説明

運賃表示装置

【課題】 同時に表示することのできる整理券番号に対する運賃の数を増やすとともに、運賃以外の情報を表 示することができる運賃表示装置を提供する。
【解決手段】 車両走行中は、液晶モニタ2Aに整理券番号と整理券番号に対する運賃とを対応させて表示し、液晶モニタ2Bにコマーシャルやニュース等の情報を表示し、上記液晶モニタ2Aにすべての整理券番号に対する運賃を表示できない場合、整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に切り替え表示する。ドア開信号発生部15からドア開信号が発せられると、液晶モニタ2Aに整理券番号1〜20に対する運賃を表示するとともに、液晶モニタ2Bに整理券番号21〜40に対する運賃を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路線バスやワンマン運行式の鉄道等に搭載される運賃表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
路線バスやワンマン運行式の鉄道では、運賃算定の基準となる乗車区間を設定しており、各停留所から乗車する乗客に対して上記乗車区間に応じて予め定められた整理券番号を記した乗車整理券を発行する。そして、車内に設置される運賃表示装置には、各整理券番号毎に次停留所までの運賃を表示するようになっている。
【0003】
図27は従来の運賃表示装置1の外観を示す図である。図27に示すように、整理券番号表示部3aには、LEDを用いたセグメント方式の整理券番号用表示デバイスが嵌め込まれ、この例では、1〜20の整理券番号が表示される。3bは各整理券番号に対応して設けられた運賃表示部で、例えばLEDを用いたセグメント方式の運賃用表示デバイスが嵌め込まれ、数字を使って運賃が表示される。また、4は停留所名表示部で、漢字やかな文字等を使って停留所名を表示するLEDのドットマトリックス方式の停留所名用表示デバイスが嵌め込まれており、この例では、「次は」という固定表示と、次の停留所となる「○○○○○駅前」が表示されている。
【0004】
図28は運賃表示装置1のシステム構成を示す図である。運賃表示装置1は、整理券番号を表示する整理券番号表示部3a、整理券番号に応じた運賃を表示する運賃表示部3b、次の停留所名を表示する停留所名表示部4、プログラムを格納したプログラムメモリ6、書き替え可能なワークメモリ7、停留所情報を記録した運行メモリ8、整理券番号に応じた運賃情報を記憶した運賃メモリ9および表示内容を制御する制御部11とを備えている。上記ワークメモリ7には、上記運行メモリ8および運賃メモリ9を参照して、図示しない運行系統入力手段を介して入力された運行系統に該当する停留所情報と運賃情報が記憶される。
【0005】
12は停留所進捗信号発生部で、降車用ドアが閉じてから所定時間が経過後または降車用ドアが閉じてから所定距離を走行すると、あるいは運転手によって歩進スイッチ(図示せず)が操作されると、次の停留所に近づいたとして停留所進捗信号が発せられる。なお、乗降客のいない停留所を通過した場合、運転手によって停留所通過スイッチ(図示しない)が操作されると、その停留所を通過したものとして停留所進捗信号が発せられる。13は押しボタン信号発生部で、乗客によって押しボタンスイッチ(図示しない)が操作されると押しボタン信号が発せられ、次の停留所で降車する乗客がいることが乗務員に伝わる。14はドア開信号発生部で、降車用ドアが開くと、降車用ドアが開いたことを示すドア開信号が発せられる。15はドア閉信号発生部で、降車用ドアが閉じると、降車用ドアが閉じられたことを示すドア閉信号が発せられる。
【0006】
次に動作について説明する。上記制御部11は、停留所進捗信号発生部12から停留所進捗信号を受けると、上記ワークメモリ7に記憶した停留所情報を参照して次の停留所名を読み出し、その停留所名を停留所名表示部4に送出するとともに、各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃を読み出して運賃表示部3aに送出する。
【0007】
バスが始発停留所を発車した直後は運賃表示部3aが1個発光するだけであるが、バスの運行が進むにつれ表示を行う運賃表示部3aの表示数が増えていく。ここで示した運賃表示装置は、整理券番号として最大20までの運賃を表示することができるもので、図27には整理券番号1〜8に対応する運賃がそれぞれ表示されている。
【0008】
21以上の整理券番号が発行される路線、例えば、整理券番号40までの表示が要求される場合には、整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に表示することで、最大40までの運賃表示を行えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
また、表示パネルを複数有する表示装置を用い、それぞれの表示パネルに異なる表示内容を順次サイクル表示する表示装置もある(例えば、特許文献2参照)。さらには、画面サイズ以上の画像表示を行う場合、1つの表示画面で画像を表示できるよう、画像サイズに合わせて解像度を変化させて表示するものや、2つの表示画面を用いて1つの画像を表示するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】実公昭63−39730号公報
【特許文献2】特開平8−161305号公報
【特許文献3】特開平5−241758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に切り替え表示する運賃表示装置の場合、同時にすべての整理券番号に対する運賃を表示できないため、運賃確認に時間を要するという問題がある。特に、停留所にバスが停車した段階で、その停留所で降車したい乗客が運賃を確認したい場合、その乗客が乗車時に受け取った整理券番号が運賃表示装置に表示されるまで待つ必要があるため、降車処理時間が長くなるという問題がある。
【0012】
また、1つの表示画面で20の整理券番号に対する運賃が表示できる表示画面を2つ用いて運賃表示を行うようにした場合、最大40までの整理券番号に対する運賃を同時に表示することができるが、整理券番号20以下の地点を運行している場合には、2つの表示画面があるにも関わらず、1画面しか表示されないため、表示装置を有効利用することができないという問題がある。
【0013】
さらに、複数の表示パネルを有し、それぞれ異なる内容をサイクル表示する表示装置を運賃表示装置として用いた場合、例えば、一方の表示パネルに整理券番号1〜20に対する運賃を表示し、他方の表示パネルに広告等を表示する場合、21以上の整理券番号に対する運賃を表示するには、前述した運賃表示装置と同様に整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に切り替え表示する必要があるため、運賃確認に時間を要するという問題がある。
【0014】
また、画像サイズに合わせて解像度を変化させることができる表示装置を運賃表示装置として用いた場合、すべての整理券番号に対する運賃を1画面に表示できるものの、見やすさの点で難点があり、かえって運賃確認に時間を要するという問題が生じる。
