説明

運転支援装置

【課題】安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減した運転支援装置を提供する。
【解決手段】
車間制御ECU20が、自車両を設定車速又は設定車間距離に従って走行させるACC制御を実行し、ドライバー意識・状態検出センサ48等が、運転者が運転に不適正な運転不適状態であることを検出し、車間制御ECU20がACC制御を実行しているときに、ドライバー意識・状態検出センサ48等が運転者が運転不適状態であることを検出したときは、自車両の加速を抑制する加速抑制制御を実行し、加速抑制制御中に車間制御ECU20は、運転者のアクセル操作があったときは加速抑制制御を続行し、当該アクセル操作後に再度のアクセル操作があり、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであるときは加速抑制制御を解除する。これにより、安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関し、特には、自車両を設定車速及び先行車との設定車間距離の少なくともいずれかに従って走行させる運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の運転者の運転を支援するために、自動的に自車両の運転を制御する装置が提案されている。例えば、特許文献1には、トルク発生装置から駆動軸への駆動力の断続が切換え可能なクラッチを有する自動車に搭載された衝突予防装置であって、レーダにより検出された前方障害物までの距離が所定値未満であるときに、クラッチを切断する制御を行う制御手段を有する衝突予防装置が開示されている。特許文献1の衝突予防装置では、クラッチが切断されると、駆動軸への駆動力の伝達が停止されるので、障害物に接近するように加速される事態を防ぐことができる。また、特許文献1の衝突予防装置では、運転者が居眠りなどをして、アクセルペダルを踏込む加速操作を行っても、車速は増加せず、負荷が軽減されたトルク発生装置の回転速度が上昇し、その音で運転者の注意を喚起させることができる。
【特許文献1】特開2005−163936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術では、クラッチを切断し、加速を禁止した後の制御については十分に検討されていない。例えば、上記技術では、運転者が実際には居眠りや意識低下の状態にないにも関わらず、運転者の意図に反して速度が低下し、運転者に違和感を与える可能性がある。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減した運転支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、自車両を設定車速及び先行車との設定車間距離の少なくともいずれかに従って走行させる自動走行制御を実行する走行制御手段と、運転者が運転に不適正な運転不適状態であることを検出する運転不適状態検出手段と、自動走行制御手段が自動走行制御を実行しているときに、運転不適状態検出手段が、運転者が運転不適状態であることを検出したときは、自車両の加速を抑制する加速抑制制御を実行する加速抑制制御手段とを備え、加速抑制制御中に加速抑制制御手段は、運転者による第1のアクセル操作があったときは加速抑制制御を続行し、第1のアクセル操作後に運転者による第2のアクセル操作があったときは加速抑制制御を解除する運転支援装置である。
【0006】
この構成によれば、走行制御手段が、自車両を設定車速又は設定車間距離に従って走行させる自動走行制御を実行し、運転不適状態検出手段が、運転者が運転に不適正な運転不適状態であることを検出し、加速抑制制御手段が、自動走行制御手段が自動走行制御を実行しているときに、運転不適状態検出手段が、運転者が運転不適状態であることを検出したときは、自車両の加速を抑制する加速抑制制御を実行するため、運転者が運転不適状態である可能性があるときに加速を抑制して安全性を確保することができる。また、この構成によれば、加速抑制制御中に加速抑制制御手段は、運転者による第1のアクセル操作があったときは加速抑制制御を続行し、第1のアクセル操作後に運転者による第2のアクセル操作があり、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであるときは加速抑制制御を解除するため、安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。
【0007】
この場合、加速抑制制御手段は、第1のアクセル操作の操作時間よりも第2のアクセル操作の操作時間が長いときに加速抑制制御を解除することが好適である。
【0008】
