説明

運転支援装置及び運転支援方法

【課題】 適切なタイミングで方向指示器の点滅を行うことができる運転支援装置及び運転支援方法を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置1に備えられるCPU2は、画像センサ12等に基づいて、自車位置の周辺状況を検出する。また、CPU2は、自車両に設けられたウィンカー31を点滅させるための点滅制御信号を車両ECU30に送信する。CPU2は、目的地までの経路を探索し、探索された案内経路上においてウィンカー31を点滅させる対象地点を検出する。また、対象地点の手前に設定されたチェック地点において、周辺状況に基づいて、ウィンカー31を点滅させる点滅条件に該当するか否かを判断する。そして、点滅条件に該当すると判断した場合に、車両ECU30に点滅制御信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置及び運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自車の右折・左折等を後続車等に伝えるためのナビゲーション装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたナビゲーションシステムは、目的地までの経路を探索する探索機能を備え、目的地までの案内経路を設定するとともに、その案内経路上の右折地点や左折地点を検出する。そして、ナビゲーションシステムは、案内経路に従って目的地まで走行する際、自車両が、その検出した右折地点等までの相対距離が所定距離になるまで接近すると、外部から視認可能な状態で自車両に設けられた表示装置に、「右折します」等のメッセージを他車両に向けて自動的に表示する。他にも、自車両が、右折地点等までの距離が所定距離になるまで接近すると、車両の方向指示器を進行方向に合わせて自動的に点滅させる車載装置も提案されている。
【特許文献1】特開平9−188190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、前記各装置は、自車位置から右折地点等までの相対距離が所定距離以下になった時点で、右折等の案内を表示したり、方向指示器を点滅制御する。ところが、自車位置から右折地点等までの相対距離が所定距離となった点滅地点が、常に、方向指示器を点滅させるのに最適なタイミングとは限らない。例えば、方向指示器の点滅地点と左折予定の交差点との間に、左折可能な別の道路が接続していた場合には、点滅のタイミングが早過ぎて、その接続道路で左折するような誤解を他の運転者や歩行者に与えてしまう。一方、交差点直前で方向指示器を点滅させると、自車両の進行方向を、後方を走行する二輪車等に伝えるのが遅くなり、円滑な交通の流れを妨げるばかりでなく、交通事故を招来する。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切なタイミングで方向指示器の点滅を行うことができる運転支援装置及び運転支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、自車位置を特定する自車位置特定手段と、地図データを読出す読出手段と、目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し前記案内経路を設定する案内経路設定手段と、自車位置の周辺状況を判断する周辺状況判断手段と、自車両に設けられた方向指示器を点滅させるための点滅制御信号を送信する制御手段とを備え、前記制御手段が、設定された前記案内経路上において前記方向指示器を点滅させる必要のある対象地点を検出し、前記対象地点の手前の判断地点において、前記周辺状況判断手段に基づき、前記自車両の周辺状況が前記方向指示器を点滅させる点滅条件に該当するか否かを判断し、前記点滅条件に該当すると判断した場合に、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運転支援装置において、前記点滅条件は、前記対象地点と前記判断地点との間に接続する接続道路が無いことであって、前記制御手段は、前記接続道路が無いと判断した場合に、前記判断地点において前記点滅制御信号を送信し、前記接続道路があると判断した場合に、前記自車両が前記接続道路を通過した後に、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の運転支援装置において、前記周辺状況判断手段は、前記自車両の周辺の他車両又は歩行者を検知する検出装置から検出データを取得するとともに、前記点滅条件は、前記対象地点と前記判断地点との間に接続道路が接続している場合に、その接続道路内に他車両又は歩行者が無いことであって、前記制御手段は、前記接続道路内に他車両又は歩行者が無い場合には、前記判断地点において前記点滅制御信号を送信し、前記接続道路内に他車両又は歩行者がある場合には、前記接続道路を通過した後に、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記周辺状況判断手段は、少なくとも前記自車両の後方の他車両を検知する検出装置から検出データを取得するとともに、前記点滅条件は、前記判断地点において、前記自車両に後方から接近した他車両があることであって、前記制御手段は、前記判断地点において前記後方から接近した他車両がある場合に、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記判断地点は、複数設けられ、前記制御手段は、前記各判断地点を通過する際にそれぞれ検出された前記周辺状況が、前記各判断地点ごとに設定された前記点滅条件に該当するか否かを判断することを