【0015】
この発明の目的は、運賃確認に要する時間を短くできるとともに、運賃以外の情報を表示することができる運賃表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の運賃表示装置は、運賃算定の基準となる乗車区間に応じて予め定められた整理番号を記した乗車整理券を各乗客に発行する車両に設置され、上記各整理番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を表示する運賃表示装置において、上記各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示する第1画面と、乗客への案内、コマーシャル、ニュース等の任意の情報を表示する第2画面とからなることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載の運賃表示装置は、請求項1に記載の運賃表示装置において、上記第1画面に上記各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示し、上記第2画面に運賃以外の情報を表示する第1表示パターンと、上記第1画面と第2画面とを用いて上記各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示する第2表示パターンとを有し、上記2つの表示パターンを切り替えて表示することを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載の運賃表示装置は、請求項2に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンは、表示すべき整理番号とこの整理番号に対応する運賃との組数を複数に区分し、この区分された内容を所定の時間間隔で順次切り替え、繰り返して上記第1画面に表示することを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載の運賃表示装置は、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、次の停留所名を上記第2画面に表示することを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に記載の運賃表示装置は、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、少なくとも次の停留所名とその次の停留所名とを上記第2画面に表示することを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載の運賃表示装置は、請求項2または請求項3に記載の運賃表示器において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、直前の停留所名と、当該直前の停留所から現在の運行路線上の主な停留所までの各運賃とを上記第2画面に表示することを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に記載の運賃表示装置は、請求項2または請求項3に記載の運賃表示器において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、既に通過した複数の停留所名と、当該複数の停留所から現在の運行路線上の主な停留所までの各運賃とを上記第2画面に表示することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0023】
請求項8に記載の運賃表示装置は、請求項2ないし請求項7に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次停留所での降車を希望する乗客によって操作される押しボタンスイッチが操作されると、上記第2画面に次の停留所で停車する旨の案内を表示することを特徴とするものである。
【0024】
請求項9に記載の運賃表示装置は、請求項8に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、上記第1画面、あるいは上記第1画面と上記第2画面とにまたがって、次の停留所名を表示することを特徴とするものである。
【0025】
請求項10に記載の運賃表示装置は、請求項2ないし請求項8に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、車両が停車した後、降車用のドアが開いたことを示すドア開信号を受信すると、各整理券番号に対応する乗車区間から現在の停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、現在の停留所名を上記第2画面に表示することを特徴とするものである。
【0026】
請求項11に記載の運賃表示装置は、請求項2ないし請求項8に記載の運賃表示装置において、車両の走行中は上記第1表示パターンによる運賃表示を行い、車両が停留所で停車した後、降車用のドアが開いたことを示すドア開信号を受信すると、上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示することを特徴とするものである。
【0027】
請求項12に記載の運賃表示装置は、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示することを特徴とするものである。
【0028】
請求項13に記載の運賃表示装置は、請求項2ないし請求項7に記載の運賃表示装置において、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次停留所での降車を希望する乗客によって操作される押しボタンスイッチが操作されると、上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示することを特徴とするものである。
【0029】

請求項14に記載の運賃表示装置は、請求項11ないし請求項13に記載の運賃表示装置において、上記第2表示パターンによる運賃表示中、上記第1画面、あるいは上記第1画面と上記第2画面とにまたがって、現在の停留所名を表示することを特徴とするものである。
【0030】
請求項15に記載の運賃表示装置は、請求項1ないし請求項14に記載の運賃表示装置において、黒色の背景に黄色の数字で整理券番号を表示することを特徴とするものである。
【0031】
請求項16に記載の運賃表示装置は、請求項15に記載の運賃表示装置において、白色の背景に黒色の数字で運賃を表示することを特徴とするものである。
【0032】
請求項17に記載の運賃表示装置は、請求項2ないし請求項16に記載の運賃表示器において、複数に区分された上記第1表示パターンの整理券番号の背景の色を各区分毎に異ならせることを特徴とするものである。
【0033】
請求項18に記載の運賃表示装置は、請求項1ないし請求項17に記載の運賃表示器において、上記第1画面における各整理番号とこの整理番号に対する運賃の表示サイズを、現在の運行路線における発行済みの整理券番号の数に応じて切り替ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0034】
