説明

運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム

【課題】社用車の運転スケジュール表を自動的に作成し、作成したスケジュールにカーナビゲーションを連携させる。
【解決手段】管理サーバと、ネットワークを介して相互に接続される、各役員車に設置されるカーナビゲーション装置とを具備し、管理サーバは、役員等のスケジュール情報を取得する役員等スケジュール取得手段と、配車が必要な役員等の人数が役員車の数より多い場合に、配車についての役員等の優先順位条件を取得する条件取得手段と、スケジュール情報、または、スケジュール情報および優先順位条件のデータに基づいて、各該役員車の運転スケジュール表を自動的に作成する運転スケジュール表作成手段と、運転スケジュール表のデータを前記カーナビゲーション装置に送信し、運転スケジュール表に基づいて、ナビゲーションを自動的に開始させるナビゲーション開始手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、役員や幹部などが移動時に使用する社用車の運転スケジュール表を自動的に作成し、作成したスケジュールにカーナビゲーションを連携させるシステムに係り、特に、役員等の個々のスケジュール、または、役員等の個々のスケジュールおよび所定の条件の入力を行なうと、各車両の運転スケジュール表を自動的に作成し、運転スケジュール表に基づいたナビゲーションをカーナビゲーション装置に自動的に行わせることができる運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、秘書業務の、役員や幹部などが移動時に使用する社用車(以下、役員車という)の運転士との打ち合わせでは、作成した各役員等の当日のスケジュール一覧表等を手交し、各車両の運転士に口頭で運転スケジュールを説明し、目的地を指示している。スケジュール一覧表には、用件ごとに、時間、件名、場所、その場所への移動手段(役員車、鉄道名、タクシーなど)等が記載されており、各役員等のスケジュール情報を秘書と運転士とで共有し、予定の変更があった場合にも対応できるようにしている。
しかし、スケジュール一覧表には目的地等、簡略化して記載されるため、運転士が目的地を誤認する虞があった。また、急遽運転スケジュールを変更する場合には、携帯電話等を利用して指示を行なっていたため、運転中である場合など運転士が携帯電話に出ることができず、時間や手間がかかってしまうことや、口頭で連絡するため、連絡ミスなどのヒューマンエラーが発生することがあった。
【0003】
他の本支社等から役員等が出張で来社する際には、予定変更等に対応できるよう、予め出張中の全行程表も運転士に手交している。また、その際、役員車の数よりも、役員等の人数が多くなることがある。一人の運転士が一日に複数の役員等の送迎を担う場合や、多くの場所を回る場合には、運転行程が複雑になるため、車両ごとの運転スケジュール表を作成し、運転士に手交していた。さらに、初めて行く場所がある場合には、予め目的地周辺の地図や建物の概要を印刷したものも手交していた。
このように手交する資料が多くなる場合には、その作成に時間・労力がかかると同時に、資料を紛失するリスクが高かった。
【0004】
ところで、スケジュール帳機能を利用するナビゲーションシステムについては、例えば、特許文献1の特開2003−302240号「スケジュール帳機能付ナビゲーションシステム」などが提案されている。このナビゲーションシステムは、場所、開始時刻、終了時刻等の第1のスケジュール情報を取り込み、その場所に至る経路とその場所に到着するまでの所要時間を計算し、その場所に移動するのに必要な第2のスケジュール情報、つまり上記経路と所要時間あるいは所要時間から逆算して得られる出発時刻を上記第1のスケジュール情報に追記して表示画面に表示するようにしたものである。
【0005】
また、法人などの団体の役員、幹部のスケジュール管理を行なう秘書の業務を支援する自動スケジューリングシステムとしては、例えば、特許文献2の特開2005−327217号公報「自動スケジューリングシステムおよび方法ならびに自動スケジューリングプログラムを記録した記録媒体」などが提案されている。このスケジューリングシステム等は、利用者端末の入力部から出発場所情報、到着場所情報および滞在日時の入力し、移動ルートの選定指示、移動時間の検索指示を行うと、移動区間毎の予定時刻を計算し、移動区間で公共の交通手段を利用する場合には計算した予定時刻に間に合うように予約処理の指示、費用の振込の指示を行い、移動ルートを構成する移動区間毎の日時や移動手段名等スケジューリング結果を登録するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−302240号公報
【特許文献2】特開2005−327217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記「スケジュール帳機能付ナビゲーションシステム」は、スケジュール情報だけでなく、スケジュール情報から導き出された最適経路の所要時間に基づいた移動に関する情報も合わせて表示し、さらに、複数の移動手段がある場合には、これらの移動経路を表示して、ユーザが選択できるように構成されており、ナビゲーションシステムを使用するユーザの利便性を高めたものである。
また、上記「自動スケジューリングシステムおよび方法ならびに自動スケジューリングプログラムを記録した記録媒体」は、移動ルートを容易に選定でき、かつ切符や車の手配を同時に行え、これらの決済も同時に行える、自動スケジューリングシステム等であり、秘書のスケジュール管理業務の負担を軽減するものである。
【0008】
しかしながら、これらの技術は、個人のスケジューリングという点のみに主眼をおいたものであり、役員車をどのように配車をするかという、車両側の運転スケジュール表を組む場合には、対応しきれないという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものである。すなわち本発明の目的は、役員等の個々のスケジュール、または、役員等の個々のスケジュールおよび所定の条件の入力を行なうと、各車両の運転スケジュール表を自動的に作成し、作成した運転スケジュール表のデータを、対象車両に搭載しているカーナビゲーション装置に送信し、運転スケジュール表に基づいたナビゲーションをカーナビゲーション装置に自動的に行わせることができる運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、企業などの役員や幹部などが移動する際に使用する社用車の運転スケジュール表を作成し、作成したスケジュールにカーナビゲーションを連携させるシステムであって、情報を処理する管理サーバ(10)と、該管理サーバ(10)にネットワークを介して相互に接続され、各役員車に設置されるカーナビゲーション装置(50)と、を具備し、前記管理サーバ(10)は、役員等のスケジュール情報を取得する役員等スケジュール取得手段と、配車が必要な役員等の人数が役員車の数より多い場合に、配車についての役員等の優先順位条件を取得する条件取得手段と、前記スケジュール情報、または、前記スケジュール情報および前記優先順位条件のデータに基づいて、各該役員車の運転スケジュール表を自動的に作成する運転スケジュール表作成手段と、該運転スケジュール表のデータを前記カーナビゲーション装置(50)に送信し、該運転スケジュール表に基づいて、ナビゲーションを自動的に開始させるナビゲーション開始手段と、を備えた、ことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記管理サーバ(10)は、ナビゲーションの開始後にスケジュールの変更があったときには、スケジュールの変更に伴う、直近の移動目的地情報を含む変更指示情報を取得し、該変更指示情報を前記カーナビゲーション装置(50)に送信し表示させるスケジュール変更伝達手段をさらに備えてもよい。
また、前記運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、前記役員等が携帯
する携帯情報端末(70)をさらに具備し、前記管理サーバ(10)は、前記スケジュール情報、または、前記スケジュール情報および前記優先順位条件のデータに基づいて、各前記役員等のスケジュールと移動手段に関する情報からなる役員等スケジュール・移動一覧表を、各役員等について自動的に作成する役員等スケジュール・移動一覧表作成手段と、該役員等スケジュール・移動一覧表のデータを、該当する役員等の前記携帯情報端末(70)に送信し、該役員等スケジュール・移動一覧表を表示させる役員等スケジュール・移動一覧表送信・表示手段と、を備えるようにしてもよい。
