説明

運転状況判定装置

【課題】 危険状態の程度に応じて運転者にその危険状態を認識させ、危険状態を回避すべき運転操作をより早く行わせること等を実現するため、現在の運転状況をより多様に判定する運転状況判定装置を提供する。
【解決手段】
車両に搭載された運転状況判定装置が、取得した様々な情報に基づき、自車両と衝突可能性のある障害物を認識し、その障害物と自車両との間の相対距離及び相対速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行い、自車両がどの領域(危険の程度によって分けられた領域)に属するかを判定する。そして、その判定結果を様々な他装置に出力する。この結果、様々な他装置が独自に情報を収集して動作可否を判断するよりも、運転状況判定装置の判定結果を利用して動作する場合のほうが他装置は効率的かつ協調的に機能し、結果として安全性が高まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された各種センサ等からの情報に基づいて運転状況を判定し、その判定結果を出力する運転状況判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衝突が避けられない自車の状況を事前に判断し、安全装備を早期に作動させることにより衝突被害を軽減する、プリクラッシュセーフティーシステム等と呼ばれる安全装置が実用化され始めている。これは、ミリ波レーダー等の検知装置が車両前方の障害物の位置、距離、速度等を検知し、その障害物と衝突不可避であると判断した場合に、その衝突の直前に運転席や助手席のシートベルトを巻き取ることにより乗員の初期拘束性能を高めたり、ブレーキペダルの踏み込みを検知してより強力な制動力を発生させたりすることによって、事故の回避や衝突の際の乗員保護を実現するものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−247211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来の安全装置は、障害物と衝突不可避であると判断した場合に初めて機能するため、運転者自身が予め危険を認識して回避操作をすることによって事故を未然に防ぐという意味では十分に機能していなかった。つまり、このような安全装置が動作するような状況というのは、衝突回避もしくは乗員保護のための最終段階であり、動作することによって乗員に不快な思いをさせてしまったり、後続車の追突を招いてしまったりする場合もあった。したがって、このような安全装置が動作する状況になる以前に、運転者によって適切な運転操作が行われることが望ましい。
【0004】
また、昨今の交通事故原因を分析してみると、交通事故の発生状況においては交差点での出会い頭事故が最も多く、次いで直線路での追突事故が多い。上述した従来の安全装置は衝突の危険性があることを、車両の前部に搭載されたミリ波レーダー等の検知装置によって障害物を検出しているため、車両前方にある障害物(例えば、前走車両、路上障害物、対向車等)にのみ反応し、適用範囲が実質的に直線路に限られていた。つまり、交差点での出会い頭の事故には機能しなかった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、危険状態の程度に応じて運転者にその危険状態を認識させ、危険状態を回避すべき運転操作をより早く行わせること等を実現するため、現在の運転状況をより多様に判定する運転状況判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の運転状況判定装置は、車両の情報及び車両の周辺の状況を把握するための情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段が取得した情報に基づいて車両と衝突可能性のある障害物を認識し、障害物と車両との間の相対距離及び相対速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行う判定手段と、判定手段が行った危険判定の結果に基づいた信号を他装置へ出力する出力手段と、を備える。
【0007】
このように、車両と障害物との相対距離及び相対速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行うことにより、様々な運転状況(例えば、注意すべき状況、回避動作を開始すべき状況、衝突対応をすべき状況等)を判定することができる。そして、その判定結果に基づいた信号を他装置へ出力することにより、他装置が適切な動作(例えば、注意喚起のための報知、回避動作の補助、乗員保護等)をすることができる。また、他装置が動作を行うにあたり、各装置が独自に情報を収集して動作可否を判定する場合と比べ、上述した運転状況判定装置が様々な情報を総合して運転状況を判定し、他装置を動作させるための信号や他装置が動作可否を決定するために必要な信号を統括的に発信する場合の方が効率的であり、また他装置がより協調的に機能する。
【0008】
また、上記課題を解決するためになされた請求項2に記載の運転状況判定装置は、車両の情報及び車両の周辺の状況を把握するための情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段が取得した情報に基づいて車両が停止すべき地点を認識し、その地点と車両との間の距離及び車両の速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行う判定手段と、判定手段が行った危険判定の結果に基づいた信号を他装置へ出力する出力手段と、を備える。
【0009】
