説明

運動履行のマルチセンサ監視方法

【課題】運動履行監視システムおよび方法は、その多くが、何らかの方法で、全地球測位衛星(「GPS」)データを利用し、運動選手および/または運動競技中に運動選手によって使用される装備にデータおよび情報を提供する。
【解決手段】このようなシステムおよび方法は、たとえば、競技前の計画、目標設定、および較正の目的のために運動選手および/または運動選手のトレーナーに経路情報を提供することができる。このようなシステムおよび方法は任意に、たとえば事前に設定された目標に到達するのを助けるために、競技が行われている間に運動選手にリアルタイム情報を提供することができる。さらに、このようなシステムおよび方法によって収集されたデータおよび情報は、たとえば、過去の履行を評価し、今後の履行を改善するのを助けるために、競技後の分析において運動選手および運動選手のトレーナーの助けとなることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して運動履行監視システムおよび方法に関する。本発明による運動履行監視システムおよび方法の少なくともいくつかの例は、全地球測位衛星データ(「GPSデータ」)を利用して、任意に運動履行(たとえば、運動競技、練習、ワークアウト、訓練セッションなど)の前、運動履行時、および/または運動履行の後に運動選手および/または運動選手によって使用される装備にデータおよび情報を提供する。
【背景技術】
【0002】
背景
肉体的な運動および運動競技への参加によって得られる健康上の恩典についての意識が高まっており、このような活動に係わる人の数が増えている。多くの人は、ユーザのワークアウトに関連する物理学的および/または生理学的パラメータを測定する様々なセンサを含む運動機器を使用してクラブまたは屋内ジムで訓練またはワークアウトを行っている。たとえば、トレッドミル、エリプティカル・トレーナー、ステア・ステッパー、サイクリング・マシンなどは、走行距離、運動の経過時間、登坂高度、傾斜レベル、移動速度(たとえば、時間当たりマイル数など)、心拍数、消費パワー、燃焼カロリー、燃焼カロリー率のような、ワークアウトまたはトレーニング運動に関連する様々な物理学的および/または生理学的パラメータを測定または推定する電子装置を備えることが多い。いくつかのジムまたはクラブでは、個人のワークアウトに関するデータを自動的に運動機器から直接コンピュータ・システムに送信し記憶することができる。運動選手、運動選手のトレーナー、および/または運動選手のコーチは、たとえばワークアウト後の分析のためにこのデータを利用して、進歩度または改善度を測定し、今後のワークアウト・ルーチンまたはプランを作成することなどができる。
【0003】
いくつかの運動ワークアウト、トレーニング・ルーチン、または競技は、上述の種類の屋内ジムおよび/または固定運動機器を使用するだけでは不十分である。たとえば、長距離ランナー(たとえば、マラソン選手)、自転車選手、トライアスロン選手などは通常、各ワークアウト時に長距離を走行し、様々な異なる地形および条件にわたって訓練しなければならない。このような運動選手は、競技に備えるのに必要な時間にわたって固定屋内運動機器を使用すると直ぐに飽きてしまう場合がある。さらに、人によっては屋内ジムまたはクラブに閉じこもるよりも屋外および屋外でのワークアウトを好む。個々の屋外のワークアウトは、屋内施設と比べて、個々の屋外ワークアウトが通常、クラブまたはジムの会員になることを必要とせず、それに伴う費用が不要であり、そのため、体調を整えて運動競技に参加することに伴う経費の少なくとも一部が不要になるという利点も有する。
【0004】
運動履行に関するデータを収集し、運動選手が履行を行っているときに運動選手にリアルタイム・データを供給するのにモニタおよびセンサを利用することができるが、このようなモニタおよびセンサは通常制限を有する。たとえば、ウォーキングまたはランニング時に使用される加速度計ならびに歩数計ベースの速度および距離モニタは、特に、最初の較正条件と異なる速度および/または地形あるいはその他の条件で使用されるときに精度上の問題を有する。加速度計および気圧計センサのようないくつかのセンサは、時間の経過と共にその較正点または「ゼロ」点からドリフトし、それによってその精度が制限され、および/または頻繁に再較正することが必要になる傾向がある。このような携帯装置は通常、データを記憶することもなく、測定されたデータを履行に関連する他の測定された物理学的および/または生理学的パラメータに相関付けることもない。たとえば、従来利用可能な携帯装置は通常、測定された心拍数、高度、速度、燃焼カロリーなどを互いに相関付け、ならびに/あるいは履行の経過時間および/または距離と相関付けることがなく、このような従来のシステムは、大量のデータを以後の分析または使用のために記憶することもない。したがって、このような従来の携帯運動モニタでは、広範囲の運動後分析およびデータ処理が可能ではない。
【0005】
したがって、当技術分野では、運動履行に関連する測定された物理学的および/または生理学的データを、履行の経過時間および/または距離を含む、履行時に収集された他のデータと相関付ける携帯運動履行監視システムおよび方法が必要である。当技術分野では、運動履行に関連するデータを自動的に記録し、そのデータを運動選手、運動選手のコーチ、および/または運動選手のトレーナーが履行後の分析に利用できるようにするシステムおよび方法も必要である。当技術分野では、運動選手が過去の履行から生成されたデータをより適切に使用して、たとえば、改善度または変化度を測定し、今後の目標を設定し、および/または次の競技用の計画および/または作戦をたてるのを可能にする改良された運動履行監視システムも必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
以下に、本発明の局面のうちの少なくともいくつかの局面の基本的な理解が可能なように本発明の局面の概要を示す。この概要は、本発明の広範囲の概要ではない。この概要は、本発明の主要または重要な要素を識別し、および/または本発明の範囲を定めるものでもない。以下の概要は、本発明のいくつかの概念を、以下の詳細な説明の導入として概略的な形式で示すものに過ぎない。
【0007】
本発明の局面は、多くが全地球測位衛星(「GPS」)データを何らかの方法で利用する運動履行監視システムおよび方法に関する。本発明によるシステムおよび方法のいくつかの例では、GPSデータを使用して、スピードメータ、速度計、歩数計、高度計、走行距離計、気圧センサ、コンパスまたは方向センサのような他の運動履行監視装置を較正することができる。本発明の局面によるいくつかの例示的なシステムおよび方法は、運動履行時にGPSシステムおよび非GPSシステムの両方によって生成されたデータを収集し記憶し、次に非GPSデータを使用して、履行時に運動選手に情報およびフィードバックを提供し、および/または運動選手の位置でGPS受信が利用可能でないときにデータの穴を埋める。GPSシステムおよび非GPSシステムの両方によって生成されたデータを収集し記憶する他のシステムおよび方法は、非GPSデータを利用して履行時に運動選手にリアルタイム・フィードバックを提供し、かつ任意に、履行後の分析のためにGPSデータと非GPSデータの両方を提供する。
【0008】
本発明の少なくともいくつかの例示的な局面では、GPS情報も収集し使用して運動履行時に運動選手が通過する経路に関するデータを生成することができる。たとえば、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法は、GPSデータに依存して、運動履行時に通過する経路が1回または複数回の以前の運動履行時に通過した経路に対応するものであるかどうかを判定することができる。他の例として、本発明の例によるシステムおよび方法は、たとえば、少なくとも部分的に経路長;標高変化;高度;温度;湿度;風速;風向などに基づいて、運動履行時に使用される経路に「経路難度レーティング」を割り当てる際の助けとしてGPSデータ(ならびに場合によっては他のデータ)に依存することができる。本発明によるシステムおよび方法の他の例は、GPSデータ(ならびに場合によっては他のデータ)、地図データ、および/また1回または複数回の過去の運動履行に関するデータを使用して、今後の運動履行のための、たとえば新しい位置における新しい経路を提案することができる。
【0009】
本発明の少なくともいくつかの例による運動履行監視システムおよび方法では、GPSデータおよび/または任意にその他のデータを他の目的に使用することができる。たとえば、GPSデータおよび/または任意にその他のデータを使用して運動履行時にオーディオ、ビデオ、および/または印刷情報ディスプレイ装置を制御することができる。GPSデータおよび/またはその他の履行データは、任意に経路情報と組み合わされ、運動履行時に運動選手によって使用できる時間目標を生成する助けとして使用することができる。
【0010】
本発明のさらに他の局面は、収集されたGPSデータおよび/またはその他のデータを使用して、運動選手に情報およびフィードバックを提供し、および/または履行時と履行が終了した後の両方に運動履行を分析することに関する。たとえば、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法は、高度測定システム、その他の物理学的および/または生理学的運動履行モニタ、ならびに/あるいはGPSシステムを介して収集された少なくともいくつかのデータを示すディスプレイを生成することができる。任意に、物理学的および/または生理学的データが経路に沿った運動選手の時間、距離、および/または位置と相関付けられるように、地図または経路のその他の表現上に情報が表示される。さらに他の例では、表示情報を運動選手による履行の仮想もしくは動画「再生」と一緒におよび/またはそれらの一部として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の説明を、同符号が同じ特徴を示す添付の図面と一緒に参照することにより、本発明および本発明のある特定の利点をより完全に理解することができる。
【図1】本発明による例示的なシステムの概略図を示す。
【図2】本発明の実施例によるシステムおよび方法によって収集された運動履行データを表示する際に使用できる例示的な二次元グラフィカル・ディスプレイを示す。
【図3】本発明の実施例によるシステムおよび方法によって収集された運動履行データを表示する際に使用できる地図データおよび二次元グラフィカル・データを含む例示的なディスプレイを示す。
【図4】本発明の実施例によるシステムおよび方法によって収集された運動履行データを表示する際に使用できる地理的情報を含む例示的な三次元ディスプレイを示す。
【図5】本発明の実施例によるシステムおよび方法によって収集された運動履行データを表示する際に使用できる地理的地図データおよび情報を含む例示的な三次元ディスプレイを示す。
【図6】たとえば、履行データを「再生」フォーマットで表示するために、本発明の実施例によるシステムおよび方法によって収集された運動履行データを表示する際に使用できる地理的情報を含む例示的な三次元ディスプレイを示す。
【図7】本発明の実施例によるシステムおよび方法で運動履行データを分析し処理する際に使用できるコンピュータ・システムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本発明の様々な例示的態様についての以下の説明では、本発明の一部を形成し、かつ例として、本発明の局面を実施することのできる様々な例示的な装置、システム、および環境が示されている添付の図面、ならびに本発明の実施例においてデータが処理されかつ/または表示されうる方法の様々な例を参照する。本発明の範囲から逸脱せずに部品、例示的な装置、システム、および環境の他の特定の構成を利用することができ、異なる分析およびディスプレイを生成することができ、かつ構造および機能上の修正を施すことができることを理解されたい。
【0013】
読者の助けとして、本明細書は以下のように様々な節に分かれている:用語;本発明の実施例による運動履行監視システムおよび方法の概略的な説明;本発明の具体的な実施例;および結論。
【0014】
A.用語
以下の用語が本明細書で使用され、特に明示しないかぎり、あるいは文脈で明らかなかぎり、これらの語は、以下に示す意味を有する。
【0015】
「履行」または「運動履行」は、任意の種類の肉体の行使または活動を意味する。このような活動には、ワークアウト・ルーチン;トレーニング運動;タイム・トライアル;公式競技;非公式ワークアウトなどが含まれるがこれらに限定されるわけではない。本明細書では、用語「運動競技」または「競技」は、「運動履行」または「履行」と同義に使用されることがある。
【0016】
運動選手による履行に関する「物理学的データ」は、履行に関する任意の測定可能な特性に関連するかまたは関係する任意のデータに相当する。このような物理学的データには、生理学的データ(以下に詳述する);経過時間;日時;通過距離;歩数;速度;加速度;角速度;角加速度;高度;気圧;ジャイロスコープ生成データ;方位または方向データ;周囲温度データ;周囲湿度データ;風向きデータ;風速データなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0017】
運動選手による履行に関する「生理学的データ」は、運動選手の性格または肉体に関する任意の測定可能な特性に関連するかまたは関係する任意のデータに相当する。このような生理学的データには、心拍数;脈拍;燃焼カロリー;カロリー燃焼率;MET;体重、体温;血圧;心電図データが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0018】
B.本発明の実施例による運動履行監視システムおよび方法の概略的な説明
一般に、本発明の局面は、様々な特徴または機能を含む運動履行監視システムおよび方法に関する。本発明のいくつかのより具体的な例示的な局面は、全地球測位衛星(「GPS」)データをある方法で利用する運動履行監視システムに関する。一例では、本発明の局面は、(a)一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)運動選手による履行に関する物理学的データを測定する第1の運動履行モニタと、(c)全地球測位衛星受信機を介して得られたデータに基づいて第1の運動履行モニタ用の較正データを生成する手段とを含む運動履行監視システムに関する。例として、全地球測位衛星データを使用して、スピードメータ、速度計、歩数計、高度計、走行距離計、気圧センサ、コンパスまたは方向センサのような他の運動履行監視装置を較正することができる。較正データは、少なくともいくつかの例では、測定されたパラメータに適用できる1つまたは複数の「補正係数」として生成することができ、任意に、使用すべき特定の補正係数は、運動履行時に1つまたは複数の他の測定されたパラメータに基づいて選択される。
【0019】
本発明の他の例示的な局面は、(a)一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)運動履行時に運動選手が移動した速度または距離の少なくとも一方に関するデータを提供する第1の運動履行モニタと、(c)運動履行時に運動選手が移動する距離に関するデータを提供する第2の運動履行モニタと、(d)運動履行に関するデータを記憶する手段であって、全地球測位衛星受信が利用可能でない場合に第1の運動履行モニタおよび第2の運動履行モニタを介して収集されたデータを記憶する手段とを含む運動履行監視システムに関する。
【0020】
本発明の他の例は、GPSデータを利用する他の運動履行監視システムに関する。本発明の他のより具体的な例は、(a)一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)運動履行時に運動選手が移動した速度または距離の少なくとも一方に関するデータを提供する第1の運動履行モニタと、(c)全地球測位衛星受信機および第1の運動履行モニタを介して収集された運動履行に関するデータを記憶する手段と、(d)運動履行モニタを介して収集されたデータを使用し、全地球測位衛星受信機を介して収集されたデータを使用せずに、履行時に運動履行に関連する情報を表示する手段と、(e)履行がもはや行われていないときに運動履行に関連する情報を分析して表示する手段であって、少なくとも全地球測位衛星受信機を介して収集されたデータを使用する手段とを含む運動履行監視システムに関する。
