説明

過電圧保護回路

【課題】回路素子の耐圧を超える過電圧から回路を保護することができる過電圧保護回路を提供する。
【解決手段】コンパレータCP1は、検出電圧Vdetおよび電圧Vth1を比較し、その比較結果を表す比較信号Sc1を制御回路7に出力する。コンパレータCP2は、検出電圧Vdetおよび電圧Vth1より高い電圧Vth2を比較し、その比較結果を表す比較信号Sc2を制御回路7に出力する。制御回路7は、比較信号Sc1が反転する時点から比較信号Sc2が反転する時点までの経過時間が所定時間未満である場合、電圧VBの電圧変化率が所定値以上であり、直流電源線3、4間に回路素子の耐圧を超える過電圧が生じると判断する。制御回路7は、耐圧を超える過電圧が生じると判断した場合、短絡用トランジスタT2をオン駆動するなどの保護動作を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の直流電源線から負荷への電力供給を制御して負荷の駆動を制御する負荷駆動回路の過電圧保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばバッテリから一対の直流電源線を通じて負荷に対する電力供給を行う負荷駆動回路においては、直流電源線間に生じる過電圧から回路を保護するための過電圧保護回路が設けられる。そのような過電圧保護回路として、例えば直流電源線間の電圧値と過電圧を判定するためのしきい値とをコンパレータを用いて比較し、電圧値がしきい値を超えると所定の保護動作を行うといった構成が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−304480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直流電源線間に印加される過電圧としては、定常時の電圧値を超えるものの回路素子の耐圧までは至らない過電圧と、回路素子の耐圧を超えて上昇する過電圧とが考えられる。前者の場合、過電圧保護回路による保護動作を行うことなく、負荷駆動回路による制御(例えば、PWM駆動の場合にはデューティ制御など)により対応すればよい。これに対し、後者の場合、回路素子に耐圧以上の過電圧が印加されることを避けるため、過電圧保護回路による保護動作を行う必要がある。
【0005】
上記従来の過電圧保護回路は、このような過電圧の種類を区別することができない。そのため、上記したように、回路素子の耐圧を超えて上昇する過電圧が印加されるときには保護動作を行う、といった制御は行えない。そこで、耐圧まで至らない過電圧を検出するための第1のしきい値と、耐圧を超える過電圧を検出するための第2のしきい値とを設けることが考えられる。その場合、第1のしきい値は、定常時の電圧値を所定値だけ上回るような値とし、第2のしきい値は、回路素子の耐圧を所定値だけ下回るような値とする。
【0006】
しかし、このように2つのしきい値を設けた場合であっても、次のような問題が生じる。すなわち、回路素子の耐圧を超えて上昇するような過電圧は、その立ち上がりが比較的急峻であることが多い。その例として、例えば車載用途におけるロードダンプなどが挙げられる。ロードダンプが原因で、直流電源線間の電圧値が上昇する場合、その上昇開始の時点から電圧値が回路素子の耐圧に達する時点までの時間(立ち上がり時間)は、例えば数マイクロ秒オーダであると考えられている。
【0007】
従って、回路素子の耐圧を超えるような過電圧が印加される場合、直流電源線間の電圧値が第2のしきい値を超えたことを示す信号がコンパレータから出力された時点において保護動作が開始されても、過電圧の立ち上がりが急峻であるため、既に直流電源線間の電圧値が回路素子の耐圧を超えている可能性がある。そのような場合、耐圧を超える過電圧の印加により回路素子が故障してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路素子の耐圧を超える過電圧から回路を保護することができる過電圧保護回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の手段によれば、電圧検出手段が一対の直流電源線間の電圧を検出し、保護動作制御手段が電圧検出手段により検出される電圧に基づいて負荷駆動回路に対する保護動作を実行する。回路を構成する素子(回路素子)の耐圧を超えるような過電圧の場合、その立ち上がりが急峻であることが多い。本手段では、この点に着目し、次のようにして上記過電圧から回路を保護するようにしている。すなわち、保護動作制御手段は、直流電源線間の電圧値が判定しきい値に達した際、上記電圧値が判定しきい値に達するまでにおける直流電源線間の電圧変化率が所定値以上であれば保護動作を実行する。なお、上記判定しきい値は、定常時における直流電源線間の電圧値(定常値)を超えたことを判定するためのしきい値である。従って、判定しきい値は、通常、定常値を比較的小さい所定値だけ上回るような値に設定される。
【0010】
例えばロードダンプなど、回路素子の耐圧を超えるような過電圧が生じる際、直流電源線間の電圧値は、その立ち上がりの比較的早い段階において判定しきい値に達する。従って、その段階までの電圧変化率についても高い値となる。そのため、上記構成によれば、電圧上昇の比較的早い段階において、直流電源線間の電圧変化率が所定値以上であるか否かに基づいて、その過電圧が回路素子の耐圧を超えるものであるか否かを判断することができる。その判断の結果、直流電源線間の電圧変化率が所定値以上である場合に保護動作が実行される。つまり、過電圧の立ち上がりの比較的早い段階において保護動作が開始されることになる。従って、直流電源線間の電圧値が回路素子の耐圧を超えて上昇する前に保護動作が確実に行われる。このように、本手段によれば、回路素子の耐圧を超えて上昇するような過電圧が発生する場合、その過電圧から回路を確実に保護することができる。
【0011】
請求項2に記載の手段によれば、保護動作制御手段は、次のようにして直流電源線間の電圧変化率が所定値以上であるか否かを判断する。すなわち、保護動作制御手段は、直流電源線間の電圧値が判定しきい値に達した際、第1時点から第2時点までの経過時間を算出する。第1時点とは、電圧値が判定しきい値よりも低く設定された基準しきい値に達した時点である。第2時点とは、電圧値が判定しきい値に達した時点である。そして、保護動作制御手段は、算出した経過時間が、所定時間以上である場合に電圧変化率が所定値未満であると判断する。また、保護動作制御手段は、算出した経過時間が、所定時間未満である場合に電圧変化率が所定値以上であると判断する。つまり、保護動作制御手段は、直流電源線間の電圧値が2つのしきい値に到達する各時間の差に応じて電圧値の変化率(上昇の傾き)の判断を行う。このようにすれば、保護動作制御手段の制御内容が複雑化することを抑制しつつ、過電圧が回路素子の耐圧を超えるものであるか否かについての判断を精度よく行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の手段によれば、保護動作制御手段は、保護動作を実行した後、所定の遅延時間経過後に保護動作を停止する。このようにすれば、何らかの原因により保護動作が誤って実行された場合には、遅延時間経過後に保護動作が停止され、負荷駆動回路を定常動作に復帰させることができる。なお、実際に耐圧を超える過電圧が生じている場合にも、遅延時間経過後に一旦保護動作が停止されることになるが、その場合、過電圧状態が解消されていなければ、保護動作が停止されたことで直流電源線間の電圧値が再度上昇する。すると、再び、上記した電圧変化率についての判断が行われ、その結果、保護動作が再開される。従って、本手段によれば、過電圧から回路を保護することを可能にしつつ、過電圧の誤検出に伴い負荷駆動回路の正常動作が停止し続けることを防止できる。
【0013】
直流電源線間に過電圧が生じた場合、その影響により負荷を通じて流れる負荷電流が増加する。その後、過電圧が解消されると、負荷電流は減少し、やがては定常時の値に戻る。請求項4に記載の手段によれば、上記した過電圧および負荷電流の関係を考慮し、次のようにして保護動作の停止時期が定められる。すなわち、請求項4に記載の手段によれば、負荷を通じて流れる負荷電流を検出する電流検出手段を備えている。そして、保護動作制御手段は、保護動作を実行した状態において、電流検出手段により検出される負荷電流が所定電流未満になると保護動作を停止する。このようにすれば、直流電源線間に過電圧が生じることにより保護動作が実行された後、その過電圧が解消されたと考えられるときに保護動作が停止される。そのため、保護動作がむやみに継続されることを防止できるとともに、保護動作を行う必要がなくなった時点において、直ちに負荷駆動回路を定常動作に復帰させることができる。また、何らかの原因により保護動作が誤って実行された場合には、負荷電流が所定電流以上になることがないため、その保護動作が直ちに停止されて、負荷駆動回路を定常動作に復帰させることができる。
【0014】
直流電源線間に過電圧が生じた場合、その影響により負荷駆動回路の温度が上昇する。その後、過電圧が解消されると、負荷駆動回路の温度は低下し、やがては定常時の値に戻る。請求項5に記載の手段によれば、上記した過電圧および温度の関係を考慮し、次のようにして保護動作の停止時期が定められる。すなわち、請求項5に記載の手段によれば、負荷駆動回路の温度を検出する温度検出手段を備えている。そして、保護動作制御手段は、保護動作を実行した状態において、温度検出手段により検出される温度が所定温度未満になると保護動作を停止する。このようにすれば、直流電源線間に過電圧が生じることにより保護動作が実行された後、その過電圧が解消されたと考えられるときに保護動作が停止される。そのため、保護動作が無駄に継続されることを防止できるとともに、保護動作を行う必要がなくなった時点において、直ちに負荷駆動回路を定常動作に復帰させることができる。また、何らかの原因により保護動作が誤って実行された場合には、負荷駆動回路の温度が所定温度以上になることがないため、その保護動作が直ちに停止されて、負荷駆動回路を定常動作に復帰させることができる。
