説明

運動疲労状態を評価する方法及び評価用キット、並びに物質が有する運動疲労予防回復効果を評価する方法

【課題】運動負荷による疲労状態を客観的かつ高精度に評価する方法を提供する。
【解決手段】被験者の運動疲労状態を評価する方法であって、運動疲労に比例して相対発現頻度が変動する、前記被験者の末梢血中の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、前記解析した結果に基づき、前記被験者における運動疲労状態を評価する工程と、を有する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の運動疲労状態を評価する方法、並びにこの評価方法を利用することによって被験物質が有する運動疲労の予防・回復効果を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、適度な運動は良好な身体状態を維持したり、健康増進に有効であるが、元来、運動は身体に対するストレス刺激であるため、過度な運動は逆に身体に負の効果(感染症、運動障害、うつ症状、慢性疲労等)をもたらす。
【0003】
例えば、過度な運動により引き起こされる負の効果として特に重要なものとして、感染症に繋がる免疫機能の低下が挙げられる。現在までに、運動負荷前後において免疫機能が変動することについて多くの症例や研究が報告されている。このような報告においては、各種免疫担当細胞の数を測定したり、免疫担当細胞の活性を測定したりして免疫機能を評価しているが、このような従来の評価方法では、その再現性も乏しく、データが安定しないといった状況がしばしば見受けられる。
【0004】
また、免疫担当細胞の数や活性の測定以外にも、運動負荷前後において変動するバイオマーカーを測定する方法などいくつかの方法が提案されているが、これら限られた因子のみを測定するだけでは運動負荷時の複雑な反応を総合的に評価することは困難であり、運動負荷または、運動負荷による疲労状態の客観的評価方法は未だ確立されているとは言えない。
【0005】
そのため、運動負荷時の免疫機能についてより正確な評価を可能にするために、運動負荷時の免疫担当細胞の状態をより正確に捉えることができる方法や、従来の評価方法に変わる、あるいはこれらに付加情報を与える新規マーカーの確立が求められている。
【0006】
一方で、このような要望に応え得る手法として分子生物学的情報の利用が注目されている。近年の分子生物学的情報生成技術の発達により、特に医療分野において、生体サンプル中の特定のRNA分子の存在頻度(遺伝子発現情報)とその生体の状態との関連が明らかになりつつある。
【0007】
このような、医療処置を補助する情報としてRNA等の転写産物頻度を利用する医療行為では以下のような諸段階を経て医療が行われている。具体的には、まず癌やリウマチといった目的の疾患を特定し、その目的の疾患に罹患した患者および罹患していない健常者を募り、その患者および健常者の了解の下で血液等の生体サンプルを収集する。その後、当該患者の疾患の状態の情報とともに当該生体サンプルから取得した遺伝子発現情報を解析する。そして、その疾患の状態に相関のある転写産物を特定することによって、目的の疾患の分析を可能としている。このような検査方法の例としては以下のような文献が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−253258号公報
【0009】
ところで、この分子生物学的情報の利用対象は、疾患という特殊な生理的状態変化に限られず、年齢、性別、身体的特徴といった個人の特性や特徴、住所や住環境、職業や就労状況といった境遇や環境などの、生理的状態に変化又は影響を与える要因の効果(強度)にも、共通する遺伝子発現パターンが存在することは周知である。また、本発明者等は、運動疲労、労働疲労、特定の食品や栄養素の摂食、食習慣、生活習慣といった要因の効果においても、共通する遺伝子発現パターンが存在することを確認している。
【0010】
こうした個人の生理的状態変化や、生理的状態に変化又は影響を与える要因の効果を反映する遺伝子発現情報を利用可能とすることは、従来、定量的な指標のない、あるいは、客観的判断が困難な生理的状態変化を可視的に明らかにすることを可能とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、運動負荷による疲労状態を客観的かつ高精度に評価する方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明はまた、上記評価方法を利用することにより、食品や飲料等の被験物質が有する運動疲労予防回復効果を評価する方法を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、上記評価方法に使用するための固相化試料を提供することも目的とする。この固相化試料は、本発明に係る方法において利用される遺伝子に特異的にハイブリダイズし、当該遺伝子を検出するためのプローブを適当な固相上に固定して作製される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、被験者における運動負荷による疲労状態を客観的に評価するために、検体として容易に得られ、且つ生理的状態を変化させる要因に関連する因子又はその受容体の多くを発現する末梢血に着目した。