力させ、入力された前記パスワードを前記遊技者IDに対応付けした形態で前記データベースに登録し、前記生体認証の際に、遊技者にパスワードを入力させてパスワード認証も同時に行い、双方の認証が取れた場合にのみ、遊技媒体の貸し出し、および、金額の精算を行うことを特徴としている。生体認証にパスワード認証を併用することにより、認証精度を上げることができる。
【0011】
さらに、顔認証を行う場合には、顔画像を読み込むためのカメラを利用して二次元コードの形態のパスワードを読み込むようにしてもよい。この場合には、遊技者に対して、パスワードが担持されている二次元コードが印刷されたチケットを発行し、発行されたパスワードを前記データベースに登録し、前記顔画像の取得時に、前記カメラによって前記パスワードを読み込み、読み込まれたパスワードを前記データベースに登録されているパスワードと照合し、照合が取れた場合には、前記データベースに、前記顔画像を前記パスワードに対応付けした形態で登録し、前記顔認証の際に、前記カメラによって前記二次元コードを読み込み、パスワードによる認証も行い、双方の認証が取れた場合にのみ、遊技媒体の貸し出し、および、金額の精算を行うようにすればよい。このようにすれば、顔認証の認証精度を低くしても、精度良く、しかも、確実に、非会員を識別できる。
【0012】
次に、本発明では、一定期間が経過する毎に、あるいは、一定時刻になる毎に、前記データベースの前記登録情報を削除して初期化することが望ましい。例えば、遊技者IDを一日限りのものとすれば、防犯上の点において有利である。また、遊技者の顔かたちが経時変化して認証精度が低下するなどの弊害も起きない。
【0013】
一方、本発明の遊技管理システムは、
遊技者の生体情報を遊技者IDとして登録する遊技者IDデータベースと、
前記遊技者IDを遊技料金の残高と対応付けした形態で登録する管理データベースと、
隣接配置されている各遊技台で遊技するために必要な遊技媒体の貸し出し処理を行う台間機と、
遊技者が入金残高の払い戻しを受けるための少なくとも一台の精算機と、
管理サーバとを有し、
前記台間機は、遊技者の生体情報を読み取るための生体情報読み取り手段と、入金処理手段と、遊技媒体の貸し出し処理手段とを備えており、
前記精算機は、遊技者の生体情報を読み取るための生体情報読み取り手段を備えており、
前記管理サーバは、各台間機の各生体情報読み取り手段によって読み取られた遊技者の生体情報を、遊技者IDとして前記遊技者IDデータベースに新規登録する登録機能と、各台間機および前記精算機の各生体情報読み取り手段で読み取られた遊技者の生体情報を前記遊技者IDデータベースに登録されている遊技者IDに照合する生体認証機能と、前記管理データベースの各遊技者の各残高を更新すると共に、前記精算機で残高の払い戻しが行われた遊技者IDを前記遊技者IDデータベースから削除する更新機能とを備えており、
前記台間機は、遊技者の生体情報を読み込むと、前記管理サーバの管理下で、当該生体情報を遊技者IDとして用いて遊技媒体の貸し出し処理を行うことを特徴としている。
【0014】
ここで、前記生体情報読み取り手段は遊技者の顔画像を読み込むためのカメラであることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の遊技管理システムは、パスワードが担持された二次元コードが印刷されたチケットを発行する発券機を有しており、前記台間機および前記精算機は、前記カメラによって生体情報と共に前記チケットの二次元コードを読み込み、当該二次元コードに担持されているパスワードを取得するようになっており、前記管理サーバは、前記発券機によって発行されたチケットに担持されているパスワードを前記遊技者IDデータベースに登録しておき、前記遊技者IDの登録時に当該パスワードを用いて認証を行い、前記生体認証機能による認証時に当該パスワードを用いたパスワード認証も行うことを特徴としている。
【0016】
さらに、前記管理サーバの更新機能は、一定期間が経過する毎に、あるいは、一定時刻になる毎に、前記遊技者IDデータベースの登録情報を削除することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技管理方法および遊技管理システムでは、各台間機などにおいて遊技者の生体情報を読み込み、これを一時的に遊技者IDとして用いて、遊技者に対して遊技媒体の貸し出しを行い、残金精算を行った後は当該遊技者IDをデータベースから削除するようにしている。
【0018】
