説明

遊技者管理装置

【課題】遊技者の感情変化を好適に特定可能な遊技者管理装置を提供する。
【解決手段】管理装置(遊技者管理装置)は、遊技機において遊技を行っている遊技者の画像を撮像し、その撮像結果から遊技者の表情を数値化した情報である笑顔度(表情情報)を特定し、予め定められた基準期間における遊技者の表情情報である基本笑顔度(基準表情情報)を遊技者に対応付けて管理し、基本笑顔度とその遊技者が遊技を行っている場合の笑顔度との乖離度合を示す笑顔乖離度合(乖離情報)を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場に来場した遊技者を管理する遊技者管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば各遊技機に対応して設けられた撮像手段としてのカメラにより撮像した画像(顔画像)に基づく人物データと遊技データとを対応付けることにより遊技者毎の遊技情報を管理する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、カメラにより撮像した場合に、撮像対象となった人物の表情を特定する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。これにより、笑っていることや怒っていることを特定することで、撮像対象となった人物の感情を特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−162011号公報
【特許文献1】特開2004−046591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技場では遊技者が個人個人で遊技を行っていることから、感情を表に出さずに遊技を行う遊技者が存在する。このような遊技者の場合、表情の変化が乏しく、遊技者の表情から遊技者の感情を特定することが困難である。つまり、効率良く遊技者の感情変化を特定する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者の感情変化を好適に特定可能な遊技者管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明は、複数の遊技機が設置された遊技場に来場した遊技者を管理する遊技者管理装置において、前記遊技機において遊技を行っている遊技者の顔を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像結果から遊技者の表情を数値化した情報である表情情報を特定する表情情報特定手段と、予め定められた基準期間における遊技者の前記表情情報である基準表情情報を遊技者に対応付けて管理すると共に、前記基準表情情報とその遊技者が遊技を行っている場合の表情情報との乖離値又は乖離度合を示す乖離情報を管理する表情情報管理手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、遊技者が遊技を終了したことを特定する遊技終了特定手段を備え、前記表情情報管理手段は、遊技者が遊技を終了する所定期間前における前記表情情報とその遊技者の前記基準表情情報との前記乖離情報を管理することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、遊技者が遊技を行っている状況下において前記乖離情報が過去に遊技者が遊技を終了した頻度が高いものとなった場合に、当該遊技者に対して特別報知を実行する報知手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項4に記載した発明は、前記表情情報管理手段は、遊技結果の情報である遊技情報に対応付けて前記乖離情報を管理することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記表情情報管理手段は、前記基準表情情報として、遊技者が遊技を開始してから所定期間が経過するまでの前記表情情報を用いることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記表情情報特定手段は、前記表情情報として、遊技者が笑顔の度合を示す笑顔度を特定するものであり、前記表情情報管理手段は、前記基準表情情報よりも笑顔度が上がった遊技者の数、及び、笑顔度が下がった遊技者の数のうち少なくとも一方を管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、遊技者の顔を撮像し、その撮像結果から遊技者の表情を数値化した情報である表情情報を特定し、予め定められた基準期間における遊技者の表情情報である基準表情情報を遊技者に対応付けて管理すると共に、基準表情情報とその遊技者が遊技を行っている場合の表情情報との乖離値又は乖離度合を示す乖離情報を管理する。
