説明

道路データの自動処理装置及び自動処理方法

【課題】 自動料金収受システムの通過をトリガーとした道路データの自動処理装置及び自動処理方法を提供する。
【解決手段】 一般道路を走行している自車が、地図データに設定されていない新規道路を走行した後に自動料金収受システムを通過した場合、上記新規道路を走行すると判定されたときから自動料金収受システムを通過すると判定されたときまでの走行記録を取付道を示す道路データとして設定する。また、自動料金収受システムを通過すると判定されたときから地図データに設定されている道路を走行すると判定されたときまでの走行記録を高速道路を示す道路データとして設定すると共に、新規に記録された高速道路の通行料金を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路データの自動処理装置及び自動処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記特許文献1に開示された車両用表示装置のように、衛星航法システムにより自車が地図データにない新規の道路を走行したと判定される際に、当該走行履歴に基づく道路を新規道路とみなして道路データを自動処理するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−130656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、衛星航法システムに基づく走行履歴のみでは、高速道路と一般道路の区別ができず、既存道路の走行時の検出誤差か新規道路の走行かの区別も困難である。従って、衛星航法システムに基づく走行履歴のみでは、地図上に道路を表示するデータが作成されるのみで、経路探索や経路案内に使用できる道路データが自動処理されなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題に対処するため、自動料金収受システムの通過をトリガーとした道路データの自動処理装置及び自動処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明は、自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車の走行履歴を記録する走行履歴記録手段とを設けた自動車用ナビゲーションシステムにおいて、自車が前記地図データにない道路を走行することを判定する誤マッチング判定手段と、該誤マッチング判定手段により自車が前記地図データにない道路を走行する前の走行状態を判定する走行履歴判定手段と、走行履歴判定手段により自車が一般道路を走行していた状態から前記地図データにない道路を走行していると判定された後に自動料金収受システム(ETC)を通過するときその通過を判定するETC通過判定手段と、自車が前記地図データにない道路を走行して前記ETCを通過するまでに前記走行履歴記録手段により記録された走行履歴を取付道路を示す道路データとして記録する取付道路記録手段と、前記ETC通過判定手段により自車が前記ETCを通過したと判定された後に走行する道路が前記地図データに存在する高速道路に接続するとき、該接続するまでの走行履歴を高速道路を示す道路データとして記録する高速道路記録手段と、自車が前記地図データに存在する高速道路を走行して別のETCを通過したとき同ETCにより収受された料金を通行料金データとして記録する通行料金記録手段とを備えた道路データの自動処理装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した本発明による道路データの自動処理装置においては、自車が一般道路を走行していた状態から記憶手段に記憶された地図データに存在しない道路を走行しているときに自動料金収受システム(ETC)を通過した場合、当該ETCを通過すまでに記録された走行履歴が取付道路として記録され、同ETCを通過した後に走行する道路が前記地図データに存在する高速道路に接続するとき、該接続するまでの走行履歴が高速道路として記録される共に、さらに、自車が前記地図データに存在する高速道路を走行して別のETCを通過したとき同ETCにより収受された料金、つまり、乗りICから降りICまでの高速道路の通行料金が記録される。しかして、前記追加道路記録手段により記録された追加道路と前記接続道路判定手段により判定された接続道路を示す道路データとともに前記通行料金データを、例えば、前記地図データに自動的に追加更新すると、その後の走行時には追加更新された地図データに基づき走行経路の探索と案内がなされると共に高速道路の通行料金が報知される。
【0008】