【0021】
本発明の少なくともいくつかの例示的な局面では、GPS情報および/または地図データを使用して運動履行時に運動選手が通過する経路に関するデータを収集することができる。一例は、(a)運動履行時に得られる一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)運動履行時に通過する経路が以前の運動履行時に通過した経路に対応するものであるかを判定する手段とを含む運動履行監視システムに関する。他の例として、本発明の少なくともいくつかの例による運動履行監視システムは、(a)運動履行時に得られる一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)少なくとも部分的に、経路長、経路上の標高変化、経路の高度、運動履行時の温度、運動履行時の湿度、運動履行時の風速、および運動履行時の風向きのうちの少なくとも1つに基づいて、運動履行時に使用される経路に経路難度レーティングを割り当てる手段とを含んでよい。他の例示的な運動履行監視システムは、(a)運動履行時に得られる一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)複数回の運動履行時に運動選手によって使用された1つまたは複数の経路に関連するデータを記憶する手段と、(c)今後の運動履行用の新しい経路を提案する手段であって、少なくとも部分的に、新しい経路の位置に関連するデータを、記憶されている複数回の運動履行のうちの少なくともいくつかで運動選手によって使用された経路に関連する記憶されているデータと比較することによって、新しい経路を決定する手段とを含んでよい。
【0022】
本発明の少なくともいくつかの実施例による運動履行監視システムではGPSデータをさらに他の目的に使用することができる。たとえば、このようなシステムは、(a)運動履行時に得られる一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、(b)運動履行時に、全地球測位衛星受信機を介して得られたデータに少なくとも部分的に基づいてオーディオ・ディスプレイ装置、ビデオ・ディスプレイ装置、またはその他のディスプレイ装置を制御する手段と、任意に(c)運動履行時にオーディオ情報、ビデオ情報、印刷、またはその他の情報を運動選手に提供するオーディオ装置、ビデオ装置、および/またはその他の装置とを含んでよい。
【0023】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるさらに他の運動履行監視システムは、(a)運動履行が行われているときの運動選手の位置における高度に関するデータを得る高度測定システムと、(b)運動選手が移動した速度または距離の少なくとも一方に関するデータを提供する第1の運動履行モニタと、(c)運動選手による履行に関する生理学的データ(たとえば、心拍数;脈拍;血圧;および/または体温)を提供する第2の運動履行モニタと、(d)運動選手による履行に関するデータを記憶する手段であって、高度測定システム、第1の運動履行モニタ、および第2の運動履行モニタを介して収集された少なくともいくつかのデータを記憶する手段と、(e)高度測定システム、第1の運動履行モニタ、および第2の運動履行モニタを介して収集された少なくともいくつかのデータを時間または距離相関的に表示する手段とを含んでよい。
【0024】
本発明の他の例示的な局面は、運動履行時に収集されたデータを分析および/または処理するシステムに関する。このようなシステムの例は、(a)運動履行に関する入力データを受信する手段と、(b)運動履行に関する情報を表示する手段であって、表示される情報が、運動履行の少なくとも1つの物理学的特性を、運動履行時に使用される経路に沿った時間、距離、または位置と相関付け、表示される情報が、運動履行の少なくとも1つの生理学的特性を、運動履行時に使用される経路に沿った時間、距離、または位置と相関付ける手段とを含んでよい。このようなシステムの他の例は、(a)次の運動競技時に使用すべき経路に関する入力データを受信する手段であって、入力データが経路の実際のビューまたは動画ビューを生成するための情報を含む手段と、(b)運動競技時に運動履行に関する入力データを受信する手段と、(c)経路に関する入力データおよび運動履行に関する入力データから同時に情報を表示し、運動競技の経路にわたる運動競技時の運動履行のデータ再生を行う手段とを含んでよい。
【0025】
本発明のさらに他の例示的な局面は、本発明による運動履行監視システムを使用して運動選手の競技への参加を支援することに関する。このようなシステムは、たとえば、(a)運動競技時に使用すべき経路に関する入力データを受信する手段であって、入力データが、経路に関する距離および経路難度を少なくとも含む手段と、(b)運動競技の全体または一部についての標的時間またはタイミング目標に関する入力データを受信する手段と、(c)時間目標が満たされる場合にユーザが運動競技についての入力された標的時間またはタイミング目標を満たすように、経路に関する入力データおよび標的時間またはタイミング目標に関する入力データを使用して経路に沿ったまたは経路の部分についての複数の時間目標を算出する手段とを含んでよい。
【0026】
本発明のさらに他の局面は、たとえば、上述のシステムを含む様々な運動履行監視システムを使用して、運動履行を監視する方法に関する(より具体的なシステムについては以下に詳しく説明する)。本発明の他の局面は、様々なシステムを動作させ上述の様々な方法を実行するために記憶されたコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。
【0027】
本発明の具体的な実施例を以下に詳しく説明する。読者は、これらの具体的な実施例が、単に本発明を例示するために記載されており、本発明を制限するものとみなすべきではないことを理解されたい。
【0028】
C.発明の具体的な実施例
本出願の様々な図は、本発明の様々な実施例による運動履行監視システムおよび方法を示している。
【0029】
1.概略的な説明
本発明の各局面は、運動選手および/または運動選手のトレーナーもしくはコーチが運動履行を準備、監視、および/または評価するのに使用できるシステムおよび方法に関する。本発明の実施例による少なくともいくつかのシステムおよび方法は、全地球測位衛星(「GPS」)データをある方法で利用して、運動履行の前、運動履行時、および/または運動履行の後に、運動選手、運動選手のトレーナー、運動選手のコーチ、および/または運動選手によって使用される装備にデータおよび情報を提供する。
【0030】
図1は、データを収集し、運動履行の前、運動履行時、および/または運動履行の後に、運動選手、運動選手のトレーナー、および/またはコーチに情報を提供するのに使用できる例示的なシステム100を示している。このようなシステム100は、運動履行時に運動選手および/または彼/彼女の装備によって装着または保持することができるハードウェア(たとえば、運動履行に関するデータを収集するために)、および任意に、たとえば次の履行に備え、および/または過去の履行を分析するのに使用できるパーソナル・コンピュータ112上で実行されるソフトウェアの両方を含んでよい。このような履行監視システムおよび方法の様々な特徴について以下に詳しく説明する。
【0031】
本発明の実施例によるシステム100および方法は、運動履行に関するデータを収集しおよび/または運動履行時にデータを収集する1つまたは複数の装置を含んでよい。例として、本発明によるシステム100および方法は、運動選手による履行に関連する1つまたは複数の生理学的特性を監視する1つまたは複数の生理学的モニタ102を含んでよい。本発明から逸脱せずに、心拍モニタ、脈拍モニタ、血圧モニタ、体温モニタ、心電図モニタのような、任意の適切なまたは所望の生理学的モニタ102を使用してよい。加えてまたは代わりに、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステム100および方法は、スピードメータ、歩数計、加速度計(直線加速度または角加速度を測定する)、高度計、ジャイロスコープ(回転速度を測定する)、ジャイロスコープ位置モニタ(相対角位置を測定する)、コンパス(たとえば、磁気コンパス)、周囲圧縮センサ(たとえば、気圧)、風速モニタ、風向きモニタ、気温測定装置、湿度測定装置、ストップウォッチ、または他のタイミング装置のような1つまたは複数の物理学的履行モニタ104によって生成されたデータを収集し利用することができる。物理学的モニタ104および/または生理学的モニタ102の少なくとも一部は、履行時に運動選手および/または運動選手の装備によって保持することができる。
【0032】
さらに、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステム100および方法は、全地球測位モニタまたはシステム106によって収集されるかあるいは全地球測位モニタまたはシステム106を介して提供される運動履行に関するデータおよび情報を利用する。公知のように、GPSシステムは、一連の軌道GPS衛星を使用して地球上の人間および/または物体の位置を監視する。GPSシステムを介して提供されるデータは、GPS受信機の絶対緯度および経度位置座標に関するデータを提供するだけでなく、運動履行時の経過時間、移動距離、特定の位置における標高または高度、経時的な標高変化、移動方向、移動速度などに関する情報を提供するように適応させかつ使用することができる。GPS監視システム106の少なくともある部分は、運動履行時に運動選手および/または運動選手の装備によって保持することができる。
【0033】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステム100および方法は、運動履行の前、運動履行時、および/または運動履行の後に使用できる他の周辺装置108をさらに含んでよい。このような周辺装置108には、たとえば、たとえばユーザに娯楽またはその他の情報を提供するオーディオまたはビデオ・プレーヤー;携帯電話ならびに/あるいはそれに関連する音声、データ送信、および/または受信機器、警報器またはポケット・ベル型装置のような印刷またはテキスト情報を供給するシステム;その他のデータ送受信機器;などを含めることができる。周辺機器108は、運動履行時に運動選手および/または運動選手の装備によって保持することができ、周辺機器108は、運動選手(またはその他の人)への情報の送信および/または運動選手からの情報の受信を可能にするヘッドフォン、イヤピース、マイクロフォン、ゴーグルなどの装備を含んでよい。
【0034】
少なくとも運動履行が行われている間の使用のために、本発明の少なくともいくつかの例によるシステム100および方法は、携帯および/または着用可能ディスプレイ装置110を含んでよい。このディスプレイ装置110は、本発明から逸脱せずに任意の適切なまたは所望の形態をとってよい。たとえば、ディスプレイ装置110は、デジタル・ディスプレイ装置、オーディオ・ディスプレイ装置、ビデオまたは画像ディスプレイ装置、英数字ディスプレイ装置(たとえば、印刷されたテキストを表示する)、頭部装着ディスプレイ装置、腕/手首着用ディスプレイ装置(たとえば、時計または同様の装置)、クリップオン・ディスプレイ装置(警報器、携帯電話などのような装置)などであってよい。さらに、運動選手(および/または彼/彼女の装備)は、必要に応じて複数のディスプレイ装置110を保持することができ、および/または単一のディスプレイ装置110が、上述の様々な情報源から様々な形式でなど、本発明から逸脱せずに複数の情報源から多数の異なる形式またはフォーマットで情報を提供することができる。携帯/着用可能ディスプレイ装置110は、従来の時計、PDA、MP3プレーヤー、携帯電話、警報器、ポケット・ベルなどでおよび/またはそれらと同様に実現することができる。ディスプレイ装置110は、履行が行われているときに運動選手に「リアルタイム」データ、たとえば、様々なセンサまたは他の情報源のいずれかからのデータを、任意にコーチまたはトレーナーからのメッセージ、更新されたタイミングまたはその他の目標情報、天候情報、すでに生成された履行データを処理することによって生成されるデータまたは情報、1つまたは複数のセンサ用の較正および/または補正係数のような他の情報と一緒に提供することもできる。
【0035】
本発明の例によるシステム100および方法は、運動履行が行われている間にリアルタイム情報を提供するだけでなく、運動履行が行われる前および/または運動履行が行われて後の両方に情報を提供することができる。たとえば、本発明の実施例によるシステム100および方法は、ラップトップ・コンピュータ、パームトップ・コンピュータ、ポケット・サイズ・パーソナル・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータなどのパーソナル・コンピュータ112と一緒に動作することができる。パーソナル・コンピュータ112は、様々な監視システムおよび/またはその他の装置(たとえば、装置102、104、106、108、および110)に情報またはデータを提供することができ、パーソナル・コンピュータ112は、これらの装置102、104、106、108、および110からデータおよび情報を受信することもできる。データおよび情報のこの転送は、たとえば、携帯電話リンク技術、無線トランシーバ技術、衛星技術、有線または無線コンピュータ・ネットワーク接続を介した方法、および/または当技術分野で公知の従来の方法を含む任意の他の方法を含む任意の所望の方法で、本発明から逸脱せずに行うことができる。加えてまたは代わりに、運動履行時および/またはその後で、携帯電話技術、有線または無線コンピュータ・ネットワーク接続、衛星送信、またはその他の手段を使用して、記憶されているデータをウェブサイトにアップロードすることができる。
【0036】
運動履行の前に、パーソナル・コンピュータ112を本発明の例に従って多数の異なる方法でおよび多数の異なる目的に使用することができる。たとえば、コンピュータ112を使用して、たとえば、運動選手が走行している場合または彼/彼女のホーム位置において異なる経路を使用したい場合に、運動選手が使用すべき経路を決定することができる。他の例として、コンピュータ112を運動選手、トレーナー、またはコーチが場合によっては地図または地理的情報と組み合わせて使用して、運動競技の全経路情報を検討し、その競技についての作戦を立てる(たとえば、タイミング目標、ベンチマークまたはランドマーク・タイム、スプリット・タイムなど)ことができる。経路および/またはその他のデータもしくは情報をコンピュータ・ディスプレイ画面114を介して運動選手、トレーナー、コーチなどに表示することができる。少なくともいくつかの例では、ディスプレイ画面114は、携帯/着用可能ディスプレイ110上に示されるかまたは携帯/着用可能ディスプレイ110によって表示されるのと同じ情報を表示することができる。任意に、必要に応じて、単一の装置が、本発明から逸脱せずに携帯/着用可能ディスプレイ110およびディスプレイ画面114の両方の機能を実行することができる。
【0037】
運動履行時に様々なモニタ、たとえば102、104、106、および108のうちの1つまたは複数によって収集されたデータを、履行時および/または履行の後に携帯ディスプレイ装置110および/またはパーソナル・コンピュータ112に送信することができる。以下に詳しく説明するように、必要に応じて、システム100の携帯部分は、運動履行に関連するデータを記憶するメモリを含んでよく、このデータを後で(たとえば、履行が終了した後で)パーソナル・コンピュータ112にダウンロードしてより詳細な処理および/または分析を行い、たとえば、運動選手、トレーナー、および/またはコーチが過去の履行を評価したり、履行同士を比較したり、今後の履行を向上させるのを助けたり、訓練方式を考案したり、次の競技についての作戦を立てたりするのを助けることができる。他の例として、必要に応じて、システム100の携帯構成要素のうちの1つまたは複数(たとえば、携帯電話リンクまたは他のデータ送信装置などの周辺装置108)は、運動履行が行われている間にパーソナル・コンピュータ112にデータを送信することができ、および/または競技が行われている間にコンピュータ112からデータを受信することができる(たとえば、更新されたスプリットまたはラップ・タイム、ランドマークまたはその他の位置情報、他の競技者に対する位置情報を有するデータ)。
【0038】
