説明

運動結果記録シート

【課題】本発明の目的は運動継続の意欲が高まることを目標に開発された記録シートを提供するものである。
【解決手段】運動による移動距離または歩数に対応したシールの量を剥離することによる、総移動距離を路線図または道路地図上に表示しうる手段を備える記録シート。シールは100〜2000m移動毎または100〜2000歩毎に剥離されるように設定されている。歩数または移動距離を集計する表と地図とがセットとなっていてもよい。実際に其の地図上を歩いた感覚でウォーキングを楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ウォーキング、ジョギング、マラソンなどの歩行運動や水泳などの運動結果を集計記録するシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康維持には適度な運動が有効であり、そのためにはウォーキング、ジョギング、マラソンなどの、いつでも何処でも行うことが出来る歩行運動や、プールに行く必要があるものの関節に負担が少ない全身運動としての水泳などが普及している。これらの成果を評価する器具として、歩数計に代表される器具が市販されている。
しかしながら、運動自体が単調な行動である為に、毎日一定距離の運動を続けるには、強い意志が必要である。本発明は、運動継続の意欲が高まることを目標に開発された記録シートである。
【0003】
運動を継続して努力する意欲を増加させる歩数計については、先行特許文献1が存在するが、高齢者にとっては歩数計の操作は煩雑である。楽しく運動するために単純な操作で目標達成の過程を其のつど見ることができる手段が要請されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−296139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は運動継続の意欲が高まることを目標に開発された記録シートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、運動による移動距離を地図上に表示し、あたかもその地図の上を移動した感覚で表示するシートがあれば、楽しい目標があり、目標達成の過程を其のつど見ることができるので、単純な運動が今まで以上に楽しく感じるため、継続して行うことが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
1.運動による移動距離または歩数に対応したシールの量を剥離することによる、総移動距離を路線図または道路地図上に表示しうる手段を備える記録シート。
2.シールが100〜2000m移動毎または100〜2000歩毎に剥離されるように設定されている前項1に記載の記録シート。
3.シールが少なくとも一つの端部に粘着層を有しないシールである前項1または2に記載の記録シート。
4.運動する毎に、その運動による移動距離もしくは歩数および/または総移動距離を記録する手段をさらに備える前項1〜4のいずれか一に記載の記録シート。
5.移動距離もしくは歩数および/または総移動距離の記録と路線図もしくは道路地図が同一平面上に備えられている前項1〜4のいずれか一に記載の記録シート。
【発明の効果】
【0008】
楽しい目標があり、運動による移動距離または歩数を電車やバスの路線図やハイキングコース等道路地図上に表示し、あたかもその地図の上を移動した感覚で表示するシートがあれば、目標達成の過程を其のつど見ることができるので、単純な運動が今まで以上に楽しく感じるため、継続して行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、運動による移動距離または歩数に対応したシールの量を剥離することによる、総移動距離を路線図または道路地図上に表示しうる手段を備える記録シートに係る発明である。実際に其の地図上を歩いた感覚でウォーキングを楽しむことができる。
【0010】
運動は、移動を伴うものであれば特に制限はないが、歩行、マラソン、遊泳、自転車などが挙げられる。歩数は、歩数計により測定する。歩行による移動距離は、歩数計に表示される距離を用いることができ、また、歩数計で計数した歩数に一定係数を乗じて算出することができる。換算係数は一定距離を歩いて歩数で割ることにより、予め求めておくとよい。
【0011】
路線図、または道路地図とは、電車、バス等の路線図、道路が記載された地図、ハイキングコースが記載された地図、旧街道、宿場町等を載せたものが好適である。路線図または道路地図上には始点からの距離が記載されている。さらに好適には、地図に、名所、旧跡、名物、特産品、公園、店舗など、その場所の紹介、情報が記載されたものが用いられる。
【0012】
シートは平面状のものであれば、制限はない。束になっていてもよい。ノート状のものも含む。材質は紙、プラスチックなど、制限されないが、シール貼付部分には、シートが剥離される材質のものが用いられる。コーティングやラミネートされていてもよい。
【0013】
本発明のシートは、運動する毎に、その運動による移動距離もしくは歩数および/または総移動距離を記録する手段をさらに備えていてもよい。好適には、鉛筆、ペンなどの筆記具を用いて記入する。
本発明の記録シートには、歩数および/または移動距離の記録と地図は、同じシート、同じ頁、裏表に備えられていることが好ましい。複数に分かれていても同時に見ることが可能な状態であることが好ましい。特に好ましくは同一平面に備えられている。
