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過酸化脂質の測定方法
説明

過酸化脂質の測定方法

【課題】過酸化脂質の測定方法を提供する。詳細には、被験試料、特に細胞などの生体試料中に存在する過酸化脂質を定性的また定量的に測定する方法を提供する。
【解決手段】水性溶媒中で、
(a)下式(I)で示される化合物と過酸化脂質とを反応させる工程、及び


(式中、nは4である)
(b)上記(a)の反応で生じる蛍光性化合物を、蛍光検出する工程
を有する、過酸化脂質の測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化脂質の測定方法に関する。より詳細には、本発明は、被験試料、特に細胞の脂質膜やリポタンパク質など、生体試料中に存在する過酸化脂質を定性的また定量的に測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂質が活性酸素により酸化され生成する過酸化脂質は、動脈硬化や神経変性疾患の発症及び進展、並びに老化にも関与すると考えられている。
【0003】
脂質が過酸化されて過酸化脂質が生成する過程においては、ヒドロペルオキシド類やさらに分解が進んだ二次生成物であるアルデヒド化合物が生成するが、脂質過酸化の初期に多量に生成するヒドロペルオキシド類は、酸化ストレスマーカーとして、また過酸化脂質の検出マーカーとして、注目されている。
【0004】
上記ヒドロペルオキシド類の検出マーカーとして生体内の過酸化脂質を検出または定量する方法としては、従来から、シクロオキシゲナーゼ法(非特許文献1及び2参照)、グルタチオンペルオキシダーゼ法(非特許文献3)、HPLC-CL法(非特許文献4)等が知られている。しかしながらこれらの方法では、測定原理上、細胞中の過酸化脂質をイメージング計測することはできない。
【0005】
過酸化脂質の蛍光イメージング計測が可能な方法としては、蛍光試薬diphenyl-1-pyrenylphosphine(DPPP)を用いる手法(非特許文献5及び6参照)がある。しかし、DPPPは最大励起波長及び最大蛍光波長が短い(λex = 352 nm, λem = 380 nm in chloroform/methanol)ため、生体試料由来の自家蛍光の影響を受けやすく、生細胞イメージングにおいては細胞へのダメージが大きいという問題、並びにDPPPを用いて細胞の顕微鏡観察する場合は、UV波長域であるため、特殊なフィルター、ダイクロイックミラー、超低温CCDカメラなど特殊な設備が必要であるという問題がある。
【0006】
これらの問題を解消するために、新たに蛍光試薬(Spy-LHP:化学名2-(4-Diphenylphosphanyl-phenyl)-9-(1-hexyl-heptyl)-anthra[2,1,9-def,6,5,10-d’ef’]diisoquinoline-1,3,8,10-tetraone)(以下、「Spy-LHP」という)が開発されている(非特許文献7及び特許文献1参照)。当該試薬は、過酸化脂質に対して特異性が高く、また最大励起波長及び最大蛍光波長が長い (λex=524 nm、λem=535 nm)ため、生体試料由来の自家蛍光の影響を受けにくく、生細胞イメージングにおいて細胞へのダメージが小さいという利点を有する。
【0007】
しかしながら、当該蛍光プローブは、脂質への親和性が高く、過酸化脂質と特異的に反応する反面、極性が低く、培養細胞等の生体試料に添加する際に使用されるDMSOやエタノールに対する溶解性が低いという難点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】P. J. Marshall et al., Anal. Biochem., 145, 192 (1985)
【非特許文献2】M. A. Warso et al., J. Clin. Invest., 75, 667 (1985)
【非特許文献3】L. Health et al., Anal. Biochem., 76, 184 (1976)
【非特許文献4】Y. Yamamoto, et al., Anal. Biochem., 160, 7 (1987)
【非特許文献5】K. Akasaka et al., Anal. Lett., 20, 731, 797 (1987)
【非特許文献6】Y. Okimoto, FEBS Lett., 474, 137 (2000)
【非特許文献7】M.Soh et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 16 (11). 2943 (2006)
