説明

運転支援装置

【課題】 走行に利用するエネルギーの由来に基づいて、車両を利用して行動可能な範囲を適切に通知してユーザの運転を支援する運転支援装置を提供すること。
【解決手段】 運転支援装置10の電子制御ユニット11は、電力情報取得ユニット14から現在バッテリに充電されている電力の由来を識別する電力由来識別情報及び前記由来に対応する電力量を表す電力量情報を取得して、グリーン電力を表すバッテリ残量SOCrgと自家発電されたグリーン電力を表すバッテリ残量SOCjと非グリーン電力を表すバッテリ残量SOCrsとを把握する。そして、ユニット11は、バッテリ総残量SOCr、バッテリ残量SOCrg,SOCj,SOCrsを利用してPHVが到達し得るそれぞれの最大到達可能地点群を接続して形成されるそれぞれの走行可能範囲を、情報提示ユニット12を利用してユーザ(運転者)に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転を支援する運転支援装置に関し、特に、車両を利用して行動可能な範囲を提示して車両の運転を支援する運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、下記特許文献1に示されているような情報提示装置は知られている。この従来の情報提示装置は、ユーザが操作を行うインターフェースと、車両の現在位置を取得する現在位置情報取得手段と、車両の充電状態を検知し、駆動エネルギー源としての電力の残量を検知する残量検知手段と、これらの各種の情報を受け付ける受付手段と、航続距離の算出、経路情報の編集に必要な情報が記憶されている記憶手段と、車両のエネルギーの残量に基づいて航続距離を算出する航続距離算出手段と、この算出された航続距離から走行可能範囲を設定し、ユーザに提示される経路情報を編集する編集手段と、この編集された経路情報をユーザに提示する出力手段とを備えている。これにより、電気自動車で目的地まで移動するときに、途中給電しなくても目的地に到着できることを前提として、寄り道可能範囲が地図上に重畳表示して提示されるため、ユーザは寄り道をしても給電することなく目的地に到着できるか否かを容易に判断することができ、エネルギー状態について不安を抱くことなく安心して運転することができるようになっている。
【0003】
又、従来から、例えば、下記特許文献2に示されているような車両の表示装置も知られている。この従来の車両の表示装置は、複数の走行モードを有するハイブリッド車両に適用されて、地図情報を表示する表示部と、表示部に対し地図情報の道路部分に車両の道路に対応する走行モードを認識可能に表示させる制御部とを備えている。これにより、運転者は、走行する道路に応じてハイブリッド車両の走行モードの切り替え(EVモード又はHVモード)に関する将来の情報を予め知ることができるようになっている。
【0004】
又、従来から、例えば、下記特許文献3に示されているような電気自動車のナビゲーションシステムも知られている。この従来の電気自動車のナビゲーションシステムは、電気自動車の走行状態を通常走行モードとエコノミー走行モードとのいずれか一方のモードとして走行制御する機能を有する走行制御手段に接続されるようになっている。これにより、ナビゲーションシステムの地図情報を走行制御手段に取り込んで車両の到達可能範囲等の車両状況を理解し易い地図情報として運転者に表示させることができるとともに、走行制御手段が通常走行モードとエコノミー走行モードとのいずれか一方で走行制御することによって運転者の意思を最低限許容しつつ目的地まで確実に到達させることができるようになっている。
【0005】
又、従来から、例えば、下記特許文献4に示されているような電気自動車用表示装置も知られている。この従来の電気自動車用表示装置は、自車の検出された位置に基づいて記憶媒体から読み出された地図情報に従って画面に写し出されている道路地図上に自車の現在位置を表示し、バッテリの検知された残容量に基づいて記憶媒体から読み出された道路地図上における各道路の地形情報に従って所定の地形による道路を走行するときのバッテリの電力消費量から車両の走行可能距離を求め、その求められた車両の走行可能距離に基づいて自車の現在位置から見た走行可能範囲を道路地図上に表示するようになっている。
【0006】
更に、従来から、例えば、下記特許文献5に示されているような地図表示装置も知られている。この従来の地図表示装置は、ハイブリッド車両における現在のバッテリのSOC値、車両周辺の道路形状や勾配情報、交通情報、学習情報等を取得し、取得した各情報に基づいてバッテリへの複数種類の充電時間毎に充電後の車両の走行可能範囲を算出し、算出された複数の走行可能範囲を同時に液晶ディスプレイに表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−21522号公報
【特許文献2】特開2008−82944号公報
【特許文献3】特開2001−112121号公報
【特許文献4】特開平7−85397号公報
【特許文献5】特開2009−25128号公報
【発明の概要】
【0008】
ところで、近年、地球温暖化の防止等、地球環境を保全する機運が高まっている。そして、このような地球環境を保全する観点から、ハイブリッド車両や電気自動車が盛んに研究されており、更なる環境負荷の低減及び利便性を向上させるためにプラグインハイブリッド車両(PHV)も盛んに研究されている。このPHVにおいては、充電スタンドを介して搭載されたバッテリを外部から充電することができるため、PHVの運転者(ユーザ)は、例えば、温室効果ガスであるCO2の排出量の極めて少ない太陽光発電あるいは風力発電等やCO2の排出量の多い火力発電等といった異なる発電方法によって得られた電力すなわち発電由来の異なる電力をバッテリに充電することができる。そして、PHVにおいては、このようにバッテリに充電された電力を利用したモータの駆動力と内燃機関による駆動力とを用いて走行することができるため、地球環境の保全に大きく寄与することができる。
【0009】
この場合、地球環境を保全する意識の高いユーザ(運転者)は、自身が利用するPHVのバッテリを、例えば、温室効果ガスの排出量が極めて少ない太陽光発電や風力発電等によって発電された電力、所謂、グリーン電力で充電し、この充電したグリーン電力を利用して移動することを望む傾向にあると言える。ここで、上記従来の各装置及びシステムにおいては、グリーン電力であるか否かを区別することなく、単にバッテリの充電量に応じた車両の走行可能範囲(航続可能距離)を算出し、運転者に対して提示するのみである。すなわち、上記従来の各装置及びシステムにおいては、バッテリに充電されている電力がグリーン電力を利用して充電した電力であるか否かを区別することができないため、運転者に対して提示される走行可能範囲(航続可能距離)はバッテリの総充電量に応じた走行可能範囲(航続可能距離)を単に提示しているにすぎない。
【0010】
この場合、PHVを利用するような地球環境を保全する意識の高いユーザ(運転者)にとっては、特定のエネルギー(具体的には、グリーン電力)の利用を重視したい状況において、上記従来の各装置及びシステムにより提示される情報では不十分である。従って、地球環境の保全に寄与しているか否かが明確となるように、発電方法の異なる電力の由来に関連する情報を明確にユーザ(運転者)に提示し、地球環境を保全する意識の高いユーザ(運転者)の意図を満足させることが望まれている。
【0011】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、走行に利用するエネルギーの由来を明確にして車両の走行可能範囲を適切に提示し、運転を支援する運転支援装置を提供することにある。
【0012】
上記目的を達成するための本発明による運転支援装置は、搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を少なくとも用いて走行する車両を運転する運転者に対して、前記車両の現在地を含む周辺地図上に走行可能範囲を重畳表示して支援するものである。そして、本発明による運転支援装置の特徴は、前記外部から供給されて前記バッテリに充電される電力に関し、発電方法の違いに基づいて前記供給される電力の由来を識別するための電力由来情報を用いて識別される電力ごとに前記車両の走行可能範囲を決定し、前記決定した前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲を区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示して前記車両の運転者に提示することにある。又、この場合、前記車両は、更に、内燃機関による駆動力をも用いて走行するものであり、前記識別される電力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定するとともに、前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定し、前記決定した前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲と前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲とを区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示して前記車両の運転者に提示することもできる。
【0013】
より具体的に、本発明による運転支援装置の特徴は、識別情報取得手段と、航続可能距離算出手段と、走行可能範囲決定手段と、走行可能範囲提示手段とを備えることにある。
【0014】
識別情報取得手段は、前記外部から供給されて前記バッテリに充電される電力に関し、発電方法の違いに基づいて前記供給される電力の由来を識別するための電力由来識別情報を少なくとも取得する。航続可能距離算出手段は、前記バッテリに充電されていて、前記識別情報取得手段によって取得された前記電力由来識別情報を用いて識別される電力ごとに、この識別される電力を用いた前記車両の航続可能距離を算出する。走行可能範囲決定手段は、前記航続可能距離算出手段によって前記識別される電力ごとに算出された前記車両の航続可能距離をそれぞれ用いて、前記識別される電力ごとに前記車両の走行可能範囲を決定する。走行可能範囲提示手段は、前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲を区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示する。
【0015】
