運転支援装置および運転支援方法
【課題】自車両の走行経路上の地点に関する情報を、ドライバが実際の映像と対応付けて直感的に把握できるように表示させる。
【解決手段】車両のフロントガラス下部に横長に表示手段1を設置して、自車両の進行方向に沿った道路上で自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を、表示制御手段5の制御により表示手段1上に表示させる。表示制御手段5は、自車両の現在位置と表示対象となる地点との位置関係に基づいて、ドライバの視点位置を基準として表示対象となる地点が実際に存在する方位を推定し、その方位と重なる表示手段1上の位置を地点情報の表示位置として決定する。
【解決手段】車両のフロントガラス下部に横長に表示手段1を設置して、自車両の進行方向に沿った道路上で自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を、表示制御手段5の制御により表示手段1上に表示させる。表示制御手段5は、自車両の現在位置と表示対象となる地点との位置関係に基づいて、ドライバの視点位置を基準として表示対象となる地点が実際に存在する方位を推定し、その方位と重なる表示手段1上の位置を地点情報の表示位置として決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援装置および運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のインテリジェント化が進められる中で、ドライバの運転操作を支援するための様々な技術の研究開発が盛んに行われており、その一つとして、自車両の走行経路上のカーブ地点等の地点に関する情報を取得して、その情報を車載ディスプレイ等に表示することでドライバに報知して、ドライバの運転操作を支援するといった試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、ナビゲーションシステムで利用される地図情報の座標データを用いて、自車両の走行経路上に存在するカーブ地点の曲がり方向や曲率、カーブ長さや勾配角度などの付加情報を求めて、これらをナビゲーション用の液晶パネル等に表示させるという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−189565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にて開示される技術のように、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示させる従来のシステムでは、地点に関する情報を表示手段の予め定められたエリアに表示させるようになっており、実際にその地点が存在する方位に対応させた表示とはなっていなかったため、ドライバが運転中にフロントガラス越しに確認できる実際の映像と表示手段に表示される情報との対応付けが難しく、直感的な情報の把握が困難であるといった問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような従来技術の有する問題点を解決すべく創案されたものであって、自車両の走行経路上の地点に関する情報を、ドライバが実際の映像と対応付けて直感的に把握できるように表示させ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる運転支援装置および運転支援方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る運転支援装置は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援するものであり、自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備える。そして、表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示手段上における表示位置を決定するようにしている。
【0008】
また、本発明に係る他の運転支援装置は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援するものであり、自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備える。そして、表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定するようにしている。
【0009】
また、本発明に係る運転支援方法は、自車両の現在位置及び進行方向を検出する第1のステップと、第1のステップで検出した自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を取得する第2のステップと、第2のステップで取得した地点情報を、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置された表示手段に表示させる第3のステップとを有する。そして、第3のステップでは、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自車両の走行経路上の地点に関する情報を、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置された表示手段上で、実際の映像と対応付けたかたちで表示することができるので、当該地点に関する情報をドライバに直感的に把握させることが可能となり、ドライバの運転操作を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の運転支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】道路情報に含まれる地点情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】自車両の現在位置から表示対象となる地点までの道のり距離を算出する様子を示す概念図である。
【図4】自車両の現在位置から表示対象となる地点までの道のり距離と当該地点に関する地点情報の表示サイズとの関係を示す図である。
【図5】自車両の進行方向と表示対象となる地点の方向ベクトルとの角度差を算出する様子を示す概念図である。
【図6】表示手段上における地点情報の表示位置を決定する様子を示す概念図である。
【図7】表示手段上における地点情報の表示位置を決定する具体的な手法を説明するための概念図である。
【図8】表示対象となる地点に関する地点情報が、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示手段に表示された様子を示す図である。
【図9】本発明を適用した第1の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】表示手段上における地点情報の表示位置の算出方法を説明するための概念図である。
【図11】表示手段上における地点情報の重なり合いを判定する方法を説明するための概念図である。
【図12】算出した表示位置が表示手段の表示エリアから外れる地点情報が、表示エリアの端部近傍に表示された様子を示す図である。
【図13】自車両の位置に応じて変化する走行経路上の地点の情報が、表示手段に次々と表示される様子を示す図である。
【図14】本発明を適用した第2の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14における重なり表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】重なり表示処理により決定される各地点情報の表示形態の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は地点P1に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図、(c)は地点P3に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図である。
【図17】重なり表示処理により決定される各地点情報の表示形態の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は地点P1に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図、(c)は地点P2に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図である。
【図18】本発明を適用した第3の実施形態の運転支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図19】本発明を適用した第3の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】本発明を適用した第4の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】表示対象となる地点情報が複数ある場合に、これら複数の地点のうちで自車両に最も近い地点を除く他の地点について、隣接する地点との間の相対位置関係を算出する手法を説明する図である。
【図22】隣接する地点との間の相対位置関係に基づいて決定された各地点情報の表示位置の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は(a)における地点P1,P2,P3に関する地点情報の表示例を示す図である。
【図23】隣接する地点との間の相対位置関係に基づいて決定された各地点情報の表示位置の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は(a)における地点P1,P2に関する地点情報の表示例を示す図である。
【図24】自車両の走行経路上の表示対象となる各地点の情報が、自車両の位置が変化するのに対応して、常に直前の地点との間の位置関係を把握できる表示形態で表示される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した運転支援装置の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した運転支援装置の一構成例を示すブロック図である。この運転支援装置は、車両に搭載されて(以下、本装置が搭載される車両を自車両という。)、自車両の走行経路上の地点に関する地点情報を表示手段1で表示して、ドライバの運転を支援するものであり、地点情報が表示される表示手段1の他、自車位置検出手段2と、道路情報格納手段3と、地点情報取得手段4と、表示制御手段5とを備えて構成される。
【0014】
表示手段1は、自車両のフロントガラス下部に位置して水平方向に沿って横長に設置された液晶ディスプレイ等の表示器よりなる。この表示手段1は、表示制御手段5の制御のもとで表示動作を行い、自車両の走行経路上の地点に関する地点情報を、ドライバが確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示する。なお、表示手段1としては、自車両のフロントガラスに沿って横長に表示エリアを確保することができるあらゆる表示装置が適用可能であり、液晶ディスプレイの他にも、例えば有機EL(Electroluminescence)パネルやHUD(Head Up Display)などを用いることができる。
【0015】
自車位置検出手段2は、GPS(Global Positioning System)や自律センサ等を用いて、自車両の現在位置G(緯度、経度)及び自車両の進行方向Gvを検出するものである。この自車位置検出手段2としては、車載ナビゲーションシステムで一般に用いられているものが利用可能であり、自車両の走行中においてもリアルタイム(例えば5Hz毎に情報を更新)で自車両の現在位置G及び進行方向Gvが把握できるものである。
【0016】
道路情報格納手段3は、道路形状を表す道路形状情報と、緯度経度毎に特有の情報である地点情報とからなる道路情報を格納するものである。この道路情報のうち、道路形状情報は、点(ノード、補間点)と線(リンク)とで道路形状を表したベクトルデータの集合体であり、各ノードや補間点には属性データとしてその点の緯度経度の情報や道路曲率情報R等が付加され、各リンクには属性データとしてそのリンクが表す道路の種別、道路幅、基本推奨速度情報等が付加されている。また、地点情報は、例えば図2に示すように、各地点Pnに特有の情報(例えば、当該地点の曲率や当該地点を通過する際の推奨速度、路面μ、障害物、工事、事故、渋滞末尾等)が当該地点Pnの位置座標を示す緯度経度の情報に対応付けられたデータ構造となっており、各地点Pnの地点情報には、その情報の優先度や、その地点を表す代表アイコン等の情報が付加されている。なお、図2は、カーブ地点である地点P1,P2,P3に関する地点情報の例であり、その地点に特有の情報としては推奨速度の情報が例示されている。
【0017】
これら道路形状情報や地点情報からなる道路情報は、車載ナビゲーションシステムで一般に用いられている地図データをそのまま、或いはこれを応用することで作成され、道路情報格納手段3に格納される。なお、この道路情報格納手段3は、必ずしも自車両に搭載されている必要はなく、例えば、携帯電話機や無線LAN、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の通信手段を用いてアクセス可能な遠隔地にある情報提供サーバ上に実現され、自車両から情報処理サーバにアクセスして道路情報を取得する形態としてもよい。
【0018】
地点情報取得手段4は、自車位置検出手段2により検出された自車両の現在位置Gと進行方向Gvとに基づき、道路情報格納手段3に格納されている道路情報とマップマッチング処理を行って自車両が存在する道路上の位置を特定し、その道路上或いはその道路周辺で、自車両の現在位置から所定距離以内の道路形状情報と所定距離以内に存在する地点Pnの地点情報を取得するものである。ここで、所定距離は、運転操作を支援する上で最適と思われる数の地点情報が取得可能な距離に適宜設定すればよく、予め実験等を行って定めた固定値(例えば500m)であってもよいし、道路種別や自車両の走行速度等に応じて変化する値であってもよい。
【0019】
表示制御手段5は、地点情報取得手段4により取得された地点情報が、自車両のフロントガラス下部に横長に設置された表示手段1上で、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示されるように、表示手段1の表示動作を制御するものであり、地点情報の表示サイズを決定する機能と、地点情報の表示色を決定する機能と、地点情報の表示位置を決定する機能とを有している。
【0020】
具体的には、表示制御手段5は、例えば図3に示すように、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの距離Ln(図3に示す例では、表示対象となる地点P1,P2,P3までの距離L1,L2,L3)を算出する。なお、ここでは、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの距離Lnとして、地点情報取得手段4で取得した道路形状情報に基づき、自車両の走行経路に沿った地点Pnまでの道のり距離を算出する例を説明するが、自車両の現在位置Gと表示対象となる地点Pn間の直線距離を算出するようにしてもよい。
【0021】
そして、表示制御手段5は、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnを算出すると、算出した道のり距離Lnに基づいて、図4に示すような関係に従って、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど表示手段1上に大きなサイズで表示されるように、地点情報の表示サイズ(表示幅或いは表示面積)Iwnを決定する。なお、ここで決定された表示サイズIwnが所定値以下の場合には、例えば推奨速度等の地点情報を表示させてもドライバが確認できないことが想定されるので、この場合には、代表アイコンのみを表示させるように表示内容を決定する。
【0022】
また、表示制御手段5は、表示対象となる地点Pnに関する地点情報の情報優先度に応じて、例えば、優先度が高い地点情報は赤色系表示、優先度が中程度の地点情報は黄色系表示、優先度が低い地点情報は青色系表示といったように、当該地点情報の表示色を決定する。この色分けは表示内容自体、若しくは表示内容を囲む枠の輪郭等に適用される。
【0023】
また、このとき、表示する地点情報の内容が当該地点を通過する際の推奨速度である場合には、表示制御手段5は、自車両の現在の走行速度Viと表示対象となる地点Pnまでの距離Lnとに基づいて、自車両が表示対象となる地点Pnに到達するまでの間に当該地点Pnの推奨速度Vcにまで減速するのに必要な必要減速度αを算出し、この必要減速度αに基づいて、例えば高、中、低の3段階で情報優先度を決定するようにしてもよい。そして、必要減速度αに基づく情報優先度に応じて、地点Pnに関する地点情報の表示色を決定するようにしてもよい。ここで、必要減速度αは、α=(Vi×Vi−Vc×Vc)/Lnで算出できる。このように、予め定められた優先度ではなく、必要減速度αに基づいて決定した情報優先度に応じて地点情報の表示色を決定するようにした場合には、実際の運転状況に即したより的確な優先度に基づき地点情報の表示色を決定することが可能となる。
【0024】
また、表示制御手段5は、例えば図5に示すように、自車両の現在位置Gと表示対象となる地点Pnとを線分で結んで方向ベクトルVn(図5に示す例ではV1,V2,V3)を算出し、自車両の進行方向Gvとこれらの方向ベクトルVnとの角度差θn(図5に示す例ではθ1,θ2,θ3)を算出する。そして、この算出した角度差θnに基づいて、図6に示すように、ドライバの視点位置を基準として表示対象となる地点Pnが実際に存在する方位を推定し、その方位と重なる表示手段1上の位置を、当該表示手段1の左右方向における地点情報の表示位置として決定する。
【0025】
詳述すると、表示制御手段5は、図7に示すように、予め車両毎に設定されているドライバの視点位置Pdから表示手段1までの直線距離Dlと、表示手段1上でドライバ視点位置Pdの正面に位置する点Vcから表示手段1の表示エリア右端Vrまでの距離Lrとを用いて、ドライバ視点位置Pdの正面と表示手段1の表示エリア右端Vrとがなす右端角度θrを算出する。同様に、ドライバの視点位置Pdから表示手段1までの直線距離Dlと、表示手段1上でドライバ視点位置Pdの正面に位置する点Vcから表示手段1の表示エリア左端Vlまでの距離Llとを用いて、ドライバ視点位置Pdの正面と表示手段1の表示エリア左端Vlとがなす左端角度θlを算出する。
【0026】
そして、自車両の現在位置Gと表示対象となる地点Pnとを結ぶ方向ベクトルVnと自車両の進行方向Gvとの角度差θnが、表示手段1の右端角度θrから左端角度θlまでの範囲内であれば、ドライバ視点位置Pdの正面から角度差θnだけ変位した表示手段1上の位置を、地点Pnに関する地点情報の左右方向における表示位置として決定する。また、角度差θnが表示手段1の右端角度θrから左端角度θlまでの範囲外である場合には、表示エリア右端Vrよりも右に外れていれば表示エリア右端Vr近傍の位置、表示エリア左端Vlよりも左に外れていれば表示エリア左端Vl近傍の位置を、地点Pnに関する地点情報の表示位置として決定する。また、このときは、表示対象となる地点Pnが実際に存在する方位が、表示手段1の表示エリアから外れていることが分かる表示形態で地点情報を表示させ、或いはその旨を示すアイコンを併せて表示させるようにする。