【0015】
請求項6に記載の手段によれば、負荷駆動回路は、一対の直流電源線間に負荷とともに直列に接続される負荷駆動用トランジスタを備えている。そして、保護動作制御手段は、保護動作を実行する際、負荷駆動用トランジスタをオンする。すなわち、直流電源線間に過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線間はオン状態である負荷駆動用トランジスタおよび負荷を通じて短絡される。それにより、直流電源線間に短絡電流が流れるため、直流電源線間の電圧が低下して過電圧状態が解消される。このようにすれば、負荷駆動回路が元々備えている負荷駆動用トランジスタの駆動制御により保護動作を実行することが可能となる。従って、保護動作専用の構成を別途設ける必要がなくなり、回路構成要素が削減されるという効果が得られる。
【0016】
請求項7に記載の手段によれば、一対の直流電源線間に接続される短絡用トランジスタを備えている。そして、保護動作制御手段は、保護動作を実行する際、短絡用トランジスタをオンする。すなわち、直流電源線間に過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線間はオン状態である短絡用トランジスタを通じて短絡される。それにより、直流電源線間に短絡電流が流れるため、直流電源線間の電圧が低下して過電圧状態が解消される。このようにすれば、短絡用トランジスタを設ける必要がある分だけ回路構成要素が多くなるものの、負荷の駆動に関する制御内容に変更を加えることなく、過電圧保護を行うことができる。また、保護動作時の短絡電流が負荷に流れないため、負荷が短絡電流の影響により故障するといった事態を未然に防止できる。
【0017】
請求項8に記載の手段によれば、負荷駆動回路は、一対の直流電源線間に負荷とともに直列に接続される負荷駆動用トランジスタを備えている。また、過電圧保護回路の構成要素として、負荷に対して並列に接続される保護動作用トランジスタを備えている。そして、保護動作制御手段は、保護動作を実行する際、負荷駆動用トランジスタをオンするとともに保護動作用トランジスタをオンする。すなわち、直流電源線間に過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線間は、いずれもオン状態である負荷駆動用トランジスタおよび保護動作用トランジスタを通じて短絡される。それにより、直流電源線間に短絡電流が流れるため、直流電源線間の電圧が低下して過電圧状態が解消される。このようにすれば、保護動作時の短絡電流が負荷に流れないため、負荷が短絡電流の影響により故障するといった事態を未然に防止できる。
【0018】
請求項9に記載の手段によれば、負荷駆動回路は、一対の直流電源線間にHブリッジ状に接続される負荷駆動用トランジスタを備えている。そして、保護動作制御手段は、保護動作を実行する際、負荷駆動用トランジスタをオンする。すなわち、直流電源線間に過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線間は、いずれもオン状態である一方の上アーム側の負荷駆動用トランジスタおよび一方の下アーム側の負荷駆動用トランジスタを通じて短絡されるとともに、いずれもオン状態である他方の上アーム側の負荷駆動用トランジスタおよび他方の下アーム側の負荷駆動用トランジスタを通じて短絡される。それにより、直流電源線間に短絡電流が流れるため、直流電源線間の電圧が低下して過電圧状態が解消される。このようにすれば、保護動作時の短絡電流が負荷に流れないため、短絡電流の影響により負荷が故障するといった事態を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、負荷駆動装置の概略構成図
【図2】制御回路の概略的な構成を示すブロック図
【図3】過電圧が生じる際におけるコンパレータの出力を示す図
【図4】過電圧判断部の制御内容を示すフローチャート
【図5】過電圧が生じる際における直流電源線間の電圧の推移を示す図
【図6】過電圧判断部の一構成例を示す図
【図7】耐圧超過電圧が生じる際の過電圧判断部の各部信号波形の一例を示す図
【図8】耐圧超過電圧が生じる際の過電圧判断部の各部信号波形の他の例を示す図
【図9】通常過電圧が生じる際における図7相当図
【図10】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図11】図2相当図
【図12】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図13】図2相当図
【図14】本発明の第4の実施形態を示す図1相当図
【図15】図2相当図
【図16】本発明の第5の実施形態を示す図1相当図
【図17】本発明の第6の実施形態を示す図1相当図
【図18】図2相当図
【図19】図3相当図
【図20】本発明の第7の実施形態を示す図1相当図
【図21】図2相当図
【図22】本発明の第8の実施形態を示す図1相当図
【図23】図2相当図
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は、車両に搭載される負荷を駆動する負荷駆動装置の概略的な構成を示している。図1に示すように、負荷駆動装置1には、バッテリ2から一対の直流電源線3、4を介して電圧VBが供給される。電圧VBの定常時における電圧値(定常値)は、例えば+12V程度である。また、負荷駆動装置1には、直流電源線5、4を介して電圧Vrefが供給される。電圧Vrefは、温度などの影響による電圧変動が極めて小さい安定した電位であり、例えばバンドギャップリファレンス回路などを用いて生成される。
【0021】
直流電源線3、4間には、負荷6および負荷駆動用トランジスタT1が、この順番に直列接続されている。すなわち、負荷駆動装置1は、負荷6をハイサイド駆動する構成である。負荷駆動用トランジスタT1は、Nチャネル型のMOSFETである。負荷駆動用トランジスタT1のゲートには、制御回路7から出力されるゲート駆動信号Sg1が与えられる。また、直流電源線3、4間には、電流制限用抵抗R1および短絡用トランジスタT2が、この順番に直列接続されている。電流制限用抵抗R1は、後述する短絡電流を制限するために設けられている。短絡用トランジスタT2は、Nチャネル型のMOSFETである。短絡用トランジスタT2のゲートには、制御回路7から出力されるゲート駆動信号Sg2が与えられる。
【0022】
直流電源線3、4間には、分圧用抵抗R2、R3が直列接続されている。分圧用抵抗R2、R3の相互接続点Ndには、電圧VBを分圧用抵抗R2、R3により分圧した検出電圧Vdetが生じる。このように、本実施形態では、分圧用抵抗R2、R3により、一対の直流電源線3、4間の電圧を検出する電圧検出手段8が構成される。上記相互接続点Ndは、コンパレータCP1、CP2の非反転入力端子に接続されている。直流電源線5、4間には、分圧用抵抗R4〜R6が直列接続されている。分圧用抵抗R4、R5の相互接続点N1には、電圧Vrefを分圧用抵抗R5、R6の直列合成抵抗と分圧用抵抗R4とにより分圧した電圧Vth1が生じる。その相互接続点N1は、コンパレータCP1の反転入力端子に接続されている。分圧用抵抗R5、R6の相互接続点N2には、電圧Vrefを分圧用抵抗R6と分圧用抵抗R4、R5の直列合成抵抗とにより分圧した電圧Vth2が生じる。その相互接続点N2は、コンパレータCP2の反転入力端子に接続されている。
【0023】
電圧Vth1の値は、電圧VBが基準しきい値VTH1に達したときの検出電圧Vdetの値に設定される。基準しきい値VTH1は、後述する経過時間の起点を決めるためのものである。本実施形態では、基準しきい値VTH1は、電圧VBの定常値より若干高い値である+14V程度に設定されている。
【0024】
電圧値Vth2の値は、電圧VBが判定しきい値VTH2に達したときの検出電圧Vdetの値に設定される。判定しきい値VTH2は、電圧VBの電圧値が定常値を超えたことを判定するためのものである。本実施形態では、判定しきい値VTH2は、電圧VBの通常の変動範囲(+10V〜+16V)内の最大値よりも若干高い値である+20V程度に設定されている。分圧用抵抗R2、R3の抵抗値(分圧比)と、分圧用抵抗R4〜R6の抵抗値(分圧比)とは、検出電圧Vdet、電圧Vth1、Vth2の値が上述した各条件を満たす値になるように設定されている。
【0025】
なお、基準しきい値VTH1および判定しきい値VTH2は、下記(1)式の条件を満たす範囲の値であれば適宜変更可能である。
VNML<VTH1<VTH2<VLMT …(1)
ただし、電圧VBの定常値をVNMLで示し、直流電源線3、4間に接続される回路素子の耐圧をVLMTで示している。なお、この場合、耐圧VLMTは、負荷駆動用トランジスタT1のソース・ドレイン間電圧の定格値に相当する。
【0026】
コンパレータCP1は、検出電圧Vdetおよび電圧Vth1を比較し、その比較結果を表す比較信号Sc1を制御回路7に出力する。比較信号Sc1は、検出電圧Vdetが電圧Vth1より低い場合にはLレベル(例えば0V)となり、検出電圧Vdetが電圧Vth1より高い場合にはHレベル(コンパレータCP1、CP2に供給される電源電圧のレベルであり、例えば+5V)となる。コンパレータCP2は、検出電圧Vdetおよび電圧Vth2を比較し、その比較結果を表す比較信号Sc2を制御回路7に出力する。比較信号Sc2は、検出電圧Vdetが電圧Vth2より低い場合にはLレベルとなり、検出電圧Vdetが電圧Vth2より高い場合にはHレベルとなる。
【0027】
制御回路7は、外部の上位制御装置(図示せず)から与えられる制御指令Saに従い、ゲート駆動信号Sg1を出力し、負荷駆動用トランジスタT1の駆動をパルス幅変調(PWM)制御する。すなわち、本実施形態では、制御回路7および負荷駆動用トランジスタT1により、直流電源線3、4から負荷6に対する電力供給を制御する負荷駆動回路9が構成される。
【0028】