請求項1に記載の運賃表示装置によれば、各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示する第1画面と、乗客への案内、広告、ニュース等の任意の情報を表示する第2画面とを有するため、運賃と乗客への案内、コマーシャル、ニュース等の任意の情報とを同時に表示することができる。
【0035】
請求項2に記載の運賃表示装置によれば、請求項1に記載の運賃表示装置の効果に加え、それぞれの画面を用いて運賃と運賃以外の情報を同時に表示する第1表示パターンと、2つの画面を用いて運賃を表示する第2表示パターンとを切り替えて表示されるため、運賃以外の情報を表示したり、より多くの整理番号に対する運賃を表示することができる。
【0036】
請求項3に記載の運賃表示装置によれば、請求項2に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンにおいて、表示すべき整理番号とこの整理番号に対応する運賃との組数が複数に区分され、この区分された内容を所定の時間間隔で順次切り替え、繰り返して上記第1画面に表示されるため、運賃以外の情報の案内と、より多くの整理番号に対する運賃表示とを同時に行うことができる。
【0037】
請求項4に記載の運賃表示装置によれば、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃が上記第1画面に表示され、次の停留所名が上記第2画面に表示されるため、次の停留所に近づいた時点で、次の停留所までの運賃表示と次の停留所名の案内とを同時に行うことができる。
【0038】
請求項5に記載の運賃表示装置によれば、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃が上記第1画面に表示され、少なくとも次の停留所名とその次の停留所名とが上記第2画面に表示するされるため、次の停留所に近づいた時点で、次の停留所までの運賃表示と、より詳しい停留所案内とを同時に行うことができる。
【0039】
請求項6に記載の運賃表示装置によれば、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃が上記第1画面に表示され、直前の停留所名と、当該直前の停留所から現在の運行路線上の主な停留所までの各運賃とが上記第2画面に表示されるため、次の停留所に近づいた時点で、直前の停留所から乗車した乗客に対し、主な停留所までの運賃を案内することができる。
【0040】
請求項7に記載の運賃表示装置によれば、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃が上記第1画面に表示され、既に通過した複数の停留所名と、当該複数の停留所から現在の運行路線上の主な停留所までの各運賃とが上記第2画面に表示されるため、次の停留所に近づいた時点で、異なる停留所からの乗車した各乗客に対し、主な停留所までの運賃を案内することができる。
【0041】
請求項8に記載の運賃表示装置によれば、請求項2ないし請求項7に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次停留所での降車を希望する乗客によって操作される押しボタンスイッチが操作されると、上記第2画面に次の停留所で停車する旨の案内が表示される。したがって、次の停留所で降車したい乗客に対し、次の停留所で停車する旨の案内と次の停留所までの運賃とを同時に案内することができる。
【0042】
請求項9に記載の運賃表示装置によれば、請求項8に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、上記第1画面、あるいは上記第1画面と上記第2画面とにまたがって、次の停留所名が表示されるため、次の停留所に近づいた時点で、次の停留所名を乗客に案内することができる。特に、上記第1画面と上記第2画面とにまたがって停留所名の表示を行う場合には、停留所名が長い場合であっても、スクロール表示することなく停留所名を案内することができる。
【0043】
請求項10に記載の運賃表示装置によれば、請求項2ないし請求項8に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、車両が停車した後、降車用のドアが開いたことを示すドア開信号を受信すると、各整理券番号に対応する乗車区間から現在の停留所までの運賃が上記第1画面に表示され、現在の停留所名が上記第2画面に表示されるため、停留所で降車する乗客に対し、現在の停留所名の案内と現在の停留所までの運賃表示とを同時に行うことができる。
【0044】
請求項11に記載の運賃表示装置によれば、請求項2ないし請求項8に記載の運賃表示装置の効果に加え、車両の走行中は上記第1表示パターンによる運賃表示を行い、車両が停留所で停車した後、降車用のドアが開いたことを示すドア開信号を受信すると、上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示を行うため、停留所にバスが停車した際、より多くの整理番号に対する運賃が表示される。したがって、その停留所で降車したい乗客が運賃を確認したい場合、その乗客が乗車時に受け取った整理番号に対する運賃を短時間に確認することができる。
【0045】
請求項12に記載の運賃表示装置によれば、請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、上記第2表示パターンに切り替わって運賃表示されるため、次の停留所に近づくとより多くの整理番号に対する運賃が表示される。したがって、次の停留所で降車したい乗客に対し、その乗客が乗車時に受け取った整理番号に対する運賃の確認が容易となる。
【0046】
請求項13に記載の運賃表示装置によれば、請求項2ないし請求項7に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1表示パターンによる運賃表示中、次停留所での降車を希望する乗客によって操作される押しボタンスイッチが操作されると、上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示されるため、次の停留所で降車したい乗客がいる場合のみ、2つの画面を用いてより多くの整理番号に対する運賃を表示することができる。
【0047】
請求項14に記載の運賃表示装置によれば、請求項11ないし請求項13に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第2表示パターンによる運賃表示中、上記第1画面、あるいは上記第1画面と上記第2画面とにまたがって現在の停留所名を表示するため、次の停留所名を乗客に案内することができる。特に、上記第1画面と上記第2画面とにまたがって停留所名の表示を行う場合には、停留所名が長い場合であっても、スクロール表示することなく停留所名を案内することができる。
【0048】
請求項15に記載の運賃表示装置によれば、請求項1ないし請求項14に記載の運賃表示装置の効果に加え、黒色の背景に黄色の数字で整理券番号が表示されるため、乗客にとって第一に確認したい整理券番号を最も 目立たせることができる。
