説明

過剰増殖性疾患を治療するための新規な組成物および方法

【課題】過剰増殖性疾患(良性腫瘍、癌)を治療するための新規な組成物および方法の提供。
【解決手段】抗炎症活性を有する薬剤、若しくはアセトアミノフェン、フェナセチン、トラマドール等からなる群より選択される第1の薬剤と、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びアデノシン5−一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤とからなる組成物、及び、抗炎症活性を有する薬剤、若しくはアセトアミノフェン、フェナセチン、トラマドール等とからなる群より選択される第1の薬剤と、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びアデノシン5−一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤とからなる組成物。該組成物は、非経口または経口にて投与される方法であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過剰増殖性疾患を治療するための新規な組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、2008年5月16日に出願された米国仮特許出願第61/127,883号および2009年4月7日に出願された米国仮特許出願第61/212,072号の利益を主張するものであり、それらの内容は、全体が本明細書に参考として援用される。
【0003】
世界保健機関によれば、癌で死亡する人は毎年5百万人にのぼる。薬物療法は、癌の3つの主な治療法の一つである。今日では、抗癌剤の方向性は、以下のとおり、即ち、細胞分裂の妨害または阻害、細胞生成周期の調節、腫瘍細胞のアポトーシスへの促進、血管形成の阻害、発癌遺伝子の阻害、腫瘍抑制遺伝子の促進、腫瘍抗原、テロメラーゼの阻害剤および腫瘍細胞の情報伝達の妨害である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
癌などの異常増殖疾患が高い致死率に関連することから、当該技術分野では、良性増殖性疾患および癌の効果的治療が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特定の公知薬物の組合せが、癌をはじめとする過剰増殖性疾患の治療に効果的であるという発見に基づいている。
一態様において、本発明は、(A)抗炎症活性を有する第1の薬剤、またはアセトアミノフェン、フェナセチン、トラマドールなど、(B)酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、またはアデノシン5’−一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤となり得る第2の薬剤、および(C)セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤、を含む組成物を特徴とする。
【0006】
第1の薬剤は、任意の適切な抗炎症性化合物(例えば非ステロイド系抗炎症性化合物)またはアセトアミノフェン、フェナセチン、トラマドールなどであってもよい。例としては、アスピリン、ジクロフェナク(例えばジクロフェナクカリウムまたはジクロフェナクナトリウム)、イブプロフェン(例えばデキシブプロフェンまたはデキシブプロフェンリシン)、インドメタシン、ニメスリド、およびCOX−2阻害剤(例えば一酸化窒素に基づくCOX−2阻害剤またはセレブレックス(登録商標)(4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド))が挙げられる。第1の薬剤のその他の例としては、アスピリン−アルギニン、アルキシリング(Alxiling)、アセチルサリチル酸L−アルギニン;アスピリン−DL−リシン;塩基性サリチル酸ビスマス;サリチル酸ビスマス;サリチル酸マグネシウム;サリチル酸ジエチルアミン;サリチル酸ナトリウム塩;サリチル酸イミダゾール;アミノサリチル酸ナトリウム;アミノサリチル酸イソニアジド;サリチル酸フィソスチグミン;アセチルサリチル酸プレグネノロン;コリンマグネシウム三サリチル酸(トリリセート);酸化亜鉛・サリチル酸;サリチル酸ナトリウムおよびヨウ化ナトリウム;サリチル酸および氷酢酸溶液;ならびにサリチル酸メチルが挙げられる。
【0007】
第2の薬剤は、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォアまたはAMPK活性化剤である。用語「酸化的リン酸化阻害剤」は、酸化的リン酸化を阻害する任意の適切な薬剤、例えば酸化的リン酸化脱共役剤を指す。イオノフォアは、細胞膜の脂質二重層を通してイオンを輸送することが可能な脂質可溶性分子であり、AMPK活性化剤は、AMPKを活性化してその基質をリン酸化する薬剤、たとえばアセチルCoAカルボキシラーゼおよびマロニル−CoAデカルボキシラーゼである。第2の薬剤の例としては、メトホルミン(例えば塩化メトホルミン)、フェンホルミンおよびブホルミンが挙げられる。
【0008】
第3の薬剤は、セロトニン活性の少なくとも一つを保有または保持し、第1および第2の薬剤と併用すると、本発明の標的疾患の1種以上を効果的に治療する化合物であってもよい。例としては、セロトニン(例えば硫酸セロトニン、セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体、または塩酸セロトニン)およびセロトニン再取込み阻害剤が挙げられる。
【0009】
本発明の好ましい組成物は、アスピリン、塩酸メトホルミン、およびセロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体を含有する。
別の態様において、本発明は、本質的に、抗炎症活性を保有する第1の薬剤またはアセトアミノフェン、フェナセチン、トラマドールなどと、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、またはAMPK活性化剤であってもよい第2の薬剤と、セロトニン活性を保有する第3の薬剤と、からなる組成物を特徴とする。本明細書で用いられる用語「本質的に・・・からなる」は、組成物を、その3種の特定の薬剤ならびにその基本的で新規な特徴、即ち本明細書に記載された標的疾患を治療する際の有効性に物質的な影響を与えないもの、に限定している。そのような組成物の一例は、上述の3種薬剤および薬学的に許容され得る担体を含有する。上記の組成物は、第1の薬剤5〜5,000mg(例えば5〜3,000mg、5〜1,500mg、または5〜1,000mg)と、第2の薬剤1〜5,000mg(例えば1〜3,000mg、1〜1,000mg、1〜500mg、または1〜100mg)と、第3の薬剤0.1〜1,000mg(例えば0.1〜100mg、0.1〜50mg、または0.1〜30mg)とを含むか、または上記量に基づいて計算されたものと同比の量を含むことができる。
【0010】
更に別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患を治療する方法を特徴とする。その方法は、上記組成物1種以上の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。上述の疾患は、それらの関連疾患も包含する。
【0011】
本明細書で用いられる用語「治療する」または「治療」は、例えば上記疾患、その症状またはその素因を、治癒する、緩和する、変動させる、影響を与える、改善する、または予防するために、その疾患、そのような疾患の症状、またはそのような疾患の素因を有する対象に、上記組成物の1種以上を投与することを指す。
【0012】
上記の組成物は、任意の投与経路に適した形態であってもよい。例えば組成物が経口投与される場合、特定の実施形態において本発明は、固体(例えば錠剤、カプセル)、液体(例えばシロップ、溶液および懸濁液)、経口溶解性投与形態(例えば経口崩壊性投与形態、ロゼンジおよびトローチ)、粉末または顆粒をはじめとする任意の薬学的に許容され得る経口投与形態により投与されてもよい。
【0013】
該組成物は、非経口投与用に溶液または懸濁液として調製されてもよい。該組成物は、非経口投与の前に、再構成(例えば注射用滅菌水を添加)することが可能な乾燥した形態であってもよい。非経口投与は、任意の体腔または組織、例えば静脈内、動脈内、筋肉内および皮下への投与を包含する。目的の作用部位が固形腫瘍である場合、特定の実施形態において、該組成物を腫瘍に直接注入してもよい。
【0014】
本発明の特定の別の実施形態において、本発明の活性化合物1種以上が、化合物または分子などの担体物質と会合していて、目的の作用部位へ活性化合物1種以上が輸送されるのを促進する。特定の好ましい実施形態において、活性化合物B(過剰増殖組織の治療に有用な)が、過剰増殖組織に配置されたマーカに対応する抗体と共有結合する。本発明のこの態様によれば、少量の活性剤が、担体物質に会合していない活性剤の投与に比較して所望の治療効果を提供し得るため、毒性および有害作用が低下し得ると予測される。
【0015】
上記の第1、第2、および第3の薬剤は、活性化合物だけでなく、適宜、任意の薬学的に許容され得る誘導体、例えばその塩、プロドラッグ、および溶媒和物を含む。例えば塩は、陰イオンと、薬剤上の正電荷の基(例えばアミノ基)の間に形成することができる。適切な陰イオンの例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、クロロフェニルオキシ酢酸塩、マレイン酸塩、トシル酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グルクロン酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、安息香酸塩、エンボン酸塩、グリコール酸塩、パモ酸塩、アスパラギン酸塩、パラクロロフェノキシイソ酪酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、シクロヘキサンカルボン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、ヘキサデカン酸塩、オクタデカン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トリメトキシ安息香酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、アダマンタンカルボン酸塩、グリオキシル酸塩(glycoxylate)、ピロリドンカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、1−グルコースリン酸塩、亜硫酸塩、ジチオン酸塩、およびマレイン酸塩が挙げられる。同様に、塩が、陽イオンと、薬剤上の負電荷の基(例えばカルボン酸塩)との間に形成されていてもよい。適切な陽イオンの例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびアンモニウムイオン、例えばテトラメチルアンモニウムイオンが挙げられる。特定の実施形態において、薬剤は、第4級窒素原子を含む塩も包含する。プロドラッグの例としては、対象に投与すると活性化合物を提供し得るエステルおよび他の薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。溶媒和物は、活性化合物と薬学的に許容され得る溶媒との間に形成された錯体を指す。薬学的に許容され得る溶媒の例としては、水、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが挙げられる。
【0016】
塩のその他の例としては、アルギニン、L−アルギニン酸塩、DL−リシン;塩基性サリチル酸ビスマス;サリチル酸ビスマス;マグネシウム;ジエチルアミン;ナトリウム塩;イミダゾール;アミノサリチル酸ナトリウム;アミノサリチル酸イソニアジド;フィソスチグミン;アセチルサリチル酸プレグネノロン;コリンマグネシウム三サリチル酸(トリリセート);酸化亜鉛;ヨウ化物;氷酢酸溶液;およびメチルが挙げられる。
【0017】
本明細書に記載された疾患の治療に用いられる上記組成物1種以上、および本明細書に記載された疾患の治療用医薬を製造するためのそのような組成物の使用も、本発明の範囲内である。
【0018】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を、以下の記載に示す。本発明の他の特徴、目的、および利益は、その記載および特許請求の範囲から明白となろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、3種の薬剤を含むことができる。
第1の薬剤の例は、ステロイド系抗炎症薬および非ステロイド系抗炎症薬を含むことができる。ステロイド系抗炎症薬の例としては、グルココルチコイド、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、ベクロメタゾン、ジプロピオナート、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオシノロンアセトニド、フルドロコルチゾン、およびプロピオン酸ベクロメタゾンが挙げられる。
【0020】
