説明

運転支援装置、運転支援方法および運転支援装置用プログラム

【課題】音像の定位を利用して運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することができる運転支援装置を提供する。
【解決手段】車両の目標移動位置を設定する目標移動位置設定部10と、車両におけるハンドル4の現在のハンドル回転角度を取得するハンドル回転角度取得部11bと、そのハンドル回転角度に基づいて車両の予想移動位置を算出する予想移動位置算出部13と、目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいて現在のハンドル回転角度の修正量を算出するハンドル修正量算出部14と、そのハンドル回転角度の修正量に基づいてハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定する音像定位位置設定部15と、その制御に基づいてハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を生成する運転支援音声信号生成部16と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転に際し、音像の定位によって目標移動位置に誘導することにより運転者の負担を軽減する運転支援装置、運転支援方法および運転支援装置用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の運転支援装置として、運転席から見え難い車両周辺を車載カメラにより撮影し、車載モニタを通して目的とする目標移動位置に関する情報を運転者に提供する技術が提供されている。例えば、多くのナビゲーションシステムに組み込まれているハンドル連動式バックモニタ機能では、車庫入れ時等の車両後退時に、車載モニタ上にハンドルの回転角度に基づいて進行方向における軌跡を予測し表示することで、運転者のハンドル操作を支援している。
【0003】
また、車載の位置検出センサや車載カメラから、障害物などの運転の妨げとなる物体を検知し、その障害物のある方向を音像定位信号によって伝達したり、交差点における進行方向を同じく音像定位信号によってハンドル操作を促す技術も提案されている。運転者が得る視覚情報は情報量が多く、この中から必要な情報を運転者自らが判断する能力が必要となる。上記した音像定位信号を用いることで、運転者はこの視覚情報以外にも、聴覚情報によって過度な負担無く必要な情報を取得することができ、また注目すべき位置情報および緊急性を要する情報を得ることが可能である。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された運転支援装置では、車両と障害物の位置を車載センサから取得し、車両周囲の障害物又は目標移動場所との位置を車室内の音像定位位置によって運転者に伝達している。これにより、視線を頻繁に動かすことなく目標移動位置に誘導できる。
【0005】
また、特許文献2に記載された運転支援装置では、ナビゲーション装置における音声案内に加え、進行方向誘導情報を音像が定位する位置によって運転者に促すような音声信号を再生している。これにより、音声案内を聞き逃した場合でも、運転中に音像定位信号により進行方向を知覚させることができ、運転者が車載モニタ表示を確認することなく進路を選択して、運転動作の負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−294866号公報
【特許文献2】特開平7−57190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1,2に記載の運転支援装置では、音像定位信号によって車両の位置や進行方向を指示することはできても、実際にどの程度ハンドル操作するかまでは運転者に指示することは行っていなく、ハンドル操作は運転者の判断に任されていた。
【0008】
そのため、頻繁に車を運転する機会のある熟練運転者や、またはナビゲーションの使い方に慣れている運転者の場合には、車両の位置を自分の周囲かつ水平方向に定位する音像を頼りに、障害物の位置及び進行方向を認識し、状況に応じたハンドル操作を問題なく行えると考えられる。しかし、運転に不慣れな運転者や運転する機会が少ない運転者の場合には、車両の位置と目的とする進行方向を頭の中で理解できたとしても、音像や音声に基づいてハンドル操作を実際どの程度行うのかを的確に把握することは困難であった。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、音像の定位を利用して運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することができる運転支援装置、運転支援方法および運転支援装置用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の運転支援装置は、車両の目標移動位置を設定する目標移動位置設定部(11)と、前記車両におけるハンドル(4)のハンドル回転角度を取得するハンドル回転角度取得部(12)と、前記ハンドル回転角度に基づいて、前記車両の予想移動位置を算出する予想移動位置算出部(13)と、前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正量を算出するハンドル修正量算出部(14)と、前記ハンドル回転角度の修正量に基づいて、前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定する音像定位位置設定信号を生成する音像定位位置設定部(15)と、前記音像定位位置設定信号に基づいて前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を生成する運転支援音声信号生成部(16)と、を備えたことを特徴とする運転支援装置である。
ここで、前記目標移動位置設定部(11)は、車載カメラ(2)が撮影した映像情報を取得する映像情報取得部(11a)と、前記映像情報に基づいて前記目標移動位置を設定する映像目標移動位置設定部(11b)と、を備えるようにしても良い。
また、前記目標移動位置設定部(11)は、車載センサ(8)からセンサ信号を発信し、前記目標移動位置に予め設定されたセンサ応答機器(9)から前記センサ信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部(11c)と、前記応答信号に基づいて前記目標移動位置を設定するセンサ目標移動位置設定部(11d)と、を備えるようにしても良い。
また、前記ハンドル修正量算出部(14)は、前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正が必要であるか否かを判断し、前記ハンドル回転角度の修正が必要であると判断した場合、前記差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正に必要な前記ハンドル回転角度の回転方向と回転量とを、前記ハンドル回転角度の修正量として算出し、前記音像定位位置設定部(15)は、前記ハンドル修正量算出部(14)によって算出された前記ハンドル回転角度の修正量としての前記ハンドル回転角度の回転方向に基づいて音像定位位置の移動方向を設定すると共に、前記ハンドル回転角度の回転量に基づいて音像定位位置の移動距離、移動回数または移動速度のいずれかを設定する、ようにしても良い。
また、前記運転支援音声信号生成部(16)は、前記音像定位位置設定部(15)からの前記音像定位位置設定信号に基づいて、前記ハンドル(4)の形状に沿った配置された3つ以上のスピーカー(61〜63)から前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を生成する、ようにしても良い。