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006-342135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記Spy-LHPの短所を改良し、生体試料、特に細胞内に存在する過酸化脂質を、蛍光顕微鏡やフローサイトメーター等を用いて、より高感度に測定するための方法を提供することを目的とする。
【0011】
より具体的には、本発明は、過酸化脂質に対して特異性が高く、生体試料由来の自家蛍光の影響を受けにくくて細胞へのダメージが小さい上記Spy-LHPの利点を活かしながらも、その短所である極性の低さを改良し、DMSOやエタノール等の極性溶媒に対して高い溶解性を有する蛍光試薬を使用して、培養細胞等の生体試料中の過酸化脂質をより高感度に測定するための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討していたところ、下記の式(I)で示される化合物:
【0013】
【化1】

(式中、nは4である)
が、従来の蛍光試薬Spy-LHPとは異なり、DMSOやエタノール等の極性溶媒に対して高い溶解性を有していることを見出し、細胞内の過酸化脂質をより高感度に測定することができることを確認した。
【0014】
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであって、下記の実施形態を有する:
項1: 下記(a)及び(b)の工程を有する、過酸化脂質の測定方法:
(a)水性溶媒中で、下式(I)で示される化合物と過酸化脂質とを反応させる工程、
【0015】
【化2】

(式中、nは4である)
及び、
(b)上記(a)の反応で生じる蛍光性化合物を、蛍光検出する工程。
【0016】
項2:下記(A)及び(B)の工程を有する、被験試料中の過酸化脂質を測定する方法:
(A)下式(I)で示される化合物を水性溶媒に溶解させた状態で被験試料と接触させて、化合物(I)と被験試料中の過酸化脂質とを反応させる工程、及び
【0017】
【化3】

(式中、nは4である)
(B)上記(A)の反応で生じる蛍光性化合物を、蛍光検出する工程。
【0018】
項3:蛍光検出に用いる励起波長が480nm〜600nm、好ましくは524nm付近であり、蛍光波長が500nm〜650nm、好ましくは535nm付近である、項1または2に記載する測定方法。項4:被験試料中の脂質の過酸化度を測定する方法である、項2または3に記載する測定方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明の方法で使用する式(I)で示される化合物(以下、「化合物(I)」ともいう)は、非特許文献7や特許文献1に記載されているSpy-LHP(後述する比較化合物(II))と同様に、過酸化脂質を特異的に蛍光検出することができ、また細胞内成分由来の自家蛍光が測定系に与える影響を抑制しながら、かつ生きた細胞を用いる測定系においては励起光の照射が当該細胞に与えるダメージを抑制しながら、過酸化脂質を蛍光検出することができるという利点を備える。また、化合物(I)は、Spy-LHPの難点であった、DMSOやエタノール等の極性溶媒に対する溶解性の低さが改良されて、これらの極性溶媒に対して高い溶解性を有するため、培養細胞等の生体試料中の過酸化脂質の測定に好適に使用することができる。
【0020】
しかも、本発明の化合物(I)によれば、培養細胞、特に細胞の脂質膜等の生体試料中の過酸化脂質を、上記Spy-LHP(比較化合物(II))に比して高感度に測定することができる。
【0021】
つまり、本発明の化合物(I)を蛍光プローブとして用いることを特徴とする本発明の方法によれば、培養細胞等の生体試料中の過酸化脂質を、高い特異性と高い感度をもって、測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】エタノール溶媒中で、本発明の化合物(I)に過酸化脂質であるリノール酸メチル過酸化物を添加した前と後で蛍光測定して得られた蛍光スペクトルを示した図である(実施例2)。縦軸は蛍光強度を、横軸は波長(nm)を意味する。
【図2】本発明の化合物(I)に、各種濃度(0〜200nM)のリノール酸メチル過酸化物を添加し、反応させた後に蛍光測定をして得られた蛍光スペクトル(図(A))、及びリノール酸メチル過酸化物添加前後の蛍光強度比(F/F0)とリノール酸メチル過酸化物の濃度(0〜200nM)との関係を示したグラフ(図(B))である(実施例3)。なお、「F0」はリノール酸メチル過酸化物添加前の蛍光強度、「F」はリノール酸メチル過酸化物添加後の蛍光強度をそれぞれ意味する。
