運動変換装置
【課題】波のエネルギーを受けて揺れる浮体のような物体の遥動運動のうち、二次元、三次元の往復角運動を有効に利用可能な一方向回転運動に変換する。
【解決手段】遥動する物体で球形の空洞を持つ外部装置と、空洞の内面に内接して回転するローラ201などで構成する内部装置で成り立つ。外部装置が遥動するとローラは外部装置と内部装置の角運動差の方向に自動的に向きを変え、かつローラが転がることで外部装置と内部装置の角運動量の差を往復回転運動に変換する。往復回転運動はワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車202,203と受動歯車204で一方向回転運動に変換し、直角に配置したはずみ車305,306を回転させ慣性モーメントを発生させて内部装置の姿勢を保つ。同時に一方向回転運動を発電装置401により電気に変換する。
【解決手段】遥動する物体で球形の空洞を持つ外部装置と、空洞の内面に内接して回転するローラ201などで構成する内部装置で成り立つ。外部装置が遥動するとローラは外部装置と内部装置の角運動差の方向に自動的に向きを変え、かつローラが転がることで外部装置と内部装置の角運動量の差を往復回転運動に変換する。往復回転運動はワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車202,203と受動歯車204で一方向回転運動に変換し、直角に配置したはずみ車305,306を回転させ慣性モーメントを発生させて内部装置の姿勢を保つ。同時に一方向回転運動を発電装置401により電気に変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波に揺れる浮体のような物体の運動のうち、角運動を一方向回転運動に変換し、発電などに使用する運動変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
波のエネルギーを利用するシステムは、波のエネルギーを他の力学エネルギーに変換する一次変換装置、一次変換装置で得られた力学エネルギーを利用し易い電気などのエネルギーに変換する二次変換装置と補助装置で構成される。(非特許文献1)
【0003】
一次変換装置は、振動水柱型、可動物体型、水流型などに分類され、可動物体型は波から受ける物体の上下運動や揺れの角運動を他の力学エネルギーに変換する。(非特許文献2)
【0004】
物体が波から受ける運動は、方向、速度、周期が不規則であり、効果的、効率的に変換するための種々の方法が考案されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)
【0005】
その中の多数は一次元の直線運動あるいは角運動を回転運動などに変換する方法であり、複次元の運動を変換する方法は少なく、複次元運動を変換するための装置は複雑となる傾向にある。(特許文献7)
【0006】
また、可動物体型に多く採用されている振子型では振子の固有振動数と波の振動数が整合しないと効率が低下する。(非特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−207332号公報
【特許文献2】特開2005−69212号公報
【特許文献3】特開2004−270693号公報
【特許文献4】特開平9−184471号公報
【特許文献5】特開平7−119608号公報
【特許文献6】特開昭59−215969号公報
【特許文献7】特開昭55−119975号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】気象利用研究会 「気象利用研究」気象利用研究会No15、2002、波浪エネルギー利用技術の現状
【非特許文献2】NEDO 再生可能エネルギー技術白書 波力発電の技術の現状とロードマップ
【非特許文献3】日本機械学会 日本機械学会論文集(B編)51巻466号(昭60−6) 沿岸固定形振り子式波力発電装置の研究
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
物体が波から受ける運動は波の性質により、方向、速度、周期が不規則な往復運動で、揺動の傾きによる角運動と上下左右前後の直線運動の複合運動である。
【0010】
本発明の目的は、高効率で物体が受ける不規則な運動を有効利用可能な運動に変換するよう、複次元の角運動を運動の周期に依存しないで一方向回転運動に変換する。
【0011】
本発明の目的は、厳しい環境に置かれる波力発電装置がそれに耐えるよう、十分な強度の構造の装置として製作できること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1の手段は、波のエネルギーを受け遥動する物体で、球形の空洞を有する外部装置と、その空洞内に設けた内部装置で構成され、波によって外部装置に加わる規則的あるいは不規則な角運動を一方向の回転運動に変換する。
内部装置には、外部装置と内部装置の角運動差を回転運動にする角運動変換機構、往復回転運動を一方向回転運動にする回転運動変換機構、内部装置の姿勢を保つ慣性モーメント発生機構と3つの機構がある。