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の例としては、A183827、ABT963、アセクロフェナク、アセメタシン、アセチルサリチル酸、AHR10037、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アントルメチングアシル、アパゾン、アトリプロフェンメチルエステル、AU8001、ベノキサプロフェン、フルフェナム酸ベンジダミン、ベルモプロフェン、べズピペリロン、BF388、BF389、BIRL790、BMS347070、ブロムフェナク、ブクロクス酸(bucloxic acid)、ブチブフェン、BW755C、C53、C73、C85、カルプロフェン、CBS1108、セレコキシブ、CHF2003、クロロビフェニル、コリンマグネシウム三サリチル酸、CHX108、シミコキシブ、シンノキシカム、クリダナク、CLX1205、COX−2阻害剤、CP331、CS502、CS706、D1367、ダルブフェロン、デラコキシブ、デクスケトプロフェン、DFP、DFU、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクナトリウム・ミソプロストール、ジフルニサル、DP155、DRF4367、E5110、E6087、エルテナク、ER34122、エスフルルビプロフェン、エトリコキシブ、エトドラク、F025、フェルビナクエチル、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンクロジン、フェノプロフェン、フェンチアザク、フェプラゾン、フィレナドール、フロブフェン、フロリフェニン、フロスリド、フルビチンメタンスルホン酸(flubichin methanesulfonate)、フルフェナム酸、フルプロフェン、フルルビプロフェン、FPL62064、FR122047、FR123826、FR140423、FR188582、FS205397、フロフェナク、GR253035、GW406381、HAI105、HAI106、HCT2035、HCT6015、HGP12、HN3392、HP977、HX0835、HYAL AT2101、イブフェナク、イブプロキサム−β−シクロデキストリン、イコズリナム(icodulinum)、IDEA070、イグラチモド、イムレコキシブ、インドプロフェン、IP751、イソキセパク、イソキシカム、KC764、ケトプロフェン、L652343、L745337、L748731、L752860、L761066、L768277、L776967、L783003、L784520、L791456、L804600、L818571、LAS33815、LAS34475、リコフェロン、LM−4108、ロブプロフェン、ロルノキシカム、ルミラコキシブ、マブプロフェン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、メルカプトエチルグアニジン、メソポルフィリン、メトキシブトロパート(metoxibutropate)、ミロプロフェン、モフェブタゾン、モフェゾラク、MX1094、ナブメトン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキセンナトリウム/メトクロプラミド、NCX1101、NCX284、NCX285、NCX4016、NCX4215、NCX530、ニフルミン酸、ニメスリド、一酸化窒素に基づくNSAID(ニトロメド(NitroMed)、マサチューセッツ州レキシントン)、ニトロフェナク、ニトロフルルビプロフェン、ニトロナプロキセン、NS398、カミメボウキ油、ONO3144、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシンダナク、オキシピナク、オキシコドン/イブプロフェン、オキシフェンブタゾン、P10294、P54、P8892、パミコグレル、パルセタサル(parcetasal)、パレコキシブ、PD138387、PD145246、PD164387、ペルビプロフェン、ペメドラク、フェニルブタゾン、ピラゾラク、ピロキシカム、ピロキシカム−β−シクロデキストリン、ピバル酸ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、レスベラトロール、R−ケトプロフェン、R−ケトロラク、ロフェコキシブ、RP66364、RU43526、RU54808、RWJ63556、S19812、S2474、S33516、サリチルサリチル酸(salicylsalicyl acid)、サルサラート、サチグレル、SC236、SC57666、SC58125、SC58451、SFPP、SKF105809、SKF86002、サリチル酸ナトリウム、スドキシカム、スルファサラジン、スリンダク、スプロフェン、SVT2016、T3788、TA60、タルメタシン、タルニフルマート、タゾフェロン、テブフェロン、テニダプ、テノキシカム、テポキサリン、チアプロフェン酸、チルマコキシブ、チルノプロフェン、アルバメル、チノリジン、チオピナク、チオキサプロフェン、トルフェナム酸、トルメチン、トリフルサル、トロペシン、TY10222、TY10246、TY10474、UR8962、ウルソール酸、バルデコキシブ、WAY120739、WY28342、WY41770、キシモプロフェン、YS134、ザルトプロフェン、ジドメタシン、およびゾメピラクが挙げられる。第1の薬剤のその他の例としては、アセトアミノフェン、フェナセチン、トラマドールなどが挙げられる。
【0021】
第1の薬剤の更に他の例としては、アスピリン−アルギニン、アルキシリング、アセチルサリチル酸L−アルギニン;アスピリン−DL−リシン;塩基性サリチル酸ビスマス;サリチル酸ビスマス;サリチル酸マグネシウム;サリチル酸ジエチルアミン;サリチル酸ナトリウム塩;サリチル酸イミダゾール;アミノサリチル酸ナトリウム;アミノサリチル酸イソニアジド;サリチル酸フィソスチグミン;アセチルサリチル酸プレグネノロン;コリンマグネシウム三サリチル酸(トリリセート);酸化亜鉛・サリチル酸;サリチル酸ナトリウムおよびヨウ化ナトリウム;サリチル酸および氷酢酸溶液;ならびにサリチル酸メチルが挙げられる。
【0022】
第2の薬剤の例としては、上記のものに加えて、4,6−ジニトロ−o−クレゾール、非共役蛋白質(例えばUCP1、UCP2、またはUCP3)、シアン化カルボニルp−(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン、シアン化カルボニルm−クロロフェニルヒドラゾン、C5遺伝子産物、ジニトロフェノール(例えば2,4−ジニトロフェノール)、エフラペプチン(A23871)、グアネチジン、クロロプロマジン、アミタール、セコバルビタール、ロテノン、プロゲステロン、アンチマイシンA、ナフトキノン、8−ヒドロキシキノリン、一酸化炭素、シアン化物、アジド(例えばNaN)、ジクマリン、ビリルビン、胆汁色素、エフェドリン、硫化水素、テトラヨードチロニン、ケルセチン、2,4−ビス(p−クロロアニリノ)ピリミジン、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、オリゴマイシン、塩化トリブチルスズ、アウロベルチン、ルタマイシン、ベンツリシジン、メルキュリアル、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジオ−9、m−クロロフェニルヒドラゾンメソキサロニトリル、イオノマイシン、カルシウムイオノフォア(例えばA23187、NMDA、CA1001、またはエンニアチンB)、ミトコンドリア内のCa2+濃度を上昇させる化合物(例えばアトラクチロシド、ボングクレク酸(bongkrekic acis)、タプシガルギン、アミノ酸神経伝達物質、グルタミン酸塩、N−メチル−D−アスパラギン酸、カルバコール、イオノフォア、カリウム脱分極の誘導剤)、アポトーゲン(apoptogen)(即ち、アポトーシスを誘発する化合物)、バリノマイシン、グラミシジン、ノナクチン、ニゲリシン、ラサロシド、およびモネンシンが挙げられる。第2の薬剤は、AMPK活性化剤(例えばメトホルミンまたはフェンホルミン、ブホルミン、AICAR、チエノピリドン、レスベラトロール、ヌートカトン、チアゾール、アディポネクチン、チアゾリジンジオン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンまたはジチオレチオン)であってもよい。
【0023】
第3の薬剤としては、セロトニンおよびその機能的同等物が挙げられる。セロトニンの機能的同等物の例としては:
セロトニン1Aアゴニスト、例えばアリールピペラジン化合物、複素環縮合ベンゾジオキサンのアザヘテロシクリルメチル誘導体、ブスピロン、3−アミノジヒドロ−[1]−ベンゾピランおよびベンゾチオピラン、(S)−4−[[3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−5−イル]メチル]−2−オキサゾリジノン(311C90)および8−OH−DPAT、5−カルボキシアミドトリプタミンヘメエタノラートマレイン酸塩、N,N−ジプロピル−5−カルボキシアミドトリプタミンマレイン酸塩、R(+)−UH−301HCl、S15535、ゲピロン、プシロシビン、キサリプロデンHClおよびタンドスピロン;
セロトニン1Bアゴニスト、例えばCGS−12066a、N−メチルキパジン二マレイン酸塩、リザトリプタンおよびナラトリプタン;
セロトニン1Cアゴニスト、例えばデクスノルフェンフルラミン;
セロトニン1A、1B、1Dおよび1Fアゴニスト、例えばスマトリプタンおよび5−カルボキシアミドトリプタミンヘミエタノラートマレイン酸塩;
セロトニン1Bおよび1Dアゴニスト、例えばジヒドロエルゴタミンおよびGR46611;
セロトニン1Aおよび1Dアゴニスト、例えばLY−165、163;
セロトニン1Aおよび1Eアゴニスト、例えばエルゴノビンおよびBRL54443マレイン酸塩;
5−HT2A/2Cアゴニスト、例えばDOI(2,5−ジメトキシ−4−ヨードアンフェタミン)、mCPP(m−クロロフェニルピペラジン)、TFMPP(3−トリフルオロメチルフェニルピペラジン)、メスカリン、DMT、プシロシン、2C−B、ロルカセリン、メチルセロトニンlaleaste塩および1−(3−クロロフェニル)ピペラジンHCl;
セロトニン2Bアゴニスト、例えばBW723C86;
セロトニン受容体2Cモジュレータ、例えばBVT933、DPCA37215、IK264、PNU22394、WAY161503、R−1065、YM348、VER−3323ヘミフマル酸塩、ならびに米国特許第3,914,250、WO01/66548、WO02/10169、WO02/36596、WO02/40456、WO02/40457、WO02/44152、WO02/48124、WO02/51844、およびWO03/033479に開示されたもの(それらの開示は、全体が参考として援用される);
5−HT3アゴニスト、例えばフェニルビグアニド、O−メチルセロトニHCl、SR57227Aおよび1−(3−クロロフェニル)ビグアニドHCl;
5−HT4アゴニスト、例えばシサプリド、クエン酸モサプリド二水和物およびML10302;
5HT7受容体アゴニスト、例えば4−(2−ピリジル)ピペラジン、LP12塩酸塩水和物、LP44およびキノリン誘導体;
セロトニントランスポータ阻害剤、例えばイミプラミン;
セロトニン再取込み阻害剤、例えばアリールピロリジン化合物、フェニルピペラジン化合物、ベンジルピペリジン化合物、ピペリジン化合物、三環式γ−カルボリンデュロキセチン化合物、ピラジノキノキサリン化合物、ピリドインドール化合物、ピペリジインドール化合物、ミルナシプラン、シタロプラム、セルトラリン代謝産物、デメチルセルトラリン、ノルフルオキセチン、デスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、1−フェンフルラミン、フェモキセチン、イホキセチン、シアノドチエピン、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミン、トラゾドン、ミルタザピン、フルボキサミン、インダルピン、インデロキサジン、ミルナシプラム、パロキセチン、シブトラミン、ジメルジン、塩酸トラゾドン、デクスフェンフラミン、ビシファジン、ビラゾドン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、アミトリプチリン、ブトリプチリン、デシピラミン、ドスレピン、ドキセピン、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、ピロトリプチリン、トリミピラミン、アモキサピン(amoxapnie)、マプロチリン、アドハイパーフォリン、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、デクストロメトルファン、ジフェンヒドラミン、ハイパーフォリン、ケタミン、ネファゾドン、ペチジン、フェンシクリジン、フェニラミン、プロポキシフェン、ならびに米国特許第6,365,633、WO01/27060、およびWO01/162341中のもの(それらの開示は、全体が本明細書に参考として援用される)、EPTI、8−OH−DPAT、プロザック(登録商標)(塩酸フルオキセチン)およびゾロフト(登録商標)(塩酸セルトラリン);
セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤(例えばベンラファキシン、ベンラファキシン代謝産物O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミンおよびクロミプラミン代謝産物デスメチルクロミプラミン);
モノアミン再取込み阻害剤(例えばアミド);
ピリダジノンアルドースリダクターゼ阻害剤(例えばピリダジノン化合物);
セロトニン受容体の刺激剤でもあるセロトニン作動薬(例えばメシル酸エルゴロイドまたはメシル酸ペルゴリド);
セロトニン合成の刺激剤(例えばビタミンB1、ビタミンB3、ビタミンB6、ビオチン、サデノシルメチオニン、葉酸、アスコルビン酸、マグネシウム、コエンザイムQ10、またはピラセタム);
セロトニン受容体アゴニスト、例えばラウオルシン、ヨヒンビン、α−メチル−5−ヒドロキシトリプタミン、1−(1−ナフチル)ピペラジン、メトクロプラミド、HTF−919、R−093877、ゾルミトリプタン、5−メトキシ−N,N−ジメチルトリプタミン、5−MEO−DIPT塩酸塩水和物およびリセルグ酸ジエチルアミド;
セロトニン前駆体、例えばトリプトファン;
神経末端からのセロトニン放出を促進する薬剤、例えばフェンフルラミン、およびノルフェンフルラミン;
上述の化合物全てが、公知の薬物であり、公的に容易に入手できる。薬物の幾つかは、化学品会社、例えばシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)(ミズーリ州セントルイス)から購入することができる。薬物が容易に入手できない場合、特定の実施形態で、化合物を有機的に製造して、許容された規準、例えばメルク・インデックス(Merck Index)、レミントン・ファーマシューティカル・サイエンシーズ(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、USP/NF、および外国の刊行物に見出されるものにより同定し得ることは、当業者には理解されよう。特定の実施形態において、これらの薬物化合物を投与するためのレジメンは周知であり、必要に応じて通常の技能を有する臨床医により容易に再構築され得る。有効な用量は、当業者に認識されるとおり、治療される疾患の種類または程度;対象の寸法、体重、年齢、および性別;投与経路;賦形剤の使用;代謝率、排泄率、およびその他の治療処置との可能な併用に応じて変更され得る。特定の実施形態において、その他の薬物の併用投与が、代謝および/または排泄の上昇または低下をもたらすことで、用量の調整が必要となる可能性がある。特定の別の実施形態において、活性剤の1種以上が血漿蛋白質に結合している場合、結合の度合いに影響を与えるその他の薬物の併用投与にも、用量の調整が必要となる場合がある。上記組成物の一日量は、第1の薬剤5〜10,000mg(例えば10〜5,000または10〜3,000mg)、第2の薬剤1〜5,000mg(例えば2〜1,000または2〜3,000mg)、および第3の薬剤0.1〜1,000mg(例えば1〜50mg)であってもよい。
【0024】
特定の好ましい実施形態において、本発明の組成物のヒト用量は、メトホルミン約5〜5,000mg、アスピリン約1〜5,000mgおよびセロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体約0.1〜1,000mgである。特定のより好ましい実施形態において、該組成物のヒト用量は、連日の複数回投与として投与されるメトホルミン約1000mg、アスピリン約400mgおよびセロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体約4mgである。特定の更に好ましい実施形態において、この用量が1日3回投与される。
【0025】
本発明の一態様は、上述の組成物1種以上の有効量を、本明細書に記載された疾患を治療する対象に投与する方法を特徴とする。そのような対象は、ヘルスケアの専門家、例えば医師により、任意の適切な診断方法の結果に基づいて認定することができる。「有効量」は、治療対象に治療効果を付与するのに必要な本明細書記載の組成物1種以上の量を指す。
【0026】
本発明の方法を実施するために、特定の実施形態において、上記組成物1種以上を、非経口的、経口的、経鼻的、経直腸的、局所的、または口腔内に投与することができる。本明細書で用いられる用語「非経口」は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、硬腔内、病巣内、または頭蓋内注入、および任意の適切な輸注または注入技術を指す。
【0027】
滅菌注射可能組成物が、非毒性で非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。使用が可能な許容され得る担体および溶媒の例は、マンニトール、水、リンガー液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来どおり用いられる(例えば合成モノ−またはジグリセリド)。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に許容され得る油、例えば、特にポリオキシエチレン化されたオリーブ油またはひまし油と同様に、注射可能剤の調製に有用である。
【0028】
これらの油性溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、カルボキシメチルセルロース、または類似の分散剤を含むこともできる。その他の一般に用いられる界面活性剤、例えばツイーン(Tween)もしくはスパン(Span)、または薬学的に許容され得る固体、液体もしくはその他の投与形態の製造に一般に用いられるその他の類似の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ・エンハンサー(baioavailability enhancers)も、製剤の目的で用いることができる。
【0029】
経口投与の組成物は、カプセル、錠剤、乳剤および水性懸濁液、分散体、および溶液など、いずれの経口的に許容され得る投与形態であってもよい。錠剤の場合、一般に用いられる担体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムも通常、添加される。カプセル形態での経口投与で有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液またはエマルジョンが経口投与される場合、活性成分を、乳化剤または懸濁剤を一緒に油相に懸濁または溶解することができる。所望に応じて、特定の甘味剤、着香剤、または着色剤を添加することができる。
【0030】
経鼻エアロゾルまたは吸入組成物を、医薬製剤の技術分野で周知の技術により調製することができる。例えばそのような組成物を、ベンジルアルコールもしくはその他の適切な防腐剤、生物学的利用度を高める吸収促進剤、フッ化炭素、および/または当該技術分野で公知の他の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0031】
局所投与用の組成物は、軟膏、ゲル、膏薬、エマルジョン、ローション、フォーム、混合相もしくは両親媒性エマルジョン系(油/水−水/油混合相)のクリーム、リポソーム、トランスファーソーム、ペースト、または粉末の形態で調製することができる。
【0032】
上記の組成物の任意のものを、経直腸投与用の坐剤の形態で投与することもできる。それを、組成物が腸で放出されるように設計することもできる。例えば該組成物は、小腸または大腸のpHで溶解または分散して薬物を腸に放出する腸溶性ポリマーを含むマトリックスまたは壁またはクロージャをそれぞれ有する固体サブユニットまたはカプセル中に封入されている。適切なそのようなポリマーは、先に記載されたが、例えば米国特許第5,705,189に参照されるとおりである。
【0033】
特定の実施形態において、医薬組成物中の担体は、組成物の活性成分と適合性があり(そして好ましくは活性成分を安定化することができ)、治療される対象に有害でないという意味で「許容され得」なければならない。1種以上の可溶化剤を、活性化合物の送達用の医薬賦形剤として用いることができる。その他の担体の例としては、コロイド状酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C黄色10号が挙げられる。
【0034】
良性腫瘍
本発明の化合物および方法は、様々な良性腫瘍の治療にも適している。良性腫瘍の例としては、副腎腫瘍、例えば腺腫、副腎褐色細胞腫および副腎神経節細胞腫;脳腫瘍、例えば髄膜腫および腺腫;末梢神経腫瘍、例えば神経線維腫および神経鞘腫;肝臓腫瘍、例えば腺腫;甲状腺腫瘍、例えば濾胞性腺腫;副甲状腺腫瘍、例えば腺腫;胸腺腫瘍、例えば胸腺腫;唾液腺腫瘍、例えば多形性腺腫;小腸腫瘍、例えば繊毛腺腫;結腸腫瘍、例えば腺管繊毛腺腫、結腸の腺腫性ポリープおよび大腸腺腫症、膵臓腫瘍、例えば漿液嚢胞腺腫;膵島腫瘍、例えば膵島細胞腫;上咽頭腫瘍(nasopharyngyl tumors)、例えば鼻血管線維腫;卵巣腫瘍、例えば異型増殖性粘液腫瘍、卵巣のブレンナー腫瘍、粘液嚢胞腺腫、乳頭状嚢胞腺腫、卵巣の皮様嚢腫、卵巣奇形腫、卵巣線維腫、黄体腫および卵巣甲状腺腫;子宮腫瘍、例えば子宮細胞平滑筋腫および平滑筋腫;胎盤腫瘍、例えば繊毛血管腫、部分胞状奇胎、全胞状奇胎;骨腫瘍、例えば海綿状血管腫および巨細胞腫;軟組織腫瘍、例えば海綿状血管腫、デスモイド腫瘍、脂肪腫、骨髄脂肪腫および骨軟骨腫;関節腫瘍、例えば滑膜軟骨腫;肺腫瘍、例えばカルチノイド腫、顆粒細胞腫瘍および血管腫;心筋腫瘍、例えば心房粘液腫;乳房腫瘍、例えば線維腺腫、乳管内乳腺腫および神経鞘腫;腎臓腫瘍、例えば先天性中胚葉性腎腫;皮膚腫瘍、例えば巨大先天性真皮内母斑が挙げられる。
【0035】
本発明の組成物を、過剰増殖性疾患の治療用に投与することができる。用語「過剰増殖性疾患」は、正常な細胞増殖の通常の限界に支配されない過剰な細胞増殖を指す。その用語は、悪性だけでなく非悪性の細胞集団も示す。過剰な細胞増殖は、一般人口の参照および/または特定患者の参照、例えば患者の生命の早期の地点、にて決定することができる。過剰増殖性細胞疾患は、異なる型の動物およびヒトに生じる可能性があり、影響を受ける細胞に応じて異なる身体発現を生じる可能性がある。
【0036】
過剰増殖性細胞疾患は、腫瘍および非腫瘍を包含する。本明細書に記載の「腫瘍」は、非制御的で進行性の過剰細胞分裂から生じる組織の異常な塊を指し、新生物とも呼ばれる。
【0037】
腫瘍の例としては、様々な固形腫瘍、例えば咽頭腫瘍、脳腫瘍、頭部および頸部のその他の腫瘍;結腸、直腸および前立腺の腫瘍;乳房および胸郭の腫瘍;卵巣および子宮の腫瘍;食道、胃、膵臓および肝臓、膀胱および胆嚢の腫瘍;皮膚腫瘍、例えばメラノーマなど;ならびに液状腫瘍、例えば白血病が挙げられる。
【0038】
本明細書で用いられる「固形腫瘍」は、通常は嚢胞または液体部分を含まない組織の異常な塊を指す。固形腫瘍は、良性(癌性ではない)または悪性(癌性)であってもよい。固形腫瘍は、正常な組織を模した2種の異なる相互依存的コンパートメント、つまり実質(新生物細胞)と、新生物細胞が導入されて分散される間質と、を含む明確に区分された構造を有する。固形腫瘍の異なる型は、それらを形成する細胞の型で命名される。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、およびリンパ腫である。
【0039】
固形腫瘍は、細胞の大部分が腫瘍細胞または腫瘍関連細胞である腫瘍細胞の位置を意味する。
より具体的には本明細書での腫瘍は、良性(癌性でない)または悪性腫瘍のいずれかを指す。
悪性腫瘍
悪性腫瘍の例は、非限定的に、乳癌:
1.胸管癌:A1.非浸潤性乳管癌(DCIS):面皰癌、篩状型、乳頭型、微小乳頭型;A2.浸潤性乳管癌(IDC):管状癌、粘液(コロイド)癌、髄様癌、乳頭癌、化生癌、炎症性癌;
2.小葉癌:B1.非浸潤性小葉癌(LCIS);B2.浸潤性小葉癌;
3.乳首のパジェット病。
【0040】
女性の生殖器系
子宮頸:子宮頸部上皮内新生物 I期、子宮頸部上皮内新生物 II期、子宮頸部上皮内新生物 III期(非浸潤性扁平上皮癌)、角化型扁平上皮癌、非角化型扁平上皮癌、いぼ状癌、非浸潤性腺癌、子宮頸管型非浸潤性腺癌、類内膜腺癌、明細胞腺癌、腺扁平上皮癌、腺様嚢胞癌、小細胞癌、未分化癌。
【0041】
子宮体部:類内膜癌、腺癌、アデノカントーマ(扁平上皮化生をともなう腺腫)、腺扁平上皮癌(腺癌および扁平上皮癌の混合型)、粘液腺癌、漿液性腺癌、明細胞腺癌、扁平上皮腺癌、未分化腺癌。
【0042】
卵巣:漿液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺癌、粘液嚢胞腺腫、粘液嚢胞腺癌、類内膜腫瘍、類内膜腺腫、明細胞腫瘍、明細胞嚢胞腺癌、分類不能腫瘍。
膣:扁平細胞癌、腺癌。
【0043】
陰門:陰門上皮内腫瘍 I期、陰門上皮内腫瘍 II期、陰門上皮内腫瘍 III期(非浸潤性扁平上皮癌)、扁平上皮癌、いぼ状癌、陰門のパジェット病、腺腫NOS、基底細胞癌NOS、バルトリン腺癌。
男性の生殖器系
陰茎:扁平上皮癌。
【0044】
前立腺:腺腫、肉腫、前立腺の移行細胞癌。
精巣:セミノーマ腫瘍、非セミノーマ腫瘍、奇形腫、胎児性癌、黄体嚢腫瘍、繊毛癌。
心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫。
【0045】
呼吸器系
喉頭:扁平上皮癌。
胸膜中皮腫:原発性胸膜中皮腫。
【0046】
咽頭:扁平上皮癌。