【0049】
請求項16に記載の運賃表示装置によれば、請求項15に記載の運賃表示装置の効果に加え、白色の背景に黒色の数字で運賃が表示されるため、運賃の確認が容易となる。
【0050】
請求項17に記載の運賃表示装置によれば、請求項2ないし請求項16に記載の運賃表示装置の効果に加え、複数に区分された上記第1表示パターンの整理券番号の背景の色を各区分毎に異ならせることにより、表示画面が切り替わったことが目立つようになる。
【0051】
請求項18に記載の運賃表示装置によれば、請求項1ないし請求項17に記載の運賃表示装置の効果に加え、上記第1画面における各整理番号とこの整理番号に対する運賃の表示サイズを、現在の運行路線における発行済みの整理券番号の数に応じて切り替えて表示するため、停留所の数が少ない運行路線においては、大きなサイズで整理券番号や運賃を案内することができる。
【0052】
以上のように、本発明によれば、同時に表示することのできる整理番号に対する運賃の数を増やすことができるため、現金にて運賃精算する乗客に対し、運賃確認に要する時間を短くすることができる。また、運賃の表示とともに、乗客への案内、コマーシャル、ニュース等を同時に表示できるため、運賃情報を必要としない乗客に対しても運賃以外の情報を効率的に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下に、本発明を具体化した実施形態について説明する。図1は本発明における運賃表示装置1のシステム構成を示す図である。運賃表示装置1は、整理券番号と当該整理券番号に対応した運賃とを表示する液晶モニタ2A、乗客への案内、コマーシャル、ニュース情報等、乗客にとって有益な、運賃とは異なる情報を表示する液晶モニタ2B、プログラムを格納したプログラムメモリ6、書き替え可能なワークメモリ7、停留所情報を記録した運行メモリ8、乗車区間に応じた運賃情報を記憶した運賃メモリ9、液晶モニタ2Bに表示するコマーシャルやニュース、天気予報等を格納したメモリ10および各液晶モニタの表示内容を制御する制御部11とを備えている。上記ワークメモリ7には、上記運行メモリ8および運賃メモリ9を参照して、図示しない運行系統入力手段を介して入力された運行系統に該当する停留所情報と運賃情報が記憶される。
【0054】
12は停留所進捗信号発生部で、降車用ドアが閉じてから所定時間が経過後または降車用ドアが閉じてから所定距離を走行すると、あるいは、運転手によって歩進スイッチ(図示せず)が操作されると、次の停留所に近づいたとして停留所進捗信号が発せられる。なお、乗降客のいない停留所を通過した場合、運転手によって停留所通過スイッチ(図示しない)が操作されると、その停留所を通過したものとして停留所進捗信号が発せられる。13は押しボタン信号発生部で、乗客によって押しボタンスイッチ(図示しない)が操作されると、次の停留所で降車したい乗客がいることが乗務員に伝わる。14はドア開信号発生部で、降車用ドアが開くと、降車用ドアが開いたことを示すドア開信号が発せられる。15はドア閉信号発生部で、降車用ドアが閉じると、降車用ドアが閉じられたことを示すドア閉信号が発せられる。
【0055】
図2〜図18は本発明における運賃表示装置1の表示内容を示す図である。運賃表示装置1は、2つの液晶モニタ2A,2Bを有しており、液晶モニタ2Aが第1画面、液晶モニタ2Bが第2画面を構成している。液晶モニタ2Aおよび2Bは、それぞれ別の情報を表示できる構成となっている。
【0056】
液晶モニタ2Aは最大20の整理券番号に対する運賃が表示可能な運賃表示用のモニタで、整理券番号と整理券番号に対応する運賃が運賃表示部3に表示され、次の停留所名が停留所名表示部5に表示される。なお、乗客が液晶モニタ2Aを見た際、第一に整理券番号が目立つよう整理券番号は黒色の背景に黄色の数字で表示されており、運賃は白色の背景に黒色の数字で表示されている。
【0057】
液晶モニタ2Bは乗客への案内、コマーシャル、ニュース、天気予報等の任意の情報を表示することのできるモニタで、図2の右側および図3の右側に示すように、メモリ10内に格納されたコマーシャルやニュース、天気予報等の情報を所定時間間隔で切り替え表示可能とされている。
【0058】
なお、上記液晶モニタ2Aに各整理番号と整理券番号に対応する運賃とを対応させて運賃を表示し、上記液晶モニタ2Bに運賃以外の情報を表示するパターンを第1表示パターン、上記液晶モニタ2Aと上記液晶モニタ2Bとを用いて、各整理番号と整理券番号に対応する運賃とを表示するパターンを第2表示パターンという 。
【0059】
図2は、始発停留所を出発した後の状態を示したものであり、液晶モニタ2Aの運賃表示部3には整理券番号1〜20と整理券番号1に対する次の停留所までの運賃が表示され、停留所名表示部5に次の停留所名(この実施形態では「次は○○○公園前」)が表示される。液晶モニタ2Bには、任意の情報、この例ではコマーシャルが表示される。
【0060】
車両の運行が進むにしたがって、運賃表示装置1の液晶モニタ2Aに表示される運賃が更新される。また、液晶モニタ2Bに表示される情報も所定時間間隔でメモリ10内に記憶された情報が順次切り替え表示され、この例では天気予報が表示される(図3参照)。
【0061】
停留所進捗信号発生部12から停留所進捗信号を受けると、ワークメモリ7に記憶した停留所情報を参照して、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に次の停留所名が表示され、液晶モニタ2Aの運賃表示部3に次の停留所までの運賃が表示され、液晶モニタ2Bには、次の停留所名が英文とひらがなで表示される(図4参照)。なお、図5に示すように、液晶モニタ2Bには、次の停留所名だけでなく、その次の停留所名、さらにその次の停留所名および終点等を表示するようにしてもよい。また、図6に示すように、液晶モニタ2Bには、今後到着する停留所名を表示するとともに、次の停留所名がわかる表示(本実施形態においては、●印の付いた停留所が次の停留所を示している。)にしてもよいし、図7に示すように、現在の運行路線上の主な停留所名を表示するようにしてもよい。
【0062】
乗客によって押しボタンスイッチが操作されると、押しボタン信号発生部13から押しボタン信号が発せられ、次の停留所で降車したい乗客がいることが乗務員に伝わるとともに、液晶モニタ2Bに次の停留所で停車する旨の案内が表示される(図8参照)。
【0063】
降車用ドアが開くと降車用ドアが開いたことを示すドア開信号がドア開信号発生部14から発せられ、停留所に停車したものとして、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に現在の停留所名が表示され、運賃表示部3に現在の停留所までの運賃が表示され、液晶モニタ2Bには、現在の停留所名が英文とひらがなで表示される(図9参照)。
【0064】
降車用ドアが閉じると、降車用ドアが閉じたことを示すドア閉信号がドア閉信号発生部15から発せられ、停留所から出発するものとして、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に表示していた現在の停留所名を消去し、液晶モニタ2Bに、発車する旨の案内が表示される(図10参照)。
