説明

運転支援用車載点灯装置、車載運転支援装置及び運転支援システム

【課題】簡易な構成で、先行車両の走行状態を的確に検出して効率よく運転支援することができる運転支援システム、運転支援用車載点灯装置及び車載運転支援装置を提供する。
【解決手段】車載カメラ1により撮影された撮影画像から、先行車両に搭載された上記運転支援用車載点灯装置3のハイマウントランプ2の画像を抽出し、抽出したハイマウントランプ2の画像からLEDの点灯状態を検出し、車両の運転操作及び走行の状態をLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、検出されたLEDの点灯状態に対応する先行車両の運転操作及び走行の状態を検出し、検出された先行車両の運転操作及び走行の状態に基づいて、予め設定した運転支援の内容を示す情報のうちから、運転者に提供すべき情報を選別し、この情報に基づいて自車両の運転支援を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両後方に向けて点灯する車載灯の点灯状態を利用して後続車両へ自車両に関する情報を提供する運転支援用車載点灯装置、車両前方を撮影した撮影画像から検出した先行車両の車載灯の点灯状態に対応する情報を基に自車両の運転支援を行う車載運転支援装置及びこれらの装置を用いた運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路交通の安全性や快適性を高めるため、様々な車載の運転支援装置が実現されている。例えば、追突事故では、被追突側の車両に過失がない場合が多く、前方車両と後方車両との車間距離が適切に保たれていれば、事故の発生を防ぐすることができる。
このような追突事故等を防止するための従来の安全運転支援システムとしては、例えばASV(Advanced Safety Vehicle;先進安全自動車)と呼ばれる車間距離制御機能付きの自動速度走行装置や、追突防止のための警報装置、衝突防止のための自動ブレーキ装置(プリクラッシュセーフティシステム)等が挙げられる。
【0003】
上述した安全運転支援システムに用いられる装置は、自身を搭載した車両の前方を走行する先行車両(直近の前方を走行する車両あるいは同じ車線上の先行車両)を検知して、それら先行車両と自車両との車間距離を所望の時間内で検知する必要がある。
この手段として、例えば、特許文献1には、赤外光レーダや電波レーダ等のレーダ装置を利用する技術が開示されている。また、特許文献2,3では、車両前方を撮影する車載カメラ及びこのカメラで撮影された画像を画像処理する画像処理装置を用いて、車両前方の撮影画像の画像処理により先行車両と自車両との車間距離を求めている。
例えば、特許文献3に記載の装置では、撮影画像から先行車両のテールランプ及びナンバープレートを検出し、検出したテールランプ及びナンバープレートの中の所定部位間の距離や面積等のスケールとその変化率を、実寸比情報と比較して車間距離及び相対速度を算出している。
【0004】
車間距離制御機能付きの自動速度走行装置で短い車間距離の走行をしなければならない場合や、自車両に対して先行車両が遠い距離から近い距離までの車間距離を衝突防止装置で検出する場合は、車間距離の検出精度が不十分であると、先行車両の急ブレーキなどで追突する可能性がある。このため、従来では、先行車両のブレーキランプ(停止ランプ)の点灯を、車載カメラで撮影された前方の撮影画像の画像処理により検出して、車間距離の検出結果を補間している(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
また、特許文献5には、車間距離以外に自車両の走行状態や前方の道路画像を後方の車両に伝達するために、テールランプが発する光に変調(時間的な光の変動)を加えて送信する光送信装置と、その変調された光信号を受信して復調する光受信装置とを備えた車車間通信システムが開示されている。これにより、速度制御や警報を的確に行うことが可能である。
【0006】
さらに、車間距離が短い場合における自動車間距離の制御に加えて、操舵の自動制御も行うシステムが、特許文献6,7で提案されている。これら文献に記載のシステムでは、先行車両の後部に複数のマーカを設けておき、後続車両に搭載した運転支援装置が、車載カメラで撮影した画像情報からマーカを検出する。運転支援装置は、検出されたマーカを基準として先行車両との相対的な位置情報(車間距離や進行方向のズレ等)を求め、自動的に先行車両に対する追従走行を行う。これにより、複数の大型車による隊列走行を実現している。
【0007】
特許文献8には、運転者が適当な先頭車両(あるいは先行車両)を見つけてこれに追従することを指示したときに、車間距離制御を自動的に行う運転支援システムが開示されている。このシステムでは、自車両が自動走行車あるいは手動走行であるか、急減速状態であるか否か、先頭車両又は追従車両であるか等に応じて、予め定められた2次元LEDアレイの点灯パターンを持つ“インジケータ”を車両後部に設けておく。そして、このインジケータが搭載された車両の直近の後続車両に設けた車載カメラで、インジケータの画像をパターン認識して先行車両の走行状態を検出し、隊列走行に利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−332966号公報
【特許文献2】特開2000−2529号公報
【特許文献3】特開2007−15525号公報
【特許文献4】特開平11−39597号公報
【特許文献5】特開2005−182455号公報
【特許文献6】特開2001−202497号公報
【特許文献7】特開平10−115519号公報
【特許文献8】特開平11−53689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に代表される従来のシステムでは、レーダ装置で車間距離を検知する際に、車両だけでなく、標識や街灯、電柱、信号機、トンネル、高架道路、橋桁等といった道路上あるいは路側の構造物についても検知結果として出力される。従って、道路内の車両であることを限定するために、車載カメラ及びその撮影画像を画像処理する画像処理装置を用いて路面の白線や構造物を認識する機能を追加する必要があった。
また、レーダ装置自体は、光又は電波の送信装置と受信装置が必要であり、さらに測定する車間距離の範囲を実用的なものにするためには、光又は電波の送出方向を可変にする仕組みも導入しなければならない。
【0010】
また、特許文献2に代表される従来の技術は、光軸調整された2つの車載カメラが必要であり、加えて三角測量が可能な場所に車載カメラを搭載し、調整済の2つの車載カメラの光軸がずれないようにしなければならず、構造設計が制約されるという課題があった。
特許文献3に代表される従来の技術では、ナンバープレート及び昼間は点灯していないテールランプ等を画像から抽出するために高度な画像処理技術を使用するので、高速動作が可能な画像処理装置が必要となり、回路規模も大きくなるという課題があった。
【0011】
特許文献4に代表される従来の技術では、ブレーキランプ等の点灯動作を画像処理装置で検出した結果を利用することにより、特許文献1に記載の車間距離検出装置の欠点(応答性と検出の信頼性)を解消できる。しかしながら、特許文献4の発明を適用するためには、車載カメラに加え、自車両前方の撮像画像に、道路及び先行車両の3次元情報による位置情報から設定した先行車両の検出枠に基づいて、先行車両のテールランプ検出領域を設定し、このテールランプ検出領域の輝度変化あるいは面積変化によって先行車両のブレーキランプ点灯を検出する画像処理装置を新たに追加する必要があるという課題があった。このような道路及び先行車両の3次元情報による位置情報から設定した先行車両の検出枠等の画像処理を行うには、高性能の画像処理装置が必要である。
【0012】
また、特許文献5に代表される従来の技術は、光変調信号を用いた車車間通信そのものでは車間距離を検出できないので、車間距離を検出する装置を別個に設ける必要がある。
さらに、光通信システムの構成として、テールランプが発する光を変調した光信号を送信する光変調送信装置及びこの送信信号を受信して復調する受信装置を備える必要がある。加えて、受信側がいずれの車両に搭載した装置と通信しているのかを同定する機能も必要となる。このため、今までにない高速動作が可能な専用のイメージセンサが必要であり、実用化までにはかなりの障壁があるという課題があった。
車間距離の検知結果の信頼性を向上させるためには、複雑な画像処理アルゴリムを構築して、膨大な画像データの演算処理を実行する技術が提案されている。
しかしながら、車載用として実用化する上で必須となる小型であって、搭載性がよく、消費電力が少ないものであり、かつ応答速度(処理速度)を向上させるためには、新たに構築したアルゴリズムを、ソフトウェアからハードウェア処理に替えて、専用デバイスを構成する必要があった。
【0013】
特許文献6,7に記載される従来のシステムでは、複数のマーカを設けるための大きな平面部を後部に有する大型車両でなければ適用することができず、一般の自動車への適用が非常に困難であるという課題があった。
また、特許文献8は、自車両が自動走行車両あるいは手動走行であるか、急減速状態であるか否か、先頭車両又は追従車両であるかなどに応じて、予め設定された2次元LEDアレイの点灯パターンを持つ“インジケータ”を車両の後部に設けておき、インジケータが搭載された車両の直近後方を走行する車両に設けた車載カメラでインジケータ画像をパターン認識して前方車両の走行状態を検出して隊列走行に利用する。しかしながら、高速道路や自動車専用道路だけでなく、一般道での運転支援システムとして適用や、車載装置として実用化するには、下記のような課題がある。
先ず、特許文献8においても、レーダ装置で車間距離を検知するので、自車両が一般道を走行する際、標識や街灯、電柱、信号機、トンネル、高架道路、橋桁等といった道路上あるいは路側の構造物についても検知結果として出力される。従って、道路内の車両であることを限定するための画像処理が必要となる。
また、インジケータ画像をパターン認識して前方車両の走行状態を検出するため、高度な画像処理技術を使用する必要があり、高速動作が可能な画像処理装置を用いた回路規模の大きい装置となって、車載装置としての実用性に欠けるという課題があった。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で、先行車両の走行状態を的確に検出して効率よく運転支援することができる運転支援システム、運転支援用車載点灯装置及び車載運転支援装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に係る運転支援システムは、自車両の後方に向けて点灯する複数の発光素子からなる車載灯と、自車両の運転操作及び走行の状態を検出する運転操作・走行状態検出部と、車両の運転操作及び走行の状態を車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、運転操作・走行状態検出部により検出された自車両の運転操作及び走行の状態に対応する点灯状態となるように、車載灯の複数の発光素子の点灯を制御する制御部とを備えた運転支援用車載点灯装置と、自車両の前方を撮影する車載カメラと、車載カメラにより撮影された撮影画像から、先行車両に搭載された上記運転支援用車載点灯装置の車載灯の画像を抽出する抽出部と、抽出部によって抽出された車載灯の画像から、当該車載灯の複数の発光素子の点灯状態を検出する点灯状態検出部と、車両の運転操作及び走行の状態を車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、点灯状態検出部により検出された車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応する先行車両の運転操作及び走行の状態を検出する先行車両状態検出部と、先行車両状態検出部によって検出された先行車両の運転操作及び走行の状態に基づいて、予め設定した運転支援の内容を示す情報のうちから、運転者に提供すべき情報を選別し、当該選別した情報に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援判断処理部とを備えた車載運転支援装置とを備える。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、簡易な構成で、先行車両の走行状態を的確に検出して効率よく運転支援することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明に係る運転支援システムの概要を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係るハイマウントランプのランプ部の構成を示す図である。
