説明

運転支援装置

【課題】GPSモジュールから得られる情報に基づく自車両の位置等の検出精度を判定し、かつ当該判定の精度を高める。
【解決手段】GPSモジュール3により検出される自車両1の走行速度と車速検出部13により車速パルスに基づいて検出される自車両1の走行速度との速度差に基づいて、GPSモジュール3により検出される自車両1の位置、進行方位および走行速度の有効性を判定する。さらに、自車両1の加速度に基づいて上記速度差を補正することにより、車速検出部13の応答性とGPSモジュール3の応答性との相違によって上記速度差が過大となることを抑制し、GPSモジュール3により検出される自車両1の位置等の有効性の判定精度を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運転支援装置に関し、特に、GPS(Global Positioning System)モジュールによって得られる自車両の情報の精度を判定することができる運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、自車両に接近して衝突しそうな他車両、歩行者等の物体がある場合に、衝突可能性の情報を運転者に提供することで、運転者に警告を発して注意を喚起する運転支援装置を搭載しているものがある。運転支援装置では、自車両の位置、進行方位、走行速度の情報を検出するGPSモジュールを搭載し、車車間通信で他車両との間で車両の位置、進行方位、走行速度の情報を交換している。
【0003】
また、最近では、GPSモジュールに加えて電子地図を搭載し、マップマッチング処理を行わないと高精度な運転支援を行うことが困難である(信号の有無、一時停止の有無、道路の優先順位などの情報が高精度化には必要)との判断から、運転支援装置の多くが電子地図を搭載するようになってきている。例えば、特許文献1に記載の車両用運転支援システムでは、GPSモジュールで検出した自車両の検出位置の情報を、地図データベースの情報に組み合わせることで、交差点までの距離情報として利用している。
【0004】
また、車車間通信を用いた運転支援装置では、GPS技術を使って自車両、他車両の位置(緯度・経度)を把握しており、特許文献2に記載されているように、ナビゲーションやハイブリッドGPSの場合、地図とのマップマッチングの結果や、自律航法用センサのデータと比較することで、GPSの精度を判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−72617号公報
【特許文献2】特開2008−157705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車車間通信の普及を推進するために、運転支援装置をすべての車両に搭載することが望ましい。しかしながら、上述したような、マップマッチングや自律航法用のセンサ等を用いて複雑な処理を行うことにより自車両の位置等を検出する運転支援装置は高価なシステムとなる場合が多いため、これをすべての車両に搭載することは現実的に困難である。運転支援装置をすべての車両に搭載し、車車間通信を普及させるためには、安価な運転支援装置が望まれる。
【0007】
この点、電子地図や自律航法用センサの利用を簡略化し、または省き、できる限りGPSモジュールから得られる情報だけで自車両の位置等を検出する構成とすれば、安価な運転支援装置を実現することができる。しかしながら、GPSモジュールから得られる情報だけで自車両の位置等を検出する場合、自車両の位置等の検出精度を高いレベルで安定させることは容易でない。このため、自車両の位置等の検出精度を判定することにより、当該検出精度のレベル変動を監視することが望まれる。さらに、当該検出精度を判定する精度を高め、当該検出精度のレベル変動を正確に監視することが望まれる。
【0008】
なお、GPSモジュールの精度を示す指数として、一般的にはDOP(Dilution of Precision)値が用いられている。DOP値とは、測位した衛星の幾何学的な配置によって精度が劣化する程度を示す指数である。しかし、最近のGPSモジュールは高感度であるため、位置ずれ発生の可能性が高い高架下やビルの谷間などでもDOP値は悪くならず、位置ずれとDOP値には相関関係はみられない。それゆえ、自車両の位置等の検出精度を判定するに当たり、DOP値に依拠する方法は有効ではなく、他の方法で自車両の位置等の検出精度を判定することが求められる。
【0009】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、GPSモジュールから得られる情報に基づく自車両の位置等の検出精度を判定することができ、かつ当該判定の精度を高めることができる運転支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の運転支援装置は、GPS測位により自車両の走行速度を検出するGPSモジュールを備え、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度を用いて前記自車両と他の物体との衝突危険性を判定する運転支援装置であって、前記自車両から出力される車速パルスに基づいて前記自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、前記車速パルスに基づいて前記自車両の加速度を検出する加速度検出手段と、