角運動変換機構は外部装置の空洞を内部装置のローラが内接して転がる構造で、ローラが外部装置と内部装置の角運動差の方向に向きを変えることで二次元の角運動を一次元の角運動にして、ローラの転がりが角運動量の差を回転運動あるいは往復回転運動に変換する。
回転運動変換機構はローラと同一軸に設けたワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車と1個の受動歯車の組合せで構成し、ローラ軸の往復回転運動を一方向の回転運動にする。
この一方向回転運動で慣性モーメント発生機構のはずみ車を回し慣性モーメントにより内部装置の姿勢を保ち、同時にこの回転運動を有益な運動として利用する発電装置により使い易い電気エネルギーに変換する。
遥動する外部装置の二次元角運動あるいは二次元往復角運動を、一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【0013】
本発明の請求項2の手段は、波のエネルギーを受け遥動する物体で、球形の空洞を有する外部装置の空洞内に角運動変換機構および回転運動変換機構で構成する運動変換機構を複数配置し、回転運動変換機構からの出力を慣性モーメント発生機構で利用すると同時に発電装置に集め、運動変換機構1台では変換できない方向の角運動を他方の運動変換機構が変換することで、不規則な往復運動を含む三次元の角運動を一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【0014】
本発明の請求項3の手段は、請求項1または請求項2において外部装置に角運動が加わらない時に、蓄電したエネルギーを利用して慣性モーメント発生機構が常時回転を継続するよう、発電装置を電動機として使用する機構あるいは電動機を外付けした機構を設け、運動変換装置が機能する低エネルギー領域を拡大する機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【0015】
本発明の請求項4の手段は、請求項1または請求項2において角運動変換機構と慣性モーメント発生機構の間に回転運動エネルギーを蓄える機構を設け、角運動変換機構の回転運動出力が小さく慣性モーメント発生機構が安定に始動しない場合でもエネルギーを貯めてから始動することで、運動変換装置が機能する低エネルギー領域を拡大する機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【発明の効果】
【0016】
波のエネルギーを利用する可動物体型の方法の多くは、特許文献1から特許文献6に示されるように、物体の運動方向が前後または上下等の1次元の運動のみを変換している。
しかし、波のエネルギーが浮体に与える運動は揺れの角運動、上下動等の直線運動が3次元で複合された運動である。
エネルギーの利用効率を向上させるには、複次元の運動を有用な運動に変換することが有効である。
特許文献7では2次元の運動を変換する方法が示されている。
【0017】
本発明の請求項1または請求項2は、物体の複次元の角運動を運動の周期に依存せず一方向回転運動にするので変換効率が高い。
【0018】
本発明の請求項1または請求項2は、波による物体の角運動を、物体内の球形の空洞内をローラが転がることで回転運動に変換し、また揺れの方向にあわせて転がり方向を変える単純な仕組みで物体の複次元角運動を一方向回転運動に変換することができる。
ローラが球形内面を転がるのは、車が道路を走るのと同じでローラを工夫することで球面内の仕上がりは高精度を必要としない。
仕組みが単純で、変換に関わる主要部の精度を求めない装置はで堅牢に製作ができ、衝撃にも強く、設置環境の厳しい波力発電に適している。
【0019】
本発明の請求項1または請求項2では、外部装置の要件は球形の空洞があることで、外部装置の外形に制限がないので、装置の形状、材質、寸法は設置条件に合わせて選択できるので汎用性が高い。
【0020】
本発明の請求項1または請求項2では、内部装置は外部装置と独立しており、外部装置が転覆しても機能するので設置環境の厳しい波力発電に適している。
【0021】
本発明の請求項1または請求項2では、波の力が集中する受圧板や支点の構造が無いので、定格以上の波を受けても損傷の可能性が低く、設置環境の厳しい波力発電に適している。(特許文献5)
【0022】
本発明の請求項2は、物体の三次元の角運動を一方向回転運動に変換でき、請求項1の変換効率をさらに高めることができる。
【0023】
本発明の請求項3は、角運動変換装置が機能する最小エネルギー領域を低くすることができ、請求項1あるいは請求項2の総合変換効率をさらに高めることができる。
【0024】
本発明の請求項4は、角運動変換装置が停止状態から始動するための最小エネルギー領域を低くすることができ、請求項1あるいは請求項2の総合変換効率をさらに高めることができる。
【0025】
本発明の装置は可動物体型で設置場所の制約が少なく、洋上風力発電と併設するなどで送電設備の設備投資を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一事例を示す外部装置と内部装置を横から見た概略図
【図2】本発明の一事例を示す外部装置と内部装置を下から見た概略図
【図3】本発明の装置が波のエネルギーを受け遥動する概念と、遥動には装置が移動する直線運動と回転する角運動があることを表す図