遊技者によっては、遊技中に感情の起伏があったとしても、それをあまり表に出さないことが考えられる。また、遊技者によっては、普通の顔が笑って見えることや怒って見えることがある。これらのため、単に遊技者の表情を特定しても、その遊技者の感情を特定しにくい場合がある。そこで、遊技者個人毎に基準となる表情情報である基準表情情報を特定し、その基準表情情報と現状の表情情報との乖離値や乖離度合によって、遊技者の表情を特定する。これにより、表情の変化に乏しい遊技者や、普通の顔が笑って見えることや怒って見える遊技者であっても、感情がどのように推移しているのかを特定し易くなる。したがって、遊技者の感情変化を好適に特定することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、遊技者が遊技を終了する所定期間前における表情情報とその遊技者の基準表情情報との乖離情報を管理するので、遊技者が遊技を終了する場合の感情変化を特定することができる。これにより、例えば、遊技を終了しそうな遊技者を前もって特定することが可能となり、遊技を終了してしまう前の遊技者に対して何らかの働きかけを行うことが可能となる。つまり、遊技場の従業員が、遊技を終了しようとしている遊技者に対して的確な対応を実施することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、乖離情報が過去に遊技者が遊技を終了した頻度が高いものとなった場合に、当該遊技者に対して特別報知を実行するので、遊技を終了しそうな遊技者に対してメッセージを表示することで遊技の続行を促すことができる。
請求項4に記載した発明によれば、遊技結果の情報である遊技情報に対応付けて乖離情報を管理するので、どのような遊技結果になると遊技者の感情が起伏するのかを特定することができる。
請求項5に記載した発明によれば、基準表情情報として、遊技者が遊技を開始してから所定期間が経過するまでの表情情報を用いるので、予め遊技者毎の基準表情情報を記憶しておく必要が無くなる。これにより、遊技場に初めて来場した遊技者であっても、表情情報の変化即ち感情変化を好適に特定することができる。
【0010】
請求項6に記載した発明によれば、表情情報として、遊技者が笑顔の度合を示す笑顔度を特定し、基準表情情報よりも笑顔度が上がった遊技者の数、及び、笑顔度が下がった遊技者の数のうち少なくとも一方を管理する。笑顔度の変化は、遊技者の満足度を表す指標と考えることができることから、笑顔度に基づいて遊技者の満足度を特定することができる。例えば、笑顔度が下がっていれば遊技者が遊技に満足しておらず、稼動率の低下を招くおそれがある。この場合に、遊技者の笑顔度が上がるように遊技場にて対策をとることで、稼動率の低下を回避することができる。このように、笑顔度を特定することによって、遊技場の運営に適切な対策を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の管理装置を含む遊技場用システムの全体を概略的に示す図
【図2】管理装置の機能ブロック図
【図3】管理装置が実行する第1笑顔度特定処理のフローチャート
【図4】管理装置が記憶する個人データの一例を示す図
【図5】管理装置が実行する第2笑顔度特定処理のフローチャート
【図6】管理装置が実行する第3笑顔度特定処理のフローチャート
【図7】管理装置が管理する投資金額別の笑顔乖離度合を示す図
【図8】管理装置が管理する機種別の笑顔乖離度合を示す図
【図9】管理装置が管理する機種別の笑顔乖離度合の推移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態による遊技者管理装置について図1から図12を参照しながら説明する。
図1は、遊技者管理装置を採用した遊技場用システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出装置3が設置されている。本実施形態では遊技機2として所謂パチンコ遊技機を想定しており、遊技媒体として玉(所謂パチンコ玉)を想定している。これら遊技機2及び貸出装置3は、2台ずつ中継装置4に接続している。遊技機2や貸出装置3等から出力される後述する遊技信号は、中継装置4を介して管理装置5(遊技者管理装置に相当する)に送信される。
【0013】
この管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、LAN6を介して各中継装置4に接続しているとともに、出力手段としてのモニタ7や図示しないプリンタ等に接続している。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機2が管理装置5の管理対象となっている。また、遊技場用システム1は、遊技場内に設けられている図示しないスロットマシンや計数装置或いはPOS端末等も備えている。
【0014】
遊技機2は、パチンコ遊技機として周知の構成であり、玉(遊技価値)を盤面に発射するためのハンドル2a、玉を入賞させるための普図入賞口2b及び始動口2c、玉の入賞に応じて表示図柄(役物)が変動する表示部2d、大当たり時に開放する大入賞口2e、受皿2f、保留数表示部2g、受皿2fから溢れた玉を一時的に貯留する下玉受皿2h、下玉受皿2hからの玉を受ける可動玉受皿2i、及び案内腕2j等を備えている。遊技機2は、始動口2cへの玉の入賞(始動入賞)に応じて予め設定されている当選確率(大当たり確率)で大当たり抽選を行い、その抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動(単位遊技)を表示部2dにて実行する。そして、表示部2dに停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たり状態を発生させる。尚、始動口2cは、普図入賞口2bへの入賞に伴って行われる普図抽選の抽選結果により入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。
