説明

運転内容評価装置

【課題】運転者による車両の運転内容をより適正に評価できる運転内容評価装置を提供する。
【解決手段】運転状況管理装置は、車両毎に運転者の運転内容情報を運転履歴DBから取得する(S401)。取得した運転内容情報から評価対象以外の項目を除外して設定する機能を有する(S402)。評価対象となる項目のみを用いて、各車両の運転者についての評価点、順位等を求める(S403)。各運転者について求めた評価点等を他の情報と共にランキング画面内にリスト表示する(S404)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された運転内容記録装置により記録された情報に基づき、運転者による車両の運転内容を評価する運転内容評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者に対して自分の運転内容を客観的に認識させ、安全運転や経済運転(エコドライブ)の意識付けや促進を図るために、車両に搭載されたドライブレコーダによって記録された情報をコンピュータで解析し、運転者の運転内容を評価している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−003983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の運転内容を評価する手法では、いかなる車種に対しても同一の評価基準で評価していたため、特定の車種ではえば、長時間の停車中にエンジンを止めないのはエコドライブの観点からは減点対象となるが、ミキサー車や冷凍車等のように、作業のためにエンジンを止めることのできないような特殊車両においては本来減点対象とすべきではないため、適正な運転内容の評価が得られないといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、適正な運転内容の評価を得るための評価手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の、車両に搭載された運転内容記録装置によって収集された当該車両の運行データを取得する取得手段と、取得手段によって取得された前記運行データに基づき、車両の運転内容の評価を行う評価手段とを有する運転内容評価装置は、評価対象となる車両の車種を識別する車種識別手段と、車種識別手段により識別された車種に応じて、評価手段による評価方法を変更する評価方法変更手段とを備える。
【0007】
すなわち、本発明の第1の態様の運転内容評価装置は、運転内容の評価を行うために運行データを取得した車両の車種により、当該車両についての運転内容の評価方法を変更する機能を有している。従って、この運転内容評価装置を用いておけば、例えば、『ミキサー車の運転者の運転内容を、アイドリングストップ違反を行ったことを考慮に入れることなく評価する』といったように、各運転者の運転内容をより適正に評価できることになる。
【0008】
尚、本発明の第1の態様の運転内容評価装置の評価方法変更手段としては、評価手段が評価に使用する評価項目を、車種識別手段により識別された車種に応じて変更する手段を採用しておくことが出来る。さらに、本発明の第1の態様の運転内容評価装置を、車種と評価項目を表示する表示手段と、項目表示手段により表示された各評価項目について、評価手段に用いるか否かを前記車種毎に設定するための設定手段と、設定手段により設定された設定情報を前記車種毎に関連付けて記憶する設定情報記憶手段と、をさらに備え、評価方法変更手段は、車種識別手段により識別された車種と設定情報記憶手段に記憶された
設定情報とに基づき評価方法を変更する装置として実現しておくことも出来る。
【0009】
また、本発明の第2の態様の運転内容評価装置は、車両に搭載された運転内容記録装置によって収集された当該車両の運行データを取得する取得手段と、取得手段によって取得された運行データに基づき、車両に発生した特定運転と当該特定運転の発生位置とを検出する特定運転検出手段と、特定運転検出手段により検出された各特定運転を違反運転として指定する指定手段と、指定手段により指定された違反運転に対応する特定運転の発生位置を地図上に表示する違反発生位置表示手段とを、備える。
【0010】
すなわち、本発明の第2の態様の運転内容評価装置は、通常は違反運転に分類される運転(特定運転)を、違反運転として表示させないことが出来る。従って、この運転内容評価装置によっても、各運転者の運転内容をより適正に評価できることになる。
【0011】
また、本発明の第3の態様の、複数の運転者のそれぞれが運転する車両に搭載された運転内容記録装置によって収集された当該車両の運行データに基づき、各運転者の車両に対する運転内容の評価を行う運転内容評価装置は、運転者毎に、車両に対する過去の運転内容を示す運転内容情報を記憶しておくためのデータベースと、各運転者が運転する車両の運転内容記録装置によって収集された運行データに基づき、各運転者に関する幾つかの運転内容情報をデータベースに追加するデータベース更新手段であって、各車両の車種に基づき、データベースに追加する運転内容情報の種類を変更するデータベース更新手段と、データベース内の情報に基づき、各運転者の車両に対する運転内容の評価を行う評価手段とを備える。
【0012】
すなわち、本発明の第3の態様の運転内容評価装置は、運転内容評価用の元データを記憶しておくためのデータベースに記憶(追加)する運転内容情報の種類を車両の車種に応じて変更する機能を有している。そのため、この運転内容評価装置によれば、データベース内に、運転者の運転内容の評価が正しく行われない原因となる運転内容情報(例えば、ミキサー車の運転者がアイドリングストップ違反を行った旨を示す運転内容情報)を記憶させないことが出来る。そして、そのような運転内容情報がデータベース内に記憶されていなければ、各運転者の運転内容の評価をより適正に行える。従って、本発明の第3の態様の運転内容評価装置によっても、各運転者の運転内容をより的確に評価できることになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、適正な運転内容の評価を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る運転内容評価装置の用途の説明図である。