したがって、会員カードを所持している会員以外の一般遊技者は、投入金額が記録されたプリペイド用の媒体を発行してもらうことなく、各台間機において遊技媒体を借り受けて遊技台でプレイすることができる。よって、各台間機にはICコインなどの媒体のストッカが不要となり、また、高価なICコインなどの媒体が遊技者に持ち帰られてしまうこともない。さらには、顔画像などの生体認証を行っているのでセキュリティも高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した遊技管理システムの実施の形態を説明する。
【0020】
図1は本実施の形態に係る遊技管理システムの全体構成図である。遊技管理システム1は、各遊技台2と、各遊技台2に対して遊技媒体の貸し出し処理を行う各台間機3と、精算機4と、発券機5と、これらを集中管理するための管理装置6と、各種の情報が登録されているデータベース7とを有している。遊技台2および台間機3は交互に所定台数配列されて遊技島8を構成しており、遊技店内には一般に複数列の遊技島8が配置されている。
【0021】
各遊技島8の遊技台2および台間機3はLANなどの通信回線9および島中継器10を介して、管理装置6に接続されている。精算機4および発券機5も同様に通信回線9を介して管理装置6に接続されている。各遊技台2および各台間機3にはそれぞれ機器識別番号が予め付与されており、管理装置6では機器識別番号に基づき、各遊技台2、各台間機3との間で通信を行い、各種の制御動作を行う。
【0022】
本例の遊技管理システム1では、予め会員登録した遊技者(会員)に対しては会員IDを付与すると共に会員ICカード11を発行し、会員情報をデータベース7に登録して管理する。会員となった遊技者は、会員ICカード11を用いて各台間機3において遊技媒体を借り受け、隣接する遊技台2においてプレイすることができる。かかる会員カードシステムは一般的に行われているものと同様である。
【0023】
これに対して、会員登録していない一般遊技者(非会員)には、各台間機3において、顔画像を読み取らせてもらい、これを当日限りの遊技者IDとして、投入された遊技代金と共にデータベース7に登録するようにしている。非会員である一般遊技者は、遊技者IDが付与された後は、各台間機3において顔認証を行って、隣接する遊技台2においてプレイすることができる。
【0024】
ここで、本例では、顔認証の精度を低く抑えてある。これに伴う誤認証を防止するために、発券機5から一般遊技者に対して、パスワードが二次元コード12aの形態で印刷されたチケット12を発行している。パスワードはデータベース7に登録される。あるいは事前に登録されている。各台間機3において遊技者IDを登録するために顔画像を取得する際には、発行されたチケット12の二次元コード12aも取得し、パスワード認証を行い、認証が取れた場合にのみ、当該パスワードと対応付けて顔画像を遊技者IDとしてデータベース7に登録する。登録後の一般遊技者がプレイする場合には、各台間機3において顔認証を行う際に、チケット12の二次元コード12aも読み取り、パスワード認証も同時に行う。これにより認証精度を十分なものとしている。
【0025】
このように、会員でない一般遊技者が顔認証およびパスワード認証によってプレイできるようにするために、各台間機3の前面には、表示部21aおよび入力部21bを備えた操作面21、紙幣挿入口22、カード挿入口23、および状態表示ランプ24が配置されていると共に、カメラ25の撮像レンズ25aが配置されている。各台間機3の入力部21bには、未登録ボタン21cおよび登録済みボタン21dが配置されている。非会員である一般遊技者は、顔を撮像レンズ25aに向けると共にチケット12の二次元コード12aを撮像レンズ25aに向けた状態で、未登録ボタン21cを押すと、顔画像および二次元コード12aがカメラ25によって読み取られ、データベース7に登録されるようになっている。また、この後に、紙幣挿入口22から紙幣が挿入されると、投入金額が遊技代金として登録される。
【0026】
さらに、精算機4にもカメラ41が搭載されており、顔認証およびパスワード認証によって、一般遊技者に対して遊技代金の残高を払い戻しできるようになっている。
【0027】
図2は、管理装置6および台間機3の制御系を示す概略ブロック図である。台間機3は、制御ユニット31、会員ICカード11用のカードリーダライタ32、紙幣識別収納ユニット33、カメラ25、および通信用の中継器34を備えている。制御ユニット31の制御の下で、カードリーダライタ32による読み取り情報、カメラ25による読み取り顔画像、紙幣識別収納ユニット33に投入された金額などが中継機34および通信回線9を介して管理装置6の通信用インターフェース61から管理装置6に取り込まれる。また、隣接する遊技台2に対する遊技媒体の貸し出し処理動作が行われる。