【図4】本発明の一事例を示す内部装置の正面図
【図5】本発明の一事例を示す内部装置の側面図
【図6】図1の運動変換機構の要部断面図
【図7】本発明の他の一事例を示す内部装置の正面図
【図8】本発明の他の一事例を示す運動変換機構のエネルギー蓄積機構の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に表すように、本発明は球形の空洞を有する外部装置と空洞内に設けた内部装置で構成する。
【0028】
外部装置は、波のエネルギーを捕らえて角運動にする翼101と、内部に球形の空洞を設けた外部構造物102で構成する。
翼101は波のエネルギーを外部装置の角運動に変換するのに適切なものとし、浮と重りの組み合わせなど仕組みや形状を問わない。
また外部構造物102の外形にも制限はなく舟形などでもよい。
【0029】
内部装置はローラ201が外部装置の空洞の内側に沿って転がることで、外部装置と内部装置の相対的な角運動の差をローラ201の回転運動に変換する角運動変換機構と、ローラ軸205上のワンウェイクラッチを内蔵する能動歯車202、203および受動歯車204によって往復回転運動を一方向回転運動に変換する回転運動変換機構で構成する一次変換装置としての運動変換機構がある。
【0030】
また直交するはずみ車により内部装置の姿勢を保つ慣性を発生させる慣性モーメント発生機構と二次変換装置の発電装置や蓄電装置がある。
【0031】
図2で表すように、ローラ201は同一軸に固定された左右2個で外部装置に内接し、回転運動変換機構の出力の回転トルクで横方向に回転することを防止する。
【0032】
外部装置と内部装置に相対的な角運動差が生じた時、ローラ201の始動回転トルクとローラ201の横方向への摩擦力との差によってローラ201は角運動差の方向に向いて転がる。
角運動差の方向がローラに対し真横である場合は回転トルクが生じないので、運動変換機構の取付枠209に設けた重り212の慣性により回転力を生じさせ、始動回転トルクと摩擦力が競合する状態にする。
【0033】
図3で表すように、波のエネルギーにより物体が受ける運動は、上下左右前後に移動する直線運動と、物体が傾いたり横に回転する角運動が複合した三次元の運動であり、その方向、速度、周期が不規則な往復運動である。
可動物体型の変換装置で運動を効率よく利用するためには、直線運動と角運動の両方の利用、一次元運動より複次元運動の利用、幅広い速度への対応、周期に依存しない仕組みが望ましい。
本発明の請求項1は二次元の角運動を変換、かつ揺れの周期に依存しない特徴を持ち、請求項2は三次元の角運動を変換、請求項3や請求項4の機構を加えることでより幅広いエネルギー領域に対応する。
【0034】
図4に表すように、角運動変換機構のローラ201と回転運動変換機構のワンウェイクラッチ内蔵能動歯車202、203はローラ軸205に取り付け、ローラ軸205は運動変換機構の取付枠209に円滑に回転する状態に取り付ける。
受動歯車204は運動変換機構の出力軸206に取り付け能動歯車202、203と噛み合わせ、運動変換機構の出力軸206は運動変換機構の取付枠209に円滑に回転する状態に取り付ける。
【0035】
図6に運動変換機構と慣性モーメント発生機構の詳細を表す。
能動歯車202、203に内蔵されるワンウェイクラッチ207、208は互いに逆向きに設置し、ローラ軸205の回転運動を能動歯車202、203に伝達する。
互いに逆向きの能動歯車202,203の回転は受動歯車204によって同一方向の回転として出力軸206に伝達する。
【0036】
運動変換機構の出力軸206と慣性モーメント発生機構の受動軸302の継手は、ローラ201が外部装置の内面に押付けられるよう伸縮し、かつ回転運動が伝達するよう多角形とする。
受動軸302はローラ201を押付けるための圧縮バネ210を内蔵する。出力軸206と受動軸302は内部装置の基本枠501に円滑に回転する状態に取り付ける。
【0037】
図4で表すように、受動軸302に伝達された回転運動ははずみ車305を回転すると共に軸303、歯車304、307を経由してはずみ車306を回転させ、全方位の慣性モーメントを発生させる。
【0038】
軸303の回転運動は発電装置401で有用な電気エネルギーに変換し蓄電装置402に蓄電する。
発電負荷ははずみ車の回転状態に合わせ適切に制御する。
電気エネルギーの取り出しは、蓄電池の入れ替えや外部装置の内面に電極を設け送電回路を構成するなど、設置の場所や目的に合わせ選択する。
【0039】
角運動変換装置の始動時は内部装置の質量の慣性と重力で外部装置との角運動差をローラ201の回転運動にするため、発電装置401などの重量物を下部に配置し重心を下げる。
【0040】
内部装置はローラ201で外部構造物102の空洞に内接するが、内部装置の位置を安定させるため、空洞に内接し円滑に回転するボールを擁する足502を内部装置の基本枠501の角に配置する。
【0041】
図7に表すように、請求項2は運動変換機構を複数使用する。回転運動は慣性モーメント発生機構の軸303に歯車603を取り付け発電装置の軸604に取り付けた歯車603に伝達し、各運動変換機構のエネルギーを集中する。
はずみ車305が複数になり、運動変換機構を角度を持って配置することで請求項1のはずみ車306を省略して全方位の慣性モーメントを発生できる。
