説明

過剰な希釈剤を有する精製カラムを備える微小流体デバイスおよび方法

【課題】流体デバイス中のサンプルを処理するための方法、装置およびシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のデバイスは、精製カラム、精製カラムへの入口開口、出力リザーバー、精製カラムと出力リザーバーとの間の流体連絡、流体連絡を通る流体流を妨げ得る、開放可能で、かつ再閉鎖可能なバルブを備え得る。このようなデバイスを用いてサンプルを処理する方法がまた、提供される。種々の実施形態に従って、精製カラムは、反応産物(例えば、核酸配列増幅反応産物)を受け得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、以前に出願された米国仮特許出願番号60/398,852および60/398,778(共に2002年6月26日に出願された)からの利益を主張し、そして米国特許出願番号10/414,179(2003年4月14日に出願された)の一部係属出願であり、そして米国特許出願番号10/426,587(2003年4月30日に出願された)の一部係属出願である。引用がまた、本明細書により、米国特許出願番号10/336,706;10/336,274;および10/336,330(全て2003年1月3日に出願された)に対してなされる。本明細書中に参照される仮特許出願および特許出願の全ては、その全体において参考として本明細書中に援用される。
【0002】
(分野)
本教示は、サンプルの精製のための方法、デバイス、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
微小流体サンプル調製の場合において、装填されたサンプル容量は、マイクロリットル以下のサイズであり得る。このような小さな容量は、キャピラリー分析デバイスおよびシステム(例えば、キャピラリーシークエンサー注入デバイス(capillary sequencer injection device)およびシステム)に不適合であり得る。マイクロリットル以下のサンプル体積をキャピラリーシークエンサーを用いて使用するために、サンプル容量は、緩衝液または希釈剤の構成容量と共に増大され得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
種々の実施形態に従って、精製カラム、出力チャンバ、精製カラムと出力チャンバとの間の第1の流体連絡、ならびに流体流連絡を通る流体流を妨げるための開放可能で、かつ再閉鎖可能な第1のバルブを備える微小流体デバイスが、提供される。過剰な希釈剤を含む精製物質が、精製カラム中に、例えば最初に、配置され得る。このデバイスは、過剰な希釈剤が精製カラムから出力チャンバ中に移動して取り出された希釈剤を提供することを可能にするバルブを備え得る。次いで、この精製カラムは、流体サンプルを精製し、出力チャンバ中の精製された種を提供するために使用され得る。種々の実施形態に従って、精製カラムは、反応産物(例えば、核酸配列増幅反応産物)を受け得る。したがって、本発明は以下を提供する。
(1)流体サンプルを精製するための方法であって、該方法が、以下:
入口ポートを有する流体デバイスを提供する工程であって、精製カラムが該入口ポートと流体連絡しており、出力リザーバーが該精製カラムと流体連絡している、工程;
該精製カラムに、希釈剤に浸した精製物質、および過剰な希釈剤を提供する工程;
該過剰な希釈剤を、該精製カラムから該出力リザーバーに移動し、取り出された希釈剤を提供する工程;
該流体サンプルを該入口ポートを介して該精製カラムに導入する工程;
該流体サンプルを該精製カラムを介して該出力リザーバー中に移動し、該出力リザーバー中の精製されたサンプルを提供する工程;ならびに
該精製されたサンプルを該出力リザーバー中で該取り出された希釈剤と混合する工程
を包含する、方法。
(2)項目1に記載の方法であって、前記過剰な希釈剤が、移動力を生成する工程を包含する、方法。
(3)項目2に記載の方法であって、前記移動力が、求心力を含む、方法。
(4)項目2に記載の方法であって、前記移動力が、水圧力を含む、方法。
(5)項目2に記載の方法であって、前記移動力が、空圧力を含む、方法。
(6)項目1に記載の方法であって、前記流体サンプルを移動する工程が,移動力を生成する工程を包含する、方法。
(7)項目6に記載の方法であって、前記移動力が、求心力を含む、方法。
(8)項目6に記載の方法であって、前記移動力が、水圧力を含む、方法。
(9)項目6に記載の方法であって、前記移動力が、空圧力を含む、方法。
(10)項目1に記載の方法であって、前記流体サンプルが、生物学的サンプルを含む、方法。
(11)項目1に記載の方法であって、前記流体サンプルが、核酸配列を含む、方法。
(12)項目1に記載の方法であって、前記過剰な希釈剤が、精製チャンバを通って移動し、その後前記流体サンプルが、前記精製カラムに導入される、方法。
(13)項目1に記載の方法であって、前記精製カラムに、希釈剤で浸した精製物質、および過剰な希釈剤を提供する工程が、精製カラムに希釈剤で浸した精製物質を充填し、そして該カラムに過剰な希釈剤を加える工程を包含する、方法。
(14)項目1に記載の方法であって、前記精製カラムに希釈剤で浸した精製物質、および過剰な希釈剤を提供する工程が、該精製カラムに浸した精製物質と過剰な物質との混合物を充填する工程を包含する、方法。
(15)項目1に記載の方法であって、前記精製カラムに精製物質を提供する工程が、該精製物質を前記入口ポートを介して該カラムに加える工程を包含する、方法。