【図2】図2は、ドライブレコーダの構成例を示す図である。
【図3】図3は、ドライブレコーダの動作例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、ドライブレコーダによりメモリカードに記録される情報の説明図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る運転内容評価装置の構成例を示す図である。
【図6】図6は、除外項目情報の格納例の説明図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る運転内容評価装置内の制御部が実行するデータベース更新処理の手順例を示すフロ−チャートである。
【図8】図8は、第1実施形態に係る運転内容評価装置内の制御部がディスプレイ上に表示するランキング画面例を示す図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る運転内容評価装置内の制御部が実行する評価結果表示処理の手順例を示すフロ−チャートである。
【図10】図10は、第1実施形態に係る運転内容評価装置内の制御部がディスプレイ上に表示する違反運転項目リスト画面例を示す図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る運転内容評価装置内の制御部が実行する評価結果表示処理の手順例を示すフロ−チャートである。
【図12】図12は、第3実施形態に係るドライブレコーダの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
《第1実施形態》
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る運転内容評価装置1は、車両(図示略)に搭載されたドライブレコーダ30によって記録された運行データ等をメモリカード50(SDHC(Secure Digital High-Capacity)カード等)から読み出し、読み出した運行データ等に基づき運転者の運転内容を評価する装置である。
【0017】
〔ドライブレコーダ30の構成例〕
まず、ドライブレコーダ30の構成例を説明する。尚、以下の説明において、自車両とは、構成及び機能を説明しているドライブレコーダ30が搭載されている車両のことである。
【0018】
図2に、ドライブレコーダ30の構成例を示す。この図2に示されるように、ドライブレコーダ30は、リーダライタ31、計時回路32、加速度センサ33、GPS受信機34、通信回路35、制御部36、画像処理回路37、RAM(Random Access Memory)38及び不揮発性メモリ39を備えている。また、ドライブレコーダ30には、カメラ42、マイク43、記録スイッチ44、操作部45等が接続されている。
【0019】
記録スイッチ44はメモリカード50への記録指示を受け付けるスイッチである。ユーザは、この記録スイッチ44を押下することにより、衝突などの事故には至らなかったものの危険を感じた場合などの所望のタイミングで動画データをメモリカード50に記録することができる。
【0020】
操作部45は、複数のボタンを含んで構成され、ユーザから各種設定などの入力を受け付ける。記録スイッチ44及び操作部45で受け付けたユーザの操作内容は、信号として制御部36に入力される。
【0021】
カメラ42は、レンズと撮像素子とを備えており、電子的に画像情報を取得することが可能である。本実施形態では、カメラ42は、その光軸が車両の前方に向けられた状態でフロントガラスの上部付近の車両の前方の領域についての画像情報を取得できる位置(例えばルームミラーとフロントガラスの間)に配置される。図示してあるように、記録スイッチ44及び操作部45からのデータは、制御部36に入力されており、カメラ42からの画像信号は、画像処理回路37に入力されている。
【0022】
計時回路32は、現在時刻に対応した信号を発生して、制御部36へ出力する。計時回路32は、例えば、内蔵電池を有することで、外部から電力供給を受けなくても動作して正確な時刻を計時する。
【0023】
加速度センサ33は、自車両に加わる衝撃の大きさを示す加速度を、重力加速度のGを単位として検出する。検出される加速度は、現在時刻における加速度の瞬間値であり、例
えば、互いに直行する3軸、又は、2軸に応じた向きに大きさを持つ。加速度センサ33は、このような加速度に対応した信号を制御部36へ出力する。
【0024】
GPS受信機34は、GPS衛星からの信号に基づき、現在時刻における自車両の位置を検出し、検出された位置データを制御部36へ出力するユニットである。また、検出された位置データは、例えば、地球上における緯度経度で表現された位置情報である。通信回路35は、ドライブレコーダ30と他装置(ナビゲーション装置等)との間で通信を行うための回路である。尚、GPS受信機34は、GPS衛星からの信号に基づき、正確な時刻を検出できるため、計時回路32と使用すること、あるいは計時回路32の時刻を修正することに利用することが可能である。
【0025】
マイク43は、自車両の周辺で発生している音を電気信号に変換する機器である。このマイク43の出力は、図示を省略した信号処理回路を介して、RAM38に入力(記憶)されている。
【0026】
制御部36は、不揮発性メモリ39に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行するユニット(CPUを中心としたユニット)である。不揮発性メモリ39は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成され、ファームウェアとしてのプログラムや設定パラメタなどを記憶する。ドライブレコーダ30の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ39に予め記憶されたプログラムに従って制御部36が演算処理を実行することにより実現される。図示してあるように、この制御部36には、車速センサからのデータや、イグニッションキーの状態(ON/OFF)を検知するためのIGセンサからのデータが入力されている。
【0027】
画像処理回路37は、カメラ42から入力される画像信号に対してA/D(analog-to-digital)変換、輝度補正、コントラスト補正等を行うことにより、所定形式(例えば、