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度と前記車速検出手段により検出された前記自車両の走行速度との速度差を算出する速度差算出手段と、前記加速度検出手段により検出された前記自車両の加速度に応じた補正値を用い、前記速度差算出手段により算出された前記速度差を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された前記速度差に基づいて、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度の有効性を判定するGPS有効性判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第2の運転支援装置は、上述した本発明の第1の運転支援装置において、加速度と前記補正値との対応関係を示す対応関係情報を記憶した記憶装置を備え、前記補正手段は、前記加速度検出手段により検出された前記自車両の加速度に対応する前記補正値を前記対応関係情報に基づいて特定し、当該特定した補正値を前記速度差に加算または減算することにより前記速度差を補正することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第3の運転支援装置は、GPS測位により自車両の走行速度を検出するGPSモジュールを備え、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度を用いて前記自車両と他の物体との衝突危険性を判定する運転支援装置であって、前記自車両から出力される車速パルスに基づいて前記自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度と、前記GPSモジュールが前記自車両の走行速度を検出した時点よりも所定時間前の時点において前記車速検出手段により検出された前記自車両の走行速度との速度差を算出する速度差算出手段と、前記速度差算出手段により算出された前記速度差に基づいて、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度の有効性を判定するGPS有効性判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第4の運転支援装置は、上述した本発明の第1ないし第3のいずれかの運転支援装置において、前記自車両に搭載された加速度センサを備え、前記加速度検出手段は、前記車速パルスに代えて前記加速度センサから出力される加速度検出信号に基づいて前記自車両の加速度を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、GPSモジュールから得られる情報に基づく自車両の位置等の検出精度を判定することができ、かつ当該判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態による運転支援装置等の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による運転支援装置における有効性判定処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態による運転支援装置における補正処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態による運転支援装置において加速度と補正値との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態による運転支援装置における有効性判定処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態による運転支援装置における速度差算出処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態による運転支援装置において、車速検出部により検出された走行速度の特性およびGPSモジュールにより検出された走行速度の特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。
【0018】
(運転支援装置)
図1は本発明の第1の実施形態による運転支援装置等を示している。図1において、自車両1には、本発明の第1の実施形態による運転支援装置2が搭載されている。なお、図示しないが、他車両にも運転支援装置2と同様の運転支援装置が搭載されている。運転支援装置2は、電子地図を搭載しない簡易かつ安価なシステムであり、GPSモジュール3と、通信モジュール4と、判断モジュール5と、情報提供モジュール6と、メモリ18とを備えている。運転支援装置2は、自車両1から電力が供給される。
【0019】
GPSモジュール3は、複数のGPS衛星からGPS信号を受信するGPSアンテナ7を有している。GPSアンテナ7は自車両1に搭載されている。GPSモジュール3は、GPS信号から自車両1の現在位置を測位することによって、自車両1の位置、進行方位および走行速度を検出する。
【0020】
通信モジュール4は、受信部8および送信部9を備え、他車両との間で信号を送受信する通信アンテナ10を有している。通信アンテナ10は自車両1に搭載されている。通信モジュール4は、自車両1と他車両との間で自車両情報(自車両1の位置、進行方位および走行速度の情報)および他車両情報(他車両の位置、進行方位および走行速度の情報)を送受信する車車間通信機から構成することができる。