【0042】
請求項3は外部装置に角運動が加わらない時に、蓄電したエネルギーを利用して図4や図7で表す発電装置401を電動機として使用し慣性モーメント発生機構を回転させるか、あるいは電動機を外付けして慣性モーメント発生機構を回転させることで、低エネルギー領域から角運動変換装置を動作させ総合効率を向上させる。
【0043】
請求項4は図8に表すように、運動変換機構の出力軸206の回転運動を受動軸702に伝達し、受動軸702からぜんまいバネ703に蓄える。
始動時の慣性モーメント発生機構は始動トルク以上の回転トルクと回転を継続させるエネルギーが必要で、これが角運動変換装置の動作域の下限となる。
小さい角運動時も回転エネルギーをぜんまいバネに蓄え、回転力が慣性モーメント発生機構の始動トルクを超えたとき安定して始動回転し、角運動変換装置の低エネルギー領域からの変換が可能となり、総合効率が向上する。
【0044】
請求項3または請求項4はいずれも低エネルギー領域での変換効率を向上させる機構であるが、請求項3は低エネルギー状態が混在し凪の状態が短い場合により効果を発揮し、請求項4は凪状態が長期に継続し低エネルギー状態が混在する場合に効果を発揮する。
【0045】
請求項1または請求項2の運動変換装置は設置条件などを踏まえ機能や効率を改善するため、加速機の採用、はずみ車305の位置に発電装置401を置き発電装置とはずみ車の機能を兼ねる機構の採用、空洞を密閉して気圧を減じ内部装置の空気抵抗損の改善、外部装置が船形であれば空洞の上部を開放しての充送電機構の簡易化など、既存の技術と組み合わせる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
球形の空洞内で機構が完結しており装置の大きさを自由に設定できるので、携帯電話などの移動用発電装置など日常の角運動を変換して利用できる。
【0047】
装置を野生動物の行動観察の発信機などの電源にすれば、行動をしている限り長期に亘り電源の供給が可能となり、また行動しないときは静止状態となり被観察動物の睡眠などに影響を与えない。
【0048】
装置は角運動を抑制する効果があり、乗り物などの揺れの抑制装置に利用できる。
【符号の説明】
【0049】
1** 外部装置を構成する
2** 内部装置のうち運動変換機構を構成する
3** 内部装置のうち慣性モーメント発生機構を構成する
4** 内部装置のうち二次変換装置を構成する
5** 内部装置の構造物
6** 内部装置のうち請求項2で使用する
7** 内部装置のうち請求項4で使用する
101 翼
102 外部構造物
201 ローラ
202、203 ワンウェイクラッチ内蔵能動歯車
204 受動歯車
205 ローラ軸
206 運動変換機構の出力軸
207、208 能動歯車に内蔵されるワンウェイクラッチ
209 運動変換機構の取付枠
210 圧縮バネ
211 支柱
212 重り
301 慣性モーメント発生機構の受け
302 慣性モーメント発生機構の受動軸
303 軸
304 歯車
305、306 はずみ車
307 歯車
308 軸
401 発電装置
402 蓄電装置
501 内部装置の基本枠
502 足
601 内部装置の基本枠
602 軸受
603 歯車
604 軸
701 慣性モーメント発生機構の受け
702 慣性モーメント発生機構の受動軸
703 ぜんまいバネ
704 はずみ車
【技術分野】
【0001】
本発明は、波に揺れる浮体のような物体の運動のうち、角運動を一方向回転運動に変換し、発電などに使用する運動変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
波のエネルギーを利用するシステムは、波のエネルギーを他の力学エネルギーに変換する一次変換装置、一次変換装置で得られた力学エネルギーを利用し易い電気などのエネルギーに変換する二次変換装置と補助装置で構成される。(非特許文献1)
【0003】
一次変換装置は、振動水柱型、可動物体型、水流型などに分類され、可動物体型は波から受ける物体の上下運動や揺れの角運動を他の力学エネルギーに変換する。(非特許文献2)
【0004】
物体が波から受ける運動は、方向、速度、周期が不規則であり、効果的、効率的に変換するための種々の方法が考案されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)
【0005】
その中の多数は一次元の直線運動あるいは角運動を回転運動などに変換する方法であり、複次元の運動を変換する方法は少なく、複次元運動を変換するための装置は複雑となる傾向にある。(特許文献7)
【0006】
また、可動物体型に多く採用されている振子型では振子の固有振動数と波の振動数が整合しないと効率が低下する。(非特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−207332号公報
【特許文献2】特開2005−69212号公報
【特許文献3】特開2004−270693号公報
【特許文献4】特開平9−184471号公報
【特許文献5】特開平7−119608号公報
【特許文献6】特開昭59−215969号公報
