説明

運転支援装置

【課題】コンテンツ情報の記録や出力を優先して目的地への到着時刻を制御すること。
【解決手段】AV制御部30内部の到着時間指定部33がコンテンツデータの再生や記録に要する時間から指定到着時刻を算出し、ナビゲーション制御部20が指定到着時刻、もしくはその少し前に目的地に到着するルートを適切な走行予定経路として選択する。さらに、交通状態の変化に対応して適宜経路の再設定を行なうことでコンテンツの再生終了や記録終了にあわせて目的地に到着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の走行予定経路を設定して車両の誘導を行なう運転支援装置に関し、特にコンテンツ情報の記録や出力を優先して目的地への到着時間を制御する運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の乗員に対して音楽などを提供するカーオーディオシステムが搭載されてきた。このカーオーディオシステムは、ラジオなどの放送を受信して出力する他、カセットテープやCD(Compact Disc)、DVD、HD(ハードディスク)などの各種記録媒体に記録した情報を再生することができる。なお、近年ではテレビ放送の視聴や映像情報の再生など、オーディオ(聴覚)情報に限らずビジュアル(視覚)情報も出力可能な装置が一般的であるが、慣例上カーオーディオと呼ばれることが多い。
【0003】
そして、従来、車両の乗員に対していかに適切なコンテンツを選択して提供するかについて、各種技術が考案されてきた。例えば、特許文献1は、乗員の嗜好を分析してその嗜好に合わせた音楽を提供するオーディオ装置を開示している。また、特許文献2および3は、目的地や到着までに必要な時間に合わせて出力するコンテンツを選択するカーオーディオシステムを開示している。
【0004】
【特許文献1】特開2002−114107号公報
【特許文献2】特開2002−365061号公報
【特許文献3】特開2002−365062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の技術においては、目的地に到達するための経路は、到着までに必要な時間や有料道路の料金などに基づいて選択されており、コンテンツの再生や記録については考慮されていなかった。
【0006】
しかしながら、例えばCDから読み出した音楽データをHDDに記録(録音)しながら走行する場合、記録の終了前に目的地に到達しても記録終了まで待機することになる。
【0007】
同様に、放送番組を視聴しながら走行している場合や、特定の音楽データを読み出して再生する場合などにも、再生終了と同時に目的地に到着する、もしくは到着の少し前に再生が終了することが望ましい。
【0008】
すなわち、目的に到達する経路が複数存在する場合、少し早く到着するよりも、コンテンツ情報の記録や再生の終了と同時に到着することが望ましい場合が存在するが、従来、このようなユーザの要望は全く考慮されていなかった。
【0009】
本発明は、上述した従来技術における問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、コンテンツ情報の出力(再生出力や他の記録媒体への記録を含む)を優先して目的地への到着時間を制御する運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る運転支援装置は、車両の走行予定経路を設定して車両の誘導を行なう運転支援装置であって、コンテンツ情報の出力を行なうコンテンツ出力手段と、前記コンテンツ情報の出力予定に基づいて前記走行予定経路を設定する走行予定経路設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明によれば運転支援装置は、コンテンツ情報の出力予定に基づいて走行予定経路を設定する。
【0012】
また、請求項2の発明に係る運転支援装置は、請求項1に記載の発明において、前記コンテンツ情報の出力予定は、出力の完了予定および/または記録の完了予定であることを特徴とする。
【0013】
この請求項2の発明によれば運転支援装置は、コンテンツ情報の再生出力の完了予定や記録の完了予定に基づいて走行予定経路を設定する。
【0014】
また、請求項3の発明に係る運転支援装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記走行予定経路設定手段は、目的地への到着時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる経路を設定することを特徴とする。
【0015】
この請求項3の発明によれば運転支援装置は、目的地への到着時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる経路を設定する。
【0016】
また、請求項4の発明に係る運転支援装置は、請求項3に記載の発明において、目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、乗員に対して通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項4の発明によれば運転支援装置は、目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、乗員に対して通知する。
【0018】
また、請求項5の発明に係る運転支援装置は、請求項3または4の発明において、前記走行予定経路設定手段は、目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、前記走行予定経路の再設定を行なうことを特徴とする。
【0019】