【0021】
判断モジュール5は、他車両情報取得部11と衝突可能性判定部12とを備えている。判断モジュール5には、GPSモジュール3から自車両1の位置、進行方位および走行速度の情報が入力される。また、判断モジュール5は、通信モジュール4との間で自車両情報及び他車両情報の入出力を行う。他車両情報取得部11は、通信モジュール4の車車間通信により他車両の位置、進行方位および走行速度を取得する。衝突可能性判定部12は、GPSモジュール3により検出された情報と他車両情報取得部11により取得された情報とに基づいて、自車両1と他車両とが衝突する可能性があるか否かを判定する。衝突可能性判定部12により自車両1と他車両とが衝突する可能性があると判定された場合に、判断モジュール5は、その旨を自車両1の運転者に情報提供モジュール6を介して報知する。
【0022】
情報提供モジュール6は、判断モジュール5から出力されるHMI(Human Machine Interface)要求に応じ、スピーカの音声、ブザーの警告音、LEDの点滅灯等により、自車両1が他車両と衝突する可能性がある旨を運転者に報知し、これにより、運転者の運転を支援する。
【0023】
また、判断モジュール5は、車速検出部13と、加速度検出部14と、速度差算出部15と、GPS有効性判定部16とを備えている。車速検出部13は、自車両1に搭載された車速センサ17から出力される車速パルスに基づいて、自車両1の走行速度を検出する。加速度検出部14は、車速センサ17から出力される車速パルスに基づいて、自車両1の加速度を検出する。速度差算出部15は、GPSモジュール3により検出された自車両1の走行速度と車速検出部13により検出された自車両1の走行速度との速度差(以下、これを「検出速度差」という。)を算出する。また、速度差算出部15は、加速度検出部14により検出された加速度に基づいて、上記検出速度差を補正する。GPS有効性判定部16は、速度差算出部15により算出、補正された検出速度差に基づいて、GPSモジュール3の検出結果の有効性を判定する。なお、判断モジュール5における他車両情報取得部11、衝突可能性判定部12、車速検出部13、加速度検出部14、速度差算出部15およびGPS有効性判定部16は例えばメモリ18または図示しない他の記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み取って実行することにより実現される。
【0024】
メモリ18は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の書き換え可能な記憶素子または記憶装置である。メモリ18には対応関係情報が記憶されている。対応関係情報は、後述するように、速度差算出部15により算出された検出速度差を自車両1の加速度に基づいて補正する際に参照される。
【0025】
(有効性判定処理)
図2は、第1の実施形態におけるGPSモジュール3による検出結果の有効性判定処理を示している。図2に示すように、運転支援装置2は、GPSモジュール3により検出される自車両1の位置、進行方位および走行速度の有効性を判定する有効性判定処理を行う。
【0026】
すなわち、運転支援装置2は、自車両1の位置、進行方位および走行速度の検出自体をGPSモジュール3から得られる情報のみを利用して行う。運転支援装置2は、自車両1の位置等の検出自体に、電子地図を利用したマップマッチング処理は行わず、また、自律航法用センサも利用しない。なお、車速センサ17は、GPSモジュール3による検出結果の有効性判定には利用されるものの、自車両1の位置等の検出自体には利用されない。このため、運転支援装置2では、GPSモジュール3により検出された自車両1の位置(緯度・経度)と実際の自車両1の位置との間にずれが生じることがある。そこで、運転支援装置2は、GPSモジュール3により検出される自車両1の位置等の有効性を判定する有効性判定処理を行う。
【0027】
GPSモジュール3により検出された自車両1の位置と実際の自車両1の位置との間の位置ずれの程度は、GPSモジュール3により検出された自車両1の走行速度と車速検出部13により車速パルスに基づいて検出された自車両1の走行速度との速度差、すなわち検出速度差と相関があることが判明している。そこで、運転支援装置2は、上記検出速度差に基づいて、GPSモジュール3により検出された自車両1の位置と実際の自車両1の位置との間の位置ずれの程度を認識し、当該位置ずれの程度に応じて、GPSモジュール3による自車両1の位置についての検出結果が有効か無効かを判定する。さらに、GPSモジュール3により検出された自車両1の位置と実際の自車両1の位置との間に位置ずれが生じた場合、GPSモジュール3により検出された自車両1の進行方位および走行速度も、実際の自車両1の進行方位および走行速度からずれている可能性がある。上記検出速度差に基づいて、GPSモジュール3による自車両1の進行方位および走行速度についての検出結果が有効か無効かをも判定することができる。
【0028】
具体的に説明すると、判断モジュール5のGPS有効性判定部16は、次に述べるような位置精度低下判定条件または正常復帰判定条件を充足するか否かを調べることにより、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果の有効性を判定する。
【0029】