また、制御回路7は、コンパレータCP1、CP2から与えられる比較信号Sc1、Sc2に基づいて、直流電源線3、4間に過電圧が生じている否かの判断、過電圧の種類の判断などの制御を行う(詳細は後述する)。制御回路7は、直流電源線3、4間に回路素子(負荷駆動用トランジスタT1など)の耐圧を超える過電圧が生じていると判断した場合、その過電圧に対する保護動作を実行する。すなわち、本実施形態において、制御回路7は、電圧検出手段8により検出される電圧に基づいて負荷駆動回路9に対する保護動作を実行する保護動作制御手段に相当する。
【0029】
本実施形態では、制御回路7は、保護動作を行う際、Hレベル(短絡用トランジスタT2のゲートしきい値電圧を十分に超える電圧値)のゲート駆動信号Sg2を出力し、短絡用トランジスタT2をオンする。なお、制御回路7は、保護動作を行うとき以外には、Lレベル(直流電源線4の電位=0V)のゲート駆動信号Sg2を出力し、短絡用トランジスタT2をオフする。すなわち、本実施形態では、分圧用抵抗R2〜R6、コンパレータCP1、CP2、制御回路7および短絡用トランジスタT2により、過電圧保護回路10が構成される。過電圧保護回路10は、直流電源線3、4間に生じる過電圧から負荷駆動回路9を保護するフェールセーフ回路である。過電圧保護回路10は、前述した負荷駆動回路9とともに、1つのIC(半導体集積回路)として構成されている。
【0030】
図2は、制御回路7の構成を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、制御回路7は、過電圧判断部11、通常動作制御部12、保護動作制御部13およびドライバ部14を備えている。過電圧判断部11は、比較信号Sc1、Sc2がいずれもLレベルである場合、直流電源線3、4間において過電圧が発生していない、つまり正常状態であると判断する。この場合、過電圧判断部11は、過電圧の検出状況を表す検出信号Sd1、Sd2をいずれもLレベルにする。
【0031】
過電圧判断部11は、比較信号Sc1がLレベルからHレベルに転じた場合、過電圧発生の有無および過電圧の種類を判断する。図3は、直流電源線3、4間に過電圧が生じている場合における比較信号Sc1、Sc2を示している。図3(a)に示すように、比較信号Sc1が反転した時点t1から所定時間Taが経過した時点t2までの間に比較信号Sc2がLレベルからHレベルに転じる場合、過電圧判断部11は、直流電源線3、4間に回路素子の耐圧を超えるような過電圧(以下、耐圧超過電圧と称す)が生じると判断(推定)する。この場合、過電圧判断部11は、検出信号Sd1をHレベルにする。なお、詳細は後述するが、過電圧判断部11は、検出信号Sd1をHレベルにした後、所定の遅延時間Tdが経過すると、検出信号Sd1をLレベルに戻すようになっている。
【0032】
図3(b)に示すように、時点t1から所定時間Taが経過した時点t2以降に比較信号Sc2が反転する場合、過電圧判断部11は、直流電源線3、4間に回路素子の耐圧まで至らない過電圧(以下、通常過電圧と称す)が生じると判断(推定)する。この場合、過電圧判断部11は、検出信号Sd2をHレベルにする。このように、過電圧判断部11は、比較信号Sc1が反転する時点(第1時点)から比較信号Sc2が反転する時点(第2時点)までの経過時間に基づいて過電圧の種類を推定する。なお、過電圧判断部11は、比較信号Sc1がLレベルからHレベルに転じた後、比較信号Sc2がLレベルからHレベルに転じない場合には、過電圧が生じていないと判断して検出信号Sd1、Sd2をいずれもLレベルにする。
【0033】
通常動作制御部12は、与えられる検出信号Sd2がLレベルである場合、制御指令Saに従って負荷駆動用トランジスタT1を駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部14に与える。ドライバ部14は、通常動作制御部12から与えられる駆動指令に基づいてゲート駆動信号Sg1を生成する。すなわち、検出信号Sd2がLレベルである場合、通常動作制御部12は、制御指令Saに従い、ドライバ部14を通じて負荷駆動用トランジスタT1の駆動を制御する(通常動作)。
【0034】
また、通常動作制御部12は、検出信号Sd2がHレベルである場合、制御指令Saにかかわらず、負荷駆動用トランジスタT1をオフ駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部14に与える。すなわち、検出信号Sd2がHレベルである場合、通常動作制御部12は、制御指令Saにかかわらず、ドライバ部14を通じて負荷駆動用トランジスタT1をオフ駆動する(過電圧対策動作)。なお、過電圧対策動作としては、負荷駆動用トランジスタT1のオン時間が制御指令Saにより示されるオン時間よりも短くなるように、負荷駆動用トランジスタT1の駆動を制御するものでもよい。要するに、過電圧対策動作としては、負荷6に供給される電力(電流)が、制御指令Saにより指示される値よりも小さくなるような制御であればよい。
【0035】
保護動作制御部13は、検出信号Sd1がLレベルである場合、短絡用トランジスタT2をオフ駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部14に与える。ドライバ部14は、保護動作制御部13から与えられる駆動指令に基づいてゲート駆動信号Sg2を生成する。すなわち、検出信号Sd1がLレベルである場合、保護動作制御部13は、ドライバ部14を通じて短絡用トランジスタT2をオフ駆動する。また、保護動作制御部13は、検出信号Sd1がHレベルである場合、短絡用トランジスタT2をオン駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部14に与える。すなわち、検出信号Sd1がHレベルである場合、保護動作制御部13は、ドライバ部14を通じて短絡用トランジスタT2をオン駆動する(保護動作)。
【0036】
なお、ドライバ部14は、通常動作制御部12および保護動作制御部13の双方から駆動指令が与えられた場合には、保護動作制御部13の駆動指令を優先するようになっている。すなわち、本実施形態においては、通常動作および過電圧対策動作よりも、保護動作が優先的に実施されるようになっている。
【0037】
図4は、過電圧判断部11の制御内容を示すフローチャートである。電源供給が開始されて制御回路7が起動すると、検出信号Sd1、Sd2はいずれもLレベルに設定される(ステップA1)。続くステップA2は、電圧VBの上昇開始を監視するためのステップである。すなわち、ステップA2では、コンパレータCP1から与えられる比較信号Sc1がHレベルであるか否かが判断される。電圧VBが定常値である場合、比較信号Sc1はLレベルである(ステップA2で「NO」)ため、検出信号Sd1、Sd2はいずれもLレベルのままである。一方、電圧VBが上昇して基準しきい値VTH1に達すると、比較信号Sc1がHレベルに転じる(ステップA2で「YES」)。
【0038】
その場合、ステップA3に進み、経過時間計測用の第1タイマの計時が開始される。すなわち、比較信号Sc1が反転した第1時点から第1タイマの計時が開始される。続くステップA4では、コンパレータCP2から与えられる比較信号Sc2がHレベルであるか否かが判断される。ノイズなど何らかの原因により、電圧VBが基準しきい値VTH1に達したものの、その後、判定しきい値VTH2まで上昇することがないような場合には、後述する保護動作などを行う必要はない。そのような場合、電圧VBが判定しきい値VTH2に達することなく、電圧VBは再び基準しきい値VTH1を下回る。すなわち、比較信号Sc2がHレベルに転じることなく(ステップA4で「NO」)、比較信号Sc1がLレベルに転じる(ステップA5で「YES」)。これにより、ステップA2に戻り、再び電圧VBの上昇開始が監視される。
【0039】
一方、直流電源線3、4間に通常過電圧または耐圧超過電圧が生じる場合、電圧VBは基準しきい値VTH1に達した後も上昇を続けることになる。電圧VBが上昇して判定しきい値VTH2に達すると、比較信号Sc2がHレベルに転じる(ステップA4で「YES」)。その場合、ステップA6に進み、第1タイマの計時が停止される。すなわち、比較信号Sc2がHレベルに転じた第2時点で第1タイマの計時が停止される。続くステップA7では、第1タイマのカウント値、つまり、比較信号Sc1が反転した第1時点から比較信号Sc2が反転した第2時点までの経過時間が、所定時間Ta未満であるか否かが判断される。
【0040】
所定時間Taは、次のような点を考慮した上で適宜設定されている。図5は、通常過電圧が生じる際および耐圧超過電圧が生じる際の電圧VBを変化の一例を示している。図5に示すように、通常過電圧が生じる際の電圧VBの上昇の傾き(電圧変化率)は比較的緩やかなものとなる(図5において一点鎖線で示す部分)。これに対し、耐圧超過電圧が生じる際の電圧VBの上昇の傾きは比較的急峻なものとなる(図5において実線で示す部分)。例えば、本実施形態のように車載用途であれば、ロードダンプに起因する過電圧などが典型的な例である。すなわち、電圧VBの電圧変化率が所定値以上である場合に耐圧超過電圧が生じると推定し、所定値未満である場合に通常過電圧が生じると推定することができる。本実施形態では、上記電圧変化率を直接的に求める代わりに経過時間を求め、その経過時間の長さから間接的に電圧変化率の大きさを判定する。
【0041】
経過時間(第1タイマのカウント値)は、通常過電圧が生じる際よりも、耐圧超過電圧が生じる際のほうが小さい値となる。このことは、図5からも明らかである。すなわち、図5において、耐圧超過電圧が生じる際の経過時間は、電圧VBが基準しきい値VTH1に達する時点taから判定しきい値VTH2に達する時点tbまでの時間Tαである。また、通常過電圧が生じる際の経過時間は、電圧VBが基準しきい値VTH1に達する時点tcから判定しきい値VTH2に達する時点tdまでの時間Tβである。そして、時間Tαは、時間Tβに比べて非常に短い時間である。所定時間Taは、通常過電圧が生じる際の経過時間の平均的な値よりも十分に小さい値であり、且つ、耐圧超過電圧が生じる際の経過時間の平均的な値よりも十分に大きい値に設定される。なお、各経過時間の平均的な値は、予め実験などを行うことにより求めることができる。