【0028】
管理装置6はコンピュータを中心に構成されている管理サーバ62を備えている。データベース7には、管理データベース71および遊技者IDデータベース72が含まれている。管理データベース71には、予め会員登録した遊技者(会員)の会員ID71bと遊技代金残高71cが対応付けした形態で登録されている。また、会員でない一般遊技者の遊技者ID72bと遊技代金残高72cが対応付けした形態で登録されている。一般遊技者の遊技者ID72bには当該一般遊技者の顔画像情報が用いられている。また、遊技者IDデータベース72には一般遊技者の遊技者ID72bがパスワード72aに対応付けした形態で登録されている。
【0029】
管理サーバ62は、一般遊技者の登録機能62aと、一般遊技者を顔認証およびパスワード認証の双方によって認証する一般遊技者認証機能62b(生体認証機能)と、管理データベース71および遊技者IDデータベース72を更新する更新機能62cを備えている。
【0030】
(処理動作の説明)
次に、図3は本例の遊技管理システム1による各台間機3での処理動作を示す概略フローチャートである。このフローチャートに従って、本例の遊技管理システム1の動作を説明する。
【0031】
まず、遊技者が会員である場合には会員ICカード11を用いて遊技媒体を借り受けてプレイを行うことができる。この場合の処理動作は一般的に行われている会員カードシステムと同様である。会員が台間機3のカード挿入口23から会員ICカード11を挿入すると(ステップST1)、カードリーダライタ32によって会員ID71bが読み込まれて、管理装置6の管理サーバ62に送られ、当該会員ID71bを用いて管理データベース71の登録内容が検索される(ステップST31)。
【0032】
この後に、会員が台間機3の入力部21bから金額などの遊技媒体の貸し出し要求を入力すると(ステップST8)、管理データベース71に登録されている遊技代金の残高を照合し、残高不足でない場合には遊技媒体の貸し出し処理が行われる(ステップST9、10)。残高不足の場合には、その旨を表示部21aに表示し遊技代金の投入を促し、入金を待つ(ステップST9→ST7)。
【0033】
遊技媒体が貸し出された後に会員は隣接の遊技台2でプレイを行う。遊技台2でのプレイが終了した後に、会員が入力部21bのプレイ終了ボタン(図示せず)を押すと(ステップST11)、管理データベース71の内容を更新して(ステップST12)、会員ICカード11を排出して処理を終了する。
【0034】
これに対して、遊技者が会員ではない一般遊技者の場合、すなわち、会員カードを所持していない場合には、次のような処理が行われる。一般遊技者は、遊技店に入店した時点などにおいて、発券機5から発行されたチケット12を受け取り、これを所持する。発行されたチケット12に印刷されている二次元コード12aに担持されているパスワード72aは、管理サーバ62に送信され、遊技者IDデータベース72に登録される。あるいは、事前に遊技者IDデータベース72に登録されている。
【0035】
台間機3において遊技媒体を借り受ける際には、まず、顔をカメラ25の撮像レンズ25aに向けると共に、所持しているチケット12の二次元コード12aを撮像レンズ25aにかざし、この状態で、入力部21bの未登録ボタン21cを押す(ステップST3)。これにより、顔画像および二次元コード12aが読み込まれる(ステップST4)。読み込まれた情報は管理サーバ62に送信される。管理サーバ62では、二次元コード12aに担持されているパスワード72aが遊技者IDデータベース72に登録されていることを確認した後に、顔画像を遊技者ID72bとして、当該パスワード72aに対応付けして遊技者IDデータベース72に登録する(ステップST5、6)。パスワード72aを照合できない場合には、登録を拒否して処理を終了する。
【0036】
次に、表示部21aに遊技代金の入金を促す表示が行われ、紙幣挿入口22から紙幣が挿入されると、挿入された紙幣に対応する金額を遊技代金の残高として、遊技者ID、パスワードに対応付けして、管理データベース71に登録する(ステップST7)。
【0037】
この後は、上記の会員の場合と同様にして遊技媒体の貸し出し処理が行われる(ステップST8、9、10)。入力部21bに配列されているプレイ終了ボタン(図示せず)を押してプレイを終了すると、管理データベース71の内容が更新され、処理が終了する。