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記制御手段は、前記自車両に設けられた方向指示器制御手段に対して、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記制御手段は、前記自車両の車室内に設けられたディスプレイに前記方向指示器の点滅案内を表示させる表示制御手段に対して、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記制御手段は、点滅案内音声を出力する音声出力手段に対して、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、自車位置を特定する自車位置特定手段と、地図データを読出す読出手段と、目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し前記案内経路を設定する案内経路設定手段と、自車位置の周辺状況を判断する周辺状況判断手段と、自車両に設けられた方向指示器を点滅させるための点滅制御信号を送信する制御手段とを用いて、前記制御手段により、設定された前記案内経路上において前記方向指示器を点滅させる対象地点を検出し、前記対象地点の手前の判断地点において、前記周辺状況判断手段に基づき、前記自車両の周辺状況が前記方向指示器を点滅させる必要のある点滅条件に該当するか否かを判断し、前記点滅条件に該当すると判断した場合に、前記点滅制御信号を送信することを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又は9に記載の発明によれば、運転支援装置が備える制御手段は、設定した案内経路に従って走行しているとき、その案内経路上の左折地点、右折地点等、方向指示器を点滅させる対象地点を検出する。そして、対象地点の手前に設定された判断地点において、周辺状況判断手段に基づいて、方向指示器を点滅するための点滅条件に該当するか否かを判断する。さらに、点滅条件に該当すると判断した場合には、点滅制御信号を送信
する。このため、自車の周辺状況に応じて、方向指示器の点滅を中止したり実行したりすることができるので、他車両や歩行者に対して、自車の右折や左折等を適切なタイミングで伝え、事故低減を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、方向指示器を点滅するための点滅条件は、対象地点と判断地点との間に、接続する接続道路が無いことである。このため、右折地点等と判断地点との間に接続道路があるにも関わらず方向指示器を早めに点滅させて、他車両の運転者又は歩行者に、自車両が接続道路で左折又は右折を行うといった誤解を与えてしまうことを防ぐことができる。従って、適切なタイミングで方向指示器を点滅することができるので、事故低減を図ることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、周辺状況判断手段は、自車両の周辺の他車両又は歩行者を検出する。また、制御手段は、対象地点と判断地点との間に接続する接続道路内に、他車両又は歩行者が無い場合に点滅制御信号を送信する。従って、接続道路内の他車両又は歩行者に、自車両が、その接続道路で右左折等を行うといった誤解を与えないようにすることができるため、事故低減を図ることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段は、判断地点において自車に接近した他車が後方にある場合に、判断地点で点滅制御信号を送信する。このため、後方の他車に対して、方向指示器を早めに点滅させることができるので、二輪車の巻き込み等といった事故を低減することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、判断地点は複数設けられ、制御手段は各判断地点において検出された周辺状況が、各判断地点ごとに設定された点滅条件に該当するか否かを判断する。このため、左折地点等の周辺に到達した位置、左折地点等に接近した位置等に適した点滅条件に基づいて、方向指示器を点滅するか否かを判断することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、点滅制御信号は、方向指示器を点滅させる方向指示器制御手段に対して送信されるので、制御手段によって送信される点滅制御信号によって、方向指示器を自動点滅させることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、点滅制御信号は、ディスプレイに方向指示器の点滅案内を表示させる表示制御手段に対して送信される。このため、運転者に、適切なタイミングで、方向指示器の点滅操作を促すことができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、点滅制御信号は、点滅案内音声を出力する音声出力手段に対して送信される。このため、運転者に、視点移動をさせることなく、適切なタイミングで方向指示器の点滅操作を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、自動車に搭載された運転支援装置としてのナビゲーション装置1の構成を説明するブロック図である。
【0023】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、CPU2、RAM3、ROM4を備えている。ROM4には、自車位置を演算するための位置演算プログラム、目的地までの最適な経路を探索するための経路探索プログラム、周辺状況を判断するための周辺状況判断プログラム等が格納され、CPU2は各種プログラムに従って処理を実行する。