【図3】細胞を本発明の化合物(I)および比較化合物(II)(Spy-LHP)の各CHCl3溶解試薬で処理して、それぞれの化合物を細胞内に取り込ませた後、脂質酸化開始剤で処理して細胞の脂質酸化を誘導した後、蛍光顕微鏡を用いて観察した結果を示す(実施例4)。(A)は、本化合物(I)のCHCl3溶解試薬で処理した細胞を観察した結果を、また(B)は比較化合物(II)のCHCl3溶解試薬で処理した細胞を観察した結果を、それぞれ示す。各図の上段は、細胞を明視野で観察した結果を、また下段は、細胞を蛍光顕微鏡(励起波長:505 nm、蛍光波長:510-550 nm)観察した結果を示す(図4も同じ)。
【図4】細胞を本発明の化合物(I)および比較化合物(II)(Spy-LHP)の各DMSO溶解試薬で処理して、それぞれの化合物を細胞内に取り込ませた後、脂質酸化開始剤で処理して細胞の脂質酸化を誘導した後、蛍光顕微鏡を用いて観察した結果を示す(実施例4)。(A)は本化合物(I)のDMSO溶解試薬で処理した細胞を観察した結果を、(B)は比較化合物(II)のDMSO溶解試薬で処理した細胞を観察した結果を示す。
【図5】過酸化物で処理した細胞を、本発明の化合物(I)および比較化合物(II)(Spy-LHP)の各DMSO溶解試薬またはCHCl3溶解試薬と反応させた後、蛍光検出器を備えたフローサイトメーターを用いて解析した結果を示す(実施例5)
【図6】上記フローサイトメーター解析の結果から、各細胞について蛍光強度の平均値を求めた結果を示す(実験例5)。図中、「Spy-LHP(CHCl3)」は、比較化合物(II)(Spy-LHP)のCHCl3溶解試薬で処理した細胞(n=3)、「Spy改良品(CHCl3)」は、本発明の化合物(I)のCHCl3溶解試薬で処理した細胞の蛍光強度(n=3)、「Spy-LHP(DMSO)」は、比較化合物(II)(Spy-LHP)のDMSO溶解試薬で処理した細胞(n=3)、「Spy改良品(DMSO)」は、本発明の化合物(I)のDMSO溶解試薬で処理した細胞の蛍光強度(n=3)をそれぞれ意味する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(1)蛍光プローブ、過酸化脂質測定試薬
本発明が提供する過酸化脂質測定方法は、蛍光プローブとして下式(I)で示される化合物を使用することを特徴とする。
【0024】
【化4】

ここでnは4を意味する。
【0025】
当該化合物は、ジイソキノリン環の片方にテトラエチレングリコール基が導入されたものであり、水性溶媒中での溶解性または分散性が、前述するSpy-LHP(特許文献1)よりも向上していることを特徴とする。
【0026】
当該化合物のDMSO(ジメチルスルホキシド)に対する溶解性は、室温条件下で、通常0.8〜1.2mg/ml程度である。
【0027】
当該化合物(I)は、上記DMSOのみならず、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール及びヘプタノール等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2の低級アルコール等の水性溶媒に対しても、良好または高い溶解性または分散性を有することを特徴とする。
【0028】
当該化合物(I)は、それ自身は蛍光性を有しないものの、過酸化脂質、特に脂質過酸化の初期に多量に生成するヒドロペルオキシド類と選択的に反応して酸化され、例えば下記式(II)で示される蛍光性を有する蛍光性化合物を生成する。
【0029】
【化5】

(nは上記と同じ)
【0030】
つまり、本発明の化合物(I)は、過酸化脂質の存在を検出し測定するための手掛かりに用いられ、過酸化脂質と特異的に相互作用して、上記蛍光性化合物(II)を生成するため、前述するように、蛍光プローブとして有用である。
【0031】
この蛍光性化合物(II)は、励起波長480 nm〜600 nm、好ましくは480〜530nm;蛍光波長500 nm〜650 nm、好ましくは520 nm〜650 nmの蛍光特性を有している。
【0032】
このように励起波長及び蛍光波長が長波長領域にあると、細胞内成分由来の自家蛍光が測定系に与える影響を抑制することができ、かつ生きた細胞を用いる測定系に対しては、励起光の照射が当該細胞に与えるダメージを抑制しながら蛍光検出を行うことができる。
【0033】
本発明の化合物(I)は、このような性質を有するため、過酸化脂質を測定するための蛍光プローブとして、また過酸化脂質を測定するための試薬(過酸化脂質測定試薬)として好適に使用することができる。
【0034】
当該蛍光プローブ及び過酸化脂質測定試薬は、化合物(I)が過酸化脂質と選択的に反応して蛍光性化合物(II)を与えることができるので、当該プローブまたは試薬によれば、脂質過酸化を簡便な方法で蛍光検出することができる。特に、本発明の化合物(I)は、前述するように、蛍光検出に用いる励起波長及び蛍光波長が長波長領域にあるので、細胞内成分由来の自家蛍光が測定系に与える影響を抑制し、かつ生きた細胞を用いる測定系においては励起光の照射が当該細胞に与えるダメージを抑制しながら、蛍光検出を行うことができる点で有用である。
