説明

運動管理装置、運動管理システム、運動管理方法、およびプログラム

【課題】携帯端末の利用主体の運動状態を、より簡易に、且つより正確に求めることができる運動管理装置、運動管理システム、運動管理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】運動管理システム1は、携帯端末100と、運動管理装置200とを備える。携帯端末100は、携帯端末100の位置を特定する位置情報と、携帯端末100に備えられた加速度センサ101によって取得された、携帯端末100の運動情報と、前記位置での気温情報と、を、運動管理装置200の受信部201へ出力する。運動管理装置200の運動推測部207は、前記位置情報および前記運動情報に基づいて、携帯端末100の利用主体が行う運動を推測する。運動管理情報作成部208は、推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する。送信部212は、運動管理情報を、携帯端末100へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の利用主体の運動に関する情報を管理する、運動管理装置、運動管理システム、運動管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)を用いることにより、GPS端末を使用する使用者の行動を推定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、運動施設内にて運動機器を用いない運動を行う領域において、利用者が行う運動の種類を把握できる通信システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の構成では、GPSにより測位した時系列データを地図情報上にプロットする作業が行われる。その結果、道路上をある速度で移動していることが判明すれば、その移動速度に基づき、歩行、ジョギング、又は自転車による移動が行われていると推定される。
【0004】
特許文献2に記載の構成では、運動施設を利用している利用者の氏名、性別、運動時間、運動内容、消費カロリー等の情報が、表示画面に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−53957号公報([0011])
【特許文献2】特開2008−276353号公報([0133])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末を利用する利用者の健康を管理するための健康情報サービスが知られている。健康情報を管理する健康情報管理システムでは、例えば、利用者の健康管理情報として、利用者の運動量および消費カロリーを計算する。これら運動量と消費カロリーの計算を行なう際、従来、ジョギングおよびウォーキング等の運動の種類、運動強度、および運動時間等を事前に手動で入力する必要があり、利用者が煩雑な入力処理を行っていた。
【0007】
これに対し、特許文献1に記載の構成では、GPSにより測位した結果に基づき、利用者がどのような運動をしているかが推定される。よって、利用者は、煩雑な入力処理を行わなくて済む。
【0008】
しかしながら、運動消費カロリーは、気温によって変化する可能性があるが、特許文献1、2では、運動消費カロリー計算の際等に、気温は考慮されていない。よって、特許文献1、2では、消費カロリーの計算精度が低くなる可能性がある。
【0009】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、携帯端末の利用主体の運動状態を、より簡易に、且つより正確に求めることができ得る運動管理装置、運動管理システム、運動管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における運動管理装置は、携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信する受信部と、
前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測する運動推測部と、
推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する運動管理情報作成部と、
前記運動管理情報を外部に送信する送信部と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における運動管理システムは、加速度センサを有し、利用主体によって保持される携帯端末と、
前記利用主体の運動を管理する運動管理装置と、を備え、
前記運動管理装置は、
前記携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信する受信部と、
前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記利用主体が行う運動を推測する運動推測部と、
推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する運動管理情報作成部と、
前記運動管理情報を外部へ送信する送信部と、
を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における運動管理方法は、
(a)携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信するステップと、
(b)前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測するステップと、
(c)推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成するステップと、
(d)前記運動管理情報を外部へ送信するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0013】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータに、
(a)携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信するステップと、
(b)前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測するステップと、
(c)推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成するステップと、
(d)前記運動管理情報を外部へ送信するステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、携帯端末の利用主体の運動状態を、より簡易に、且つより正確に求めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における運動管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)、(b)は、加速度センサを用いて検出される運動情報について説明するための概念図であり、図2(a)は、検出される加速度の方向を示し、図2(b)は、検出される加速度の時間変化を示している。
【図3】図3(a)、(b)は、GPS測位部を用いて検出される位置情報について説明するための概念図であり、図3(a)は、携帯端末の位置の変化から求められた、携帯端末の移動速度の時間変化を示し、図3(b)は、位置情報によって特定される座標の一例を示している。
【図4】図4は、位置情報データベースに格納されている位置情報および施設情報について説明するための概念図である。
【図5】図5は、動作パターンと参照パターンとの関係を説明するための概念図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1における運動管理システムおよび運動管理装置の動作を示すフロー図である。
【図7】図7は、運動管理情報作成の流れを説明するためのフロー図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2における運動管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態における運動管理装置、運動管理システム、運動管理方法、およびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
【0017】
[システム構成]
最初に、本発明の実施の形態における運動管理システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における運動管理システム1の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、運動管理システム1は、携帯端末100と、運動管理装置200と、を備えている。運動管理システム1は、携帯端末100の位置を特定する位置情報と、携帯端末100の運動情報と、携帯端末100の現在地および周辺地域での気温情報と、を用いて、運動管理情報を作成し、携帯端末100に表示させる。携帯端末100には、携帯電話およびスマートフォン等が含まれる。
【0019】
