説明

運行防犯監視システム

【課題】 既設の回線を利用して監視対象と監視センタとの間で通信を行うとともに、監視対象で得られた情報を監視センタに出力する運行防犯監視システムを提供する。
【解決手段】 運行防犯監視システム10は、監視対象にカメラ14および音声マイク16の少なくとも一方を備えた情報入力手段を設けるとともに、公衆回線24を利用して監視センタ26との間で双方向通信を行うテレビ電話機能を搭載した端末18を前記情報入力手段に接続し、前記監視センタ26に前記情報入力手段で取得された情報の出力手段32を設けた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運行防犯監視システムに係り、特に監視対象の状況を監視センタで監視する運行防犯監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タクシーの防犯基準は防犯責任者や乗務員、防犯設備、防犯マニュアル等の作成について規定している。そして防犯設備は、車外防犯灯や防犯仕切板等の防犯設備の設置について規定されている。このためタクシーは、この防犯基準に沿った設備を設ける必要がある。ところがタクシーの防犯基準を設けても、タクシーを対象とした強盗事件の発生件数は増加傾向にあるのが現状である。
【0003】
そしてタクシーに賊が侵入した等の非常時の場合、タクシー上部に設置された行灯(防犯灯)等を点滅させて、車外に対して非常事態が起こったことを知らせているが、車両の通行量や人通りの少ない場所では、行灯を点滅させても気づかれない虞があった。
【0004】
このためタクシー等の車両に賊が侵入して乗務員や乗客を脅す等の行為が合った場合であっても、非常ボタンを操作することにより車両に設けられた監視カメラや音声マイク、GPSユニット等から収集した情報を、送受信部を介して監視センタに送信するシステムがある(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−279559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら非常事態を知らせる通報システムでは、タクシーから監視センタへの通信にタクシーが使用している営業無線を用いると、データの送信エリアが限定される問題点がある。すなわちタクシーの営業無線は地域毎に分けられているで、タクシーの所属する地域を出た場合は車両から監視センタまでの回線が通じなく、通報システムを使用することができない。また通報システム用のために専用回線を用いた場合は、通報システム用に新たなアンテナや中継設備等を設置しなければならず、設備を設置する手間と設備投資とが必要となる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、既設の回線を利用して監視対象と監視センタとの間で通信を行うとともに、監視対象で得られた情報を監視センタに出力する運行防犯監視システム。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る運行防犯監視システムは、監視対象にカメラおよび音声マイクの少なくとも一方を備えた情報入力手段を設けるとともに、公衆回線を利用して監視センタとの間で双方向通信を行うテレビ電話機能を搭載した端末を前記情報入力手段に接続し、前記監視センタに前記情報入力手段で取得された情報の出力手段を設けた、ことを特徴としている。すなわち前記情報入力手段と前記端末とは前記監視対象に設けられている。
この場合、前記監視センタに入力手段を設けるとともに、前記監視対象に出力手段を設けた構成にできる。
【0008】
また前記監視センタを介して前記監視対象の情報を取得する第2監視センタを設け、前記第2監視センタはテレビ電話機能を搭載した携帯端末を備えた構成にできる。
【0009】
また前記監視センタに通信回線を介して接続する連絡センタを設け、前記監視センタは、前記監視対象の情報を取得すると、前記情報を取得したことを前記連絡センタに知らせる手段を備えた構成にできる。
また前記監視センタは複数ある構成にできる。また前記監視対象は位置情報取得手段を備えた構成にできる。また前記監視対象は防犯灯を備えた構成にできる。また前記監視対象はタクシーとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
監視対象と監視センタとは、既設の公衆回線を利用して通信を行うことができる。したがって監視対象が何処へ移動しても監視対象と監視センタとが通信を行うことができる。また専用回線により通信を行う場合に比べて設備投資を抑えることができる。そして監視対象と監視センタとにテレビ電話機能を備えた端末を設けたので、監視対象で取得した動画データや音声データを監視データにおいて出力することができる。このとき動画データと音声データとは対比が取れて出力される。すなわち監視センタにおいて、動画データと音声データとの間に時間差が生じて出力されることはない。したがって監視対象の状況を、監視センタにおいて迅速かつ正確に把握することができる。