(16)項目1に記載の方法であって、前記精製物質が、サイズ排除粒子を含む、方法。
(17)項目1に記載の方法であって、前記精製物質が、サイズ排除イオン交換粒子を含む、方法。
(18)項目1に記載の方法であって、前記サンプルが、少なくとも1分の間前記精製物質と接触される、方法。
(19)項目1に記載の方法であって、前記サンプルをポリメラーゼ連鎖反応に供し、その後前記流体サンプルを前記精製カラム中に導入する工程をさらに包含する、方法。
(20)項目1に記載の方法であって、前記サンプルを配列決定反応に供し、その後前記流体を前記精製カラム中に導入する工程をさらに包含する、方法。
(21)項目1に記載の方法であって、前記取り出された希釈剤と混合された精製された種を、キャピラリー電気泳動に供する工程をさらに包含する、方法。
(22)項目1に記載の方法であって、前記流体サンプルが塩化物イオンを含み、そして該方法が、前記精製カラム中の該塩化物イオンをイオン交換する工程を包含する、方法。
(23)項目1に記載の方法であって、前記流体デバイスが、微小流体デバイスである、方法。
(24)微小流体デバイスであって、以下:
精製カラムであって、チャンバおよび該チャンバ中に保持される精製物質を含み、該精製物質が、過剰の精製物質希釈剤を含む、カラム;
出力チャンバ;
該精製カラムと該出力チャンバとの間の第1の流体連絡;ならびに
該第1の流体連絡を通る流体流を妨げ得る、開放可能で、かつ再閉鎖可能な第1のバルブ
を備える、微小流体デバイス。
(25)項目24に記載のデバイスであって、前記第1のバルブが、閉められる、デバイス。
(26)項目24に記載のデバイスであって、前記第1のバルブが、開いている、デバイス。
(27)項目24に記載のデバイスであって、以下:
反応チャンバ;
前記精製カラムと該反応チャンバとの間の第2の連絡;
前記第2の流体連絡を通る流体流を妨げ得る、開放可能で、かつ再閉鎖可能な第2のバルブ
をさらに備える、デバイス。
(28)項目24に記載のデバイスであって、前記精製物質が、平均粒子直径を有する粒子を含み、そして前記第1の流体連絡が、平均粒子直径より大きい最小の寸法を有する、デバイス。
(29)項目24に記載のデバイスであって、前記過剰な希釈剤が、前記精製物質のための緩衝液を含む、デバイス。
(30)サンプル処理システムであって、以下:
項目24に記載の微小流体デバイス;
回転軸を有する圧盤;
該微小流体デバイスを該圧盤上にまたは圧盤内に保持し得るホルダ;および
該圧盤を該回転軸の周りに回転し得る駆動ユニット
を備える、サンプル処理システム。
(31)項目30に記載のサンプル処理システムであって、前記駆動ユニット制御し得る駆動制御ユニットをさらに備える、サンプル処理システム。
(32)項目30に記載のサンプル処理システムであって、以下:
前記デバイスを熱し得る熱ユニット;および
該熱ユニットを制御し得る熱制御ユニット
をさらに備える、サンプル処理システム。
【0005】
種々の実施形態に従って、流体サンプルを精製するためのシステムは、上記のような微小流体デバイス、回転軸を備える圧盤、微小流体デバイスを圧盤に固定するためのホルダおよび駆動ユニットを備え得る。このシステムはまた、駆動制御ユニットを備え得る。種々の実施形態に従って、このシステムは、デバイスを熱し得る熱源、および熱源を制御し得る熱制御ユニットを備え得る。熱源は、実質的に熱をデバイスの反応チャンバに向け得る。
【0006】
種々の実施形態に従って、流体デバイスまたはシステムを使用する流体サンプルを精製する方法が、提供される。この方法は、その中に希釈剤で浸された精製物質および過剰な希釈剤を保持する精製カラムを備える流体デバイスを提供する工程、過剰な希釈剤を精製カラムから出力リザーバーへ移動し、取り出された希釈剤を提供する工程、流体サンプルを流体デバイス中の入口ポートを通して精製カラム中に導入する工程、流体サンプルを流
体カラムを通して出力リザーバー中に移動し、精製された種を提供する工程、ならびに精製された種を出力リザーバー中で取り出された希釈剤と混合する工程を包含し得る。流体デバイスは、微小流体デバイス、すなわち、500ミクロン以下の最小の寸法を備える流体経路を有する流体デバイスであり得る。
【0007】
種々の実施形態に従って、過剰な希釈剤を移動する工程は、移動力を生成する工程を包含し得る。種々の実施形態に従って、流体サンプルを移動する工程は、移動力を生成する工程を包含し得る。過剰な希釈剤を移動し、かつ/または流体サンプルを移動するための移動力は、例えば、求心力、水圧力、空圧力またはこれらの力の組み合わせであり得る。
【0008】
種々の実施形態に従って、この方法は、精製カラムに、希釈剤で浸された精製物質および過剰な希釈剤を装填する工程を包含し得る。この装填は、精製カラムを希釈剤で浸された精製物質で充填する工程、および過剰な希釈剤を精製カラムに加える工程を包含し得る。種々の実施形態に従って、この精製物質は、過剰な希釈剤を含み得る。この精製物質および過剰な希釈剤は、精製カラムの入口ポートまたは入口開口を通って精製カラムに加えられ得る。種々の実施形態に従って、過剰な希釈剤を移動する工程は、流体デバイス中の流体サンプルの導入後に、例えば、流体サンプルの精製カラムへの入口ポートを介する導入後に、実施され得る。処理から生じる精製された種および取り出された希釈剤は、例えば、キャピラリー電気泳動検出システムにおいて使用され得る。種々の実施形態に従って、取り出された希釈剤は、構成容量として使用され得る。
【0009】