【図4】車両走行情報提供用のLED1〜3に関する情報コードを示す図である。
【図5】車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを示す図である。
【図6】車間距離検出用のLED間の実距離データを提供するLED7,8に関する情報コードを示す図である。
【図7】アクセル操作によるLED制御部への入力信号と出力信号の生成の概要を示す図である。
【図8】車速に応じたLED制御部への入力信号と出力信号の生成の概要を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る車載運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態1に係る車載運転支援装置による先行車両に関する情報の取得処理を示すフローチャートである。
【図11】前方画像の一例を示す図である。
【図12】実施の形態1に係るハイマウントランプのランプ部の別の構成を示す図である。
【図13】図12のランプ部における車両走行情報提供用のLED1〜3に関する情報コードを示す図である。
【図14】図12のランプ部における車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを示す図である。
【図15】図12のランプ部における車間距離検出用のLED間の実距離データを提供するLED7,8に関する情報コードを示す図である。
【図16】実施の形態1に係るハイマウントランプのランプ部のさらに別の構成を示す図である。
【図17】図16のランプ部における車両走行情報提供用のLED1〜3に関する情報コードを示す図である。
【図18】図16のランプ部における車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを示す図である。
【図19】図16のランプ部における車間距離検出用のLED間の実距離に関する情報コードを示す図である。
【図20】この発明の実施の形態2に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図21】この発明の実施の形態3に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図23】この発明の実施の形態5に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図24】車載カメラのイメージセンサから発光体までの距離とイメージセンサ上の輝度レベルとの関係を示す図である。
【図25】前方画像と距離ゾーンとの関係を示す図である。
【図26】この発明の実施の形態7に係る運転支援システムの概要を示す図である。
【図27】実施の形態7に係る車載運転支援装置による先行車両に関する情報の取得処理を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態7における距離モードの切り替え例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る運転支援システムの概要を示す図である。この発明に係る運転支援システムは、先行車両から伝達された情報に基づいて後続車両の運転支援(衝突防止)を実施するシステムであり、車載運転支援装置及び運転支援用車載点灯装置を備える。図1において、この発明に係る車載運転支援装置は、車載カメラ1(フロントカメラ)を備えた車両Aに搭載され、この発明に係る運転支援用車載点灯装置は、ハイマウントランプ2を備えた車両Bに搭載される。
【0019】
また、この発明に係る運転支援用車載点灯装置は、車両Bの後部に配置されたハイマウントランプ2の点灯を制御することで、その点灯状態から後方を走行する車両Aの運転者へ注意を喚起する情報を伝達する。一方、この発明に係る車載運転支援装置は、車載カメラ1に撮影された車両Bの画像からハイマウントランプ2(車載灯)の点灯状態を検出し、この点灯状態に対応する情報を基に自車両の運転支援を行う。
【0020】
例えば、渋滞車列の最後尾にある車両Bは、後方から接近する車両Aに追突される可能性がある。そこで、車両Bの後部に設けたハイマウントランプ2を、前方を走行する車両Bとの車間距離、車両Bの走行状態及び車両Bの運転操作状態に対応したLED点灯状態とする。そして、車両Aに搭載の車載運転支援装置は、車載カメラ1の撮影画像から検出されたハイマウントランプ2の点灯状態を基に、車両Bに関する情報を特定する。この情報に基づいて、渋滞で車両Bの減速していることや、車両Bが停車したこと等を、車両A側で把握することができる。
【0021】
(1)運転支援用車載点灯装置について
先ず、この発明に係る運転支援用車載点灯装置の構成及びその動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。図2において、実施の形態1に係る運転支援用車載点灯装置3は、ハイマウントランプ2の点灯状態を利用して自車両に関する情報を後続車両へ伝達する装置であって、ハイマウントランプ2、運転操作・走行状態検出部6及びLED制御部7を備える。また、ハイマウントランプ2はランプ部4及びLED駆動回路5を備える。
【0022】
ランプ部4は、ハイマウントランプ2のランプ部分の構成部であって、複数のLED(Light Emitting Diode)を外枠に沿って配置し、さらに外枠に沿って配置されたLEDの内側に、さらに複数のLEDを1次元又は2次元に配列して構成される。なお、ランプ部4は、車両の後部に搭載可能な大きさであればよい。
LED駆動回路5は、ハイマウントランプ2の駆動回路であり、LED制御部7からの制御信号8に従ってランプ部4のLEDを点灯する回路である。
【0023】
運転操作・走行状態検出部6は、自車両の運転操作及び走行の状態を検出する構成部である。例えば、ブレーキ操作信号、アクセル操作信号、車輪速パルス、エアーバッグ動作信号(衝突信号)を入力して、運転者によるブレーキ操作(ブレーキON)、アクセル操作(アクセルON)、車両走行速度、自車両の異常状態(衝突、被衝突のどちらでも、衝突だけでもよい)が検出される。
LED制御部7は、ハイマウントランプ2内部のLED駆動回路5によるランプ部4の点灯を制御する構成部であり、運転操作・走行状態検出部6によって検出された自車両の運転操作及び走行の状態に対応するLED点灯状態とする制御信号8を生成してLED駆動回路5に出力する。
【0024】
図3は、実施の形態1に係るハイマウントランプのランプ部の構成を示す図である。この発明では、車載カメラ1の撮影画像からハイマウントランプ2のランプ部4の画像を抽出するので、ランプ部4は、外枠が自車両の後部に搭載可能な大きさであって、かつ通常の道路環境ではあまりみられないような形状であるとよい。
図3において、ランプ部4の長方形の外枠内に配置された複数のLEDのうち、角部に配置され、互いの離間距離が大きいLED4a,4b,4c,4d(図3中の斜線を付した四角形記号で示すLED)は、車間距離検出用のLEDである。
例えば、車間距離検出用のLED4a,4c間の実際の距離(横方向の実距離)を表すLED4a,4c間を結ぶ線分と、LED4aと後続車両との車間距離を示す線分と、LED4cと当該後続車両との車間距離を示す線分とで構成される幾何光学上の光線軌跡としての実体側の三角形を想定し、ランプ部4を撮影した撮影画像上のLED4a,4c間の距離(画素間距離に基づく距離)を表す線分と、この画像を撮影した車載カメラ1の焦点距離を表す線分とで構成される実像側の三角形を想定して、実体側の三角形と実像側の三角形の相似関係を利用することで、ハイマウントランプ2が搭載された車両と後続車両との車間距離を算出することができる。
なお、図3に示すランプ部4において、LEDの離間距離が最大な組み合わせは、対角方向のLED4a,4dとLED4b,4cであるが、画素間距離の計算が容易な水平(横)方向あるいは垂直方向のLED間距離を採用している。
【0025】
また、ランプ部4の外枠に沿ったLED列4e(図3中の斜線を付した円形記号で示すLED)は、これを構成する各LEDが高輝度で発光する。図3の例では、ランプ部4の外枠に沿った横長の八角形が高輝度のLED光によって標示される。これにより、ハイマウントランプ2が撮影された画像上でランプ部4の外枠が強調され、当該撮像画像からランプ部4を抽出しやすくなる。なお、ここでは、ランプ部4の外枠に沿って配列されたLED列4eが、少なくともハイマウントランプ2の背景よりも高輝度であればよい。
【0026】
1〜8の番号を付したLED4f−1〜4f−6,4g−1,4g−2は、ランプ部4のLED列4eの内側に配置したLED列である。このうち、LED4f−1〜4f−6は、車両走行情報提供用のLED(番号1〜6)であり、LED4g−1,4g−2は、車間距離検出用のLED(LED4a〜4d)間の実距離データ提供用のLED(番号7,8)である。実施の形態1では、LED4f−1〜4f−6,4g−1,4g−2からなるLED列を、LEDがオンでデジタル値“1”、LEDがオフでデジタル値“0”となる8ビットのデジタルデータとみなして、その点灯状態と自車両の運転操作及び走行の状態とを対応付ける。このLED列の点灯状態と自車両の運転操作及び走行の状態との対応関係を情報コードと呼称する。なお、LED列の点灯状態と自車両の運転操作及び走行の状態との対応の規定は、予め決定しておくのが望ましい。
【0027】
図4は、車両走行情報提供用のLED1〜3に関する情報コードを示す図である。図4において、LED1〜3は、車両走行情報提供用のLED4f−1〜4f−3を示している。LED4f−1〜4f−3の点灯状態によって規定される3ビットのデジタルデータは、所定の速度ごとに複数の段階に区分された自車両の車両走行速度(km/h)を表している。
例えば、図4では車両走行速度が20km/hごとに区分されており、0〜20km/hであるとき、LED1〜3(LED4f−1〜4f−3)を全てオフする(“000”)。また、車両走行速度が40〜60km/hであるとき、LED2(LED4f−2)のみをオンし、それ以外はオフする(“010”)。この他、例えば、自車両の異常状態を知らせる際には、LED1〜3が全てオンとなる(“111”)。
【0028】
図5は、車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを示す図である。図5において、LED4〜6は、車両走行情報提供用のLED4f−4〜4f−6を示している。LED4f−4〜4f−6の点灯状態によって規定される3ビットのデジタルデータは、複数の段階に区分された自車両の加減速の状態(自車両の運転操作及び走行の状態)を表している。例えば、図5は緩い減速、急な減速、通常の減速、加速の段階に区分されており、自車両の運転者がブレーキペダルを踏まず、アクセルペダルを踏み込んでいないとき(クルーズ状態)には、LED4〜6(LED4f−4〜4f−6)を全てオフする(“000”)。また、運転者が、アクセルペダルを踏み込んだとき(加速操作)は、LED4(LED4f−4)のみをオンし、それ以外はオフする(“100”)。
【0029】
図6は、車間距離検出用のLED間の実距離データを提供するLED7,8に関する情報コードを示す図である。図6において、LED7,8は、車両走行情報提供用のLED4g−1,4g−2を示している。LED4g−1,4g−2の点灯状態で規定される2ビットのデジタルデータは、車間距離検出用のLED(LED4a〜4d)間の実距離データを表している。例えば、車間距離検出用のLED4a,4c間の実距離が20cmの場合には、LED7(LED4g−1)とLED8(LED4g−2)がともにオフとなる(“00”)。また、車間距離検出用のLED4a,4c間の実距離が30cmの場合では、LED7(LED4g−1)のみをオンとし、LED8(LED4g−2)をオフする(“10”)。
【0030】
次に、運転支援用車載点灯装置の動作について説明する。