【0011】
また監視センタの入力手段を用いて音声や文字等の指示を入力して前記指示を監視対象に送信することにより、監視対象の出力手段によって前記指示を出力することができる。この場合前記指示は、監視対象に侵入した賊に対して威嚇等するものであってもよい。これにより監視センタに出力される情報に基づいて、監視対象に対して適切な指示や、賊に対して威嚇等を行うことができる。
【0012】
また監視センタを複数設ければ、監視対象と監視センタとの間で確実に情報の送受信を行うことができる。そしてテレビ電話機能を搭載した携帯端末を用いれば、監視者が移動しながらでも監視対象の状況を正確に把握することができる。
【0013】
また監視対象の情報が監視センタで取得された場合は、監視センタで情報を取得した旨が連絡センタに伝えられる。したがって連絡センタに居る監視者は、監視対象に対してや、監視センタに対して監視対象の情況を迅速に問い合わせる等ができ、特に監視対象に非常事態が発生した場合は迅速な対応を取ることができる。
【0014】
また監視対象の位置情報を監視センタに出力するので、監視者は監視対象の正確な現在位置を把握することができる。
また監視対象に非常事態が発生した場合は、防犯灯を点灯、点滅等させることにより、監視対象の外部に対して非常事態の発生を知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明に係る運行防犯監視システムの好ましい実施の形態について説明する。以下に説明する実施形態では、監視対象としてタクシー等の車両を用いた形態について説明する。まず第1の実施形態について説明する。図1に第1の実施形態に係る運行防犯監視システムの説明図を示す。第1の実施形態に係る運行防犯監視システム10は、監視対象となる車両12と、この車両12を監視する監視センタ26とから主に構成されている。
【0016】
前記車両12には情報入力手段、すなわち車両12内部を動画で撮像するカメラ14と音声を入力する音声マイク16とが設けられている。このカメラ14は動画を撮像できるものであればよく、例えばウェブカメラや、監視業務等に用いられるレンズ交換可能なカメラであればよい。なおレンズ交換可能なカメラを用いた場合は、車両12内部の全体を撮像する画角を有するレンズを用いればよい。そしてカメラ14は、例えば車両12内部全体を見渡すことができる位置に設ければよく、また乗車している人や車内に侵入した賊にカメラ14が設置してあることを気づかれない位置に設けてもよい。また音声マイク16は、車内の会話等を入力できるものであればよく、この会話等を入力できる位置に設ければよい。これらの情報入力手段は、テレビ電話機能を搭載した端末18に接続されている。この端末18は、情報入力手段で取得されたデータを監視センタ26に送信するための機器である。すなわち端末18は、既設の公衆回線24を利用して監視センタ26と双方向通信を行うものである。したがって端末18は、カメラ14で撮像した動画データと音声マイク16で入力した音声データとの対比を取って送信するものであり、監視センタ26から車両12へ送られてくるデータを受信するものである。そして第1の実施形態に用いられる端末18は、カメラ14で撮像した動画データと音声マイク16で入力した音声データとを対比が取れて送受信するものであればよく、端末18自体にカメラや音声マイク等を設ける必要はない。
【0017】
また端末18には、スピーカ20と防犯灯22が接続されている。前記スピーカ20は、監視センタ26から送信された音声データを出力するものである。また防犯灯22は車外に設けられており、車両12外部から視認し易い位置、例えば車両12の屋根や側面等に設ければよい。
【0018】
前記監視センタ26には通信端末28が設けられており、この通信端末28と車両12に設けられた端末18との間で双方向通信が行われる。そして通信端末28はサーバ30に接続されている。このサーバ30は車両12から送信された動画データや音声データ(情報)を録画・録音するとともに、この情報を連絡センタ36に配信するものである。そして、このサーバ30には情報入力手段で取得された画像や音声の出力手段32と、音声マイク34が接続されている。前記出力手段32は、画像の表示装置やスピーカ等で構成されていればよい。このような監視センタ26からは、公衆回線24を介して車両12に接続し、車両12の情報を得ることもできる。
【0019】
