説明

過分極13C−フルクトースを用いる13C−MR検出

本発明は、過分極13C−フルクトースを含む
イメージング媒体を用いる13C−MR検出方法、及び前記方法で使用するための、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出方法及び前記方法で使用するための、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴(MR)イメージング(MRI)は、非侵襲的にかつ患者及び医療従事者を潜在的に有害な放射線(例えばX線)に暴露することなく患者の身体又はその一部の画像を得ることができるので、医師にとって特に魅力的な技法となっている。高画質の画像並びに良好な空間的及び時間的分解能が得られるので、MRIは軟組織及び器官のイメージングのために好ましいイメージング技法である。
【0003】
MRIは、MR造影剤を使用しても使用しなくても実施できる。しかし、コントラスト増強MRIでは、通常ははるかに微小な組織変化の検出が可能となり、したがってそれは例えば微小な腫瘍や転移のような初期組織変化を検出するための強力なツールとなる。
【0004】
MRIでは、数種類の造影剤が使用されてきた。水溶性の常磁性金属キレート剤(例えば、Omniscan(商標)(GE Healthcare社)のようなガドリニウムキレート剤)は、広く使用されているMR造影剤である。これらは、低分子量であるため、血管系に投与した場合に細胞外スペース(即ち、血液及び間質組織)中に急速に分布する。これらはまた、比較的速やかに体外に排出される。
【0005】
他方、血液プールMR造影剤(例えば超常磁性酸化鉄粒子)は、長時間にわたって血管系内に保持される。これらは、肝臓内のコントラストを高めるばかりでなく、毛細血管の透過性異常(例えば、腫瘍血管形成の結果として生じる腫瘍中の「漏出性」毛細血管壁)を検出するためにも極めて有用であることが判明している。
【0006】
国際公開第99/35508号には、高T1剤の過分極溶液をMRI造影剤として使用する患者のMR検査方法が開示されている。「過分極」という用語は、高T1剤中に存在するNMR活性核(即ち、非ゼロ核スピンを有する核、好ましくは13C核又は15N核)の核分極を増強させることを意味する。NMR活性核の核分極を増強させると、これらの核の励起核スピン状態と基底核スピン状態との母集団差が顕著に増加し、それによってMR信号強度が100倍以上に増幅される。過分極した13C及び/又は15N濃縮高T1剤を使用する場合、13C及び/又は15Nの天然存在比は無視できるほどに低いのでバックグラウンド信号からの干渉は本質的に存在せず、したがって画像コントラストは有利に高くなる。通常のMRI造影剤とこれらの過分極高T1剤との主な相違点は、前者ではコントラストの変化が体内の水プロトンの緩和時間に影響を及ぼすことで誘起されるのに対し、後者の種類の薬剤は得られる信号がもっぱら薬剤に由来しているので非放射性トレーサーと見なし得ることである。
【0007】
国際公開第99/35508号には、非内因性及び内因性化合物を含め、MRイメージング剤として使用可能な各種の高T1剤が開示されている。後者の例として、正常な代謝サイクル中の中間体が挙げられ、これらは代謝活性のイメージングのために好ましいと述べられている。代謝活性のインビボイメージングにより、組織の代謝状態に関する情報を得ることができ、前記情報は例えば健常組織と罹患組織とを識別するために使用できる。
【0008】
例えば、ピルビン酸塩はクエン酸回路中で役割を果たす化合物であり、過分極13C−ピルビン酸塩からその代謝産物である過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの転化は人体内における代謝過程のインビボMR研究のために使用できる。過分極13C−ピルビン酸塩は、例えば、国際公開第2006/011810号に詳述されているようなインビボ腫瘍イメージングのためのMRイメージング剤、及び国際公開第2006/054903号に詳述されているようにMRイメージングで心筋組織の生存度を評価するためのMRイメージング剤として使用できる。
【0009】
過分極13C−ピルビン酸塩からその代謝産物である過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの代謝転化は、出発化合物(即ち、過分極131−ピルビン酸塩)及びその代謝産物からの信号検出を可能にするのに十分速いことが判明しているので、人体内における代謝過程のインビボMR研究のために使用できる。アラニン、重炭酸塩及び乳酸塩の量は、検査対象である組織の代謝状態に依存する。過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンのMR信号強度は、これらの化合物の量及び検出時における分極の残存率に関係しているので、過分極13C−ピルビン酸塩から過分極13C−乳酸塩、過分極13C−重炭酸塩及び過分極13C−アラニンへの転化をモニターすることにより、非侵襲的なMRイメージング又はMR分光法を用いてヒト又はヒト以外の動物の体内における代謝過程をインビボで調べることが可能である。信号減衰がT1緩和に依存する過分極核の寿命は限られているので、代謝過程を調べるためのイメージング剤の開発に関する主な標的はカルボキシル化炭素であった。結合プロトンを含まず、双極性クロス緩和の結果として緩和を制限するカルボニル炭素は、磁場強度に応じて40〜60秒程度のT1で標識及び分極を行うための標準的な化学種であった。しかし、同位体濃縮されかつカルボニル炭素の位置で過分極されたイメージング剤の使用では、癌代謝並びに他の代謝異常(例えば、脂肪肝疾患及び糖尿病)の両方に関係づけられている上流の解糖プロセスを調べるのが困難である。若干の検査対象分子がカルボニル炭素を介しての分極及び観察に供されているものの、多数の重要な代謝中間体はカルボニル基を含んでいない。したがって、補足的な代謝情報を提供するイメージング剤が探求されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第99/35508号パンフレット
【発明の概要】
【0011】
このたび意外にも、過分極13C−フルクトースをイメージング剤として使用できることが確認された。
【0012】
五員環及び六員環の異性体混合物として存在するフルクトースは、その最も安定な異性体として、C2位置にヘミケタールを含むβ−フルクトピラノースを有している。フルクトースはヘキソキナーゼ又はフルクトキナーゼによって解糖経路に入ることができる。ヘキソキナーゼによるリン酸化フルクトース−6−リン酸への一段階代謝は、グルコースがリン酸化されてグルコース−6−リン酸になる解糖の最初の段階に類似している。細胞内におけるフルクトース−6−リン酸への代謝フラックスは、下流の解糖代謝事象ならペントースリン酸経路(PPP)に関係している。PPPは高い代謝回転速度において増加するヌクレオフェクション合成の主要量を担当し、癌細胞において酸化ストレスに対する耐性を付与しかつグルタチオンの補給を可能にするNADPHの再生源であると仮定されている。さらに、フルクトースの代謝は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)及び特定タイプの癌の病因にも関係している。フルクトースはまた、フルクトキナーゼによってフルクトース−1−リン酸にも代謝され得るが、これは主として肝臓で起こる反応である。肝臓取込みは、フルクトースに対して相対的な特異性を示すGLUT5トランスポーターによって行われる。このトランスポーターの発現は、肝外組織における疾患に対する重要なバイオマーカーであり得る。例えば、ヒトフルクトーストランスポーターGLUT5は乳癌細胞株において高度に発現されるが、正常乳房組織ではそうでない。前立腺におけるフルクトースと良性癌組織との関係も証明されている。このように、過分極13C−フルクトースをイメージング剤として使用することで代謝活性を評価することができる。また、フルクトースに関しては既知の過分極13C−MRイメージング剤(例えば、13C−ピルビン酸塩)と異なる取込み機構が存在するので、追加の代謝情報を得ることができ、新しい用途が可能となる。