種々の実施形態に従って、流体サンプルは、核酸配列を含み得る。種々の実施形態に従って、精製された流体サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、サイズ排除イオン交換(SEIE)処置、配列決定反応、核酸増幅反応またはこのような処理の組み合わせの産物であり得る。
【0010】
本明細書中で提供されるデバイス、システムおよび方法は、添付の図面およびその記載を参照してより完全に理解され得る。当業者により理解される改変は、本発明の一部であると考えられ、添付の特許請求の範囲内である。さらなる実施形態が、続く説明に部分的に示され、この説明から部分的に明らかになり、または本明細書中に記載される種々の実施形態の実施により学ばれ得る。
【0011】
前述の一般的な記載および以下の詳細な記載は、例示および説明のみであり、本教示の種々の実施形態のさらなる説明を提供することが意図されることが理解される。
【0012】
(種々の実施形態の説明)
種々の実施形態に従って、入口ポートまたは入口開口、精製カラム、出力リザーバー、精製カラムと出力リザーバーとの間の流体連絡、および流体連絡を通る流体を中断し得る、操作可能でかつ閉鎖可能なバルブを備える微小流体デバイスが提供される。精製カラム、入口開口、出力リザーバー、および流体連絡は、全て単一の基板中または基板上に形成され得る。種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは2つ以上の基板層から形成され得、その結果、精製カラム、入口開口、出力リザーバー、または流体連絡の特徴の少なくとも1つは、1つ以上の他の特徴ではなく異なる基板層に形成され得る。種々の実施形態に従って、1つより多いサンプル処理経路は、基板上または基板中に形成され得、例えば、デバイスは、マルチチャネルデバイスであり得る。基板としては、例えば、以下が挙げられ得る:シリコン材料、ガラス材料、ポリマー材料(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネート/ABSブレンド、ポリビニルクロリド、ポリスチレン、ポリプロピレンオキシド、アクリル含有材料、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのブレンド、ナイロン、ナイロンのブレンド)、またはこのような材料の組み合わせ
。基板としては、ポリアルキリン材料、フルオロポリマー材料、環状オレフィンポリマー材料、またはこれらの組み合わせ、または他の材料との組み合わせが挙げられ得る。基板は、任意の適切な形状(例えば、正方形、矩形、多角形、円形、楕円形、または任意の他の幾何学的形状)であり得る。
【0013】
種々の実施形態に従って、複数の微小流体経路は、単一の基板上に直線的なアレイで配置され得る。適切な配置は、例えば、米国特許出願番号10/336,330、10/336,706、および10/336,274(全て2003年1月3日に出願され、その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載される。当業者に公知の他の適切な配置が、使用され得る。このような配置は、各経路の精製カラムへの過剰の希釈剤、精製材料、および/またはサンプルの自動送達を可能にし得る。このような材料は、当業者に公知の自動化システムによって、例えば、機械式ピペット器機によって自動的に送達され得る。種々の実施形態に従って、微小流体デバイスまたは微小流体デバイスの1つ以上の経路は、適切な反応剤、試薬、緩衝液、または当業者に公知のデバイスにおいて所望の反応を実施するのに有用な他の希釈剤または他の材料を、デバイス製造のときか、またはその付近で予備充填され得る。
【0014】
基板は矩形であり得る。基板は、例えば、約1インチ〜約10インチの長さを有し得、ここで、この長さは、基板における1つ以上の経路に平行な方向として規定される。基板における経路の数に依存して、基板は、任意の適切なサイズを有し得る。ディスク形状の基板は、例えば、約1インチ〜約12インチ、または約4インチ〜約5インチの直径を有し得る。基板は、任意の適切な厚さを有し得る。基板の厚さは、種々の実施形態に従って、例えば、約0.5mm〜約1センチメートルであり得る。約2インチ〜約5インチの長さ、約1インチ〜約3インチの幅、および約1mm〜約1cmの厚さを有する矩形の基板が、例示的である。基板は、単層の材料、コーティングされた材料の層、多層材料、またはこれらの組み合わせを含み得る。例示的な基板は、硬性プラスチック材料の単層基板(例えば、環状オレフィンコポリマー上のポリカーボネート)である。
【0015】
種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは、基板の上側および下側の一方または両方の上にカバーを有する基板を備え得る。カバーは、フランジ可能な材料または弾性の材料であり得る。カバーは、テープ、フィルム、シート、膜、基板、またはこれらの組み合わせであり得る。種々の実施形態に従って、カバーは、ガス透過性であり得る。カバーは、疎水性であり得る。カバーは、親水性であり得る。種々の実施形態に従って、カバーは、約0.03mm〜約3mmの厚さを有し得るが、他の適切な厚さが、カバー材料、基板、微小流体デバイス、およびサンプル流体組成に基づいて、適切なように使用され得る。種々の実施形態に従って、カバーは、チャンバ、チャネル、サンプルウェル、リザーバー、精製カラム、または微小流体デバイスを有する基板における他の構造の1つの側面として機能し得る。カバーを使用して、移動力が微小流体デバイスに適用される場合に、流体サンプルまたは希釈剤を保持し得る。
【0016】