【0024】
CPU2は、インターフェース(I/F)5を介して、自車位置特定手段を構成するGPS受信部6から位置検出用データを受信する。GPS受信部6は、GPS衛星からの電波を受信する。そして、CPU2は、この受信データ及び位置演算プログラムに基づいて、自車位置の緯度・経度・高度等の測位データを算出する。尚、CPU2は、特許請求の範囲に記載の自車位置特定手段、読出手段、案内経路設定手段、周辺状況判断手段及び制御手段を構成する。
【0025】
また、CPU2は、インターフェース5を介して、自車両に設けられた車速センサ7及び方位センサ8から検知データを受信する。CPU2は、これらの検知データに基づいて、基準位置からの相対距離、走行方位等の自律航法データを算出する。また、CPU2は、GPS受信部6からの取得データに基づく測位データと、車速センサ7及び方位センサ8により算出した自律航法データに基づき、自車位置を算出する。
【0026】
さらに、CPU2は、通信インターフェース(I/F)9を介して、自車両に設けられた検出装置としての路車間通信部10から、位置情報、交通情報等が含まれるデータを受信する。この路車間通信部10は、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)受信装置であって、道路上に配設された発信装置及び図示しないビーコンから位置情報、渋滞情報等が含まれた検出データを受信する。
【0027】
また、CPU2は、通信インターフェース9を介して、自車両に設けられた検出装置としての車々間通信部11と接続されている。この車々間通信部11は、普通自動車、二輪車等他車両に備えられた同規格の通信装置との間で、各種検出データを双方向通信可能になっている。
【0028】
さらに、CPU2は、自車両に設けられた検出装置としての画像センサ12、超音波センサ13、レーダセンサ14とセンサインターフェース(I/F)15を介してそれぞれ接続されている。画像センサ12は、自車両の前方及び後方に設けられた図示しないCCDカメラにより撮像データを取得する。そして、その撮像データを解析処理して、自車両の周辺の普通自動車等の四輪車、二輪車、歩行者をそれぞれ識別し、検出データをCPU2に送信する。レーダセンサ14は、ミリ波レーダ等からなり、超音波センサ13とともに、少なくとも自車両の周辺の自動車等の存在を検知し、それらの障害物との相対距離、速度等を検知する。
【0029】
さらに、ナビゲーション装置1は、光ディスクDに格納されたデータを読込むためのディスクドライブ16を備えている。光ディスクDには、地図データとしての経路データ及び描画データが格納されている。経路データは、ノードデータ、リンクデータ等を格納し、広範囲の地図を示すデータから狭範囲のデータまで階層化されている。CPU2は、目的地までの経路案内処理を行う際に、この経路データ及び前記経路探索プログラムに従って複数の経路を探索し、各経路の距離等を算出する。そして、各経路の中から最適な経路を決定し、その経路に対応するノード番号、リンク番号等を取得して、RAM3に一時格納する。
【0030】
光ディスクDに格納された描画データは、経路データと同様に、広範囲から狭範囲の地図を表示するためのデータである。この描画データは、各範囲の地図に表示される道路、市街地、河川等を描画するための画像データと、地図に描画される道路等の位置データを含んでいる。
【0031】
さらに、ナビゲーション装置1は、表示制御手段としての画像プロセッサ17及び画像メモリ18を備えている。画像プロセッサ17は、描画プログラムに従って、自車位置周辺の地図を描画するための前記描画データと、画像メモリ18に格納された自車位置マー
ク、画面のテンプレート等を、ディスプレイ20に重ね合わせて表示する。ディスプレイ20は、例えば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種モード等がタッチスイッチを操作することによって選択可能になっている。
【0032】
また、CPU2は、スイッチ21やタッチパネル等から構成される操作部が操作されると、各種処理を実行する。例えば、スイッチ21及び前記タッチパネルの操作により、目的地が入力されて、「経路案内モード」が選択されると、CPU2は、光ディスクDに格納された経路データに基づいて経路を探索する探索処理と、その経路を、自車位置周辺の地図とともにディスプレイ20に表示する経路案内処理とを行う。
【0033】
また、ナビゲーション装置1は、音声出力手段としての音声プロセッサ19を備えている。音声プロセッサ19は、CPU2からの命令に従って、ROM4等に格納された各種音声データを合成し、ナビゲーション装置1に具備されたスピーカ23から、「次の交差点を左折です」等の案内音声を出力する。
【0034】
さらに、CPU2は、方向指示器制御手段としての車両電子制御装置(以下、車両ECU30と言う)と車両側インターフェース(I/F)22を介して接続されている。車両ECU30は、自車両に設けられたブレーキランプ、方向指示器(以下、ウィンカーと言う)の点滅制御等の各種制御を行う。CPU2は、方向指示器の点滅のタイミングを判断すると、車両側インターフェース22を介して、車両ECU30に点滅制御信号を送信するようになっている。そして、車両ECU30は、点滅制御信号に基づいてウィンカー31を点滅制御する。
【0035】
次に、ナビゲーション装置1の運転支援処理について図2に従って説明する。ディスプレイ20のタッチスイッチ又はスイッチ21が操作されて目的地が入力されると、CPU2は、自車位置から目的地までの経路を、光ディスクDに格納された経路データに基づいて探索する。そして、探索された経路を示す、ノードのノード番号、各ノードを接続するリンクのリンク番号等を取得する。また、CPU2は、自車位置周辺の地図を描画するための描画データを光ディスクDから読出し、案内経路を示す指標と重ね合わせて、ディスプレイ20に表示して、経路を案内する(ステップS1−1)。