【0035】
本発明の化合物(I)は、過酸化脂質の測定において、蛍光プローブまたは過酸化脂質測定試薬として使用する場合、通常、水と相溶性を有する水性溶媒に溶解した状態で使用される。水性溶媒は、水と相溶性を有する極性溶媒であり、例えばアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸、ギ酸、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、及びメタノールを例示することができる。好ましくはジメチルスルホキシド(DMSO)、及びメタノールやエタノール等の低級アルコールであり、より好ましくはDMSO及びエタノールである。この場合、過酸化脂質測定試薬中に化合物(I)は、1nmol/L以上含有していることが好ましい。また、過酸化脂質測定試薬は、化合物(I)及び上記溶媒の他、リポソームやミセルなど、本発明の化合物(I)及び過酸化脂質に対して不活性なものを、添加剤として含むものであってもよい。
【0036】
なお、本発明の化合物(I)は、公知のペリレン化合物又はペリレンを原料として合成される。これらの原料は、論文記載の合成法(例えば、H. Langhals, Heterocycles, 40, 477, (1995))に従って合成するか、又は市販品を用いることができる。
【0037】
例えば、環状酸無水物などの反応性基を有するペリレン誘導体に、アミノ基などの反応性基を有するリン原子含有基を155℃〜160℃で3時間〜5時間還流することによって、本発明のペリレン誘導体を得ることができる。また、ペリレン構造にリン原子含有基を直接導入する場合は、例えば、ハロゲン原子などの反応性基を有するペリレン誘導体に、リン原子含有基として第二級ホスフィン化合物を加え、酢酸パラジウムなどの触媒存在下において、80℃〜130℃で1時間〜72時間還流することによって、本発明のペリレン誘導体を得ることができる(特許文献1参照)。
【0038】
より詳細な製造方法は、後述する製造例において説明する。なお、生成物の精製は、通常有機合成に使用される精製方法により行えばよい。
【0039】
(2)過酸化脂質の測定方法
本発明の過酸化脂質の測定方法は、上記本発明の化合物(I)を過酸化脂質計測用試薬として用いて、過酸化脂質と反応して生じる蛍光性化合物(II)を指標として、過酸化脂質を蛍光検出することを特徴とする。
【0040】
具体的には、本発明の過酸化脂質の測定方法は、下記の工程により実施することができる。
【0041】
水性溶媒中で、
(a)本化合物(I)と過酸化脂質とを反応させる工程、及び
(b)上記(a)の反応で生じる蛍光性化合物(II)を、蛍光検出する工程。
【0042】
ここで「水性溶媒」とは、水を相溶性のある溶媒を意味し、前述する極性溶媒を例示することができる。好ましくはジメチルスルホキシド(DMSO)、及びメタノールやエタノール等の低級アルコールであり、より好ましくはDMSO及びエタノールである。前述するように、本化合物(I)はこれらの水性溶媒に可溶性であるため、簡便には、本化合物(I)を、これらの水性溶媒に溶解して過酸化脂質との反応に供することができる。
【0043】
(a)の反応工程は、1〜40℃の温度範囲、好ましくは20〜40℃で、水性溶媒の存在下、本化合物(I)と過酸化脂質とを共存状態におくことで実施することができる。
【0044】
その時間は、特に制限されないが、通常1分以上、好ましくは2〜10分間程度、より好ましくは3〜5分間程度を例示することができる。
【0045】
なお、(a)の反応工程は、過酸化脂質を含み得る被験試料を対象として行うこともできる。
【0046】
過酸化脂質を含み得る被験試料としては、ヒトなどの動物の生体由来の試料(生体試料)、具体的には、血液(血清、血漿)、尿、涙、唾液、汗、細胞、及び組織(組織の破砕物や抽出物を含む)を例示することができる。また、植物に由来する試料、具体的には植物体の抽出物、細胞または組織(組織の破砕物や抽出物を含む)を例示することもできる。
【0047】
つまり、この場合、本発明の方法は、被験試料中の過酸化脂質の存在やその量を定性的また定量的に測定する方法として使用することができる。この場合、上記(a)の工程は、本化合物(I)を水性溶媒に溶解させた状態で使用し、これを被験試料と接触させて、本化合物(I)と被験試料中の過酸化脂質とを反応させることによって実施することができる((A)工程)。
【0048】
反応に際して、水性溶媒に溶解させる本化合物(I)の濃度としては、通常0.1mg/mL以上、好ましくは0.1〜1.5mg/ml程度、より好ましくは0.5〜1.2mg/mL程度、特に好ましくは0.8〜1.0mg/mL程度を例示することができる。
【0049】