【0027】
また、表示制御手段5は、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnに基づいて、表示手段1の表示エリア上下方向における、地点Pnに関する地点情報の表示位置を決定する。具体的には、例えば地点Pnに関する地点情報の表示手段1の表示エリア下端からの距離を上下オフセット量Vpcnとしたときに、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど、表示手段1の表示エリアの下側に表示されるように、上下オフセット量Vpcnを決定する。また、これとは逆に、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど、表示手段1の表示エリアの上側に表示されるように、上下オフセット量Vpcnを決定するようにしてもよい。
【0028】
自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど表示手段1の表示エリアの下側に表示されるようにした場合には、実際の地点Pnとこの地点Pnに関する地点情報との対応付けをより確実に行うことができる。一方、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど表示手段1の表示エリアの上側に表示されるようにした場合には、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報が運転中のドライバの焦点に近い位置に表示されることになるので、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報をより確認し易くする上で有利である。
【0029】
本実施形態の運転支援装置では、表示制御手段5が以上のように表示対象となる地点Pnに関する地点情報の表示サイズや表示色、表示位置を決定し、それに基づいて表示手段1の表示動作を制御することにより、自車両のフロントガラス下部に横長に設置された表示手段1には、例えば図8に示すように、表示対象となる地点Pnに関する地点情報が、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示されることになる。なお、図8に示す例は、図2、図3、図5で示した地点P1,P2,P3に関する地点情報として、各地点を通過する際の推奨速度の情報を表示手段1上に表示させた例である。
【0030】
なお、表示制御手段5は、図2、図3、図5、図8で示した例のように、地点情報取得手段4が自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点Pnとして複数の地点(P1,P2,P3)の地点情報を取得した場合には、基本的には、これら複数の地点情報についてそれぞれ表示サイズ、表示色、表示位置を決定して、これら複数の地点情報を表示手段1上の対応した位置に同時に表示させるが、これら複数の地点情報を同時に表示させると地点情報同士で重なりが生じる場合もあり、このような場合には、表示が見づらくなることも想定される。そこで、表示制御手段5は、地点情報取得手段4が表示対象の地点として複数の地点の地点情報を取得した場合であって、これら複数の地点情報を同時に表示させると地点情報同士の重なりが生じると判断した場合には、自車両の現在位置Gに最も近い地点の地点情報を優先して表示させるようにしている。
【0031】
具体的には、表示制御手段5は、複数の地点に関する地点情報を表示手段1上の対応する位置に同時に表示させるとこれらの地点情報同士に重なりが生じると判定した場合には、例えば、これら地点情報に重なりが生じる複数の地点のうちで、自車両の現在位置Gに最も近い地点を選択して、この選択した地点に関する地点情報を表示させ、重なりが生じる他の地点の地点情報は表示させないようにする。また、他の地点の地点情報は、本来表示する色より薄い色を用いて表示するようにしてもよい。このように、地点情報に重なりが生じる場合に自車両の現在位置Gに最も近い地点の地点情報を優先して表示させるようにすることで、地点情報が重なり合って表示されることによる表示の見づらさを回避することが可能となる。
【0032】
次に、以上のように構成される本実施形態の運転支援装置における動作について、図9のフローチャートに沿って説明する。この図9に示すフローは、自車両が走行している間、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0033】
本フローがスタートすると、先ず、ステップS1において、自車位置検出手段2が自車両の現在位置G及び自車両の進行方向Gvを検出する。自車位置検出手段2により検出された自車両の現在位置G及び進行方向Gvの情報は、地点情報取得手段4及び表示制御手段5に送られる。
【0034】
次に、ステップS2において、地点情報取得手段4が、自車位置検出手段2により検出された自車両の現在位置Gと進行方向Gvとに基づき、道路情報格納手段3に格納されている道路情報とマップマッチング処理を行って自車両が存在する道路を特定し、その道路上或いはその道路周辺で、自車両の現在位置から所定距離以内の道路形状情報と所定距離以内に存在する地点(表示対象となる地点)Pnの地点情報を取得する。地点情報取得手段4により取得された表示対象となる地点Pnの地点情報は、表示制御手段5へと送られる。なお、過去の周期での処理で表示対象とされていた地点で今回の処理でも表示対象となる地点の地点情報については、すでに取得している地点情報をそのまま利用するようにして、新たな情報の取得は行わないようにしてもよい。
【0035】
次に、ステップS3において、表示制御手段5が、自車両の現在位置Gの位置座標と表示対象となる地点Pnの位置座標と道路形状情報とから、自車両現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnを算出する。
【0036】
次に、ステップS4において、表示制御手段5は、自車両の進行方向Gvと表示対象となる地点Pnの位置座標とから、自車両の進行方向Gvに対する表示対象となる地点Pnの方位角度(自車両の進行方向Gvと地点Pnの方向ベクトルVnとの角度差)θnを算出する。ここで、地点Pnの方位角度θnは、自車進行方向Gvと重なり合う方位角度を0度とし、右側を+、左側を−とする。なお、図5に示したように表示対象となる地点Pnとして複数の地点(P1,P2,P3)が取得されている場合には、これら複数の地点それぞれについて方位角度(θ1,θ2,θ3)を算出する。
【0037】
次に、ステップS5において、表示制御手段5は、ステップS3で算出した道のり距離Lnに基づいて、表示対象となる地点Pnに関する地点情報の表示サイズIwnを決定する。ここで、地点情報の表示サイズIwnは、例えば縦横比固定の横幅の長さを表すこととし、図4に示した関係に従って、道のり距離Lnが長いほど表示サイズIwnが小さくなり、道のり距離Lnが短いほど表示サイズIwnが大きくなるように、地点情報の表示サイズIwnを決定する。したがって、自車両が各地点Pnに近付くほど、この地点Pnに関する地点情報が大きく表示されて視認しやすくなる。なお、表示対象となる地点Pnとして複数の地点(P1,P2,P3)が取得されている場合には、これら複数の地点のそれぞれについて地点情報の表示サイズ(Iw1,Iw2,Iw3)を算出する。また、ここで決定した表示サイズIwnが所定値以下の地点情報については、当該地点情報に付加されている代表アイコンのみを表示させるように表示内容を決定する。
【0038】
次に、ステップS6において、表示制御手段5は、表示対象となる地点Pnの地点情報に付加されている情報優先度に応じて、例えば、優先度が高い地点情報は赤色系表示、優先度が中程度の地点情報は黄色系表示、優先度が低い地点情報は青色系表示といったように、当該地点情報の表示色を決定する。また、このとき、表示する地点情報の内容が当該地点を通過する際の推奨速度である場合には、表示制御手段5は、自車両の現在の走行速度Vi、地点Pnまでの距離Ln、地点Pnの推奨速度Vnを用いて、必要減速度αを算出する。そして、算出した必要減速度αを例えば2つの閾値α1,α2(α1>α2)と比較して、α>α1であるか、或いはα1>α>α2であるか、或いはα2>αであるかによって必要減速度αの程度を3段階で評価し、順に情報優先度を高、中、低と割り当てて、これに応じて地点情報の表示色決定する。
【0039】
次に、ステップS7において、表示制御手段5は、予め基準値として設定されているドライバ視点位置Pd、表示手段1上でドライバ視点位置Pdの正面に位置する点Vc、表示手段1の表示エリア右端位置Vr、表示手段1の表示エリア左端位置Vlと、Pd−Vc間の距離Dl、Vc−Vr間の距離Lr、Vc−Vl間の距離Llと、ステップS4で算出した表示対象となる地点Pnの方位角度θnと、ステップS5で決定した表示サイズIwnとを用いて、図10に示すように、ドライバ正面の点Vcを中心とした地点情報の表示エリア左右方向(図10中のx軸方向)における表示位置Vpn(右方向は+、左方向は−)を算出する。なお、この図10に示すように表示対象となる地点Pnが複数(P1,P2,P3)の場合には、これら複数の地点それぞれについて地点情報の表示位置(Vp1,Vp2,Vp3)を算出する。
【0040】
また、表示制御手段5は、ステップS3で算出した表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnに基づいて、例えば、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど、表示手段1の表示エリアの下側に表示されるように、地点情報の表示エリア上下方向(図10中y軸方向)における表示位置(上下オフセット量Vpcn)を算出する。なお、この図10に示すように表示対象となる地点Pnが複数(P1,P2,P3)の場合には、これら複数の地点それぞれについて地点情報の表示位置(Vpc1,Vpc2,Vpc3)を算出する。
【0041】
次に、ステップS8において、表示制御手段5は、ステップS7で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリア内に収まっているか否かを以下の条件にて判定し、表示位置Vpnが表示エリア内であれば次のステップS9に進み、表示位置Vpnが表示エリアから外れていればステップS12に進む。
【0042】
(条件1)Vpn<0;Ll<Vpn−(Iwn/2)
(条件2)Vpn>0;Lr>Vpn+(Iwn/2)
ステップS8で複数の地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリア内に存在すると判定した場合、表示制御手段5は、次のステップS9において、各地点情報の表示幅が重なり合うかどうかを判定し、重なりが生じない場合は次のステップS10に進み、重なりが生じる場合はステップS11に進む。ここで、重なり合いの判定は、図11に示すように、各地点情報の表示右端Vprn(図11に示す例では地点P1の地点情報の表示右端Vpr1と地点P2の地点情報の表示右端Vpr2)と、各地点情報の表示左端Vpln(図11に示す例では地点P1の地点情報の表示左端Vpl1と地点P2の地点情報の表示左端Vpl2)とを求め、これらの位置関係に基づいて判定を行う。なお、各地点情報の表示右端Vprnは、当該地点情報の表示位置Vpnと表示サイズIwnとから、Vprn=Vpn+(Iwn/2)で求められ、各地点情報の表示右端Vplnは、Vpln=Vpn−(Iwn/2)で求められる。
【0043】
ステップS10では、表示制御手段5は、ステップS7で算出した表示位置Vpn,Vpcnを表示手段1上における地点情報の表示位置として確定し、この表示手段1上の表示位置Vpn,Vpcnに、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。
【0044】
また、ステップS11では、表示制御手段5は、ステップS9で重なり合いが生じると判定した複数の地点情報について、各地点Pnの自車両現在位置Gからの道のり距離Lnをそれぞれ確認し、自車両の現在位置Gからの道のり距離Lnが小さい地点、すなわち自車両に近い方の地点を優先的に選択して表示対象とする。そして、表示対象として選択された地点の地点情報を、表示手段1上のステップS7で算出した表示位置Vpn,Vpcnに、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で表示させる。
【0045】
一方、ステップS8で地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリアから外れていると判定した場合、表示制御手段5は、次にステップS12において、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が、表示エリアの右側或いは左側それぞれに複数存在するかどうかを判定し、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が1つのみであれば次のステップS13に進み、表示位置Vpnが表示エリアの右側に外れる地点情報が複数ある場合、或いは表示位置Vpnが表示エリアの左側に外れる地点情報が複数ある場合はステップS14に進む。
【0046】
ステップS13では、表示制御手段5は、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が表示エリアの右側に外れているのであれば、その地点情報の表示位置を表示エリアの右端Vr近傍の位置に設定し、図12に示すように、この表示手段1上の表示エリア右端Vr近傍の位置に、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。また、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が表示エリアの左側に外れているのであれば、その地点情報の表示位置を表示エリアの左端Vl近傍の位置に設定し、この表示手段1上の表示エリア左端Vl近傍の位置に、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。また、このときは、地点情報が示す地点の実際の方位が、表示手段1の表示エリアから外れていることが分かる表示形態で地点情報を表示させ、或いはその旨を示すアイコンを地点情報近傍に併せて表示させる。
【0047】
また、ステップS14では、表示制御手段5は、ステップS12で判定した表示位置Vpnが表示エリアから外れる複数の地点情報について、各地点Pnの自車両現在位置Gからの道のり距離Lnをそれぞれ確認し、自車両の現在位置Gからの道のり距離Lnが小さい地点、すなわち自車両に近い方の地点を優先的に選択して表示対象とする。そして、その地点の地点情報の表示位置を、表示手段1の表示エリア右端Vr近傍、或いは表示エリア左端Vl近傍に設定(上下方向についてはステップS7で算出したVpcnに設定)し、この表示位置に、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。また、このときは、地点情報が示す地点の実際の方位が、表示手段1の表示エリアから外れていることが分かる表示形態で地点情報を表示させ、或いはその旨を示すアイコンを地点情報近傍に併せて表示させる。
【0048】
本実施形態の運転支援装置では、以上の一連の処理が所定の周期で繰り返し実行される。これにより、表示手段1の表示エリアには、例えば図13に示すように、自車両の位置に応じて刻々と変化する走行経路上の地点の情報が、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで次々に表示されることになる。すなわち、図13に示す例では、自車両が図中G1の位置を走行しているときには、G1から所定距離以内にある地点P1,P2,P3に関する地点情報(ここではP1,P2,P3それぞれを通過する際の推奨速度)が、これら表示対象となる地点P1,P2,P3が存在する方位に対応した表示位置で、且つ自車両からの道のり距離に対応した表示サイズで表示手段1の表示エリアに表示される。そして、自車両が図中G2の位置に達すると、G2から所定距離以内にある地点P2,P3,P4に関する地点情報(ここではP2,P3を通過する際の推奨速度とP4における路面μの状態)が、これら表示対象となる地点P2,P3,P4が存在する方位に対応した表示位置で、且つ自車両からの距離に対応した表示サイズで表示手段1の表示エリアに表示されることになる。
【0049】
以上のように、本実施形態の運転支援装置は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を、ドライバがフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示手段1上に表示させるようにしているので、当該地点に関する情報をドライバに直感的に把握させることが可能となり、ドライバの運転操作を適切に支援することができる。
【0050】
また、本実施形態の運転支援装置では、上述した一連の処理を所定の周期で繰り返し実行することによって、表示手段1の表示内容が所定周期で更新されることになるが、表示対象となる各地点Pnの地点情報は、自車両がその地点に近付くにしたがって表示手段1上の基準位置となるドライバ正面の点Vcに近付くように表示位置が遷移することになるので、各地点情報の表示位置の移動に伴うオプティカルフローを統一することが可能で、各地点情報の視認性は極めて良好なものとなる。
【0051】
なお、以上説明した例では、表示対象となる複数の地点Pnの地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合に、これら複数の地点Pnのうちで自車両現在位置Gからの道のり距離Lnが小さい地点、すなわち自車両に近い方の地点を優先的に選択して表示対象とするようにしているが、これら重なり合いが生じる複数の地点Pnの地点情報を時間的に交互に表示させるようにしてもよい。すなわち、本実施形態の運転支援装置では、上述した一連の処理を所定の周期で繰り返し実行することによって、表示手段1の表示内容が所定周期で更新されることになるが、過去の処理周期での処理内容を一時的に記憶させておき、同時に表示させると重なり合いが生じる複数の地点Pnの地点情報のうちで表示対象として選択する地点情報を、複数の処理周期毎に交互に切り替えながら選択していくようにすれば、これら複数の地点Pnの地点情報を時間的に交互に表示させることも可能となる。
【0052】