この構成によれば、加速抑制制御手段は、第1のアクセル操作の操作時間よりも第2のアクセル操作の操作時間が長く、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであって、自らの意思でアクセル操作をしているときに加速抑制制御を解除するため、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感をさらに軽減することができる。
【0009】
あるいは、加速抑制制御手段は、第1のアクセル操作の操作量よりも第2のアクセル操作の操作量が大きいときに加速抑制制御を解除することが好適である。
【0010】
この構成によれば、加速抑制制御手段は、第1のアクセル操作の操作量よりも第2のアクセル操作の操作量が大きく、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであって、自らの意思でアクセル操作をしているときに加速抑制制御を解除するため、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感をさらに軽減することができる。
【0011】
また、加速抑制制御手段は、第1のアクセル操作後の所定時間内に第2のアクセル操作があったときに加速抑制制御を解除することが好適である。
【0012】
この構成によれば、加速抑制制御手段は、第1のアクセル操作後の所定時間内に第2のアクセル操作があったときに加速抑制制御を解除するため、第1のアクセル操作後にあまりに長い時間が経過し、その後に第2のアクセル操作があり、運転者が自らの意思でアクセル操作をしているか否か疑わしいときに加速抑制制御を解除することがなくなり、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。
【0013】
さらに、加速抑制制御手段は、第2のアクセル操作が所定時間以上の長さのアクセル操作であったときに加速抑制制御を解除することが好適である。
【0014】
この構成によれば、加速抑制制御手段は、第2のアクセル操作が所定時間以上の長さのアクセル操作であったときに加速抑制制御を解除するため、第2のアクセル操作が短く、運転者が自らの意思でアクセル操作をしているか否か疑わしいときに加速抑制制御を解除することがなくなり、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の運転支援装置によれば、安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態では、本発明に係る車両の運転支援装置を、ACC(Adaptive Cruise Control)システムに適用する。ACCシステムは、自車両を設定車速及び先行車との設定車間距離(車間時間)のいずれかに従って走行させるACC制御を実行し、運転者の運転操作を支援するためのものである。
【0018】
図1は、第1実施形態に係るACCシステム10の構成を示すブロック図である。図1において、ACCシステム10は、車間制御ECU(Electronic Control Unit)20を備えている。車間制御ECU20には、レーダセンサ12と、ストップランプスイッチ14と、クルーズ設定スイッチ16と、アクセル開度センサ18と、エンジン・AT制御ECU40と、ブレーキ制御ECU42と、ステアリングセンサ44と、ヨー・Gセンサ46と、ドライバー意識・状態検出センサ48とが接続されている。レーダセンサ12と、ストップランプスイッチ14と、クルーズ設定スイッチ16と、アクセル開度センサ18とは、車間制御ECU40に直接接続されている。エンジン・AT制御ECU40と、ブレーキ制御ECU42と、ステアリングセンサ44と、ヨー・Gセンサ46と、ドライバー意識・状態検出センサ48とは、CAN(Control Area Network)30を介して車間制御ECU20と情報を送受信する。
【0019】
レーダセンサ12は、自車両前方の先行車の速度(相対速度を含む)、減速度、自車両との車間距離、及び自車両との車間時間を得るために用いられる。レーダセンサ12は、前方にミリ波等の電磁波を照射し、物体に反射して戻ってくる反射波を受信し、先行車の車速、減速度、車間距離及び車間時間を検出するセンサである。レーダセンサ12は、検出した先行車の車速、減速度、車間距離及び車間時間を車間制御ECU20に送出する。
【0020】
ストップランプスイッチ14は、ブレーキペダルが踏み込まれたか否かを検出するスイッチである。ストップランプスイッチ14は、そのオン/オフ情報を車間制御ECU20に送出する。
【0021】
クルーズ設定スイッチ16は、ACCシステム10の起動を指示し、ACCシステム10が起動されたときの設定車速を決定するための操作レバーである。
【0022】
アクセル開度センサ18は、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれたか否かと運転者によるアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するためのセンサである。アクセル開度センサ18は、アクセルペダルのオン/オフ情報とアクセル開度に関する情報とを車間制御ECU20に送出する。