本発明によるシステムおよび方法の様々な実施例で使用されおよび/または収集されるセンサ、データ、および情報のより具体的な例を以下に示す。
【0039】
2.マルチセンサ・システム
本発明によるシステムおよび方法のいくつかの例は、複数のセンサ、たとえば、図1に示されている生理学的履行モニタ102、物理学的履行モニタ104、GPSモニタ106、および/またはその他の周辺装置108などからの運動履行に関する入力データに依存しおよび/またはその入力データを受信する。運動履行時(たとえば、競走、レースなどの間)に運動選手および/または運動選手の装備によって装着または保持されるハードウェアは、1つまたは複数の所望のセンサを含む1つまたは複数のモジュールまたはポッドを含んでよい。これらのモジュールは、好ましくは電池を電源とし、任意に再充電可能な電池を使用し、本発明による少なくともいくつかの例示的なシステムおよび方法では、モジュール、ポッド、および/またはセンサは以下のものを含んでよい:
・時計、PDA、MP3、携帯電話、またはその他の好都合なディスプレイ装置;
・心拍モニタ;
・たとえば、足、脚、またはその他の人体部分に着用される、速度および/または距離を測定する「速度ポッド」;
・GPSポッド;および
・携帯電話リンク、オーディオ・プレーヤーのようなその他の周辺装置。
【0040】
特に、これらのセンサおよびその他の要素の任意の組み合わせを単一のハウジングに含めることができる。たとえば、フット・ポッド・ハウジングは、必要に応じてGPSおよび加速度計センサの両方を含んでよく、またはGPSセンサはそれ自体のポッド内に存在してよい。他の例として、ディスプレイ装置は、磁気コンパス、圧力センサ、またはその他の要素を含んでよい。
【0041】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法では、補助センサ群を組み合わせて使用して個々のセンサの様々な欠点を解消することができる。たとえば、GPSシステムだけで、運動履行を監視するために関心対象の物理学的データの多くを提供することができるが、GPSシステムは、顕著な電力を消耗し(それによって電池の寿命が短くなる)、かつ常におよび/またはすべての位置で情報を提供できるとは限らない(すなわち、GPSシステムのアンテナの有効範囲は100%ではない)という欠点を有する。したがって、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、たとえば、いくつかの個々のセンサが利用可能でない場合でも(たとえば、GPSシステムが信号を得ることができない場合および/または電力の節約が重要でない場合)、所望の運動履行データが収集され得られるように追加のセンサ(およびいくつかの例では冗長センサ)を含む。補助センサ群のより詳細な例について以下に説明する。
【0042】
a.GPSならびに加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタの組み合わせ
本発明によるシステムに含めることのできる補助センサ群の一例は、GPS監視システムならびに加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタを組み合わせて使用することに関する。従来のGPSシステムは、様々な時間および/または位置、たとえば、木の周囲、高いビル、屋内、アンテナが遮断されるときなどにおいて衛星が機能停止に陥る。さらに、通常、GPSシステムが最初に電源を入れられたときに「ウォーム・スタート」または「コールド・スタート」衛星取得時間として比較的長い時間がかかる。GPSシステムは、読み取りを行うときに実質的な電力を使用する傾向もある。加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離監視システムは、一方では、本来システム精度が低い(たとえば、センサ・ドリフト、取り付けエラー、および/または通常、3つの加速度直交軸が検知されないことによる)。さらに、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離監視システムは、絶対位置および/または高度情報を提供することができない。通常、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離監視システムは、特定のユーザおよび/または取り付け位置向けに較正され、したがって、使用が難しくなり、広範囲の使用条件の下では精度が低下する。
【0043】
本発明の少なくともいくつかの実施例によってGPSモニタならびに加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタを組み合わせた運動履行監視システムを使用すると、多数の潜在的な利点がもたらされ、各システムに固有の欠点の影響が解消または軽減される。たとえば、GPSシステム(およびその絶対位置検出機能)を使用して加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタを較正することができる。従来、ユーザは、たとえば水平のトラック上で既知の距離だけ走るかまたは歩くことによって、既存の、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタを較正する。既知の距離を走るかまたは歩いた後、ユーザは、測定された速度および距離モニタ距離結果を見て、ユーザが走るかまたは歩いたことについてこのモニタがどのように判定したか(たとえば、モニタは、ユーザが実際に400メートル・トラックを走ったときに(たとえば、ステップ長に基づいて)ユーザが410メートル移動したと判定することができる。)を確認することができる。ユーザは次に、ボタンを押して、測定された長さを既知の長さに一致するように補正し、それによって装置内に内部補正係数を設定することによって速度および距離モニタ出力を補正する。この補正方式は、たとえば、ランニング、ジョギング、またはウォーキングの間にユーザのステップ・サイズが変化するためエラーが生じやすい。さらに、ユーザのステップ・サイズは、たとえば、上り坂、下り坂を移動するとき、風下、風上に移動するとき、様々な高度の場所を移動するとき、高度が変化する場所を移動するとき、様々な速度で移動するときなど、運動の条件に応じて変化することがある。
【0044】
GPS援用較正を使用することによって、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタの較正を(GPS衛星有効範囲が利用可能であるかぎり)任意の距離にわたっておよび/または任意の位置において行うことができる。上記に指摘したように、ユーザは通常、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースのシステムを水平のトラック上での1回の出場で較正する。本発明の少なくともいくつかの実施例によれば、GPS衛星監視装置によって収集された情報を使用して、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタによって使用できる補正係数および/または較正データを生成することができる。より具体的には、GPSシステムは、運動選手が移動した絶対距離ならびに移動経路にわたって必要になる時間および/または生じる高度変化を測定することができるため、GPSによって生成されたデータを使用して、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタによって使用可能な補正係数または較正データを求めることができる。本発明のこの例による、較正または補正のためのGPSベースのデータ較正または収集は、運動履行監視システムの実際の使用時にバックグラウンドで、および/またはユーザが場合によっては較正または収集が行われていることに気付かずに、任意の時間に行うことができる。他の選択肢または代替方法として、必要に応じて、運動選手は、監視システムの携帯部分上のボタンを押すかまたはその他の方法で較正または補正データを収集するようシステムに命令することができる。GPSデータを使用して加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタ用の補正係数を較正および/または生成すると、これらの装置の較正が簡略化され(たとえば、トラックで特別な走行を行いおよび/または厳密に測定された距離をレイアウトして較正を可能にすることが不用になる)、装置の精度が向上する。
【0045】
加えてまたは代わりに、本発明によるシステムおよび方法の少なくともいくつかの実施例では、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタ用の補正係数データの、GPSベースの較正および/または生成を、様々な使用条件の下で行うことができ、たとえば、様々な移動速度で使用することができ、上り坂を移動するときに使用することができ、下り坂を移動するときに使用することができ、様々な風速で使用することができ、様々な風向きで使用することができ、ユーザのステップ・サイズが変化する任意の特定の種類の条件の下で使用することができる較正データまたは補正係数を生成することができる。さらに、この様々な補正係数および/または較正データは、運動選手が運動履行監視システムを使用し続けるときに、バックグラウンドで経時的に収集することができる。このように、較正データもしくは補正係数の「参照テーブル」あるいはその他の「多数の」較正データもしくは補正係数または較正データもしくは補正係数のライブラリを作成し監視システム(任意にシステムの携帯部分)に記憶することができ、したがって、運動選手の速度および/またはその他の使用条件の全範囲にわたって適切な補正係数を生成し適用することができる。このシステムを備えたマイクロプロセッサ(任意にシステムの携帯部分、パーソナル・コンピュータなどの中の)を、公知の較正または補正係数間の内挿および/または較正または補正係数からの外挿を行い、任意の速度またはその他の使用条件で使用できる最も適切な較正または補正係数が得られるようにプログラムすることができる。さらに、このように、たとえば、履行中の所与の時間に判定された速度またはその他の使用条件に基づいて、1回の運動履行時の様々な時間にそれぞれの異なる較正または補正係数を適用し、速度および距離モニタの全体的な精度を向上させるのを助けることができる。様々な補正または較正係数をそれぞれの異なる履行条件の下で利用可能にすることによって、速度および距離モニタ出力は、特に時間の経過と共に使用回数が増えるにつれてより正確になる傾向がある。これは、使用回数が増えるにつれて生成される較正および補正係数の数が増えるからである。
【0046】
したがって、GPSによって生成されたデータを使用して歩数計ベースの速度および距離モニタ用の較正および補正係数を生成すると、特にモニタを様々な異なる条件の下で使用するときに(たとえば、様々な速度、様々な風または地形条件の下で)歩数計データがより正確になる。このように、GPSシステムがその信号を失った場合、および/または運動履行中の、GPS出力がサンプリングされない任意の他の適切なまたは所望の時間に、比較的低コストの歩数計を使用して欠落した速度および距離データを正確に充填することができる。
【0047】
加えてまたは代わりに、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタは通常、GPSベースのシステムから読み取り値を得る際に必要となるほどの電池電力を必要としないため、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタをより頻繁にサンプリングして電力を節約することができる。さらに、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタからのデータを迅速にかつより頻繁に得て、それによってより「応答性の高い」瞬間速度変化情報をユーザに提供することができる。加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタは、ステップ・カウントのような、GPSベースのシステムから得られないある情報を提供することもできる。
【0048】
さらに他の例として、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法では、すべての「リアルタイム」速度および距離情報(たとえば、履行時に携帯ディスプレイ装置上で運動選手に表示される情報)を加速度計または歩数計から得て、リアルタイム情報を提供するのにGPSを使用することのない運動履行監視システムおよび方法を提供することが望ましい場合がある。このようなシステムでは、GPSモニタは、バックグランドで周期的に動作し、たとえば、位置および高度追跡点データをメモリにログすることができる。履行が完了した後(たとえば、履行に関するデータがパーソナル・コンピュータにダウンロードされた後)、GPSデータを、任意に歩数計ベースの速度および距離モニタからのデータと一緒に、(任意に他の地図データ、高度データ、および/またはその他の入力情報と一緒に)分析に使用することができる。このようなシステムでは、GPSデータをサンプリングする頻度を減らし、それによって電力を節約し、しかも十分正確な速度および距離情報を加速度計またはその他の歩数計ベースのシステムからリアルタイムで運動選手に提供することができる。これは、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタにはアンテナまたは送受信問題が生じにくいからである。
【0049】
b.GPSまたはその他の速度および距離モニタと気圧センサとの組み合わせ
本発明の少なくともいくつかの実施例による単一のシステムに含めることのできる補助センサ群の他の例は、GPS監視システム(または加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタ)と気圧センサを組み合わせて使用することに関する。気圧センサは、(たとえば、運動選手が移動する際の)様々な位置における気圧ならびに/あるいは経時的な圧力変化および/または移動全体にわたる圧力変化を求めることができ、このような気圧センサは高度と相関付けることができるが、気圧センサだけで様々な考えられる圧力変化原因を区別することはできない。たとえば、圧力変化が、天候および/または大気条件の変化によって起こったのか、ユーザの高度の変化によって起こったのかなどを気圧センサで区別することはできない。GPSシステムは、少なくともいくつかの例では、高度データを提供するが、この高度データは通常、いくらか不正確である。従来のGPSシステムは天候を監視しない。
【0050】
GPSセンサと気圧センサの両方を含む監視システムは、経験される気圧変化が高度変化によるものかまたは天候変化によるものかをより正確に判定するのを可能にすることができる。たとえば、運動選手が移動しておらず、高度も変化させていないことを、GPSシステムが示している場合、システムは、すべての気圧変化を天候に関係する変化とみなす(さらに、任意に、起こりそうな天候の変化をユーザに警告する)ことができる。この組み合わせシステムは、運動履行時の天候予測をずっと正確にする。逆の効果を得ることもできる。気圧センサ・ベースの高度計は、(ある高度測定機能を有する)GPSシステムからのデータによって圧力センサ・システムが天候による圧力変化を判定できる場合、ずっと正確な高度データを提供することができる。
【0051】
さらに、現在利用可能な気圧ベースの高度センサは較正しなければならない。しかし、このようなセンサをGPSシステムと組み合わせて使用すると、ユーザがこの較正を行う必要がなくなる。たとえば、GPSシステムからの高度データが得られる場合にそれを使用して、またはGPSシステムからの高度データをときどき使用して、気圧ベースの高度センサによって求められた高度を較正することができる。加えてまたは代わりに、GPSシステムによって求められた移動距離または高度変化データを使用して、気圧センサ用の較正データまたは「ゼロ・ドリフト」補正データを生成することができる。較正データは、ユーザによる能動的な対話無しにバックグラウンドで収集および/または使用することができる。このように、GPSデータは、通常気圧センサで経験されるドリフトをゼロにし、それによってセンサの出力をより正確にするのを助けることができる。
【0052】