1.扁平上皮癌(類上皮癌)、亜分類:紡錘細胞;
2.小細胞癌、中間細胞型他細胞癌、混合型燕麦細胞癌;
3.腺腫:腺房腺癌、乳頭状腺癌、細気管支肺胞癌、粘膜形成を伴う固形癌;
4.大細胞癌:巨細胞癌、明細胞癌、肉腫。
【0047】
消化管
ファーター膨大部:原発性腺癌、カルチノド腫瘍、リンパ腫。
肛門管:腺腫、扁平上皮癌、メラノーマ。
【0048】
肝外胆管:非浸潤性癌、腺腫、乳頭状腺腫、腸型腺腫、粘液腺腫、明細胞腺腫、印環細胞癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮癌、小細胞(燕麦細胞)癌、未分化癌、癌NOS、肉腫、カルチノイド腫瘍。
【0049】
結腸および直腸:非浸潤性腺癌、腺癌、粘液腺癌(コロイド型:粘液癌が50%を超える)、印環細胞癌(印環細胞が50%を超える)、扁平上皮(類上皮)癌、腺扁平上皮癌、小細胞(燕麦細胞)癌、未分化癌、癌NOS、肉腫、リンパ腫、カルチノイド腫瘍。
【0050】
食道:扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫。
胆嚢:腺癌、腸型腺癌、腺扁平上皮癌、非浸潤性癌、癌NOS、明細胞腺癌、粘液腺癌、乳頭状腺癌、印環細胞癌、小細胞(燕麦細胞)癌、扁平上皮癌、未分化癌。
【0051】
唇および口腔:扁平上皮癌。
肝臓:ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫。
膵外分泌部:導管細胞癌、多形性巨細胞癌、類破骨細胞型巨細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、粘液(コロイド性)癌、嚢胞腺癌、腺房細胞癌、乳頭癌、混合型小細胞(麦芽細胞)癌、癌NOS、未分化癌、ランゲルハンス島に生じた内分泌細胞腫瘍、カルチノイド。
【0052】
唾液腺:腺房細胞癌、腺様嚢胞癌(円柱腫)、腺癌、扁平上皮癌、多形性腺腫内の癌(悪性混合型腫瘍)、高分化型(低悪性度) 低分化型(高悪性度)粘表皮癌。
胃:腺癌、乳頭状腺癌、管状腺癌、粘液腺癌、印環細胞癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮癌、小細胞癌、未分化癌、リンパ腫、肉腫、カルチノイド腫瘍。
【0053】
小腸:腺腫、リンパ腫、カルチノイド腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫。
泌尿器系
腎臓:腎細胞癌、ベリニ管の癌、乳頭状腺癌、管状癌、顆粒細胞癌、明細胞癌(副腎腫)、腎臓の肉腫、腎芽腫。
【0054】
腎盂および尿管:移行細胞癌、乳頭状移行細胞癌、扁平上皮癌、腺癌。
尿管:移行細胞癌、扁平上皮癌、腺癌。
膀胱:非浸潤性癌、移行尿路上皮癌、乳頭状移行細胞癌、扁平上皮癌、未分化型腺癌。
【0055】
筋肉、骨、および軟組織
骨:A.骨形成:骨肉腫、B.軟骨形成:軟骨肉腫、間葉性軟骨肉腫、C.悪性巨細胞腫瘍、D.ユーイング肉腫、E.血管腫:血管上皮腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、F.結合組織腫:線維肉腫、脂質肉腫、悪性間葉細胞腫、未分化肉腫;G.その他の腫瘍:脊索腫、長骨のエナメル上皮腫。
【0056】
軟組織:胞状軟部肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、骨外性軟骨肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂質肉腫、悪性線維性組織球腫、悪性血管周囲細胞腫、悪性間葉細胞腫、悪性神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、肉腫NOS。
【0057】
神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚腫(pilealoma)、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経膠腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)。
【0058】
血液学:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ芽球白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)。
【0059】
内分泌系
甲状腺:乳頭癌(濾胞性病巣を伴うものなど)、濾胞癌、髄様癌、未分化(退形成)癌、神経芽腫:交感神経芽細胞腫、交感神経産生細胞腫、悪性神経節神経腫、神経節交感神経芽細胞腫、神経節神経腫。
【0060】
皮膚
扁平上皮癌、扁平上皮癌の紡錘細胞亜種、基底細胞腫、汗腺または皮脂腺から発症した腺癌、悪性メラノーマ。
【0061】