【0023】
エンジン・AT制御ECU40は、AT(オートマチックトランスミッション)52と、スロットルアクチュエータ54とが接続されている。エンジン・AT制御ECU40は、エンジン及びAT(オートマチックトランスミッション)を制御する制御装置である。エンジン・AT制御ECU40は、必要なスロットルバルブの目標開度を設定し、その目標開度をスロットルアクチュエータ54に送出する。
【0024】
スロットルアクチュエータ54は、スロットルバルブの開度を調整するアクチュエータである。スロットルアクチュエータ54は、エンジン・AT制御ECU40からの目標スロットル開度信号に応じて作動し、スロットルバルブの開度を調整する。
【0025】
ブレーキ制御ECU42には、車速センサ56と、ブレーキアクチュエータ58とが接続されている。ブレーキ制御ECU42は、必要な各輪のホイールシンンダのブレーキ油圧を設定し、ブレーキアクチュエータ58に送出する。
【0026】
ブレーキアクチュエータ58は、ホイールシリンダの油圧を制御するアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ58は、ブレーキ制御ECU42からの制御信号に応じてアクチュエータを作動させてホイールシリンダに所定の油圧を発生させる。
【0027】
ステアリングセンサ44は、ステアリングホイールの操舵角を検出するセンサである。ヨー・Gセンサ46は、車両に作用しているヨーレート及び横Gを検出するセンサである。これらのセンサは、いずれも検出した信号を車間制御ECU20に送出する。
【0028】
ドライバー意識・状態検出センサ48は、運転者が自車両の走行環境の危険さに対してどの程度の意識を持っているか、あるいはドライバーの緊張、覚醒状態を検出するためのセンサである。ドライバー意識・状態検出センサ48は、具体的には、カメラ等で撮像した運転者の頭部の画像をパターン認識し、運転者の眼球の動き及び視線方法を検出するセンサである。あるいは、ドライバー意識・状態検出センサ48は、運転者の脈拍、血圧及び体温等を検出するセンサである。上記車速センサ56、ステアリングセンサ44、ヨー・Gセンサ46及びドライバー意識・状態検出センサ48は、運転不適状態検出手段として機能する。
【0029】
車間制御ECU(走行制御手段、加速抑制制御手段)20は、クルーズ設定スイッチ16による設定に基づいてACCシステムにおける車間制御を行う。車間制御ECU20は、前方車両の車速、及び車間距離に基づいて、ACCシステム10の設定車速を決定し、その設定車速及び車間距離に応じた駆動・制動制御信号をエンジン・AT制御ECU40及びブレーキ制御ECU42に送出する。また、車間制御ECU20は、ACC制御中においてドライバー意識・状態検出センサ48等により、運転者が運転に不適正な状態にあることを検出したときは、自車両の加速を禁止する加速抑制制御を行なう。
【0030】
以下、本実施形態のACCシステム10の動作について説明する。図2は第1実施形態に係るACCシステム10の動作を示すフロー図であり、図3は第1実施形態に係るACCシステムの動作を示すタイミングチャートである。図2及び図3に示すように、クルーズ設定スイッチ16がONとされると、ACCシステム10はACC制御を行う(図2のS11)。車速センサ56、ステアリングセンサ44、ヨー・Gセンサ46及びドライバー意識・状態検出センサ48が、運転者が居眠り等の運転に不適正な状態にあることを検出した場合(図2のS12)、車間制御ECU20は加速抑制制御を開始し、自車両の加速を抑制する(図2のS13)。
【0031】
運転者によるアクセル操作があったことをアクセル開度センサ18が検出した場合(図2のS14、図3のアクセル開度のt11〜t12)、車間制御ECU20はタイマーをスタートする(図2のS15、図3の所定時間のt11)。車間制御ECU20は、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作がないときは、タイマーをリセットとする(図2のS16,S17、図3の所定時間のt11〜t13)。なお、この場合の所定のタイムアウト時間は、1〜3秒程度の時間に設定することができる。
【0032】
車間制御ECU20は、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作があったときは、タイマーを経過時間0秒にリセットした後にスタートさせる(図2のS16,S18、図3の所定時間のt13〜t15)。当該アクセル操作が0.1〜0.5秒未満、特に0.2秒未満の短時間のものであるときは、車間制御ECU20は加速抑制制御を続行する(図2のS19)。また、当該アクセル操作が前回のアクセル操作よりも長い操作時間ではないときは、車間制御ECU20は加速抑制制御を続行する(図2のS20)。車間制御ECU20は加速抑制制御を続行する場合、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作がないときは、タイマーをリセットとし、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作があったときは、タイマーを経過時間0秒にリセットした後にスタートさせる(図2のS14〜S16)。
