説明

過電流検出回路及び画像形成装置

【課題】負荷の状態を意識することなく簡易且つ安価に過電流を検出することができる過電流検出回路、及び該回路を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】過電流検出回路30は、複数の負荷(モーターM1,M2や駆動回路D1,D2)に流れる過電流を検出するものであって、複数の負荷の各々に対応して設けられ、対応する負荷に流れる過電流によってオン状態になる複数のトランジスター31a,31bと、複数のトランジスター31a,31bのうちのオン状態になったトランジスターを介して印加される電圧を分圧して出力端(接続点X)に出力する抵抗分圧回路であって、オン状態になったトランジスターの組み合わせに応じて互いに異なる電圧が出力端に現れるようにされた抵抗分圧回路32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流検出回路及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機、複合機等の画像形成装置は、印刷用紙等の記録媒体を搬送する搬送装置、記録媒体上にトナー像を転写する転写装置、転写されたトナー像を記録媒体上に定着させる定着装置等を備えており、トナー像を生成して記録媒体に転写・定着させることにより記録媒体上に画像を形成する。このため、画像形成装置は、記録媒体を搬送するためのモーター、トナーを補給するためのモーター、転写装置を駆動するモーター、定着装置を駆動するモーター、その他の各種のモーターを備えている。
【0003】
このような画像形成装置において、搬送装置で搬送される記録媒体又は転写装置若しくは定着装置を介する記録媒体の詰まり(紙詰まり:ジャム)が生じた場合には、記録媒体の搬送するためのモーター、転写装置や定着装置を駆動するモーター、或いはこれらのモーターを駆動する駆動回路に過電流が流れる虞がある。また、例えばトナー詰まりが生じた場合には、トナーを補給するためのモーター或いはこのモーターを駆動する駆動回路に過電流が流れる虞がある。
【0004】
上記の過電流が流れると、モーターの焼損や駆動回路の故障が生ずる可能性が考えられる。このため、画像形成装置は、従来からモーターや駆動回路に流れる過電流を検出する過電流検出回路を備えており、この過電流検出回路によって過電流が検出された場合には、モーターの焼損等を防止すべく動作を停止する制御を行っている。
【0005】
以下の特許文献1〜5には、ソレノイドやモーター等の負荷の状態を監視(検出)する技術が開示されている。具体的に、以下の特許文献1には、ソレノイド負荷の両端の電位差を計測する差動増幅回路と、この差動増幅回路の出力電圧と基準電圧とを比較する比較器とをソレノイド負荷毎に設けてソレノイド負荷の正常・異常を監視する技術が開示されている。また、以下の特許文献2には、ステッピングモータのコイルの断線を示す信号と短絡を示す信号とを排他的論理和回路を用いてまとめ、コイルの断線と短絡とを1つのポートで検出可能にする技術が開示されている。
【0006】
以下の特許文献3には、3相(U相,V相,W相)の合成電流を1本の過電流検出用抵抗によって検出し、マイコン内演算によって磁極位置を推定する技術が開示されている。以下の特許文献4には、マイクロプロセッサの1つのポートを通して複数箇所の温度情報を取り込むことが可能な技術が開示されている。更に、以下の特許文献5には、用紙の幅と縦方向サイズとを1つのポートで検出することが可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−338125号公報
【特許文献2】特開平7−99796号公報
【特許文献3】特開2007−166695号公報
【特許文献4】特開2003−294543号公報
【特許文献5】特開平6−144639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、モーターや駆動回路に流れる過電流を検出するには、基本的には上記の特許文献1のように、過電流を検出する過電流検出回路を駆動回路毎に設け、各々の過電流検出回路の検出結果をコンピュータに取り込む必要がある。しかしながら、少なくとも十個程度、或いはそれ以上のモーターを備える画像形成装置等においては、過電流検出回路の検出結果を取り込むために必要となるポート数が多くなるため、構成が複雑になるとともに高価になってしまうという問題がある。
【0009】