運動管理装置200は、後述するように、例えば、サーバコンピュータによって構築することができる。運動管理装置200は、受信部201と、運動推測部207と、運動管理情報作成部208と、送信部212と、を含んでいる。受信部201は、携帯端末100においてGPS(Global Positioning System)を用いて得られた、携帯端末100の位置を特定する位置情報を受信する。また、受信部201は、携帯端末100に備えられる加速度センサ101を用いて得られた、携帯端末100の運動情報を受信する。また、受信部201は、携帯端末100に備えられる温度センサ103を用いて得られた、携帯端末100の現在地および周辺地域の気温情報を受信する。
【0020】
運動推測部207は、受信部201が受信した位置情報および運動情報に基づいて、携帯端末100を利用する利用主体(利用者)が行う運動の種類を推測する。運動の種類として、ウォーキング、ジョギング、登山、およびサイクリング等を例示することができる。
【0021】
運動管理情報作成部208は、運動推測部207で推測された運動の種類と、受信部201が受信した気温情報とに基づいて、携帯端末100の利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する。送信部212は、運動管理情報を携帯端末100へ送信する。運動管理情報を受信した携帯端末100は、当該運動管理情報を、携帯端末100の表示部112の表示画面に表示する。
【0022】
以上説明したように、本実施の形態では、運動推測部207が、携帯端末100の利用主体の行っている運動を推測し、更に、運動管理情報作成部208が、利用主体の運動消費カロリー等の運動管理情報を作成する。これにより、利用主体は、運動を行う度に、運動の種類、運動強度、および運動時間等を入力するという煩雑な作業を行わずに済む。更に、運動管理情報作成部208は、利用主体が運動を行っている現在地および周辺地域での気温情報を用いて運動管理情報を作成することができる。
【0023】
その結果、利用主体は、携帯端末100に運動情報を入力する手間を省くことができる上に、気温を考慮した、より正確な運動消費カロリーを知ることができる。よって、本実施の形態では、携帯端末100の利用主体の運動状態、例えば、消費カロリーを、より簡易に、且つ、より精度よく求めることができる。
【0024】
以上が、運動管理システム1の概略説明である。次に、運動管理システム1の、より具体的な構成を図1に加え、図2〜図5を用いて説明する。
【0025】
まず、本実施の形態では、運動管理システム1において、携帯端末100は、固定装置を用いて利用主体に固定されているのが好ましい。利用主体は、例えば、固定装置を用いて携帯端末100を体に固定した状態で、運動を行う。固定装置は、例えば、利用主体の腰に巻きつけられるベルトを含み、このベルトに携帯端末100のケーシングを固定する。また、本実施の形態では、携帯端末100は、利用主体の腰の近傍、即ち、利用主体の重心の近傍に固定されるのが特に好ましい。尚、携帯端末100は、利用主体の運動時に比較的動きの大きい箇所としての腕に固定されてもよい。この場合、固定装置は、腕に巻かれるバンドを含む。
【0026】
本実施の形態では、携帯端末100は、加速度センサ101と、GPS測位部102と、温度センサ103と、表示部112と、表示制御部113と、通信部114と、を備えている。
【0027】
図2(a)および図2(b)は、加速度センサ101を用いて検出される運動情報について説明するための概念図であり、図2(a)は、検出される加速度の方向を示し、図2(b)は、検出される加速度の時間変化を示している。加速度センサ101は、携帯端末100の運動を検出する運動検出センサとして設けられている。加速度センサ101は、例えば、半導体センサであり、図2(a)に示すように、互いに直交する3軸方向の加速度を検出可能である。図2(b)では、3軸方向のうちの1軸方向(例えば、鉛直方向)における加速度の時間変化が例示されている。
【0028】
本実施の形態では、加速度センサ101は、鉛直方向、および鉛直方向と直交する水平方向における加速度をそれぞれ検出する。水平方向は、利用主体が前進または後退する前後方向と、前後方向に直交する左右方向と、を含む。加速度センサ101は、上記3軸方向のそれぞれにおける加速度を測定するための情報を、携帯端末100の運動情報として検出する。
【0029】
図3(a)および図3(b)は、GPS測位部102を用いて検出される位置情報について説明するための概念図であり、図3(a)は、携帯端末100の位置の変化から求められた、携帯端末100の移動速度の時間変化を示し、図3(b)は、位置情報によって特定される座標の一例を示している。
【0030】
GPS測位部102は、測位システムとしてのGPSを用いて携帯端末100の位置を測定する。GPS測位部102は、地球の周りを公転するGPS衛星(図示せず)からの信号を受信し、図3(b)に示すように、携帯端末100の位置情報(緯度、経度、および高度)を取得することで、携帯端末100の現在地を求める。また、図3(a)に示すように、運動管理装置200は、位置情報を基に、携帯端末100の移動速度を求める。
【0031】
尚、GPS測位部102は、3つのGPS衛星からの信号を受信可能な場合には、携帯端末100の緯度および経度を求めることができる。また、GPS測位部102は、4つ以上のGPS衛星からの信号を受信可能な場合には、携帯端末100の緯度および経度に加えて、高度を求めることができる。
【0032】
また、本実施の形態において、温度センサ103は、携帯端末100の周囲の外気に接触するように配置されており、携帯端末100の現在地の気温を測定するための情報を、温度情報として出力する。表示部112は、例えば、携帯端末100の一側面に設けられた液晶ディスプレイ等である。
【0033】
本実施の形態では、通信部114は、基地局等を含む通信ネットワーク501を介して、運動管理装置200との間でデータの送受信を行う。通信部114は、送信部115と、受信部116とを含む。送信部115は、加速度センサ101、GPS測位部102、および温度センサ103とそれぞれ接続されている。送信部115は、加速度センサ101で取得された運動情報、GPS測位部102で取得された位置情報、および温度センサ103で取得された気温情報を、運動管理装置200へ送信する。送信部115は、これらの情報を定期的に、例えば、1秒間に1回、運動管理装置200へ送信する。
【0034】
受信部116は、運動管理装置200から送信されるデータを受信する。受信部116には、表示制御部113が接続されている。表示制御部113は、液晶ディスプレイ等の表示部112の表示画面に、受信部116で受信されたデータを表示させる。
【0035】
運動管理装置200は、携帯端末100から送信されたデータを用いて、利用主体の運動管理情報を作成、送信、更新、および保存することで、利用主体の運動を管理する。本実施の形態では、運動管理装置200は、前述の受信部201、運動推測部207、および運動管理情報作成部208に加え、運動管理情報データベース209と、位置情報処理部210と、運動情報処理部211と、送信部212と、を含んでいる。
【0036】
本実施の形態では、受信部201は、携帯端末100の送信部115から送信された、携帯端末100の運動情報、位置情報、および気温情報を受信する。受信部201は、受信した位置情報、運動情報、および気温情報を、それぞれ、位置情報処理部210、運動情報処理部211、および運動管理情報作成部208へ出力する。
【0037】
位置情報処理部210は、位置情報を処理するために設けられている。位置情報処理部210は、受信部201が受信した位置情報を基に、利用主体の現在地(図3(b)参照)を求め、更に、利用主体の位置の変位から利用主体の移動速度(図3(a)参照)を求める。そして、求めた現在地および周辺地域の地図情報および施設情報と、移動速度と、を、運動推測部207へ送信する。具体的には、本実施の形態では、位置情報処理部210は、位置情報識別部202と、位置情報データベース204と、位置情報推測部206と、を備え、これらによって上述した処理を行う。
【0038】
位置情報識別部202は、受信部201が受信した位置情報と、位置情報データベース204に格納されている地図情報と、を比較することにより、携帯端末100の現在地および周辺に存在する施設を特定する。
【0039】
位置情報データベース204は、携帯端末100が利用される地域(例えば、日本)の地図情報および施設情報を格納している。図4に示すように、地図情報と施設情報とは互いに対応付けられた状態で格納されている。図4は、位置情報データベース204に格納されている地図情報および施設情報について説明するための概念図である。施設情報は、例えば、遊歩道、サイクリングロード、登山道、ビル、公園、スポーツ施設、河川等の情報を含む。図4では、施設情報の一例として、登山道、ビル、および公園が図示されている。また、本実施の形態では、位置情報データベース204には、気象予報データ、例えば、予想気温、予想湿度等も格納されている。気象予報データは、例えば、外部から、通信ネットワーク501等を介して位置情報データベース204へ与えられる。
【0040】
