説明

運転支援装置

【課題】立体表示された走行予想軌跡線の下枠線と上枠線の関係を直感的に判断することのできる運転支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】撮像装置7から入力された自車両外部の撮像画像に不揮発性メモリ4から読み出された自車両の立体的な走行予想軌跡線30を重畳して外部の表示装置12に出力する映像処理装置3と、ステアリングセンサ10から入力されたハンドル角度信号に基づいて、映像処理装置3が重畳する立体的な走行予想軌跡線30の向きを制御する制御手段5とを備え、走行予想軌跡線30は、立体の下面側を示す第1の軌跡線31と立体の上面側を示す第2の軌跡線32とを有し、かつ、立体側面33を第1の軌跡線31と前記第2の軌跡線32で挟まれた空間で構成し、制御装置5は、映像処理装置3に、走行予想軌跡線30の立体側面33の色の濃度を高さ方向に向けて段階的に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車時に車両の進行方向を軌跡線によって案内する運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行予想軌跡線上に存在する高さ方向の障害物を検知するため、走行予想軌跡線を立体表示した運転支援装置が知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−010428号公報
【特許文献2】特開2003−063340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の運転支援装置で立体表示される走行予想軌跡線は、底面側の平面を構成する下枠線と上面側の平面を構成する上枠線とを似通った形状で互いの近傍に表示される。このため、ユーザは、立体表示された走行予想軌跡線と二次元表示された背景画像との関連性を認識しづらい。
【0005】
したがって、ユーザは、立体表示された走行予想軌跡線における下枠線と上枠線との関係が幅を持たせた関係なのか、路面から上方(地上側)へ立体化した関係なのか、路面から下方(地下側)へ立体的した関係なのか直感的に判断することが困難だった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、立体表示された走行予想軌跡線の下枠線と上枠線の関係を直感的に判断することのできる運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、制御手段が、映像処理手段に、走行予想軌跡線の立体側面の色の濃度を高さ方向に向けて段階的に変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、立体表示された走行予想軌跡線の下枠線と上枠線の関係をユーザが直感的に判断することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態における運転支援装置の構成を示すブロック図
【図2】同図1の要部である制御装置による運転支援処理のフローチャート図
【図3】同図1の要部である不揮発性メモリに記憶された立体的な走行予想軌跡線をイメージで説明する図
【図4】同図3の走行予想軌跡線の色の濃度の経時的変化をイメージで説明する図
【図5】同図3の走行予想軌跡線にさらに重畳される画像をイメージで説明する図
【図6】同図5の重畳画像の別の例をイメージで説明する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態の運転支援装置について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は本発明の実施形態の運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、運転支援装置1は、揮発性メモリ2と、映像処理装置3と、不揮発性メモリ4と、制御装置5と、これらを互いに接続するバス6とを有する。運転支援装置1は、撮像装置7と、操作入力装置8と、車速度センサ9と、ステアリングセンサ10と、ギア11と、表示装置12と接続する。
【0013】
揮発性メモリ2は、例えばビデオメモリやRAM(Random Access Memory)で構成される。揮発性メモリ2は撮像装置7と接続する。揮発性メモリ2は、撮像装置7から所定時間毎に入力された撮像画像から得られる映像データを一時記憶する。揮発性メモリ2に記憶された映像データは、バス6を介して映像処理装置3に出力される。
【0014】