【0013】
かくして第1の態様では、本発明は、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、GLUT5による輸送機構及びヘキソキナーゼによるフルクトースからフルクトフラノース−6−リン酸への最初の代謝段階を示している。
【図2】図2は、フルクトースの天然存在比(a)及び[2−13C]−フルクトースのDNPスペクトル(b)を示している。線状形態はDNPスペクトル中に存在するが、熱スペクトルと同じく非常に低いレベルである。(上部)各異性体の構造がその類似した共鳴と共に示されている。
【図3】(a)は400Uのヘキソキナーゼと反応したフルクトースのスペクトルであって、ズームイン領域はフルクトース及びフルクトース−6−リン酸に対応する共鳴を示している。(b)はヘキソキナーゼとの反応から5秒後の動的スペクトルを示している。(c)はDNPから平均85分後における同じヘキソキナーゼ溶液の熱スペクトルを示している。
【図4】(a)はやや後期段階のTRAMPマウス前立腺腫瘍のT2重み付き画像を示している。(b)は、フルクトース注射からの代謝の結果として、フルクトース及びβ−フルクトピラノース並びに複合したβ−フルクトフラノース−6−リン酸及びβ−フルクトフラノースに対応する共鳴を示している。(c)は、同じマウスにおける過分極ピルビン酸塩の注射後に得られた同じ位置からのピルビン酸塩及び乳酸塩共鳴を示している。
【図5】図5はTRAMPマウスの13C分光画像であって、周囲の良性組織に比べて腫瘍内部ではフルクトースの取込み及び代謝が異なることを示している。β−フルクトピラノース並びに複合したβ−フルクトフラノース−6−リン酸及びβ−フルクトフラノースに対応する共鳴が示されている。淡灰色領域は広汎性腫瘍の領域を、良性の暗灰色領域(別のマウス前立腺葉)と比較して示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「イメージング媒体」という用語は、MR活性剤(即ち、イメージング剤)として過分極13C−フルクトースを含む液体組成物を意味する。本発明に係るイメージング媒体は、13C−MR検出方法でイメージング媒体として使用できる。したがって、本発明の別の態様は、13C−MR検出方法で使用するための、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体である。
【0016】
本発明の方法で使用されるイメージング媒体は、インビボ13C−MR検出(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内での13C−MR検出)用のイメージング媒体として使用できる。さらに、本発明の方法で使用されるイメージング媒体は、例えば、細胞培養物、身体試料(例えば尿、唾液又は血液)、エクスビボ組織(例えば、生検で得られるエクスビボ組織)又は単離器官に関するインビトロ13C−MR検出用のイメージング媒体としても使用できる。
【0017】
13C−MR検出」という用語は、13C−MRイメージング又は13C−MR分光法或いは13C−MRイメージングと13C−MR分光法の組合せ(即ち、13C−MR分光イメージング)を意味する。この用語はさらに、様々な時点における13C−MR分光イメージングも意味する。
【0018】
分子式C6126を有するフルクトースは、D−アラピノ−ヘクスロース、果糖、β−レブロース及びレブロースとも呼ばれる。フルクトースは多くの果物、野菜及び蜂蜜中に存在する非常に甘い糖であり、食品用防腐剤及び静脈内栄養素として使用される。フルクトースはケトン官能基を有する単糖である。フルクトースはグルコースの異性体である。溶解した場合、それはグルコースと同様な環構造を形成し、これらは環状ヘミケタールとして分類される。フルクトースは2種のヘミケタール異性体(即ち、フルクトフラノースと呼ばれる五員環及びフルクトピラノースと呼ばれる六員環)を有し、ピラノース形が最も安定な異性体である。両方の形態を下記に示す。フルクトースは商業的に入手可能な化合物である。フルクトースは認容性が非常に良く、過分極13C−フルクトースをイメージング剤として使用することは安全性の観点から有利である。
【0019】
【化1】

「フルクトース」という用語は、特記しない限り、α形又はβ形のフルクトフラノース又はフルクトピラノースのD−異性体或いはこれらの混合物を意味する。したがって、本発明に係るイメージング媒体は、過分極13C−α−D−若しくは13C−β−D−フルクトピラノース又は13C−α−D−若しくは13C−β−D−フルクトフラノース或いはこれらの混合物を含み得る。
【0020】
本発明の方法で使用される過分極13C−フルクトースの同位体濃縮度は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であり、90%を超える同位体濃縮度が最も好ましい。理想的には、濃縮度は100%である。本発明のイメージング媒体及び方法で使用する13C−フルクトースは、C2位置において同位体濃縮されている(即ち、[2−13C]−フルクトース)。このことは、上記の構造中において、*13C−ラベルを意味することで示される。したがって、一実施形態では、イメージング媒体は[2−13C]−フルクトースを含んでいる。
【0021】
「過分極」及び「分極」という用語は以後は互換的に使用され、0.1%を超え、さらに好ましくは1%を超え、最も好ましくは10%を超える核分極レベルを意味する。
【0022】
化学シフト異方性のため、カルボニル炭素はT1が減少する傾向を有し、磁場が高いほど急速な分極減衰をもたらす。このような挙動はフルクトースのヘミケタールには当てはまらず、磁場強度と共にT1の延長を示す。11.7Tで15〜16秒及び3Tで13〜14秒の緩和時間が達成された。その理由は、フルクトースの緩和が隣接するプロトンからの双極性緩和によって支配されることにある。これにもかかわらず、フルクトースのC2は、過分極分光法の時間スケールで代謝情報を提供するのに十分な長い緩和時間を有する。
【0023】
C−1及びC−3に直接結合したプロトンを選択的に重水素化してT1の延長を達成することで、信号/ノイズ比又はイメージング窓をさらに増大させることができる。
【0024】
分極レベルは、例えば、固体過分極13C−フルクトース(例えば、13C−フルクトースの動的核分極(DNP)によって得られる固体過分極13C−フルクトース)の固体状態13C−NMR測定によって決定できる。固体状態13C−NMR測定は、好ましくは小さいフリップ角を用いる単パルス取得NMRシーケンスからなる。NMRスペクトル中の過分極13C−フルクトースの信号強度を、分極プロセス前に取得したNMRスペクトル中の13C−フルクトースの信号強度と比較する。次いで、分極前後における信号強度の比から分極レベルを計算する。