この場合、前記車両は、更に、内燃機関による駆動力をも用いて走行するものであり、前記航続可能距離算出手段は、前記識別される電力を用いた前記車両の航続可能距離を算出するとともに、前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の航続可能距離を算出し、前記走行可能範囲決定手段は、前記識別される電力ごとに前記車両の走行可能範囲を決定するとともに、前記航続可能距離算出手段によって算出された前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の航続可能距離を用いて、前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定し、前記走行可能範囲提示手段は、前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲と前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲とを区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示するとよい。
【0016】
そして、これらの場合、前記電力由来識別情報は、環境への負荷が小さい自然エネルギーを用いた発電方法により発電された由来を有するグリーン電力とそれ以外の由来を有する非グリーン電力とを識別する情報であるとよい。
【0017】
これらによれば、搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を少なくとも用いて走行する車両、具体的には、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)等を利用して運転者(同乗者も含めたユーザ)が行動する際、バッテリに充電されている電力に基づく走行可能範囲が周辺地図上に重畳されて提示されるため、ユーザはバッテリに充電されている電力で行動することができる範囲を極めて容易にかつ確実に把握することができる。これにより、提示された走行可能範囲内で走行する限り、ユーザは安心して車両を走行させて行動(移動)することができる。
【0018】
又、搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を用いて走行するとともに、内燃機関による駆動力をも用いて走行する車両、具体的には、PHV等を利用してユーザが行動する際、バッテリに充電されている電力に基づく走行可能範囲とともに内燃機関による駆動力を用いた走行可能範囲をそれぞれ区別して周辺地図上に重畳されて提示されるため、ユーザは車両(具体的にPHV)を利用して行動することができる範囲を極めて容易にかつ確実に把握することができる。
【0019】
そして、これらの場合には、走行可能範囲提示手段は、識別情報取得手段、航続可能距離算出手段及び走行可能範囲決定手段により、バッテリに充電されている電力の由来ごとに区別して、走行可能範囲を周辺地図上に重畳させて、ユーザに提示することができる。これにより、ユーザは、バッテリに充電されている電力の由来を意識しながら車両を利用して行動することができる。ここで、バッテリに充電されていて区別される電力の由来として、グリーン電力であるか非グリーン電力であるかを区別することができるため、特に、地球環境を保全する意識の高いユーザにとっては、走行可能範囲提示手段によって提示される情報に従うことにより、例えば、グリーン電力の利用を重視したい意図を極めて容易に満足させる(実現させる)ことができる。
【0020】
又、本発明に係る運転支援装置の他の特徴は、前記車両の走行可能範囲は、現在地を出発した前記車両が再び前記現在地に戻るように往復するときの走行可能範囲として決定することにもある。より具体的に、前記走行可能範囲決定手段を備えている場合、前記走行可能範囲決定手段は、前記航続可能距離算出手段によって算出された前記車両の航続可能距離に基づき、現在地を出発した前記車両が再び前記現在地に戻るように往復するときの前記車両の走行可能範囲を決定することができる。これによれば、ユーザが、例えば、バッテリに充電されている電力のみで行動したい場合、外出先に向かう途中あるいは帰宅する途中でバッテリに充電する必要がない走行可能範囲を極めて容易に把握することができる。
【0021】
又、本発明に係る運転支援装置の他の特徴は、前記車両が走行に伴って前記決定された前記車両の一の走行可能範囲から他の走行可能範囲に移動するとき、前記車両の運転者に対して前記走行可能範囲の移動を報知することにもある。より具体的に、前記走行可能範囲提示手段を備えている場合、前記走行可能範囲提示手段は、前記車両が走行に伴って前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記車両の一の走行可能範囲から他の走行可能範囲に移動するとき、前記車両の運転者に対して前記走行可能範囲の移動を報知するとよい。
【0022】
この場合、前記電力由来識別情報が、環境への負荷が小さい自然エネルギーを用いた発電方法により発電された由来を有するグリーン電力とそれ以外の由来を有する非グリーン電力とを識別する情報であり、前記車両が、前記決定された前記車両の走行可能範囲のうち、前記グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲から前記非グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲に移動するとき、前記車両の運転者に対して前記走行可能範囲の移動を報知するとともに、前記グリーン電力による前記バッテリの充電の要否を報知することができる。より具体的に、前記識別情報取得手段及び前記走行可能範囲提示手段を備えている場合、前記識別情報取得手段によって取得される前記電力由来識別情報が、環境への負荷が小さい自然エネルギーを用いた発電方法により発電された由来を有するグリーン電力とそれ以外の由来を有する非グリーン電力とを識別する情報であり、前記車両が、前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記車両の走行可能範囲のうち、前記グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲から前記非グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲に移動するとき、前記走行可能範囲提示手段は、前記車両の運転者に対して前記走行可能範囲の移動を報知するとともに、前記グリーン電力による前記バッテリの充電の要否を報知することができる。
【0023】
そして、この場合には、前記運転支援装置が、更に、前記車両の現在地を検出するとともに所定の地点までの経路を探索して案内するナビゲーション手段を備えており、前記車両が、前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記車両の走行可能範囲のうち、前記グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲から前記非グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲に移動するとき、前記ナビゲーション手段に対して、前記グリーン電力による前記バッテリの充電が可能な充電スタンドまでの経路を探索させ、この探索された充電スタンドを前記車両の運転者に対して報知することができる。より具体的に、前記走行可能範囲決定手段を備えている場合、前記走行可能範囲提示手段が、前記ナビゲーション手段に対して、前記グリーン電力による前記バッテリの充電が可能な充電スタンドまでの経路を探索させ、この探索された充電スタンドを前記車両の運転者に対して報知することができる。
【0024】
これらによれば、ユーザに対して、車両の走行している走行可能範囲が他の走行可能範囲に移動する(変更される)とき、例えば、音声によるメッセージ等で報知することができるため、ユーザは極めて容易に現在の走行可能範囲、言い換えれば、どのエネルギーを利用して走行(行動)しているか否かを容易に把握することができる。特に、地球環境を保全する意識の高いユーザにとっては、報知される情報(メッセージ)により、グリーン電力を利用しているか否かを容易に把握することができるとともに、非グリーン電力を利用する走行可能範囲に移動するときにグリーン電力による充電の要否が報知されることによって、例えば、充電を必要とする場合に案内される充電スタンドでグリーン電力を充電することができる。これにより、ユーザは、グリーン電力を利用した走行可能範囲を拡大させることができて、グリーン電力の利用を重視したい意図を確実に満足させる(実現させる)ことができる。
【0025】
又、本発明に係る運転支援装置の他の特徴は、前記車両の走行可能範囲ごとに色を塗り分けて前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することにもある。具体的に、前記走行可能範囲提示手段及び前記走行可能範囲決定手段を備えている場合、前記走行可能範囲提示手段は、例えば、前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記車両の走行可能範囲ごとに色を塗り分けて前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することができる。そして、この場合には、前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲について色を塗り分けて前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することができる。具体的に、前記走行可能範囲提示手段及び前記走行可能範囲決定手段を備えている場合、前記走行可能範囲提示手段は、前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲について色を塗り分けて前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することができる。
【0026】
これによれば、ユーザは極めて容易にかつ瞬時に走行可能範囲を把握することができる。又、識別される電力ごとの車両の走行可能範囲について色を塗り分けて車両の周辺地図上に重畳表示することにより、一般に、走行可能範囲が広大になる内燃機関による駆動力を用いた車両の走行可能範囲まで色を塗り分けて重畳表示する必要がないため、ユーザは、識別される電力ごとの車両の走行可能範囲を把握し易く、又、周辺地図が見やすくなる。
【0027】
又、本発明に係る運転支援装置の他の特徴は、前記バッテリに充電されていて、前記電力由来識別情報を用いて識別される電力の利用順が設定可能であることにもある。より具体的には、前記バッテリに充電されていて、前記識別情報取得手段によって取得された前記電力由来識別情報を用いて識別される電力の利用順を設定する電力利用順設定手段を備えることができる。これによれば、ユーザがバッテリに充電されている由来の異なる電力の利用順を選択して設定できることにより、例えば、グリーン電力を積極的に利用したいユーザは、自身の意図をより適切に反映させることができて地球環境の保全に寄与しながら車両を利用して行動することができる。
【0028】