適切な材料を使用して、カバーを形成し得る。適切なカバー材料としては、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリマーフィルム、コポリマーフィルム、またはこれらの組み合わせが挙げられ得る。PCRテープ材料が、カバーとして使用され得る。カバーは、その幅全体または長さ全体にわたって湾曲し得る半剛性プレートであり得る。カバーは、局所的に湾曲または変形し得る。カバーは、例えば、約10マイクロメートル〜約5ミリメートルの厚さ、または約50マイクロメートル〜約100マイクロメートルの厚さであり得る。接着剤または接着剤層を使用して、基板へカバーを結合させる場合、接着剤は、約10マイクロメートル〜約1ミリメートルの厚さ、または約50マイクロメートル〜約100マイクロメートルの厚さを有し得る。
【0017】
種々の実施形態に従って、基板は、基板における前述の経路に沿ったサンプル流体の操作に適切な一連のチャネル、チャンバ、および/またはウェルを有し得る。流体サンプルは、移動力(例えば、求心力、水圧力、空圧力、減圧、重力)によって、または当業者に公知の他の移動力を使用することによって、経路に沿って移動され得る。求心力は、例えば、デバイスが回転圧盤上に取り付けられる場合、回転軸の周りでデバイスを回転させることによって生成され得る。流体サンプルは、移動力によってデバイス中の経路に沿って移動され得る。種々の反応が、流体サンプルが経路に沿って移動するのに続いて、またはそれと同時に流体サンプル上で実施され得る。本明細書中に記載されるような微小流体デバイスは、経路の全部または一部であり得る。
【0018】
種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは、積層、多層デバイスであり得、ここで、各層は同じであり得るか、または残りの層以外の異なるポリマー材料であり得る。種々の実施形態に従って、デバイスは、Society for Biomolecular
Screening(SBS)マイクロプレートフォーマットに準拠し得る。微小流体デバイスは、例えば、約0.5mm〜約3.0mmの厚さであり得る。他の適切な厚さは、基板の材料、精製カラムの長さ、および当業者に公知の他の因子に依存して使用され得る。
【0019】
種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは、小容量、例えば、約0.1マイクロリットル(μl)〜約1ミリリットル(ml)、または約0.5μl〜約10μlの精製を可能にし得る精製カラムを含み得る。種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは、ハイスループットフォーマット、並列フォーマット、直列フォーマット、プレーナーフォーマット、またはこれらの組み合わせで小容量のサンプルの精製を実施し得る。
【0020】
種々の実施形態に従って、そして図1aに示されるように、微小流体デバイス100が提供される。図1aは、デバイス100の上面図であり、デバイス100に形成された微小流体経路である。経路は、サンプル導入チャンバ112、第1のバルブ106、第1の流体連絡101、反応チャンバ102、第2のバルブ110、第2の流体連絡103、精製チャンバ104、第3のバルブ108、および出力チャンバ120を備える。サンプル114は、サンプル導入チャンバ112に配置され得る。過剰な希釈剤118と共に精製材料は、精製チャンバ104に配置され得る。希釈剤は、精製チャンバ104中の精製材料を水和するための緩衝液溶液(例えば、緩衝液溶液、幾らかの水、幾らかの脱イオン水)、有機溶媒、またはこれらの組み合わせであり得る。図1aの経路は、開放状態の第1のバルブ106、閉鎖状態の第2のバルブ110、および開放状態の第3のバルブ108を示す。第3のバルブ108は、図1aにおいて開放しているところが示されているが、初めに閉鎖状態の閉鎖したバルブが提供され得る。第3のバルブ108は、例えば、初めは閉鎖状態であり、精製チャンバ104に過剰の希釈剤118を保持し得る。サンプル導入チャンバ112に充填されたサンプル114、およびデバイス100は、サンプル114がサンプル導入チャンバ112から反応チャンバ102へと流れさせるための求心力に供され得る。バルブ108は、開放状態で示されているので、精製チャンバ104からの過剰の希釈剤118は、サンプル114がサンプル導入チャンバ112から反応チャンバ102へと流れるのと同時に出力チャンバ120へと流れ得る。精製チャンバ104からの過剰の希釈剤118の取り出しは、例えば、第3のバルブ108が閉鎖している場合、同時に実施される必要はない。過剰の希釈剤118の取り出しは、精製されるべきサンプルが精製チャンバ104へと充填される前の任意の時点で生じ得る。第2のバルブ110は、サンプル114の充填の間は閉鎖し得、従って、サンプル114は、反応チャンバ102に回収され得る。精製チャンバ104からの過剰の希釈剤118は、出力ウェル120に回収され得る。反応チャンバー102は増幅チャンバーであり得、その中に予備充填された増幅試薬および反応物を有し得る。精製チャンバー104は、使用前に、その中に充填された過剰の希釈剤と共に精製材料を有し得る。予備充填は、例えば、デバイスの操
作のときに実施され得る。
【0021】