運転操作・走行状態検出部6には、運転者の運転操作によって生じたブレーキ操作信号及びアクセル操作信号が入力される。ブレーキ操作信号及びアクセル操作信号としては、例えば、それぞれのペダルの動き(踏み込み動作)に応じてオン又はオフするスイッチの電気信号が挙げられる。また、運転操作・走行状態検出部6には、車輪速パルスが入力され、衝突等の異常が生じた場合にはエアーバッグ動作信号が入力される。ここで、車輪速パルスとは、駆動車輪のドライブシャフトの回転と同期して回転する磁石発電機などから取り出せる交流の電気信号を波形整形したものである。また、エアーバッグ動作信号は、車両の衝突時に発生するエアーバッグECU(電子コントロールユニット)内の衝突信号である。
【0031】
運転操作・走行状態検出部6では、ブレーキ操作信号及びアクセル操作信号を受けて、ブレーキがオンかオフか、アクセルがオンかオフか、という各1ビットのオンオフ信号をLED制御部7へ出力する。
また、運転操作・走行状態検出部6は、車輪速パルス数を所定周期でカウントし、車輪の外形を考慮して車両走行速度を演算する。例えば、1ビット当たり0.5km/hの8ビットのデジタル信号により、0から128km/hまでの車輪速度信号を、リアルタイムでLED制御部7へ出力する。ただし、128km/h以上の車両走行速度では128km/hとする。
【0032】
さらに、運転操作・走行状態検出部6は、エアーバッグECUからの衝突信号の入力と同期して異常状態であることを表すオンの信号をLED制御部7へ出力する。なお、衝突信号の入力信号がパルス的なものか、ステップ状のものかに拘わらず、一旦入力されると所定時間(例えば10秒〜数十秒間)は異常状態がオンの信号を出力する。
【0033】
LED制御部7は、運転操作・走行状態検出部6から上記信号を入力すると、後続車両に提供する情報に対応する情報コードを生成し、この情報コードを表す制御信号8をハイマウントランプ2のLED駆動回路5へ出力する。
図7は、アクセル操作によるLED制御部への入力信号と出力信号の生成の概要を示す図である。LED制御部7は、図7(a)に示すようなアクセルのオンオフ信号(アクセル操作信号)を入力すると、入力したアクセルのオンオフ信号に連動して、対応する情報コードのLEDをオン又はオフさせる制御信号8(出力信号)を生成して出力する。
このとき、LED制御部7は、運転操作の状態が所定時間(例えば0.1秒程度)以上継続したときのみ、その運転操作の状態に移行したものとして制御信号8を生成する。
例えば、図7(a)上段のアクセルのオンオフ信号が、実際の動作として(実動的には)図7(a)下段に示す挙動を示していた場合、アクセルの実動的なオン状態に相当する閾値(ディジタルもしくはアナログ的に設定した値、アナログタイマーもしくはディジタルタイマーに対応した時間計測用の閾値でもある)(図7(a)に一点破線で示す)に達していない、もしくは、当該閾値に達した時間が所定時間未満の期間については、信号がカットオフされる。そして、図7(b)に示すようにアクセルの実動的なオン状態に相当する閾値に達した時間が所定時間以上継続した期間のみ、アクセルがオン状態であることを示す制御信号8が生成される。
なお、ブレーキ操作信号についても図7と同様な動作波形となるが、カットオフされる時間は、アクセル操作の場合よりも短い時間とするのが望ましい。
【0034】
図8は、車速に応じたLED制御部への入力信号と出力信号の生成の概要を示す図である。図8(a)は運転操作・走行状態検出部6からLED制御部7へ入力される自車両の車輪速度信号の経時変化を示しており、図8(b)は図8(a)の車輪速度信号に対応する速度範囲を示す制御信号8の概要を示している。なお、図8(a)に示す車輪速度信号は、8ビットのデジタル信号であるが、説明の簡単のためアナログ的に表記している。
【0035】
LED制御部7は、運転操作・走行状態検出部6から入力された自車両の車輪速度信号を速度範囲ごとに規定した閾値と比較して、この比較結果から自車両の車両走行速度を、速度範囲ごとに弁別する。図8に示す例では、0から128km/hまでの車両走行速度を20km/hごとの速度範囲に区分し、各速度範囲を規定する閾値速度と比較して車両走行速度を弁別する。このとき、LED制御部7は、自車両の走行速度が現在の速度範囲の上限を規定する閾値速度以上となって次に速い速度範囲に弁別された場合、所定の時間だけ元の速度範囲に戻らないように、当該閾値速度にヒステリシス(閾値速度を下げる)を設ける。
【0036】
また、自車両の走行速度が、現在の速度範囲の下限を規定する閾値速度未満となって、次に遅い速度範囲に弁別された場合においても、所定の時間だけ元の速度範囲に戻らないように当該閾値速度にヒステリシスを設ける(閾値速度を上げる)。
ヒステリシスを設ける時間は、低速範囲から高速範囲へ変化する場合よりも、高速範囲から低速範囲へ変化する場合の方が長くなるように設定するのが望ましい。例えば、低速範囲から高速範囲へ変化する場合は0.2秒程度の時間を設定し、高速範囲から低速範囲へ変化する場合は、0.5秒程度の時間を設定する。
【0037】
ハイマウントランプ2のLED駆動回路5は、LED制御部7から制御信号8を入力すると、制御信号8に従ってランプ部4のLEDの点灯を実施する。ここで、自車両の車両走行速度が40〜60km/hの速度範囲であり、前方を走行する車両の運転者がブレーキペダルを踏んで減速しており、さらに車間距離検出用LED間の実距離データが30cmである場合を例に挙げる。この場合、LED駆動回路5には、図4〜図6の情報コードにより、ランプ部4のLED1〜3のうち、LED2(LED4f−2)のみをオンさせ、LED4〜6のうち、LED5(LED4f−5)のみをオンさせ、LED7,8のうち、LED7(LED4g−1)のみをオンさせる制御信号8が入力される。
LED駆動回路5は、ランプ部4の外枠に沿って並ぶLED4eを高輝度で発光させるとともに、その内側に1次元に配列されたLED列について、上記制御信号8に従ってLED2,5,7をオンし、残りをオフさせる(“01001010”)。
【0038】
(2)車載運転支援装置について
次に、この発明に係る車載運転支援装置の構成及びその動作について説明する。
図9は、実施の形態1に係る車載運転支援装置の構成を示すブロック図である。図9において、実施の形態1に係る車載運転支援装置9は、車載カメラ1、前段処理部10、運転支援判断処理部14、音声発生部15、操作力発生部16及び減速制御部17を備える。車載カメラ1は、車両前方部(例えば、フロントウィンドウの上辺部、ルームミラーの裏側など)に設置されたカメラであり、車両前方の被撮影領域の映像(先行車両を被写体に含む画像)を濃淡画像で撮影する。
【0039】
前段処理部10は、車載カメラ1により撮影された前方画像から、先行車両のハイマウントランプ2の画像部分を抽出してランプ部4の点灯状態を検出し、その点灯状態から情報コードを参照して自車両との車間距離、先行車両の運転操作及び走行の状態を検出する構成部であり、画像処理部11、距離演算部12及び走行状態検出部13を備える。画像処理部11は、車載カメラ1により撮影された前方画像から、先行車両のハイマウントランプ2の画像部分を抽出するハイマウントランプ抽出処理部11aと、ハイマウントランプ抽出処理部11aにより抽出されたハイマウントランプ2の画像部分からランプ部4の点灯状態を検出する点灯状態検出処理部11bを備える。
【0040】
距離演算部12は、点灯状態検出処理部11bにより検出されたランプ部4の点灯状態から自車両と先行車両との車間距離を検出する構成部である。走行状態検出部13は、点灯状態検出処理部11bにより検出されたランプ部4の点灯状態から、先行車両の運転操作及び走行の状態を検出する構成部である。
【0041】
運転支援判断処理部14は、前段処理部10の距離演算部12及び走行状態検出部13から入力した情報に基づいて、記憶部14aに記憶されている運転支援の内容を示す情報うちから運転者に提供すべき情報を選別し、当該情報に基づいて自車両の運転支援を行う構成部である。記憶部14aは、運転支援の内容を示す情報を、前段処理部10から入力される自車両との車間距離、先行車両の運転操作及び走行の状態に対応付けて記憶する記憶部である。
運転支援の内容を示す情報とは、自車両との車間距離を、所定の距離範囲ごとの複数の段階に区分された車間距離(適正な車間距離、適正な車間距離より短い車間距離、危険な車間距離)に分類し、その距離範囲における先行車両の運転操作及び走行の状態に応じた運転支援の内容を予め設定した情報である。例えば、自車両との車間距離が10mの距離範囲にあり、先行車両の運転操作状態が急減速、走行状態が40〜60km/hの車両走行速度である場合には、自車両が当該先行車両に追突するおそれがあるので、直ちに急減速する旨の内容が特定される。また、運転支援の内容を示す情報には、運転支援の内容を伝える音声情報や警報音が含まれる。
【0042】
音声発生部15は、運転支援判断処理部14により選別された運転支援の内容を伝える音声情報や警報音を出力する構成部である。例えば、車内スピーカが利用される。操作力発生部16は、自車両のブレーキペダルの操作に応じたブレーキ力を発生して自車両の制動動作を行う構成部である。減速制御部17は、自車両の車両走行速度の減速を制御する構成部である。これらの構成部は、運転支援判断処理部14からの駆動信号を受けて制動や減速を実施する。
【0043】
次に、車載運転支援装置の動作について説明する。
図10は、実施の形態1に係る車載運転支援装置による先行車両に関する情報の取得処理を示すフローチャートである。この図に沿って先行車両に関する情報の取得処理の詳細を説明する。
先ず、前段処理部10の画像処理部11におけるハイマウントランプ抽出処理部11aが、車載カメラ1により撮影された前方画像(先行車両を被写体に含む濃淡画像)を入力する(ステップST1)。
ハイマウントランプ抽出処理部11aは、前方画像を入力すると、当該画像からハイマウントランプ2のランプ部4の画像を抽出しやすくするために、車載カメラ1の撮影画像を輝度レベルに応じた2値化画像に変換する(ステップST2)。この2値化処理は、予め設定した輝度レベルの閾値を用いて前方画像(濃淡画像)をさらに輝度レベルの強弱に応じた2値化画像に変換することで行う。なお、輝度レベルの閾値は、予め標準的であるとみなされる道路環境において、本発明に係る運転支援用車載点灯装置のランプ部4を車載カメラ1で撮影して、これにより取得された濃淡画像における外枠(高輝度に発光したLED)の輝度レベルと背景画像の平均の輝度レベルとに応じて設定する。
【0044】
次いで、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ステップST2で変換した2値化画像から高輝度部分を抽出する(ステップST3)。ここでは、所定の輝度レベルを超える画像部分がN個抽出されたものとする。
図11は前方画像の一例を示す図である。図11に示すように、実際の道路環境では、先行車両のハイマウントランプ2のランプ部4に対応する高輝度部分a以外に、先行車両のテールランプに対応する高輝度部分bや、ガードレールの反射板に対応する高輝度部分cなどが存在する。ステップST3では、ハイマウントランプ抽出処理部11aが、高輝度部分のソースによらず、所定の輝度レベルを超える画像部分を抽出する。このため、図11の例では、10個の高輝度部分が抽出される。
【0045】
続いて、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、高輝度部分の形状と所定の形状との形状マッチング処理を行う(ステップST4)。所定の形状とは、ランプ部4の外枠に沿ったLED列4eの各LEDを結んだ形状であり、図3の例では横長の八角形である。ハイマウントランプ抽出処理部11aには、形状マッチング処理に利用するため、ランプ部4の外枠の形状が予め設定されている。ここでは、ハイマウントランプ抽出処理部11aが、撮像画像の2値化画像から抽出した高輝度部分の形状と予め設定されたランプ部4の外枠の形状とを照合して、高輝度部分がランプ部4の外枠の形状と合致するか否かが判定される。
【0046】
この後、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ステップST3で抽出された1〜N個の高輝度部分の全てと形状マッチング処理を行い、所定の形状と合致するものがあるか否かを判定する(ステップST5)。未だに形状マッチング処理を実施していない高輝度部分があれば(ステップST5;NO)、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ステップST4の処理に戻って、次の高輝度部分について形状マッチング処理を実施する。
【0047】