又、本発明に係る運転支援装置の他の特徴は、前記走行可能範囲決定手段は、例えば、前記車両が現在地から走行し得る複数の道路上を走行したときの距離を決定し、この決定した距離が前記航続可能距離算出手段によって算出された前記車両の航続可能距離よりも小さくなる地点を前記道路ごとに特定し、この特定した地点群をそれぞれ接続することにより、前記車両の走行可能距離を決定することにもある。そして、この場合には、前記走行可能範囲決定手段は、例えば、前記車両の周方向にて全周に渡り所定の角度範囲ごとに区域を設定し、この設定した区域内に含まれる前記特定した地点のうちで前記車両の現在地からの直線距離が最大となる地点を決定し、前記区域ごとに決定した地点をそれぞれ接続することにより、前記走行可能範囲を決定することができる。
【0029】
これらによれば、車両の航続可能距離を用いて実際に車両が走行できる道路上の地点を特定し、この地点群を接続することにより車両の走行可能範囲を決定することができるため、より正確に、言い換えれば、より実情に合った車両の走行可能範囲を決定することができる。そして、この場合、車両の周囲にて所定の角度範囲で区域を設定しておき、この区域内で車両の現在地からの直線距離が最大となる地点を決定して車両の走行可能範囲を決めることにより、より簡便にかつより効率よく車両の走行可能範囲を決定することができる。
【0030】
更に、本発明に係る運転支援装置の他の特徴は、搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を少なくとも用いて走行する車両を運転する運転者に対して、前記車両の現在地を含む周辺地図上に走行可能範囲を重畳表示して支援する運転支援装置であって、前記車両は、更に、前記バッテリに充電された電力以外による駆動力をも用いて走行するものであり、前記バッテリに充電されている電力を用いた前記車両の走行可能範囲と、前記バッテリに充電されている電力以外による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定し、前記決定した前記バッテリに充電されている電力を用いた前記車両の走行可能範囲と前記バッテリに充電されている電力以外による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲とを区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示して前記車両の運転者に提示することにもある。
【0031】
これによれば、車両に搭載されたバッテリに充電されている電力(外部から供給された電力に限らず、例えば、モータによって回生される電力や車両に搭載された燃料電池等によって発電された電力を含む)を用いた車両の走行可能範囲と、車両に搭載されたバッテリに充電されている電力以外(すなわち、他のエネルギー)による駆動力(例えば、化石エネルギーを利用した内燃機関による駆動力や水素ガス等の水素エネルギーを利用した燃料電池から直接的に供給される電力による駆動力)を用いた車両の走行可能範囲とを区別して周辺地図上に重畳して提示することができる。これにより、ユーザはバッテリに充電されている電力を用いた所謂EV走行モードによって行動することができる範囲と、バッテリに充電されている電力以外による駆動力を用いた所謂HV走行モードや燃料電池車両における燃料電池から供給される電力を用いた走行モードによって行動することができる範囲を極めて容易にかつ確実に把握することができる。これにより、提示された走行可能範囲内で走行する限り、ユーザは安心して車両を走行させて行動(移動)することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る運転支援装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係り、図1の電子制御ユニットが実行する提示プログラムのフローチャートである。
【図3】電力の由来に応じた行動可能範囲の提示態様を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットが実行する提示プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態に係る運転支援装置10(以下、単に「本装置10」とも称呼する。)について図面を参照しながら説明する。
【0034】
本発明の実施形態においては、ユーザ(運転者)が、外部からの充電が可能とされたバッテリを搭載していてこのバッテリに充電された電力により駆動するモータと、このモータに加えて更に内燃機関を備えたプラグインハイブリッド車(PHV)を利用して行動する状況を想定する。なお、PHVの詳細な構成及び作動については、本発明に直接関係するものではなく、又、周知であるため、その図示及び説明を省略する。
【0035】
PHVのユーザ(運転者)は、搭載されたバッテリに充電された電力を利用したモータによる駆動力のみを利用して走行するEV走行モードと、モータによる駆動力と内燃機関による駆動力の両方を利用して走行するHV走行モードとを適宜選択して、PHVを走行させることができるようになっている。ここで、PHVをEV走行モードによって走行させる場合、ユーザの取り得る行動可能範囲としては、バッテリに充電されている電力量(以下、この電力量を「バッテリ残量」とも称呼する。)によって決定される。この場合、PHVにおいては、広く知られているように、自宅や公共の充電施設に設けられた充電スタンド等を介して、一般的に電力会社から供給される商用電源のみならず、温室効果ガスや有害ガスの排出が少なく環境への負荷が小さい自然エネルギー(太陽光や、地熱、風力、水力、バイオマス等の再生可能エネルギー)によって発電されたグリーン電力をバッテリに充電することができるようになっている。すなわち、ユーザ(運転者)は、自身の環境意識の高まりに伴って、PHVをEV走行モードにより走行させる際には、積極的にグリーン電力を利用することができるようになっている。
【0036】
本装置10は、少なくとも上述したPHVに搭載可能とされており、ユーザ(運転者)に対して、EV走行モードによる行動可能範囲(航続可能距離に基づく走行可能距離に相当)とHV走行モードによる行動可能範囲(航続可能距離に基づく走行可能距離に相当)とをそれぞれ区別し、更には、EV走行モードでのグリーン電力による航続可能距離とグリーン電力以外による航続可能距離とを区別可能に提示し、ユーザ(運転者)によるPHVの運転を支援するものである。このため、本装置10は、図1に概略的に示すように、互いに通信可能に接続された電子制御ユニット11(航続可能距離算出手段及び走行可能範囲決定手段)、情報提示ユニット12(走行可能範囲提示手段)、記憶ユニット13、電力情報取得ユニット14(識別情報取得手段)及びナビゲーションユニット15(ナビゲーション手段)を備えている。ここで、本装置10としては、PHV側に搭載されてユーザ(運転者)に各種の情報を提示する車載情報端末装置や、ユーザ(運転者)が携帯して所持する携帯情報端末装置(例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等)を利用することも可能である。
【0037】
電子制御ユニット11は、CPU、ROM、RAM等を主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、後述する提示プログラムを含む各種プログラムを実行することにより、本装置10の作動を統括的に制御する。ここで、電子制御ユニット11は、例えば、車両側(すなわち、PHV側)に搭載された各種電子制御ユニット及び各種センサと有線又は無線により電気的に接続するための周知のインターフェースが設けられており、電子制御ユニット11が車両の走行状態等を取得できるようになっている。なお、本実施形態において、車両側(PHV側)に搭載された各種センサとしては、図1に示すように、少なくとも、PHVに搭載されたバッテリの充電状態すなわちバッテリに充電されている電力量を表すSOC(State Of Charge)を検出するバッテリ残量取得手段としての充電状態検出センサBや、PHVに搭載された燃料タンクの燃料充填状態すなわち燃料タンクに充填されている燃料の残量を検出する燃料残量取得手段としての燃料残量検出センサF、PHVの起動スイッチ(イグニッションスイッチ)の操作状態を検出するI/G操作状態検出センサSが含まれるものとする。
【0038】
情報提示ユニット12は、液晶表示部や音声出力部等から構成されるものであり、電子制御ユニット11による制御に従い、文字及び図形等を用いて後述する各種行動可能範囲(各種走行可能範囲)やナビゲーションユニット15による地図及び探索経路等を表示したり、音声を出力したりして、ユーザ(運転者)に対して種々の情報を提示(報知)するものである。記憶ユニット13は、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶媒体及び同記憶媒体のドライブ装置を含むものであり、電子制御ユニット11が本装置10の作動を統括的に制御するために必要な各種プログラム及び各種データを予めあるいは更新可能に記憶している。
【0039】
電力情報取得ユニット14は、PHVに搭載されたバッテリを充電するとき、近距離無線通信により充電スタンドを介して、充電される電力の由来(具体的には、発電方法の違いに基づきグリーン電力かグリーン電力ではないか)を識別するための電力由来識別情報及び識別した電力の供給量(充電量)を取得する。ここで、自宅及び公共場所に設置される充電スタンドを簡単に説明しておく。充電スタンドは、図1に簡単に示すが、電力供給制御ユニットと通信ユニットとを備えている。そして、電力供給制御ユニットが現在充電スタンドからPHVに供給できる電力の電力由来識別情報を取得し、この電力由来識別情報を通信ユニットが近距離無線通信により電力情報取得ユニット14に送信する。
【0040】
なお、電力由来識別情報については、例えば、充電スタンドの近傍に設けられたスマートメータが電力の供給元における発電方法を特定することにより、電力供給制御ユニットに供給される。具体的には、スマートメータは、電力の供給元が、例えば、太陽光発電システムであれば、現在供給されている電力が太陽光発電によるグリーン電力であるために電力由来識別情報としてグリーン電力を表す情報を電力供給制御ユニットに出力する。ここで、供給される電力が、例えば、住宅に設けられた太陽光発電システムによって発電されたグリーン電力である場合には、特に、電力由来識別情報として自家発電されたグリーン電力を表す情報を電力供給制御ユニットに出力する。一方、スマートメータは、電力の供給元が、例えば、火力発電所であれば、現在供給されている電力が火力発電による電力であってグリーン電力ではない(以下、グリーン電力ではない電力を「非グリーン電力」と称呼する。)ため、電力由来識別情報として非グリーン電力を表す情報を電力供給制御ユニットに出力する。
【0041】
