説明

運転情報収集装置、運転情報収集プログラム及び速度違反管理システム

【課題】弾力的に安全運転を促す、運転情報収集装置を提供する。
【解決手段】運転情報記録装置100は、運転者情報が格納されたICチップ11内蔵の免許証10から運転者情報を読み取る読取部104と、車両Aの走行速度を車両側システム110から収集する収集部101と、許容速度情報1051を参照することで、走行速度が、許容速度か違反速度かを判定し、違反速度と判定すると違反ランク情報1052を参照して違反速度が重度違反かどうかを判定し、重度違反と判定すると、違反速度と、読取部104の読み取った運転者情報とを含む違反情報1を生成する処理部102と、違反情報1を路側通信機200に送信することにより、違反情報1を管理する集中管理サーバ装置300へ、違反情報1を中継させる通信部103とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の走行速度を収集して、違反情報を集中管理サーバ装置に送信する運転情報収集装置、運転情報収集プログラム及び速度違反管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の速度違反取り締まりは、道路近傍に設置した計測機器による車両速度の計測や、主要道路でのカメラ撮影による等、取り締まり場所が限定されている為、速度取り締まりの場所は予想される。このため、それ以外の場所では、車両の速度違反が横行し、事故に繋がっている。特許文献1は、ナンバープレートの写真撮影に依存しない監視システムを開示しているが、この監視システムでは、速度違反がある場合に画一的に速度情報を車両速度監視装置に送信しており、弾力的な運用に欠ける面がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−110687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、弾力的に安全運転を促す、運転情報収集装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の運転情報収集装置は、
車両に搭載され、前記車両の走行速度を収集する運転情報収集装置において、
運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報を読み取る読取部と、
前記車両の走行速度を示す走行速度情報を前記車両から収集する収集部と、
前記走行速度情報の示す前記走行速度が、許容される速度を示す許容速度情報であって予め保有する許容速度情報の範囲内の許容速度か範囲外の違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると違反の程度が記載された予め保有する違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを重度の違反と判定すると、前記違反速度と、前記読取部の読み取った前記運転者情報とを含む違反情報を生成する処理部と、
前記処理部によって生成された前記違反情報を前記車両の走行する道路に設置された路側通信機に送信することにより、前記違反情報を管理する集中管理サーバ装置へ、前記違反情報を中継させる通信部と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記処理部は、
前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランク軽度の違反と判定すると前記違反情報を生成することなく警告を発生することを特徴とする。
【0007】
前記処理部は、
前記警告を発生した後、再度、前記走行速度情報の示す前記走行速度が前記違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反情報を生成し、前記走行速度を前記許容速度と判定すると前記違反情報を生成しないことを特徴とする。
【0008】
前記処理部は、
前記違反情報を生成したときに、生成した前記違反情報を前記運転者カードの前記ICチップに記録することを特徴とする。
【0009】
前記処理部は、
前記違反情報を生成する際に、前記違反速度が予め定められた特に危険な違反速度の場合には、危険フラグを前記違反情報に含めて生成することを特徴とする。
【0010】
前記読取部は、
前記運転者情報と前記違反情報とが格納されたICチップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報と前記違反情報とを読み取り、
前記処理部は、
前記違反情報が、前記危険フラグを含む場合には、前記車両のエンジンを始動させないことを特徴とする。
【0011】
この発明の運転情報収集プログラムは、
車両に搭載され、前記車両の走行速度を収集するコンピュータである運転情報収集装置を、
運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報を読み取る読取部、
前記車両の走行速度を示す走行速度情報を前記車両から収集する収集部、
前記走行速度情報の示す前記走行速度が、許容される速度を示す許容速度情報であって予め保有する許容速度情報の範囲内の許容速度か範囲外の違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると違反の程度が記載された予め保有する違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを重度の違反と判定すると、前記違反速度と、前記読取部の読み取った前記運転者情報とを含む違反情報を生成する処理部、
前記処理部によって生成された前記違反情報を前記車両の走行する道路に設置された路側通信機に送信することにより、前記違反情報を管理する集中管理サーバ装置へ、前記違反情報を中継させる通信部、
として機能させることを特徴とする。
【0012】
前記運転情報収集プログラムでは、
前記処理部は、
前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランク軽度の違反と判定すると前記違反情報を生成することなく警告を発生する。