すなわち、位置精度低下判定条件は、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果が今まで有効である状態において、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を無効と判定するための条件であり、次の(A1)および(A2)からなる。
(A1)車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であること。
(A2)上記検出速度差がDa(km/h)以上またはDb(km/h)以下である状態が所定の回数(Ks回)連続して認識されたこと。
【0030】
GPS有効性判定部16は、上記(A1)および(A2)の双方が充足されたとき、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を無効と判定する。
【0031】
また、正常復帰判定条件は、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果が今まで無効である状態において、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を有効と判定するための条件であり、次の(B1)、(B2)および(B3)からなる。
(B1)車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であり、かつ、上記検出速度差がDc(km/h)以下またはDd(km/h)以上であること。
(B2)車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)未満であること。
(B3)(B1)または(B2)の状態が所定の回数(Ls回)連続して認識されたこと(すなわち、Ls回連続して認識を行った結果のそれぞれが(B1)の状態であったこと、Ls回連続して認識を行った結果のそれぞれが(B2)の状態であったこと、またはLs回連続して認識を行った結果のそれぞれが(B1)および(B2)のいずれか一方の状態であったこと)。
【0032】
GPS有効性判定部16は、上記(B3)が充足されたとき、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を有効と判定する。
【0033】
また、上記Da、Db、Dc、Ddは、
Db≦Dd<0<Dc≦Da
といった関係を有する。なお、上記Da、Db、Dc、Ddは、|Da|>|Db|、|Dc|>|Dd|とすることが望ましい。一般的な公道を走行する車両は、走行速度がおおよそ40km〜60kmに制限されるため、ブレーキを掛けて減速しても、GPSモジュール3により検出される走行速度と車速検出部13により検出される走行速度との差が大きくなることがない。それゆえ、減速時におけるGPSモジュール3による検出結果の有効性の判定範囲を狭く設定することで、適切な判定を行うことができる。これに対し、車両の加速の際には、例えば追い抜きや追い越しの場合のように、その場の状況(車間距離や対向車の有無)に応じてアクセルの踏み込み量が変わるため、GPSモジュール3により検出される走行速度と車速検出部13により検出される走行速度との差が大きくなることがある。したがって、GPSモジュール3による検出結果の有効性の判定範囲を、減速時の場合と同じように狭く設定すると、実際にはGPSモジュール3による検出結果が有効であるにもかかわらず、無効と判定されるおそれがある。そこで、上記の如く加速側の閾値Da、Dcの絶対値を減速側の閾値Db、Ddの絶対値よりも大きい値に設定することにより、加速時におけるGPSモジュール3による検出結果の有効性の判定範囲を、減速時におけるGPSモジュール3による検出結果の有効性の判定範囲よりも広くすることが望ましく、これにより、加速時におけるGPSモジュール3による検出結果の有効性の判定を適切に行うことが可能になる。
【0034】
以下、図2を参照しながら、上記有効性判定処理の内容をより具体的に説明する。まず、位置精度低下判定条件の充足を調べて、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を無効と判定する処理について説明する。図2において、まず、運転支援装置2の稼働開始時に、判断モジュール5に設けられた第1のカウンタおよび第2のカウンタをそれぞれ初期化し、それぞれのカウント値を0にする。
【0035】
続いて、判断モジュール5の速度差算出部15が、GPSモジュール3により検出された自車両1の走行速度と車速検出部13により車速パルスに基づいて検出された自車両1の走行速度との速度差、すなわち検出速度差を算出する(ステップS1)。
【0036】
続いて、速度算出部15は、ステップS1で算出した検出速度差を必要に応じて補正する(ステップS2)。この補正処理の内容については後述する。
【0037】
続いて、判断モジュール5のGPS有効性判定部16は、車速検出部13により車速パルスに基づいて検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0038】
車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であり(ステップS3:YES)、かつ、GPSモジュール3による自車両1の位置等の検出結果が現在有効であると判定されている状態である場合には(ステップS4:YES)、GPS有効性判定部16は、続いて、ステップS1で算出され、ステップS2で必要に応じて補正された検出速度差がDa(km/h)以上またはDb(km/h)以下であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0039】