経路が、図1aに関して記載されるように充填された後、経路100は回転され得、図1bに示されるような経路となる。第1のバルブ106は、次いで、第2のバルブ110が閉鎖されたままである間、閉鎖され得る。第3のバルブ108は、所望である場合、閉鎖状態に変更され得るが、必ずしも閉鎖される必要はない。第1のバルブ106が閉鎖された後、例えば、反応チャンバー102は閉鎖されて、高温で処理される場合に、反応チャンバー102における反応産物114’の蒸発損失を予防し得る。反応チャンバー102の反応産物114’は、例えば、核酸増幅の間、配列決定反応の間、熱サイクルに供され得る。熱サイクルは、所望の熱サイクル数で反応チャンバー102において実施され得る。
【0022】
図1bに示されるように、過剰の希釈剤118は、取り出された過剰の希釈剤118’の形態で、精製チャンバー104から取り出され、出力チャンバー120に回収されたままである。精製チャンバー104は、反応チャンバー102において反応が完了した際に、反応チャンバー102から産物を受け、回収する準備ができている。
【0023】
反応に続いて、第2のバルブ110は開放され得、デバイス100は回転され得る。生じる求心力は、精製チャンバー102から第2のバルブ110を通り、第2の流体連絡103を通って精製カラム104へと反応産物114’を移し得る。第3のバルブ108は閉鎖されたままである。第1のバルブ102の状態は、必ずしも変化する必要はない。図1cは、反応産物114’が精製チャンバー104へと移動した後の経路およびデバイス100を示す。
【0024】
図1dは、精製プロセスが精製チャンバー104において実施された後の経路およびデバイス100の状態を示す。第3のバルブ108の状態は、開放状態に変化されて、デバイス100は回転される。回転により生じる求心力は、精製後に、精製チャンバー104から出力チャンバー120へと反応産物114’を移し得、出力チャンバー120において、反応産物114’は、先に取り出された過剰の希釈剤118’により希釈され得る。結果として、希釈され、精製された反応産物118’’が生じる。
【0025】
経路100は、精製材料を精製チャンバー104に保持することができるという特徴を含み得る。経路100は、必要である場合、反応チャンバー102が増幅試薬を保持することができるという特徴を含み得る。第1のバルブ106、第2のバルブ110、第3のバルブ108、第1の流体連絡101、第2の流体連絡103、またはこれらの組み合わせは、所定のサイズよりも小さい粒子および流体のみがそれらを通ることを実質的に可能にするように構成され得る。例えば、米国特許出願番号10/336,706に記載されるような微小流体流れ制限デバイス、フリット、および膜は、粒子の流れを実質的に禁止し、精製カラムに精製材料を保持し得る例示的なデバイスである。
【0026】
種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは、精製カラム、出力チャンバー、精製カラムと出力チャンバーとの間の第1の流体連絡、および第1の流体連絡を介して流体が流れることを中断するための開放可能でかつ再閉鎖可能な第1のバルブを備え得る。過剰の希釈剤と共に精製材料は、精製カラムに配置され得る。過剰の希釈剤は、精製カラムから出力チャンバーへと移動されて、取り出された希釈剤を提供し得る。精製カラムは、流体サンプルを精製して、精製サンプルを提供し得る。精製カラムは、反応部位の産物を受け取り得る。種々の実施形態に従って、出力チャンバーは、反応部位にサンプルを提供し得る。第1のバルブは、閉鎖状態であり得る。第1のバルブは、開放状態であり得る。種々の実施形態に従って、微小流体デバイスは、反応チャンバー、精製カラムと反応チャンバーとの間の第2の流体連絡、および第2の流体連絡を介して流体が流れることを中断する
ための開放可能でかつ再閉鎖可能なバルブを備え得る。精製材料は、平均粒子サイズを有し得る。第1の流体連絡は、平均粒子サイズを有する材料の流れを実質的に禁止し得る。第1のバルブは、平均粒子サイズを有する材料の流れを実質的に禁止し得る。
【0027】
種々の実施形態に従って、1以上のバルブが開放され得、再閉鎖され得る。種々の実施形態に従って、1以上のバルブが再開放可能であり得る。種々の実施形態に従って、1以上のバルブは、例えば、米国特許出願第10/336,274号(2003年1月3日出願、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるようなものであり得る。
【0028】
種々の実施形態に従って、サンプル導入チャンバーは、穴、開口部、開口または精製カラムへの入口を提供し、かつそのカラムと流体連絡している任意の他の特徴であり得る入口ポートを備え得る。種々の実施形態に従って、その入口ポートは、チャンバー、チャネル、または流体サンプルを含むか保持するかもしくは方向付け、かつ精製カラムと流体連絡している他の構造であり得る。種々の実施形態に従って、その入口ポートは、反応チャンバーと流体連絡している出力開口を備え得る。例えば、そのデバイスは、第2の微小流体デバイスの入口ポートが第1の微小流体デバイスからの出力チャンバーであり得るように1つを超える経路を備え得る。
【0029】
種々の実施形態に従って、その出力リザーバーは、穴、開口部、開口、または精製カラムからの出口を提供し、かつそのカラムと流体連絡している任意の他の特徴であり得る。その出力リザーバーは、チャンバー、チャネル、サンプルウェル、または流体サンプルを含むか保持するかもしくは方向付け、かつ精製カラムと流体連絡しているために適した他の構造であり得る。その出力リザーバーは、さらなる反応チャンバーまたはデバイスのための入力チャンバーであり得る。例えば、そのデバイスは、第1の微小流体経路の出力リザーバーが第2の微小流体経路の入力チャンバーであるように接続された1つを超える微小流体経路を備え得る。その出力リザーバーは、PCR反応チャンバー、等温核酸配列増幅反応チャンバー、サイズ排除クロマトグラフィーチャンバー、イオン交換反応チャンバー、核酸連結チャンバー、酵素反応チャンバー、サイズ排除イオン交換反応チャンバー、または別の物理的反応もしくは化学的反応のチャンバーの入力チャンバーであり得る。
