説明

運転支援サービス提供機器、処理装置、及び制御方法

【課題】車両の運転を支援するための各種サービスを提供すること。
【解決手段】各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定部と、インターフェース150、160、170、180を介して外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定部と、データ種類特定部が特定したデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択部と、提供サービス選択部が選択したサービスに対応する処理を、外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定部が特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成部と、機能対応データ生成部が生成したデータを、出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援サービス提供機器、処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。特に、本発明は、車両の運転を支援するための各種サービスを提供する運転支援サービス提供機器、各種外部機器を接続するための複数のインターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置、並びに当該処理装置を制御する制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DSRC(Dedicated Short Range Communication)通信方式を利用したETC(Electronic Toll Collection System)車載器は、高速道路等の有料道路の料金収受をノンストップで行うETCに利用される装置として、現在、数多く普及している。これにより、有料道路においては、料金収受がスムーズとなり、渋滞緩和に大きく寄与している。
【0003】
近年、ETC車載器の上位機種であるDSRC車載器は、ETC機能に加えて、安全運転支援情報や事故・渋滞等の道路交通情報の提供に活用される装置として、カーナビゲーションシステムと連動するタイプのものや、発話機能を有するタイプのものが発売されている。将来的に、DSRC車載器は、車車間通信や光通信、ネットワーク通信等に対応する等、ITS(Intelligent Transport System)やテレマティクスサービスの普及に伴い、自動車において様々なサービスを受けるための端末として多機能化していくと予想される(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】”DSRCサービス対応で快適性とより安全なドライブを支援 三菱電機「HDDカーナビゲーションシステム」、「DSRC車載器」発売のお知らせ”、[online]、平成21年9月28日、三菱電機株式会社、[平成22年9月7日検索]、インターネット、<URL:http://www.mitsubishielectric.co.jp/news−data/2009/pdf/0928.pdf>
【非特許文献2】”単体でDSRC(スポット通信)サービスの音声案内が可能 DSRC車載器CY−DSR1000Dを発売 高速道路でのより安全なドライブをサポート”、[online]、平成22年2月22日、パナソニック株式会社、[平成22年9月7日検索]、インターネット、<http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn100222−1/jn100222−1.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ITSやテレマティクスサービスが普及するのに伴い、DSRC車載器やカーナビゲーションシステム用の機器をはじめとする各種車載機器のメーカーは、異なる機能をそれぞれ持った複数の機器を接続させて、これら各機器の機能を連動させることによって、新たなITSやテレマティクスサービスの提供を実現しようとしている。このように、各機器を接続して、これら各機器の機能を連動させるような場合、ユーザは、所望のサービスに対応する各機器を用意しなければならないことになる。そのため、ユーザは、例えば、既にカーナビゲーションシステム用の機器を所有していたとしても、その機器が所望のサービスに対応しない場合、その所望のサービスを受けるために、その所望のサービスに対応する機器を用意しなければならないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、車両の運転を支援するための各種サービスを提供する運転支援サービス提供機器であって、各種外部機器を接続するための複数のインターフェースと、各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置とを備え、処理装置は、各インターフェースに接続された各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定部と、インターフェースを介して外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定部と、データ種類特定部が特定したデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択部と、提供サービス選択部が選択したサービスに対応する処理を、外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定部が特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成部と、機能対応データ生成部が生成したデータを、出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力部とを有する。
【0007】
本発明の第2の形態によると、各種外部機器を接続するための複数の各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置であって、各インターフェースに接続された各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定部と、インターフェースを介して外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定部と、データ種類特定部が特定したデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択部と、提供サービス選択部が選択したサービスに対応する処理を、外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定部が特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成部と、機能対応データ生成部が生成したデータを、出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力部とを備える。