【0013】
前記運転情報収集プログラムでは、
前記処理部は、
前記警告を発生した後、再度、前記走行速度情報の示す前記走行速度が前記違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反情報を生成し、前記走行速度を前記許容速度と判定すると前記違反情報を生成しないことを特徴とする。
【0014】
前記運転情報収集プログラムでは、
前記処理部は、
前記違反情報を生成したときに、生成した前記違反情報を前記運転者カードの前記ICチップに書き込むことを特徴とする。
【0015】
前記運転情報収集プログラムでは、
前記処理部は、
前記違反情報を生成する際に、前記違反速度が予め定められた特に危険な違反速度の場合には、危険フラグを前記違反情報に含めて生成することを特徴とする。
【0016】
前記運転情報収集プログラムでは、
前記読取部は、
前記運転者情報と前記違反情報とが格納されたICチップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報と前記違反情報とを読み取り、
前記処理部は、
前記違反情報が、前記危険フラグを含む場合には、前記車両のエンジンを始動させないことを特徴とする。
【0017】
この発明の速度違反管理システムは、
車両に搭載される運転情報収集装置と、前記車両の走行する道路に設置された路側通信機と、集中管理サーバ装置とを備えた速度違反管理システムにおいて、
前記運転情報収集装置は、
運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報を読み取る読取部と、
前記車両の走行速度を示す走行速度情報を前記車両から収集する収集部と、
前記走行速度情報の示す前記走行速度が、許容される速度を示す許容速度情報であって予め保有する許容速度情報の範囲内の許容速度か範囲外の違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると違反の程度が記載された予め保有する違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを重度の違反と判定すると、前記違反速度と、前記読取部の読み取った前記運転者情報とを含む違反情報を生成する処理部と、
前記処理部によって生成された前記違反情報を前記路側通信機に送信することにより、前記違反情報を管理する前記集中管理サーバ装置へ、前記違反情報を中継させる通信部と
を備え、
前記路側通信機は、
前記運転情報収集装置の前記通信部から送信された前記違反情報を前記集中管理サーバ装置に中継し、
前記集中管理サーバ装置は、
前記路側通信機から中継された前記違反情報を受信して記憶装置に格納する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、車両の運転者に弾力的に安全運転を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1の速度違反管理システム1000の構成を示す図。
【図2】実施の形態1の収集部101の動作を示すフローチャート。
【図3】実施の形態1の処理部102の動作を示すフローチャート。
【図4】実施の形態1の通信部103の動作を示すフローチャート。
【図5】実施の形態1の運転情報記録装置100の動作を示すシーケンス図。
【図6】実施の形態2の運転情報記録装置100のハードウェア構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
図1〜図5を参照して実施の形態1を説明する。
【0021】
(1.システム構成)
図1は、速度違反管理システム1000のシステム構成を示す図である。速度違反管理システム1000は、車両Aに搭載される運転情報記録装置100(運転情報収集装置)と、車両Aの走行する道路に設置される信号機等の路側設備Bに取り付けられる路側通信機200と、警察署Cの管理する集中管理サーバ装置300とを備えている。
【0022】
(運転情報記録装置100の構成)
図1に示すように運転情報記録装置100は、収集部101、処理部102、通信部103、読取部104、及び記憶部105を備える。
(1)収集部101は、車両Aの走行速度を示す走行速度情報を車両Aの車両側システム110から収集する。
(2)処理部102は、車両の走行速度が許容速度か違反速度かの判定や、違反情報の生成を実行する。詳細な動作は後述する。
(3)通信部103は、処理部102の生成した違反情報を路側通信機200に送信する。
(4)読取部104は、運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転免許証10(以下、免許証という。運転者カードの一例)から、運転者情報を読み取る。
(5)記憶部105は、許容速度情報1051、違反ランク情報1052等の情報を格納する。これら情報の詳細は動作説明の中で説明する。
【0023】
(動作の説明)
次に、図2〜図5を参照して、速度違反管理システム1000の動作を説明する。
図2〜図4は、それぞれ、収集部101、処理部102の動作を示す通信部103フローチャートである。
図5は、速度違反管理システム1000の動作シーケンスを示す図であり、図2〜図4をまとめてシーケンス化した図である。
【0024】
(収集部101)
まず、運転者がICチップ11の格納されている運転免許証10を読取部104に挿入すると、読取部104は、ICチップ11に記録されている運転者情報と、存在する場合には違反情報1を読み取る。「運転者情報」とは運転者を特定する情報であり、免許証10に記載されている運転者の氏名、住所、免許番号等である。「違反情報1」は、後述するS23で、処理部102によって生成される情報である。収集部101は、読取部104による免許証10の読取を監視している(S11)。
【0025】
S12において、収集部101は、ICチップ11から読み取られた運転者情報と、予め保有する運転者情報とが一致するかどうかを照合する。運転者情報が一致しないと判定されると処理は終了し、運転者は車両Aを運転できない(S12でNO)。