【0030】
種々の実施形態に従って、精製カラムの入口ポートおよび出力リザーバーは、各々個々に、基板の第1の表面に、基板の反対側の第2の表面に、基板の側面に、基板のコアに、またはこれらのある組み合わせにおいて位置され得る。入口開口、入口ポート、出力リザーバー、またはこれらの組み合わせは、基板を変形させて、例えば、精製カラムとの連絡を形成することによって、形成され得る。その入口ポートおよび/または出力リザーバーは、精製カラムからの気体の換気を可能にするように設計され得る。
【0031】
種々の実施形態に従って、その精製カラムは、カラム、チャンバー、チャネル、ウェル、試験管、キャピラリー、または精製物質、希釈剤および流体サンプルを含むか保持するかもしくはカプセル化するために適した任意の他の構造であり得る。その精製カラムは、精製物質を含み得る。その精製物質は、精製カラム上の流体サンプルに由来する望ましくない種を保持し得る一方で、所望の種を保持しない任意の材料であり得る。例えば、その精製物質は、サイズ排除クロマトグラフィーマトリクス、アフィニティーマトリクス、ゲル排除マトリクス、イオン交換樹脂マトリクス、サイズ排除イオン交換粒子、もしくは流体サンプルの分離および精製を可能にする他の物質、またはこれらの組み合わせであり得る。種々の実施形態に従って、その精製物質は、粉末、粒状物質、ビーズ、フリット、またはこれらの組み合わせであり得る。その精製物質は、乾燥形態の精製カラムに配置または装填され得るか、精製カラムにスプレーされて、精製カラムの構造に接着し得るか、希釈剤とともに精製カラムに添加され得るか、またはこれらの任意の組み合わせにおいて装
填され得る。
【0032】
種々の実施形態に従って、その精製カラムは、形状が矩形のチャンバであり得る。例示的な精製カラムは、約0.50mmの深さ、約0.50mmの幅、および約20mmの長さであり得、合計5μlの容積を提供する。その精製カラムは、約1nl〜約75μl、約5μl〜約15μl、または約10μlの容積を収容し得る。種々の実施形態に従って、その精製カラムは、この精製カラムが形成される基板の厚みと同じ高さを有し得る。
【0033】
種々の実施形態に従って、精製物質は、精製カラムの製造時または使用前に精製カラムに添加され得る。その精製物質は、希釈剤で飽和され得る。その精製物質は、精製カラム中に過剰の希釈剤を提供するように、希釈剤で過飽和され得る。種々の実施形態に従って、その精製物質は、入口開口を通して精製カラムへ導入され得る。
【0034】
種々の実施形態に従って、本明細書中に提供される微小流体デバイスを有するサンプル処理システムは、サンプル精製のために使用され得る。図2は、例示的なサンプル処理システム399を示す。このシステムは、回転軸386の周りを回転する圧盤380を備え得る。その圧盤380は、微小流体デバイスまたは1以上の微小流体経路を備える他のデバイスを保持および固定するためのホルダ381および383を有し得る。その圧盤380は、加熱要素388、加熱要素388を制御するための選択的制御ユニット390、駆動ユニット(示さず)、および駆動ユニットを制御するための選択的駆動制御ユニット(示さず)を有し得る。これらおよび他の特徴は、圧盤の表面に配置されるかまたは設置され得る。図2は、矢印で圧盤の回転の方向を示す。種々の実施形態に従って、回転の方向は、図2において示される方向の反対方向においてであり得る。
【0035】
図2の例示的サンプル処理システムにおいて、流体サンプルは、求心力によってその処理システムを介して移動され得る。流体サンプルは、移動力(例えば、求心力、水圧力、空圧力、真空、重力)または当業者に公知の他の移動力によって経路を介して移動され得る。
【0036】
種々の実施形態に従って、サンプル処理システムは、圧盤の回転軸に関して軸がずれた1以上の微小流体デバイスの経路を配向するために、圧盤の上に微小流体デバイスホルダを備え得る。種々の実施形態に従って、そのデバイスホルダは、各デバイスの経路が圧盤の半径に対して平行である場合に、その経路の全てが半径からずれて、必要に応じて、圧盤の半径の同じ側面上に位置するように、複数の微小流体デバイスの経路を配列し得る。
【0037】
種々の実施形態に従って、サンプル処理システムは、各デバイスにおいて1以上の微小流体デバイスおよび複数の経路を含み得る。そのサンプル処理システムは、圧盤のデバイスホルダに配置され得、その複数の経路の各入力チャンバは、その複数の経路の各それぞれの出力チャンバよりも、圧盤の回転軸により近くにあり得る。その複数の経路は、平行経路を備え得る。種々の実施形態に従って、そのデバイスの複数の経路の各々は、例えば、直線状配置において、それぞれの入口開口、少なくとも1つの精製カラム、および出力リザーバーを備え得る。
【0038】
種々の実施形態に従って、サンプル処理システムは、圧盤の半径または中心ラインが微小流体デバイスの長さまたは幅に対して垂直であり得るように、圧盤上のホルダに配置された1以上の微小流体デバイスを備え得る。その微小流体デバイスは、微小流体デバイスの長さまたは幅に対して平行に延びる経路を備え得る。その圧盤は、円形、卵形、直線状、矩形、正方形、多角形、または任意の他の適切な幾何的形状であり得る。
【0039】