【0008】
本発明の第3の形態によると、各種外部機器を接続するための複数の各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置を制御する制御方法であって、処理装置を、各インターフェースに接続された各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定段階と、インターフェースを介して外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定段階と、データ種類特定段階において特定されたデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択段階と、提供サービス選択段階において選択されたサービスに対応する処理を、外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定段階において特定された各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成段階と、機能対応データ生成段階において生成されたデータを、出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力段階とを備える。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、この発明においては、各種外部機器を接続するための複数のインターフェースを備え、これら各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理が行われるようにしたので、所望のサービスに対応する機能を持たない旧式の外部機器であっても、この発明の運転支援サービス提供機器を接続することによって、その所望のサービスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る運転支援サービス提供機器100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】運転支援サービス提供機器100のCPU110のブロック構成の一例を示す図である。
【図3】サービスデータ格納部117に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す図である。
【図4】運転支援サービス提供機器100の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、一実施形態に係る運転支援サービス提供機器100の利用環境の一例を示す。運転支援サービス提供機器100は、車両の運転を支援するための各種サービスを提供する装置である。
【0014】
運転支援サービス提供機器100は、CPU(Central Processing Unit)110、フラッシュメモリ130、SRAM(Static Random Access Memory)140、複数のUSB(Universal Serial Bus)ポート150a〜c(以下、USBポート150と総称する。)、光基板ポート160、MMC(Man Machine Controller)基板ポート170、及びCAN(Controller Area Network)ポート180を備えている。なお、CPU110は、この発明における「処理装置」の一例であってよい。また、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180は、この発明における「インターフェース」の一例であってよい。
【0015】
CPU110は、運転支援サービス提供機器100を構成する部品の一つで、フラッシュメモリ130、SRAM140、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180の制御やデータの計算、加工を行う装置である。具体的には、CPU110は、USBポート150に接続されたITS車載器200、カーナビゲーションシステム端末300、ディスプレイ400、光基板ポート160に接続された光基板500、MMC基板ポート170に接続されたMMC基板600、及びCANポート180に接続されたCANバス700の機能に応じた処理を行う。
【0016】
フラッシュメモリ130は、データの消去、書き込みを自由に行うことができ、電源を切っても内容が消えない半導体メモリの一種である。半導体メモリには、データの読み書きを自由に行えるが電源を切ると内容が消えるRAM(Random Access Memory)と、一度書き込んだ内容は消去できないが電源を切っても内容が消えないROM(Read Only Memory)があるが、フラッシュメモリ130は、両者の要素を兼ね備えたメモリである。
【0017】
SRAM140は、RAMの一種である。具体的には、SRAM140は、記憶素子としてフリップフロップ回路に用いるもので、記憶保持のための動作を必要としない。
【0018】
USBポート150は、ITS車載器200、カーナビゲーションシステム端末300、及びディスプレイ400のUSBケーブルを差し込む接続口である。ITS車載器200は、次世代道路サービス、及びETC(Electronic Toll Collection System)を利用することができる装置である。カーナビゲーションシステム端末300は、道順案内等を行いドライバーの運転を支援する装置である。ディスプレイ400は、文字や図形を表示する装置である。
【0019】
光基板ポート160は、光基板500のコネクタを差し込む接続口である。光基板500としては、例えば、GPS(Global Positioning System)基板、固定無線通信基板、及び光基板等が挙げられる。GPS基板は、人工衛星を利用して車両が地球上のどこにいるのかを正確に割り出す装置である。固定無線通信基板は、例えば、IEEE802.16a規格の使用周波数帯域により通信する装置である。光基板は、路車間通信に用いられる無線通信用の基板である。
【0020】
MMC基板ポート170は、MMC基板600のコネクタを差し込む接続口である。MMC基板600としては、例えば、スピーカーやLED(Light Emitting Diode)等を出力装置として搭載する。
【0021】
CANポート180は、車両の機構の内部において、電子回路や各装置を接続するための接続口である。具体的には、CANポート180は、車両内部のCANバス700においてECU(Electronic Control Unit)やエンジン、ブレーキ等の部品と接続し、部品の状態を伝達したり制御情報を送ったりするのに使われる。
【0022】
なお、ITS車載器200、カーナビゲーションシステム端末300、ディスプレイ400、光基板500、MMC基板600、及びCANバス700は、この発明における「外部機器」の一例であってよい。
【0023】