この場合の反応条件は、被験試料にダメージが生じない温度条件であればよく、上記の通り、1〜40℃の温度範囲、好ましくは20〜40℃を例示することができる。また、反応時間は、特に制限されないが、通常1分以上、好ましくは1〜40分程度を例示することができる。
【0050】
このため、本発明の方法は、生きた細胞にも細胞抽出成分にも適用することができる。例えば、本発明を、生きた細胞における過酸化脂質の蛍光イメージングに適用する際には、まず、過酸化脂質測定試薬を細胞と接触させることで本化合物(I)を細胞内に導入し、蛍光顕微鏡画像解析システムなどを用いることで検出を行う。また、生きた細胞に過酸化脂質測定試薬を接触させることで本化合物(I)を細胞内に導入し、フローサイトメーターやプレートリーダーなどで蛍光検出を行うこともできる。
【0051】
また、例えば、細胞抽出試料中の過酸化脂質量を測定する場合は、細胞抽出試料と過酸化脂質測定試薬を混合した後、蛍光分光光度計、プレートリーダー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、フローインジェクションなどの手法で蛍光検出を行うことができる。
【0052】
(b)の工程は、上記(a)の工程で生じる蛍光性化合物(II)を蛍光検出する工程である。
また、(A)工程に引き続いて行われる(B)工程は、(b)の工程と同様に、(A)の工程で生じる蛍光性化合物(II)を蛍光検出する工程である。
【0053】
本発明の測定方法において、蛍光検出に用いる励起波長は480 nm〜600 nmの範囲内、特に480〜530nmであり、また、蛍光検出に用いる蛍光波長は500 nm〜650 nmの範囲内、特に520〜650nmである。このように、本方法の好ましい態様によれば、蛍光検出に用いる励起波長及び蛍光波長が長波長領域で行えることから、細胞内成分由来の自家蛍光が測定系に与える影響を抑制しながら、かつ生きた細胞を用いる測定系においては励起光の照射が当該細胞に与えるダメージを抑制しながら蛍光検出を行うことができるという利点がある。
【0054】
また、本発明の測定方法によれば、実施例4と5に示すように、水性溶媒に溶解した本発明化合物(I)を細胞に添加して細胞内に本発明化合物(I)を充分量取り込ませ、脂質酸化開始剤により細胞内で生成した過酸化脂質と本発明化合物(I)が反応して生成する蛍光性化合物(II)を高い感度で蛍光検出することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の構成と効果を、製造例及び実施例を用いて説明する。但し、本発明は、これらの実施例などに何等制限されるものではない。
【0056】
製造例
下記の方法に従って、下式(I)で示される化合物(本発明の化合物(I))を特許文献1(特開2006-342135号公報)の実施例1に類似の方法で合成した。
【0057】
【化6】

【0058】
(1)化合物3の製造
4-ヨードアニリン(化合物2)4.38 gを原料とし、DMA、酢酸カリウム、酢酸パラジウム及びジフェニルホスフィン(化合物1)を加え、加熱還流したのち、得られた粗製物をシリカゲルカラムにより精製を行った。MSと1H-NMRにより生成物の確認を行った。
【0059】
[結果]
生成物の分析結果は以下のとおりであり、化合物3の生成を確認した。
収率 3.2305g(58.3 %)
性状 淡黄色油状
1H-NMR (TMS,CDCl3) δ(ppm)
3.6-4.0 (s, 2H, NH2), 6.6-6.7 (m, 2H, benzene), 7.1-7.2 (m, 2H, benzene),
7.25-7.35 (m, 10H, benzene)
MS m/z 277 (M+)。
【0060】
(2)本発明の化合物(I)の製造
3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物(化合物4)1.41gを原料とし、3,6,9,12-オキサトリデシルアミン(化合物5)を反応させたのち、上記で製造した化合物3を精製することなく添加し、酢酸亜鉛及びイミダゾールを適宜加えて反応させた。得られた粗製物は、シリカゲルカラムにより精製を行った。MSと1H-NMRで生成物の確認を行った。
【0061】
[結果]
生成物の分析結果は以下のとおりであり、本発明の化合物(I)の生成が確認された。
収率 90mg(3.0 %)
性状 暗赤色粉末
1H-NMR (TMS,CDCl3) δ(ppm)
3.2-3.9 (m, 17H, methylene, methyl), 7.3-7.5 (m, 14H, benzene), 8.5-8.8 (m, 8H, perylene),
MS m/z 841 (M+)。
【0062】
実施例1 各種溶媒への溶解性評価
上記製造例で製造した本発明の化合物(I)の各種溶媒への溶解性を、下式(II)で示されるSpy-LHP(同仁化学研究所)と比較した。