装置の補助組み合わせは、少なくとも、本発明のすべての例で、GPSセンサを必要としない。加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタを気圧センサと組み合わせて同様に使用することもできる。たとえば、ユーザがそれほどの距離を移動していない(またはまったく移動していない)ことを速度および距離モニタが示しているが、システムによって圧力変化が検出された場合、この圧力変化は、天候変化によるものであり、高度変化によるものではないとみなすことができる。少なくともいくつかの例では、このような情報を使用して、通常気圧高度センサで経験されるドリフトを補正するかまたは「ゼロ」にし、それによってセンサの出力をより正確にすることもできる。
【0053】
c.GPSと自転車(またはその他の)スピードメータの組み合わせ
本発明の実施例による運動履行監視システムおよび方法は、ランニングまたはウォーキング型の運動履行(たとえば、歩数計を使用してデータを収集することのできる履行)での使用に制限されない。本発明による単一のシステムまたは方法に含めることのできる補助センサ群の他の例は、GPS監視システムを自転車上のスピードメータのような従来のスピードメータと組み合わせて使用することに関する。従来のスピードメータは、正確な速度および距離データを提供するが、高度または絶対位置情報は提供しない。一方、GPSシステムは、速度、距離、高度、および絶対位置情報を提供するが、上述のように、GPSシステムは、衛星信号が失われることによって機能停止に陥ったり、電池電力をかなり消耗したりする。これらのシステムの組み合わせを使用して速度、距離、高度、および位置データを提供することができ、たとえばGPSシステムが信号を得ていないときなどに、スピードメータを使用して運動選手に速度および距離情報を提供することができる。さらに必要に応じて、GPSシステムを控えめにまたは周期的に使用して電池電力を節約することができ、スピードメータを絶えず(または少なくともより頻繁に)使用してリアルタイム速度および距離情報を運動選手に提供することができる。必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法は単に、履行時のすべてのGPSデータを後でダウンロード、分析などができるように記憶しておくことができる。
【0054】
必要に応じて、本発明のこの組み合わせによるシステムおよび方法は、GPSデータを使用して、任意に、たとえば上述のような様々な異なる使用条件、様々なタイヤ圧条件、様々なタイヤサイズ条件などの下でスピードメータを使用できるようにする較正データおよび/または補正係数を提供することができる。
【0055】
d.GPS、速度および距離モニタ、および磁気コンパスの組み合わせ
上記に図1に関連して述べたように、本発明から逸脱せずに任意の数のセンサを組み合わせて使用することができる。本発明による単一のシステムまたは方法に含めることのできる補助センサ群の他の例は、GPS監視システム、加速度計またはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタ、および磁気コンパスを組み合わせて使用することを含む。
【0056】
従来のGPSシステムでは、GPS受信機が(たとえば、受信機が遮断されたり、停電したりしたために)追跡点を失うと、収集されたデータは、GPS受信機がこの期間に移動した実際の方向にかかわらず連続的な既知のGPSサンプリング・ポイント間に直線を生成する。加速度計またはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタによって生成されたデータを磁気コンパスを介して生成されたデータと組み合わせることによって、本発明のこの例によるシステムおよび方法は、何らかの理由でGPS信号またはデータが失われたときでも運動選手の絶対位置をより正確に判定することができる。速度および距離モニタ・データならびにコンパス・データを使用すると、システムは引き続き速度、距離、および方位データを提供することができる。したがって、GPS受信機がその信号を失ったとき/場合(または電力節約などのために信号がときどき得られない場合)、この例による運動履行監視システムおよび方法は依然として他のセンサの出力を使用して運動選手の位置の変化を判定して「穴」を埋め、GPS信号が回復されるかまたはその他の方法で再びサンプリングされるまで実際の運動選手経路データを提供することができる。
【0057】
e.速度および距離モニタ(GPS、加速度計、またはその他の歩数計から)、高度(GPS、気圧計、または地図データから)、および心拍モニタの組み合わせ
本発明の少なくともいくつかの例による運動履行監視システムおよび方法に使用できる補助センサの組み合わせの他の例には、高度センサ(GPSまたは気圧センサ・ベース)、心拍モニタ、ならびに速度および距離モニタ(GPS、加速度計、またはその他の歩数計ベース)の組み合わせが含まれる。現在利用可能な心拍モニタは、「リアルタイム」心拍データを表示し、少なくともいくつかのデータを今後の分析のためにメモリに記憶することができる。いくつかの現在利用可能なシステムは、少なくともいくつかの速度および/または距離データを記憶することもできる。欠落する1つの重要なデータは高度である。運動選手、トレーナー、またはコーチは、記憶されているデータを受信したときに、運動選手の心拍が上昇し、および/または運動選手の速度が低下したことを知ることができるが、現在、これらが生理学的な症状の結果であるのか、または運動選手が実際には険しい坂を上っているのかなどを、記憶されているデータから判定することはできない。高度データを心拍ならびに速度および距離データと組み合わせることによって、運動選手、トレーナー、またはコーチは運動選手のワークアウト状況をより完全に把握し、心拍、ペースなどの変化の物理学的な理由をより適切に確認することができる。
【0058】
3.例示的なソフトウェア/データ処理局面
本発明の実施例によるシステムおよび方法の様々な局面は、システムの操作、方法の制御、および/または収集されたデータの処理を行うのに使用できるソフトウェアの特徴に関する。以下の議論は、パーソナル・コンピュータおよびパーソナル・コンピュータ上に記憶されているかまたはパーソナル・コンピュータ上で利用可能なアプリケーション・プログラムを使用したデータ分析を対象としているが、当業者には、携帯電話、オーディオ・プレーヤー(たとえば、MP3プレーヤー、カセット・プレーヤー、CDプレーヤーなど)、PDA、時計、自転車搭載ディスプレイ、テレビジョンなどを含む、ディスプレイを有する装置のような、任意の適切なまたは所望の装置上で、上記の分析の任意の部分または全体を行うことができることが認識されよう。
【0059】
GPSモニタを含む本発明の実施例によるシステムおよび方法は、自動経路認識およびロギング機能を使用することができる。上述のように、GPSシステムを利用して、運動履行時に運動選手が移動する経路に沿ってGPS受信機の様々な位置または中間地点を追跡することができる。ワークアウトの後で、たとえば、必要に応じて、運動選手がモニタ・システムのハードウェアの携帯部分をパーソナル・コンピュータと同期させるときに、記憶されている履行におけるGPS中間地点が携帯装置のメモリからパーソナル・コンピュータにダウンロードされる(たとえば、必要に応じて、本発明のいくつかの例によるシステムおよび方法は、パーソナル・コンピュータへのダウンロード間に携帯装置上に(複数回の運動履行を表す)複数の経路を保存するのを可能にすることができる)。パーソナル・コンピュータ上のソフトウェアは、履行時に使用された経路(たとえば、位置または位置点データセット)と、パーソナル・コンピュータ上に記憶されている以前の経路、たとえば、パーソナル・コンピュータ上に記憶されラベル付けされている、運動選手(またはその他の人)がすでに通過した経路を表すデータとの相関付けを試みることができる。
【0060】
より具体的な例として、運動選手は、1週間に数回地元の湖の周りを走ることがある。本発明のこの例による運動履行監視システムを初めてこの「湖走行」に使用するとき、このランを含むGPS追跡点の集合は、パーソナル・コンピュータ上に記憶され、ユーザは、たとえば「湖走行」とラベル付けすることができる。運動選手が次に、運動履行監視システムを使用して「湖走行」または別の走行を行うとき、パーソナル・コンピュータ上のソフトウェアはその走行の中間地点を、パーソナル・コンピュータ上のすべての記憶されている経路上の中間地点と比較し、一致するかどうかを判定する(たとえば、ソフトウェアは経路における近い一致を見つける)。ソフトウェアは次に、最も新しい走行経路を運動選手の走行ログまたはカレンダーにおいてラベル付けするかまたは記録する(任意に、新しい走行経路に正しい経路識別表示が割り当てられたことをユーザは確認した後で)。ソフトウェアはまた、あらゆる新しい経路または既存のライブラリ内の経路に一致しない経路を認識し、既存の経路リストにおける名前または経路リスト上に含める新しい経路としての名前を入力することを要求する。このようなシステムおよび方法は、ユーザが、ユーザが使用する様々な経路用の意味のある走行名を走行カレンダーまたはログに迅速に記録するのを可能にする。
【0061】
本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法の他の例示的なソフトウェア/データ処理局面は、上記に概略的に説明した経路概念にセンサ・データを付加する能力に関する。たとえば、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、ユーザが、運動履行、経路などに関するデータを含む物理学的または生理学的センサ・データをパーソナル・コンピュータ・データベースに組み込むのを可能にすることができる。このような物理学的または生理学的データには、たとえば、天候条件データ(温度、圧力、降水量、風速、風向きなど);運動選手速度データ;日付データ;高度データ;ランドマークまたはベンチマーク間のスプリット・タイム・データ;心拍または脈拍データ;体温データ;血圧データなどを含めてよい。経路が認識された(たとえば、GPSデータ、ユーザ入力データなどに基づいて)後、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、ユーザが、その経路上のベスト・タイム、ランドマークまでの最短時間、最速スプリット・タイムのような、その特定の経路に関する任意の所望の情報を容易に処理、ソート、および/または表示するのを可能にすることができる。
【0062】
そのようなデータは、任意の適切なまたは所望の形式またはフォーマットで、たとえば、従来のスプレッドシートあるいはその他の探索可能および/またはソート可能な形式またはフォーマットの一部として記憶することができる。ユーザは、このようなシステムおよび方法の少なくともいくつかの例を使用して、パーソナル・コンピュータ上(または必要に応じて携帯装置上)に記憶されている履行の集合を選択し、以下のような所望のソートを実行することができる。
・外部の温度が80度を超えるときの最速「湖走行」
・午前9時前の最速「湖走行」
・前半で平均心拍数が150を超えるときの平均「湖走行」時間
・「途中にある勾配のきつい坂」を上るための時間が10分未満であったときの最速「湖走行」
【0063】
GPSデータが得られる場合、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法で、経路情報に関する他の潜在的なソフトウェア/データ処理機能が可能になる。たとえば、履行時に収集されたGPSデータおよび/またはその他のデータ(たとえば、経路距離、高度、標高変化(たとえば、丘陵地)、最大標高ゲインまたは変化、屋外温度、湿度など)に基づいて、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、たとえば、新しい経路が上述のように認識されたときに、新しい経路に経路「難度レーティング」を割り当てることができる。任意に、必要に応じて、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、少なくとも部分的に、運動選手のログにおける既存の経路に関連する難度(またはデータ)、所定の標準、他の経路に対するこの経路に関連する運動選手の生理学的データ(たとえば、心拍または脈拍)、ユーザの主観的入力、および/またはその他の適切なまたは所望の基準に基づいてまたはそれらを考慮して、新しい経路の難度をランク付けすることができる。必要に応じて、本発明によるシステムおよび方法は、様々な経路および/または経路上の特定の履行についての1つまたは複数の「難度レーティング」を判定して表示し、任意に各局面の難度をランク付けする(たとえば、1〜10スケールで、10が最も難度が高い)ことができる。特定の経路の例示的なランク付けには、平坦度=1;長さ=8;高度=4などを含めることができる。
【0064】
記憶されている経路データは、運動選手、運動選手のコーチ、および/またはトレーナーによって運動履行が行われる前に様々な方法で使用することができる。たとえば、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、ワークアウトまたは訓練ルーチンを始める前に運動選手用の「経路プレイリスト」を提供することができる。このようなシステムおよび方法は、所望のワークアウトまたは難度レベルに関するユーザ入力を可能にし、次に、運動選手(またはその他の人)によってすでに入力されている記憶されている多数の経路からある経路を確認することができる。たとえば、特定の難度レベルまたは何らかの他のパラメータを要求するユーザ入力(たとえば、近似経路長、経路位置、経路標高変化(丘陵地、平地など)など)に基づいて、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、ユーザが要求した入力に一致するかまたは最も近い経路を推薦することができる。さらにより具体的な例として、ユーザは、たとえば:低難度7マイル経路、平地10マイル経路、ダウンタウンに近い5マイル、シアトルの丘陵地走行などを要求するデータを入力することができる)。
【0065】
経路「プレイリスト」上の多数の経路または経路のライブラリを、1人の運動選手がすでに走行した経路に限定する必要はない。たとえば、本発明による少なくともいくつかのシステムおよび方法では、複数のユーザによって使用される経路から得たデータを利用可能な多数の経路において組み合わせることができ、システムおよび方法は、このより多くの利用可能な多数の経路から、ユーザが要求した入力に基づくユーザ用の1つまたは複数の考えられる経路を選択することができる。一例として、インタネットまたはワールド・ワイド・ウェブなどのコンピュータ・ネットワークを使用して、複数のユーザから入力された多数の考えられる経路を記憶することができる。このようなシステムおよび方法を使用して、たとえば、走行時などに使用できる経路のような新しい経路をユーザに提案することができる。必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、たとえば、履行の前におよび/または個体が経路を通過しているときにリアルタイムで、地図、方向、および/またはその他のより詳細な経路情報をユーザに(たとえば、携帯ディスプレイ装置上で)提供することができる。他の例として、本発明によるシステムおよび方法は、以前の履行のみから経路を選択するのではなく、地図データまたは情報に基づくユーザの入力要求を満たす経路を考案することができる。
【0066】
さらに、本発明によるシステムおよび方法を使用して、個々の運動選手に関連する入力データを比較し、このデータから運動選手の「好み」を確認することができる。たとえば、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、ユーザが、1週間に約6マイル走ることを望んでいるが、週末にはより長い距離(たとえば、約10マイル)を走っていると判定することができる。システムおよび方法はまた、個々の運動選手の代表的なワークアウトに関連する代表的な高度変化を判定することもできる(たとえば、丘陵地対平地)。他の例として、少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法は、地図またはGPSデータから、代表的なワークアウトに関連する地形に関する他の特性を判定することができる(たとえば、水辺、公園内、森林内など)。この「好み」データまたは情報から、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法は、たとえば、運動選手の位置のまたはその近くの経路の「プレイリスト」またはそのような位置の多数の経路から、新しい(または以前に使用した)経路を運動選手に提案することもできる。好都合なことに、このような情報を走行時に使用して、運動選手の好ましい特性および/または馴染みの特性を有する経路を見つけることができる。