【0042】
直流電源線3、4間に通常過電圧が生じる場合、図3(b)に示したように、経過時間は所定時間Ta以上となる(ステップA7で「NO」)。その場合、通常過電圧が生じると判断されてステップA8に進み、検出信号Sd2がHレベルに設定される。ステップA8の実行後は、ステップA9に進む。ステップA9では、比較信号Sc2がLレベルであるか否かが判断される。すなわち、電圧VBが判定しきい値VTH2を超えている間(ステップA9で「NO」の間)は検出信号Sd2がHレベルの状態が維持され、電圧VBが判定しきい値VTH2を下回ると(ステップA9で「YES」)、ステップA10に進む。ステップA10では、検出信号Sd2がLレベルに設定され、ステップA2に戻る。
【0043】
このような制御により、通常過電圧が生じると判断された場合、電圧VBが判定しきい値VTH2を下回るまでの間、前述した通常動作制御部12による過電圧対策動作が実行される。そして、電圧VBが判定しきい値VTH2を下回ると、通常過電圧の状態が解消されたと判断され、再び電圧VBの上昇開始の監視が行われる。
【0044】
一方、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じる場合、図3(a)に示したように、経過時間は所定時間Ta未満となる(ステップA7で「YES」)。その場合、耐圧超過電圧が生じると判断されてステップA11に進み、検出信号Sd1がHレベルに設定される。また、ステップA11では、遅延時間計測用の第2タイマの計時が開始される。すなわち、検出信号Sd1が反転した時点から第2タイマの計時が開始される。第2タイマの計時は、そのカウント値が終了値に達するまで(ステップA12で「NO」)の間、継続される。第2タイマのカウント値が終了値に達すると(ステップA12で「YES」)、ステップA13に進む。ステップA13では、検出信号Sd1がLレベルに設定され、ステップA2に戻る。
【0045】
なお、第2タイマの計時が開始された時点から計時が終了する時点までの時間(終了値)が、遅延時間Tdに相当する。このような制御により、耐圧超過電圧が生じると判断された場合、遅延時間Tdが経過するまでの間、前述した保護動作制御部13による保護動作が実行される。そして、遅延時間Tdが経過すると、再び電圧VBの上昇開始の監視が行われる。
【0046】
図6は、上述した制御を行う過電圧判断部11の具体的な構成例を示している。図6に示す過電圧判断部11は、経過時間検出ブロック21、遅延時間制御ブロック22、インバータ回路23および2入力型のAND回路24、25を備えている。過電圧判断部11には、比較信号Sc1、Sc2、クロック信号CLKおよびリセット信号RSTが与えられている。過電圧判断部11は、クロック信号CLKに同期した動作を行う。リセット信号RSTは、例えばパワーオンリセット信号であり、回路起動時の所定期間はLレベルになり、その後はHレベルに転じる。
【0047】
クロック信号CLKは、経過時間検出ブロック21および遅延時間制御ブロック22に入力されるとともに、インバータ回路23に入力される。インバータ回路23は、クロック信号CLKを反転した反転クロック信号CLKバー(図6では、CLKの上に−を付して示す)を出力する。反転クロック信号CLKバーは、経過時間検出ブロック21および遅延時間制御ブロック22に入力される。リセット信号RSTは、遅延時間制御ブロック22に入力されるとともに、AND回路24の一方の入力端子に与えられる。AND回路24の他方の入力端子には、遅延時間制御ブロック22から出力される遅延時間信号Sdlyが与えられる。AND回路24の出力は、経過時間検出ブロック21に与えられる。
【0048】
経過時間検出ブロック21は、D型のフリップフロップ26〜30(以下、FF26〜30と称す)、2入力型のOR回路31、インバータ回路32および2入力型のAND回路33を備えている。比較信号Sc1は、FF26に入力される。FF26の出力はFF27に入力され、FF27の出力はFF28に入力される。FF28の出力は、OR回路31の一方の入力端子に与えられる。OR回路31の出力はFF29に入力される。FF29の出力は、OR回路31の他方の入力端子に与えられるとともに、インバータ回路32に入力される。
【0049】
インバータ回路32の出力はAND回路33の一方の入力端子に与えられる。AND回路33の他方の入力端子には、比較信号Sc2が与えられる。AND回路33の出力は、FF30のクロック端子に与えられる。FF30の入力はHレベル(論理的に「1」を示すレベル)に固定されている。FF30の出力信号は、耐圧超過電圧の検出状況を示す検出信号Sd1に相当する。FF30の出力信号は、遅延時間制御ブロック22にも与えられる。FF29の出力は、AND回路25の一方の入力端子に与えられる。AND回路25の他方の入力端子には、比較信号Sc2が与えられている。AND回路25の出力信号は、通常過電圧の検出状況を示す検出信号Sd2に相当する。
【0050】
FF26〜FF30のクリア端子には、AND回路24の出力信号が与えられる。FF26〜FF30は、AND回路24の出力信号がLレベルであるときにクリアされる。FF26、28のクロック端子には、クロック信号CLKが与えられる。FF27、29のクロック端子には、反転クロック信号CLKバーが与えられる。
【0051】
遅延時間制御ブロック22は、T型のフリップフロップ34〜37(以下、FF34〜37と称す)、4入力型のNAND回路38およびD型のフリップフロップ39〜41(以下、FF39〜41と称す)を備えている。クロック信号CLKは、FF34に入力される。FF34の出力はFF35に入力され、FF35の出力はFF36に入力される。FF36の出力はFF37に入力される。また、FF34〜FF37の出力は、NAND回路38の4つの入力端子にそれぞれ与えられる。FF34〜FF37のクリア端子には、検出信号Sd2が与えられる。FF34〜FF37は、検出信号Sd1がLレベルであるときにクリアされる。
【0052】
NAND回路38の出力は、FF39に入力される。FF39の出力はFF40に入力され、FF40の出力はFF41に入力される。FF41の出力は、遅延時間の経過を示す遅延時間信号Sdlyに相当する。FF39〜41のクリア端子には、リセット信号RSTが与えられる。FF39〜F41は、リセット信号RSTがLレベルであるときにクリアされる。FF39、41のクロック端子には、クロック信号CLKが与えられる。FF40のクロック端子には、反転クロック信号CLKバーが与えられる。
【0053】
詳細な動作説明は省略するが、このような構成により、図4のフローチャートに示した制御内容を実現することが可能となる。図7〜図9は、図6に示した過電圧判断部11の各部の信号波形を示すタイミングチャートである。なお、図7〜図9では、インバータ回路32をINV32と称し、AND回路33をAND33と称し、NAND回路38をNAND38と称している。図7〜図9に示すように、比較信号Sc1がHレベルに転じる時点から、インバータ回路32の出力がLレベルに転じる時点までの期間が所定時間Taに相当する。従って、その期間(所定時間Ta)内に比較信号Sc2がHレベルに転じると、検出信号Sd1がHレベルに転じる(図7および図8参照)。つまり、耐圧超過電圧が生じることを示す検出信号Sd1が出力され、保護動作が実施される。なお、図示していないが、検出信号Sd1がHレベルである期間の一部において、検出信号Sd2がHレベルになる。しかし、前述したように、過電圧対策動作よりも保護動作が優先的に実施されるため、問題が生じることはない。
【0054】
検出信号Sd1は、FF41から出力される遅延時間信号SdlyがLレベルに転じた時点においてLレベルに転じる。つまり、保護動作は、遅延時間Tdだけ実施された後、停止される。このようにして保護動作が停止された後、インバータ回路32の出力は再びHレベルに転じる。この際、図7に示すように、保護動作が実施されている期間中に耐圧超過電圧が解消されている場合には、比較信号Sc2がLレベルになっている。そのため、保護動作が再開されることはない。これに対し、図8に示すように、保護動作が実施されている期間中に耐圧超過電圧が解消されなかった場合には、比較信号Sc2はHレベルのままになっている。そのため、インバータ回路32の出力がHレベルに転じた時点において検出信号Sd1がHレベルに転じ、保護動作が再開される。
【0055】
一方、所定時間Taの経過後に比較信号Sc2がHレベルに転じた場合、検出信号Sd1はLレベルのままである(図9参照)。ただし、図示していないが、比較信号Sc2がHレベルに転じることにより、検出信号Sd2がHレベルに転じる。つまり、通常過電圧が生じることを示す検出信号Sd2が出力され、過電圧対策動作が実施される。検出信号Sd2は、比較信号Sc2がLレベルに転じた時点においてLレベルに転じる。つまり、電圧VBが判定しきい値VTH2を下回った時点において過電圧対策動作は停止される。
【0056】
以上説明した本実施形態の過電圧保護回路10は、直流電源線3、4間の電圧VBの検出値に相当する検出電圧Vdetに基づいて負荷駆動回路9に対する保護動作を実行する。具体的には、過電圧保護回路10は、電圧VBが判定しきい値VTH2に達した際、その電圧変化率が所定値以上であれば耐圧超過電圧が生じると判断して保護動作を実行する。例えば、ロードダンプなどの耐圧超過電圧が生じる際、直流電源線3、4間の電圧VBの値は、その立ち上がりの比較的早い段階において判定しきい値VTH2に達する。そのため、本実施形態の構成によれば、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じる場合、その電圧上昇の比較的早い段階において保護動作が開始されることになる。従って、直流電源線3、4間の電圧VBの値が回路素子の耐圧を超えて上昇する前に保護動作が確実に実施される。このように、本実施形態によれば、回路素子の耐圧を超えて上昇する耐圧超過電圧が発生する場合、その過電圧から負荷駆動回路9を含むICを確実に保護することができる。