【0015】
また、遊技機2は、図柄変動中に発生した始動入賞に対応する図柄変動を、予め設定された上限値(例えば4個)まで保留可能に構成されている。保留された図柄変動は、その保留数が保留数表示部2gに表示されるとともに、実行中の図柄変動の終了後に順次実行される。遊技機2は、大当たり当選となり大当たり状態が発生すると、対応するラウンド数に応じた回数分だけ大入賞口2eを開放する。この場合、大当たり状態の終了後に所謂確率変動状態や時短状態になる構成であっても良い。大当たり時に払い出された玉は、受皿2fから溢れると下玉受皿2hに一旦貯留される。そして、遊技者の操作により可動玉受皿2iに導かれる。可動玉受皿2iに導かれた玉は、案内腕2jを経由して貸出装置3に送られる。尚、案内腕2jは、旋回可能に設けられている。
【0016】
貸出装置3は、遊技情報等を表示する液晶表示部3a(報知手段に相当する)、遊技機2に玉を払い出す玉払出口3b、貨幣投入口3c、顔認証用カメラ3d、カード挿入口3e、計数部3f、発行釦3g及び再遊技釦3h等を備えている。液晶表示部3aには、遊技者の操作を入力するための操作手段としてのタッチパネルが設けられている。貸出装置3は、遊技者の遊技の進行に伴って、図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の周知の遊技情報を液晶表示部3aに表示する。また、液晶表示部3aは、詳細は後述するが、遊技者に対する特別報知を実行する。この貸出装置3は、遊技者が貨幣投入口3cに貨幣(対価)を投入すると(玉貸出操作が有ると)、投入した貨幣に応じた数の玉を玉払出口3bから遊技機2の受皿2fに払い出す。
【0017】
このような構成の遊技機2及びその周辺機器(以下、遊技機2側の機器と称する)は、遊技者による玉の打ち込みや始動入賞の発生等の遊技の進行に伴って、例えば、遊技者が遊技に使用した玉数を特定可能なアウト信号、入賞や所謂大当たり等に伴って遊技機2から遊技者に付与された玉数を特定可能なセーフ信号、始動口2cへの入賞(始動入賞)を特定可能な始動入賞信号、玉貸出操作に応じて遊技者に貸し出した玉数を特定可能な売上信号等の各種の遊技信号を出力する。尚、アウト信号やセーフ信号は、遊技機2の稼動状態を特定する稼動信号としても参照される。
【0018】
貸出装置3の顔認証用カメラ3d(遊技者特定手段に相当する)は、例えば周知のCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を有しており、遊技者を撮像する。つまり、顔認証用カメラ3dは、貸出装置3が設けられている遊技機2を遊技している遊技者の顔を撮像し、当該遊技者の顔画像を取得する。顔認証用カメラ3dで撮像された遊技者の顔画像は、管理装置5に送信される。尚、顔認証用カメラ3dは、遊技者の存在・不在に関わらず、概ね数秒毎に撮像を繰り返している。
カード挿入口3eは、その内部に図示しない読出装置が設けられており、会員カード8が挿入されると、会員カード8に記録されている会員情報等の情報を取得する。そのため、貸出装置3は、会員カード8が挿入されると、その会員カード8を所有する遊技者毎に集計された遊技情報の表示や他の遊技機2の遊技情報の表示等が可能になる。尚、会員カード8が挿入されない場合であって、一部の操作や表示が可能な構成としても良い。
【0019】
計数部3fは、貸出装置3の下部に設けられており、案内腕2jを経由して貸出装置3に導かれた玉を計数する。貸出装置3は、遊技者により発行釦3gが操作されると、玉数が記録されたカード等の記録媒体或いは玉数が印字されたレシート等を発行する一方、遊技者による再遊技釦3hの操作に応じて、計数部3fで計数した球数の範囲内で玉払出口3bから遊技機2の受皿2fに玉を払い出す。このとき、払い出された玉数は、計数された球数から減算される。
中継装置4は、遊技機2側の機器から出力された上記した遊技信号を管理装置5に送信するとともに、管理装置5から出力された遊技情報等を遊技機2側の機器に送信する。つまり、中継装置4は、遊技機2側の機器と管理装置5との間で情報を中継する。
【0020】
管理装置5(遊技者管理装置に相当する)は、図2に示すように、CPU5a、ROM5bやRAM5c、各種の情報の送受信を行う入出力手段としての入出力部5d及び記憶部5e等を備えたコンピュータにより構成されている。管理装置5は、例えば記憶部5e等に記憶されているコンピュータプログラムに従って作動し、入出力部5dに入力される遊技機2側の機器からの遊技信号に基づいて、遊技機2の稼動状態の特定、遊技機2毎及び遊技機2の機種(「遊技機の種類」に相当する)毎にデータを算出及び集計し、遊技情報として管理する。例えば、管理装置5は、遊技情報として、アウト、セーフ、差玉、スタート回数、特賞回数(大当たり回数)、出玉率或いは売上等の遊技情報を遊技機2毎に算出及び集計して管理する。尚、管理装置5が管理する遊技情報は上記にて例示したものに限定されない。
