説明

過給機の容量調整方法及びノズルベーン

【課題】大型化させることなく過給機の大容量化を実現する。
【解決手段】排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラと、該タービンインペラを覆うハウジングと、該タービンインペラの回転軸周りに所定間隔にて配列される複数のノズルベーン71と、該ノズルベーン71を傾動可能に支持する駆動機構と、を備える過給機において、上記タービンインペラに供給する上記排気ガスの要求最大流量に応じて上記ノズルベーン71の後縁長さLを設定することによって容量を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスによって駆動されるタービンを備える過給機の容量調整方法、及び、上記過給機が備えるノズルベーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
過給機は、内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともにタービンインペラに連結された回転軸を回転させ、この回転軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給することで、内燃機関の出力や効率を向上させるものである。
【0003】
このような過給機を、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の車載用のエンジンに用いる場合には、低燃費化等の性能向上を実現するために、低速域から高速域までの広い範囲でエンジンの出力向上や効率向上を実現させる必要がある。
【0004】
例えば、低速域から高速域までの広い範囲においてエンジンの出力向上や効率向上を実現するための過給機としては、いわゆるマルチベーン方式の過給機がある(例えば、特許文献1参照)。
このマルチベーン方式の過給機は、タービンインペラの回転軸周りに所定間隔にて配列されるノズルベーンを備えている。そして、各ノズルベーンを、リンク機構等の駆動機構を介して傾動することによって、各ノズルベーン間の開度を調整してタービンインペラに供給される排気ガスの流量を調整している。このように排気ガスの流量を調整可能とすることによって、タービンインペラに供給される排気ガスの流速を変化させることができ、例えば、低速域であっても、エンジンの出力向上や効率向上を実現させることができる。
【特許文献1】特開2003−254074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、エンジンのさらなる出力向上や効率向上のために、過給機のさらなる性能向上が要求されている。例えば、特許文献1には、ノズルベーンの正圧面あるいは負圧面を切削することによって、ノズルベーンの操作性や制御性を向上する技術が開示されている。
また、過給機においては、さらなる大容量化も求められている。このためには、より大型のタービンインペラを用いるか、あるいは、タービンインペラに供給可能な排気ガスの流量を増加させることが有効な解決策となる。
しかしながら、より大型のタービンインペラを用いた場合には、タービンインペラを覆うハウジングも大型化してしまい過給機が大型化してしまう。
また、タービンインペラに供給可能な排気ガスの流量を増加させる場合には、最大開度時における各ノズルベーン間をより広くする必要がある。各ノズルベーン間は、各ノズルベーンが傾動されることによってタービンインペラの径方向に向かうにつれて広くなる。しかしながら、ノズルベーンをタービンインペラの径方向にさらに傾動させるためには、ノズルベーンの移動領域を広く確保する必要が生じて、この場合にもハウジングを大型化させる必要が生じる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、大型化させることなく過給機の大容量化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の過給機における容量調整方法では、排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラと、該タービンインペラを覆うハウジングと、該タービンインペラの回転軸周りに所定間隔にて配列される複数のノズルベーンと、該ノズルベーンを傾動可能に支持する駆動機構と、を備える過給機において、上記タービンインペラに供給する上記排気ガスの要求最大流量に応じて上記ノズルベーンの後縁長さを設定することを特徴とする。
【0008】