【0025】
同様に、溶解した過分極13C−フルクトースに関する分極レベルは、液体状態NMR測定によって決定できる。この場合にも、溶解した過分極13C−フルクトースの信号強度を分極前(又は分極を熱平衡レベルに戻した後)の溶解13C−フルクトースの信号強度と比較する。次いで、分極前後における13C−フルクトースの信号強度の比から達成された分極レベルを計算する。
【0026】
NMR活性13C核の過分極は、例えば国際公開第98/30918号、同第99/24080号及び同第99/35508号(これらの開示内容はいずれも援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されている様々な方法によって達成できる。当技術分野で公知の過分極方法は、希ガスからの分極移動、「ブルートフォース(brute force)」、スピン冷凍、パラ水素法及び動的核分極(DNP)である。
【0027】
過分極13C−フルクトースを得るための1つの方法は、国際公開第98/30918号に記載されている過分極希ガスからの分極移動である。非ゼロ核スピンを有する希ガスは、円偏光の使用によって過分極させることができる。過分極希ガス(好ましくはHe又はXe或いはかかるガスの混合物)を用いて13C核の過分極を達成することができる。過分極ガスは気相中にあってもよく、液体/溶媒中に溶解されてもよく、或いは過分極ガス自体を溶媒として使用してもよい。別法として、ガスを冷却固体表面上に凝縮させ、この形態で使用してもよいし、或いは昇華させてもよい。過分極ガスと13C−フルクトースとを緊密に混合することが好ましい。
【0028】
過分極13C−フルクトースを得るための別の方法は、非常に低い温度及び高い磁場での熱力学的平衡化によって13C核に分極を付与するものである。過分極は、NMR分光計の動作磁場及び温度に比べ、非常に高い磁場及び非常に低い温度(ブルートフォース)の使用によって達成される。使用する磁場強度はできるだけ高くすべきであり、好適には1Tより高く、好ましくは5Tより高く、さらに好ましくは15T以上であり、特に好ましくは20T以上である。温度は非常に低くすべきであり、例えば4.2K以下、好ましくは1.5K以下、さらに好ましくは1.0K以下、特に好ましくは100mK以下である。
【0029】
過分極13C−フルクトースを得るための別の方法は、スピン冷凍法である。この方法は、スピン冷凍分極による固体化合物又は系のスピン分極をカバーする。かかる系には、三次若しくはそれ以上の対称軸をもつ好適な結晶質常磁性物質(例えば、Ni2+、ランタニド又はアクチニドイオン)がドープされるか、或いは緊密に混合される。共鳴励起磁場を全く加えないので均一な磁場は必要とされず、その計装はDNPのために必要なものより簡単である。このプロセスは、磁場の方向に直角な軸の周りで試料を物理的に回転させることによって実施される。この方法に関する前提条件は、常磁性種が高度に異方性のg因子をもつことである。試料回転の結果として、電子常磁性共鳴が核スピンと接触し、核スピン温度の低下をもたらす。試料回転は、核スピン分極が新たな平衡に達するまで実施される。
【0030】
好ましい実施形態では、過分極13C−フルクトースを得るためにDNP(動的核分極)が使用される。DNPでは、分極させるべき化合物中のMR活性核の分極は、不対電子を含む化合物である分極剤又はいわゆるDNP剤によって達成される。DNPプロセス中には、通常はマイクロ波放射の形態でエネルギーが供給され、これがまずDNP剤を励起する。基底状態への崩壊に際して、DNP剤の不対電子から分極させるべき化合物のNMR活性核(例えば、13C−フルクトース中の13C核)への分極の移動が起こる。
【0031】
DNP法によって化学的実在物(即ち、化合物)を分極させるためには、分極させるべき化合物及びDNP剤を含む組成物を調製し、次いでこれを凍結して分極用のDNP分極装置内に挿入する。分極後、凍結した固体過分極組成物は、融解又は好適な溶解媒質中への溶解によって急速に液体状態に移行される。溶解が好ましく、凍結過分極組成物の溶解プロセス及びそのための好適な装置は国際公開第02/37132号に詳述されている。融解プロセス及び融解用の好適な装置は、例えば国際公開第02/36005号に記載されている。
【0032】
分極させるべき化合物中に高い分極レベルを得るためには、DNPプロセス中に前記化合物とDNP剤とが緊密に接触している必要がある。凍結又は冷却時に組成物が結晶化するならば、それに当てはまらない。結晶化を避けるためには、組成物中にガラス形成剤を含める必要がある。ガラス形成剤の必要の可能性に影響を与える因子は、溶液中のフルクトース濃度、又はフルクトースと共に別の薬剤を同時分極させるか否かである。
【0033】
DNPによる13C−フルクトースの過分極のためには、13C−フルクトース及びDNP剤を含む組成物が調製される。
【0034】
DNP剤は、その選択が13C−フルクトース中に達成できる分極レベルに大きな影響を与えるので、DNPプロセスにおいて決定的な役割を果たす。各種のDNP剤(国際公開第99/35508号では「OMRI造影剤」と呼ばれている)が知られている。国際公開第99/35508号、同第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号又は同第96/39367号に記載されているような酸素系、硫黄系又は炭素系の安定なトリチルラジカルを使用したところ、各種の様々な試料中に高い分極レベルが得られた。
【0035】
好ましい実施形態では、本発明の方法で使用する過分極13C−フルクトースはDNPによって得られ、使用するDNP剤はトリチルラジカルである。上記に略述した通り、DNP剤(即ち、トリチルラジカル)の大きい電子スピン分極は電子のラーモア周波数に近いマイクロ波照射によって13C−フルクトース中の13C核の核スピン分極に変換される。マイクロ波は、e−e及びe−n遷移による電子スピン系と核スピン系との間の連絡を刺激する。効果的なDNPのためには、即ち13C−フルクトースにおいて高い分極レベルを達成するためには、トリチルラジカルはこれらの化合物中で安定かつ可溶であって、13C−フルクトースとトリチルラジカルとの緊密な接触を達成するものでなければならない。かかる緊密な接触は、上述した電子スピン系と核スピン系との間の連絡のために必要である。
【0036】
好ましい実施形態では、トリチルラジカルは次の式(1)のラジカルである。
【0037】
【化2】

式中、
Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
R1は同一又は相異なるものであって、1以上のヒドロキシル基で任意に置換された直鎖又は枝分れC1〜C6−アルキル基或いは−(CH2)n−X−R2基(式中、nは1、2又は3であり、XはO又はSであり、R2は1以上のヒドロキシル基で任意に置換された直鎖又は枝分れC1〜C4−アルキル基である。)を表す。
【0038】
好ましい実施形態では、Mは水素又は1当量の生理学的に許容される陽イオンを表す。「生理学的に許容される陽イオン」という用語は、ヒト又はヒト以外の動物の生体によって許容される陽イオンを意味する。好ましくは、Mは水素或いはアルカリ陽イオン、アンモニウムイオン又は有機アミンイオン(例えばメグルミン)を表す。最も好ましくは、Mは水素又はナトリウムを表す。
【0039】