ステップS1で算出され、ステップS2で必要に応じて補正された検出速度差がDa(km/h)以上またはDb(km/h)以下である場合には(ステップS5:YES)、第1のカウンタのカウント値に1を加算する(ステップS6)。
【0040】
続いて、GPS有効性判定部16は、第1のカウンタのカウント値がKs以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
【0041】
第1のカウンタのカウント値がKs以上でない場合には(ステップS7:NO)、GPS有効性判定部16は処理をステップS1に戻す。そして、ステップS1以降の処理が再び行われる。
【0042】
車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であり、かつ検出速度差がDa(km/h)以上またはDb(km/h)以下である状態が継続している間、ステップS1からS7までの処理が繰り返し行われる。この間、第1のカウンタのカウント値が連続して1ずつ増加していく。そして、第1のカウンタのカウント値がKsに達すると、GPS有効性判定部16は、その旨を判定し(ステップS7:YES)、第1のカウンタを初期化してカウント値を0にすると共に(ステップS8)、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を無効と判定する(ステップS9)。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が再び行われる。
【0043】
一方、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であるものの、検出速度差がDa(km/h)以上またはDb(km/h)以下でなくなった場合には、GPS有効性判定部16はその旨を判定し(ステップS5:NO)、第1のカウンタを初期化してカウント値を0にし(ステップS10)、処理をステップS1に戻す。
【0044】
他方、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上でなくなった場合には、GPS有効性判定部16はその旨を判定し(ステップS3:NO)、現段階において、GPSモジュール3による自車両1の位置等の検出結果が有効であると判定されている状態である場合には(ステップS11:YES)、処理をステップS1に戻す。
【0045】
次に、上記有効性判定処理において、正常復帰判定条件の充足を調べて、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を有効と判定する処理について説明する。図2において、上述したように速度差算出部15によりステップS1で検出速度差が算出され、ステップS2で当該検出速度差が必要に応じて補正された後、GPS有効性判定部16は、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であるか否かを判定する(ステップS3)。そして、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であり(ステップS3:YES)、かつ、GPSモジュール3による自車両1の位置等の検出結果が現在無効であると判定されている状態である場合には(ステップS4:NO)、GPS有効性判定部16は、続いて、ステップS1で算出され、ステップS2で必要に応じて補正された検出速度差がDc(km/h)以下またはDd(km/h)以上であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0046】
ステップS1で算出され、ステップS2で必要に応じて補正された検出速度差がDc(km/h)以下またはDd(km/h)以上である場合には(ステップS12:YES)、GPS有効性判定部16は第2のカウンタのカウント値に1を加算する(ステップS13)。
【0047】
続いて、GPS有効性判定部16は、第2のカウンタのカウント値がLs以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0048】
第2のカウンタのカウント値がLs以上でない場合には(ステップS14:NO)、GPS有効性判定部16は処理をステップS1に戻す。そして、ステップS1以降の処理が再び行われる。
【0049】
車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であり、かつ検出速度差がDc(km/h)以下またはDd(km/h)以上である状態が継続している間、ステップS1からS4までおよびS12からS14までの処理が繰り返し行われる。この間、第2のカウンタのカウント値が連続して1ずつ増加していく。そして、第2のカウンタのカウント値がLsに達すると、GPS有効性判定部16は、その旨を判定し(ステップS14:YES)、第2のカウンタを初期化してカウント値を0にすると共に(ステップS15)、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を有効と判定する(ステップS16)。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が再び行われる。