本発明の実施にあたって、上記の誤マッチング判定手段により、自車が前記地図データにない道路を走行していると判定される前に走行していた走行履歴が一般道路である場合には、前記地図データ設定手段により前記追加道路が取付道路として設定され、前記接続道路が高速道路として設定されるようにすることが望ましい。また、上記の誤マッチング判定手段により、自車が前記地図データにない道路を走行していると判定される前に走行していた走行履歴が高速道路である場合には、前記地図データ設定手段により前記追加道路が高速道路として設定され、前記接続道路が地図データに存在する道路への取付道路として設定されるようにすることが望ましい。
【0009】
本発明の実施にあたっては、上述した地図データ設定手段により新たに設定された前記追加道路と接続道路の道路データと共に高速道路の通行料金データを専用情報通信システムに送信する送信手段を備えることが望ましい。これにより、専用情報通信システムの記憶手段に記憶された地図データに前記追加道路と接続道路を示す道路データが自動的に追加更新され得る状態となると共に高速道路の通行料金が報知される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る自動車用ナビゲーションシステムの概略構成図を示す。
【図2】図1のマイクロコンピュータにて実行されるナビ用プログラムを表すフローチャートである。
【図3】図2の第1自走データ作成処理ルーチンの詳細フローチャートである。
【図4】図2の第2自走データ作成処理ルーチンの詳細フローチャートである。
【図5】図1の専用情報通信システムのサーバにて実行されるサーバ用プログラムを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1においては、本発明を適用した自動車用ナビゲーションシステムの一例が示されている。当該ナビゲーションシステム10は、現在位置検出装置11を備えており、この現在位置検出装置11は、GPS受信装置であって、衛星航法システム(GPSともいう)の人工衛星から送信される電波を受信して、当該自動車の現在位置を現在時刻と共に検出する。
【0012】
また、当該ナビゲーションシステム10は、入力装置12を備えており、この入力装置12は、携帯用リモートコントローラであって、その操作により、必要な情報をマイクロコンピュータ13(後述する)の受信部(図示しない)に送信により入力する。なお、リモートコントローラに代えて、出力装置16の液晶パネル(後述する)にその表示面側から添着したタッチパネルを入力装置12としてもよい。
【0013】
また、当該ナビゲーションシステム10は、マイクロコンピュータ13、記憶装置14、無線通信装置15及び出力装置16を備えている。マイクロコンピュータ13は、上記受信部の他、CPU、RAM及びROM等をバスラインで接続して構成されており、当該マイクロコンピュータ13は、そのCPUにより、図2〜図4にて示すフローチャートに従いナビ用プログラムを実行する。
【0014】
当該マイクロコンピュータ13は、現在位置検出装置11の検出出力、入力装置12の操作出力、記憶装置14の出力、無線通信装置15の出力や専用情報通信システム20(後述する)の出力に基づき、当該自動車の地図表示、案内経路探索や経路案内等の種々の処理を行う。なお、上記ナビ用プログラムは、マイクロコンピュータ13のROMに、当該マイクロコンピュータ13により読み出し可能に予め書き込まれている。
【0015】
記憶装置14は、ハードディスクであって、この記憶装置14には、道路データ等を含む地図データ及び交通情報データがマイクロコンピュータ13により読み出し可能にデータベースとして記憶されている。無線通信装置15は、専用情報通信システム20からの道路交通情報を受信してマイクロコンピュータ13に出力する。
【0016】
専用情報センターに設けられた専用情報通信システム20は、無線通信装置15と道路交通情報センターに設けた道路交通情報通信システム(以下、VICS30ともいう)との無線通信を行う。なお、「VICS」は、道路交通情報センターの登録商標である。
【0017】
また、当該専用情報通信システム20は、サーバ21、無線通信装置22及び記憶装置23により構成されている。サーバ21は、図5にて示すフローチャートに従いサーバ用プログラムを実行する。当該サーバ21は、上記サーバ用プログラムの実行中において、無線通信装置22を介し、無線通信装置15及びVICS30との間で送受信処理をする。なお、上記サーバ用プログラムは、サーバ21のROMに、当該サーバ21により読み出し可能に予め書き込まれている。
【0018】
記憶装置23は、ハードディスクであって、この記憶装置23には、道路データ等を含む地図データ及び交通情報データがサーバ21により読み出し可能にデータベースとして記憶されている。
【0019】