R1は好ましくは同一であり、さらに好ましくは直鎖又は枝分れC1〜C4−アルキル基、最も好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルである。或いは、R1は好ましくは同一であり、さらに好ましくは1以上のヒドロキシル基で置換された直鎖又は枝分れC1〜C4−アルキル基、最も好ましくは−CH2−CH2−OHである。或いは、R1は好ましくは同一であり、−CH2−OCH3−、−CH2−OC24OH、−CH2−OC25、−CH2−CH2−OCH3、−CH2−SCH3、−CH2−SC25又は−CH2−CH2−SCH3、最も好ましくは−CH2−CH2−OCH3を表す。
【0040】
特に好ましい実施形態では、XはOを表し、Mはアルカリ陽イオン、最も好ましくはナトリウムを表し、R1は−CH2−CH2−OCH3である。
【0041】
上述した式(1)のトリチルラジカルは、国際公開第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号、同第96/39367号、同第97/09633号、同第98/39277号及び同第2006/011811号に詳述されているようにして合成できる。
【0042】
DNPプロセスのためには、出発原料である13C−フルクトース(以下「試料」という)とDNP剤(好ましくはトリチルラジカル、さらに好ましくは式(1)のトリチルラジカル)との溶液が調製される。試料中へのDNP剤の溶解を促進するために溶媒又は溶媒混合物が使用できる。しかし、過分極13C−フルクトースをインビボ13C−MR検出用のイメージング剤として使用する予定であれば、溶媒の量を最小限に抑えるか、或いは可能ならば溶媒の使用を避けることが好ましい。インビボイメージング剤として使用するためには、分極13C−フルクトースは通常比較的高い濃度で投与される。即ち、DNPプロセスでは高度に濃縮された試料を使用するのが好ましく、したがって溶媒の量を最小限に抑えることが好ましい。これに関連して、試料を含む組成物(即ち、DNP剤、試料及び必要ならば溶媒)の質量をできるだけ小さく保つことも重要である。例えば13C−MR検出用のイメージング剤として使用するため、DNPプロセス後に過分極13C−酢酸又は13C−フルクトースを含む固体組成物を溶解によって液体状態に変える場合、大きい質量は溶解プロセスの効率に負の影響を及ぼす。これは、溶解プロセスにおける溶解媒質の体積が一定である場合、組成物の質量が増加すると溶解媒質と組成物の質量との比が減少するという事実に原因する。さらに、ある種の溶媒を使用した場合には、これらの溶媒が生理学的に許容されない可能性があるので、MRイメージング剤として使用する過分極13C−フルクトースをヒト又はヒト以外の動物に投与する前に溶媒の除去が必要となることがある。
【0043】
DNPによって過分極13C−フルクトースを得るための出発原料として13C−フルクトースを使用する場合、通常は溶媒を添加することでDNP剤及び13C−フルクトースの溶液を調製する。好ましくは水性キャリヤー、最も好ましくは水を溶媒として使用する。一実施形態では、DNP剤を溶解し、次いで溶解したDNP剤中に13C−フルクトースを溶解する。化合物の緊密な混合は、当技術分野で公知のいくつかの手段(例えば、撹拌、渦動又は音波処理)によって促進できる。
【0044】
本発明の方法で使用する過分極13C−フルクトースがDNPによって得られるならば、13C−フルクトース及びDNP剤を含む分極させるべき組成物はさらに常磁性金属イオンを含み得る。常磁性金属イオンの存在は、国際公開第2007/064226号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に詳述されているように、DNPによって分極させるべき化合物中の分極レベルを増大させ得ることが判明している。「常磁性金属イオン」という用語は、塩及び常磁性キレートの形態の常磁性金属イオンを意味する。常磁性キレートとは、キレーター及び常磁性金属イオンを含む化学的実在物であって、前記常磁性金属イオン及び前記キレーターが錯体を形成しているものをいう。
【0045】
好ましい実施形態では、常磁性金属イオンは常磁性金属イオンとしてGd3+を含む化合物、好ましくはキレーター及び常磁性金属イオンとしてのGd3+を含む常磁性キレートである。さらに好ましい実施形態では、前記常磁性金属イオンは分極させるべき組成物中に可溶かつ安定である。
【0046】
前述したDNP剤の場合と同じく、分極させるべき13C−フルクトースは常磁性金属イオンにも緊密に接触していなければならない。13C−フルクトース、DNP剤及び常磁性金属イオンを含むDNP用の組成物は、いくつかの方法で得ることができる。第1の実施形態では、13C−フルクトースを好適な溶媒に溶解して溶液を得る。このような13C−フルクトースの溶液にDNP剤を添加して溶解する。DNP剤(好ましくはトリチルラジカル)は固体又は溶液として添加できるが、好ましくは固体として添加する。次の段階では、常磁性金属イオンを添加する。常磁性金属イオンは固体又は溶液として添加できるが、好ましくは固体として添加する。別の実施形態では、DNP剤及び常磁性金属イオンを好適な溶媒に溶解し、この溶液を13C−酢酸又は13C−フルクトースに添加する。さらに別の実施形態では、DNP剤(又は常磁性金属イオン)を好適な溶媒に溶解し、13C−フルクトースに添加する。次の段階では、この溶液に常磁性金属イオン(又はDNP剤)を固体又は溶液として添加し、好ましくは固体として添加する。好ましくは、常磁性金属イオン(又はDNP剤)を溶解するための溶媒の量は最小限に抑える。この場合にも、化合物の緊密な混合は、当技術分野で公知のいくつかの手段(例えば、撹拌、渦動又は音波処理)によって促進できる。
【0047】
トリチルラジカルをDNP剤として使用するならば、組成物中のかかるトリチルラジカルの好適な濃度は、DNPのために使用される組成物中において1〜25mM、好ましくは2〜20mM、さらに好ましくは10〜15mMである。常磁性金属イオンが組成物に添加されるならば、かかる常磁性金属イオンの好適な濃度は組成物中において0.1〜6mM(金属イオン)であり、0.5〜4mMの濃度が好ましい。
【0048】
13C−フルクトース、DNP剤及び任意には常磁性金属イオンを含む組成物を調製した後、当技術分野で公知の方法によって前記組成物が凍結される。例えば、フリーザー内で凍結するか、液体窒素中で凍結するか、或いは単にDNP分極装置内に配置するだけでも液体ヘリウムによって凍結される。任意には、組成物を分極装置内に挿入する前にそれを「ビーズ」として凍結することができる。かかるビーズは、組成物を液体窒素中に滴下することで得られる。かかるビーズは一層効率よく溶解することが認められた。これは、例えば過分極13C−フルクトースをインビボ13C−MR検出方法で使用することが意図される場合、多量の13C−フルクトースを分極させる際に特に適している。
【0049】
組成物中に常磁性金属イオンが存在する場合、前記組成物を凍結前にガス抜きすることができる。ガス抜きは、例えば組成物中にヘリウムガスを(例えば2〜15分間)吹き込むことで行うことができるが、他の公知常法で実施することもできる。
【0050】