【0065】
なお、21以上の整理券番号が発行されている場合、例えば、整理券番号36までの運賃表示が必要な場合には、液晶モニタ2Aに整理券番号1〜36のすべてに対する運賃を一度に表示することができないため、液晶モニタ2Aに整理券番号1〜20に対する運賃(図11)と、整理券番号21〜36に対する運賃(図12)とを交互に切り替え表示することで、整理券番号1〜36に対する運賃の表示を行う。
【0066】
次に、液晶モニタ2Aの表示の流れについて図19を用いて説明する。上記制御部11は、停留所進捗信号発生部12から停留所進捗信号を受けると(ステップS1)、上記ワークメモリ7に記憶した停留所情報を参照して、次の停留所名と次の整理券番号と各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃とを更新する(ステップS2)。
【0067】
現在の乗車区間が20以下、即ち、整理券番号20以下のみの整理券が発行されている場合(ステップS3でYes)、上記制御部11は、上記ワークメモリ7を参照して、次の停留所名と次の整理券番号と各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃とを読出し(ステップS4)、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に次の停留所名を表示するとともに、液晶モニタ2Aの運賃表示部3に次の停留所までの運賃を表示する(ステップS5、図4の左側参照)。
【0068】
次の停留所名と各整理券番号に対応する運賃を表示している場合において、ドア開信号発生部14からドア開信号を受けると(ステップS6でYes)、上記制御部11は、車両が次の停留所に停車したものと判断して上記液晶モニタ2Aの停留所名表示部5から「次は」の文字を消去し、上記ワークメモリ7を参照し、現在の停留所名、即ち停車中の停留所名を停留所名表示部5に表示するとともに、各整理券番号に対応する現在の停留所までの運賃を運賃表示部3に表示する(ステップS7、図9の左側参照)。
【0069】
ドア閉信号発生部15からドア閉信号を受けるまでの間、上記制御部11は、停留所に停車中と判断して、現在の停留所名と各整理券番号に対応する現在の停留所までの運賃とを上記液晶モニタ2Aに表示する。ドア閉信号発生部15からドア閉信号を受けると(ステップS8でYes)、上記制御部11は、停車中の停留所を出発するものとして、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に表示中の停留所名を消去する(ステップS9、図10の左側参照)。
【0070】
なお、車両運行中の場合(ステップS10でNo)、上記液晶モニタ2Aは、次の停留所進捗信号を受けるまでの間、同じ内容の表示を継続し、運行が終了すると(ステップS10でYes)、表示を終了する。
【0071】
現在の乗車区間が21以上、即ち、整理券番号21以上の整理券が発行されていると(ステップS3でNo)、上記制御部11は、上記ワークメモリ7を参照して、次の停留所名と、次の整理券番号と、整理券番号1〜20に対応する次の停留所までの運賃とを読出し(ステップS11)、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に次の停留所名を表示し、運賃表示部3に次の停留所までの運賃を表示する(ステップS12)。
【0072】
液晶モニタ2Aの運賃表示部3に整理券番号1〜20の運賃を表示中に、新たな停留所進捗信号を受けると(ステップS13でYes)、制御部11はステップS2に戻り、上記ワークメモリ7に記憶した停留所情報を参照して、次の停留所名と次の整理券番号と各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃とを更新する。
【0073】
液晶モニタ2Aに整理券番号1〜20の運賃を表示中に、ドア開信号発生部14からドア開信号を受けると(ステップS14でYes)、上記制御部11は、車両が次の停留所に停車したものと判断して上記液晶モニタ2Aの停留所名表示部5から「次は」の文字を消去し、上記ワークメモリ7を参照し、現在の停留所名と整理券番号1〜20に対応する現在の停留所までの運賃とを読出し(ステップS21)、上記液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に現在の停留所名を表示するとともに、運賃表示部3に整理券番号1〜20に対応する現在の停留所までの運賃を表示する(ステップS22、図14の左側参照)。
【0074】
ドア閉信号発生部15からドア閉信号を受けるまでの間、上記制御部11は、現在の停留所名と各整理券番号に対応する現在の停留所までの運賃とを上記液晶モニタ2Aに表示し、ドア閉信号発生部15からドア閉信号を受けると、上記制御部11ステップS9以降の処理を行い、液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に表示中の停留所名を消去する(図15の左側参照)。
【0075】
なお、ステップS12において、次の停留所名と整理券番号1〜20に対応する次の停留所までの運賃とを液晶モニタ2Aに表示してから、停留所進捗信号およびドア開信号を受けることなく所定時間が経過すると(ステップS15でYes)、上記制御部11は、上記ワークメモリ7を参照して、整理券番号21〜40に対応する次の停留所までの運賃を読出し(ステップS16)、次の停留所名を液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に表示するとともに、整理券番号21〜40に対応する次の停留所までの運賃を運賃表示部3に表示する(ステップS17、図12の左側参照)。
【0076】
液晶モニタ2Aに整理券番号21〜40の運賃を表示中に、新たな停留所進捗信号を受けると(ステップS18でYes)、制御部11はステップS2に戻り、上記ワークメモリ7に記憶した停留所情報を参照して、次の停留所名と次の整理券番号と各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃とを更新する。
【0077】
液晶モニタ2Aに整理券番号21〜40の運賃を表示中に、ドア開信号発生部14からドア開信号を受けると(ステップS19でYes)、上記制御部11は、車両が次の停留所に停車したものと判断して上記液晶モニタ2Aの停留所名表示部5から「次は」の文字を消去し、上記ワークメモリ7を参照し、現在の停留所名と直前に表示していた整理券番号1〜20に対応する現在の停留所までの運賃とを読出し(ステップS21)、上記液晶モニタ2Aの停留所名表示部5に現在の停留所名を表示するとともに、整理券番号1〜20に対応する現在の停留所までの運賃を運賃表示部3に表示する(ステップS22、図14の左側参照)。
【0078】
なお、ステップS17において、次の停留所名と整理券番号21〜40に対応する次の停留所までの運賃とを液晶モニタ2Aに表示してから、停留所進捗信号およびドア開信号を受けることなく所定時間が経過すると(ステップS20でYes)、ステップS11に戻り、上記制御部11は、上記ワークメモリ7を参照して、整理券番号1〜20に対応する次の停留所までの運賃を読出し(ステップS12)、次の停留所名と整理券番号1〜20に対応する次の停留所までの運賃とを液晶モニタ2Aに表示する。