1〜N個の高輝度部分の全てと形状マッチング処理を行い、所定の形状と合致するものがある場合(ステップST5;YES)、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、所定の形状と合致した高輝度部分の画像情報を点灯状態検出処理部11bへ出力する。
点灯状態検出処理部11bは、ハイマウントランプ抽出処理部11aから入力した高輝度部分の画像情報のうち、高輝度部分(外枠)の内側に1次元又は2次元のLED列(図3の例では1次元のLED列)の画像部分があるものを、ランプ部4の画像情報として抽出する。ここでは、K(<N)個の高輝度部分がランプ部4の画像情報として抽出されたものとする。
【0048】
そして、点灯状態検出処理部11bは、抽出した高輝度部分の画像について、車間距離検出用のLED間のイメージセンサ上の画像距離を画素単位で演算する(ステップST6)。すなわち、点灯状態検出処理部11bが、車載カメラ1のイメージセンサで結像された撮影画像について画素ごとの物理的な座標位置を指定し、ランプ部4を示す高輝度部分の所定位置(例えば、角部)にある車間距離検出用のLEDの画像(画素群)の座標位置をそれぞれ特定して車間距離検出用のLED間の画像距離を算出する。
例えば、図3の場合、車間距離検出用のLED4aとLED4cのイメージセンサ上の画像(実像)間の距離が算出される。なお、説明の簡単のため、車間距離検出用のLEDのイメージセンサ上の画像(実像)を{LED}と適宜表記する。つまり、車間距離検出用のLED4aのイメージセンサ上の画像(実像)は{LED4a}と表記される。算出された車間距離検出用のLED間の画像距離(例えば{LED4a}と{LED4c}の距離)は、点灯状態検出処理部11bから距離演算部12へ出力される。
【0049】
さらに、点灯状態検出処理部11bは、ランプ部4を示す高輝度部分の内側にあるLED列の画像部分から、当該LED列の点灯状態を検出する。例えば、点灯状態検出処理部11bには、外枠の内側にあるLED列がどのようにLEDを配列して構成されているかが、ランプ部4の外枠の形状に対応付けて予め設定される。これにより、点灯状態検出処理部11bは、高輝度部分の内側における輝度レベルの差異から、LED列を構成するLEDごとに点灯しているか否かを判別する。このようにして得られた高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報は、点灯状態検出処理部11bから距離演算部12及び走行状態検出部13へそれぞれ出力される。
【0050】
次に、距離演算部12は、点灯状態検出処理部11bから入力された車間距離検出用のLED間の画像距離及び高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を用いて、自車両と先行車両との実際の車間距離を演算する(ステップST7)。
図3に示したランプ部4を例に挙げて説明する。距離演算部12は、高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報から、LED4g−1,4g−2(LED7,8)の点灯状態を基に、車間距離検出用のLED4a,4c間の実際の距離(横方向の実距離)を表すLED4a,4c間を結ぶ線分を求める。そして、車間距離検出用のLED間の画像距離から{LED4a}と{LED4c}との距離を表す線分を求める。また、距離演算部12には、車載カメラ1の焦点距離が予め設定されていることから、車間距離検出用のLED4a,4c間の実際の距離を表すLED4a,4c間を結ぶ線分と、LED4aと自車両との車間距離を示す線分と、LED4cと自車両との車間距離を示す線分とで構成される実体側の三角形が想定される。さらに、{LED4a}と{LED4c}との距離(LED4a,4c間の画像距離)を表す線分と、車載カメラ1の焦点距離を表す線分とで構成される実像側の三角形が想定される。距離演算部12は、想定した実体側の三角形と実像側の三角形との相似関係を利用して、自車両と先行車両との車間距離(LED4a,4cと自車両との車間距離を示す線分)を算出する。
【0051】
また、走行状態検出部13は、点灯状態検出処理部11bから入力した高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報から、先行車両に関する情報提供用の各LEDの点灯状態が、どのような運転操作及び走行の状態を示しているかを判定する(ステップST8)。例えば、走行状態検出部13には、図4〜6に示す情報コードが予め設定される。これにより、走行状態検出部13が、高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報と情報コードとを照合して、先行車両の運転操作及び走行の状態を判別する。
【0052】
一方、点灯状態検出処理部11bは、ランプ部4の画像情報として抽出したK個の高輝度部分の画像について上述の処理を実行したか否かを判定する(ステップST9)。ここで、K個の高輝度部分の画像のうち、未処理の画像があれば(ステップST9;NO)、ステップST6の処理に戻り、次の高輝度部分の画像について、上述の処理を繰り返す。また、K個全ての高輝度部分の画像の処理が完了した場合(ステップST9;YES)、先行車両に関する情報の取得処理を終了する。
【0053】
このようにして得られた自車両と先行車両の車間距離と、先行車両の運転操作及び走行の状態を示す情報は、距離演算部12及び走行状態検出部13から運転支援判断処理部14へ出力される。運転支援判断処理部14は、距離演算部12及び走行状態検出部13から入力した情報に基づいて、記憶部14aに記憶されている運転支援の内容を示す情報のうちから、運転者に提供すべき情報を選別する。そして、音声発生部15が、運転支援判断処理部14により選別された運転支援の内容を伝える音声情報や警報音を出力する。もしくは、操作力発生部16が、運転支援判断処理部14により選別された運転支援の内容に基づいて、自車両のブレーキペダルの操作、あるいは、アクセルペダルの操作に応じたブレーキ力、あるいは、加速力を発生して自車両の制動、あるいは、加速の動作を行う。さらに、減速制御部17が、運転支援判断処理部14により選別された運転支援の内容に基づいて、自車両の車両走行速度の減速を制御する。
【0054】
(3)ハイマウントランプの構成例について
なお、上記実施の形態1では、ハイマウントランプ2のランプ部4の外枠の形状が単純な長方形である場合を示したが、下記のような形状で構成してもよい。
図12は、実施の形態1に係るハイマウントランプのランプ部の別の構成を示す図である。上述したように車載カメラ1の撮影画像からハイマウントランプのランプ部の画像を抽出するので、ランプ部は、外枠が先行車両の後部に搭載可能な大きさであり、かつ通常の道路環境ではあまりみられないような形状であるとよい。例えば、図12では、外枠の形状が横長の六角形であるランプ部4Aを示している。この外枠内に配置された複数のLEDのうち、左右の頂点部に配置され、互いの離間距離が大きいLED4h,4i(図12中の斜線を付した四角形記号で示すLED)が、車間距離検出用のLEDである。
【0055】
また、ランプ部4Aの外枠に沿ったLED列4e(図12中の斜線を付した円形記号で示すLED)は、これを構成する各LEDが高輝度で発光する。図12の例では、ランプ部4Aの外枠に沿った横長の六角形が高輝度のLED光によって標示される。これにより、ハイマウントランプ2の撮影画像でランプ部4Aの外枠が強調され、当該撮像画像からランプ部4Aを抽出しやすくなる。番号1〜8を付したLED4f−1〜4f−6,4g−1,4g−2は、ランプ部4AのLED列4eの内側に配置したLED列である。このうち、LED4f−1〜4f−6は、車両走行情報提供用のLED(番号1〜6)であり、LED4g−1,4g−2は、車間距離検出用のLED(LED4a〜4d)間の実距離データ提供用のLED(番号7,8)である。
【0056】
図13は、図12のランプ部における車両走行情報提供用のLED1〜3に関する情報コードを示す図である。図13において、LED1〜3は、車両走行情報提供用のLED4f−1〜4f−3を示している。LED4f−1〜4f−3の点灯状態によって規定される3ビットのデジタルデータは、自車両の車両走行速度(km/h)を表している。
例えば、車両走行速度が0〜20km/hであるとき、LED1〜3(LED4f−1〜4f−3)が全てオフとなる(“000”)。また、車両走行速度が40〜60km/hであるとき、LED2(LED4f−2)のみがオンし、それ以外はオフする(“010”)。この他、例えば、自車両の異常状態を知らせる際には、LED1〜3がオンとなる(“111”)。
【0057】
図14は、図12のランプ部における車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを示す図である。図14において、LED4〜6は、車両走行情報提供用のLED4f−4〜4f−6を示している。LED4f−4〜4f−6の点灯状態により規定される3ビットのデジタルデータは、自車両の運転操作及び走行の状態を表している。
例えば、自車両の運転者がブレーキペダルを踏まず、アクセルペダルを踏み込んでいないとき(クルーズ状態)には、LED4〜6(LED4f−4〜4f−6)を全てオフする(“000”)。また、運転者が、アクセルペダルを踏み込んだとき(加速操作)は、LED4(LED4f−4)のみをオンし、それ以外はオフする(“100”)。
【0058】
図15は、図12のランプ部における車間距離検出用LEDの実距離データ提供用のLED7,8に関する情報コードを示す図である。図15において、LED7,8は、車両走行情報提供用のLED4g−1,4g−2を示している。LED4g−1,4g−2の点灯状態で規定される2ビットのデジタルデータは、車間距離検出用のLED(LED4h,4i)間の実距離データを表している。例えば、車間距離検出用のLED4a,4c間の実距離が20cmの場合には、LED7(LED4g−1)とLED8(LED4g−2)がともにオフとなる(“00”)。また、車間距離検出用のLED4a,4c間の実距離が30cmの場合では、LED7(LED4g−1)のみをオンし、LED8(LED4g−2)をオフする(“10”)。
【0059】
また、ハイマウントランプのランプ部は、下記のように構成してもよい。
図16は、実施の形態1に係るハイマウントランプのランプ部のさらに別の構成を示す図である。図16の例では、外枠の形状が長方形であるランプ部4Bを示している。この外枠内に配置された複数のLEDのうち、長方形の角部に配置され、互いの離間距離が大きいLED4a〜4d(図16中の斜線を付した四角形記号で示すLED)が、車間距離検出用のLEDである。
【0060】
ランプ部4Bの外枠に沿ったLED列4e(図16中の斜線を付した円形記号で示すLED)は、これを構成する各LEDが高輝度で発光する。図16の例では、ランプ部4Bの外枠に沿った横長の六角形が高輝度のLED光によって標示される。これにより、ハイマウントランプ2の撮影画像でランプ部4aの外枠が強調され、当該撮像画像からランプ部4Bを抽出しやすくなる。また、番号1〜6を付したLED4f−1〜4f−6は、ランプ部4BのLED列4eの内側に配置されたLED列であり、車両走行情報提供用のLED(番号1〜6)である。
【0061】
図17は、図16のランプ部における車両走行情報提供用のLED1〜3に関する情報コードを示す図である。図17において、LED1〜3は、車両走行情報提供用のLED4f−1〜4f−3を示している。LED4f−1〜4f−3の点灯状態によって規定される3ビットのデジタルデータは、自車両の車両走行速度(km/h)を表している。
例えば、車両走行速度が0〜20km/hであるとき、LED1〜3(LED4f−1〜4f−3)が全てオフとなる(“000”)。また、車両走行速度が40〜60km/hであるとき、LED2(LED4f−2)のみがオンし、それ以外はオフする(“010”)。この他、例えば、自車両の異常状態を知らせる際には、LED1〜3が全てオンとなる(“111”)。
【0062】
図18は、図16のランプ部における車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを示す図である。図18において、LED4〜6は、車両走行情報提供用のLED4f−4〜4f−6を示している。LED4f−4〜4f−6の点灯状態により規定される3ビットのデジタルデータは、自車両の運転操作及び走行の状態を表している。