DNP技法は、例えば国際公開第98/58272号及び同第01/96895号(これらの開示内容はいずれも援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されている。一般に、DNPプロセスでは中程度の又は高い磁場及び極低温が使用され、例えば液体ヘリウム及び約1T以上の磁場中でDNPプロセスが実施される。別法として、中程度の磁場及び十分な分極増強が達成される任意の温度を使用することもできる。好ましい実施形態では、DNPプロセスは液体ヘリウム及び約1T以上の磁場中で実施される。好適な分極ユニットは、例えば国際公開第02/37132号に記載されている。好ましい実施形態では、分極ユニットはクライオスタット及び分極手段(例えば、超伝導磁石のような磁場発生手段に取り囲まれた中心ボア内のマイクロ波源に導波管で連結されたマイクロ波チャンバー)を含んでいる。ボアは、垂直方向下方に、少なくとも磁場強度が試料核の分極を引き起こすのに十分な高さ(例えば1〜25T)を有する超伝導磁石近傍のP領域のレベルまで延在している。プローブ(即ち、分極させるべき凍結組成物)用のボアは、好ましくは密封可能であり、低圧(例えば1mbar以下の程度の圧力)まで排気できる。着脱自在の輸送管のようなプローブ導入手段をボアの内部に収容することができ、この管はボアの頂部からP領域にあるマイクロ波チャンバー内の位置まで挿入することができる。P領域は、液体ヘリウムで分極を引き起こすのに十分な低温(好ましくは0.1〜100K、さらに好ましくは0.5〜10K、最も好ましくは1〜5K程度の温度)に冷却されている。プローブ導入手段は、好ましくは、ボア内に部分真空を保持できるようにその上端が任意適宜の方法で密封可能である。プローブ保持カップのようなプローブ保持容器を、プローブ導入手段の下端の内部に着脱自在に取り付けることができる。プローブ保持容器は、好ましくは比熱容量が低くかつ極低温特性に優れた軽量材料(例えばKelF(ポリクロロトリフルオロエチレン)又はPEEK(ポリエーテルエーテルケトン))で作られている。それは、2以上のプローブを収容できるように設計することができる。
【0051】
プローブをプローブ保持容器内に挿入し、液体ヘリウム中に浸漬し、マイクロ波で照射する。マイクロ波周波数はDNP剤のEPR線から決定できるが、これは28.0GHz/Tのように磁石の磁場強度に依存する。最適マイクロ波周波数は、最大NMR信号に関する周波数を調整することで決定できる。好ましくは、最適マイクロ波周波数は3.35Tに充電された磁石に対しては約94GHzであり、4Tに充電された磁石に対しては110GHzであり、5Tに充電された磁石に対しては140GHzであり、7Tに充電された磁石に対しては200GHzである。出力は、プローブサイズに応じて50〜200mWの範囲内で選択できる。分極レベルは、前述したようにして(例えば、マイクロ波照射中にプローブの固体状態13C−NMR信号を取得することにより)モニターできる。一般に、NMR信号を時間に対して示すグラフ中に飽和曲線が得られる。したがって、最適分極レベルに到達した時点を決定することが可能である。固体状態13C−NMR測定は、好適には小さいフリップ角を用いる単パルス取得NMRシーケンスからなる。動的核分極された核(即ち、13C−フルクトース中の13C核)の信号強度を、DNP前の13C−フルクトース中の13C核の信号強度と比較する。次いで、DNP前後における信号強度の比から分極レベルを計算する。
【0052】
DNPプロセス後、過分極13C−フルクトースを含む凍結固体組成物は固体状態から液体状態に移行される(即ち、液化される)。これは、適当な溶媒又は溶媒混合物(溶解媒質)に溶解すること或いは(例えば、熱の形態でエネルギーを加えて)固体組成物を融解することによって実施できる。溶解が好ましく、溶解プロセス及びそのための好適な装置は国際公開第02/37132号に詳述されている。融解プロセス及び融解用の好適な装置は、例えば国際公開第02/36005号に記載されている。簡単に述べれば、分極装置から物理的に分離しているか、或いは分極装置及び溶解ユニット/融解ユニットを含む装置の一部である溶解ユニット/融解ユニットが使用される。好ましい実施形態では、緩和を改善して過分極の最大値を保持するため、溶解/融解は高い磁場中(例えば、分極装置内)で実施される。磁場の節点は避けるべきであり、低い磁場は上記の対策を講じても緩和の増大をもたらすことがある。
【0053】
過分極13C−フルクトースを含む組成物を溶解によって液化する場合には、特に好ましくは過分極13C−フルクトースをインビボ13C−MR検出用のイメージング媒体中に使用する予定であれば、水性キャリヤー、好ましくは生理学的に認容されかつ薬学的に許容される水性キャリヤー(例えば、水、緩衝液又は食塩水)が溶媒として好適に使用される。インビトロ用途のためには、例えば、DMSO又はメタノール或いは水性キャリヤー及び非水性溶媒を含む混合物(例えば、DMSOと水との混合物又はメタノールと水との混合物)のような非水性溶媒又は溶媒混合物も使用できる。
【0054】
「緩衝溶液」及び「緩衝液」という用語は、以後は互換的に使用される。本願の文脈中では、「緩衝液」は1種以上の緩衝液を意味し、即ち緩衝液の混合物も包含する。
【0055】
好ましい緩衝液は生理学的に認容される緩衝液であり、さらに好ましくは約7〜8のpH範囲内で緩衝作用を有する緩衝液、例えばリン酸塩緩緩衝液(KH2PO4/Na2HPO4)、ACES、PIPES、イミダゾール/HCl、BES、MOPS、HEPES、TES、TRIS、HEPPS又はTRICINである。
【0056】
別の好ましい実施形態では、水性キャリヤー又は(該当する場合には)複合水性キャリヤー/塩基溶液は、さらに遊離常磁性イオンを結合又は錯体化し得る1種以上の化合物(例えば、DTPA又はEDTAのようなキレート化剤)を含んでいる。
【0057】
過分極がDNP法によって実施される場合、過分極13C−フルクトースを含む液体からDNP剤(好ましくはトリチルラジカル)及び任意の常磁性金属イオンを除去することができる。過分極13C−フルクトースをインビボで使用するためのイメージング媒体中に使用する予定であれば、これらの化合物を除去することが好ましい。
【0058】
トリチルラジカル及び常磁性金属イオンを除去するために有用な方法は当技術分野で公知であり、国際公開第2007/064226号及び同第2006/011809号(これらの開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されている。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明の方法で使用する過分極13C−フルクトースは、13C−フルクトース、式(1)のトリチルラジカル及び任意にはGd3+を含む常磁性キレートを含む組成物の動的核分極によって得られる。この好ましい実施形態では、トリチルラジカル及び(使用するならば)Gd3+を含む常磁性キレートの溶液を調製する。溶解したトリチルラジカル及び任意の溶解した常磁性キレートを13C−フルクトースナトリウムに添加し、この組成物を好ましくは音波処理又は渦動混合することですべての成分の緊密な混合を促進する。
【0060】