【0079】
次に、液晶モニタ2Bの表示の流れについて図20を用いて説明する。上記制御部11は、停留所進捗信号発生部12から停留所進捗信号を受けると(ステップS1)、上記ワークメモリ7に記憶した停留所情報を参照して、次の停留所名と次の整理券番号と各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃とを更新し(ステップS2)、次の停留所名を英文とひらがなで液晶モニタ2Bに表示する(ステップS3、図4の右側参照)。
【0080】
次の停留所名を液晶モニタ2Bに表示中に押しボタン信号発生部13から押しボタン信号を受けると(ステップS4でYes)、上記制御部11は、後述するステップS13以降の処理に進む。次の停留所名を液晶モニタ2Bに表示してから、押しボタン信号を受けることなく所定時間が経過すると(ステップS5でYes)、上記制御部11は、上記メモリ10を参照して、コマーシャル、ニュース、天気予報等の任意の情報を読出し(ステップS6)、読出した情報を液晶モニタ2Bに表示する(ステップS7)。
【0081】
コマーシャル、ニュース等を表示中にドア開信号発生部14からドア開信号を受ける(ステップS8でYes)と、上記制御部11は、後述するステップS17以降の処理に進む。コマーシャル、ニュース等を表示中に押しボタン信号発生部13から押しボタン信号を受けると(ステップS9でYes)、上記ステップS4と同様に上記制御部11は、後述するステップS13以降の処理に進み、停留所進捗信号発生部12から停留所進捗信号を受けると(ステップS10でYes)、ステップS2に戻る。
【0082】
コマーシャル等を液晶モニタ2Bに表示してから、ドア開信号、押しボタン信号および停留所進捗信号を受けることなく所定時間が経過するまでの間(ステップS11でNo)、コマーシャル等の表示を継続し、所定時間が経過すると(ステップS11でYes)、ステップS12で運行終了かが判定され、運行中の場合(ステップS12でNo)、ステップS6に戻り、新たなコマーシャル等の情報が上記メモリ10から読出され、その情報が液晶モニタ2Bに表示される。ステップS12で運行終了となった場合、表示を終了する。
【0083】
ステップS4またはステップS9において、押しボタン信号発生部13から押しボタン信号を受けた場合、上記制御部11は、上記ワークメモリ7を参照して、停車情報を読出し(ステップS13)、次の停留所で停車する旨の案内を液晶モニタ2Bに表示する(ステップS14、図8の右側参照)。
【0084】
停車予定表示中にドア開信号発生部14からドア開信号を受ける(ステップS15でYes)と、上記制御部11は、後述するステップS17以降の処理に進み、ドア開信号がないまま所定時間が経過すると(ステップS16でYes)、ステップS6に戻り新たなコマーシャル等の表示を行う。なお、ステップS16にて所定時間が経過するまでは、停車予定表示を継続する。
【0085】
ステップS8またはステップS15において、ドア開信号発生部14からドア開信号を受けると、上記制御部11は、次の停留所に停車したものと判断する。発行済みの整理券番号が20以下の場合(ステップS17でYes)、上記制御部11は上記ワークメモリ7を参照して、次の停留所として記憶している停留所を現在の停留所として英文とひらがなで液晶モニタ2Bに表示する(図9の右側参照)。
【0086】
制御部11は、ドア閉信号発生部15からドア閉信号を受けるまで(ステップS19でNo)現在の停留所名を液晶モニタ2Bに表示し、ドア閉信号を受けると(ステップS19でYes)、停留所から発車するものと判断して、上記ワークメモリ7を参照して、発車案内の情報を読出し(ステップS20)、上記発車案内を液晶モニタ2Bに表示する(ステップS21、図10の右側参照)。なお、発車案内の表示から所定時間経過すると(ステップS22でYes)、上記制御部11は、ステップS6に戻り、新たなコマーシャル等の表示を行う。
【0087】
現在の整理券番号が21以上の場合(ステップS17でNo)、上記制御部11は上記ワークメモリ7を参照して、次の停留所として記憶している停留所を現在の停留所として液晶モニタ2Bに表示するとともに、整理券番号21〜40に対応する運賃を液晶モニタ2Bに表示する(ステップS23、図14の右側参照)。
【0088】
制御部11は、ドア閉信号発生部15からドア閉信号を受けるまで(ステップS24でNo)現在の停留所名と運賃とを液晶モニタ2Bに表示し、ドア閉信号を受けると(ステップS24でYes)、ステップS20以降の処理を行う(図15の右側参照)。
【0089】
上述したように、本実施形態においては、車両の走行中は、第1表示パターンによる表示、即ち、液晶モニタ2Aに各整理券番号に対する運賃を表示し、液晶モニタ2Bにコマーシャル等の表示を行うため、運賃情報を必要としない乗客に対しても有効な情報を提供することができる。
【0090】
また、上記液晶モニタ2Aにすべての整理券番号に対する運賃を表示できない場合や、液晶モニタ2Bに運賃以外の情報を表示している場合であっても、乗客が運賃精算する際には、第2表示パターンによる表示、即ち、図14に記載したように液晶モニタ2Aと液晶モニタ2Bとを用いてすべての整理券番号に対する運賃を同時に表示するため、多数の整理券番号が発行される路線を走行する車両であっても、運賃確認を短時間で行うことができる。
【0091】
<他の実施形態>
上述した実施形態では、車両の走行中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、次の停留所名あるいは現在の運行路線上の主な停留所名を液晶モニタ2Bに表示していたが、図21に示すように、次の停留所名を表示する代わりに、直前の停留所から運行路線上の主な停留所までの各運賃を液晶モニタ2Bに表示するようにしてもよい。液晶モニタ2Aには、各整理券番号に対応する次の停留所までの運賃が表示されるため、目的地に到着する直前にならないと運賃が分からないが、目的地別の運賃が液晶モニタ2Bに表示されるため、乗車した時点で、主な停留所までの運賃を確認することができるようになる。
【0092】
また、液晶モニタ2Bに表示する運賃を直前の停留所から主な停留所までの運賃のみではなく、図22および図23に示すように、既に通過した複数の停留所から主な停留所までの各運賃を表示するようにしてもよい。この場合、直前の停留所から乗車した乗客だけでなく、他の停留所からの乗車した乗客に対し、主な停留所までの運賃をそれぞれ案内することができるようになる。
【0093】
なお、上述した実施形態では、車両の走行中、液晶モニタ2Aには整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に切り替え表示しているが、図16に記載したように、整理券番号1〜5,11〜15,21〜25,31〜35に対する運賃をそれぞれ表示し、所定時間が経過すると、図17に記載したように、整理券番号6〜10,16〜20,26〜30,36〜40に対する運賃をそれぞれ表示するようにしてもよい。この場合、第2表示パターンによる表示では、図18に記載したように同一行に整理券番号1〜10に対する運賃が表示されるため、見やすさが向上するという利点がある。
