遊技設備装置
【課題】立体画像が演出表示される期間だけ遊技者が立体視用フィルタ部材を用いて立体画像を視認できるようになり、立体画像を用いた演出効果を高める。
【解決手段】遊技設備装置１５０は、遊技中の特定の演出時に画像表示部１０４に立体的な３Ｄ演出の演出画像をおこなう遊技機１００に接続される。遊技機１００による３Ｄ演出時に遊技者が装着することにより、遊技者に対して画像表示部１０４に表示された３Ｄ演出の演出画像を立体的な演出画像として見せるための３Ｄメガネ１２２と、３Ｄメガネ１２２の装着が必要な時期に、遊技者が３Ｄメガネ１２２を介して画像表示部１０４に表示された３Ｄ演出の演出画像を視認可能にする制御をおこなう制御部４０２と、を備える。
【解決手段】遊技設備装置１５０は、遊技中の特定の演出時に画像表示部１０４に立体的な３Ｄ演出の演出画像をおこなう遊技機１００に接続される。遊技機１００による３Ｄ演出時に遊技者が装着することにより、遊技者に対して画像表示部１０４に表示された３Ｄ演出の演出画像を立体的な演出画像として見せるための３Ｄメガネ１２２と、３Ｄメガネ１２２の装着が必要な時期に、遊技者が３Ｄメガネ１２２を介して画像表示部１０４に表示された３Ｄ演出の演出画像を視認可能にする制御をおこなう制御部４０２と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技中に立体画像を用いた演出をおこなう遊技設備装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、遊技盤上に設けられた始動口へ遊技球が入賞すると、大当たり抽選をおこない、表示器に表示させた３つの図柄（たとえば数字）を変動させる遊技機があった。このような遊技機は、大当たりに当選すると、変動させた３つの図柄を特定の組み合わせ（たとえば「７・７・７」などのいわゆる「ゾロ目」）で停止させる。その後、大当たり遊技状態となり、遊技盤上の大入賞口を開放する。この間に、遊技者は大入賞口に遊技球を入賞させることで多数の賞球を獲得できるようになっている。
【０００３】
このような遊技機では、遊技の面白みを増させるために、図柄だけでなく、様々な演出がおこなわれている。たとえば、表示器の表示画像を立体画像としたぱちんこ遊技機がある（たとえば下記特許文献１を参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−２２３５２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、表示器には常に立体画像が表示され、遊技者は常に立体画像を認識するためのシャッタをレンズに備えた遊技用メガネ（立体視用フィルタ部材）を装着しなければならない。このため、遊技者は常に立体画像を見ながら遊技することとなり、遊技者に疲労感を与えていた。ぱちんこ遊技機は、大当たりだけが連続することはなく、逆に、リーチ等の特定の演出により大当たりへの期待感を抱かせるようになっており、常に立体画像を見せるだけでは興趣性を高めることができなかった。
【０００６】
したがって、遊技者に対して立体画像を視認させる演出をおこなうとしても、常時立体画像を表示させるのではなく、期待感を抱かせる特定の演出時に、立体画像を用いれば期待感を高めさせることができると考えられる。単に、立体画像を常時表示させるものとしない場合、通常の平面２Ｄ（Ｄ：ｄｉｍｅｎｓｉｏｎ）画像と、立体（３Ｄ）画像とを切り替えることとなるが、この場合、遊技者がどのような時期に上記の遊技用メガネを装着すべきか、あるいは取り外すべきか不明であり、演出内容を楽しむことができない状態となるおそれがある。
【０００７】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、遊技機に表示される立体画像の視認に必要な立体画像用の立体視用フィルタ部材の着脱を適切におこなえる遊技設備装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。本発明にかかる遊技設備装置は、遊技中の特定の演出時に画像表示手段（１０４）に立体的な３Ｄ演出の演出画像をおこなう遊技機（１００）に接続される遊技設備装置（１５０，１２００，１３００）であって、前記遊技機（１００）による前記３Ｄ演出時に遊技者が装着することにより、当該遊技者に対して前記画像表示手段（１０４）に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を立体的な演出画像として見せるための立体視用フィルタ部材（１２２）と、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期に、遊技者が当該立体視用フィルタ部材（１２２）を介して前記画像表示手段（１０４）に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を視認可能にする制御をおこなう制御手段（４０２）と、を備えたことを特徴とする。
【０００９】
また、上記の発明において、前記立体視用フィルタ部材（１２２）を保持あるいは解除可能とするロック片（１２４）を備え、前記制御手段（４０２）は、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期に、前記ロック片（１２４）を解除することとしてもよい。
【００１０】
また、上記の発明において、前記立体視用フィルタ部材（１２２）を、前記遊技機（１００）の前記画像表示手段（１０４）に重なる位置と、退避させた位置との間で移動させる移動機構（１６１）を備え、前記制御手段（４０２）は、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期に、前記移動機構（１６１）を制御して前記立体視用フィルタ部材（１２２）を前記画像表示手段（１０４）に重なる位置に移動させることとしてもよい。
【００１１】
また、上記の発明において、前記制御手段（４０２）は、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期を事前に報知可能な報知手段（１５７）を備えたこととしてもよい。
【００１２】
また、上記の発明において、遊技設備装置は、隣接する前記遊技機（１００）の間に配置され、前記遊技機（１００）に対する遊技球の貸し出しをおこなう台間設備（１５０）としてもよい。
【００１３】
また、上記の発明において、遊技設備装置は、隣接する前記遊技機（１００）の間に配置され、当該隣接する遊技機（１００）の遊技者の喫煙時の煙を遮断する台間設備（１２００）としてもよい。
【００１４】
また、上記の発明において、遊技設備装置は、前記遊技機（１００）の遊技状態を表示する表示器（１３００）としてもよい。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、立体画像が演出表示される期間だけ遊技者が立体視用フィルタ部材を用いて立体画像を視認できるようになり、立体画像を用いた演出効果を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の遊技設備装置の実施例１を示す正面図である。
【図２−１】３Ｄメガネのロック状態を示す平面図である。
【図２−２】３Ｄメガネのロック解除状態を示す平面図である。
【図３】ぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図４】本発明にかかる台間設備装置の内部構成を示すブロック図である。
【図５】３Ｄ演出用の画像を示す図である。
【図６】３Ｄメガネを用いて見た３Ｄ画像の見え方を示す図である。
【図７】３Ｄ演出をおこなう機能的構成を示すブロック図である。
【図８】３Ｄ演出時における制御手順を示すフローチャートである。
【図９】本発明の遊技設備装置の実施例２を示す正面図である。
【図１０】台間設備装置の実施例２を示す斜視図である。
【図１１】３Ｄメガネの移動状態を示す図である。
【図１２】本発明の遊技設備装置の実施例３を示す正面図である。
【図１３】本発明の遊技設備装置の実施例４を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技設備装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。はじめに本発明にかかる遊技設備装置に接続される遊技機について説明する。以下に説明する遊技機は、旧第一種に属するぱちんこ遊技機（いわゆる「デジパチ」）に適用した例である。
【００１８】
（実施例１−台間設備装置の構成例１）
本発明の遊技設備装置は、遊技機同士の間に配置される台間設備装置や、遊技機の上部に配置される表示装置等がある。図１は、本発明の遊技設備装置の実施例１を示す正面図である。図１には、遊技設備装置としての台間設備装置（遊技球貸し出し装置）と、この台間設備装置に接続されるぱちんこ遊技機の一例を示している。
【００１９】
（ぱちんこ遊技機の基本構成）
まず、本発明の実施の形態にかかる遊技設備装置に接続される遊技機の基本構成について説明する。図１に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機（本体）１００は、遊技盤１０１を備えている。遊技盤１０１の下部位置には、発射部（図３中符号３９２参照）が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール１０２ａ，１０２ｂ間を上昇して遊技盤１０１の上部位置に達した後、遊技領域１０３内を落下するようになっている。遊技領域１０３には、複数の釘（不図示）が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域１０３において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口（始動口や大入賞口など）が配設されている。
【００２０】
遊技盤１０１の略中央部分には、画像表示部１０４が配置されている。画像表示部１０４としては液晶表示器（ＬＣＤ：Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）などが用いられる。画像表示部１０４の下方には、第１始動口１０５と、第２始動口１０６とが配設されている。第１始動口１０５、第２始動口１０６は、始動入賞させるための入賞口である。
【００２１】
第２始動口１０６の近傍には、普通電動役物（後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき動作する役物）としての電動チューリップ１０７が設けられている。電動チューリップ１０７は、遊技球を第２始動口１０６へ入賞し難くさせる閉状態（閉口された状態）と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態（開放された状態）とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ１０７が備えるソレノイド（図３中符号３３１参照）によっておこなわれる。
【００２２】
電動チューリップ１０７は、画像表示部１０４の左側に配設されたゲート１０８を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート１０８は、画像表示部１０４の左側（図示の位置）に限らず、遊技領域１０３内の任意の位置に配設してよい。
【００２３】
第２始動口１０６の下方には、大入賞口１０９が設けられている。大入賞口１０９は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数（たとえば１５個）の賞球を払い出すための入賞口である。
【００２４】
画像表示部１０４の側部や下方などには普通入賞口１１０が配設されている。普通入賞口１１０は、遊技球の入賞により所定個数（たとえば１０個）の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口１１０は、図示の位置に限らず、遊技領域１０３内の任意の位置に配設してよい。遊技領域１０３の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口１１１が設けられている。
【００２５】
遊技盤１０１の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部１１２が配置されている。特別図柄表示部１１２は、第１特別図柄が表示される第１特別図柄表示部（図３中符号１１２ａ参照）と、第２特別図柄が表示される第２特別図柄表示部（図３中符号１１２ｂ参照）とを有する。
【００２６】
ここで、第１特別図柄は、遊技球が第１始動口１０５へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第２特別図柄は、遊技球が第２始動口１０６へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。これらの大当たり抽選で大当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機１００は大当たり遊技状態となる。
【００２７】
また、遊技盤１０１の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部１１３が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機１００は、前述のように、所定期間、電動チューリップ１０７を開状態とする。特別図柄表示部１１２や普通図柄表示部１１３としては、７セグメントディスプレイなどを採用することができる。
【００２８】
特別図柄表示部１１２および普通図柄表示部１１３の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球の数（以下「保留球数」という）を表示する保留球数表示部１１４が配置されている。たとえば、保留球数表示部１１４としてはＬＥＤが用いられる。この保留球数表示部１１４としては、複数のＬＥＤを備えるＬＥＤ表示器などを採用することができる。
【００２９】
遊技盤１０１の遊技領域１０３の外周部分には、枠部材１１５が設けられている。枠部材１１５は、遊技盤１０１の上下左右の４辺において遊技領域１０３の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材１１５は、遊技盤１０１の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【００３０】
枠部材１１５において遊技領域１０３の上側および下側となる２辺には、演出ライト部（枠ランプ）１１６が設けられている。演出ライト部１１６は、それぞれ複数のランプとモータ（不図示）とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機１００の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機１００の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機１００を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
【００３１】
また、遊技領域１０３の下部には、枠部材１１５の一部として遊技盤１０１の盤面から遊技者側に突出する突出部１２１が設けられ、突出部１２１の上面には、演出ボタン（チャンスボタン）１１９、カーソルキー１２０が設けられている。演出ボタン１１９は、ぱちんこ遊技機１００において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、突出部１２１の下部には、音声を出力するスピーカ（図３中符号３５４参照）が組み込まれている。
【００３２】
枠部材１１５の下部位置には、操作ハンドル１１７が配置されている。操作ハンドル１１７は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル１１７は、上記の枠部材１１５と同様に、遊技盤１０１の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【００３３】
操作ハンドル１１７は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材１１８を備えている。発射指示部材１１８は、操作ハンドル１１７の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル１１７には、遊技者が発射指示部材１１８を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材１１８が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
【００３４】
このほか、不図示であるが、遊技盤１０１の所定位置には、可動役物が配置されることもある。可動役物は、駆動モータなどの駆動部や駆動部によって役物の一部が移動する装飾可動体などを備えている。
【００３５】
（台間設備装置の基本構成）
図１に示すように、ぱちんこ遊技機１００の側部には、台間設備装置１５０が設けられている。この台間設備装置１５０は、遊技球貸し出し装置であり、主にぱちんこ遊技機１００の遊技に必要な遊技球を貸し出す。このため、遊技球を貸し出すための紙幣の投入口１５１、投入金額や残額等を表示する表示部１５２、操作部１５３を備える。また、貯玉情報が記憶されたコインの投入口１５４および排出口１５５と、ホールの会員用の会員カードの投入口１５６が設けられている。
【００３６】
そして、この台間設備装置１５０の下部には、後述する特定の立体画像演出時（３Ｄ演出時）に遊技者が装着する立体視用フィルタ部材（以降、３Ｄメガネと略称する）１２２が着脱自在である。この３Ｄメガネ１２２の装着は、遊技者が自ら操作しておこなう。あるいは、ぱちんこ遊技機１００は、３Ｄメガネを遊技領域１０３（画像表示部１０４）から外部位置に退避させておき、特定の３Ｄ演出時にのみ遊技領域１０３（画像表示部１０４）の前面位置に移動させることもできる。
【００３７】
この実施の形態では、台間設備装置１５０に、３Ｄメガネ１２２を係止保持するロック片１２４を設けている。図示の例では、ロック片１２４は、３Ｄメガネ１２２の中央のブリッジ１２２ａを特定の演出時以外の期間は、脱落および盗難を防止するためにロックし、収容された３Ｄメガネ１２２を取り外しできない状態に保持する。
【００３８】
一方、特定の３Ｄ演出時には、ロック片１２４のロックが外れ、遊技者は、３Ｄメガネ１２２を取り外して装着可能となる。３Ｄメガネ１２２の係止保持位置には３Ｄメガネ１２２があるか否かを検知するセンサを設けてもよい。３Ｄメガネ１２２の左右のレンズに設けられたシャッタ（たとえば液晶シャッタ）は、台間設備装置１５０から遊技盤１０１までの間に接続された所定長の接続線を介して開閉制御される。この接続線は、３Ｄメガネ１２２が台間設備装置１５０から取り外されることによる盗難防止を兼ねている。このシャッタの開閉制御により、画像表示部１０４に表示されている３Ｄの演出画像がフィルタリングされ、３Ｄメガネを装着した遊技者は、３Ｄの演出画像を立体画像として見ることができるようになる（３Ｄ画像の視認の詳細は後述する）。また、３Ｄメガネ１２２が係止保持される近傍には、３Ｄメガネ１２２のロックが解除されたことを遊技者に報知可能なようにロック状態報知手段として、ＬＥＤ等の発光手段１５７が設けられている。