このように、車両とその車両が停止すべき地点との距離及び車両の速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行うことにより、様々な運転状況(例えば、注意すべき状況、停止動作を開始すべき状況、緊急停止をすべき状況等)を判定することができる。そして、その判定結果に基づいた信号を他装置へ出力することにより、他装置が適切な動作(例えば、注意喚起のための報知、停止動作の補助、緊急停止等)をすることができる。また、他装置が動作を行うにあたり、各装置が独自に情報を収集して動作可否を判定する場合と比べ、上述した運転状況判定装置が様々な情報を総合して運転状況を判定し、他装置を動作させるための信号や他装置が動作可否を決定するために必要な信号を統括的に発信する場合の方が効率的であり、また他装置がより協調的に機能する。
【0010】
ところで運転状況判定装置の判定手段が行う危険判定の一つとしては、例えば、障害物と車両との間の相対距離及び相対速度や、車両が停止すべき地点と車両との間の距離及び車両の速度に基づき、運転者に注意を促すべき状況であるか否かを判定する危険判定であるとよい(請求項3)。なお、ここで言う「運転者に注意を促すべき状況」というのは、障害物を回避するための運転操作又は停止すべき地点に停止するための運転操作を運転者がそろそろ開始すべき状況や、このような状況に近い将来なり得ると推測される状況のように、即座に運転操作を行う必要まではないが障害物や停止地点の存在を運転者が認識しておくべき状況を意味する。
【0011】
そして、出力手段が出力する具体的な信号は、運転者に注意を促すべき状況であることを示す信号、音声出力装置に警告音声を出力させる信号、表示装置に警告表示を出力させる信号等であるとよい(請求項4)。
【0012】
このようになっていれば運転者は、安全装置による衝突回避機能や乗員保護機能が動作する状況に達する前に、運転者自身の判定で危険を回避するための運転操作を行うことができる。
【0013】
また、判定手段が行う危険判定の一つとしては、例えば、障害物と車両との間の相対距離及び相対速度や、車両が停止すべき地点と車両との間の距離及び車両の速度に基づき、運転者が危険回避動作を開始すべき状況であるか否かを判定する危険判定であるとよい(請求項5)。なお、ここで言う「運転者が危険回避動作を開始すべき状況」というのは、障害物を回避するための運転操作又は停止すべき地点に停止するための運転操作を運転者が即座に開始すべき状況のような、即座に危険回避のための運転操作を開始すればまだ危険を回避することができるが、それを行わないと危険が避けられない状態になることが迫っている状況を意味する。
【0014】
そして、出力手段が出力する具体的な信号は、運転者が危険回避動作を開始すべき状況であることを示す信号、車両のハンドルを振動させる信号、運転者のシートを振動させる信号、運転者がシートベルトの巻き込みを認知可能な程度シートベルトを巻き込むように動作させる信号等であるとよい(請求項6)。
【0015】
このようになっていれば運転者は、安全装置による衝突回避機能や乗員保護機能が動作する状況に達する前に、運転者自身の判定で危険を回避するための運転操作を行うことができる。
【0016】
また、判定手段が行う危険判定の一つとしては、例えば、障害物と車両との間の相対距離及び相対速度や、車両が停止すべき地点と車両との間の距離及び車両の速度に基づき、運転操作による車両の通常制動機能では車両が障害物に対して衝突が不可避な状況であるか否かを判定する危険判定、又は運転操作による車両の通常制動機能では車両が停止すべき地点の直前で停止不可能な状況であるか否かを判定する危険判定であるとよい(請求項7)。
【0017】
そして、出力手段が出力する具体的な信号は、運転操作による車両の通常制動機能では車両が障害物に対して衝突が不可避な状況である、又は運転操作による車両の通常制動機能では車両が停止すべき地点の直前で停止不可能な状況であることを示す信号、強制制動させるための信号、乗員のシートを通常位置まで戻させる信号、乗員の体をシートに固定させるためにシートベルトの巻き込みを実行させる信号等であるとよい(請求項8)。
【0018】
このようになっていれば各種安全装置による運転補助機能(ブレーキ補助機能や自動ブレーキ機能等)や乗員保護機能(シートを正常位置まで戻す機能や乗員をシートに固定させるためのシートベルトの巻き込み機能等)が動作し、危険を可能な限り軽減することができる。
【0019】
ところで、情報取得手段は車両の周辺の状況を把握するための情報を取得するにあたり、自車両が備える各種のレーダーやカメラ等の検知装置からのみ情報を取得するようになっていてもよいが、請求項9に記載の運転状況判定装置のように、さらに、他の車両に搭載された運転状況判定装置と通信を行う通信手段を備え、情報取得手段は、通信手段を介して他の車両に搭載された運転状況判定装置からその運転状況判定装置の情報取得手段が取得した情報も取得し、判定手段がそれらの情報を用いて危険判定を実行するようになっているとよい。なお、通信手段は、他車両に搭載された運転状況判定装置の通信手段と直接通信するようになっていてもよいし、路側機や他の通信ネットーワーク等を介して通信するようになっていてもよい。
【0020】
このようになっていれば、情報取得手段はより正確な他車両の情報(例えば位置情報や速度情報等)を取得することができるため、判定手段はより正確に危険判定を行うことができる。また、ミリ波レーダー等では取得できない交差点進入車両に対しても危険判定を行うことができる。
【0021】