位置情報識別部202は、受信部201で受信された位置情報と、位置情報データベース204に格納された地図情報および施設情報と、を読み込む。そして、位置情報識別部202は、位置情報に基づいて、携帯端末100の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報を取得し、取得した地図情報および施設情報を、位置情報推測部206へ出力する。位置情報推測部206は、位置情報識別部202から出力された位置情報および地図情報に基づいて、携帯端末100の単位時間毎の位置データの変位を特定し、これから、携帯端末100の移動速度(図2(a)参照)を計算する。また、位置情報推測部206は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報により、利用者の運動が実施されているロケーションを推測する。
【0041】
運動情報処理部211は、運動情報を処理するために設けられている。運動情報処理部211は、受信部201が受信した運動情報を基に、利用主体が行っている運動の運動パターンを識別し、識別した運動パターンを運動推測部207へ送信する。具体的には、本実施の形態では、運動情報処理部211は、運動情報識別部203と、運動情報データベース205と、を備え、これらによって、上述した処理を行う。
【0042】
運動情報識別部203には、受信部201から運動情報が入力される。運動情報識別部203は、運動情報を基に、利用主体の動作パターンを作成する。具体的には、運動情報識別部203は、運動情報として取得した加速度センサ101の出力データを、n時n分n秒(nはゼロまたは自然数)から例えば10秒間分繋いで、動作パターンを作成する。更に、運動情報識別部203は、作成した動作パターンと、運動情報データベース205に格納されている参照パターンとを比較し、利用主体の運動パターンを識別する。運動情報データベース205は、利用主体が行う運動の種類毎に参照パターンを格納している。参照パターンは、当該運動を行う際の利用主体の動作を予測したパターンである。
【0043】
参照パターンは、例えば、以下の手順で予め作成されている。まず、参照パターンを作成する際には、携帯端末100を、固定装置を用いて、被験者の例えば腰に固定する。そして、被験者に種々の運動を行わせ、この時の加速度センサ101の検出結果から、被験者が行っている運動の特徴点を抽出することで、参照パターンを作成する。
【0044】
参照パターンは、例えば、鉛直方向、前後方向および左右方向の3軸方向の加速度の時間変化から、被験者の動作の開始・終了位置、揺れ方向(鉛直方向、前後方向および左右方向の3軸方向)、揺れの強さ、および移動速度の4要素を測定し、測定結果を用いて作成される。具体的には、被験者に各運動を行わせ、運動毎にデータを取得し、パターンを作成する。更に、当該パターンから特徴点を取り出し、運動情報データベース205に格納する。特徴点は、動作パターンと参照パターンとの比較(マッチング)時に運動情報データベース205から取り出され、動作パターンとの比較に利用される。
【0045】
上記の特徴点として、一定の動作が継続されているかどうかの情報、又は不規則な動きになっているかどうかの情報を例示することができる。また、特徴点として、加速度センサ101で検出される振幅の強さと周期を示す情報、衝撃の強さを示す情報を例示することができる。
【0046】
参照パターンは、年齢、性別および体格などの身体のプロファイルが異なる複数の被験者毎に、種々の運動を行わせることによって作成されるのが好ましい。この場合、ウォーキング運動、サイクリング運動等の複数種類の運動毎、および年齢、性別、体格等の複数種類のプロファイル毎に、参照パターンが作成されることになる。
【0047】
一方、動作パターンは、定期的に加速度センサ101の加速度を検出することにより作成される。例えば、単位時間としての1秒当たり、数回、加速度センサ101を用いて3軸方向の加速度の情報を検出し、これらの検出結果を用いて、例えばある方向での加速度を時系列に並べて繋ぎ合わせる。これにより、利用主体の動作パターンが作成される。
【0048】
ここで、動作パターンと参照パターンについて図5を用いて具体的に説明する。図5は、動作パターンと参照パターンとの関係を説明するための概念図である。図5の例では、一例として、ウォーキング運動の動作パターンと参照パターンとが図示されている。
【0049】
本実施の形態では、動作パターンは、加速度センサ101の検出結果から得られる、3軸方向のうちの少なくとも1軸方向の時間変化を用いて表される。より具体的には、図5では、鉛直方向および前後方向の加速度の値を縦軸、時間を横軸とした場合の、加速度の時間変化から得られるグラフとして、ウォーキング運動の動作パターンおよび参照パターンが表されている。本実施の形態では、ウォーキング運動の動作パターンおよび参照パターンは、鉛直方向と前後方向のそれぞれについて、作成される。
【0050】
本実施の形態では、ウォーキング運動の参照パターン、ジョギング運動の参照パターン、および登山運動の参照パターンは、何れも、利用主体が自らの足を左右交互に地面に踏みつける運動であることから、共通である。ウォーキング運動、ジョギング運動、および登山運動の参照パターンでは、例えば、特徴点として、所定値(例えば、0.1G)以上の比較的大きな下向きの加速度が繰り返して生じるという情報、および前後方向の加速度の変化が鉛直方向の加速度の変化と比べて小さいという情報が挙げられる。
【0051】
図5では、鉛直方向の動作パターンおよび前後方向の動作パターンは、それぞれ、ウォーキング運動に関する鉛直方向の参照パターンおよび前後方向の動作パターンと略一致している。したがって、運動情報識別部203は、動作パターンと参照パターンとを比較することにより、利用主体の運動パターンが例えばウォーキング運動時のものであると識別する。
【0052】
また、本実施の形態では、運動情報データベース205は、ウォーキング運動の参照パターンに加え、サイクリング運動の参照パターン(図示せず)を格納することもできる。サイクリング運動の参照パターンでは、特徴点として、前記所定値未満の比較的小さな鉛直方向下向きの加速度が繰り返し生じるという情報が挙げられる。
【0053】
各運動の参照パターンは、上述したように、身体のプロファイル毎に複数登録されている。よって、運動情報識別部203は、運動を行う前に例えば利用主体によって予め登録された、携帯端末100の利用主体の身体のプロファイルに基づき、運動情報データベース205に格納された参照パターンのうち、最も近い参照パターンを絞り込み、これを参照する。尚、携帯端末100の利用主体の身体のプロファイルは、利用主体によって、予め携帯端末100を介して運動管理装置200へ登録されている。
【0054】
運動推測部207は、本実施の形態では、運動情報識別部203によって運動情報を基に識別された運動パターンと、位置情報識別部202が取得した地図情報および施設情報と、位置情報推測部206が推測した移動速度と、を基に、利用主体の運動の種類を推測する。
【0055】
例えば、利用主体が遊歩道をウォーキング運動している場合、運動情報識別部203は、運動情報を基に動作パターンを作成し、参照パターンと比較することで、利用主体の運動パターンがウォーキング運動時、ジョギング運動時、または登山運動時のものであると識別する。また、この場合、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の施設が遊歩道であると識別する。さらに、位置情報推測部206は、位置情報の変化を基に、利用主体の移動速度が時速4km程度であると推測する。
【0056】
この場合、運動推測部207は、運動情報識別部203が識別した運動パターンと、位置情報識別部202が取得した地図情報および施設情報としての遊歩道と、位置情報推測部206が推測した移動速度(時速4km程度)と、を基に、利用主体の運動の種類が、ウォーキング運動であると推測する。
【0057】
運動管理情報作成部208は、本実施の形態では、運動推測部207で推測された運動の種類を基に、利用主体が行っている運動の運動強度、運動時間、運動量、運動距離、および運動消費カロリーの各情報を作成する。
【0058】
運動強度は、例えば、厚生労働省が発表している「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)」に記載されている、運動の種類と運動強度との関係を基に決定される。
【0059】
より具体的には、運動管理情報作成部208は、推測された運動がウォーキング運動である場合、運動強度を3.8(mets)とし、推測された運動がジョギング運動である場合、運動強度を7.0(mets)とし、推測された運動がサイクリング運動である場合、運動強度を8.0(mets)とする。
【0060】
また、運動管理情報作成部208は、運動強度に運動時間を乗じた値を、運動量であると決定する。また、運動管理情報作成部208は、運動距離を、携帯端末100の現在地の変化を基に決定する。
【0061】
運動管理情報作成部208は、運動強度、運動時間、および気温センサ103を用いて得られた気温に応じた補正係数等を基に、利用主体の運動消費カロリーを計算する。
【0062】
例えば、運動消費カロリーの計算式の一例として、上述したエクササイズガイド2006に記載された簡易換算式を挙げることができる。この簡易換算式は、運動消費カロリーを、運動強度×運動時間×利用主体の体重×1.05として計算する式である。尚、利用主体の体重情報は、利用主体が運動の開始前に携帯端末100を操作することによって、運動管理装置200へ与えられている。
【0063】