本発明の方法に係るイメージング媒体は、インビトロ13C−MR検出(例えば、ヒト又はヒト以外の動物の身体から導かれる細胞培養物、身体試料、エクスビボ組織或いは単離器官中での13C−MR検出)用のイメージング媒体として使用できる。この目的のためには、イメージング媒体は、例えば、細胞培養物、尿や血液や唾液のような試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官に添加するのに適した組成物として提供される。かかるイメージング媒体は、イメージング剤(即ち、MR活性剤である過分極13C−フルクトース)に加えて、インビトロ細胞又は組織アッセイに適合しかつそのために使用される溶媒(例えば、DMSO又はメタノール或いは水性キャリヤー及び非水性溶媒を含む溶媒混合物(例えば、DMSOと水又は緩衝液との混合物或いはメタノールと水又は緩衝液との混合物))を含むことが好ましい。当業者には自明の通り、かかるイメージング媒体中には薬学的に許容されるキャリヤー、賦形剤及び製剤化助剤が存在し得るが、かかる目的のために必要なわけではない。
【0061】
さらに、本発明の方法に係るイメージング媒体は、インビボ13C−MR検出(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体に関して実施される13C−MR検出)用のイメージング媒体として使用できる。この目的のためには、イメージング媒体はヒト又はヒト以外の動物の生体への投与に適している必要がある。したがって、かかるイメージング媒体は、イメージング剤(即ち、MR活性剤である過分極13C−フルクトース)に加えて、水性キャリヤー、好ましくは生理学的に認容されかつ薬学的に許容される水性キャリヤー(例えば、水、緩衝液又は食塩水)を含むことが好ましい。かかるイメージング媒体はさらに、通常の薬学的又は獣医学的キャリヤー又は賦形剤(例えば、ヒト医学又は獣医学における診断用組成物に関して常用されている安定剤、重量オスモル濃度調整剤、可溶化剤などの製剤化助剤)を含むことができる。
【0062】
本発明の方法で使用するイメージング媒体をインビボ13C−MR検出(即ち、ヒト又はヒト以外の動物の生体内での13C−MR検出)のために使用するならば、前記イメージング媒体は好ましくは前記生体に非経口的に(好ましくは静脈内に)投与される。一般に、検査すべき生体はMR磁石内に配置される。専用の13C−MR RFコイルが、検査対象領域をカバーするように配置される。イメージング媒体の用量及び濃度は、毒性及び投与経路のような一連の因子に依存する。投与後400秒未満、好ましくは120秒未満、さらに好ましくは投与後60秒未満、特に好ましくは20〜50秒に、複合した周波数及び空間選択的なやり方で検査対象体積をエンコードするMRイメージングシーケンスを適用する。MRシーケンスの正確な適用時間は、検査対象体積及び化学種に大きく依存する。
【0063】
本発明に係る13C−MR検出方法では、13C−フルクトース(すべての異性体を含む)、13C−フルクトース−6−リン酸及び13C−フルクトース−1−リン酸の信号を検出することが好ましい。ヘキソキナーゼによるフルクトース−6−リン酸への一段階代謝は、解糖の最初の段階に類似している。過分極フルクトースとヘキソキナーゼとの反応は、数秒以内にリン酸化ペントース(即ち、フルクトフラノース−6−リン酸)を生じる。したがって、13C−フルクトース−6−リン酸の検出は、13C−フルクトフラノース−6−リン酸の検出を含む。フルクトースはまた、フルクトキナーゼによってフルクトース−1−リン酸にも代謝され得るが、これは主として肝臓で起こる反応である。過分極13C−フルクトをイメージング剤として使用すれば、過分極フルクトフラノース−6−リン酸の検出に基づいて癌を正常組織から識別できる。過分極フルクトースの酵素転化は、ピルビン酸塩の上流における解糖代謝の重要な変化(例えば、アップレギュレートしたヘキソース取込み、ヘキソキナーゼ活性、及びペントースリン酸経路中のフラックスの変化)のプロービングを可能にする。
【0064】
かくして、好ましい実施形態では、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出方法であって、13C−フルクトース、13C−フルクトース−6−リン酸及び13C−フルクトース−1−リン酸の信号、好ましくは13C−フルクトース及び13C−フルクトース−6−リン酸の信号を検出する方法が提供される。
【0065】
本発明の文脈中における「信号」という用語は、13C−フルクトース又はその代謝産物を表す13C−MRスペクトル中のピークの、ノイズに対するMR信号振幅又は積分又はピーク面積をいう。好ましい実施形態では、信号はピーク面積である。
【0066】
本発明の方法の好ましい実施形態では、上述した13C−フルクトース及びその代謝産物の信号を用いて代謝プロファイルが生成される。
【0067】
一実施形態では、上述した13C−フルクトース及びその代謝産物の信号を用いて、ヒト又はヒト以外の動物の生体の代謝プロファイルが生成される。前記代謝プロファイルは、全身から導くことができ、例えば全身のインビボ13C−MR検出によって得ることができる。別法として、前記代謝プロファイルは、検査対象領域(即ち、前記ヒト又はヒト以外の動物の生体の特定の組織、器官又は部分)から生成される。特に、フルクトースの代謝は特定のタイプの癌(例えば、乳癌及び前立腺癌)の病因に関係しているので、前記代謝プロファイルは癌に冒された領域から導くことができる。
【0068】
別の実施形態では、上述した13C−フルクトース及びその代謝産物の信号を用いて、細胞培養物中の細胞、尿や血液や唾液のような試料、生検組織のようなエクスビボ組織又は単離器官の代謝プロファイルが生成される。その場合、前記代謝プロファイルはインビトロ13C−MR検出によって生成される。
【0069】
かくして、好ましい実施形態では、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出方法であって、13C−フルクトース及びその代謝産物の信号を検出し、前記信号を用いて代謝プロファイルを生成する方法が提供される。
【0070】
一実施形態では、13C−フルクトース及びその代謝産物(13C−標識化合物)のスペクトル信号強度を用いて代謝プロファイルが生成される。別の実施形態では、13C−標識化合物のスペクトル信号積分を用いて代謝プロファイルが生成される。別の実施形態では、13C−標識化合物の個別画像からの信号強度を用いて代謝プロファイルが生成される。さらに別の実施形態では、2以上の時点で13C−標識化合物の信号強度を求めることで13C−標識化合物の変化速度が計算される。
【0071】
別の実施形態では、代謝プロファイルは13C−標識化合物の処理信号データ(例えば、多重MR検出の信号パターン(即ち、スペクトル又は画像)から導き出される信号の比、補正信号或いは動力学的又は代謝速度定数情報)を含むか、或いはかかる処理信号データを用いて生成される。かくして、好ましい実施形態では、補正13C−フルクトース信号(即ち、13C−フルクトース/13C−フルクトース−6−リン酸信号及び/又は13C−フルクトース/13C−フルクトース−1−リン酸信号)が代謝プロファイル中に含まれるか、或いはそれを用いて代謝プロファイルが生成される。さらに別の好ましい実施形態では、補正13C−フルクトース/総13C−炭素信号が代謝プロファイル中に含まれるか、或いはそれを用いて代謝プロファイルが生成される。ここで、総13C−炭素信号は13C−標識化合物の信号の和である。
【0072】
本発明に係る方法の好ましい実施形態で生成された代謝プロファイルは、検査すべき身体、身体部分、細胞、組織、身体試料などの代謝状態又は活性に関する情報を提供し、前記情報は例えば疾患を同定し、疾患の経過をモニターし、及び/又は病態を判定し、或いは治療の正否をモニターするために以後の段階で使用できる。
【0073】