出力装置16は、表示装置であって、マイクロコンピュータ13による制御のもと、当該自動車において必要なデータを情報として表示する。なお、出力装置16は、その液晶パネル等の表示パネルにて、当該自動車の車室内前壁に設けたインストルメントパネルに配設されている。
【0020】
以上のように構成した本実施形態において、当該自車の走行開始に伴い、マイクロコンピュータ13が、図2のフローチャートに従い、上記ナビ用プログラムの実行を開始すれば、ステップ100において、入力装置12による表示要求の有無が判定される。現段階において入力装置12による表示要求がなければ、図2のステップ100においてNOとの判定が繰り返される。
【0021】
このような状態において、入力装置12による所望の地図の表示要求があれば、ステップ100においてYESと判定される。然る後、ステップ110において、上記所望の地図を表す地図データ(以下、所望地図データともいう)の記憶装置14からの読み出し処理がなされる。これに伴い、上記所望地図データが記憶装置14の上記データベースから読み出される。すると、ステップ120において、上記所望の地図の表示処理がなされる。これに伴い、出力装置16が、上記所望の地図データに基づき所望の地図を画面表示する。
【0022】
上述のようにステップ120での処理が終了すると、ステップ130において、目的地の設定処理がなされる。この設定処理では、入力装置12の操作により当該自動車の目的地がマイクロコンピュータ13に入力される。
【0023】
ついで、ステップ140において、経路探索処理がなされる。これに伴い、現在位置検出装置10により検出された現在位置からステップ130において選定された目的地までの案内経路が探索される。
【0024】
然る後、ステップ150において、経路案内処理がなされる。これに伴い、ステップ140において探索された案内経路に基づき経路案内処理を行う。このことは、当該自車はステップ130において選定された目的地に向かいステップ140において探索された案内経路に沿い走行することを意味する。
【0025】
然る後、ステップ200において、当該自車の走行履歴が誤マッチングしているか否かが判定される。ここで、誤マッチングとは、当該自車の走行履歴が記憶装置14に記憶されている地図データ上設定された道路以外の走行履歴に対応する場合を示す。当該自車が誤マッチングを起こすことなく、地図データ上設定された道路を走行していれば、ステップ200においてNOとの判定が繰り返される。
【0026】
一方、当該自車が誤マッチングを起こしていれば、ステップ200においてYESと判定される。然る後、ステップ210において、誤マッチング前の走行履歴は一般道路か否かが判定される。ここで、誤マッチング前の自車の走行履歴が一般道路であれば、ステップ210において、YESと判定される。然る後、第1自走データ作成処理ルーチン300の処理がなされる(図3参照)。まず、ステップ310において、自走データ記録処理がなされる。この処理では、現在位置検出装置11に基づき当該自車の現在位置を取得し、この現在位置の記録が自走データとして記録処理される。
【0027】
次に、ステップ311において、当該自車が自動料金収受システム(以下、ETCという)を通過するか否かが判定される。本実施形態では、この判定は、自車がETCにより検出されたか否かでもってなされる。現段階において、当該自車がETCを通過していない場合には、自車がETCにより検出されておらずNOと判定される。然る後、ステップ312において、ステップ310にて記録された自走記録データが所定制限を越えているか否かが判定される。ここで、所定制限とは、規定時間、規定距離、規定メモリ量等の制限である。現時点における自走データが所定制限を越えていなければ、ステップ312において、NOと判定される。然る後、ステップ310の処理が再度なされる。
【0028】
上述したステップ311において、当該自車がETCを通過する場合には、自車に対するETCによる検出に基づきYESと判定される。然る後、ステップ313において、取付道記録処理がなされる。この処理では、図2のステップ200にて誤マッチングを起こしているとの判定のときからステップ311にてETCを通過するとの判定のときにおけるステップ310にて記録された複数の自走データに基づく走行履歴が取付道を示す道路データとして記憶装置14のデータベースに記録される。
【0029】
ついで、ステップ320において、自走データ記録処理がなされる。この処理では、上述したステップ310における自走データ記録処理と同様の記録処理がなされる。
【0030】
次に、ステップ321において、当該自車の走行履歴が高速道路に接続するか否かが判定される。現時点において、当該自車の走行履歴が地図データ上高速道路として設定されている道路に接続していなければ、NOと判定される。然る後、ステップ320の処理が再度なされる。