【0012】
前記運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、秘書や社員の執務室内に設けられた端末(30)をさらに具備し、前記管理サーバ(10)は、前記役員等スケジュール・移動一覧表のデータまたは/および前記運転スケジュール表のデータを、前記端末(30)に送信し、該役員等スケジュール・移動一覧表または/および前記運転スケジュール表を表示させる作成表送信・表示手段と、各前記役員車の自車位置情報を受信し、該役員車の現在位置を前記端末(30)に表示された地図画面上に表示する車両位置表示手段と、を備えてもよい。
【0013】
また、前記管理サーバ(10)は、顧客との面会後に、各前記役員等によって前記携帯情報端末(70)から、または秘書等によって前記端末(30)から、該当するスケジュール情報と関連付けて入力され送信される面会特記事項を取得する面会情報取得手段と、前記スケジュール情報に基づいて、該面会情報を蓄積する面会情報蓄積手段と、蓄積した該面会情報を抽出し表示する面会情報表示手段と、をさらに備えてもよい。
そして、前記管理サーバ(10)は、日付、出発時刻、到着時刻、担当した運転士の情報を含むルート情報を取得し蓄積するルート情報蓄積手段と、蓄積した該ルート情報を抽出し表示するルート情報表示手段と、をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムによれば、役員等の個々のスケジュール情報、または、そのスケジュール情報と配車の優先順位条件を入力するだけで、各役員車の運転スケジュール表が自動的に作成されるので、秘書等の業務時間の短縮、業務負担の軽減となる。
また、作成された運転スケジュール表がカーナビゲーション装置(50)に表示されるので、運転士が一日の運転スケジュールを確認しやすくなり、役員車の整備や、その他の事務的な業務、休憩や食事などの予定を立て、効率的に業務を行うことができる。そして、運転スケジュール表をプリントされて渡された場合に比べると、紛失の虞がなくなり個人情報の保護の観点からも有用である。さらに、運転スケジュール表に基づいて、カーナビゲーション装置(50)に自動的に目的地が表示されるので、目的地の誤認などのヒューマンエラーの防止につながる。運転スケジュール表に基づいて、移動順に目的地へのナビゲーションが行なわれるので、運転士の業務負担を軽減することにもなる。
【0015】
ここで、ナビゲーションの開始後にスケジュールの変更があったときには、直近の移動目的地情報を含むスケジュールの変更についての指示をカーナビゲーション装置(50)に表示させ、運転士に伝達する構成とすれば、運転士が運転中であっても、移動変更の指示を速やかに伝えることができる。また、目的地情報がカーナビゲーション装置(50)に表示されるので、目的地の連絡誤りを防ぐことができる。
そして、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムが、役員等が携帯する携帯情報端末(70)も具備し、携帯情報端末(70)に役員等スケジュール・移動一覧表を表示させる構成とすれば、役員等はスケジュールや移動手段を容易に確認することができる。
【0016】
さらに、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムが、秘書や社員の執務室
内に設けられた端末(30)を具備し、端末(30)に役員等スケジュール・移動一覧表や運転スケジュール表、各役員車の地図画面上の現在位置を表示することができる構成とすれば、秘書等は執務室にいながら、役員等の所在やスケジュールの進捗状況を随時確認することができる。また、役員車で移動中である時を確認できるので、役員等に連絡を取るタイミングが計りやすいという利点もある。
また、秘書等は、役員車の運行状況が確認できるので、運転士とスムーズに意思の疎通が図ることができ、また、運転士の体調等にも気を配ることができる。よって、運転士と秘書等との間の仲間意識が強まり一体感が生まれ、職場の雰囲気もよくなり業務効率化につながることが期待できる。
【0017】
顧客との面会後に、役員等または秘書等によって面会に関する情報を蓄積し、必要なときに面会内容等を確認することができる構成とすれば、秘書等は、適切な顧客対応、円滑な業務の遂行が可能となる。また、役員等は、正確な情報に基づき、戦略的な業務展開等を行うことができる。
また、運転士の運転時間に関する情報を蓄積し、必要なときに確認できる構成とすれば、運転士の業務や体調の管理が可能である。これにより、運転士は安全で正確な運転、役員等への適切な応対をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムの概略構成図である。
【図2】管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】端末の構成を示すブロック図である。
【図4】カーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図5】各役員等のスケジュール入力から、ナビゲーション開始までの処理動作を示すフローチャートである。
【図6】スケジュール情報の入力表示画面についての図であり、(a)は入力表示画面の一例、(b)は(a)の入力表示画面に入力されたスケジュール情報に基づいて作成される役員等スケジュール一覧表の一部である。
【図7】役員等スケジュール一覧表の表示画面の一例である。
【図8】運転スケジュール表作成の具体的な処理動作を示すフローチャートである。
【図9】移動時間組込表の表示画面の一例である。
【図10】図9の移動時間組込表の表示画面に配車の優先順位を入力し、配車を決定したものである。
【図11】運転スケジュール表の一例である。
【図12】役員等スケジュール・移動一覧表の一例である。
【図13】ナビゲーションの処理動作を示すフローチャートである。
【図14】スケジュールの変更を運転士等に伝達する際の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
以下、本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムの好ましい実施例について具体的に説明する。図1は本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム1の概略構成図である。
図1に示すように、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム1は社内などに配設され、情報の処理を行なう管理サーバ10と、秘書や社員の執務室内に設けられ、秘書等が各役員車の所在を確認することができる端末30と、各役員車に設置されるカーナビゲーション装置50と、役員や幹部が携帯する携帯情報端末70とからなり、それぞれネットワークで相互にアクセスできるように構築されている。
【0020】
図2は管理サーバ10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ10は、ネットワークを通じて通信を行う送受信部12、各種情報処理等を行なう情報処理部14、キーボードや記憶装置等からデータを入力する入力部16、データを出力する表示装置あるいはプリンタ等の出力部18、後述する各種情報に関するデータベース等を保持する記憶部20から構成されている。
【0021】
記憶部20は、車両の移動目的地に関するデータベース(目的地DB)21、顧客に関するデータベース(顧客DB)22、役員や幹部等に関するデータベース(役員等DB)23、同行する社員に関するデータベース(社員DB)24、地図情報に関するデータベース(地図DB)25、各種スケジュール表に関するデータベース(スケジュール表DB)26、目的地間の移動に関するデータベース(ルートDB)27、面会情報に関するデータベース(面会DB)28、運転士に関するデータベース(運転士DB)29を備えており、データを一時的に記憶する機能も備えている。
【0022】
記憶部20の目的地DB21は、目的地の名称などを識別子として、役員車の移動目的地となる場所についての様々な情報(目的地情報)を保持する。目的地情報は、電話番号、住所、緯度・経度、周辺地図、駐車スペースや会場などの建物の設備の情報、最寄り駅とその出口および最寄り駅からの所要時間などの最寄り駅情報等を格納する。
また、後述するように、運転士によってカーナビゲーション装置50から入力された目的地特記事項や、その目的地に移動したことのある運転士の氏名やその日付なども蓄積される。
【0023】