そして、本発明者らは、末梢血中で発現する遺伝子群の解析の中で、数万に上る遺伝子のmRNAの発現を網羅的に解析することで、運動疲労に比例して発現頻度が変化する遺伝子に関する新たな知見を得、さらに鋭意研究・実験を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、運動疲労に比例して相対発現頻度が変動する末梢血中の遺伝子である後述の表4に列記される遺伝子群が、当該遺伝子を有する被験者の運動疲労状態を評価するために用いることが可能であること、並びに、上記遺伝子群の相対発現頻度が当該対象者において特定の食品等(被験物質)の摂取前後において変化することを利用して、当該食品等の疲労予防回復効果を評価することができることを見出した。
【0016】
具体的には、本発明の第一の主要な観点によれば、被験者の運動疲労状態を評価する方法であって、運動疲労に比例して相対発現頻度が変動する、前記被験者の末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、前記解析した結果に基づき、前記被験者における運動疲労状態を評価する工程と、を有することを特徴とする、方法が提供される。
【0017】
このような構成によれば、被験者に特別な負荷を与えることなく、採血するだけで、当該被験者の運動疲労状態を評価することが可能となる。また、このような構成によれば、非侵襲的且つ簡便に被験者の運動疲労状態を評価することができる。
【0018】
また本発明に係る方法は、個人の健康管理上、運動負荷の客観的かつ簡便な評価方法として利用できる。さらに、本発明は予防医学的見地から、国民の健康の向上に大きく寄与するものである。また、本発明に係る方法は、運動による疲労状態を軽減するクールダウン法の開発、サプリメントの開発などスポーツを取り巻くビジネスに大きく貢献することができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態によれば、このような方法において、前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、運動負荷前後における相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行われるものである。
【0020】
この場合、前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、運動負荷のかかる前、運動負荷中、運動負荷を停止後予め設定された所定時間以内、この所定時間の経過後、若しくはこれらの組み合わせ、における相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行われるものであることが好ましい。なお、前記予め設定された所定時間は、運動の種類によって変化するものである。
【0021】
また、本発明のさらに他の一実施形態によれば、このような方法において、前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、運動負荷前、運動負荷を開始してから4時間後、運動負荷を停止してから4時間後、運動負荷を停止してから20時間後、若しくはこれらの組み合わせにおける相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行われるものである。
【0022】
さらに、本発明の別の一実施形態によれば、このような方法において、前記測定する工程は、前記被験者に対して、前記被験者における運動疲労を軽減若しくは回復させる処理をする前及び処理をした後における相対発現頻度を測定するものである。
【0023】
また、本発明の第二の主要な観点によれば、被験物質が有する運動疲労を予防又は回復する効果を評価する方法であって、前記被験物質を摂取させた対象動物から採取した末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、前記解析した結果に基づき、前記被験物質が有する前記対象動物における運動疲労を予防又は回復する効果を評価する工程と、を有することを特徴とする、方法が提供される。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、このような方法において、前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、前記被験物質を摂取する前の対象動物から採取した末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度に基づいて生成される遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析するものである。
【0025】
本発明の他の一実施形態によれば、このような方法において、前記遺伝子発現頻度プロファイルは、運動負荷のかかる前、運動負荷中、運動負荷を停止後予め設定された所定時間以内、この所定時間の経過後、若しくはこれらの組み合わせ、における相対発現頻度に基づいて生成されるものである。なお、この場合、前記予め設定された所定時間は、運動の種類によって変化するものであることが好ましい。
【0026】