映像処理装置3は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やVLSI(Very Large Scale
Integration)で構成される。映像処理装置3は表示装置12と接続する。映像処理装置3は、揮発性メモリ2から入力された映像データに不揮発性メモリ5から入力された画像データを重畳した合成画像を所定時間毎に作成する。映像処理装置3は、この所定時間毎に作成された合成画像を映像として表示装置12に出力する。
【0015】
不揮発性メモリ4は、例えばフラッシュメモリやROM(Read Only Memory)で構成される。不揮発性メモリ4は、自車両の画像データ、自車両の立体的な走行予想軌跡線の画像データ等の各種画像データが記憶されている。不揮発性メモリ4に記憶された画像データは、制御手段5の命令によって読み出され、映像処理装置3に画像処理される。
【0016】
制御装置5は、例えばCPU(Central Processing Unit)やLSI(Large Scale Integration)で構成される。制御装置5は、操作入力装置8と、車速度センサ9と、ステアリングセンサ10と、ギア11と接続する。制御装置5は、操作入力装置8、車速度センサ9、ステアリングセンサ10、ギア11から入力された各種信号に基づいて、映像処理装置3の映像処理、揮発性メモリ2や不揮発性メモリ4から読み出すデータ、撮像装置7からの入力や表示装置12への出力等を制御する。例えば、制御装置5は、ステアリングセンサ10からの入力信号に基づいて、不揮発性メモリ4から自車両の立体的な走行予想軌跡線の画像データを読み出す。制御装置5は、映像処理装置3に、揮発性メモリ2から入力された映像データにこの自車両の立体的な走行予想軌跡線の画像データを重畳した合成画像を作成させる。
【0017】
撮像装置7は少なくとも1つ以上のカメラを有する。撮像装置7は少なくとも自車両後方を撮像する。撮像装置7は、自車両前方や左右の側方を撮像してもよい。撮像装置7の取付位置は、自車両の外部を撮像できるのであればいずれの箇所であってもよい。撮像装置7は、所定時間毎に撮像した撮像画像を映像として運転支援装置1の揮発性メモリ2に入力する。
【0018】
操作入力装置8は、例えばタッチパネルやリモコン、スイッチで構成される。操作入力装置8は、タッチパネルで構成される場合、表示装置12に設けられてもよい。操作入力装置8は、ユーザの操作による入力信号を制御装置5に出力する。例えば、操作入力装置8は、表示装置12に表示する映像の切り替え命令の信号を制御装置5に出力する。
【0019】
車速度センサ9、ステアリングセンサ10、ギア11は、それぞれ自車両の車速を示す
車速度信号、舵角を示すハンドル角度信号、シフトレバーの状態を示すギア信号を制御装置5に出力する。
【0020】
表示装置12は、例えばナビゲーション装置やリアシートのディスプレイで構成される。表示手段12は、映像処理装置3から入力された映像を表示する。
【0021】
次に、制御装置5による運転支援処理について説明する。
【0022】
本実施形態では特に自車両の後方の運転支援処理について説明する。
【0023】
図2は、制御装置5による運転支援処理のフローチャート図である。
【0024】
まず、ステップS21に示すように、制御装置5は、ギア11から入力されたギア信号に基づいてシフトレバーがリバースの状態であるか否かを判定する。
【0025】
ステップS21でNOの場合、制御装置5は所定時間後に再度ステップS21の処理を行う。
【0026】
ステップS21でYESの場合、ステップS22に示すように、制御装置5は、ステアリングセンサ10から入力されたハンドル角度信号に基づいて舵角を演算する。
【0027】
次に、ステップS23に示すように、制御装置5は、ステップS22で演算した舵角に対応する立体的な走行予想軌跡線の画像データを不揮発性メモリ4から読み出す。
【0028】
次に、ステップS24に示すように、制御装置5は、不揮発性メモリ4から立体的な走行予想軌跡線の画像データを読み出す。映像処理装置3は制御装置5が読み出したこの立体的な走行予想軌跡線の画像データを撮像画像に重畳させる。
【0029】
次に、ステップS25に示すように、制御装置5は、映像処理装置3にステップS24で重畳した合成画像を表示装置12へ出力させる。
【0030】
そして、ステップS26に示すように、制御装置5は、ギア11から入力されたギア信号に基づいてシフトレバーがリバースの状態であるか否かを判定する。
【0031】