種々の実施形態に従って、微小流体サンプルを精製する方法(この方法において、サン
プルの望ましくない種は、精製カラム上に保持され得、精製種がカラムから出力リザーバーへと通過され得る)が提供される。サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換、サイズ排除イオン交換、および当業者に公知の他の分離もしくは精製プロセスのうちの1以上の産物であり得る。この方法は、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換、サイズ排除イオン交換、および当業者に公知の他の精製プロセスのうちの1つ以上を含み得る。この方法によって生じた精製種は、さらなるプロセス(例えば、キャピラリー電気泳動分析、DNA配列決定、さらなる精製もしくは分離プロセス)、またはさらなる反応(例えば、核酸配列増幅)のために使用され得る。
【0040】
種々の実施形態に従って、精製方法は、本明細書中に記載される微小流体デバイスを提供する工程、微小流体デバイスの精製カラムを希釈剤および過剰希釈剤で飽和させた精製物質に提供する工程、その過剰希釈剤を精製カラムから出力リザーバーに移動させて、取り出された希釈剤を提供する工程、流体サンプルを、入口開口を介して精製カラムに導入する工程、およびその流体サンプルを精製カラムを介して移動させて、出力リザーバー中に精製種を提供する工程を包含し得る。例示的方法は、図3a〜3dに記載され、以下に記載される。
【0041】
図3aに示されるように、精製カラム4は、精製物質7(例えば、希釈剤6で飽和されたスラリー樹脂)が充填され得る。過剰希釈剤2は、精製物質7に入口開口22を介して添加される。その精製カラム4は、希釈剤6で、必要に応じて過剰希釈剤2で飽和させた精製物質7を用いて予め組み立てられ得る。精製カラム4は、基板製造時または使用時に、入口開口22を介して精製物質7が充填され得る。精製カラム4から取り出された希釈剤を受容し得る出力リザーバー8は、精製カラム4と流体連絡して配置され得る。
【0042】
図3bに示されるように、矢印12の方向に作用する移動力は、精製カラム4に付与されて、取り出された希釈剤10として過剰希釈剤2を精製カラム4から出力リザーバー8へと移動し得る。過剰希釈剤2を移動させることはまた、精製カラム4中に精製物質を詰め得る。矢印12によって示されるような移動力は、水圧力、空圧力、または求心力であり得る。他の移動力(例えば、重力または真空)が使用され得る。取り出された希釈剤10は、内部容積または構成容積であり得る。種々の実施形態に従って、移動力を付与した後、精製物質7は、希釈剤6で飽和されたままであり得、必要に応じて過剰希釈剤なしであり得る。
【0043】
図3cに示されるように、流体サンプル16は、精製カラム4に、入口開口22を介してサンプル注入器14によって添加され得る。サンプル注入器14は、例えば、滴瓶、針、ノズル、ピペット、またはこれらの組み合わせであり得る。その流体サンプルは、手動で導入され得るか、またはロボットまたは他の制御機構によって自動的に導入され得る。流体サンプル16は、望ましくない種および望ましい種17を含む混合物であり得る。図3cに示されるように、流体サンプル16における循環は、望ましい種17を示す。種々の実施形態に従って、望ましくない種は、例えば、ヌクレオチドおよび塩を含み得る。種々の実施形態に従って、望ましい種17としては、例えば、DNA配列決定ラダー、核酸配列、または核酸配列の増幅産物が挙げられ得る。種々の実施形態に従って、流体サンプル16は、精製カラム4へと入口開口22を介して導入され得る。この入口開口は、反応チャンバの出力を備える。種々の実施形態に従って、カラム7における流体サンプル16の装填は、過剰希釈剤2を、取り出された希釈剤10としてカラム4から出力リザーバー8へ移動し得る。種々の実施形態に従って、出力リザーバー8は、流体サンプル16がカラム4に添加される時に、取り出された希釈剤10の全て、一部を含み得るかまたは全く含み得ない。
【0044】
図3dに示されるように、矢印20の方向の移動力が精製カラム4に付与されて、流体
サンプル16を精製カラム4を介して移動し得る。望ましい種17に対応する精製種18は、矢印20によって示される移動力を付与することによって、精製カラム4から溶出され得る。移動力20は、水圧力、空圧力または求心力であり得る。他の移動力(例えば、重力または真空)が使用され得る。精製種18は、出力リザーバー8において取り出された希釈剤10と混合され得る。望ましい種17は、出力リザーバー8において、予め取り出された希釈剤10と混合された精製種18として溶出し得る。望ましい種17は、精製種18として精製カラム4から精製カラム4を詰めるために使用された同じ希釈剤へと溶出され得る。
【0045】