例えば、自車両の運転者が、ブレーキペダルを踏まず、アクセルペダルも踏み込んでいないとき(クルーズ状態)は、LED4〜6(LED4f−4〜4f−6)を全てオフする(“000”)。また、運転者がアクセルペダルを踏み込んだとき(加速操作)、LED4(LED4f−4)のみをオンし、それ以外はオフする(“100”)。
【0063】
図19は、図16のランプ部における車間距離検出用LEDの実距離に関する情報コードを示す図である。図19に示すように、ランプ部4Bでは、LED列4eの内側に配置されたLED列を構成するLEDの個数で、車間距離検出用のLED(LED4a〜4d)間の実距離データを規定する。例えば、図16に示すランプ部4Bでは、LED列4eの内側に配置されたLED列が6個のLEDで構成されているので、車間距離検出用のLED4a,4c間の実距離が25cmとなる。このようにすることで、車間距離検出用LEDの実距離を伝達するための専用LEDを設ける必要がなく、ハイマウントランプ2の規模の拡大を抑制できる。
また、情報コードに先行車両の種別も規定しておくことで、後続車両の運転支援に有用な情報を与えることができる。図19の場合、後続車両に搭載された車載運転支援装置9は、ランプ部4Bのハイマウントランプ2を有する先行車両が軽4、2輪車であることを認識できる。
【0064】
なお、既存のハイマウントストップランプは、ブレーキ操作に連動して点灯することにより、後続車両の運転者(同乗者)への注意喚起を目的としているため、可視光の赤色と規定されている。しかしながら、本発明のハイマウントランプ2では、既存のハイマウントストップランプとは異なり、その外枠に沿うLED(LED列4e)の発光がブレーキ操作によらず常時点灯状態であり、さらに可視光であっても非可視光(例えば、赤外光)であってもよい。ただし、可視光であれば、この運転支援用車載点灯装置が先行車両に搭載されていることを、後続車両の運転者が認知できるという別の効果も得られる。
【0065】
以上のように、この実施の形態1によれば、自車両の後方に向けて点灯する複数のLEDからなるハイマウントランプ2と、自車両の運転操作及び走行の状態を検出する運転操作・走行状態検出部6と、車両の運転操作及び走行の状態をハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、運転操作・走行状態検出部6により検出された自車両の運転操作及び走行の状態に対応する点灯状態となるように、ハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯を制御するLED制御部7とを備えた運転支援用車載点灯装置3と、自車両の前方を撮影する車載カメラ1と、車載カメラ1により撮影された撮影画像から、先行車両に搭載された上記運転支援用車載点灯装置3のハイマウントランプ2の画像を抽出するハイマウントランプ抽出処理部11aと、ハイマウントランプ抽出処理部11aによって抽出されたハイマウントランプ2の画像から、当該ハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態を検出する点灯状態検出部11bと、車両の運転操作及び走行の状態をハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、点灯状態検出部11bにより検出されたハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応する先行車両の運転操作及び走行の状態を検出する走行状態検出部13と、走行状態検出部13によって検出された先行車両の運転操作及び走行の状態に基づいて、予め設定した運転支援の内容を示す情報のうちから、運転者に提供すべき情報を選別し、当該選別した情報に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援判断処理部14とを備えた車載運転支援装置9とを備える。このように構成することにより、簡易な構成で、先行車両の走行状態を的確に検出して効率よく運転支援することができる。
【0066】
実施の形態2.
実施の形態2では、運転者のアクセル操作やブレーキ操作とは関係なく、つまり運転者が意図せず、主に道路の勾配等によって生じた自車両の加速や減速の状態を、後続車両に提供する。
図20は、この発明の実施の形態2に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。図20において、実施の形態2に係る運転支援用車載点灯装置3Aでは、図2に示したエアーバッグ動作信号に替わって進行方向のGセンサ18からの出力信号が、運転操作・走行状態検出部6Aに入力される。進行方向のGセンサ18は、自車両の進行方向における加速度を検出するセンサである。運転操作・走行状態検出部6Aは、進行方向のGセンサ18から入力した自車両の進行方向における加減速度に基づいて、自車両の進行方向における加速や減速、緩減速、急減速の各状態を、自車両の走行状態として検出する。LED制御部7Aは、アクセル及びブレーキ操作、車両走行速度に関しては、上記実施の形態1と同様に処理するとともに、運転操作・走行状態検出部6Aによって検出された自車両の進行方向における加速や減速、緩減速、急減速の状態に対応するLED点灯状態とする制御信号8を生成してLED駆動回路5に出力する。
【0067】
実際の道路環境、特に夜間においては、運転者が標識を見過ごしたり、慣れない道程での注意不足等のため、道路勾配に起因した予期しない車両の減速が発生する場合が多い。
このような状況が直近の先行車両で発生した場合は、後続車両が追突する危険性が高くなる。従って、先行車両の運転者が意図しないで発生した進行方向における減速や急減速の状態を、後続車両へいち早く情報提供することは非常に重要である。
また、車両の下り勾配での加速現象については、先行車両と後続車両の車間距離が一時的に大きくなる。このため、車両の追従走行制御や運転者自身の判断で、過剰あるいは不要な加速(アクセル操作)をすることとなり、エコ走行の観点から好ましくない。
【0068】
そこで、この実施の形態2では、自車両の進行方向における加速度を検出する進行方向のGセンサ18を備え、運転操作・走行状態検出部6Aが、進行方向のGセンサ18の出力信号に基づいて、自車両の進行方向における加速や減速、緩減速、急減速の各状態を、自車両の走行状態として検出する。そして、LED制御部7Aが、運転操作・走行状態検出部6Aにより検出された自車両の進行方向における加速や減速、緩減速、急減速の状態に対応するLED点灯状態とする制御信号8を生成してLED駆動回路5に出力する。
【0069】
一般に車載用として使用されるGセンサは、例えばアナログの電圧信号で−2〜+2Gを0〜4V、あるいは、進行方向の減速度0Gを0Vにして1Gあたり1Vぐらいの電圧信号を出力するようになっている。この信号を受けて、運転操作・走行状態検出部6Aでは、自車両の走行状態を、緩減速、減速、急減速のそれぞれに応じた閾値を使って判別する。例えば、Gセンサ18で検出された進行方向の減速度が−0.05G〜−0.2Gである場合は“緩い減速”と判別し、進行方向の減速度が−0.2G〜−0.5Gである場合は“減速”と判別し、進行方向の減速度が−0.5G〜−1Gである場合は“急減速”と判別する。
【0070】
LED制御部7Aは、運転操作・走行状態検出部6Aにより判別された自車両の進行方向における減速の状態を入力すると、図5、図14、図18で示したような車両走行情報提供用のLED4〜6に関する情報コードを生成して、この情報コードを表す制御信号8をハイマウントランプ2のLED駆動回路5へ出力する。制御信号8は、例えば図3、図12、図16で示したようなLED4f−4〜4f−6の点灯状態で規定される3ビットのデジタルデータで自車両の進行方向における減速の状態を表したものである。
LED駆動回路5は、LED制御部7Aの制御信号8に従い、LED4f−4〜4f−6を点灯する。図5の例を用いて説明すると、自車両が道路勾配により緩減速する場合、LED4〜6(LED4f−4〜4f−6)のうち、LED6のみをオンとし、それ以外はオフする(“001”)。
【0071】
一方、自車両が進行方向に加速する場合、運転者が意図しない(アクセル操作によらない)急加速は考えにくいので、運転操作・走行状態検出部6Aは、自車両の走行状態を、緩加速と加速のそれぞれに応じた閾値を使って判別する。例えば、Gセンサ18で検出された進行方向の加速度に関する閾値として+0.05Gを設定し、進行方向の加速度が、+0.05G以下である場合は“緩い加速”と判別し、上記閾値を超えるが急加速と判別するための閾値未満である場合は“加速”と判別する。ここでは、特にカットオフ時間や閾値のヒステリシスは考慮しない。
【0072】
以上のように、この実施の形態2によれば、自車両の進行方向の加速度を検出するGセンサ18を備え、運転操作・走行状態検出部6Aが、Gセンサ18で検出された自車両の進行方向の加速度に基づいて、自車両の進行方向における加減速の状態を検出し、LED制御部7Aが、複数の段階に区分された車両の進行方向における加減速の状態をハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、運転操作・走行状態検出部6Aにより検出された自車両の進行方向における加減速の状態の段階に対応する点灯状態となるように、ハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯を制御する。このようにすることで、走行道路の勾配等に起因した運転者が意図しない自車両の進行方向における加減速の状態を、後続車両に伝達することができる。これにより、先行車両の進行方向における減速に起因した追突や渋滞の発生を防止することができ、また先行車両の進行方向における加速に起因した後続車両の不要な加速を抑制することができる。
【0073】
実施の形態3.
実施の形態3では、先行車両が車間距離センサを搭載しており、さらに先行する車両との車間距離を、後続車両に提供する。
図21は、この発明の実施の形態3に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。図21において、実施の形態3に係る運転支援用車載点灯装置3Bでは、運転操作・走行状態検出部6Bが、図2に示したエアーバッグ動作信号を入力せず、車間距離演算部20が、車間距離センサ19に検出された先行車両のプローブ情報に基づいて、自車両と同じ車線を走行する先行車両との車間距離を算出する。
LED制御部7Bは、運転操作・走行状態検出部6Bから入力されるアクセル及びブレーキ操作、車両走行速度に関しては上記実施の形態1と同様に処理するとともに、車間距離演算部20により算出された先行車両と自車両との車間距離に対応したLED点灯状態とする制御信号8を生成してLED駆動回路5に出力する。LED駆動回路5は、LED制御部7Bの制御信号8に従ってランプ部4のLEDを点灯する。
【0074】
このようにすることで、後続車両に搭載された車載運転支援装置9は、自車両と先行車両との車間距離に加え、先行車両とさらに先行する車両との間の車間距離を認識することができる。これにより、自車両が、先行車両とさらに先行する車両との間での走行状態に起因した交通障害等を回避する運転支援を実施可能である。例えば、ある道路を走行する各車両が、先行車両との車間距離及び先行車両とさらに先行する車両との車間距離を把握して走行することにより、渋滞していない状況から、激しい渋滞や車両の流れが停滞する状況へ移行する道路状況(サグ(sag)といわれる停止の車列)に移行することを回避できる。
【0075】
以上のように、この実施の形態3によれば、自車両と同じ車線を走行する先行車両を検出する車間距離センサ19を備え、運転操作・走行状態検出部6Bが、車間距離センサ19で検出された先行車両の検出情報に基づいて、自車両と同じ車線を走行する先行車両との車間距離を検出し、LED制御部7Bが、複数の段階に区分された車間距離をハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、運転操作・走行状態検出部6Bにより検出された車間距離の段階に対応する点灯状態となるように、ハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯を制御する。このようにすることで、自車両が、先行車両とさらに先行する車両との間での走行状態に起因した交通障害等を回避する運転支援を実施できる。
【0076】
実施の形態4.