【0050】
一方、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上であるものの、検出速度差がDc(km/h)以下またはDd(km/h)以上でなくなった場合には、GPS有効性判定部16はその旨を判定し(ステップS12:NO)、第2のカウンタを初期化してカウント値を0にし(ステップS17)、処理をステップS1に戻す。
【0051】
他方、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度が所定の基準走行速度Vs(km/h)以上でなくなった場合には、GPS有効性判定部16はその旨を判定し(ステップS3:NO)、現段階において、GPSモジュール3による自車両1の位置等の検出結果が無効であると判定されている状態である場合には(ステップS11:NO)、処理をステップS13に進め、第2のカウンタのカウント値に1を加算し(ステップS13)、当該カウント値がLsに達した場合には(ステップS14:YES)、当該カウント値を0にした後(ステップS15)、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位および走行速度についての検出結果を有効と判定する(ステップS16)。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が再び行われる。
【0052】
(補正処理)
図3は、上記有効性判定処理中の補正処理(図2中のステップS2)の内容を示し、図4は加速度と補正値との関係を示している。図3に示す補正処理は、GPSモジュール3により検出された自車両1の走行速度と車速検出部13により車速パルスに基づいて検出された自車両1の走行速度との速度差、すなわち検出速度差を、自車両1の加速度に応じて補正する処理である。
【0053】
この補正処理を行うのは、次のような事情による。すなわち、車速検出部13(車速センサ17)の応答性とGPSモジュール3の応答性とを比較すると、GPSモジュール3の応答性の方が低い。このため、自車両1が急加速したとき、車速検出部13はこれを迅速に検出することができ、自車両1が急加速した直後の時点において、急加速後の走行速度を出力することができる。これに対し、GPSモジュール3は、自車両1が急加速したとき、これを迅速に検出することができず、自車両1が急加速した直後の時点においては、急加速後の走行速度を出力することができず、急加速後の走行速度を出力するまでにある程度時間がかかる。この結果、通常時は、GPSモジュール3により検出される自車両1の位置と実際の自車両1の位置との位置ずれの程度と上記検出速度差との間に相関がみられるが、自車両1が急加速した直後の時点においては、上記自車両1の位置ずれの程度と上記検出速度差との間の相関が崩れる。同様に、自車両1が急減速した直後の時点においても、上記自車両1の位置ずれの程度と上記検出速度差との間の相関が崩れる。このように上記自車両1の位置ずれの程度と上記検出速度差との間の相関が崩れると、GPSモジュール3による検出結果の有効性判定に誤りが生じてしまう。そこで、自車両1が急加速または急減速したといい得るような加速度となった場合には、上記自車両1の位置ずれの程度と上記検出速度差との相関が維持されるように、上記検出速度差を補正する処理を行う。
【0054】
具体的に説明すると、図2中のステップS2において、判断モジュール5は、図3中のステップS21ないしS25の処理を行う。すなわち、まず、判断モジュール5の加速度検出部14が、車速センサ17から出力される車速パルスに基づいて、自車両1の加速度を算出する(ステップS21)。当該加速度が所定の第1の基準加速度Xa以上である場合には(ステップS22:YES)、速度差算出部15が、後述する方法により当該加速度に対応する補正値を特定し、その補正値を検出速度差に加算する(ステップS23)。一方、ステップS21で算出した加速度が第1の基準加速度Xa以上でなく、かつ第2の基準加速度Xb以下である場合には(ステップS22:NO、ステップS24:YES)、速度差算出部15は、後述する方法により当該加速度に対応する補正値を特定し、その補正値を検出速度差に加算する(ステップS25)。他方、ステップS21で算出した加速度が第1の基準加速度Xa以上でなく、かつ第2の基準加速度Xb以下でない場合には(ステップS22:NO、ステップS24:NO)、速度差算出部15は検出速度差の補正を行わない。
【0055】
ここで、第1の基準加速度Xaはプラスの値であり、車両が急加速をしたといい得るような加速度を示す値である。一方、第2の基準加速度Xbは、マイナスの値であり、車両が急減速をしたといい得るような加速度を示す値である。
【0056】
また、図3中のステップS23、S25において、速度差算出部15は、ステップS21で算出した加速度に対応する補正値を、メモリ18に記憶された対応関係情報を参照することにより特定する。対応関係情報は、例えば図4(1)および(2)に示すような加速度と補正値との対応関係を示す情報である。対応関係情報は、加速度と補正値との関係を示す数式でもよいし、所定の加速度範囲において単位加速度ごとに加速度と補正値との対応関係を記録したテーブルでもよい。このように対応関係情報をメモリ18に記憶し、この対応関係情報を参照して加速度に応じた補正値を特定することにより、加速度に応じた補正値の特定を容易に行うことができる。