また、前記運転支援音声信号生成部(16)は、前記音像定位位置設定部(15)からの前記音像定位位置設定信号に基づいて、前記ハンドル(4)の両側に配置された2台のスピーカー(64,65)への運転支援音声信号に頭部伝達関数を通して畳み込み、2チャンネルの音声信号により前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動するように運転支援音声信号を出力する、ようにしても良い。
また、前記課題を解決するため、本発明の運転支援方法は、車両の目標移動位置を設定するステップと、前記車両におけるハンドル(4)のハンドル回転角度を取得するステップと、前記ハンドル回転角度に基づいて、前記車両の予想移動位置を算出するステップと、前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正量を算出するステップと、前記ハンドル回転角度の修正量に基づいて、前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定するステップと、前記音像定位位置の設定に基づき前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を生成するステップと、を有することを特徴とする運転支援方法である。
また、前記課題を解決するため、本発明の運転支援装置用プログラムは、コンピュータに、車両の目標移動位置を設定するステップと、前記車両におけるハンドル(4)のハンドル回転角度を取得するステップと、前記ハンドル回転角度に基づいて、前記車両の予想移動位置を算出するステップと、前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正量を算出するステップと、前記ハンドル回転角度の修正量に基づいて、前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定するステップと、前記音像定位位置の設定に基づき前記ハンドル(4)の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を生成するステップと、を実行させるための運転支援装置用プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る運転支援装置、運転支援方法および運転支援装置用プログラムによれば、音像の定位を利用して運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る運転支援装置の実施形態1の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る運転支援装置の実施形態1の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る運転支援装置の実施形態1におけるスピーカーの配置例および音像定位位置の移動例を示す図である。
【図4】図4(a)〜(d)は、それぞれ、本発明に係る運転支援装置の実施形態1における音像定位位置の移動の設定と、ハンドルの回転方向及び回転量との関係を示す図である。
【図5】(a)〜(c)、それぞれ、縦列駐車におけるS字を描きながら目標移動位置へ移動する際の車両とハンドルの軌跡の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る運転支援装置の実施形態2におけるスピーカーの配置および擬似音像定位再生を実現する実際のスピーカーと仮想配置スピーカーの関係を示す図である。
【図7】本発明に係る運転支援装置の実施形態2における擬似音像定位再生を処理する音声出力制御部の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る運転支援装置の実施形態3の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る運転支援装置の実施形態3における位置情報取得センサ及びセンサ応答機器とによる三角測量の様子を示す図である。
【図10】本発明に係る運転支援装置の実施形態3の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る運転支援装置、運転支援方法および運転支援装置用プログラムは、車両の予想移動位置と目標移動位置とが一致しない場合には、ハンドルの回転方向及び回転量の修正量を算出して、このハンドルの回転方向および回転量の修正量を、ハンドルに沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を用いて運転者に的確かつ直感的に伝えることにより、運転者の負荷を軽減するものである。
【0014】
これは、初心者や車庫入れに不慣れな運転者は、ハンドルの操作と車両が描く軌跡や予想される進行方向を結びつけることが困難で、端的に言えば目標とする位置に車両を進めるために、ハンドルを右に切るのか左へ切るのか、どれだけ回転すれば良いのかが解からないと考えられるからである。このような運転者に対し、例えば、これまでのナビゲーションシステムの音声案内のように、「右に回して下さい」、「左へ回して下さい」と伝達したとしても、運転者はこの情報を明確に理解し支障なく運転ができるようになるとは考えにくい。また、車両後方の映像情報を映し出す車載モニタに捕らわれ、注視し過ぎることは車両周囲の状況を的確に把握できないおそれがある。
【0015】
そのため、本発明に係る運転支援装置、運転支援方法および運転支援装置用プログラムでは、ハンドルに沿って移動する運転支援音声信号を用いて、ハンドルの回転方向および回転量の修正量を運転者に対し直感的にハンドル操作を連想させるように運転支援するものである。
【0016】
なお、ハンドルに沿って移動する運転支援音声信号を生成する方法としては、簡単な方法は、後述する実施形態1のようにハンドルの形状に沿ってスピーカーを3台以上配置することである。しかし、実施形態2のように2台のスピーカーを用いた音像定位処理等を利用しても勿論よく、これら複数のスピーカーから運転支援音声信号を順次再生することで運転支援音声信号の音像定位位置の移動を実現することができる。
【0017】
次に、本発明に係る運転支援装置の実施形態1〜3について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
【0018】
まず、本発明に係る運転支援装置の実施形態1について説明する。実施形態1の運転支援装置は、車載カメラからの映像情報に基づいて目標移動位置を設定する運転支援装置である。
【0019】
図1に示すように、本発明に係る実施形態1の運転支援装置1は、車載カメラ2およびハンドル回転角度出力部3と接続されており、車載カメラ2から車載カメラ映像信号を入力する一方、ハンドル回転角度出力部3からハンドル4の操舵角を示すハンドル回転角度信号を入力するように構成されている。なお、車載カメラ2からの車載カメラ映像信号は、車載モニタ7へも出力されて、車載モニタ7にて車載カメラ2が撮影した車両周辺の映像情報が表示される。
【0020】
また、図1に示すように、本発明に係る実施形態1の運転支援装置1は、複数台(ここでは、説明の便宜上、3台とする。)のスピーカー61〜63と接続されており、これらのスピーカー61〜63に対し、後述するようにハンドル4の形状に沿って、ハンドルの回転方向に音像定位位置が移動するような運転支援音声信号を出力して、運転者に対し具体的なハンドル操作を指示する。ここで、実施形態1の運転支援装置1では、スピーカー61〜63は、説明の便宜上、3台として説明するが、後述する実施形態2の運転支援装置のように2台でも、さらには、4台以上あっても勿論よい。