ここで、上述した特許文献2〜5に開示された技術を用いれば、使用するポートの数を削減することができるとも考えられる。しかしながら、上述した特許文献2に開示された技術では、使用するポートの数を削減するために排他的論理回路が必要になるためコストが上昇するという問題がある。また、上述した特許文献3,4に開示された技術では、負荷の状態(オン状態であるか否か等)を意識する必要があるため、制御が複雑化するという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、負荷の状態を意識することなく簡易且つ安価に過電流を検出することができる過電流検出回路、及び該回路を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の過電流検出回路は、複数の負荷に流れる過電流を検出する過電流検出回路において、前記複数の負荷の各々に対応して設けられ、対応する負荷に流れる過電流によってオン状態になる複数のスイッチ素子と、前記複数のスイッチ素子のうちのオン状態になったスイッチ素子を介して印加される電圧を分圧して出力端に出力する抵抗分圧回路であって、オン状態になったスイッチ素子の組み合わせに応じて互いに異なる電圧が前記出力端に現れるようにされた抵抗分圧回路とを備えることを特徴としている。
また、本発明の過電流検出回路は、前記抵抗分圧回路が、一端が前記複数のスイッチ素子の各々に接続されるとともに他端が前記出力端に接続された複数の第1抵抗と、一端が前記出力端に接続されるとともに他端が接地された第2抵抗とを備えることを特徴としている。
また、本発明の過電流検出回路は、前記抵抗分圧回路には、前記複数のスイッチ素子のうちのオン状態になったスイッチ素子を介して、前記負荷に供給される電源電圧が印加されることを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、上記の何れかに記載の過電流検出回路と、前記負荷に流れる電流を制御するとともに、前記過電流検出回路の前記出力端に現れる電圧を参照して過電流が流れた負荷を判定する制御部とを備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記制御部が、前記負荷に流れる電流を制御する制御信号を出力する出力ポートと、前記過電流検出回路の前記出力端が接続される入力ポートとを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、対応する負荷に流れる過電流によってオン状態になる複数のスイッチ素子を設けるとともに、複数のスイッチ素子のうちのオン状態になったスイッチ素子の組み合わせに応じて互いに異なる電圧を出力する抵抗分圧回路を設けたため、負荷の状態を意識することなく簡易且つ安価に過電流を検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による過電流検出回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施形態による過電流検出回路の等価回路を示す回路図である。
【図5】本発明の一実施形態による過電流検出回路の等価回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による過電流検出回路及び画像形成装置について詳細に説明する。尚、以下では、画像形成装置が複合機である場合を例に挙げて説明する。
【0015】
〔画像形成装置〕
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の正面図である。図1に示す通り、複合機1は、本体部1a、スキャナー部1b、及び操作表示パネル1c等を備えており、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ送信/受信機能を併せ持っている。尚、図1に示す複合機1は、ネットワークを介して端末装置から送信されてきた原稿画像データの印刷、スキャナー部1bで読み取った原稿画像データの端末装置に向けた送信等も可能である。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、複合機1は、CPU(Central Processing Unit)11(制御部)、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、各種センサー群14、用紙搬送部15、画像読取部16、データ格納部17、画像形成部18、通信I/F部19、及び操作表示部20を備える。
【0017】