このような構成の運転支援サービス提供機器100において、CPU110は、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180に接続された外部機器の機能を特定する。そして、CPU110は、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180を介して外部機器から受け付けたデータの種類を特定する。そして、CPU110は、その特定したデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する。そして、CPU110は、選択したサービスに対応する処理を、外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、上記の特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する。そして、CPU110は、その生成したデータを、上記の出力機器として機能する外部機器へ出力する。
【0024】
このように、運転支援サービス提供機器100においては、各種外部機器を接続するためのUSBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180を備え、これらに接続された各外部機器の機能に応じた処理が行われるようにしたので、所望のサービスに対応する機能を持たない旧式の外部機器であっても、運転支援サービス提供機器100を利用することによって、その所望のサービスを実現することができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、運転支援サービス提供機器100が一のCPU110を備える構成について説明したが、運転支援サービス提供機器100は、複数のCPU110を備えてよい。
【0026】
図2は、運転支援サービス提供機器100のCPU110のブロック構成の一例を示す。運転支援サービス提供機器100は、外部機器機能特定部111、データ入力受付部112、データ種類特定部113、提供サービス選択部114、機能対応データ生成部115、機能対応データ出力部116、及びサービスデータ格納部117を有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0027】
外部機器機能特定部111は、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180に接続された各外部機器の機能を特定する。具体的には、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180に各外部機器が接続されると、外部機器機能特定部111は、その各外部機器の機能を特定する。そして、外部機器機能特定部111は、特定した各外部機器の機能を示すデータを、機能対応データ生成部115及び機能対応データ出力部116へ送る。
【0028】
データ入力受付部112は、外部機器から出力されたデータの入力を受け付ける。具体的には、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180に接続された外部機器からデータが出力されると、データ入力受付部112は、そのデータの入力を受け付ける。そして、データ入力受付部112は、入力を受け付けたデータを、データ種類特定部113及び機能対応データ生成部115へ送る。
【0029】
データ種類特定部113は、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180を介して外部機器から受け付けたデータの種類を特定する。具体的には、データ種類特定部113は、外部機器から入力を受け付けたデータを、データ入力受付部112から受け取ると、そのデータの種類を特定する。そして、データ種類特定部113は、特定したデータの種類を示すデータを、提供サービス選択部114へ送る。
【0030】
提供サービス選択部114は、データ種類特定部113が特定したデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する。具体的には、提供サービス選択部114は、特定されたデータの種類を示すデータを、データ種類特定部113から受け取ると、そのデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして、サービスデータ格納部117に格納されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する。そして、提供サービス選択部114は、選択したサービスを識別するデータを、機能対応データ生成部115へ送る。
【0031】
機能対応データ生成部115は、提供サービス選択部114が選択したサービスに対応する処理を、外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定部111が特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する。具体的には、機能対応データ生成部115は、特定された各外部機器の機能を示すデータを、外部機器機能データ特定部111から受け取る。また、機能対応データ生成部115は、外部機器から入力を受け付けたデータを、データ入力受付部112から受け取る。そして、機能対応データ生成部115は、選択されたサービスを識別するデータを、提供サービス選択部114から受け取ると、そのサービスに対応する処理を、データ入力受付部112から受け取ったデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定部111から受け取ったデータによって示される各外部機器の機能のうち、出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する。そして、機能対応データ生成部115は、生成したデータを、機能対応データ出力部116へ送る。
【0032】
機能対応データ出力部116は、機能対応データ生成部115が生成したデータを、出力機器として機能する外部機器へ出力する。具体的には、機能対応データ出力部116は、特定された各外部機器の機能を示すデータを、外部機器機能データ特定部111から受け取る。そして、機能対応データ出力部116は、生成されたデータを、機能対応データ生成部115から受け取ると、そのデータを、外部機器機能特定部111から受け取ったデータによって示される出力機器として機能する外部機器へ出力する。
【0033】
図3は、サービスデータ格納部117に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す。サービスデータ格納部117には、サービスID(identifier)、入力データ種類、及びサービス用プログラムの各データが対応付けて格納されている。
【0034】
サービスIDは、車両の運転を支援するための各種サービスの中で、各サービスを一意に識別するための識別符号であってよい。入力データ種類は、サービスIDによって識別されるサービスに対応する処理を実行するために用いられるデータの種類であってよい。サービス用プログラムは、サービスIDによって識別されるサービスに対応する処理を実行するためのプログラムであってよい。