【0038】
このようにして顔画像を遊技者IDとして登録した遊技者が、別の遊技台2でプレイする場合には、そこに隣接配置されている台間機3において、そのカメラ25の撮像レンズ25aに顔を向けると共に、チケット12の二次元コード12aも撮像レンズ25aにかざした状態で、その入力部21bの登録済みボタン21dを押す(ステップST2)。これにより、カメラ25によって顔画像および二次元コード12aが読み込まれ、これらの情報が管理サーバ62に送信される(ステップST21)。管理サーバ62では、受信した情報を遊技者IDデータベース72の登録内容と照合して、顔認証およびパスワード認証を行う(ステップST22)。認証が取れた場合にはステップST22からステップST8に移行し、上記と同様にして、遊技媒体の貸し出し処理動作を行う。プレイ終了後は、管理データベース71の内容が更新され(ステップST12)、処理を終了する。
【0039】
次に、一般遊技者(非会員)が遊技店を出る際には、精算機4において、そのカメラ41に顔を向けると共にチケット12の二次元コード12aをかざした状態で、精算機4に配置されている精算ボタン(図示せず)を押す。この結果、顔画像および二次元コード12aに担持されているパスワードが読み込まれ、管理サーバ62に送信される。管理サーバ62では、顔認証およびパスワード認証を行い、双方の認証が取れた場合には、遊技代金の残金の払い戻しを精算機4に指示する。精算機4は管理サーバ62からの指令に基づき、残金の払い戻し動作を行う。このようにして残金が精算された後は、当該遊技者ID72b、パスワード72aが遊技者IDデータベース72から削除される。
【0040】
以上説明したように、本例の遊技管理システム1では、各台間機3などにおいて一般遊技者(非会員)の顔画像を読み込み、これを一時的に遊技者ID72bとして用いて、一般遊技者に対して遊技媒体の貸し出しを行い、残金精算を行った後は当該遊技者ID72bを遊技者IDデータベース72から削除するようにしている。したがって、投入金額が記録されたプリペイド用の媒体を発行することなく、一般遊技者は各台間機3において遊技媒体を借り受けて遊技台2でプレイすることができる。よって、各台間機3には従来とは異なり、ICコインなどの媒体のストッカが不要となる。また、高価なICコインなどの媒体が遊技者に持ち帰られてしまうこともない。さらには、顔画像などの生体認証を行っているのでセキュリティも高い。
【0041】
また、各台間機3、精算機4にカメラ25、41を設置して遊技者の顔画像を取得して認証を行うようにしている。したがって、犯罪者、不審者などの顔画像を登録しておくことにより、そのような人物を見つけることができる。また、カメラ25、41を設置しておくことにより、遊技台2および台間機3の周囲が常に監視されている状況下に置かれるので、不正行為の抑止効果も得られ防犯上有利である。
【0042】
さらには、パスワード72aを二次元コード12aの形態で印刷したチケット12を発行し、顔認証とパスワード認証を併用している。このような発券機5は廉価であり、また、発行されたチケット12もICコインなどとは異なり、そのまま捨てられても問題はない。したがって、認証精度が低い廉価なシステムを用いて、高い認証精度の遊技管理システムを廉価に構築できるという利点がある。
【0043】
なお、会員カードとしてはICカード、磁気カード、光学的に情報を記憶可能な光カードなどを用いることができるが、これ以外の形状の記憶媒体を用いることも可能である。本明細書では、一般的な「会員カード」という用語を用いているが、これは本発明の理解を容易にすることのみを目的として使用しており、カード形状以外の形状の記憶媒体を会員識別用記憶媒体として用いることを排除することを意図したものではない。
【0044】
(その他の実施の形態)
上記の遊技管理システム1では、遊技者IDは当日限りのものであり、遊技店の一日の営業時間の終了後には、管理サーバ62によって遊技者IDデータベース72の内容が初期化されるように構成されている。初期化を一日毎に行う代わりに、2日毎、1週間毎に行うことも可能である。しかしながら、データ管理、セキュリティの上からは、画一的に一日毎に初期化することが望ましい。
【0045】
また、上記の例では、顔認証とパスワード認証を併用している。パスワード認証を省略して顔認証のみとすることも可能である。
【0046】
さらに、上記の例では、パスワードを二次元コードの形態で発行している。この代わりに、一般遊技者によって、任意のパスワードを台間機の操作部から入力させるようにしてもよい。