また、請求項10に記載のように、情報取得手段が、車両の周辺道路の交通規制の情報を取得し、判定手段が、情報取得手段が取得した交通規制の情報も用いて危険判定を行うようになっているとよい。ここで言う「交通規制の情報」というのは、制限速度の情報、優先道路であるか否かの情報、次の交差点の信号機が青であるか否かの情報等を意味する。
【0022】
このようになっていれば、当該車両が通行している道路が優先道路であるか否かの情報に基づいて一時停止すべきか否かを決定し、その決定に基づいて危険判定を行ったり、次の交差点の信号機の状態と当該車両の車速に基づいてその交差点で停止すべきか否かを決定し、その決定に基づいて危険判定を行ったりできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0024】
図1は、運転状況判定装置の機能が実装されたナビゲーション装置11及びそのナビゲーション装置11に接続された各種装置を表したブロック図である。なお、これらは全て車両に搭載されており、ナビゲーション装置11は、車速センサ19、位置センサ21、音声出力装置23、表示装置25及び車内LAN41が接続されている。
【0025】
このうち、車速センサ19は、車輪のハブ等に設置され、車両の速度を検知するセンサである。そして、車速センサ19は、検知結果の情報をナビゲーション装置11に出力する。また、位置センサ21は、GPS(Global positioning system)アンテナやジャイロスコープ等から構成され、現在位置を算出するために必要な情報や車両の運動状態を把握することができる情報をナビゲーション装置11に出力する。また、音声出力装置23は、スピーカー及びアンプ装置等から構成され、ナビゲーション装置11から受け取った信号に基づいて音声を出力する。また、表示装置25は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成され、ナビゲーション装置11から受け取った信号に基づいて画像を形成して出力する。
【0026】
一方、ナビゲーション装置11は、判定部13、インターフェース部15及び記憶部17を備える。このうち、判定部13は、図示しないCPU、ROM、RAM及びそれらを結ぶバス等から構成され、CPUが所定のプログラムを実行することによって様々な機能(経路案内機能等)を実現する。また、インターフェース部15は、図示しない通信専用マイコン等から構成され、車内LAN41上の装置やナビゲーション装置11に直接接続されたセンサとの通信を担う。記憶部17は、ハードディスクやDVD−ROMやメモリカード等の記憶媒体と、その記憶媒体へのアクセスを行うアクセス装置とから構成される。なお、記憶媒体には地図データや、音声データや各種プログラム等が記憶されている
また、車内LAN41には、プリクラッシュセーフティー制御装置29、ステアリング制御装置31、スロットル制御装置33、ブレーキ制御装置35、シート制御装置37、シートベルト制御装置39が少なくとも接続されている。
【0027】
プリクラッシュセーフティー制御装置29は、衝突が避けられない自車の状況を事前に判断し、安全装備を早期に作動させることにより衝突被害を軽減するプリクラッシュセーフティーシステムの制御装置である。プリクラッシュセーフティー制御装置29は、図示しないCPU、ROM、RAM及びそれらを結ぶバス等から構成され、CPUがプログラムを実行することによって上述した機能が実現される。なお、プリクラッシュセーフティー制御装置29には、車両の前方に搭載されミリ波を出力して障害物を検知する前方レーダー27が接続され、プリクラッシュセーフティー制御装置29は、前方レーダー27からの検知結果の情報を受け取ることができる。また、プリクラッシュセーフティー制御装置29は、受け取った検知結果の情報を車内LAN41に出力することができる。
【0028】
ステアリング制御装置31は、運転者のステアリング操作をアシストする機能及びステアリングを振動させて運転者に異常を認識させる機能を制御する装置である。また、ステアリングの状態(どれくらいの切れ角の状態であるか等)を検知する機能を有する。
【0029】
スロットル制御装置33は、エンジンスロットルを制御する装置である。また、エンジンスロットルの状態(どれくらいの開度の状態であるか等)を検知する機能を有する。
ブレーキ制御装置35は、ブレーキ倍力装置やブレーキアクチュエーター等を制御する装置であり、主に、運転者の踏力と制動力との関係を調整する機能を有し、緊急時には通常時以上の制動力を発生させるように制御したり、衝突が避けられないような状況の際に強制的に制動力を発生させるように制御したりする。また、ブレーキペダルの状態(どれくらいの踏み込み状態であるか等)を検知する機能を有する。
【0030】
シート制御装置37は、パワーシートの電動モーター等を制御する制御装置である。また、シートを振動させて運転者に異常を認識させる機能を制御することができる。
シートベルト制御装置39は、シートベルトの巻き上げモーターを制御する制御装置である。
【0031】
ここまでで、本発明の運転状況判定装置の機能が実装されたナビゲーション装置11及びそのナビゲーション装置11に接続された各種装置について説明したが、これらと特許請求の範囲に記載の用語との対応を示す。インターフェース部15が情報取得手段及び出力手段に相当し、判定部13が判定手段に相当する。
【0032】
次に、ナビゲーション装置11の判定部13が実行する処理(障害物に対する領域判定処理,一時停止に対する領域判定処理)を説明し、続いて、この処理結果を利用する、プリクラッシュセーフティー制御装置29が実行する処理(障害物対応処理,一停止対応処理)について説明する。なお、経路案内処理等の通常のナビゲーション装置が実行する処理については説明を省略する。まず、ナビゲーション装置11の判定部13が実行する障害物に対する領域判定処理について図2のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