運動管理情報作成部208は、例えば、この計算式から得られた運動消費カロリーに、気温に応じた補正係数を乗じることで、より正確な運動消費カロリーを計算する。
【0064】
本実施の形態では、運動管理情報作成部208は、上述した利用主体の運動、運動時間、運動量、運動距離、および運動消費カロリーを含む、運動管理情報を作成する。また、運動管理情報作成部208は、気温情報を基に、必要に応じて、熱中症への注意を喚起する注意喚起情報を作成し、上記運動管理情報に追加する。本実施の形態では、利用主体の現在地および周辺地域の予想気温が、所定のしきい温度を超えている場合、運動管理情報作成部208は、注意喚起情報を作成する。
【0065】
運動管理情報作成部208は、作成した運動管理情報を、運動管理情報データベース209に格納する。また、運動管理情報作成部208は、運動管理情報データベース209に格納された運動管理情報を、利用主体の携帯端末100を介したリクエストに応じて、携帯端末100へ送信する。
【0066】
本実施の形態では、送信部212が設けられており、運動管理情報データベース209の運動管理情報は、運動管理情報作成部208によって読み込まれて送信部212へ送信され、更に、通信ネットワーク501を介して利用主体の携帯端末100の受信部116へ送信される。尚、受信部201および送信部212によって、運動管理装置200における通信部214が形成されている。
【0067】
運動管理情報を受信した携帯端末100の受信部116は、当該運動管理情報を、表示制御部113へ出力し、表示制御部113は、運動管理情報を表示部112の表示画面に表示させる。尚、運動管理情報は、運動管理装置200から電子メールによって携帯端末100に送信されてもよい。また、web(world wide web)サイトのアドレスを記載したメールを運動管理装置200から携帯端末100へ送信し、携帯端末100を当該webサイトにアクセスさせることで、運動管理情報が携帯端末100へ送信されてもよい。
【0068】
また、運動管理情報作成部208は、運動情報識別部203が作成した動作パターンを、参照パターンとして運動情報データベース205に格納することもできる。その際、運動管理情報作成部208は、動作パターンから抽出した特徴点も、運動情報データベース205に格納する。
【0069】
[運動管理装置および運動管理システムの動作説明]
次に、本発明の実施の形態1における運動管理システム1の動作について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態1における運動管理システム1および運動管理装置200の動作を示すフロー図である。また、以下の説明においては、適宜図1〜図5を参酌する。また、本実施の形態1では、運動管理装置200を動作させることによって、運動管理方法が、実施される。よって、本実施の形態1における運動管理方法の説明は、以下の運動管理装置200の動作説明に代える。
【0070】
[全体処理]
運動管理システム1が動作を開始すると、まず、携帯電話100では、加速度センサ101が、運動情報を取得する(ステップA1)。加速度センサ101は、利用主体(携帯端末100)の動作の開始・終了位置、揺れ方向(図2(a)参照)、揺れ強さ(図2(b)参照)、および各揺れ方向における移動速度を、定期的に、例えば1秒当たり1回または複数回、測定する。
【0071】
また、携帯端末100では、加速度センサ101による測定と並行して、定期的に、例えば1秒間に1回、GPS測位部102が、GPS衛星からの信号を定期的に受信する。これにより、GPS測位部102は、受信した信号に基づいて、利用主体の現在地および周辺地域の緯度および経度を含む利用主体の位置情報(図3(a)参照)を取得する(ステップA2)。尚、ステップA2では、GPS測位部102は、高度を位置情報として取得してもよい。また、ステップA2では、GPS測位部102は、GPS衛星からの信号に加え、携帯端末100の基地局からの信号を用いて、利用主体の位置情報を求めてもよいし、GPS衛星からの信号を用いることなく、基地局等を含む他の測位システムの信号を用いて、利用主体の位置情報を取得してもよい。
【0072】
また、携帯端末100では、GPS測位部102による位置情報の取得と並行して、温度センサ103は、利用主体の現在地の気温を測定するための気温情報を取得する(ステップA3)。そして、送信部115は、加速度センサ101が得た運動情報、GPS測位部102が得た位置情報、および温度センサ103が得た温度情報を、運動管理装置200の受信部201へ送信する(ステップA4)。
【0073】
次に、運動管理装置200では、位置情報識別部202は、受信部201が受信した位置情報を受け取る。そして、位置情報識別部202は、この位置情報と、位置情報データベース204に格納された地図情報とを比較することで、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報(図4参照)を特定する(ステップA5)。これら利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報は、位置情報推測部206へ出力される。
【0074】
次に、位置情報推測部206は、位置情報に基づいて携帯端末100の現在地の単位時間毎の変位を求めることにより、利用主体の移動速度(図3(a)参照)を特定する(ステップA6)。そして、位置情報推測部206は、利用主体の移動速度の情報と、現在地および周辺地域の地図情報および施設情報とを、運動推測部207へ出力する。
【0075】
次に、運動情報識別部203は、受信部201が受信した運動情報を受け取り、この運動情報を、n時n分n秒から所定時間(例えば、10秒間)、蓄積する(ステップA7)。そして、運動情報識別部203は、蓄積した所定時間分の運動情報を基に、利用主体の動作パターンを作成する(ステップA8)。その結果、本実施の形態では、図5に示す動作パターンが作成される。尚、ステップA5,A6の処理と、ステップA7,A8の処理とは、並行して行われてもよいし、ステップA7,A8の処理が先に行われてもよい。
【0076】
次に、運動情報識別部203は、利用主体の動作パターンと、運動情報データベース205に保存されている参照パターンとを比較することで、利用主体の運動パターンを識別する(ステップA9)。そして、識別した運動パターンを運動推測部207へ出力する。
【0077】
尚、参照パターンとして、前述したように、運動パターン毎、および複数種類のプロファイル毎に、参照パターンが用意されている。利用主体の動作パターンと、参照パターンとを照合および比較する際には、運動情報識別部203は、登録されている利用主体の身体のプロファイルに最も近い被験者の参照パターンを絞り込み、この参照パターンと動作パターンとを比較する。
【0078】
次に、ステップA5で位置情報識別部202が取得した、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報と、ステップA6で位置情報推測部206が特定した、利用主体の移動速度と、ステップA9で運動識別部203が識別した運動パターンと、を、運動推測部207が参照する。これにより、運動推測部207は、利用主体が実施している可能性の最も高い運動を推測する(ステップA10)。運動の推測のより具体的な説明は、後述する。
【0079】
次に、運動管理情報作成部208は、運動管理情報を作成する(ステップA11)。運動管理情報の作成処理の詳細は、図7を用いて後述する。次いで、運動管理情報作成部208は、運動情報識別部203で作成した動作パターンの特徴点を抽出する(ステップA12)。この特徴点は、前述した参照パターンの特徴点と同様である。
【0080】
そして、運動管理情報作成部208は、特徴点を抽出した動作パターンを、運動情報データベース205へ送信し(ステップA13)、これにより、運動情報データベース205は、当該動作パターンを参照パターンとして格納する。これにより、追加された参照パターンは、次回以降の参照パターンとして使用可能となる。また、ステップA13では、運動管理情報作成部208は、作成した運動管理情報を、運動管理情報データベース209へ出力する。
【0081】
これにより、運動管理情報データベース209には、運動管理情報が蓄積される。例えば、運動管理情報作成部208は、運動管理情報を、定期的に、例えば1時間毎に集計し、集計した運動管理情報を、運動管理情報データベース209へ送信する。
【0082】
次に、運動管理情報作成部208は、運動管理情報データベース209に保存された運動管理情報を、読み込んで送信部212へ送信する。送信部212は、運動管理情報を、例えば電子メールによって、通信ネットワーク501を介して携帯端末100の受信部116へ送信する(ステップA14)。携帯端末100は、受信部116で受信した運動管理情報を、表示制御部113へ送信する。表示制御部113は、運動管理情報を、表示部112の表示画面に表示させる。
【0083】
尚、利用主体は、表示部112の表示画面に表示された運動の種類や運動内容が、間違っていると判断した場合、携帯端末100を操作することにより、訂正情報を携帯端末100へ入力することができる。この場合、携帯端末100は、訂正情報を、送信部115から運動管理装置200へ送信する。運動管理装置200の運動管理情報作成部208は、訂正情報に基づいて、運動情報データベース205に格納されている運動管理情報、および運動管理情報データベース209に格納されている運動管理情報を訂正する。また、携帯端末100では、ステップA1〜A4は、所定の設定間隔で繰り返し(例えば、1秒毎に)行われ、運動管理装置200では、ステップA5〜A13は、上記所定の設定間隔よりも長い設定間隔で繰り返し行われる。