【0033】
当該アクセル操作が短時間のアクセル操作ではなく、前回のアクセル操作よりも長い操作時間であるときは、車間制御ECU20は加速抑制制御を解除し、自車両の加速を非制御の状態とする(図2のS19〜S21、図3のt15〜t16)。
【0034】
本実施形態によれば、車間制御ECU20が、自車両を設定車速又は設定車間距離に従って走行させるACC制御を実行し、ドライバー意識・状態検出センサ48等が、運転者が運転に不適正な運転不適状態であることを検出し、車間制御ECU20が、ACC制御を実行しているときに、ドライバー意識・状態検出センサ48等が、運転者が運転不適状態であることを検出したときは、自車両の加速を抑制する加速抑制制御を実行するため、運転者が運転不適状態である可能性があるときに加速を抑制して安全性を確保することができる。
【0035】
加速抑制制御やACC制御は、運転者の運転操作を検出した時点で終了するのが望ましいが、運転者の居眠りや意識低下を検出している間に運転者が不意に運転操作を行い、そのために加速抑制制御やACC制御を終了させてしまうと、実際に運転者が居眠りや意識低下を来たしている場合に安全側への制御を継続することができなくなる可能性がある。そこで、本実施形態によれば、加速抑制制御中に車間制御ECU20は、運転者によるアクセル操作があったときは加速抑制制御を続行し、当該アクセル操作後に運転者による再度のアクセル操作があり、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであるときは加速抑制制御を解除するため、安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、車間制御ECU20は、前回のアクセル操作の操作時間よりも次回のアクセル操作の操作時間が長く、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであって、自らの意思でアクセル操作をしているときに加速抑制制御を解除するため、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感をさらに軽減することができる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、車間制御ECU20は、前回のアクセル操作後の所定時間内に次回のアクセル操作があったときに加速抑制制御を解除するため、前回のアクセル操作後にあまりに長い時間が経過し、その後に次回のアクセル操作があり、運転者が自らの意思でアクセル操作をしているか否か疑わしいときに加速抑制制御を解除することがなくなり、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。
【0038】
加えて、本実施形態によれば、車間制御ECU20は、次回のアクセル操作が所定時間以上の長さのアクセル操作であったときに加速抑制制御を解除するため、次回のアクセル操作が短く、運転者が自らの意思でアクセル操作をしているか否か疑わしいときに加速抑制制御を解除することがなくなり、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感を軽減することができる。
【0039】
以下、本発明の第2実施形態のACCシステム10の動作について説明する。図4は第2実施形態に係るACCシステム10の動作を示すフロー図であり、図5は第2実施形態に係るACCシステムの動作を示すタイミングチャートである。図4及び図5に示すように、クルーズ設定スイッチ16がONとされると、ACCシステム10はACC制御を行う(図4のS111)。車速センサ56、ステアリングセンサ44、ヨー・Gセンサ46及びドライバー意識・状態検出センサ48が、運転者が居眠り等の運転に不適正な状態にあることを検出した場合(図4のS112)、車間制御ECU20は加速抑制制御を開始し、自車両の加速を抑制する(図4のS113)。
【0040】
運転者によるアクセル操作があった場合(図4のS114、図5のアクセル開度のt21〜t22)、車間制御ECU20はタイマーをスタートする(図4のS115、図5の所定時間のt21)。車間制御ECU20は、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作がないときは、タイマーをリセットとする(図4のS116,S117、図5の所定時間のt21〜t23)。なお、この場合の所定のタイムアウト時間は、1〜3秒程度の時間に設定することができる。
【0041】