【0026】
S13において、収集部101は、ICチップ11から違反情報1が読み出されている場合には、違反情報1に後述の危険フラグが含まれるかを判定する。このS13は、後に詳しく説明する。収集部101は、危険フラグがあると判定すると処理を終了し、運転者は車両Aを運転できない。
【0027】
S14において、収集部101は、車両Aの走行速度、走行距離、走行時間等の運転情報を車両側システム110から収集開始する。
【0028】
(処理部102)
S21において、処理部102は、収集部101の収集する車両の走行速度を監視している。処理部102は、次のように車両Aの走行速度を監視する。記憶部105には、「許容速度情報1051」が格納されている。「許容速度情報1051」とは、車両Aの走行している道路について許容される速度(許容速度)を示す情報である。この許容速度情報1051は、例えば、路側設備Bに配置された路側通信機200から配信される。あるいは、処理部102は、位置と許容速度との関係を示す位置許容速度対応テーブルを保有し、GPS測位や双曲線航法によって現在位置を測位する測位部(図示していない)によって現在の走行位置(現在位置)を特定し、現在位置と位置許容速度対応テーブルとを用いて許容速度情報1051を生成することができる。許容速度情報1051は、「時速40km以下」、「時速20km以上、時速40km以下」のように、許容される速度範囲を示す。処理部102は、車両Aの走行速度が、許容速度情報1051の範囲内の許容速度(例えば時速30km)か範囲外の違反速度(例えば時速40kmを超える)かどうかを判定する。処理部102が違反速度と判定すると(S21でYES)、処理はS22に進む。
【0029】
S22において、処理部102は、違反速度の程度が重度かどうかを、次のように判定する。記憶部105には、「違反ランク情報1052」が格納されている。「違反ランク情報1052」とは、違反の程度が記載された情報である。例えば、許容速度に対して超過速度が、「時速0kmを超え、時速30km未満」の速度超過は軽度、「時速30km以上は重度」のようにランク分けされている。処理部102は許容速度情報1051と、違反速度(例えば、時速45km)とから超過速度(時速5km)を算出し、超過速度と違反ランク情報1052とから、違反速度の程度を特定できる。処理部102によって、重度の違反と判定されると(S22でYES)、処理はS23に進み、軽度の違反と判定されると(S22でNO)、処理はS24に進む。
【0030】
(重度の違反の場合)
S23において、処理部102は、重度の違反の場合、違反情報1を生成する。「違反情報1」とは、違反速度(例として前記の時速45km)と、読取部104の読み取った運転者情報と、現在の日時、違反速度での走行距離などを含む。現在の日時は、処理部102が計測してもよいし、車両側システム110が計測してもよい。走行距離は、車両側システム110が計測する。また、重度の違反のうち、予め定められた特に危険とされる危険重度違反には「危険フラグ」も記録する。この「危険フラグ」は、S13の処理で収集部101が使用する。いかなる違反速度が危険重度違反に該当するかは、予め違反ランク情報1052に定義しておく。例えば、その違反速度のみで免許停止となる違反速度を危険重度違反とする。
【0031】
(軽度の違反の場合)
S24において、処理部102は、軽度の違反の場合、違反情報1を生成することなく、まず警告を発する。警告は、運転情報記録装置100の表示部(図示していない)への警告の表示、運転情報記録装置100のスピーカ(図示していない)からの警告音の発生等で行う。処理部102は、警告を発した後、再び、車両Aの走行速度が違反速度かどうかを判定する。すなわち、処理部102は、警告によって違反速度が解消したかどうかを確認する(S25)。S25において、違反速度が解消していないと判定した場合に、処理部102は初めて違反情報1を生成する。S25において違反が解消したと判定すると、処理部102は、速度の監視に戻る。
【0032】
(違反情報1の送信)
処理部102は違反情報1を作成した場合、S26において違反情報1を通信部103に渡すと共にICチップ11に違反情報1を記録する。ここでS13の処理に戻り説明する。運転者が過去に重度の違反(速度違反)をしていた場合には、ICチップ11に記録される違反情報1には、S23で説明した「危険フラグ」が含まれている。よって、収集部101は、S13において、過去に危険重度違反があったかどうか、即ち、違反情報1が読み取られた場合、違反情報1に「危険フラグ」が存在するかどうかを判定する。収集部101は危険フラグが存在すると判定すると(S13でYES)、処理を終了する。具体的には、危険フラグが存在する場合、収集部101は車両Aのエンジンを始動させないように車両側システム110に指示する。収集部101が、危険フラグが存在しないと判定すると、処理はS14に進む。
【0033】
(通信部103)
通信部103は違反情報1が渡されると(図4のS31でYES)、路側通信機200と通信を確立する(S32でYES)し、違反情報1を管理する集中管理サーバ装置300へ、違反情報1を中継させる(S33)。
【0034】
(集中管理サーバ装置300)
集中管理サーバ装置は、路側通信機200から中継された違反情報1を受信して記憶装置(図示していない)に格納する。
【0035】
以上の実施の形態1の運転情報記録装置100によれば、違反のランクによって違反情報1の生成処理を異なる処理としているので、運転者に弾力的に安全運転を促すことができる。
【0036】
運転情報記録装置100は軽度の違反の場合には、違反情報1を生成することなく警告を発生するので、処理負荷を軽減できる。
【0037】
運転情報記録装置100は軽度の違反の場合には、警告発生後の違反の有無によって違反情報1を生成するので、処理負荷の軽減と速度違反の抑制とを両立できる。
【0038】
運転情報記録装置100は、違反情報1をICチップ11に記録するので、後の違反の立証の容易化となる。
【0039】