実施の形態4は、車両側の構成と接続することなく、車両に搭載することができる運転支援用車載点灯装置について述べる。
図22は、この発明の実施の形態4に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。図22において、実施の形態4に係る運転支援用車載点灯装置3Cは、ハイマウントランプ2、LED制御部7C、進行方向のGセンサ18、運転状況検出部21、電池・電源回路22及び車体装着部23を一つの筐体に一体化して構成される。
運転状況検出部21は、進行方向のGセンサ18から入力した自車両の進行方向における加減速度に基づいて、自車両の進行方向における加速や減速、緩減速、急減速の各状態を検出する構成部である。また、電池・電源回路22は、車両側とは無関係に、運転支援用車載点灯装置3C内の各構成部へ電源を供給する回路である。車体装着部23は、運転支援用車載点灯装置3Cを車両へ装着する構成部であり、車両内の信号線と接続することなく、運転支援用車載点灯装置3Cを物理的に装着する。
【0077】
この実施の形態4に係る運転支援用車載点灯装置3Cは、自車両の車両情報が伝播する信号線と接続せずに取り付けられる。つまり、運転状況検出部21が、自装置3Cに内蔵されたGセンサ18の出力信号から、自車両の運転状況(緩減速、普通の減速、急減速、加速)を検出する。LED制御部7Cは、運転状況検出部21に検出された自車両の進行方向における加速や減速、緩減速、急減速の状態に対応するLED点灯状態とする制御信号8を生成して、LED駆動回路5に出力する。LED駆動回路5は、LED制御部7Cの制御信号8に従ってランプ部4のLEDを点灯する。
【0078】
以上のように、この実施の形態4によれば、自車両の後方に向けて点灯する複数のLEDからなるハイマウントランプ2と、自車両の進行方向の加速度を検出するGセンサ18と、Gセンサ18で検出された自車両の進行方向の加速度に基づいて、自車両の進行方向における加減速の状態を検出する運転状況検出部21と、複数の段階に区分された車間距離をハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、運転状況検出部21により検出された車間距離の段階に対応する点灯状態となるように、ハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯を制御するLED制御部7Cとを備え、ハイマウントランプ2、Gセンサ18、運転状況検出部21及びLED制御部7Cを一つの筐体に設ける。このように構成することで、車両情報がなくても、自装置3Cで検出された自車両の運転状況に基づいてランプ部4のLED点灯状態を決定することから、異なる車両にも後付けで搭載できる。これにより、汎用性の高い運転支援用車載点灯装置を実現することができる。
【0079】
実施の形態5.
実施の形態5は、運転支援用車載点灯装置と車載運転支援装置を互いに接続して、1台の車両の搭載した場合について示す。
図23は、この発明の実施の形態5に係る運転支援用車載点灯装置の構成を示すブロック図である。図23において、実施の形態5に係る運転支援用車載点灯装置3Dでは、運転操作・走行状態検出部6Cが、図2に示したエアーバッグ動作信号を入力せず、LED制御部7Dが、車載運転支援装置9の前段処理部10で得られた先行車両の車両走行速度及び車間距離に対応したLED点灯状態とする制御信号8を生成してLED駆動回路5に出力する。LED駆動回路5は、LED制御部7Dの制御信号8に従ってランプ部4のLEDを点灯する。
【0080】
実施の形態5に係る前段処理部10は、車載カメラ1により撮影された前方の撮影画像から、先行車両の車両走行速度及び自車両と先行車両との車間距離を検出する。例えば、先行車両が、本発明に係る運転支援用車載点灯装置を搭載していれば、そのランプ部4のLED点灯状態から、上記実施の形態1と同様にして、距離演算部12及び走行状態検出部13により先行車両の車両走行速度及び自車両と先行車両との車間距離が検出される。
【0081】
以上のように、この実施の形態5によれば、LED制御部7Dが、複数の段階に区分された車間距離をハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、上記車載運転支援装置の距離演算部12により算出された自車両と先行車両との車間距離の段階に対応する点灯状態となるように、ハイマウントランプ2の複数のLEDの点灯を制御する。このようにすることで、上記実施の形態1〜4で説明した運転支援用車載点灯装置及び車載運転支援装置における効果を同時に得ることができる。
【0082】
実施の形態6.
実施の形態6に係る車載運転支援装置は、画像処理部が自車両の車載カメラと先行車両のランプ部との間の距離に応じて、車載カメラ1の撮影画像(濃淡画像)を2値化画像に変換する。なお、実施の形態6に係る車載運転支援装置の構成は、上記実施の形態1で図9を用いた構成と基本的に同一であるので、以降で装置の構成を説明する場合には、図9を参照する。
【0083】
図24は、車載カメラのイメージセンサから発光体までの距離とイメージセンサ上の輝度レベルとの関係を示す図である。車載カメラ1のイメージセンサから発光体までの距離をD(m)、イメージセンサ上の輝度レベルをYとすると、輝度レベルYは、距離Dに対して下記式(1)のような逆2乗減衰カーブを描く関係にある。ただし、aは比例定数、bは、イメージセンサに固有の定数である。なお、bは、イメージセンサに光入力がないときのノイズレベルに相当する。また、図24のグラフは、距離D=40(m)を基準として、縦軸を輝度レベルYとしたものである。
Y=(a/D)+b ・・・(1)
【0084】
図24において、車載カメラ1のイメージセンサから発光体までの距離Dが、30(m)までの距離範囲を近距離ゾーン、距離Dが20(m)から50(m)までの距離範囲を中距離ゾーン、距離Dが50(m)以上の距離範囲を遠距離ゾーンとする。この場合、近距離ゾーンから中距離ゾーンにかけて、輝度レベルYが急激に減衰している。
つまり、本発明に係る運転支援用車載点灯装置3が、ランプ部4の外枠に沿ったLED列4eを高輝度で発光したとしても、当該運転支援用車載点灯装置3を搭載する先行車両と、本発明に係る車載運転支援装置9を搭載する車両との距離が、遠距離ゾーンに相当する距離範囲まで離れると、車載カメラ1で撮影された画像上の輝度レベルが急激に減衰する。従って、画像処理部11が、車載カメラ1の撮影画像を2値化画像に変換する際、輝度レベルに関する閾値として一定の閾値を利用した場合、上述した輝度レベルの減衰を考慮できない。
【0085】
図25は、前方画像と距離ゾーンとの関係を示す図である。車載カメラ1の撮影画像上(イメージセンサ上)では、車載カメラ1に近い側(自車両側)が上記撮影画像の下辺側となり、車載カメラ1から遠い側(先行車両側)は、上記撮影画像の上辺側となる。
すなわち、図25に示すように、撮影画像の下辺側から近距離ゾーン、中距離ゾーン、遠距離ゾーンとなる。このような距離ゾーンは、車載カメラ1の仰角(下向き角)に依存するので、適切な仰角を決めて車載カメラ1を設置すれば、追突防止等の運転支援には、あまり必要ない自車両のずっと先を走行する車両や背景画像は、遠距離ゾーンの画像範囲に含まれ、追突防止等の運転支援に必要な自車両の直近の先行車両又はその先を走行する車両に搭載されたハイマウントランプ2は、近距離ゾーン又は中距離ゾーンの画像範囲に含まれる。
【0086】
そこで、実施の形態6に係る車載運転支援装置9では、ハイマウントランプ抽出処理部11aが、車載カメラ1の撮影画像を輝度レベルを基に2値化画像に変換する際に、車載カメラ1の撮影画像における遠距離ゾーンに相当する画像部分の2値化処理を実施せず、近距離ゾーン及び中距離ゾーンの画像部分のみの2値化処理を実施する。つまり、車載カメラ1の撮影画像で遠距離ゾーンに相当する上辺側の画像領域を予め設定しておき、その部分を削除するか、2値化未処理のままとする。点灯状態検出処理部11bは、ハイマウントランプ抽出処理部11aによって2値化された画像部分から抽出された高輝度部分の画像について、ランプ部4の点灯状態を検出する。
【0087】
また、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、上記2値化処理において、輝度レベルに関する2値化用の閾値についても近距離ゾーン及び中距離ゾーンのそれぞれに対応した閾値を利用する。ここで、近距離ゾーンに対応する輝度レベルの閾値及び中距離ゾーンに対応する輝度レベルの閾値は、予め標準的であるとみなされる道路環境で、車載カメラ1から近距離ゾーン又は中距離ゾーンに相当する所定の距離範囲においた運転支援用車載点灯装置のランプ部4を撮影して、この撮影画像における高輝度部分(ランプ部4の高輝度で発光したLED列4e)の外枠の濃淡画像の輝度レベルと背景画像の平均の輝度レベルに応じて設定する。図24に示したように、車載カメラ1のイメージセンサから発光体までの距離Dが離れるほど画像上の輝度レベルが減衰するので、近距離ゾーンに対応する輝度レベルの閾値の方が中距離ゾーンよりも大きい値となる。このようにして、距離Dに応じた画像上の輝度レベルの減衰に対応した閾値を設定することができる。
【0088】
なお、上述した輝度レベルの閾値は、ユーザが入力手段を用いて手動により所望の値に変更可能としてもよい。ここでは、画像処理部11が、入力手段及び表示手段(不図示)を用いた輝度レベル設定用のHMI(Human Machine Interface)を提供し、このHMIを介して、ユーザが2値化処理に利用される輝度レベルの閾値を設定したり、輝度レベルの閾値に乗算する係数を調整する。例えば、輝度レベルの閾値に乗算する係数を+10%〜−60%の範囲で調整する。また、霧の発生時などにおいては、運転者の目視によって調整する。
【0089】
以上のように、この実施の形態6によれば、ハイマウントランプ抽出処理部11aが、車載カメラ1により撮影された撮影画像を自車両からの距離に応じた画像部分に区分し、各区分に対応する輝度レベルに関する閾値を用いて2値化画像に変換する。この構成において、ハイマウントランプ抽出処理部11aが、自車両から所定の距離以上離れた画像部分(遠距離ゾーン)については2値化処理を実行しない。このようにすることで、車載カメラ1の撮影画像のうち、ハイマウントランプ2が撮影されている画像領域のみが2値化され、車載カメラ1の撮影画像を画像処理する処理負荷を格段に軽減することができる。
【0090】
実施の形態7.