【0084】
[運動管理情報作成ステップ]
次に、運動管理情報作成部208における運動管理情報作成の処理の流れを図7を用いて具体的に説明する。図7は、運動管理情報作成の流れを説明するためのフロー図である。図7を参照しながら、運動管理情報作成部208における運動管理情報作成の流れを説明する。まず、運動管理情報作成部208は、利用主体の運動強度、運動時間、および運動距離を求める(ステップA21)。運動強度は、例えば、上述した、厚生労働省発表のエクササイズ2006に記載されている、運動の種類と運動強度との関係を示す表から求められる。運動時間は、加速度センサ101が利用主体の運動を検出してからの時間として求められる。運動距離は、位置情報の変化を基に求められる。
【0085】
次に、運動管理情報作成部208は、利用主体の運動量および消費カロリーを算出する(ステップA22)。より具体的には、運動管理情報作成部208は、求めた運動強度に運動時間を乗じることで、運動量を算出する。また、運動管理情報作成部208は、運動強度、運動時間、利用主体の体重に加え、気温センサ103を用いて得られた気温に応じた補正係数等を基に、利用主体の運動消費カロリーを計算する。上述した簡易換算式を基に、運動消費カロリーは、例えば、運動強度×運動時間×利用主体の体重×1.05から得られる値に、気温に応じた補正係数が乗じられることで、得られる。
【0086】
次に、運動管理情報作成部208は、運動の種類と、運動量と、運動消費カロリーと、運動時間と、運動距離を運動管理情報に追加する(ステップA23)。
【0087】
次いで、運動管理情報作成部208は、位置情報データベース204を参照し、利用主体の現在地および周辺地域における予想気温情報を読み込む(ステップA24)。その後、運動管理情報作成部208は、現在地の気温情報を参照しつつ、予想最高気温Temaxが、しきい温度Tth以上であるか否かを判定する(ステップA25)。しきい温度Tthは、例えばセ氏35度である。
【0088】
予想最高気温Temaxがしきい温度Tth以上である場合、(ステップA25でYES)、運動管理情報作成部208は、注意喚起情報を作成し、当該注意喚起情報を運動管理情報に追加する(ステップA26)。注意喚起情報とは、現在時刻よりも後の時刻において、熱中症に陥る可能性のある程度に、気温が上昇する可能性が高いことを示す情報である。ステップA25でNOの場合には、注意喚起情報は作成されない。
【0089】
[ウォーキング運動、ジョギング運動または登山運動が行われている場合の処理の流れの一例]
次に、利用主体がウォーキング運動を実施している場合を主な例に、上述した運動管理システム1の動作の要点を説明する。利用主体がウォーキング運動をしている場合、利用主体の腰には、鉛直下向きの比較的大きな加速度(例えば、0.1G以上)が繰り返し生じる。このときの腰の動きは、加速度センサ101によって運動情報として計測される(ステップA1)。
【0090】
ステップA1と並行して、ステップA2、A3が行われる。その後、ステップA4が行われることにより、運動情報、位置情報、および温度情報が、受信部201へ出力される。
【0091】
位置情報識別部202は、位置情報データベース204のデータを読み込み、受信部201が受信した位置情報に対応する、ユーザの現在地および周辺地域の地図情報および施設情報を特定する(ステップA5)。このとき、利用主体の現在地は、ウォーキング運動を行う施設、例えば遊歩道であるので、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の施設情報が遊歩道であることを識別する。そして、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報を、位置情報推測部206へ出力する。次いで、位置情報推測部206は、位置情報から特定される利用者の現在地の変化を基に、利用主体の移動速度を特定する(ステップA6)。
【0092】
次に、運動情報識別部203は、利用主体の動作パターンを作成し(ステップA7、A8)、利用主体の運動パターンを識別する(ステップA9)。ウォーキング運動の動作パターンの特徴点として、動作パターン中の鉛直方向成分の振動と衝撃の変化について、振動の幅がほぼ一定で、サイクリング時よりも衝撃が大きい(例えば、加速度が0.1G以上)ことが挙げられる。よって、運動情報識別部203は、動作パターンと参照パターンとの比較の結果、利用主体の運動パターンが、ウォーキング運動、ジョギング運動または登山運動であると識別する。そして、運動情報識別部203が識別した運動パターンを、運動推測部207へ送信する。
【0093】
運動場情報推測部207は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報(ロケーション)と、利用主体の移動速度と、運動情報識別部203が識別した運動パターンと、を参照する。これにより、運動推測部207は、利用主体が実施している可能性の高い運動を推測する(ステップA10)。
【0094】
この場合、施設情報および利用主体の移動速度によると、利用主体は、遊歩道に沿って、略一定の歩行速度(例えば、時速4km程度)で移動している。また、運動情報識別部203では、利用主体の運動パターンが、ウォーキング運動、ジョギング運動または登山運動の動作パターンであると識別されている。よって、運動推測部207は、これらの情報から、利用主体の実施している運動が、ウォーキング運動であると推測する。その後、前述した、ステップA11〜A14の処理が行われる。
【0095】
尚、移動速度が、歩行速度よりも大きい略一定の速度(例えば、時速10km程度)であれば、ステップA10において、運動推測部207は、利用主体の実施している運動がジョギング運動であると推測する。
【0096】
また、位置情報識別部202において、利用主体の現在地の施設情報が登山道であると識別され、且つ、位置情報推測部206において、利用主体が鉛直方向に頻繁に移動していると識別される場合がある。この場合、ステップA10において、運動推測部207は、利用主体が登山運動をしていると推測する。
【0097】
[サイクリング運動が行われている場合の処理の流れの一例]
次に、利用主体がサイクリングロードにおいてサイクリング運動を実施している場合を例に、上述した運動管理システム1の動作の要点を説明する。利用主体が自転車に乗ってサイクリング運動をしている場合、利用主体の腰から上では、鉛直方向における運動は殆ど生じないと考えられる。したがって、加速度センサ101からは、鉛直方向での動きが小さく、前後方向および左右方向での動きが大きい運動情報が取得される。(ステップA1)。ステップA1と並行して、ステップA2、A3が行われる。その後、ステップA4が行われることにより、運動情報、位置情報、および温度情報が、受信部201へ出力される(ステップA4)。
【0098】
位置情報識別部202は、位置情報データベース204のデータを読み込み、受信部201が受信した位置情報に対応する、ユーザの現在地および周辺地域の地図情報および施設情報を特定する(ステップA5)。このとき、利用主体の現在地は、サイクリングロードであるので、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の施設情報がサイクリングロードであることを識別する。そして、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報を、位置情報推測部206へ出力する。次いで、位置情報推測部206は、位置情報から特定される利用主体の現在地の移動履歴を基に、利用主体の移動速度を特定する(ステップA6)。
【0099】
次に、運動情報識別部203は、利用主体の動作パターンを作成し(ステップA7、A8)、利用主体の運動パターンを識別する(ステップA9)。サイクリング運動時の動作パターンの特徴点として、動作パターン中の鉛直方向成分の振動と衝撃の変化について、振動の幅がほぼ一定で、ウォーキング運動時よりも衝撃が小さいことが挙げられる。更に、サイクリング運動時の動作パターンの特徴点として、前後方向および左右方向での加速度について、ウォーキング運動時よりも大きいことが挙げられる。よって、運動情報識別部203は、動作パターンと参照パターンとの比較の結果、利用主体の動作パターンが、サイクリング運動時のものであると識別する。そして、運動情報識別部203が運動情報から識別した運動パターンを、運動推測部207へ送信する。
【0100】
運動推測部207は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報(ロケーション)と、利用主体の移動速度と、運動情報識別部203が識別した運動パターンと、を参照する。これにより、運動推測部207は、利用主体が実施している可能性の高い運動を推測する(ステップA10)。
【0101】
この場合、施設情報、および利用主体の移動速度によると、利用主体は、サイクリングロードに沿って、ウォーキング運動時およびジョギング運動時よりも速い速度で移動している。また、運動情報識別部203では、利用者の運動が、サイクリング運動であると識別されている。よって、運動推測部207は、利用主体の実施している運動が、サイクリング運動であると推測する。その後、前述した、ステップA11〜A14の処理が行われる。