CPU11は、ROM12に記憶されている制御プログラムに基づき、各種センサー群14から出力される各種検出信号を参照しつつ、操作表示部20から入力される操作指示、又は通信I/F部19を介して入力される端末装置等からの各種指示に応じて複合機1の動作を制御する。例えば、画像読取部16による画像データの読み取り制御、或いは、データ格納部17に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データ、及びファクシミリ画像データ等の各種画像データのプリント制御や送信制御を行う。また、CPU11は、各種センサー群14の一種である過電流検出回路(詳細は後述する)の検出結果を参照して過電流が流れた部位の判定も行う。
【0018】
ROM12は、CPU11で実行される制御プログラム及びその他のデータを記憶するEEPROM等の不揮発性メモリーである。RAM13は、CPU11が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリーである。各種センサー群14は、用紙切れ検出センサー、用紙詰まり検出センサー、用紙位置検出センサー、温度センサー等の画像形成動作に必要な各種センサーであり、それぞれのセンサーで検出した各種の情報を検出信号としてCPU11に出力する。尚、本実施形態の過電流検出回路も、各種センサー群14に設けられるセンサーの一種である。
【0019】
用紙搬送部15は、搬送ローラー、搬送ローラー駆動用のモーター等を備えており、用紙トレイに収納されている印刷用紙(記録媒体)を画像形成部18に搬送するとともに、画像形成部18で画像形成処理が行われた印刷用紙を図示しない排紙トレイに搬送する。画像読取部16は、ADF(自動原稿送り装置)及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を備えており、ADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサーに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データを出力する。尚、画像読取部16から出力された原稿画像データはCPU11を介してデータ格納部17に記憶される。
【0020】
データ格納部17は、例えばハードディスクドライブによって実現され、CPU11の制御の下で各種データを格納する。このデータ格納部17には、原稿画像データ、通信I/F部19が端末装置から受信するプリント画像データ、及び通信I/F部19が公衆網から受信するファクシミリ画像データ等の各種データが格納される。
【0021】
画像形成部18は、CPU11の制御の下で、データ格納部17に格納されている原稿画像データ、プリント画像データ、又はファクシミリ画像データを用いて画像形成処理を行う。具体的には、上記の各種画像データに応じた画像形成画像を用紙搬送部15から搬送される印刷用紙にトナーを用いて転写し、定着ローラーによってその画像形成画像の定着処理を行う。通信I/F部19は、クライアントコンピュータ(図示省略)や公衆網(図示省略)に接続され、このクライアントコンピュータや公衆網との間で各種信号の送受信を行う。
【0022】
操作表示部20は、操作表示パネル1cとしてのタッチパネル20a及び各種操作キーを備えており、操作キーの操作内容をCPU11に出力するとともに、CPU11の制御の下でタッチパネル20aへ種々の情報を表示する。操作表示部20が備える各種操作キーは、例えばコピー機能切替キー、プリント機能切替キー、スキャン機能切替キー、ファクシミリ機能切替キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)が挙げられる。尚、コピー機能切替キー、プリント機能切替キー、スキャン機能切替キー、及びファクシミリ機能切替キーは、それぞれの機能をユーザーが使用する場合に、各機能の動作モードへ複合機1を切り替える為のキーである。また、タッチパネル20aに各種ボタンを表示することによって、以上の各種キー以外のソフトキーの利用も可能である。
【0023】
〔過電流検出回路〕
図3は、本発明の一実施形態による過電流検出回路の構成を示す回路図である。尚、図3においては、図2に示すブロックと同じブロックには同一の符号を付してある。以下では、まず過電流検出回路30による過電流の検出対象である負荷等について説明し、次に過電流検出回路30の詳細について説明する。
【0024】
図3に示す通り、CPU11には、負荷に流れる電流を制御する制御信号を出力する複数の出力ポートP11,P12と、負荷に流れる過電流の検出に用いられる入力ポートP21とが設けられている。ここで、上記の出力ポートP11は、トナーを補給するためのモーターM1(負荷)に流れる電流を制御する制御信号が出力されるポートであり、上記の出力ポートP12は、印刷用紙の搬送のためのモーターM2(負荷)に流れる電流を制御する制御信号が出力されるポートであるとする。尚、上記のトナーを補給するためのモーターM1は、図2中の画像形成部18に設けられ、印刷用紙の搬送のためのモーターM2は、図2中の用紙搬送部15に設けられる。