【0057】
なお、図4(1)は加速度がプラスの値である範囲における加速度と補正値との関係を示しており、図4(2)は加速度がマイナスの値である範囲における加速度と補正値との関係を示している。いずれの図においても加速度と補正値との関係が比例関係であるが、これらは具体例にすぎない。また、加速度がプラス値の場合における加速度と補正値との関係と、加速度がマイナス値の場合における加速度と補正値との関係とが互いに異なる場合には、それぞれについて別々の対応関係情報をメモリ18に記憶し、ステップS23では一方の対応関係情報を参照し、ステップS25では他方の対応関係情報を参照するようにしてもよい。
【0058】
図3に示す補正処理が終わると、処理は図2中のステップS3に移行する。これにより、補正された検出速度差に基づいて有効性判定が行われる。
【0059】
以上、説明した通り、本発明の第1の実施形態による運転支援装置2によれば、図2に示す有効性判定処理により、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位及び走行速度の検出精度の判定(検出結果の有効性の判定)を行うことができ、さらに、図3に示す補正処理により、自車両1が急加速または急減速した場合でも、当該検出精度の判定の精度を維持し、あるいは高めることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図5ないし図7を参照しながら説明する。図5は、第2の実施形態におけるGPSモジュール3による検出結果の有効性判定処理を示し、図6は、第2の実施形態における検出速度差算定処理を示し、図7は、車速検出部13により検出された走行速度の特性およびGPSモジュール3により検出された走行速度の特性を示している。
【0061】
第2の実施形態の特徴は、有効性判定処理において検出速度差の算出方法を工夫することで、上述したような検出速度差の補正処理を行うことなく、自車両1の急加速時または急減速時における自車両1の位置ずれの程度と検出速度差との間の相関が崩れることを抑制し、有効性判定の精度を維持し、あるいは高める点にある。
【0062】
すなわち、第2の実施形態において、運転支援装置2の判断モジュール5は、図5に示す有効性判定処理を行う。図5に示す有効性判定処理は、図2に示す第1の実施形態による有効性判定処理中のステップS1およびS2がステップS31に置き換えられている点を除き、第1の実施形態による有効性判定処理と同じである。
【0063】
図5に示す有効性判定処理中のステップS31において、判断モジュール5は、図6に示す検出速度差算出処理を行う。具体的には、検出速度差算出処理において、速度差算出部15は、GPSモジュール3により検出された自車両1の走行速度と、GPSモジュール3が自車両1の走行速度を検出した時点よりも所定時間Ts前の時点において車速検出部13により検出された自車両1の走行速度との速度差を検出速度差として算出する(ステップS41)。なお、第2の実施形態における判断モジュール5は、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度を常に一定時間分、メモリ18に記憶しており、ステップS41において、速度差算出部15は、GPSモジュール3が自車両1の走行速度を検出した時点よりも所定時間Ts前の時点において車速検出部13により検出された自車両1の走行速度をメモリ18から読み出し、これを上記検出速度差の算出に用いる。
【0064】
ここで、上記所定時間Tsは、車速検出部13(車速センサ17)の応答性とGPSモジュール3の応答性との相違を考慮して定めることが望ましい。すなわち、図7に示すように、自車両1が急加速したとき、車速検出部13により検出される自車両1の走行速度は時間の経過に伴って特性線Cpに示すように変化する。これに対し、同じく自車両1が急加速したとき、GPSモジュール3により検出される自車両1の走行速度は時間の経過に伴って特性線Cgに示すように変化する。このように自車両1が急加速した直後の時点t2において、GPSモジュール3により検出される自車両1の走行速度はvg2であり、車速検出部13により検出される自車両1の走行速度はvp2であり、vg2とvp2との差は大きくなる。このような大きな差が生じるのは、GPSモジュール3の応答性が車速検出部13の応答性よりも低いからである。このため、vg2とvp2との差をそのまま検出速度差として用いてGPSモジュール3による検出結果の有効性判定を行うとすれば、当該判定に誤りが生じてしまう。これに対し、時点t2よりも所定時間Ts前の時点t1では、車速検出部13により検出される自車両1の走行速度はvp1である。vg2とvp1との差は、vg2とvp2との差と比較して小さくなる。したがって、vg2とvp1との差を検出速度差として用いてGPSモジュール3による検出結果の有効性判定を行えば、当該判定を正確に行うことができる。自車両1が急減速した場合も同様である。所定時間Tsは、このように自車両1が急加速または急減速したときに、車速検出部13により検出された自車両1の走行速度と、GPSモジュール3により検出された自車両1の走行速度との差が、GPSモジュール3と車速検出部13との応答性の相違に起因して過大となるのを打ち消すような値に設定することが望ましい。
【0065】
図6に示す検出速度差算出処理が終わると、処理は図5中のステップS3に移行する。これにより、検出速度差算出処理において算出された検出速度差に基づいて有効性判定が行われる。