記憶部20の顧客DB22は、顧客の氏名などを識別子として、顧客に関する様々な情報(顧客情報)を保持する。顧客情報としては、所属する会社名称、役職、携帯番号、携帯電話等のアドレス、会社の電話番号、住所、緯度・経度、周辺地図などの情報、最寄り駅情報を格納する。
【0024】
記憶部20の役員等DB23は、自社の役員や支社長の氏名などを識別子として、会社の役員等の幹部に関する情報(役員情報)を保持する。役員情報としては、役職、携帯番号、携帯電話等のアドレス、自宅の住所、緯度・経度、電話番号、周辺地図などの情報、最寄り駅情報を格納する。
【0025】
記憶部20の社員DB24は、社員の氏名を識別子として、役員等に同行する社員に関する個人情報(社員情報)を保持する。社員情報としては、携帯番号、携帯電話等のアドレス、所属部署、役職、所属部署の電話番号などの情報を格納する。
【0026】
記憶部20の地図DB25は、詳細な道路情報、交通機関情報、施設の位置情報などを含む地図情報を格納しており、経路の検索や所要時間の検索に使用される。位置情報には住所、緯度・経度情報などが含まれる。
【0027】
記憶部20のスケジュール表DB26は、役員等の氏名を識別子として後述する役員等スケジュール・移動一覧表のデータを、また、日付を識別子として後述する運転スケジュール表のデータを、格納する。
【0028】
記憶部20のルートDB27は、出発地点または/および到着地点を識別子として、今までに走行した軌跡に関する情報(ルート情報)を保持する。ルート情報としては、日付、曜日、走行軌跡、出発時刻、到着時刻などの基本情報と共に、特記事項として、工事情報、事故情報、渋滞情報、経由地点情報など、必要に応じて格納する。
【0029】
記憶部20の面会DB28は、顧客の氏名などを識別子として、顧客との面会に関する情報(面会情報)を保持する。面会情報としては、日時、場所、出席者、面会内容、飲食内容、費用などの情報を格納する。
【0030】
記憶部20の運転士DB29は、運転士の氏名などを識別子として、運転士に関する情報(運転士情報)を保持する。運転士情報としては、携帯番号、携帯電話等のアドレス、自宅の住所、緯度・経度、電話番号、周辺地図などの情報、最寄り駅情報を格納する。
【0031】
情報処理部14は、送受信部12との間で情報の受け渡しを行う送受信処理プログラム、送受信部12、入力部16または出力部18と情報の受け渡しを行う入出力処理プログラム、取得した各種情報をデータベース(DB)に蓄積する情報蓄積プログラム、変更のあった情報を各DBに蓄積する変更情報蓄積プログラム、役員等スケジュール一覧表、関連情報一覧表、補足関連情報一覧表等を作成する一覧表作成プログラム、役員等スケジュール・移動一覧表、運転スケジュール表等を作成する移動・運転スケジュール作成プログラム、各DBから必要な情報を抽出する情報抽出プログラム等を備え、これを実行する。
【0032】
図3は端末30の構成を示すブロック図である。
端末30は秘書等の執務室内などに設置されており、図3が示すように、ネットワークを通じて通信を行う送受信部32、情報を入力する画面、キーボード、補助記憶装置接続部等の入力部34および情報を出力する表示画面等の出力部36、必要に応じて情報を記憶する記憶部38、端末全体の制御を行う制御部40から構成される。
【0033】
図4はカーナビゲーション装置50の構成を示すブロック図である。
カーナビゲーション装置50は、車両の位置を検出するための現在位置検出部52と、地図情報を記憶する地図データ記憶部54と、情報入力や装置の操作のための入力部56と、各種情報を表示するための表示装置などの表示部58と、音声を発生させるための音声発生部60と、カーナビゲーション装置全体の制御や、出発地と目的地が設定されると経路探索、経路案内を行なう制御部62と、双方向のネットワーク通信を行なうための通信モジュール等からなる通信部64とを備えている。
また、カーナビゲーション装置50は、フラッシュメモリなどの補助記憶装置から情報を取得したり、後述する制御部62が処理した情報を補助記憶装置に記憶するための補助記憶装置設置部を設けても良い。カーナビゲーション装置50は、擬似立体表示、事故や工事に関する情報、渋滞情報などの提供などの付加的機能を有することが望ましい。
【0034】
図4に示すように、現在位置検出部52は、GPS(Global Positioning System)受信機、加速度センサ、車速センサ、ジャイロなどから構成されており、車両の位置や速度を把握する。
制御部62は、現在位置検出部52、地図データ記憶部54、入力部56から取得した情報や通信部64から受信した情報などに基づいて、情報の処理、経路検索、経路案内等を行なう。そして、処理した情報を、表示部58に表示したり、音声発生部60から音声出力したり、通信部64から送信する。
【0035】
役員等が携帯する携帯情報端末70は、入力部、表示部、送受信部、記憶部およびこれらを制御する制御部からなり、管理サーバ10、端末30、カーナビゲーション装置50などからの情報を受信したり、入力部から入力された情報を送信する。
【0036】
次に、本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムの処理動作を説明する。
図5は、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムにおける、各役員等のスケジュールの入力から、運転スケジュール表を作成し、カーナビゲーションシステムへ送
信し、ナビゲーションを開始するまでの、処理動作を示すフローチャートである。図5を参照して、具体的な処理動作を説明する。
[情報取得記憶段階(S100)]
情報取得記憶段階(S100)は、管理サーバ10が目的地情報、顧客情報、役員情報、社員情報、地図情報、運転士情報を取得し、記憶する段階である。
管理サーバ10は、入出力処理プログラムにより、管理サーバ10が備える出力部18の表示画面を参照して、入力部16から入力された目的地情報、顧客情報、役員情報、社員情報、地図情報、運転士情報を取得する。または、端末30等の他の装置から入力され送信された目的地情報等を、送受信処理プログラムにより、取得してもよい。
【0037】
管理サーバ10は、情報蓄積プログラムの実行により、取得した目的地情報、顧客情報、役員情報、社員情報、地図情報、運転士情報を情報処理部14で処理し、それぞれ目的地DB、顧客DB、役員等DB、社員DB、地図DB、運転士DBに格納する。なお、新たに移動目的地となる場所が増えた場合など、目的地情報等は、必要に応じてその都度取得され、各DBに記憶される。
【0038】
[情報変更蓄積段階(S110)]
情報変更段階(S110)は、情報取得記憶段階(S100)において記憶された目的地情報等に変更等があった場合に、変更に係る目的地情報等を蓄積する段階である。
管理サーバ10は、情報抽出プログラムおよび変更情報蓄積プログラムを実行して、蓄積されている情報を抽出し、それを変更前の情報として、入力された変更にかかる新たな情報を変更後の情報として所定のDBに蓄積する。
【0039】
具体的には、例えば、社員の配属先が変わった場合には、管理サーバ10は、社員の氏名を識別子として、社員DBから格納されている情報を抽出し、以前の配属先を変更前の情報とし、新たな配属先を変更後の情報として追加した後に社員DBに格納する。変更前の情報を削除しても良いが、変更した日付と共に変更前の情報も残しておくことが望ましい。
【0040】
[役員等スケジュール取得段階(S120)]
役員等スケジュール取得段階(S120)は、管理サーバ10が個々の役員等の一日のスケジュール情報を取得する段階である。
管理サーバ10は、入出力処理プログラムまたは送受信処理プログラムを実行して、管理サーバ10の入力部16から入力された、または端末30の入力部34から入力され送信された、役員等の一日のスケジュール情報を取得する。また、出張で来社中の役員等については、その全日程についてのスケジュール情報を入力しておく。なお、スケジュール情報は、他のスケジュールシステムから取得してもよい。
【0041】
ここで、スケジュール情報とは、役員等の氏名を識別子とした、日付、各用件の開始時刻、終了予定時刻、件名、面会者となる顧客、移動目的地となる場所、同行者、すでに決まっている移動手段がある場合には、その移動手段とその移動にかかる時間などの情報である。すでに移動手段が決まっている場合とは、例えば、他社からの送迎車によって移動する場合、役員等がタクシーや鉄道等での移動を希望する場合、必ず役員車での移動が必要である場合などである。
【0042】