JPEG形式)のデジタルの画像データを生成し、生成した画像データをRAM38に記憶する回路である。マイク43とRAM38間に設けられている信号処理回路(図示略)は、マイク43からの信号をデジタルデータ(以下、サウンドデータと表記する)に変換して、RAM38に記憶する回路である。
【0028】
RAM38の記憶領域のうちの一部(以下、リングバッファ領域と表記する)はリングバッファとして利用される。このリングバッファ領域が用いられて、画像処理回路37において処理された、過去一定時間分の画像データ、及び、信号処理回路において処理された、過去一定時間分のサウンドデータが常時に記憶される。この時、計時回路32、加速度センサ33、GPS受信機34、車速センサ等により取得された運転データも常時に記憶される。制御部36は、運転データと、画像データ及びサウンドデータとを関連付けてRAM38に記憶する。すなわち、制御部36は、画像処理回路37において処理された画像データ及び信号処理回路において処理されたサウンドデータと、各データがカメラ42又はマイク43により取得された時刻における運転データとを関連付けて、RAM38のリングバッファ領域に格納する。
【0029】
尚、運転データとは、加速度センサ33によって取得された加速度データや車速センサによって取得された車速データ等を含む車両の運転状態を示すデータのことである。
【0030】
尚、リングバッファ領域のサイズは、例えば、およそ40秒分の画像データ及びサウンドデータを記憶しておくことが出来るように定められる。
【0031】
リーダライタ31は、メモリカード50を装着するためのカードスロットを有し、制御部36の制御下、カードスロットに装着されたメモリカード50からのデータの読み取り
や、当該メモリカード50へのデータの書き込みを行うユニットである。事故や危険挙動などの所定のイベントが生じたとき、制御部36は、RAM38のリングバッファ領域に記憶された画像データ及びサウンドデータから動画データを生成する。また、制御部36は、RAM38のリングバッファ領域に記憶された運転データを利用して、発生したイベントの種類等を示す運転内容情報を生成する。そして、制御部36は、リーダライタ31を制御することにより、生成した動画データ、運転内容情報及びリングバッファ領域上の一部の運転データを、リーダライタ31のカードスロットに装着されているメモリカード50に記録する。
【0032】
〔ドライブレコーダ30の動作例〕
図3は、本実施形態に係るドライブレコーダ30がメモリカード50に運転内容情報等を記録する動作例を示す。この動作例は、不揮発性メモリ39に記録されたプログラムに基づいて実行される。また、この動作例の開始時点において、メモリカード50がリーダライタ31に装着されているものとする。また、この動作例は、特に言及しない限り制御部36の制御により実行される。
【0033】
ドライブレコーダ30は、例えば、車両のイグニッションスイッチのオンにより起動する。ドライブレコーダ30は、起動を開始すると、所定のイニシャル処理を実行する。
【0034】
ドライブレコーダ30は、イニシャル処理が完了した直後から、カメラ42による車両の周辺の様子を示す画像データの取得、マイク43による車両の周辺で発生している音を示すサウンドデータの取得、及び、計時回路32、加速度センサ33、GPS受信機34、車速センサ等による運転データの取得を開始する。取得された画像データ、サウンドデータ及び運転データは、RAM38のリングバッファ領域に記憶される(ステップ101)。これ以降、ドライブレコーダ30の動作中にわたって、画像データ、サウンドデータ及び運転データは、継続的にRAM38に記憶される。例えば、画像データは、毎秒30回の割合で、継続的にRAM38に記憶される。この時、画像データは、30fps(毎秒30フレーム)のフレームレートで記憶されていることになる。尚、同一時刻に取得された画像データ及びサウンドデータと、運転データとは、関連付けられている。
【0035】
このように画像データ、サウンドデータ及び運転データが継続的に記憶される一方で、例えば、車両のイグニッションスイッチをオフにする等して、ドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントが発生したか否かが監視される(ステップ102)。例えば、車両のイグニッションスイッチをオフにすると(ステップ102のYES)、ドライブレコーダ30は、動作を停止する。
【0036】
他方、ドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントが発生していなければ(ステップ102のNO)、所定のイベントが発生したか否かが監視される(ステップ103)。
【0037】
このステップ103では、以下の条件(A)〜(C)を満足するイベント等の発生の有無が監視される。
【0038】
(A)加速度センサ33が、所定以上の加速度を、所定時間以上継続して検出した。例えば、加速度センサ33が、0.40G以上の加速度を100ミリ秒以上継続して検出した。
(B)車両が所定以上の速度で走行中に、車速センサが、所定の期間内に所定以上の減速を検出した。例えば、車両が速度60km/h以上で走行中に、車速センサが検出した減速での1秒間の速度差が14km/h以上となった。
(C)記録スイッチ44がユーザにより押下された。
【0039】
尚、各条件における所定の値及び閾値は、それぞれユーザにより設定及び変更可能であってもよい。
【0040】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生しており、車両の衝突事故発生の蓋然性が高い状況に関する条件である。当該条件(A)を満足するイベントは「G検知」と呼ばれる。
条件(B)は、車両において比較的急激な減速が生じており、事故が急迫した蓋然性が高い状況に関する条件である。この条件(B)を満足するイベントは「急減速」と呼ばれる。
条件(C)は、ユーザ(代表的には車両のドライバ)が動画データの記録を所望する状況に関する条件である。この条件(C)を満足するイベントは「スイッチ操作」と呼ばれる。
【0041】