例えば、ノズルベーンの後縁長さを従来のノズルベーンより短くすることによって、ノズルベーンをタービンインペラの径方向に向けてさらに傾動させた場合であっても、ノズルベーンの後縁の移動領域を、従来のノズルベーンと同様あるいは小さくすることができる。このため、ノズルベーンの後縁を短くすることによって、ノズルベーンの後縁の移動領域を広げることなく従来よりもノズルベーンをさらに傾動させることが可能となり、最大開度における各ノズルベーン間を広くすることができる。よって、より大流量の排気ガスをタービンインペラに供給することが可能となる。
つまり、ノズルベーンの後縁長さを変化させることによって、タービンインペラに供給される排気ガス流量を調整することができる。したがって、タービンインペラに供給される排気ガスの要求最大流量に応じてノズルベーンの後縁長さを設定することよって、タービンインペラの大きさやハウジングの大きさを変化させることなく、タービンインペラに供給可能な排気ガスの流量を増加させることができる。
また、従来よりも大きなタービンインペラを用いる場合であっても、ノズルベーンの後縁長さを短くすることによって、後ノズルベーン縁の移動領域を広げることなく、各ノズルベーン間に従来と同様の十分な広さを確保することができる。よって、ハウジングの大きさを変化させることなく、大型のタービンインペラに十分な量の排気ガスを供給することができる。
すなわち、本発明によれば、ノズルベーンの後縁長さを設定することによって、過給機の容量が調整される。
なお、ここで言う、要求最大流量とは、タービンインペラに供給可能な排気ガス流量の最大流量を意味する。また、ノズルベーンの後縁長さとは、ノズルベーンの傾動中心から後縁までの長さを意味する。
【0009】
また、本発明の過給機における容量調整方法においては、上記ノズルベーンの後縁長さが、各ノズルベーン間が最大開度の場合に上記ノズルベーンの後縁が上記タービンインペラと干渉しない長さに設定されるという構成を採用することができる。
【0010】
また、本発明の過給機における容量調整方法においては、上記ノズルベーンの後縁の表面が、上記ノズルベーンの正圧面から負圧面に至る曲面とされているという構成を採用することができる。
【0011】
次に、本発明のノズルベーンは、排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラと、該タービンインペラを覆うハウジングと、該タービンインペラの回転軸周りに所定間隔にて配列される複数のノズルベーンと、該ノズルベーンを傾動可能に支持する駆動機構と、を備える過給機の上記ノズルベーンであって、後縁長さが、上記タービンインペラに供給する上記排気ガスの要求最大流量を確保するために必要な各ノズルベーン間の最大開度に応じて設定されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のノズルベーンにおいては、上記ノズルベーンの後縁の表面は、上記ノズルベーンの正圧面から負圧面に至る曲面とされているという構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ノズルベーンの後縁長さによって、過給機の容量が調整されるため、ハウジングの大きさを変化させることなく、過給機の容量を増加させることができる。したがって、大型化させることなく過給機の大容量化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る過給機における容量調整方法及びノズルベーンの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0015】
図1は、本実施形態の過給機1の概略構成を示した断面図である。この図に示すように、本実施形態の過給機1は、タービン2と、コンプレッサ3と、タービン2及びコンプレッサ3を覆うハウジング4とを備えている。
【0016】
タービン2とコンプレッサ3との間に位置するハウジング4の内部には、回転軸部材5が、流体軸受6を介してハウジング4に対して回転自在に設置されている。
この回転軸部材5には、一端部に、タービン2が備えるタービンインペラ21が一体的に固定されており、他端部に、コンプレッサ3が備えるコンプレッサインペラ31が一体的に固定されている。
そして、本実施形態においては、タービンインペラ21が、従来の過給機が備えるタービンインペラよりも大きなものとされている。
【0017】
ハウジング4は、タービン2とコンプレッサ3との間に位置して上記流体軸受6を支持するベアリングハウジング41と、タービンインペラ21を覆うようにベアリングハウジング41の一端部に一体的に接続されるタービンハウジング42と、コンプレッサインペラ31を覆うようにベアリングハウジング41の他端部に一体的に接続されるコンプレッサハウジング43とによって構成されている。
【0018】