【0057】
さて、従来技術においては、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じる場合と、通常過電圧が生じる場合とのいずれについても、同じ保護動作が行われるようになっていた。その場合、通常は安全性を重視するため、いずれの過電圧の場合にも負荷駆動回路9の動作を完全に停止させるような保護動作(本実施形態における保護動作に相当)が行われることになる。従って、実際には負荷駆動回路9の動作を完全に停止する必要性が低いような比較的低い過電圧(通常過電圧)が生じた場合でも、負荷駆動回路9の動作が停止することになる。
【0058】
これに対し、本実施形態の過電圧保護回路10は、電圧VBが判定しきい値VTH2に達した際、その電圧変化率が所定値以上であれば耐圧超過電圧が生じると判断して保護動作を実行し、所定値未満であれば通常過電圧が生じると判断して過電圧対策動作を実行する。このようにすれば、耐圧超過電圧が生じる場合には、負荷駆動回路9の動作を完全に停止させるような保護動作が行われるものの、通常過電圧が生じる場合には負荷駆動回路9の動作を停止することなく、負荷6への電力供給を停止したり、負荷6に流れる電流を制限したりするなどの過電圧対策動作が行われる。このように、本実施形態の過電圧保護回路10によれば、直流電源線3、4間に比較的低い過電圧(通常過電圧)が生じた場合には、負荷駆動回路9の動作を完全に停止することなく、その過電圧から負荷駆動回路9を保護することができる。
【0059】
過電圧判断部11は、電圧VBが判定しきい値VTH2に達した際、第1時点(電圧VBが基準しきい値VTH1に達した時点)から第2時点(電圧VBが判定しきい値VTH2に達した時点)までの経過時間を算出する。そして、過電圧判断部11は、算出した経過時間が所定時間Ta以上である場合に電圧変化率が所定値未満である(通常過電圧が生じる)と判断する。また、過電圧判断部11は、算出した経過時間が所定時間Ta未満である場合に電圧変化率が所定値以上である(耐圧超過電圧が生じる)と判断する。つまり、過電圧判断部11は、直流電源線3、4間の電圧VBの値が2つのしきい値VTH1、VTH2に到達する第1時点、第2時点の時間差に応じて電圧VBの電圧変化率(上昇の傾き)の判断を行う。このようにすれば、過電圧判断部11、つまり制御回路7の制御内容が複雑化することを抑制しつつ、過電圧の種類の判断を精度よく行うことができる。
【0060】
過電圧保護回路10は、保護動作を実行した後、所定の遅延時間Td経過後に保護動作を停止する。このようにすれば、何らかの原因により保護動作が誤って実行された場合には、遅延時間Td経過後に保護動作が停止されるので、負荷駆動回路9を定常動作に復帰させることができる。なお、実際に耐圧超過電圧が生じている場合にも、遅延時間Td経過後には一旦保護動作が停止されるが、その場合、過電圧状態が解消されていなければ、保護動作が停止されたことで電圧VBが再度上昇する。すると、再び保護動作を実行するか否かの判断が行われ、その結果、保護動作が再開される。従って、本実施形態によれば、耐圧超過電圧から負荷駆動回路9を保護することを可能にしつつ、過電圧の誤検出などによって負荷駆動回路9の正常動作が停止し続けることを防止することができる。
【0061】
過電圧保護回路10を構成する制御回路7は、保護動作を実行する際、短絡用トランジスタT2をオンする。すなわち、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線3、4間は、オン状態である短絡用トランジスタT2および電流制限用抵抗R1を通じて短絡される。それにより、直流電源線3、4間に短絡電流が流れるため、電圧VBが低下して過電圧状態が解消される。このようにすれば、短絡用トランジスタT2を設ける必要がある分だけ回路構成要素が多くなるものの、負荷6の駆動に関する制御内容に変更を加えることなく、過電圧保護を行うことができる。また、保護動作時の短絡電流が負荷6に流れないため、負荷6が短絡電流の影響により故障するといった事態の発生を未然に防止できる。
【0062】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図10および図11を参照しながら上記実施形態と異なる点を主体に説明する。
図10は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図10に示す本実施形態の負荷駆動装置51は、図1に示した負荷駆動装置1に対し、過電圧保護回路10に代えて過電圧保護回路52を備えている点が異なる。
【0063】
過電圧保護回路52は、図1に示した過電圧保護回路10に対し、制御回路7に代えて制御回路53(保護動作制御手段に相当)を備えている点と、Nチャネル型のMOSFETである電流検出用トランジスタT51をさらに備えている点とが異なる。負荷駆動用トランジスタT1および電流検出用トランジスタT51は、ドレイン、ソースおよびゲートがいずれも共通に接続されており、カレントミラー回路を構成している。負荷駆動用トランジスタT1および電流検出用トランジスタT51は、互いに特性が近似しているものであり、そのサイズ比はn対1(nは1よりも非常に大きい値)である。このようなサイズ比は、各MOS内の並列接続するセル数を上記比率に設定することで実現可能である。
【0064】
このような構成により、電流検出用トランジスタT51には、負荷6および負荷駆動用トランジスタT1を通じて流れる負荷電流に対し、上記比率に応じた検出電流が流れる。電流検出用トランジスタT51のドレイン・ソース間電圧VDSは、上記検出電流の大きさに比例して変化する。従って、上記電圧VDSは、負荷電流に比例して変化するものであり、負荷電流の検出値に相当する。制御回路53は、このような電流検出用トランジスタT51のドレイン・ソース間電圧VDSに基づいて負荷電流の大きさを検出する。すなわち、本実施形態では、制御回路53および電流検出用トランジスタT51により、負荷6を通じて流れる負荷電流を検出する電流検出手段54が構成されている。
【0065】
図11は、第1の実施形態における図2相当図であり、本実施形態の制御回路53の概略的な構成を示している。図11に示す制御回路53は、図2に示した制御回路7に対し、過電流判断部55を備えている点が異なる。過電流判断部55には、電流検出用トランジスタT51のドレイン・ソース間電圧VDSが与えられている。過電流判断部55は、与えられた電圧VDSおよび所定のしきい値電圧を比較するコンパレータ(図示せず)を備えている。過電流判断部55は、電圧VDSがしきい値電圧を上回ると、所定電流以上の負荷電流が流れている状態(過電流状態)であると判断し、電圧VDSがしきい値電圧を下回ると、所定電流未満の負荷電流が流れている状態(通常状態)であると判断する。なお、上記所定電流は、例えば、定常時における負荷電流の上限値よりも若干高い値に設定すればよい。
【0066】
過電流判断部55には、過電圧判断部11から検出信号Sd1が与えられている。過電流判断部55は、検出信号Sd1がHレベルになった後、負荷電流が正常な範囲である通常状態であると判断すると、保護動作停止指令Sbを保護動作制御部13に対して出力する。保護動作制御部13は、保護動作停止指令Sbが与えられると、検出信号Sd1のレベルにかかわらず、ドライバ部14を通じて短絡用トランジスタT2をオフ駆動する(保護動作を停止する)。
【0067】
直流電源線3、4間に過電圧が生じた場合、その影響により負荷6を通じて流れる負荷電流が増加する。その後、過電圧が解消されると、負荷電流は減少し、やがては定常時の値に戻る。本実施形態の過電圧保護回路52は、上記した過電圧および負荷電流の関係を考慮し、次のように保護動作の停止時期が定められている。すなわち、保護動作制御部13は、保護動作を実行した状態において、過電流判断部55により負荷電流が通常の範囲内の値である(通常状態である)と判断されると、ドライバ部14を通じて短絡用トランジスタT2をオフ駆動する。
【0068】
このようにすれば、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じることにより保護動作が実行された後、その過電圧が解消されたと考えられるときに保護動作が停止される。そのため、保護動作がむやみに継続されることを防止できるとともに、保護動作を行う必要がなくなった時点において、直ちに負荷駆動回路9を定常動作に復帰させることができる。また、何らかの原因により保護動作が誤って実行された場合には、過大な負荷電流が流れる過電流状態になることがないため、その保護動作が直ちに停止されて、負荷駆動回路9を定常動作に復帰させることができる。
【0069】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図12および図13を参照しながら上記実施形態と異なる点を主体に説明する。
図12は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図12に示す本実施形態の負荷駆動装置61は、図1に示した負荷駆動装置1に対し、過電圧保護回路10に代えて過電圧保護回路62を備えている点が異なる。
【0070】
過電圧保護回路62は、図1に示した過電圧保護回路10に対し、制御回路7に代えて制御回路63(保護動作制御手段に相当)を備えている点と、電流源64およびダイオードD61〜D64をさらに備えている点とが異なる。直流電源線5、4間には、電流源64およびダイオードD61〜D64がこの順に接続されている。なお、ダイオードD61〜D64は、いずれも直流電源線4側がカソードとなっている。ダイオードD61〜D64は、負荷駆動回路9(特に負荷駆動用トランジスタT1)の近傍に配置される。電流源64は、所定の定電流を出力する。その定電流は、ダイオードD61〜D64の直列回路に供給される。