或るイベントが発生した場合(ステップ103のYES)、例えば、G検知、急減速等が発生した場合には、イベント発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データ、サウンドデータ及び運転データが、RAM38のリングバッファ領域から読み出される。また、例えば、スイッチ操作が発生した場合には、イベント発生後、任意の時間分の画像データ、サウンドデータ及び運転データが、RAM38のリングバッファ領域から読み出される。この時、必要であれば、リングバッファ領域以外の領域から画像データや運転データが読み出されてもよい。尚、該任意の時間は、不揮発性メモリ39に格納される設定値として予め設定された時間であってもよいし、情報処理装置において時間を指定し、メモリカード50を介して設定されてもよい。
【0042】
そして、読み出された画像データ及びサウンドデータから動画データが生成される。この動画データは、イベントの発生時における車両の周辺の様子を示すものとなる。生成された動画データ、及び、RAM38のリングバッファ領域から読み出された運転データはメモリカード50に記録される(ステップ104)。また、発生したイベントの種類(G検知、急減速等)を示す情報、イベントの発生日時を示す情報、及び、イベントの発生時における車両の位置データ(イベント発生時にGPS受信機34により検出された位置データ)を含む運転内容情報も、メモリカード50に記録される(ステップ104)。
【0043】
尚、ステップ102に係るドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントの監視処理は実行されなくてもよい。この時、例えば、ユーザがイグニッションスイッチをオフにした時点でドライブレコーダ30の動作を停止させる処理が強制的に発生し、実行されることにより、ドライブレコーダ30の動作は停止する。
【0044】
図4は、上記のようなドライブレコーダ30の動作により情報が記録されたメモリカード50の状態を例示する。
【0045】
この図4に示される車両番号("000002")は、自車両(メモリカード50に情報を記録したドライブレコーダ30が搭載されている車両)の識別情報であり、車種情報("002"
)は、自車両の車種を示す情報である。これらの情報は、ドライブレコーダ30のセットアップ時にドライブレコーダ30内の不揮発性メモリ39に書き込まれた情報であり、メモリカード50がドライブレコーダ30にセットされた時に、以降記録される情報が当該ドライブレコーダ30での記録情報である旨を示す情報としてメモリカード50に記録される。
【0046】
また、図4における"2011/01/25 09:11:23 急加速 P1x,P1y"等は、ドライブレコーダ30がメモリカード50に記録した運転内容情報である。
【0047】
〔運転内容評価装置1〕
次に、第1実施形態に係る運転内容評価装置1の構成及び機能を説明する。尚、以下の説明において、運行データとは、メモリカード50に記録されている運転内容情報群(図4参照)のことである。
【0048】
〔運転内容評価装置1の構成例〕
図5に、運転内容評価装置1の構成例を示す。運転内容評価装置1は、この図5に示されるように、バス13で相互に接続された、記憶部11、制御部12、入出力部14、カードスロット15等を有している。
【0049】
記憶部11は、制御部12が実行するプログラム(図示略)や、運転者別(車両番号及び車種情報別)に、各運転者についての運転内容情報、動画データ及び運転データを管理しておくためのデータベースである運転履歴データベース110(以下、運転履歴DB110とも表記する)を記憶したユニットである。
【0050】
この記憶部11には、それぞれ特定の車種(車種情報)に関連づけられている幾つかの除外項目情報も記憶される。ここで、除外項目情報とは、各車種の車両についての運転内容の評価に使用しない違反運転項目を規定(指定)する情報のことである。
【0051】
図6に、記憶部11への除外項目情報の格納例を示す。この図6に示されている除外項目情報は、運転内容の評価に使用し得る違反運転項目("速度超過"、"急加速"等)毎に、その違反運転項目が運転内容の評価に使用しないものであることを示す情報("除外")、又は、その違反運転項目が運転内容の評価に使用するものであることを示す情報(null(図では空欄))を含む情報である。
【0052】
各除外項目情報は、車種情報と関連付けられており、例えば、車種情報001に関連付けられている除外項目情報は、速度超過、急加速、急減速の各違反運転項目を、評価対象から除外する(運転内容の評価に使用しない)ことを規定している。制御部12は、このような除外項目情報群を記憶部11から読み出すことによって、車種別に、評価対象から除外する違反運転項目(以下、除外違反運転項目と表記する)を特定することができる。
【0053】
尚、或る車種に関する除外項目情報は、当該車種の車両について、運転内容の評価に使用しない違反運転項目を示す情報でありさえすれば良い。従って、各車種に関する除外項目情報として、運転内容の評価に使用しない各違反運転項目の名称(識別情報)のみを含む情報等を採用しておくこともできる。
【0054】
記憶部11(図5)は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等によって実現される。また、記憶部11は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSDカードメモリ等の着脱可能な記録媒体により実現されてもよい。尚、記憶部11に記憶される各種情報は、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の外部記録媒体から取得されてもよい。
【0055】
制御部12は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又
は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM、インタフェース回路等)とを有する。制御部12は、記憶部11に格納されているプログラムを実行することにより、各種データについての演算と各構成の制御とを実行し、本実施形態における運転内容評価装置1の処理を実現する。
【0056】
制御部12は、図5に示されるとおり、各運転者が運転する車両のドライブレコーダ30によって収集された運行データに基づき、各運転者に関する運転内容情報を運転履歴D