【0036】
また、CPU2は、ウィンカー31を点滅させる必要のある対象地点を予め検出する(ステップS1−2)。具体的には、探索された経路を示すノード番号及びリンク番号に基づいて、左折地点及び右折地点を検出する。具体的には、図3に示すように、自車両100が走行する案内経路が、道路101から交差点102を左折して、道路103を走行する経路である場合、対象地点としての交差点102に対応するノードN1を検出する。
【0037】
そして、CPU2は、自車両100が、判断地点としての1次チェック地点を通過したか否かを判断する(ステップS1−3)。本実施形態では、1次チェック地点は、対象地点(交差点102)前の100m手前の地点に設定されている。例えば、図3に示すように、左折する交差点102がある場合には、その手前の道路101の途中に1次チェック地点P1が設けられている。
【0038】
そして、CPU2が、図4に示すように自車両100が1次チェック地点P1を通過したと判断すると(ステップS1−3においてYES)、ROM4に格納された前記周辺状況判断プログラムに従って、後方に他車両としての二輪車104がいるか否かを判断する(ステップS1−4)。このとき、CPU2は、車々間通信部11から、二輪車104に設けられた通信装置から発信された電波を受信したか否かを判断する。二輪車104を示す電波を受信した場合には、後方に二輪車104がいると判断する。さらに、自車両100の後方に設けられた画像センサ12、超音波センサ13又はレーダセンサ14からの検
出データの受信の有無を判断し、後方を走行する二輪車104の有無を検出する。
【0039】
CPU2が、図4のように、自車両100の後方に二輪車104がいる(第1の点滅条件)と判断した場合には、ウィンカーを点滅させるタイミングであると判断して、車両ECU30に対し、車両側インターフェース22を介してウィンカー点滅信号を送信する(ステップS1−5)。この信号を受信した車両ECU30は、ウィンカーを点滅させる。このように、二輪車104が後方にいる場合に優先してウィンカーを点滅させることにより、二輪車104の運転者に左折(又は右折)の意思を早めに伝え、巻きこみ等の事故の発生を低減できる。
【0040】
ウィンカーを点滅させると、CPU2は、GPS受信部6,車速センサ7及び方位センサ8に基づいて、左折する交差点102(対象地点)を通過したか否かを判断する(ステップS1−6)。対象地点としての交差点102を通過したと判断すると、CPU2は、車両ECU30に点滅停止信号を送信し、ウィンカーを消灯させる(ステップS1−7)。そして、案内が終了したか否かを判断し(ステップS1−8)、目的地に到着又はタッチスイッチ等の入力操作により案内が終了した場合には(ステップS1−8においてYES)、処理を終了する。案内が終了しない場合には、ウィンカー31を点滅させる対象となる対象地点を検出する(ステップS1−2)。
【0041】
一方、ステップS1−4において、CPU2が後方に二輪車104がいないと判断すると、CPU2は、自車両100が、判断地点としての2次チェック地点を通過したか否かを判断する(ステップS1−9)。2次チェック地点P2は、図3に示すように、対象地点としての交差点102と、1次チェック地点P1との間であって、交差点102の30m手前に設定されている。このステップS1−9は、自車両100が2次チェック地点P2を通過するまで繰り返される。
【0042】
自車両100が2次チェック地点P2を通過したと判断すると(ステップS1−9においてYES)、CPU2は、ROM4に格納された前記周辺状況判断プログラムに従って、二輪車及び四輪車を含む、他車両としての後続車106がいるか否かを判断する(ステップS1−10)。このとき、CPU2は、車々間通信部11と、自車両100の後方に設けられた画像センサ12、超音波センサ13及びレーダセンサ14からの検出データに基づいて、後続車106の有無を判断する。
【0043】
図5に示すように、2次チェック地点P2を通過した際に、後続車106がいる(第2の点滅条件)と判断すると(ステップS1−10においてYES)、CPU2は、ウィンカー31を点滅させるタイミングであるとして、車両ECU30に対し、車両側インターフェース22を介してウィンカー点滅信号を送信する(ステップS1−5)。このように、後続車106がある場合に左折(又は右折)の意思を早めに伝えることにより、事故発生を低減できる。そして、CPU2は、交差点102の通過後、ウィンカー31を消灯させる(ステップS1−6,S1−7)。そして、案内が終了したか否かを判断し(ステップS1−8)、案内が終了した場合には(ステップS1−8においてYES)、処理を終了する。案内が終了しない場合には、ステップS1−2に戻る。
【0044】
また、CPU2が、2次チェック地点P2を通過した後に、後続車106がいないと判断すると(ステップS1−10においてNO)、前記周辺状況プログラムに従って、2次チェック地点P2と、対象地点としての交差点102との間に接続道路105があるか否かを判断する(ステップS1−11)。例えば、案内経路上に自車両が左折する予定の左折地点がある場合には、CPU2は、自車両100が現在走行している道路と対応するリンクL1と、左折地点に対応するノードN1との間に、別のノードやリンクがあるか否かを判断する。そして、別のノードN3やリンクL2がある場合には、現在走行している道