図4は、例示的経路300の拡大図である。この経路は、入力チャンバ302、入力チャネル304、PCRチャンバ306、PCRチャンババルブ308、PCR精製カラム310、PCR精製カラムバルブ312、流体スプリッタ(flow splitter)334、流体スプリッタバルブ313、314、順方向配列決定反応チャンバ315、逆方向配列決定反応チャンバ316、配列決定反応チャンババルブ318、319、順方向配列決定反応精製カラム323、逆方向配列決定反応精製カラム320、順方向配列決定反応カラムバルブ321、逆方向配列決定反応カラムバルブ322、順方向配列決定反応産物出力チャンバ326、および逆方向配列決定反応産物出力チャンバ324を備え得る。図4に示されるように、PCR精製カラム310、順方向配列決定反応精製カラム323、および逆方向配列決定反応精製カラム320は、各々、本明細書中で提供されるように使用され得る。カラム310、320、323の各々は、希釈剤および過剰希釈剤で飽和させた精製物質が充填され得る。PCRチャンバ306、順方向配列決定反応チャンバ315、および逆方向配列決定チャンバ316は、それぞれ、カラム310、320、および323のための入力または入口開口として機能し得る。流体セパレーター(flow separator)334、順方向配列決定反応産物出力チャンバ326、および逆方向配列決定反応産物出力チャンバ324は、それぞれのカラム310、320、および323のための出力リザーバーとして機能し得る。適切な経路は、例えば、Desmondらの米国特許出願第10/336,706号(2003年1月3日出願)において詳細に記載され、これは、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0046】
種々の実施形態に従って、サンプルは、化学的サンプルまたは生物学的サンプルであり得る。サンプルは、溶液であり得る。そのサンプルは、生物学的サンプル(例えば、PCR産物または別の核酸配列増幅反応産物)であり得る。そのサンプルは、例えば、当業者に公知の他の反応プロセスの出力産物(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー反応、イオン交換反応、サイズ排除イオン交換反応、順方向配列決定反応、逆方向配列決定反応または他の反応もしくはプロセスの産物)であり得る。そのサンプルは、例えば、約1nl〜約1ml、または約1μl〜約5μlの量であり得る。
【0047】
希釈剤は、精製物質、サンプル、および/またはその両方との使用に適切な任意の液体であり得る。その希釈剤は、サンプルと反応もせず、それに結合もしないように選択され得る。その希釈剤は、例えば、緩衝溶液、キャリア、ビヒクル、溶媒、試薬、水、またはこれらの組み合わせであり得る。その希釈剤は、当業者に公知の別の液体であり得る。その希釈剤は、サンプル組成に基づいて選択され得る。その希釈剤は、ヒドロゲル精製物質を水和し得る。さらなる希釈剤および精製物質ならびに使用され得るカラムは、例えば、米国特許出願第10/414,179号(2003年4月14日出願、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるものを含む。
【0048】
本明細書中に記載されるような微小流体デバイス、システムおよび方法の種々の特徴に有用な他の物質、成分、および方法の記載は、例えば、Bryningらの米国特許出願第10/336,274号(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)において提供される。
【0049】
当業者は、この広い教示が種々の形態において実施され得ることを、前述の詳細な説明から理解し得る。従って、特定の実施形態およびその例が記載されるものの、その教示の範囲は、そのように限定されるべきではない。種々の変更および改変は、その教示の範囲を逸脱することなく、行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本教示の種々の実施形態が、添付の図面に例示される。本教示は、記載される実施形態に限定されず、以下の説明に示されるような、そして当業者に公知である、等価な構造および方法を含む。図面において:
【図1】図1aは、経路を備え、経路に沿って流れるサンプルを例示するサンプル処理デバイスの上面斜視図である。図1bは、経路を備え、経路に沿って流れるサンプルを例示するサンプル処理デバイスの上面斜視図である。図1cは、経路を備え、経路に沿って流れるサンプルを例示するサンプル処理デバイスの上面斜視図である。図1dは、経路を備え、経路に沿って流れるサンプルを例示するサンプル処理デバイスの上面斜視図である。
【図2】図2は、微小流体デバイスを含む、ホルダにより回転する圧盤に固定された微小流体デバイス処理システムの実施形態を描く。
【図3a】図3aは、精製カラムに希釈剤に浸された精製物質および過剰な希釈剤を提供する工程を包含する、例示的なサンプル精製方法の第1の工程を描く。
【図3b】図3bは、図3aに示される精製カラムから過剰な希釈剤を、力を付加することによって出力リザーバーに移動させる工程を包含する、例示的なサンプル精製方法の第2の工程を描く。
【図3c】図3cは、サンプルを図3bに示される精製カラム中に導入する工程を包含する、例示的なサンプル精製方法の第3の工程を描く。
【図3d】図3dは、精製されたサンプルを、図3cに示される精製カラムから図3cに示される出力リザーバー中に移動させる工程を包含する、例示的なサンプル精製方法の第4の工程を描く。
【図4】図4は、サンプルを処理するための微小流体経路を有する微小流体サンプル処理デバイスの上面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−50276(P2009−50276A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274850(P2008−274850)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【分割の表示】特願2004−524977(P2004−524977)の分割
【原出願日】平成15年7月28日(2003.7.28)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】