(1)障害物に対する領域判定処理
車両のイグニッションがオンになった際に判定部13が、障害物に対する領域判定処理の実行を開始する。判定部13は実行を開始すると、まず車速センサ19から入力される信号に基づいて車速を算出する(S110)。
【0034】
続いて、位置センサ21から入力される情報に基づいて車両の位置を算出する(S115)。
続いて、車内LAN41を介してプリクラッシュセーフティー制御装置29から前方障害物の情報(障害物の位置や車両との相対距離や相対速度等)を取得する(S120)。本実施例で言う障害物というのは車両の通行の妨げになる様々なものを言い、例えば、落下物や標識やガードレールや車両(駐車車両,通行車両)等である。
【0035】
続いて、S110,S115,S120において算出又は取得した情報に基づいて、当該車両に衝突するおそれのある障害物が存在するか否かによって処理を分岐する(S123)。当該車両に衝突するおそれのある障害物が存在する場合にはS125に進み、当該車両に衝突するおそれのある障害物が存在しない場合にはS110に処理を戻す。
【0036】
S125では、車内LAN41を介し、ステアリング制御装置31から運転者がどのようにステアリングを操作したかの情報、スロットル制御装置33から運転者がどのようにスロットル操作をしたかの情報、ブレーキ制御装置35から運転者がどのようにブレーキ操作をしたかの情報を取得する。
【0037】
続いて、S110,S115,S120,S125において算出又は取得した情報に基づいて、衝突するおそれのある障害物に対して運転者が回避意志を有しているか否かを判定する(S130)。この判定方法は様々な手法が考えられるが、例えば、障害物に対する衝突コースを外す運転操作がなされたり、障害物に対して接近するにしたがい減速操作がなされた場合には回避意志があると判定し、そのような操作がなされたなかった場合には回避意志がないと判定する。
【0038】
続くS135では、S130の判定結果によって処理を分岐する。運転者が障害物に対して回避意志を有していると判定した場合にはS110に処理を戻し、運転者が障害物に対して回避意志を有していないと判定した場合にはS140に処理を進める。
【0039】
S140では、車両が注意領域に入っているか否かによって処理を分岐する。この注意領域というのは、例えば、障害物の位置に近づく方向を基準にして、障害物を回避するための運転操作を運転者が開始すべき位置の手前側50m以内の領域のように、少なくとも障害物の存在を運転者が認識しておく必要がある状況である領域を意味する(図6(a)参照)。なお、この領域は、車両の速度によって変化する。また、本ステップの処理が特許請求の範囲に記載の「危険判定」に相当する。車両が注意領域に入っている場合にはS145に進み、車両が注意領域に入っていない場合にはS110に処理を戻す。
【0040】
S145では、音声出力装置23に信号を送り、障害物の存在を運転者に認識させるような音声を出力させる。具体的には、例えば「この先100mに駐車車両と思われる障害物があります。回避するための運転操作を行ってください」等である。また、表示装置25にも信号を送り、例えば、地図上に自車と障害物の位置を表示させた画面を表示装置25に表示させる。
【0041】
続くS150では、車両が危険回避可能領域に入っているか否かによって処理を分岐する。この危険回避可能領域というのは、例えば、障害物の位置に近づく方向を基準にして、障害物を回避するための運転操作を運転者が開始すべき地点から、障害物を回避するための運転操作を運転者が行ったとしても衝突が避けられない地点までの領域のように、即座に危険回避のための運転操作を開始すればまだ危険を回避することができるが、それを行わないと危険が避けられない状態になることが迫っている状況である領域を意味する(図6(a)参照)。また、本ステップの処理が特許請求の範囲に記載の「危険判定」に相当する。車両が危険回避可能領域に入っている場合にはS155に進み、車両が危険回避可能領域に入っていない場合にはS110に処理を戻す。
【0042】
S155では、音声出力装置23に信号を送り、即座に危険回避操作を行うように運転者に伝える音声を出力させる。具体的には、例えば「危険です、減速して下さい、前方に駐車車両と思われる障害物があります」等である。この際にはまず危険であることを認識させ、次にどういう操作を行うべきかを示し、最後に理由を示すという順番の方が、より危険を回避できる可能性が高まる。また、表示装置25にも信号を送り、例えば、ブレーキ操作という文字が点滅する画面を表示装置25に表示させる。そしてさらに、ステアリング制御装置31にステアリングを振動させる信号を送ると共にシート制御装置37にシートを振動させる信号を送る。
【0043】
続くS160では、車内LAN41を介してプリクラッシュセーフティー制御装置29に危険情報Aを出力する。この危険情報Aには、車両が危険回避可能領域に入っていることを意味する情報、衝突するおそれのある障害物の位置情報、車速情報及び車両の現在位置情報が少なくとも含まれている。
【0044】
続くS165では、車両が危険領域に入っているか否かによって処理を分岐する。この危険領域というのは、例えば、障害物との衝突を回避する運転操作を運転者が行うことにより衝突を避けることができる限界点から障害物の場所までの領域を意味する(図6(a)参照)。つまり、運転操作による車両の通常制動機能では車両が障害物に対して衝突が不可避な領域である。なお、本ステップの処理が特許請求の範囲に記載の「危険判定」に相当する。車両が危険領域に入っている場合にはS170に進み、車両が危険領域に入っていない場合にはS110に処理を戻す。