前記連絡センタ36は警察署や警備会社等であり、インターネット等の通信回線38を介して監視センタ26のサーバ30と連絡センタ36とが接続されている。そして連絡センタ36には入出力手段40が設けられ、この入出力手段40には表示装置やスピーカ、音声マイク等が設けられている。この入出力手段40によって、サーバ30に入力された映像・音声を確認することが可能である。なお実施形態によっては、連絡センタ36を設けない構成としてもよい。
【0020】
次に、第1の実施形態に係る運行防犯監視システム10の動作について説明する。まず車両12に設けられているカメラ14および音声マイク16を起動させる。この起動は、車両12に賊が侵入した場合に、乗務員がスイッチを操作することにより起動させてもよく、車両12の運行開始時に起動させてもよい。すなわちカメラ14および音声マイク16は、非常時または常時起動させればよい。そして乗務員がスイッチを操作すると、スイッチのONに連動して防犯灯22が点滅する。カメラ14および音声マイク16を起動させると、これらの情報入力手段で映像と音声の情報が取得される。そしてカメラ14によって撮像された動画データと、音声マイク16で取得された音声データとはディジタル信号に変換される。なおカメラ14および音声マイク16では、取得した動画データおよび音声データをディジタル信号で出力するものであれば、あらためてディジタル信号に変換する必要はない。この後、動画データおよび音声データは監視センタ26へ送信されるために圧縮される。この圧縮は、例えばMPEG4形式で圧縮すると監視に必要な品質を保持しつつ端末18と通信端末28との間で双方向通信が可能となる。そして圧縮された動画データおよび音声データは、端末18を介して監視センタ26に送信される。
【0021】
監視センタ26では、車両12から送信された動画データおよび音声データを通信端末28に入力した後、動画データおよび音声データはサーバ30に出力して録画・録音するとともに、出力手段32で映像および音声を出力する。この映像および音声は、監視センタ26に待機している監視者によって確認される。なお実施の形態によっては、動画データおよび音声データをサーバ30に入力したら録画・録音を行わずに出力手段32へ出力し、監視者によって操作を行った後に動画データおよび音声データをサーバ30に記録するようにしてもよい。
【0022】
また動画データおよび音声データが監視センタ26のサーバ30に入力されたら、サーバ30はインターネット等の通信回線38を介して動画データおよび音声データを連絡センタ36に出力する。そして連絡センタ36に設けられた入出力手段40によって、監視センタ26で出力される映像・音声と同じものが出力される。なお連絡センタ36が警察署であり、車両12の乗務員がスイッチを押して車両12に賊が侵入した等の非常事態を知らせる場合は、スイッチの押し下げを110番通報のかわりとすることができる。
【0023】
また監視センタ26や連絡センタ36からは、車両12に対して次の操作をすることができる。すなわち監視センタ26や連絡センタ36に設けられた音声マイク(入力手段)を用いて、監視者が車両12内に居る乗務員等に指示を出し、監視センタ26の通信端末28、公衆回線24および端末18を介して車両12に設けられたスピーカ20(出力手段)から前記指示を出力することが可能である。このとき本実施形態に係る運行防犯監視システム10は双方向通信が可能なシステムなので、車両12から監視センタ26へ動画データおよび音声データを出力しつつ、監視センタ26から車両12へ前記指示の音声データを送信することが可能である。なお前記指示は、車両12に賊が侵入した非常時の場合、賊に対しての威嚇や警告であってもよい。また車両12に文字等の表示装置(出力手段)を設けるとともに、監視センタ26や連絡センタ36に文字等の入力手段を設ければ、監視者が入力した文字による指示を前記表示装置に出力して乗務員に指示することが可能になる。
【0024】
また監視センタ26や連絡センタ36からは、監視センタ26等の側からの操作によって車両12に設けられたカメラ14および音声マイク16を起動させることもできる。すなわち監視センタ26のサーバ30や連絡センタ36の入出力手段40に、車両12に設けられたカメラ14および音声マイク16を起動させるスイッチ(起動スイッチ)を接続しておけばよい。そして監視者が起動スイッチをONにすると、起動信号が通信端末28、公衆回線24および端末18等を介して車両12に設けられたカメラ14および音声マイク16に出力され、カメラ14および音声マイク16が起動する。これにより車両12側でカメラ14および音声マイク16を起動させなくても、監視センタ26や連絡センタ36側からカメラ14および音声マイク16を起動させることが可能となる。また監視センタ26側からの操作によって防犯灯22を点灯させるようにしてもよい。なお車両12に表示器を設けておき、カメラ14および音声マイク16が起動して動画データや音声データを監視センタ26に出力している場合には前記表示器を点灯させるようにして、車両12の乗務員にデータを監視センタ26に出力していることを知らせてもよい。