図6は、スケジュール情報の入力表示画面についての図であり、(a)は入力表示画面Aの一例、(b)は(a)の入力表示画面Aに入力されたスケジュール情報に基づいて作成される役員等スケジュール一覧表Bの一部である。
秘書等は、あらかじめ登録してある役員等の中から、該当する役員等氏名61を選び、各項目61〜68の入力を行う。面会者65、同行者66、前述した移動手段67などの
欄は、必要に応じて入力される。役員等がプライベートな用件で移動する場合など、移動手段の検索が不要な場合は、「不要」と入力する。また、継続入力のボタン69aを押すことによって、役員等氏名と日付欄には入力した事項が再度表示され、同じ役員等の同じ日付についての他のスケジュール情報を、続けて入力することができる。また、登録ボタン69bを押すことによって、入力された情報は記憶される。
【0043】
図6(a)は、役員Aの10月1日の14時30分から15時30分に予定されている、東京支社A会議室での定例会議のスケジュールを登録するために、スケジュール情報入力表示画面A上に入力したものである。この場合、面会者65は特に特定されないので、空欄とし、同行者66もいないので空欄となっている。また、東京支社へ移動する往復の移動手段67は、すでに決まっているので、往路、復路とも、その移動手段が入力されている。具体的には、東京支社に行く往路67aについては、出発地点67cである本社に東京支社から送迎車来ることになっており、移動時間は50分掛かること、東京支社からの復路67bについては、役員車xを用いて本社に戻るのではなく、復路目的地67dである○○省に行き、その移動時間は30分掛かることが入力されている。
図6(b)は、図6(a)に示したスケジュール情報の入力表示画面Aに入力された各項目61〜68に基づいて作成された役員等スケジュール一覧表Bの一部である。図6(a)と対応する箇所に、同じ符号がふってある。
【0044】
ここで、図6(a)の入力表示画面の、直前到着68a、直後出発68bの前に設けられたチェックボックスについて、図6(b)に基づいて説明する。
図6(b)は、図6(a)に示した定例会議のスケジュール情報と、その前後のスケジュール情報とをタイムテーブルに表示したものである。入力されたスケジュール情報により、東京支社で行なわれる定例会議に出席するための移動は、出発地点である本社からの送迎車による移動で、移動には50分かかる。図6(b)に示されているように定例会議の前のスケジュールは、本社応接室での昼食会であり、12時45分に終了予定である。よって、役員Aは、12時45分以降14時30分までの中の、50分間で東京支社に移動すれば良い。そして、この場合には役員Aが昼食会終了後、本社執務室で業務を行ない、直前に東京支社に到着することを望んだため、秘書等によって、図6(a)の直前到着68aの欄にチェックが入れられている。それに基づいて、直前に東京支社に到着するように、図6(b)のタイムテーブルの、12時45分以降14時30分の中の一番右側が移動時間とされ、送迎車で本社を出発する時刻は13時40分となる。
【0045】
また、図6(b)に示されているように定例会議後のスケジュールは、○○省の○○委員会であり、16時30分に開始予定である。よって、役員Aは、15時30分以降16時30分までの中の、30分間で東京本社から○○省に役員車xで移動すれば良いことになる。そして、この場合には役員Aが東京支社で他の用事を行ない、終了直後の出発を望まなかったため、直後出発の欄にチェックが入れられていない。
この場合、○○省の○○委員会のスケジュール情報の入力において、直前到着のチェックボックスにチェックがされた場合には、役員車xによる30分の移動時間を示すバーは、16時から16時30分の位置(α)に来る。チェックがされない場合には、後述する条件取得・配車決定段階(S143)において、優先順位の低い他の役員に配車することができないかを判断する際などに、移動時間を示すバーを15時30分から16時30分の間で自由に設定できる(β)ものとして取り扱われる(図6(b)の矢印は、その範囲で移動可能であることを示している)。
【0046】
このように、直前到着68a、直後出発68bのチェックボックスは、移動時間の設定の仕方についての情報を示すものである。配車が必要な役員等の人数が、役員車の数以内であるならば、一人に一台の役員車が配車でき問題ないので、これらの情報68a、68bの入力を不要としても良い。しかし、配車が必要な役員等の人数が、役員車の数より多
い場合には後述するように有効な情報となる。
【0047】
ある場所から次の予定の目的地までの「移動」に着目して考えると、移動する前のスケジュール情報の入力をする際の直後出発68bの欄と、移動した後の次のスケジュール情報の入力をする際の直前到着68aの欄との、どちらかにチェックがされている場合には、移動時間を示すバーは必然的にその位置が決まる(例えば、図6(b)の送迎車での移動)。また、前述していないが、直後出発68bの欄と直前到着68aの欄との両方にチェックがされている場合には、移動前のスケジュール終了時刻からずっと、その役員等の次の目的地への移動のために、役員車を待機させて目的地に送る。いつでも、役員等が移動できるようにする必要がある場合などである。そして、直後出発68bの欄と直前到着68aの欄とのどちらにもチェックがされていない場合には、移動時間を示すバーを移動前のスケジュール終了後から移動後のスケジュール開始前までの間で動かして考えることができる(例えば、図6(b)の役員車での移動(β))。
よって、これらの情報68a,68bの入力のために、秘書等は、配車が必要な役員等の人数が役員車の数より多い日については、スケジュール情報を入力する前に、役員等の指示を受けておくことが必要である。
【0048】
[役員等スケジュール一覧表作成・表示段階(S130)]
役員等スケジュール一覧表作成・表示段階(S130)は、管理サーバ10が役員等スケジュール一覧表を作成し、表示する段階である。
管理サーバ10は、一覧表作成プログラムを実行して、役員等スケジュール取得段階(S120)で取得したスケジュール情報に基づいて、役員等スケジュール一覧表を作成する。
また、管理サーバ10は、入出力処理プログラムを実行して、作成した役員等スケジュール一覧表を出力部18に表示する。または、送受信処理プログラムを実行して、作成した役員等スケジュール一覧表のデータを端末30に送信して、端末30の出力部36に表示する。
【0049】
図7は、役員等スケジュール一覧表の表示画面の一例であり、役員A、役員B、役員C、役員Dの、10月1日のスケジュール情報に基づいて作成されたものである。図7に示すように役員等スケジュール一覧表Bには、各役員のスケジュールだけでなく、スケジュール情報の入力表示画面を参照して、移動手段67として入力されたものが表示される。この場合、役員Aの東京支社への送迎車での移動71、役員Aの○○省への役員車xでの移動72、役員DのAホテルから本社へのタクシーでの移動73が、移動手段として入力されたものである。なお、図6(b)に示したような、スケジュールや移動の、時刻の表示等(62a,62b,67c,67d等)については、省略してある。
【0050】
表示された役員等スケジュール一覧表Bは、秘書等によって間違いが無いか確認される。間違いがある場合には、再入力ボタン74が押された後に、該当するスケジュールのバーの部分をクリックすると、管理サーバ10によってスケジュール情報の再入力画面が表示される。再入力画面は、入力表示画面に入力された事項が表示されたものである。秘書等は、再入力画面を参照して、正しい情報を入力する。確認が済んだら、確認ボタン75を押す。また、スケジュールを追加する場合には、追加ボタン76が、削除する場合にはキャンセルボタン77が使用される。
【0051】
[役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)]
役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)は、管理サーバ10が役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表を作成する段階である。
管理サーバ10は、移動・運転スケジュール作成プログラムを実行し、役員等スケジュ
ール一覧表作成段階(S130)で作成された役員等スケジュール一覧表のデータに基づいて、地図DBに格納された地図情報により、スケジュールに記載された場所から、次のスケジュールの場所までの移動経路と移動時間を検索する。そして、管理サーバ10は、検索した移動時間情報と、所定の条件を加味して、役員等スケジュール・移動一覧表および各役員車についての運転スケジュール表を、自動的に作成する。