B110に追加するデータベース更新部121として機能し、各車両の車種に基づき、運転履歴DB110に追加する運転内容情報の種類を変更するように動作する。また、制御部12は、運転履歴DB110内の情報に基づき、各運転者の車両に対する運転内容の評価を行う評価部122としても機能する。
【0057】
入出力部14は、運転内容評価装置1の外部に存在する装置との間で各種データを授受するための1又は複数のインタフェースである。入出力部14は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルを接続するためのインタフェース、ユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、又はUSB等のインタフェースである。
【0058】
入出力部14は、タッチパネル、テンキー、キーボード、マウス等の操作装置5と接続する。また、入出力部14は、ディスプレイ6と接続する。操作装置5がタッチパネルである場合、操作装置5とディスプレイ6とは、一体の装置として構成されてもよい。
【0059】
カードスロット15は、メモリカード50を着脱可能に構成され、装着されたメモリカード50からのデータの読み取りや、メモリカード50へのデータの書き込みを行う。運転内容評価装置1は、このカードスロット15を介して、メモリカード50から運行データ等を取得する。尚、運転内容評価装置1による運行データ等の取得方法は、例えば、インターネット等の通信により、ドライブレコーダ30により記録された運行データ等を取得する方法をとることも可能である。
【0060】
また、運転内容評価装置1は、例えば、PC(Personal Computer)等のような汎用コ
ンピュータであってもよいし、ナビゲーション装置等の車載装置であってもよい。
【0061】
〔運転内容評価装置1の動作例〕
以下、運転内容評価装置1が備える制御部12の動作例を説明する。
【0062】
記憶部11上のプログラムに従った動作を開始した制御部12は、各種指示が入力されるのを監視する。制御部12が入力されるのを監視する指示には、除外違反項目確認・変更指示、DB更新指示、ランキング画面表示指示、違反項目リスト画面表示指示等がある。
【0063】
制御部12は、除外違反項目確認・変更指示が入力されたことを検出したら、まず、記憶部11から各車種についての除外項目情報(図6参照)を読み出す。
【0064】
次いで、制御部12は、読み出した各除外項目情報に基づき、各車種についての除外違反運転項目(運転内容の評価に使用しない違反運転項目)の設定状況が示される除外違反項目設定用画面をディスプレイ6上に表示する。この除外違反項目設定用画面には、各車種についての除外項目情報の内容の変更指示を受け付けるための各種アイテム(チェックボックス等)が設けられている。
【0065】
除外違反項目設定用画面をディスプレイ6上に表示した制御部12は、除外違反項目設定用画面上のアイテムの操作によりユーザ(運転内容評価装置1の操作者)が或る車種についての除外項目情報の変更を指示した際には、記憶部11内の、当該車種についての除外項目情報をユーザが指示した内容の情報に変更する。
【0066】
制御部12は、ユーザが、操作装置5の操作により除外違反項目設定用画面の消去指示を入力したときに、除外違反項目設定用画面をディスプレイ6上から消去する。そして、制御部は、各種指示の入力を監視している状態となる。
【0067】
制御部12は、DB更新指示が入力されたことを検出したら、ドライブレコーダ30によって取得された、メモリカード50に格納されているデータを運転履歴DB110へ登録するためのデータベース更新処理を実行する。
【0068】
図7は、データベース更新処理の処理手順例を示す。このデータベース更新処理は、制御部12がDB更新指示を検出した場合に実行される。まず、制御部12は、カードスロット15にセットされているメモリカード50から各種情報(車種情報、運行データ、動画データ等)を読み出す(ステップ201)。次いで、制御部12は、メモリカード50から読み出した車種情報と記憶部11に記憶されている除外項目情報とに基づき、評価対象車両(車両番号等をメモリカード50から読み出した車両)に関する除外違反運転項目を特定する(ステップ202)。より具体的には、制御部12は、記憶部11から読み出した除外項目情報(図6参照)の中から、メモリカード50から読み出した車種情報に対応する違反運転項目に関する情報を読み出し、読み出した違反運転項目のうち、運転内容の評価に使用しないものであることを示す情報("除外")が示されている違反運転項目を、評価対象車両に関する除外違反運転項目として特定する。
【0069】
その後、制御部12は、メモリカード50から読み出した情報から、特定した各除外違反運転項目に関する情報(運転内容情報、動画データ及び運行データ)を除いた情報を、評価対象車両の運転内容に関する情報として運転履歴DB110に登録する(ステップ203)。そして、制御部12は、このデータベース更新処理を終了して、各種指示の入力を監視している状態となる。
【0070】
なお、このデータベース更新処理を、DB更新指示が入力された場合ではなく、メモリカード50がカードスロット15に挿入されたときに自動的に開始するように、制御部12をプログラミングしておくことも出来る。
【0071】
制御部12は、ランキング画面表示指示が入力された場合には、ランキング画面をディスプレイ6上に表示する。
【0072】
図8は、ランキング画面の一例を示す。このランキング画面の領域41内のアイテムは、運転内容の評価を行う運転者(乗務員)を、当該運転者が所属する部署等で絞り込むための検索条件である。領域41に配置されている入力欄に部署名を入力することによって、入力された部署に所属する運転者に関するデータのみが抽出される。領域42内の各アイテムは、運転内容の評価を行う期間を指定するための検索条件である。領域42に配置されているチェックボックスのいずれか1つを指定(チェック)することでデータの抽出条件を指定することができ、日付の入力欄に日付を入力することによって任意の日付を指定することができる。領域43内の各アイテムは、運転内容の評価結果として出力する際のデータ数や順番を指定するための出力条件である。領域43に配置されているランキング条件を示すチェックボックスを指定(チェック)することによって出力形態を指定することが可能となる。そして、順位条件および点数条件の入力欄に入力した値の範囲に含まれるデータに絞り込まれて、ランキング形式で出力される。
