説明

運動競技設備

【課題】 楽しみながら運動能力を測ることができ、競技者の運動能力に対応することができ、さらに設置場所の状況に応じて、安価にかつ短期間で施工することのできる運動競技用の設備を提供する。
【解決手段】 この運動競技設備は、運動能力を測る所定のゲームを行い、一定の条件を満たすとクリアとなる関門が、それぞれゲーム内容を異ならせて複数設けられ、各関門を順に挑戦して、最終的にどの関門までクリアできるかを競う運動競技を行うものである。前記ゲームを行うためのゲーム装置と、該ゲーム装置が着脱自在に組付けられる組付け枠組1とを備え、ゲーム装置は関門ごとのユニット2〜9に分割され、また組付け枠組1は関門ごとにゲーム装置の組付け箇所が設けられ、各ユニット2〜9を組付け枠組1の任意の関門に組付け可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レジャーとして楽しむことができるとともに、併せて運動能力も測ることができる運動競技用の設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりフィールドアスレチックは、丸太、鉄棒、縄梯子等の簡単な設備を用いて、山野を駆け巡ったり、岩を攀じ登ったりする擬似体験を行う体験スポーツ型レジャー施設として設置され、楽しみながら総合的な運動能力の向上が図れ、また冒険意欲を満たすことができることから人気がある。このフィールドアスレチックをより高度化したものとして、使用される設備を難易度の高いものとし、それに運動能力に優れた出演者が挑戦するという形態の運動競技が、テレビ番組の企画で行われている。
【0003】
また、総合運動能力をゲーム感覚で測定することを目的とした装置が特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開平10−99550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記テレビ番組を見て、自分もやってみたいと思う人が多くいると思われる。しかしながら、同テレビ番組で使用されているのと同様の設備は、一般に開放されているものとしては存在しないため、テレビ番組のものと同じ運動競技を行おうとすれば、自分で実際に設備を造らなければならない。これは現実的にはかなり難しい。したがって、既設のフィールドアスレチックや総合レジャー施設等にある類似の設備を使用することとなる。
【0005】
実際に存在する上記類似の設備は、前記テレビ番組で使用されているものとは、内容、規模等で大きく異なっており、この運動競技への参加に意欲的な人にとっては到底満足できるものではなかった。また、これらの類似の設備は、多くの場合、一定状態に固定して据え付けられたものであり、難易度の変更ができず、個々の参加者の運動能力に対応することができなかった。
【0006】
また、特許文献1に記載の装置は、格闘能力、打撃力、反射神経等の運動能力を個々に測定するものであり、実際に身体全体を使った総合的な運動能力を試すものではない。このため、レジャー的な冒険や挑戦という要素に乏しく、やはり上記運動競技への参加に意欲的な人を満足させるものではない。
【0007】
そこで本発明は、本来からあるレジャー施設の一環として楽しむことができるほか、各利用者の運動能力も測ることができ、競技者の運動能力に対応することができるとともに、さらに設置場所の状況に応じて、安価にかつ短期間で施工することのできる運動競技用の設備を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に対して、本発明は次の構成とした。すなわち、本発明にかかる運動競技設備は、運動能力を測る所定のゲームを行い、一定の条件を満たすとクリアとなる関門が、それぞれゲーム内容を異ならせて複数設けられ、各関門を順に挑戦して、最終的にどの関門までクリアできるかを競う運動競技を行う設備であって、前記ゲームを行うためのゲーム装置と、該ゲーム装置が着脱自在に組付けられる組付け枠組とを備え、ゲーム装置は関門ごとのユニットに分割され、また組付け枠組は関門ごとにゲーム装置の組付け箇所が設けられ、各ユニットを組付け枠組の任意の関門に組付け可能としたことを特徴としている。
【0009】
この構成の運動競技設備によれば、組付け枠組にゲーム装置を着脱自在に組付けられるため、ゲーム内容やゲームの難易度が異なる複数種のゲーム装置を適宜付け替えることにより、ゲーム内容やゲームの難易度を容易に変更することができる。また、ゲーム装置は関門ごとのユニットに分割され、各ユニットを組付け枠組における任意の関門の組付け箇所に組付け可能であるため、運動競技設備全体のコースレイアウトを変更することができる。さらに、組付け枠組とゲーム装置とが別体となっているため、施工が容易であり、安価にかつ短期間で施工することができる。
【0010】
この発明の運動競技設備において、第1関門のゲームを開始してから、指定された関門をクリアするまでの時間、および最終関門をクリアするまでの時間のいずれか、または両方に制限時間を設定し、制限時間内に関門をクリアできない場合に競技終了を報知する報知手段を設けた場合には、運動競技を行う上での緊張感を高めることができ、運動競技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