なお、具体的な作成の処理動作については後述する。
【0052】
[関連情報一覧表作成段階(S150)]タイムテーブル
関連情報一覧表作成段階(S150)は、管理サーバ10が関連情報一覧表を作成する段階である。
確認ボタンが押された旨が、管理サーバ10に入力されまたは送信されると、管理サーバ10は、一覧表作成プログラムを実行して、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)で作成された役員等スケジュール一覧表のデータ、運転スケジュール表のデータに基づいて、目的地DB、役員DB、顧客DB、面会DB、社員DB、運転士DBから必要な情報を抽出して、関連情報一覧表を作成する。
関連情報一覧表の内容は、各DBから抽出した情報の全てとし作成しても良いし、その中から任意に選択したもののみから作成したり、予め条件を設定して一部の情報のみから作成したりしても良い。
【0053】
関連情報一覧表は、後述するように秘書等の端末30、役員車のカーナビゲーション装置50、役員等の携帯情報端末70に表示されるので、個人情報を保護する観点から、それぞれが必要とする情報のみを表示する関連一覧表を作成し、表示するようにしてもよい。例えば、顧客情報の場合であれば、運転士は、顧客の会社に移動する場合でなければ、顧客情報をほとんど必要としないので、役員等や秘書等の関連一覧表のみに載せるようにすることが考えられる。
なお、関連情報一覧表の個人情報はパスワード等を入力しないと見ることができないなどの保護をすることが望ましい。
【0054】
[作成表蓄積段階(S160)]
作成表蓄積段階(S160)は、管理サーバ10が作成した役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表を記憶部20に蓄積する段階である。
管理サーバ10は、情報蓄積プログラムを実行して、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表を、役員等の氏名や日付を識別子としてスケジュール表DBに蓄積する。
【0055】
[作成表送信段階(S170)]
スケジュール送信段階(S170))は、管理サーバ10が、役員等スケジュール・移動一覧表等をカーナビゲーション装置50等に送信する段階である。
管理サーバ10は、送受信処理プログラムを実行して、役員等スケジュール・移動一覧表、関連情報一覧表、全ての役員車の運転スケジュール表を、各役員車に設置されているカーナビゲーション装置50に送信する。
【0056】
また、管理サーバ10は、送受信処理プログラムを実行して、端末30および役員等が携帯する携帯情報端末70に、役員等スケジュール・移動一覧表、関連情報一覧表、全ての役員車の運転スケジュール表を送信する。なお、役員等が携帯する携帯情報端末70には、前記3つの表のうち、個々の役員に関連する部分のみを編集したものを送信してもよい。
【0057】
[作成表表示段階(S180)]
作成表表示段階(S180)は、管理サーバ10が送信した役員等スケジュール・移動
一覧表等のデータを、カーナビゲーション装置50、端末30、携帯情報端末70が受信し表示する段階である。
カーナビゲーション装置50の制御部62は、通信部64によって役員等スケジュール・移動一覧表、全ての役員車の運転スケジュール表、関連情報一覧表のデータを受信する。
制御部62は、役員等スケジュール・移動一覧表、全ての車両の運転スケジュール表、関連情報一覧表を、画面を切り替えることによって、カーナビゲーション装置50の表示部58に表示させる。
【0058】
端末30は、送受信部32によって役員等スケジュール・移動一覧表、全ての役員車の運転スケジュール表、関連情報一覧表のデータを受信し、出力部36に表示する。
また、役員等の携帯情報端末70は、送受信部によって受信した役員等自身の一日のスケジュール・移動表や、役員等自身が移動に使用する車両の運転スケジュール表を表示部に表示する。
【0059】
[ナビゲーション開始段階(S190)]
ナビゲーション開始段階(S190)は、カーナビゲーション装置50が、ナビゲーションを自動的に開始する段階である。
制御部62は、管理サーバ10から受信した、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)で管理サーバ10が検索した経路および移動目的地を、地図データ記憶部54に基づいた地図画面上に全て表示し、移動予定時刻になったら、自動的に目的地へのナビゲーションを開始する。
【0060】
カーナビゲーション装置50に表示される目的地への移動経路は、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)で管理サーバ10が検索した経路だけでなく、カーナビゲーション装置50が受信等して取得した渋滞情報などを加味した渋滞迂回経路などを表示し、選択できるようにしてもよい。運転士は、ナビゲーションに基づいて、またはナビゲーション通りではなく自己の経験に基づいて、カーナビゲーション装置50に表示された移動目的地への移動を始める。
【0061】
ここで、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)についてその処理動作を説明する。図8は、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムにおける、運転スケジュール表作成の具体的な処理動作を示すフローチャートである。
[車移動検索段階(S141)]
車移動検索段階(S141)は、管理サーバ10が、役員等スケジュール一覧表のデータに基づいて、スケジュールに記載された場所から、次のスケジュールの場所までの経路と移動時間を自動的に検索する段階である。
管理サーバ10は、地図DB25を利用し、移動手段が決まっていない部分について、車で移動した場合についての移動経路および移動時間を自動的に検索する。この際、ルートDB27に蓄積されたルート情報の中に同様のルートについての情報がある場合には、その時間帯や曜日等も考慮して移動時間が導かれる。また、多少の余裕を加えた時間として、運転士が制限速度を守って安全に運転できるようにする。
【0062】
[車移動時間表示段階(S142)]
車移動時間表示段階(S142)は、管理サーバ10が検索した車で移動した場合の移動時間を役員等スケジュール一覧表の中に組み込んだ移動時間組込表の表示画面を出力部18に表示する段階である。
図9は、移動時間組込表Cの表示画面の一例である。移動時間を示すバーの位置の決定については、役員等スケジュール取得段階(S120)で説明した通りである。移動時間
組込表Cに示すように、役員Bの東京駅から(株)ABCへの移動時間は45分であるが、移動時間を示すバーの長さは60分になっている。これは、「来社」のスケジュール情報を入力する際の直後出発68bの欄と、「面会」のスケジュール情報を入力する際の直前到着68aの欄のチェックボックスに、チェックが入れられたためである。役員Bが移動の途中にお店に寄るような場合などには、このようにスケジュール情報を入力することで、図9に示すような表示となる。なお、図6(b)に示したような、スケジュールや移動の時刻等の表示については、省略してある(図10,12も同様)。
【0063】
[条件取得・配車決定段階(S143)]
条件取得・配車決定段階(S143)は、管理サーバ10が自動的に配車を決定する段階である。管理サーバ10は、秘書等によって入力された所定の条件を取得して、その条件に基づいて配車を決定する。
配車が必要な役員等の人数が役員車の数と同数である場合や少ない場合には、役員等1人に一台配車することができる。しかし、配車が必要な役員等の人数が役員車の数より多い場合には、以下のようにして配車を決定する。
【0064】
秘書等は、管理サーバ10が表示した移動時間組込表Cの表示画面を参照して、役員等に、役員車およびその役員車を運転する運転士を割り当てるための優先順位をつける。例えば、図9において役員車が2台ある場合に、その台数と運転士の氏名を入力し、役員等に優先順位をつけ、実行ボタンを押す。管理サーバ10は、これらの情報に基づいて配車を決定する。
【0065】
配車については、原則として、一人の運転士(1つの役員車)が同じ役員等を一日担当し続ける。また、管理サーバ10は、役員等が同じスケジュールのために移動する場合であって、同じ場所から移動する場合には、1つの役員車に数人の役員等が乗って移動することができるので、数人の役員等に同じ役員車を割り当てる。また、各役員等が違う場所にいる場合には、2台の役員車が途中で合流して1つの役員車で目的地に移動したり、役員等が乗っている1台の役員車が、他の役員等がいる場所を経由しての役員等を乗せたりする。