また、このように、同時に表示させると重なり合いが生じる複数の地点Pnの地点情報を時間的に交互に表示させるようにした場合には、それぞれの地点情報の表示時間を、各地点Pnの自車両現在位置Gからの道のり距離Lnや、各地点情報の優先度(図2に示したように予め定められている情報優先度、或いは必要減速度αに基づいて算出された情報優先度)に応じて決定し、例えば、自車両現在位置Gからの道のり距離Lnが短いほど表示時間が長くなるように、或いは情報優先度が高いほど表示時間が長くなるように、各地点情報の表示時間を決定するようにしてもよい。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、本発明を適用した第2の実施形態の運転支援装置について説明する。本実施形態の運転支援装置は、基本的な装置構成や処理の概要については上述した第1の実施形態と同様であり、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合での処理の内容が、上述した第1の実施形態とは若干異なるものである。すなわち、上述した第1の実施形態では、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合に、何れか一方の地点情報のみを選択して表示させるようにしているが、本実施形態では、これら複数の地点情報を重ね合わせた状態で表示させ、必要に応じて、最上層で表示される地点情報を切り替えながら表示させるようにしている。以下では、本実施形態に特徴的な部分を中心に説明し、上述した第1の実施形態と同様の装置構成や第1の実施形態と同様の処理内容については、詳細な説明を省略する。
【0054】
図14は、本実施形態の運転支援装置における一連の処理の流れを示すフローチャートである。この図14のフローチャートにおいて、ステップS21〜ステップS30までの処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS1〜ステップS10までの処理)と同様である。また、この図14のフローチャートにおいて、ステップS32及びステップS33の処理も、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS12及びステップS13の処理)と同様である。
【0055】
本実施形態の運転支援装置では、ステップS29において複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定されたとき、或いはステップS32において複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定されたときに、表示制御手段5が、ステップS31或いはステップS34において、以下に示すような重なり表示処理を行う。
【0056】
図15は、本実施形態の運転支援装置において特徴的な重なり表示処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態の運転支援装置では、図14のフローチャートにおけるステップS29或いはステップS32において、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定されたときに、表示制御手段5が、ステップS31或いはステップS34において、この図15に示すフローチャートに従った重なり表示処理を実行することで、複数の地点情報を重ね合わせた状態で表示手段1に表示させ、必要に応じて、最上層で表示される地点情報を切り替えながら表示させるようにしている。
【0057】
この重なり表示処理では、先ず、ステップS41において、表示制御手段5が、処理対象となる複数の地点(表示に重なり合いが生じると判定された複数の地点)について、それぞれの地点間の距離を算出する。具体的には、例えば図16(a)に示す例において、地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じると判定した場合には、表示制御手段5は、既に算出している自車両の現在位置Gから各地点P1,P3までの道のり距離L1,L3を用いて、これらの地点間距離Lth3-1=L3−L1を算出する。また、例えば図17(a)に示す例において、地点地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じると判定した場合には、表示制御手段5は、既に算出している自車両の現在位置Gから各地点P1,P2までの道のり距離L1,L2を用いて、これらの地点間距離Lth2-1=L2−L1を算出する。
【0058】
次に、ステップS42において、表示制御手段5は、ステップS41で算出した地点間距離が所定距離(例えば50m)以上か否かを判定し、地点間距離が所定距離に満たない場合はステップS43に進み、地点間距離が所定距離以上の場合にはステップS44に進む。そして、これらステップS43或いはステップS44において、表示制御手段5は、これら複数の地点情報の間で情報優先度に差があるか否かを判定し、その判定結果に応じて、これら複数の地点情報の表示手段1上における表示形態を決定する。
【0059】
すなわち、地点間距離が所定距離未満であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がない(ステップS43でNoの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS45において、これらの地点情報を表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に重ね合わせた状態で、最上層で表示される地点情報を所定時間毎に交互に切り替えながら表示させる。
【0060】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となる状態と、図16(c)に示すように地点P3に関する地点情報が最上層となる状態とを所定時間毎に交互に切替えながら、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0061】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となる状態と、図17(c)に示すように地点P2に関する地点情報が最上層となる状態とを所定時間毎に交互に切替えながら、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0062】
一方、地点間距離が所定距離未満であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がある(ステップS43でYesの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS46において、これらの地点情報を表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に重ね合わせた状態で、情報優先度の高い情報が情報優先度の低い情報よりも長い時間最上層で表示されるように、最上層で表示される地点情報を交互に切り替えながら表示させる。
【0063】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P3に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(c)に示す表示状態よりも、図16(b)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報と重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。逆に、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P3に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示す表示状態よりも、図16(c)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報と重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。
【0064】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P2に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(c)に示す表示状態よりも、図17(b)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。逆に、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P2に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示す表示状態よりも、図17(c)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。
【0065】
また、地点間距離が所定距離以上であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がない(ステップS44でNoの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS47において、これらの地点情報のうちで自車両の現在位置Gに最も近い地点の地点情報が最上層となるように、これら地点情報を重ね合わせた状態で、表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に表示させる。
【0066】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0067】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0068】
一方、地点間距離が所定距離以上であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がある(ステップS44でYesの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS48において、これらの地点情報のうちで情報優先度が最も高い地点情報が最上層となるように、これら地点情報を重ね合わせた状態で、表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に表示させる。
【0069】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P3に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。逆に、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P3に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(c)に示すように地点P3に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0070】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P2に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。逆に、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P2に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(c)に示すように地点P2に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0071】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の運転支援装置では、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合に、これら複数の地点情報を重ね合わせた状態で表示手段1上に表示させ、必要に応じて、これら重ね合わせて表示される複数の地点情報のうちで最上層で表示される地点情報を切り替えるようにしているので、自車両から所定の方位の近傍に注意すべき複数の地点が存在することをドライバに事前に知らせることができ、ドライバの運転操作を適切に支援することができる。
【0072】
また、本実施形態の運転支援装置では、重ね合わせて表示させる複数の地点情報について、それぞれの地点の地点間距離を求めて、地点間距離が所定距離に満たない場合にはこれら地点情報のうちで最上層で表示させる地点情報を交互に切り替えながら表示させるようにしているので、例えば連続したカーブなどにおいて、連続して運転に影響を及ぼすことが想定される複数の地点の地点情報をドライバに的確に認識させることができ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる。さらに、最上層で表示させる地点情報の表示時間を情報優先度や自車現在位置からの距離などに基づいて決定することにより、特に重要な情報をドライバに確実に認識させることができ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる。
【0073】
(第3の実施形態)
次に、本発明を適用した第3の実施形態の運転支援装置について説明する。本実施形態の運転支援装置は、自車両の挙動を表す車両情報を取得して地点情報の表示に反映させるようにした点に特徴を有するものである。すなわち、本実施形態の運転支援装置は、図18に示すように、表示手段1、自車位置検出手段2、道路情報格納手段3、地点情報取得手段4、表示制御手段5の他に、自車両の挙動を表す車両情報を取得する車両情報取得手段6を備えており、この車両情報取得手段6により取得された車両情報が、表示制御手段5に供給されるようになっている。そして、表示制御手段5が、車両情報取得手段6から送られる車両情報に基づいて、表示手段1の表示更新周期を変化させるようにしている。その他、装置構成の基本的な部分や1周期内での処理の概要は上述した第1の実施形態と同様であるので、以下では、本実施形態に特徴的な部分を中心に説明し、上述した第1の実施形態と同様の装置構成や第1の実施形態と同様の処理内容については、詳細な説明を省略する。
【0074】
車両情報取得手段6は、自車両の挙動を表す各種車両情報、具体的には、例えばステアリング操舵速度の情報や操舵角度の情報、車速の情報、アクセル操作の情報などを取得するものである。近年では、車両に搭載される各種電子機器を通信バスで接続して車載LAN(Local Area Network)を構築し、この車載LAN上に各種車両情報を流すことで各電子機器で車両情報を随時利用できるようにする技術も確立されており、自車両にこのような車載LANを構築し、表示制御手段5としての機能を有する電子機器をこの車載LANの1ノードとして接続している場合には、この車載LANを車両情報取得手段6として用いることができる。
【0075】
本実施形態の運転支援装置において、表示制御手段5は、車両情報取得手段6から送られる車両情報に基づいて自車両の挙動を把握し、例えば、自車両の挙動が激しく変化しているような状況では、表示手段1上における地点情報の表示を更新させないように、表示手段1の表示更新周期を変化させる。
【0076】
すなわち、自車両の挙動が激しく変化しているような状況では、表示対象となる地点の自車両からの方位が短時間で極端に変化することになり、表示手段1上での地点情報の表示を通常通り所定周期で更新させるようにしたのでは、表示が不安定となって却ってドライバの運転操作の妨げになることが想定される。また、自車両の挙動が激しく変化しているような状況はドライバの運転負荷が大きい状態であり、このような状況で表示手段1上の表示が変化するとドライバの注意が奪われて、却って運転操作の妨げになることも想定される。
【0077】
そこで、本実施形態の運転支援装置においては、車両情報取得手段6から送られる車両情報に基づいて自車両の挙動が激しく変化していると判定される場合には、上述した地点情報の表示制御を一時的に中断して、地点情報の表示の更新を停止させるようにしている。
【0078】
具体的には、例えば、表示制御手段5が、車両情報取得手段6から送られる車両情報のうちでステアリング操舵速度を確認し、このステアリング操舵速度が所定値未満となっている間は、上述した地点情報の表示制御を所定周期で繰り返し行って表示手段1による地点情報の表示を所定周期で更新させ、ステアリング操舵速度が所定値以上となった場合には、上述した地点情報の表示制御を一時的に中断して、地点情報の表示の更新を停止させるようにしている。
【0079】
図19は、本実施形態の運転支援装置における一連の処理の流れを示すフローチャートである。この図19のフローチャートで示すように、本実施形態の運転支援装置においては、先ず、ステップS51において、車両情報取得手段6が車両情報を取得して表示制御手段5に供給する。そして、ステップS52において、表示制御手段5が車両情報のうちのステアリング操舵速度を確認し、このステアリング操舵速度が所定値未満であるか否かを判定する。
【0080】
このステップS52での判定の結果、ステアリング操舵速度が所定値未満であれば、ステップS53以降の処理が行われる。なお、この図19のフローチャートにおけるステップS53〜ステップS66での処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS1〜ステップS14までの処理)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0081】
一方、ステップS52での判定の結果、ステアリング操舵速度が所定値以上であれば、ステップS53〜ステップS66での処理を行うことなく、今回の周期での処理を終了する。その結果、以後の周期での処理においてステアリング操舵速度が所定値未満となったと判定されるまでの間、前回の周期での処理により決定された地点情報の表示状態が維持され、地点情報の表示の更新は停止されることになる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の運転支援装置においては、例えばステアリング操舵速度が所定値以上となっているといったように、車両情報に基づいて自車両の挙動が激しく変化していることが判定された場合には、地点情報の表示制御を一時的に中断して、表示手段1上における地点情報の表示の更新を停止させるようにしているので、自車両の極端な挙動変化に伴って表示が不安定となることによって、地点情報の表示が却ってドライバの運転操作を妨げてしまうといった不都合を有効に防止することができる。
【0083】
なお、以上の例では、自車両の挙動変化が激しい状況であるか否かを判定するために、車両情報のうちのステアリング操舵速度を確認するようにしているが、例えばステアリング操舵角度と車速の情報やアクセル操作量など、他の車両情報を確認するようにしてもよく、また、ステアリング操舵速度と他の車両情報とを組み合わせて自車両の挙動変化が激しい状況であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0084】
また、以上の例では、車両情報に基づいて自車両の挙動が激しく変化していることが判定された場合に地点情報の表示の更新を停止させるようにしているが、例えば、車両情報に基づいてドライバの運転負荷を判断し、ドライバの運転負荷が大きいと判定されたときに地点情報の表示の更新を停止させるようにしてもよい。すなわち、ドライバの運転負荷が大きい状況下で表示手段1上における地点情報の表示形態が大きく変化すると、表示に目を奪われて運転操作に支障をきたす可能性もあるが、車両情報に基づいてドライバの運転負荷が大きいと判定されたときに地点情報の表示の更新を停止させるようにすることで、このような不都合を未然に回避することが可能となる。