記憶部5eは、管理装置5を制御するためのコンピュータプログラム、上記した遊技情報、顔認証用カメラ3dで撮像した遊技者の顔画像、後述する笑顔度を判定するためのデータベース等を記憶する。
【0021】
また、管理装置5は、表情情報特定部5f(表情情報特定手段に相当する)、表情情報管理部5g(表情情報管理手段に相当する)、遊技終了特定部5h(遊技終了特定手段に相当する)を備えている。これら、表情情報特定部5f、表情情報管理部5g、遊技終了特定部5hは、本実施形態ではCPU5aにより実行されるコンピュータプログラムによってソフトウェア的に実現されている。
表情情報特定部5fは、顔認証用カメラ3dで撮像した遊技者の顔画像(撮像結果)から遊技者の表情を数値化した情報である表情情報を特定する。本実施形態では、表情情報特定部5fは、遊技者の表情情報として、遊技者が笑顔である度合を示す笑顔度を特定する。
【0022】
尚、顔画像から笑顔度を特定する手法は公知のものを採用すればよいので詳細な説明は省略するが、顔画像から各パーツ(目、口、顔の皺等)の情報を抽出することで特定可能である。例えば、口の両端を結ぶ仮想線よりも下側にある唇部が大きい場合には、口角が上がった状態すなわち笑顔であると推測される。また、両目の中心を結んだ仮想線よりも上側に白目が多いと、目尻が下がった状態すなわち笑顔であると推測される。或いは、口元に歯が見えていれば、笑顔であると推測される。逆に、例えば眉間に皺が寄っていれば、笑顔ではないと推定できる。そこで、表情情報特定部5fは、これら口元や目元等の基準からの変化量(仮想線からの離間度合や歯の面積の大きさ、皺の有無等)を正規化することにより、笑顔度として数値化する。本実施形態では、笑顔度を0〜100%の範囲で数値化しており、数値が大きい程遊技者が笑顔になっているものとして算出している。
【0023】
表情情報管理部5gは、表情情報特定部5fで特定した表情情報を管理する。具体的には、表情情報管理部5gは、予め定められた所定期間(本実施形態では、遊技の開始から10分間)における遊技者の表情情報である基準表情情報を遊技者に対応付けて管理すると共に、基準表情情報とその遊技者が遊技を行っている場合の表情情報との乖離値又は乖離度合を示す乖離情報を管理する。また、表情情報管理部5gは、遊技者が遊技を終了する所定期間前(本実施形態では10分前)における表情情報と基準表情情報との乖離値又は乖離度合を乖離情報として管理すると共に、当該乖離情報を遊技結果の情報である遊技情報に対応付けて管理する。さらに、表情情報管理部5gは、基準表情情報よりも笑顔度が上がった遊技者の数、及び、笑顔度が下がった遊技者の数のうち少なくとも一方を管理する。
【0024】
遊技終了特定部5hは、遊技者の遊技の終了(客交代)を特定する。具体的には、遊技終了特定部5hは、非稼動状態であると判定している遊技機2から上記した例えばアウト信号の入力が開始された時点を遊技の開始と特定し(稼動状態になったと判定し)、稼動状態にある遊技機2からのアウト信号の入力が中断されてから作動を開始する稼動タイマがタイムアップした時点を客交代として特定する。この稼動タイマは、遊技者がトイレ等で短時間の離席を誤って客交代と判定しないために、例えば15分に設定されている。
【0025】
次に、上記した構成の管理装置5の作用について説明する。
管理装置5は、上記したように、遊技の進行に応じて、遊技情報を集計すると共に、顔認証用カメラ3dで撮像した遊技者の顔画像に基づいて遊技者の笑顔度を特定している。この場合、管理装置5は、図3に示す第1笑顔度特定処理、図5に示す第2笑顔度特定処理及び図6に示す第3笑顔度特定処理を並列して実行しているものの、説明の簡略化のため、各処理を個別に説明する。
【0026】
遊技場では遊技者が個人個人で遊技を行うことが多いため、感情を表に出さずに遊技を行う遊技者が多く存在する。このような遊技者の場合、遊技者の表情から遊技者の感情を特定することが困難である。具体的には、デジタルカメラ等で記念写真を撮影する状況等に比べると、遊技者の表情の変化が乏しいことが想定される。また、上記したように遊技場には数百台の遊技機2が設けられていることから、普通の状態で笑顔に見える遊技者や、逆に気むずかしそうに見える遊技者がいることも想定される。つまり、例えば「笑顔度が40%以上であれば喜んでいる」といった画一的な基準値で遊技者の感情変化を特定することは、困難である。
【0027】
そこで、管理装置5は、まず、表情の変化即ち感情の変化を判定するための基準値となる基本笑顔度(基準表情情報に相当する)を遊技者毎に特定している。
管理装置5は、図3に示す第1笑顔度特定処理において、笑顔度の集計中であるかを判定しており(A1)、笑顔度の集計中でない場合には(A1:NO)、遊技開始を特定したかを判定し(A2)、遊技開始を特定していなければ(A2:NO)、リターンする。つまり、管理装置5は、笑顔度を集計しておらず、遊技機2が稼動状態でもない場合には、実質的な処理を行うことなくリターンする。
【0028】
さて、遊技者が遊技を開始すると、上記したように遊技機2側から稼動信号が送信される。そのため、管理装置5は、笑顔度を集計していない状態で(A1:NO)、稼動信号を受信して遊技機2が稼動状態になったと判定した場合、即ち、遊技開始を特定した場合には(A2:YES)、遊技者を特定する(A3)。この場合、遊技者の特定は、顔認証用カメラ3dによる人物認証、或いは会員カード8の受付により行われる。