【0102】
本発明の実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータに、図6および図7に示すステップA5〜A14、およびステップA21〜A26を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態1における運動管理装置200と、運動管理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、位置情報識別部202、位置情報推測部206、運動情報識別部203、運動推測部207、および運動管理情報作成部208として機能し、処理を行なう。
【0103】
また、本実施の形態1では、位置情報データベース204、運動情報データベース205、および運動管理情報データベース209は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって実現できる。また、位置情報データベース204、運動情報データベース205、および運動管理情報データベース209は、別のコンピュータによって構築されてもよい。
【0104】
以上のように本実施の形態1では、利用主体は、運動を行う度に、運動の種類、運動強度、および運動時間等を入力するという煩雑な作業を行わずに済む。更に、利用主体は、気温を考慮した、より正確な運動消費カロリーを知ることができる。よって、本実施の形態によれば、携帯端末100の利用主体の運動状態、例えば、消費カロリーを、より簡易に、且つ、より精度よく求めることができる。
【0105】
また、本実施の形態では、利用主体の運動内容が自動的に識別される。これにより、通勤、通学等、利用主体が運動として意識していない日常の行動についても、位置情報、運動情報および気温情報が計測され、運動管理情報に反映されるので、より木目細かい運動管理情報、例えば健康管理情報の利用主体への提供が可能となる。
【0106】
また、本実施の形態1では、運動管理情報作成部208は、気温情報および予想気温情報を参照して、消費カロリー、および注意喚起情報等を特定する運動管理情報を作成する。これにより、本実施の形態では、運動管理装置200は、より正確な運動消費カロリーを携帯端末100に表示できる。また、運動管理装置200は、必要に応じて、利用主体へ熱中症対策を促すメッセージ等を、携帯端末100に表示できる。
【0107】
また、本実施の形態1では、運動管理情報作成部208は、運動消費カロリー、運動時間、および運動距離を含む運動管理情報を作成し、当該運動管理情報は、携帯端末100に表示される。これにより、利用主体は、自ら立てた運動プラン等と、運動管理情報とを見比べ、利用主体にとって適切な運動を行うことができる。よって、利用主体は、より効率のよい運動管理を行うことができる。
【0108】
また、本実施の形態1では、運動情報処理部211の運動情報識別部203は、運動情報に基づいて得られる動作パターンと、参照パターンとを照合することにより、利用主体が行う運動の運動パターンを識別する。このため、利用主体が行う運動は、より正確に識別されることになる。
【0109】
また、本実施の形態1では、運動推測部207は、利用主体の現在地に関する地図情報および施設情報と、運動情報識別部203が識別した運動パターンとを参照することにより、利用主体が行っている運動を推測する。つまり、運動推測部207は、利用主体が行っている運動を、利用主体の現在地および周辺地域のロケーションを考慮して推測することができる。その結果、利用主体の運動を、より正確に推測することができる。
【0110】
また、本実施の形態1では、運動推測部207は、利用主体の移動速度を参照して、利用主体が行っている運動を推測する。これにより、似た運動、例えば、ウォーキング運動とジョギング運動とをより確実に区別することができる。よって、運動推測部207は、利用主体が行っている運動をより正確に推測することができる。
【0111】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2における運動管理システム1について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の実施の形態2における運動管理システム1の構成を示すブロック図である。尚、以下では、実施の形態1と異なる点について主に説明し、実施の形態1と同様の構成には、図に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0112】
本実施の形態2では、運動管理システム1は、携帯端末100の利用主体の行動を支援する。運動管理システム1は、例えば、携帯端末100を利用する利用主体としての高齢者または身体障害者が、徘徊等の異常行動または転倒事故を起こした場合に、利用主体に異常が生じていることを示す情報を、携帯端末100とは別の端末120に表示する。
【0113】
本実施の形態2では、運動管理システム1は、携帯端末100とは別の端末120を更に含んでいる。端末120は、例えば、病院の看護師等の介護者が所持する。本実施の形態では、端末120としても、携帯端末100と同様に、携帯電話およびスマートフォンを例示することができる。
【0114】
端末120は、液晶ディスプレイ等の表示部121と、表示部121を制御する表示制御部122とを備えている。本実施の形態2では、運動管理情報作成部208は、運動管理情報データベース209に格納されている運動管理情報を読み込み、読み込んだ運動管理情報を、送信部212によって、通信ネットワーク501を介して表示制御部122へ出力する。
【0115】
表示制御部122は、表示部121の表示画面に、送信された運動管理情報を表示する。これにより、携帯端末100の利用主体の運動管理情報が、端末120の表示部121の表示画面に表示される。また、本実施の形態2では、運動情報データベース205は、徘徊行動時の被験者の動作パターンを、参照パターンとして格納している。
【0116】
[利用主体が徘徊歩行運動を行っている場合の処理の流れの一例]
次に、図6および図8を参照しながら、道路上で同じルートを繰り返し周回歩行する徘徊歩行運動を利用主体が行っている場合を例に、本実施の形態2における運動管理システム1の動作の要点を説明する。利用主体が例えば道路を徘徊歩行している場合、利用主体の腰には、鉛直下向きに比較的大きな加速度が発生する(例えば、0.1G以上)。このときの腰の動きは、加速度センサ101において運動情報として計測される(ステップA1)。
【0117】
ステップA1の動作と並行して、ステップA2、A3が行われる。その後、ステップA4が行われることにより、加速度センサ101が得た運動情報、GPS測位部102が得た位置情報、および温度センサ103が得た温度情報は、受信部201へ出力される。
【0118】
位置情報識別部202は、位置情報データベース204のデータを読み込み、受信部201が受信した位置情報に対応する、利用主体の現在地のおよび周辺地域の地図情報および施設情報を特定する(ステップA5)。このとき、利用主体の現在地が道路とすると、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の施設情報が道路であることを識別する。そして、位置情報識別部202は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報を、位置情報推測部206へ出力する。次いで、位置情報推測部206は、位置情報から特定される利用主体の現在地の変化を基に、利用主体の移動速度を特定する(ステップA6)。
【0119】
次に、運動情報識別部203は、利用主体の動作パターンを作成し(ステップA7、A8)、利用主体の運動パターンを識別する(ステップA9)。この場合の携帯端末100の利用主体の歩行運動の動作パターンの特徴点は、前述したウォーキング運動時、ジョギング運動時または登山運動時の動作パターンの特徴点と同様である。よって、運動情報識別部203は、動作パターンと参照パターンとを比較した結果、利用主体の運動パターンがウォーキング運動時、ジョギング運動時、または登山運動時のものであると識別する。そして、識別した運動パターンを、運動推測部207へ送信する。
【0120】
運動推測部207は、利用主体の現在地および周辺地域の地図情報および施設情報(ロケーション)と、利用主体の移動速度と、運動情報識別部203が識別した運動パターンと、を参照する。これにより、運動推測部207は、利用主体が現在地で実施している可能性の高い運動を推測する(ステップA10)。
【0121】
この場合、携帯端末100の利用主体は、道路に沿って、略一定の速度(例えば、時速2km程度)で同じルートを繰り返し周回している。また、運動情報識別部203では、利用主体の運動パターンが、ウォーキング運動時、ジョギング運動時、または登山運動時のものであると識別されている。よって、運動推測部207は、利用主体の実施している運動が徘徊歩行運動であると推測する。
【0122】
次に、運動管理情報作成部208は、運動管理情報を作成する(ステップA11)。具体的には、運動管理情報作成部208は、推測された運動が徘徊運動であることと、利用主体の現在位置とを、運動管理情報に組み込む。また、運動管理情報作成部208は、所定の条件(図7のステップA25参照)を満たす場合に、注意喚起情報を運動管理情報に加える(ステップA12)。