【0085】
車両情報に基づいてドライバの運転負荷を判定する具体的手法としては、例えば、ステアリングの操作量(操舵速度や操舵角度)に基づいて運転操作の不安定状態を表すステアリングエントロピー値を算出し、このステアリングエントロピー値が高いときに運転負荷が大きいと判定するといった手法が適用できる。なお、ステアリング操作量からステアリングエントロピー値を算出する手法の詳細については、例えば、特開2001−301639号公報や特開2002−255040号公報、特開2003−246227号公報等に記載されている。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、本発明を適用した第4の実施形態の運転支援装置について説明する。本実施形態の運転支援装置は、基本的な装置構成や処理の概要については上述した第1の実施形態と同様であり、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、各地点情報の表示位置を決定する際の処理の内容が、上述した第1の実施形態とは異なるものである。すなわち、上述した第1の実施形態では、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、これら複数の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じるか否かを判定し、重なり合いが生じると判定した場合には何れか一方の地点情報のみを選択して表示させるようにしているが、本実施形態では、複数の地点のうちで自車両の現在位置からの距離が最も短い地点を除く他の地点については、当該地点よりも自車両の現在位置からの距離が短い地点との間の相対位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示位置を決定するようにしている。以下では、本実施形態に特徴的な部分を中心に説明し、上述した第1の実施形態と同様の装置構成や第1の実施形態と同様の処理内容については、詳細な説明を省略する。
【0087】
図20は、本実施形態の運転支援装置における一連の処理の流れを示すフローチャートである。この図20のフローチャートにおいて、ステップS71の処理とステップS72の処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS1及びステップS2の処理)と同様である。本実施形態の運転支援装置では、ステップS72において地点情報取得手段4により表示対象となる地点に関する地点情報が取得された後、次のステップS73において、表示制御手段5が、地点情報取得手段4により取得された表示対象となる地点情報が複数あるか否かを判定する。そして、表示対象となる地点が複数ある場合には、表示制御手段5は、ステップS74において、隣接する地点間の相対位置関係を算出するようにしている。
【0088】
具体的には、表示制御手段5は、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、これら複数の地点のうちで自車両に最も近い地点を除く他の地点について、当該地点よりも1つ手前の地点を自車両が通過する際の自車両の進行方向に対する当該地点の位置、すなわち1つ前の地点を通過する自車両の進行方向に対して当該地点が右側にあるか、或いは左側にあるかを判定する。
【0089】
例えば図21に示す例において、地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とが表示対象の地点である場合、表示制御手段5は、地点P1に対する地点P2の相対位置関係を以下のように算出する。すなわち、まず、自車両の現在位置に近い手前側にある地点P1とその前後にある補間点(道路形状情報に含まれるデータ)を用いて、地点P1を頂点とする曲線関数KP1を求め、この曲線関数KP1の地点P1を通る接線SP1を算出する。そして、地点P1の次の表示対象地点である地点P2の座標を、SP1をy軸とし、P1を原点とする座標系に変換し、地点P2の位置が地点P1を通過する自車両の進行方向に対して右側にあるのか、左側にあるのかを判定する。なお、表示対象となる地点が3つ以上ある場合には、自車両に最も近い地点を除く全ての地点について、以上の処理を行って、手前側の地点に対する相対位置関係を算出する。
【0090】
本実施形態の運転支援装置においては、ステップS73で表示対象となる地点情報が1つと判定されたとき、或いはステップS74で複数の地点間の相対位置関係が算出された後に、表示制御手段5によってステップS75以降の処理が行われる。なお、図20のフローチャートにおいて、ステップS75〜ステップS79までの処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS3〜ステップS7までの処理)と同様である。ただし、上述した第1の実施形態では、表示対象となる全ての地点情報に対して、ステップS7において表示手段1の表示エリア左右方向における表示位置Vpnを算出していたが、本実施形態の運転支援装置では、ステップS79において、自車両に最も近い地点に関する地点情報についてのみ、表示手段1の表示エリア左右方向における表示位置Vpnを算出するようにしている。
【0091】
本実施形態の運転支援装置においては、次のステップS80において、表示制御手段5が、表示対象となる地点情報が複数あるか否かを確認し、その結果に応じて、表示手段1上における地点情報の表示位置を決定するようにしている。
【0092】
すなわち、表示対象となる地点情報が1つのみ(ステップS80でNoの判定)の場合には、表示制御手段5は、次のステップS81において、ステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリア内に収まっているか否かを判定する。そして、表示位置Vpnが表示エリア内であれば、次のステップS82において、ステップS79で算出した表示位置Vpn,Vpcnを表示手段1上における地点情報の表示位置として確定し、この表示手段1上の表示位置Vpn,Vpcnに、ステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で、表示対象となる地点情報を表示させる。
【0093】
一方、ステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示エリアから外れていれば、表示制御手段5は、ステップS83において、表示エリアの右端近傍又は左端近傍の位置を表示手段1上における地点情報の表示位置として確定し、この表示位置に、ステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で、表示対象となる地点情報を表示させる。
【0094】
また、表示対象となる地点情報が複数ある(ステップS80でYesの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS84において、自車両の現在位置に最も近い地点情報の左右方向における表示位置、すなわちステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが、表示手段1の表示エリア内に収まっているか否かを判定する。そして、表示位置Vpnが表示エリア内であれば、次のステップS85において、自車両の現在位置に最も近い地点情報の表示手段1上における表示位置を、ステップS79で算出した表示位置Vpn,Vpcnに確定するとともに、他の地点情報の表示位置を、ステップS74で算出した地点間の相対位置関係に基づいて直前の地点情報との位置関係を把握できる位置に決定し、これら各地点情報をステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で表示させる。
【0095】
具体的には、例えば図22(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とがそれぞれ表示対象の地点情報である場合、自車現在位置Gに最も近い地点P1を通過する際の自車両の進行方向に対して地点P2は左側となり、地点P2を通過する際の自車両の進行方向に対して地点P3は右側となるので、表示制御手段5は、図22(b)に示すように、地点P1に関する地点情報をステップS79で算出した表示位置に表示させるとともに、地点P2に関する地点情報は地点P1に関する地点情報の左隣りに表示させ、地点P3に関する地点情報は地点P2に関する地点情報の右隣りに表示させる。
【0096】
一方、ステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示エリアから外れていれば、表示制御手段5は、ステップS86において、自車両の現在位置に最も近い地点情報の表示手段1上における表示位置を、表示エリアの右端近傍又は左端近傍の位置に確定するとともに、他の地点情報の表示位置を、ステップS74で算出した地点間の相対位置関係に基づいて直前の地点情報との位置関係を把握できる位置に決定し、これら各地点情報をステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で表示させる。
【0097】
具体的には、例えば図23(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とがそれぞれ表示対象の地点情報である場合、自車現在位置Gに最も近い地点P1を通過する際の自車両の進行方向に対して地点P2は左側となるので、表示制御手段5は、図23(b)に示すように、地点P1に関する地点情報を表示手段1の表示エリア右端近傍に表示させるとともに、地点P2に関する地点情報を地点P1に関する地点情報の左隣りに表示させる。
【0098】
本実施形態の運転支援装置では、以上の一連の処理が所定の周期で繰り返し実行される。これにより、表示手段1の表示エリアには、例えば図24に示すように、自車両の走行経路上の表示対象となる各地点の情報が、自車両の位置が変化するのに対応して、常に直前の地点との間の位置関係を把握できる表示形態で表示されることになる。すなわち、図24に示す例では、自車両が図中G1の位置を走行しているときには、地点P2に関する地点情報が地点P1に関する地点情報の左隣り、地点P3に関する地点情報が地点P2に関する地点情報の右隣りとなるように、表示対象となる各地点P1,P2,P3に関する地点情報が表示手段1の表示エリアにそれぞれ表示される。そして自車両が図中のG2の位置を走行しているときには、地点P3に関する地点情報が地点P2に関する地点情報の右隣りとなるように、表示対象となる各地点P2,P3に関する地点情報が表示手段1の表示エリアにそれぞれ表示され、自車両が図中のG2の位置を走行しているときには、自車両の現在位置から地点P3が存在する方位に対応した表示位置で、表示対象となる地点P3に関する地点情報が表示手段1の表示エリアに表示されることになる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態の運転支援装置においては、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、複数の地点のうちで自車現在位置からの距離が最も短い地点を除く他の地点については、当該地点よりも自車現在位置に近い手前の地点との間の相対位置関係に基づいて当該地点に関する地点情報の表示位置を決定するようにしているので、表示対象となる各地点情報を、その直前の地点を自車両が通過した後に実際に地点が現れてくる方向をドライバが把握できるように表示させることができ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 表示手段
2 自車位置検出手段
3 道路情報格納手段
4 地点情報取得手段
5 表示制御手段
6 車両情報取得手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援装置および運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のインテリジェント化が進められる中で、ドライバの運転操作を支援するための様々な技術の研究開発が盛んに行われており、その一つとして、自車両の走行経路上のカーブ地点等の地点に関する情報を取得して、その情報を車載ディスプレイ等に表示することでドライバに報知して、ドライバの運転操作を支援するといった試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、ナビゲーションシステムで利用される地図情報の座標データを用いて、自車両の走行経路上に存在するカーブ地点の曲がり方向や曲率、カーブ長さや勾配角度などの付加情報を求めて、これらをナビゲーション用の液晶パネル等に表示させるという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−189565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にて開示される技術のように、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示させる従来のシステムでは、地点に関する情報を表示手段の予め定められたエリアに表示させるようになっており、実際にその地点が存在する方位に対応させた表示とはなっていなかったため、ドライバが運転中にフロントガラス越しに確認できる実際の映像と表示手段に表示される情報との対応付けが難しく、直感的な情報の把握が困難であるといった問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような従来技術の有する問題点を解決すべく創案されたものであって、自車両の走行経路上の地点に関する情報を、ドライバが実際の映像と対応付けて直感的に把握できるように表示させ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる運転支援装置および運転支援方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る運転支援装置は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援するものであり、自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備える。そして、表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示手段上における表示位置を決定するようにしている。
【0008】
また、本発明に係る他の運転支援装置は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援するものであり、自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備える。そして、表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定するようにしている。
【0009】
また、本発明に係る運転支援方法は、自車両の現在位置及び進行方向を検出する第1のステップと、第1のステップで検出した自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を取得する第2のステップと、第2のステップで取得した地点情報を、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置された表示手段に表示させる第3のステップとを有する。そして、第3のステップでは、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自車両の走行経路上の地点に関する情報を、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置された表示手段上で、実際の映像と対応付けたかたちで表示することができるので、当該地点に関する情報をドライバに直感的に把握させることが可能となり、ドライバの運転操作を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の運転支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】道路情報に含まれる地点情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】自車両の現在位置から表示対象となる地点までの道のり距離を算出する様子を示す概念図である。
【図4】自車両の現在位置から表示対象となる地点までの道のり距離と当該地点に関する地点情報の表示サイズとの関係を示す図である。
【図5】自車両の進行方向と表示対象となる地点の方向ベクトルとの角度差を算出する様子を示す概念図である。
【図6】表示手段上における地点情報の表示位置を決定する様子を示す概念図である。
【図7】表示手段上における地点情報の表示位置を決定する具体的な手法を説明するための概念図である。
【図8】表示対象となる地点に関する地点情報が、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示手段に表示された様子を示す図である。
【図9】本発明を適用した第1の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】表示手段上における地点情報の表示位置の算出方法を説明するための概念図である。
【図11】表示手段上における地点情報の重なり合いを判定する方法を説明するための概念図である。
【図12】算出した表示位置が表示手段の表示エリアから外れる地点情報が、表示エリアの端部近傍に表示された様子を示す図である。
【図13】自車両の位置に応じて変化する走行経路上の地点の情報が、表示手段に次々と表示される様子を示す図である。
【図14】本発明を適用した第2の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14における重なり表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】重なり表示処理により決定される各地点情報の表示形態の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は地点P1に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図、(c)は地点P3に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図である。
【図17】重なり表示処理により決定される各地点情報の表示形態の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は地点P1に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図、(c)は地点P2に関する地点情報が最上層となるように、地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせて表示した状態を示す図である。