【0047】
次に、上記の例では、顔認証を採用しているが、顔認証以外の生体情報を用いた生体認証を採用することもできる。例えば、指紋認証、虹彩認証などを用いることも可能である。
【0048】
また、上記の例では、一般会員(非会員)が最初にプレイをする際に、顔画像を遊技者IDとして登録している。この代わりに、最初のプレイが終了した後の時点で顔画像を読み取って遊技者IDの登録を行うようにしてもよい。例えば、図3のフローチャートにおいて、ステップST4、5、6を省略し、ステップST11の後に、顔画像および二次元コードの画像取得動作と、パスワード認証動作を行い、認証が取れた場合に遊技者IDデータベース72に登録する動作を行うようにしてもよい。この場合には、投入金額の残高が零となった場合には一般遊技者の登録が不要であり、残高がある場合にのみ遊技者登録処理を行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を適用した遊技管理システムの全体構成図である。
【図2】図1の遊技管理システムの台間機および管理装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図3】図1の遊技管理システムの動作を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 遊技管理システム
2 遊技台
3 台間機
4 精算機
5 発券機
6 管理装置
7 データベース
8 遊技島
9 通信回線
10 島中継器
11 会員ICカード
12 チケット
12a 二次元コード
21 操作面
21a 表示部
21b 入力部
21c 未登録ボタン
21d 登録済みボタン
22 紙幣挿入口
23 カード挿入口
24 状態表示ランプ
25 カメラ
25a 撮像レンズ
31 制御ユニット
32 カードリーダライタ
33 紙幣識別収納ユニット
34 中継器
41 カメラ
61 通信用インターフェース
62 管理サーバ
71 管理データベース
72 遊技者IDデータベース
71b 会員ID
71c 遊技代金残高
72a パスワード
72b 遊技者ID
72c 遊技代金残高

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の生体情報を台間機に読み取らせ、
読み取らせた生体情報を遊技者IDとして用いて、当該遊技者が入金した金額と共にデータベースに登録し、
当該遊技者が遊技媒体の貸し出しを受ける際には、当該遊技者の生体情報を台間機に読み取らせ、
読み取らせた生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた場合には、照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額の範囲内で当該遊技者に対して遊技媒体の貸し出しを行い、当該金額を、貸し出された遊技媒体に対応する金額が減算された値となるように更新し、
前記遊技者が精算機において残金の精算を行う際には、当該遊技者の生体情報を前記精算機によって読み取らせ、
読み取らせた生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額を前記遊技者に払い戻し、
当該遊技者の遊技者IDを前記データベースから削除することを特徴とする遊技管理方法。
【請求項2】
遊技者が台間機に現金を投入すると、当該台間機から遊技媒体の貸し出しを行い、
投入金額が残っている時点で遊技を終了すると、前記台間機によって当該遊技者の生体情報を読み取らせ、
読み取らせた生体情報を遊技者IDとして用いて、当該遊技者の入金残高と共にデータベースに登録し、
当該遊技者が再度、遊技媒体の貸し出しを受ける際には、当該遊技者の生体情報を台間機に読み取らせ、
読み取らせた生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた場合には、照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額の範囲内で当該遊技者に対して遊技媒体の貸し出しを行い、当該金額を、貸し出された遊技媒体に対応する金額が減算された値に更新し、
前記遊技者が精算機において残金の精算を行う際には、当該遊技者の生体情報を前記精算機によって読み取らせ、
読み取った生体情報を前記データベースに登録されている遊技者IDと照合する生体認証を行い、
照合が取れた遊技者IDに対応付けされている金額を前記遊技者に払い戻し、