【0071】
このような構成により、ダイオードD61のアノードには、ダイオードの順方向電圧VFの4倍の電圧(=4・VF)が生じる。そのダイオードD61のアノード電圧Vaは、負荷駆動回路9の周囲温度に応じて変化する。制御回路63は、このようなダイオードD61のアノード電圧Vaに基づいて、負荷駆動回路9の周囲温度を検出する。すなわち、本実施形態では、制御回路63、電流源64およびダイオードD61〜D64により、負荷駆動回路9の温度を検出する温度検出手段65が構成されている。
【0072】
図13は、第1の実施形態における図2相当図であり、本実施形態の制御回路63の概略的な構成を示している。図13に示す制御回路63は、図2に示した制御回路7に対し、過熱判断部66を備えている点が異なっている。過熱判断部66には、ダイオードD61のアノード電圧Vaが与えられている。過熱判断部66は、与えられたアノード電圧Vaおよび所定のしきい値電圧を比較するコンパレータ(図示せず)を備えている。過熱判断部66は、アノード電圧Vaがしきい値電圧を上回ると、負荷駆動回路9の周囲温度が所定温度以上である状態(過熱状態)であると判断し、アノード電圧Vaがしきい値電圧を下回ると、負荷駆動回路9の周囲温度が所定温度未満である状態(通常状態)であると判断する。なお、上記所定温度は、例えば、定常時における負荷駆動回路9の周囲温度の上限値よりも若干高い値に設定すればよい。
【0073】
過熱判断部66には、過電圧判断部11から検出信号Sd1が与えられている。過熱判断部66は、検出信号Sd1がHレベルになった後、負荷駆動回路9の周囲温度が正常な温度範囲である通常状態であると判断すると、保護動作停止指令Sbを保護動作制御部13に対して出力する。保護動作制御部13は、保護動作停止指令Sbが与えられると、検出信号Sd1のレベルにかかわらず、ドライバ部14を通じて短絡用トランジスタT2をオフ駆動する。
【0074】
直流電源線3、4間に過電圧が生じた場合、その影響により負荷駆動回路9(特に負荷駆動用トランジスタT1)の温度が上昇する。その後、過電圧が解消されると、負荷駆動回路9の温度は低下し、やがては定常時の値に戻る。本実施形態の過電圧保護回路62は、上記した過電圧および温度の関係を考慮し、次のように保護動作の停止時期が定められている。すなわち、保護動作制御部13は、保護動作を実行した状態において、過熱判断部66により負荷駆動回路9の周囲温度が通常の範囲内の値であると判断されると、ドライバ部14を通じて短絡用トランジスタT2をオフ駆動する。
【0075】
このようにすれば、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じることにより保護動作が実行された後、その過電圧が解消されたと考えられるときに保護動作が停止される。そのため、保護動作がむやみに継続されることを防止できるとともに、保護動作を行う必要がなくなった時点において、直ちに負荷駆動回路9を定常動作に復帰させることができる。また、何らかの原因により保護動作が誤って実行された場合には、負荷駆動回路9の温度が所定温度以上になることがないため、その保護動作が直ちに停止されて、負荷駆動回路9を定常動作に復帰させることができる。
【0076】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図14および図15を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図14は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図14に示す本実施形態の負荷駆動装置71は、図1に示した負荷駆動装置1に対し、過電圧保護回路10に代えて過電圧保護回路72を備えている点が異なる。過電圧保護回路72は、図1に示した過電圧保護回路10に対し、短絡用トランジスタT2および電流制限用抵抗R1が省かれている点と、制御回路7に代えて制御回路73(保護動作制御手段に相当)を備えている点とが異なる。
【0077】
図15は、第1の実施形態における図2相当図であり、本実施形態の制御回路73の概略的な構成を示している。図15に示す制御回路73は、図2に示した制御回路7に対し、保護動作制御部13に代えて保護動作制御部74を備えている点と、ドライバ部14に代えてドライバ部75を備えている点とが異なる。ドライバ部75は、通常動作制御部12から駆動指令が与えられる際には、ドライバ部14と同様の動作を行う。すなわち、本実施形態の構成によっても、第1の実施形態と同様の通常動作および過電圧対策動作が実施される。
【0078】
保護動作制御部74は、検出信号Sd1がLレベルである場合、ドライバ部75に対する駆動指令の出力を行わない。また、保護動作制御部74は、検出信号Sd1がHレベルである場合、負荷駆動用トランジスタT1をオン駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部75に与える。すなわち、検出信号Sd1がHレベルである場合、保護動作制御部74は、ドライバ部75を通じて負荷駆動用トランジスタT1をオン駆動する(保護動作)。なお、ドライバ部75は、通常動作制御部12および保護動作制御部74の双方から駆動指令が与えられた場合には、保護動作制御部74の駆動指令を優先するようになっている。すなわち、本実施形態においても、通常動作および過電圧対策動作よりも、保護動作が優先的に実施されるようになっている。
【0079】
上記構成によれば、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線3、4間は、オン状態である負荷駆動用トランジスタT1および負荷6を通じて短絡される。それにより、直流電源線3、4間に短絡電流が流れるため、電圧VBが低下して過電圧状態が解消される。このように、本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態では、過電圧保護回路72を構成する制御回路73は、負荷駆動用トランジスタT1をオン駆動することにより、保護動作を行う。すなわち、本実施形態によれば、負荷駆動回路9が元々備えている負荷駆動用トランジスタT1の駆動制御により保護動作を実行することが可能になる。従って、保護動作専用の構成を別途設ける必要がなくなり、回路構成要素が削減されるという効果が得られる。
【0080】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図16を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図16は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図16に示す本実施形態の負荷駆動装置81は、図1に示した負荷駆動装置1に対し、過電圧保護回路10に代えて過電圧保護回路82を備えている点が異なる。過電圧保護回路82は、図1に示した過電圧保護回路10に対し、短絡用トランジスタT2および電流制限用抵抗R1の接続位置が変更されている点と、制御回路7に代えて制御回路83(保護動作制御手段に相当)を備えている点とが異なる。
【0081】
直流電源線3と負荷駆動用トランジスタT1のドレインとの間には、電流制限用抵抗R1および短絡用トランジスタT2が互いに直列に接続されている。つまり、電流制限用抵抗R1および短絡用トランジスタT2の直列回路は、負荷6に対して並列接続されている。このように、本実施形態では、短絡用トランジスタT2は、保護動作用トランジスタに相当する。制御回路83は、通常動作および過電圧対策動作を行う際には、制御回路7と同様の動作を行う。また、制御回路83は、保護動作を行う際、いずれもHレベルのゲート駆動信号Sg1、Sg2を出力し、負荷駆動用トランジスタT1および短絡用トランジスタT2をオン駆動する。なお、制御回路83は、保護動作を行うとき以外には、Lレベルのゲート駆動信号Sg2を出力し、短絡用トランジスタT2をオフする。
【0082】
上記構成によれば、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線3、4間は、いずれもオン状態である負荷駆動用トランジスタT1および短絡用トランジスタT2と電流制限用抵抗R1とを通じて短絡される。それにより、直流電源線3、4間に短絡電流が流れるため、電圧VBが低下して過電圧状態が解消される。このように、本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態の構成によっても、保護動作時の短絡電流が負荷6に流れないため、負荷6が短絡電流の影響により故障するといった事態の発生を未然に防止できる。
【0083】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について図17を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図17は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図17に示す本実施形態の負荷駆動装置91は、図1に示した負荷駆動装置1に対し、過電圧保護回路10に代えて過電圧保護回路92を備えている点が異なる。過電圧保護回路92は、図1に示した過電圧保護回路10に対し、抵抗R91、コンデンサC91およびバッファ回路93をさらに備えている点と、制御回路7に代えて制御回路94(保護動作制御手段に相当)を備えている点とが異なる。
【0084】
コンパレータCP1の出力端子は、制御回路94に接続されるとともに、抵抗R91を通じてバッファ回路93の入力端子に接続されている。バッファ回路93の入力端子は、コンデンサC91を通じて直流電源線4に接続されている。このような構成により、コンパレータCP1から出力される比較信号Sc1は、抵抗R91およびコンデンサC91からなるCR回路95に入力されるとともに、制御回路94に入力される。CR回路95からは、比較信号Sc1の立ち上がりが緩やかになった信号(図19参照)が出力される。CR回路95の出力信号は、バッファ回路93により波形整形され、比較信号Sc1’として制御回路94に与えられる。