【0035】
図4は、運転支援サービス提供機器100の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、運転支援サービス提供機器100が図3に示す「運転支援サービス用プログラムA」を実行する例について説明する。この「運転支援サービス用プログラムA」が実行されることによって提供されるサービスは、見通しの悪い交差点において、交差車線から他の車両が接近してきていて、その車両と自車両とが衝突する危険性がある場合に、その旨をドライバーへ警告するものである。この例においては、見通しの悪い交差点に光通信路側装置が設置されているものとする。この光通信路側装置は、交差する複数の各車線から、交差点に向かって複数の車両が近づいてきているような場合に、その各車両に対して、例えば、自車両及び他の車線を走行する他の車両の交差点までの距離を示すデータを送信する。なお、この動作フローの説明においては、図1から図3を共に参照する。
【0036】
この例においては、運転支援サービス提供機器100の光基板ポート160に光基板が接続され、MMC基板ポート170にスピーカーを出力装置として搭載するMMC基板600が接続され、CANポート180に自車両の速度を示すデータの入力を受け付けることができるようにCANバス700が接続されているものとする。このようにUSBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180に各外部機器が接続されると、運転支援サービス提供機器100のCPU110の外部機器機能特定部111は、その各外部機器の機能を特定する(S101)。この例においては、外部機器機能特定部111は、光基板ポート160に光基板が接続され、MMC基板ポート170に出力機器として機能するMMC基板600が接続され、CANポート180にCANバス700が接続されていることを特定する。例えば、外部機器特定部111は、これら各外部機器から、その各外部機器が如何なる機能を持った外部機器であるのかを示すデータの入力を受け付けることによって、そのデータを基に、これら各外部機器の機能を特定する。そして、外部機器特定部111は、特定した各外部機器の機能を示すデータを、機能対応データ生成部115及び機能対応データ出力部116へ送る。
【0037】
一方、USBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180に接続された外部機器からデータが出力されると、CPU110のデータ入力受付部112は、そのデータの入力を受け付ける(S102)。この例においては、光基板は、上記のように光通信路側装置から送信された、自車両及び他の車線を走行する他の車両の交差点までの距離を示すデータを受信すると、そのデータを、運転支援サービス提供機器100へ出力する。データ入力受付部112は、このように光基板から出力されたデータの入力を受け付けると、CANポート180を介して自車両の速度を示すデータを取得する。そして、データ入力受付部112は、これらデータを、データ種類特定部113及び機能対応データ生成部115へ送る。
【0038】
CPU110のデータ種類特定部113は、データ入力受付部112から各データを受け取ると、これら各データの種類を特定する(S103)。この例においては、データ種類特定部113は、データ入力受付部112から受け取ったデータの種類を、他車両データと、自車両速度データであると特定する。そして、データ種類特定部113は、これら特定したデータの種類を示すデータを、提供サービス選択部114へ送る。
【0039】
CPU110の提供サービス選択部114は、特定されたデータの種類を示すデータを、データ種類特定部113から受け取ると、そのデータの種類に基づいて、車両の運転を支援するためのサービスとして、サービスデータ格納部117に格納されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する(S104)。この例においては、図3を参照すると、サービスデータ格納部117には、データの種類が「他車両データ」と「自車両速度データ」の組み合わせに対して、サービスID「S001」によって識別されるサービスに関するデータが対応付けて格納されている。したがって、提供サービス選択部114は、提供すべき一のサービスとして、サービスID「S001」によって識別されるサービスを選択する。そして、提供サービス選択部114は、選択したサービスを識別するサービスID「S001」を、機能対応データ生成部115へ送る。
【0040】
CPU110の機能対応データ生成部115は、特定された各外部機器の機能を示すデータを、外部機器機能データ特定部111から受け取る。また、機能対応データ生成部115は、外部機器から入力を受け付けたデータを、データ入力受付部112から受け取る。そして、機能対応データ生成部115は、選択されたサービスを識別するデータを、提供サービス選択部114から受け取ると、そのサービスに対応する処理を、データ入力受付部112から受け取ったデータを用いて実行することによって、外部機器機能特定部111から受け取ったデータによって示される各外部機器の機能のうち、出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する(S105)。この例においては、機能対応データ生成部115は、自車両及び他の車線を走行する他の車両の交差点までの距離を示すデータと、自車両の速度を示すデータとを、データ入力受付部112から受け取る。また、この例においては、外部機器機能データ特定部111から受け取ったデータによって、MMC基板ポート170に出力機器として機能するMMC基板600が接続されていることが示されている。そして、この例においては、機能対応データ生成部115は、選択されたサービスを識別するサービスID「S001」を、提供サービス選択部114から受け取ると、サービスID「S001」によって識別されるサービス用のプログラム「運転支援サービス用プログラムA」を、サービスデータ格納部117から読み出す。そして、この例においては、機能対応データ生成部115は、「運転支援サービス用プログラムA」を、自車両及び他の車線を走行する他の車両の交差点までの距離を示すデータと、自車両の速度を示すデータとを用いて実行することによって、MMC基板600のスピーカーに対応するデータを生成する。例えば、「運転支援サービス用プログラムA」は、自車両及び他の車線を走行する他の車両の交差点までの距離と、自車両の速度とに基づいて、自車両と、他の車線を走行する他の車両との衝突の危険性を判定し、衝突の危険性がある場合、出力機器としてスピーカーが接続されていれば、衝突の危険性がある旨の警告メッセージをスピーカーから音声出力させ、出力機器としてディスプレイが接続されていれば、更に同様の警告メッセージをディスプレイに表示させるプログラムであるとする。この例においては、USBポート150にディスプレイが接続されていないので、機能対応データ生成部115は、上記のように、MMC基板600のスピーカーに対応するデータとして、他の車線を走行する他の車両と衝突の危険性がある旨の警告メッセージを示す音声データを生成する。そして、機能対応データ生成部115は、生成したデータを、機能対応データ出力部116へ送る。