【0067】
他の例として、ユーザの過去の履行に関する入力データから、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、経路、他のワークアウト・プログラム、またはユーザ用のワークアウト・プログラムの特性を自動的に推薦することができる。たとえば、本発明のいくつかの例によるシステムおよび方法は、(たとえば、総マイル数、心拍測定値、高度データなどに基づいて)ユーザが激しいワークアウトを数日間連続で行っていることを指摘することができる。そのデータから、システムによって適切な今後のワークアウト・プラン(たとえば、経路、所望の活動、標的時間などを含む)を提案することができる。新しいかまたは異なる経路またはワークアウト・プランを提案する場合に本発明によるシステムおよび/または方法をいつトリガすればよいかを判定するうえで任意の所望のアルゴリズムを使用することができる。このようなシステムおよび方法は、負傷および/またはオーバートレーニングを防止するのを助ける手段として有用である場合がある。
【0068】
4.センサ入力を使用したマルチメディア局面
本発明によるシステムおよび方法の少なくともいくつかの実施例で利用可能な他の局面は、GPSモニタ、物理学的モニタ、および/または生理学的モニタのうちの1つまたは複数から与えられた入力を使用して、運動履行時にユーザに示される印刷、オーディオ、および/またはビデオ出力の内容を少なくとも部分的に決定する媒体再生装置を含む。本発明のこの局面では、MP3プレーヤー、ビデオ装置、オーディオ装置、携帯電話、PDA、警報器、ポケット・ベルなどのような、任意の種類の印刷、オーディオ、および/またはビデオ・ディスプレイ装置を使用することができる。本発明の少なくともいくつかの実施例では、この印刷、オーディオ、および/またはビデオ・ディスプレイ装置は、上記に図1に関連して説明した携帯/着用可能ディスプレイ110を形成する。
【0069】
より具体的な一例として、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、1つまたは複数のセンサ(加速度計、GPSモニタ、高度計、気圧計など)からの出力を使用して、媒体再生速度を運動選手の移動速度のような運動履行データに比例して変化させることができる。たとえば、ユーザの移動速度に同期するように曲のビートを選択または調整することができる(たとえば、曲のビートをユーザのステップ・ビートに一致するように選択または調整することができる)。いくつかの例では、必要に応じて、ユーザのステップ・ビートに一致する(または実質的に一致する)ように曲のビートを速くするかまたは遅くすることができる。他の例では、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、ユーザのステップ・ビートに一致する(または実質的に一致する)ビートを有する曲をプレイリストから選択することができる。曲およびステップ・ビートを同期させ、および/または所望のビートを有する曲を他の方法で選択する任意の所望の方法を、本発明から逸脱せずに使用することができる。
【0070】
他の例として、地図データ、過去の高度情報、気圧情報、またはGPS情報を使用して、経路の丘陵または難度の高いその他の部分に遭遇したときに「やる気を起こさせる」曲またはビデオ・クリップを生成するように、本発明のシステムおよび方法に関連するオーディオまたはビデオ・プレーヤーはプログラムされるか、または入力を受信することができる。他の例として、経路上の時間または距離、遭遇した地形の種類、標高または高度などのような、運動履行に関連する1つまたは複数の因子に基づいてプレイリストから曲またはビデオ・クリップ(またはその他のオーディオ/ビデオ出力)を選択することができる。いくつかの例示的なシステムおよび方法では、ユーザは、プレイリストまたはライブラリ内のある曲(またはその他のオーディオ/ビデオ・データ)を「登坂ソング」、「ファースト・ペース・ソング」、「イージー・スロー・ペース・ソング」などとして分類することができ、運動履行が行われるときに、システムおよび方法は、リアルタイム・センサ入力に基づいて分類されたプレイリストから適切な曲(またはその他のオーディオ/ビデオ・データ)を選択することができる。
【0071】
本発明の他の例示的な局面は、システムおよび方法を使用して経路に沿った位置に基づいてオーディオおよび/またはビデオ再生を行うことに関する。このようなシステムおよび方法は、GPS位置座標(またはその他の位置データ)を使用して、特定の位置への近接度に基づいてオーディオおよび/またはビデオ選択肢を選択することができる。そのようなシステムおよび方法の少なくともいくつかの例では、ユーザは事前に、特定の位置に関連する特定の曲またはプレイリストをプログラムすることができる。たとえば、運動選手が特定の経路を週に3回走ると仮定する。この運動選手は、本発明によるシステムおよび方法に関連するオーディオおよび/またはビデオ装置を、運動選手が特定の位置に到達するたび、たとえば、運動選手が湖の北端、特定の交差点、特定のビルの前、階段の上端などに到達するたびに、特定のプレイリストの特定の曲および/またはビデオ・クリップを再生するようにプログラムすることができる。他の例として、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、たとえば、経路に沿った位置に応じて、歴史的情報、観光情報、またはその他の興味深い情報を経路に沿ってユーザに提供することができる。このようなシステムは、旅行中のユーザに特に興味深くかつ有用である場合がある。
【0072】
本発明の局面から逸脱せずに、任意の適切なまたは所望のセンサ出力ならびに/あるいはユーザの処置に依存してオーディオおよび/またはビデオ出力を制御または修正し、たとえば、プレイリストから曲またはビデオ・クリップをトリガすることができる。たとえば、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、ある条件の下で、たとえば、運動選手の心拍または脈拍が毎分150回を超えた場合に、遅めのまたは気分を和らげる曲またはビデオ・ディスプレイを再生して、運動選手をリラックスさせるかまたは速度を低下させるようにプログラムすることができる。他の例として、経路またはレースの終わりに近づいたと判定された場合(たとえば、GPS、走行距離計、または歩数計情報を使用して)、アップ・テンポの曲および/またはビデオ・クリップを与えて運動選手が力強くフィニッシュできるようにすることができる。さらに他の例として、運動履行にかかっている時間を使用して、選択されたオーディオおよび/またはビデオ出力をトリガすることができる。たとえば、運動選手が2時間よりも長い時間にわたって走っている場合に、運動選手が事前に選択または購入した「やる気を起こさせる」プレイリストから(または任意に、ユーザの入力無しにシステムまたは方法によって維持されているプレイリストから)再生させる1つまたは複数の曲を選択するように本発明の局面によるシステムおよび方法をプログラムすることができる。
【0073】
オーディオおよび/またはビデオ出力は、市販のまたは公式に得られる曲、ビデオ・クリップなどに限定されない。この代わりに、本発明によるシステムおよび方法は、本発明から逸脱せずに任意の所望のオーディオ、ビデオ、および/または印刷情報を再生または表示することができる。たとえば、本発明によるシステムおよび方法は、システムおよび方法がセンサ出力およびトリガに基づいて与える一連の事前に記録されたメッセージまたはその他のフィードバック応答を備えることができる。任意に、オーディオおよび/またはビデオ・データは、ユーザが記録したものであり、および/または他の供給源からシステムおよび方法にダウンロードしたものであってよい。例示的なメッセージには、「前方に給水場あり」、「レース終点1マイル先」、「近くに救護所あり」、コーチまたはトレーナーからのメッセージなどを含めてよい。GPSセンサは適切な時間にこのようなメッセージをトリガする(任意に、必要に応じて、運動選手が指摘されたランドマークまたはベンチマーク位置を見つけるのを助ける地図または方向情報を与える)ことができる。一つの実施では、この種のメッセージをMP3フォーマットで記録し、上述のようにセンサ・トリガに応じて任意の他の曲と同様に再生することができる。
【0074】
本発明の実施例に従って様々な他の情報およびフィードバックを提供することができる。たとえば、本発明のいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、物理学的または生理学的条件(たとえば、心拍)が事前に選択されたパラメータまたは範囲を上回るかまたは下回ったときに、オーディオ情報、視覚情報、警報情報、またはその他の情報を提供することができる。さらに他の例として、カーブへの接近;地形の変化;接近している地形、坂、またはその他の条件に対する過度の速度(たとえば、自転車で非常に高速でカーブに接近している場合);自転車のギア情報(たとえば、速度、坂、またはその他の条件に関して提案されるギア;目標を満たすうえで提案されるギアなど)などをユーザに知らせる、安全またはその他の情報を提供することができる。所望のパラメータを検知する必要に応じて、ユーザの体、自転車、またはその他の装備に、所望の物理学的および/または生理学的データを提供する適切なセンサを備えることができる。
【0075】
ユーザに与えられるフィードバックは、オーディオ、ビデオ、または印刷情報に限定されない。たとえば、必要に応じて、たとえば、振動または測定装置、靴、衣服などに設けられた他の要素を通じて、ユーザに振動またはその他の触覚フィードバックを与えることができる。このような振動またはその他のフィードバック装置は、ある物理学的または生理学的条件が存在するかまたは測定されたときなど、必要なときにユーザに出力を与えるようにプログラムすることができる。
【0076】
本発明による少なくともいくつかの例示的なシステムおよび方法によって利用可能な他の選択肢は、システムの無線、「ハンズフリー」、またはその他の非接触制御を含む(オーディオ、ビデオ、および/またはその他のディスプレイもしくはフィードバック装置など)。たとえば、手または腕取り付け式加速度計(たとえば、ブレスレット、リング上など)を使用して、運動履行時に運動選手によって保持されるオーディオまたはビデオ・ディスプレイ装置を作動させるか、ボリュームを調節するか、チャンネルもしくは局を変更するか、またはその他の方法で動作モードを変更することができる。手または腕を振ることによって(あるいは何らかの他の適切な動作によって)、腕または手取り付け式加速度計(あるいはその他の移動検知装置または同様の装置)からの出力を使用してオーディオ、ビデオ、またはその他のディスプレイもしくはフィードバック装置を作動させおよび/または制御することができる。(たとえば、作動、ボリュームの変更、チャンネルの変更、モードの変更などを行うために)「ハンズオン」制御を不要にすることは、履行に対する運動選手の注意および集中がそがれるのを回避し、通常小型電子装置に伴う小型の制御装置を見つけて操作することを不要にするうえで、運動履行時に運動選手に有用であることがある。他の例として、必要に応じて、音声またはその他のオーディオ・コマンドを使用してオーディオ、ビデオ、またはその他のディスプレイもしくはフィードバック装置を「ハンズフリー」的に制御することができる。
【0077】
5.例示的なデータ処理、ディスプレイ、および視覚化
本発明の他の局面は、運動履行時に収集された履行データ分析および処理を含む履行後の分析および処理に関する。さらに、本発明の局面は、本発明によるシステムおよび方法の少なくともいくつかの例示的な局面で使用されるディスプレイおよび/または視覚化に関する。本発明から逸脱せずに、視覚ディスプレイ上に任意の種類のセンサ・データおよび/またはセンサ・データの組み合わせを示すことができ、本発明から逸脱せずに入力データを任意の所望の方法で分析し処理することができるが、処理およびデータ・ディスプレイの様々な特定の例について以下に詳しく説明する。当業者には、このようなより具体的な説明が、本発明によって有用な適切な処理、分析、およびディスプレイの例に過ぎないことが理解されよう。さらに、当業者には、パーソナル・コンピュータ、携帯電話、PDA、ミュージックまたはビデオ・プレーヤー、自転車搭載ディスプレイなど用のディスプレイ装置のような、携帯および非携帯装置上のディスプレイを含む、任意の適切なまたは所望のディスプレイ構成またはシステムの一部として、後述のすべてのディスプレイが提供されうることが理解されよう。
【0078】
a.二次元グラフィック・ディスプレイ
図2は、本発明の少なくともいくつかの実施例によって運動選手、運動選手のコーチ、および/または運動選手のトレーナーにデータおよび情報を提供することのできる例示的なディスプレイまたはスクリーンショット200を示している。このスクリーンショット200は、パーソナル・コンピュータ、携帯電話ディスプレイ、PDA装置、ミュージックまたはビデオ・プレーヤー、自転車搭載ディスプレイ、または任意の他の携帯装置もしくは所望の装置などの、任意の適切なディスプレイ構成またはシステムの一部として提供されうる。
【0079】
図2に示されているディスプレイ200中のグラフを生成するのに必要な物理学的および/または生理学的センサには、(a)距離、時計、および/またはタイミング・センサ;(b)心拍モニタ(心拍対距離データ用);(c)速度および/または距離測定装置(たとえば、加速度計もしくは歩数計ベースまたはGPSベース);ならびに(d)高度情報源(たとえば、GPSベース、気圧センサ・ベース、地形地図データ・ベースなど)が含まれる。いくつかのより具体的な例として、システムは、GPSモニタまたは心拍モニタのみを含むか、あるいは心拍モニタ、加速度計ベースまたはその他の歩数計ベースの速度および距離モニタ、ならびに気圧高度センサの組み合わせを含んでよい。
【0080】
本発明から逸脱せずに、ユーザに所望のデータおよび情報を提供する任意の数の画面またはディスプレイを生成することができる。任意に、図2に示されている例を含む少なくともいくつかの例では、単一の画面が様々なパラメータに関するデータおよび情報を提供する。たとえば、図2のスクリーンショット200は、(a)心拍対距離(または時間)データ(曲線202);(b)パワー対距離(または時間)データ(曲線204);(c)速度対距離(または時間)データ(曲線206);および(d)高度対距離(または時間)データ(曲線208)を同時に表示している。図示の例では、1つの座標軸に沿って距離(または時間)が示されており(水平軸210に沿ったマイル単位)、他の座標軸に沿って他の所望のパラメータのうちの1つまたは複数を示すことができる。
【0081】
任意に、任意の所望のデータ集合またはパラメータの個々のディスプレイを任意の適切な方法でアクティブにおよび/またはインアクティブにさせることができる。たとえば、具体的に図2に示されている時間には、左垂直座標軸212は高度データを示し、右垂直座標軸214は速度データを示している(たとえば、分/マイル、毎時マイル数、毎時キロメートル数など)。表示されるデータは、たとえば、現在アクティブにされていないソフトウェア・ラジオ・ボタン216または218の一方をアクティブにし、それぞれ心拍またはパワーについての座標軸を有効に表示することによって(それぞれ速度および高度についてのラジオ・ボタン220および222は、これらのボタンに対応するY座標軸が有効に表示されていることを示すように図2では破線で示されている)任意の所望の方法で変更することができる。
【0082】
他の考えられる選択肢として、本発明から逸脱せずに、切り替え可能なディスプレイを使用する代わりに、すべてのパラメータ(たとえば、この例では心拍、パワー、速度、および高度)用の軸および/または座標ラベルを常に同時に表示することができる。他の例として、本発明から逸脱せずに、ドロップ・ダウン・メニュー、ツール・バー項目またはメニュー、右マウス・ボタン・クリックなどを使用して、様々な表示されるデータ・セットおよび/または座標軸を切り替えるのを可能にすることができる。本発明から逸脱せずに、他の考えられるデータ、軸、またはパラメータを提供するようにディスプレイ200を切り替える任意の方法を使用することができる。