【0025】
このように車両12と監視センタ26とは公衆回線24を利用して接続するので、既設の設備を利用することができる。公衆回線網は日本中に張り巡らされているので、車両12が何処に向かっても車両12と監視センタ26との間で双方向通信を行うことができる。したがって人通りや車両の通行量が少ない場所で車両12に賊が侵入したとしても、本実施形態に係る運行防犯監視システム10により非常事態の発生を車両12から監視センタ26に通報することができる。そして本実施形態に係る運行防犯監視システム10は専用回線を必要としないので、回線を設けるための設備投資を必要としない。
【0026】
また車両12の内部に設けられたカメラ14および音声マイク16を利用して、監視センタ26において即時に車両12内部の映像と音声を確認できるので、車両12内部の状況を迅速に把握できる。したがって車両12に賊が侵入した等の非常時には、監視センタ26で車両12内部の状況把握や乗務員の安否確認をして犯罪解決のための対応を迅速にとることができる。また監視センタ26だけでなく、連絡センタ36にも入出力手段40を設けて非常時に映像および音声を確認できるようにしているので、警察や警備会社と連携して適切な指示や対応を行うことができる。なお監視センタ26のサーバ30に映像や音声が記録されているので、この記録を証拠品として提出することができる。またマナーの悪い乗客の状況を録画することもできる。
【0027】
また通常時には、カメラ14および音声マイク16を利用して、乗客に対する乗務員の対応等を確認することができる。これにより従来では乗客に対し乗務員が適切な対応を行っているかアンケートを記載してもらい乗務員の対応を把握していたが、乗客に対しアンケートを記載してもらう手間を省くことができ、乗務員の正確な接客対応を把握することができる。
【0028】
またカメラ14や音声マイク16を見やすい位置に配設することにより、または車両の出入り口等に運行防犯監視システム10を備えていることを表示することで、犯罪の抑止効果が得られる。
【0029】
上述した実施形態では、車両12と監視センタ26との間の通信に公衆回線24を利用している。そして車両12と公衆回線24とは、車両12と公衆回線24の末端に設けられたアンテナとの間で無線通信が行われている。このため前記無線通信を行う電波の状況によって、車両12と監視センタ26との通信が切断される可能性がある。これに対処するために、端末18に再接続させるための手段(再接続手段)を設けておくこともできる。すなわち画像データおよび音声データを監視センタ26に出力しているときに通信が切断された場合、前記再接続手段によって自動で車両12と監視センタ26との双方向通信を再開させればよい。なお通信端末28に再接続手段を設けておいてもよい。
【0030】
また本実施形態に係る運行防犯監視システム10では監視センタ26が1つ設けられているが、複数の監視センタ26を設ける形態であってもよい。複数の監視センタ26を設ける場合、端末18には各監視センタ26の接続番号と接続の順番とを記憶させておけばよい。そして車両12から監視センタ26に接続するときは、まず接続の順番が1番目に登録されている監視センタ26に接続処理を開始してこの監視センタ26に接続されると、車両12とこの監視センタ26との間で双方向通信が行われる。また接続の順番が1番目に登録されている監視センタ26に接続処理を開始して接続されなかった場合には、2番目に登録されている監視センタ26に接続処理を開始し、2番目に登録された監視センタ26に接続されると車両12とこの監視センタ26との間で双方向通信が行われる。さらに2番目に登録されている監視センタ26に接続できなかった場合は、端末18に記憶されている接続の順番にしたがって監視センタ26への接続処理を繰り返す。なお各監視センタ26間をインターネット等の通信回線で接続して、車両12から1つの監視センタ26に送られてくる画像データや音声データを各監視センタ26で確認できるようにしてもよい。
【0031】
また本実施形態に係る運行防犯監視システム10では、位置情報取得手段を車両12に設けてもよい。この位置情報取得手段は車両12の位置を特定できるものであればよく、例えば全地球測位システム(GPS)を利用することができる。GPSを利用する場合、車両12にGPSアンテナとGPSユニットを設けておき、端末18を介して前記GPSユニットで取得した位置情報を監視センタ26に出力すればよい。そして監視センタ26では、映像や音声とともに車両12の位置情報を出力手段32で表示すればよい。このとき車両12の位置情報に基づいて、車両12の位置を地図上に表示してもよい。これにより車両12の位置を正確に把握することができ、非常時には適切な対応を迅速にとることができる。また車両12がタクシーの場合には、営業エリア外のタクシーの位置や、長時間停車している等の不審走行のタクシーを確認することができる。さらにタクシーの現在位置と空車情報とを双方向通信により監視センタ26で把握でき、乗客からの配車要求に対して全車両12の中から最適な車両12の検索を容易に行うことができる。