上記のように本発明にかかる運動競技設備は、楽しみながら運動能力を測ることができる運動競技設備であり、前記ゲームを行うためのゲーム装置と、該ゲーム装置が着脱自在に組付けられる組付け枠組とを備え、ゲーム装置は関門ごとのユニットに分割され、また組付け枠組は関門ごとにゲーム装置の組付け箇所が設けられ、各ユニットを組付け枠組の任意の関門に組付け可能とすることにより、ゲーム内容やゲームの難易度を容易に変更して、競技者の運動能力に対応することができ、また設置場所の条件等に合わせて、運動競技設備全体のコースレイアウトを自在に変更することができ、しかも安価にかつ短期間で施工することのできるものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に表された実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は本発明の実施例の全体斜視図である。この運動競技設備は、鋼管を組み合わせて構成された組付け枠組1と、該組付け枠組に設けた複数の組付け箇所1aにそれぞれ着脱自在に組み付けられる複数のゲーム装置ユニット2〜9とからなる。この実施例の場合、縦4列、横2列の計8箇所の組付け箇所1aが設けられ、スタート地点Sから一方の縦4列の組付け箇所列Aを一方向に進み、突き当たりでもう一方の縦4列の組付け箇所列Bに移り、その組付け箇所列Bを組付け箇所列Aとは反対方向に進み、ゴール地点Gに至るコースが設定されている。各ゲーム装置ユニット2〜9がそれぞれ関門をなし、全ゲーム装置ユニット2〜9でこの運動競技設備のゲーム装置を構成する。
【0014】
次に、各ゲーム装置ユニット2〜9を、図2〜図9を参照にして個別に説明する。ゲーム装置ユニット2(図2)は、地面(床面)に設置されたブロック2aの角度のついた壁面を順に蹴り進む関門である。地面に足をつけずに通過できればクリアとなる。このゲーム装置ユニット2の場合、ゲーム装置ユニット2としての各ブロック2aは組付け枠組1に直接組付けられていない。
【0015】
ゲーム装置ユニット3(図3)は、進路に立ちはだかる重さの異なる3枚の壁3a,3b,3cを持ち上げ、壁の下をすり抜ける関門である。3枚の壁3a,3b,3cの下をすり抜けることができればクリアとなる。各壁3a,3b,3cはフレーム3dに昇降可能に設けられ、そのフレーム3dの上端四隅を組付け枠組1に固定して組み付けられる。
【0016】
ゲーム装置ユニット4(図4)は、軸回りに回転自在な丸太4aの上を、身体のバランスをとりながら渡る関門である。丸太4aから落下せずに渡ることができればクリアとなる。丸太4aおよび前後の踏み板4b,4cがフレーム4dに設けられ、そのフレーム4dの上端四隅を組付け枠組1に固定して組み付けられる。
【0017】
ゲーム装置ユニット5(図5)は、水平に設けられた複数本のバーで構成されるうんてい5aにぶら下がりながら前進する関門である。うんてい5aから落ちずに通過できればクリアとなる。うんてい5aはフレーム5bと一体に設けられ、そのフレーム5bの上端四隅を組付け枠組1に固定して組み付けられる。
【0018】
ゲーム装置ユニット6(図6)は、進行方向側が上位となる傾斜したレール6aに跨る車輪6bに取り付けたペダル6cを手でつかんでぶら下がり、腕の力でペダル6cを回して前進する関門である。レール6aの上位側端部まで前進できればクリアとなる。レール6aおよび前後の踏み板6d,6eがフレーム6fに設けられ、そのフレーム6fの上端四隅を組付け枠組1に固定して組み付けられる。
【0019】
ゲーム装置ユニット7(図7)は、両サイドの壁7a,7bを頼りに、腕と足の力だけで身体を支えて前に進む関門である。通過できればクリアとなる。壁7a,7bおよび踏み板7cがフレーム7dに設けられ、そのフレーム7dの上端四隅を組付け枠組1に固定して組み付けられる。
【0020】
ゲーム装置ユニット8(図8)は、垂れ下がったロープ8aにしがみつき、前のロープ8aへ順に進む関門である。落下せずに通過できればクリアである。ロープ8aはフレーム8bに設けられ、そのフレーム8bの上端四隅を組付け枠組1に固定して組み付けられる。
【0021】
ゲーム装置ユニット9(図9)は、壁9aから少し突き出たバー9bを頼りに指の力だけで身体を支えて前へ進む関門である。通過できればクリアとなる。このゲーム装置ユニット9は、壁9aが直接、組付け枠組1に組み付けられる。
【0022】
スタート地点Sにはスタートスイッチ10、第4番目の関門であるゲーム装置ユニット5の通過地点Mには中間スイッチ11、ゴール地点Gにはゴールスイッチ12がそれぞれ設けられている。また、各種報知を行うための報知手段13が適所に設けられている。さらに、ゴール地点Gにはジェットスモーク噴射手段14が設けられている。ジェットスモーク噴射手段14は、ドライアイス、液化炭酸ガス等より供給される炭酸ガスを煙状にして噴射するものである。図10に示すように、各スイッチ10,11,12は制御手段15の入力側に接続され、報知手段13およびジェットスモーク噴射手段14は制御手段15の出力側に接続されている。制御手段15の作用については後で説明する。
【0023】
この運動競技設備は、関門ごとのユニットに分割されたゲーム装置ユニット2〜9を、組付け枠組1の任意の組付け箇所1aに着脱自在に組付けることができるので、ゲーム内容およびゲーム難易度の変更や、コースレイアウトの変更が容易であり、競技者としての客を飽きさせず、かつ客の運動能力に合わせてコースを設定することができる。また、組付け枠組とゲーム装置とが別体としたため、施工が容易であり、安価にかつ短期間で施工することができる。
【0024】