【0045】
S170では、車内LAN41を介してプリクラッシュセーフティー制御装置29に危険情報Bを出力する。この危険情報Bには、車両が危険領域に入っていることを意味する情報、衝突するおそれのある障害物の位置情報、車速情報及び車両の現在位置情報が少なくとも含まれている。そして、危険情報Bを出力するとS110に処理を戻す。
【0046】
(2)一時停止に対する領域判定処理
次に、一時停止に対する領域判定処理について図3のフローチャートを用いて説明する。判定部13は、車両のイグニッションがオンになった際に本処理を開始する。なお、判定部13は、上述した障害物に対する領域判定処理の実行状況にかかわらず独立して一時停止に対する領域判定処理を実行する。
【0047】
判定部13は実行を開始すると、まず車速センサ19から入力される信号に基づいて車速を算出する(S310)。
続いて、位置センサ21から入力される情報に基づいて車両の位置を算出する(S315)。
【0048】
続いて、記憶部17から地図情報(具体的には、一時停止有無の情報)を取得する(S320)。
続いて、S310,S315,S320において算出又は取得した情報に基づいて、自車位置から所定距離内(例えば時速40km/hのときは100m以内等)に、一時停止すべき箇所があるか否かによって処理を分岐する(S323)。自車位置から所定距離内に一時停止すべき箇所がある場合はS325に進み、自車位置から所定距離内に一時停止すべき箇所がない場合はS310に処理を戻す。
【0049】
S325では、車内LAN41を介し、ステアリング制御装置31から運転者からどのようにステアリングを操作したかの情報、スロットル制御装置33から運転者がどのようにスロットル操作をしたかの情報、ブレーキ制御装置35から運転者がどのようにブレーキ操作をしたかの情報を取得する。
【0050】
続いて、S310,S315,S320,S325において算出又は取得した情報に基づいて、一時停止すべき箇所で運転者が一時停止意志を有しているか否かを判定する(S330)。この判定方法は様々な手法が考えられるが、例えば、一時停止のためにアクセルペダルをゆるめる運転操作がなされたか否かによって判定したり、一時停止のためにブレーキペダルが踏まれる運転操作がなされたか否かによって判定したりする。
【0051】
続くS335では、S330の判定結果によって処理を分岐する。運転者が一時停止をする意志を有していると判定した場合にはS310に処理を戻し、運転者が一時停止をする意志を有していないと判定した場合にはS340に処理を進める。
【0052】
S340では、車両が注意領域に入っているか否かによって処理を分岐する。この注意領域というのは、例えば、一時停止すべき箇所に近づく方向を基準にして、一時停止するための運転操作(例えばアクセルペダルをゆるめる等)を運転者が開始すべき位置の手前側50m以内の領域のように、少なくとも一時停止をすべき箇所が存在することを運転者が認識しておく必要がある状況である領域を意味する(図6(b)参照)。なお、この領域は、車両の速度によって変化する。また、本ステップの処理が特許請求の範囲に記載の「危険判定」に相当する。車両が注意領域に入っている場合にはS345に進み、車両が注意領域に入っていない場合にはS310に処理を戻す。
【0053】
S345では、音声出力装置23に信号を送り、一時停止すべき箇所が存在することを運転者に認識させるような音声を出力させる。具体的には、例えば「この先100mに一時停止すべき交差点があります。停止するための運転操作を行ってください」等である。また、表示装置25にも信号を送り、例えば、地図上に自車と一時停止すべき箇所の位置を表示させた画面を表示装置25に表示させる。
【0054】
続くS350では、車両が危険回避可能領域に入っているか否かによって処理を分岐する。この危険回避可能領域というのは、例えば、一時停止すべき箇所に近づく方向を基準にして、一時停止するための運転操作を運転者が開始すべき地点から、一時停止するための運転操作を運転者が開始したとしても一時停止すべき箇所で停止できない地点までの領域のように、一時停止するための運転操作を即座に開始すればまだ一時停止すべき箇所で一時停止をすることができるが、それを行わないと一時停止をすべき箇所で一時停止をすることができない状態になることが迫っている状況である領域を意味する(図6(b)参照)。車両が危険回避可能領域に入っている場合にはS355に進み、車両が危険回避可能領域に入っていない場合にはS310に処理を戻す。
【0055】
S355では、音声出力装置23に信号を送り、停止するための運転操作を即座に行うように運転者に伝える音声を出力させる。具体的には、例えば「危険です、停止して下さい、前方に一時停止交差点があります」等である。この際にはまず危険であることを認識させ、次にどういう操作を行うべきかを示し、最後に理由を示すという順番の方が、より危険を回避できる可能性が高まる。また、表示装置25にも信号を送り、例えば、ブレーキ操作という文字が点滅する画面を表示装置25に表示させる。そしてさらに、ステアリング制御装置31にステアリングを振動させる信号を送ると共にシート制御装置37にシートを振動させる信号を送る。
【0056】
続くS360では、車内LAN41を介してプリクラッシュセーフティー制御装置29に危険情報Cを出力する。この危険情報Cには、少なくとも、車両が危険回避可能領域に入っていることを意味する情報が含まれている。
【0057】