【0083】
b.地図データを含む二次元ディスプレイ
図3は、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法における運動履行データの処理および/またはディスプレイの他の例を示している。この例において、スクリーンショットまたはディスプレイ300では、運動履行に関するデータの少なくともいくつかが、運動履行が行われた位置に対応する二次元地図データに重ね合わせられる(または他の方法で二次元地図データ上に示される)。もちろん、本発明から逸脱せずに、複数回の運動履行に関するデータを、スクリーンショット300のディスプレイ内に同時に表示するかまたはその他の方法で利用可能にすることができる。
【0084】
図3に示されているディスプレイ00の場合、ディスプレイ300を生成するのに使用されるセンサまたはモニタには、(a)距離、時計、および/またはタイミング・センサ;(b)心拍モニタ(心拍データ用);(c)速度および/または距離測定装置(たとえば、加速度計もしくは歩数計ベースまたはGPSベース);(d)高度情報源(たとえば、GPSベース、気圧センサ・ベース、地形地図データ・ベースなど);ならびに(e)方向情報源(たとえば、コンパス、GPSなど)が含まれる。本発明から逸脱せずに、モニタまたは装置の任意の組み合わせを使用してデータを提供することができる。
【0085】
この例示的なディスプレイ300は、少なくとも3つの一般的な関心対象領域を含んでいる。まず、地図ディスプレイ領域302は、従来の地図に重ね合わせられた(または他の方法で従来の地図上に示された)運動履行時に通過した経路304を表示する。このディスプレイ領域302(またはディスプレイ300上の他の領域)は、実際の現在時間、運動選手が地図上のカーソルまたはアイコン308の位置にいた時間に相当する時間、運動履行の経過時間などのような任意の所望の時間情報を表示する時計またはタイマ306をさらに含んでよい。もちろん、必要に応じて、本発明から逸脱せずに、地図スケール・データ、複数のタイマ306、複数のアイコン(複数回の履行を表す)、複数の経路などのような他の情報を地図ディスプレイ領域302に含めてよい。
【0086】
ディスプレイ300は、履行データ・ディスプレイ領域310をさらに含んでいる。この領域310は、運動履行に関連する様々な生理学的および/または物理学的パラメータに関するデータを同時に表示する「ゲージ型」ディスプレイを含んでいる。たとえば、ディスプレイ領域310は、運動選手の測定された心拍、パワー出力、速度、および方向(または「方位」)に相当する「ゲージ」を表示している。図3には示されていないが、ディスプレイ領域310に示されるゲージは、測定データ情報をユーザに提供する数値マーク(または他の適切なマーク)を含んでよい。もちろん、本発明から逸脱せずに履行データを表示する任意の所望の方法を使用することができる。他の例として、1つまたは複数のスケール、数値ディスプレイ、またはデジタル・ゲージ(たとえば、測定データを含むディスプレイまたはゲージ)をディスプレイ領域310に表示することができ、この場合、ディスプレイ、ゲージなどによって表示されるデータは、ディスプレイ領域302内の、コンピュータのカーソルまたは入力装置の位置で収集されたデータに相当する。さらに他の例として、図3に示されているアナログ・ゲージ・ディスプレイではなく、全時間デジタル・ディスプレイまたはデジタル・ゲージを示すことができる。本発明から逸脱せずに、履行時測定生理学的および/または物理学的データを表示する任意の所望の方法を使用することができる。
【0087】
少なくともいくつかの例および/またはいくつかの動作モードでは、ディスプレイ領域310のゲージを介して表示されるデータは、地図ディスプレイ領域302内のアイコン308の位置で測定されたデータに相当する。アイコン308の位置に厳密に対応する位置についてデータが得られない場合、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、本発明から逸脱せずに任意の適切なまたは所望の方法でこの状況に対処することができる。たとえば、ゲージ・ディスプレイ領域310内の特定のゲージを、空白のままにしておくかまたはデータをまったく表示させないでおくことや、特定のゲージが、最も近い利用可能な位置から得た利用可能なデータを表示することや、最も近い利用可能な位置がアイコン308の位置から所定の時間または距離内に位置する場合に最も近い利用可能な位置から得たデータを表示することなどができる。もちろん、必要に応じて、ユーザによって、たとえば、ラジオ・ボタン、ツールバー・メニュー、ドロップ・ダウン・メニュー、右クリックなどを使用して、様々なゲージまたはディスプレイを選択的にオンまたはオフに切り替えることができる。さらに、必要に応じて、領域310内にパラメータを表示する選択肢をユーザに与えることができる。
【0088】
ディスプレイ300は、履行時の距離(または時間)に対する運動履行に関連するデータを表示する二次元グラフ領域312をさらに含んでいる。任意の測定パラメータまたはパラメータの組を領域312内に表示できるが、図示の例は、経路に沿った距離の関数として表示された高度を示している。任意に、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、様々な異なる利用可能なパラメータを、たとえば、長時間にわたって周期的に切り替えることや、所定のアルゴリズムに基づいて切り替えることや、ユーザ入力に基づいて切り替えることや、瞬間的なユーザの選択に基づいて切り替えさせることなどができる)。地図ディスプレイ領域302内のアイコン308の位置は、バー・アイコン314を使用して二次元グラフ領域312に示されている。ただし、本発明から逸脱せずに任意の所望のマークを使用することができる(またはマークを一切使用しない)。他の例として、二次元ディスプレイ領域312の水平スケール316は、二次元ディスプレイ領域312を横切って水平方向に移動する際にデータが地図領域302内のX座標位置に一致するように、地図領域302のスケールおよび位置に一致することができる(経路304がX座標方向で重なるため(たとえば、経路304はこの例では往復路である)、二次元領域312は、本発明から逸脱せずに、たとえば、様々なグラフ、様々な色、様々なディスプレイ領域312などを介して、運動選手が地図データ上の特定のX座標点を横切った各時間に対応する適切なデータにアクセスすることができる)。
【0089】
他の例示的な特徴として、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、ユーザが経路304に沿った任意の位置にアイコン308を手動で配置するのを可能にし、システムは(a)経路304に沿った時間(たとえば、時計306の時間);(b)経路304に沿った距離(たとえば、バー・アイコン314および水平スケール316を使用する);(c)その位置に関連する物理学的および/または生理学的データ(たとえば、領域310および/または312内)などのような、その位置に関するデータを自動的に表示する。このような例では、カーソルまたはアイコン308が経路304に沿った特定の位置に配置されたときに、様々なデータ・ディスプレイ(たとえば、上記に指摘した時間、距離、物理学的データ、および/または生理学的データ)はその位置の対応するデータに迅速に「移動する」ことができる。他の例として、単にマウス・カーソルまたはその他の入力装置を(たとえば、マウス・ボタンをクリックしてアイコン308を移動させること無く)経路304の一部上に移動させることによって、その位置のデータを少なくとも一時的に表示することができる。
【0090】
さらに他の例示的な特徴として、アイコン308が自動的に移動し経路304を辿るにつれて地図経路304に沿った様々な位置に対応するように運動履行に関するデータをたとえば動画で表示し変更することができる。たとえば、「再生」ボタン318をアクティブにすることを利用してアイコン308を(たとえば、リアルタイム様式、加速度的様式、低速様式、異なる様式の組み合わせなどで)経路304に沿って移動させることができ、一方、履行時に実際に測定されたデータは、表示され、アイコン308の位置が変化すると共に変化する。実際には、地図領域302上のアイコン308は「仮想ランナー」になる。さらに、二次元ディスプレイ領域312内のアイコン・バー314を使用してこのディスプレイ領域312上に仮想ランナーの進度を示すことができる(たとえば、図示の例では高度グラフに沿ってアイコン・バー314を移動させることによって)。
【0091】
もちろん、当業者には、本発明から逸脱せずに、表示される特定の情報、そのディスプレイ形式またはフォーマットなどに多数の変形および変更を施せることが理解されよう。
【0092】
c.経路およびその他の履行データを有する三次元ディスプレイ
図4は、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法における運動履行データの処理および/または表示の他の例を示している。この例では、スクリーンショットまたはディスプレイ400は、経路402に沿った高度変化を少なくとも概略的に示す経路402の三次元地形ディスプレイを介して提供される少なくとも相対高度情報を有する経路402のグラフィカル表現を示している。図4に示されているディスプレイ400のようなディスプレイを組み立てるための生データを提供するために、運動履行監視システムは、運動選手の絶対位置および高度対時間(または距離)に関する定期的(かつ頻繁)なデータを、たとえばGPSモニタまたはその他の適切なシステムを介して、監視しおよび/または提供する。少なくともいくつかの例では、経路402に沿った位置に対応する地形データと共に得られる経路の交差を得ることにより(たとえば、地形地図データ、高度センサ、GPSデータなどから)、図4のディスプレイ400に示されている経路402の三次元ビューをコンピュータ・システムによって「組み立てる」かまたは決定することができる。
【0093】
図4に示されているような三次元経路ディスプレイ400は、単に概略的な経路および地形データを提供することに限定されない。その代わり、運動履行に関する追加的な情報を地形または三次元経路402に組み込むことができる。本発明から逸脱せずに、上述の測定された時間、距離、物理学的および/または生理学的データのような、測定された運動履行データのいずれかをディスプレイ400に含めることができる。より具体的な一例として、三次元経路402をディスプレイ示400内で色分けするか、網掛けするか、またはその他の方法でマーク付けし、運動履行時の経路402にわたる測定パラメータの変化を示すことができる。図4は、ディスプレイ400上の経路402によって表される運動履行に関連する4つの利用可能な測定パラメータを示している。具体的には、ソフトウェア・ラジオ・ボタン404、406、408、および410は、ユーザが、経路402上に表示される色分けデータをディスプレイに利用可能な様々な測定パラメータ間で切り替える(たとえば、図示の例では高度、心拍、速度、およびケイデンス間で切り替える)のを可能にするように設けられている。様々なデータ・セットを選択することによって(ラジオ・ボタン404、406、408、または410の1つをアクティブにすることによって)、経路402の色(またはその他の特性)を、その位置での運動履行に関する測定パラメータまたはその他のデータ(その他のデータが得られる場合)に対応するように変更することができる。たとえば、ユーザが心拍ラジオ・ボタン406をクリックする場合、キー406aに基づいて経路402の頂面の色(またはその他の特性)が変化し、その特定の位置で測定された運動選手の心拍を示す。たとえば、経路402の表面は、運動履行時に運動選手の心拍が毎分170回(「bpm」)を超えたときには黄色であり、心拍が150〜170 bpmの範囲であるときには赤色であり、心拍が120〜150 bpmの範囲であるときには緑色であり、心拍が120 bpmより少ないときには青色であり、これらの標準は、キー406aでユーザに与えることができる(他のキー404a、408a、および410aは他の表示可能なパラメータ用に設けられている)。他のラジオ・ボタン404、408、または410を選択すると、必要に応じて、経路の色がその測定パラメータのデータに対応するように自動的に変更される。
【0094】
必要に応じて、経路402に沿ってアイコン412を設けることができ、運動履行に関するデータ、たとえば、測定された時間、距離、物理学的および/または生理学的データを、上記に図3に関連して説明したように(たとえば、「再生」ボタン414をアクティブにすることなどによって)「動画」様式で再生することができる。
【0095】
当業者には、本発明から逸脱せずにこの種のディスプレイ400の多数の変形が可能であることが認識されよう。たとえば、本発明から逸脱せずに、ドロップ・ダウン・メニュー、その他のメニュー、ツール・バー項目、右マウス・ボタン・クリックを使用することのような、様々なパラメータのディスプレイを切り替える他の方法を使用することができる。他の任意の例として、必要に応じて、経路402上に同時に複数のパラメータを表示することができる(たとえば、経路に沿って複数の垂直レイヤを色分けすることや、他のアナログまたはデジタル・ゲージを設けることなどによって)。他の例として、ディスプレイ400は、表示されるパラメータを周期的および/または自動的に切り替えるようにセットアップすることができる。本発明から逸脱せずに、多数の他のディスプレイ代替物または選択肢が利用可能である。
【0096】
d.経路およびその他の運動履行データを有する地形地図ディスプレイ
図5は、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法における運動履行データの処理および/またはディスプレイの他の例を示している。この例は、少なくともいくつかの点で、図3および4に示されているディスプレイの概念的な組み合わせを含み、運動選手の経路の三次元高度モデルまたは表現を実現する。より具体的には、図5のスクリーンショットまたはディスプレイ500は、三次元または地形地図502を背景として示し、運動履行時(または複数回の履行時)に使用された経路504は、運動履行時に収集されたデータから(たとえば、GPSによって収集されたデータから)得た地図データに重ね合わせられる。
【0097】
ディスプレイ500は、履行データ・ディスプレイ領域506をさらに含んでいる。この領域506は、上記に図3に関連して説明した領域310と同様に、運動履行に関連する様々な測定された生理学的および/または物理学的パラメータを同時に表示する「ゲージ型」ディスプレイを含んでよい。たとえば、ディスプレイ領域506は、運動選手の測定された心拍、パワー出力、速度、および高度に対応する「ゲージ」を表示する。このディスプレイ領域506は、たとえば、上記に図3に関連して説明した領域310に示される形式、フォーマット、および/または情報のように、様々な異なる形式およびフォーマットをとり、かつ様々な異なる情報を示すことができる。
【0098】
同様に、上記に図3に関連して説明したように、図5のディスプレイ領域506を使用して、経路504に沿って設けられたアイコン508の位置での運動履行に関連するデータを表示することができる。経路504に沿ったアイコン508の位置は、本発明から逸脱せずに任意の所望の方法で変更することができ、たとえばディスプレイ領域506内に表示されるデータは、経路504に沿ったアイコン508の位置でまたはその位置の近くで測定されたデータに対応する。例として、図3に関連して詳しく説明したように、ユーザが、アイコン508を経路504に沿った場所に選択的に配置すること(たとえば、マウスまたはその他の入力装置を使用して)、「動画」手順を使用してアイコン508を経路504に沿って自動的に移動させること(たとえば、再生ボタン510をアクティブにすることによって)などができる。
【0099】