【0063】
【化7】

【0064】
結果を下表に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
ここに示すように、Spy-LHPはクロロホルムなどの非極性溶媒には比較的容易に溶解するが、エタノールやDMSOなどの水性溶媒への溶解性は極めて乏しい。それに比較し、本化合物(I)は、エタノールやDMSOなどの水性溶媒への溶解性が比較的よく、そのためDMSO溶媒に溶解させたのちに水へ添加することで、不溶化することなく実験に供することが可能である。
【0067】
実施例2 基礎的な蛍光特性の評価
製造例1で製造した本発明の化合物(I)と、本発明化合物(I)が過酸化物との反応により形成する酸化体である蛍光化合物の基礎的な蛍光特性を評価した。
【0068】
具体的には、エタノール中、本発明化合物(I)に過酸化脂質であるリノール酸メチル過酸化物を添加して蛍光測定を行い、添加前の蛍光スペクトル(すなわち、化合物(I)の蛍光スペクトル)と、添加後の蛍光スペクトル(すなわち、蛍光性化合物の蛍光スペクトル)を対比した。
【0069】
結果を図1に示す。
【0070】
図1に示すように、本化合物(I)及び蛍光性化合物の最大励起波長(λex:524nm)及び最大蛍光波長(λem:535nm)は共に500 nm以上という長波長領域に存在すること、また本化合物(I)が過酸化物と反応すると、蛍光性化合物が生成して蛍光強度が大きく増大することから、本化合物(I)は、Spy-LHP(特許文献1)と同様に、蛍光プローブとして非常に優れた特性を有することが確認された。
【0071】
実施例3 過酸化物の測定
本発明化合物(I)の過酸化脂質検出能を評価するため、エタノールに溶解した本発明化合物(I)に、脂溶性過酸化物であるリノール酸メチル過酸化物を添加し、蛍光測定を行った。測定の条件は次のとおりである。
【0072】
<測定条件>
本発明化合物(I)の濃度:1 μM
リノール酸メチル過酸化物の濃度:0〜200 nM
温度:室温(25±5℃)
測定に使用した励起波長(λex):524 nm
測定に使用した蛍光波長(λem):535 nm
バンド幅(励起/蛍光):2.5 nm/2.5 nm。
【0073】
なお、蛍光測定はリノール酸メチル過酸化物を、本発明化合物(I)をエタノールに溶解したプローブ溶液(化合物(I)濃度:1μM)に添加し、室温で10分間放置した後に行った。
【0074】
各種濃度(0〜200nM)のリノール酸メチル過酸化物を添加し、反応させた後に測定した蛍光スペクトルを図2(A)に示す。また、リノール酸メチル過酸化物添加前後の蛍光強度比(F/F0)とリノール酸メチル過酸化物の濃度(0〜200nM)との関係を示したグラフを図2(B)に示す。
【0075】
図2(B)のF及びF0はそれぞれリノール酸メチル過酸化物添加後及び添加前の蛍光強度を示している。図2(A)に示すように、本発明化合物(I)に対するリノール酸メチル過酸化物の添加量が増加するに伴って、蛍光強度が増大した。また、図2(B)に示すように、本発明化合物(I)の蛍光強度比(F/F0)とリノール酸メチル過酸化物の濃度との間には相関関係があり、リノール酸メチル過酸化物の濃度が0〜200 nMの領域においては、蛍光強度比(F/F0)とリノール酸メチル過酸化物濃度との間に直線関係が成り立つことが明らかとなった。これらのことから、本発明化合物(I)によれば、過酸化脂質の検出を定量的に行うことができる。
【0076】
実施例4 蛍光顕微鏡観察
上記製造例で製造した本発明化合物(I)(以下、本化合物(I)ともいう)、及び比較化合物として上記式(II)で示されるSpy-LHP(同仁化学研究所)(以下、「比較化合物(II)」ともいう)を用いて、細胞中の過酸化脂質を蛍光顕微鏡にて測定した。
【0077】
測定には、各化合物を、それぞれ極性溶媒(DMSO)または非極性溶媒(クロロホルム)に溶解して調製した試薬を使用した。
【0078】
(1)試薬の調製
(1-1)DMSO溶解試薬
本化合物(I)を、1mM濃度になるように、室温でDMSOに溶解してDMSO溶解試薬とした。一方、比較化合物(II)は、上記本化合物(I)と同じ量を同量のDMSOに溶解して(室温)、溶解しきれなかった残渣を遠心分離することで除去した。比較化合物(II)の濃度は0.4〜0.6mM程度であった。
【0079】
(1-2)CHCl3溶解試薬
本化合物(I)および比較化合物(II)を、いずれも10mM濃度になるように、室温でクロロホルムに溶解してCHCl3溶解試薬とした。
【0080】
(2)実験方法
脂質酸化開始剤として、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド(AIPH)およびクメンヒドロペルオキシド(Cumene-OOH)を使用して、ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を処理して、細胞中の過酸化脂質のレベルを蛍光顕微鏡(Olympus IX-71落射蛍光顕微鏡)(励起波長:505 nm、蛍光波長:510-550 nm)で観察評価した。