結膜:結膜の癌。
眼瞼:基底細胞癌、扁平上皮癌、皮脂腺細胞癌。
【0062】
涙腺:腺癌、腺様嚢胞癌、多形性腺腫内の癌、粘表皮癌、扁平上皮癌。
眼瞼:眼瞼のメラノーマ。
ぶどう膜:紡錘細胞メラノーマ、混合細胞メラノーマ、類上皮細胞メラノーマ。
【0063】
眼窩の肉腫:軟組織腫瘍、骨の肉腫。
網膜芽細胞腫:網膜芽細胞腫。
非腫瘍性過剰増殖疾患の例としては、非限定的に、骨髄異形成疾患:非浸潤性子宮頸癌、家族性腸ポリープ、例えばガードナー症候群;口腔白板症;組織球増殖症;ケロイド;血管腫、炎症性関節炎;多角化症および関節炎を含む丘疹落屑性皮疹が挙げられる。同じく、ウイルス誘発性過剰増殖性疾患、例えばいぼおよびEBV誘発疾患(即ち、伝染性単核症)、瘢痕形成、血管増殖性疾患、例えば再狭窄、アテローム性硬化症、ステント内狭窄、移植血管再狭窄など;線維化疾患;乾癬;糸球体腎炎、黄斑変性疾患;良性増殖性疾患、例えば前立腺肥大および脂肪腫;自己免疫性疾患などが挙げられる。
【0064】
本発明の組成物は、非限定的にウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群および房室結節性リエントリ性頻拍、心室頻拍(VT)、心房頻拍、心房粗動および心房細動、上室頻拍などの不整脈の治療に投与することもできる。
【0065】
本発明の組成物は、子宮内膜症、子宮類線維症(子宮筋腫)、月経過多、子宮頸部びらん、子宮頸部ポリープなどの治療に投与することもできる。
本発明の組成物は、非限定的に輪状裂(annular−fissures)、髄核のフラグメンテーション(fragmentation)、内包性ヘルニア、椎間板ヘルニア、椎間板変性など、椎間板の欠損または障害の治療に投与することもできる。
【0066】
上記の組成物を、インビトロアッセイにより上記疾患を治療する際の有効性を見るために予備的にスクリーニングし、その後、動物実験(以下の実施例1〜9参照)および臨床試験により確認することができる。本発明において示される情報を用いれば、当業者にはその他の方法も明白となろう。
【0067】
以下の具体的実施例は、単に例示であり、開示の残り部分の限定と解釈すべきではない。当業者は、本明細書の記載に基づけば、更に精査することなく本発明を最大に利用することができると考えられる。本明細書に引用された発行物は全て、その全体が参考として援用される。
【0068】
細胞は、例えばG1期細胞、S期細胞(DNAの合成および分裂を示す)、およびG2期細胞など、細胞周期の異なる期間に存在することができる。癌細胞を正常な細胞と比較すると、癌ではG1期細胞の割合が低下しており、癌の合成期の細胞の割合が上昇しており、G2期およびS期の細胞の割合が上昇していることが見出された。
【実施例1】
【0069】
実施例1において、B20L(メトホルミン1mM+アスピリン0.4mM+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.002mM)およびB20H(メトホルミン10mM+アスピリン4mM+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.02mM)を検査に供試して、24時間後の膵臓癌細胞の細胞周期に対する影響を測定した。その後、細胞試料のそれぞれを、フローサイトメータで検査した。検査方法および用いた器具を、以下に示す。細胞を採取し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、4℃の70%低温エタノールで一晩固定した。分析の前に、細胞を1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBSで2回洗浄し、その後、PBS400μlで再懸濁させ、100μg/ml RNase A(ロッシュ・ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics))および50μg/mlヨウ化プロピジウム(PI)(シグマ)で処置した。37℃で30分間インキュベーションした後、細胞をDNA含量分析に供試した。ヨウ化プロピジウム(PI)の蛍光を、ファックスキャリバー(FACSCalibur)・フローサイトメータ(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))で分析した。少なくとも10,000個の細胞のデータを、ソフトウエアで分析した。対照群および2種の活性処置群の結果を、以下の表1に示す。
【0070】
【表1】