本発明のさらに他の一実施形態によれば、このような方法において、前記遺伝子発現頻度プロファイルは、運動負荷前、運動負荷を開始してから4時間後、運動負荷を停止してから4時間後、運動負荷を停止してから20時間後、若しくはこれらの組み合わせにおける相対発現頻度に基づいて生成されるものである。
【0027】
本発明の別の一実施形態によれば、このような方法において、前記被験物質は、食品であることが好ましい。
【0028】
また、本発明の第三の主要な観点によれば、上述の被験者の運動疲労状態を評価する方法に用いられるアレイであって、表2から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子をコードする少なくとも一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブが、固体支持体上の各々異なる位置に固定してなることを特徴とするアレイが提供される。
【0029】
なお、上記した以外の本発明の特徴及び顕著な作用・効果は、次の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る運動疲労状態を評価する方法に用いられる全遺伝子の発現量の変動パターンを示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る運動疲労状態を評価する方法に用いられる選択された遺伝子の発現量の変動パターンを示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の一実施形態において、抗疲労飲料摂取前後における疲労状態を反映する遺伝子マーカーの変動を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本願発明に係る一実施形態および実施例を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る被験者の運動疲労状態を評価する方法は、上述したように、運動疲労に比例して相対発現頻度が変動する、前記被験者の末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、前記解析した結果に基づき、前記被験者における運動疲労状態を評価する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0032】
【表4】



【0033】
ここで、本発明の一実施形態において、上記各遺伝子は、運動疲労に比例して発現量が変化するものであり、後述する実施例に記載するように、運動疲労状態を特に反映しているものである。なお、本願明細書において「遺伝子マーカー」とは、「遺伝子」とほぼ同意に用いられるものであり、ある対象物の状態又は作用の評価の指標となるものであって、ここではある遺伝子の発現量と相関するときの遺伝子関連物質をいう。例えば、遺伝子それ自体、転写物であるmRNA、翻訳物であるペプチド、遺伝子発現の最終産物であるタンパク質などが含まれる。また、遺伝子の「相対発現頻度」とは、当該遺伝子の発現量を標準化したものを意味するものであり、当該遺伝子の転写レベル(転写物などの場合)または翻訳レベルにおける発現量(ポリペプチド、タンパク質などの場合)をも包含して意味するものである。
【0034】
また、本実施形態において、「運動疲労」とは、主に身体に筋肉運動が負荷されることによって発生するものであり、局所的又は全身的な筋肉の疲労をいう。また、本実施形態における「運動疲労」には、一時的又は慢性的な筋肉の疲労も含まれる。例えば、「運動疲労」は、ランニング、ジョギング、サイクリング等を含む各種運動によって発生し、いわゆる「運動」によって発生する筋肉の疲労が含まれる。
【0035】
本実施形態において、運動疲労状態の評価は、被験者の相対発現頻度と、各種運動疲労状態におけるサンプル群の予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルとを比較解析することによって行うことができる。或いは、運動疲労状態の評価は、同一被験者の平常時における遺伝子発現頻度プロファイルと運動疲労負荷時(運動負荷中及び運動負荷後を含む)における遺伝子発現頻度プロファイルとを比較解析することにより、当該被験者の運動疲労状態を評価するものであってもよい。この場合、上記各種運動疲労状態におけるサンプル群は、性別、年齢、運動の種類、運動の時間(休息時間を含む)等の要素によって分類してサンプリングしたものであることが好ましい。なお、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルは、蓄積サンプル数が多ければ多いほど好ましく、本発明に係る評価方法の精度も高くなる。また、本願発明においては、このような蓄積サンプルに係るデータや予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを、任意のデータベースに格納できる構成を取り得る。すなわち、本願発明は、このようなデータを格納するデータベースと、当該データ及び比較解析に必要なプログラム等を読み出して実行する解析装置をも提供することができる。このような解析装置によれば、当該データベースから蓄積データを取り出し、測定された被験者のデータと比較するだけで、被験者の運動疲労状態をいつでも簡便に評価することができる。