【0094】
さらには、車両の走行中は、図11および図12のように液晶モニタ2Aには整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に切り替え表示し、運賃精算時のみ図18のように同一行に整理券番号1〜10に対する運賃を表示するようにしてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、整理券番号が目立つよう運賃表示部3における整理券番号は黒色の背景に黄色の数字で表示し、運賃は白色の背景に黒色の数字でそれぞれ表示しているが、整理券番号1〜20に対する運賃と、整理券番号21〜40に対する運賃とを交互に切り替える際、画面ごとに整理券番号の背景色を別の色に変えるようにしてもよい。この場合、運賃表示画面が切り替わるごとに整理券番号の背景色が異なるため、運賃表示画面が切り替わったことが一目で分かるようになる。
【0096】
また、上述した実施形態では、液晶モニタ2Aおよび2Bは、それぞれ最大20件の整理券番号とその整理券番号に対応する運賃を表示するものとして説明したが、20件ではなく、30〜40件程度の整理券番号とその整理券番号に対応する運賃を表示するようにしてもよい。さらには、始発当初は20件を表示し、21以上の整理券番号を発行した段階で、表示数を増加させるようにしてもよい。
【0097】
上述した実施形態では、車両の走行中、停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、液晶モニタ2Aには次の停留所名を表示していたが、図24または図25に示すように、液晶モニタ2Aと液晶モニタ2Bとにまたがって次の停留所名を表示するようにしてもよい。この場合、停留所名の表示スペースを大きくできるため、停留所名が長い場合であっても、スクロール表示することなく、停留所名の全文字を一度に表示することができる。
【0098】
また、表示すべき整理券番号の数が少ない場合、液晶モニタ2Aには、必要な整理券番号とその整理券番号に対する運賃のみを表示するようにしてもよい。例えば、整理券番号6番以下の停留所までの間は、整理券番号7番以上に対する運賃の表示は不要なため、整理券番号1〜20と整理券番号1〜20に対する運賃を表示するのではなく、整理券番号1〜6と整理券番号1〜6に対する運賃のみを液晶モニタ2Aに表示してもよい。さらに、図26のように、表示する整理券番号の数に応じて表示サイズを切り替えることにより、必要な情報をより見やすく表示することができる。
【0099】
また、次の停留所での降車を希望する乗客によって押しボタンスイッチが操作されると、図8に示すような停車予定表示を液晶モニタ2Bに表示しているが、停車予定表示ではなく、図9に示すような次の停留所名を表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明による運賃表示装置のブロック図である。
【図2】整理券番号20以下における第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図3】整理券番号20以下における第1表示パターンによる他の運賃表示の例を示した図である。
【図4】整理券番号20以下において、停留所進捗信号を受信した時の第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図5】整理券番号20以下において、停留所進捗信号を受信した時の第1表示パターン運賃表示の他の例を示した図である。
【図6】整理券番号20以下において、停留所進捗信号を受信した時の第1表示パターンによる停留所案内の例を示した図である。
【図7】整理券番号20以下において、停留所進捗信号を受信した時の第1表示パターンによる停留所案内の他の例を示した図である。
【図8】整理券番号20以下において、押しボタン信号を受信した時の第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図9】整理券番号20以下において、ドア閉信号を受信した時の第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図10】整理券番号20以下において、ドア閉信号を受信した時の第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図11】整理券番号21以上において、第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図12】整理券番号21以上において、第1表示パターンによる運賃表示の他の例を示した図である。
【図13】整理券番号21以上において、押しボタン信号を受信した時の第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図14】整理券番号21以上において、ドア開信号を受信した時の第2表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図15】整理券番号21以上において、ドア閉信号を受信した時の第2表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図16】整理券番号1〜5、11〜15、21〜25、31〜35に対する第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図17】整理券番号6〜10、16〜20、26〜30、36〜40に対する第1表示パターンによる運賃表示の例を示した図である。
【図18】整理券番号21以上において、ドア開信号を受信した時の第2表示パターンによる他の運賃表示の例 を示した図である。
【図19】液晶モニタ2Aにおける表示の流れを示すフローチャートである。
【図20】液晶モニタ2Bにおける表示の流れを示すフローチャートである。
【図21】直前の停留所から主な停留所までのを運賃を表示した例を示した図である。
【図22】ある停留所から主な停留所までの各運賃を表示した例を示した図である。
【図23】ある停留所から主な停留所までの各運賃を表示した他の例を示した図である。
【図24】第1表示パターンにおいて、液晶モニタ2Aと液晶モニタ2Bとにまたがって次の停留所名を表示した例を示した図である。
【図25】第2表示パターンにおいて、液晶モニタ2Aと液晶モニタ2Bとにまたがって次の停留所名を表示した例を示した図である。
【図26】表示する整理券番号の数に応じて、整理券番号と整理券番号に対応する運賃の表示サイズを変更した例を示した図である。
【図27】従来の運賃表示装置における表示内容を示した図である。
【図28】従来の運賃表示装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0101】