【図18】本発明を適用した第3の実施形態の運転支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図19】本発明を適用した第3の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】本発明を適用した第4の実施形態の運転支援装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】表示対象となる地点情報が複数ある場合に、これら複数の地点のうちで自車両に最も近い地点を除く他の地点について、隣接する地点との間の相対位置関係を算出する手法を説明する図である。
【図22】隣接する地点との間の相対位置関係に基づいて決定された各地点情報の表示位置の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は(a)における地点P1,P2,P3に関する地点情報の表示例を示す図である。
【図23】隣接する地点との間の相対位置関係に基づいて決定された各地点情報の表示位置の具体例を示す図であり、(a)は自車両の走行経路の一例を示す図、(b)は(a)における地点P1,P2に関する地点情報の表示例を示す図である。
【図24】自車両の走行経路上の表示対象となる各地点の情報が、自車両の位置が変化するのに対応して、常に直前の地点との間の位置関係を把握できる表示形態で表示される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した運転支援装置の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した運転支援装置の一構成例を示すブロック図である。この運転支援装置は、車両に搭載されて(以下、本装置が搭載される車両を自車両という。)、自車両の走行経路上の地点に関する地点情報を表示手段1で表示して、ドライバの運転を支援するものであり、地点情報が表示される表示手段1の他、自車位置検出手段2と、道路情報格納手段3と、地点情報取得手段4と、表示制御手段5とを備えて構成される。
【0014】
表示手段1は、自車両のフロントガラス下部に位置して水平方向に沿って横長に設置された液晶ディスプレイ等の表示器よりなる。この表示手段1は、表示制御手段5の制御のもとで表示動作を行い、自車両の走行経路上の地点に関する地点情報を、ドライバが確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示する。なお、表示手段1としては、自車両のフロントガラスに沿って横長に表示エリアを確保することができるあらゆる表示装置が適用可能であり、液晶ディスプレイの他にも、例えば有機EL(Electroluminescence)パネルやHUD(Head Up Display)などを用いることができる。
【0015】
自車位置検出手段2は、GPS(Global Positioning System)や自律センサ等を用いて、自車両の現在位置G(緯度、経度)及び自車両の進行方向Gvを検出するものである。この自車位置検出手段2としては、車載ナビゲーションシステムで一般に用いられているものが利用可能であり、自車両の走行中においてもリアルタイム(例えば5Hz毎に情報を更新)で自車両の現在位置G及び進行方向Gvが把握できるものである。
【0016】
道路情報格納手段3は、道路形状を表す道路形状情報と、緯度経度毎に特有の情報である地点情報とからなる道路情報を格納するものである。この道路情報のうち、道路形状情報は、点(ノード、補間点)と線(リンク)とで道路形状を表したベクトルデータの集合体であり、各ノードや補間点には属性データとしてその点の緯度経度の情報や道路曲率情報R等が付加され、各リンクには属性データとしてそのリンクが表す道路の種別、道路幅、基本推奨速度情報等が付加されている。また、地点情報は、例えば図2に示すように、各地点Pnに特有の情報(例えば、当該地点の曲率や当該地点を通過する際の推奨速度、路面μ、障害物、工事、事故、渋滞末尾等)が当該地点Pnの位置座標を示す緯度経度の情報に対応付けられたデータ構造となっており、各地点Pnの地点情報には、その情報の優先度や、その地点を表す代表アイコン等の情報が付加されている。なお、図2は、カーブ地点である地点P1,P2,P3に関する地点情報の例であり、その地点に特有の情報としては推奨速度の情報が例示されている。
【0017】
これら道路形状情報や地点情報からなる道路情報は、車載ナビゲーションシステムで一般に用いられている地図データをそのまま、或いはこれを応用することで作成され、道路情報格納手段3に格納される。なお、この道路情報格納手段3は、必ずしも自車両に搭載されている必要はなく、例えば、携帯電話機や無線LAN、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の通信手段を用いてアクセス可能な遠隔地にある情報提供サーバ上に実現され、自車両から情報処理サーバにアクセスして道路情報を取得する形態としてもよい。
【0018】
地点情報取得手段4は、自車位置検出手段2により検出された自車両の現在位置Gと進行方向Gvとに基づき、道路情報格納手段3に格納されている道路情報とマップマッチング処理を行って自車両が存在する道路上の位置を特定し、その道路上或いはその道路周辺で、自車両の現在位置から所定距離以内の道路形状情報と所定距離以内に存在する地点Pnの地点情報を取得するものである。ここで、所定距離は、運転操作を支援する上で最適と思われる数の地点情報が取得可能な距離に適宜設定すればよく、予め実験等を行って定めた固定値(例えば500m)であってもよいし、道路種別や自車両の走行速度等に応じて変化する値であってもよい。
【0019】
表示制御手段5は、地点情報取得手段4により取得された地点情報が、自車両のフロントガラス下部に横長に設置された表示手段1上で、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示されるように、表示手段1の表示動作を制御するものであり、地点情報の表示サイズを決定する機能と、地点情報の表示色を決定する機能と、地点情報の表示位置を決定する機能とを有している。
【0020】
具体的には、表示制御手段5は、例えば図3に示すように、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの距離Ln(図3に示す例では、表示対象となる地点P1,P2,P3までの距離L1,L2,L3)を算出する。なお、ここでは、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの距離Lnとして、地点情報取得手段4で取得した道路形状情報に基づき、自車両の走行経路に沿った地点Pnまでの道のり距離を算出する例を説明するが、自車両の現在位置Gと表示対象となる地点Pn間の直線距離を算出するようにしてもよい。
【0021】
そして、表示制御手段5は、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnを算出すると、算出した道のり距離Lnに基づいて、図4に示すような関係に従って、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど表示手段1上に大きなサイズで表示されるように、地点情報の表示サイズ(表示幅或いは表示面積)Iwnを決定する。なお、ここで決定された表示サイズIwnが所定値以下の場合には、例えば推奨速度等の地点情報を表示させてもドライバが確認できないことが想定されるので、この場合には、代表アイコンのみを表示させるように表示内容を決定する。
【0022】
また、表示制御手段5は、表示対象となる地点Pnに関する地点情報の情報優先度に応じて、例えば、優先度が高い地点情報は赤色系表示、優先度が中程度の地点情報は黄色系表示、優先度が低い地点情報は青色系表示といったように、当該地点情報の表示色を決定する。この色分けは表示内容自体、若しくは表示内容を囲む枠の輪郭等に適用される。
【0023】
また、このとき、表示する地点情報の内容が当該地点を通過する際の推奨速度である場合には、表示制御手段5は、自車両の現在の走行速度Viと表示対象となる地点Pnまでの距離Lnとに基づいて、自車両が表示対象となる地点Pnに到達するまでの間に当該地点Pnの推奨速度Vcにまで減速するのに必要な必要減速度αを算出し、この必要減速度αに基づいて、例えば高、中、低の3段階で情報優先度を決定するようにしてもよい。そして、必要減速度αに基づく情報優先度に応じて、地点Pnに関する地点情報の表示色を決定するようにしてもよい。ここで、必要減速度αは、α=(Vi×Vi−Vc×Vc)/Lnで算出できる。このように、予め定められた優先度ではなく、必要減速度αに基づいて決定した情報優先度に応じて地点情報の表示色を決定するようにした場合には、実際の運転状況に即したより的確な優先度に基づき地点情報の表示色を決定することが可能となる。
【0024】
また、表示制御手段5は、例えば図5に示すように、自車両の現在位置Gと表示対象となる地点Pnとを線分で結んで方向ベクトルVn(図5に示す例ではV1,V2,V3)を算出し、自車両の進行方向Gvとこれらの方向ベクトルVnとの角度差θn(図5に示す例ではθ1,θ2,θ3)を算出する。そして、この算出した角度差θnに基づいて、図6に示すように、ドライバの視点位置を基準として表示対象となる地点Pnが実際に存在する方位を推定し、その方位と重なる表示手段1上の位置を、当該表示手段1の左右方向における地点情報の表示位置として決定する。
【0025】
詳述すると、表示制御手段5は、図7に示すように、予め車両毎に設定されているドライバの視点位置Pdから表示手段1までの直線距離Dlと、表示手段1上でドライバ視点位置Pdの正面に位置する点Vcから表示手段1の表示エリア右端Vrまでの距離Lrとを用いて、ドライバ視点位置Pdの正面と表示手段1の表示エリア右端Vrとがなす右端角度θrを算出する。同様に、ドライバの視点位置Pdから表示手段1までの直線距離Dlと、表示手段1上でドライバ視点位置Pdの正面に位置する点Vcから表示手段1の表示エリア左端Vlまでの距離Llとを用いて、ドライバ視点位置Pdの正面と表示手段1の表示エリア左端Vlとがなす左端角度θlを算出する。
【0026】
そして、自車両の現在位置Gと表示対象となる地点Pnとを結ぶ方向ベクトルVnと自車両の進行方向Gvとの角度差θnが、表示手段1の右端角度θrから左端角度θlまでの範囲内であれば、ドライバ視点位置Pdの正面から角度差θnだけ変位した表示手段1上の位置を、地点Pnに関する地点情報の左右方向における表示位置として決定する。また、角度差θnが表示手段1の右端角度θrから左端角度θlまでの範囲外である場合には、表示エリア右端Vrよりも右に外れていれば表示エリア右端Vr近傍の位置、表示エリア左端Vlよりも左に外れていれば表示エリア左端Vl近傍の位置を、地点Pnに関する地点情報の表示位置として決定する。また、このときは、表示対象となる地点Pnが実際に存在する方位が、表示手段1の表示エリアから外れていることが分かる表示形態で地点情報を表示させ、或いはその旨を示すアイコンを併せて表示させるようにする。
【0027】
また、表示制御手段5は、自車両の現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnに基づいて、表示手段1の表示エリア上下方向における、地点Pnに関する地点情報の表示位置を決定する。具体的には、例えば地点Pnに関する地点情報の表示手段1の表示エリア下端からの距離を上下オフセット量Vpcnとしたときに、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど、表示手段1の表示エリアの下側に表示されるように、上下オフセット量Vpcnを決定する。また、これとは逆に、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど、表示手段1の表示エリアの上側に表示されるように、上下オフセット量Vpcnを決定するようにしてもよい。
【0028】
自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど表示手段1の表示エリアの下側に表示されるようにした場合には、実際の地点Pnとこの地点Pnに関する地点情報との対応付けをより確実に行うことができる。一方、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど表示手段1の表示エリアの上側に表示されるようにした場合には、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報が運転中のドライバの焦点に近い位置に表示されることになるので、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報をより確認し易くする上で有利である。
【0029】
本実施形態の運転支援装置では、表示制御手段5が以上のように表示対象となる地点Pnに関する地点情報の表示サイズや表示色、表示位置を決定し、それに基づいて表示手段1の表示動作を制御することにより、自車両のフロントガラス下部に横長に設置された表示手段1には、例えば図8に示すように、表示対象となる地点Pnに関する地点情報が、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示されることになる。なお、図8に示す例は、図2、図3、図5で示した地点P1,P2,P3に関する地点情報として、各地点を通過する際の推奨速度の情報を表示手段1上に表示させた例である。
【0030】
なお、表示制御手段5は、図2、図3、図5、図8で示した例のように、地点情報取得手段4が自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点Pnとして複数の地点(P1,P2,P3)の地点情報を取得した場合には、基本的には、これら複数の地点情報についてそれぞれ表示サイズ、表示色、表示位置を決定して、これら複数の地点情報を表示手段1上の対応した位置に同時に表示させるが、これら複数の地点情報を同時に表示させると地点情報同士で重なりが生じる場合もあり、このような場合には、表示が見づらくなることも想定される。そこで、表示制御手段5は、地点情報取得手段4が表示対象の地点として複数の地点の地点情報を取得した場合であって、これら複数の地点情報を同時に表示させると地点情報同士の重なりが生じると判断した場合には、自車両の現在位置Gに最も近い地点の地点情報を優先して表示させるようにしている。
【0031】
具体的には、表示制御手段5は、複数の地点に関する地点情報を表示手段1上の対応する位置に同時に表示させるとこれらの地点情報同士に重なりが生じると判定した場合には、例えば、これら地点情報に重なりが生じる複数の地点のうちで、自車両の現在位置Gに最も近い地点を選択して、この選択した地点に関する地点情報を表示させ、重なりが生じる他の地点の地点情報は表示させないようにする。また、他の地点の地点情報は、本来表示する色より薄い色を用いて表示するようにしてもよい。このように、地点情報に重なりが生じる場合に自車両の現在位置Gに最も近い地点の地点情報を優先して表示させるようにすることで、地点情報が重なり合って表示されることによる表示の見づらさを回避することが可能となる。
【0032】
次に、以上のように構成される本実施形態の運転支援装置における動作について、図9のフローチャートに沿って説明する。この図9に示すフローは、自車両が走行している間、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0033】
本フローがスタートすると、先ず、ステップS1において、自車位置検出手段2が自車両の現在位置G及び自車両の進行方向Gvを検出する。自車位置検出手段2により検出された自車両の現在位置G及び進行方向Gvの情報は、地点情報取得手段4及び表示制御手段5に送られる。
【0034】
次に、ステップS2において、地点情報取得手段4が、自車位置検出手段2により検出された自車両の現在位置Gと進行方向Gvとに基づき、道路情報格納手段3に格納されている道路情報とマップマッチング処理を行って自車両が存在する道路を特定し、その道路上或いはその道路周辺で、自車両の現在位置から所定距離以内の道路形状情報と所定距離以内に存在する地点(表示対象となる地点)Pnの地点情報を取得する。地点情報取得手段4により取得された表示対象となる地点Pnの地点情報は、表示制御手段5へと送られる。なお、過去の周期での処理で表示対象とされていた地点で今回の処理でも表示対象となる地点の地点情報については、すでに取得している地点情報をそのまま利用するようにして、新たな情報の取得は行わないようにしてもよい。
【0035】
次に、ステップS3において、表示制御手段5が、自車両の現在位置Gの位置座標と表示対象となる地点Pnの位置座標と道路形状情報とから、自車両現在位置Gから表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnを算出する。
【0036】
次に、ステップS4において、表示制御手段5は、自車両の進行方向Gvと表示対象となる地点Pnの位置座標とから、自車両の進行方向Gvに対する表示対象となる地点Pnの方位角度(自車両の進行方向Gvと地点Pnの方向ベクトルVnとの角度差)θnを算出する。ここで、地点Pnの方位角度θnは、自車進行方向Gvと重なり合う方位角度を0度とし、右側を+、左側を−とする。なお、図5に示したように表示対象となる地点Pnとして複数の地点(P1,P2,P3)が取得されている場合には、これら複数の地点それぞれについて方位角度(θ1,θ2,θ3)を算出する。
【0037】
次に、ステップS5において、表示制御手段5は、ステップS3で算出した道のり距離Lnに基づいて、表示対象となる地点Pnに関する地点情報の表示サイズIwnを決定する。ここで、地点情報の表示サイズIwnは、例えば縦横比固定の横幅の長さを表すこととし、図4に示した関係に従って、道のり距離Lnが長いほど表示サイズIwnが小さくなり、道のり距離Lnが短いほど表示サイズIwnが大きくなるように、地点情報の表示サイズIwnを決定する。したがって、自車両が各地点Pnに近付くほど、この地点Pnに関する地点情報が大きく表示されて視認しやすくなる。なお、表示対象となる地点Pnとして複数の地点(P1,P2,P3)が取得されている場合には、これら複数の地点のそれぞれについて地点情報の表示サイズ(Iw1,Iw2,Iw3)を算出する。また、ここで決定した表示サイズIwnが所定値以下の地点情報については、当該地点情報に付加されている代表アイコンのみを表示させるように表示内容を決定する。
【0038】
次に、ステップS6において、表示制御手段5は、表示対象となる地点Pnの地点情報に付加されている情報優先度に応じて、例えば、優先度が高い地点情報は赤色系表示、優先度が中程度の地点情報は黄色系表示、優先度が低い地点情報は青色系表示といったように、当該地点情報の表示色を決定する。また、このとき、表示する地点情報の内容が当該地点を通過する際の推奨速度である場合には、表示制御手段5は、自車両の現在の走行速度Vi、地点Pnまでの距離Ln、地点Pnの推奨速度Vnを用いて、必要減速度αを算出する。そして、算出した必要減速度αを例えば2つの閾値α1,α2(α1>α2)と比較して、α>α1であるか、或いはα1>α>α2であるか、或いはα2>αであるかによって必要減速度αの程度を3段階で評価し、順に情報優先度を高、中、低と割り当てて、これに応じて地点情報の表示色決定する。