ステップS26でYESの場合、制御装置5は、再度ステップS22以降の処理を行う。これにより、表示装置12は、立体的な走行予想軌跡線が重畳された自車両後方の映像を表示することができる。
【0032】
ステップS26でNOの場合、制御装置5は、ユーザが自車両後方の運転支援処理を必要としなくなったと判定して運転支援処理を終了する。
【0033】
次に、不揮発性メモリ4に記憶された自車両の立体的な走行予想軌跡線の画像データについて説明する。
【0034】
図3は、不揮発性メモリ4に記憶された立体的な走行予想軌跡線をイメージで説明する図である。
【0035】
図3に示すように、自車両の立体的な走行予想軌跡線30は、立体の下面側を示すコ字状の第1の軌跡線31(上枠線)と、立体の上面側を示すコ字状の第2の軌跡線32(下枠線)と、この第1の軌跡線31および第2の軌跡線32に挟まれた空間で構成される立
体側面33とを有する。なお、走行予想軌跡線30は、さらにこの立体側面33を分離する第1の分離線34、第2の分離線35とを有してもよい。なお、以下の説明における「左」、「右」は、自車両の進行方向から見たときの「左」、「右」を意味する。
【0036】
第1の軌跡線31は、自車両の右側方の走行予想軌跡を示す第1の右側方軌跡線31aと、自車両の後端の走行予想軌跡を示す第1の後方軌跡線31bと、自車両の左側方の走行予想軌跡を示す第1の左側方軌跡線31cとを有する。第1の軌跡線31の高さ方向の位置は、路面上である。第1の右側方軌跡線31a、第1の左側方軌跡線31cの車幅方向の位置は、自車両中心に対して自車両のサイドミラーから所定距離だけ離れた位置である。
【0037】
第2の軌跡線32は、自車両の右側方の走行予想軌跡を示す第2の右側方軌跡線32aと、自車両の後端の走行予想軌跡を示す第2の後方軌跡線32bと、自車両の左側方の走行予想軌跡を示す第2の左側方軌跡線32cとを有する。第2の軌跡線32の高さ方向の位置は、路面から所定高さの位置である。第2の右側方軌跡線32a、第2の左側方軌跡線32cの車幅方向の位置は、自車両中心に対して自車両のサイドミラーから所定距離だけ離れた位置である。
【0038】
立体側面33は、自車両の右側方の走行予想軌跡を示す右側方立体軌跡33aと、自車両の後端の走行予想軌跡を示す後方立体軌跡33bと、自車両の左側方の走行予想軌跡を示す左側方立体軌跡33cとを有する。右側方立体軌跡33aは、第1の右側方軌跡線31a、第2の右側方軌跡線32a、第1の分離線34によって囲まれた領域で示される。後方立体軌跡33bは、第1の後方軌跡線31b、第2の後方軌跡線32b、第1の分離線34、第2の分離線35によって囲まれた領域で示される。左側方立体軌跡33cは、第1の左側方軌跡線31c、第2の左側方軌跡線32c、第2の分離線35によって囲まれた領域で示される。
【0039】
図3に示すように、立体側面33は、色データを有する画像である。この立体側面33の色の濃度は、高さ方向に向けて段階的に変化されている。第1の軌跡線31側の色が濃く、第2の軌跡線32側に向かうにつれて色が薄くなっている。右側方立体軌跡33a、後方立体軌跡33b、左側方立体軌跡33cの領域の色の濃度の変化の割合は同じである。すなわち、第1の右側方軌跡線31aから第2の右側方軌跡線32aに向かう方向の色の濃度の変化の割合、第1の後方軌跡線31bから第2の後方軌跡線32bに向かう方向の色の濃度の変化の割合、第1の左側方軌跡線31cから第2の左側方軌跡線32cに向かう方向の色の濃度の変化の割合はいずれも同じ割合である。
【0040】
このような走行予想軌跡線30が制御装置5の命令により映像処理装置3で撮像画像に重畳されて表示装置12に出力されることにより、右側方立体軌跡33a、後方立体軌跡33b、左側方立体軌跡33cが立体的な走行予想軌跡線30の立体側面を示すことをユーザが直感的に把握することができる。
【0041】
また、第1の軌跡線31側が最も立体側面33の色の濃度が濃く、第2の軌跡線32側に向かうにつれて段階的に立体側面33の色の濃度が薄くなっており、ユーザは、第1の軌跡線31から第2の軌跡線32に向かう方向性を直感的に把握することができる。したがって、第1の軌跡線31が路面上の枠線であり、第2の軌跡線32が路面から所定の高さの枠線であることをユーザは直感的に把握することができる。なお、社内アンケートの結果、走行予想軌跡線30について、第1の軌跡線31側の立体側面33の色の濃度を濃くし、第2の軌跡線32側に向かうにつれて段階的に立体側面33の色の濃度を薄くすることにより、最も高い割合で第1の軌跡線31が路面上の枠線であり、第2の軌跡線32が路面から所定の高さの枠線であるとの回答を得ることができた。