【0041】
CPU110の機能対応データ出力部116は、特定された各外部機器の機能を示すデータを、外部機器機能データ特定部111から受け取る。そして、機能対応データ出力部116は、生成されたデータを、機能対応データ生成部115から受け取ると、そのデータを、外部機器機能特定部111から受け取ったデータによって示される出力機器として機能する外部機器へ出力する(S106)。この例においては、機能対応データ出力部116は、他の車線を走行する他の車両と衝突の危険性がある旨の警告メッセージを示す音声データを、機能対応データ生成部115から受け取る。また、この例においては、外部機器機能データ特定部111から受け取ったデータによって、MMC基板ポート170に出力機器として機能するMMC基板600が接続されていることが示されている。したがって、機能対応データ出力部116は、機能対応データ生成部115から受け取った音声データを、MMC基板ポート170を介してMMC基板600へ出力する。
【0042】
このようにして、この例においては、見通しの悪い交差点において、交差車線から他の車両が接近してきていて、その車両と自車両とが衝突する危険性がある場合に、その旨をドライバーへ警告するサービスが実現されることになる。
【0043】
以上説明したように、運転支援サービス提供機器100においては、各種外部機器を接続するためのUSBポート150、光基板ポート160、MMC基板ポート170、及びCANポート180を備え、これらに接続された各外部機器の機能に応じた処理が行われるようにしたので、所望のサービスに対応する機能を持たない旧式の外部機器であっても、運転支援サービス提供機器100を利用することによって、その所望のサービスを実現することができる。
【0044】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0045】
100 運転支援サービス提供機器
110 CPU
111 外部機器機能特定部
112 データ入力受付部
113 データ種類特定部
114 提供サービス選択部
115 機能対応データ生成部
116 機能対応データ出力部
117 サービスデータ格納部
130 フラッシュメモリ
140 SRAM
150 USBポート
160 光基板ポート
170 MMC基板ポート
180 CANポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転を支援するための各種サービスを提供する運転支援サービス提供機器であって、
各種外部機器を接続するための複数のインターフェースと、
前記各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置と
を備え、
前記処理装置は、
前記各インターフェースに接続された各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定部と、
前記インターフェースを介して前記外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定部と、
前記データ種類特定部が特定したデータの種類に基づいて、前記車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択部と、
前記提供サービス選択部が選択したサービスに対応する処理を、前記外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、前記外部機器機能特定部が特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成部と、
前記機能対応データ生成部が生成したデータを、前記出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力部と
を有する運転支援サービス提供機器。
【請求項2】
各種外部機器を接続するための複数の各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置であって、
前記各インターフェースに接続された各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定部と、
前記インターフェースを介して前記外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定部と、
前記データ種類特定部が特定したデータの種類に基づいて、前記車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択部と、
前記提供サービス選択部が選択したサービスに対応する処理を、前記外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、前記外部機器機能特定部が特定した各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成部と、
前記機能対応データ生成部が生成したデータを、前記出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力部と
を備える処理装置。
【請求項3】
各種外部機器を接続するための複数の各インターフェースに接続された各外部機器の機能に応じた処理を行う処理装置を制御する制御方法であって、前記処理装置を、
前記各インターフェースに接続された各外部機器の機能を特定する外部機器機能特定段階と、
前記インターフェースを介して前記外部機器から受け付けたデータの種類を特定するデータ種類特定段階と、
前記データ種類特定段階において特定されたデータの種類に基づいて、前記車両の運転を支援するためのサービスとして予め登録されている各種サービスの中から、提供すべき一のサービスを選択する提供サービス選択段階と、
前記提供サービス選択段階において選択されたサービスに対応する処理を、前記外部機器から受け付けたデータを用いて実行することによって、前記外部機器機能特定段階において特定された各外部機器の機能のうち出力機器として機能する外部機器の出力データを生成する機能対応データ生成段階と、
前記機能対応データ生成段階において生成されたデータを、前記出力機器として機能する外部機器へ出力する機能対応データ出力段階と
を備える制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−113342(P2012−113342A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259159(P2010−259159)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】