車間制御ECU20は、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作があったときは、タイマーを経過時間0秒にリセットした後にスタートさせる(図4のS116,S118、図5の所定時間のt23〜t25)。当該アクセル操作が0.1〜0.5秒未満、特に0.2秒未満の短時間のものであるときは、車間制御ECU20は加速抑制制御を続行する(図4のS119)。また、当該アクセル操作が短時間のアクセル操作ではないときでも、当該アクセル操作の操作量が前回のアクセル操作の操作量よりも大きい操作量ではないときは、車間制御ECU20は加速抑制制御を続行する(図4のS20、図5のt25〜t26)。車間制御ECU20は加速抑制制御を続行する場合、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作がないときは、タイマーをリセットとし、所定のタイムアウト時間までに次のアクセル操作があったときは、タイマーを経過時間0秒にリセットした後にスタートさせる(図4のS114〜S116)。
【0042】
当該アクセル操作が短時間のアクセル操作ではなく、前回のアクセル操作よりも大きい操作量であるときは、車間制御ECU20は加速抑制制御を解除し、自車両の加速を非制御の状態とする(図4のS119〜S121、図3のt27〜t28)。
【0043】
本実施形態によれば、車間制御ECU20は、前回のアクセル操作の操作量よりも次回のアクセル操作の操作量が大きく、運転者が居眠りや意識低下の状態にないことが明らかであって、自らの意思でアクセル操作をしているときに加速抑制制御を解除するため、より安全性を確保しつつ運転者に与える違和感をさらに軽減することができる。
【0044】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1実施形態に係るACCシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るACCシステムの動作を示すフロー図である。
【図3】第1実施形態に係るACCシステムの動作を示すタイミングチャートである。
【図4】第2実施形態に係るACCシステムの動作を示すフロー図である。
【図5】第2実施形態に係るACCシステムの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10…ACCシステム、12…レーダセンサ、14…ストップランプスイッチ、16…クルーズ設定スイッチ、18…アクセル開度センサ、20…車間制御ECU、30…CAN、40…エンジン・AT制御ECU、42…ブレーキ制御ECU、44…ステアリングセンサ、46…ヨー・Gセンサ、48…ドライバー意識・状態検出センサ、52…AT、54…スロットルアクチュエータ、56…車速センサ、58…ブレーキアクチュエータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両を設定車速及び先行車との設定車間距離の少なくともいずれかに従って走行させる自動走行制御を実行する走行制御手段と、
前記運転者が運転に不適正な運転不適状態であることを検出する運転不適状態検出手段と、
前記自動走行制御手段が前記自動走行制御を実行しているときに、前記運転不適状態検出手段が、前記運転者が前記運転不適状態であることを検出したときは、前記自車両の加速を抑制する加速抑制制御を実行する加速抑制制御手段と、
を備え、
前記加速抑制制御中に前記加速抑制制御手段は、前記運転者による第1のアクセル操作があったときは前記加速抑制制御を続行し、前記第1のアクセル操作後に前記運転者による第2のアクセル操作があったときは前記加速抑制制御を解除する、運転支援装置。
【請求項2】
前記加速抑制制御手段は、前記第1のアクセル操作の操作時間よりも前記第2のアクセル操作の操作時間が長いときに前記加速抑制制御を解除する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記加速抑制制御手段は、前記第1のアクセル操作の操作量よりも前記第2のアクセル操作の操作量が大きいときに前記加速抑制制御を解除する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記加速抑制制御手段は、前記第1のアクセル操作後の所定時間内に前記第2のアクセル操作があったときに前記加速抑制制御を解除する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記加速抑制制御手段は、前記第2のアクセル操作が所定時間以上の長さのアクセル操作であったときに前記加速抑制制御を解除する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−125921(P2010−125921A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300995(P2008−300995)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】