【0021】
そして、本実施形態1の運転支援装置1は、図1に示すように、目標移動位置設定部11と、ハンドル回転角度取得部12と、予想移動位置算出部13と、ハンドル修正量算出部14と、音像定位位置設定部15と、運転支援音声信号生成部16とを有しており、目標移動位置設定部11は、映像情報取得部11aと、映像目標移動位置設定部11bとから構成されている。なお、運転支援装置1を構成するこれらの各構成要素の機能や処理等は、動作例のところで説明する。
【0022】
次に、図1に示す実施形態1の運転支援装置1の動作例について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0023】
先ず、目標移動位置設定部11の映像情報取得部11aは、車両に取り付けられた車載カメラ2から出力される車載カメラ映像信号に基づいて、当該車両周辺の映像情報を取得する(ステップS201)。ここで、車載カメラ2は、運転席から見難い車両周辺を撮影できるように、車両の後部や、側部、前部のバンパー等のいずれかの場所一箇所以上設けられている。なお、運転が不慣れな人が陥り易いのは、後方運転を伴う車庫入れ時のハンドル操作である。従って、既に市場で運用されている多くの車両がそうであるように、カーナビゲーション装置等の車載モニタ7は、車両後部に設置された車載カメラ2からの映像を表示しているものとし、本動作は車庫入れを行う状況を想定した処理を一例に説明する。
【0024】
また、車載カメラ2が撮影した当該車両周辺の車載カメラ映像信号は、車載モニタ7へも出力され、車載モニタ7にて当該車両周辺の映像情報として表示される。ここで、車載モニタ7に表示される映像情報の縮尺は、車載カメラ2の仕様や、車載カメラ2の設置角度や設置位置、車両後部または車載カメラ2から目標移動位置までの距離等の各種要素に従って変化して、常に駐車位置等の目標移動位置が表示されるように変化する。
【0025】
そして、運転者が車載モニタ7に表示された車両周辺の映像情報を参照して当該車両の停車または駐車を希望する目標地点を指定する。すると、目標移動位置設定部11の映像目標移動位置設定部11bは、その車載モニタ7に表示された車両周辺の映像情報に基づいて運転者によって指定された目標地点を、目標移動位置として設定する(ステップS202)。
【0026】
ここで、映像目標移動位置設定部11bが目標地点を目標移動位置として設定する方法としては、例えば、車載モニタ7がタッチパネルであれば、運転者が車載モニタ7に表示された車両周辺の映像情報において目標地点をタッチ等すると、目標移動位置設定部11がその指定ポイントを検出して、目標移動位置として設定する。また、車載モニタ7に表示された車両周辺の映像情報上にハンドル4に連動するマーカー等を表示し、運転者がハンドル4を操作することで目標地点をマーカー等と一致させ、映像目標移動位置設定部11bは目標移動位置を設定することもできる。また、日常的に駐車するような自宅あるいは契約駐車場の場合、映像目標移動位置設定部11bは、予め指定された駐車位置の映像情報を記憶しておき、その記憶しておいた駐車位置の映像情報と、車載カメラ2が撮影した映像情報とをパターンマッチング等の一般的な画像分析技術を用いて認識し、運転者が指定することなく目標移動地点を設定するようにしても良い。このようにすれば、運転者は、少なくとも最初の1回だけの目標移動位置を指定すれば十分となる。またさらには、映像目標移動位置設定部11bは、車載カメラ2が撮影した映像情報を画像処理して、その映像情報に表示されている駐車位置を示す白線や黄線等の駐車誘導ライン等を画像認識して、自動的にその駐車誘導ライン等を目標移動位置として設定するようにしても良い。このようにすれば、映像情報に駐車誘導ライン等が表示されていれば、運転者は目標移動位置の指定は不要となる。このように、映像目標移動位置設定部11bは、いずれにしても映像情報から目標移動位置を設定可能であれば良い。
【0027】
次に、シフトレバーがバックギアに入る等して、車両が後進動作に入ると、ハンドル回転角度取得部12は、ハンドル回転角度出力部3から出力されるハンドル回転角度信号を入力して、現在のハンドル4のハンドル回転角度を取得し(ステップS203)、予想移動位置算出部13およびハンドル修正量算出部14へ出力する。
【0028】
すると、予想移動位置算出部13は、ハンドル回転角度取得部12からのハンドル回転角度に基づいて、現在のハンドル回転角度で進行した場合、車両が移動すると予想される位置を予想移動位置として算出して(ステップS204)、ハンドル修正量算出部14へ出力する。ここで、予想移動位置算出部13における予想移動位置の算出は、現在のハンドル回転角度の場合に予想される予想進路を車載モニタ7上に表示する、いわゆるハンドル連動型車載モニタ表示と呼ばれる方式等、公知の方式を利用すればよい。
【0029】
目標移動位置設定部11から当該車両の目標移動位置と、予想移動位置算出部13から当該車両の予想移動位置とが入力されると、ハンドル修正量算出部14は、まずは、その目標移動位置と予想移動位置との差分を求める(ステップS205)。
【0030】
次に、ハンドル修正量算出部14は、求めた目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいて、ハンドル回転角度を修正する必要があるか否かを判断する(ステップS206)。
【0031】
ここで、ハンドル修正量算出部14は、予想移動位置と目標移動位置とが一致していて、目標移動位置と予想移動位置との差分が0、あるいは0とみなせる値であれば、ハンドル4の修正不要と判断して(ステップS206“YES”)、その判断結果を音像定位位置設定部15へ出力する。
【0032】
すると、ハンドル修正量算出部14によってハンドル回転角度を修正する必要なしと判断された場合には(ステップS206“YES”)、既に現在のハンドル回転角度は的確なハンドル回転角度にあり、予想移動位置と目標移動位置とが一致しているといえる。よって、音像定位位置設定部15は、音像定位位置を前方固定のまま設定する音声定位位置設定信号を出力する(ステップS207)。なお、この場合、既に現在のハンドル回転角度は的確なハンドル回転角度にあり、ハンドル回転角度を修正する必要がないので、音像定位位置設定部15は、音声定位位置設定信号を出力しないようにしても勿論良い。すると、音声定位信号生成部16は、音像定位位置設定部15からの前方固定の音声定位位置設定信号等に基づいて、運転者に、現在のハンドル4の回転角度は的確な回転角度にあるということを報知する。例えば、音像定位することなく、スピーカー61〜63から的確なハンドル回転角度であることを示す音声を再生したり、または既に一般的に車両に備わっている報知音や、“このままのハンドル回転角度で後退して下さい。”等の音声メッセージを再生するように運転支援音声信号を生成すればよい。
【0033】
これに対し、ハンドル修正量算出部14は、目標移動位置と予想移動位置との差分が0あるいは0とみなせる値以外の値である場合には、ハンドル4の修正必要ありと判断して(ステップS206“NO”)、目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいて、その差分が0になるように、すなわち予想移動位置と目標移動位置とが一致するように、ハンドル4の回転方向及び回転量の修正量を算出して(ステップS208)、音像定位位置設定部15へ出力する。
【0034】