タービンハウジング42には、一端に排気ガスの入口を備えたスクロール通路44が形成されており、スクロール通路44の内周部には、環状の排気ガス流路45が形成されている。より詳細には、排気ガス流路45は、タービンインペラ21とタービンハウジング42との間に設けられた環状のシュラウド46と、このシュラウド46から所定の間隔をあけてコンプレッサ側に設置された環状のノズルベーン支持リング47との間に形成されている。なお、ノズルベーン支持リング47は、シュラウド46に対して回動自在に設置されている。
【0019】
そして、スクロール通路44及び排気ガス流路45を介して供給される排気ガスによってタービンインペラ21が回転駆動され、タービンインペラ21と回転軸部材5を介して連結されたコンプレッサインペラ31が連動して回転駆動される。そして、コンプレッサインペラ31の回転によって空気が圧縮され、この圧縮された空気が自動車のエンジン等に供給される。
なお、タービンインペラ21を回転駆動した後の排気ガスは、タービンハウジング42の中心部に形成された排気ガス出口48を介して外部に排出される。
【0020】
そして、本実施形態においては、過給機1が、マルチベーン方式の可変容量装置7を備えている。
【0021】
可変容量装置7は、複数のノズルベーン71と、駆動機構72とを備えている。
ノズルベーン71は、環状に形成された排気ガス流路45の円周状に沿って所定間隔で配列されている。すなわち、ノズルベーン71は、タービンインペラ21の回転軸周りに所定間隔で配列されている。図2は、ノズルベーン71の断面図である。この図に示すように、ノズルベーン71は、仮想線で示す従来の過給機が備えるノズルベーンと比較して、後縁長さLが短く設定されている。また、ノズルベーン71の後縁711の表面は、正圧面712から負圧面713に至る曲面とされている。
なお、後縁長さLの設定方法については、後に詳説する。
このように形状設定された各ノズルベーン71は、駆動機構72の一部である連結部材74に所定の角度で取り付けられおり、連結部材74を介してノズルベーン支持リング47と連結されている。
【0022】
駆動機構72は、ノズルベーン支持リング47と、駆動軸73と、連結部材74,75,76を備えており、タービン2に隣接して形成された環状の駆動機構設置室8内に設置されている。なお、駆動機構設置室8は、ノズルベーン支持リング47等によってタービン2の内部(スクロール通路44及び排気ガス流路45)と隔離されている。このため、排気ガスが駆動機構設置室8の内部に入り込むことを抑止することができる。
【0023】
駆動軸73は、駆動機構設置室8の壁部に貫通して設置されたブッシュ9に挿通されており、駆動機構設置室8内に位置する一端部が連結部材75を介してノズルベーン支持リング47と接続されており、駆動機構設置室8の外部に位置する他端部が連結部材76を介してダイヤフラムシリンダ(不図示)のピストンロッド10と係合している。
【0024】
このような駆動機構72では、ダイヤフラムシリンダの駆動によってピストンロッド10を介して駆動軸73が回転駆動される。そして、駆動軸73が回転駆動されると、ノズルベーン支持リング47がシュラウド46に対して回動される。このように、ノズルベーン支持リング47が回動されると、ノズルベーン支持リング47に連結部材74を介して連結されたノズルベーン71が、回転軸部材5の回転軸L1と平行な回転軸(傾動中心)を中心として傾動される。
そして、ノズルベーン71が、タービンインペラ21の径方向と直交する方向(タービンインペラ21の周方向)に傾動されている場合には、各ノズルベーン71間が閉じる。一方、ノズルベーン71が、タービンインペラ21の径方向に傾動されている場合には、各ノズルベーン71間が開く。
【0025】
ここで、本実施形態における過給機1のように、従来の過給機よりも大きなタービンインペラを備えている場合には、従来と後縁長さが同一のノズルベーンでは、移動領域(各ノズルベーン71間が閉じられた状態から最大開度となる状態までにおいて、ノズルベーンの後縁がタービンインペラ21の径方向に移動する領域)を十分に確保することができず、従来と同様の最大流量の排気ガスをタービンインペラに供給することができない。つまり、従来と後縁長さが同一のノズルベーンでは、各ノズルベーン間の広さを従来と同一、すなわち最大流量を同一にしようとした場合には、後縁がタービンインペラと干渉してしまうため、移動領域が狭くなる。