路101に接続する接続道路105があると判断する。さらに、ノードN3に接続するリンクL3の方向等に基づいて、その接続道路105が、左折可能であるか否かを判断する。このとき、左折地点である交差点102の手前に、右折可能な道路のみ接続している場合には、接続道路がないと判断する。
【0045】
また、例えば、案内経路上に自車両が右折する予定の右折地点がある場合には、CPU2は、現在走行している道路101に接続する、右折可能な道路があるか否かを判断する。このとき、道路101に接続する道路が無い、又は左折可能な接続道路105しかない場合には、接続道路105がないと判断する。
【0046】
そして、接続道路105がない(第3の点滅条件)と判断した場合には(ステップS1−11においてNO)、周囲の車の運転者又は歩行者に誤解を与えることなく進行方向を変更する意思を伝えることができるため、車両ECU30にウィンカー点滅信号を送信して、ウィンカー31を点滅させる(ステップS1−5)。そして、交差点102の通過後、ウィンカー31を消灯させ(ステップS1−6,S1−7)、さらに、案内が終了したか否かを判断し(ステップS1−8)、案内が終了した場合には(ステップS1−8においてYES)、処理を終了する。案内が終了しない場合には、ステップS1−2に戻る。
【0047】
一方、接続道路があると判断した場合には(ステップS1−11においてYES)、CPU2は、前記周辺状況判断プログラムに従って、車々間通信部11や、自車両100の前方に設けられた画像センサ12、超音波センサ13及びレーダセンサ14に基づき、接続道路105内に他車両107又は歩行者があるか否かを判断する(ステップS1−12)。CPU2が、接続道路105に他車両又は歩行者がない(第4の点滅条件)と判断した場合には(ステップS1−12においてNO)、接続道路105内の他車両の運転者又は歩行者に誤解を与えることがないため、車両ECU30にウィンカー点滅信号を送信して、ウィンカー31を点滅させる(ステップS1−5)。そして、交差点102の通過後、ウィンカー31を消灯させる(ステップS1−6,S1−7)。
【0048】
また、図6のように接続道路105内に存在する他車両107を検出した場合には(ステップS1−12においてYES)、CPU2は、自車位置を検出しながら、接続道路105との接続点(ノードN3)の通過を待つ(ステップS1−13)。そして、図6中上方の自車両100のように接続点(ノードN3)を通過した(第4の点滅条件)と判断すると(ステップS1−13においてYES)、CPU2は、ウィンカー31を点滅させるタイミングであると判断して、ウィンカー点滅信号を車両ECU30に送信して、ウィンカー31を点滅させる(ステップS1−5)。これにより、自車両100が交差点102で左折するにも関わらず、道路101と接続道路105との接続点よりも手前でウィンカー31を点滅させて、周囲の車の運転者や歩行者に接続道路105で左折するような誤解を与えてしまうことを防ぐことができる。
【0049】
また、CPU2は、交差点102を通過したか否かを判断し(ステップS1−6)、通過後にウィンカー31を消灯させる(ステップS1−7)。ウィンカーを消灯させると、案内が終了したか否かを判断し(ステップS1−8)、案内が終了した場合には(ステップS1−8においてYES)、処理を終了する。案内が終了しない場合には、CPU2は、再び対象地点を検出し(ステップS1−2)、以下、上記した各処理を繰り返す。
【0050】
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、ナビゲーション装置1が備えるCPU2は、設定した案内経路上の左折地点又は右折地点等、ウィンカー31を点滅させる交差点102等の対象地点を検出するようにした。そして、CPU2は、各対象地点の手前に設定された1次チェック地点P1及び2次チェック地点P2において、画像センサ12等のセンサ、車々間通
信部11からの検出データに基づいて、周辺状況がウィンカー31を点滅するための各点滅条件に該当するか否かを判断するようにした。さらに、点滅条件に該当すると判断した場合には、車両ECU30に、ウィンカー31を点滅させる点滅制御信号を送信するようにした。このため、自車の周辺状況に応じて、ウィンカー31の点滅を中止したり実行したりすることができるので、他車両や歩行者に対して、自車両100の右折や左折等を適切なタイミングで伝え、事故低減を図ることができる。
【0051】
(2)第1の実施形態では、CPU2は、1次チェック地点P1において後方に二輪車104があると判断した場合に、車両ECU30に点滅制御信号を送信するようにした。このため、後方に二輪車104がいる場合に、ウィンカー31を優先して点滅させて、進行方向変更の意思を早めに伝えることができるので、二輪車の巻き込み等といった事故を低減することができる。
【0052】
(3)第1の実施形態では、CPU2は、2次チェック地点P2において後続車106があると判断した場合に、車両ECU30に点滅制御信号を送信するようにした。このため、後続車106に対して、進行方向変更の意思を早めに伝えることができるので、円滑な交通状況を妨げることなく、進行方向を変更できる。
【0053】
(4)第1の実施形態では、CPU2は、交差点102等の対象地点と2次チェック地点P2との間に、接続道路105が無いと判断した場合に、車両ECU30に点滅制御信号を送信するようにした。このため、左折地点等と2次チェック地点P2との間に接続道路105があるにも関わらずウィンカー31を早めに点滅させて、接続道路105内の他車両107の運転者又は歩行者に、自車両100が接続道路で左折等を行うといった誤解を与えてしまうことを防ぐことができる。従って、適切なタイミングでウィンカー31を点滅することができるので、交通の流れを妨害することなく進行方向を変更し、事故低減を図ることができる。