この運動競技設備の遊び方を説明する。競技者は、スタート地点Sで待機しておき、自らの判断でスタートスイッチ10を押してスタートする。これにより、制御手段15のタイマー16がスタートする。各関門で前記ゲームを行い、クリアしたなら次の関門へと進む。スタートスイッチ10を押してから、予め定めた所定の中間制限時間内に第4番目の関門をクリアできない場合は、制御手段15からの指令により、報知手段13が失格を知らせる報知を出力する。この報知が出力されれば、競技者は競技を終了しなければならない。
【0025】
このようにして、第4番目の関門をクリアしたなら、中間スイッチ11を押す。これにより、タイマー16の計時が一時的に停止する。この間、競技者は休憩をとることができる。一定時間内の休憩の後、スタート地点Sでのスタート時と同様に、自らの判断で中間スイッチ11を押して、第5番目の関門へと進む。これにより、制御手段15のタイマー16も再スタートする。
【0026】
第5番目以降の関門についても、前記同様、各関門で前記ゲームを行い、クリアしたなら次の関門へと進む。スタートスイッチ10を押してからの積算計時が、予め定めた所定のゴール制限時間を超えると、制御手段15からの指令により、報知手段13が失格を知らせる報知を出力する。この報知が出力されれば、競技者は競技を終了しなければならない。中間スイッチ11を押してからの計時が、予め定めた所定のゴール制限時間を超えた場合に、報知手段13が失格の報知が出力するようにしてもよい。
【0027】
最終関門のゲームを終了して、ゴール制限時間内にゴールスイッチ12を押すと、最終関門をクリアしたとされ、ゴールが認められる。ゴールが認められると、制御手段15からの指令により、ジェットスモーク噴射手段14が出力し、ゴールした競技者に対して祝福のためのジェットスモークが噴射される。報知手段13により効果音や音楽を出力して、演出効果を高めるようにしてもよい。
【0028】
この実施形態の運動競技設備の場合、指定された関門をクリアするまでの時間、および最終関門をクリアするまでの時間に制限時間が設定されているため、運動競技を行う上での緊張感を高めることができ、運動競技の興趣を向上させることができる。また、最終関門をクリアした場合に競技者に対して祝福のジェットスモークが噴射されるようになっているため、最終関門をクリアしたときの達成感がより大きくなり、運動競技の興趣を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記実施例では、縦4列、横2列の計8つの関門を設けたコースレイアウトとしたが、関門の数がこれよりも多くても少なくてもよく、また各関門を一列に配置した構成や鉤形に屈曲させて配置した構成としてもよい。つまり、本発明の運動競技設備は、関門数や関門の配置は自由で、設置場所の状況に合わせて設置できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】運動競技設備の斜視図である。
【図2】第2のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図3】第3のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図4】第4のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図5】第5のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図6】第6のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図7】第7のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図8】第8のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図9】第9のゲーム装置ユニットの斜視図である。
【図10】制御系のブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
1 組立枠組
2〜9 ゲーム装置ユニット
10 スタートスイッチ
11 中間スイッチ
12 ゴールスイッチ
13 報知手段
14 ジェットスモーク噴射手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動能力を測る所定のゲームを行い、一定の条件を満たすとクリアとなる関門が、それぞれゲーム内容を異ならせて複数設けられ、各関門を順に挑戦して、最終的にどの関門までクリアできるかを競う運動競技を行う設備であって、
前記ゲームを行うためのゲーム装置と、該ゲーム装置が着脱自在に組付けられる組付け枠組とを備え、ゲーム装置は関門ごとのユニットに分割され、また組付け枠組は関門ごとにゲーム装置の組付け箇所が設けられ、各ユニットを組付け枠組の任意の関門に組付け可能としたことを特徴とする運動競技設備。
【請求項2】
第1関門のゲームを開始してから、指定された関門をクリアするまでの時間、および最終関門をクリアするまでの時間のいずれか、または両方に制限時間を設定し、制限時間内に関門をクリアできない場合に競技終了を報知する報知手段を設けた請求項1に記載の運動競技設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−202723(P2007−202723A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−23743(P2006−23743)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(505279846)株式会社レジャコン (1)