説明

過塩素酸汚染土壌処理装置

投入用ホッパ(1)に過塩素酸溶液で汚染された土壌を投入し、パイプ(2)を経て、汚染土壌溶解タンク(3)へ投入され、給水管(5)より汚染土壌溶解タンク(3)へ給水し、撹拌用モーター(4)に設けてある攪拌翼(4A)で攪拌され、攪拌された汚染土壌溶水をフィルター(9)を通して、(+)(−)電極(15)(16)を設けた電解槽(11)(12)(13)内に流入し、汚染土壌溶解水を電気分解して、各(+)電極(15)から発生した塩素ガスを、ボンベ(22)へ挿入し、各電解槽(11)(12)(13)に残留した塩素ガスを発生しない汚染土壌溶解水を廃水の貯水タンク(25)(26)(27)へ流入する過塩素酸汚染土壌処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、過塩素酸溶液が土壌に多量に浸透した有害土壌から塩素ガスのみを排出する処理装置に関する。
【背景技術】
従来、過塩素酸溶液が浸透した土壌から塩素のみを排出する手段はなかった。
【発明の開示】
過塩素酸溶液が浸透した土壌を、任意体積の水タンクに入れ、この水タンクに過塩素酸溶液に汚染された土壌を均等に溶解した後、汚染土壌溶解水を任意細穴を有するフィルターを通して、陽極、陰極を任意数設けた電解槽に流入させ、陽極、陰極にそれぞれ正負電圧を加えて塩素ガスのみを多量に電解槽から排出させる事である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のブロックダイアグラムである。
第2図は、本発明の電気分解に関する電気回路図である。
第3図は、本発明の塩素ガスの排出、収納パイプライン図である。
発明の実施するための最良の形態
発明の実施について、図1、図2及び図3等を参照して説明する。
図1に於いて、過塩素酸溶液で汚染された土壌を投入用ホッパ1に投入して、パイプ2を経て、汚染土壌溶解タンク3へ投入する。
次にバブル5Aを開いて、給水管5より汚染土壌溶解タンク3内に任意量の水を投入し、攪拌用モーター4により攪拌翼4Aを回転させて、水と汚染土壌が適意な水分を有する汚泥状にした汚泥水6を、バルブ8を開放状にしてフィルター9に送り込む。フィルター9は、不蝕性材から成る金属又はセラミックによる任意メッシュを有するフィルターである。このフィルター9を通過した汚泥水6は、水分が90%〜70%であり、次の電解槽11、12及び13内で電解作用が容易に行える様な水分にする。
次に、電解槽11、12及び13にバルブ11A、12A、13Aを開いて、各電解槽11、12、13の内部に流入させ適量になった時に、各バルブ11A、12A、13Aを閉状にする。
各電解槽11、12、13に流入された汚泥水6は、図2に示す様に、直流電源25に接続された可変抵抗器28を経て、電線27に各電解槽11、12、13の内部に設けた鉛材からなる(−)電極16を接続し、直流電源25の(+)側に接続した電線26を同じく各電解槽11、12、13の内部に設けた鉛材から成る(+)電極15に接続される。
直流電源25の出力電圧を直流電圧計29を見ながら可変抵抗器28を可動して、各電解槽11、12、13に設けた(+)電極、(−)電極間に直流電圧を加え、各電解槽11、12、13の(+)電極と(−)電極間に流れる電流を見ながら塩素ガスが排出する最良の電圧値にする。
この場合、各電解槽11、12、13の(+)電極15側と、(−)電極16側とを、セパレータ11E、12E、13Eによって分離し、(+)電極15側に発生する電気分解作用と、(−)電極16側で発生する電解作用を別にして、(+)電極15側から発生する塩素ガスのみを採集する事である。
(+)電極15を鉛材にする事で、塩素以外の水素、酸素ガス体の発生を出来るだけ阻止する事であり、他の金属を電極に使用しない事で塩素ガスを主体に発生させる事が必要である。
したがって、(−)側の電極16に、鉛材以外の金属を使用する事は出来るが、(+)側の電極15と同一の鉛材を使用することで、水素、酸素のガスを発生しにくい特性を有する。
過塩素酸含有汚水31は、(+)電極15、(−)電極16間に電圧を加える事により、過塩素酸(HClO)中のClだけのガスを発生させる。
又、(−)電極16側の過塩素含有汚水31が(−)電極16により発生する酸素、及び他の汚水中に含まれている発生ガスを、各電解槽11、12、13の(−)電極16側に設けた排気管11B、12B、13Bから外部へ排出させる。
(−)電極16の鉛材は、塩素ガスを発生するには適材電極特性を持ち、(−)電極から発生する水素ガスの発生を少なくする特性を有する。
図3は、各電解槽11、12、13の(+)電極15側から発生した塩素ガスは、各バルブ17、18、19を経て、パイプライン20、バルブ20A及びフローメーター21、バルブ24を経てボンベ22に流入する。
又、圧力計23は、ボンベ22に流入する塩素量を示し、各電解槽11、12、13からの塩素ガスが減少すればフローメーター21の表示が停止するのでボンベ22に設けてあるバルブ24を閉じる。
塩素ガスの発生がなくなれば、各電解槽11、12、13内部にある汚水31はバルブ11D、12D、13Dを開いてパイプ11C、12C、13Cを経て、貯水タンク25、26、27に流入される。
貯水タンク25、26、27等に流入された汚水31中の塩素分がなくなり、HO+αとなり、他の含有成分の処理は、他の処理装置でする事になる。
【産業上の利用可能性】
過塩素酸含有した汚染土壌を水溶液状にし、フィルターでより細分化した土壌水溶液を電解槽で電気分解して、(−)電極に鉛材を使用して、水素発生を極力おさえて、塩素ガスのみの発生をさせる事により、過塩素酸成分中の塩素分をなくす事により、無害化状の土壌含有水を得る事である。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
過塩素酸溶液が多量に浸透した汚染土壌を汚染土壌溶解タンク3に投入して、給水管5から、注入された水と攪拌翼4Aで適量の水溶状にした汚泥水6をフィルター9で土壌の形状を微少化し、微少化した汚泥水を各電解槽11、12、13に流入して、鉛材から成る(+)電極15と(−)電極16間に直流電圧を加え、(+)電極15側から塩素ガスを発生させ、各電解槽11、12、13より発生した塩素ガスをフローメーター21を経て、ボンベ22に貯蔵し、各電解槽11、12、13からの廃水を貯水タンク25、26及び27に貯水して成る過塩素酸汚染土壌処理装置。

【国際公開番号】WO2005/035151
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509459(P2005−509459)
【国際出願番号】PCT/JP2003/013005
【国際出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(598083614)
【Fターム(参考)】