ここで、通常、車載カメラ2は固定カメラであり、また常識的に平らな地面に対して車両を駐車し、ハンドル4の回転量に対する車両の予測経路が予測できる。これらを考慮すると、ハンドル修正量算出部14は、車載モニタ7に表示された映像情報上における車両に対する目標移動位置の位置および距離や、予想移動位置と目標移動位置との間の位置および距離等を簡単な算術式に入力することにより、ハンドル4の回転方向及び回転量の修正量を簡単に算出することができる。例えば、ハンドル修正量算出部14は、車載モニタ7に表示された映像情報上の水平ラインの縦方向の間隔から車両と目標移動位置との間の前後方向の距離を求めることができる。また、車載モニタ7に表示された映像情報上の垂直ラインの横方向の間隔から車両と目標移動位置との間の横方向の距離が決まる。ハンドル修正量算出部14は、この前後方向および横方向の二つの距離と、車両の大きさ、タイヤ間の間隔等からハンドル4の回転量を求めることができる。なお、ハンドル修正量算出部14は、映像情報上における車両に対する目標移動位置の位置および距離や、予想移動位置と目標移動位置との間の位置および距離等は、ハンドル修正量算出部14が車載モニタ7に表示された映像情報上における座標位置から算出する。
【0035】
このように、実施形態1の運転支援装置1では、目標移動位置設定部11における目標移動位置設定の段階で、ハンドル4が既に適したハンドル回転角度になっている場合は、予想移動位置と目標移動位置とが一致しているので、ハンドル回転角度の修正は行わない。これに対し、予想移動位置と目標移動位置とが一致していない場合は、ハンドル修正量算出部14は、予想移動位置と目標移動位置との差分に基づいて、目標移動位置と予想移動位置との差分が0になるようにハンドル4の回転方向及び回転量の修正量を算出して、ハンドル回転角度を修正させる。
【0036】
そして、音像定位位置設定部15は、ハンドル修正量算出部14からのハンドル4の回転方向及び回転量の修正量に基づいて、ハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定し、その音像定位位置を指示する信号である音像定位位置設定信号を生成して運転支援音声信号生成部16へ出力する(ステップS209)。ここで、実施形態1の運転支援装置1の例では、後述する図3に示すようにハンドル4の形状に沿って配置した3台のスピーカー61〜63により、ハンドルの回転方向に音像定位位置が移動する音声を再生する。このため、音像定位位置設定部15は、3台のスピーカー61〜63の再生順序と、スピーカー61〜63における再生音声の移動距離や、単位時間辺りの移動回数、移動速度、さらには再生出力(音の大きさ)等のいずれかを制御して、音像定位位置がハンドル4に沿って、ハンドルの回転方向に移動するように音像定位位置設定信号を生成する。なお、音像定位信生成部16によるスピーカー61〜63の再生順序や、音像定位の移動距離等の制御については、後述する図4にて説明する。
【0037】
すると、運転支援音声信号生成部16は、音像定位位置設定部15からの音像定位位置設定信号に基づいて、ハンドル4の形状に沿って音像定位位置が実際に移動するような運転支援音声信号を生成して、スピーカー61〜63へ出力する(ステップS210)。
【0038】
すると、スピーカー61〜63は、運転支援音声信号生成部16からの運転支援音声信号に基づいて、音像定位位置が移動する運転支援音声信号を再生して(ステップS210)、運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することが可能となる。なお、3台のスピーカー61〜63が再生する運転支援音声信号は予め生成し音源データとして蓄積しておいた信号で良い。
【0039】
ここで、運転支援音声信号生成部16は、ハンドル修正動作が必要な間は、継続的に運転支援音声信号を出力する。なお、運転者が周囲状況の確認のため頭部を一時的に傾けたとしても、正面を向く事により直ちに運転支援音声信号の音像定位の移動を認識できるため、頭の向きに従った補正は必要ない。運転者がハンドル操作を促され、的確な位置にハンドル4を操作すれば運転支援音声信号はある一点、例えば、運転者の前方に定位し、それ以上の操作が必要でないことを報知する。
【0040】
また、ハンドル回転角度には限界、すなわち車両固有の最小回転半径がある。ハンドル回転角度の限界を超える回転角度を必要とする場合、運転支援音声信号生成部16は、スピーカー61〜63に対し警告音を発するように指示を出力して、再度、運転者に再設定を求める。これにより、周囲の障害物との衝突が回避され、目標とする停車位置とのズレが抑制される。なお、この指示は、例えば、ハンドル修正量算出部13にて行うようにしても良い。
【0041】
そして、本実施形態1の運転支援装置1では、例えば、ハンドル修正量算出部14や音像定位位置設定部15等において車両が目標移動位置に到達するか否かを判断する(ステップS211)。車両が目標移動位置に到達するまで(ステップS211“NO”)、以上のようなステップS203〜ステップS210の処理を繰り返し実行する。
【0042】
これに対し、ハンドル修正量算出部14や音像定位位置設定部15等において車両が目標移動位置に到達したと判断された場合には(ステップS211“YES”)、本実施形態1の運転支援装置1では、以上説明した音像定位位置の移動により運転支援処理を終了する。
【0043】
以上のように本実施形態1の運転支援装置1では、車両の目標移動位置と予想移動位置との間の差分に基づいてハンドルの修正が必要と判断された場合には、スピーカー61〜63からハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を再生する。これにより、ハンドル4の回転方向と回転量の修正量を運転者に指示して、音像定位位置の移動により運転支援を行う。その結果、本実施形態1の運転支援装置1によれば、運転が不慣れな運転者にとって非常に難しいとされる車庫入れや縦列駐車の際であっても、前述の運転支援音声信号の音声を参照することにより、運転者は、直感的なハンドル操作の動きを把握することができる。これにより、運転者は、車載モニタ7に必要以上に注視することなく、車両周囲の状況確認に意識を向け易くなることで、安全かつ的確な運転動作を行うことができるようになる。
【0044】
図3は、実施形態1の運転支援装置1に接続されたスピーカー61〜63の配置例および音像定位位置の移動例を示す図である。
【0045】
一般的に、音像定位を行う場合には、スピーカーの設置数が多いほど、明確な音像定位感を得ることができる。実施形態1の運転支援装置1の例では、説明の便宜上、例えば、図3に示すように、スピーカー61〜63の配置数を3台にした三角配置の一例を示している。
【0046】
ここでは、ハンドル4を矢印Aに示すように図上左側(図上反時計回り)へ回転させることを運転者に指示する場合を例示している。音像定位位置設定部15は、音像定位位置が矢印Aに示すような軌跡を描くように順次図上左側(図上反時計回り)へ移動、すなわちスピーカー63→スピーカー62→スピーカー61の順に音声を再生させるように音像定位位置を設定する。勿論、ハンドル4を図上右側(図上時計回り)へ回転させることを指示する場合には、音像定位位置設定部15は、音像定位位置を矢印Aとは逆方向の軌跡を描くように移動させて、スピーカー61→スピーカー62→スピーカー63の順に音声を再生させるように音像定位位置を設定する。なお、図2のステップS207において音像定位位置を前方固定に設定する場合、音像定位位置設定部15は、例えば、両端のスピーカー61,63から再生する音源(モノラル音源)のパワー比等を一定にすることによって、音像定位位置を前方固定に設定することができる。
【0047】
図4(a)〜(d)は、それぞれ、実施形態1の音像定位位置設定部15による音像定位位置の移動動作と、ハンドル4の回転方向及び回転量との関係を示す図である。