【0029】
遊技者を特定すると、管理装置5は、遊技を開始したのは新規の遊技者であるかを判定し(A4)、新規の遊技者である場合には(A4:YES)、遊技者レコードを新規に作成する(A5)。新規の遊技者とは、当該遊技機2を直前まで遊技していた遊技者ではない場合も含んでいる。この遊技者レコードは、図4(a)に示すように、遊技者の個人データが記憶されているレコードである。この遊技者レコードには、遊技者の顔画像M1、遊技者情報M2、遊技情報及び乖離情報が対応付けられていた履歴データM3が記憶されている。図4(a)の場合、遊技者IDが777であり、機種Aの遊技機2において10時00分に遊技を開始したことが記憶されている。ここで、図4(a)に示す「差」は、差玉(セーフ−アウト)を示している。また、顔画像M1は、新規の遊技者の場合、ステップA3で遊技者を特定した時点で撮像された顔画像が記憶される。尚、会員カード8により遊技者を特定した場合には、例えば会員登録時などに遊技者の顔画像を撮像していればその顔画像を記憶させても良い。
【0030】
続いて、管理装置5は、図3に示す第1笑顔度特定処理において、基本笑顔度の集計を開始する(A6)。尚、新規の遊技者ではない場合には(A4:NO)、既に記憶されている遊技者レコードに追加する形で個人データを更新することから、ステップA6に移行して基本視線変化率の集計を開始する。
【0031】
基本笑顔度の集計を開始すると、管理装置5は、笑顔度(基本笑顔度も含む)の集計中であり(A1:YES)、且つ、ステップA6において基本笑顔度の集計を開始したことから(A7:YES)、基本笑顔度の集計開始から10分経過したかを判定する(A8)。このとき、10分経過していなければ(A8:NO)、そのままリターンすることで、笑顔度及び基本笑顔度の集計を継続する。そして、遊技者により遊技が継続され、基本笑顔度の集計開始から10分経過すると(A8:YES)、10分間に集計した笑顔度の平均を、基準笑顔度として登録する(A9)。このとき、図4(b)に示すように、遊技者レコードには笑顔度情報M4が追加され、基本笑顔度(80%)が記憶される。また、履歴データM3が更新され、10時10分における笑顔度が80%、笑顔度と基本笑顔度と乖離度合を示す笑顔乖離度合が0%であることが記憶される。この笑顔乖離度合は、例えば10分毎の笑顔度の平均値に基づいて、(笑顔度の平均値−基本笑顔度)÷基本笑顔度として算出される。尚、基本笑顔度が0%である場合には、笑顔乖離度合=笑顔度として算出する。
【0032】
基本笑顔度を登録すると、管理装置5は、図3に示す第1笑顔度特定処理において、基本笑顔度の集計を終了し(A10)、笑顔乖離度合の集計を開始する(A11)。この笑顔乖離度合の集計も、笑顔度の集計に含まれる。そのため、管理装置5は、笑顔乖離度合を含めて笑顔度の集計を開始した状態では(A1:YES、A7:NO)、第1笑顔度特定処理では実質的な処理を行わないままリターンする。尚、笑顔度の集計及び遊技情報の集計は行われているので、図4に示す遊技者レコードの個人データは遊技の進行に応じて随時更新されていく。
【0033】
このように、管理装置5は、基本笑顔度の集計開始から、即ち、遊技の開始から10分間における笑顔度の平均から基本笑顔度を特定する。これにより、遊技者の感情を推定するための基準値となる基準表情情報が、遊技者毎に特定される。つまり、管理装置5は、遊技者毎に異なる基準値にて、乖離値又は乖離度合を示す乖離情報を特定することができるようになる。これにより、もともと表情の変化が乏しい遊技者であっても、個別に基準値が設けられるので、表情の変化の推移を特定し易くなる。そして、遊技者が遊技中には、笑顔度を基本笑顔度と比較することで、笑顔乖離度合を集計している。
【0034】
この状態で遊技が継続されると、管理装置5は、図5に示す第2笑顔度特定処理において、遊技中であることから(B1:YES)、遊技終了を特定したか否かを判定する(B2)。そして、遊技が継続されている状態、即ち、遊技終了を特定していない場合には(B2:NO)、現在の笑顔乖離度合が終了10分前に対応しているかを判定する(B9)。ここで、「終了10分前」とは、詳細は後述するが、終了10分前における笑顔乖離度合のことであり、後述する「終了10分前笑顔乖離度合」に相当する。この「終了10分前笑顔乖離度合」は、遊技終了を特定した後に特定されるものである。そのため、遊技の終了を特定していない現時点では、現在の笑顔乖離度合は終了10分前に対応していない(より厳密には、終了10分前笑顔乖離度合が特定されていないため比較できない)ことから(B9:NO)、そのままリターンする。
【0035】
さて、管理装置5は、図3に示す第1笑顔度特定処理のステップA11において笑顔乖離度合の集計を開始したことから、図6に示す第3笑顔度特定処理において、笑顔乖離度合の集計中であるので(C1:YES)、玉貸操作が有るかを判定するようになる(C2)。そして、玉貸出操作が有ると(C2:YES)、遊技者の投資金額を特定し(C3)、機種と投資金額と笑顔乖離度合とを対応付けて集計する(C4)。つまり、管理装置5は、笑顔乖離度合の集計中に遊技中に玉貸出操作が有った場合には、遊技機2の機種毎に、その玉貸出操作が有った時点における投資金額の累計と、その時点における笑顔乖離度合とを対応付けて記憶する。