実施の形態7に係る車載運転支援装置は、車載カメラ1の視野角(画角)を切り替えることで、画像処理部が自車両の前方の距離に応じて先行車両のランプ部4の点灯状態を検出する。なお、実施の形態7に係る車載運転支援装置の構成は、上記実施の形態1で図9を用いた構成と基本的に同様であるが、前段処理部10における画像処理部11によって車載カメラ1が視野角を切り替える点で異なる。従って、以降で装置構成を説明する場合は、図9を参照する。
【0091】
図26は、この発明の実施の形態7に係る運転支援システムの概要を示す図である。図26(a)は、車両Aに搭載される車載運転支援装置が近距離モードである場合を示しており、図26(b)は車両Aに搭載される車載運転支援装置が遠距離モードである場合を示している。実施の形態7に係る車載運転支援装置9は、車載カメラ1の視野角を広角度として、遠距離の物体分解能は低下するが、自車両の直近を走行する先行車両が撮影範囲に含められる近距離モードと、車載カメラ1の視野角を狭角度として、自車両の直近の物体が撮影範囲から漏れるが、自車両から遠距離の先行車両を撮影できる遠距離モードと、車載カメラ1の視野角を近距離モードと遠距離モードの中間の角度とした中距離モードを有する。
【0092】
例えば、自車両から近い所定の距離範囲(例えば30mまでの距離範囲)にある先行車両(車両C)のランプ部4を情報取得対象とする場合、図26(a)に示すように、車載カメラ1の視野角を所定の範囲だけ広くした近距離モードを設定する。また、自車両から遠い所定の距離範囲(例えば50m以上の距離範囲)にある先行車両(車両B)のランプ部4を情報取得対象とする場合は、図26(b)に示すように、車載カメラ1の視野角を所定の範囲だけ狭くした遠距離モードを設定する。さらに、近距離モードと遠距離モードの中間に位置する距離範囲(例えば20mから50mまでの距離範囲)にある先行車両のランプ部4を情報取得対象とする場合は、車載カメラ1の視野角を近距離と遠距離の中間の範囲とした中距離モードを設定する。
【0093】
また、前段処理部10の距離演算部12には、各距離モードにおける車載カメラ1の視野角に応じた画像距離(車間距離検出用のLEDのイメージセンサ上の画像(実像)同士の離間距離)から車間距離への換算係数(以下、車間距離演算時の換算係数と記載する)が予め設定されており、自車両と先行車両の車間距離を算出する際、その時点で設定された距離モードの視野角に応じた車間距離演算時の換算係数を利用する。
例えば、遠距離モードでは、視野角を狭くするため、焦点距離の長い望遠レンズに変更され、その実像位置がレンズの焦点距離近くに移動する。これにより、実像側(カメラレンズからイメージセンサ側の)三角形の線分の長さのみが拡大し、実体側と実像側の三角形の相似関係が維持される。従って、換算係数は、視野角の縮小率と逆数の関係で対応する。視野角が1/2になると、イメージセンサ上での実像が2倍になり、換算なしの演算では、実体側の距離(車間距離)は1/2になるが、換算係数を2にしておけば、正しい車間距離を得ることができる。
【0094】
次に動作について説明する。
(1)先行車両に関する情報の取得処理について
図27は、実施の形態7に係る車載運転支援装置による先行車両に関する情報の取得処理を示すフローチャートである。この図に沿って先行車両に関する情報の取得処理の詳細を説明する。
先ず、前段処理部10の画像処理部11におけるハイマウントランプ抽出処理部11aが、車載カメラ1により撮影された前方画像(先行車両を被写体に含む濃淡画像)を入力する(ステップST1a)。
次に、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ハイマウントランプ2のランプ部4を抽出しやすくするために、車載カメラ1の撮影画像を輝度レベルに応じた2値化画像に変換する(ステップST2a)。この2値化処理において、現時点で近距離モードが設定されている場合、上記実施の形態6と同様に、遠距離ゾーンに相当する画像部分の2値化処理を実施せず、近距離ゾーン及び中距離ゾーンの画像部分のみを2値化処理してもよい。また、輝度レベルに関する2値化処理用の閾値について、近距離ゾーン、中距離ゾーン及び遠距離モードにそれぞれに対応した閾値を予め求めておき、現時点の距離モードに対応する閾値を用いて2値化処理を実行してもよい。
【0095】
次いで、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ステップST2aで変換した2値化画像から高輝度部分を抽出する(ステップST3a)。ここでは、所定の輝度レベルを超える画像部分がN個抽出されたものとする。
続いて、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、高輝度部分の形状と所定の形状との形状マッチング処理を行う(ステップST4a)。ここでは、ハイマウントランプ抽出処理部11aが、撮像画像の2値化画像から抽出した高輝度部分の形状と、予め設定されたランプ部4の外枠の形状とを照合して、高輝度部分がランプ部4の外枠の形状と合致するか否かが判定される。
【0096】
この後、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ステップST3aで抽出した1〜N個の高輝度部分の全てと形状マッチング処理を行い、所定の形状と合致するものがあるか否かを判定する(ステップST5a)。未だに形状マッチング処理を実施していない高輝度部分があれば(ステップST5a;NO)、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、ステップST4aの処理に戻って、次の高輝度部分について形状マッチング処理を実施する。
【0097】
1〜N個の高輝度部分の全てと形状マッチング処理を行い、所定の形状と合致するものがある場合(ステップST5a;YES)、ハイマウントランプ抽出処理部11aは、所定の形状と合致した高輝度部分の画像情報を点灯状態検出処理部11bへ出力する。
点灯状態検出処理部11bは、ハイマウントランプ抽出処理部11aから入力した高輝度部分の画像情報のうち、高輝度部分(外枠)の内側にLED列の画像部分があるものを、ランプ部4の画像情報として抽出する。ここでは、K(<N)個の高輝度部分が、ランプ部4の画像情報として抽出されたものとする。
【0098】
そして、点灯状態検出処理部11bは、抽出した高輝度部分の画像について、車間距離検出用のLED間のイメージセンサ上の画像距離を、隣り合う画素間距離を基に演算する(ステップST6a)。ここで、点灯状態検出処理部11bが、車載カメラ1のイメージセンサで結像された撮影画像について画素ごとの物理的な座標位置を指定し、ランプ部4を示す高輝度部分の所定位置(例えば角部)にある車間距離検出用のLEDの画像(実像)の座標位置をそれぞれ特定して車間距離検出用のLEDの画像距離を算出する。車間距離検出用のLEDの画像距離は、点灯状態検出処理部11bから距離演算部12へ出力される。
【0099】
さらに、点灯状態検出処理部11bは、ランプ部4を示す高輝度部分(外枠)の内側にあるLED列の画像部分から、当該LED列の点灯状態を検出する。例えば、点灯状態検出処理部11bには、外枠の内側にあるLED列がどのようにLEDを配列して構成されているかが、ランプ部4の外枠の形状に対応付けて予め設定される。これにより、点灯状態検出処理部11bは、高輝度部分の内側における輝度レベルの差異から、LED列を構成するLEDごとに点灯しているか否かを判別する。このようにして得られた高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報は、点灯状態検出処理部11bから距離演算部12及び走行状態検出部13へそれぞれ出力される。
【0100】
次に、距離演算部12は、現時点で遠距離モードが設定されているか否かを判定する(ステップST7a)。ここで、遠距離モードが設定されている場合(ステップST7a;YES)、距離演算部12は、遠距離モードでの車間距離演算時の換算係数を選択する(ステップST8a)。また、近距離モードが設定されている場合(ステップST7a;NO)、距離演算部12は、近距離モードでの車間距離演算時の換算係数を選択する(ステップST9a)。
【0101】
次いで、距離演算部12は、点灯状態検出処理部11bから入力された車間距離検出用のLED間の画像距離及び高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を用いて、自車両と先行車両との実際の車間距離を演算する(ステップST10a)。
図3に示したランプ部4を例に挙げて説明する。距離演算部12は、高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報から、LED4g−1,4g−2(LED7,8)の点灯状態を基に、車間距離検出用のLED4a,4c間の実際の距離(横方向の実距離)を表すLED4a,4c間を結ぶ線分を求める。
そして、距離演算部12は、ステップST8a又はステップST9aで選択した現在の距離モードに対応する車間距離演算時の換算係数を用いて、点灯状態検出処理部11bから入力した車間距離検出用のLED間の画像距離を基に{LED4a}と{LED4c}の距離を表す線分を求める。
続いて、距離演算部12は、予め設定されている車載カメラ1の焦点距離のうち、現在の距離モードに対応する視野角の焦点距離を選択し、車間距離検出用のLED4a,4c間の実際の距離を表すLED4a,4c間を結ぶ線分と、LED4aと自車両との車間距離を示す線分と、LED4cと自車両との車間距離を示す線分とで構成される実体側の三角形を想定し、{LED4a}と{LED4c}の距離を表す線分と、車載カメラ1の焦点距離を表す線分とで構成される実像側の三角形を想定する。
この後、距離演算部12は、想定した実体側の三角形と実像側の三角形との相似関係を利用して自車両と先行車両との車間距離(LED4a,4cと自車両との車間距離を示す線分)を算出する。
【0102】
また、走行状態検出部13は、点灯状態検出処理部11bから入力した高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報から、先行車両に関する情報提供用の各LEDの点灯状態が、どのような運転操作及び走行の状態を示しているかを判定する(ステップST11a)。例えば、走行状態検出部13には、図4〜6に示す情報コードが予め設定される。これにより、走行状態検出部13が、高輝度部分の内側のLED列の点灯状態を示す情報と情報コードとを照合して、先行車両の運転操作及び走行の状態を判別する。
【0103】
一方、点灯状態検出処理部11bは、ランプ部4の画像情報として抽出したK個の高輝度部分の画像について上述の処理を実行したか否かを判定する(ステップST12a)。ここで、K個の高輝度部分の画像のうち、未処理の画像があれば(ステップST12a;NO)、ステップST6aに戻り、次の高輝度部分の画像について上記処理を繰り返す。また、K個全ての高輝度部分の画像の処理が完了した場合(ステップST12a;YES)、先行車両に関する情報の取得処理を終了する。
【0104】
(2)距離モードの切り替えについて
例えば、図26(b)に示すように、自車両Aと先行車両Bの車間距離が大きく、自車両Aに搭載された車載運転支援装置9には、先行車両Bを対象とする遠距離モードが設定されていた場合を考える。実際の道路環境では、先行車両Bとの車間距離が大きい場合、図26(b)に示すように、割り込み車両Dが自車両Aの走行車線上に進入してくることが考えられる。この割り込み車両Dが、自車両Aの走行車線上の近距離モードに対応する距離範囲に進入した場合、遠距離モードでの車載カメラ1の視野角では当該車両Dが撮影範囲から漏れる可能性がある。従って、距離モードは固定的に設定するのではなく、所定の周期で切り替えることが望ましい。
【0105】
そこで、実施の形態7では、距離演算部12が、車輪速パルスを入力して自車両の車両走行速度をモニタし、自車両の車両走行速度に応じて距離モードを自動的に切り替える。ここでは、車両走行速度が速いほど車載カメラ1の視野角を狭くする。
例えば、近距離モードと遠距離モードの2モードで切り替えを行う場合、車両走行速度が、0〜40km/hから50km/hまでの速度範囲で近距離モード(広角度)とし、50km/h以上の速度範囲で遠距離モード(狭角度)とする。
また、距離モードの切り替えの速度範囲の閾値速度にヒステリシスを設ける。つまり、自車両の車両走行速度が近距離モードから遠距離モードの速度範囲になった場合、所定の時間だけ近距離モードに戻らないように、遠距離モードと判定する閾値速度にヒステリシス(閾値速度を下げる)を設ける。反対に、自車両の車両走行速度が遠距離モードから近距離モードになった場合においても、所定の時間だけ遠距離モードに戻らないように、近距離モードと判定する閾値速度にヒステリシスを設ける(閾値速度を上げる)。
近距離、中距離、遠距離の3モードの場合は、例えば、車両走行速度が、20km/hから30km/hまでの速度範囲で近距離モード(広角度)とし、30km/hから60km/hまでの速度範囲で近距離モード(中間角度)とし、70km/h以上の速度範囲で遠距離モード(狭角度)とする。この場合も同様に、距離モードの切り替えの速度範囲の閾値速度にヒステリシスを設ける。