【００３９】
（ぱちんこ遊技機の基本動作）
つぎに、本実施の形態の台間設備装置が接続されるぱちんこ遊技機１００の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機１００は、遊技球が第１始動口１０５や第２始動口１０６へ入賞すると、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。第１始動口１０５へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機１００は第１特別図柄表示部１１２ａの第１特別図柄を変動表示する。第２始動口１０６へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機１００は第２特別図柄表示部１１２ｂの第２特別図柄を変動表示する。
【００４０】
上記のように特別図柄表示部１１２にて特別図柄の変動表示を開始すると、これに合わせて、画像表示部１０４にて３つの装飾図柄（演出用図柄）の変動表示を開始する。その後、特別図柄の変動表示を開始して所定期間が経過したときには、ぱちんこ遊技機１００は、変動表示開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で、変動表示中の特別図柄を停止表示する。また、これに合わせて、３つの装飾図柄を大当たり抽選の抽選結果を示す組み合わせで停止表示する。たとえば、大当たりを示す組み合わせとしては、３つの装飾図柄が同一図柄を示す組み合わせ、いわゆる「ゾロ目」などがある。
【００４１】
大当たりを示す図柄で特別図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機１００は、遊技状態を大当たり遊技状態として、当選した大当たりに応じたラウンド数分（たとえば１５ラウンド）、大入賞口１０９を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口１０９へ入賞すると、ぱちんこ遊技機１００は所定個数の賞球を払い出す。
【００４２】
また、画像表示部１０４は、通常時、平面（２Ｄ）画像で図柄表示、および演出表示し、特定の３Ｄ演出時には、フレームシーケンシャル方式により、３Ｄ画像を表示する。このフレームシーケンシャル方式では、画像表示部１０４には、両目の距離に相当して異なる２つの画像を高速に交互に表示させる。一方、３Ｄメガネ１２２に対しては、この交互に切り替わる２つの画像を右目と左目に交互に送るよう、高速で左右のレンズのシャッタを表示された画像に同期して切り替える。これにより、遊技者は、画像表示部１０４に表示された３Ｄ演出の画像を立体感をもって見ることができるようになる。
【００４３】
（３Ｄメガネの構成）
つぎに、３Ｄメガネ１２２の構成について説明する。図２−１は、３Ｄメガネのロック状態を示す側面図である。図２−２は、３Ｄメガネのロック解除状態を示す側面図である。いずれも台間設備装置１５０を上面から見た状態を示している。
【００４４】
図２−１に示すように、３Ｄメガネ１２２は、図示のように、テンプル１２２ｂを折りたたんだ状態で収容される。テンプル１２２ｂは、常に折りたたむ方向にバネ力が加わる構成とされており、折りたたんだ状態で収容できるようになっている。
【００４５】
３Ｄメガネ１２２は、収容時には、ブリッジ１２２ａ部分を外部から挟み込むロック片１２４により、収容状態が保持される。たとえば、ロック片１２４は、図示のように、開閉する２つの爪１２４ａ，１２４ｂで構成でき、これらの爪１２４ａ，１２４ｂは、それぞれ軸１２４ａａ，１２４ｂａを中心として不図示のソレノイド等により回動自在である。
【００４６】
そして、３Ｄ演出時には、図２−２に示すように、３Ｄメガネ１２２がロック解除される。このとき、ロック片１２４（爪１２４ａ，１２４ｂ）が開放され、３Ｄメガネ１２２のブリッジ１２２ａ部分のロックを解除する。これにより、３Ｄメガネ１２２は、取り出し可能となり、遊技者が装着可能となる。
【００４７】
３Ｄメガネ１２２は、遊技者の顔面まで引き出されるため、台間設備装置１５０から所定距離離れ、この際、図示のように、３Ｄメガネ１２２のレンズに対するシャッタ制御をおこなうための接続線１２５が台間設備装置１５０部分から延びる。接続線１２５は、台間設備装置１５０内部の図示しない基板（あるいはコネクタ等）と、３Ｄメガネ１２２との間に配線されている。この接続線１２５により、３Ｄメガネ１２２の盗難を防止できる。なお、後述するが、ぱちんこ遊技機１００と台間設備装置１５０との間は、所定のＩ／Ｆを介して相互に接続され、このＩ／Ｆは、接続線１２５を用いた有線接続に限らず、無線接続も可能である。
【００４８】
加えて、台間設備装置１５０の内部に接続線１２５を所定の力で巻き取る巻き取り部１２５ａを設けることにより、接続線１２５の弛みを防止できる。巻き取り部１２５ａは一方向クラッチ機構を備え、接続線１２５の引き出しに対しては許容し、３Ｄ演出の終了時にラッチ解除し、所定の力で接続線１２５を巻き取る構成とすれば、接続線１２５を全て巻き取り収容することができる。このような構成とすることで、３Ｄ演出の終了時期を適切に報知可能となり、３Ｄメガネ１２２の着用という煩わしさからいち早く解放することが可能となる。なお、接続線１２５とともに、チェーンやワイヤ等の接続部材を用いることにより、ぱちんこ遊技機１００から３Ｄメガネ１２２の離脱（たとえば盗難や脱落時の損傷）等を強固に防ぐことができる。
【００４９】
（ぱちんこ遊技機の内部構成）
つぎに、本発明にかかる実施の形態の台間設備装置１５０に接続されるぱちんこ遊技機１００の内部構成について説明する。図３は、ぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図３に示すように、ぱちんこ遊技機１００の制御部３００は、ぱちんこ遊技機１００における遊技の進行を制御する主制御部３０１と、ぱちんこ遊技機１００がおこなう演出の演出内容を制御する演出制御部３０２と、ぱちんこ遊技機１００がおこなう賞球の払い出しを制御する賞球制御部３０３とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
【００５０】
（１．主制御部）
主制御部３０１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）３１１と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）３１２と、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３１３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００５１】
ＣＰＵ３１１は、ぱちんこ遊技機１００の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ＲＯＭ３１２には、ＣＰＵ３１１が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや当該プログラム実行時に用いる各種テーブルなどが記憶されている。ＲＡＭ３１３は、ＣＰＵ３１１のワークエリアとして機能する。なお、ＣＰＵ３１１が上記のプログラムを実行することによりＲＡＭ３１３に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部３０１に接続された各構成に対して送信される。
【００５２】
すなわち、主制御部３０１は、ＣＰＵ３１１がＲＡＭ３１３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ３１２に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機１００の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部３０１は、主制御基板（公知の技術のため詳細な説明は省略する）によって実現される。
【００５３】
主制御部３０１には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ（ＳＷ）、大入賞口１０９などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第１特別図柄表示部１１２ａ、第２特別図柄表示部１１２ｂ、普通図柄表示部１１３、保留球数表示部１１４などが接続される。
【００５４】
具体的に、上記の各種ＳＷとしては、第１始動口１０５へ入賞した遊技球を検出する第１始動口ＳＷ３２１と、第２始動口１０６へ入賞した遊技球を検出する第２始動口ＳＷ３２２と、ゲート１０８を通過した遊技球を検出するゲートＳＷ３２３と、大入賞口１０９へ入賞した遊技球を検出する大入賞口ＳＷ３２４と、普通入賞口１１０へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口ＳＷ３２５とが主制御部３０１に接続される。
【００５５】
それぞれのＳＷ（３２１〜３２５）による検出結果は主制御部３０１へ入力される。これらのＳＷには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口ＳＷ３２５は、普通入賞口１１０の配置位置別に複数個設けてもよい。
【００５６】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ１０７を開閉動作させる電動チューリップソレノイド３３１と、大入賞口１０９を開閉動作させる大入賞口ソレノイド３３２とが主制御部３０１に接続される。主制御部３０１は、それぞれのソレノイド（３３１，３３２）に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部３０１は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド３３１の駆動を、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド３３２の駆動を、それぞれ制御する。
【００５７】
また、主制御部３０１は、大当たり抽選（第１大当たり抽選、第２大当たり抽選）、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第１特別図柄表示部１１２ａ、第２特別図柄表示部１１２ｂ、普通図柄表示部１１３の表示内容を制御する。たとえば、主制御部３０１は、第１大当たり抽選をおこなうと第１特別図柄表示部１１２ａの第１特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第１大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第１特別図柄を停止表示させる。
【００５８】
同様に、主制御部３０１は、第２大当たり抽選をおこなうと第２特別図柄表示部１１２ｂの第２特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部１１３の普通図柄を、変動／停止表示させる。
【００５９】
さらに、主制御部３０１は、演出制御部３０２および賞球制御部３０３にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部３０１は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部３０２に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果（停止表示させる特別図柄の種類）、現在の遊技状態、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間（以下「変動時間」という）などを示す情報が含まれている。
【００６０】
また、主制御部３０１は、各入賞口（始動口１０５，１０６、大入賞口１０９、普通入賞口１１０）へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部３０３に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
【００６１】
（２．演出制御部）
演出制御部３０２は、演出統括部３０２ａと、画像・音声制御部３０２ｂと、ランプ制御部３０２ｃとによって構成され、ぱちんこ遊技機１００がおこなう演出の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部３０２ａは、主制御部３０１から受信したコマンド（たとえば変動開始コマンド）に基づいて演出制御部３０２全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部３０２ｂは、演出統括部３０２ａからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部３０２ｃは、遊技盤１０１および枠部材１１５などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【００６２】
（２−１．演出統括部）
まず、演出統括部３０２ａの構成について説明する。演出統括部３０２ａは、ＣＰＵ３４１と、ＲＯＭ３４２と、ＲＡＭ３４３と、リアルタイムクロック（以下「ＲＴＣ」という）３４４と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００６３】
ＣＰＵ３４１は、ぱちんこ遊技機１００において演出をおこなう演出制御部３０２全体を統括するための各種プログラムを実行する。ＲＯＭ３４２には、ＣＰＵ３４１が上記の処理を実行するために必要となるプログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ３４３は、ＣＰＵ３４１のワークエリアとして機能する。ＣＰＵ３４１がプログラムを実行することによりＲＡＭ３４３にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部３０２ｂおよびランプ制御部３０２ｃに対して送信される。
【００６４】
すなわち、演出統括部３０２ａは、ＣＰＵ３４１がＲＡＭ３４３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ３４２に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部３０２全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部３０２ａは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部３０２ｂ、ランプ制御部３０２ｃに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部３０２全体を統括する。
【００６５】
ＲＴＣ３４４は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。ＲＴＣ３４４は、ぱちんこ遊技機１００の電源が遮断されてもバックアップ電源（不図示）により計時動作を継続する。なお、ＲＴＣ３４４は、演出統括部３０２ａなど演出制御部３０２内に配置する例に限らず、主制御部３０１内に配置してもよい。また、ＲＴＣ３４４は、単独で配置して演出制御部３０２や主制御部３０１に対して実時間を計時出力してもよい。また、演出統括部３０２ａには演出ボタン１１９などが接続されている。演出ボタン１１９は、操作されたボタンやキーに対応する信号を演出統括部３０２ａへ入力する。
【００６６】
（２−２．画像・音声制御部）
つぎに、画像・音声制御部３０２ｂの構成について説明する。画像・音声制御部３０２ｂは、ＣＰＵ３５１と、ＲＯＭ３５２と、ＲＡＭ３５３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００６７】
ＣＰＵ３５１は、画像表示部１０４の表示制御に関する処理や、スピーカ３５４からの音声出力に関する処理をおこなうためのプログラムを実行する。また、ＣＰＵ３５１は、有効期間を設定するためのプログラムを実行する。ＲＯＭ３５２には、上記の処理をおこなうためのプログラム、該処理に必要となる背景画像・装飾図柄画像・キャラクタ画像などの画像データなどの演出用データが記憶されている。ＲＡＭ３５３は、ＣＰＵ３５１のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部１０４に表示させる画像の表示データやスピーカ３５４から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、ＲＡＭ３５３には、画像表示部１０４に表示させる画像をあらわす画像データが一時的に格納されるＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ ＲＡＭ）などが含まれる。
【００６８】
すなわち、画像・音声制御部３０２ｂは、ＣＰＵ３５１がＲＡＭ３５３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ３５２に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部３０２ａからの指示に基づき、画像表示部１０４に表示させる画像や、スピーカ３５４から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
【００６９】
たとえば、ＣＰＵ３５１は、演出統括部３０２ａから指示された指示内容に基づいて、画像表示部１０４に表示する表示内容を制御する表示制御処理（不図示）、スピーカ３５４から出力される音声内容を制御する音声制御処理（不図示）などを実行する。このときには、ＣＰＵ３５１は、処理に必要な画像データおよび音声データをＲＯＭ３５２から読み出してＲＡＭ３５３に書き込む。
【００７０】
また、ＣＰＵ３５１は、複数の演出のうち、特定の演出を３Ｄ演出として実行する。この３Ｄ演出の実行時には、ＲＯＭ３５２に格納された３Ｄ演出用の画像データを読み出して、画像表示部１０４に表示させる。同時に、ＣＰＵ３５１は、Ｉ／Ｆ３５５を介して台間設備装置１５０に対し、遊技者が３Ｄメガネ１２２を装着できるように３Ｄメガネ１２２のロック片１２４を解除する解除信号を出力する。台間設備装置１５０は、解除信号の受信時には、ロック片１２４を解除するとともに、ＬＥＤ等の発光手段１５７を発光させ遊技者に解除状態であることを報知する。
【００７１】