【0048】
図4(a)は、ハンドル4の形状に沿って再生する音像定位の移動方向により、ハンドル4の回転方向を示す場合の一例を示している。つまり、音像定位位置設定部15は、ハンドル修正量算出部14からのハンドル修正量に基づいて、音像定位位置を移動させることにより、ハンドル4の回転方向を示す。図上左側(図上反時計回り)へのハンドル4の回転方向を指示する場合には、矢印Bに示すように、ハンドル4の形状に沿って図上左側(図上反時計回り)へ音像定位位置を移動させることにより、ハンドル4の回転方向を示す。これに対し、図上右側(図上時計回り)へのハンドル4の回転方向を指示する場合には、矢印Cに示すように、ハンドル4の形状に沿って図上右側(図上時計回り)へ音像定位位置を移動させることにより、ハンドル4の回転方向を示す。
【0049】
このように、運転支援音声信号の音像定位位置の移動により、反時計回り或いは時計回りにハンドル4を回転させる動作を運転者に促すことができるが、ハンドル4の回転方向を促がすだけでは、不十分である。つまり、ハンドル4の回転方向だけでなく、更にはハンドル4の回転量を情報として提供する必要がある。
【0050】
そこで、音像定位位置設定部15は、ハンドル4の回転量を、例えば、図4(b)に示すように運転支援音声信号の移動距離、または図4(c)に示すように単位時間当たりにおける運転支援音声信号の移動回数(再生回数)、または図4(d)に示すように運転支援音声信号の移動速度等のいずれかの方法を用いて設定する。なお、図4(b)〜(d)は、それぞれ、ハンドル4を図上左側(図上反時計回り)へ回転させる場合におけるハンドル回転量の大小を、音像定位位置の設定により表す場合を例示しており、ハンドル4を図上右側(図上時計回り)へ回転させる場合も同じである。また、図4(b)〜(d)では、例えば、最も簡単な区分である、ハンドル4の回転量が例えば「大」と「少」で分類した場合の音像定位位置の設定を示している。
【0051】
例えば、図4(b)は、ハンドル4の形状に沿って音像定位位置の始点と終点との距離を変えてハンドル4の回転量の大小を表す場合の一例を示している。この場合、音像定位位置設定部15は、ハンドル修正量算出部14からのハンドル回転角度の回転量の修正量に基づいて、ハンドル4の回転量が大の場合には、矢印Dに示すように、ハンドル4の形状に沿って始点から終点までの音像定位位置の移動距離が長くなるように音像定位位置を設定する。一方、ハンドル4の回転量が小の場合には、矢印Eに示すように、ハンドル4の形状に沿って始点から終点までの音像定位位置の移動距離が短い音像定位位置を設定する。
【0052】
図4(c)は、ハンドル4の形状に沿ってスピーカー61〜63から断続的に再生される運転支援音声信号の単位時間当たりの移動回数によりハンドル4の回転量の大小を表す場合の一例を示している。つまり、音像定位位置設定部15は、ハンドル修正量算出部14からのハンドル回転角度の回転量の修正量に基づいて、ハンドル4の形状に沿ってスピーカー61〜63から断続的に再生する音像定位位置が移動する運転支援音声信号の単位時間当たりの移動回数を変化させる。例えば、ハンドル4の回転量が大の場合には、矢印Fに示すように、ハンドル4の形状に沿ってスピーカー61〜63から断続的に再生する運転支援音声信号の単位時間当たりの移動回数が大になるように音像定位位置を設定する。一方、ハンドル4の回転量が小の場合には、矢印Gに示すように、ハンドル4の形状に沿ってスピーカー61〜63から断続的に再生する運転支援音声信号の単位時間当たりの移動回数が小なるように音像定位位置を設定する。つまり、図4(c)の例による場合、ハンドル4の回転量が大の場合には、ハンドル4の形状に沿って断続的に音声出力間隔の短い運転支援音声信号が再生される一方、ハンドル4の回転量が小の場合には、ハンドル4の形状に沿って断続的に音声出力間隔の長い運転支援音声信号が再生されることになる。なお、図4(c)に示す矢印F,Gの太さにより、断続的に再生する運転支援音声信号の単位時間当たりの移動回数の大小を示している。
【0053】
図4(d)は、ハンドル4の形状に沿って再生する運転支援音声信号の移動速度によりハンドル4の回転量の大小を表す場合の一例を示している。つまり、音像定位位置設定部15は、ハンドル修正量算出部14からのハンドル回転角度の回転量の修正量に基づいて、ハンドル4の形状に沿って再生する運転支援音声信号の移動速度を変化させる。例えば、ハンドル4の回転量が大の場合には、矢印Hに示すように、ハンドル4の形状に沿って再生する運転支援音声信号の移動速度が大になるように音像定位位置を設定する。一方、ハンドル4の回転量が小の場合には、矢印Iに示すように、ハンドル4の形状に沿って再生する運転支援音声信号の移動速度が小になるように音像定位位置を設定する。なお、図4(d)に示す矢印H,Iの太さにより、断続的に再生する運転支援音声信号の移動速度の大小を示している。その他、運転支援音声信号生成部16は、ハンドル4の形状に沿って再生する運転支援音声信号の再生音量等によりハンドル4の回転量の大小を表すようにしても勿論良い。
【0054】
図5(a)〜(c)は、それぞれ、縦列駐車におけるS字を描きながら移動する車両の軌跡と、その際のハンドル操作を示す図である。
【0055】
図5(a)〜(c)に示すように、縦列駐車の場合、車両100はS字を描きながら後進する必要がある。このような動作を把握するために、目標移動位置設定の段階で縦列駐車であることを運転者が設定することで、車両100がS字を描く後進動作をするよう制御することができる。なお、車両100後部以外の車載カメラ2や障害物検知センサから縦列駐車が必要な状況を自動的に判断しても良い。
【0056】
つまり、縦列駐車の場合、まず、図5(a)に示す状態で、運転者が周囲の障害物と目標移動位置を把握して手動設定若しくは自動設定する。そして、図5(a)に示すアプローチの段階では、ハンドル4を大きく矢印J方向の図上左側(図上反時計周り)方向に切り、図5(b)に示す中間段階では、ハンドル4を逆に、すなわち矢印K方向の図上右側(図上時計周り)方向に切り返す。そして、図5(c)に示す最終段階では、ハンドル4を矢印M方向の最初の状態に少し戻すことにより、車両100の方向を正す。このように縦列駐車は、初心者には混乱し易い状況である。
【0057】
しかし、実施形態1の運転支援装置1では、前述の図4(a)〜(d)に示すように、音像定位位置設定部15がハンドル4の回転方向および回転量の修正量を、音像定位位置の移動方向とその音像定位位置の移動距離等により設定した音像定位位置設定信号を出力し、運転支援音声信号生成部16がその音像定位位置設定信号に基づいて音像定位位置がハンドル4に沿って移動する運転支援音声信号を生成してスピーカー61〜63へ出力する。このため、スピーカー61〜63から運転者に対し直感的なハンドル操作の音声情報を提示することができる。
【0058】
従って、実施形態1の運転支援装置1によれば、ハンドル修正量算出部14が目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいてハンドル4を修正する必要があると判断した場合、その差分に基づいてハンドル4の回転方向および回転量の修正量を算出する。そして、音像定位設定部15がそのハンドル4の回転方向および回転量の修正量に基づいて、ハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する音像定位位置を設定した音像定位位置設定信号を出力し、運転支援音声信号生成部16がその音像定位位置設定信号に基づいてハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力する。その結果、本実施形態1の運転支援装置によれば、ハンドル4の形状に沿って、ハンドル4の回転方向および回転量の修正量に基づいて音像定位位置が移動する運転支援音声信号がスピーカー61〜63から発せられる。このため、運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することができ、運転が不慣れな運転者や運転する機会が少ない運転者に対し、車庫入れ時や縦列駐車時等における複雑な運転動作の負担を軽減することがすることができる。