結果から、2種の処置群では高い割合でG1期の癌細胞を有するため、メトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体が、24時間後の膵臓癌細胞のG1期からS期およびG2期への進行を阻害し得ることが示された。
【実施例2】
【0071】
実施例2において、対照群をB20L処置群と比較しながら、先の実施例1による検査手順を48および72時間実施した。結果を以下の表2に示す。
【0072】
【表2】

結果から、2種の処置群では高い割合でG1期の癌細胞を有するため、メトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体が、24、48および72時間後の膵臓癌細胞のG1期からS期およびG2期への進行を阻害し得ることが示された。
【実施例3】
【0073】
実施例3において、異なる用量のメトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体を検査に供試して、24時間後の乳癌細胞の細胞周期に対する影響を測定した。その後、細胞試料のそれぞれを、先の実施例1に示した手順によりフローサイトメータで検査した。対照群および2種の活性処置群の結果を、以下の表3に示す。
【0074】
【表3】

結果から、2種の処置群では低い割合でS期の癌細胞を有するため、異なる用量のB20メトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体が、24時間後の乳癌細胞のG1期からS期への進行を阻害し得ることが示された。
【実施例4】
【0075】
実施例4において、異なる用量のメトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体を検査に供試して、24、48および72時間後膵臓癌細胞の増殖速度に対する影響を測定した。検査方法および用いられた器具を、以下に示す。膵臓癌細胞を96穴プレートに約4×10個/mlでサブカルチャーし、薬物で処置する前に37℃で24時間付着させた。細胞生存率を、同仁化学研究所カウンティングキット−8(Dojindo Cell Counting Kit−8)を用いて評価した。細胞生存率は、450nmでの吸光度に直接比例した。したがって細胞生存率は、450nmの吸光度として表した。実験は全て、3回の別個の実験ごとに3連で実施した。対照群および2種の活性処置群の結果を、以下の表4に示す。
【0076】
【表4】

結果から、異なる用量のメトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体が膵臓癌細胞増殖を阻害し得ること、そしてその効果が時間および用量依存性であることが示された。
【実施例5】
【0077】
実施例5において、メトホルミン5mM;メトホルミン5mM+アスピリン2mM;およびメトホルミン5mM+アスピリン2mM+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.001mMを検査に供試して、G1、SおよびG2細胞期にあるB16(マウス・メラノーマ細胞)の細胞周期に対する影響を測定した。フローサイトメータを用いた検査の手順を、先の実施例1に示したとおり実施した。結果を、以下の表5に示す。
【0078】
【表5】

結果から、メトホルミンが効果的であることが示された。メトホルミン+アスピリンは、メトホルミン単独よりも効果的であったが、メトホルミン+アスピリン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体は、メトホルミン+アスピリンよりも良好である。
【実施例6】
【0079】
実施例6において、メトホルミン50mM;メトホルミン100mM;メトホルミン150mM;およびメトホルミン200mMを検査に供試して、3、12および24時間後の乳癌細胞に対する殺傷効果を測定した。検査方法および用いられた器具を、以下に示す。乳癌細胞を96穴プレートに約4×10個/mlでサブカルチャーし、薬物で処置する前に37℃で24時間付着させた。細胞生存率を、同仁化学研究所カウンティングキット−8を用いて評価した。細胞生存率は、450nmでの吸光度に直接比例した。したがって細胞生存率は、450nmの吸光度として表した。実験は全て、3回の別個の実験ごとに3連で実施した。結果を以下の表6に、MCF−7細胞(乳癌細胞)に対するメトホルミンの異なる濃度および異なる作用時間の殺傷率(対照群との比較)として示す。
【0080】
【表6】

結果から、メトホルミンが効果的であり、乳癌細胞を殺傷し得ること、そしてその効果が時間および用量依存性であることが示された。
【実施例7】
【0081】
実施例7において、メトホルミン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体+抗炎症活性を有する異なる化合物またはアセトアミノフェンまたはトラマドール(異なる第1の薬剤)を検査に供試して、24時間および48時間後の肝臓癌細胞に対する殺傷効果を測定した。検査方法および器具は、先の実施例6に示したとおり実施した。結果を以下の表7に、HepG−2細胞(肝臓癌細胞)に対する異なる組成物および異なる作用時間の殺傷率(対照群との比較)として示す。
【0082】
【表7】

結果から、メトホルミン+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体+抗炎症活性を有する異なる化合物、アセトアミノフェンおよびトラマドール(異なる第1の薬剤)が、肝臓癌細胞を十分に殺傷し得ること、そしてその効果がメトホルミン単独よりも良好であることが示された。
【実施例8】
【0083】
実施例8において、フェンホルミン(異なる第2の薬剤)+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体+抗炎症活性を有する異なる化合物またはアセトアミノフェンまたはトラマドールを検査に供試して、24および48時間後の肝臓癌細胞に対する殺傷効果を測定した。検査方法および器具は、先の実施例6に示したとおり実施した。結果を以下の表8に、HepG−2細胞に対する異なる組成物および異なる作用時間の殺傷率(対照群との比較)として示す。
【0084】
【表8】