1・・・運賃表示装置、2A・・・液晶モニタ、2B・・・液晶モニタ、3・・・運賃表示部、5・・・停留所名表示部、6・・・プログラムメモリ、7・・・ワークメモリ、8・・・運行メモリ、9・・・運賃メモリ、10・・・メモリ、11・・・制御部、12・・・留所進捗信号発生部、13・・・押しボタン信号発生部、14・・・ドア開信号発生部、15・・・ドア閉信号発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運賃算定の基準となる乗車区間に応じて予め定められた整理番号を記した乗車整理券を各乗客に発行する車両に設置され、上記各整理番号に対する乗車区間から次停留所までの運賃を表示する運賃表示装置において 、
上記各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示する第1画面と、
乗客への案内、コマーシャル、ニュース等の任意の情報を表示する第2画面とからなることを特徴とする運賃表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運賃表示装置において、
上記第1画面に上記各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示し、上記第2画面に運賃以外の情報を表示する第1表示パターンと、
上記第1画面と上記第2画面とを用いて、上記各整理番号とこの整理番号に対する運賃とを対応させて表示する第2表示パターンとを有し、
上記2つの表示パターンを切り替えて表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンは、表示すべき整理番号とこの整理番号に対する運賃との組数を複数に区分し、この区分された内容を所定の時間間隔で順次切り替え、繰り返して上記第1画面に表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、
各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、
次の停留所名を上記第2画面に表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、
各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、
少なくとも次の停留所名とその次の停留所名とを上記第2画面に表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載の運賃表示器において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、
各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、
直前の停留所名と、当該直前の停留所から現在の運行路線上の主な停留所までの各運賃とを上記第2画面に表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項7】
請求項2または請求項3に記載の運賃表示器において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、
各整理券番号に対応する乗車区間から次停留所までの運賃を上記第1画面に表示し、
既に通過した複数の停留所名と、当該複数の停留所から現在の運行路線上の主な停留所までの各運賃とを上記第2画面に表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項8】
請求項2ないし請求項7に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次停留所での降車を希望する乗客によって操作される押しボタンスイッチが操作されると、
上記第2画面に次の停留所で停車する旨の案内を表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、
上記第1画面、あるいは上記第1画面と上記第2画面とにまたがって、次の停留所名を表示することを特徴とする運賃表装置。
【請求項10】
請求項2ないし請求項8に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、車両が停車した後、降車用のドアが開いたことを示すドア開信号を受信すると、
各整理券番号に対応する乗車区間から現在の停留所までの運賃を上記第1画面に表示し 、
現在の停留所名を上記第2画面に表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項11】
請求項2ないし請求項8に記載の運賃表示装置において、
車両の走行中は上記第1表示パターンによる運賃表示を行い、
車両が停留所で停車した後、降車用のドアが開いたことを示すドア開信号を受信すると、
上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項12】
請求項2または請求項3に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次の停留所に進んだことを示す停留所進捗信号が停留所進捗信号発生部から入力されると、
上記第2表示パタ ーンに切り替えて運賃表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項13】
請求項2ないし請求項7に記載の運賃表示装置において、
上記第1表示パターンによる運賃表示中、次停留所での降車を希望する乗客によって操作される押しボタンスイッチが操作されると、
上記第2表示パターンに切り替えて運賃表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項14】
請求項11ないし請求項13に記載の運賃表示装置において、
上記第2表示パターンによる運賃表示中、上記第1画面、あるいは上記第1画面と上記第2画面とにまたがって、現在の停留所名を表示することを特徴とする運賃表装置。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14に記載の運賃表示装置において、
黒色の背景に黄色の数字で整理券番号を表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載の運賃表示装置において、
白色の背景に黒色の数字で運賃を表示することを特徴とする運賃表示装置。
【請求項17】
請求項2ないし請求項16に記載の運賃表示器において、
複数に区分された上記第1表示パターンの整理券番号の背景の色を各区分毎に異ならせることを特徴とする運賃表示装置。
【請求項18】
請求項1ないし請求項17に記載の運賃表示器において、
上記第1画面における各整理番号とこの整理番号に対する運賃の表示サイズを、現在の運行路線における発行済みの整理券番号の数に応じて切り替えることを特徴とする運賃表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−65622(P2007−65622A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171568(P2006−171568)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】