また、ＣＰＵ３５１は、Ｉ／Ｆ３５５を介して画像表示部１０４に表示された左目用と右目用の画像データの切り替えに同期して、３Ｄメガネ１２２の左目のレンズに設けられたシャッタと右目のレンズに設けられたシャッタとを交互にシャッタ動作させる制御信号を供給する。これにより、３Ｄメガネ１２２を装着した遊技者は、画像表示部１０４を見ることにより、画像表示部１０４に表示された画像を立体画像（３Ｄ画像）として認識することができるようになる。
【００７２】
ＲＡＭ３５３に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、画像・音声制御部３０２ｂに接続された画像表示部１０４に対して出力され、画像表示部１０４の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、Ｚバッファ法など周知の陰面消去法により各画像の表示データのＺバッファのＺ値を参照することで、装飾図柄を優先してＲＡＭ３５３に記憶させる。
【００７３】
また、ＲＡＭ３５３に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部３０２ｂに接続されたスピーカ３５４に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ３５４から出力される。
【００７４】
（２−３．ランプ制御部）
つぎに、ランプ制御部３０２ｃの構成について説明する。ランプ制御部３０２ｃは、ＣＰＵ３６１と、ＲＯＭ３６２と、ＲＡＭ３６３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ＣＰＵ３６１は、演出ライト部１１６や盤ランプ３６４などのランプの点灯を制御したり、不図示の可動役物の駆動を制御するための処理を実行する。ＲＯＭ３６２には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、該処理に必要となるデータなどが記憶されている。ＲＡＭ３６３は、ＣＰＵ３６１のワークエリアとして機能する。
【００７５】
ランプ制御部３０２ｃは、演出ライト部（枠ランプ）１１６、盤ランプ３６４の駆動モータ２０１などに接続され、遊技盤１０１および枠部材１１５などに設けられたランプの点灯を制御する。このほか、不図示の可動役物の動作を制御する。
【００７６】
本実施の形態では、演出制御部３０２は、演出統括部３０２ａと画像・音声制御部３０２ｂとランプ制御部３０２ｃとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【００７７】
（３．賞球制御部）
つぎに、賞球制御部３０３の構成について説明する。賞球制御部３０３は、ＣＰＵ３８１と、ＲＯＭ３８２と、ＲＡＭ３８３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ＣＰＵ３８１は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ＲＯＭ３８２には、該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ３８３は、ＣＰＵ３８１のワークエリアとして機能する。
【００７８】
また、賞球制御部３０３は、払出部（払出駆動モータ）３９１と、発射部３９２と、定位置検出ＳＷ３９３と、払出球検出ＳＷ３９４と、球有り検出ＳＷ３９５と、満タン検出ＳＷ３９６と接続される。
【００７９】
賞球制御部３０３は、払出部３９１に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部３９１は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部３０３は、払出部３９１に対して各入賞口（第１始動口１０５、第２始動口１０６、大入賞口１０９、普通入賞口１１０）に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【００８０】
また、賞球制御部３０３は、発射部３９２に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部３９２は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部３０３は、発射部３９２のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤１０１の遊技領域１０３に遊技球を送り出す。
【００８１】
また、この賞球制御部３０３には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出ＳＷ３９３、払出球検出ＳＷ３９４、球有り検出ＳＷ３９５、満タン検出ＳＷ３９６等がある。たとえば、賞球制御部３０３は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【００８２】
上記構成の主制御部３０１と、演出制御部３０２と、賞球制御部３０３は、それぞれ異なるプリント基板（主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板）に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部３０３は、主制御部３０１と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【００８３】
また、主制御部３０１には、盤用外部情報端子基板３９７が接続されており、主制御部３０１が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部３０３についても、枠用外部情報端子基板３９８が接続されており、賞球制御部３０３が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【００８４】
（台間設備装置の内部構成）
つぎに、本発明にかかる実施の形態の台間設備装置１５０の内部構成について説明する。図４は、本発明にかかる台間設備装置の内部構成を示すブロック図である。図４に示すように、台間設備装置１５０は、主にぱちんこ遊技機１００の遊技球の貸し出しの制御をおこなうものであり、遊技球の貸し出しの情報を管理サーバ４５０との間でやり取りする。以下の説明では、主に３Ｄメガネ１２２のロックおよび解除に関する構成について説明する。
【００８５】
台間設備装置１５０は、紙幣ユニット４０１と、制御部４０２と、制御部４０２の制御処理に用いるデータを格納する記憶部４０３とを有する。紙幣ユニット４０１は、遊技球貸し出し時の紙幣を収納する紙幣収納部４１１と、紙幣収納を制御する制御部４１２とを有する。制御部４０２は、台間設備装置１５０全体の制御を司るものであり、貸し出し制御部４２１と、３Ｄメガネ１２２を必要な時期に遊技者が装着できるよう機構を制御する機構制御部４２２とを有する。この制御部４０２は、Ｉ／Ｆ４３１を介して管理サーバ４５０に接続されるとともに、Ｉ／Ｆ４３２を介してぱちんこ遊技機１００に接続される。ぱちんこ遊技機１００とＩ／Ｆ４３２との間は、上記の接続線１２５を有線接続させた構成に限らず、無線接続としてもよい。
【００８６】
機構制御部４２２は、３Ｄメガネ１２２のロック片１２４のロックおよび解除を制御する。また、ＬＥＤ１５７を発光制御し、３Ｄメガネ１２２のロック解除時に点灯制御する。このほか、後述する移動機構ユニット１６１に対する動作制御をおこなうこともできる。
【００８７】
（３Ｄ演出画像について）
図５は、３Ｄ演出用の画像を示す図である。ぱちんこ遊技機１００の画像・音声制御部３０２ｂのＣＰＵ３５１は、予め定めた特定演出の発生時には、画像表示部１０４上で立体画像となる３Ｄ演出をおこなう。ＲＯＭ３５２には、この３Ｄ演出用の画像が格納されている。３Ｄ演出用の画像５０１は、所定フレーム（時間）ｔ分の左目用の画像５０１Ｌ−１〜５０１Ｌ−ｎと、右目用の画像５０１Ｒ−１〜５０１Ｒ−ｎとを有している。左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒは、図示のように、人間の両目（瞳孔）の間隔（約６．５ｃｍ）に対応して、それぞれ異なる方向に奥行き間をもたせて生成した画像からなる。
【００８８】
ＣＰＵ３５１は、予め定めた特定の演出を３Ｄ演出として、それまでの２Ｄ（平面表示）から、上記３Ｄ演出用の画像５０１を用いた３Ｄ演出に表示画像を切り替える。切り替えの具体的契機としては、遊技者にとって有利な遊技状態となったとき（たとえば、大当たり発生時、大当たり中の所定ラウンドにおける演出時、所定時間以上のリーチ時）等におこなうことができる。これに限らず、特定の演出開始時に、遊技者による演出ボタン１１９の押下を契機として、３Ｄ演出を開始させる構成としてもよい。
【００８９】
図６は、３Ｄメガネを用いて見た３Ｄ画像の見え方を示す図である。図５に示した１フレームの左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒを合成した画像の見え方を示した。画像表示部１０４に１フレームの左目用の画像５０１Ｌを表示したときに、３Ｄメガネ１２２の左目のシャッタを開放し、右目用の画像５０１Ｒを表示したときに、３Ｄメガネ１２２の右目のシャッタを開放させる。このシャッタ開閉の制御信号がＩ／Ｆ４３２を介して台間設備装置１５０に入力され、制御部４０２を介して３Ｄメガネ１２２のシャッタを制御する。このシャッタの切り替えは高速であり、人間の目では、これら左目と右目の切り替わりには追従できない。結果的に、これら一対の左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒを頭の中で合成して奥行き感がある立体的な３Ｄ画像６０１として認識される。
【００９０】
（３Ｄ演出の機能的構成）
つぎに、３Ｄ演出の機能的構成について説明する。図７は、３Ｄ演出をおこなう機能的構成を示すブロック図である。
【００９１】
図７に示すように、３Ｄ演出にかかる構成は、ぱちんこ遊技機１００と、台間設備装置１５０とが含まれる。ぱちんこ遊技機１００側の構成は、演出制御部７０１と、３Ｄ演出表示制御部７０２と、３Ｄ演出データ格納部７０３と、画像表示部１０４と、Ｉ／Ｆ３５５とを備える。２Ｄ演出表示制御部７１０と、２Ｄ演出データ格納部７１１は、３Ｄ演出時以外に用いられ、平面（２Ｄ）の図柄表示をおこなう構成部である。一方、台間設備装置１５０側の構成は、上述したＩ／Ｆ４３２と、制御部４０２と、３Ｄメガネ１２２と、ロック片１２４と、ＬＥＤ１５７とを備える。また、巻き取り部１２５ａは必要に応じて設けることができる。
【００９２】
ぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０１は、演出統括部３０２ａから指示された指示内容に基づいて、２Ｄ演出をおこなうか、あるいは３Ｄ演出をおこなうかを制御する。そして、演出制御部７０１は、画像表示部１０４に２Ｄ演出の表示をおこなうか、あるいは３Ｄ演出の表示をおこなうかを選択する。通常時は、２Ｄ演出を選択している。このとき、２Ｄ演出表示制御部７１０に対し、２Ｄ演出データ格納部７１１から２Ｄの画像データを読み出して通常の２Ｄ演出をおこなわせる。そして、特定の演出時には、３Ｄ演出をおこなうために３Ｄ演出表示制御部７０２を選択し、３Ｄの演出をおこなわせる。
【００９３】
３Ｄ演出表示制御部７０２は、選択されると、３Ｄ演出データ格納部７０３から３Ｄの演出データ（図５記載の左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒ）を読み出す。読み出す期間は、３Ｄ演出をおこなう期間に対応した複数フレーム分である。また、３Ｄ演出表示制御部７０２は、３Ｄメガネ１２２に対して、左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒの交互表示に同期して対応する左目のシャッタと、右目のシャッタを交互に開閉させる制御信号を出力する。
【００９４】
そして、演出制御部７０１が３Ｄ演出を選択したときには、３Ｄ演出表示制御部７０２は、ロック片１２４のロックを解除する解除信号を出力する。一方、演出制御部７０１が３Ｄ演出を終了させるとき、あるいは２Ｄ演出に切り替えるときには、３Ｄ演出表示制御部７０２は、ロック片１２４によるロックをおこない、３Ｄメガネ１２２を係止保持する。また、３Ｄメガネ１２２が収容されたか否かを検知するセンサを設け、制御部４０２は、３Ｄメガネ１２２が収容された後にロック片１２４により３Ｄメガネ１２２をロックするように構成することもできる。
【００９５】
この際、３Ｄ演出が終了したにもかかわらず、３Ｄメガネ１２２が収容されないときには、制御部４０２からの制御出力を３Ｄ演出表示制御部７０２（あるいは２Ｄ演出表示制御部７１０）が受けて、３Ｄメガネ１２２を収容するよう、画像表示部１０４には遊技者に対して所定の表示（あるいは音声）で報知する構成としてもよい。同時に、演出制御部７０１は３Ｄ演出の終了とともに、演出終了の制御信号を出力し、台間設備装置１５０側では、制御部４０２が巻き取り部１２５ａによる接続線１２５の巻き取りを開始させる構成としてもよい。巻き取り力は、遊技者側への引っ張り力より弱い力で巻き取るようにすれば、装着状態の３Ｄメガネ１２２の脱落を防止できる。
【００９６】
これに限らず、遊技者が演出ボタン１１９を操作することにより、メニュー画面上で３Ｄメガネ１２２を遊技中は継続して掛け続けるモードにすることもできる。この場合、２Ｄ演出表示制御部７１０により２Ｄ演出の期間中は、３Ｄメガネ１２２のシャッタ切り替えをおこなわない制御をおこなう。これにより、３Ｄ演出の度毎に、３Ｄメガネを装着する煩わしさを解消できる。
【００９７】
一方、３Ｄ演出の期間中にもかかわらず、３Ｄメガネ１２２が装着されないときには、３Ｄ演出表示制御部７０２による３Ｄ演出をおこなわず２Ｄ演出表示制御部７１０による２Ｄ演出をおこなう制御をおこなってもよい。これは、遊技者が３Ｄ演出の期間中に３Ｄメガネ１２２の装着を忘れたときに有効である。具体的には、巻き取り部１２５ａが接続線１２５の引き出しの長さを検知することにより、３Ｄメガネ１２２が引き出されているか否かを検知できる。この構成においては、台間設備装置１５０の制御部４０２からぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０１に対してこの検知信号を出力させる。
【００９８】
そして、３Ｄメガネ１２２の装着時には、接続線１２５が所定長さ以上引き出されるはずであるが、３Ｄメガネ１２２が引き出されず、収容されたままの状態であると、接続線１２５の引き出しの長さが変わらないか、少なくとも所定長さ以下となる。このような場合には、巻き取り部１２５ａの巻き取り長さに基づき、引き出されていないときに３Ｄ演出を止め、２Ｄ演出をおこなう。また、３Ｄメガネ１２２に遊技者の着用状態を検出可能なセンサ装置を設けた場合は、遊技者の着用状態に応じて３Ｄ演出の表示切り替えを行ってもよい。このように制御することにより、３Ｄメガネ１２２が非着用状態で３Ｄ演出を視聴するという不快な状態を抑制できる。
【００９９】
上記で説明した演出制御部７０１、３Ｄ演出表示制御部７０２、２Ｄ演出表示制御部７１０の各機能部は、ぱちんこ遊技機１００の画像・音声制御部３０２ｂのＣＰＵ３５１がＲＯＭ３５２に記憶されたプログラムを実行することによりその機能を実現することができる。また、また、制御部４０２の機能は、台間設備装置１５０に設けたＣＰＵがＲＯＭに記憶されたプログラムを実行することによりその機能を実現することができる。
【０１００】
（３Ｄ演出処理手順について）
図８は、３Ｄ演出時における制御手順を示すフローチャートである。ぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０１は、演出統括部３０２ａから指示された指示内容に基づいて、演出を選択する（ステップＳ８０１）。この際、選択される複数の演出のうち、特定の演出を３Ｄ演出とする。そして、演出制御部７０１は、選択した演出が３Ｄ演出のときには（ステップＳ８０２：Ｙｅｓ）、３Ｄ演出表示制御部７０２が３Ｄ演出データ格納部７０３から３Ｄ演出データを読み出し、３Ｄ演出データを画像表示部１０４に出力し、表示させる（ステップＳ８０３）。
【０１０１】
そして、演出制御部７０１は、３Ｄメガネ１２２のロックを解除し（ステップＳ８０４）、遊技者が３Ｄメガネ１２２を装着可能にする。このように、３Ｄ演出時のみに３Ｄメガネ１２２のロックが解除され、遊技者が装着可能となる構成とすることで、常時３Ｄメガネを着用させるような煩わしさを与えることが無く、適切な使用時期をロックの解除という手法によって報知させることが可能となる。また、３Ｄ演出を、たとえば大当たりの期待度が高いリーチ演出時とした場合に、ロックの解除という動作が、リーチ予告や信頼度予告の意味合いを持つこととなるため、遊技性の向上の役割を果たすこととなる。
【０１０２】
また、ロックが解除されたことを遊技者に報知可能なようにロック状態の報知手段として、ＬＥＤ等の発光手段１５７（図１参照）を備えたり、画像表示部１０４などに表示する動画や、音声などによって「３Ｄメガネを装着してください」などのロック解除のナビゲートを３Ｄ演出の開始前に行えば、ナビゲート動作自体にリーチ予告の意味合いを持たせることができるため、更に効果的な遊技演出とすることも可能である。
【０１０３】
この後、３Ｄ演出表示制御部７０２は、３Ｄメガネ１２２のシャッタを制御する（ステップＳ８０５）。具体的には、画像表示部１０４に左目用の画像５０１Ｌを表示させたときには、３Ｄメガネ１２２の左目のシャッタだけを開き、画像表示部１０４に右目用の画像５０１Ｒを表示させたときには、３Ｄメガネ１２２の右目のシャッタだけを開き、これらを交互に同期して表示させる。これにより遊技者は、３Ｄメガネ１２２を介して画像表示部１０４に表示された画像を立体感のある３Ｄ画像として視認することができるようになる。
【０１０４】
演出制御部７０１は、３Ｄ演出表示制御部７０２による３Ｄ演出を予め定めた所定期間だけおこなう（ステップＳ８０６：Ｎｏのループ）。３Ｄ演出の期間が終了すると、演出制御部７０１は、３Ｄ演出を終了させる（ステップＳ８０６：Ｙｅｓ）。そして、遊技者が戻した３Ｄメガネ１２２をロック片１２４でロックし（ステップＳ８０７）、一連の処理を終了する。３Ｄ演出の終了時には、３Ｄ演出表示制御部７０２がロック片１２４による３Ｄメガネ１２２のロックを、上述したように、遊技者に所定の表示（あるいは音声）で報知する。そして、３Ｄメガネ１２２が収容箇所に収容されたか否かを検知してからロック片１２４をロックする。この際、巻き取り部１２５ａで３Ｄメガネ１２２の接続線１２５を巻き取ることにより、接続線１２５を台間設備装置１５０内部に収容できるようになる。
【０１０５】
ところで、ステップＳ８０２において、演出制御部７０１が２Ｄ演出をおこなう場合には（ステップＳ８０２：Ｎｏ）、２Ｄ演出表示制御部７１０が２Ｄ演出データ格納部７１１から２Ｄ演出データを読み出し、２Ｄ演出データを画像表示部１０４に出力し、表示させる（ステップＳ８０８）。そして、所定期間の２Ｄ演出の終了後には、３Ｄメガネ１２２が収容箇所に収容されているかを再度確認し（上記ステップＳ８０７の処理を実行）、一連の処理を終了する。なお、ステップＳ８０８の実行後にステップＳ８０７の処理をおこなわず、一連の処理を終了させてもよい。