【0036】
これにより、例えば図7に示すような投資金額別の笑顔乖離度合の推移が、機種毎に集計される。この図7では、投資金額が大きくなる程笑顔乖離度合が大きくなること、即ち、投資金額が大きくなる程、遊技者の感情変化が大きくなっていることが推測できる。また、投資金額が同じであっても、機種Bのほうが機種Cよりも笑顔乖離度合が大きい傾向にあることが示されている。このことから、機種Bよりも機種Cの方がつまらない、或いは、機種Bよりも機種Cの方が大量の玉を獲得しにくいと遊技者が感じていること等を推測することができる。
【0037】
さて、遊技中の遊技者が遊技を終了すると、遊技機2側の機器から稼動信号が送信されなくなる。その場合、管理装置5は、図5に示す第2笑顔度特定処理において、まだ遊技中であると判定しているものの(B1:YES)、稼動信号を受信しなくなったこと、即ち、遊技終了を特定すると(B2:YES)、機種対応笑顔度を集計し(B3)、機種対応笑顔乖離度合を集計する(B4)。この機種対応笑顔度及び機種対応笑顔乖離度合は、遊技開始から遊技終了までの期間(基準期間に相当する)における笑顔度及び笑顔乖離度合の平均値を機種毎に集計したデータである。
機種対応笑顔度は、遊技場全体で集計され、例えば図8に示すように、機種毎に、当該機種の遊技機2の数、当該機種を遊技した遊技人数、笑顔度の平均値及び笑顔乖離度合が集計される。この図8からは、機種Aと比較した場合、機種Bは、笑顔度については機種Aと同じであるものの、笑顔乖離度合が大きく減少しており、機種Aよりも遊技者がつまらないと感じた遊技機2であることが推測される。また、機種Cは、笑顔度については低いものの、笑顔乖離度合の減少が少なく、機種Aよりも遊技者が面白いと感じたていることが推測される。
【0038】
また、管理装置5は、これらのデータを、営業日或いは所定の期間範囲毎に、笑顔度が上昇した状態で遊技を終了した遊技者と、笑顔度が減少した状態得遊技を終了した遊技者とを比較可能に集計している。例えば、管理装置5は、図9に示すように、遊技場全体において、笑顔度が上昇した状態で遊技を終了した遊技者の割合である笑顔上昇割合と、笑顔度が減少した状態で遊技を終了した遊技者の割合である笑顔減少割合とを、週毎に来場人数に対応付けて集計する。
この図9からは、例えば、笑顔度上昇割合が40%と高かった3週前の来場人数が350人であるのに対し、その翌週(2週前)には来場人数が500人と大幅に増加している(稼動率が向上している)。その一方、2週前の笑顔度上昇割合が3%と低くなっており、その翌週(1週前)には来場人数が200人と大幅に減少している(稼動率が低下している)。このことから、笑顔上昇割合が高い週つまり勝った遊技者が多い週はその翌週の集客につながっていること、及び、笑顔上昇割合が低い週つまり負けた遊技者が多い週は翌週の客足が遠のくことが分かる。つまり、笑顔度を適切に特定できれば、今後の遊技者の来場人数も予測することが可能となる。
【0039】
さて、機種対応笑顔度及び機種対応笑顔乖離度合を集計すると、管理装置5は、続いて、終了10分前笑顔度を特定し(B5)、終了10分前笑顔乖離度合を特定する(B6)。終了10分前笑顔度は、過去に集計した笑顔度のうち、遊技終了を特定した10分前(「遊技者が遊技を終了する所定期間前」に相当する)の笑顔度である。また、終了10分前笑顔乖離度合は、遊技終了を特定した10分前(「遊技者が遊技を終了する所定期間前」に相当する)の笑顔乖離度合である。つまり、終了10分前笑顔度及び終了10分前笑顔乖離度合は、遊技者がそろそろ遊技を終了しようと判断したときの笑顔度及び笑顔乖離度合に対応するものである。
【0040】
続いて、管理装置5は、笑顔度の集計を終了し(B7)、笑顔乖離度合の集計を終了して(B8)、リターンする。この時点における遊技者レコードには、図4(c)に示すように、終了10分前即ち10時20分における差玉が−1000玉(つまり、遊技者が負けている)、終了10分の笑顔度が60%、終了10分の笑顔乖離度合が−25%((60%−80%)÷80%で算出)であることが記憶されている。そして、笑顔度情報M4には、終了笑顔乖離度合(終了10分前笑顔乖離度合)として、−25%が記憶される。
【0041】
この終了10分前笑顔乖離度合は、以下のように利用される。
機種Aでの遊技を終了した遊技者が、機種Bに台移動した場合、上記したように遊技者レコードの更新(個人データの更新)、笑顔度及び笑顔乖離度合の集計が行われる。このとき、図4(d)に示すように、10時30分から機種Bにて遊技を開始し、10時50分における笑顔度が59%、笑顔乖離度合が−26%と特定できたとする。この場合、遊技を開始してから20分経過した時点で、遊技者の笑顔乖離度合が、機種Aにて特定した終了10分前笑顔乖離度合を下回ったことが示されている。つまり、遊技者の笑顔度が過去に遊技を終了した頻度が高いものとなった状態となり、機種Bでの遊技をそろそろ終了しようと考えている可能性があることが推測される。尚、詳細な説明は省略するが、図4(d)の基本笑顔度は、機種Bにて遊技を開始した時点で新たに特定された値であり、機種Aでの遊技を終了したとき(終了10分前の笑顔度が60%なので、概ねそれと同じ程度)からすこし気分が回復したことで表情が和らいで80%になっている(結果的に、図4(b)と同じ値になっている)。