運転情報記録装置100は、危険フラグをICチップ11に記録するので、過去の危険運転を蓄積できる。
【0040】
運転情報記録装置100は、危険フラグがICチップ11に記録されている場合、車両Aのエンジンを始動させないので、危険運転をする可能性のある運転者による車両運転を防止できる。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2は運転情報記録装置100のハードウェア構成を説明する。運転情報記録装置100は、コンピュータである。
【0042】
図6は、運転情報記録装置100のハードウェア構成を示す。運転情報記録装置100は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM(Read Only Memory)811、RAM(Random Access Memory)812、表示装置813、操作キー814、通信ボード816、磁気ディスク装置820と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、光ディスク装置、フラッシュメモリなどの記憶装置でもよい。
【0043】
RAM812は、揮発性メモリの一例である。ROM811、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、「記憶装置」あるいは記憶部、格納部、バッファの一例である。通信ボード816、操作キー814などは、入力部、入力装置の一例である。また、通信ボード816、表示装置813、などは、出力部、出力装置の一例である。
【0044】
通信ボード816は、ネットワークに接続されている。通信ボード816は、路側通信機200を介して、集中管理サーバ装置300と通信する。
【0045】
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810により実行される。
【0046】
上記プログラム群823には、以上の実施の形態1の説明において「〜部」として説明した機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
【0047】
ファイル群824には、以上の実施の形態1の説明において、「〜の判定結果」、「〜の算出結果」、「〜の抽出結果」、「〜の生成結果」、「〜の処理結果」として説明した情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0048】
また、以上に述べた実施の形態1の説明において、データや信号値は、RAM812のメモリ、磁気ディスク装置820の磁気ディスク等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス825や信号線によりオンライン伝送される。
【0049】
また、以上の実施の形態の説明において、「〜部」として説明したものは、「〜手段」、「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明したものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU810により読み出され、CPU810により実行される。すなわち、プログラムは、以上に述べた「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以上に述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0050】
以上の実施の形態では、速度違反管理システム1000(運転情報収集システム)、運転情報記録装置100(運転情報収集装置)等を説明したが、運転情報収集装置の動作をコンピュータに実行させるための運転情報収集プログラムとして把握することも可能である。あるいは、運転情報収集プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することも可能である。さらに、運転情報収集装置の動作を運転情報収集方法として把握することも可能である。
【符号の説明】
【0051】
A 車両、B 路側設備、C 警察署、1 違反情報、10 免許証、11 ICチップ、100 運転情報記録装置、101 収集部、102 処理部、103 通信部、104 読取部、105 記憶部、1051 許容速度情報、1052 違反ランク情報、110 車両側システム、200 路側通信機、300 集中管理サーバ装置、1000 速度違反管理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両の走行速度を収集する運転情報収集装置において、
運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報を読み取る読取部と、
前記車両の走行速度を示す走行速度情報を前記車両から収集する収集部と、
前記走行速度情報の示す前記走行速度が、許容される速度を示す許容速度情報であって予め保有する許容速度情報の範囲内の許容速度か範囲外の違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると違反の程度が記載された予め保有する違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを重度の違反と判定すると、前記違反速度と、前記読取部の読み取った前記運転者情報とを含む違反情報を生成する処理部と、
前記処理部によって生成された前記違反情報を前記車両の走行する道路に設置された路側通信機に送信することにより、前記違反情報を管理する集中管理サーバ装置へ、前記違反情報を中継させる通信部と