【0106】
また、近距離モードと遠距離モードの2モードで切り替えを行う場合、遠距離モードが設定されているとき、周期的かつ一時的に近距離モードに切り替えてもよい。
図28は、実施の形態7における距離モードの切り替え例を示す図である。図28(a)では、例えば0.6秒間を一周期として遠距離モードを0.5秒間だけ継続し、その後に0.1秒間だけ一時的に近距離モードへ切り替える。このようにすることで、自車両の走行車線への急な割り込みがあっても、実施の形態7に係る車載運転支援装置9は、当該割り込み車両から提供される情報を得ることができる。
【0107】
また、先行車両との車間距離が大きくなるほど、車両の割り込みが発生しやすいことを考慮して、図28(b)に示すように距離モードを切り替えてもよい。
図28(b)では、図28(a)の遠距離モード及び近距離モードを設定する周期を、先行車両との車間距離に応じて変更する。すなわち近距離モードを設定する割合を大きくする(頻度を上げる)。例えば、距離演算部12により算出された車間距離が50m程度であれば、0.6秒間を一周期として遠距離モードを0.5秒間だけ継続し、その後に0.1秒間だけ一時的に近距離モードへ切り替える。続いて、車間距離が70m程度に広がった場合、一周期を0.4秒間として遠距離モードを0.3秒間だけ継続しその後に0.1秒間だけ一時的に近距離モードへ切り替える。このようにしても、割り込み車両から提供される情報を的確に取得することができる。
【0108】
以上のように、この実施の形態7によれば、車載カメラ1の視野角が変更可能であり、距離演算部12が、車載カメラ1の視野角に応じて自車両からの距離を区分した距離モードが設定されており、点灯状態検出処理部11bにより算出された所定のLED(例えばLED4a,4c)間の画像距離(画素間距離ベースのイメージセンサ上の画像(実像)間の距離)から車間距離への当該距離モードに応じて設定された換算係数を用いて、自車両と前記先行車両との車間距離を算出する。この構成において、特に車載カメラ1の視野角を自車両の車両走行速度に応じて変更して距離モードが切り替えたり、あるいは、所定の周期ごとに距離モードを切り替える。このように車載カメラ1の視野角(画角)に応じた距離モードを設定することで、先行車両の運転支援用車載点灯装置から的確に情報を得ることができる。
【0109】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 車載カメラ、2 ハイマウントランプ、3,3A〜3D 運転支援用車載点灯装置、4 ランプ部、5 LED駆動回路、6,6A〜6C 運転操作・走行状態検出部、7,7A〜7D LED制御部、8 制御信号、9 車載運転支援装置、10 前段処理部、11 画像処理部、11a ハイマウントランプ抽出処理部、11b 点灯状態検出部、12 距離演算部、13 走行状態検出部、14 運転支援判断処理部、14a 記憶部、15 音声発生部、16 操作力発生部、17 減速制御部、18 進行方向のGセンサ、19 車間距離センサ、20 車間距離演算部、21 運転状況検出部、22 電池・電源回路、23 車体装着部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の後方に向けて点灯する複数の発光素子からなる車載灯と、
前記自車両の運転操作及び走行の状態を検出する運転操作・走行状態検出部と、
車両の運転操作及び走行の状態を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記運転操作・走行状態検出部により検出された前記自車両の運転操作及び走行の状態に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御する制御部とを備えた運転支援用車載点灯装置。
【請求項2】
前記制御部は、所定の速度ごとに区分された車両の速度範囲を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記運転操作・走行状態検出部により検出された自車両の走行速度の前記速度範囲に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項3】
前記制御部は、アクセル操作及びブレーキ操作の状態を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記運転操作・走行状態検出部により検出された自車両のアクセル操作及びブレーキ操作の状態に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項4】
前記制御部は、エアーバッグの作動の有無を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記運転操作・走行状態検出部により検出された自車両でのエアーバッグの作動の有無に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項5】
自車両の進行方向の加速度を検出する加速度センサを備え、
前記運転操作・走行状態検出部は、前記加速度センサで検出された自車両の進行方向の加速度に基づいて、自車両の進行方向における加減速の状態を検出し、
前記制御部は、複数の段階に区分された車両の進行方向における加減速の状態を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記運転操作・走行状態検出部により検出された自車両の進行方向における加減速の状態の段階に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項6】
自車両と同じ車線を走行する先行車両を検出する先行車両センサを備え、
前記運転操作・走行状態検出部は、前記先行車両センサで検出された前記先行車両の検出情報に基づいて、自車両と同じ車線を走行する先行車両との車間距離を検出し、
前記制御部は、複数に区分された車間距離の範囲を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記運転操作・走行状態検出部により検出された前記車間距離の範囲に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項7】
自車両の後方に向けて点灯する複数の発光素子からなる車載灯と、
前記自車両の進行方向の加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサで検出された自車両の進行方向の加速度に基づいて、自車両の進行方向における加減速の状態を検出する検出部と、
複数に区分された車間距離の範囲を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記検出部により検出された前記車間距離の範囲に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御する制御部とを備え、
前記車載灯、前記加速度センサ、前記検出部及び前記制御部を一つの筐体に設けた運転支援用車載点灯装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記車載灯の複数の発光素子における所定の発光素子間の実距離を、当該車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、自車両の当該車載灯における前記所定の発光素子間の実距離に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項9】
前記車載灯は、外枠に沿って複数の発光素子を配置すると共に、当該外枠の内側に前記情報コードで点灯状態の対応付けがなされた発光素子を配置してなり、
前記制御部は、前記外枠に沿って配置された発光素子を、少なくとも前記車載灯の背景よりも高輝度で発光するように点灯を制御することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項10】
自車両の前方を撮影する車載カメラと、
前記車載カメラにより撮影された撮影画像から、先行車両に搭載された請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置の車載灯の画像を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記車載灯の画像から、当該車載灯の複数の発光素子の点灯状態を検出する点灯状態検出処理部と、
車両の運転操作及び走行の状態を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記点灯状態検出処理部により検出された前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応する前記先行車両の運転操作及び走行の状態を検出する先行車両状態検出部と、
前記先行車両状態検出部によって検出された前記先行車両の運転操作及び走行の状態に基づいて、予め設定した運転支援の内容を示す情報のうちから、運転者に提供すべき情報を選別し、当該選別した情報に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援判断処理部とを備えた車載運転支援装置。
【請求項11】
自車両と先行車両との車間距離を算出する距離演算部を備え、
前記点灯状態検出処理部は、
前記抽出部により抽出された請求項8記載の運転支援用車載点灯装置の車載灯の画像から当該車載灯の複数の発光素子の点灯状態を検出し、当該点灯状態を検出した複数の発光素子における所定の発光素子間の画像距離を算出し、
前記距離演算部は、
前記点灯状態検出処理部により算出された前記所定の発光素子間の画像距離と、車載灯の複数の発光素子における前記所定の発光素子間の実距離を当該車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、前記点灯状態検出処理部により検出された請求項8記載の運転支援用車載点灯装置の車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応する前記所定の発光素子間の実距離とを用いて、前記自車両と前記先行車両との車間距離を算出することを特徴とする請求項10記載の車載運転支援装置。
【請求項12】
前記抽出部は、前記車載カメラにより撮影された撮影画像を輝度レベルに関する閾値を用いて2値化画像に変換してから、輝度レベルの強弱を基に前記車載灯の画像を抽出することを特徴とする請求項10又は請求項11記載の車載運転支援装置。
【請求項13】
前記抽出部は、前記車載カメラにより撮影された撮影画像を自車両からの距離に応じた画像部分に区分し、各区分に対応する輝度レベルに関する閾値を用いて2値化画像に変換することを特徴とする請求項12記載の車載運転支援装置。
【請求項14】
前記抽出部は、自車両から所定の距離以上離れた画像部分については2値化処理を実行しないことを特徴とする請求項13記載の車載運転支援装置。
【請求項15】
外部からの前記輝度レベルに関する閾値の設定を受け付ける入力部を設けたことを特徴とする請求項12から請求項14のうちのいずれか1項記載の車載運転支援装置。
【請求項16】
前記車載カメラは、視野角が変更可能であり、
前記距離演算部は、前記車載カメラの視野角に応じて自車両からの距離を区分した距離モードが設定されており、前記点灯状態検出処理部により算出された前記所定の発光素子間の画像距離から車間距離への当該距離モードに応じて設定された換算係数を用いて、前記自車両と前記先行車両の車間距離を算出することを特徴とする請求項11記載の車載運転支援装置。
【請求項17】
前記車載カメラは、自車両の車両走行速度に応じて視野角が変更され、
前記距離演算部は、前記車載カメラの視野角の変更に応じて前記距離モードが切り替わることを特徴とする請求項16記載の車載運転支援装置。
【請求項18】
前記距離演算部は、前記車載カメラの視野角に応じて自車両からの距離を区分した距離モードを所定の周期ごとに切り替えることを特徴とする請求項16記載の車載運転支援装置。
【請求項19】
前記制御部は、複数に区分された車間距離の範囲を前記車載灯の複数の発光素子の点灯状態に対応付けた情報コードに基づいて、請求項11から請求項18のうちのいずれか1項記載の車載運転支援装置の距離演算部により算出された自車両と先行車両との車間距離の範囲に対応する点灯状態となるように、前記車載灯の複数の発光素子の点灯を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置。
【請求項20】
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の運転支援用車載点灯装置と、請求項10から請求項18のうちのいずれか1項記載の車載運転支援装置とを備えた運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−221303(P2012−221303A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87448(P2011−87448)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】