【0054】
(5)第1の実施形態では、CPU2は、交差点102等の対象地点と2次チェック地点P2との間の接続道路105内に、他車両又は歩行者が無い場合に、車両ECU30に点滅制御信号を送信する。従って、接続道路105内の他車両又は歩行者に、自車両100が、その接続道路105で右左折等を行うといった誤解を与えないようにすることができる。
【0055】
(6)第1の実施形態では、交差点102等の対象地点の手前に、ウィンカー31を点滅させるタイミングを判断するチェック地点を2地点設けた。また、1次チェック地点P1では、後方の二輪車104の有無を判断し、2次チェック地点P2では、後続車106の有無、接続道路105の有無、及び接続道路105内の他車両107及び歩行者の有無を判断するようにした。このため、各チェック地点P1,P2にそれぞれ適した点滅条件に基づいて、ウィンカー31を点滅するか否かを判断することができるので、より的確なタイミングを算出することができる。
【0056】
(7)第1の実施形態では、CPU2は、ウィンカーを点滅させる車両ECU30に対して点滅制御信号を送信するようにした。このため、適切なタイミングで、ウィンカー31を自動的に点滅させることができるので、運転者による操作ミス、点滅のタイミングの遅れ等を防止できる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のウィンカー自動点滅制御を、ディスプレイ20及びスピーカ23の制御に変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説
明を省略する。
【0058】
CPU2は、上記した各処理でウィンカー31を点滅させるタイミングであると判断した場合、画像プロセッサ17に、自車位置データと点滅制御信号とを送信する。画像プロセッサ17は、画像メモリ18から画像データを抽出して、図7に示すように、ディスプレイ20に、ウィンカー点滅案内50を表示する。ウィンカー点滅案内50は、左折又は右折等の方向と、ウィンカー31を点滅させる旨のメッセージを表示している。尚、ウィンカー31を点滅させるタイミングとは、1次チェック地点P1通過後に後方に二輪車104があると判断した場合(ステップS1−4においてYES)、2次チェック地点P2通過後に後続車106があると判断した場合(ステップS1−10においてYES)、2次チェック地点P2通過後に接続道路105が無い場合(ステップS1−11においてNO)、接続道路105内に他車両107又は歩行者が無いと判断した場合(ステップS1−12においてNO)、他車両107等がある接続道路105を通過したと判断した場合(ステップS1−13においてYES)である。
【0059】
また、画像プロセッサ17は、自車位置周辺に関連付けられた画像データを抽出し、地図画面51もディスプレイ20に表示する。地図画面51は、自車位置周辺の地図を表示しており、現在位置を示す自車位置マーク52と、経路を示す指標53と重ねられている。
【0060】
同時に、CPU2は、音声プロセッサ19に対し、自車両100の進行方向と、点滅制御信号を送信する。音声プロセッサ19は、ROM4等から、音声データを抽出及び合成して、スピーカ23から案内音声を出力する。これにより、図8に示すように、CPU2が、ウィンカー点滅のタイミングであると判断した時点において、スピーカ23から「次の交差点を左折です」、「ウィンカーを点滅してください」等の、進行方向及びウィンカー点滅の指示を行う点滅案内音声が出力される。自車両100の運転者は、ディスプレイ20のウィンカー点滅案内50及び案内音声に基づいて、ウィンカー操作部を操作し、ウィンカーを点滅させる。
【0061】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(8)第2の実施形態では、CPU2は、点滅制御信号を画像プロセッサ17に対して送信するようにした。そして、画像プロセッサ17は、ウィンカー点滅案内50をディスプレイ20に表示するようにした。このため、運転者に、適切なタイミングで、ウィンカー31の点滅操作を促すことができる。
【0062】
(9)第2の実施形態では、CPU2は、点滅制御信号を音声プロセッサ19に対して送信するようにした。このため、運転者に、視点移動をさせることなく、適切なタイミングでウィンカー31の点滅操作を促すことができる。
【0063】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・光ディスクDから経路データ、描画データを読出すようにしたが、ナビゲーション装置1がハードディスクを備えてもよい。
【0064】
・1次チェック地点P1は、対象地点の100m手前以外の地点でもよい。2次チェック地点P2は、対象地点の30m手前以外の地点でもよい。
・路側に設けられた発信装置が、周囲の自動車等の情報を提供できる場合には、二輪車104や後続車106を、検出装置としての路車間通信部10が受信する電波によって検出してもよい。
【0065】
・第2の実施形態では、ディスプレイ20に、ウィンカー点滅案内50のみを表示するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、車々間通信部11、画像センサ12、超音波センサ13及びレーダセンサ14の各装置により二輪車104や後続車106を検出するようにしたが、いずれか1つ又は複数の装置により検出するようにしてもよい。また、各装置のうち複数を用いて、1つ又は複数の装置により二輪車104又は後続車106が検知された場合に、二輪車又は後続車があると判断するようにしてもよい。
【0066】