【0123】
その後、ステップA12〜A13の処理が行われ、次いで、運動管理情報データベース209に格納された運動管理情報は、運動管理情報作成部208によって読み込まれた後、送信部212から、ネットワーク501を介して端末120の表示制御部122へ送信される(ステップA14)。
【0124】
この場合、介護者は、徘徊運動を行う傾向にある利用主体(高齢者)に常時付き添うことなく、利用主体の徘徊運動および徘徊場所を、端末120を通じてリアルタイムで把握することができる。その結果、運動管理装置200は、徘徊行動が発生した場合に、その旨の警告および利用主体の現在地を、端末120を介して、介護者に通知することもできる。よって、本実施の形態2によれば、介護者の負担を軽減しつつ、利用主体に充分なケアを施すことができる。
【0125】
尚、上記実施の形態2では、利用主体が徘徊歩行運動を行う場合を例に説明したが、本実施の形態2は、利用主体が徘徊歩行運動を行う場合に限定されるものではない。例えば、実施の形態2において、利用主体が転倒した場合には、位置情報推測部206は、当該転倒を示す運動管理情報を端末120へ送信することもできる。この場合、例えば、利用主体が転倒した際の、鉛直下向きの大きな(例えば、0.5G以上の)加速度が、加速度センサ101によって検出される結果、運動推測部207は、利用者が転倒したと推測できる。そして、運動管理装置200は、利用主体が転倒したことを示す情報を含む運動管理情報を、端末120へ送信する。
【0126】
この場合、介護者は、高齢者および障害者等の利用主体について、外出等の行動の監視と支援を行なうことができる。より具体的には、利用主体が歩行中に転倒等した場合に、端末120にその旨および利用主体の現在地が報知されるので、介護者は、迅速に対応でき、利用主体に充分なケアを施すことができる。
【0127】
(変形例)
(1)各上記実施の形態では、利用主体に固定した携帯端末100の温度センサ103を用いて、利用主体の現在地の気温情報を取得する構成が説明されているが、この通りでなくてもよい。例えば、利用主体の現在地および周辺地域の気温が、インターネットの気象情報サイトに掲載されている場合に、当該気象情報サイトの気温情報を受信部201が受け取るようにしてもよい。この場合、携帯端末100に温度センサ103を設ける必要がない。
【0128】
(2)また、上記実施の形態1において、推測された運動の種類に応じて、運動管理情報を変更してもよい。例えば、運動管理情報作成部208は、利用主体がウォーキング運動、ジョギング運動、又はサイクリング運動を行っていると推測した場合、運動管理情報に、運動時の総移動距離を加えるようにしてもよい。また、運動管理情報作成部208は、利用主体が縄跳び運動を行っていると推測した場合、運動管理情報に、縄跳びの跳躍回数を加えてもよい。
【0129】
(3)また、上記実施の形態2では、利用主体が人間である例を説明したけれども、利用主体が人間以外であってもよい。例えば、利用主体は、牛、馬等の家畜であってもよい。利用主体が家畜である場合には、運動情報データベース205には、家畜の種々の運動の参照パターンが格納される。そして、運動情報識別部203は、家畜に固定された加速度センサ101からの運動情報を基に、動作パターンを作成し、当該動作パターンと参照パターンとを比較し、家畜の運動パターンを識別する。運動推測部207は、運動情報識別部203で識別された運動パターンと、位置情報識別部202で識別されたロケーションと、位置情報推測部206で推測された家畜の移動速度と、を基に、家畜が行っている運動を推測する。
【0130】
この場合、携帯端末100を家畜に装着することで、放牧中の家畜の位置および運動状態をリアルタイムで監視することができる。よって、家畜に異常が起きた場合、速やかに対処することができる。また、家畜の運動管理情報を運動情報管理データベース209に自動的に蓄積・保存することができる。このため、家畜の運動を細かく把握することができ、その結果、例えば、利用主体が競走馬であるとすると、調教時に、より密度の高い育成を行なうことができる。
【0131】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記24)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0132】
(付記1)
携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信する受信部と、
前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測する運動推測部と、
推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する運動管理情報作成部と、
前記運動管理情報を外部に送信する送信部と、
を備えていることを特徴とする、運動管理装置。
【0133】
(付記2)
前記運動管理情報作成部は、予めデータベースに格納されている、前記位置の気温を予想した予想気温情報と、前記位置での前記気温情報とを参照し、前記位置での気温が所定地以上となり得る場合に、前記利用主体に対する注意を促す注意喚起情報を含む前記運動管理情報を作成する、付記1に記載の運動管理装置。
【0134】
(付記3)
前記運動管理情報は、推測された前記運動によって前記利用主体が消費した運動消費カロリー、前記運動が行われた時間、および前記運動によって前記利用主体が移動した距離の少なくとも1つを含む、付記1または付記2に記載の運動管理装置。
【0135】
(付記4)
前記運動情報を処理する運動情報処理部を更に備え、
前記運動情報処理部は、予めデータベースに格納されている、前記利用主体が運動を行う際の前記利用主体の動作を予測した参照パターンと、前記運動情報に基づいて得られる前記利用主体の動作パターンとを比較することにより、前記利用主体の運動パターンを識別する、付記1〜付記3のいずれかに記載の運動管理装置。
【0136】
(付記5)
前記位置情報を処理するための位置情報処理部を更に備え、
前記位置情報処理部は、予めデータベースに格納されている地図情報および施設情報に基づいて、前記位置に関する施設情報を特定し、
前記運動推測部は、前記位置情報処理部によって特定された前記位置に関する施設情報と、前記識別された運動パターンとを参照することにより、前記運動を推測する、付記4に記載の運動管理装置。
【0137】
(付記6)
前記位置情報処理部は、前記位置情報から前記携帯端末の前記位置の変化を特定し、特定した変化に基づいて前記携帯端末の移動速度を求め、求めた移動速度の情報を前記運動推測部へ出力し、
前記運動推測部は、前記移動速度を参照して前記運動を推測する、付記5に記載の運動管理装置。
【0138】
(付記7)
加速度センサを有し、利用主体によって保持される携帯端末と、
前記利用主体の運動を管理する運動管理装置と、を備え、
前記運動管理装置は、
前記携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信する受信部と、
前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記利用主体が行う運動を推測する運動推測部と、
推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する運動管理情報作成部と、
前記運動管理情報を外部へ送信する送信部と、
を備えていることを特徴とする、運動管理システム。
【0139】
(付記8)
前記運動管理情報作成部は、予めデータベースに格納されている、前記位置の気温を予想した予想気温情報と、前記位置での前記気温情報とを参照し、前記位置での気温が所定値以上となり得る場合に、前記利用主体に対する注意を促す注意喚起情報を含む前記運動管理情報を作成する、付記7に記載の運動管理システム。
【0140】
(付記9)
前記運動管理情報は、推測された前記運動によって前記利用主体が消費した運動消費カロリー、前記運動が行われた時間、および前記運動によって前記利用主体が移動した距離の少なくとも1つを含む、付記7または付記8に記載の運動管理装置。
【0141】
(付記10)
前記運動情報を処理する運動情報処理部を更に備え、
前記運動情報処理部は、予めデータベースに格納されている、前記利用主体が運動を行う際の前記利用主体の動作を予測した参照パターンと、前記運動情報に基づいて得られる前記利用主体の動作パターンとを比較することにより、前記利用主体の運動パターンを識別する、付記7〜付記9のいずれかに記載の運動管理システム。
【0142】
(付記11)
前記位置情報を処理するための位置情報処理部を更に備え、
前記位置情報処理部は、予めデータベースに格納されている地図情報および施設情報に基づいて、前記位置に関する施設情報を特定し、
前記運動推測部は、前記位置情報処理部によって特定された前記位置に関する施設情報と、前記識別された運動パターンとを参照することにより、前記運動を推測する、付記10に記載の運動管理システム。
【0143】
(付記12)
前記位置情報処理部は、前記位置情報から前記携帯端末の前記位置の変化を特定し、特定した変化に基づいて前記携帯端末の移動速度を求め、求めた移動速度の情報を前記運動推測部へ出力し、