【0025】
上記の出力ポートP11には、モーターM1を駆動する駆動回路D1(負荷)が接続され、上記の出力ポートP12には、モーターM2を駆動する駆動回路D2(負荷)が接続される。これら駆動回路D1,D2は、トランジスター回路Q1、トランジスターQ2、ダイオードd、及び複数の抵抗R1〜R5を備える構成であり、例えば24[V]の電源電圧VSが供給されて、CPU11の出力ポートP11,P12から出力される制御信号に応じた電流をモーターM1,M2にそれぞれ供給する。
【0026】
過電流検出回路30は、トランジスター31a,31b(スイッチ素子)と抵抗分圧回路32とを備えており、モーターM1,M2或いは駆動回路D1,D2に流れる過電流を検出する。この過電流検出回路30は、CPU11の入力ポートP21に接続されており、その検出結果をCPU11の入力ポートP21に対して出力する。
【0027】
トランジスター31aは、駆動回路D1に対応して設けられており、駆動回路D1やモーターM1に過電流が流れた場合にオン状態になる。トランジスター31bは、駆動回路D2に対応して設けられており、駆動回路D2やモーターM2に過電流が流れた場合にオン状態になる。これらトランジスター31a,31bは、バイポーラートランジスターであるが、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスター)を用いることもできる。
【0028】
具体的に、トランジスター31aは、エミッタ電極が駆動回路D1に設けられたトランジスターQ2のコレクター電極に接続されており、ベース電極が駆動回路D1に設けられた抵抗R4(一端がトランジスターQ2のコレクター電極に接続された抵抗R3の他端に接続されている抵抗)に接続されている。同様に、トランジスター31bは、エミッタ電極が駆動回路D2に設けられたトランジスターQ2のコレクター電極に接続されており、ベース電極が駆動回路D2に設けられた抵抗R4に接続されている。
【0029】
抵抗分圧回路32は、分圧抵抗32a,32b(第1抵抗)と分圧抵抗32c(第2抵抗)とを備えており、スイッチ素子31a,31bのうちのオン状態になったスイッチ素子を介して印加される電圧を分圧して出力端に出力する。ここで、抵抗分圧回路32には、スイッチ素子31a,31bのうちのオン状態になったスイッチ素子を介して、駆動回路D1,D2に供給される電源電圧VSが印加される。尚、抵抗分圧回路32の出力端は、分圧抵抗32a,32bと分圧抵抗32cとの接続点Xに接続されている。このため、接続点XはCPU11の入力ポートP21に接続されている。
【0030】
具体的に、分圧抵抗32aは、一端がトランジスター31aのコレクター電極に接続されて他端が接続点Xに接続されており、分圧抵抗32bは、一端がトランジスター31bのコレクター電極に接続されて他端が接続点Xに接続されている。また、分圧抵抗32cは、一端が接続点Xに接続されて他端が接地されている。これら分圧抵抗32a〜32cの抵抗値は、オン状態になったスイッチ素子の組み合わせに応じて互いに異なる電圧が出力端(接続点X)に現れているように設定される。これは、モーターM1(駆動回路D1)に過電流が流れたのか、モーターM2(駆動回路D2)に過電流が流れたのか、或いはモーターM1(駆動回路D1)とモーターM2(駆動回路D2)との双方に過電流が流れたのかを判別可能にするためである。
【0031】
図4,図5は、本発明の一実施形態による過電流検出回路の等価回路を示す回路図である。図4に示す通り、過電流検出回路30は、トランジスター31aと分圧抵抗32aとが直列接続された回路と、トランジスター31bと分圧抵抗32bとが直列接続された回路とが並列接続され、この並列接続された回路に対して分圧抵抗32cが直列接続された回路として表すことができる。尚、図中においては、分圧抵抗32a,32b,32cの抵抗値を、それぞれのR11.R12,R20としている。
【0032】
モーターM1(駆動回路D1)のみに過電流が流れた場合には、トランジスター31aのみがオン状態になる。このため、過電流検出回路30は、図5(a)に示す等価回路で表され、接続点Xに現れる電圧Vは、以下の式で表される。
V=VS×R20/(R20+R11)
【0033】
尚、モーターM2(駆動回路D2)のみに過電流が流れた場合には、トランジスター31bのみがオン状態になる。このため、過電流検出回路30は、図5(a)に示す等価回路の分圧抵抗32aを分圧抵抗32bに置き換えた等価回路で表され、接続点Xに現れる電圧Vは、以下の式で表される。
V=VS×R20/(R20+R12)
【0034】