【0036】
なお、本実施形態において、被験者の相対発現頻度の解析は、測定した相対発現頻度を、運動負荷前後における相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行うことができるが、運動負荷前後には、運動負荷前、運動負荷中、運動負荷後がふくまれるものとする。さらに、本実施形態において、被験者の相対発現頻度の解析は、被験者の相対発現頻度を、運動負荷前、運動負荷中、運動停止直後(運動負荷を停止後予め設定された所定時間以内)、運動負荷後(前記予め設定された所定時間の経過後)、若しくはこれらの組み合わせ、における相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行うことが好ましい。なお、この場合、前記予め設定された所定時間は、運動の種類、運動の強度、運動を行う主体の性別、年齢、等の要素によって変化するものであることが好ましい。従って、運動停止直後とは、運動の種類等の要素によって、運動を停止してから30分以内、20分以内、10分以内、5分以内等のように変化するものであり、運動停止後とは、それぞれ、運動を停止してから30分後、20分後、10分後、5分後等のように変化する。このように設定することで、運動の種類等の要素が変化しても、その運動によってもたらされる運動疲労状態の変化を正確に評価することができる。
【0037】
また、本実施形態において、本発明に係る運動疲労状態の評価は、被験者の平常時の相対発現頻度を、当該被験者に対して運動疲労を軽減若しくは回復させる処理をした後における相対発現頻度と比較分析することによっても行うことができる。ここで、運動疲労を軽減若しくは回復させる処理には、食品の摂取、運動疲労を軽減等させる器具又は装置の使用、クールダウン等の疲労回復法の処理が含まれるが、これらに限られるものではない。
【0038】
例えば、本実施形態において、各種運動疲労状態におけるサンプル群の遺伝子発現頻度プロファイルは、運動負荷前、運動負荷を開始してから4時間後、運動負荷を停止してから4時間後、運動負荷を停止してから20時間後の時間における表4の遺伝子群の発現量を測定することによって作成されることができる。また、これらの遺伝子発現頻度プロファイルは、性別や年齢等の各種要素を組み合わせて分類することもできる。そして、本実施形態に係る運動疲労状態の評価は、被験者の相対発現頻度を、上述のような遺伝子発現頻度プロファイルと比較解析することによって行われる。なお、本実施形態において、遺伝子発現頻度プロファイルの作成等、本発明に係る運動疲労状態を評価する方法において用いられる遺伝子群は、好ましくは表4に記載される遺伝子群であるが、表2に記載される遺伝子群も同様に用いることができる。
【0039】
ここで、本実施形態において、データの解析手法としてはクラスタ解析や各種アルゴリズム等の分子生物学又はバイオインフォマティクス等の分野で用いられる任意の解析手段を用いることができる。また、本実施形態においては、後述するように、表2の遺伝子群を、K−meansクラスタリングの結果や日内変動遺伝子の除去等に基づいて結果的に7つのクラスタに分類しているが、当該表2の遺伝子群の分類はこのような手法に限られるものではなく、任意の分類手法によって分類することができる。
【0040】
また、本実施形態において、被験物質が有する運動疲労を予防若しくは回復する効果を評価する方法は、上述したように、前記被験物質を摂取させた対象動物から採取した末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、前記解析した結果に基づき、前記被験物質が有する前記対象動物における運動疲労回復効果を評価する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0041】
ここで、本実施形態に係る被験物質とは、対象動物が摂取し得る物質であり、飲食物や各種サプリメント、栄養補助剤等の食品が含まれる。例えば、前記食品としては、エネルギー源、ビタミン、アミノ酸、抗酸化剤、ペプチド、タンパク質、ミネラル、及び脂質から成る群から選択される少なくとも1以上の食品成分を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、対象動物としては、本実施形態に係る運動疲労回復効果を評価する方法を実行し得る動物であれば問題ないが、好ましくはヒトである。
【0042】
また、本実施形態において、運動疲労状態を評価する方法において使用されるアレイは、表2から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子をコードする少なくとも一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブが、固体支持体上の各々異なる位置に固定してなるものである。本実施形態に係るアレイにおいて、固体支持体上に固定されるプローブは、好ましくは表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子をコードする少なくとも一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするものであるが、他の実施形態においては、表2から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子をコードする少なくとも一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするものであっても良い。