【特許文献7】特開昭55−119975号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】気象利用研究会 「気象利用研究」気象利用研究会No15、2002、波浪エネルギー利用技術の現状
【非特許文献2】NEDO 再生可能エネルギー技術白書 波力発電の技術の現状とロードマップ
【非特許文献3】日本機械学会 日本機械学会論文集(B編)51巻466号(昭60−6) 沿岸固定形振り子式波力発電装置の研究
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
物体が波から受ける運動は波の性質により、方向、速度、周期が不規則な往復運動で、揺動の傾きによる角運動と上下左右前後の直線運動の複合運動である。
【0010】
本発明の目的は、高効率で物体が受ける不規則な運動を有効利用可能な運動に変換するよう、複次元の角運動を運動の周期に依存しないで一方向回転運動に変換する。
【0011】
本発明の目的は、厳しい環境に置かれる波力発電装置がそれに耐えるよう、十分な強度の構造の装置として製作できること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1の手段は、波のエネルギーを受け遥動する物体で、球形の空洞を有する外部装置と、その空洞内に設けた内部装置で構成され、波によって外部装置に加わる規則的あるいは不規則な角運動を一方向の回転運動に変換する。
内部装置には、外部装置と内部装置の角運動差を回転運動にする角運動変換機構、往復回転運動を一方向回転運動にする回転運動変換機構、内部装置の姿勢を保つ慣性モーメント発生機構と3つの機構がある。
角運動変換機構は外部装置の空洞を内部装置のローラが内接して転がる構造で、ローラが外部装置と内部装置の角運動差の方向に向きを変えることで二次元の角運動を一次元の角運動にして、ローラの転がりが角運動量の差を回転運動あるいは往復回転運動に変換する。
回転運動変換機構はローラと同一軸に設けたワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車と1個の受動歯車の組合せで構成し、ローラ軸の往復回転運動を一方向の回転運動にする。
この一方向回転運動で慣性モーメント発生機構のはずみ車を回し慣性モーメントにより内部装置の姿勢を保ち、同時にこの回転運動を有益な運動として利用する発電装置により使い易い電気エネルギーに変換する。
遥動する外部装置の二次元角運動あるいは二次元往復角運動を、一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【0013】
本発明の請求項2の手段は、波のエネルギーを受け遥動する物体で、球形の空洞を有する外部装置の空洞内に角運動変換機構および回転運動変換機構で構成する運動変換機構を複数配置し、回転運動変換機構からの出力を慣性モーメント発生機構で利用すると同時に発電装置に集め、運動変換機構1台では変換できない方向の角運動を他方の運動変換機構が変換することで、不規則な往復運動を含む三次元の角運動を一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【0014】
本発明の請求項3の手段は、請求項1または請求項2において外部装置に角運動が加わらない時に、蓄電したエネルギーを利用して慣性モーメント発生機構が常時回転を継続するよう、発電装置を電動機として使用する機構あるいは電動機を外付けした機構を設け、運動変換装置が機能する低エネルギー領域を拡大する機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【0015】
本発明の請求項4の手段は、請求項1または請求項2において角運動変換機構と慣性モーメント発生機構の間に回転運動エネルギーを蓄える機構を設け、角運動変換機構の回転運動出力が小さく慣性モーメント発生機構が安定に始動しない場合でもエネルギーを貯めてから始動することで、運動変換装置が機能する低エネルギー領域を拡大する機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【発明の効果】
【0016】
波のエネルギーを利用する可動物体型の方法の多くは、特許文献1から特許文献6に示されるように、物体の運動方向が前後または上下等の1次元の運動のみを変換している。
しかし、波のエネルギーが浮体に与える運動は揺れの角運動、上下動等の直線運動が3次元で複合された運動である。
エネルギーの利用効率を向上させるには、複次元の運動を有用な運動に変換することが有効である。
特許文献7では2次元の運動を変換する方法が示されている。
【0017】
本発明の請求項1または請求項2は、物体の複次元の角運動を運動の周期に依存せず一方向回転運動にするので変換効率が高い。
【0018】
本発明の請求項1または請求項2は、波による物体の角運動を、物体内の球形の空洞内をローラが転がることで回転運動に変換し、また揺れの方向にあわせて転がり方向を変える単純な仕組みで物体の複次元角運動を一方向回転運動に変換することができる。
ローラが球形内面を転がるのは、車が道路を走るのと同じでローラを工夫することで球面内の仕上がりは高精度を必要としない。
仕組みが単純で、変換に関わる主要部の精度を求めない装置はで堅牢に製作ができ、衝撃にも強く、設置環境の厳しい波力発電に適している。