図5のディスプレイ500は、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法(上述および後述の様々なディスプレイ、システム、および/または方法のいずれかを含む)に含めることのできるいくつかの他の特徴を示している。具体的には、この例示的なディスプレイ500は、ディスプレイ、システム、および/または方法に関連する様々な機能に容易にアクセスできるようにするツール・バー領域512を含んでいる。例として、ツール・バー領域512は、従来の地図および/または三次元コンピュータ援用設計(「CAD」)アプリケーション・プログラムを備えるツールに対応する様々な特徴を実現することができる。より具体的な例として、表示される地図形式およびフォーマットは、ユーザによりツール・バー領域512におけるスケーリング・ツール、ズーミング・ツール、スピニング・ツール、および回転ツールを使用することによって操作することができる。このような機能は従来、たとえば地図およびCAD技術分野で利用可能である。
【0100】
もちろん、本発明から逸脱せずにディスプレイ500に任意の所望のデータおよび/または情報を含めることができる。図示の例では、ディスプレイ500を生成するのに必要なセンサおよび/またはモニタには、心拍モニタ(心拍対時間、距離、または位置データ用);位置測定装置(たとえば、GPS、加速度計、またはその他の歩数計ベースのシステム);および高度情報源(たとえば、GPS、気圧センサ、地形地図データなど)が含まれる。GPSデータを使用するより具体的な一例として、運動履行についてのGPS経路点のダウンロード時に、従来のデータ源および/または商業的なデータ源を含む、CD、ハード・ディスク、またはインタネット(またはその他のネットワーク)のような任意の適切な地図データ源から、経路504の領域を対象とする関連する地形地図データを、任意にある他のデータ(たとえば、経路504の周囲0.5マイル)と共に、さらにダウンロードするように構成することができる。運動履行の全体が、測定されたGPS座標によって定められるので、本発明の実施例によるシステムおよび方法は、関連する地図領域データを見つけ、および/またはダウンロードすることができる。
【0101】
さらに、地形地図データを使用して地形の三次元モデルを組み立てることができる。次に、この地形上の経路504は地図上に可視色で重ね合わせられる。さらに、必要に応じて、図4に関連して示されているように、経路504の表面上に複数の色を使用して、特定の速度ゾーン、心拍ゾーン、強度レベル、パワー・レベルのような、経路504に沿った位置に関連する様々な時間、距離、物理学的および/または生理学的パラメータを示すことができる。
【0102】
必要に応じて、本発明から逸脱せずに、地図表現500に追加または代替データを含めることができる。たとえば、他の地図データ源(たとえば、テクスチャ・マップ)、衛星写真、スポーツ特有の写真または画像などのような任意の所望のデータ源から得られる特定の運動競技または履行に特有の情報を、地図データ上に含めることもできる。より具体的な例として、長距離レースまたは競技(マラソン、自転車レース、トライアスロン、ロード・ラリーなどのような)の場合、レースまたはその他の競技に関連するデータ、たとえば救護所、スタート/ゴール・ライン、および/またはその他の情報も経路地図領域502に含まれるように、レース固有の地図を使用して地図領域502の少なくとも一部を示すことができる。
【0103】
もちろん、図5のディスプレイ500(ならびに上述および後述の様々な他の例示的なディスプレイ)は、パーソナル・コンピュータ上で使用するのに利用可能なものに限定する必要はない。このようなディスプレイは、本発明から逸脱せずに、携帯電話、PDA、オーディオまたはビデオ・プレーヤー、自転車搭載ディスプレイ、その他の携帯装置上などのように、任意の適切なまたは所望の位置にならびに/あるいは任意の適切なまたは所望の装置の一部として実現することができる。必要に応じて、競技固有の地図データを含む、上述の種類の地図データは、競技中に使用できるように、運動競技の前および/または運動競技中に運動選手に提供することができる(たとえば、運動選手が使用している携帯装置にダウンロードすることや、競技中に衛星または他の接続を介して受信することなどができる)。
【0104】
e.競技再生
図6は、本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法における運動履行データの処理および/またはディスプレイの他の例を示している。この例示的なシステムおよび方法は、動画競技「再生」特性を有する、すでに記録されている1回または複数回の運動履行のディスプレイ600上での視覚化を含む。本発明から逸脱せずに、地図データ、地形地図データなどのような任意の背景を設けることができるが、図示の例では、背景602は、履行に関与する実際の地形の動画ビューを示している。例として、競技再生モードでは、ユーザは、再生速度を選択し、「再生」ボタン604を押し、次に「仮想」運動選手606を見て、地図602上の背景地形上に競技を再生することができる。再生中に、仮想運動選手606が走行する経路に沿った位置での運動履行に関連する様々な測定された時間、距離、物理学的および/または生理学的パラメータの瞬間値を示すインジケータ608(たとえば、図3および5に示されているインジケータまたはその他の所望のインジケータのような)を使用することができる。
【0105】
図示のディスプレイ600は、同じ(またはほぼ同じ)コースまたは経路上の2人の仮想運動選手606および610を示している。第2の仮想運動選手610は、同じ個体を表し、同じ(または同様に配置された)経路上の2回の異なる履行に関連するデータに対応するものであってよい。他の代替物として、第2の仮想運動選手610は、第1の仮想運動選手606とは異なる個体を表すものであってよく、2つの表示される競技は、単一の競技における2人の運動選手の接戦、またはずらした時間もしくは別の点で異なる時間における同じコース上の運動選手の個々の成果を表すものであってよい。経路に沿った位置での第2の仮想運動選手610の運動履行に関連する様々な測定された時間、距離、物理学的および/または生理学的パラメータの瞬間値を表示する第2のインジケータ・ディスプレイ領域612を設けてもよい。もちろん、本発明から逸脱せずに任意のデータ源から2回の運動履行についてのデータを得ることができる。さらに、ユーザが各仮想運動選手606および610の動きを独立に動画化する(たとえば、図示の例における「再生」ボタン604および614を別個にアクティブにするかまたは他の適切な処置をとることによって)か、または仮想運動選手606および610を同時にアクティブにし(たとえば、図示の例における「すべて再生」ボタン616をアクティブにするかまたは他の適切な処置をとることによって)、互いに仮想「レース」を行わせることができる。
【0106】
図6に示されている特定の例では、キー領域618は、表示されている履行を識別する。図示の例では、キー領域618は、ディスプレイ600が、同じ経路またはコースを2度完走した個々の運動選手から得たデータを含むことを示している。図示の例では、2回の運動履行は約1年間隔があいている。本発明のこの例によるシステムおよび方法を使用すると、両方の履行を単一の地形地図上で同時に(または並べてもしくは連続的に(任意に段階的に))再生することができる。このように、ユーザ(たとえば、運動選手、コーチ、および/またはトレーナー)は、仮想「レース」または履行が進行すると共に各履行の進行および物理的パラメータを並べてみることができる。このような比較データは、運動選手の状態が経時的にどのように変化したかについての貴重な情報を提供し、運動選手が彼/彼女の目標に到達するのを助けるのにどんな変更が必要であるかを判定するのを助けることができる。他の例として、ユーザは、このディスプレイを使用して同じコース上での彼/彼女の履行をプロ選手などの他の履行と比較し、自分がプロ選手またはその他の運動選手と比べてどの程度であるかを推定することができる。
【0107】
もちろん、必要に応じて、本発明から逸脱せずに個々のディスプレイ600に2人よりも多くの仮想運動選手を設けることができる。さらに、本発明から逸脱せずに、図2〜5に関連して論じた様々な具体的な例を含むが、それらに限定されるわけではない時間、距離、物理学的および/または生理学的データを、ユーザに提供および/または表示する任意の方法を提供することができる。さらに、必要に応じて、2回よりも多くの独立した運動履行に関するデータを同時に表示する能力を上述の様々なシステムおよび方法のいずれかに適用することができる。
【0108】
この場合も、上述のディスプレイ機能および選択肢は、履行後分析のみに限定されるわけでない。本発明による少なくともいくつかの例示的なシステムおよび方法では、運動履行時にこの種の動画を再生する(たとえば、リアルタイムで)携帯装置は、競技に参加する運動選手に有用である場合がある。たとえば、自転車選手はコーチまたはトレーナーと一緒にレースの作戦(ペース、力の出し具合など)を立てる。このようなプランまたは作戦は、同じ経路上での運動選手(または他の人)の過去の履行に基づくものであってよい。競技中にこの情報を使用する場合、自転車選手は、自分のハンドルバーに取り付けられた「PDA型」装置を有し、自分のプランまたは目標を実現するために行くべき前方の地形を確認し、自分を「理想的な」または「モデル」履行と比較し、優れた運動選手の履行と比較することなどができる。このようなシステムおよび方法は、たとえば、システムおよび方法が無線データを受信できる場合(たとえば、セル・リンク、衛星リンクなど)、1人または複数の競争相手の位置を確認することもできる。このように、運動選手は、この装置を使用してレース全体および/または他の競争者のうちの1人もしくは複数に対する自分の位置を監視しアクセスすることができる。この種の装置を有する無線リンクは、競技中に運動選手のコーチまたはトレーナー、第三者(たとえば、メディア)などにデータ(時間、距離、位置、物理学的パラメータ、生理学的パラメータなど)を提供することもできる。
【0109】
f.「フライバイ」動画
本発明によるいくつかの例示的なシステムおよび方法に含まれる他の局面には「フライバイ」動画が含まれる。このようなシステムおよび方法は、三次元地図または地形データを含むディスプレイのような、上述の種類のデータ・ディスプレイを利用することができる。上記に図6に関連して説明した本発明の例では、ユーザのために競技または運動履行を再生したが、これらのシステムおよび方法では、ユーザの視点が固定され静止していた。本発明の本局面および例による「フライバイ」動画は、ユーザが自分の視点を移動させ(たとえば、カメラからのビュー)、ユーザが選択した方法で再生される履行の後を追うのを可能にする。
【0110】
少なくともいくつかの例では、この概念は、ユーザの視点が、運動履行再生中にコンピュータ・ディスプレイ上の仮想運動選手の後を追うことを含む。この効果は、運動履行時にヘリコプターで運動選手の後を追うことと同様であるとみなされる。ユーザは、視覚化についての視点カメラ・アングルおよび「地形」上の「高さ」を選択することができる。たとえば、ユーザは、100フィート・フライバイ、500フィート・フライバイ、1000フィート・フライバイなどをシミュレートすることができる。必要に応じて、少なくともいくつかのシステムおよび方法では、仮想ランナー無しで同じフライバイ・シミュレーションを実行することができ、たとえば、運動選手、運動選手のコーチ、および/またはトレーナーが、運動選手用のプランまたは作戦を立てるためにコースの動画表示を見るのが可能になる。
【0111】
現在、ある地形上でのシミュレートされた飛行を行うのを可能にする「フライバイ」ソフトウェアの「フリーウェア」バージョンが公知であり利用可能である。本発明の少なくともいくつかの実施例では、任意に履行に関するタイミング、距離、物理学的および/または生理学的データをさらに含む運動履行の表示を、フライバイに含めることも可能にする。さらに、1人(または複数)の仮想運動選手の後を追いおよび/または追跡するように移動するようにフライバイ表示を調節することができる。必要に応じて、数人の異なる運動選手または同じコース上での異なる時間における同じ運動選手に対応するデータをフライバイ中の同じ時間に再生することができる(たとえば、上記に図6に関連して説明したように)。たとえば、5人の運動選手が、上述のように、ずれた時間にスタートする長距離レース(たとえば、マラソン、自転車レース、スキー・レースなど)を、GPS搭載ハードウェア、物理学的および/または生理学的センサを使用して競ったと仮定する。競技後に(または個々の段階間に)、運動選手の履行に関するデータを、アプリケーション・ソフトウェアを有するホスト・コンピュータにダウンロードすることができる。次に、5人の運動選手全員がレース・コースの同じ仮想地形/地形地図上で、同じスタート時間などで競う状態で、レースまたは段階を再現することができる。データを複数の速度で再生し、複数のカメラ・アングルまたはフライバイ視点から見ることができる。比較のためにシミュレーション中に各運動選手ごとに瞬間心拍データ、速度などを画面上に表示することができる。
【0112】
加えてまたは代わりに、競技の前に、スポーツ競技の「フライバイ」ビデオ(たとえば、マラソン・コース、ゴルフ・コース、自転車レース・コース、トライアスロン・コースなど)を生成し、運動選手またはチームが利用できるようにすることができる。ユーザは、このような「フライバイ」ビデオを使用して、レース全体の地形表現にわたって仮想運動選手の後を追うことができる。ビデオ上の地形表現上に給水場、丘陵、救護所などを視覚化することができる。運動選手、トレーナー、および/または運動選手のコーチが競技用のプランまたは作戦を立てる際の助けとしてこの情報を使用することができる。同様に、携帯装置を使用してレース中にこの情報を再生し、たとえば、接近している地形、ランドマーク、および/またはその他の情報を運動選手に知らせることができる。
【0113】
6.GPS援用ペース調整およびフィードバック
本発明による少なくともいくつかのシステムおよび方法に含まれる他の局面は、運動競技または履行の前および/またはその間にGPSデータを使用してペース調整を助けることに関する。現在、運動選手、運動選手のコーチ、および/または運動選手のトレーナーは、レースまたは経路の標的スプリット・タイム(たとえば、ランドマーク、ベンチマーク、特定の距離などまでの時間)を手動で決定することができ、このようなスプリット・タイムは、経路上の特定の地形を考慮に入れるように調整することができる。たとえば、マラソンを始める前に、所定の標的ゴール時間を定めることができ、次に、上り坂および/または下り坂の地形変化、レース中の時間などについて調整された各マイル・スプリット・タイムを与えるレース・プランを立てることができる。通常、このようなスプリット・タイムは、レース中に運動選手の手首に着用されるブレスレット上に印刷される。
【0114】
本発明の様々な局面は、この公知の技術を改善することができる。たとえば、本発明の実施例による運動履行監視システムおよび方法におけるGPSモニタを使用して任意の経路を走行した(またはその他の方法で通過した)(あるいは他の方法で、たとえば様々なデータ源、様々なセンサから経路に関するデータを得た)後、運動選手、トレーナー、またはコーチはそのデータをコンピュータ(またはその他の処理装置)と一緒に使用して経路の自分自身の仮想バージョンを生成し、および/またはこのデータを使用してこの経路についての調整されたレース・プランを立てることができる。たとえば、システムおよび方法に必要な経路データを提供した(たとえば、本発明による運動履行監視システムのGPSシステムおよび/またはその他の部分を使用してコースを走行するかまたはその他の方法で移動することによって)後、追跡点をコンピュータにダウンロードすることができる。次に、同じ経路についての標的完了時間を供給した後、ソフトウェアは、任意に、経路全体にわたる標高変化、卓越風向、風速、および/またはコースのある部分の、別の部分に対する難度に影響を与える可能性のある他の因子を考慮して、各マイルおよび/またはその他のセグメント距離についての経路に応じて調整されたスプリット・タイムを提供する。このようなシステムおよび方法は、救護所、中間地点、橋梁などのような特定のコース・ランドマークに到達する標的スプリット・タイムを算出することもできる。任意に、このようなシステムおよび方法をレースが始まる直前に動作させて、レース時の地元の条件(たとえば、風速、方向など)を組み込むのを可能にすることができる。本発明から逸脱せずに、任意の所望のアルゴリズムを使用して標的全体時間から適切なスプリット・タイムを判定することができる。
【0115】
本発明によるシステムおよび方法の少なくともいくつかの例では、たとえば、競技中の過去の履行に基づいて、更新されたスプリット・タイムを競技中に運動選手に知らせることができる。このような更新されたスプリット・タイムは、過去の履行に基づき、すべての連続するスプリット・タイム目標が満たされると仮定して、運動選手が彼/彼女の事前に設定されたタイミング目標を満たすのを可能にするように調整することができる。