【０１０６】
（実施例２−台間設備装置の構成例２）
図９は、本発明の遊技設備装置の実施例２を示す正面図、図１０は、台間設備装置の実施例２を示す斜視図である。これらの図に示す３Ｄメガネ１２２は、台間設備装置１５０に取り付けられ、ぱちんこ遊技機１００の中央位置で昇降自在に構成されており、３Ｄ演出時にぱちんこ遊技機１００の画像表示部１０４の位置まで下降する構成である。
【０１０７】
台間設備装置１５０の側部（ぱちんこ遊技機１００寄り）には、３Ｄメガネ１２２を昇降させる移動機構ユニット１６１が設けられている。この移動機構ユニット１６１は、ぱちんこ遊技機１００の枠部材１１５の手前の位置まで前方に延出して設けられている。これにより、ぱちんこ遊技機１００の枠部材１１５等を仕様変更する必要がなく、また、ぱちんこ遊技機１００および枠部材１１５を交換することなく移動機構ユニット１６１をメンテナンスできる。この移動機構ユニット１６１は、台間設備装置１５０（ぱちんこ遊技機１００）の上端付近から画像表示部１０４に重なる位置（より厳密には画像表示部１０４下端よりやや低い位置）まで所定の長さを有して設けられている。
【０１０８】
移動機構ユニット１６１の内部には、上下方向にスライドレールが設けられ、３Ｄメガネ１２２を保持する保持体１６２は、スライドレールにスライド自在に支持されている。保持体１６２には、図示しないベルトやギヤ等の伝達機構を介して駆動源であるモータに連結されている。これにより、保持体１６２は、モータの回転により移動機構ユニット１６１の上下方向に沿って上下方向にスライド自在である。
【０１０９】
図１０に示すように、保持体１６２は、２つの回動部１６２ａ，１６２ｂを有して３Ｄメガネ１２２の側部に取り付けられている。回動部１６２ａ，１６２ｂは、市販の丁番の如く、軸を中心として一方の片に対し他方の片が回動自在に構成されている。回動部１６２ａ，１６２ｂの軸方向は上下方向であり、図示のように、３Ｄメガネ１２２は、ぱちんこ遊技機１００の手前側（図の奥側）に引き出すことができる。
【０１１０】
遊技者は、３Ｄメガネ１２２を引き出し操作することにより、ぱちんこ遊技機１００の前面から所定距離離れた自身の目の近傍に３Ｄメガネ１２２を位置させることができる。回動部１６２ａ，１６２ｂは、２つ設けられているため、３Ｄメガネ１２２をぱちんこ遊技機１００の前面に引き出したときにおいても、このぱちんこ遊技機１００の前面（および画像表示部１０４の表示面）に対して平行な状態にでき、遊技者に対して画像表示部１０４の表示内容を視認しやすくする。
【０１１１】
なお、図１０では、上述した接続線１２５は図示していないが、接続線１２５は、３Ｄメガネ１２２に一端が接続され、保持体１６２内部、移動機構ユニット１６１内部を経由して台間設備装置１５０のＩ／Ｆ４３２に接続されている。さらには、ぱちんこ遊技機１００のＩ／Ｆ３５５を介して演出制御部７０１に接続されている。
【０１１２】
図１１は、３Ｄメガネの移動状態を示す図である。移動機構ユニット１６１は、Ｉ／Ｆ４３２，３５５を介して図３に示した画像・音声制御部３０２ｂに接続される。そして、ＣＰＵ３５１は３Ｄ演出時に、移動機構ユニット１６１に内蔵されたモータを駆動し、保持体１６２を画像表示部１０４の高さ位置まで下降させる。これにより、遊技者は、３Ｄメガネ１２２の装着時期を気にすることなく、自動的に下降した３Ｄメガネ１２２を介して画像表示部１０４を見るだけで、上述した（図６参照）、３Ｄ演出の画像を見ることができるようになる。なお、画像・音声制御部３０２ｂは、３Ｄ演出の終了時には、保持体１６２を図９に示した初期位置（上限位置）に復帰するよう上昇させる。
【０１１３】
また、ぱちんこ遊技機１００を遊技する際の目の高さ位置は、遊技者毎に異なる。このため、保持体１６２が下降したときの３Ｄメガネ１２２の高さ位置は、演出ボタン１１９、あるいはその周囲のカーソルキー（不図示）を用いて上下の高さを微調整できるようにしてもよい。また、遊技開始時に、演出ボタン１１９やカーソルキー１２０等を操作して、予め遊技者毎に３Ｄメガネ１２２の高さ位置を設定しておく構成としてもよい。さらには、台間設備装置１５０、あるいはぱちんこ遊技機１００の内部に遊技者の目の高さ位置を検出するカメラやセンサを設置し、カメラ画像を用いた画像処理、あるいはセンサにより直接、目の高さを検出し、この目の高さ位置まで３Ｄメガネ１２２を下降させる構成としてもよい。目の高さ位置が低い遊技者のために、図９に示すように、移動機構ユニット１６１の下端は、画像表示部１０４の下端よりやや低い部分まで設けている。
【０１１４】
また、上記の実施の形態では、３Ｄメガネ１２２が移動機構ユニット１６１により上下移動する構成を例に説明したが、これに限らず、３Ｄメガネ１２２は、左右方向に移動する構成としたり、ぱちんこ遊技機１００の前面で回動することにより遊技者の目の位置まで移動する構成としてもよく、移動方向に対応した移動機構ユニット１６１に適宜変更すればよい。移動機構ユニット１６１は、３Ｄメガネ１２２の不使用時（２Ｄ演出時）に、この３Ｄメガネ１２２が遊技の邪魔にならない位置に退避させる構成であればよい。
【０１１５】
（実施例３−台間設備装置の構成例３）
図１２は、本発明の遊技設備装置の実施例３を示す正面図である。図１２には、遊技設備装置としての台間設備装置１２００と、この台間設備装置１２００に接続されるぱちんこ遊技機の一例を示している。この台間設備装置１２００は、エアカーテンと防犯ロックを備えた装置である。
【０１１６】
この台間設備装置１２００は、ぱちんこ遊技機１００の高さ方向に沿って縦長の送風口１２０１を有している。この送風口１２０１内部には、ファンおよびエアフィルターが内蔵されており、手前側に風を送風させる。この風により、隣接する他のぱちんこ遊技機１００の遊技者の喫煙時の煙を遮断する。送風する風のＯＮ／ＯＦＦおよび強さは、スイッチ１２０２で調整できる。
【０１１７】
また、台間設備装置１２００の中央部には、防犯ロック１２０３が設けられている。ぱちんこ遊技機１００は、枠部材１１５が左端に設けられた軸を中心として右端が開閉自在となっている。枠部材１１５の開放端である右側には、防犯ロック１２０３のアーム１２０３ａが覆う形で進出しており、ぱちんこ遊技機１００の不正な開放を防止している。この防犯ロック１２０３は、アーム１２０３ａが回動自在であり、内蔵されたソレノイドは、図示の閉じた位置でロックする。またソレノイドを制御してロック解除できる。
【０１１８】
上記の台間設備装置１２００には、上述した実施例２（図９）で説明した移動機構ユニット１６１が設けられ、３Ｄメガネ１２２が昇降自在な構成となっている。台間設備装置１２００がぱちんこ遊技機１００の右側に設けられているため、図９の移動機構ユニット１６１を左右逆にしたものを取り付ければよい。そして、実施例２同様に、３Ｄ演出時に３Ｄメガネ１２２を画像表示部１０４の位置まで下降させる制御をおこなう。３Ｄメガネ１２２の昇降の詳細な説明は、実施例２と同様であり説明を省略する。
【０１１９】
このように、３Ｄメガネ１２２は、台間設備装置１２００が有する基本機能に追加する形で設けることができる。また、この台間設備装置１２００は、移動機構ユニット１６１を有さず、上述した実施例１（図１）で説明したロック片１２４を備えた構成とすることもできる。
【０１２０】
（実施例４−表示装置の構成例）
上述の説明では、いずれも遊技設備装置として台間設備装置を例に説明し、この台間設備装置に３Ｄメガネ１２２を設ける構成とした。３Ｄメガネ１２２は、台間設備装置に設けるに限らず、表示装置に設ける構成としてもよい。
【０１２１】
図１３は、本発明の遊技設備装置の実施例４を示す正面図である。図１３には、遊技設備装置としての表示装置１３００と、この表示装置１３００に接続されるぱちんこ遊技機の一例を示している。この表示装置１３００は、ぱちんこ遊技機１００の上部位置に設けられる。
【０１２２】
この表示装置１３００は、ぱちんこ遊技機１００の遊技情報を表示する装置であり、表示部１３０１には、上段に大当たり回数、確変大当たり回数、図柄変動回数が表示される。下段には、過去３日間の大当たり回数、確変回数と、過去の変動回数のグラフが表示される。表示部１３０１の両側部には、ホール係員呼び出し用の呼び出しボタン１３０２と、表示部１３０１の表示内容を切り替えるデータボタン１３０３が設けられている。
【０１２３】
そして、表示装置１３００の下部には、３Ｄメガネ１２２の収容部１３０４を設けている。収容部１３０４は、前方から見て凹形状となっており、３Ｄメガネ１２２を前方から取り出し可能に収容する。この収容部１３０４内部には、３Ｄメガネ１２２の収容時にこの３Ｄメガネ１２２の取り外しを防止するロック片１２４が設けられている。図示の例では、ロック片１２４は、３Ｄメガネ１２２の中央のブリッジ１２２ａを特定の演出時以外の期間は、脱落および盗難を防止するためにロックし、収容部１３０４に収容された３Ｄメガネ１２２を取り外しできない状態に保持する。
【０１２４】
一方、特定の３Ｄ演出時には、ロック片１２４のロックが外れ、遊技者は、３Ｄメガネ１２２を取り外して装着可能となる。収容部１３０４に３Ｄメガネ１２２が収容されているか否かを検知するセンサを設けてもよい。また、収容部１３０４には、３Ｄメガネ１２２のロックが解除されたことを遊技者に報知可能なようにロック状態報知手段として、ＬＥＤ等の発光手段１５７が設けられている。このように、３Ｄメガネ１２２は、表示装置１３００が有する基本機能に追加する形で設けることができる。
【０１２５】
（ぱちんこ遊技機と遊技設備装置との間の通信データについて）
上記の実施例１，３，４において説明したロック片１２４のロック制御には、簡単な通信データを用いて制御できる。すなわち、ぱちんこ遊技機１００側からロック時およびロック解除時にそれぞれ制御信号を出力するだけで遊技設備装置側がこれを受けて３Ｄメガネ１２２をロックあるいは解除すればよく、ぱちんこ遊技機１００、および台間設備装置１５０が備えるＩ／Ｆ３５５，４３２として簡単な構造（たとえばフォトモス等）のインターフェースを用いることができるようになる。
【０１２６】
また、実施例２に示した移動機構ユニット１６１を用いて３Ｄメガネ１２２を昇降させる構成であっても、同様に簡単なインターフェースを用いることができる。たとえば、３Ｄメガネ１２２を、予め図９に示す上限位置と、図１１に示す下限位置との間で単純往復させる構成とし、ぱちんこ遊技機１００と台間設備装置１５０との間を簡単な通信データを用いて制御できる。３Ｄメガネ１２２を遊技位置に移動させたいとき（ぱちんこ遊技機１００側で３Ｄ演出を開始したとき）には、ぱちんこ遊技機１００は、下降制御信号を１回制御出力するだけでよい。この場合、台間設備装置１５０側では、下降制御信号を受けて３Ｄメガネ１２２を図９に示す上限位置から図１１に示す下限位置に移動させ、センサ等で検出する下限位置で停止させればよい。３Ｄ演出の終了時には、上昇制御信号を１回制御出力するだけでよい。この場合、台間設備装置１５０側では、上昇制御信号を受けて３Ｄメガネ１２２を下限位置から上昇させ、センサ等で検出する上限位置まで復帰移動させればよい。
【０１２７】
このように、３Ｄメガネ１２２の昇降については、複雑な通信データを用いずとも簡単な通信データで３Ｄメガネ１２２を昇降制御できる。特に、３Ｄメガネ１２２に対してレンズのシャッタの開閉信号を出力する必要がない３Ｄ方式（たとえばアナグリフ方式）を用いたときには、ぱちんこ遊技機１００と遊技設備装置との間は、上記のように、３Ｄメガネ１２２のロックあるいは昇降に関する情報だけでよく、インターフェースを簡単にできる。
【０１２８】
また、上記３Ｄメガネ１２２は、接続線１２５を介してレンズのシャッタを開閉制御する構成としたが、接続線１２５を設けずに、制御信号を無線電波で３Ｄメガネ１２２に送信する構成としてもよい。この場合、画像・音声制御部３０２ｂの後段と、３Ｄメガネ１２２の内部にそれぞれ無線Ｉ／Ｆを設け、３Ｄメガネ１２２には無線Ｉ／Ｆとシャッタ駆動用の２次電池等を設ける構成とすればよい。ただし、本体１００と３Ｄメガネ１２２との間には、３Ｄメガネ１２２の脱落や盗難を防止するためのチェーン等の接続部材を設けておけばよい。
【０１２９】
また、上記の実施形態では、画像表示部１０４の画像の交互表示に同期して３Ｄメガネ１２２の左右のシャッタを切り替えるシャッタ方式を例に説明したが、３Ｄ演出の画像はこの方式に限らない。たとえば、アナグリフ方式を使用してもよい。アナグリフ方式では、画像表示部１０４に視差に対応してずれた赤青の画像を表示させ、左右に赤青のフィルタを設けた３Ｄメガネ１２２を介して見ることで立体感を得ることができる。このほか、偏光方式を用い、画像表示部１０４に左右の画像をそれぞれ異なる水平偏光の画像と垂直偏光の画像で表示し、３Ｄメガネ１２２の左右には、偏光方向が異なり、水平偏光のフィルタと垂直偏光のフィルタをそれぞれ設けた構成としてもよい。このほか、回転円偏光の方式を用い、画像に左あるいは右回りに回転する円偏光をかけ、３Ｄメガネ１２２側にも円偏光を回転させる構成としてもよい。このように、３Ｄメガネ１２２は３Ｄ画像の方式に対応して各種のものを用いることができる。
【０１３０】
以上説明した実施の形態の遊技設備装置によれば、遊技者は、３Ｄ演出時にのみ３Ｄメガネを装着できるようになる。これにより、２Ｄの演出時には３Ｄメガネの装着を不要とし、遊技中の常時装着をおこなう必要がなく遊技者の視認疲労を防止できる。また、必要時にのみロック解除して３Ｄメガネを装着できる状態にするため、３Ｄメガネの不要時の期間中の装着を防止でき、盗難も防ぐことができる。また、２Ｄ演出と３Ｄ演出とを明確に分けておこなうため、３Ｄ演出時における大当たりの期待度を高めることができ、演出効果を向上できるようになる。
【０１３１】
そして、遊技設備装置に３Ｄメガネを設けた構成であるため、３Ｄメガネを遊技機に設ける構成に比べて遊技者の遊技の邪魔になることがない。遊技機に３Ｄメガネを設けようとすると、遊技機の枠部材等に３Ｄメガネを設けるスペースが必要となり、遊技の邪魔になるが、３Ｄメガネを遊技設備装置に設けることにより、遊技機のスペースを有効に利用することができる。また、遊技機を交換する場合であっても、３Ｄメガネは遊技設備装置に設けられているから、遊技機の交換に伴って３Ｄメガネを交換する必要がなくなる。３Ｄメガネが遊技機の枠部材に設けられる構成においても同様に、枠部材を交換する場合においても、３Ｄメガネは遊技設備装置に設けられているから、３Ｄメガネの交換を不要にできる。このように、３Ｄメガネを遊技機とは異なる遊技設備装置に設けることにより、遊技機の交換に伴い交換する必要がなく、有効利用できる。また、異なる遊技機に対して共通して３Ｄ演出を見るための部品として継続的に使用できるようになる。
【０１３２】
また、３Ｄ演出時には、遊技中の遊技者が３Ｄメガネを装着して３Ｄの立体画像を見ることができるが、この際、周囲の客は３Ｄメガネを装着していないため、画像表示部に表示された３Ｄ演出の画像を見ただけでは演出内容が判らず、遊技中の遊技者だけが立体画像を楽しむことができるようになる。特に、３Ｄ演出の内容も多様にすればプレミアの３Ｄ演出を遊技者だけが個人的に楽しむことができ、遊技者の満足度向上も図れるようになる。さらには、３Ｄ演出をおこなうぱちんこ遊技機に対する興味を周囲に知らしめることができ、この３Ｄ演出をおこなうぱちんこ遊技機の稼働率を向上させること等もできるようになる。
【０１３３】
以上説明したように、本発明にかかる遊技設備装置によれば、立体画像が演出表示される期間だけ遊技者が立体視用フィルタ部材を用いて立体画像を視認できるようになり、立体画像を用いた演出効果を高めることができる。また、上記の実施の形態では、ぱちんこ遊技機に接続される遊技設備装置を例に説明したが、スロットマシン等の各種遊技機にも同様に接続して適用できる。
【符号の説明】
【０１３４】
１００ ぱちんこ遊技機（本体）
１０４ 画像表示部（画像表示手段）
１２２ ３Ｄメガネ（立体視用フィルタ部材）
１２４ ロック片
１２５ 接続線（接続部材）
１５０，１２００ 台間設備装置
１５７ 発光手段（報知手段）
１６１ 移動機構ユニット
１６２ 保持体
１６２ａ，１６２ｂ 回動部
３０２ｂ 画像・音声制御部
４０２ 制御部
４０３ 記憶部
４１１ 紙幣収納部
４２２ 機構制御部
５０１（５０１Ｌ，５０１Ｒ） ３Ｄ演出用の画像
６０１ ３Ｄ画像（立体的な演出画像）
７０１ 演出制御部
７０２ ３Ｄ演出表示制御部
７０３ ３Ｄ演出データ格納部
７１０ ２Ｄ演出表示制御部
７１１ ２Ｄ演出データ格納部
１３００ 表示装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技中に立体画像を用いた演出をおこなう遊技設備装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、遊技盤上に設けられた始動口へ遊技球が入賞すると、大当たり抽選をおこない、表示器に表示させた３つの図柄（たとえば数字）を変動させる遊技機があった。このような遊技機は、大当たりに当選すると、変動させた３つの図柄を特定の組み合わせ（たとえば「７・７・７」などのいわゆる「ゾロ目」）で停止させる。その後、大当たり遊技状態となり、遊技盤上の大入賞口を開放する。この間に、遊技者は大入賞口に遊技球を入賞させることで多数の賞球を獲得できるようになっている。
【０００３】
このような遊技機では、遊技の面白みを増させるために、図柄だけでなく、様々な演出がおこなわれている。たとえば、表示器の表示画像を立体画像としたぱちんこ遊技機がある（たとえば下記特許文献１を参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−２２３５２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、表示器には常に立体画像が表示され、遊技者は常に立体画像を認識するためのシャッタをレンズに備えた遊技用メガネ（立体視用フィルタ部材）を装着しなければならない。このため、遊技者は常に立体画像を見ながら遊技することとなり、遊技者に疲労感を与えていた。ぱちんこ遊技機は、大当たりだけが連続することはなく、逆に、リーチ等の特定の演出により大当たりへの期待感を抱かせるようになっており、常に立体画像を見せるだけでは興趣性を高めることができなかった。
【０００６】
したがって、遊技者に対して立体画像を視認させる演出をおこなうとしても、常時立体画像を表示させるのではなく、期待感を抱かせる特定の演出時に、立体画像を用いれば期待感を高めさせることができると考えられる。単に、立体画像を常時表示させるものとしない場合、通常の平面２Ｄ（Ｄ：ｄｉｍｅｎｓｉｏｎ）画像と、立体（３Ｄ）画像とを切り替えることとなるが、この場合、遊技者がどのような時期に上記の遊技用メガネを装着すべきか、あるいは取り外すべきか不明であり、演出内容を楽しむことができない状態となるおそれがある。