【0043】
なお、上記アレイは、必要であればPCR用のプレートで代用することができ、この場合、前記プローブは、プレート上のウェルの各々異なる位置に配置している構成になっている。
【実施例】
【0044】
以下に、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(マーカー遺伝子の探索・選定方法)
以下に、本発明のマーカー遺伝子の探索・選定方法について説明する。
【0045】
発明者らは、健常被験者5名を対象にし、運動疲労前後の末梢血細胞由来RNAをサンプルとして、DNAマイクロアレイを用いて発現解析を行った。DNAマイクロアレイとは、ガラス等の支持基体上に多数の遺伝子に相当する塩基配列を有するDNA断片を固定化したものであり、ハイブリダイゼーションにより、サンプル中のDNAあるいはRNAを検出するものである。解析は遺伝子の網羅的な発現解析が可能であれば、上記DNAマイクロアレイに代えて、他のDNA固相化試料(DNAチップ、キャピラリー、メンブレンフィルター等)や定量法を利用してもよい。試験系の詳細を以下に示す。
【0046】
試験の内容を説明し、文書にて同意を得た成人男性健常者5名を被験者とした。被験者それぞれに対して、自転車エルゴメーターを用いた最大酸素消費量の80%の強度の運動を与え、その前後4ポイント(運動負荷前(0hr)、運動負荷直後(4hr)、運動負荷後4時間(8hr)、運動負荷後20時間(24hr))にて採血を行った。
【0047】
上記被験者の年齢、身体情報を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
対象被験者血液からのRNAの抽出はPAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて行った。各被験者血液から抽出したRNAの品質をバイオアナライザー2100(アジレント社製)を用いて調べ、分解が無いことを確認した。次に、各RNA250ngからアジレント社製Low RNA Input Linear Amp Kit PLUS, One−Colorを用いて、in vitro転写反応によりcRNAを増幅、同時に蛍光標識(Cy3標識)した。続いて、アジレント社製Whole Human Genome Microarray 4×44kに対して、蛍光標識されたcRNAを65℃にて17時間ハイブリさせた。アジレント社製Gene Expression Wash Bufferにて洗浄後、Agilent Scanner(アジレント社製)により蛍光画像を読み取り、さらに、アジレント社製画像数値化ソフトFeature Extractionを用いて蛍光画像における各スポットのシグナル強度の数値化を行った。
【0050】
数値化後のデータのノーマライゼーション処理はアジレント社製マイクロアレイ解析ソフトGeneSpring GX10を用いて行った。まず、解析に用いるマイクロアレイ間でシグナル分布が同一になるようにQuantile Normalizationを行い、マイクロアレイ間の補正をした。さらに各遺伝子にて、各被験者の運動負荷前値が「1」になるように遺伝子間の補正を行った。
【0051】
マイクロアレイに搭載されている全41000プローブの中からシグナル強度の信頼性の高いプローブを選別するため、5被験者4タイムポイントの計20の全マイクロアレイにてシグナルが有効(アジレント社製マイクロアレイ解析ソフトGeneSpring GX10にて判定される)と判定されたプローブを抽出した。結果、23167プローブが抽出され、以降これらプローブを対象とし、解析を進めた。
【0052】
運動負荷で変動する遺伝子は、K−meansクラスタリング法を用いて負荷前後の変動パターン別に抽出した。解析は統計解析ソフトRを用いて行った。各プローブに各被験者ユニークな情報を付加し、23167×5プローブとし、これらプローブに各被験者4ポイントの時系列データを付与し、K−meansクラスタリング法によりプローブの分類を行った。K−meansクラスタリング法で分類する最適クラスタ数は、Davies−Bouldin Validity Indexを用いて決定した。第一段階でのクラスタリングで3クラスタに分類、さらにこれらそれぞれのクラスタに含まれる遺伝子群を対象とする第二段階クラスタリングで、それぞれ2,5,4のクラスタに分類し、結果計11クラスタとなった。
【0053】
各プローブの被験者間の再現性は、各クラスタに所属する同一プローブ数にて評価した。5被験者中4被験者以上で同一クラスタに所属する3478プローブを良再現性遺伝子として抽出した。
【0054】
血中ホルモン、血糖、血圧をはじめとする臨床検査マーカーは日内変動することが知られており、末梢血に存在する細胞も当然、これらの変動を受けて、あるいは自らその日内周期を刻んでいる可能性がある。よって本発明者らは、上記方法で抽出したプローブには、加齢とは関係なく日内周期で変動する遺伝子が含まれている可能性があり、それらは解析のノイズになりうると考えた。