この請求項5の発明によれば運転支援装置は、目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、走行予定経路の再設定を行なう。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば運転支援装置は、コンテンツ情報の出力予定に基づいて走行予定経路を設定するので、コンテンツ情報の出力を優先して目的地への到着時間を制御する運転支援装置を得ることができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項2の発明によれば運転支援装置は、コンテンツ情報の再生出力の完了予定や記録の完了予定に基づいて走行予定経路を設定するので、再生出力や録音、録画を優先して目的地への到着時間を制御する運転支援装置を得ることができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項3の発明によれば運転支援装置は、目的地への到着時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる経路を設定するので、コンテンツ情報の記録や出力の終了に合わせて目的地に到着させる運転支援装置を得ることができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項4の発明によれば運転支援装置は、目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に乗員に対して通知するので、コンテンツ情報の記録や出力の終了に合わせて目的地に到着できる運転操作を乗員に促す運転支援装置を得ることができるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項5の発明によれば運転支援装置は、目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間がコンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、走行予定経路の再設定を行なうので、コンテンツ情報の記録や出力の終了に合わせて目的地に到着できる経路を自動設定する運転支援装置を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る車載装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明の実施の形態である車載装置の概要構成を示す概要構成図である。同図に示すように車載装置1は、その内部にGPS(Global Positioning System)通信部11、VICS(Vehicle Information and Communication System)通信部12、CDドライブ13、DVDドライブ14、テレビチューナ15、ラジオチューナ18、ナビゲーション制御部20、AV(Audio Visual)制御部30、出力ユニット40およびHDD50を有する。
【0027】
GPS通信部11は、GPS(Global Positioning System)人工衛星と通信し、自車両の位置を特定してナビゲーション装置20に供給する。また、VICS通信部12は、渋滞の発生状況、工事や事故の有無などの道路交通情報を受信してナビゲーション装置20に供給する。
【0028】
CDドライブ13は、CD(Compact Disc)に記録された音楽データなどのコンテンツデータを読み出す装置であり、DVDドライブ14は、DVDに記録されたコンテンツデータを読み出す装置である。
【0029】
また、テレビチューナ15およびラジオチューナ16は、それぞれテレビ放送、ラジオ放送を受信するチューナである。
【0030】
出力ユニット40は、表示出力を行なうディスプレイ41、音声出力を行なうスピーカ42を有する。また、HDD(Hard Disk Drive)50は磁気ディスク上にデータを記録する記録装置であり、地図データ51やコンテンツデータ52の記録に使用する。
【0031】
AV制御部30は、コンテンツデータの出力や記録を行なう処理部であり、その内部に出力管理部31、記録管理部32および到着時間指定部33を有する。
【0032】
出力管理部31は、コンテンツデータの出力を管理する処理部であり、CDドライブ13やDVDドライブ14、HDD50がそれぞれの記録媒体から読み出したコンテンツデータを出力ユニット40に送出する再生出力、テレビチューナ15やラジオチューナ16が受信した放送(コンテンツデータ)を出力ユニット40に送出する視聴出力を実行する。
【0033】
記録管理部32は、コンテンツデータの記録を管理する処理部であり、CDドライブ13やDVDドライブ14が読み出したコンテンツデータ、もしくはテレビチューナ15やラジオチューナ16が受信したコンテンツデータのHDD50への記録を行なう。
【0034】
到着時間指定部33は、出力や記録の予定に基づいて、目的地への到着時間を指定する処理を行なう。すなわち、出力処理を実行中である場合や、実行する予定がある場合には、その出力の終了予定時刻を目的地への到着時刻として指定する。なお、到着時間指定部33は、具体的な到着時刻以外にも、目的地に到着するまでの時間(例えば目的地まで30分など)を指定するものであってもよい。
【0035】
例えば、ある放送を受信している場合には、その放送の終了時刻を到着時刻として指定する。また、特定のコンテンツを再生中である場合には、そのコンテンツの再生終了時刻を到着時刻として指定する。同様に、複数の音楽データが再生リストとして指定されている場合には、最後の音楽データの再生終了時刻を到着時刻とする。
【0036】
なお、これら再生終了時刻は、必ずしもコンテンツや再生リストの音楽データを全て再生完了する時刻を示すものではなく、例えば、1章2章、前半後半でコンテンツが区切られている場合には、その区切り部分までの再生終了時刻であってもよく、また、音楽データの場合は、全体で5曲の音楽データが指定されている再生プレイリストの3曲目までの再生完了時刻などであってもよい。要は、コンテンツや再生プレイリストの全ての再生完了時間だけでなく、その途中であって区切りのよい部分までを再生完了時刻とすることができる。
【0037】