【0081】
具体的には、培養したヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞(3.0×105 cells/mL、ウシ胎児血清10%, ペニシリン・ストレプトマイシン 1%を含むDMEM/F12培地)を、6 well plate(wellの直径34.6 mm、IWAKI製)に2 mL/wellとなるように、播種し、一晩培養した。
【0082】
これを、上記で調製した本化合物(I)および比較化合物(II)の各CHCl3溶解試薬またはDMSO溶解試薬を用いて本化合物(I)および比較化合物(II)の濃度がそれぞれ20μMとなるように調製した無血清培地で、培地交換し、37℃条件で15分間放置して反応させた。
【0083】
次いで、各wellの培地を、脂質酸化開始剤として6 mM AIPHまたは 100μM Cumene-OOHを配合した血清培地でそれぞれ交換し、37℃条件で15分間放置して反応させた。
【0084】
反応後、4%濃度になるようにパラホルムアルデヒドを添加して室温で20分間放置し、細胞をパラホルムアルデヒドで固定した後、PBSによる洗浄を2回行い、PBS 1 mLを添加して蛍光顕微鏡(励起波長:505 nm、蛍光波長:510-550 nm)で観察した。
【0085】
(3)実験結果
本化合物(I)および比較化合物(II)の各CHCl3溶解試薬を使用して、細胞の過酸化脂質を測定した結果を図3(A:本化合物(I)、B:比較化合物(II))に示す。また、本化合物(I)および比較化合物(II)の各DMSO溶解試薬を使用して、細胞の過酸化脂質を測定した結果を図4(A:本化合物(I)、B:比較化合物(II))に示す。
【0086】
各図の上段は細胞を明視野で観察した結果を、また下段は、細胞を蛍光顕微鏡(励起波長:505 nm、蛍光波長:510-550 nm)観察した結果を示す。
【0087】
この結果からわかるように、脂質酸化開始剤として細胞をAIPHで処理した場合も、またCumene-OOHで処理した場合も、いずれの場合も、本化合物(I)をDMSOに溶解したDMSO溶解試薬を使用することにより、細胞中の過酸化脂質が高い感度で蛍光検出できることが確認された。一方、比較化合物(II)は、DMSO溶解試薬を使用した場合も、細胞をAIPHで処理した場合も、またCumene-OOHで処理した場合も、細胞中の過酸化脂質の蛍光検出感度は低く、所望の結果を得ることができなかった。
【0088】
実施例5 フローサイトメーター(FCM)による測定
本化合物(I)および比較化合物(II)について、実施例4と同様に調製したDMSO溶解試薬及びCHCl3溶解試薬をそれぞれ使用して、細胞中の過酸化脂質をフローサイトメーターを使用して測定した。
【0089】
(1)実験方法
過酸化物として、実施例4と同様に、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド(AIPH)およびクメンヒドロペルオキシド(Cumene-OOH)を使用して、ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を処理して、細胞中の過酸化脂質のレベルを蛍光検出器を備えた下記条件のフローサイトメーター(Becton Dickinson FACSAria II)で測定した。
【0090】
具体的には、培養したヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞(3.0×105 cells/mL、ウシ胎児血清10%, ペニシリン・ストレプトマイシン 1%を含むDMEM/F12培地)を、6 well plate(wellの直径34.6 mm、IWAKI製)に2 mL/wellとなるように、播種し、一晩培養した。
【0091】
これを、上記で調製した本化合物(I)および比較化合物(II)の各CHCl3溶解試薬またはDMSO溶解試薬を用いて本化合物(I)および比較化合物(II)の濃度がそれぞれ20μMとなるように調製した無血清培地で、培地交換し、37℃条件で15分間放置して反応させた。
【0092】
次いで、各wellの培地を、脂質酸化開始剤として、6 mM AIPHまたは 100μM Cumene-OOHとなるように調製した血清培地で、それぞれ交換して、37℃条件で15分間放置して反応させた。
【0093】
反応後、PBSによる洗浄を1回行い、PBS 500μLを添加してピペッティングで細胞を回収して、上記条件のフローサイトメーターに供して、回収した細胞を解析した。
【0094】