【０００７】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、遊技機に表示される立体画像の視認に必要な立体画像用の立体視用フィルタ部材の着脱を適切におこなえる遊技設備装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。本発明にかかる遊技設備装置は、遊技中の特定の演出時に画像表示手段（１０４）に立体的な３Ｄ演出の演出画像をおこなう遊技機（１００）に接続される遊技設備装置（１５０，１２００，１３００）であって、前記遊技機（１００）による前記３Ｄ演出時に遊技者が装着することにより、当該遊技者に対して前記画像表示手段（１０４）に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を立体的な演出画像として見せるための立体視用フィルタ部材（１２２）と、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期に、遊技者が当該立体視用フィルタ部材（１２２）を介して前記画像表示手段（１０４）に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を視認可能にする制御をおこなう制御手段（４０２）と、を備えたことを特徴とする。
【０００９】
また、上記の発明において、前記立体視用フィルタ部材（１２２）を保持あるいは解除可能とするロック片（１２４）を備え、前記制御手段（４０２）は、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期に、前記ロック片（１２４）を解除することとしてもよい。
【００１０】
また、上記の発明において、前記立体視用フィルタ部材（１２２）を、前記遊技機（１００）の前記画像表示手段（１０４）に重なる位置と、退避させた位置との間で移動させる移動機構（１６１）を備え、前記制御手段（４０２）は、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期に、前記移動機構（１６１）を制御して前記立体視用フィルタ部材（１２２）を前記画像表示手段（１０４）に重なる位置に移動させることとしてもよい。
【００１１】
また、上記の発明において、前記制御手段（４０２）は、前記立体視用フィルタ部材（１２２）の装着が必要な時期を事前に報知可能な報知手段（１５７）を備えたこととしてもよい。
【００１２】
また、上記の発明において、遊技設備装置は、隣接する前記遊技機（１００）の間に配置され、前記遊技機（１００）に対する遊技球の貸し出しをおこなう台間設備（１５０）としてもよい。
【００１３】
また、上記の発明において、遊技設備装置は、隣接する前記遊技機（１００）の間に配置され、当該隣接する遊技機（１００）の遊技者の喫煙時の煙を遮断する台間設備（１２００）としてもよい。
【００１４】
また、上記の発明において、遊技設備装置は、前記遊技機（１００）の遊技状態を表示する表示器（１３００）としてもよい。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、立体画像が演出表示される期間だけ遊技者が立体視用フィルタ部材を用いて立体画像を視認できるようになり、立体画像を用いた演出効果を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の遊技設備装置の実施例１を示す正面図である。
【図２−１】３Ｄメガネのロック状態を示す平面図である。
【図２−２】３Ｄメガネのロック解除状態を示す平面図である。
【図３】ぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図４】本発明にかかる台間設備装置の内部構成を示すブロック図である。
【図５】３Ｄ演出用の画像を示す図である。
【図６】３Ｄメガネを用いて見た３Ｄ画像の見え方を示す図である。
【図７】３Ｄ演出をおこなう機能的構成を示すブロック図である。
【図８】３Ｄ演出時における制御手順を示すフローチャートである。
【図９】本発明の遊技設備装置の実施例２を示す正面図である。
【図１０】台間設備装置の実施例２を示す斜視図である。
【図１１】３Ｄメガネの移動状態を示す図である。
【図１２】本発明の遊技設備装置の実施例３を示す正面図である。
【図１３】本発明の遊技設備装置の実施例４を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技設備装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。はじめに本発明にかかる遊技設備装置に接続される遊技機について説明する。以下に説明する遊技機は、旧第一種に属するぱちんこ遊技機（いわゆる「デジパチ」）に適用した例である。
【００１８】
（実施例１−台間設備装置の構成例１）
本発明の遊技設備装置は、遊技機同士の間に配置される台間設備装置や、遊技機の上部に配置される表示装置等がある。図１は、本発明の遊技設備装置の実施例１を示す正面図である。図１には、遊技設備装置としての台間設備装置（遊技球貸し出し装置）と、この台間設備装置に接続されるぱちんこ遊技機の一例を示している。
【００１９】
（ぱちんこ遊技機の基本構成）
まず、本発明の実施の形態にかかる遊技設備装置に接続される遊技機の基本構成について説明する。図１に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機（本体）１００は、遊技盤１０１を備えている。遊技盤１０１の下部位置には、発射部（図３中符号３９２参照）が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール１０２ａ，１０２ｂ間を上昇して遊技盤１０１の上部位置に達した後、遊技領域１０３内を落下するようになっている。遊技領域１０３には、複数の釘（不図示）が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域１０３において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口（始動口や大入賞口など）が配設されている。
【００２０】
遊技盤１０１の略中央部分には、画像表示部１０４が配置されている。画像表示部１０４としては液晶表示器（ＬＣＤ：Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）などが用いられる。画像表示部１０４の下方には、第１始動口１０５と、第２始動口１０６とが配設されている。第１始動口１０５、第２始動口１０６は、始動入賞させるための入賞口である。
【００２１】
第２始動口１０６の近傍には、普通電動役物（後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき動作する役物）としての電動チューリップ１０７が設けられている。電動チューリップ１０７は、遊技球を第２始動口１０６へ入賞し難くさせる閉状態（閉口された状態）と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態（開放された状態）とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ１０７が備えるソレノイド（図３中符号３３１参照）によっておこなわれる。
【００２２】
電動チューリップ１０７は、画像表示部１０４の左側に配設されたゲート１０８を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート１０８は、画像表示部１０４の左側（図示の位置）に限らず、遊技領域１０３内の任意の位置に配設してよい。
【００２３】
第２始動口１０６の下方には、大入賞口１０９が設けられている。大入賞口１０９は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数（たとえば１５個）の賞球を払い出すための入賞口である。
【００２４】
画像表示部１０４の側部や下方などには普通入賞口１１０が配設されている。普通入賞口１１０は、遊技球の入賞により所定個数（たとえば１０個）の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口１１０は、図示の位置に限らず、遊技領域１０３内の任意の位置に配設してよい。遊技領域１０３の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口１１１が設けられている。
【００２５】
遊技盤１０１の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部１１２が配置されている。特別図柄表示部１１２は、第１特別図柄が表示される第１特別図柄表示部（図３中符号１１２ａ参照）と、第２特別図柄が表示される第２特別図柄表示部（図３中符号１１２ｂ参照）とを有する。
【００２６】
ここで、第１特別図柄は、遊技球が第１始動口１０５へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第２特別図柄は、遊技球が第２始動口１０６へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。これらの大当たり抽選で大当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機１００は大当たり遊技状態となる。
【００２７】
また、遊技盤１０１の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部１１３が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機１００は、前述のように、所定期間、電動チューリップ１０７を開状態とする。特別図柄表示部１１２や普通図柄表示部１１３としては、７セグメントディスプレイなどを採用することができる。
【００２８】
特別図柄表示部１１２および普通図柄表示部１１３の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球の数（以下「保留球数」という）を表示する保留球数表示部１１４が配置されている。たとえば、保留球数表示部１１４としてはＬＥＤが用いられる。この保留球数表示部１１４としては、複数のＬＥＤを備えるＬＥＤ表示器などを採用することができる。
【００２９】
遊技盤１０１の遊技領域１０３の外周部分には、枠部材１１５が設けられている。枠部材１１５は、遊技盤１０１の上下左右の４辺において遊技領域１０３の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材１１５は、遊技盤１０１の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【００３０】
枠部材１１５において遊技領域１０３の上側および下側となる２辺には、演出ライト部（枠ランプ）１１６が設けられている。演出ライト部１１６は、それぞれ複数のランプとモータ（不図示）とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機１００の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機１００の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機１００を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
【００３１】
また、遊技領域１０３の下部には、枠部材１１５の一部として遊技盤１０１の盤面から遊技者側に突出する突出部１２１が設けられ、突出部１２１の上面には、演出ボタン（チャンスボタン）１１９、カーソルキー１２０が設けられている。演出ボタン１１９は、ぱちんこ遊技機１００において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、突出部１２１の下部には、音声を出力するスピーカ（図３中符号３５４参照）が組み込まれている。
【００３２】
枠部材１１５の下部位置には、操作ハンドル１１７が配置されている。操作ハンドル１１７は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル１１７は、上記の枠部材１１５と同様に、遊技盤１０１の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【００３３】
操作ハンドル１１７は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材１１８を備えている。発射指示部材１１８は、操作ハンドル１１７の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル１１７には、遊技者が発射指示部材１１８を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材１１８が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
【００３４】
このほか、不図示であるが、遊技盤１０１の所定位置には、可動役物が配置されることもある。可動役物は、駆動モータなどの駆動部や駆動部によって役物の一部が移動する装飾可動体などを備えている。
【００３５】
（台間設備装置の基本構成）
図１に示すように、ぱちんこ遊技機１００の側部には、台間設備装置１５０が設けられている。この台間設備装置１５０は、遊技球貸し出し装置であり、主にぱちんこ遊技機１００の遊技に必要な遊技球を貸し出す。このため、遊技球を貸し出すための紙幣の投入口１５１、投入金額や残額等を表示する表示部１５２、操作部１５３を備える。また、貯玉情報が記憶されたコインの投入口１５４および排出口１５５と、ホールの会員用の会員カードの投入口１５６が設けられている。
【００３６】
そして、この台間設備装置１５０の下部には、後述する特定の立体画像演出時（３Ｄ演出時）に遊技者が装着する立体視用フィルタ部材（以降、３Ｄメガネと略称する）１２２が着脱自在である。この３Ｄメガネ１２２の装着は、遊技者が自ら操作しておこなう。あるいは、ぱちんこ遊技機１００は、３Ｄメガネを遊技領域１０３（画像表示部１０４）から外部位置に退避させておき、特定の３Ｄ演出時にのみ遊技領域１０３（画像表示部１０４）の前面位置に移動させることもできる。
【００３７】
この実施の形態では、台間設備装置１５０に、３Ｄメガネ１２２を係止保持するロック片１２４を設けている。図示の例では、ロック片１２４は、３Ｄメガネ１２２の中央のブリッジ１２２ａを特定の演出時以外の期間は、脱落および盗難を防止するためにロックし、収容された３Ｄメガネ１２２を取り外しできない状態に保持する。
【００３８】
一方、特定の３Ｄ演出時には、ロック片１２４のロックが外れ、遊技者は、３Ｄメガネ１２２を取り外して装着可能となる。３Ｄメガネ１２２の係止保持位置には３Ｄメガネ１２２があるか否かを検知するセンサを設けてもよい。３Ｄメガネ１２２の左右のレンズに設けられたシャッタ（たとえば液晶シャッタ）は、台間設備装置１５０から遊技盤１０１までの間に接続された所定長の接続線を介して開閉制御される。この接続線は、３Ｄメガネ１２２が台間設備装置１５０から取り外されることによる盗難防止を兼ねている。このシャッタの開閉制御により、画像表示部１０４に表示されている３Ｄの演出画像がフィルタリングされ、３Ｄメガネを装着した遊技者は、３Ｄの演出画像を立体画像として見ることができるようになる（３Ｄ画像の視認の詳細は後述する）。また、３Ｄメガネ１２２が係止保持される近傍には、３Ｄメガネ１２２のロックが解除されたことを遊技者に報知可能なようにロック状態報知手段として、ＬＥＤ等の発光手段１５７が設けられている。
【００３９】
（ぱちんこ遊技機の基本動作）
つぎに、本実施の形態の台間設備装置が接続されるぱちんこ遊技機１００の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機１００は、遊技球が第１始動口１０５や第２始動口１０６へ入賞すると、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。第１始動口１０５へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機１００は第１特別図柄表示部１１２ａの第１特別図柄を変動表示する。第２始動口１０６へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機１００は第２特別図柄表示部１１２ｂの第２特別図柄を変動表示する。
【００４０】
上記のように特別図柄表示部１１２にて特別図柄の変動表示を開始すると、これに合わせて、画像表示部１０４にて３つの装飾図柄（演出用図柄）の変動表示を開始する。その後、特別図柄の変動表示を開始して所定期間が経過したときには、ぱちんこ遊技機１００は、変動表示開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で、変動表示中の特別図柄を停止表示する。また、これに合わせて、３つの装飾図柄を大当たり抽選の抽選結果を示す組み合わせで停止表示する。たとえば、大当たりを示す組み合わせとしては、３つの装飾図柄が同一図柄を示す組み合わせ、いわゆる「ゾロ目」などがある。
【００４１】
大当たりを示す図柄で特別図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機１００は、遊技状態を大当たり遊技状態として、当選した大当たりに応じたラウンド数分（たとえば１５ラウンド）、大入賞口１０９を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口１０９へ入賞すると、ぱちんこ遊技機１００は所定個数の賞球を払い出す。
【００４２】
また、画像表示部１０４は、通常時、平面（２Ｄ）画像で図柄表示、および演出表示し、特定の３Ｄ演出時には、フレームシーケンシャル方式により、３Ｄ画像を表示する。このフレームシーケンシャル方式では、画像表示部１０４には、両目の距離に相当して異なる２つの画像を高速に交互に表示させる。一方、３Ｄメガネ１２２に対しては、この交互に切り替わる２つの画像を右目と左目に交互に送るよう、高速で左右のレンズのシャッタを表示された画像に同期して切り替える。これにより、遊技者は、画像表示部１０４に表示された３Ｄ演出の画像を立体感をもって見ることができるようになる。
【００４３】
（３Ｄメガネの構成）
つぎに、３Ｄメガネ１２２の構成について説明する。図２−１は、３Ｄメガネのロック状態を示す側面図である。図２−２は、３Ｄメガネのロック解除状態を示す側面図である。いずれも台間設備装置１５０を上面から見た状態を示している。
【００４４】
図２−１に示すように、３Ｄメガネ１２２は、図示のように、テンプル１２２ｂを折りたたんだ状態で収容される。テンプル１２２ｂは、常に折りたたむ方向にバネ力が加わる構成とされており、折りたたんだ状態で収容できるようになっている。
【００４５】
３Ｄメガネ１２２は、収容時には、ブリッジ１２２ａ部分を外部から挟み込むロック片１２４により、収容状態が保持される。たとえば、ロック片１２４は、図示のように、開閉する２つの爪１２４ａ，１２４ｂで構成でき、これらの爪１２４ａ，１２４ｂは、それぞれ軸１２４ａａ，１２４ｂａを中心として不図示のソレノイド等により回動自在である。