【0066】
さらに、例えば役員車が優先的に配車される役員等に長時間の用件があるため、その役員等を担当する運転士に空き時間ができる場合などには、その時間、他の配車されていない役員等の移動に回ることができないか、移動時間を検索して判断する。
これらの判断は、管理サーバ10が各役員等について入力された優先順位とスケジュール情報とに基づいて行なわれる。そして、画面上で、該当する移動については、移動に使う役員車がわかるように色が変わる。
【0067】
図10は、図9の移動時間組込表Cの表示画面に配車の優先順位を入力し、配車を決定したものである。管理サーバ10は、以下のようにして役員車の配車を決定する。
まず、優先順位に基づいて、役員Aの移動には役員車xを、役員Bの移動には役員車yを配車する。そして、同じ場所に移動する場合について、合流等が可能かを調べる。役員Aと役員Cと役員Dは、本社の「期首朝礼」に参加するが、役員車xには、役員Cや役員Dを乗せる時間的余裕がないので、合流はできない。しかし、役員Bと役員Cが参加する「講演会」の場合には、役員Bが乗る役員車yは、「製品開発会議」終了後役員Bをすぐに東京営業所に連れて行けば、本社にいる役員Cを迎えに行く時間が取れる。よって、図10に示したように、本社で役員Cを乗せた後に、東京営業所の打合せを終えた役員Bを迎えに行って、H園の「講演会」に行くようなスケジュールとなる。
なお、複数の役員等を乗せるために、役員車が移動する場合について、一定の条件を設けておいても良い。例えば、距離や時間で制約を設けたり、配車の優先順位に基づいた条件を定めても良い。
【0068】
次に、役員車xの空き時間についての検討をする。役員車xは、役員Aを本社に送った後、東京支社に迎えに行くまで空いている。そこで、優先順位が3番目の役員Cの移動を担当できないかを検討し、本社とC工業東京本社との往復の移動を担当する。また、役員Aの○○省への移動を直前につくようにすれば、役員Cを本社に連れて行き、その後役員Dを中央研究所に迎えに行って羽田空港まで送っても、間に合うので、そのように予定を組んでいる。
【0069】
さらに、役員車yの空き時間についての検討をする。役員車yは、役員Bが東京駅に着くまでの間、空き時間があるが、役員Cの移動が担当できる程の時間はない。また、役員Dの中央研究所への移動を担当するとすれば、役員Bの(株)ABCから本社への移動に間に合わなくなってしまうので、役員Dの中央研究所への移動も担当できない。
よって、役員Cの自宅から本社への移動と役員Dの本社から中央研究所への移動については、配車がされないこととなる。
このようにして、役員車の配車が決定される。
【0070】
[運転スケジュール表作成段階(S144)]
運転スケジュール表作成段階(S144)は、管理サーバ10が各役員車についての運転スケジュール表を作成する段階である。
役員車の配車が決まると、管理サーバ10は、運転士名を明記した役員車ごとの運転スケジュール表を自動的に作成する。
図11は、作成された運転スケジュール表Dの一例であり、図10の配車の決定に基づいて作成された、役員車xの運転スケジュール表Dである。運転士xは、この表により、一日の運転スケジュールを容易に把握することができる。運転士xは複数の役員の移動を担当しており、点線の矢印の部分は、役員を迎えに行くための移動であり、運転士xのみが役員車xに乗っている。また、運転スケジュール表Dの画面上の各事項はリンクがはられており、クリックすると前述した関連情報一覧表に記載された詳細情報を見ることができる。
【0071】
[鉄道等移動検索段階(S145)]
鉄道等移動検索段階(S145)は、管理サーバ10が鉄道等での移動を検索する段階である。
管理サーバ10は、地図DB25を利用し、役員車での移動に該当しなかった移動について、役員等スケジュール一覧表のデータに基づいて、電車やバス等での移動経路、移動時間を自動的に検索する。
【0072】
[鉄道等移動表示段階(S146)]
鉄道等移動表示段階(S146)は、移動時間組込表Cの中に、鉄道等移動検索段階(S145)で検索した移動経路、移動時間をさらに組み込んだ表(図示せず)の表示画面を、自動的に出力部18に表示する段階である。
なお、秘書等は、表示された電車等の移動経路や移動時間を確認し、歩く距離や時間が長くなる場合や、乗換えが多いなど電車等の移動が不便であるときには、タクシーの利用などに変更することができる。その際には、車移動検索段階(S141)で求められた移動時間が利用される。
【0073】
[役員等スケジュール・移動一覧表作成段階(S147)]
役員等スケジュール・移動一覧表作成段階(S147)は、管理サーバ10が役員等スケジュール・移動一覧表を作成する段階である。
全ての移動について、移動手段が定まると、管理サーバ10は、役員等スケジュール一覧表Bの中に移動経路や移動時間などの全ての移動手段を組み込んだ役員等スケジュール
・移動一覧表Eを自動的に作成する。
【0074】
図12は、作成された役員等スケジュール・移動一覧表の一例である。
図10に示すように、役員Cの自宅から本社への移動、役員Dの本社から中央研究所への移動については、配車をすることができなかったため、鉄道等移動表示段階(S146)で移動経路、移動時間、移動方法が求められている。図12に示すように、役員等スケジュール・移動一覧表Eは、管理サーバ10により、これらの情報が自動的に加えられ、作成されたものであり、役員等のスケジュール情報、移動手段が全て記載されている。また、役員等スケジュール・移動一覧表Eの画面上の項目をクリックすると、前述した関連情報一覧表に記載された詳細情報が表示される。
【0075】
なお、ここでは、全体のスケジュールを把握、確認しながら配車を決めるようにしているが、優先順位と役員車の台数を、スケジュール情報の入力の際に一緒に入力するようにすれば、自動的に運転スケジュール表や役員等スケジュール・移動一覧表を作成することができる。また、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)の秘書等による操作は、管理サーバ10の入力部16や出力部18ではなく、端末30を利用して行なわれても良い。
【0076】
次に、ナビゲーションが開始された後の処理動作について説明する。
図13は、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムにおける、ナビゲーションの処理動作を示すフローチャートである。図13に基づいて具体的な処理動作を説明する。
[ナビゲーション作動段階(S200)]
ナビゲーション作動段階(S200)は、カーナビゲーション装置50がナビゲーションを行なう段階である。
制御部62は、運転スケジュール表に記載された移動予定時刻になると、表示部58または音声発生部60により、その旨を知らせ、ナビゲーションを開始する。運転士は、出発する際には、出発ボタンを押してから運転を始める。
【0077】
[車両位置表示段階(S210)]
車両位置表示段階(S210)は、各役員車のカーナビゲーション装置50の通信部64から送信された自車位置情報を、管理サーバ10等が受信し、各役員車の現在地を地図画面上に表示する段階である。
管理サーバ10は、各役員車の自車位置情報を受信し、送受信処理プログラム実行して、全役員車の現在位置を、出力部18に表示された地図画面上に表示する。地図画面上には、作成した運転スケジュール表のデータに基づいて各役員車の目的地も合わせて表示させることができる。
【0078】
また、管理サーバ10は、受信した各役員車の自車位置情報を、端末30や他の役員車のカーナビゲーション装置50に送信する。これにより、端末30の表示画面上に各車両の位置が表示され、また、役員車のカーナビゲーション装置50は通信部64から他の車両の位置情報も受信し、地図画面上には自車の位置だけでなく、他の車両の現在位置や目的地なども表示できる。
なお、社内情報および個人情報保護の観点から、各車両の自車位置情報の送受信は、表示ナビゲーションのメンバー登録によって制限されることが望ましい。
【0079】
[ルート情報蓄積段階(S220)]
ルート情報蓄積段階(S220)は、目的地から次の目的地までのルート情報を蓄積する段階である。
運転士は、目的地に着いたら到着ボタンを押して、制御部62によって特記事項入力画
面を表示させる。そして、目的地までの行程や目的地の駐車設備の情報など目的地となる場所について特記するべき事項(ルート特記情報や目的地特記事項)がある場合には、その旨入力部から入力する。特記事項が入力された場合には、役員車が出発地から目的地まで移動するのに使用したルートに関するルート情報、運転士の氏名などの情報と共に、通信部64から管理サーバ10に送信される。管理サーバ10は、送信されたルート情報、役員車の運転士に関する情報、特記事項等を受信し、送受信処理プログラムおよび情報蓄積プログラムを実行して、ルートDB27または目的地DB21に蓄積する。