【0019】
本発明の請求項1または請求項2では、外部装置の要件は球形の空洞があることで、外部装置の外形に制限がないので、装置の形状、材質、寸法は設置条件に合わせて選択できるので汎用性が高い。
【0020】
本発明の請求項1または請求項2では、内部装置は外部装置と独立しており、外部装置が転覆しても機能するので設置環境の厳しい波力発電に適している。
【0021】
本発明の請求項1または請求項2では、波の力が集中する受圧板や支点の構造が無いので、定格以上の波を受けても損傷の可能性が低く、設置環境の厳しい波力発電に適している。(特許文献5)
【0022】
本発明の請求項2は、物体の三次元の角運動を一方向回転運動に変換でき、請求項1の変換効率をさらに高めることができる。
【0023】
本発明の請求項3は、角運動変換装置が機能する最小エネルギー領域を低くすることができ、請求項1あるいは請求項2の総合変換効率をさらに高めることができる。
【0024】
本発明の請求項4は、角運動変換装置が停止状態から始動するための最小エネルギー領域を低くすることができ、請求項1あるいは請求項2の総合変換効率をさらに高めることができる。
【0025】
本発明の装置は可動物体型で設置場所の制約が少なく、洋上風力発電と併設するなどで送電設備の設備投資を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一事例を示す外部装置と内部装置を横から見た概略図
【図2】本発明の一事例を示す外部装置と内部装置を下から見た概略図
【図3】本発明の装置が波のエネルギーを受け遥動する概念と、遥動には装置が移動する直線運動と回転する角運動があることを表す図
【図4】本発明の一事例を示す内部装置の正面図
【図5】本発明の一事例を示す内部装置の側面図
【図6】図1の運動変換機構の要部断面図
【図7】本発明の他の一事例を示す内部装置の正面図
【図8】本発明の他の一事例を示す運動変換機構のエネルギー蓄積機構の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に表すように、本発明は球形の空洞を有する外部装置と空洞内に設けた内部装置で構成する。
【0028】
外部装置は、波のエネルギーを捕らえて角運動にする翼101と、内部に球形の空洞を設けた外部構造物102で構成する。
翼101は波のエネルギーを外部装置の角運動に変換するのに適切なものとし、浮と重りの組み合わせなど仕組みや形状を問わない。
また外部構造物102の外形にも制限はなく舟形などでもよい。
【0029】
内部装置はローラ201が外部装置の空洞の内側に沿って転がることで、外部装置と内部装置の相対的な角運動の差をローラ201の回転運動に変換する角運動変換機構と、ローラ軸205上のワンウェイクラッチを内蔵する能動歯車202、203および受動歯車204によって往復回転運動を一方向回転運動に変換する回転運動変換機構で構成する一次変換装置としての運動変換機構がある。
【0030】
また直交するはずみ車により内部装置の姿勢を保つ慣性を発生させる慣性モーメント発生機構と二次変換装置の発電装置や蓄電装置がある。
【0031】
図2で表すように、ローラ201は同一軸に固定された左右2個で外部装置に内接し、回転運動変換機構の出力の回転トルクで横方向に回転することを防止する。
【0032】
外部装置と内部装置に相対的な角運動差が生じた時、ローラ201の始動回転トルクとローラ201の横方向への摩擦力との差によってローラ201は角運動差の方向に向いて転がる。
角運動差の方向がローラに対し真横である場合は回転トルクが生じないので、運動変換機構の取付枠209に設けた重り212の慣性により回転力を生じさせ、始動回転トルクと摩擦力が競合する状態にする。
【0033】
図3で表すように、波のエネルギーにより物体が受ける運動は、上下左右前後に移動する直線運動と、物体が傾いたり横に回転する角運動が複合した三次元の運動であり、その方向、速度、周期が不規則な往復運動である。
可動物体型の変換装置で運動を効率よく利用するためには、直線運動と角運動の両方の利用、一次元運動より複次元運動の利用、幅広い速度への対応、周期に依存しない仕組みが望ましい。
本発明の請求項1は二次元の角運動を変換、かつ揺れの周期に依存しない特徴を持ち、請求項2は三次元の角運動を変換、請求項3や請求項4の機構を加えることでより幅広いエネルギー領域に対応する。
【0034】
図4に表すように、角運動変換機構のローラ201と回転運動変換機構のワンウェイクラッチ内蔵能動歯車202、203はローラ軸205に取り付け、ローラ軸205は運動変換機構の取付枠209に円滑に回転する状態に取り付ける。
受動歯車204は運動変換機構の出力軸206に取り付け能動歯車202、203と噛み合わせ、運動変換機構の出力軸206は運動変換機構の取付枠209に円滑に回転する状態に取り付ける。
【0035】
図6に運動変換機構と慣性モーメント発生機構の詳細を表す。
能動歯車202、203に内蔵されるワンウェイクラッチ207、208は互いに逆向きに設置し、ローラ軸205の回転運動を能動歯車202、203に伝達する。
互いに逆向きの能動歯車202,203の回転は受動歯車204によって同一方向の回転として出力軸206に伝達する。
【0036】