【００４６】
そして、３Ｄ演出時には、図２−２に示すように、３Ｄメガネ１２２がロック解除される。このとき、ロック片１２４（爪１２４ａ，１２４ｂ）が開放され、３Ｄメガネ１２２のブリッジ１２２ａ部分のロックを解除する。これにより、３Ｄメガネ１２２は、取り出し可能となり、遊技者が装着可能となる。
【００４７】
３Ｄメガネ１２２は、遊技者の顔面まで引き出されるため、台間設備装置１５０から所定距離離れ、この際、図示のように、３Ｄメガネ１２２のレンズに対するシャッタ制御をおこなうための接続線１２５が台間設備装置１５０部分から延びる。接続線１２５は、台間設備装置１５０内部の図示しない基板（あるいはコネクタ等）と、３Ｄメガネ１２２との間に配線されている。この接続線１２５により、３Ｄメガネ１２２の盗難を防止できる。なお、後述するが、ぱちんこ遊技機１００と台間設備装置１５０との間は、所定のＩ／Ｆを介して相互に接続され、このＩ／Ｆは、接続線１２５を用いた有線接続に限らず、無線接続も可能である。
【００４８】
加えて、台間設備装置１５０の内部に接続線１２５を所定の力で巻き取る巻き取り部１２５ａを設けることにより、接続線１２５の弛みを防止できる。巻き取り部１２５ａは一方向クラッチ機構を備え、接続線１２５の引き出しに対しては許容し、３Ｄ演出の終了時にラッチ解除し、所定の力で接続線１２５を巻き取る構成とすれば、接続線１２５を全て巻き取り収容することができる。このような構成とすることで、３Ｄ演出の終了時期を適切に報知可能となり、３Ｄメガネ１２２の着用という煩わしさからいち早く解放することが可能となる。なお、接続線１２５とともに、チェーンやワイヤ等の接続部材を用いることにより、ぱちんこ遊技機１００から３Ｄメガネ１２２の離脱（たとえば盗難や脱落時の損傷）等を強固に防ぐことができる。
【００４９】
（ぱちんこ遊技機の内部構成）
つぎに、本発明にかかる実施の形態の台間設備装置１５０に接続されるぱちんこ遊技機１００の内部構成について説明する。図３は、ぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図３に示すように、ぱちんこ遊技機１００の制御部３００は、ぱちんこ遊技機１００における遊技の進行を制御する主制御部３０１と、ぱちんこ遊技機１００がおこなう演出の演出内容を制御する演出制御部３０２と、ぱちんこ遊技機１００がおこなう賞球の払い出しを制御する賞球制御部３０３とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
【００５０】
（１．主制御部）
主制御部３０１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）３１１と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）３１２と、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３１３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００５１】
ＣＰＵ３１１は、ぱちんこ遊技機１００の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ＲＯＭ３１２には、ＣＰＵ３１１が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや当該プログラム実行時に用いる各種テーブルなどが記憶されている。ＲＡＭ３１３は、ＣＰＵ３１１のワークエリアとして機能する。なお、ＣＰＵ３１１が上記のプログラムを実行することによりＲＡＭ３１３に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部３０１に接続された各構成に対して送信される。
【００５２】
すなわち、主制御部３０１は、ＣＰＵ３１１がＲＡＭ３１３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ３１２に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機１００の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部３０１は、主制御基板（公知の技術のため詳細な説明は省略する）によって実現される。
【００５３】
主制御部３０１には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ（ＳＷ）、大入賞口１０９などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第１特別図柄表示部１１２ａ、第２特別図柄表示部１１２ｂ、普通図柄表示部１１３、保留球数表示部１１４などが接続される。
【００５４】
具体的に、上記の各種ＳＷとしては、第１始動口１０５へ入賞した遊技球を検出する第１始動口ＳＷ３２１と、第２始動口１０６へ入賞した遊技球を検出する第２始動口ＳＷ３２２と、ゲート１０８を通過した遊技球を検出するゲートＳＷ３２３と、大入賞口１０９へ入賞した遊技球を検出する大入賞口ＳＷ３２４と、普通入賞口１１０へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口ＳＷ３２５とが主制御部３０１に接続される。
【００５５】
それぞれのＳＷ（３２１〜３２５）による検出結果は主制御部３０１へ入力される。これらのＳＷには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口ＳＷ３２５は、普通入賞口１１０の配置位置別に複数個設けてもよい。
【００５６】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ１０７を開閉動作させる電動チューリップソレノイド３３１と、大入賞口１０９を開閉動作させる大入賞口ソレノイド３３２とが主制御部３０１に接続される。主制御部３０１は、それぞれのソレノイド（３３１，３３２）に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部３０１は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド３３１の駆動を、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド３３２の駆動を、それぞれ制御する。
【００５７】
また、主制御部３０１は、大当たり抽選（第１大当たり抽選、第２大当たり抽選）、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第１特別図柄表示部１１２ａ、第２特別図柄表示部１１２ｂ、普通図柄表示部１１３の表示内容を制御する。たとえば、主制御部３０１は、第１大当たり抽選をおこなうと第１特別図柄表示部１１２ａの第１特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第１大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第１特別図柄を停止表示させる。
【００５８】
同様に、主制御部３０１は、第２大当たり抽選をおこなうと第２特別図柄表示部１１２ｂの第２特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部１１３の普通図柄を、変動／停止表示させる。
【００５９】
さらに、主制御部３０１は、演出制御部３０２および賞球制御部３０３にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部３０１は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部３０２に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果（停止表示させる特別図柄の種類）、現在の遊技状態、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間（以下「変動時間」という）などを示す情報が含まれている。
【００６０】
また、主制御部３０１は、各入賞口（始動口１０５，１０６、大入賞口１０９、普通入賞口１１０）へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部３０３に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
【００６１】
（２．演出制御部）
演出制御部３０２は、演出統括部３０２ａと、画像・音声制御部３０２ｂと、ランプ制御部３０２ｃとによって構成され、ぱちんこ遊技機１００がおこなう演出の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部３０２ａは、主制御部３０１から受信したコマンド（たとえば変動開始コマンド）に基づいて演出制御部３０２全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部３０２ｂは、演出統括部３０２ａからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部３０２ｃは、遊技盤１０１および枠部材１１５などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【００６２】
（２−１．演出統括部）
まず、演出統括部３０２ａの構成について説明する。演出統括部３０２ａは、ＣＰＵ３４１と、ＲＯＭ３４２と、ＲＡＭ３４３と、リアルタイムクロック（以下「ＲＴＣ」という）３４４と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００６３】
ＣＰＵ３４１は、ぱちんこ遊技機１００において演出をおこなう演出制御部３０２全体を統括するための各種プログラムを実行する。ＲＯＭ３４２には、ＣＰＵ３４１が上記の処理を実行するために必要となるプログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ３４３は、ＣＰＵ３４１のワークエリアとして機能する。ＣＰＵ３４１がプログラムを実行することによりＲＡＭ３４３にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部３０２ｂおよびランプ制御部３０２ｃに対して送信される。
【００６４】
すなわち、演出統括部３０２ａは、ＣＰＵ３４１がＲＡＭ３４３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ３４２に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部３０２全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部３０２ａは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部３０２ｂ、ランプ制御部３０２ｃに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部３０２全体を統括する。
【００６５】
ＲＴＣ３４４は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。ＲＴＣ３４４は、ぱちんこ遊技機１００の電源が遮断されてもバックアップ電源（不図示）により計時動作を継続する。なお、ＲＴＣ３４４は、演出統括部３０２ａなど演出制御部３０２内に配置する例に限らず、主制御部３０１内に配置してもよい。また、ＲＴＣ３４４は、単独で配置して演出制御部３０２や主制御部３０１に対して実時間を計時出力してもよい。また、演出統括部３０２ａには演出ボタン１１９などが接続されている。演出ボタン１１９は、操作されたボタンやキーに対応する信号を演出統括部３０２ａへ入力する。
【００６６】
（２−２．画像・音声制御部）
つぎに、画像・音声制御部３０２ｂの構成について説明する。画像・音声制御部３０２ｂは、ＣＰＵ３５１と、ＲＯＭ３５２と、ＲＡＭ３５３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００６７】
ＣＰＵ３５１は、画像表示部１０４の表示制御に関する処理や、スピーカ３５４からの音声出力に関する処理をおこなうためのプログラムを実行する。また、ＣＰＵ３５１は、有効期間を設定するためのプログラムを実行する。ＲＯＭ３５２には、上記の処理をおこなうためのプログラム、該処理に必要となる背景画像・装飾図柄画像・キャラクタ画像などの画像データなどの演出用データが記憶されている。ＲＡＭ３５３は、ＣＰＵ３５１のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部１０４に表示させる画像の表示データやスピーカ３５４から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、ＲＡＭ３５３には、画像表示部１０４に表示させる画像をあらわす画像データが一時的に格納されるＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ ＲＡＭ）などが含まれる。
【００６８】
すなわち、画像・音声制御部３０２ｂは、ＣＰＵ３５１がＲＡＭ３５３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ３５２に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部３０２ａからの指示に基づき、画像表示部１０４に表示させる画像や、スピーカ３５４から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
【００６９】
たとえば、ＣＰＵ３５１は、演出統括部３０２ａから指示された指示内容に基づいて、画像表示部１０４に表示する表示内容を制御する表示制御処理（不図示）、スピーカ３５４から出力される音声内容を制御する音声制御処理（不図示）などを実行する。このときには、ＣＰＵ３５１は、処理に必要な画像データおよび音声データをＲＯＭ３５２から読み出してＲＡＭ３５３に書き込む。
【００７０】
また、ＣＰＵ３５１は、複数の演出のうち、特定の演出を３Ｄ演出として実行する。この３Ｄ演出の実行時には、ＲＯＭ３５２に格納された３Ｄ演出用の画像データを読み出して、画像表示部１０４に表示させる。同時に、ＣＰＵ３５１は、Ｉ／Ｆ３５５を介して台間設備装置１５０に対し、遊技者が３Ｄメガネ１２２を装着できるように３Ｄメガネ１２２のロック片１２４を解除する解除信号を出力する。台間設備装置１５０は、解除信号の受信時には、ロック片１２４を解除するとともに、ＬＥＤ等の発光手段１５７を発光させ遊技者に解除状態であることを報知する。
【００７１】
また、ＣＰＵ３５１は、Ｉ／Ｆ３５５を介して画像表示部１０４に表示された左目用と右目用の画像データの切り替えに同期して、３Ｄメガネ１２２の左目のレンズに設けられたシャッタと右目のレンズに設けられたシャッタとを交互にシャッタ動作させる制御信号を供給する。これにより、３Ｄメガネ１２２を装着した遊技者は、画像表示部１０４を見ることにより、画像表示部１０４に表示された画像を立体画像（３Ｄ画像）として認識することができるようになる。
【００７２】
ＲＡＭ３５３に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、画像・音声制御部３０２ｂに接続された画像表示部１０４に対して出力され、画像表示部１０４の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、Ｚバッファ法など周知の陰面消去法により各画像の表示データのＺバッファのＺ値を参照することで、装飾図柄を優先してＲＡＭ３５３に記憶させる。
【００７３】
また、ＲＡＭ３５３に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部３０２ｂに接続されたスピーカ３５４に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ３５４から出力される。
【００７４】
（２−３．ランプ制御部）
つぎに、ランプ制御部３０２ｃの構成について説明する。ランプ制御部３０２ｃは、ＣＰＵ３６１と、ＲＯＭ３６２と、ＲＡＭ３６３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ＣＰＵ３６１は、演出ライト部１１６や盤ランプ３６４などのランプの点灯を制御したり、不図示の可動役物の駆動を制御するための処理を実行する。ＲＯＭ３６２には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、該処理に必要となるデータなどが記憶されている。ＲＡＭ３６３は、ＣＰＵ３６１のワークエリアとして機能する。
【００７５】
ランプ制御部３０２ｃは、演出ライト部（枠ランプ）１１６、盤ランプ３６４の駆動モータ２０１などに接続され、遊技盤１０１および枠部材１１５などに設けられたランプの点灯を制御する。このほか、不図示の可動役物の動作を制御する。
【００７６】
本実施の形態では、演出制御部３０２は、演出統括部３０２ａと画像・音声制御部３０２ｂとランプ制御部３０２ｃとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【００７７】
（３．賞球制御部）
つぎに、賞球制御部３０３の構成について説明する。賞球制御部３０３は、ＣＰＵ３８１と、ＲＯＭ３８２と、ＲＡＭ３８３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ＣＰＵ３８１は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ＲＯＭ３８２には、該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ３８３は、ＣＰＵ３８１のワークエリアとして機能する。
【００７８】
また、賞球制御部３０３は、払出部（払出駆動モータ）３９１と、発射部３９２と、定位置検出ＳＷ３９３と、払出球検出ＳＷ３９４と、球有り検出ＳＷ３９５と、満タン検出ＳＷ３９６と接続される。
【００７９】
賞球制御部３０３は、払出部３９１に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部３９１は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部３０３は、払出部３９１に対して各入賞口（第１始動口１０５、第２始動口１０６、大入賞口１０９、普通入賞口１１０）に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【００８０】