【0055】
日内変動する遺伝子群を同定するため、以下に示す新たな試験を行った。試験参加の同意を得た10名の被験者より9:00、13:00、17:00の3ポイントで採血し、上記と同様の方法でマイクロアレイデータを取得、シグナル値の補正を行った。GeneSpring GX10を用いて、9;00−13:00−17:00の3グループ間でRepeated ANOVA解析を行い、日内変動する遺伝子を抽出した。(抽出基準:Benjamini Hochberg FDR<0.05)2段階K−means法により分類した11クラスタに所属する良再現性遺伝子3478個からこれら日内変動遺伝子を除去すると、7クラスタ1411プローブが残存した。抽出したプローブの変動パターンとその所属プローブ数を図1に、プローブのアノテーションリストを表2に示す。
【0056】
【表2】


























【0057】
これら遺伝子クラスタの機能的特徴について解析すべく、遺伝子オントロジー解析、パスウェイ解析などを試みたが、統計的に明確な意義付けはできなかった。そこで我々は、本解析が全血由来RNAを対象としていることに焦点を当て、各種血液細胞の特徴を表す遺伝子群とこれら分類されたCluster遺伝子群が対応づくのではないかと考え、以下に示す検討を行った。NCBI GEO血液細胞マイクロアレイデータセット(GSE3982)と自社で取得した多核球−単核球マイクロアレイデータを用いて、各種血液細胞特異的発現遺伝子セットを抽出した。さらに、抽出した各種細胞特異的遺伝子セットと運動負荷により変動する各クラスタ所属遺伝子との一致度を統計的に評価した。その結果を表3に示す。Cluster1、2に関しては多核球マーカー、好中球マーカー、Cluster4に関しては単核球マーカー、NK細胞マーカーの集積が有意であった。Cluster5に関しては、単核球マーカー、T細胞マーカーの集積が有意であった。Cluster3に関しては多核球マーカー、Cluster6に関しては単核球マーカーの集積が有意であったが、詳細な細胞の種類については明確な結果が得られなかった。Cluster7に関しては、有意な細胞マーカーは存在しなかった。これら結果より、抽出した遺伝子クラスタは、それぞれ全血中の各種細胞群の特徴を示すものと示唆された。
【0058】
【表3】

【0059】
発明者らは、これらK‐meansクラスタリング法で抽出したマーカー遺伝子群から、特に変動が著しく、被験者間でその変動が安定しているものを抽出すべく、これら遺伝子に対し統計的検定を適用した。なおこの際、変動の少ない遺伝子群であるCluster7に関しては解析から除外した。タイムポイントグループ間でのrepeated ANOVA解析によるp値が0.001未満のプローブを抽出し、各クラスタ別にそのp値が小さいものから順に20遺伝子ずつをマーカー遺伝子として選定した。結果、これらマーカー遺伝子の変動パターンとその所属プローブ数を図2に、プローブのアノテーションリストを表4に示す。
【0060】
【表4】



【0061】
運動負荷による疲労状態を客観的に評価するシステムが存在しないため、抗疲労効果に関して信頼できるデータのないまま市販化されている食品、飲料、サプリメントが少なくない。我々は抽出した遺伝子マーカーを用いて食品摂取がもたらす抗疲労効果を評価できるのではないかと考え、以下に示すような試験を行った。
【0062】
試験参加の同意を得た成人健常被験者3名に、抗疲労効果を有する成分としてエビデンスが蓄積しつつあるイミダゾールジペプチドを含む飲料を4週間摂取させた。飲料摂取の前後で上記試験のような最大酸素消費量の80%の負荷の自転車運動負荷を与え、運動負荷前(0hr)、運動負荷直後(4hr)、運動負荷後4時間(8hr)、運動負荷後20時間(24hr))にて採血を行い、上記と同様の方法でマイクロアレイデータを取得、シグナル値の補正を行った。上記のように抽出した運動負荷による疲労状態を反映する遺伝子マーカーの、飲料摂取前、摂取時の変動パターンを図3に示す。被験者1に関しては、Cluster3では飲料摂取前に比べて摂取後で変動が抑制されたが、Cluster1、5,6にて変動が若干大きくなる傾向が認められ、飲料の摂取効果がないことが示唆された。また、被験者2に関しては、運動負荷後4時間で飲料摂取前に比べ摂取後に変動が抑制される傾向に、被験者3に関しては、運動負荷直後、負荷4時間後、負荷20時間後のいずれにおいても、摂取前に比べ摂取後に変動が抑制される傾向にあり、これら被験者では一部飲料の摂取効果があるものと考えられた。以上の結果は、抽出したマーカー遺伝子を用いて抗疲労食品の摂取効果を評価できる可能性を示唆するものであった。
【0063】
発明者らは、運動負荷による疲労状態を反映する遺伝子マーカーのうち特に変動の大きい一部の遺伝子について、リアルタイムPCR法によりその再現性を確認した。補正用のコントロール遺伝子としては、マイクロアレイ解析で運動前後に安定したシグナル値を有していたJTB遺伝子を用いた。マイクロアレイ解析とリアルタイムPCR結果の相関を表5に示す。検討遺伝子の再現性はいずれも極めて高く、抽出した遺伝子マーカーの信頼性を保証する結果が得られた。
【0064】
【表5】





【0065】
(実験手法)