これに対して、本実施形態における過給機1は、従来のノズルベーンよりも後縁長さLが短いノズルベーン71を備えている。よって、従来のノズルベーンと同一の傾動範囲であれば、ノズルベーン71の後縁の移動領域を従来のノズルベーンよりも狭くすることができる。逆にノズルベーン71の後縁の移動領域を従来のノズルベーンと同様にすることによって、より広い傾動範囲でノズルベーン71を傾動することができる。このため、ノズルベーン71の傾動範囲をタービンインペラ21の径方向に広げることによって、各ノズルベーン間をより広げることができ、従来と同様の最大流量の排気ガスをタービンインペラ21に供給することが可能となる。
【0026】
このような本実施形態における過給機によれば、従来よりも大きなタービンインペラを用いているにも関わらず、ノズルベーン71を短くすることによって、従来と同様の最大流量の排気ガスをタービンインペラ21に供給することができる。このため、ノズルベーン71の移動領域を確保するためにハウジング4等を大きくする必要がなく、大型化させることなく過給機の大容量化を実現することができる。
【0027】
次に、図3〜図5を参照して、ノズルベーン71の後縁長さLを設定する方法(過給機の容量調整方法)について説明する。
【0028】
図3は、従来の過給機におけるノズルベーン71周辺を模式的に示した図である。この図において、φ1は従来の過給機が備えるタービンインペラの直径であり、φ2はノズルベーンが最大開度の場合における各ノズルベーン間の距離である。なお、ノズルベーンが最大開度の場合におけるノズルベーンの後縁とタービンインペラとの間には、所定のクリアランスが形成されている。このクリアランスは、従来の過給機及び本実施形態における過給機に同様に形成されるものとする。
そして、各ノズルベーン間の距離は、タービンインペラに供給される排気ガスの流量に比例しており、ノズルベーンが最大開度の場合に最大流量の排気ガスがタービンインペラに供給されることとなる。
【0029】
図4は、従来の過給機にφ1よりも大きなΦ1の径を有するタービンインペラ(本実施形態の過給機が備えるタービンインペラ21)を搭載した場合について示す模式図である。この図に示すように、従来よりも大きなタービンインペラを搭載した場合には、ノズルベーンの傾動可能範囲が狭くなり、ノズルベーンが最大開度の場合における各ノズルベーン間の距離Φ2が、図3に示すφ2よりも狭くなる。すなわち、ノズルベーンが最大開度の場合における排気ガスの最大流量が減少する。
【0030】
そこで、図5に示すように、予め、ノズルベーンが最大開度の場合における各ノズルベーン間の距離をφ2に設定する。すなわち、タービンインペラに供給可能な最大流量(要求最大流量)を予め設定する。
そして、ノズルベーンが最大開度の場合に各ノズルベーン間の距離がφ2となるように、ノズルベーンの後縁長さLを設定する。すなわち、ノズルベーンが最大開度の場合に各ノズルベーン間の距離がφ2となる場合において、ノズルベーンの後縁がタービンインペラと干渉しないように後縁長さLを設定する。
【0031】
このように後縁長さLを設定することによって、上述のように大型化させることなく過給機の大容量化を実現することができる。
なお、後縁長さLを設定するにあたって、ノズルベーンが閉じられている場合において隣合うノズルベーン同士が重なり合う範囲で後縁長さLが設定されることは言うまでもない。また、ノズルベーンの連結部材74に対する取り付け角度は、ノズルベーンの後縁長さLに応じて適宜設定される。
【0032】
このような本実施形態によれば、ノズルベーンの後縁長さを変化させることによって、タービンインペラに供給される排気ガス流量を調整することができるという観点に基づいて、タービンインペラ21に供給される排気ガスの要求最大流量に応じてノズルベーン71の後縁長さLを設定する。
このため、過給機を大型化させることなく大容量化することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、ノズルベーン71の後縁711の表面が、ノズルベーンの正圧面712から負圧面713に至る曲面とされている。このため、後縁711近傍において乱流成分が発生することを抑止することができ、排気ガスの流れが妨げられることを抑止することができる。
【0034】
また、本実施形態では、ノズルベーン71の後縁長さLを変化させるのみであるため、正圧面と負圧面とは同じ割合で変化する。このため、正圧面側の排気ガスの流れと負圧面側の排気ガスの流れとのバランスが損なわれることを抑止することができ、排気ガスの流れが妨げされることを抑止することができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、タービンインペラに供給される最大流量を従来と同一にし、大型のタービンインペラを用いることによって、過給機の大容量化を実現した。しかしながら、タービンインペラに供給される最大流量を従来よりも増加させ、従来と同一のタービンインペラを用いた場合にも過給機の大容量化を実現することができる。