【0073】
領域44には、評価対象から除外する違反運転項目を指定可能なチェックボックスが配置されており、運転内容の評価条件が指定できる。これらチェックボックスのいずれか1つ以上を指定(チェック)することによって、この指定された違反運転項目を除外して運転内容の評価が行われる。
【0074】
ランキング画面上の「検索」ボタンは、制御部12に評価結果出力処理を開始させるためのボタンである。この「検索」ボタンが押下されると、制御部12は、領域41〜44で指定された検索条件および出力条件、評価条件に基づいて、検索が実行され、領域45
に検索結果が出力される。
【0075】
図9は、評価結果出力処理の処理手順例を示す。この評価結果出力処理は、制御部12が「検索」ボタンの押下を検出した場合に実行される。まず、制御部12は、領域41内のアイテムにて指定されている条件を満たす各運転者(乗務員、車両)に関する各運転内容情報を運転履歴DB110から読み出す(ステップ301)。
【0076】
より具体的には、制御部12は、領域41に配置されている入力欄に入力された部署に所属する運転者に関するデータに絞込みを行い、領域44に配置されているチェックボックスにチェックされていない違反運転についての(フラグ情報によって評価に使用しないことが指定されていない)運転内容情報のみを運転履歴DB110から読み出す。尚、フラグ情報は、違反項目リスト画面(図10)を用いてユーザにより設定される情報となっている。そのため、フラグ情報の詳細については、違反項目リスト画面関連の制御部12の動作と共に、後ほど説明することにする。
【0077】
そして、制御部12は、読み出した運転内容情報の評価点(総合評価)、ランク、順位等を乗務員毎に求める(ステップ302)。
【0078】
そして、制御部12は、領域43で指定した出力条件と求められた評価点(総合評価)、ランク、順位等とに基づいて、乗務員毎のランキング形式で領域45に出力する(ステップ303)。
【0079】
そして、制御部12は、この評価結果出力処理を終了して、各種条件が設定し直されること、「ランキング印刷」ボタンが押下されること、ランキング画面の消去指示が入力されること等を監視している状態となる。
【0080】
制御部12は、違反項目リスト画面表示指示を検出したら、違反項目リスト画面をディスプレイ6上に表示する。
【0081】
図10は、違反項目リスト画面の一例を示す。尚、ユーザからの指定がない場合、制御部12が違反項目リスト画面表示指示の入力直後にディスプレイ6上に表示する違反項目リスト画面は、領域46や領域47内に何も示されてない画面である。
【0082】
その後、制御部12は、違反項目リスト画面上の各アイテムが操作されるのを監視して、操作されたアイテム(チェックボックス、ラジオボタン)の表示形態を変更する処理や、情報が入力(又は選択)されたアイテム(テキストボックス)内に当該情報を表示する処理を行う状態となる。
【0083】
そして、制御部12は、「検索」ボタンが押下されたことを検出したら、部署名の入力欄に入力されている部署に所属する乗務員や乗務員名の入力欄に入力されている乗務員名を含む乗務員のデータに絞込みが行われ、対象日の入力欄に入力されている期間の範囲に含まれるデータに該当する運転内容情報を運転履歴DBから検索する。次いで、制御部12は、検索した運転内容情報の内容を示す情報のチェックボックス付きのリストを、違反項目リスト画面の領域46内に表示する。
【0084】
また、制御部12は、上記のような処理により領域46内に表示したリストから、或る違反運転に関する情報が選択された際には、当該違反運転がなされた場所を中心とした地図を領域47内に表示する。
【0085】
さらに、制御部12は、違反項目リスト画面上の幾つかの違反運転に関する情報に関す
るチェックボックスがチェックされた状態で「変更の確定」ボタンが押下された際には、チェックボックスがチェックされている各違反運転項目に関する運転履歴DB110内の運転内容情報に、当該情報が運転内容の評価に使用しないものであることを意味するフラグ情報を追加する。
【0086】
既に説明したように、制御部12が実行する評価結果出力処理は、ステップ301にて、指定されている条件を満たす各運転者についての、領域44内のチェックボックスがチェックされていない違反運転に関する(フラグ情報によって評価に使用しないことが指定されていない)運転内容情報のみを、運転履歴DB110から読み出す処理である。
【0087】
従って、違反項目リスト画面に対する操作により或る運転者に関する或る運転内容情報にフラグ情報が追加されている場合、ランキング画面(図8)上には、当該フラグ情報が追加された運転内容情報を除外した当該運転者に関する評価結果("総合評価"等)が表示される。
【0088】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る運転内容評価装置1は、運転内容評価用の元データを記憶しておくための運転履歴DB110に記録する運転内容情報の種類を、情報記録対象車両の車種に応じて変更する機能を有している。そして、特定の車種において、運転内容の評価対象としない(運転内容の評価対象から除外する)違反運転項目を、車種毎に運転履歴DB110に登録しないようにすることにしたので、いかなる車種であっても同一の評価基準で適正な運転内容の評価を行うことが可能となる。これにより、運転者に対して自分の運転内容を客観的に認識させ、より一層の安全運転や経済運転(エコドライブ)の意識付けや促進を図ることが可能となる。
【0089】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る運転内容評価装置1は、制御部12が実行するデータベース更新処理、評価結果出力処理の内容のみが、上記した運転内容評価装置1と異なる装置である。そのため、以下では、第1実施形態と同様の構成等については同じ符号を用いて同様の説明を省略し、主に第2実施形態に係る運転内容評価装置1の制御部12が実行するデータベース更新処理、評価結果出力処理の内容を説明することにする。