を備えたことを特徴とする運転情報収集装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを軽度の違反と判定すると前記違反情報を生成することなく警告を発生することを特徴とする請求項1記載の運転情報収集装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記警告を発生した後、再度、前記走行速度情報の示す前記走行速度が前記違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反情報を生成し、前記走行速度を前記許容速度と判定すると前記違反情報を生成しないことを特徴とする請求項2記載の運転情報収集装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記違反情報を生成したときに、生成した前記違反情報を前記運転者カードの前記ICチップに記録することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の運転情報収集装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記違反情報を生成する際に、前記違反速度が予め定められた特に危険な違反速度の場合には、危険フラグを前記違反情報に含めて生成することを特徴とする請求項4記載の運転情報収集装置。
【請求項6】
前記読取部は、
前記運転者情報と前記違反情報とが格納されたICチップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報と前記違反情報とを読み取り、
前記処理部は、
前記違反情報が、前記危険フラグを含む場合には、前記車両のエンジンを始動させないことを特徴とする請求項5記載の運転情報収集装置。
【請求項7】
車両に搭載され、前記車両の走行速度を収集するコンピュータである運転情報収集装置を、
運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報を読み取る読取部、
前記車両の走行速度を示す走行速度情報を前記車両から収集する収集部、
前記走行速度情報の示す前記走行速度が、許容される速度を示す許容速度情報であって予め保有する許容速度情報の範囲内の許容速度か範囲外の違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると違反の程度が記載された予め保有する違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを重度の違反と判定すると、前記違反速度と、前記読取部の読み取った前記運転者情報とを含む違反情報を生成する処理部、
前記処理部によって生成された前記違反情報を前記車両の走行する道路に設置された路側通信機に送信することにより、前記違反情報を管理する集中管理サーバ装置へ、前記違反情報を中継させる通信部、
として機能させるための運転情報収集プログラム。
【請求項8】
前記処理部は、
前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランク軽度の違反と判定すると前記違反情報を生成することなく警告を発生することを特徴とする請求項7記載の運転情報収集プログラム。
【請求項9】
前記処理部は、
前記警告を発生した後、再度、前記走行速度情報の示す前記走行速度が前記違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると前記違反情報を生成し、前記走行速度を前記許容速度と判定すると前記違反情報を生成しないことを特徴とする請求項8記載の運転情報収集プログラム。
【請求項10】
前記処理部は、
前記違反情報を生成したときに、生成した前記違反情報を前記運転者カードの前記ICチップに書き込むことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の運転情報収集プログラム。
【請求項11】
前記処理部は、
前記違反情報を生成する際に、前記違反速度が予め定められた特に危険な違反速度の場合には、危険フラグを前記違反情報に含めて生成することを特徴とする請求項10記載の運転情報収集プログラム。
【請求項12】
前記読取部は、
前記運転者情報と前記違反情報とが格納されたICチップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報と前記違反情報とを読み取り、
前記処理部は、
前記違反情報が、前記危険フラグを含む場合には、前記車両のエンジンを始動させないことを特徴とする請求項11記載の運転情報収集プログラム。
【請求項13】
車両に搭載される運転情報収集装置と、前記車両の走行する道路に設置された路側通信機と、集中管理サーバ装置とを備えた速度違反管理システムにおいて、
前記運転情報収集装置は、
運転者を特定する運転者情報が格納されたIC(integrated circuit)チップを内蔵する運転者カードから、前記運転者情報を読み取る読取部と、
前記車両の走行速度を示す走行速度情報を前記車両から収集する収集部と、
前記走行速度情報の示す前記走行速度が、許容される速度を示す許容速度情報であって予め保有する許容速度情報の範囲内の許容速度か範囲外の違反速度かどうかを判定し、前記走行速度を前記違反速度と判定すると違反の程度が記載された予め保有する違反ランク情報を参照して前記違反速度のランクを判定し、前記違反速度のランクを重度の違反と判定すると、前記違反速度と、前記読取部の読み取った前記運転者情報とを含む違反情報を生成する処理部と、
前記処理部によって生成された前記違反情報を前記路側通信機に送信することにより、前記違反情報を管理する前記集中管理サーバ装置へ、前記違反情報を中継させる通信部と
を備え、
前記路側通信機は、
前記運転情報収集装置の前記通信部から送信された前記違反情報を前記集中管理サーバ装置に中継し、
前記集中管理サーバ装置は、
前記路側通信機から中継された前記違反情報を受信して記憶装置に格納する
ことを特徴とする速度違反管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−73858(P2012−73858A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218680(P2010−218680)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】