【0014】
本発明のシートは、運動毎、1〜10回の運動毎、または一定期間毎(例えば1週間の運動毎)の移動距離または歩数に相当するシールを剥離することにより、総移動距離を集計することができる。シールは歩数または移動距離に対応した量が剥離される。シールは、路線図や道路地図の上に貼付されており、剥がすことにより路線図もしくは道路地図、並びに始点からの距離が表示される。このようにして、総移動距離が把握できる。
【0015】
シールは100〜2000歩毎に剥離できるように設定されている。好ましくは、200〜1500歩、より好ましくは、300〜1300歩、最も好ましくは1000歩毎に剥離される。或いは、シールは100〜2000メートル毎に剥離できるように設定されている。好ましくは、200〜1500メートルである。1枚のシールに相当する好ましい歩数または距離は運動の種類、年齢等により変動する。
【0016】
シールを剥離することにより、運動開始からその時点までの総移動距離が路線図または道路地図上に出発点からの総移動距離として表示される。さらに、好ましくは、シールを剥離することにより、地図上に移動先の場所に関する情報が表示される。例えば、路線図上の任意の駅を通過すると最寄の名所、旧跡、名産品等の絵や写真が表示される。
【0017】
本発明の記録シートは高齢者が好適に使用可能なものであるので、シールの少なくとも一つの端部は剥離し易いように粘着層が付与されておらず、つまみ易くなっている態様が好ましい。より好ましくは、シールのつまみ部は、大きくなっている、着色されている、マークが付与されているなどにより、見やすくなっている。
【実施例1】
【0018】
大阪と京都の間を走る京阪電車の淀屋橋駅から、京都出町柳駅までの各駅の名前を直線状にならべ、駅区間の距離を記入し、さらに駅の近くの有名な場所の写真を貼った路線図を作成し、その上に1000メートルごとに剥離できるシールを貼った。
路線地図の上半分には、歩数計で計数した歩数と、歩数に一定係数を乗じて求めた距離を記入する表を設けた。歩数から移動距離を求める為の換算係数は、以下のようにして求めた。即ち、グランドで100メートルを正確に測り、その距離を歩いた時の歩数計(オムロン製HJ−002)の示す歩数(120歩)を求め、1歩の距離(0.83メートル)を算出し、換算係数とした。自宅の周りを約30分歩き、歩数から移動距離を求めたところ、2.0Kmであった。表に、歩数と移動距離とを記入した。この移動距離に相当するシール2枚を剥がしたところ、淀屋橋駅から歩き始めて、天満橋駅と京橋駅の中間点間まで歩いた距離に相当した。次の日も同じコースを歩き、2.0Kmを歩いたので、歩数計の示す歩数と、移動距離を表に記録し、シールを剥離し路線地図を表示した。この記録シートを用いることで、一月かけて、くじけることなく、目標地(京都出町柳駅)に向かって、歩き続けることが出来た。
【実施例2】
【0019】
新大阪駅と東京までの新幹線の各駅の名前を、区間距離に従った間隔で地図に記入し、東海道新幹線の路線地図を作成した。
プールで毎日1000メートルを泳ぎ、1週間に泳いだ総距離(6〜7Km)に相当するシールを、毎週路線地図上から剥離した。新大阪から名古屋までを、6ヶ月間かけて、くじけず泳ぎ続けることが出来た。
【実施例3】
【0020】
実施例1と同様の地図の上に1000歩ごとに剥離できるシールを貼ったシートを作成した。1歩の幅は、0.5〜0.9メートルとして、幅が異なるシールを貼付したシートを5種類作成した。各シールは長方形であり、一部のシールは剥離時に写真が表示されるように大きな面積を有するシールと一体化した。各シールの一端は地図に接着することなく剥離しやすくした。
毎日、約30分かけて3000歩き、毎日3枚のシールを剥離した。くじけることなく、目標地(京都出町柳駅)に向かって、歩き続けることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0021】
運動成果の記録シートとして、特に高齢者など、複雑な歩行測定機器の扱いが困難な人や、面倒な人たちが、楽しく運動する意欲を持続することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動による移動距離または歩数に対応したシールの量を剥離することによる、総移動距離を路線図または道路地図上に表示しうる手段を備える記録シート。
【請求項2】
シールが100〜2000m移動毎または100〜2000歩毎に剥離されるように設定されている請求項1に記載の記録シート。
【請求項3】
シールが少なくとも一つの端部に粘着層を有しないシールである請求項1または2に記載の記録シート。
【請求項4】
運動する毎に、その運動による移動距離もしくは歩数および/または総移動距離を記録する手段をさらに備える請求項1〜3のいずれか一に記載の記録シート。
【請求項5】
移動距離もしくは歩数および/または総移動距離の記録と路線図もしくは道路地図が同一平面上に備えられている請求項1〜4のいずれか一に記載の記録シート。

【公開番号】特開2011−251459(P2011−251459A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126590(P2010−126590)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(510153928)