同じく、特定のコンテンツの記録を実行中である場合や実行する予定がある場合には、その記録の終了予定時刻を目的地への到着時刻として指定し、複数の音楽データが記録リストとして指定されている場合には、最後の音楽データの記録終了時刻を到着時刻とする。
【0038】
ナビゲーション制御部20は、自車両の走行予定経路の設定および誘導を行なう処理部であり、その内部に経路設定部21、到着時間管理部22および経路誘導部23を有する。
【0039】
経路設定部21は、目的地までの走行予定経路の設定する処理を行なう。具体的には、経路設定部21は、地図データ51を参照し、GPS通信部11が特定した現在位置から目的地に到達可能な経路を探索する。そして、得られた経路のうち、適切な経路をユーザに提示し、ユーザが指定した経路を走行予定経路として設定する。
【0040】
ここで、どの経路が適切な経路であるかの判断は、必要な時間や有料道路の料金に加え、到着時刻指定部33が指定した到着時刻(指定到着時刻)を用いて行なう。まず、通常の経路選択では、目的地への到着予想時刻が最も早い経路を最適な経路であると判断する。
【0041】
そして到着予想時刻が最も早い経路に、有料道路が含まれている場合、ユーザには「有料で早い経路」と「無料で少し時間のかかる経路」との間で選択肢が生ずる。また、有料道路を含む経路が複数あれば、料金と到着時刻との組み合わせによって選択肢は増える。
【0042】
このような料金と時刻の関係は、概ねトレードオフになるが、本発明に係る経路選択は、この通常の経路選択に加えて「AVを優先する」という新たな選択肢をユーザに与えるものである。
【0043】
すなわち、「AV優先モード」においては、経路設定部21は指定到着時刻に、もしくは指定到着時刻の少し前に目的地に到着する経路が適切な経路であると判断する。なお、通常の動作モードで経路選択を行なうかAV優先モードで経路選択を行なうかは、ユーザの入力などを受けて決定すればよい。
【0044】
経路誘導部23は、経路設定部21が設定した走行予定経路に沿って走行するように、ディスプレイ41による表示出力やスピーカ42による音声出力を用いて誘導する処理を行なう。
【0045】
到着予定時間管理部22は、自車両の到着予想時刻の変化を監視し、必要に応じて走行予定経路の再探索と再設定を経路設定部21に指示する処理を行なう。通常の動作モードでは、到着時間管理部22は、VICS通信部12が取得した交通状態の変化に対応し、現在の走行予定経路よりも早く、もしくは安価に目的地に到着する経路が発生した場合に走行予定経路の再設定を行なう。
【0046】
一方、AV優先モードでは、到着時間管理部22は、到着予想時刻が指定到着時刻よりも早くなる場合、および到着予想時刻が指定到着時刻よりも例えば大幅に遅れる場合に、走行予定経路の再設定を行なって到着予想時刻が指定到着時刻の少し前となるように調整を行なう。なお到着予想時刻の指定到着時間に対する遅れが「大幅」であるか否かは、例えば「10分」など特定の値と比較して判定すればよい。
【0047】
また、到着時間管理部22は、到着予想時刻と指定到着時刻との差について、乗員に対して通知する。例えば、CDドライブ13から読み出した音楽データをHDD50に記録している状態で、到着予想時刻が指定到着時刻よりも早くなる場合には「録音の終了前に目的地に到着します。」と音声や表示によって通知する。同様に、到着予想時刻が指定到着時刻よりも大幅に遅い場合には「録音の終了後、目的地への到着まで時間が余ります。」などと通知することができる。
【0048】
つづいて、AV優先モードにおける経路選択についてさらに説明する。図2は、AV制御部30がCDドライブ13から読み出した音楽データをHDD50に録音している場合における経路選択について説明する説明図である。
【0049】
同図では、録音するべき複数の曲がリストとして示されている。そして録音速度が音楽の再生速度の4倍であり、録音に必要な時間は15分である。さらに、現在地から目的地までの選択可能な経路は「第1ルート」、「第2ルート」、「第3ルート」の3つあり、それぞれの所要時間は「10分」、「15分」、「20分」である。
【0050】
この状況において第1ルートを選択すると、目的地への到着時点で録音が終了しない。また、第3ルートを選択すると、録音終了から目的地到着までの時間が長くなる。そこで経路設定部21は、第2ルートを最適な経路として選択し、ユーザに推奨する。
【0051】
なお、ここでユーザが所要時間10分である第1ルートを選択したならば、録音対象となる曲をユーザに選曲させ、録音に必要な時間を10分にすることが望ましい。
【0052】
また、第2ルートを選択して走行を開始した後、交通状態の変化などによって第2ルートの所要時間が長くなったならば、第1ルートに自動的に切り替えて録音に要する時間と目的地までの所要時間とを調整する。
【0053】
同様に、第2ルートを選択して走行を開始した後、交通状態の変化や運転者の運転の関係などで第2ルートの所要時間が短くなったならば、第3ルートに自動的に切り替えて録音に要する時間と目的地までの所要時間とを調節する。
【0054】
AV制御部30が音楽データを再生している場合における経路選択についても、記録時と同様である。音楽データ再生時における経路選択について図3を参照して説明する。
【0055】
同図では、再生するべき複数の曲がリストとして示され、再生に必要な時間は62分である。さらに、現在地から目的地までの選択可能な経路は「第1ルート」、「第2ルート」、「第3ルート」の3つであり、それぞれの所要時間は「50分」、「65分」、「80分」である。
【0056】
この状況において第1ルートを選択すると、目的地への到着時点で再生が終了しない。また、第3ルートを選択すると、再生終了から目的地到着までの時間が長くなる。そこで経路設定部21は、第2ルートを最適な経路として選択し、ユーザに推奨する。
【0057】
なお、ユーザが所要時間50分である第1ルートを選択した場合に、再生対象となる曲をユーザに選曲させて時間の調節を行なう点、走行を開始後、交通状態の変化などによって第2ルートから第1ルート、もしくは第3ルートに自動的に切り替える点についても図2に示した録音時と同様である。