又、電力情報取得ユニット14は、近距離無線通信を利用することにより、充電量を取得しながら、PHVのバッテリを適切に充電することができる。具体的に説明すると、電力情報取得ユニット14は、充電スタンドの電力供給制御ユニットとの間で、予め設定された周期によって充電に関する種々の情報(例えは、充電におけるリクエストコードやレスポンスコード、PHV(すなわち、ユーザ)を特定するID情報、バッテリのSOC等)を送受信するようになっている。これにより、充電スタンドの電力供給制御ユニットは、PHV側から取得したバッテリのSOCに基づき、所望の電力量を供給するとともに供給した電力量を表す電力量情報を通信ユニットを介して送信する。従って、電力情報取得ユニット14は、通信アンテナを介して、電力量情報を取得することにより、PHVのバッテリの充電量を取得することができる。ここで、電力情報取得ユニット14は、上述した電力由来識別情報とともに送信された電力量情報を受信して取得することにより、現在、PHVのバッテリに充電されている電力の内訳、すなわち、グリーン電力の電力量と非グリーン電力の電力量とを把握することができるようになっている。
【0042】
ナビゲーションユニット15は、GPS(Global Positioning System)信号検出センサや移動速度(車速に相当)を検出する速度センサ等を備えている。そして、ナビゲーションユニット15は、記憶ユニット13に予め記憶されている各種データあるいは図示を省略する外部通信ユニットを介して外部から取得した各種データを利用して、所定の地点(例えば、ユーザ(運転者)によって指定された目的地)までの経路を探索し、同探索した経路を情報提示ユニット12を利用して案内する。
【0043】
次に、上記のように構成された本装置10の第1実施形態に係る作動について詳細に説明する。本装置10は、PHVの走行に関する情報として、PHVをEV走行モードにより走行させることができる走行可能範囲を表す情報及びPHVをHV走行モードにより走行させることができる走行可能範囲を表す情報、言い換えれば、PHVを利用したユーザの行動可能範囲を適切なタイミングでユーザに提示(報知)して、運転を支援するものである。このため、電子制御ユニット11は、図2に示す提示プログラムを実行する。以下、この提示プログラムを具体的に説明する。
【0044】
ユーザ(運転者)がPHVのイグニッションスイッチ(あるいは、起動スイッチ)をオン状態に操作すると、本装置10の電子制御ユニット11は、図2に示す提示プログラムの実行をステップS10にて開始する。そして、電子制御ユニット11は、続くステップS11にて、PHVをEV走行モードにより走行させることができる航続可能距離を算出する。
【0045】
具体的に説明すると、ステップS11において、電子制御ユニット11は、インターフェースを介してPHV側に設けられた充電状態検出センサBからの信号を受信し、PHVに搭載されているバッテリの現在のバッテリ総残量SOCrを表す総充電量情報を記憶ユニット13の所定記憶位置に一時的に記憶する。又、電子制御ユニット11は、電力情報取得ユニット14から電力由来識別情報及び電力量情報を取得し、この取得した各情報に基づき、バッテリ総残量SOCrのうち、グリーン電力によって充電された電力量を表すバッテリ残量SOCrgと、自家発電されたグリーン電力によって充電された電力量を表すバッテリ残量SOCjと、非グリーン電力によって充電された電力量を表すバッテリ残量SOCrsとを把握する。そして、電子制御ユニット11は、バッテリ残量SOCrgを表すグリーン電力充電量情報と、バッテリ残量SOCjを表す自家発電グリーン電力充電量情報と、バッテリ残量SOCrsを表す非グリーン電力充電量情報とをそれぞれ区別して、記憶ユニット13の所定記憶位置に一時的に記憶する。
【0046】
又、電子制御ユニット11は、記憶ユニット13の所定記憶位置に記憶されており、PHVの車型ごとに予め設定されているEV走行モードにおけるバッテリの電力消費率D(以下、この消費率を「電費D」と称呼する。)を取得する。そして、電子制御ユニット11は、前記一時的に記憶した総充電量情報によって表されるバッテリ総残量SOCr、グリーン電力充電量情報によって表されるバッテリ残量SOCg、自家発電グリーン電力充電量情報によって表されるバッテリ残量SOCj及び非グリーン電力充電量情報によって表されるバッテリ残量SOCsのそれぞれを電費Dで除する。これにより、電子制御ユニット11は、バッテリ総残量SOCrを電費Dで除することによってPHVをEV走行モードにより走行させることができる最大の航続可能距離Lrを算出するとともに、バッテリ残量SOCgを電費Dで除することによってPHVをグリーン電力を利用したEV走行モードにより走行させることができる航続可能距離Lg、バッテリ残量SOCjを電費Dで除することによってPHVを自家発電グリーン電力を利用したEV走行モードにより走行させることができる航続可能距離Lj及びPHVを非グリーン電力を利用したEV走行モードにより走行させることができる航続可能距離Lsを算出する。このように、航続可能距離Lr、航続可能距離Lg、航続可能距離Lj及び航続可能距離Lsを算出すると、電子制御ユニット11はステップS12に進む。
【0047】
又、本実施形態においては、上述したように、電費Dを予めPHVの車型ごとに設定されるものとして実施する。この場合、電費Dについては、例えば、ユーザ(運転者)によるPHVの運転態様(運転スタイル)に依存して変化する可能性がある。このため、例えば、ユーザ(運転者)による過去のPHVの走行における電費Dを算出しておき、この算出した電費Dを更新してデータベースに記憶する(所謂、電費Dを学習する)ように実施することも可能である。
【0048】
ステップS12においては、電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15と協働して、PHVの現在地を中心としてPHVが走行することができる道路(以下、この道路を「経路」と称呼する。)を利用して到達することができる地点、すなわち、到達可能地点を、前記ステップS11にて電力の由来ごとに算出した航続可能距離Lr、航続可能距離Lg、航続可能距離Lj及び航続可能距離Lsを用いてそれぞれ特定する。以下、このステップS12における特定処理を詳細に説明する。
【0049】
まず、ナビゲーションユニット15による経路の決定から説明する。ナビゲーションユニット15は、図示を省略するGPS信号検出信号や速度センサ等によって検出された各種検出値を用いて、周知の方法に従ってPHVの現在地を特定する。続いて、ナビゲーションユニット15は、記憶ユニット13の所定記憶位置に記憶されている各種データのうち、特定したPHVの現在地を中心とする広域地図を表す地図情報(より具体的には道路データ)を取得する。そして、ナビゲーションユニット15は、PHVの現在地を中心として、PHVの走行可能な道路すなわち経路を特定する。このように、ナビゲーションユニット15は、PHVの現在地を中心としてPHVが走行可能な経路を特定すると、この特定した経路を含む地図情報を電子制御ユニット11に供給する。
【0050】
電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15によって特定された経路に関し、特定された経路上を仮にPHVが現在地から走行したとする距離Ld(以下、この距離を「経路距離Ld」と称呼する。)と、前記ステップS11にて算出した最大の航続可能距離Lrとを比較して、経路距離Ldの大きさが最大の航続可能距離Lrの大きさよりも小さくなる(以下となる)地点(以下、この地点を「最大到達可能地点」と称呼する。)を、特定された経路ごとに決定する。ここで、PHVが経路上を走行する場合において、例えば、PHVを中心として最大の航続可能距離Lrを半径とする円を想定したとき、この円によって決定される経路上の地点までPHVが走行して移動したすると、通常、前記地点に到着するまでにPHVが走行しなければならない距離は経路ごとに異なる。すなわち、PHVの現在地から延びる経路は、一般に、直線のみではなくカーブや曲がり角等が存在するため、中心からの直線距離が単純に最大の航続可能距離Lrで同一であっても、実際の経路距離Ldはそれぞれの経路で異なる。従って、電子制御ユニット11は、経路ごとに、経路上をPHVが走行したとするときの経路距離Ldが最大の航続可能距離Lrよりも小さくなる(以下となる)最大到達可能地点を決定する。
【0051】
ところで、最大到達可能地点までPHVが走行する状況は、バッテリに充電されている総バッテリ残量SOCrを利用した場合である。この場合、総バッテリ残量SOCrは、上述したように、バッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCj及びバッテリ残量SOCsの合計である。従って、電子制御ユニット11は、最大到達可能地点までをバッテリ残量の内訳に基づいて細分化する、すなわち、PHVがバッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCj及びバッテリ残量SOCsのそれぞれを利用して経路上を走行する場合に到達し得る地点をそれぞれ決定する。ここで、電子制御ユニット11は、バッテリ残量SOCの利用順として、PHVの現在地から遠ざかる方向にて、バッテリ残量SOCj、バッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCsの順に利用する場合にそれぞれ到達し得る地点を決定する。なお、以下の説明においては、バッテリ残量SOCjを利用して経路上を走行した場合に到着し得る地点を「自家発電グリーン電力利用到達可能地点」と称呼し、バッテリ残量SOCgを利用して経路上を走行した場合に到達し得る地点を「グリーン電力利用到達可能地点」と称呼し、バッテリ残量SOCsを利用して経路上を走行した場合に到達し得る地点を「非グリーン電力利用到達可能地点」と称呼する。
【0052】
すなわち、電子制御ユニット11は、上述した最大到達可能地点の決定と同様にして、ナビゲーションユニット15によって特定された経路上をPHVが走行する経路距離Ldと、前記ステップS11にて算出した航続可能距離Ljとを比較して、経路距離Ldの大きさが航続可能距離Ljの大きさよりも小さくなる(以下となる)地点、すなわち、自家発電グリーン電力利用到達可能地点を経路ごとに決定する。又、電子制御ユニット11は、前記決定した自家発電グリーン電力利用到達可能地点を起点として、特定された経路上をPHVが走行する経路距離Ldと、前記ステップS11にて算出した航続可能距離Lgとを比較して、経路距離Ldの大きさが航続可能距離Lgの大きさよりも小さくなる(以下となる)地点、すなわち、グリーン電力利用到達可能地点を経路ごとに決定する。更に、電子制御ユニット11は、非グリーン電力を利用して経路上を走行することにより到達し得る非グリーン電力利用到達可能地点すなわち上述したように決定した最大到達可能地点と一致する地点を決定する。そして、このように電子制御ユニット11は、最大到達可能地点、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及び本実施形態において最大到達可能地点と一致する非グリーン電力利用到達可能地点を決定すると、ステップS13に進む。