結果から、フェンホルミン(異なる第2の薬剤)+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体+抗炎症活性を有する異なる化合物またはアセトアミノフェン、トラマドールが、肝臓癌細胞を十分に殺傷し得ること、そしてその効果がメトホルミン単独よりも良好であることが示された。
【実施例9】
【0085】
実施例9において、B10(メトホルミン50mg/kg+アスピリン40mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.40mg/kg)の効果を検査に供試して、昆明(Kunming)系マウス(KM)のヘパトーマ容積に対する影響を10%グルコース生理食塩水(GS)群に比較して測定した。薬物を腫瘍内注射により1日2回、3日間投与した。各群の処置前および後に、容積を測定した。容積変化などの結果を、以下の表9に示す。
【0086】
【表9】

結果から、B10(メトホルミン50mg/kg+アスピリン40mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.4mg/kg)が、KMマウスのヘパトーマ容積を94.1%の割合で消失させ得ることが示された。
【実施例10】
【0087】
実施例10において、B10(メトホルミン50mg/kg+アスピリン40mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.40mg/kg)の効果を検査に供試して、無毛マウスの移植ヒトヘパトーマの重量および容積に対する影響を、10%GS群および脱水アルコール群に比較して測定した。この検査を実施する手順は、以下のとおりであった。Hep G2細胞を25×10個/mlに調製し、その細胞懸濁液の0.2ml(5×10個)を露出されたマウスの脂肪帯に注入した。腫瘍が必要な寸法(0.5cm)に達したら、動物をB10、脱水アルコールまたは10%グルコール溶液50μlで1日1回、6日間処置した。最後の注入の後12日間の間に、腫瘍寸法(長手方向(L)および短手方向(S))を測定し、V=0.52×L×Sと推定して、腫瘍容積を評価した。最後の注入後の12日目にマウスを屠殺し、腫瘍を切除して重量測定し、更なる評価のためにホルマリン溶液に貯蔵した。各群で処置前および後に、容積を測定した。容積変化などの結果を、以下の表10に示す。
【0088】
【表10】

結果から、B10では無毛マウスのヘパトーマ容積を、脱水エタノール群の52.7%の割合に比較して99.4%の割合で消失させ得ることが示された。
【実施例11】
【0089】
実施例11において、B3(メトホルミン50mg/kg+セレブレックス10mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.4mg/kg)の効果を検査に供試して、ヘパトーマ癌H22細胞の転移に対する影響を測定した。50,000個のマウスヘパトーマ癌H22細胞をKMマウスの腹腔に注入し、その後、対照群には10%G.S.を、または活性処置群にはメトホルミン50mg/kg+セレブレックス10mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.4mg/kgを1日2回、最初の30日間のみ投与した。処置を停止した後、生存時間を観察した。活性処置群および10%G.S.群の結果を、以下の表11に示す。
【0090】
【表11】

結果から、メトホルミン50mg/kg+セレブレックス10mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.4mg/kgではマウス9匹が120日間生存し、対照群では2匹のみが120日間生存したことが示された。活性薬物群の生存時間も、対照群より良好であったことから、この薬物療法がマウスの生存時間を延長し得ること、そして癌細胞の転移率(transplantation rate)を低下させ得ることが示された。
【実施例12】
【0091】
実施例12において、B3およびB10の効果を検査に供試して、KMマウスのヘパトーマ癌H22細胞の腫瘍形成率に対する影響を測定した。50,000個のマウスヘパトーマ癌H22細胞を、KMマウスに皮下注射した。処置群は、1日3回、30日間投与されたB3およびB10からなった。薬物投与を停止した後、マウスの腫瘍組織の存在を観察し、腫瘍形成が生じたかを決定した。B10およびB3処置群ならびにG.S.群の結果を、以下の表12に示す。
【0092】
【表12】