【0042】
そこで、管理装置5は、図5に示す第2笑顔度特定処理において、遊技中であり(B1:YES)、現在の笑顔乖離度合(−26%)が、先にステップB6にて特定した終了10分前笑顔乖離度合(−25%)に対応するものと判定し(B9:YES)、遊技者に対してメッセージ(特別報知に相当する)を例えば貸出装置3の液晶表示部3aに表示する(B10)。この場合、メッセージとしては、例えば『もう少しがんばろう!』のように遊技者に遊技を促すようなものを表示することが考えられる。このとき、図4(d)の遊技者レコードには、対応するレコードに特別報知を実行したことを示す星マーク(★)が記憶される。尚、ステップB9においては、現在の笑顔乖離度合が終了10分前笑顔乖離度合を下回ったときだけでなく、例えば現在の笑顔乖離度合が終了10分前笑顔乖離度合の±3%の範囲内になったとき等に、現在の笑顔乖離度合が終了10分前笑顔乖離度合に対応すると判定しても良い。
このように、管理装置5は、遊技者毎に笑顔乖離度合を算出する基準値である基本笑顔度を特定し、その基本笑顔度に基づいて笑顔乖離度合を特定している。
【0043】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
遊技者の画像を撮像し、遊技者の顔画像から遊技者の表情を数値化した情報である表情情報として笑顔度を特定し、例えば遊技開始から10分間の予め定められた基準期間における遊技者の笑顔度の平均である基本笑顔度を遊技者に対応付けて管理し、基本笑顔度とその遊技者が遊技を行っている場合の笑顔度との乖離度合を示す笑顔乖離度合を特定するので、表情の変化に乏しい遊技者や、普通の顔が笑って見えることや怒って見える遊技者であっても、感情がどのように推移しているのかを特定し易くなる。したがって、遊技者の感情変化を好適に特定することができる。
【0044】
遊技者が遊技を終了する10分前の終了10分前笑顔乖離度合を特定するので、その遊技者が遊技を終了する場合の感情変化を特定することができる。これにより、遊技を終了しそうな遊技者を前もって特定することが可能となり、遊技を終了してしまう前の遊技者に対して何らかの働きかけを行うことが可能となる。したがって、遊技を終了しようとしている遊技者に対して的確な対応を実施することができる。この場合、働きかけとしては、液晶表示部3aへのメッセージの表示等が考えられる。このように、現在の笑顔度が終了10分前笑顔乖離度合に対応するものとなった場合、即ち、笑顔度が過去に遊技者が遊技を終了した頻度が高いものとなった場合に、当該遊技者に対してメッセージ等の特別報知を実行することで、遊技の続行を促すことができる。
【0045】
笑顔度及び笑顔乖離度合を遊技情報に対応付けて管理するので、どのような遊技結果になると遊技者の感情が起伏するのかを特定することができる。
基本笑顔度として、遊技者が遊技を開始してから10分間の所定期間が経過するまでの笑顔度の平均値を用いるので、予め遊技者毎の基本笑顔度を記憶しておく必要が無くなる。これにより、遊技場に初めて来場した遊技者であっても、笑顔度の変化即ち感情変化を好適に特定することができる。
【0046】
遊技者が笑顔の度合を示す笑顔度を特定し、基本笑顔度よりも笑顔度が上がった遊技者の数、及び、笑顔度が下がった遊技者の数を管理しているので、笑顔度の変化は遊技者の満足度を表す指標と考えることができることから、遊技者の満足度を特定することができる。これにより、例えば笑顔度が下がっていれば遊技者が遊技機2に満足しておらず、稼動率の低下を招くおそれがあること等を推測可能となる。したがって、遊技者の笑顔度が上がるように遊技場にて対策をとることで、稼動率の低下を回避することができる等、遊技場の運営に適切な対策を取ることができる。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。
一実施形態では顔認証用カメラ3dを貸出装置3に設けた構成を例示したが、例えば中継装置4に設ける等、他の場所に設けても良い。即ち、顔認証用カメラ3dは、遊技者の顔画像を撮像でき、その遊技者が遊技している遊技機2を特定できる位置であれば、どのような位置に設けても良い。また、顔認証用カメラ3dは、遊技機2と1対1で設けなくてもよく、1台の顔認証用カメラ3dで複数の遊技機2で遊技している遊技者を撮像するようにしても良い。
【0048】
一実施形態では笑顔度及び笑顔乖離度合に対応付ける遊技情報として遊技機2の機種、差玉を例示したが、大当り回数、収支、持玉等、他の遊技情報を対応付けても良い。また、差玉が−1000であっても、投資金額が1000円の場合と1万円の場合とで笑顔度が異なることも考えられるため、例えば投資金額に応じて笑顔度の特定処理の内容を変更する等、遊技情報を笑顔度の特定処理にフィードバックすることにより、笑顔度を特定する精度を向上させることができるようにもなる。