前記運動推測部は、前記移動速度を参照して前記運動を推測する、付記11に記載の運動管理システム。
【0144】
(付記13)
(a)携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信するステップと、
(b)前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測するステップと、
(c)推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成するステップと、
(d)前記運動管理情報を外部へ送信するステップと、
を含むことを特徴とする、運動管理方法。
【0145】
(付記14)
前記ステップ(c)において、前記位置での気温が所定値以上となり得る場合に、前記利用主体に対する注意を促す注意喚起情報を含む前記運動管理情報を作成する、付記13に記載の運動管理方法。
【0146】
(付記15)
前記運動管理情報は、推測された前記運動によって前記利用主体が消費した運動消費カロリー、前記運動が行われた時間、および前記運動によって前記利用主体が移動した距離の少なくとも1つを含む、付記13または付記14に記載の運動管理方法。
【0147】
(付記16)
(e)前記ステップ(b)に先立ち、前記利用主体が行う運動の運動パターンを識別するステップを更に含み、
前記ステップ(e)では、前記利用主体が運動を行う際の前記利用主体の動作を予測した参照パターンと、前記運動情報に基づいて得られる前記利用主体の動作パターンとを比較することにより、前記利用主体の運動パターンを識別する、付記13〜付記15のいずれかに記載の運動管理方法。
【0148】
(付記17)
前記ステップ(b)では、前記位置に関する施設情報と、前記識別された運動パターンとを参照することにより、前記運動を推測する、付記16に記載の運動管理方法。
【0149】
(付記18)
前記ステップ(b)では、前記携帯端末の移動速度を参照して前記運動を推測する、付記17に記載の運動管理方法。
【0150】
(付記19)
コンピュータに、
(a)携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信するステップと、
(b)前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測するステップと、
(c)推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成するステップと、
(d)前記運動管理情報を外部へ送信するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【0151】
(付記20)
前記ステップ(c)において、前記位置での気温が所定値以上となり得る場合に、前記利用主体に対する注意を促す注意喚起情報を含む前記運動管理情報を作成する、付記19に記載のプログラム。
【0152】
(付記21)
前記運動管理情報は、推測された前記運動によって前記利用主体が消費した運動消費カロリー、前記運動が行われた時間、および前記運動によって前記利用主体が移動した距離の少なくとも1つを含む、付記19または付記20に記載プログラム。
【0153】
(付記22)
(e)前記ステップ(b)に先立ち、前記利用主体が行う運動の運動パターンを識別するステップを更に含み、
前記ステップ(e)では、前記利用主体が運動を行う際の前記利用主体の動作を予測した参照パターンと、前記運動情報に基づいて得られる前記利用主体の動作パターンとを比較することにより、前記利用主体の運動パターンを識別する、付記19〜付記21のいずれかに記載のプログラム。
【0154】
(付記23)
前記ステップ(b)では、前記位置に関する施設情報と、前記識別された運動パターンとを参照することにより、前記運動を推測する、付記22に記載の運動管理方法。
【0155】
(付記24)
前記ステップ(b)では、前記携帯端末の移動速度を参照して前記運動を推測する、付記23に記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、携帯端末の利用主体の運動に関する情報を管理する、運動管理装置、運動管理システム、運動管理方法、およびプログラムに適用することができる。
【符号の説明】
【0157】
1 運動管理システム
100 携帯端末
101 加速度センサ
200 運動管理装置
201 受信部
207 運動推測部
208 運動管理情報作成部
210 位置情報処理部
211 運動情報処理部
212 送信部
T 気温
Tth しきい温度(所定値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信する受信部と、
前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測する運動推測部と、
推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する運動管理情報作成部と、
前記運動管理情報を外部に送信する送信部と、
を備えていることを特徴とする、運動管理装置。
【請求項2】
前記運動管理情報作成部は、予めデータベースに格納されている、前記位置の気温を予想した予想気温情報と、前記位置での前記気温情報とを参照し、前記位置での気温が所定値以上となり得る場合に、前記利用主体に対する注意を促す注意喚起情報を含む前記運動管理情報を作成する、請求項1に記載の運動管理装置。
【請求項3】
前記運動管理情報は、推測された前記運動によって前記利用主体が消費した運動消費カロリー、前記運動が行われた時間、および前記運動によって前記利用主体が移動した距離の少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の運動管理装置。
【請求項4】
前記運動情報を処理する運動情報処理部を更に備え、
前記運動情報処理部は、予めデータベースに格納されている、前記利用主体が運動を行う際の前記利用主体の動作を予測した参照パターンと、前記運動情報に基づいて得られる前記利用主体の動作パターンとを比較することにより、前記利用主体の運動パターンを識別する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の運動管理装置。
【請求項5】
前記位置情報を処理するための位置情報処理部を更に備え、
前記位置情報処理部は、予めデータベースに格納されている地図情報および施設情報に基づいて、前記位置に関する施設情報を特定し、
前記運動推測部は、前記位置情報処理部によって特定された前記位置に関する施設情報と、前記識別された運動パターンとを参照することにより、前記運動を推測する、請求項4に記載の運動管理装置。
【請求項6】
前記位置情報処理部は、前記位置情報から前記携帯端末の前記位置の変化を特定し、特定した変化に基づいて前記携帯端末の移動速度を求め、求めた移動速度の情報を前記運動推測部へ出力し、
前記運動推測部は、前記移動速度を参照して前記運動を推測する、請求項5に記載の運動管理装置。
【請求項7】
加速度センサを有し、利用主体によって保持される携帯端末と、
前記利用主体の運動を管理する運動管理装置と、を備え、
前記運動管理装置は、
前記携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信する受信部と、
前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記利用主体が行う運動を推測する運動推測部と、
推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成する運動管理情報作成部と、
前記運動管理情報を外部へ送信する送信部と、
を備えていることを特徴とする、運動管理システム。
【請求項8】
(a)携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信するステップと、
(b)前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測するステップと、
(c)推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成するステップと、
(d)前記運動管理情報を外部へ送信するステップと、
を含むことを特徴とする、運動管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
(a)携帯端末の位置を特定する位置情報と、前記携帯端末に備えられた加速度センサによって取得された、前記携帯端末の運動情報と、前記位置での気温情報と、を受信するステップと、
(b)前記位置情報および前記運動情報に基づいて、前記携帯端末の利用主体が行う運動を推測するステップと、
(c)推測された前記運動および前記気温情報に基づいて、前記利用主体の運動を管理するための運動管理情報を作成するステップと、
(d)前記運動管理情報を外部へ送信するステップと、
を実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37543(P2013−37543A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173245(P2011−173245)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)