【0059】
特に、実施形態1の運転支援装置1では、目標移動位置設定部10は、目標移動位置を映像情報として取得する映像情報取得部11aと、その映像情報に基づいて運転者が設定した位置を、目標移動位置として設定する目標移動位置設定部11とを備える。これにより、車載カメラ2が撮影し車載モニタ7に表示される車両周辺の映像情報を参照して、運転者が望む停車位置を目標移動位置として簡単に設定することができる。
【0060】
また、実施形態1の運転支援装置1では、ハンドル4の形状に沿った円状の位置に3台のスピーカー61〜63を配置し、運転支援音声信号生成部16がその3台のスピーカー61〜43に対し音像定位の設定に基づいてハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力するようにした。これにより、運転者に対し具体的なハンドル操作を確実かつ簡単に指示することが可能となる。
【0061】
また、実施形態1の運転支援装置1では、車両の目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいてハンドル回転角度の修正量を取得し、ハンドル4の回転方向に沿って移動する音像定位位置の移動方向によりハンドル4の回転方向を示すと共に、運転支援音声信号の移動距離や、単位時間当たりの移動回数、移動速度等により、ハンドル4の回転量を示す。これにより、運転者に対し具体的なハンドル操作を確実かつ簡単に指示することが可能となる。
(実施形態2)
【0062】
次に、実施形態2の運転支援装置1’について説明する。実施形態2の運転支援装置1’では、運転支援装置1’にスピーカーが2台しか接続されていない場合でも、ハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する音像定位位置を設定できるようにした形態である。なお、2台のスピーカーを用いて音像定位の移動方向によってハンドル4の回転方向および回転量の修正量を伝達するには、様々な方法がある。例えば、仮想配置スピーカーからの再生信号を畳み込み演算によってその都度運転支援音声信号を生成したり、予め畳み込み信号処理した2チャンネル分の信号を再生しても良い。
【0063】
図6は、実施形態2の運転支援装置1’におけるスピーカーの配置および擬似音像定位再生を実現する実際のスピーカーと仮想配置スピーカーの関係を示す図である。
【0064】
車室内ではスピーカーの設置条件に制約があり、実施形態1の運転支援装置1のようにハンドル4の形状に沿った3つ以上の複数のスピーカー61〜63を配置することが困難な場合がある。例えば、運転席フロントパネル付近に水平に2台のスピーカー64,65を設置した場合について説明する。この場合、理想配置されたスピーカーからの音響特性を予め測定した上で、この2台のスピーカー64,65に畳み込み処理をすることにより、理想配置されたスピーカーからあたかも再生しているかのような感覚を与えることができる。例えば、一般的な頭部伝達関数によるフィルタリングを基に実行する公知の音響バーチャル信号処理の技術を応用することができる。具体的には、オーディオのマルチチャンネル信号を視聴者前方の少なくとも2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)によって、例えば、5台配置した仮想配置スピーカーSP1〜SP5による擬似サラウンド再生を行う。これにより、理想配置された5台のスピーカーSP1〜SP5からあたかも再生しているかのような感覚を与えることができる。
【0065】
図7は、図6に示すような仮想配置スピーカーSP1〜SP5からの音源を、実際に設置された2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)から擬似的に再生する運転支援音声信号生成部16’の構成例を示すブロック図である。なお、実施形態2の運転支援装置1’では、運転支援音声信号生成部16’以外の構成は、スピーカーが2台であることを除き、図1に示す実施形態1の運転支援装置1と同じである。
【0066】
図7に示すように、実施形態2の運転支援音声信号生成部16’は、音像定位位置設定部15からの音像定位位置設定信号に基づいて仮想配置スピーカーSP1〜SP5への仮想入力信号SP1信号〜SP5信号を生成する仮想信号生成部160と、5台の仮想配置スピーカーSP1〜SP5毎に、左右両一対の頭部伝達関数処理部161L(Fil_SP1_L),161R(Fil_SP1_R)〜165L(Fil_SP5_L),165R(Fil_SP5_R)と、畳み込み処理部166L,166Rとを有している。
【0067】
頭部伝達関数処理部161L(Fil_SP1_L),161R(Fil_SP1_R)〜165L(Fil_SP5_L),165R(Fil_SP5_R)は、それぞれ、いわゆる頭部伝達関数によって仮想入力信号SP1信号〜SP5信号を演算処理する公知の演算処理部であって、図6に示すように配置された仮想配置スピーカーSP1〜SP5から再生される音声信号と等価となる擬似音声信号を、2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)にて再現する。具体的には、それぞれ左耳用と右耳用のLとRのフィルタを備え、それらが仮想配置スピーカーSP1〜SP5分だけ用意されている。なお、各々の頭部伝達関数は、仮想配置スピーカーSP1〜SP5から再生された基準信号を、運転者頭部の耳朶部分で収音し、同じく実際に設置される2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)から再生された基準信号との音響的な伝達特性の差を補正する機能を有するものであり、例えば、FIRフィルタのようなフィルタリング処理を施すことで実現される。
【0068】
そして、実施形態2の運転支援音声信号生成部16’では、畳み込み処理部166L,166Rが、それぞれ、頭部伝達関数処理部161L(Fil_SP1_L),161R(Fil_SP1_R)〜165L(Fil_SP5_L),165R(Fil_SP5_R)からの出力信号を、運転支援音声信号であるSP_L信号またはSP_R信号に畳み込む。これにより、擬似的に5チャンネル相当の運転支援音声信号であるSP_L信号またはSP_R信号を生成して、2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)に出力する。よって、2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)でも、理想配置された5台の仮想配置スピーカーSP1〜SP5により音像定位位置を移動させた運転支援音声信号の擬似サラウンド再生を行うことができる。
【0069】
ここで、実施形態2の運転支援装置1’の場合、音像定位位置が移動する運転支援音声信号は、多くともハンドル4を一周する情報量分あれば良く、効果としてハンドル4上部に位置する音源データで十分である。また回転方向も一方向で、逆回転の場合は左右のチャンネルを入れ替えて再生することで制御可能である。但し、車室内音響特性を考慮し、より現実感を得るためには回転方向別に音源データを持つ方が良い。このように常に仮想配置スピーカー分の複数の音源から畳み込み処理しなくとも、予め運転支援音声信号を持つことで、運転支援音声信号を生成できる。