運動変換機構の出力軸206と慣性モーメント発生機構の受動軸302の継手は、ローラ201が外部装置の内面に押付けられるよう伸縮し、かつ回転運動が伝達するよう多角形とする。
受動軸302はローラ201を押付けるための圧縮バネ210を内蔵する。出力軸206と受動軸302は内部装置の基本枠501に円滑に回転する状態に取り付ける。
【0037】
図4で表すように、受動軸302に伝達された回転運動ははずみ車305を回転すると共に軸303、歯車304、307を経由してはずみ車306を回転させ、全方位の慣性モーメントを発生させる。
【0038】
軸303の回転運動は発電装置401で有用な電気エネルギーに変換し蓄電装置402に蓄電する。
発電負荷ははずみ車の回転状態に合わせ適切に制御する。
電気エネルギーの取り出しは、蓄電池の入れ替えや外部装置の内面に電極を設け送電回路を構成するなど、設置の場所や目的に合わせ選択する。
【0039】
角運動変換装置の始動時は内部装置の質量の慣性と重力で外部装置との角運動差をローラ201の回転運動にするため、発電装置401などの重量物を下部に配置し重心を下げる。
【0040】
内部装置はローラ201で外部構造物102の空洞に内接するが、内部装置の位置を安定させるため、空洞に内接し円滑に回転するボールを擁する足502を内部装置の基本枠501の角に配置する。
【0041】
図7に表すように、請求項2は運動変換機構を複数使用する。回転運動は慣性モーメント発生機構の軸303に歯車603を取り付け発電装置の軸604に取り付けた歯車603に伝達し、各運動変換機構のエネルギーを集中する。
はずみ車305が複数になり、運動変換機構を角度を持って配置することで請求項1のはずみ車306を省略して全方位の慣性モーメントを発生できる。
【0042】
請求項3は外部装置に角運動が加わらない時に、蓄電したエネルギーを利用して図4や図7で表す発電装置401を電動機として使用し慣性モーメント発生機構を回転させるか、あるいは電動機を外付けして慣性モーメント発生機構を回転させることで、低エネルギー領域から角運動変換装置を動作させ総合効率を向上させる。
【0043】
請求項4は図8に表すように、運動変換機構の出力軸206の回転運動を受動軸702に伝達し、受動軸702からぜんまいバネ703に蓄える。
始動時の慣性モーメント発生機構は始動トルク以上の回転トルクと回転を継続させるエネルギーが必要で、これが角運動変換装置の動作域の下限となる。
小さい角運動時も回転エネルギーをぜんまいバネに蓄え、回転力が慣性モーメント発生機構の始動トルクを超えたとき安定して始動回転し、角運動変換装置の低エネルギー領域からの変換が可能となり、総合効率が向上する。
【0044】
請求項3または請求項4はいずれも低エネルギー領域での変換効率を向上させる機構であるが、請求項3は低エネルギー状態が混在し凪の状態が短い場合により効果を発揮し、請求項4は凪状態が長期に継続し低エネルギー状態が混在する場合に効果を発揮する。
【0045】
請求項1または請求項2の運動変換装置は設置条件などを踏まえ機能や効率を改善するため、加速機の採用、はずみ車305の位置に発電装置401を置き発電装置とはずみ車の機能を兼ねる機構の採用、空洞を密閉して気圧を減じ内部装置の空気抵抗損の改善、外部装置が船形であれば空洞の上部を開放しての充送電機構の簡易化など、既存の技術と組み合わせる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
球形の空洞内で機構が完結しており装置の大きさを自由に設定できるので、携帯電話などの移動用発電装置など日常の角運動を変換して利用できる。
【0047】
装置を野生動物の行動観察の発信機などの電源にすれば、行動をしている限り長期に亘り電源の供給が可能となり、また行動しないときは静止状態となり被観察動物の睡眠などに影響を与えない。
【0048】
装置は角運動を抑制する効果があり、乗り物などの揺れの抑制装置に利用できる。
【符号の説明】
【0049】
1** 外部装置を構成する
2** 内部装置のうち運動変換機構を構成する
3** 内部装置のうち慣性モーメント発生機構を構成する
4** 内部装置のうち二次変換装置を構成する
5** 内部装置の構造物
6** 内部装置のうち請求項2で使用する
7** 内部装置のうち請求項4で使用する
101 翼
102 外部構造物
201 ローラ
202、203 ワンウェイクラッチ内蔵能動歯車
204 受動歯車
205 ローラ軸
206 運動変換機構の出力軸
207、208 能動歯車に内蔵されるワンウェイクラッチ
209 運動変換機構の取付枠
210 圧縮バネ
211 支柱
212 重り
301 慣性モーメント発生機構の受け
302 慣性モーメント発生機構の受動軸
303 軸
304 歯車
305、306 はずみ車
307 歯車
308 軸
401 発電装置
402 蓄電装置
501 内部装置の基本枠
502 足
601 内部装置の基本枠
602 軸受
603 歯車
604 軸
701 慣性モーメント発生機構の受け
702 慣性モーメント発生機構の受動軸
703 ぜんまいバネ