【0039】
次に、ステップS7において、表示制御手段5は、予め基準値として設定されているドライバ視点位置Pd、表示手段1上でドライバ視点位置Pdの正面に位置する点Vc、表示手段1の表示エリア右端位置Vr、表示手段1の表示エリア左端位置Vlと、Pd−Vc間の距離Dl、Vc−Vr間の距離Lr、Vc−Vl間の距離Llと、ステップS4で算出した表示対象となる地点Pnの方位角度θnと、ステップS5で決定した表示サイズIwnとを用いて、図10に示すように、ドライバ正面の点Vcを中心とした地点情報の表示エリア左右方向(図10中のx軸方向)における表示位置Vpn(右方向は+、左方向は−)を算出する。なお、この図10に示すように表示対象となる地点Pnが複数(P1,P2,P3)の場合には、これら複数の地点それぞれについて地点情報の表示位置(Vp1,Vp2,Vp3)を算出する。
【0040】
また、表示制御手段5は、ステップS3で算出した表示対象となる地点Pnまでの道のり距離Lnに基づいて、例えば、自車両の現在位置Gに近い地点Pnの地点情報ほど、表示手段1の表示エリアの下側に表示されるように、地点情報の表示エリア上下方向(図10中y軸方向)における表示位置(上下オフセット量Vpcn)を算出する。なお、この図10に示すように表示対象となる地点Pnが複数(P1,P2,P3)の場合には、これら複数の地点それぞれについて地点情報の表示位置(Vpc1,Vpc2,Vpc3)を算出する。
【0041】
次に、ステップS8において、表示制御手段5は、ステップS7で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリア内に収まっているか否かを以下の条件にて判定し、表示位置Vpnが表示エリア内であれば次のステップS9に進み、表示位置Vpnが表示エリアから外れていればステップS12に進む。
【0042】
(条件1)Vpn<0;Ll<Vpn−(Iwn/2)
(条件2)Vpn>0;Lr>Vpn+(Iwn/2)
ステップS8で複数の地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリア内に存在すると判定した場合、表示制御手段5は、次のステップS9において、各地点情報の表示幅が重なり合うかどうかを判定し、重なりが生じない場合は次のステップS10に進み、重なりが生じる場合はステップS11に進む。ここで、重なり合いの判定は、図11に示すように、各地点情報の表示右端Vprn(図11に示す例では地点P1の地点情報の表示右端Vpr1と地点P2の地点情報の表示右端Vpr2)と、各地点情報の表示左端Vpln(図11に示す例では地点P1の地点情報の表示左端Vpl1と地点P2の地点情報の表示左端Vpl2)とを求め、これらの位置関係に基づいて判定を行う。なお、各地点情報の表示右端Vprnは、当該地点情報の表示位置Vpnと表示サイズIwnとから、Vprn=Vpn+(Iwn/2)で求められ、各地点情報の表示右端Vplnは、Vpln=Vpn−(Iwn/2)で求められる。
【0043】
ステップS10では、表示制御手段5は、ステップS7で算出した表示位置Vpn,Vpcnを表示手段1上における地点情報の表示位置として確定し、この表示手段1上の表示位置Vpn,Vpcnに、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。
【0044】
また、ステップS11では、表示制御手段5は、ステップS9で重なり合いが生じると判定した複数の地点情報について、各地点Pnの自車両現在位置Gからの道のり距離Lnをそれぞれ確認し、自車両の現在位置Gからの道のり距離Lnが小さい地点、すなわち自車両に近い方の地点を優先的に選択して表示対象とする。そして、表示対象として選択された地点の地点情報を、表示手段1上のステップS7で算出した表示位置Vpn,Vpcnに、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で表示させる。
【0045】
一方、ステップS8で地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリアから外れていると判定した場合、表示制御手段5は、次にステップS12において、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が、表示エリアの右側或いは左側それぞれに複数存在するかどうかを判定し、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が1つのみであれば次のステップS13に進み、表示位置Vpnが表示エリアの右側に外れる地点情報が複数ある場合、或いは表示位置Vpnが表示エリアの左側に外れる地点情報が複数ある場合はステップS14に進む。
【0046】
ステップS13では、表示制御手段5は、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が表示エリアの右側に外れているのであれば、その地点情報の表示位置を表示エリアの右端Vr近傍の位置に設定し、図12に示すように、この表示手段1上の表示エリア右端Vr近傍の位置に、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。また、表示位置Vpnが表示エリアから外れる地点情報が表示エリアの左側に外れているのであれば、その地点情報の表示位置を表示エリアの左端Vl近傍の位置に設定し、この表示手段1上の表示エリア左端Vl近傍の位置に、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。また、このときは、地点情報が示す地点の実際の方位が、表示手段1の表示エリアから外れていることが分かる表示形態で地点情報を表示させ、或いはその旨を示すアイコンを地点情報近傍に併せて表示させる。
【0047】
また、ステップS14では、表示制御手段5は、ステップS12で判定した表示位置Vpnが表示エリアから外れる複数の地点情報について、各地点Pnの自車両現在位置Gからの道のり距離Lnをそれぞれ確認し、自車両の現在位置Gからの道のり距離Lnが小さい地点、すなわち自車両に近い方の地点を優先的に選択して表示対象とする。そして、その地点の地点情報の表示位置を、表示手段1の表示エリア右端Vr近傍、或いは表示エリア左端Vl近傍に設定(上下方向についてはステップS7で算出したVpcnに設定)し、この表示位置に、ステップS5で決定した表示サイズで、且つステップS6で決定した表示色で、表示対象の地点Pnに関する地点情報を表示させる。また、このときは、地点情報が示す地点の実際の方位が、表示手段1の表示エリアから外れていることが分かる表示形態で地点情報を表示させ、或いはその旨を示すアイコンを地点情報近傍に併せて表示させる。
【0048】
本実施形態の運転支援装置では、以上の一連の処理が所定の周期で繰り返し実行される。これにより、表示手段1の表示エリアには、例えば図13に示すように、自車両の位置に応じて刻々と変化する走行経路上の地点の情報が、ドライバが自車両のフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで次々に表示されることになる。すなわち、図13に示す例では、自車両が図中G1の位置を走行しているときには、G1から所定距離以内にある地点P1,P2,P3に関する地点情報(ここではP1,P2,P3それぞれを通過する際の推奨速度)が、これら表示対象となる地点P1,P2,P3が存在する方位に対応した表示位置で、且つ自車両からの道のり距離に対応した表示サイズで表示手段1の表示エリアに表示される。そして、自車両が図中G2の位置に達すると、G2から所定距離以内にある地点P2,P3,P4に関する地点情報(ここではP2,P3を通過する際の推奨速度とP4における路面μの状態)が、これら表示対象となる地点P2,P3,P4が存在する方位に対応した表示位置で、且つ自車両からの距離に対応した表示サイズで表示手段1の表示エリアに表示されることになる。
【0049】
以上のように、本実施形態の運転支援装置は、自車両の走行経路上の地点に関する情報を、ドライバがフロントガラス越しに確認できる実際の映像と対応付けたかたちで表示手段1上に表示させるようにしているので、当該地点に関する情報をドライバに直感的に把握させることが可能となり、ドライバの運転操作を適切に支援することができる。
【0050】
また、本実施形態の運転支援装置では、上述した一連の処理を所定の周期で繰り返し実行することによって、表示手段1の表示内容が所定周期で更新されることになるが、表示対象となる各地点Pnの地点情報は、自車両がその地点に近付くにしたがって表示手段1上の基準位置となるドライバ正面の点Vcに近付くように表示位置が遷移することになるので、各地点情報の表示位置の移動に伴うオプティカルフローを統一することが可能で、各地点情報の視認性は極めて良好なものとなる。
【0051】
なお、以上説明した例では、表示対象となる複数の地点Pnの地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合に、これら複数の地点Pnのうちで自車両現在位置Gからの道のり距離Lnが小さい地点、すなわち自車両に近い方の地点を優先的に選択して表示対象とするようにしているが、これら重なり合いが生じる複数の地点Pnの地点情報を時間的に交互に表示させるようにしてもよい。すなわち、本実施形態の運転支援装置では、上述した一連の処理を所定の周期で繰り返し実行することによって、表示手段1の表示内容が所定周期で更新されることになるが、過去の処理周期での処理内容を一時的に記憶させておき、同時に表示させると重なり合いが生じる複数の地点Pnの地点情報のうちで表示対象として選択する地点情報を、複数の処理周期毎に交互に切り替えながら選択していくようにすれば、これら複数の地点Pnの地点情報を時間的に交互に表示させることも可能となる。
【0052】
また、このように、同時に表示させると重なり合いが生じる複数の地点Pnの地点情報を時間的に交互に表示させるようにした場合には、それぞれの地点情報の表示時間を、各地点Pnの自車両現在位置Gからの道のり距離Lnや、各地点情報の優先度(図2に示したように予め定められている情報優先度、或いは必要減速度αに基づいて算出された情報優先度)に応じて決定し、例えば、自車両現在位置Gからの道のり距離Lnが短いほど表示時間が長くなるように、或いは情報優先度が高いほど表示時間が長くなるように、各地点情報の表示時間を決定するようにしてもよい。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、本発明を適用した第2の実施形態の運転支援装置について説明する。本実施形態の運転支援装置は、基本的な装置構成や処理の概要については上述した第1の実施形態と同様であり、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合での処理の内容が、上述した第1の実施形態とは若干異なるものである。すなわち、上述した第1の実施形態では、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合に、何れか一方の地点情報のみを選択して表示させるようにしているが、本実施形態では、これら複数の地点情報を重ね合わせた状態で表示させ、必要に応じて、最上層で表示される地点情報を切り替えながら表示させるようにしている。以下では、本実施形態に特徴的な部分を中心に説明し、上述した第1の実施形態と同様の装置構成や第1の実施形態と同様の処理内容については、詳細な説明を省略する。
【0054】
図14は、本実施形態の運転支援装置における一連の処理の流れを示すフローチャートである。この図14のフローチャートにおいて、ステップS21〜ステップS30までの処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS1〜ステップS10までの処理)と同様である。また、この図14のフローチャートにおいて、ステップS32及びステップS33の処理も、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS12及びステップS13の処理)と同様である。
【0055】
本実施形態の運転支援装置では、ステップS29において複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定されたとき、或いはステップS32において複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定されたときに、表示制御手段5が、ステップS31或いはステップS34において、以下に示すような重なり表示処理を行う。
【0056】
図15は、本実施形態の運転支援装置において特徴的な重なり表示処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態の運転支援装置では、図14のフローチャートにおけるステップS29或いはステップS32において、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定されたときに、表示制御手段5が、ステップS31或いはステップS34において、この図15に示すフローチャートに従った重なり表示処理を実行することで、複数の地点情報を重ね合わせた状態で表示手段1に表示させ、必要に応じて、最上層で表示される地点情報を切り替えながら表示させるようにしている。
【0057】
この重なり表示処理では、先ず、ステップS41において、表示制御手段5が、処理対象となる複数の地点(表示に重なり合いが生じると判定された複数の地点)について、それぞれの地点間の距離を算出する。具体的には、例えば図16(a)に示す例において、地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じると判定した場合には、表示制御手段5は、既に算出している自車両の現在位置Gから各地点P1,P3までの道のり距離L1,L3を用いて、これらの地点間距離Lth3-1=L3−L1を算出する。また、例えば図17(a)に示す例において、地点地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じると判定した場合には、表示制御手段5は、既に算出している自車両の現在位置Gから各地点P1,P2までの道のり距離L1,L2を用いて、これらの地点間距離Lth2-1=L2−L1を算出する。
【0058】
次に、ステップS42において、表示制御手段5は、ステップS41で算出した地点間距離が所定距離(例えば50m)以上か否かを判定し、地点間距離が所定距離に満たない場合はステップS43に進み、地点間距離が所定距離以上の場合にはステップS44に進む。そして、これらステップS43或いはステップS44において、表示制御手段5は、これら複数の地点情報の間で情報優先度に差があるか否かを判定し、その判定結果に応じて、これら複数の地点情報の表示手段1上における表示形態を決定する。
【0059】
すなわち、地点間距離が所定距離未満であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がない(ステップS43でNoの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS45において、これらの地点情報を表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に重ね合わせた状態で、最上層で表示される地点情報を所定時間毎に交互に切り替えながら表示させる。
【0060】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となる状態と、図16(c)に示すように地点P3に関する地点情報が最上層となる状態とを所定時間毎に交互に切替えながら、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0061】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となる状態と、図17(c)に示すように地点P2に関する地点情報が最上層となる状態とを所定時間毎に交互に切替えながら、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0062】
一方、地点間距離が所定距離未満であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がある(ステップS43でYesの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS46において、これらの地点情報を表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に重ね合わせた状態で、情報優先度の高い情報が情報優先度の低い情報よりも長い時間最上層で表示されるように、最上層で表示される地点情報を交互に切り替えながら表示させる。
【0063】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P3に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(c)に示す表示状態よりも、図16(b)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報と重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。逆に、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P3に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示す表示状態よりも、図16(c)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報と重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。
【0064】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P2に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(c)に示す表示状態よりも、図17(b)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。逆に、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離未満であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P2に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示す表示状態よりも、図17(c)に示す表示状態の方が長くなるように、これら地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とを重ね合わせた状態で、最上層となる地点情報を交互に切り替えながら表示させる。
【0065】