続くS365では、車両が危険領域に入っているか否かによって処理を分岐する。この危険領域というのは、例えば、一時停止すべき箇所で一時停止するための運転操作を運転者が行うことにより一時停止すべき箇所で一時停止することができる限界位置から一時停止すべき箇所までの領域を意味する。つまり、運転操作による車両の通常制動機能では一時停止すべき箇所で停止不可能な領域である(図6(b)参照)。なお、本ステップの処理が特許請求の範囲に記載の「危険判定」に相当する。車両が危険領域に入っている場合にはS370に進み、車両が危険領域に入っていない場合にはS310に処理を戻す。
【0058】
S370では、車内LAN41を介してプリクラッシュセーフティー制御装置29に危険情報Dを出力する。この危険情報Dには、車両が危険領域に入っていることを意味する情報が少なくとも含まれている。そして、危険情報Dを出力するとS310に処理を戻す。
【0059】
(3)障害物対応処理
次に、プリクラッシュセーフティー制御装置29が実行する障害物対応処理について図4のフローチャートを用いて説明する。プリクラッシュセーフティー制御装置29は、車両のイグニッションがオンになった際に障害物対応処理の実行を開始する。プリクラッシュセーフティー制御装置29が障害物対応処理の実行を開始すると、まず、前方レーダー27から前方障害物情報(障害物の位置や車両との相対距離や相対速度等)を取得する(S210)。この前方障害物情報は、当該車両と衝突の危険性があるなしに関わらず検知できた前方にある障害物全てに関するものである。
【0060】
続いて、S210で取得した前方障害物情報を車内LAN41を介してナビゲーション装置11に送信する(S215)。
続いて、車内LAN41を介してナビゲーション装置11から送信される危険情報Aの受信を試みる(S220)。上述した通り、この危険情報Aには少なくとも、車両が危険回避可能領域に入っていることを意味する情報、ナビゲーション装置11の判定部13が判定した衝突するおそれのある障害物の位置情報、車速情報及び車両の現在位置情報が含まれている。なお、危険情報Aを受信できなければそのまま次のステップに進む。
【0061】
続いて、S210で取得した前方障害物情報及び危険情報A(S220で取得できれば)に基づいて衝突のおそれがある障害物があるか否かを判定する(S225)。衝突のおそれがある障害物があると判定した場合にはS230に進み、衝突のおそれがある障害物がないと判定した場合にはS210に処理を戻す。
【0062】
S230では、車内LAN41を介してシートベルト制御装置39に弱いシートベルトの巻き込みを行わせる信号を出力する。この信号を受け取ったシートベルト制御装置39は、運転者がシートベルトの巻き込みを認知可能な程度シートベルトを巻き込むようにシートベルト巻き込みモーターを動作させる。
【0063】
続いて、車内LAN41を介してナビゲーション装置11から送信される危険情報Bの受信を試みる(S235)。上述した通り、この危険情報Bには少なくとも、車両が危険領域に入っていることを意味する情報、衝突するおそれのある障害物の位置情報、車速情報及び車両の現在位置情報が含まれている。
【0064】
続いて、S210で取得した前方障害物情報及び危険情報B(S235で取得できれば)に基づいて衝突不可避である障害物があるか否かによって処理を分岐する(S240)。衝突不可避の障害物がある場合はS250に進み、衝突不可避の障害物がなければS210に処理を戻す。
【0065】
S245では、車内LAN41を介してシートベルト制御装置39に強いシートベルトの巻き込みを行わせる信号を出力する。この信号を受け取ったシートベルト制御装置39は、乗員をシートに固定させる程度シートベルトを巻き込むようシートベルト巻き込みモーターを動作させる。
【0066】
続いて、車内LAN41を介してブレーキ制御装置35にブレーキアシストを実行させる旨の信号を出力する(S250)。この信号を受け取ったブレーキ制御装置35は、運転者のブレーキ操作に対する制動力が通常時以上に働くようにブレーキシステムを制御する。
【0067】
続いて、プリクラッシュセーフティー制御装置29は、車内LAN41を介してブレーキ制御装置35に自動ブレーキを実行させる旨の信号を出力する(S255)。この信号を受け取ったブレーキ制御装置35は、運転者のブレーキ操作に関わらず、最大制動が得られるようにブレーキシステムを制御する。
【0068】
続いて、加速度センサ等の情報に基づいて、車両が障害物と衝突したか否かによって処理を分岐する(S260)。車両が障害物と衝突した場合には本処理を終了し、車両が障害物と衝突していない場合はS210に処理を戻す。
【0069】
(4)一時停止対応処理
次に、プリクラッシュセーフティー制御装置29が実行する一時停止対応処理について説明する。プリクラッシュセーフティー制御装置29は、車両のイグニッションがオンになった際に一時停止対応処理の実行を開始する。プリクラッシュセーフティー制御装置29が一時停止対応処理の実行を開始すると、まず、車内LAN41を介してナビゲーション装置11から送信される危険情報Cの受信を試みる(S410)。上述した通り、この危険情報Cには少なくとも、車両が危険回避可能領域に入っていることを意味する情報が含まれている。なお、危険情報Cを受信できなければそのまま次のステップに進む。
【0070】
次に、危険情報Cを受信できたか否かによって処理を分岐する(S420)。危険情報Cを受信できた場合にはS430に進み、危険情報Cを受信できなかった場合にはS410に処理を戻す。
【0071】
S430では、車内LAN41を介してシートベルト制御装置39に弱いシートベルトの巻き込みを行わせる信号を出力する。この信号を受け取ったシートベルト制御装置39は、運転者がシートベルトの巻き込みを認知可能な程度シートベルトを巻き込むようにシートベルト巻き込みモーターを動作させる。