かかる疾患は腫瘍であり得る。これは、腫瘍組織が通常は健常組織より高い代謝活性によって特徴づけられるからである。かかる高い代謝活性は、腫瘍又は腫瘍のエクスビボ試料の代謝プロファイルを健常組織(例えば、周囲組織又は健常エクスビボ組織)の代謝プロファイルと比較することで判定でき、前記代謝プロファイル中に13C−標識化合物の高い信号又は高い補正13C−フルクトース信号又は高い代謝速度、或いは高いフルクトース−6−リン酸信号、或いは高いフルクトース−6−リン酸/フルクトース比となって現れることがある。
【0074】
別の疾患は心臓の虚血であり得る。これは、虚血心筋組織が通常は健常心筋組織より低い代謝活性によって特徴づけられるからである。この場合にも、かかる低い代謝活性は、虚血心筋組織の代謝プロファイルを健常心筋組織の代謝プロファイルと比較することで判定できる。さらに、13C−フルクトースは恐らく他の既知薬剤より高い速度で血液脳関門を通過するので、それは神経用途のためにも有用であり得る。
【0075】
さらに別の疾患は、非アルコール性脂肪肝疾患のような肝臓関連疾患であり得る。
【0076】
本発明の別の態様は、13C−フルクトースナトリウム、トリチルラジカル及び任意には常磁性金属イオンを含む組成物である。
【0077】
第1の実施形態では、前記組成物は13C−フルクトース、トリチルラジカル及び任意には常磁性金属イオンを含んでいる。好ましい実施形態では、前記13C−フルクトースは[2−13C]−フルクトースである。別の好ましい実施形態では、前記トリチルラジカルは式(1)のトリチルラジカルである。式中、Mは水素又はナトリウムを表し、R1は好ましくは同一であり、さらに好ましくは直鎖又は枝分れC1〜C4−アルキル基、最も好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルである。或いは、R1は好ましくは同一であり、さらに好ましくは1つのヒドロキシル基で置換された直鎖又は枝分れC1〜C4−アルキル基、最も好ましくは−CH2−CH2−OHである。或いは、R1は好ましくは同一であり、−CH2−CH2−O−CH3を表す。
【0078】
別の好ましい実施形態では、前記組成物は常磁性金属イオンを含み、前記常磁性金属イオンは好ましくは常磁性金属イオンとしてGd3+を含む化合物、好ましくはキレーター及び常磁性金属イオンとしてのGd3+を含む常磁性キレートである。好適には、前記組成物はさらに1種以上の溶媒を含み、好ましくは水性キャリヤー、最も好ましくは水が溶媒として使用される。上述の組成物は、動的核分極(DNP)によって高い分極レベルで過分極13C−フルクトースナトリウムを得るために使用できる。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、過分極13C−フルクトースナトリウム、任意にはトリチルラジカル及び任意には常磁性金属イオンを含む組成物であって、当該組成物が動的核分極によって得られるものである。過分極13C−フルクトースナトリウムを含組成物を製造する場合、DNP剤として使用されたトリチルラジカルは最終段階として任意に除去することができる。
【0080】
本発明のさらに別の態様は、過分極13C−フルクトース、好ましくは[2−13C]−フルクトースである。
【0081】
本発明のさらに別の態様は、過分極13C−フルクトース、好ましくは[2−13C]−フルクトースを含むイメージング媒体である。本発明に係るイメージング媒体は、13C−MR検出におけるイメージング媒体として使用できる。
【0082】
以下の非限定的な実施例によって本発明を例示する。
【実施例】
【0083】
実施例1:フルクトースの過分極
Ardenkjaer−Larsen et al(2003)[Increase in signal−to−noise ratio of >10,000 times in liquid−state NMR.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.100,10158−10163]によって記載されたようにして、15mM OX063トリチルラジカル(Oxford Instruments社)を含む水に溶解した2−[13C]−フルクトース(Isotec社、マイアミズバーグ、米国オハイオ州)の4.0M溶液をHypersense装置(Oxford Instruments社)で過分極させた。凍結試料を1×リン酸塩緩衝食塩水(PBS)に溶解したところ、得られたpHは7.6であり、それを直ちに10mmのNMR管に移した。
【0084】
11.7T試験:10mmの15N/31P/13C三重同調直接検出プローブを用いて、11.7T Varian INOVA分光計(125MHz 13C、Varian Instruments社)上でNMR試験を実施した。最初に、エルンスト角パルス(45度)を用いて、37℃の1×PBS緩衝液中の天然存在比フルクトース試料に関する熱スペクトルを取得した(nt=9000、sw=30000、np=30000、TR=3.5秒、取得時間=0.5秒)。図2は、フルクトースの天然存在比13Cスペクトルを示している。C2炭素共鳴は、フルクトース分子の2つの環形態(ピラノース形及びフラノース形)の異性体分布に対応している。
【0085】
過分極13Cスペクトルの取得のため、5°パルス及びwaltz−16デカップリングスキームを用いてデカップリングされたプロトンを用いて、80パルス過分極13C NMRスペクトル(1平均、スペクトル窓=30000Hz、点の数=30000、TR=3.5秒、取得時間=0.5秒、総取得時間=2分55秒)を取得した。過分極試験に続いて、90°チップ角及び概して4T1の反復時間(TR=76秒、nt=64)を使用しながら、ほぼ同一のパラメーターを用いて熱データを取得した。T1は、過分極化合物の信号減衰曲線への単一指数関数当てはめを行うことで求めた。信号増強%分極は、過分極データセットと熱データセットとを比較し、チップ角の差及び得られた過渡値を考慮することで計算した。固体状態分極は、T1減衰を用いて、増強を分極装置からの移行時間について補正することで計算した。
【0086】
実施例2:[2−13C]−フルクトースを用いた代謝のNMR試験
フルクトースからフルクトース−6−リン酸への酵素転化のNMR試験のため、15mM ATP、50mM TRIS及び13mM MgCl2の存在下で過分極[2−13C]−フルクトースを400Uのヘキソキナーゼ(Sigma Aldrich社)と反応させた。輸送及び代謝に関する標識及び機構を下記に示す(図1)が、この酵素試験では、輸送要素を除去して酵素活性を独立に測定した。同様な1組の実験パラメーターを使用しながら、天然存在比炭素スペクトルを用いてフルクトース−6−リン酸に対応するピークを同定した。
【0087】