【0053】
ステップS13においては、電子制御ユニット11は、前記ステップS12にて経路ごとに決定した複数の最大到達可能地点群(本実施形態においては非グリーン電力利用到達可能地点群と一致)、複数の自家発電グリーン電力利用到達可能地点群及び複数のグリーン電力利用到達可能地点群をそれぞれ接続して、多角形状の複数の領域すなわち電力の由来を反映したユーザの行動可能範囲を決定する。なお、この各地点群の接続に関しては、形成される多角形状の領域の面積が最大となるように接続されることが好ましい。又、この場合、各地点群を接続した多角形を周知の方法に従ってスムージング処理して最終的に領域を決定することが好ましい。
【0054】
ここで、このように決定される領域について、以下の説明においては、自家発電グリーン電力利用到達可能地点群を接続することによって形成される領域を自家発電グリーン電力利用行動可能範囲と称呼し、グリーン電力利用到達可能地点群を接続することによって形成される領域をグリーン電力利用行動可能範囲と称呼し、残りの領域を非グリーン電力利用行動可能範囲と称呼する。そして、このように決定される各行動可能範囲は、PHVの現在地を中心として遠方に向けて、自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲の順に区画される。
【0055】
更に、電子制御ユニット11は、ステップS13において、内燃機関による駆動力をも利用するHV走行モードによってPHVを走行させることが可能な領域を決定する。なお、HV走行モードによって走行可能な領域の決定については、以下に簡単に説明しておく。
【0056】
電子制御ユニット11は、インターフェースを介してPHV側に設けられた燃料残量検出センサFからの信号を受信し、PHVに搭載されている燃料タンクの現在の燃料残量Frを表す燃料残量情報を記憶ユニット13の所定記憶位置に一時的に記憶する。又、電子制御ユニット11は、記憶ユニット13の所定記憶位置に記憶されており、PHVの車型ごとに予め設定されているHV走行モードにおける燃料消費率N(以下、この消費率を「燃費N」と称呼する。)を取得する。そして、電子制御ユニット11は、燃料残量Frを燃費Nで除することによってPHVをHV走行モードにより走行させることができる最大の航続可能距離Lrhvを算出する。
【0057】
続いて、電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15によって特定された経路に関し、上述したように決定した最大到達可能地点を起点として、特定された経路上をPHVがHV走行モードにより走行したとする経路距離Ldと、算出した最大の航続可能距離Lrhvとを比較する。そして、電子制御ユニット11は、経路距離Ldの大きさが最大の航続可能距離Lrhvの大きさよりも小さくなる(以下となる)地点を経路ごとに決定する。なお、以下、このように決定される地点を「HV到達可能地点」と称呼する。このように、HV到達可能地点を決定すると、電子制御ユニット11は、経路ごとに決定した複数のHV到達可能地点群をそれぞれ接続して、多角形状の領域すなわちHV走行モードによるユーザの行動可能範囲(以下、この行動可能範囲を「HV行動可能範囲」と称呼する。)を決定する。なお、この地点群の接続に関しても、形成される多角形状の領域の面積が最大となるように接続されることが好ましい。又、この場合、各地点群を接続した多角形を周知の方法に従ってスムージング処理して最終的に領域を決定することが好ましい。
【0058】
このように、自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲及び非グリーン電力利用行動可能範囲を決定するとともにHV行動可能範囲を決定すると、電子制御ユニット11は、ステップS14に進む。
【0059】
ステップS14においては、電子制御ユニット11は、前記ステップS13にて決定した自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲を情報提示ユニット12を利用してユーザに提示(報知)する。具体的に説明すると、電子制御ユニット11は、前記ステップS13にて決定した各行動可能範囲を表すとともに描写するために必要な描写データ(具体的には、座標データ等)を情報提示ユニット12に供給する。情報提示ユニット12においては、供給された描写データを取得するとともに、ナビゲーションユニット15からPHVの現在地を中心する広域を表す地図情報(具体的には、道路データ)を取得する。そして、情報提示ユニット12は、詳細な図示を省略するが、液晶表示部(表示パネル)上にて、図3に示すように、ナビゲーションユニット15から取得したPHVの現在地周辺の地図(道路)を表示し、この地図(道路)表示に重畳させて自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲を区別して表示する。
【0060】
なお、図3においては、図示の制約上、各行動可能範囲を区別する線図(境界線)のみを地図上に重畳して表示するが、より好ましくは、各行動可能範囲について色を塗り分けることによって区別して表示するとよい。又、図3においては、理解を容易とするために、HV行動可能範囲を表示するようにした。しかし、一般に、HV行動可能範囲は、EV走行モードによる行動可能範囲よりも広大となるため、同一尺度の地図上に表示されない場合が存在することは言うまでもなく、又、色を塗り分けて表示する場合においてHV行動可能範囲に色を付することを省略してユーザ(運転者)が地図(道路)を見やすいようにすることが可能であることも言うまでもない。
【0061】
このように、情報提示ユニット12によって各行動可能範囲が提示(報知)されることにより、ユーザ(運転者)は、PHVをEV走行モードにより走行させることができる範囲を極めて容易に理解することができる。従って、ユーザ(運転者)は地球環境の保全を意識しながら、PHVを利用して行動することができる。そして、情報提示ユニット12によって自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲がユーザ(運転者)に対して提示(報知)されると、電子制御ユニット11は、ステップS15に進み、提示プログラムの実行を終了する。
【0062】
以上の説明からも理解できるように、上述した第1実施形態においては、ユーザ(運転者)がPHVを走行させて行動するときに有益となる情報、すなわち、PHVをEV走行モードにより走行させることができる行動可能範囲と、PHVをHV走行モードにより走行させることができる行動可能範囲とを区別してユーザ(運転者)に提示(報知)することができる。更には、PHVをEV走行モードにより走行させることができる行動可能範囲として、バッテリに充電されたグリーン電力を利用する行動可能範囲(自家発電グリーン電力利用行動可能範囲及びグリーン電力利用行動可能範囲)と、バッテリに充電された非グリーン電力を利用する行動可能範囲(非グリーン電力利用行動可能範囲)とを区別してユーザ(運転者)に提示(報知)することができる。
【0063】
これにより、ユーザ(運転者)は、極めて容易にPHVをEV走行モードによって走行させることができる範囲を把握することができる。その結果、途中での充電の要否を正確に把握することができ、ユーザ(運転者)が覚える不安を効果的に解消することができる。又、グリーン電力を利用して行動する範囲を適切に提示(報知)することができるため、特に、ユーザ(運転者)の環境意識の高まりに合わせた適切な情報を提示(報知)することができ、例えば、グリーン電力の利用を重視したい意図を極めて容易に満足させる(実現させる)ことができる。その結果、環境保全に良好に寄与することができる。
【0064】
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、電子制御ユニット11は、提示プログラムの実行により、自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲の決定に際して、ナビゲーションユニット15によって特定された経路上におけるそれぞれの到達可能地点を決定するように実施した。この場合、特定される経路の数に応じて決定すべき到達可能地点の数が必要以上に増加するため、到達可能地点を接続して上述した各行動可能範囲を決定するにあたっては、電子制御ユニット11に大きな負荷を与えることになる。このため、電子制御ユニット11に対する負荷を軽減して効率よく各行動可能範囲を決定するように実施することも可能である。以下、この第2実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
この第2実施形態においては、電子制御ユニット11は、図4に示す提示プログラムを実行する。ここで、この第2実施形態における提示プログラムは、上述した第1実施形態における提示プログラムに比して、各行動可能範囲を決定するためのステップS20及びステップS21が追加される点で若干異なる。すなわち、この第2実施形態においては、PHVの現在地を中心として、周方向にて所定の角度範囲ごと(例えば、5°間隔程度)に設定される区域内における一意的な到達可能地点を決定していき、最終的に各区域ごとに決定された各到達可能地点群を接続することによって領域すなわち行動可能範囲を形成する。従って、以下、この追加されたステップS20及びステップS21を具体的に説明する。
【0066】
電子制御ユニット11は、上述した第1実施形態と同様に、提示プログラムのステップS12にて、最大到達可能地点、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及び非グリーン電力利用到達可能地点を決定するとともに、HV到達可能地点をも決定する。そして、電子制御ユニット11は、各到達可能地点を決定すると、ステップS20に進む。
【0067】
ステップS20においては、電子制御ユニット11は、前記ステップS12にて決定した各到達可能地点に関し、PHVの現在地を中心として周方向にて所定の角度範囲(例えば、5°)すなわち区域内に存在する各到達可能地点のうち、PHVの現在地からの直線距離が最大となる到達可能地点を特定する。具体的に説明すると、電子制御ユニット11は、例えば、PHVの現在地にて真北方向を基準として設定し、真北から東方向に所定の角度(例えば、5°程度)だけ回転して設定される区域内に存在する各到達可能地点、すなわち、最大到達可能地点(本実施形態においても、非グリーン電力利用到達可能地点と一致する)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点を取得する。続いて、電子制御ユニット11は、取得した最大到達可能地点(非グリーン電力利用到達可能地点)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点のそれぞれについて、この領域内にてPHVの現在地からの直線距離が最大となる最大到達可能地点(非グリーン電力利用到達可能地点)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点を特定する。