以下に、本願発明に係る一実施形態に係る遺伝子マーカーの効果を証明するために使用した実験手法および物質並びにその定義を説明する。なお、本実施形態において、以下の実験手法を用いているが、これら以外の実験手法を用いても、同様の結果を得ることができる。
(遺伝子マーカーの定量)
また、本実施形態において、遺伝子マーカーが遺伝子または遺伝子の転写物(mRNA)である場合、遺伝子マーカーの発現量の測定(定量)は、例えば、DNAチップ、マイクロアレイ法、リアルタイムPCR、ノーザンブロット法、ドットブロット法、定量的RT−PCR(quantitative reverse transcription−polymerase chain reaction)法等の種々の分子生物学的手法によってmRNA量を測定することにより行うことができる。
【0066】
定量的RT−PCR法に用いるプライマーとしては、遺伝子マーカーを特異的に検出することができるものであれば特に制限されるものではないが、12〜26塩基からなるオリゴヌクレオチドが好ましい。その塩基配列は、ヒトの各遺伝子の配列情報に基づいて決定する。そして、決定した配列を有するプライマーを、例えば、DNA合成機を用いて作製することができる。
【0067】
一方、遺伝子マーカーが遺伝子の翻訳物(ポリペプチド)又は最終産物(タンパク質)である場合、例えば、遺伝子マーカーに対して特異的なポリクローナル抗体、モノクローナル抗体等を用いたウエスタンブロット法やELISA法などによって遺伝子マーカーの発現量の測定を行うことができるが、これらの方法に限定されるものではなく、RIA(radioimmunoassay、放射免疫測定法)、EIA(enzyme immunoassay、酵素免疫法)等、様々な手法を用いることができる。
【0068】
「遺伝子」には、RNAやDNAなどの塩基配列によって示される遺伝情報をいうものである。ヒト、マウス、ラットなどの生物種間で保存されるオーソログ遺伝子なども含まれる。遺伝子は、タンパク質をコードするものだけでなく、RNAやDNAとして機能するものであってもよい。遺伝子は、その塩基配列にしたがうタンパク質をコードするのが一般的であるが、当該タンパク質と生物学的機能が同等であるタンパク質(たとえば同族体(ホモログやスプライスバリアントなど)や変異体や誘導体)をコードするものであってもよい。たとえば、遺伝情報による塩基配列によって示されるタンパク質とはわずかに塩基配列が異なるタンパク質であって、その塩基配列が遺伝子情報による塩基配列の相補配列とハイブリダイズするようなタンパク質をコードするような遺伝子であってもよい。
【0069】
「RNA」とは、1本鎖RNAだけでなく、これに相補的な配列を有する1本鎖RNAやこれらから構成される2本差RNAを含む概念である。また、totalRNA、mRNA、rRNAを含む概念である。
【0070】
「DNAチップ」「DNAアレイ」とは、プローブDNAを基板上に配した構造を有し、ハイブリダイゼーションにより、複数の遺伝子の発現を測定するものである。光学的に発現量を計測するためのものだけでなく、電気的に発現量を出力するものも含む。「DNAチップ」としては、たとえば、アフィメトリクス社のGeneChip(商標)を用いることができる。「DNAアレイ」としては、アマシャムバイオサイエンス社のCodeLink Expression Bioarray(商標)を用いることができる。なお、DNAアレイには、DNAマイクロアレイだけでなくDNAマクロアレイも含む。
【0071】
「発現量」とは、遺伝子の発現量を直接的に測定した値だけでなく、所定の計算や統計学的手法によって変換された値も含む概念である。また、「遺伝子発現量」や「発現シグナル」、「遺伝子発現シグナル」、「発現シグナル値」、「遺伝子発現シグナル値」、「遺伝子発現データ」、「発現データ」等も個々の遺伝子の発現を反映する値を指すものとして同義である。
【0072】
「遺伝子発現」とは遺伝子の発現量により表現される生体の遺伝子発現の態様を指し、1個の遺伝子の発現量により表される場合及び複数の遺伝子の発現量により表される場合のいずれもが含まれる。また、「発現」も生体の遺伝子発現の態様を指すものとして同義である。
【0073】
その他、本発明は、さまざまに変形可能であることは言うまでもなく、上述した一実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の運動疲労状態を評価する方法であって、
運動疲労に比例して相対発現頻度が変動する、前記被験者の末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、
前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、
前記解析した結果に基づき、前記被験者における運動疲労状態を評価する工程と、
を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、運動負荷前後における相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行われるものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、運動負荷のかかる前、運動負荷中、運動負荷を停止後予め設定された所定時間以内、この所定時間の経過後、若しくはこれらの組み合わせ、における相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行われるものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、