【0066】
以上説明した通り、本発明の第2の実施形態によっても、上述した第1の実施形態と同様に、GPSモジュール3による自車両1の位置、進行方位及び走行速度の検出精度の判定を行うことができ、さらに、自車両1が急加速または急減速した場合でも、当該検出精度の判定の精度を維持し、あるいは高めることができる。
【0067】
特に、本発明の第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態のように補正処理を行わないので、その分、判断モジュール5の演算量を減少させることができ、判断モジュール5の負担を軽減することができる。
【0068】
なお、上述した第1の実施形態では、車速センサ17から出力される車速パルスに基づいて自車両1の加速度を算出する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、自車両1に加速度センサを搭載し、車速センサ17からの車速パルスに代えて加速度センサから出力される加速度検出信号(自車両の加速度を示す信号)に基づいて自車両1の加速度を検出してもよい。
【0069】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う運転支援装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 自車両
2 運転支援装置
3 GPSモジュール
4 通信モジュール
5 判断モジュール
6 情報提供モジュール
7 GPSアンテナ
8 受信部
9 送信部
10 通信アンテナ
11 他車両情報取得部
12 衝突可能性判定部
13 車速検出部(車速検出手段)
14 加速度検出部(加速度検出手段)
15 速度差算出部(速度差算出手段、補正手段)
16 GPS有効性判定部(GPS有効性判定手段)
17 車速センサ
18 メモリ(記憶装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS測位により自車両の走行速度を検出するGPSモジュールを備え、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度を用いて前記自車両と他の物体との衝突危険性を判定する運転支援装置であって、
前記自車両から出力される車速パルスに基づいて前記自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
前記車速パルスに基づいて前記自車両の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度と前記車速検出手段により検出された前記自車両の走行速度との速度差を算出する速度差算出手段と、
前記加速度検出手段により検出された前記自車両の加速度に応じた補正値を用い、前記速度差算出手段により算出された前記速度差を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記速度差に基づいて、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度の有効性を判定するGPS有効性判定手段とを備えていることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
加速度と前記補正値との対応関係を示す対応関係情報を記憶した記憶装置を備え、
前記補正手段は、前記加速度検出手段により検出された前記自車両の加速度に対応する前記補正値を前記対応関係情報に基づいて特定し、当該特定した補正値を前記速度差に加算または減算することにより前記速度差を補正することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
GPS測位により自車両の走行速度を検出するGPSモジュールを備え、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度を用いて前記自車両と他の物体との衝突危険性を判定する運転支援装置であって、
前記自車両から出力される車速パルスに基づいて前記自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度と、前記GPSモジュールが前記自車両の走行速度を検出した時点よりも所定時間前の時点において前記車速検出手段により検出された前記自車両の走行速度との速度差を算出する速度差算出手段と、
前記速度差算出手段により算出された前記速度差に基づいて、前記GPSモジュールにより検出された前記自車両の走行速度の有効性を判定するGPS有効性判定手段とを備えていることを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
前記自車両に搭載された加速度センサを備え、
前記加速度検出手段は、前記車速パルスに代えて前記加速度センサから出力される加速度検出信号に基づいて前記自車両の加速度を検出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−194684(P2012−194684A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56880(P2011−56880)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】