【0068】
ここで、ステップS20にて特定される最大到達可能地点(非グリーン電力利用到達可能地点)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点は、それぞれ、設定される区域内で複数の地点からPHVの現在地からの直線距離が最大となる地点、すなわち、区域内で1地点ずつ特定される。この場合、例えば、区域内に最大到達可能地点(非グリーン電力利用到達可能地点)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点の何れの地点も存在しない場合や、連続する2区域にてPHVの現在地からの直線距離が最大となる各到達可能地点が存在しない場合には、区域間の境界に到達可能地点が存在する可能性があるため、この場合には、所定の角度間隔をより小さく設定して区画を設定するとよい。これにより、確実に、各区域内で1つずつの各到達可能地点を特定することができる。
【0069】
続いて、電子制御ユニット11は、ステップS21にて、前記ステップS20における領域内にてPHVの現在地からの直線距離が最大となる最大到達可能地点(非グリーン電力利用到達可能地点)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点の特定処理が、PHVの全周方向に渡り完了したか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット11は、区域をPHVの全周に渡り、言い換えれば、360°分に渡り設定して各到達可能地点を特定していれば、「Yes」と判定してステップS13に進む。一方、未だ、区域をPHVの全周(360°)に渡り設定して各到達可能地点を特定していなければ、電子制御ユニット11は「No」と判定してステップS20に戻り、ステップS20のステップ処理を実行する。
【0070】
そして、PHVの全周方向に渡り設定された区域ごとに、PHVの現在地からの直線距離が最大となる最大到達可能地点(非グリーン電力利用到達可能地点)、自家発電グリーン電力利用到達可能地点、グリーン電力利用到達可能地点及びHV到達可能地点が特定されると、電子制御ユニット11は、上述した第1実施形態と同様に、ステップS13以降の各ステップ処理を実行する。
【0071】
すなわち、電子制御ユニット11は、前記ステップS20にて区域ごとに決定してPHVの周方向に複数存在する最大到達可能地点群(本実施形態においても非グリーン電力利用到達可能地点群と一致)、複数の自家発電グリーン電力利用到達可能地点群、複数のグリーン電力利用到達可能地点群及び複数のHV到達可能地点群をぞれぞれ接続する。なお、この第2実施形態においても、各到達可能地点群を接続するときには、形成される多角形状の領域の面積が最大となるように接続されることが好ましく、又、周知の方法に従ってスムージング処理して最終的に領域を決定することが好ましい。これにより、電子制御ユニット11は、この第2実施形態においても、各行動可能範囲を、PHVの現在地を中心として遠方に向けて、自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲の順に区画する。
【0072】
そして、電子制御ユニット11は、続くステップS14にて、前記ステップS13にて決定した自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲を情報提示ユニット12を利用してユーザに提示(報知)する。なお、この場合においても、情報提示ユニット12は、図3に示したように、ナビゲーションユニット15から取得したPHVの現在地周辺の地図(道路)を表示し、この地図(道路)表示に重畳させて自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲、非グリーン電力利用行動可能範囲及びHV行動可能範囲を、例えば、色を塗り分けることによって区別して表示する。そして、電子制御ユニット11は、ステップS15にて、提示プログラムの実行を終了する。
【0073】
このように、この第2実施形態においては、PHVの周囲に区域を設定し、この区域内における一意的な到達可能地点を特定して各行動可能範囲を決定することができる。これにより、電子制御ユニット11に対する負荷を軽減することができるとともに、効率よく各行動可能範囲を決定することができる。
【0074】
又、この第2実施形態においても、ユーザ(運転者)がPHVを走行させて行動するときに有益となる情報、すなわち、PHVをEV走行モードにより走行させることができる行動可能範囲と、PHVをHV走行モードにより走行させることができる行動可能範囲とを区別してユーザ(運転者)に提示(報知)することができる。更には、この第2実施形態においても、PHVをEV走行モードにより走行させることができる行動可能範囲として、バッテリに充電されたグリーン電力を利用する行動可能範囲(自家発電グリーン電力利用行動可能範囲及びグリーン電力利用行動可能範囲)と、バッテリに充電された非グリーン電力を利用する行動可能範囲(非グリーン電力利用行動可能範囲)とを区別してユーザ(運転者)に提示(報知)することができる。
【0075】
これにより、この第2実施形態においても、ユーザ(運転者)は、極めて容易にPHVをEV走行モードによって走行させることができる範囲を把握することができる。その結果、途中での充電の要否を正確に把握することができ、ユーザ(運転者)が覚える不安を効果的に解消することができる。又、この第2実施形態においても、グリーン電力を利用して行動する範囲を適切に提示(報知)することができるため、特に、ユーザ(運転者)の環境意識の高まりに合わせた適切な情報を提示(報知)することができ、例えば、グリーン電力の利用を重視したい意図を極めて容易に満足させる(実現させる)ことができる。その結果、環境保全に良好に寄与することができる。
【0076】
c.その他の変形例
上記第1及び第2実施形態においては、既にPHVのバッテリに充電されている電力、より具体的には、自家発電グリーン電力、グリーン電力及び非グリーン電力を利用してPHVを走行させてユーザ(運転者)が行動する場合を説明した。この場合、行動中において、特に、公共の充電スタンドを利用してグリーン電力を購入(充電)し、グリーン電力を利用するグリーン電力利用行動可能範囲を広げるように実施することも可能である。すなわち、この場合には、本装置10における電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15と協働して、現在、PHVが走行している経路に沿って設置されている充電スタンドのうち、上述したように決定されるグリーン電力利用行動可能範囲と非グリーン電力利用行動可能範囲との境界近傍(より詳しくは、この境界からグリーン電力利用行動可能範囲側)に存在する充電スタンドを検索する。そして、電子制御ユニット11は、情報提示ユニット12を利用して、ユーザ(運転者)に検索した充電スタンドを提示して案内する。
【0077】
これにより、ユーザ(運転者)は、提示された充電スタンドまでグリーン電力を利用したEV走行モードにより移動することができる。そして、ユーザ(運転者)は、移動先に設置された充電スタンドによってグリーン電力を選択して購入し、この購入したグリーン電力をPHVのバッテリに充電することができる。このようにグリーン電力を充電することにより、バッテリ残量SOCgを増加させることができるため、グリーン電力利用行動可能範囲を広げることができる。従って、ユーザ(運転者)は、より地球環境の保全に寄与しながらPHVを利用して行動することができる。
【0078】
なお、この場合、よく知られているように、例えば、CO2排出量取引等に基づく換算を実施することにより、非グリーン電力であっても、その一部(又は全部)をグリーン電力とみなすことが可能となる場合がある。従って、電子制御ユニット11は、例えば、図示を省略する外部に設けられたサーバ等と周知のネットワーク通信手段(具体的には、インターネット通信手段)を利用して通信することによって上述したCO2排出量取引等による非グリーン電力のみなしグリーン電力化比率を把握し、見かけ上、バッテリ残量SOCsを減少させてバッテリ残量SOCgを増加させるように実施することも可能である。この場合であっても、見かけ上、バッテリ残量SOCgを増加させることができるため、グリーン電力利用行動可能範囲を広げることができる。従って、ユーザ(運転者)は、地球環境の保全に寄与しながらPHVを利用して行動することができる。
【0079】
又、上記第1及び第2実施形態において、PHVがEV走行モードで走行している状態からHV走行モードで走行している状態に変更されるとき、言い換えれば、PHVが走行に伴って非グリーン電力利用行動可能範囲からHV行動可能範囲に移動するときに、ユーザ(運転)に対して、この状態の変更(行動可能範囲の移動)を報知するように実施することも可能である。具体的に説明すると、電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15と協働して、同ユニット15によって検出されたPHVの現在地を取得する。そして、電子制御ユニット11は、取得したPHVの現在地に基づき、現在、PHVが自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲及び非グリーン電力利用行動可能範囲のいずれかの領域内に存在している状態から、例えば、非グリーン電力利用行動可能範囲からHV行動可能範囲にPHVが移動する状況にあるときは、情報提示ユニット12を利用して、ユーザ(運転者)に対してPHVの走行モードがEV走行モードからHV走行モードに切り替わることを報知する。
【0080】
より具体的には、電子制御ユニット11は、例えば、非グリーン電力利用行動可能範囲とHV行動可能範囲との境界付近にPHVが存在し、かつ、PHVの進行方向がHV行動可能範囲に向けて走行している状況であるとき、言い換えれば、PHVのバッテリにおけるバッテリ残量SOCが減少して内燃機関による駆動力の利用が必要となる状況であるとき、情報提示ユニット12に対し、「間もなく、EV走行モードからHV走行モードに切り替わります。」等のメッセージを出力させるための情報を供給する。これにより、情報提示ユニット12は、例えば、音声出力により、上述したメッセージをユーザ(運転者)に対して報知(提示)する。これにより、ユーザ(運転者)は、PHVの走行モードに変更(切り替わり)を容易に把握することができる。
【0081】