3T試験:MNS(多核分光法)ハードウェアパッケージを備えた3T GE Signa(商標)スキャナー(GE Healthcare社、ワウケシャ、米国ウィスコンシン州)を用いてT1試験を実施した。5°非局在化パルス、TR=3秒、及び単一指数関数への当てはめを用いて溶液スペクトルを取得した。これらの実験で使用したRFコイルは、初期の設計に基づきかつ13C−ピルビン酸塩マウスイメージング試験でも使用したクアドラチュア(quadrature)13Cチャンネル及び線形1Hチャンネル構成を有する二重同調1H−13Cコイルであった。動物試験のためには、解剖学的構造を表示しかつ検査対象領域上にボクセルを配置するため、MRSI試験に先立ってT2重み付き高速スピンエコー画像を取得した。Hu S et al.(2008)[Compressed sensing for resolution enhancement of hyperpolarized 13C flyback 3D−MRSI.J Magn Reson 192,258−264]によって以前に発表された圧縮センシング二重スピン3D MRSI取得スキームを用いて、TS=140ミリ秒、TR=215ミリ秒、FOV=8cm×8cm及び16×8分解能の条件下でインビボMRSI試験を実施した。前立腺癌のトランスジェニックモデル(TRAMP)における[1−13C]−ピルビン酸塩に関してAlbers MJ et al.(2008)[Hyperpolarized 13C lactate,pyruvate and alanine:noninvasice biomarkers for prostate cancer detection and grading.Cancer Res.68,8607−8615]が記載した方法と同様にして、500μlの80mM[2−13C]−フルクトースを注射した。これらの注射を、検査対象腫瘍領域内の同じボクセルに関して標準的な[1−13C]−ピルビン酸塩注射と比較した。
【0088】
結果
2フルクトース炭素に関して計算したT1を、11.7T及び3Tの両方について表1に示す。対象炭素のT1緩和は、磁気強度の減少に伴って僅かに減少している。フルクトースの異性体間におけるT1の有意差は存在しなかった。%分極はフルクトースの異性体に関して同様な値を示し、平均は12%程度であった。フルクトースに関して5.9〜7.8のpH範囲で観察したところ、T1のpH依存性は存在しなかった。
【0089】
【表1】

過分極C2−フルクトースとヘキソキナーゼとの反応は、数秒以内にリン酸化ペントースを生じる。図3は、緩衝液中のヘキソキナーゼにフルクトースを添加してから5秒以内の転化を示している。スペクトルのダウンフィールド(downfield)領域の拡大(図3a)は、β−フルクトフラノース及びβ−フルクトピラノース−6−リン酸の組合せである105.5ppmの共鳴の分裂を示している。図3はまた、過分極取得物の最初のスキャン(図3b)とDNPから85分以上経過した後に熱スペクトル(図3c)とを比較している。今では酵素がフルクトースをフルクトース−6−リン酸に完全に転化させ、β−フルクトピラノースに対応する共鳴がもはや存在しないことは明らかである。
【0090】
図4は、同じTRAMPマウスにおいて80mMの過分極フルクトース(図b)及びピルビン酸塩(図4c)を別々に注射した後の代謝を示している。原発性TRAMP腫瘍は、高い過分極乳酸塩レベルを示すと共に、フルクトース及びその代謝産物であるβ−フルクトピラノース−6−リン酸の過分極スペクトルの良好な信号/ノイズ比を示している。溶液中におけるフルクトースのピラノース及びフラノースの異性体比は約77/23であるので、105.5ppmのインビボピーク(及び見られる場合には下流の108.25ppmの共鳴)は主としてフルクトピラノース−6−リン酸に由来する。この初期乃至中期段階のTRAMP腫瘍では、共に高いレベルのLDH活性及び恐らくヘキソキナーゼ活性が同じ0.035ccのボクセルにおいて注射から15秒後に可視化された。次いで、これをさらに進めて、一層広汎性の前立腺腫瘍に適用した(図5)。MRSIデータは、広汎性腫瘍の領域では、周囲の良性組織に比べて複合したβ−フルクトフラノース及びβ−フルクトフラノース−6−リン酸に対応する共鳴が高いことを示している。また、この共鳴とβ−フルクトピラノース共鳴との比は周囲の組織に比べて増大している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体を用いる13C−MR検出方法。
【請求項2】
13C−フルクトース、13C−フルクトース−6−リン酸及び/又は13C−フルクトース−1−リン酸の信号が検出される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記信号を用いて代謝プロファイルが生成される、請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
当該方法がインビボ13C−MR検出方法であり、前記代謝プロファイルがヒト又はヒト以外の動物の生体の代謝プロファイルである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
当該方法がインビトロ13C−MR検出方法であり、前記代謝プロファイルが細胞培養物中の細胞、身体試料、エクスビボ組織又は単離器官の代謝プロファイルである、請求項3記載の方法。
【請求項6】
13C−フルクトース、トリチルラジカル及び任意には常磁性金属イオンを含む組成物。
【請求項7】
前記13C−フルクトースが[2−13C]−フルクトースである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記常磁性金属イオンが存在し、Gd3+を含む常磁性キレートである、請求項6記載の組成物。
【請求項9】
前記トリチルラジカルが次の式(1)のトリチルラジカルである、請求項6乃至請求項8のいずれか1項記載の組成物。
【化1】

(式中、
Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
R1は同一又は相異なるものであって、1以上のヒドロキシル基で任意に置換された直鎖又は枝分れC1〜C6−アルキル基或いは−(CH2)n−X−R2基(式中、nは1、2又は3であり、XはO又はSであり、R2は1以上のヒドロキシル基で任意に置換された直鎖又は枝分れC1〜C4−アルキル基である。)を表す。)
【請求項10】
動的核分極で使用するための、請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
過分極13C−フルクトース、任意にはトリチルラジカル及び任意には常磁性金属イオンを含む組成物であって、当該組成物が請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の組成物の動的核分極によって得られる、組成物。
【請求項12】
過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体。
【請求項13】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法で使用するための、過分極13C−フルクトースを含むイメージング媒体。
【請求項14】
過分極13C−フルクトース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−504349(P2013−504349A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528351(P2012−528351)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063194
【国際公開番号】WO2011/029854
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(305040710)ジーイー・ヘルスケア・リミテッド (99)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】