一実施形態では特別報知としてメッセージの表示を例示したが、例えば遊技場の従業員による遊技者への話しかけ等であっても良い。即ち、遊技場の従業員に遊技者に話しかけるよう指示する特別報知を実行するようにしても良い。また、メッセージとしては、終了10分前笑顔乖離度合がプラスになった場合には、『やったね!』等、遊技者を祝福するメッセージを表示させても良い。
【0049】
一実施形態では笑顔度及び笑顔乖離度合を機種毎及び遊技者毎に管理したが、機種毎のみ、或いは遊技者毎のみに管理しても良い。また、遊技機2毎或いは遊技場全体で管理しても良い。例えば遊技機2毎に管理すれば、遊技機2の調整に活用することができる等、細かなデータ管理を行うことができるようになる。遊技場全体で管理すれば、遊技場の運営というマクロ的な視点からデータ管理を行うことができるようになる。
基準期間や所定期間は、一実施形態で例示した10分に限らず、遊技場の管理者等によって適切な値に変更することができる。また、一実施形態のように時間を基準とするのではなく、例えばゲーム数、アウト数やセーフ数、投資金額等、任意の基準を用いることができる。
【0050】
一実施形態では笑顔乖離度合を特定して管理したが、笑顔度のみを管理するようにしても良い。この場合、遊技者毎に笑顔度を管理するようにすれば、基本の笑顔度が遊技者毎に異なるとしても、笑顔度による管理を良好に行うことができる。この場合、基本となる笑顔度から現在の笑顔度が乖離している値(例えば、笑顔度30から笑顔度20となった場合、乖離している値は10)を管理するようにしても良い。
一実施形態では表情情報として笑顔度を例示したが、笑顔度ではなく、怒り度や、悲しみ度等を特定するようにしても良い。
一実施形態では基本笑顔度を遊技の開始を特定することに特定しているが、一度特定したら再び特定しないようにしても良いし、1日に1回例えば当日の最初の遊技開始時のみ特定するようにしても良い。
一実施形態では遊技機2としてパチンコ遊技機を想定したが、スロットマシン等であっても良い。また、例えば得点やクレジットを使用することで遊技が進行する所謂封入式のパチンコ遊技機にも適用することができる。尚、封入式のパチンコ遊技機の場合、得点やクレジット等の遊技価値を使用することで、玉を打ち出し遊技が進行するものが含まれる。
【符号の説明】
【0051】
図面中、2は遊技機、3dは顔認証用カメラ(撮像手段)、5は管理装置(遊技者管理装置)、5fは表情情報特定部(表情情報特定手段)、5gは表情情報管理部(表情情報管理手段)、5hは遊技終了特定部(遊技終了特定手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場に来場した遊技者を管理する遊技者管理装置において、
前記遊技機において遊技を行っている遊技者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像結果から遊技者の表情を数値化した情報である表情情報を特定する表情情報特定手段と、
予め定められた基準期間における遊技者の前記表情情報である基準表情情報を遊技者に対応付けて管理すると共に、前記基準表情情報とその遊技者が遊技を行っている場合の表情情報との乖離値又は乖離度合を示す乖離情報を管理する表情情報管理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技者管理装置。
【請求項2】
遊技者が遊技を終了したことを特定する遊技終了特定手段を備え、
前記表情情報管理手段は、遊技者が遊技を終了する所定期間前における前記表情情報とその遊技者の前記基準表情情報との前記乖離情報を管理することを特徴とする請求項1に記載の遊技者管理装置。
【請求項3】
遊技者が遊技を行っている状況下において前記乖離情報が過去に遊技者が遊技を終了した頻度が高いものとなった場合に、当該遊技者に対して特別報知を実行する報知手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の遊技者管理装置。
【請求項4】
前記表情情報管理手段は、遊技結果の情報である遊技情報に対応付けて前記乖離情報を管理することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技者管理装置。
【請求項5】
前記表情情報管理手段は、前記基準表情情報として、遊技者が遊技を開始してから所定期間が経過するまでの前記表情情報を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技者管理装置。
【請求項6】
前記表情情報特定手段は、前記表情情報として、遊技者が笑顔の度合を示す笑顔度を特定するものであり、
前記表情情報管理手段は、前記基準表情情報よりも笑顔度が上がった遊技者の数、及び、笑顔度が下がった遊技者の数のうち少なくとも一方を管理することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技者管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−111172(P2013−111172A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258890(P2011−258890)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】