【0080】
特記事項とは、目的地までの移動に影響を及ぼした工事情報、事故情報や、目的地DBに記憶されていない駐車設備などの情報である。
ルートDB27には、出発地から目的地までのルート 日付、曜日、出発時刻(出発ボタンが押された時刻)と到着時刻(到着ボタンが押された時刻)、所要時間などのルート情報と、工事情報や事故情報などのルート特記情報、担当した運転士の情報が蓄積される。また、目的地DBには、目的地特記事項を含む目的地に関する情報、日付と担当した運転士の情報などが蓄積される。
【0081】
[面会情報蓄積段階(S230)]
面会情報蓄積段階(S230)は、顧客との面会に関する情報を蓄積する段階である。
役員等は顧客との面会後に、出席者、面会内容など特記するべき事項(面会特記事項)がある場合には、携帯情報端末70に役員等スケジュール・移動一覧表を表示させる。そして、該当するスケジュールと関連付けて携帯情報端末70に入力され、管理サーバ10に送信される。面会特記事項は、役員等の指示を受け、または、秘書自身の判断により、秘書等が端末30に役員等スケジュール・移動一覧表を表示させて、該当するスケジュールと関連付けて端末30から入力して管理サーバ10に送信しても良い。
【0082】
管理サーバ10は、送受信処理プログラムを実行して、スケジュール情報および面会特記事項の情報を受信する。さらに情報蓄積プログラムを実行して、スケジュール情報のうちの顧客の氏名、受信した特記事項の中の出席者の氏名をそれぞれ識別子として、スケジュール情報の中の任意の情報および面会特記事項からなる面会情報を面会DBに蓄積する。
【0083】
次に予定の変更があった場合の処理動作について説明する。
図14は、運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムにおける、スケジュールに変更があった際に、秘書等から役員および運転士に変更を伝達する際の処理動作を示すフローチャートである。図14を参照して、具体的な処理動作を説明する。
[スケジュール変更伝達段階(S300)]
スケジュール変更伝達段階(S300)は、スケジュールに変更が生じた場合に、管理サーバ10がその旨を迅速に役員および運転士に伝達する段階である。
管理サーバ10は、入力部16からスケジュールに変更があった旨と、それに伴う直近の移動目的地情報を含む変更指示情報が入力されると、入出力処理プログラムおよび送受信処理プログラムを実行して、カーナビゲーション装置50および役員等の携帯情報端末70に送信する。
【0084】
送信した変更情報をカーナビゲーション装置50が通信部64から受信すると、制御部は、受信した変更情報を音声発生部60によるアラームおよび表示画面上の一部に表示して、運転士に伝達する。そして、変更指示情報に含まれる直近の移動目的地情報に基づいて、地図画面上に新たな直近の目的地を表示し、ナビゲーションを開始する。また、役員等の携帯情報端末70にも変更情報を送信し伝達する。
なお、運転士と役員等は、変更情報を受信したら、了解した旨の返信を行なう。例えば運転士の場合であれば、カーナビゲーション装置50に設置されている了解ボタンを押す
ことで返信できるようにする。
【0085】
[スケジュール変更情報取得段階(S310)]
スケジュール変更情報取得段階(S310)は、管理サーバ10が変更に係るスケジュール情報を取得する段階である。
管理サーバ10は、役員等スケジュール取得段階(S130)で作成された役員等スケジュール一覧表を、情報抽出プログラムを実行して、スケジュール表DB26から抽出し、出力部18である表示画面に表示させる。
変更ボタンを押した後に、変更するスケジュールの表示されている上にカーソルを動かしクリックする。そして、前述した再入力画面と同様の画面を表示して、スケジュールの変更情報を入力する。
【0086】
管理サーバ10は、入出力処理プログラムまたは送受信処理プログラムを実行して、管理サーバ10の入力部16から入力された、または端末30の入力部34から入力され送信された、変更に係るスケジュール情報を取得する。
なお、端末30から入力された変更に係るスケジュール情報を取得しても良い。
【0087】
[変更役員等スケジュール一覧表作成・表示段階(S320)]
変更役員等スケジュール一覧表作成・表示段階(S320)は、管理サーバ10が変更スケジュール一覧表作成し、表示する段階である。
管理サーバ10は、スケジュール変更情報入力段階(S310)で取得したスケジュール変更情報に基づいて、一覧表作成プログラムを実行して、変更役員等スケジュール一覧表を作成する。
なお、この際、新たに必要な情報があるときには、補足関連情報一覧表も作成する。作成方法については、関連情報一覧表作成段階(S150)で述べたのと同様であるので省略する。
【0088】
[変更役員等スケジュール・移動一覧表および変更運転スケジュール表作成段階(S330)]
変更役員等スケジュール・移動一覧表および変更運転スケジュール表作成段階(S330)は、変更役員等スケジュール・移動一覧表および変更運転スケジュール表を作成する段階である。
管理サーバ10は、変更役員等スケジュール一覧表に基づいて、変更ボタンが押された時刻以降について、役員等スケジュール・移動一覧表および運転スケジュール表作成段階(S140)と同様にして、変更役員等スケジュール・移動一覧表および変更運転スケジュール表を作成する。
【0089】
[変更作成表送信・表示段階(S340)]
変更作成表送信・表示段階(S340)は、管理サーバ10が作成した変更に係る表をカーナビゲーション装置50等に送信する段階である。
管理サーバ10は、作成表送信段階(S170)と同様にして、カーナビゲーション装置50、端末30、役員等の携帯情報端末70に、変更役員等スケジュール・移動一覧表、補足関連情報一覧表、 変更運転スケジュール表のうちの所定の表を送信し表示させる

【0090】
[変更作成表追加段階(S350)]
変更作成表追加段階(S350)は、管理サーバ10が作成した変更役員等スケジュール・移動一覧表および変更運転スケジュール表を記憶部20に蓄積する段階である。
管理サーバ10は、作成表蓄積段階(S160)と同様にして、情報蓄積プログラムを実行して、変更スケジュール一覧表および変更運転スケジュール表を、日付や役員等の氏
名を識別子としてスケジュール表DB26に追加して蓄積する。
【0091】
なお、管理サーバ10の記憶部20の各DB21〜29には、前述したように様々な情報が蓄積されるが、管理サーバ10は、入力部16から入力または端末30や携帯情報端末70などから送信された識別子に基づいて、情報抽出プログラムを実行して、各DB21〜29から抽出した情報を、出力部18や端末30や携帯情報端末70に表示等することができる。
【0092】
本実施例の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムによれば、役員等のスケジュール情報等を入力するだけで、運転スケジュール表が自動的に作成されるので、秘書等の業務時間の短縮、業務負担の軽減となる。また、秘書等は、ナビゲーションの開始後にスケジュールの変更があったときでも、運転士に新たな目的地情報を含む移動変更の指示を、迅速にかつ正確に伝えることができ、また、了解した旨の返信を受け取ることで、次の業務に速やかに取り掛かることができる。
【0093】
秘書等は執務室で、役員等の所在やスケジュールの進捗状況を確認することができ、また、役員車での移動時を見計らって、役員等に連絡を取ることができる。また、役員車の状況を把握することができるので、運転士ともスムーズに意思の疎通が図れ、業務効率化につながることが期待できる。ルート情報を把握して運転士の業務管理ができ、運転士の体調に気を配り、安全で正確な運転ができるような配慮をすることで、より良い職場環境とすることができる。秘書等は、顧客との面会内容を必要に応じて確認することで、適切な顧客対応、円滑な業務の遂行が可能となる。
【0094】
運転士は、カーナビゲーション装置50に、自己が担当する役員車の運転スケジュール表を表示することができ、容易に確認できるので、効率的に業務を行なうことができる。秘書等によって確認された目的地がカーナビゲーション装置50の地図画面上に移動する順番に表示されるので、運転士が目的地を誤認する虞がなく、ナビゲーションによって、速やかに移動することができ、業務負担が軽減される。