また、賞球制御部３０３は、発射部３９２に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部３９２は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部３０３は、発射部３９２のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤１０１の遊技領域１０３に遊技球を送り出す。
【００８１】
また、この賞球制御部３０３には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出ＳＷ３９３、払出球検出ＳＷ３９４、球有り検出ＳＷ３９５、満タン検出ＳＷ３９６等がある。たとえば、賞球制御部３０３は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【００８２】
上記構成の主制御部３０１と、演出制御部３０２と、賞球制御部３０３は、それぞれ異なるプリント基板（主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板）に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部３０３は、主制御部３０１と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【００８３】
また、主制御部３０１には、盤用外部情報端子基板３９７が接続されており、主制御部３０１が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部３０３についても、枠用外部情報端子基板３９８が接続されており、賞球制御部３０３が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【００８４】
（台間設備装置の内部構成）
つぎに、本発明にかかる実施の形態の台間設備装置１５０の内部構成について説明する。図４は、本発明にかかる台間設備装置の内部構成を示すブロック図である。図４に示すように、台間設備装置１５０は、主にぱちんこ遊技機１００の遊技球の貸し出しの制御をおこなうものであり、遊技球の貸し出しの情報を管理サーバ４５０との間でやり取りする。以下の説明では、主に３Ｄメガネ１２２のロックおよび解除に関する構成について説明する。
【００８５】
台間設備装置１５０は、紙幣ユニット４０１と、制御部４０２と、制御部４０２の制御処理に用いるデータを格納する記憶部４０３とを有する。紙幣ユニット４０１は、遊技球貸し出し時の紙幣を収納する紙幣収納部４１１と、紙幣収納を制御する制御部４１２とを有する。制御部４０２は、台間設備装置１５０全体の制御を司るものであり、貸し出し制御部４２１と、３Ｄメガネ１２２を必要な時期に遊技者が装着できるよう機構を制御する機構制御部４２２とを有する。この制御部４０２は、Ｉ／Ｆ４３１を介して管理サーバ４５０に接続されるとともに、Ｉ／Ｆ４３２を介してぱちんこ遊技機１００に接続される。ぱちんこ遊技機１００とＩ／Ｆ４３２との間は、上記の接続線１２５を有線接続させた構成に限らず、無線接続としてもよい。
【００８６】
機構制御部４２２は、３Ｄメガネ１２２のロック片１２４のロックおよび解除を制御する。また、ＬＥＤ１５７を発光制御し、３Ｄメガネ１２２のロック解除時に点灯制御する。このほか、後述する移動機構ユニット１６１に対する動作制御をおこなうこともできる。
【００８７】
（３Ｄ演出画像について）
図５は、３Ｄ演出用の画像を示す図である。ぱちんこ遊技機１００の画像・音声制御部３０２ｂのＣＰＵ３５１は、予め定めた特定演出の発生時には、画像表示部１０４上で立体画像となる３Ｄ演出をおこなう。ＲＯＭ３５２には、この３Ｄ演出用の画像が格納されている。３Ｄ演出用の画像５０１は、所定フレーム（時間）ｔ分の左目用の画像５０１Ｌ−１〜５０１Ｌ−ｎと、右目用の画像５０１Ｒ−１〜５０１Ｒ−ｎとを有している。左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒは、図示のように、人間の両目（瞳孔）の間隔（約６．５ｃｍ）に対応して、それぞれ異なる方向に奥行き間をもたせて生成した画像からなる。
【００８８】
ＣＰＵ３５１は、予め定めた特定の演出を３Ｄ演出として、それまでの２Ｄ（平面表示）から、上記３Ｄ演出用の画像５０１を用いた３Ｄ演出に表示画像を切り替える。切り替えの具体的契機としては、遊技者にとって有利な遊技状態となったとき（たとえば、大当たり発生時、大当たり中の所定ラウンドにおける演出時、所定時間以上のリーチ時）等におこなうことができる。これに限らず、特定の演出開始時に、遊技者による演出ボタン１１９の押下を契機として、３Ｄ演出を開始させる構成としてもよい。
【００８９】
図６は、３Ｄメガネを用いて見た３Ｄ画像の見え方を示す図である。図５に示した１フレームの左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒを合成した画像の見え方を示した。画像表示部１０４に１フレームの左目用の画像５０１Ｌを表示したときに、３Ｄメガネ１２２の左目のシャッタを開放し、右目用の画像５０１Ｒを表示したときに、３Ｄメガネ１２２の右目のシャッタを開放させる。このシャッタ開閉の制御信号がＩ／Ｆ４３２を介して台間設備装置１５０に入力され、制御部４０２を介して３Ｄメガネ１２２のシャッタを制御する。このシャッタの切り替えは高速であり、人間の目では、これら左目と右目の切り替わりには追従できない。結果的に、これら一対の左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒを頭の中で合成して奥行き感がある立体的な３Ｄ画像６０１として認識される。
【００９０】
（３Ｄ演出の機能的構成）
つぎに、３Ｄ演出の機能的構成について説明する。図７は、３Ｄ演出をおこなう機能的構成を示すブロック図である。
【００９１】
図７に示すように、３Ｄ演出にかかる構成は、ぱちんこ遊技機１００と、台間設備装置１５０とが含まれる。ぱちんこ遊技機１００側の構成は、演出制御部７０１と、３Ｄ演出表示制御部７０２と、３Ｄ演出データ格納部７０３と、画像表示部１０４と、Ｉ／Ｆ３５５とを備える。２Ｄ演出表示制御部７１０と、２Ｄ演出データ格納部７１１は、３Ｄ演出時以外に用いられ、平面（２Ｄ）の図柄表示をおこなう構成部である。一方、台間設備装置１５０側の構成は、上述したＩ／Ｆ４３２と、制御部４０２と、３Ｄメガネ１２２と、ロック片１２４と、ＬＥＤ１５７とを備える。また、巻き取り部１２５ａは必要に応じて設けることができる。
【００９２】
ぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０１は、演出統括部３０２ａから指示された指示内容に基づいて、２Ｄ演出をおこなうか、あるいは３Ｄ演出をおこなうかを制御する。そして、演出制御部７０１は、画像表示部１０４に２Ｄ演出の表示をおこなうか、あるいは３Ｄ演出の表示をおこなうかを選択する。通常時は、２Ｄ演出を選択している。このとき、２Ｄ演出表示制御部７１０に対し、２Ｄ演出データ格納部７１１から２Ｄの画像データを読み出して通常の２Ｄ演出をおこなわせる。そして、特定の演出時には、３Ｄ演出をおこなうために３Ｄ演出表示制御部７０２を選択し、３Ｄの演出をおこなわせる。
【００９３】
３Ｄ演出表示制御部７０２は、選択されると、３Ｄ演出データ格納部７０３から３Ｄの演出データ（図５記載の左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒ）を読み出す。読み出す期間は、３Ｄ演出をおこなう期間に対応した複数フレーム分である。また、３Ｄ演出表示制御部７０２は、３Ｄメガネ１２２に対して、左目用の画像５０１Ｌと、右目用の画像５０１Ｒの交互表示に同期して対応する左目のシャッタと、右目のシャッタを交互に開閉させる制御信号を出力する。
【００９４】
そして、演出制御部７０１が３Ｄ演出を選択したときには、３Ｄ演出表示制御部７０２は、ロック片１２４のロックを解除する解除信号を出力する。一方、演出制御部７０１が３Ｄ演出を終了させるとき、あるいは２Ｄ演出に切り替えるときには、３Ｄ演出表示制御部７０２は、ロック片１２４によるロックをおこない、３Ｄメガネ１２２を係止保持する。また、３Ｄメガネ１２２が収容されたか否かを検知するセンサを設け、制御部４０２は、３Ｄメガネ１２２が収容された後にロック片１２４により３Ｄメガネ１２２をロックするように構成することもできる。
【００９５】
この際、３Ｄ演出が終了したにもかかわらず、３Ｄメガネ１２２が収容されないときには、制御部４０２からの制御出力を３Ｄ演出表示制御部７０２（あるいは２Ｄ演出表示制御部７１０）が受けて、３Ｄメガネ１２２を収容するよう、画像表示部１０４には遊技者に対して所定の表示（あるいは音声）で報知する構成としてもよい。同時に、演出制御部７０１は３Ｄ演出の終了とともに、演出終了の制御信号を出力し、台間設備装置１５０側では、制御部４０２が巻き取り部１２５ａによる接続線１２５の巻き取りを開始させる構成としてもよい。巻き取り力は、遊技者側への引っ張り力より弱い力で巻き取るようにすれば、装着状態の３Ｄメガネ１２２の脱落を防止できる。
【００９６】
これに限らず、遊技者が演出ボタン１１９を操作することにより、メニュー画面上で３Ｄメガネ１２２を遊技中は継続して掛け続けるモードにすることもできる。この場合、２Ｄ演出表示制御部７１０により２Ｄ演出の期間中は、３Ｄメガネ１２２のシャッタ切り替えをおこなわない制御をおこなう。これにより、３Ｄ演出の度毎に、３Ｄメガネを装着する煩わしさを解消できる。
【００９７】
一方、３Ｄ演出の期間中にもかかわらず、３Ｄメガネ１２２が装着されないときには、３Ｄ演出表示制御部７０２による３Ｄ演出をおこなわず２Ｄ演出表示制御部７１０による２Ｄ演出をおこなう制御をおこなってもよい。これは、遊技者が３Ｄ演出の期間中に３Ｄメガネ１２２の装着を忘れたときに有効である。具体的には、巻き取り部１２５ａが接続線１２５の引き出しの長さを検知することにより、３Ｄメガネ１２２が引き出されているか否かを検知できる。この構成においては、台間設備装置１５０の制御部４０２からぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０１に対してこの検知信号を出力させる。
【００９８】
そして、３Ｄメガネ１２２の装着時には、接続線１２５が所定長さ以上引き出されるはずであるが、３Ｄメガネ１２２が引き出されず、収容されたままの状態であると、接続線１２５の引き出しの長さが変わらないか、少なくとも所定長さ以下となる。このような場合には、巻き取り部１２５ａの巻き取り長さに基づき、引き出されていないときに３Ｄ演出を止め、２Ｄ演出をおこなう。また、３Ｄメガネ１２２に遊技者の着用状態を検出可能なセンサ装置を設けた場合は、遊技者の着用状態に応じて３Ｄ演出の表示切り替えを行ってもよい。このように制御することにより、３Ｄメガネ１２２が非着用状態で３Ｄ演出を視聴するという不快な状態を抑制できる。
【００９９】
上記で説明した演出制御部７０１、３Ｄ演出表示制御部７０２、２Ｄ演出表示制御部７１０の各機能部は、ぱちんこ遊技機１００の画像・音声制御部３０２ｂのＣＰＵ３５１がＲＯＭ３５２に記憶されたプログラムを実行することによりその機能を実現することができる。また、また、制御部４０２の機能は、台間設備装置１５０に設けたＣＰＵがＲＯＭに記憶されたプログラムを実行することによりその機能を実現することができる。
【０１００】
（３Ｄ演出処理手順について）
図８は、３Ｄ演出時における制御手順を示すフローチャートである。ぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０１は、演出統括部３０２ａから指示された指示内容に基づいて、演出を選択する（ステップＳ８０１）。この際、選択される複数の演出のうち、特定の演出を３Ｄ演出とする。そして、演出制御部７０１は、選択した演出が３Ｄ演出のときには（ステップＳ８０２：Ｙｅｓ）、３Ｄ演出表示制御部７０２が３Ｄ演出データ格納部７０３から３Ｄ演出データを読み出し、３Ｄ演出データを画像表示部１０４に出力し、表示させる（ステップＳ８０３）。
【０１０１】
そして、演出制御部７０１は、３Ｄメガネ１２２のロックを解除し（ステップＳ８０４）、遊技者が３Ｄメガネ１２２を装着可能にする。このように、３Ｄ演出時のみに３Ｄメガネ１２２のロックが解除され、遊技者が装着可能となる構成とすることで、常時３Ｄメガネを着用させるような煩わしさを与えることが無く、適切な使用時期をロックの解除という手法によって報知させることが可能となる。また、３Ｄ演出を、たとえば大当たりの期待度が高いリーチ演出時とした場合に、ロックの解除という動作が、リーチ予告や信頼度予告の意味合いを持つこととなるため、遊技性の向上の役割を果たすこととなる。
【０１０２】
また、ロックが解除されたことを遊技者に報知可能なようにロック状態の報知手段として、ＬＥＤ等の発光手段１５７（図１参照）を備えたり、画像表示部１０４などに表示する動画や、音声などによって「３Ｄメガネを装着してください」などのロック解除のナビゲートを３Ｄ演出の開始前に行えば、ナビゲート動作自体にリーチ予告の意味合いを持たせることができるため、更に効果的な遊技演出とすることも可能である。
【０１０３】
この後、３Ｄ演出表示制御部７０２は、３Ｄメガネ１２２のシャッタを制御する（ステップＳ８０５）。具体的には、画像表示部１０４に左目用の画像５０１Ｌを表示させたときには、３Ｄメガネ１２２の左目のシャッタだけを開き、画像表示部１０４に右目用の画像５０１Ｒを表示させたときには、３Ｄメガネ１２２の右目のシャッタだけを開き、これらを交互に同期して表示させる。これにより遊技者は、３Ｄメガネ１２２を介して画像表示部１０４に表示された画像を立体感のある３Ｄ画像として視認することができるようになる。
【０１０４】
演出制御部７０１は、３Ｄ演出表示制御部７０２による３Ｄ演出を予め定めた所定期間だけおこなう（ステップＳ８０６：Ｎｏのループ）。３Ｄ演出の期間が終了すると、演出制御部７０１は、３Ｄ演出を終了させる（ステップＳ８０６：Ｙｅｓ）。そして、遊技者が戻した３Ｄメガネ１２２をロック片１２４でロックし（ステップＳ８０７）、一連の処理を終了する。３Ｄ演出の終了時には、３Ｄ演出表示制御部７０２がロック片１２４による３Ｄメガネ１２２のロックを、上述したように、遊技者に所定の表示（あるいは音声）で報知する。そして、３Ｄメガネ１２２が収容箇所に収容されたか否かを検知してからロック片１２４をロックする。この際、巻き取り部１２５ａで３Ｄメガネ１２２の接続線１２５を巻き取ることにより、接続線１２５を台間設備装置１５０内部に収容できるようになる。
【０１０５】
ところで、ステップＳ８０２において、演出制御部７０１が２Ｄ演出をおこなう場合には（ステップＳ８０２：Ｎｏ）、２Ｄ演出表示制御部７１０が２Ｄ演出データ格納部７１１から２Ｄ演出データを読み出し、２Ｄ演出データを画像表示部１０４に出力し、表示させる（ステップＳ８０８）。そして、所定期間の２Ｄ演出の終了後には、３Ｄメガネ１２２が収容箇所に収容されているかを再度確認し（上記ステップＳ８０７の処理を実行）、一連の処理を終了する。なお、ステップＳ８０８の実行後にステップＳ８０７の処理をおこなわず、一連の処理を終了させてもよい。
【０１０６】
（実施例２−台間設備装置の構成例２）
図９は、本発明の遊技設備装置の実施例２を示す正面図、図１０は、台間設備装置の実施例２を示す斜視図である。これらの図に示す３Ｄメガネ１２２は、台間設備装置１５０に取り付けられ、ぱちんこ遊技機１００の中央位置で昇降自在に構成されており、３Ｄ演出時にぱちんこ遊技機１００の画像表示部１０４の位置まで下降する構成である。
【０１０７】
台間設備装置１５０の側部（ぱちんこ遊技機１００寄り）には、３Ｄメガネ１２２を昇降させる移動機構ユニット１６１が設けられている。この移動機構ユニット１６１は、ぱちんこ遊技機１００の枠部材１１５の手前の位置まで前方に延出して設けられている。これにより、ぱちんこ遊技機１００の枠部材１１５等を仕様変更する必要がなく、また、ぱちんこ遊技機１００および枠部材１１５を交換することなく移動機構ユニット１６１をメンテナンスできる。この移動機構ユニット１６１は、台間設備装置１５０（ぱちんこ遊技機１００）の上端付近から画像表示部１０４に重なる位置（より厳密には画像表示部１０４下端よりやや低い位置）まで所定の長さを有して設けられている。
【０１０８】
移動機構ユニット１６１の内部には、上下方向にスライドレールが設けられ、３Ｄメガネ１２２を保持する保持体１６２は、スライドレールにスライド自在に支持されている。保持体１６２には、図示しないベルトやギヤ等の伝達機構を介して駆動源であるモータに連結されている。これにより、保持体１６２は、モータの回転により移動機構ユニット１６１の上下方向に沿って上下方向にスライド自在である。
【０１０９】
図１０に示すように、保持体１６２は、２つの回動部１６２ａ，１６２ｂを有して３Ｄメガネ１２２の側部に取り付けられている。回動部１６２ａ，１６２ｂは、市販の丁番の如く、軸を中心として一方の片に対し他方の片が回動自在に構成されている。回動部１６２ａ，１６２ｂの軸方向は上下方向であり、図示のように、３Ｄメガネ１２２は、ぱちんこ遊技機１００の手前側（図の奥側）に引き出すことができる。
【０１１０】
遊技者は、３Ｄメガネ１２２を引き出し操作することにより、ぱちんこ遊技機１００の前面から所定距離離れた自身の目の近傍に３Ｄメガネ１２２を位置させることができる。回動部１６２ａ，１６２ｂは、２つ設けられているため、３Ｄメガネ１２２をぱちんこ遊技機１００の前面に引き出したときにおいても、このぱちんこ遊技機１００の前面（および画像表示部１０４の表示面）に対して平行な状態にでき、遊技者に対して画像表示部１０４の表示内容を視認しやすくする。
【０１１１】
なお、図１０では、上述した接続線１２５は図示していないが、接続線１２５は、３Ｄメガネ１２２に一端が接続され、保持体１６２内部、移動機構ユニット１６１内部を経由して台間設備装置１５０のＩ／Ｆ４３２に接続されている。さらには、ぱちんこ遊技機１００のＩ／Ｆ３５５を介して演出制御部７０１に接続されている。
【０１１２】
図１１は、３Ｄメガネの移動状態を示す図である。移動機構ユニット１６１は、Ｉ／Ｆ４３２，３５５を介して図３に示した画像・音声制御部３０２ｂに接続される。そして、ＣＰＵ３５１は３Ｄ演出時に、移動機構ユニット１６１に内蔵されたモータを駆動し、保持体１６２を画像表示部１０４の高さ位置まで下降させる。これにより、遊技者は、３Ｄメガネ１２２の装着時期を気にすることなく、自動的に下降した３Ｄメガネ１２２を介して画像表示部１０４を見るだけで、上述した（図６参照）、３Ｄ演出の画像を見ることができるようになる。なお、画像・音声制御部３０２ｂは、３Ｄ演出の終了時には、保持体１６２を図９に示した初期位置（上限位置）に復帰するよう上昇させる。
【０１１３】