【0070】
従って、本実施形態2の運転支援装置1’では、実施形態1の運転支援装置1と同様に、目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいてハンドル4の回転方向および回転量の修正量を算出する。そして、その修正量に基づきハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力して、運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することができる。その結果、本実施形態2の運転支援装置1’によれば、実施形態1の運転支援装置1と同様に、運転が不慣れな運転者に対し車庫入れ時や縦列駐車時等における複雑な運転動作の負担を軽減することがすることができる。
【0071】
特に、本実施形態2の運転支援装置1’では、車両の運転席の両側に配置された2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)を利用して、図7に示すように構成された運転支援音声信号生成部16’がその車両の運転席の両側に配置された2台のスピーカー64(SP_L),65(SP_R)への出力信号に頭部伝達関数を通して畳み込み処理を実行し、2チャンネルの音声信号により移動する運転支援音声信号を生成する。これにより、少ないスピーカー数でも、ハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力して、運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することが可能となる。
(実施形態3)
【0072】
次に、実施形態3の運転支援装置について説明する。実施形態3の運転支援装置1”は、車載センサ8a,8bが発信したセンサ信号の反射信号に基づいて目標移動位置を自動設定する運転支援装置である。そのため、実施形態3の運転支援装置”は、運転者による目標移動位置の設定動作を伴わずに車両誘導動作を提供することが可能となる。
【0073】
図8は、本発明に係る実施形態3の運転支援装置1”の構成例を示すブロック図である。なお、図8において、図1に示す実施形態1の運転支援装置1の構成要素と同じ構成要素には、同一符号を付すものとする。
【0074】
図8において、本発明に係る実施形態3の運転支援装置1”は、実施形態3の目標移動位置設定部11’と、ハンドル回転角度取得部12と、予想移動位置算出部13と、ハンドル修正量算出部14と、音像定位位置設定部15と、運転支援音声信号生成部16とを有する。実施形態3の運転支援装置1”では、実施形態1の目標移動位置設定部11の代わりに、目標移動位置設定部11’を設けたことを特徴とするものである。目標移動位置設定部11’は、例えば、2個の車載センサ8a,8bからセンサ信号を発信し、目標移動位置に予め設定されたセンサ応答機器9からセンサ信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部11cと、応答信号受信部11cによって受信された応答信号に基づいて目標移動位置を設定するセンサ目標移動位置設定部11dとを有する。なお、実施形態3の運転支援装置1”でも、車載カメラ2および車載モニタ7は設けられていても良いが、図8では省略して示している。
【0075】
ここで、実施形態3の目標移動位置設定部11’は、車両の目標移動位置の設定を自動化するため、図9に示すように、車両100のバンパー等の車両外側に設けられた車載センサ8a,8bからの情報により目標移動位置と車両の位置を捕捉するものである。ここで、車載センサ8a,8bとしては、例えば、超音波センサや光センサなどを用いることができる。
【0076】
また、図9に示すように、駐車場や車庫における車輪止め10a,10b間中央より若干後方の目標移動位置には、予め基準点となるセンサ応答機器9が設置され、車両の車載センサ8a,8bからの超音波信号や光信号を反射する機能を備えるものとする。例えば、車庫入れを例にすると、実施形態3の目標移動位置設定部11’は、車両後部の例えば2箇所に設置された車載センサ8a,8bから発したセンサ信号がセンサ応答機器9から反射信号を受信して、2個の各車載センサ8a,8bとセンサ応答機器9との間の距離を求める。さらに、2個の各車載センサ8a,8bとセンサ応答機器9との間の距離と、予め把握している2個の各車載センサ8a,8b間の間隔とから、三角測量を用いて、2個の各車載センサ8a,8bを結ぶ基準線の傾きを求めることができる。
【0077】
2個の各車載センサ8a,8bとセンサ応答機器9との間の距離と、2個の各車載センサ8a,8bを結ぶ基準線の傾きとにより、実施形態3の目標移動位置設定部11’は、車庫に対する車両の位置や向きを検出することができる。そして、現時点のハンドル回転角度を参照することにより、予想移動位置が導かれる。以降の処理は実施形態1における図1の内容と共通のものとなる。
【0078】
次に、実施形態3の運転支援装置1”の動作例について、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図2に示す実施形態1の運転支援装置1の動作と同じステップには、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0079】
実施形態3の運転支援装置1”では、車載センサ8a,8bからセンサ信号を発信している。このため、目標移動位置に予め設定されたセンサ応答機器9の応答範囲に車両が近づくと、応答信号受信部11cがそのセンサ信号に対する応答信号を受信して車両位置情報としてセンサ目標移動位置設定部11dへ出力する(ステップS212)。
【0080】
すると、センサ目標移動位置設定部11dは、応答信号受信部11cによって受信された応答信号に基づいて目標移動位置を設定する(ステップS213)。
【0081】
ここで、実施形態3の運転支援装置1”のセンサ目標移動位置設定部11dは、運転者による設定動作を伴わずに目標移動位置を設定するものである。つまり、センサ目標移動位置設定部11dは、予め基準とする停車位置に設置されたセンサ応答機器9と、少なくとも2つの車載センサ8a,8bとの距離及び位置を三角測量等により算出する。なお、2つの車載センサ8a,8b間の距離は、予め決まっている一方、センサ応答機器9と2つの車載センサ8a,8bとの間の距離は、センサ信号の発信時刻とその反射信号の受信時刻との間の時間等から簡単に求めることできる。また、この場合、目標移動位置は、センサ応答機器9の設置場所となる。
【0082】
なお、ステップS213以降の処理手順は、図2に示す実施形態1の運転支援装置1の処理手順と同様であるので省略する。
【0083】
従って、実施形態3の運転支援装置1”によれば、実施形態1,2の運転支援装置1,1’と同様に、目標移動位置と予想移動位置との差分に基づいてハンドル4の回転方向および回転量の修正量を算出して、その修正量に基づきハンドル4の形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力して、運転者に対し具体的なハンドル操作を指示することができる。その結果、本実施形態2の運転支援装置によれば、実施形態1の運転支援装置と同様に、運転が不慣れな運転者に対し車庫入れ時や縦列駐車時等における複雑な運転動作の負担を軽減することができる。
【0084】