【0032】
なお実施形態によっては、複数台数の車両12と監視センタ26との間で双方向通信が行われる形態であってもよい。また1つの車両12に複数台のカメラ14を設け、車両12の乗務員や監視センタ26等の監視者によって1つのカメラ14を選択し、この選択されたカメラ14からの映像を監視センタ26へ送信するようにしてもよい。
【0033】
また上述した実施形態では、テレビ電話機能を搭載した端末18はカメラと音声マイクとを設けていない構成として説明したが、他の構成として次の構成であってもよい。すなわち端末を携帯可能とし、この携帯端末自体に表示装置やスピーカ、カメラ等を設ける。このような携帯端末は、例えばテレビ電話機能付き携帯電話である。これによりカメラや音声マイク等の設備を前記携帯端末に一体化することができ、車両設備を小型化にすることができる。また設備投資も少なくてすむ。
【0034】
またカメラ14は記憶手段を備えるものであってもよい。この記憶手段を備えたカメラでは、撮像した映像を記憶手段に保存することができる。なお動画のフレーム毎の映像を圧縮したものを連続して記録するMJPEG形式や、MPEG形式にして記憶手段に保存することもできる。
また車両12にはカメラ14および音声マイク16の両方を設けるばかりでなく、カメラ14および音声マイク16の少なくとも一方を設ける構成としてもよい。
【0035】
次に、第2の実施形態に係る運行防犯監視システムについて説明する。なお第1の実施形態と同一部分には、その説明を省略または簡略し同番号を付す。図2に第2の実施形態に係る運行防犯監視システムの説明図を示す。第2の実施形態に係る運行防犯監視システム50は、監視対象となる車両12と、この車両12を監視する監視センタ26とから主に構成されている。前記車両12には、第1の実施形態と同構成のカメラ14、音声マイク16、スピーカ20、防犯灯22およびテレビ電話機能を搭載した端末18が設けられている。
【0036】
前記監視センタ26には、第1の実施形態と同構成の通信端末28、サーバ30、出力手段32および音声マイク34が設けられている。またこれらの他に、サーバ30には第2通信端末52が接続されている。この第2通信端末52は、車両12との双方向通信に用いられる通信端末28と同じ機能を有するものであり、テレビ電話機能を搭載した携帯端末54が公衆回線56を介して双方向通信可能に接続される。この携帯端末54は、端末54自体に表示装置やスピーカ、カメラ等の出力手段が設けられているものであり、例えばテレビ電話機能付き携帯電話である。
【0037】
次に、第2の実施形態に係る運行防犯監視システム50の動作について説明する。車両12から監視センタ26へ出力された動画データおよび音声データは、サーバ30を介して出力手段32で出力される。またサーバ30は、動画データおよび音声データを入力したら、動画データ等を第2通信端末52に出力する。第2通信端末52では動画データおよび音声データを圧縮し、公衆回線56を介して動画データおよび音声データを携帯端末54に出力する。そして携帯端末54の前記出力手段によって、監視センタ26に出力された映像・音声と同じものが出力される。
【0038】
これにより監視センタ26において映像・音声が出力されるのと同時に、携帯端末54においても映像・音声が出力される。したがって監視センタ26にいる監視者が席を離れていたとしても、携帯端末54を所持している監視者によって車両12を監視することができる。この携帯端末54を所持している監視者が第2監視センタとなる。また第2の実施形態に係る運行防犯監視システム50は、第1の実施形態に係る運行防犯監視システム10と同様の効果を奏することができる。
【0039】
次に、第3の実施形態に係る運行防犯監視システムついて説明する。なお第1の実施形態と同一部分には、その説明を省略または簡略し同番号を付す。図3に第3の実施形態に係る運行防犯監視システムの説明図を示す。第3の実施形態に係る運行防犯監視システム60は、監視対象となる車両12と、この車両12を監視する監視センタ26とから主に構成されている。前記車両12には、これらは第1の実施形態と同構成のカメラ14、音声マイク16、スピーカ20、防犯灯22およびテレビ電話機能を搭載した端末18が設けられている。前記監視センタ26には、第1の実施形態と同構成の通信端末28、サーバ30、出力手段32および音声マイク34が設けられている。またこれらの他に、サーバ30には連絡センタ36へ自動で電話を掛けるオートダイヤラ62が接続されている。このオートダイヤラ62は電話回線等の通信回線63を利用して連絡センタ36に設けられた電話64に接続するものである。この連絡センタ36は警察署や警備会社等である。