・上記各実施形態では、1次チェック地点P1又は2次チェック地点P2の通過時点の自車両100の速度に基づいて、CPU2が、ウィンカ点滅制御信号を異なるタイミングで送信するようにしてもよい。例えば、1次チェック地点P1を通過した速度が比較的大きく、しかも後方に二輪車104がいた場合には、通過直後に点滅制御信号を送信し、1次チェック地点P1を通過した速度が小さい場合には、通過した後、所定時間経過した場合に、点滅制御信号を送信してもよい。
【0067】
・第1の実施形態の自動モードと、第2の実施形態の手動モードは、スイッチ21によって選択可能にしてもよい。
・上記各実施形態では、ステップS1−10又はステップS1−11の後に、接続道路105の接続点(ノードN3)から、交差点102等の対象地点までの距離が予め定めた距離(例えば、5〜7m等)より短いか否かを判断する処理を行ってもよい。そして、接続道路105の接続点から対象地点までの距離が、所定距離よりも短い場合には、ウィンカー31を点滅させるようにしてもよい。
【0068】
・上記各実施形態では、自車両100が、左折又は右折する場合について説明したが、ウィンカー31を点滅させる対象地点には、分岐点が含まれるものとする。図9に示すように、分岐点112は、自車両100が走行する道路110から分岐する分岐道路111との境界に設定されている。この分岐点112の手前には、1次チェック地点(図示せず)及び2次チェック地点P2が設定され、CPU2は、上記各実施形態と同様に、ウィンカー31を点滅させるタイミングを判断する。このような場合でも、ウィンカー31を点滅させるタイミングが遅くなること等を防止することができる。
【0069】
・上記各実施形態では、ステップS1−4の後方の二輪車104の有無の判断、ステップS1−9の後方の後続車106の有無の判断を省略してもよい。即ち、自車両100が、2次チェック地点P2等を通過した場合に、接続道路105の有無の判断(ステップS1−10)及び接続道路105内の他車両107等の判断(ステップS1−11)を行って、接続道路105内に他車両等がいない場合にはウィンカーを点滅させてもよい。そして、接続道路105内に他車両107等がいる場合には、接続道路105通過後にウィンカー31を点滅させるようにしてもよい。或いは、さらに接続道路105内の他車両107又は歩行者の判断(ステップS1−12)を省略して、接続道路105がある場合(ステップS1−10においてYES)には、常に、接続道路105通過後にウィンカー31を点滅させるようにしてもよい。このようにすると、上記各実施形態に比べ、後続車106等に進行方向の変更を伝えるタイミングは比較的遅くなるが、左折する対象地点等を、周囲の運転者等に確実に伝えることができる。
【0070】
・上記各実施形態では、接続道路105の有無の判断(ステップS1−10)及び接続道路105内の他車両107又は歩行者の判断(ステップS1−11)を省略してもよい。そして、1次チェック地点P1での後方の二輪車104の有無の判断(ステップS1−4)、及び2次チェック地点P2での後続車106の有無の判断(ステップS1−9)のうち、いずれか一方又は両方の処理を行って、ウィンカー31を点滅させるタイミングを算出するようにしてもよい。このようにすると、接続道路105があった場合に、接続道
路105での左折又は右折等の誤解を与える可能性はあるが、自車両100が進行方向を変更することを早めに伝えることができるため、巻き込み等の事故を低減できる。
【0071】
・上記各実施形態のステップS1−12において、ナビゲーション装置1のCPU2は、接続道路105内の他車両107等の有無だけでなく、接続道路105内の他車両107の向きを検出するようにしてもよい。このとき、CPU2は、接続道路105内に他車両107を検出した際に、車々間通信部11、画像センサ12、超音波センサ13及びレーダセンサ14に基づき、その他車両107が、自車両100が走行している道路101に進入する方向を向いているのか、又は、道路101から離れる方向を向いているのかを判断する。そして、検出した他車両107が、道路101に進入する方向を向いている場合にのみ、ステップS1−13に進む。さらに、他車両107が、道路101から離れる方向を向いていると判断した場合には、ウィンカー31を点滅させる(ステップS1−5)。
【0072】
・上記各実施形態では、ステップS1−10〜ステップS1−13の判断処理の順番を変更してもよい。
・上記各実施形態では、ウィンカー31を点滅させるタイミングを算出する運転支援装置を、ナビゲーション装置1に具体化したが、他の構成の装置に具体化してもよい。例えば、ディスプレイ20やスピーカ23等を省略し、運転支援のみを行う運転支援装置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】同ナビゲーション装置の処理手順を示す説明図。
【図3】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【図4】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【図5】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【図6】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【図7】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【図8】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【図9】同ナビゲーション装置の処理手順を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0074】