前記予め設定された所定時間は、運動の種類によって変化するものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項2記載の方法において、
前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、運動負荷前、運動負荷を開始してから4時間後、運動負荷を停止してから4時間後、運動負荷を停止してから20時間後、若しくはこれらの組み合わせにおける相対発現頻度に基づいて作成される遺伝子発現頻度プロファイルと比較することによって行われるものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記測定する工程は、前記被験者に対して、前記被験者における運動疲労を軽減若しくは回復させる処理をする前及び処理をした後における相対発現頻度を測定するものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項7】
被験物質が有する運動疲労を予防又は回復する効果を評価する方法であって、
前記被験物質を摂取させた対象動物から採取した末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度を測定する工程と、
前記測定した相対発現頻度を、予め用意された遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析する工程と、
前記解析した結果に基づき、前記被験物質が有する前記対象動物における運動疲労を予防又は回復する効果を評価する工程と、
を有することを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記解析する工程は、前記測定した相対発現頻度を、前記被験物質を摂取する前の対象動物から採取した末梢血中の表4から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子の相対発現頻度に基づいて生成される遺伝子発現頻度プロファイルを用いて解析するものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、
前記遺伝子発現頻度プロファイルは、運動負荷のかかる前、運動負荷中、運動負荷を停止後予め設定された所定時間以内、この所定時間の経過後、若しくはこれらの組み合わせ、における相対発現頻度に基づいて生成されるものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、
前記予め設定された所定時間は、運動の種類によって変化するものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項7記載の方法において、
前記遺伝子発現頻度プロファイルは、運動負荷前、運動負荷を開始してから4時間後、運動負荷を停止してから4時間後、運動負荷を停止してから20時間後、若しくはこれらの組み合わせにおける相対発現頻度に基づいて生成されるものである
ことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項7記載の方法において、
前記被験物質は、食品である
ことを特徴とする、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法に用いられるアレイであって、
表2から選択される1若しくはそれ以上の遺伝子をコードする少なくとも一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブが、固体支持体上の各々異なる位置に固定してなることを特徴とするアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−125326(P2011−125326A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122001(P2010−122001)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年11月27日 インターネットアドレス「http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6WBK−4XT3HJM−B&_user=10&_coverDate=01%2F01%2F2010&_rdoc=1&_fmt=high&_orig=search&_sort=d&_docanchor=&view=c&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=fc25ec5809c4c585a72d40dd9f7cab15」に発表
【出願人】(501002172)株式会社DNAチップ研究所 (33)
【出願人】(303030922)株式会社総医研ホールディングス (12)
【Fターム(参考)】