【0085】
図18は、第1の実施形態における図2相当図であり、本実施形態の制御回路94の概略的な構成を示している。図18に示す制御回路94は、図2に示した制御回路7に対し、過電圧判断部11に代えて過電圧判断部96を備えている点が異なる。過電圧判断部96は、過電圧発生の有無についての検出方法については、過電圧判断部11と同様の方法で行う。過電圧判断部96は、過電圧判断部11に対し、過電圧の種類の判断方法が異なる。図19は、直流電源線3、4間に過電圧が生じている場合における比較信号Sc1、Sc1’、Sc2およびCR回路95の出力信号を示している。
【0086】
図19に示すように、時点t1において比較信号Sc1がLレベルからHレベルに転じると、比較信号Sc1’は時点t1から所定時間Taだけ経過した時点t2においてLレベルからHレベルに転じるようになっている。そして、比較信号Sc1がLレベルからHレベルに転じる時点t1から比較信号Sc1’がLレベルからHレベルに転じる時点t2までの間に比較信号Sc2がLレベルからHレベルに転じる場合、過電圧判断部96は、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じると判断する。一方、図示しないが、上記した時点t1から時点t2以降に比較信号Sc2が反転する場合、過電圧判断部96は、直流電源線3、4間に通常過電圧が生じると判断する。
【0087】
このような本実施形態の構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態によれば、第1の実施形態に対し、バッファ回路93、CR回路95などのハードウェア構成が増えるものの、過電圧判断部96における第1タイマを用いた計時が省略されるため、制御回路94の制御負担が軽減されるという効果が得られる。
【0088】
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態について図20および図21を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図20は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図20に示す本実施形態の負荷駆動装置101は、Hブリッジ状に接続された4つの負荷駆動用トランジスタT101〜T104により、負荷である直流モータMを駆動する。負荷駆動用トランジスタT101〜T104は、いずれもNチャネル型のMOSFETである。一方の上アーム側の負荷駆動用トランジスタT101のゲートには、制御回路102(保護動作制御手段に相当)から出力されるゲート駆動信号Sgh1が与えられる。一方の下アーム側の負荷駆動用トランジスタT102のゲートには、制御回路102から出力されるゲート駆動信号Sgl1が与えられる。他方の上アーム側の負荷駆動用トランジスタT103のゲートには、制御回路102から出力されるゲート駆動信号Sgh2が与えられる。他方の下アーム側の負荷駆動用トランジスタT104のゲートには制御回路102から出力されるゲート駆動信号Sgl2が与えられる。
【0089】
制御回路102は、制御指令Saに従い、ゲート駆動信号Sgh1、Sgl1、Sgh2、Sgl2を出力し、負荷駆動用トランジスタT101〜T104の駆動を制御する。すなわち、本実施形態では、制御回路102および負荷駆動用トランジスタT101〜T104により、直流電源線3、4から直流モータMに対する電力供給を制御する負荷駆動回路103が構成される。
【0090】
また、制御回路102は、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じていると判断した場合に保護動作を実行する。すなわち、本実施形態では、分圧用抵抗R2〜R6、コンパレータCP1、CP2、制御回路102および負荷駆動用トランジスタT101〜T104により、直流電源線3、4間に生じる過電圧から負荷駆動回路103を保護する過電圧保護回路104が構成される。
【0091】
図21は、第1の実施形態における図2相当図であり、本実施形態の制御回路102の概略的な構成を示している。図21に示す制御回路102は、図2に示した制御回路7に対し、通常動作制御部12に代えて通常動作制御部105を備えている点と、保護動作制御部13に代えて保護動作制御部106を備えている点と、ドライバ部14に代えてドライバ部107を備えている点とが異なる。
【0092】
通常動作制御部105は、与えられる検出信号Sd2がLレベルである場合、制御指令Saに従って負荷駆動用トランジスタT101〜T104を駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部14に与える。ドライバ部107は、通常動作制御部105から与えられる駆動指令に基づいてゲート駆動信号Sgh1、Sgl1、Sgh2、Sgl2を生成する。すなわち、検出信号Sd2がLレベルである場合、通常動作制御部105は、制御指令Saに従い、ドライバ部107を通じて負荷駆動用トランジスタT101〜T104の駆動を制御する(通常動作)。
【0093】
また、通常動作制御部105は、検出信号Sd2がHレベルである場合、制御指令Saにかかわらず、ドライバ部107を通じて負荷駆動用トランジスタT101〜T104をいずれもオフ駆動する(過電圧対策動作)。なお、過電圧対策動作としては、上アーム側の負荷駆動用トランジスタ(T101、T103)をオフ駆動するとともに、下アーム側の負荷駆動用トランジスタ(T102、T104)をオン駆動して短絡ブレーキをかけるものでもよい。
【0094】
保護動作制御部106は、検出信号Sd1がLレベルである場合、ドライバ部107に対する駆動指令の出力を行わない。また、保護動作制御部106は、検出信号Sd1がHレベルである場合、負荷駆動用トランジスタT101〜T104をいずれもオン駆動する旨を示す駆動指令をドライバ部107に与える。すなわち、検出信号Sd1がHレベルである場合、保護動作制御部106は、ドライバ部107を通じて負荷駆動用トランジスタT101〜T104をいずれもオン駆動する(保護動作)。なお、ドライバ部107は、通常動作制御部105および保護動作制御部106の双方から駆動指令が与えられた場合には、保護動作制御部106の駆動指令を優先するようになっている。すなわち、本実施形態においても、通常動作および過電圧対策動作よりも、保護動作が優先的に実施されるようになっている。
【0095】
上記構成によれば、直流電源線3、4間に耐圧超過電圧が生じて保護動作が実行される際、それら直流電源線3、4間は、いずれもオン状態である負荷駆動用トランジスタT101、T102を通じて短絡されるとともに、いずれもオン状態である負荷駆動用トランジスタT103、T104を通じて短絡される。それにより、直流電源線3、4間に短絡電流が流れるため、電圧VBが低下して過電圧状態が解消される。なお、保護動作時の短絡電流は、負荷である直流モータMには流れない。このように、本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0096】
(第8の実施形態)
以下、本発明の第8の実施形態について図22および図23を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図22は、第1の実施形態における図1相当図であり、本実施形態の負荷駆動装置の構成を示している。図22に示す本実施形態の負荷駆動装置111は、図1に示した負荷駆動装置1に対し、過電圧保護回路10に代えて過電圧保護回路112を備えている点が異なる。過電圧保護回路112は、図1に示した過電圧保護回路10に対し、制御回路7に代えて制御回路113(保護動作制御手段に相当)を備えている点と、コンパレータCP1、CP2に代えてコンパレータCP111を備えている点と、分圧用抵抗R4〜R6に代えて分圧用抵抗R111〜R113を備えている点と、Pチャネル型のMOSFETであるトランジスタT111、NPN形のバイポーラトランジスタであるトランジスタT112、抵抗R114、R115およびバッファ回路114をさらに備えている点とが異なる。
【0097】
分圧用抵抗R2、R3の相互接続点Ndは、コンパレータCP111の非反転入力端子に接続されている。直流電源線5、4間には、分圧用抵抗R111、R112が直列に接続されている。直流電源線5と、分圧用抵抗R111、R112の相互接続点Neとの間には、トランジスタT111および抵抗R113が直列接続されている。このような構成により、トランジスタT111がオフのとき、相互接続点Neに生じる電圧Veは、電圧Vrefを分圧用抵抗R111と分圧用抵抗R112とにより分圧した電圧となる。また、トランジスタT111がオンのとき、相互接続点Neに生じる電圧Veは、電圧Vrefを分圧用抵抗R111、R113の並列合成抵抗と分圧用抵抗R112とにより分圧した電圧となる。分圧用抵抗R111〜R113の抵抗値(分圧比)は、トランジスタT111がオフのときの電圧Veの値が前述した電圧Vth1になるとともに、トランジスタT111がオンのときの電圧Veの値が前述した電圧Vth2になるように設定されている。
【0098】
相互接続点Neは、コンパレータCP111の反転入力端子に接続されている。コンパレータCP111は、検出電圧Vdetおよび電圧Veを比較し、その比較結果を表す比較信号Scを制御回路113に出力する。制御回路113は、コンパレータCP11から与えられる比較信号Scに基づいて、直流電源線3、4間に過電圧が生じているか否かの判断、過電圧の種類の判断などの制御を行う(詳細は後述する)。制御回路113は、トランジスタT111のオン/オフを切り替えるための切替信号Ssをバッファ回路114に出力する。
【0099】