これに対し、モーターM1(駆動回路D1)とモーターM2(駆動回路D2)との双方に過電流が流れた場合には、トランジスター31a,31bの双方がオン状態になる。このため、過電流検出回路30は、図5(b)に示す等価回路で表され、接続点Xに現れる電圧Vは、以下の式で表される。
V=VS×R20/(R20+(R11×R12)/(R11+R12))
【0035】
このように、過電流検出回路30の出力端である接続点Xには、モーターM1(駆動回路D1)に過電流が流れたのか、モーターM2(駆動回路D2)に過電流が流れたのか、或いはモーターM1(駆動回路D1)とモーターM2(駆動回路D2)との双方に過電流が流れたのかに応じて、互いに異なる電圧Vが現れる。このため、CPU11は、入力ポートP21から入力される接続点Xに現れる電圧Vを参照するだけで過電流が流れた負荷を判定することができる。
【0036】
以上説明した通り、本実施形態では、モーターM1(駆動回路D1)及びモーターM2(駆動回路D2)に対応させてトランジスター31a,31bをそれぞれ設けるとともに、オン状態になったトランジスターの組み合わせに応じて異なる電圧を出力するようにされた抵抗分圧回路32を設けている。このため、過電流検出回路30から出力される電圧を参照するだけで過電流を検出することができ、負荷の状態を意識することなく簡易且つ安価に過電流を検出することが可能である。
【0037】
以上、本発明の一実施形態による過電流検出回路及び画像形成装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、スイッチ素子がトランジスター31a,31bである場合を例に挙げて説明したが、スイッチ素子は、トランジスターに限られることはなく、例えばリレー等のように過電流が流れることによりオン状態になるものであれば良い。
【0038】
また、上記実施形態では、過電流検出回路を画像形成装置としての複合機1に適用した例に挙げて説明したが、本発明の過電流検出回路は、画像形成装置以外の電子機器にも適用可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置が複合機である場合を例に挙げて説明したが、本発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 複合機
11 CPU
30 過電流検出回路
31a,31b トランジスター
32 抵抗分圧回路
32a〜32c 分圧抵抗
D1,D2 駆動回路
M1,M2 モーター
P11,P12 出力ポート
P21 入力ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の負荷に流れる過電流を検出する過電流検出回路において、
前記複数の負荷の各々に対応して設けられ、対応する負荷に流れる過電流によってオン状態になる複数のスイッチ素子と、
前記複数のスイッチ素子のうちのオン状態になったスイッチ素子を介して印加される電圧を分圧して出力端に出力する抵抗分圧回路であって、オン状態になったスイッチ素子の組み合わせに応じて互いに異なる電圧が前記出力端に現れるようにされた抵抗分圧回路と
を備えることを特徴とする過電流検出回路。
【請求項2】
前記抵抗分圧回路は、一端が前記複数のスイッチ素子の各々に接続されるとともに他端が前記出力端に接続された複数の第1抵抗と、
一端が前記出力端に接続されるとともに他端が接地された第2抵抗と
を備えることを特徴とする請求項1記載の過電流検出回路。
【請求項3】
前記抵抗分圧回路には、前記複数のスイッチ素子のうちのオン状態になったスイッチ素子を介して、前記負荷に供給される電源電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の過電流検出回路。
【請求項4】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の過電流検出回路と、
前記負荷に流れる電流を制御するとともに、前記過電流検出回路の前記出力端に現れる電圧を参照して過電流が流れた負荷を判定する制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記負荷に流れる電流を制御する制御信号を出力する出力ポートと、前記過電流検出回路の前記出力端が接続される入力ポートとを備えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−76809(P2013−76809A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216094(P2011−216094)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】