また、地点間距離が所定距離以上であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がない(ステップS44でNoの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS47において、これらの地点情報のうちで自車両の現在位置Gに最も近い地点の地点情報が最上層となるように、これら地点情報を重ね合わせた状態で、表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に表示させる。
【0066】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0067】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで情報優先度に差がない場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0068】
一方、地点間距離が所定距離以上であり且つこれらの地点の地点情報に情報優先度の差がある(ステップS44でYesの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS48において、これらの地点情報のうちで情報優先度が最も高い地点情報が最上層となるように、これら地点情報を重ね合わせた状態で、表示手段1上の所定の表示位置(ステップS31での重なり表示処理の場合はステップS27で算出した表示位置Vpn,Vpcn、ステップS34での処理の場合は表示エリアの右端又は左端)に表示させる。
【0069】
具体的には、例えば図16(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P3に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。逆に、地点P1と地点P3の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P3に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図16(c)に示すように地点P3に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P3の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0070】
また、例えば図17(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とで表示に重なりが生じる場合において、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P2に関する地点情報よりも地点P1に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(b)に示すように地点P1に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。逆に、地点P1と地点P2の地点間距離が所定距離以上であり、且つ地点P1に関する地点情報よりも地点P2に関する地点情報の方が情報優先度が高い場合には、表示制御手段5は、図17(c)に示すように地点P2に関する地点情報が最上層となるように、これらの地点P1,P2の地点情報を重ね合わせた状態で表示させる。
【0071】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の運転支援装置では、複数の地点の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じると判定した場合に、これら複数の地点情報を重ね合わせた状態で表示手段1上に表示させ、必要に応じて、これら重ね合わせて表示される複数の地点情報のうちで最上層で表示される地点情報を切り替えるようにしているので、自車両から所定の方位の近傍に注意すべき複数の地点が存在することをドライバに事前に知らせることができ、ドライバの運転操作を適切に支援することができる。
【0072】
また、本実施形態の運転支援装置では、重ね合わせて表示させる複数の地点情報について、それぞれの地点の地点間距離を求めて、地点間距離が所定距離に満たない場合にはこれら地点情報のうちで最上層で表示させる地点情報を交互に切り替えながら表示させるようにしているので、例えば連続したカーブなどにおいて、連続して運転に影響を及ぼすことが想定される複数の地点の地点情報をドライバに的確に認識させることができ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる。さらに、最上層で表示させる地点情報の表示時間を情報優先度や自車現在位置からの距離などに基づいて決定することにより、特に重要な情報をドライバに確実に認識させることができ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる。
【0073】
(第3の実施形態)
次に、本発明を適用した第3の実施形態の運転支援装置について説明する。本実施形態の運転支援装置は、自車両の挙動を表す車両情報を取得して地点情報の表示に反映させるようにした点に特徴を有するものである。すなわち、本実施形態の運転支援装置は、図18に示すように、表示手段1、自車位置検出手段2、道路情報格納手段3、地点情報取得手段4、表示制御手段5の他に、自車両の挙動を表す車両情報を取得する車両情報取得手段6を備えており、この車両情報取得手段6により取得された車両情報が、表示制御手段5に供給されるようになっている。そして、表示制御手段5が、車両情報取得手段6から送られる車両情報に基づいて、表示手段1の表示更新周期を変化させるようにしている。その他、装置構成の基本的な部分や1周期内での処理の概要は上述した第1の実施形態と同様であるので、以下では、本実施形態に特徴的な部分を中心に説明し、上述した第1の実施形態と同様の装置構成や第1の実施形態と同様の処理内容については、詳細な説明を省略する。
【0074】
車両情報取得手段6は、自車両の挙動を表す各種車両情報、具体的には、例えばステアリング操舵速度の情報や操舵角度の情報、車速の情報、アクセル操作の情報などを取得するものである。近年では、車両に搭載される各種電子機器を通信バスで接続して車載LAN(Local Area Network)を構築し、この車載LAN上に各種車両情報を流すことで各電子機器で車両情報を随時利用できるようにする技術も確立されており、自車両にこのような車載LANを構築し、表示制御手段5としての機能を有する電子機器をこの車載LANの1ノードとして接続している場合には、この車載LANを車両情報取得手段6として用いることができる。
【0075】
本実施形態の運転支援装置において、表示制御手段5は、車両情報取得手段6から送られる車両情報に基づいて自車両の挙動を把握し、例えば、自車両の挙動が激しく変化しているような状況では、表示手段1上における地点情報の表示を更新させないように、表示手段1の表示更新周期を変化させる。
【0076】
すなわち、自車両の挙動が激しく変化しているような状況では、表示対象となる地点の自車両からの方位が短時間で極端に変化することになり、表示手段1上での地点情報の表示を通常通り所定周期で更新させるようにしたのでは、表示が不安定となって却ってドライバの運転操作の妨げになることが想定される。また、自車両の挙動が激しく変化しているような状況はドライバの運転負荷が大きい状態であり、このような状況で表示手段1上の表示が変化するとドライバの注意が奪われて、却って運転操作の妨げになることも想定される。
【0077】
そこで、本実施形態の運転支援装置においては、車両情報取得手段6から送られる車両情報に基づいて自車両の挙動が激しく変化していると判定される場合には、上述した地点情報の表示制御を一時的に中断して、地点情報の表示の更新を停止させるようにしている。
【0078】
具体的には、例えば、表示制御手段5が、車両情報取得手段6から送られる車両情報のうちでステアリング操舵速度を確認し、このステアリング操舵速度が所定値未満となっている間は、上述した地点情報の表示制御を所定周期で繰り返し行って表示手段1による地点情報の表示を所定周期で更新させ、ステアリング操舵速度が所定値以上となった場合には、上述した地点情報の表示制御を一時的に中断して、地点情報の表示の更新を停止させるようにしている。
【0079】
図19は、本実施形態の運転支援装置における一連の処理の流れを示すフローチャートである。この図19のフローチャートで示すように、本実施形態の運転支援装置においては、先ず、ステップS51において、車両情報取得手段6が車両情報を取得して表示制御手段5に供給する。そして、ステップS52において、表示制御手段5が車両情報のうちのステアリング操舵速度を確認し、このステアリング操舵速度が所定値未満であるか否かを判定する。
【0080】
このステップS52での判定の結果、ステアリング操舵速度が所定値未満であれば、ステップS53以降の処理が行われる。なお、この図19のフローチャートにおけるステップS53〜ステップS66での処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS1〜ステップS14までの処理)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0081】
一方、ステップS52での判定の結果、ステアリング操舵速度が所定値以上であれば、ステップS53〜ステップS66での処理を行うことなく、今回の周期での処理を終了する。その結果、以後の周期での処理においてステアリング操舵速度が所定値未満となったと判定されるまでの間、前回の周期での処理により決定された地点情報の表示状態が維持され、地点情報の表示の更新は停止されることになる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の運転支援装置においては、例えばステアリング操舵速度が所定値以上となっているといったように、車両情報に基づいて自車両の挙動が激しく変化していることが判定された場合には、地点情報の表示制御を一時的に中断して、表示手段1上における地点情報の表示の更新を停止させるようにしているので、自車両の極端な挙動変化に伴って表示が不安定となることによって、地点情報の表示が却ってドライバの運転操作を妨げてしまうといった不都合を有効に防止することができる。
【0083】
なお、以上の例では、自車両の挙動変化が激しい状況であるか否かを判定するために、車両情報のうちのステアリング操舵速度を確認するようにしているが、例えばステアリング操舵角度と車速の情報やアクセル操作量など、他の車両情報を確認するようにしてもよく、また、ステアリング操舵速度と他の車両情報とを組み合わせて自車両の挙動変化が激しい状況であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0084】
また、以上の例では、車両情報に基づいて自車両の挙動が激しく変化していることが判定された場合に地点情報の表示の更新を停止させるようにしているが、例えば、車両情報に基づいてドライバの運転負荷を判断し、ドライバの運転負荷が大きいと判定されたときに地点情報の表示の更新を停止させるようにしてもよい。すなわち、ドライバの運転負荷が大きい状況下で表示手段1上における地点情報の表示形態が大きく変化すると、表示に目を奪われて運転操作に支障をきたす可能性もあるが、車両情報に基づいてドライバの運転負荷が大きいと判定されたときに地点情報の表示の更新を停止させるようにすることで、このような不都合を未然に回避することが可能となる。
【0085】
車両情報に基づいてドライバの運転負荷を判定する具体的手法としては、例えば、ステアリングの操作量(操舵速度や操舵角度)に基づいて運転操作の不安定状態を表すステアリングエントロピー値を算出し、このステアリングエントロピー値が高いときに運転負荷が大きいと判定するといった手法が適用できる。なお、ステアリング操作量からステアリングエントロピー値を算出する手法の詳細については、例えば、特開2001−301639号公報や特開2002−255040号公報、特開2003−246227号公報等に記載されている。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、本発明を適用した第4の実施形態の運転支援装置について説明する。本実施形態の運転支援装置は、基本的な装置構成や処理の概要については上述した第1の実施形態と同様であり、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、各地点情報の表示位置を決定する際の処理の内容が、上述した第1の実施形態とは異なるものである。すなわち、上述した第1の実施形態では、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、これら複数の地点情報を同時に表示させるとこれらに重なり合いが生じるか否かを判定し、重なり合いが生じると判定した場合には何れか一方の地点情報のみを選択して表示させるようにしているが、本実施形態では、複数の地点のうちで自車両の現在位置からの距離が最も短い地点を除く他の地点については、当該地点よりも自車両の現在位置からの距離が短い地点との間の相対位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示位置を決定するようにしている。以下では、本実施形態に特徴的な部分を中心に説明し、上述した第1の実施形態と同様の装置構成や第1の実施形態と同様の処理内容については、詳細な説明を省略する。
【0087】
図20は、本実施形態の運転支援装置における一連の処理の流れを示すフローチャートである。この図20のフローチャートにおいて、ステップS71の処理とステップS72の処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS1及びステップS2の処理)と同様である。本実施形態の運転支援装置では、ステップS72において地点情報取得手段4により表示対象となる地点に関する地点情報が取得された後、次のステップS73において、表示制御手段5が、地点情報取得手段4により取得された表示対象となる地点情報が複数あるか否かを判定する。そして、表示対象となる地点が複数ある場合には、表示制御手段5は、ステップS74において、隣接する地点間の相対位置関係を算出するようにしている。
【0088】
具体的には、表示制御手段5は、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、これら複数の地点のうちで自車両に最も近い地点を除く他の地点について、当該地点よりも1つ手前の地点を自車両が通過する際の自車両の進行方向に対する当該地点の位置、すなわち1つ前の地点を通過する自車両の進行方向に対して当該地点が右側にあるか、或いは左側にあるかを判定する。
【0089】
例えば図21に示す例において、地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とが表示対象の地点である場合、表示制御手段5は、地点P1に対する地点P2の相対位置関係を以下のように算出する。すなわち、まず、自車両の現在位置に近い手前側にある地点P1とその前後にある補間点(道路形状情報に含まれるデータ)を用いて、地点P1を頂点とする曲線関数KP1を求め、この曲線関数KP1の地点P1を通る接線SP1を算出する。そして、地点P1の次の表示対象地点である地点P2の座標を、SP1をy軸とし、P1を原点とする座標系に変換し、地点P2の位置が地点P1を通過する自車両の進行方向に対して右側にあるのか、左側にあるのかを判定する。なお、表示対象となる地点が3つ以上ある場合には、自車両に最も近い地点を除く全ての地点について、以上の処理を行って、手前側の地点に対する相対位置関係を算出する。
【0090】
本実施形態の運転支援装置においては、ステップS73で表示対象となる地点情報が1つと判定されたとき、或いはステップS74で複数の地点間の相対位置関係が算出された後に、表示制御手段5によってステップS75以降の処理が行われる。なお、図20のフローチャートにおいて、ステップS75〜ステップS79までの処理は、上述した第1の実施形態での処理(図9のフローチャートにおけるステップS3〜ステップS7までの処理)と同様である。ただし、上述した第1の実施形態では、表示対象となる全ての地点情報に対して、ステップS7において表示手段1の表示エリア左右方向における表示位置Vpnを算出していたが、本実施形態の運転支援装置では、ステップS79において、自車両に最も近い地点に関する地点情報についてのみ、表示手段1の表示エリア左右方向における表示位置Vpnを算出するようにしている。
【0091】
本実施形態の運転支援装置においては、次のステップS80において、表示制御手段5が、表示対象となる地点情報が複数あるか否かを確認し、その結果に応じて、表示手段1上における地点情報の表示位置を決定するようにしている。
【0092】
すなわち、表示対象となる地点情報が1つのみ(ステップS80でNoの判定)の場合には、表示制御手段5は、次のステップS81において、ステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示手段1の表示エリア内に収まっているか否かを判定する。そして、表示位置Vpnが表示エリア内であれば、次のステップS82において、ステップS79で算出した表示位置Vpn,Vpcnを表示手段1上における地点情報の表示位置として確定し、この表示手段1上の表示位置Vpn,Vpcnに、ステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で、表示対象となる地点情報を表示させる。
【0093】
一方、ステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示エリアから外れていれば、表示制御手段5は、ステップS83において、表示エリアの右端近傍又は左端近傍の位置を表示手段1上における地点情報の表示位置として確定し、この表示位置に、ステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で、表示対象となる地点情報を表示させる。
【0094】
また、表示対象となる地点情報が複数ある(ステップS80でYesの判定)場合には、表示制御手段5は、ステップS84において、自車両の現在位置に最も近い地点情報の左右方向における表示位置、すなわちステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが、表示手段1の表示エリア内に収まっているか否かを判定する。そして、表示位置Vpnが表示エリア内であれば、次のステップS85において、自車両の現在位置に最も近い地点情報の表示手段1上における表示位置を、ステップS79で算出した表示位置Vpn,Vpcnに確定するとともに、他の地点情報の表示位置を、ステップS74で算出した地点間の相対位置関係に基づいて直前の地点情報との位置関係を把握できる位置に決定し、これら各地点情報をステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で表示させる。
【0095】