【0042】
なお、本実施形態の走行予想軌跡線30は、第1の軌跡線31側が最も立体側面33の色の濃度が濃く、第2の軌跡線32側に向かうにつれて段階的に立体側面33の色の濃度が薄くされたが、立体側面33の高さ方向の一部の区間で段階的に立体側面33の色の濃度が薄くされればよい。例えば、第1の軌跡線31から所定の高さ(立体側面33の高さの1/2以下)の位置までは立体側面33の色の濃度を変えず、この所定の高さから第2の軌跡線32側に向かうにつれて段階的に立体側面33の色の濃度を薄くしてもよい。
【0043】
また、制御装置5は、映像処理装置3に図3の走行予想軌跡線30の色の濃度を経時的に変化させてもよい。図4は、図3の走行予想軌跡線30の色の濃度の経時的変化をイメージで説明する図である。図4に示されるように、走行予想軌跡線30の色の濃度の経時的変化は、状態(A)からスタートして、状態(B)、状態(C)に遷移し、再び状態(A)に戻って状態遷移を繰り返す。各状態の走行予想軌跡線30の画像データは不揮発性メモリ4に記憶される。
【0044】
制御装置5は、図4における状態(A)、状態(B)、状態(C)の繰り返しで示されるように、映像処理装置3に、所定時間毎に立体側面33の色の濃度が濃い部分を第1の軌跡線31側から第2の軌跡線32側に移動させた走行予想軌跡線30を撮像画像に重畳させる。映像処理装置3が制御装置5の命令によってこの合成映像を表示装置12へ出力することで、ユーザは、第1の軌跡線31から第2の軌跡線32に向かう方向性を直感的に把握することができる。すなわち、第1の軌跡線31が路面上の枠線であり、第2の軌跡線32が路面から所定の高さの枠線であることをユーザは直感的に把握することができる。
【0045】
また、制御装置5は、この走行予想軌跡線30の色の濃度の経時的な変化の速度を、車速度センサ9から入力された車速度信号に基づいて制御してもよい。例えば制御装置5は、車速度が大きくなるにつれて走行予想軌跡線30の色の濃度の経時的な変化の速度を大きくする。これにより、車速度が大きくなっても、第1の軌跡線31が路面上の枠線であり、第2の軌跡線32が路面から所定の高さの枠線であることをユーザは直感的に把握することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、状態(A)、状態(B)、状態(C)の走行予想軌跡線30の画像データを不揮発性メモリ4が記憶し、制御装置5が所定時間毎に不揮発性メモリ4から各状態の走行予想軌跡線30の画像データを読み出し、映像処理装置3がこの走行予想軌跡線30の画像データを撮像画像に重畳したが、他の処理を行ってもよい。例えば、不揮発性メモリ4が各状態の走行予想軌跡線30の画像データを記憶せず、制御装置5が逐次演算を行って走行予想軌跡線30の色の濃度を変化させる命令を映像処理装置3に行ってもよい。また、本実施形態では、走行予想軌跡線30の色の濃度の経時的な変化を説明するために、状態(A)、状態(B)、状態(C)を例に用いたが、より多数の状態を用いてもよい。
【0047】
また、制御装置5は、不揮発性メモリ4から走行予想軌跡線30に加えてさらに他の画像データを読み出して、映像処理装置3に、これらの画像データを撮像画像に重畳させてもよい。
【0048】
また、映像処理装置3は、制御装置5の命令に基づいて、走行予想軌跡線30に加えてさらに他の画像データを撮像画像に重畳させてもよい。
【0049】
図5は、図3の走行予想軌跡線30にさらに重畳される画像をイメージで説明する図である。
【0050】
制御装置5は、不揮発性メモリ4から図5に示すような自車両画像51と自車両の幅方向と高さ方向の指標線52を読み出す。映像処理装置3は、制御装置5の命令に基づいて、不揮発性メモリ4から入力された走行予想軌跡線30と自車両画像51と指標線52とを撮像画像に重畳する。
【0051】
自車両画像51は、自車両を進行方向側から見たときの平面画像であり、右サイドミラー画像51a、左サイドミラー画像51bを有する。指標線52は、コ字状に構成され、右側方指標線52a、左側方指標線52b、路面指標線52cとを有する。右サイドミラー画像51aの車幅方向端部と右側方指標線52aとの間には、安全のため所定間隔wが設けられている。同様に、左サイドミラー画像51bの車幅方向端部と左側方指標線52bとの間には、安全のため所定間隔wが設けられている。
【0052】