更に、このように、ユーザ(運転者)に対して、PHVの走行モードに切り替わりを報知することができる場合、同様にして、電子制御ユニット11は、PHVが、例えば、自家発電グリーン電力及びグリーン電力を利用したEV走行モードから非グリーン電力を利用した走行モードに切り替わるとき、言い換えれば、本実施形態においてPHVが走行に伴ってグリーン電力利用行動可能範囲から非グリーン電力利用行動可能範囲に移動するときに、ユーザ(運転者)に対してこの利用電力の切り替わりを報知するように実施することも可能である。すなわち、この場合においても、電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15と協働して、同ユニット15によって検出されたPHVの現在地を取得する。そして、電子制御ユニット11は、取得したPHVの現在地に基づき、現在、PHVが自家発電グリーン電力利用行動可能範囲及びグリーン電力利用行動可能範囲のいずれかの領域内に存在している状態から、非グリーン電力利用可能範囲にPHVが移動する状況にあるときは、情報提示ユニット12を利用して、ユーザ(運転者)に対してEV走行モードにより走行しているPHVが利用している電力がグリーン電力から非グリーン電力に切り替わることを報知する。
【0082】
より具体的には、電子制御ユニット11は、例えば、グリーン電力利用行動可能範囲と非グリーン電力利用行動可能範囲との境界付近にPHVが存在し、かつ、PHVの進行方向が非グリーン電力利用行動可能範囲に向けて走行している状況であるとき、言い換えれば、PHVの総バッテリ残量SOCrにおけるグリーン電力を構成するバッテリ残量SOCgが減少して非グリーン電力であるバッテリ残量SOCsの利用が必要となる状況であるとき、情報提示ユニット12に対し、「間もなく、グリーン電力の利用状態から非グリーン電力の利用状態に切り替わります。」等のメッセージを音声出力させる。これにより、地球環境の保全を重視するユーザ(運転者)に対して、適切な情報を報知することができる。
【0083】
なお、このように、グリーン電力を利用したEV走行モードから非グリーン電力を利用したEV走行モードへの切り替わりをユーザ(運転者)に報知する際、電子制御ユニット11が、上述したように、ユーザ(運転者)に対して、公共の充電スタンドを利用してグリーン電力を購入するか否かを確認するように実施することも可能である。すなわち、電子制御ユニット11は、情報提示ユニット12を利用して、ユーザ(運転者)に上述したような電力の利用状態の切り替わりを表すメッセージを報知するとともに、例えば、「グリーン電力を購入しますか?」等のメッセージを報知する。このメッセージに応じて、ユーザ(運転者)がグリーン電力の購入を希望する場合、電子制御ユニット11は、ナビゲーションユニット15と協働して、例えば、現在、PHVが走行している経路に沿って設定されている充電スタンドのうち、グリーン電力利用行動可能範囲と非グリーン電力利用行動可能範囲との境界近傍(より詳しくは、この境界からグリーン電力利用行動可能範囲側)に存在する充電スタンドを検索し、この検索した充電スタンドをユーザ(運転者)に提示して案内する。
【0084】
これにより、ユーザ(運転者)は、案内された充電スタンドによってグリーン電力を購入して充電することができる。従って、バッテリ残量SOCgを増加させることができるため、グリーン電力利用行動可能範囲を広げることができ、ユーザ(運転者)は、確実に地球環境の保全に寄与しながらPHVを利用して行動することができる。
【0085】
又、上記第1及び第2実施形態においては、上述したように、バッテリ総残量SOCr、バッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCj及びバッテリ残量SOCsのそれぞれを電費Dで除することにより、現在地(出発地)からの往路のみ、すなわち、現在地(出発地)から最も離れた地点まで移動することを想定した航続可能距離を算出するように実施する。しかし、この場合、上述したように算出した航続可能距離Lr、航続可能距離Lg、航続可能距離Lj及び航続可能距離Lsを更に「2」で除することにより、この各航続可能距離を用いることによってPHVが現在地(出発地)からある地点(目的地)までの間を往復する状況を想定した走行可能範囲(すなわち、行動可能範囲)を決定することが可能である。
【0086】
そして、このようにPHVが現在地(出発地)からある地点(目的地)までの間を往復する状況を想定した場合において、電子制御ユニット11は、ユーザ(運転者)が目的地を超えて更に出発地から離間する方向にPHVを走行させていれば、情報提示ユニット12を利用して、例えば、「これ以上走行した場合、EV走行モードのみでは帰宅できなくなる可能性が高くなります。」や「これ以上走行した場合、グリーン電力のみを利用したEV走行モードでは帰宅できなくなる可能性が高くなります。」等のメッセージを報知することができる。これにより、地球環境の保全を重視するユーザ(運転者)に対して、適切な情報を報知することができて、運転を支援することができる。
【0087】
又、上記第1及び第2実施形態においては、上述したように、電子制御ユニット11がバッテリ残量SOCの利用順として、PHVの現在地から遠ざかる方向にて、自家発電グリーン電力充電量情報によって表されるバッテリ残量SOCj、グリーン電力充電量情報によって表されるバッテリ残量SOCg、非グリーン電力充電量情報によって表されるバッテリ残量SOCsの順に利用する場合を例示的に示した。この場合、本装置10がユーザ(運転者)による各種入力を許容する入力ユニット(設定手段)を備えており、ユーザ(運転者)がこの入力ユニットを利用してバッテリ残量SOCの利用順を設定するように実施することが可能である。特に、上記第1及び第2実施形態においては、バッテリに充電される電力の由来として自家発電されたグリーン電力、それ以外のグリーン電力、非グリーン電力に区別して実施したが、バッテリに充電される電力の由来がより細分化される状況、例えば、グリーン電力の由来として、風力発電によるグリーン電力、水力発電によるグリーン電力、太陽光発電によるグリーン電力、原子力発電によるグリーン電力等に細分化される状況では、ユーザ(運転者)が自身の考えや好みに合わせてバッテリ残量SOCの利用順を設定することが可能となる。このように、ユーザ(運転者)がバッテリ残量SOCの利用順を選択して設定できることにより、グリーン電力を積極的に利用したいユーザ(運転者)は、自身の意図をより適切に反映させることができて地球環境の保全に寄与しながらPHVを利用して行動することができる。
【0088】
更に、上記第1及び第2実施形態においては、上述したように、電力の由来に基づく自家発電グリーン電力利用行動可能範囲、グリーン電力利用行動可能範囲及び非グリーン電力利用行動可能範囲(すなわち、行動可能範囲)を区別して提示するとともに内燃機関を利用したHV行動可能範囲(すなわち、行動可能範囲)を区別して提示する場合を例示的に示した。この場合、本装置10が、電力の由来を区別することなく単にバッテリに充電されている電力を利用した走行可能範囲と、例えば、車両がPHVや燃料電池車両(FCV)であればバッテリに充電されている電力以外の駆動力(具体的に、内燃機関が化石エネルギーを利用して発生した駆動力や燃料電池が水素エネルギーを利用して発生した電力による駆動力)を利用した走行可能範囲とを区別して提示するように実施することも可能である。この場合においても、ユーザ(運転者)は、極めて容易にEV走行モードによって行動することができる範囲を把握することができる。その結果、途中での充電の要否を正確に把握することができ、ユーザ(運転者)が覚える不安を効果的に解消することができる。又、ユーザ(運転者)は、例えば、EV走行モード又はFCVの燃料電池によって発電された電力を利用して積極的に走行することにより、地球環境の保全に寄与しながら行動することができる。
【0089】
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0090】
例えば、上記各実施形態においては、PHVが、特に、EV走行モードによって走行する場合、ユーザ(運転者)にとって有益となる情報であるバッテリ残量SOCに応じた行動可能範囲(航続可能距離に基づく走行可能範囲)を提示するようにした。このような、バッテリ残量SOCに応じた行動可能範囲(航続可能距離に基づく走行可能範囲)に関しては、PHVに限定されるものではなく、モータの駆動力のみで走行する電気自動車(EV)(例えば、電動自転車、電動バイク等の二輪車も含む)に本装置10を適用し、電気自動車(EV)を利用するユーザ(運転者)に対してバッテリ残量SOCに応じた行動可能範囲(航続可能距離に基づく走行可能範囲)を提示するように実施可能であることは言うまでもない。この場合であっても、本装置10は、適切なタイミングでユーザ(運転者)に行動可能範囲を提示することができるため、上記各実施形態及び変形例と同様の効果が期待できる。
【0091】
又、上記各実施形態及び各変形例においては、本装置10の電力情報取得ユニット14がバッテリに充電される電力の由来を表す電力由来識別情報を充電スタンドごとに設置されたスマートメータを介して取得するように実施した。この場合、電力情報取得ユニット14が個々のスマートメータを介して電力由来識別情報を取得することに代えて、例えば、電力情報取得ユニット14が外部のネットワークを介して通信する通信ユニットを備えるように構成し、この通信ユニットを利用して外部に設けられたサーバから供給される電力由来識別情報を取得するように実施することも可能である。これによれば、各充電スタンドにスマートメータを備えておく必要がなく、又、電力情報取得ユニット14は外部のサーバから容易にかつ迅速に電力由来識別情報を取得することができる。なお、このように、電力由来識別情報を外部のサーバから取得する場合、電力情報取得ユニット14は、例えば、PHV側に設けられている充電状態検出センサBによって検出されたバッテリ残量SOCを取得し、この取得したバッテリ残量SOCと外部のサーバから取得した電力由来識別情報とを対応付けることにより、バッテリ総残量SOCrの内訳を適切に把握することができる。
【0092】
又、上記各実施形態及び各変形例においては、バッテリ総残量SOCr、バッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCj及びバッテリ残量SOCsのそれぞれを電費Dで除することにより、簡便に航続可能距離Lr、航続可能距離Lg、航続可能距離Lj及び航続可能距離Lsを算出するように実施した。この場合、単純に、バッテリ総残量SOCr、バッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCj及びバッテリ残量SOCsのぞれぞれに対応する一義的な航続可能距離を決定したり、逆に、従来から広く実施されているように種々のパラメータ(例えば、道路の勾配を表すパラメータや交通量を表すパラメータ等)を用いて詳細な航続可能距離を算出するように実施可能であることは言うまでもない。この場合あっても、上述した各実施形態及び各変形例と同様の効果が得られる。
【0093】