具体的には、例えば図22(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報と地点P3に関する地点情報とがそれぞれ表示対象の地点情報である場合、自車現在位置Gに最も近い地点P1を通過する際の自車両の進行方向に対して地点P2は左側となり、地点P2を通過する際の自車両の進行方向に対して地点P3は右側となるので、表示制御手段5は、図22(b)に示すように、地点P1に関する地点情報をステップS79で算出した表示位置に表示させるとともに、地点P2に関する地点情報は地点P1に関する地点情報の左隣りに表示させ、地点P3に関する地点情報は地点P2に関する地点情報の右隣りに表示させる。
【0096】
一方、ステップS79で算出した地点情報の左右方向における表示位置Vpnが表示エリアから外れていれば、表示制御手段5は、ステップS86において、自車両の現在位置に最も近い地点情報の表示手段1上における表示位置を、表示エリアの右端近傍又は左端近傍の位置に確定するとともに、他の地点情報の表示位置を、ステップS74で算出した地点間の相対位置関係に基づいて直前の地点情報との位置関係を把握できる位置に決定し、これら各地点情報をステップS77で決定した表示サイズで、且つステップS78で決定した表示色で表示させる。
【0097】
具体的には、例えば図23(a)に示した例で地点P1に関する地点情報と地点P2に関する地点情報とがそれぞれ表示対象の地点情報である場合、自車現在位置Gに最も近い地点P1を通過する際の自車両の進行方向に対して地点P2は左側となるので、表示制御手段5は、図23(b)に示すように、地点P1に関する地点情報を表示手段1の表示エリア右端近傍に表示させるとともに、地点P2に関する地点情報を地点P1に関する地点情報の左隣りに表示させる。
【0098】
本実施形態の運転支援装置では、以上の一連の処理が所定の周期で繰り返し実行される。これにより、表示手段1の表示エリアには、例えば図24に示すように、自車両の走行経路上の表示対象となる各地点の情報が、自車両の位置が変化するのに対応して、常に直前の地点との間の位置関係を把握できる表示形態で表示されることになる。すなわち、図24に示す例では、自車両が図中G1の位置を走行しているときには、地点P2に関する地点情報が地点P1に関する地点情報の左隣り、地点P3に関する地点情報が地点P2に関する地点情報の右隣りとなるように、表示対象となる各地点P1,P2,P3に関する地点情報が表示手段1の表示エリアにそれぞれ表示される。そして自車両が図中のG2の位置を走行しているときには、地点P3に関する地点情報が地点P2に関する地点情報の右隣りとなるように、表示対象となる各地点P2,P3に関する地点情報が表示手段1の表示エリアにそれぞれ表示され、自車両が図中のG2の位置を走行しているときには、自車両の現在位置から地点P3が存在する方位に対応した表示位置で、表示対象となる地点P3に関する地点情報が表示手段1の表示エリアに表示されることになる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態の運転支援装置においては、表示対象となる地点情報が複数ある場合に、複数の地点のうちで自車現在位置からの距離が最も短い地点を除く他の地点については、当該地点よりも自車現在位置に近い手前の地点との間の相対位置関係に基づいて当該地点に関する地点情報の表示位置を決定するようにしているので、表示対象となる各地点情報を、その直前の地点を自車両が通過した後に実際に地点が現れてくる方向をドライバが把握できるように表示させることができ、ドライバの運転操作をより適切に支援することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 表示手段
2 自車位置検出手段
3 道路情報格納手段
4 地点情報取得手段
5 表示制御手段
6 車両情報取得手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援装置において、
自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、
少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を前記道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、
車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、前記地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、
前記表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段上における地点情報の表示位置を、ドライバの視点を基準として当該地点が実際に存在する方位と重なる位置に決定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、表示対象となる地点が実際に存在する方位が前記表示手段の表示エリアから外れる場合には、当該地点に関する地点情報を前記表示手段の表示エリアの右端又は左端に表示させると共に、当該地点が実際に存在する方位が前記表示手段の表示エリアから外れていることを示す情報を併せて表示させることを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、前記表示手段の表示エリア上下方向における当該地点に関する地点情報の表示位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段が、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記表示制御手段が、表示対象となる地点に関する地点情報の情報優先度に応じて、当該地点情報の表示色を決定することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、表示対象となる地点における必要減速度を算出し、算出した必要減速度に応じて当該地点に関する地点情報の情報優先度を決定することを特徴とする請求項6に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記地点情報は、当該地点を自車両が通過する際の推奨速度の情報であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記地点情報取得手段により複数の地点に関する地点情報が取得されている場合には、これら複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させるとこれらの地点情報が重なると判断した場合には、これら複数の地点のうちで自車両の現在位置に最も近い地点に関する地点情報を選択して表示させることを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させるとこれらの地点情報が重なると判断した場合には、これら複数の地点のうちで情報優先度が最も高い地点に関する地点情報を選択して表示させることを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させるとこれらの地点情報が重なると判断した場合には、これら複数の地点に関する地点情報を重ね合わせた状態で、最上層で表示される地点情報を切り替えながら表示させることを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項13】
前記表示制御手段は、自車両の現在位置から前記複数の地点の位置までの距離に基づいて、これら各地点に関する地点情報の最上層で表示される表示時間を決定することを特徴とする請求項12に記載の運転支援装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記複数の地点に関する地点情報の情報優先度に基づいて、これら各地点に関する地点情報の最上層で表示される表示時間を決定することを特徴とする請求項12に記載の運転支援装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記複数の地点のうちで自車両の現在位置からの距離が最も短い地点を除く他の地点については、当該地点よりも自車両の現在位置からの距離が短い地点との間の相対位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項16】
自車両の挙動を表す車両情報を取得する車両情報取得手段を備え、
前記表示制御手段は、前記車両情報取得手段により取得された車両情報に基づいて、前記表示手段の表示更新周期を変化させることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項17】
前記車両情報取得手段は前記車両情報として自車両のステアリング操舵速度を取得し、
前記表示制御手段は、前記ステアリング操舵速度が所定値未満となっている間は前記表示手段による表示を所定周期で更新させ、前記ステアリング操舵速度が所定値以上となった場合には前記表示手段による表示の更新を停止させることを特徴とする請求項16に記載の運転支援装置。
【請求項18】
自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援装置において、
自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、
少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を前記道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、
車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、前記地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、
前記表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定することを特徴とする運転支援装置。
【請求項19】
自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援方法において、
自車両の現在位置及び進行方向を検出する第1のステップと、
前記第1のステップで検出した自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を取得する第2のステップと、
前記第2のステップで取得した地点情報を、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置された表示手段に表示させる第3のステップとを有し、
前記第3のステップでは、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定することを特徴とする運転支援方法。
【請求項1】
自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援装置において、
自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、
少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を前記道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、
車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、前記地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、
前記表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段上における地点情報の表示位置を、ドライバの視点を基準として当該地点が実際に存在する方位と重なる位置に決定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、表示対象となる地点が実際に存在する方位が前記表示手段の表示エリアから外れる場合には、当該地点に関する地点情報を前記表示手段の表示エリアの右端又は左端に表示させると共に、当該地点が実際に存在する方位が前記表示手段の表示エリアから外れていることを示す情報を併せて表示させることを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、前記表示手段の表示エリア上下方向における当該地点に関する地点情報の表示位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段が、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記表示制御手段が、表示対象となる地点に関する地点情報の情報優先度に応じて、当該地点情報の表示色を決定することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、表示対象となる地点における必要減速度を算出し、算出した必要減速度に応じて当該地点に関する地点情報の情報優先度を決定することを特徴とする請求項6に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記地点情報は、当該地点を自車両が通過する際の推奨速度の情報であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記地点情報取得手段により複数の地点に関する地点情報が取得されている場合には、これら複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させるとこれらの地点情報が重なると判断した場合には、これら複数の地点のうちで自車両の現在位置に最も近い地点に関する地点情報を選択して表示させることを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させるとこれらの地点情報が重なると判断した場合には、これら複数の地点のうちで情報優先度が最も高い地点に関する地点情報を選択して表示させることを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、複数の地点に関する地点情報を前記表示手段上に同時に表示させるとこれらの地点情報が重なると判断した場合には、これら複数の地点に関する地点情報を重ね合わせた状態で、最上層で表示される地点情報を切り替えながら表示させることを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項13】
前記表示制御手段は、自車両の現在位置から前記複数の地点の位置までの距離に基づいて、これら各地点に関する地点情報の最上層で表示される表示時間を決定することを特徴とする請求項12に記載の運転支援装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記複数の地点に関する地点情報の情報優先度に基づいて、これら各地点に関する地点情報の最上層で表示される表示時間を決定することを特徴とする請求項12に記載の運転支援装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記複数の地点のうちで自車両の現在位置からの距離が最も短い地点を除く他の地点については、当該地点よりも自車両の現在位置からの距離が短い地点との間の相対位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項16】
自車両の挙動を表す車両情報を取得する車両情報取得手段を備え、
前記表示制御手段は、前記車両情報取得手段により取得された車両情報に基づいて、前記表示手段の表示更新周期を変化させることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の運転支援装置。
【請求項17】
前記車両情報取得手段は前記車両情報として自車両のステアリング操舵速度を取得し、
前記表示制御手段は、前記ステアリング操舵速度が所定値未満となっている間は前記表示手段による表示を所定周期で更新させ、前記ステアリング操舵速度が所定値以上となった場合には前記表示手段による表示の更新を停止させることを特徴とする請求項16に記載の運転支援装置。
【請求項18】
自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援装置において、
自車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置検出手段と、
少なくとも道路上の地点に関する地点情報を含む道路情報が格納された道路情報格納手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を前記道路情報格納手段から取得する地点情報取得手段と、
車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置され、前記地点情報取得手段により取得された地点情報が表示される表示手段と、
前記表示手段の表示動作を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段が、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定することを特徴とする運転支援装置。
【請求項19】
自車両の走行経路上の地点に関する情報を表示手段で表示してドライバの運転を支援する運転支援方法において、
自車両の現在位置及び進行方向を検出する第1のステップと、
前記第1のステップで検出した自車両の現在位置及び進行方向に基づき、自車両の進行方向に沿った道路上で、自車両の現在位置から所定距離以内に存在する地点に関する地点情報を取得する第2のステップと、
前記第2のステップで取得した地点情報を、車両のフロントガラス下部に位置して横長に設置された表示手段に表示させる第3のステップとを有し、
前記第3のステップでは、自車両の現在位置と表示対象となる地点の位置との位置関係に基づいて、当該地点に関する地点情報の前記表示手段上における表示位置を決定するとともに、自車両の現在位置から表示対象となる地点の位置までの距離に基づいて、当該地点に関する地点情報の表示サイズを決定することを特徴とする運転支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−43514(P2011−43514A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223984(P2010−223984)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【分割の表示】特願2005−113418(P2005−113418)の分割
【原出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【分割の表示】特願2005−113418(P2005−113418)の分割
【原出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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