特に、実施形態3の運転支援装置1”では、車載センサ8a,8bからセンサ信号を発信し、目標移動位置に予め設定されたセンサ応答機器9からセンサ信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部11cと、応答信号受信部11cによって受信された応答信号に基づいて目標移動位置を設定するセンサ目標移動位置設定部11dとを有する目標移動位置設定部11’を設けた。このため、運転者の操作によらず、自動的に目標移動位置を設定することが可能となり、この点で、運転者の運転時の負荷を軽減させることができる。
【0085】
なお、上述の実施形態1〜3の運転支援装置1,1’,1”では、図1や図7および図8に示すブロック図によりハードウエア的に構成して説明した。しかし、本発明では、これに限らず、図1や図7および図8等に示す前述の実施形態1〜3の運転支援装置1,1’,1”の機能を、CPUと、このCPUに図2や図10に示す処理手順を実行させる運転支援装置用プログラムとにより、ソフトウエア的に実行させるようにしても勿論よい。
【0086】
最後に、上述の実施形態1〜3は、本発明の一例である。このため、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0087】
1,1’,1” 運転支援装置
11,11’, 目標移動位置設定部
11a 映像情報取得部
11b 映像目標移動位置設定部
11c 応答信号受信部
11d センサ目標移動位置設定部
12 ハンドル回転角度取得部
13 予想移動位置算出部
14 ハンドル修正量算出部
15 音像定位位置設定部
16 運転支援音声信号生成部
2 車載カメラ
3 ハンドル回転角度出力部
4 ハンドル
61〜65 スピーカー
7 車載モニタ
8 車載センサ
9 センサ応答機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の目標移動位置を設定する目標移動位置設定部と、
前記車両におけるハンドルのハンドル回転角度を取得するハンドル回転角度取得部と、
前記ハンドル回転角度に基づいて、前記車両の予想移動位置を算出する予想移動位置算出部と、
前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正量を算出するハンドル修正量算出部と、
前記ハンドル回転角度の修正量に基づいて、前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定する音像定位位置設定信号を生成する音像定位位置設定部と、
前記音像定位位置設定信号に基づいて前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力する運転支援音声信号生成部と、
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の運転支援装置において、
前記目標移動位置設定部は、
車載カメラが撮影した映像情報を取得する映像情報取得部と、
前記映像情報に基づいて前記目標移動位置を設定する映像目標移動位置設定部と、
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項1記載の運転支援装置において、
前記目標移動位置設定部は、
車載センサからセンサ信号を発信し、前記目標移動位置に予め設定されたセンサ応答機器から前記センサ信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記応答信号に基づいて前記目標移動位置を設定するセンサ目標移動位置設定部と、
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の運転支援装置において、
前記ハンドル修正量算出部は、
前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正が必要であるか否かを判断し、前記ハンドル回転角度の修正が必要であると判断した場合、前記差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正に必要な前記ハンドル回転角度の回転方向と回転量とを、前記ハンドル回転角度の修正量として算出し、
前記音像定位位置設定部は、
前記ハンドル修正量算出部によって算出された前記ハンドル回転角度の修正量としての前記ハンドル回転角度の回転方向に基づいて音像定位位置の移動方向を設定すると共に、前記ハンドル回転角度の回転量に基づいて音像定位位置の移動距離、移動回数または移動速度のいずれかを設定する、
ことを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一の請求項に記載の運転支援装置において、
前記運転支援音声信号生成部は、
前記音像定位位置設定部からの前記音像定位位置設定信号に基づいて、前記ハンドルの形状に沿った配置された3つ以上のスピーカーから前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力する、
ことを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか一の請求項に記載の運転支援装置において、
前記運転支援音声信号生成部は、
前記音像定位位置設定部からの前記音像定位位置設定信号に基づいて、前記ハンドルの両側に配置された2台のスピーカーへの運転支援音声信号に頭部伝達関数を通して畳み込み、2チャンネルの音声信号により前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動するように運転支援音声信号を出力する、
ことを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
車両の目標移動位置を設定するステップと、
前記車両におけるハンドルのハンドル回転角度を取得するステップと、
前記ハンドル回転角度に基づいて、前記車両の予想移動位置を算出するステップと、
前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正量を算出するステップと、
前記ハンドル回転角度の修正量に基づいて、前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定するステップと、
前記音像定位位置の設定に基づき前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力するステップと、
を有することを特徴とする運転支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、
車両の目標移動位置を設定するステップと、
前記車両におけるハンドルのハンドル回転角度を取得するステップと、
前記ハンドル回転角度に基づいて、前記車両の予想移動位置を算出するステップと、
前記目標移動位置と前記予想移動位置との間の差分に基づいて、前記ハンドル回転角度の修正量を算出するステップと、
前記ハンドル回転角度の修正量に基づいて、前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動するように音像定位位置を設定するステップと、
前記音像定位位置の設定に基づき前記ハンドルの形状に沿って音像定位位置が移動する運転支援音声信号を出力するステップと、
を実行させるための運転支援装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−201162(P2012−201162A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66003(P2011−66003)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】