移動の途中でスケジュールの変更があった場合など、変更指示情報が、アラームやカーナビゲーション装置50の画面上に表示されるので、迅速な対応が可能である。
【0095】
また、運転士はカーナビゲーション装置50の表示画面を切り替えることによって、役員等スケジュール・移動一覧表、他の役員車の運転スケジュール表、関連情報一覧表を表示することができるので、資料が多くなっても容易に確認することができ、また資料を紛失してしまうこともない。さらにこれらの資料が確認できることによって、緊急時にも秘書等との意思の疎通が図りやすい。
カーナビゲーション装置50の地図画面上には、他の役員車の現在位置情報も表示されるので、他の役員車の運転士とも意思の疎通が図りやすく、他の役員車と待ち合わせたり、合流する場合などに便利である。
【0096】
役員等は、自己の携帯情報端末70に役員等スケジュール・移動一覧表が表示できるので、スケジュールや移動手段を容易に確認することができる。自己の一日の予定を把握し、時間を計画的、効率的につかうことができる。
また、役員等は、面会情報や顧客情報などを確認して、正確な情報に基づいた業務展開を行うことができる。
【0097】
本実施例の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、管理サーバ10の記憶部20に、目的地情報、顧客情報、役員情報、社員情報、運転士情報、地図情報、スケジュール表のデータ、ルート情報、面会情報が蓄積され、抽出できるので、その都度秘書等が入力する必要がなく、必要に応じて基本的な情報から詳細な情報まで利用すること
ができる。また、蓄積された情報に変更があった場合には、変更履歴を残しつつ情報を更新するので、過去の情報や新しい情報を得ることができる。
【0098】
特に管理サーバ10は、入力された個々の役員等のスケジュール情報に対応して、関連情報一覧表が作成し、役員等スケジュール・移動一覧表や運転スケジュール表と共に、端末30、カーナビゲーション装置50、携帯情報端末70に送信する。役員等スケジュール・移動一覧表や運転スケジュール表に記載された事項は、関連情報一覧表とリンクがはられ、必要な情報を容易に得ることができるので、秘書等、運転士、役員等が効率的に業務を行うことができる。
【0099】
また、目的地DB21、ルートDB27には、スケジュールの進行後に、情報が追加される。目的地DB21には、特記事項や目的地に移動した運転士の情報などが追加され、関連情報一覧表の作成に利用される。例えば、その目的地に初めて移動する運転士である場合には、目的地の周辺地図や駐車場情報などの詳細情報を関連情報一覧表に載せ、ベテラン運転士である場合には電話番号や住所などの基本情報だけにするなどの条件設定ができる。これにより、運転士はよりスムーズに運転業務を行なうことができる。
ルートDB27に追加された情報は、車での移動検索に参照され、より正確な移動時間を導くことができる。また、運転士の業務管理に使用することもできる。
【0100】
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、車両の運転スケジュールを作成し、作成した運転スケジュールとカーナビゲーションと連携できれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、役員車に限らず、バイクや自転車などの移動手段についての様々なナビゲーションシステムに利用する事ができる。
【符号の説明】
【0102】
1 運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム
10 管理サーバ
12 送受信部
14 情報処理部
16 入力部
18 出力部
20 記憶部
30 端末
32 送受信部
34 入力部
36 出力部
38 記憶部
40 制御部
50 カーナビゲーション装置
70 携帯情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業などの役員や幹部などが移動する際に使用する社用車の運転スケジュール表を作成し、作成したスケジュールにカーナビゲーションを連携させるシステムであって、
情報を処理する管理サーバ(10)と、該管理サーバ(10)にネットワークを介して相互に接続され、各役員車に設置されるカーナビゲーション装置(50)と、を具備し、
前記管理サーバ(10)は、
役員等のスケジュール情報を取得する役員等スケジュール取得手段と、
配車が必要な役員等の人数が役員車の数より多い場合に、配車についての役員等の優先順位条件を取得する条件取得手段と、
前記スケジュール情報、または、前記スケジュール情報および前記優先順位条件のデータに基づいて、各該役員車の運転スケジュール表を自動的に作成する運転スケジュール表作成手段と、
該運転スケジュール表のデータを前記カーナビゲーション装置(50)に送信し、該運転スケジュール表に基づいて、ナビゲーションを自動的に開始させるナビゲーション開始手段と、を備えた、ことを特徴とする運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム。
【請求項2】
前記管理サーバ(10)は、
ナビゲーションの開始後にスケジュールの変更があったときには、スケジュールの変更に伴う、直近の移動目的地情報を含む変更指示情報を取得し、該変更指示情報を前記カーナビゲーション装置(50)に送信し表示させるスケジュール変更伝達手段をさらに備えた、ことを特徴とする請求項1に記載の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム。
【請求項3】
前記運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、前記役員等が携帯する携帯情報端末(70)をさらに具備し、
前記管理サーバ(10)は、
前記スケジュール情報、または、前記スケジュール情報および前記優先順位条件のデータに基づいて、各前記役員等のスケジュールと移動手段に関する情報からなる役員等スケジュール・移動一覧表を、各役員等について自動的に作成する役員等スケジュール・移動一覧表作成手段と、
該役員等スケジュール・移動一覧表のデータを、該当する役員等の前記携帯情報端末(70)に送信し、該役員等スケジュール・移動一覧表を表示させる役員等スケジュール・移動一覧表送信・表示手段と、を備えた、ことを特徴とする請求項1または2に記載の運転スケジュール・ナビゲーション連携システム。
【請求項4】
前記運転スケジュール・カーナビゲーション連携システムは、秘書や社員の執務室内に設けられた端末(30)をさらに具備し、
前記管理サーバ(10)は、
前記役員等スケジュール・移動一覧表のデータまたは/および前記運転スケジュール表のデータを、前記端末(30)に送信し、該役員等スケジュール・移動一覧表または/および該運転スケジュール表を表示させる作成表送信・表示手段と、
各前記役員車の自車位置情報を受信し、該役員車の現在位置を前記端末(30)に表示された地図画面上に表示する車両位置表示手段と、を備えた、ことを特徴とする請求項3に記載の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム。
【請求項5】
前記管理サーバ(10)は、
顧客との面会後に、各前記役員等によって前記携帯情報端末(70)から、または秘書等によって前記端末(30)から、該当するスケジュール情報と関連付けて入力され送信
される面会特記事項を取得する面会情報取得手段と、
前記スケジュール情報に基づいて、該面会情報を蓄積する面会情報蓄積手段と、
蓄積した該面会情報を抽出し表示する面会情報表示手段と、をさらに備えた、ことを特徴とする請求項4に記載の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム。
【請求項6】
前記管理サーバ(10)は、
日付、出発時刻、到着時刻、担当した運転士の情報を含むルート情報を取得し蓄積するルート情報蓄積手段と、
蓄積した該ルート情報を抽出し表示するルート情報表示手段と、をさらに備えた、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の運転スケジュール・カーナビゲーション連携システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−93132(P2012−93132A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238896(P2010−238896)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】