(2)実験結果
本化合物(I)および比較化合物(II)の各CHCl3溶解試薬及びDMSO溶解試薬を使用して処理した細胞について、フローサイトメーターで解析した結果を図5に示す。図中の無染色は本化合物(I)および比較化合物(II)を添加していない細胞を、Controlは本化合物(I)および比較化合物(II)のみで処理し、脂質酸化開始剤で処理していない細胞を表しており,AIPHおよびCumene-OOHはそれぞれ処理した脂質酸化開始剤を示している。
【0095】
この結果からわかるように、本化合物(I)および比較化合物(II)の各CHCl3溶解試薬、または比較化合物(II)のDMSO溶解試薬を使用して処理した細胞では、脂質酸化開始剤によってわずかな蛍光強度の増加が認められたが、本化合物(I)をDMSOに溶解したDMSO溶解試薬を使用した場合では、その蛍光強度が著しく増加した。この結果は、本化合物(I)は水溶性度が高くDMSOに充分溶解しているため、水溶性の培養液に添加した場合にも速やかに細胞内に入ったこと示している。一方比較化合物(II)はDMSOへの溶解度が低いことに加え、培養液に添加したときに析出して細胞には充分入っていないと考えられる。
両化合物のCHCl3溶液を添加した場合は、両者とも細胞のダメージが強く検出操作に耐えられない状態であったと考えられる。
【0096】
両化合物のCHCl3溶液をDMSOと同じ条件で添加した場合は、両者とも細胞のダメージが強く検出操作に耐えられないため、本化合物(I)および比較化合物(II)の各CHCl3溶解試薬は化合物の濃度が10倍になるように調整し、培養液へのCHCl3溶液添加量を10分の1にしておこなった。細胞のダメージは軽減されるが、両化合物とも望ましい蛍光はえられなかった。これはCHCl3溶液と培養液の混合が不良であるためと考えられる。
【0097】
また、上記の結果から、各細胞について蛍光強度の平均値を求めた(CHCl3溶解試薬の結果:n=3、DMSO溶解試薬の結果:n=3)。結果を図6に示す。
【0098】
この結果からわかるように、過酸化物としてAIPHを使用した場合も、またCumene-OOHを使用した場合も、本化合物(I)をDMSOに溶解したDMSO溶解試薬を使用することで、蛍光強度が著しく増強することが認められ、細胞中の過酸化脂質を高感度に検出することができることが判明した。
【0099】
実施例6 本化合物(I)を用いた細胞中の過酸化脂質検出法
本化合物(I)を用いた細胞中の過酸化脂質検出法としては、下記の方法を奨励することができる。
1.本化合物(I) 50μgを含むチューブにDMSO 60μlを添加し、ピペッティングまたはボルテックスを使用して溶解する(濃度:1mmol/l [0.83mg/ml])。
2.上記で調製したプローブ溶液を、測定対象の細胞に添加する。例えば、細胞懸濁液(細胞数:1.0×105 cells/ml)1mlに対して適当量のプローブ溶液を添加する方法を挙げることができるが、このとき細胞懸濁液中のDMSO濃度が1%以下になるように、調整することが好ましい。
3.37℃で30分間インキュベートする。
4.蛍光顕微鏡、あるいはフローサイトメーター等で観察、分析する。
なお、観察及び分析に使用する測定条件は、実施例3に記載する条件に従うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)及び(b)の工程を有する、過酸化脂質の測定方法:
(a)水性溶媒中で、下式(I)で示される化合物と過酸化脂質とを反応させる工程、及び
【化1】

(式中、nは4である)
(b)上記(a)の反応で生じる蛍光性化合物を、蛍光検出する工程。
【請求項2】
下記(A)及び(B)の工程を有する、被験試料中の過酸化脂質を測定する方法:
(A)下式(I)で示される化合物を水性溶媒に溶解させた状態で被験試料と接触させて、化合物(I)と被験試料中の過酸化脂質とを反応させる工程、及び
【化2】

(式中、nは4である)
(B)上記(A)の反応で生じる蛍光性化合物を、蛍光検出する工程。
【請求項3】
蛍光検出に用いる励起波長が480nm〜600nmであり、蛍光波長が500nm〜650nmである、請求項1または2に記載する測定方法。
【請求項4】
被験試料中の脂質の過酸化度を測定する方法である、請求項2または3に記載する測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−113741(P2013−113741A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260819(P2011−260819)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【出願人】(590005081)株式会社同仁化学研究所 (9)
【Fターム(参考)】