当該遊技者の遊技者IDを前記データベースから削除することを特徴とする遊技管理方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記生体情報として遊技者の顔画像を採用し、
前記台間機および前記精算機に組み込まれたカメラを用いて遊技者の顔画像を取得して顔認証を行うことを特徴とする遊技管理方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記生体情報の取得時に、遊技者にパスワードを入力させ、
入力された前記パスワードを前記遊技者IDに対応付けした形態で前記データベースに登録し、
前記生体認証の際に、遊技者にパスワードを入力させてパスワード認証も同時に行い、
双方の認証が取れた場合にのみ、遊技媒体の貸し出し、および、金額の精算を行うことを特徴とする遊技管理方法。
【請求項5】
請求項3において、
遊技者に対して、パスワードが担持されている二次元コードが印刷されたチケットを発行し、
発行されたパスワードを前記データベースに登録し、
前記顔画像の取得時に、前記カメラによって前記パスワードを読み込み、
読み込まれたパスワードを前記データベースに登録されているパスワードと照合し、
照合が取れた場合には、前記データベースに、前記顔画像を前記パスワードに対応付けした形態で登録し、
前記顔認証の際に、前記カメラによって前記二次元コードを読み込み、パスワードによる認証も行い、
双方の認証が取れた場合にのみ、遊技媒体の貸し出し、および、金額の精算を行うことを特徴とする遊技管理方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
一定期間が経過する毎に、あるいは、一定時刻になる毎に、前記データベースの登録情報を削除して初期化することを特徴とする遊技管理方法。
【請求項7】
遊技者の生体情報を遊技者IDとして登録する遊技者IDデータベースと、
前記遊技者IDを遊技料金の残高と対応付けした形態で登録する管理データベースと、
隣接配置されている各遊技台で遊技するために必要な遊技媒体の貸し出し処理を行う台間機と、
遊技者が入金残高の払い戻しを受けるための少なくとも一台の精算機と、
管理サーバとを有し、
前記台間機は、遊技者の生体情報を読み取るための生体情報読み取り手段と、入金処理手段と、遊技媒体の貸し出し処理手段とを備えており、
前記精算機は、遊技者の生体情報を読み取るための生体情報読み取り手段を備えており、
前記管理サーバは、各台間機の各生体情報読み取り手段によって読み取られた遊技者の生体情報を、遊技者IDとして前記遊技者IDデータベースに新規登録する登録機能と、各台間機および前記精算機の各生体情報読み取り手段で読み取られた遊技者の生体情報を前記遊技者IDデータベースに登録されている遊技者IDに照合する生体認証機能と、前記管理データベースの各遊技者の各残高を更新すると共に、前記精算機で残高の払い戻しが行われた遊技者IDを前記遊技者IDデータベースから削除する更新機能とを備えており、
前記台間機は、遊技者の生体情報を読み込むと、前記管理サーバの管理下で、当該生体情報を遊技者IDとして用いて遊技媒体の貸し出し処理を行うことを特徴とする遊技管理システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記生体情報読み取り手段は遊技者の顔画像を読み込むためのカメラであることを特徴とする遊技管理システム。
【請求項9】
請求項8において、
パスワードが担持された二次元コードが印刷されたチケットを発行する発券機を有しており、
前記台間機および前記精算機は、前記カメラによって生体情報と共に前記チケットの二次元コードを読み込み、当該二次元コードに担持されているパスワードを取得するようになっており、
前記管理サーバは、前記発券機によって発行されたチケットに担持されているパスワードを前記遊技者IDデータベースに登録しておき、前記遊技者IDの登録時に当該パスワードを用いて認証を行い、前記生体認証機能による認証時に当該パスワードを用いたパスワード認証も行うことを特徴とする遊技管理システム。
【請求項10】
請求項9において、
前記管理サーバの更新機能は、一定期間が経過する毎に、あるいは、一定時刻になる毎に、前記遊技者IDデータベースの登録情報を削除することを特徴とする遊技管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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