【0040】
次に、第3の実施形態に係る運行防犯監視システム60の動作について説明する。車両12から監視センタ26へ出力された動画データおよび音声データは、サーバ30を介して出力手段32で出力される。またサーバ30は、動画データおよび音声データを入力したら、オートダイヤラ62に信号を出力する。オートダイヤラ62は、前記信号を入力すると連絡センタ36に対して通報を行い連絡センタ36に居る監視者に対して、例えば非常事態が発生した旨を自動で伝える。
【0041】
これにより連絡センタ36では、非常事態が発生したことを早期に知ることができ、迅速に非常事態解決のための対応をとることができる。また第3の実施形態に係る運行防犯監視システム60は、第1の実施形態に係る運行防犯監視システム10と同様の効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る運行防犯監視システムは、鉄道やバス、タクシー等の公共移動サービス業務や、宅配便や現金輸送等の運輸業務に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施形態に係る運行防犯監視システムの説明図である。
【図2】第2の実施形態に係る運行防犯監視システムの説明図である。
【図3】第3の実施形態に係る運行防犯監視システムの説明図である。
【符号の説明】
【0044】
10………運行防犯監視システム、12………車両、14………カメラ、16………音声マイク、18………テレビ電話機能を搭載した端末、24………公衆回線、26………監視センタ、28………通信端末、30………サーバ、32………出力手段、36………連絡センタ、50,60………運行防犯監視システム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象にカメラおよび音声マイクの少なくとも一方を備えた情報入力手段を設けるとともに、公衆回線を利用して監視センタとの間で双方向通信を行うテレビ電話機能を搭載した端末を前記情報入力手段に接続し、
前記監視センタに前記情報入力手段で取得された情報の出力手段を設けた、
ことを特徴とする運行防犯監視システム。
【請求項2】
前記監視センタに入力手段を設けるとともに、前記監視対象に出力手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の運行防犯監視システム。
【請求項3】
前記監視センタを介して前記監視対象の情報を取得する第2監視センタを設け、前記第2監視センタはテレビ電話機能を搭載した携帯端末を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の運行防犯監視システム。
【請求項4】
前記監視センタに通信回線を介して接続する連絡センタを設け、
前記監視センタは、前記監視対象の情報を取得すると、前記情報を取得したことを前記連絡センタに知らせる手段を備えた、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の運行防犯監視システム。
【請求項5】
前記監視センタは複数あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の運行防犯監視システム。
【請求項6】
前記監視対象は位置情報取得手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の運行防犯監視システム。
【請求項7】
前記監視対象は防犯灯を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の運行防犯監視システム。
【請求項8】
前記監視対象はタクシーであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の運行防犯監視システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−11928(P2006−11928A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189560(P2004−189560)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000162593)株式会社協和エクシオ (57)
【Fターム(参考)】