【0058】
つづいて、ナビゲーション制御部20の処理動作について説明する。図4は、ナビゲーション制御部20の処理動作を説明するフローチャートである。
【0059】
まず、目的地が設定されていない場合(ステップS101)、ナビゲーション制御部20はそのまま処理を終了する。一方、目的地が設定されていれば(ステップS101,Yes)、AV制御分30によるコンテンツの再生や記録を行なうか否かを判定する(ステップS102)。
【0060】
また、コンテンツの再生や記録を行なう場合には、ユーザによって「AV優先モード」が指定されているか否かを判定する(ステップS103)。そして、コンテンツの再生や記録を行なわない場合(ステップS102,No)やAV優先モードではない場合(ステップS103,No)、ナビゲーション制御部20は目的地までの所要時間や料金に基づく通常のナビゲーションを実行する(ステップS106)。
【0061】
AV優先モードが指定されている場合(ステップS103,Yes)、ナビゲーション制御部20は再生や記録の終了後に目的地に到着するルートを最適ルートとして設定し(ステップS104)、到着時刻管理案内を行なう(ステップS105)。
【0062】
つづいて、図5を参照し、図4にステップS105として示した「到着時刻管理案内」の具体的な内容について説明する。この到着時刻管理案内では、まずVICS通信部12によって交通情報を取得する(ステップS201)。
【0063】
つぎに、取得した交通情報から到着予測時間を算出し(ステップS202)、指定到着時刻と比較する。その結果、到着予測時刻が指定到着時刻よりも遅い場合(ステップS203,Yes)には所要時間の短い経路を再検索する(ステップS206)し、到着予測時刻が指定到着時刻よりも早い場合(ステップS204,Yes)には所要時間の長い経路を再検索する(ステップS205)。
【0064】
この図5に示した処理フローを目的地の到着まで繰り返すことにより、ナビゲーション制御部20は、目的地への到着時刻が指定到着時刻になるように走行予定経路を調整することができる。
【0065】
上述してきたように、本実施例にかかる車載装置1では、AV制御部30内部の到着時間指定部33がコンテンツデータの再生や記録に要する時間から指定到着時刻を算出し、ナビゲーション制御部20は指定到着時刻、もしくはその少し前に目的地に到着するルートを適切な走行予定経路として選択するので、コンテンツの再生終了や記録終了にあわせて目的地に到着することができる。
【0066】
また、道路状況や運転状態によって到着予想時刻と指定到着時刻に相違が生じた場合には、乗員への通知や経路の再設定によって目的地への到着時刻を制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかる運転支援装置は、車両の経路案内(ナビゲーション)に有効であり、特にコンテンツ情報の記録や出力を優先した走行制御に適している。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例にかかる車載装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図2】音楽データの録音中における経路選択について説明する説明図である。
【図3】音楽データの再生中における経路選択について説明する説明図である。
【図4】図1に示したナビゲーション制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4に示した到着時刻管理案内について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 車載装置
11 GPS通信部
12 VICS通信部
13 CDドライブ
14 DVDドライブ
15 テレビチューナ
16 ラジオチューナ
20 ナビゲーション制御部
21 経路設定部
22 到着時間管理部
23 経路誘導部
30 AV制御部
31 出力管理部
32 記録管理部
33 到着時間指定部
40 出力ユニット
41 ディスプレイ
42 スピーカ
50 HDD
51 地図データ
52 コンテンツデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行予定経路を設定して車両の誘導を行なう運転支援装置であって、
コンテンツ情報の出力を行なうコンテンツ出力手段と、
前記コンテンツ情報の出力予定に基づいて前記走行予定経路を設定する走行予定経路設定手段と、
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記コンテンツ情報の出力予定は、出力の完了予定および/または記録の完了予定であることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記走行予定経路設定手段は、目的地への到着時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる経路を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、乗員に対して通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記走行予定経路設定手段は、目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して早くなる場合、もしくは目的地への到着予想時間が前記コンテンツ情報の出力完了時間に比して遅くなる場合に、前記走行予定経路の再設定を行なうことを特徴とする請求項3または4に記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−24794(P2007−24794A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210601(P2005−210601)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】