【0090】
尚、第2実施形態に係る運転内容評価装置1の特徴の概要は、メモリカード50から除外違反運転項目に関する情報を除いてデータベースに取り込むのではなく、除外違反運転項目に関する情報も含めて運行データを取り込んでデータベースを構築し、評価や解析を行うために運行データをデータベースから抜き出す際、あるいは抜き出して加工する際に、除外違反運転項目に関するデータを除外する処理を行う点で、この点が第1実施形態に係る運転内容評価装置1との主な差異となる。以下、その構成について、説明する。
【0091】
先ず、第2実施形態に係る運転内容評価装置1の制御部12(データベース更新部121)は、データベース更新処理として、メモリカード50から読み出した運行データ中の全ての運転内容情報を、評価対象車両の運転者に関する情報として運転履歴データベース110に記録する処理を実行するように、構成(プログラミング)されている。尚、運転履歴データベース110に記録済みのデータについては、2重記録されないように同じデータについては削除処理を行う。
【0092】
図11は、制御部12が実行する評価結果出力処理の処理手順例を示す流れ図である。この評価結果出力処理は、ランキング画面(図8)上の「検索」ボタンが押下されたことを検出した場合に実行される。
【0093】
図11に示されているように、この評価結果出力処理を開始した制御部12は、まず、
領域41内のアイテムにて指定されている条件を満たす各運転者(乗務員、車両)に関する各運転内容情報を運転履歴DB110から読み出す(ステップ401)。
【0094】
このステップ401の処理も、ステップ301の処理と同様に、指定された除外違反運転項目(ランキング画面(図10)の領域44内のチェックボックスがチェックされた違反運転項目)に該当するデータ、また取り込み指定された期間を外れた期間のデータ等は読み込まれない処理である。
【0095】
次いで、制御部12は、記憶部11から各車種についての除外項目情報を読み出すことにより、各車種についての除外違反運転項目を特定する(ステップ402)。
【0096】
その後、制御部12は、車両毎に、特定された除外違反運転項目に該当するデータをステップ401で読み出されたデータから除外し、残ったデータ、つまり、除外違反運転項目ではない非除外違反運転項目に関する運転内容情報のみを用いて、その車両の運転者(乗務員)についての評価点、ランク、順位等を求める(ステップ403)。
【0097】
次いで、制御部12は、求めた評価点等を各運転者に関する他の情報と共に、領域42内の各種アイテムにて指定されている形で領域45内にリスト表示する(ステップ404)。そして、制御部12は、この評価結果出力処理を終了する。
【0098】
以上の説明から明らかなように、本発明の第2実施形態に係る運転内容評価装置1は、運転履歴データベース110に全種類の運転内容情報を記録し、各運転者の運転内容の評価時に、評価に用いる項目を車両の車種に応じて変更する動作となる。
【0099】
従って、この運転内容評価装置1によっても、ミキサー車の運転者がアイドリングストップ違反を行った旨を示す運転内容情報が考慮されて当該運転者の運転内容が低く評価されるといったようなことがない形で(つまり、より適正な評価結果が得られる形で)、各運転者の運転内容を評価できることになる。また、運転履歴データベース110に全種類の運転内容情報は記録されているので、車種による評価対象項目を変更した評価や、車種により評価対象項目に重み付けを付加した評価等を行うことも可能である。
【0100】
《第3実施形態》
次に、本発明に係る第3実施形態を説明する。
【0101】
本発明の第3実施形態に係る運転内容評価装置1の特徴(第1、2実施形態の差異)は、ドライブレコーダ内で、評価に用いるデータ(非除外危険運転項目に関する運転内容情報)だけをメモリカード50に記録する点にある。尚、ハード構成等は第1、2実施形態と同様で、主にドライブレコーダの一部構成と実行する処理(記憶された実行プログラム)が異なるため、これら部分について説明し、他部分については説明を省略する。
【0102】
先ず、本実施形態に係るドライブレコーダは、不揮発性メモリ39に、車両の車種に応じた内容の除外項目情報(運転内容の評価に使用しない各違反運転項目を規定する情報)が記録されるように構成されており(メモリ領域の確保等)、ドライブレコーダの車両への搭載時等に、除外項目情報が設定登録される。
【0103】
図12は、ドライブレコーダの制御部36が実行する処理で、ドライブレコーダ動作中繰り返し実行される。
【0104】
すなわち、この処理を開始した制御部36は、まず、加速度センサ33や車速センサの出力等に基づき、各種イベントの発生を監視する(ステップ501)。そして、制御部3
6は、イベントの発生を検出しない場合(ステップ501;NO)には、処理を終える。
【0105】
また、制御部36は、或るイベントの発生を検出した場合(ステップ501;YES)には、発生を検出したイベントが、不揮発性メモリ29上の除外項目情報にて評価に使用しないことが指定されている危険運転項目に関するイベント(以下、非記録イベントと表記する)であるか否かを判断する(ステップ502)。
【0106】
そして、制御部36は、発生を検出したイベントが、非記録イベントであった場合(ステップ502;YES)には、処理を終える。
【0107】
一方、発生を検出したイベントが、非記録イベントではなかった場合(ステップ502;NO)、制御部36は、RAM28上の、そのイベントの発生時刻を含む所定期間内の運行データ、当該所定期間内に撮影/録音された画像データとサウンドデータとから生成した動画データのファイルをメモリカード50に記録する(ステップ503)。また、制御部36は、運転内容情報をメモリカード50に記録する処理(ステップ504)を行い、本処理を終える。
【0108】
尚、撮影/録音された画像データとサウンドデータについては、事故記録と言った面があるので、イベント条件、記録条件等を別途独立設定して、運行データ記録と独立した記録制御としても良い。
【0109】