結果から、薬物投与後8週間では、メトホルミン50mg/kg+アスピリン40mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.4mg/kg群が、20%のみの腫瘍形成率であることが示された。メトホルミン50mg/kg+セレブレックス10mg/kg+セロトニン・クレアチニン硫酸塩複合体0.4mg/kgでは、50%のみの腫瘍形成率であった。活性薬物群は両者とも、対照群(90%)よりも低い腫瘍形成率であった。それゆえこれらの薬物は、腫瘍細胞の転移率を低下させる可能性がある。
その他の実施形態
本明細書に開示された特徴は全て、いずれの組合せで行ってもよい。本明細書に開示された各特徴を、同様の、同等の、または類似の目的を提供する別の特徴に置換してもよい。つまり他に断りがなければ、開示された各特徴は、同等または類似の特徴の一般例に過ぎない。上記記載から当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認でき、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更および改良を施して、それを様々な使用および条件に適用させることができる。つまりその他の実施形態も、以下の特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過剰増殖性疾患を治療するための組成物であって、
(i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、(iv)トラマドール、及びそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ及びその溶媒和物からなる群より選択される第1の薬剤と、
酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びアデノシン5−一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、
からなる組成物。
【請求項2】
前記過剰増殖性疾患は良性腫瘍である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記過剰増殖性疾患は癌である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は過剰増殖性細胞の増殖を低減する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物は、セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤を更に含む、組成物。
【請求項6】
前記過剰増殖性疾患は腫瘍であり、前記組成物は前記腫瘍の一部を死滅させる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記過剰増殖性疾患は腫瘍であり、前記組成物は前記腫瘍の転移を阻害する、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
過剰増殖性疾患を治療するための方法であって、前記方法は、
アスピリン若しくはセレコキシブ及びそれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物、並びにメトホルミン若しくはフェンホルミン及びそれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物、を含む組成物の有効量を同組成物を必要とする患者に投与する工程を含む、方法。
【請求項9】
前記組成物はセロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物は、非経口又は経口にて、投与される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記過剰増殖性疾患は固形腫瘍であり、前記組成物は前記腫瘍に直接注入される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物は増殖を低減する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物は、過剰増殖性疾患を引き起こす細胞を死滅させる、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物は、過剰増殖性細胞の転移を阻害する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項15】
前記過剰増殖性疾患は良性のものである、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項16】
前記過剰増殖性疾患は癌である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項17】
過剰増殖性疾患を治療するための方法であって、前記方法は同方法を必要とする患者に有効量の組成物を投与する工程を含み、前記組成物は、メトホルミン若しくはフェンホルミン及びそれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物と、アスピリン若しくはセレコキシブ及びそれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物と、同組成物を目的の作用部位に送達するのに有用な担体物質と、からなる、方法。
【請求項18】
メトホルミンは抗体に結合される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
メトホルミン、フェンホルミン、アスピリン又はセレコキシブは、患者の治療に対する標的である過剰増殖性細胞において見出されるマーカに特異的な免疫グロブリンに共有結合される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記免疫グロブリンはIgGである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物は静脈内投与される、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物は経口投与される、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
治療効果を提供するのに必要な前記組成物の量は、担体物質とともに投与されなかった場合に治療効果を提供するのに必要な組成物の量よりも少ない、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物を担体物質とともに投与されなかった場合における毒性と比較して、患者の正常な細胞に対してより毒性が少ない、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物を担体物質とともに投与されなかった場合における有害作用と比較して、患者に対してより有害作用が少ない、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
治療効果を提供するのに必要な前記組成物の量は、担体物質とともに投与されなかった場合に治療効果を提供するのに必要な組成物の量よりも少なく、かつ前記組成物は静脈内投与又は経口投与される、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物を担体物質とともに投与されなかった場合における毒性と比較して、患者の正常な細胞に対してより毒性が少なく、かつ前記組成物は静脈内投与又は経口投与される、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物を担体物質とともに投与されなかった場合における有害作用と比較して、患者に対してより有害作用が少なく、かつ前記組成物は静脈内投与又は経口投与される、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
(i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、及び(iv)トラマドールからなる群より選択される第1の薬剤と、
酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びアデノシン5−一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、
からなる組成物。
【請求項30】
i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、及び(iv)トラマドールからなる群より選択される第1の薬剤と、
酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びアデノシン5−一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、
セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤と、
からなる、組成物。
【請求項31】
前記第2の薬剤は、メトホルミン、フェンホルミン及びブホルミン並びにそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群より選択される、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項32】
前記第1の薬剤は非ステロイド性抗炎症化合物である、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項33】
前記第1の薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、アセトアミノフェン、ニメスリド及びそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ及び溶媒和物、或いはCOX−2阻害剤である、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項34】
前記第1の薬剤は、アスピリン、アスピリン−アルギニン、アセチルサリチル酸L−アルギニン、アスピリン−D,L−リシン又はセレコキシブである、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項35】
前記第3の薬剤は、セロトニン又はセロトニン再取込み阻害剤である、請求項30に記載の組成物。
【請求項36】
前記第3の薬剤は、硫酸セロトニン、セロトニン・クレアチニン硫酸複合体、又は塩酸セロトニンである、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物は、1−5000mgの第1の薬剤と、5−5000mgの第2の薬剤とを含み、第3の薬剤が存在している場合には、同第3の薬剤を0.1−1000mgにて含むか、或いは同じ比率の量にて含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物は、1−3000mgの第1の薬剤と、5−1500mgの第2の薬剤とを含み、第3の薬剤が存在している場合には、同第3の薬剤を0.1−500mgにて含むか、或いは同じ比率の量にて含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物は、1−1000mgの第1の薬剤と、5−1000mgの第2の薬剤とを含み、第3の薬剤が存在している場合には、同第3の薬剤を0.1−100mgにて含むか、或いは同じ比率の量にて含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物は、塩酸メトホルミン、アスピリン、アスピリン−アルギニン、アセチルサリチル酸L−アルギニン、アスピリン−D,L−リシンと、セロトニン・クレアチニン硫酸複合体又は塩酸セロトニンと、を含有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項41】
前記組成物は、1−5000mgのアスピリンと、5−5000mgの塩酸メトホルミンと、を含み、第3の薬剤が存在している場合には、セロトニン・クレアチニン硫酸複合体を0.1−1000mgにて含むか、或いは同じ比率の量にて含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物は、1−3000mgのアスピリンと、5−1500mgの塩酸メトホルミンとを含み、第3の薬剤が存在している場合には、セロトニン・クレアチニン硫酸複合体を0.1−100mgにて含むか、或いは同じ比率の量にて含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物は、1−1000mgのアスピリンと、5−1000mgの塩酸メトホルミンとを含み、第3の薬剤が存在している場合には、セロトニン・クレアチニン硫酸複合体を0.1−50mgにて含むか、或いは同じ比率の量にて含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物は薬学的に許容される担体を更に含む、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物は、第1の薬剤と、第2の薬剤と、第3の薬剤と、から本質的に構成される、請求項30に記載の組成物。
【請求項46】
前記第2の薬剤はAMPK活性化剤である、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項47】
前記組成物は、第1の薬剤と、第2の薬剤と、第3の薬剤と、から本質的に構成される、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記AMPK活性化剤は、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、AICAR、チエノピリドン、レスベラトロール、ヌートカトン、チアゾール、アディポネクチン、チアゾリジンジオン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン及びジチオレチオンからなる群より選択される、請求項46に記載の組成物。
【請求項49】
前記第2の薬剤は、酸化的リン酸化阻害剤、又はイオノフォアである、請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項50】
i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、及び(iv)トラマドールからなる群より選択される第1の薬剤と、
メトホルミン、フェンホルミン又はブホルミン並びにそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群より選択される第2の薬剤と、
セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤と、
からなる、組成物。
【請求項51】
前記第2の薬剤は、メトホルミン及びフェンホルミン並びにそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群より選択される、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記第1の薬剤は非ステロイド性抗炎症化合物である、請求項50に記載の組成物。
【請求項53】
前記第1の薬剤は、アスピリン又はCOX−2阻害剤である、請求項50に記載の組成物。
【請求項54】
前記第3の薬剤は、セロトニン並びにそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ及び溶媒和物である、請求項50に記載の組成物。
【請求項55】
前記組成物は、塩酸メトホルミン、アスピリン若しくはアスピリンーアルギニン、アセチルサリチル酸L−アルギニン、アスピリン−D,L−リジン及びセロトニン・クレアチニン硫酸複合体又は塩酸セロトニンを含有する、請求項50に記載の組成物。
【請求項56】
前記組成物は、第1の薬剤と、第2の薬剤と、第3の薬剤と、から本質的に構成される、請求項50に記載の組成物。
【請求項57】
過剰増殖性疾患を治療するための方法であって、前記治療を必要とする被験者に有効量の組成物を投与する工程を含む、方法において、
前記組成物は、i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、及び(iv)トラマドールからなる群より選択される第1の薬剤と、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びAMPK活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤と、を含有する、方法。
【請求項58】
前記組成物は、第1の薬剤と、第2の薬剤と、第3の薬剤と、から本質的に構成される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第2の薬剤はAMPK活性化剤である、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の薬剤は、酸化的リン酸化阻害剤又はイオノフォアである、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記過剰増殖性疾患は良性腫瘍である、請求項57乃至60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記過剰増殖性疾患は悪性腫瘍である、請求項57乃至60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記過剰増殖性疾患は固形腫瘍である、請求項57乃至60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
過剰増殖性疾患を治療するための方法であって、前記治療を必要とする被験者に有効量の組成物を投与する工程を含む、方法において、
前記組成物は、i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、及び(iv)トラマドールからなる群より選択される第1の薬剤と、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びAMPK活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤と、を含有し、前記第1、第2及び第3の薬剤は、同薬剤の、目的の作用部位への輸送を促進する担体物質にそれぞれ結合されている、方法。
【請求項65】
過剰増殖性疾患を治療するための方法であって、前記治療を必要とする被験者に有効量の組成物を投与する工程を含む、方法において、
前記組成物は、i)抗炎症活性を有する薬剤、(ii)アセトアミノフェン、(iii)フェナセチン、及び(iv)トラマドールからなる群より選択される第1の薬剤と、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びAMPK活性化剤からなる群より選択される第2の薬剤と、セロトニン活性を保有または保持する第3の薬剤と、を含有し、前記第1及び第2の薬剤は、同薬剤の、目的の作用部位への輸送を促進する担体物質にそれぞれ結合されている、方法。
【請求項66】
前記組成物は、第1の薬剤と、第2の薬剤と、第3の薬剤と、担体物質と、から本質的に構成される、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記第2の薬剤はAMPK活性化剤である、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項68】
前記第2の薬剤は、酸化的リン酸化阻害剤又はイオノフォアである、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項69】
前記担体物質は抗体である、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項70】
前記抗体は、過剰増殖性疾患の細胞に対するマーカに特異的である、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項71】
前記過剰増殖性疾患は良性腫瘍である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記過剰増殖性疾患は悪性腫瘍である、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記被験者において、担体物質を含有しない有効量の化合物の治療と比較して、副作用がより少ない、請求項64乃至70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
転移を阻害する方法であって、請求項29乃至56のいずれか一項に従う組成物を、同方法を必要とする被験者に投与する工程を含む、方法。
【請求項75】
過剰増殖性疾患を治療するための方法であって、前記方法を必要とする被験者に有効量の組成物を投与する工程を含む、方法において、前記組成物は、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア及びAMPK活性化剤からなる群より選択される活性化剤を含有し、前記活性化剤は、同活性化剤の、目的の作用部位への輸送を促進する担体物質に結合されている、方法。
【請求項76】
前記活性化剤は、メトホルミン及びフェンホルミン並びにそれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物であり、かつ前記担体物質は前記過剰増殖性疾患の細胞に対するマーカに特異的な抗体である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記活性化剤はAMPK活性化剤である、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記活性化剤は、酸化的リン酸化阻害剤又はイオノフォアである、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記過剰増殖性疾患は結腸癌である、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記活性化剤は経口投与される、請求項75乃至79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記活性化剤は、非経口投与される、請求項75乃至79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記疾患は良性腫瘍である、請求項75乃至79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記疾患は悪性腫瘍である、請求項75乃至79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記被験者において、担体物質を含有しない有効量の化合物の治療と比較して、副作用がより少ない、請求項75乃至79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記活性化剤は経口投与される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記活性化剤は、非経口投与される、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記疾患は良性腫瘍である、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記疾患は悪性腫瘍である、請求項84に記載の方法。

【公開番号】特開2010−13438(P2010−13438A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−119925(P2009−119925)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(509139221)
【氏名又は名称原語表記】CHEN Chien−Hung
【Fターム(参考)】