【0116】
時計、警報器、PDA、ミュージックまたはビデオ・プレーヤーなどのような、競技中に運動選手によって保持されるかまたは運動選手が携帯する携帯装置に、スプリット・タイム情報(および/または任意に経路に関する任意の他の所望の情報など)をダウンロードすることができる。この携帯装置は、無線リンク、無線データ・リンク、有線データ・リンク、携帯電話リンク、衛星リンクなどのような、任意の所望の手段を介してまたは任意の所望の方法でスプリット・タイムおよび/またはその他のデータを備えることができる。本発明のこの局面をGPSデータの受信と組み合わせて利用することができるが、GPSデータの受信は、本発明のこの局面のすべての例の要件であるわけではない。たとえば、大衆的な競技(たとえば、マラソンまたはその他のレース)について、GPSデータを使用せずに、標的ラップ・タイムまたはスプリット・タイムをインタネットまたはその他のデータ源から携帯装置にダウンロードすることができる。
【0117】
本発明から逸脱せずに本発明のこれらの実施例および局面に対する多数の変形が可能である。
【0118】
7.ランニング「パワー」パラメータ
本発明の他の局面は、ランニングに関連する「パワー」パラメータの判定、使用、およびディスプレイに関する。自転車レースおよび様々な他の形態の運動では、運動選手の消費されるパワーの量対時間を測定する装置が利用可能である。自転車レースでは、このパラメータは、自転車タイヤ転がり抵抗、風圧抵抗、高度に対する移動質量、回転構成部材および非回転構成要素についての慣性の変化などに打ち勝つために自転車選手が消費するパワーに相当するかまたはこのパワーに関する。たとえばペダル、クランク、またはチェーンによって、自転車選手によって消費されるパワーに関する情報を得るいくつかの好都合な方法があるため、自転車選手についてこのパラメータを測定するのは比較的容易である。靴に伝達されるパワーを正確に測定するのが困難であるため、ランニングには同等の「パワー」測定パラメータはない。
【0119】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるシステムおよび方法は、ランニング「パワー」の新しい導出値または推定値を使用することができ、たとえば、競技中に運動選手によって保持されるGPS、圧力センサ、および/またはその他のセンサから生成された速度および高度変化データを使用する(たとえば、加速度計データの積分などを行う)ことができる。たとえば、上記のデータを得れば、抗力(たとえば、速度、体重、サイズ、風速、および/または方向(任意に風の影響を無視する)から)ならびに慣性(速度変化および質量による)を厳密に近似することができるため、ランニング「パワー」パラメータを求めることができる。この新しいパワー・パラメータを、履行時の運動出力の尺度を示すものとして、心拍と同様に、有用なトレーニング測定基準として使用することができる。ランニング・パワーは、手首または他の携帯ディスプレイ上に表示し、運動前もしくは運動後にパーソナル・コンピュータ上に表示し、および/または任意の他の所望の装置上に表示することができる。
【0120】
8.例示的なハードウェア
当業者には理解されるように、本発明の局面は、固体回路などの電子回路を使用して実施することができる。しかし、本発明の様々な例および局面は、プログラム可能なコンピューティング装置によって実行されるソフトウェア・プログラム・モジュールなどのコンピュータ実行可能命令を使用して実現することができる。本発明のこれらの実施例および局面をソフトウェアを使用して実現できるため、本発明のこのような実施例および局面を使用できる代表的なプログラム可能なコンピュータ・システムの構成要素および動作について説明する。特に、プログラム可能なコンピュータの構成要素および動作について、図7を参照して説明する。しかし、この動作環境は、適切な動作環境の一例に過ぎず、本発明の使用範囲または機能に関する制限を示すものではない。
【0121】
図7では、コンピュータ・システム700は、集積回路上で実現される1つまたは複数のマイクロプロセッサのようなプログラム可能なプロセッサ・システム702を有している。コンピュータ・システム700は、複数の入力装置704および/または出力装置706、ならびにメモリ708も有してよい。入力装置704および出力装置706は、当技術分野で公知の従来の装置を含む、それぞれ入力データを受信し出力データを供給するあらゆる装置を含んでよい。いくつかのより具体的な例として、入力装置704は、たとえば、ユーザもしくはその他のデータ源から入力を受信するキーボード、マイクロフォン、スキャナ、ネットワーク接続、ディスク・ドライブ、および/またはポインティング装置を含んでよい。適切な出力装置706の例には、たとえば、ディスプレイ・モニタ、スピーカ、プリンタ、感触フィードバック装置、ネットワーク接続、およびディスク・ドライブを含んでよい。これらの装置およびシステム、ならびにその接続は、当技術分野で公知であり、本明細書では詳しく論じない。
【0122】
メモリ708は、プロセッサ・システム702によって直接的または間接的にアクセスできるコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを使用して実現することができる。コンピュータ可読媒体には、たとえば、読み取り−書き込みメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消却・プログラム可能型読み取り専用メモリ(EEPROM)、またはフラッシュメモリ集積回路装置、CD-ROMディスク、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、もしくはその他の光学記憶装置を含めてよい。コンピュータ可読媒体には、磁気カセット、磁気テープ、磁気テープ、もしくはその他の磁気記憶装置、穿孔媒体、ホログラフィック記憶装置、または所望の情報を記憶するのに使用できる任意のその他の媒体を含めてよい。
【0123】
本発明の少なくともいくつかの実施例では、コンピュータ・システム700は、他のコンピュータとデータを交換する1つまたは複数のインタフェース装置710も含んでよい。インタフェース装置710は、たとえば、モデム、有線ネットワーク・カード、無線ネットワーク・カード、および/または1つまたは複数のリモート・コンピュータと通信するための任意のその他の適切な装置を含んでよい。プロセッサ・システム702、入力装置704、出力装置706、メモリ708、およびユーザ・インタフェース装置710はそれぞれ、従来どおり、当技術分野で公知のように、データ・バスを使用して相互接続することができる。当業者には理解されるように、データ・バスは、当技術分野で公知の従来の構造を含む、任意の種類の適切なバス構造を使用して実現することができる。
【0124】
D.結論
本発明を、本発明を実施する現在好ましい形態を含む具体的な例に関して説明したが、当業者には、上述のシステムおよび方法の多数の変形および変更が存在することが理解される。したがって、本発明の要旨および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されているように広義に解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
運動選手による履行に関する物理学的データを測定する第1の運動履行モニタと、
全地球測位衛星受信機を介して得られるデータに基づいて第1の運動履行モニタ用の較正データを生成する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項2】
第1の運動履行モニタは、運動選手が移動した距離に関するデータを提供する、請求項1記載の運動履行監視システム。
【請求項3】
第1の運動履行モニタは、運動選手の移動速度に関するデータを提供する、請求項1記載の運動履行監視システム。
【請求項4】
較正データを生成する手段は、様々な運動履行条件の下で使用するための複数の補正係数を生成する、請求項1記載の運動履行監視システム。
【請求項5】
一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
運動選手が移動した速度または距離の少なくとも一方に関するデータを提供する第1の運動履行モニタと、
運動選手が移動する方向に関するデータを提供する第2の運動履行モニタと、
全地球測位衛星受信が利用可能でない場合に第1の運動履行モニタおよび第2の運動履行モニタを介して収集されるデータを記憶する、運動選手による履行に関するデータを記憶する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項6】
運動履行が行われているときの運動選手の位置における高度に関するデータを得る高度測定システムと、
運動選手が移動した速度または距離の少なくとも一方に関するデータを提供する第1の運動履行モニタと、
運動選手による履行に関する生理学的データに関するデータを提供する第2の運動履行モニタと、
高度測定システム、第1の運動履行モニタ、および第2の運動履行モニタを介して収集される少なくともいくつかのデータを記憶する、運動選手による履行に関するデータを記憶する手段と、
高度測定システム、第1の運動履行モニタ、および第2の運動履行モニタを介して収集される少なくともいくつかのデータを時間相関的に表示する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項7】
一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
運動履行時に運動選手が移動した速度または距離の少なくとも一方に関するデータを提供する第1の運動履行モニタと、
全地球測位衛星受信機および第1の運動履行モニタを介して収集される運動履行に関するデータを記憶する手段と、
第一の運動履行モニタを介して収集されるデータを使用し、全地球測位衛星受信機を介して収集されるデータを使用せずに、履行時に運動履行に関連する情報を表示する手段と、
少なくとも全地球測位衛星受信機を介して収集されるデータを使用する、履行がもはや行われていない場合に運動履行に関連する情報を分析して表示する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項8】
運動履行時に遭遇する一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
運動履行時に全地球測位衛星受信機を介して得られるデータに基づいて、運動履行時に通過する経路が以前の運動履行時に通過した経路に対応するものであるかを判定する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項9】
全地球測位衛星受信機を介して収集される少なくともいくつかのデータを、運動履行時に通過する経路に沿った運動選手の位置と相関付ける手段をさらに含む、請求項8記載の運動履行監視システム。
【請求項10】
運動履行時に遭遇する一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
経路長、経路上の標高変化、経路の高度、運動履行時の温度、運動履行時の湿度、運動履行時の風速、および運動履行時の風向きのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、運動履行時に使用される経路に経路難度レーティングを割り当てる手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項11】
経路難度レーティングを割り当てる手段は、経路に関連するデータと、1回もしくは複数回の以前の運動履行時に運動選手によって選択される1つまたは複数の他の経路に関連するデータとの比較に少なくとも部分的に基づいて、経路に経路難度レーティングを割り当てる、請求項10記載の運動履行監視システム。
【請求項12】
運動履行時に遭遇する一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
複数回の運動履行時に運動選手によって使用された1つまたは複数の経路に関連するデータを記憶する手段と、
少なくとも部分的に、新しい経路の位置に関連するデータを、複数回の運動履行のうちの少なくともいくつかで運動選手によって使用された経路に関連する記憶されているデータと比較することによって、新しい経路を決定する、今後の運動履行用の新しい経路を提案する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項13】
記憶されているデータは、複数回の運動履行時に使用された経路の長さ、複数回の運動履行時に使用された経路上の標高変化、複数回の運動履行時に使用された経路の高度、複数回の運動履行時の温度、複数回の運動履行時の湿度、複数回の運動履行時の風速、および複数回の運動履行時の風向きに少なくとも部分的に関する、請求項12記載の運動履行監視システム。
【請求項14】
運動履行時に遭遇する一連のタイム・スタンプ付き位置点に関するデータを得る全地球測位衛星受信機と、
運動履行時に、全地球測位衛星受信機を介して得られるデータに少なくとも部分的に基づいてオーディオ装置を制御する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項15】
オーディオ装置を制御する手段は、全地球測位衛星受信機を介して得られるデータを使用して判定される接近経路条件に基づいて、オーディオ装置によって再生される内容の少なくとも1つの特徴を調整する、請求項14記載の運動履行監視システム。
【請求項16】
オーディオ装置を制御する手段は、全地球測位衛星受信機を介して得られるデータが運動選手が所定のペースに遅れていることを示す場合に、オーディオ装置によって再生される内容の少なくとも1つの特徴を調整する、請求項14記載の運動履行監視システム。
【請求項17】
オーディオ装置を制御する手段は、全地球測位衛星受信機を介して判定される運動選手が接近する位置に基づいて、オーディオ装置によって再生される内容の少なくとも1つの特徴を調整する、請求項14記載の運動履行監視システム。
【請求項18】
運動履行に関する入力データを受信する手段と、
表示される情報が、運動履行の少なくとも1つの物理学的特性を、運動履行時に使用される経路に沿った時間、距離、または位置と相関付け、かつ運動履行の少なくとも1つの生理学的特性を、運動履行時に使用される経路に沿った時間、距離、または位置と相関付ける、運動履行に関する情報を表示する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項19】
入力データが経路の実際のビューまたは動画ビューを生成するための情報を含む、運動競技時に使用される経路に関する入力データを受信する手段と、
運動競技時に運動履行に関する入力データを受信する手段と、
運動競技の経路にわたる運動競技時の運動履行のデータ再生を提供するために、経路に関する入力データおよび運動履行に関する入力データからの情報を同時に表示する手段とを含む、
運動履行監視システム。
【請求項20】
入力データが、経路に関する距離および経路難度データを少なくとも含む、運動競技時に使用される経路に関する入力データを受信する手段と、
運動競技の全体または一部についての標的時間またはタイミング目標に関する入力データを受信する手段と、
時間目標が満たされる場合にユーザが運動競技についての入力された標的時間またはタイミング目標を満たすように、経路に関する入力データおよび標的時間またはタイミング目標に関する入力データを使用して経路に沿ったまたは経路の部分についての複数の時間目標を算出する手段とを含む、
運動履行監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−99673(P2013−99673A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−43901(P2013−43901)
【出願日】平成25年3月6日(2013.3.6)
【分割の表示】特願2009−261457(P2009−261457)の分割
【原出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)