また、メモリカード50に記録する除外項目情報を編集できる機能や、ドライブレコーダがメモリカード50に運転内容情報を記録する記録条件を、1つ以上の違反運転項目について設定できる機能を、ドライブレコーダあるいは運転内容評価装置に設けることにより、記録する運転項目を変更することが可能となり、ユーザの希望する条件での評価が可能となる。この場合、除外項目情報や記録条件の指定等を行う操作部、メモリカード50の記録内容等を表示する表示部等をドライブレコーダあるいは運転内容評価装置に設け、指定されている除外項目情報や記録条件に従ってメモリカード50に運転内容情報を所定のフォーマットで記録するプログラムや表示や操作のためのプログラムをドライブレコーダあるいは運転内容評価装置の記録部(プログラム格納用メモリ)に記録することにより実現することができる。
【0110】
以上、開示した技術に関し、更に以下の付記を開示する。
【0111】
(付記1) 車両に搭載される運転内容記録装置であって、
前記車両の挙動を検出するための複数のセンサからの情報を収集する情報収集手段と、
前記車両の車種に基づき、運転内容の評価に使用しない違反運転項目である除外違反運転項目を認定する認定手段と、
前記収集手段により収集された情報を解析することにより、前記認定手段により除外違反運転項目であると認定されていない各違反運転項目に分類される、前記車両の運転者が行った各違反運転を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された各違反運転の内容を示す違反運転情報を記録する違反運転情報記録手段と、
を備えることを特徴とする運転内容記録装置。
【0112】
(付記2) 車両に搭載される運転内容記録装置であって、
前記車両の挙動を検出するための複数のセンサからの情報を収集する収集手段と、
前記収集手段により収集された情報を解析することにより、各違反運転項目に分類される、車両の運転者が行った各違反運転を特定する特定手段であって、外部からの情報設定により、少なくとも1種の違反運転項目に関する、違反運転であるか否かについての判定
条件を変更できる特定手段と、
前記特定手段により特定された各違反運転の内容を示す違反運転情報を記録する違反運転情報記録手段と、
を備えることを特徴とする運転内容記録装置。
【0113】
(付記3) 前記違反運転情報記録手段は、メモリカードに前記違反運転情報を記録する
ことを特徴とする付記1又は2に記載の運転内容記録装置。
【0114】
(付記4) コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の運転内容評価装置として動作させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0115】
1 運転内容評価装置
5 操作装置
6 ディスプレイ
11 記憶部
12、36 制御部
29、39 不揮発性メモリ
30 ドライブレコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された運転内容記録装置によって収集された当該車両の運行データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記運行データに基づき、前記車両の運転内容の評価を行う評価手段とを有する運転内容評価装置において、
評価対象となる前記車両の車種を識別する車種識別手段と、
前記車種識別手段により識別された車種に応じて、前記評価手段による評価方法を変更する評価方法変更手段と、
を備えたことを特徴とする運転内容評価装置。
【請求項2】
前記評価方法変更手段は、前記評価手段が評価に使用する評価項目を、前記車種識別手段により識別された車種に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の運転内容評価装置。
【請求項3】
車種と前記評価項目を表示する表示手段と、
前記項目表示手段により表示された各評価項目について、前記評価手段に用いるか否かを前記車種毎に設定するための設定手段と、
前記設定手段により設定された設定情報を前記車種毎に関連付けて記憶する設定情報記憶手段と、をさらに備え、
前記評価方法変更手段は、前記車種識別手段により識別された車種と前記設定情報記憶手段に記憶された設定情報とに基づき評価方法を変更し、
前記評価手段は、前記評価方法変更手段によって変更された評価方法に基づき、評価に用いないと設定された評価項目を除いて、前記車種に係る車両の運転内容の評価を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の運転内容評価装置。
【請求項4】
車両に搭載された運転内容記録装置によって収集された当該車両の運行データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された運行データに基づき、前記車両に発生した特定運転と当該特定運転の発生位置とを検出する特定運転検出手段と、
前記特定運転検出手段により検出された各特定運転を違反運転として指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された違反運転に対応する特定運転の発生位置を地図上に表示する違反発生位置表示手段と、
を備えたことを特徴とする運転内容評価装置。
【請求項5】
複数の運転者のそれぞれが運転する車両に搭載された運転内容記録装置によって収集された当該車両の運行データに基づき、各運転者の車両に対する運転内容の評価を行う運転内容評価装置において、
運転者毎に、車両に対する過去の運転内容を示す運転内容情報を記憶しておくためのデータベースと、
各運転者が運転する車両の運転内容記録装置によって収集された運行データに基づき、各運転者に関する幾つかの運転内容情報を前記データベースに追加するデータベース更新手段であって、各車両の車種に基づき、前記データベースに追加する運転内容情報の種類を変更するデータベース更新手段と、
前記データベース内の情報に基づき、各運転者の車両に対する運転内容の評価を行う評価手段と、
を備えることを特徴とする運転内容評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221307(P2012−221307A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87535(P2011−87535)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)