バッファ回路114の出力信号は、トランジスタT112のベースに与えられる。トランジスタT112のベース・エミッタ間には抵抗R114が接続されている。トランジスタT112のコレクタは、抵抗R115を介して直流電源線5に接続されるとともに、トランジスタT111のゲートに接続されている。このような構成により、制御回路113から出力される切替信号SsがLレベル(直流電源線4の電位であり、例えば0V)のときにトランジスタT111がオフし、Hレベル(直流電源線5の電位であり、例えば+5V)のときにトランジスタT111がオンする。
【0100】
図23は、第1の実施形態における図2相当図であり、本実施形態の制御回路113の概略的な構成を示している。図23に示す制御回路113は、図2に示した制御回路7に対し、過電圧判断部11に代えて過電圧判断部115を備えている点が異なる。過電圧判断部115は、比較信号ScがLレベルである場合、直流電源線3、4間において過電圧が発生していない状態であると判断する。また、切替信号SsについてもLレベルにする。これにより、トランジスタT111がオフし、コンパレータCP111の反転入力端子には電圧Vth1が与えられる。
【0101】
過電圧判断部115は、このような状態において、比較信号ScがLレベルからHレベルに転じた場合、過電圧発生の有無および過電圧の種類を判断する。具体的には、過電圧判断部115は、比較信号ScがLレベルからHレベルに転じたことを検出すると、切替信号SsをHレベルにする。これにより、トランジスタT111がオンし、コンパレータCP111の反転入力端子には電圧Vth2が与えられる。そのため、電圧VBが判定しきい値VTH2に達するまでの間、比較信号ScはLレベルとなる。そして、過電圧判断部115は、比較信号Scが再びLレベルからHレベルに転じたことを検出すると、最初に比較信号Scが反転した時点(第1時点)から次に反転した時点(第2時点)までの経過時間に基づいて過電圧の種類を判断する。すなわち、過電圧判断部115は、上記経過時間が所定時間Ta未満である場合、耐圧超過電圧が生じると判断し、所定時間Ta以上である場合、通常過電圧が生じると判断する。なお、過電圧判断部115は、切替信号SsをHレベルにした状態において、比較信号ScがLレベルからHレベルに転じない場合には、過電圧が生じていないと判断する。
【0102】
このような本実施形態の構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、過電圧保護回路112は、2つのコンパレータCP1、CP2を用いる第1の実施形態の過電圧保護回路10に対し、トランジスタT111、T112、抵抗R114、R115およびバッファ回路114をさらに備えているが、コンパレータが1つ削減されている。従って、本実施形態によれば、比較的大きな回路面積を必要とするコンパレータを1つ削減できる分だけ、過電圧保護回路112の総合的な回路規模が低減されるという効果が得られる。
【0103】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
電圧VBの上昇の傾き(電圧変化率)の検出方法は、上記各実施形態に示したものに限らずともよい。例えば、電圧VBと所定のしきい値電圧とを比較するコンパレータを3つ以上設け、それらコンパレータの出力信号が反転する各時点の時間差に基づいて電圧変化率を求めてもよい。すなわち、電圧VBの電圧値が3つ以上のしきい値電圧に到達する各時間の差に基づいて電圧変化率を求めてもよい。このようにすれば、2つのしきい値電圧に到達する各時間の差に基づく方法に比べ、電圧変化率の検出精度が一層高まる。
【0104】
保護動作の停止時期については、第1の実施形態における遅延時間経過後に停止する方法、第2の実施形態における過電流検出時に停止する方法、第3の実施形態における過熱検出時に停止する方法などに限らずともよい。また、第1〜第3の実施形態における停止時期の決定方法を互いに組み合わせることも可能である。さらに、保護動作が実行された後に負荷駆動回路を正常動作に復帰させる必要がない仕様の場合であれば、保護動作の停止時期を定めなくてもよい。
【0105】
過電圧判断部11の具体的な構成としては、図6に示した構成に限らずともよく、図4に示す制御内容を実行可能な構成であればよい。
負荷駆動用トランジスタT1、T101〜T104および短絡用トランジスタT2は、MOSFETに限らずともよく、例えばバイポーラトランジスタやIGBTなど、他の半導体スイッチング素子を用いてもよい。
【0106】
負荷駆動回路9は、直流電源線3、4間に負荷駆動用トランジスタT1および負荷6が、この順番に直列接続された構成、すなわち負荷6をローサイド駆動する構成でもよい。
負荷電流を検出するための電流検出手段は、図10に示した構成(電流検出手段54)に限らずともよく、例えばシャント抵抗を用いた構成などでもよい。負荷駆動回路の温度を検出する温度検出手段は、図12に示した構成(温度検出手段65)に限らずともよく、例えばサーミスタを用いた構成などでもよい。
【符号の説明】
【0107】
図面中、3、4は直流電源線、6は負荷、7、53、63、73、83、94、102、113は制御回路(保護動作制御手段)、8は電圧検出手段、9、103は負荷駆動回路、10、52、62、72、82、92、104、112は過電圧保護回路、54は電流検出手段、65は温度検出手段、Mは直流モータ(負荷)、T1、T101〜T104は負荷駆動用トランジスタ、T2は短絡用トランジスタ(保護動作用トランジスタ)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の直流電源線から負荷への電力供給を制御して前記負荷の駆動を制御する負荷駆動回路の過電圧保護回路であって、
前記一対の直流電源線間の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出される電圧に基づいて前記負荷駆動回路に対する保護動作を実行する保護動作制御手段と、
を備え、
前記保護動作制御手段は、前記直流電源線間の電圧値が定常値を超えたことを判定するための判定しきい値に達した際、前記電圧値が前記判定しきい値に達するまでにおける前記直流電源線間の電圧変化率が所定値以上であれば前記保護動作を実行することを特徴とする過電圧保護回路。
【請求項2】
前記保護動作制御手段は、前記直流電源線間の電圧値が判定しきい値に達した際、前記電圧値が前記判定しきい値より低い基準しきい値に達した第1時点から前記電圧値が前記判定しきい値に達した第2時点までの経過時間を算出し、前記経過時間が所定時間以上である場合に前記電圧変化率が所定値未満であると判断し、前記経過時間が前記所定時間未満である場合に前記電圧変化率が所定値以上であると判断することを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
【請求項3】
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行した後、所定の遅延時間経過後に前記保護動作を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の過電圧保護回路。
【請求項4】
前記負荷を通じて流れる負荷電流を検出する電流検出手段を備え、
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行した状態において、前記電流検出手段により検出される負荷電流が所定電流未満になると、前記保護動作を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の過電圧保護回路。
【請求項5】
前記負荷駆動回路の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行した状態において、前記温度検出手段により検出される温度が所定温度未満になると、前記保護動作を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の過電圧保護回路。
【請求項6】
前記負荷駆動回路は、前記一対の直流電源線間に負荷とともに直列に接続される負荷駆動用トランジスタを備え、
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行する際、前記負荷駆動用トランジスタをオンすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の過電圧保護回路。
【請求項7】
前記一対の直流電源線間に接続される短絡用トランジスタを備え、
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行する際、前記短絡用トランジスタをオンすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の過電圧保護回路。
【請求項8】
前記負荷駆動回路は、前記一対の直流電源線間に前記負荷とともに直列に接続される負荷駆動用トランジスタを備え、
前記負荷に対して並列に接続される保護動作用トランジスタを備え、
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行する際、前記負荷駆動用トランジスタをオンするとともに前記保護動作用トランジスタをオンすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の過電圧保護回路。
【請求項9】
前記負荷駆動回路は、前記一対の直流電源線間にHブリッジ状に接続される負荷駆動用トランジスタを備え、
前記保護動作制御手段は、前記保護動作を実行する際、前記負荷駆動用トランジスタをオンすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の過電圧保護回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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