また、ぱちんこ遊技機１００を遊技する際の目の高さ位置は、遊技者毎に異なる。このため、保持体１６２が下降したときの３Ｄメガネ１２２の高さ位置は、演出ボタン１１９、あるいはその周囲のカーソルキー（不図示）を用いて上下の高さを微調整できるようにしてもよい。また、遊技開始時に、演出ボタン１１９やカーソルキー１２０等を操作して、予め遊技者毎に３Ｄメガネ１２２の高さ位置を設定しておく構成としてもよい。さらには、台間設備装置１５０、あるいはぱちんこ遊技機１００の内部に遊技者の目の高さ位置を検出するカメラやセンサを設置し、カメラ画像を用いた画像処理、あるいはセンサにより直接、目の高さを検出し、この目の高さ位置まで３Ｄメガネ１２２を下降させる構成としてもよい。目の高さ位置が低い遊技者のために、図９に示すように、移動機構ユニット１６１の下端は、画像表示部１０４の下端よりやや低い部分まで設けている。
【０１１４】
また、上記の実施の形態では、３Ｄメガネ１２２が移動機構ユニット１６１により上下移動する構成を例に説明したが、これに限らず、３Ｄメガネ１２２は、左右方向に移動する構成としたり、ぱちんこ遊技機１００の前面で回動することにより遊技者の目の位置まで移動する構成としてもよく、移動方向に対応した移動機構ユニット１６１に適宜変更すればよい。移動機構ユニット１６１は、３Ｄメガネ１２２の不使用時（２Ｄ演出時）に、この３Ｄメガネ１２２が遊技の邪魔にならない位置に退避させる構成であればよい。
【０１１５】
（実施例３−台間設備装置の構成例３）
図１２は、本発明の遊技設備装置の実施例３を示す正面図である。図１２には、遊技設備装置としての台間設備装置１２００と、この台間設備装置１２００に接続されるぱちんこ遊技機の一例を示している。この台間設備装置１２００は、エアカーテンと防犯ロックを備えた装置である。
【０１１６】
この台間設備装置１２００は、ぱちんこ遊技機１００の高さ方向に沿って縦長の送風口１２０１を有している。この送風口１２０１内部には、ファンおよびエアフィルターが内蔵されており、手前側に風を送風させる。この風により、隣接する他のぱちんこ遊技機１００の遊技者の喫煙時の煙を遮断する。送風する風のＯＮ／ＯＦＦおよび強さは、スイッチ１２０２で調整できる。
【０１１７】
また、台間設備装置１２００の中央部には、防犯ロック１２０３が設けられている。ぱちんこ遊技機１００は、枠部材１１５が左端に設けられた軸を中心として右端が開閉自在となっている。枠部材１１５の開放端である右側には、防犯ロック１２０３のアーム１２０３ａが覆う形で進出しており、ぱちんこ遊技機１００の不正な開放を防止している。この防犯ロック１２０３は、アーム１２０３ａが回動自在であり、内蔵されたソレノイドは、図示の閉じた位置でロックする。またソレノイドを制御してロック解除できる。
【０１１８】
上記の台間設備装置１２００には、上述した実施例２（図９）で説明した移動機構ユニット１６１が設けられ、３Ｄメガネ１２２が昇降自在な構成となっている。台間設備装置１２００がぱちんこ遊技機１００の右側に設けられているため、図９の移動機構ユニット１６１を左右逆にしたものを取り付ければよい。そして、実施例２同様に、３Ｄ演出時に３Ｄメガネ１２２を画像表示部１０４の位置まで下降させる制御をおこなう。３Ｄメガネ１２２の昇降の詳細な説明は、実施例２と同様であり説明を省略する。
【０１１９】
このように、３Ｄメガネ１２２は、台間設備装置１２００が有する基本機能に追加する形で設けることができる。また、この台間設備装置１２００は、移動機構ユニット１６１を有さず、上述した実施例１（図１）で説明したロック片１２４を備えた構成とすることもできる。
【０１２０】
（実施例４−表示装置の構成例）
上述の説明では、いずれも遊技設備装置として台間設備装置を例に説明し、この台間設備装置に３Ｄメガネ１２２を設ける構成とした。３Ｄメガネ１２２は、台間設備装置に設けるに限らず、表示装置に設ける構成としてもよい。
【０１２１】
図１３は、本発明の遊技設備装置の実施例４を示す正面図である。図１３には、遊技設備装置としての表示装置１３００と、この表示装置１３００に接続されるぱちんこ遊技機の一例を示している。この表示装置１３００は、ぱちんこ遊技機１００の上部位置に設けられる。
【０１２２】
この表示装置１３００は、ぱちんこ遊技機１００の遊技情報を表示する装置であり、表示部１３０１には、上段に大当たり回数、確変大当たり回数、図柄変動回数が表示される。下段には、過去３日間の大当たり回数、確変回数と、過去の変動回数のグラフが表示される。表示部１３０１の両側部には、ホール係員呼び出し用の呼び出しボタン１３０２と、表示部１３０１の表示内容を切り替えるデータボタン１３０３が設けられている。
【０１２３】
そして、表示装置１３００の下部には、３Ｄメガネ１２２の収容部１３０４を設けている。収容部１３０４は、前方から見て凹形状となっており、３Ｄメガネ１２２を前方から取り出し可能に収容する。この収容部１３０４内部には、３Ｄメガネ１２２の収容時にこの３Ｄメガネ１２２の取り外しを防止するロック片１２４が設けられている。図示の例では、ロック片１２４は、３Ｄメガネ１２２の中央のブリッジ１２２ａを特定の演出時以外の期間は、脱落および盗難を防止するためにロックし、収容部１３０４に収容された３Ｄメガネ１２２を取り外しできない状態に保持する。
【０１２４】
一方、特定の３Ｄ演出時には、ロック片１２４のロックが外れ、遊技者は、３Ｄメガネ１２２を取り外して装着可能となる。収容部１３０４に３Ｄメガネ１２２が収容されているか否かを検知するセンサを設けてもよい。また、収容部１３０４には、３Ｄメガネ１２２のロックが解除されたことを遊技者に報知可能なようにロック状態報知手段として、ＬＥＤ等の発光手段１５７が設けられている。このように、３Ｄメガネ１２２は、表示装置１３００が有する基本機能に追加する形で設けることができる。
【０１２５】
（ぱちんこ遊技機と遊技設備装置との間の通信データについて）
上記の実施例１，３，４において説明したロック片１２４のロック制御には、簡単な通信データを用いて制御できる。すなわち、ぱちんこ遊技機１００側からロック時およびロック解除時にそれぞれ制御信号を出力するだけで遊技設備装置側がこれを受けて３Ｄメガネ１２２をロックあるいは解除すればよく、ぱちんこ遊技機１００、および台間設備装置１５０が備えるＩ／Ｆ３５５，４３２として簡単な構造（たとえばフォトモス等）のインターフェースを用いることができるようになる。
【０１２６】
また、実施例２に示した移動機構ユニット１６１を用いて３Ｄメガネ１２２を昇降させる構成であっても、同様に簡単なインターフェースを用いることができる。たとえば、３Ｄメガネ１２２を、予め図９に示す上限位置と、図１１に示す下限位置との間で単純往復させる構成とし、ぱちんこ遊技機１００と台間設備装置１５０との間を簡単な通信データを用いて制御できる。３Ｄメガネ１２２を遊技位置に移動させたいとき（ぱちんこ遊技機１００側で３Ｄ演出を開始したとき）には、ぱちんこ遊技機１００は、下降制御信号を１回制御出力するだけでよい。この場合、台間設備装置１５０側では、下降制御信号を受けて３Ｄメガネ１２２を図９に示す上限位置から図１１に示す下限位置に移動させ、センサ等で検出する下限位置で停止させればよい。３Ｄ演出の終了時には、上昇制御信号を１回制御出力するだけでよい。この場合、台間設備装置１５０側では、上昇制御信号を受けて３Ｄメガネ１２２を下限位置から上昇させ、センサ等で検出する上限位置まで復帰移動させればよい。
【０１２７】
このように、３Ｄメガネ１２２の昇降については、複雑な通信データを用いずとも簡単な通信データで３Ｄメガネ１２２を昇降制御できる。特に、３Ｄメガネ１２２に対してレンズのシャッタの開閉信号を出力する必要がない３Ｄ方式（たとえばアナグリフ方式）を用いたときには、ぱちんこ遊技機１００と遊技設備装置との間は、上記のように、３Ｄメガネ１２２のロックあるいは昇降に関する情報だけでよく、インターフェースを簡単にできる。
【０１２８】
また、上記３Ｄメガネ１２２は、接続線１２５を介してレンズのシャッタを開閉制御する構成としたが、接続線１２５を設けずに、制御信号を無線電波で３Ｄメガネ１２２に送信する構成としてもよい。この場合、画像・音声制御部３０２ｂの後段と、３Ｄメガネ１２２の内部にそれぞれ無線Ｉ／Ｆを設け、３Ｄメガネ１２２には無線Ｉ／Ｆとシャッタ駆動用の２次電池等を設ける構成とすればよい。ただし、本体１００と３Ｄメガネ１２２との間には、３Ｄメガネ１２２の脱落や盗難を防止するためのチェーン等の接続部材を設けておけばよい。
【０１２９】
また、上記の実施形態では、画像表示部１０４の画像の交互表示に同期して３Ｄメガネ１２２の左右のシャッタを切り替えるシャッタ方式を例に説明したが、３Ｄ演出の画像はこの方式に限らない。たとえば、アナグリフ方式を使用してもよい。アナグリフ方式では、画像表示部１０４に視差に対応してずれた赤青の画像を表示させ、左右に赤青のフィルタを設けた３Ｄメガネ１２２を介して見ることで立体感を得ることができる。このほか、偏光方式を用い、画像表示部１０４に左右の画像をそれぞれ異なる水平偏光の画像と垂直偏光の画像で表示し、３Ｄメガネ１２２の左右には、偏光方向が異なり、水平偏光のフィルタと垂直偏光のフィルタをそれぞれ設けた構成としてもよい。このほか、回転円偏光の方式を用い、画像に左あるいは右回りに回転する円偏光をかけ、３Ｄメガネ１２２側にも円偏光を回転させる構成としてもよい。このように、３Ｄメガネ１２２は３Ｄ画像の方式に対応して各種のものを用いることができる。
【０１３０】
以上説明した実施の形態の遊技設備装置によれば、遊技者は、３Ｄ演出時にのみ３Ｄメガネを装着できるようになる。これにより、２Ｄの演出時には３Ｄメガネの装着を不要とし、遊技中の常時装着をおこなう必要がなく遊技者の視認疲労を防止できる。また、必要時にのみロック解除して３Ｄメガネを装着できる状態にするため、３Ｄメガネの不要時の期間中の装着を防止でき、盗難も防ぐことができる。また、２Ｄ演出と３Ｄ演出とを明確に分けておこなうため、３Ｄ演出時における大当たりの期待度を高めることができ、演出効果を向上できるようになる。
【０１３１】
そして、遊技設備装置に３Ｄメガネを設けた構成であるため、３Ｄメガネを遊技機に設ける構成に比べて遊技者の遊技の邪魔になることがない。遊技機に３Ｄメガネを設けようとすると、遊技機の枠部材等に３Ｄメガネを設けるスペースが必要となり、遊技の邪魔になるが、３Ｄメガネを遊技設備装置に設けることにより、遊技機のスペースを有効に利用することができる。また、遊技機を交換する場合であっても、３Ｄメガネは遊技設備装置に設けられているから、遊技機の交換に伴って３Ｄメガネを交換する必要がなくなる。３Ｄメガネが遊技機の枠部材に設けられる構成においても同様に、枠部材を交換する場合においても、３Ｄメガネは遊技設備装置に設けられているから、３Ｄメガネの交換を不要にできる。このように、３Ｄメガネを遊技機とは異なる遊技設備装置に設けることにより、遊技機の交換に伴い交換する必要がなく、有効利用できる。また、異なる遊技機に対して共通して３Ｄ演出を見るための部品として継続的に使用できるようになる。
【０１３２】
また、３Ｄ演出時には、遊技中の遊技者が３Ｄメガネを装着して３Ｄの立体画像を見ることができるが、この際、周囲の客は３Ｄメガネを装着していないため、画像表示部に表示された３Ｄ演出の画像を見ただけでは演出内容が判らず、遊技中の遊技者だけが立体画像を楽しむことができるようになる。特に、３Ｄ演出の内容も多様にすればプレミアの３Ｄ演出を遊技者だけが個人的に楽しむことができ、遊技者の満足度向上も図れるようになる。さらには、３Ｄ演出をおこなうぱちんこ遊技機に対する興味を周囲に知らしめることができ、この３Ｄ演出をおこなうぱちんこ遊技機の稼働率を向上させること等もできるようになる。
【０１３３】
以上説明したように、本発明にかかる遊技設備装置によれば、立体画像が演出表示される期間だけ遊技者が立体視用フィルタ部材を用いて立体画像を視認できるようになり、立体画像を用いた演出効果を高めることができる。また、上記の実施の形態では、ぱちんこ遊技機に接続される遊技設備装置を例に説明したが、スロットマシン等の各種遊技機にも同様に接続して適用できる。
【符号の説明】
【０１３４】
１００ ぱちんこ遊技機（本体）
１０４ 画像表示部（画像表示手段）
１２２ ３Ｄメガネ（立体視用フィルタ部材）
１２４ ロック片
１２５ 接続線（接続部材）
１５０，１２００ 台間設備装置
１５７ 発光手段（報知手段）
１６１ 移動機構ユニット
１６２ 保持体
１６２ａ，１６２ｂ 回動部
３０２ｂ 画像・音声制御部
４０２ 制御部
４０３ 記憶部
４１１ 紙幣収納部
４２２ 機構制御部
５０１（５０１Ｌ，５０１Ｒ） ３Ｄ演出用の画像
６０１ ３Ｄ画像（立体的な演出画像）
７０１ 演出制御部
７０２ ３Ｄ演出表示制御部
７０３ ３Ｄ演出データ格納部
７１０ ２Ｄ演出表示制御部
７１１ ２Ｄ演出データ格納部
１３００ 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
遊技中の特定の演出時に画像表示手段に立体的な３Ｄ演出の演出画像をおこなう遊技機に接続される遊技設備装置であって、
前記遊技機による前記３Ｄ演出時に遊技者が装着することにより、当該遊技者に対して前記画像表示手段に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を立体的な演出画像として見せるための立体視用フィルタ部材と、
前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期に、遊技者が当該立体視用フィルタ部材を介して前記画像表示手段に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を視認可能にする制御をおこなう制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技設備装置。
【請求項２】
前記立体視用フィルタ部材を保持あるいは解除可能とするロック片を備え、
前記制御手段は、前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期に、前記ロック片を解除することを特徴とする請求項１に記載の遊技設備装置。
【請求項３】
前記立体視用フィルタ部材を、前記遊技機の前記画像表示手段に重なる位置と、退避させた位置との間で移動させる移動機構を備え、
前記制御手段は、前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期に、前記移動機構を制御して前記立体視用フィルタ部材を前記画像表示手段に重なる位置に移動させることを特徴とする請求項１に記載の遊技設備装置。
【請求項４】
前記制御手段は、前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期を事前に報知可能な報知手段を備えたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載の遊技設備装置。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか一つに記載の遊技設備装置であって、
隣接する前記遊技機の間に配置され、前記遊技機に対する遊技球の貸し出しをおこなう台間設備であることを特徴とする遊技設備装置。
【請求項６】
請求項１〜４のいずれか一つに記載の遊技設備装置であって、
隣接する前記遊技機の間に配置され、当該隣接する遊技機の遊技者の喫煙時の煙を遮断する台間設備であることを特徴とする遊技設備装置。
【請求項７】
請求項１〜４のいずれか一つに記載の遊技設備装置であって、
前記遊技機の遊技状態を表示する表示器であることを特徴とする遊技設備装置。
【請求項１】
遊技中の特定の演出時に画像表示手段に立体的な３Ｄ演出の演出画像をおこなう遊技機に接続される遊技設備装置であって、
前記遊技機による前記３Ｄ演出時に遊技者が装着することにより、当該遊技者に対して前記画像表示手段に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を立体的な演出画像として見せるための立体視用フィルタ部材と、
前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期に、遊技者が当該立体視用フィルタ部材を介して前記画像表示手段に表示された前記３Ｄ演出の演出画像を視認可能にする制御をおこなう制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技設備装置。
【請求項２】
前記立体視用フィルタ部材を保持あるいは解除可能とするロック片を備え、
前記制御手段は、前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期に、前記ロック片を解除することを特徴とする請求項１に記載の遊技設備装置。
【請求項３】
前記立体視用フィルタ部材を、前記遊技機の前記画像表示手段に重なる位置と、退避させた位置との間で移動させる移動機構を備え、
前記制御手段は、前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期に、前記移動機構を制御して前記立体視用フィルタ部材を前記画像表示手段に重なる位置に移動させることを特徴とする請求項１に記載の遊技設備装置。
【請求項４】
前記制御手段は、前記立体視用フィルタ部材の装着が必要な時期を事前に報知可能な報知手段を備えたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載の遊技設備装置。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか一つに記載の遊技設備装置であって、
隣接する前記遊技機の間に配置され、前記遊技機に対する遊技球の貸し出しをおこなう台間設備であることを特徴とする遊技設備装置。
【請求項６】
請求項１〜４のいずれか一つに記載の遊技設備装置であって、
隣接する前記遊技機の間に配置され、当該隣接する遊技機の遊技者の喫煙時の煙を遮断する台間設備であることを特徴とする遊技設備装置。
【請求項７】
請求項１〜４のいずれか一つに記載の遊技設備装置であって、
前記遊技機の遊技状態を表示する表示器であることを特徴とする遊技設備装置。
【図１】
【図２−１】
【図２−２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図２−１】
【図２−２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【公開番号】特開２０１２−１１５４７０（Ｐ２０１２−１１５４７０Ａ）
【公開日】平成２４年６月２１日（２０１２．６．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２６７７６４（Ｐ２０１０−２６７７６４）
【出願日】平成２２年１１月３０日（２０１０．１１．３０）
【出願人】（０００１６１８０６）京楽産業．株式会社 (4,820)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年６月２１日（２０１２．６．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月３０日（２０１０．１１．３０）
【出願人】（０００１６１８０６）京楽産業．株式会社 (4,820)
【Ｆターム（参考）】
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