【0072】
続いて、車内LAN41を介してナビゲーション装置11から送信される危険情報Dの受信を試みる(S440)。上述した通り、この危険情報Dには少なくとも、車両が危険領域に入っていることを意味する情報が含まれている。なお、危険情報Dを受信できなければそのまま次にステップに進む。
【0073】
次に、危険情報Dを受信できたか否かによって処理を分岐する(S450)。危険情報Dを受信できた場合にはS460に進み、危険情報Dを受信できなかった場合にはS410に処理を戻す。
【0074】
S460では、車内LAN41を介してシートベルト制御装置39に強いシートベルトの巻き込みを行わせる信号を出力する。この信号を受け取ったシートベルト制御装置39は、乗員をシートに固定させる程度シートベルトを巻き込むようシートベルト巻き込みモーターを動作させる。
【0075】
続いて、車内LAN41を介してブレーキ制御装置35にブレーキアシストを実行させる旨の信号を出力する(S470)。この信号を受け取ったブレーキ制御装置35は、運転者のブレーキ操作に対する制動力が通常時以上に働くようにブレーキシステムを制御する。
【0076】
続いて、プリクラッシュセーフティー制御装置29は、車内LAN41を介してブレーキ制御装置35に自動ブレーキを実行させる旨の信号を出力し(S480)、S410に処理を戻す。この信号を受け取ったブレーキ制御装置35は、運転者のブレーキ操作に関わらず、最大制動が得られるようにブレーキシステムを制御する。
【0077】
このように、ナビゲーション装置11が、車両と障害物との相対距離及び相対速度に基づき、障害物に対する領域判定処理を行うことにより、ナビゲーション装置11は様々な運転状況(例えば、注意すべき状況、回避動作を開始すべき状況、衝突対応をすべき状況等)を判定する。そして、その判定結果に基づいた信号を他装置(具体的には、音声出力装置23,表示装置25,プリクラッシュセーフティー制御装置29等)へ出力することにより、他装置がより適切な動作をすることができる。また、様々な他装置が動作を行うにあたり、各装置が独自に情報を収集して動作可否を判断する場合と比べ、ナビゲーション装置11が様々な情報を総合して運転状況を判定し、他装置を動作させるための信号や他装置が動作可否を決定するために必要な信号を統括的に発信する場合の方が効率的であり、また他装置がより協調的に機能する。
【0078】
また、ナビゲーション装置11が、車両と一時停止すべき箇所との間の距離及び車両の速度に基づき、一時停止に対する領域判定処理を行うことにより、ナビゲーション装置11は様々な運転状況(例えば、注意すべき状況、停止動作を開始すべき状況、緊急停止をすべき状況等)を判定する。そして、その判定結果に基づいた信号を他装置(具体的には、音声出力装置23,表示装置25,プリクラッシュセーフティ−制御装置29等)へ出力することにより、他装置がより適切な動作をすることができる。また、様々な他装置が動作を行うにあたり、各装置が独自に情報を収集して動作可否を判断する場合と比べ、ナビゲーション装置11が様々な情報を総合して運転状況を判定し、他装置を動作させるための信号や他装置が動作可否を決定するために必要な信号を統括的に発信する場合の方が効率的であり、また他装置がより協調的に機能する。
【0079】
以下、他の実施例について述べる。
(イ)さらに、他の車両に搭載されナビゲーション装置(上記ナビゲーション装置11と同様の機能を有するもの)と電波等によって通信を行うことが可能な通信装置を設け、それぞれのナビゲーション装置が上述した処理を行う際に互いに保持している情報を交換して上述した処理を実行するようになっているとよい。このようになっていれば、各ナビゲーション装置は、前方レーダー27が捉えることができない位置に存在する車両をはじめとする障害物を認識して上述した処理を実行することができる。なお、通信装置は、ナビゲーション装置11に直付けされていてもよいし、車内LAN41上に設置されナビゲーション装置11と通信可能に構成されていてもよい。また、この通信装置が特許請求の範囲に記載の通信手段に相当する。
【0080】
(ロ)前方を撮影する車載カメラを設け、その車載カメラが撮影した前方の信号機の映像に基づき、信号機の状態(青なのか赤なのか等)を判断し、その判断結果に基づいて、上述した一時停止に対する領域判定処理を実行するようになっていてもよい。つまり、車両の前方の信号機が赤である交差点を一時停止すべき箇所として一時停止に対する領域判定処理を実行を実行する。このようになっていれば、ナビゲーション装置11は、より多くの一時停止すべき箇所を認識することができ、安全性向上に役立つ。なお、信号機の状態に関する情報は、そのような情報を提供可能な交通インフラが整備されているのであれば、その交通インフラから取得するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】ナビゲーション装置及びナビゲーション装置に接続された各種装置を示すブロック図である。
【図2】障害物に対する領域判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】一時停止に対する領域判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】障害物対応処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】一時停止対応処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】領域イメージ図である。