更に、上記各実施形態及び各変形例においては、現在のバッテリ総残量SOCr、バッテリ残量SOCg、バッテリ残量SOCj及びバッテリ残量SOCs、あるいは、燃料残量Frに基づいて、PHVがそれぞれのエネルギーを全て利用することによって走行できる範囲すなわち行動可能範囲をユーザ(運転者)に提示(報知)するように実施した。これに対して、例えば、ユーザ(運転者)がナビゲーションユニット15を利用して目的地を設定するとき、ユーザ(運転者)が電力の由来(グリーン電力か非グリーン電力か)を指定するとともに、PHVをEV走行モード又はHV走行モードのいずれかを指定するように実施することも可能である。この場合においては、ナビゲーションユニット15は、電子制御ユニット11と協働して、ユーザ(運転者)によって指定された電力の由来及び走行モードにより行動可能範囲を提示(報知)することにより、ユーザ(運転者)は自身の意図するエネルギーを利用して移動することができる目的地を設定したり、あるいは、途中で充電することを考慮して目的地を設定したりすることができる。そして、ナビゲーションユニット15は、このように設定された目的地までの経路を探索し、この探索した経路を案内することができる。
【符号の説明】
【0094】
10…運転支援装置、11…電子制御ユニット、12…情報提示ユニット、13…記憶ユニット、14…電力情報取得ユニット、15…ナビゲーションユニット、B…充電状態検出センサ、F…燃料残量検出センサ、S…I/G操作状態検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を少なくとも用いて走行する車両を運転する運転者に対して、前記車両の現在地を含む周辺地図上に走行可能範囲を重畳表示して支援する運転支援装置であって、
前記外部から供給されて前記バッテリに充電される電力に関し、発電方法の違いに基づいて前記供給される電力の由来を識別するための電力由来情報を用いて識別される電力ごとに前記車両の走行可能範囲を決定し、
前記決定した前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲を区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示して前記車両の運転者に提示することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載した運転支援装置において、
前記車両は、更に、内燃機関による駆動力をも用いて走行するものであり、
前記識別される電力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定するとともに、前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定し、
前記決定した前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲と前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲とを区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示して前記車両の運転者に提示することを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を少なくとも用いて走行する車両を運転する運転者に対して、前記車両の現在地を含む周辺地図上に走行可能範囲を重畳表示して支援する運転支援装置であって、
前記外部から供給されて前記バッテリに充電される電力に関し、発電方法の違いに基づいて前記供給される電力の由来を識別するための電力由来識別情報を少なくとも取得する識別情報取得手段と、
前記バッテリに充電されていて、前記識別情報取得手段によって取得された前記電力由来識別情報を用いて識別される電力ごとに、この識別される電力を用いた前記車両の航続可能距離を算出する航続可能距離算出手段と、
前記航続可能距離算出手段によって前記識別される電力ごとに算出された前記車両の航続可能距離をそれぞれ用いて、前記識別される電力ごとに前記車両の走行可能範囲を決定する走行可能範囲決定手段と、
前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲を区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示する走行可能範囲提示手段とを備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載した運転支援装置において、
前記車両は、更に、内燃機関による駆動力をも用いて走行するものであり、
前記航続可能距離算出手段は、
前記識別される電力を用いた前記車両の航続可能距離を算出するとともに、前記内燃機関による駆動力を用いた車両の航続可能距離を算出し、
前記走行可能範囲決定手段は、
前記識別される電力ごとに前記車両の走行可能範囲を決定するとともに、前記航続可能距離算出手段によって算出された前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の航続可能距離を用いて、前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定し、
前記走行可能範囲提示手段は、
前記走行可能範囲決定手段によって決定された前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲と前記内燃機関による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲とを区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載した運転支援装置において、
前記電力由来識別情報は、
環境への負荷が小さい自然エネルギーを用いた発電方法により発電された由来を有するグリーン電力とそれ以外の由来を有する非グリーン電力とを識別する情報であることを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載した運転支援装置において、
前記車両の走行可能範囲は、
現在地を出発した前記車両が再び前記現在地に戻るように往復するときの走行可能範囲であることを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載した運転支援装置において、
前記車両が走行に伴って前記決定された前記車両の一の走行可能範囲から他の走行可能範囲に移動するとき、前記車両の運転者に対して前記走行可能範囲の移動を報知することを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
請求項7に記載した運転支援装置において、
前記電力由来識別情報が、環境への負荷が小さい自然エネルギーを用いた発電方法により発電された由来を有するグリーン電力とそれ以外の由来を有する非グリーン電力とを識別する情報であり、
前記車両が、前記決定された前記車両の走行可能範囲のうち、前記グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲から前記非グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲に移動するとき、
前記車両の運転者に対して前記走行可能範囲の移動を報知するとともに、前記グリーン電力による前記バッテリの充電の要否を報知することを特徴とする運転支援装置。
【請求項9】
請求項8に記載した運転支援装置において、
更に、前記車両の現在地を検出するとともに所定の地点までの経路を探索して案内するナビゲーション手段を備えており、
前記車両が、前記決定された前記車両の走行可能範囲のうち、前記グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲から前記非グリーン電力を用いて走行する走行可能範囲に移動するとき、
前記ナビゲーション手段に対して、前記グリーン電力による前記バッテリの充電が可能な充電スタンドまでの経路を探索させ、
この探索された充電スタンドを前記車両の運転者に対して報知することを特徴とする運転支援装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載した運転支援装置において、
前記車両の走行可能範囲ごとに色を塗り分けて前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することを特徴とする運転支援装置。
【請求項11】
請求項10に記載した運転支援装置において、
前記識別される電力ごとの前記車両の走行可能範囲について色を塗り分けて前記車両の周辺地図上に重畳表示し、前記車両の運転者に提示することを特徴とする運転支援装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載した運転支援装置において、
前記バッテリに充電されていて、前記電力由来識別情報を用いて識別される電力の利用順が設定可能であることを特徴とする運転支援装置。
【請求項13】
請求項3又は請求項4に記載した運転支援装置において、
前記走行可能範囲決定手段は、
前記車両が現在地から走行し得る複数の道路上を走行したときの距離を決定し、この決定した距離が前記航続可能距離算出手段によって算出された前記車両の航続可能距離よりも小さくなる地点を前記道路ごとに特定し、この特定した地点群をそれぞれ接続することにより、前記車両の走行可能範囲を決定することを特徴とする運転支援装置。
【請求項14】
請求項13に記載した運転支援装置において、
前記走行可能範囲決定手段は、
前記車両の周方向にて全周に渡り所定の角度範囲ごとに区域を設定し、この設定した区域内に含まれる前記特定した地点のうちで前記車両の現在地からの直線距離が最大となる地点を決定し、前記区域ごとに決定した地点をそれぞれ接続することにより、前記走行可能範囲を決定することを特徴とする運転支援装置。
【請求項15】
搭載されたバッテリに外部から供給されて充電された電力を少なくとも用いて走行する車両を運転する運転者に対して、前記車両の現在地を含む周辺地図上に走行可能範囲を重畳表示して支援する運転支援装置であって、
前記車両は、更に、前記バッテリに充電された電力以外による駆動力をも用いて走行するものであり、
前記バッテリに充電されている電力を用いた前記車両の走行可能範囲と、前記バッテリに充電されている電力以外による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲を決定し、
前記決定した前記バッテリに充電されている電力を用いた前記車両の走行可能範囲と前記バッテリに充電されている電力以外による駆動力を用いた前記車両の走行可能範囲とを区別して前記車両の周辺地図上に重畳表示して前記車両の運転者に提示することを特徴とする運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−24680(P2013−24680A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158765(P2011−158765)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】