704 はずみ車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形の空洞を有する外部装置と空洞内に設けた内部装置で構成し、外部装置の空洞を内部装置のローラが内接して転がる構造で、ローラは外部装置と内部装置の角運動差の方向に向きを変えながら転がり、角運動量の差をローラの回転運動あるいは往復回転運動に変換し、往復回転運動をワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車と1個の受動歯車で一方向の回転運動にし、一方向回転運動ではずみ車を回し慣性モーメントにより内部装置の姿勢を保ち、同時にこの回転運動を有益な運動として利用する、外部装置に加わる不規則な往復運動を含む二次元の角運動を一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【請求項2】
球形の空洞を有する外部装置と、空洞内に設けた内部装置で構成し、外部装置の空洞を内部装置のローラが内接して転がる構造で、ローラは外部装置と内部装置の角運動差の方向に向きを変えながら転がり、角運動量の差をローラの回転運動あるいは往復回転運動に変換し、往復回転運動をワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車と1個の受動歯車で一方向の回転運動にする、ローラが内接して転がり角運動を一方向回転運動に変換する機構を複数設け、外部装置に加わる不規則な往復運動を含む三次元の角運動を一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において外部装置に角運動が加わらない時に、蓄電したエネルギーを利用してはずみ車が常時回転を継続するよう、発電装置を電動機として使用する機構あるいは電動機を外付けした機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において一方向回転運動をはずみ車に伝達する間にエネルギーを蓄える機構を設け、より小さい角運動エネルギーではずみ車が回転し始めることを特徴とする機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【請求項1】
球形の空洞を有する外部装置と空洞内に設けた内部装置で構成し、外部装置の空洞を内部装置のローラが内接して転がる構造で、ローラは外部装置と内部装置の角運動差の方向に向きを変えながら転がり、角運動量の差をローラの回転運動あるいは往復回転運動に変換し、往復回転運動をワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車と1個の受動歯車で一方向の回転運動にし、一方向回転運動ではずみ車を回し慣性モーメントにより内部装置の姿勢を保ち、同時にこの回転運動を有益な運動として利用する、外部装置に加わる不規則な往復運動を含む二次元の角運動を一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【請求項2】
球形の空洞を有する外部装置と、空洞内に設けた内部装置で構成し、外部装置の空洞を内部装置のローラが内接して転がる構造で、ローラは外部装置と内部装置の角運動差の方向に向きを変えながら転がり、角運動量の差をローラの回転運動あるいは往復回転運動に変換し、往復回転運動をワンウェイクラッチを内蔵する2個の能動歯車と1個の受動歯車で一方向の回転運動にする、ローラが内接して転がり角運動を一方向回転運動に変換する機構を複数設け、外部装置に加わる不規則な往復運動を含む三次元の角運動を一方向回転運動に変換することを特徴とする運動変換装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において外部装置に角運動が加わらない時に、蓄電したエネルギーを利用してはずみ車が常時回転を継続するよう、発電装置を電動機として使用する機構あるいは電動機を外付けした機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において一方向回転運動をはずみ車に伝達する間にエネルギーを蓄える機構を設け、より小さい角運動エネルギーではずみ車が回転し始めることを特徴とする機構を有することを特徴とする運動変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−40657(P2013−40657A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178887(P2011−178887)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【特許番号】特許第4882035号(P4882035)
【特許公報発行日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(301015392)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【特許番号】特許第4882035号(P4882035)
【特許公報発行日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(301015392)
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