映像処理装置3は、制御装置5の命令に基づいて、路面指標線52cと右側方指標線52aとの交点、および、路面指標線52cと左側方指標線52bとの交点をともに第1の軌跡線31上に重畳する。この位置関係により、自車両画像51のタイヤ面に位置する路面指標線52cと第1の軌跡線31とが関連付けられるため、第1の軌跡線31が路面上の枠線であり、第2の軌跡線32が路面から所定の高さの枠線であることをユーザはさらに直感的に把握することができる。
【0053】
また、映像処理装置3は、制御装置5の命令に基づいて、自車両画像51や指標線52のさらに他の画像データを撮像画像に重畳させてもよい。
【0054】
図6は、図5の重畳画像の別の例をイメージで説明する図である。
【0055】
制御装置5は、不揮発性メモリ4から図6に示すようなアイコン画像61を読み出す。映像処理装置3は、制御装置5の命令に基づいて、不揮発性メモリ4から入力された走行予想軌跡線30と視点変換画像61とを撮像画像に重畳する。
【0056】
視点変換画像61は、自車両と走行予想軌跡線30とを自車両の側面方向から見たときの画像であり、自車両画像の視点変換画像62と走行予想軌跡線30の視点変換画像63とを有する。映像処理装置3に重畳された視点変換画像61により、ユーザは、立体側面33の色の濃度が濃い第1の軌跡線31が路面上にあり、立体側面33の色の濃度が薄い第2の軌跡線32が路面から所定の高さの位置にあることがわかる。したがって、ユーザはさらに直感的に把握することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、不揮発性メモリ4が自車両の立体的な走行予想軌跡線30の画像データを予め記憶し、制御装置5が不揮発性メモリ4から走行予想軌跡線30の画像データを読み出したが、不揮発性メモリ4が予め走行予想軌跡線30の画像データを有していなくてもよい。この場合、制御装置5は、ステアリングセンサ10からの入力信号に基づいて逐次走行予想軌跡線を演算する。
【0058】
なお、立体側面33の色は2色以上であってもよい。この場合、制御装置5は、ある1色について第1の軌跡線31側から第2の軌跡線32側に向かうにつれて濃度が薄くなるように制御する。
【0059】
なお、本実施の形態では、第1の軌跡線31は第1の右側方軌跡線31aと、第1の後方軌跡線31bと、第1の左側方軌跡線31cで構成されたが、少なくとも第1の右側方軌跡線31aと第1の左側方軌跡線31cとで構成されればよい。同様に、第2の軌跡線32は少なくとも第2の右側方軌跡線32aと第2の左側方軌跡線32cとで構成されれ
ばよい。この場合、立体側面33は、右側方立体軌跡33a、左側方立体軌跡33cで構成される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の運転支援装置は、特に後方駐車時に表示する立体的な走行予想軌跡線の直感的な把握に有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 運転支援装置
2 揮発性メモリ
3 映像処理装置
4 不揮発性メモリ
5 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された自車両外部の撮像画像に自車両の立体的な走行予想軌跡線を重畳して外部の表示手段に出力する映像処理手段と、
入力された自車両のハンドル角度に基づいて、前記映像処理手段が重畳する立体的な走行予想軌跡線の向きを制御する制御手段とを備え、
前記走行予想軌跡線は、立体の下面側を示す第1の軌跡線と立体の上面側を示す第2の軌跡線とを有し、かつ、立体側面を前記第1の軌跡線と前記第2の軌跡線で挟まれた空間で構成し、
前記制御手段は、前記映像処理手段に、前記走行予想軌跡線の立体側面の色の濃度を高さ方向に向けて段階的に変化させることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記映像処理手段に、前記走行予想軌跡線の立体側面の色の濃度を前記第1の軌跡線側から前記第2の軌跡線側の高さ方向に向けて薄くさせることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記映像処理手段に、前記走行予想軌跡線の立体側面の色の濃度を高さ方向に向けて経時的に変化させることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−91331(P2013−91331A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41858(P2010−41858)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】