1…運転支援装置としてのナビゲーション装置、2…自車位置特定手段、読出手段、探索手段、周辺状況検出装置及び制御手段としてのCPU、6…自車位置特定手段を構成するGPS受信部、10…検出装置としての路車間通信部、11…検出装置としての車々間通信部、12…検出装置としての画像センサ、13…検出装置としての超音波センサ、14…検出装置としてのレーダセンサ、17…表示制御手段としての画像プロセッサ、19…音声出力手段としての音声プロセッサ、20…ディスプレイ、30…方向指示器制御手段としての車両ECU、31…方向指示器としてのウィンカー、100…自車両、101,103,110…道路、102…対象地点としての交差点、104…他車両としての二輪車、105…接続道路、106…他車両としての後続車、107…他車両、P1…判断地点としての1次チェック地点、P2…判断地点としての2次チェック地点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を特定する自車位置特定手段と、
地図データを読出す読出手段と、
目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し前記案内経路を設定する案内経路設定手段と、
自車位置の周辺状況を判断する周辺状況判断手段と、
自車両に設けられた方向指示器を点滅させるための点滅制御信号を送信する制御手段とを備え、
前記制御手段が、
設定された前記案内経路上において前記方向指示器を点滅させる必要のある対象地点を検出し、
前記対象地点の手前の判断地点において、前記周辺状況判断手段に基づき、前記自車両の周辺状況が前記方向指示器を点滅させる点滅条件に該当するか否かを判断し、
前記点滅条件に該当すると判断した場合に、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援装置において、
前記点滅条件は、前記対象地点と前記判断地点との間に接続する接続道路が無いことであって、
前記制御手段は、
前記接続道路が無いと判断した場合に、前記判断地点において前記点滅制御信号を送信し、
前記接続道路があると判断した場合に、前記自車両が前記接続道路を通過した後に、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の運転支援装置において、
前記周辺状況判断手段は、前記自車両の周辺の他車両又は歩行者を検知する検出装置から検出データを取得するとともに、
前記点滅条件は、前記対象地点と前記判断地点との間に接続道路が接続している場合に、その接続道路内に他車両又は歩行者が無いことであって、
前記制御手段は、
前記接続道路内に他車両又は歩行者が無い場合には、前記判断地点において前記点滅制御信号を送信し、
前記接続道路内に他車両又は歩行者がある場合には、前記接続道路を通過した後に、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記周辺状況判断手段は、少なくとも前記自車両の後方の他車両を検知する検出装置から検出データを取得するとともに、
前記点滅条件は、前記判断地点において、前記自車両に後方から接近した他車両があることであって、
前記制御手段は、前記判断地点において前記後方から接近した他車両がある場合に、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記判断地点は、複数設けられ、
前記制御手段は、前記各判断地点を通過する際にそれぞれ検出された前記周辺状況が、前記各判断地点ごとに設定された前記点滅条件に該当するか否かを判断することを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記制御手段は、前記自車両に設けられた方向指示器制御手段に対して、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記制御手段は、前記自車両の車室内に設けられたディスプレイに前記方向指示器の点滅案内を表示させる表示制御手段に対して、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記制御手段は、点滅案内音声を出力する音声出力手段に対して、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援装置。
【請求項9】
自車位置を特定する自車位置特定手段と、
地図データを読出す読出手段と、
目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し前記案内経路を設定する案内経路設定手段と、
自車位置の周辺状況を判断する周辺状況判断手段と、
自車両に設けられた方向指示器を点滅させるための点滅制御信号を送信する制御手段とを用いて、
前記制御手段により、
設定された前記案内経路上において前記方向指示器を点滅させる必要のある対象地点を検出し、
前記対象地点の手前の判断地点において、前記周辺状況判断手段に基づき、前記自車両の周辺状況が前記方向指示器を点滅させる点滅条件に該当するか否かを判断し、
前記点滅条件に該当すると判断した場合に、前記点滅制御信号を送信することを特徴とする運転支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−242905(P2006−242905A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62728(P2005−62728)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】