【符号の説明】
【0082】
11…ナビゲーション装置、13…判定部、15…インターフェース部、17…記憶部、19…車速センサ、21…位置センサ、23…音声出力装置、25…表示装置、27…前方レーダー、29…プリクラッシュセーフティー制御装置、31…ステアリング制御装置、33…スロットル制御装置、35…ブレーキ制御装置、37…シート制御装置、39…シートベルト制御装置、41…車内LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて用いられる運転状況判定装置において、
前記車両の情報及び前記車両の周辺の状況を把握するための情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて前記車両と衝突可能性のある障害物を認識し、前記障害物と前記車両との間の相対距離及び相対速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行う判定手段と、
前記判定手段が行った前記危険判定の結果に基づいた信号を他装置へ出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項2】
車両に搭載されて用いられる運転状況判定装置において、
前記車両の情報及び前記車両の周辺の状況を把握するための情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて前記車両が停止すべき地点を認識し、前記地点と前記車両との間の距離及び前記車両の速度に基づき、判定条件の異なる複数種類の危険判定を行う判定手段と、
前記判定手段が行った前記危険判定の結果に基づいた信号を他装置へ出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運転状況判定装置において、
前記危険判定の一つは、前記距離及び前記速度に基づき、運転者に注意を促すべき状況であるか否かを判定する危険判定であることを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運転状況判定装置において、
前記出力手段は、運転者に注意を促すべき状況であると前記判定手段が判定した際、その旨を表す信号、音声出力装置に警告音声を出力させる信号、表示装置に警告表示を出力させる信号、の少なくとも何れか一つの信号を前記信号として出力することを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の運転状況判定装置において、
前記危険判定の一つは、前記距離及び前記速度に基づき、運転者が危険回避動作を開始すべき状況であるか否かを判定する危険判定であることを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の運転状況判定装置において、
前記出力手段は、運転者が危険回避動作を開始すべき状況であると前記判定手段が判定した際、その旨を表す信号、車両のハンドルを振動させる信号、運転者のシートを振動させる信号、運転者がシートベルトの巻き込みを認知可能な程度シートベルトを巻き込むように動作させる信号、の少なくとも何れか一つの信号を前記信号として出力することを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載の運転状況判定装置において、
前記危険判定の一つは、前記距離及び前記速度に基づき、運転操作による車両の通常制動機能では前記車両が前記障害物に対して衝突が不可避な状況であるか否かを判定する危険判定、又は運転操作による前記車両の通常制動機能では前記車両が前記地点の直前で停止不可能な状況であるか否かを判定する危険判定であることを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の運転状況判定装置において、
前記出力手段は、運転操作による車両の通常制動機能では前記車両が前記障害物に対して衝突が不可避な状況である、又は運転操作による前記車両の通常制動機能では前記車両が前記地点の直前で停止不可能な状況である、と前記判定手段が判定した際、その旨を表す信号、強制制動させるための信号、乗員のシートを通常位置まで戻させる信号、乗員の体をシートに固定させるためにシートベルトの巻き込みを実行させる信号、の少なくとも何れか一つの信号を前記信号として出力することを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れかに記載の運転状況判定装置において、
さらに、他の車両に搭載された運転状況判定装置と通信を行う通信手段を備え、
前記情報取得手段は、前記通信手段を介して前記他の車両に搭載された運転状況判定装置からその運転状況判定装置の前記情報取得手段が取得した情報を取得することを特徴とする運転状況判定装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れかに記載の運転状況判定装置において、
前記情報取得手段は、前記車両の周辺道路の交通規制の情報を取得し、
前記判定手段は、前記情報取得手段が取得した前記交通規制の情報も用いて前記危険判定を行うことを特徴とする運転状況判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−1369(P2006−1369A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178581(P2004−178581)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】