そして、例えば、ノズルベーンの後縁長さを従来のノズルベーンよりも短くし、従来と同一のタービンインペラを過給機に搭載した場合には、従来の過給機よりもノズルベーンをタービンインペラの径方向に傾動させることが可能となり、最大開度における各ノズルベーン間をより広げることができる。すなわち、タービンインペラに供給する排気ガスの最大流量を増加させることが可能となる。
よって、従来と同一のタービンインペラを用いる過給機においても、予め最大開度における各ノズルベーン間、すなわち最大流量(要求最大流量)を設定し、この各ノズルベーン間が確保されるようにノズルベーンの後縁長さLを設定することによって、過給機の大容量化を実現することができる。そして、このような場合にも、ノズルベーンの後縁長さLを変化させることによってのみ、タービンインペラに供給される排気ガスの流量が調整されるため、ハウジングの大きさを変化させる必要がなく、過給機を大型化させることなく大容量化することができる。
【0036】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る過給機の容量調整方法及びノズルベーンの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態における過給機の概略構成を示した断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における過給機が備えるノズルベーンの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における過給機が備えるノズルベーンの後縁長さを設定する方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における過給機が備えるノズルベーンの後縁長さを設定する方法を説明するための説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における過給機が備えるノズルベーンの後縁長さを設定する方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1……過給機、2……タービン、21……タービンインペラ、3……コンプレッサ、4……ハウジング、42……タービンハウジング、5……回転軸部材、6……流体軸受、7……可変容量装置、71……ノズルベーン、711……後縁、712……正圧面、713……負圧面、72……駆動機構、8……駆動機構設置室、L……後縁長さ、L1……回転軸



【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラと、該タービンインペラを覆うハウジングと、該タービンインペラの回転軸周りに所定間隔にて配列される複数のノズルベーンと、該ノズルベーンを傾動可能に支持する駆動機構と、を備える過給機において、
前記タービンインペラに供給する前記排気ガスの要求最大流量に応じて前記ノズルベーンの後縁長さを設定することによって容量を設定することを特徴とする過給機の容量調整方法。
【請求項2】
前記ノズルベーンの後縁長さは、各ノズルベーン間が最大開度の場合に前記ノズルベーンの後縁が前記タービンインペラと干渉しない長さに設定されることを特徴とする請求項1記載の過給機の容量調整方法。
【請求項3】
前記ノズルベーンの後縁の表面は、前記ノズルベーンの正圧面から負圧面に至る曲面とされていることを特徴とする請求項1または2記載の過給機の容量調整方法。
【請求項4】
排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラと、該タービンインペラを覆うハウジングと、該タービンインペラの回転軸周りに所定間隔にて配列される複数のノズルベーンと、該ノズルベーンを傾動可能に支持する駆動機構と、を備える過給機の前記ノズルベーンであって、
後縁長さは、前記タービンインペラに供給する前記排気ガスの要求最大流量を確保するために必要な各ノズルベーン間の最大開度に応じて設定されることを特徴とするノズルベーン。
【請求項5】
前記ノズルベーンの後縁の表面は、前記ノズルベーンの正圧面から負圧面に至る曲面とされていることを特徴とする請求項4記載のノズルベーン。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−2314(P2008−2314A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171196(P2006−171196)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】