【0031】
上述したステップ321において、当該自車の走行履歴が地図データ上高速道路として設定されている道路に接続すれば、YESと判定される。然る後、ステップ322において、高速道路本線記録処理がなされる。この処理では、ステップ311にてETCを通過するとの判定のときからステップ321にて地図データ上高速道路に接続したとの判定のときにおけるステップ320にて記録された複数の自走データに基づく走行履歴が高速道路本線を示す道路データとして記憶装置14のデータベースに記録される。
【0032】
ついで、ステップ340において、当該自車がETCを通過するか否かが判定される。当該自車がETCを通過しておらず、高速道路を走行中である場合には、ステップ340においてNOとの判定が繰り返される。
【0033】
然る後、当該自車がETCを通過すると、ステップ340において、YESと判定される。ついで、ステップ341において、料金記録処理がなされる。この処理では、乗りICから降りICまでの料金が記録される。
【0034】
上述のように、一般道路を走行していた自車が、誤マッチングを起こした後にETC通過した場合、即ち、高速道路に接続する新規道路を走行している場合、誤マッチングと判定されたときからETC通過と判定されたときまでの自走データが取付道を示す道路データとして設定され、当該ETC通過と判定されたときから高速道路へ接続すると判定されたときまでの自走データが高速道路本線を示す道路データとして設定される。
【0035】
従って、ETC通過をトリガーとすることにより、高速道路に接続する新規道路を走行する場合に、ETC通過までの道路を取付道を示す道路データと設定し、ETC通過後の道路を高速道路本線を示す道路データとして設定して、地図データに設定されていない道路データを自動的に追加作成することができる。
【0036】
一方、上述した図2のステップ210において、誤マッチング前の走行履歴が一般道路でなく高速道路であれば、NOと判定される。然る後、第2自走データ作成処理ルーチン400の処理がなされる(図4参照)。まず、ステップ410において、自走データ記録処理がなされる。この処理では、上述したステップ310における自走データ記録処理と同様の記録処理がなされる。
【0037】
次に、ステップ411において、当該自車がETCを通過するか否かが判定される。当該自車がETCを通過していない場合には、NOと判定される。然る後、ステップ412において、ステップ410にて記録された自走データが所定制限を越えているか否かが判定される。現時点における自走データが所定制限を越えていなければ、ステップ412において、NOと判定される。然る後、ステップ410の処理が再度なされる。
【0038】
上述したステップ411において、当該自車がETCを通過すると、YESと判定される。然る後、ステップ413において、高速道路本線記録処理がなされる。この処理では、図2のステップ200にて誤マッチングを起こしているとの判定のときからステップ411にてETCを通過するとの判定のときにおけるステップ410にて記録された複数の自走データに基づく走行履歴が高速道路本線を示す道路データとして記憶装置14のデータベースに記録される。
【0039】
ついで、ステップ420において、料金記録処理がなされる。この処理では、乗りICから降りICまでの料金が記録される。
【0040】
然る後、ステップ430において、自走データ記録処理がなされる。この処理では、上述したステップ310における自走データ記録処理と同様の記録処理がなされる。
【0041】
次に、ステップ431において、当該自車の走行履歴が一般道路に接続するか否かが判定される。現時点において、当該自車の走行履歴が地図データ上一般道路として設定されている道路に接続していなければ、NOと判定される。然る後、ステップ430の処理が再度なされる。
【0042】
上述したステップ431において、当該自車の走行履歴が地図データ上一般道路として設定されている道路に接続していれば、YESと判定される。然る後、ステップ432において、取付道記録処理がなされる。この処理では、ステップ411にてETCを通過するとの判定のときからステップ431にて地図データ上一般道路に接続するとの判定のときにおけるステップ430にて記録された複数の自走データに基づく走行履歴が高速道路本線を示す道路データとして記憶装置14のデータベースに記録される。
【0043】
上述のように、高速道路を走行していた自車が、誤マッチングを起こした後にETC通過した場合、即ち、新規の高速道路を走行している場合、誤マッチングと判定されたときからETC通過と判定されたときまでの自走データが高速道路本線を示す道路データとして設定され、当該ETC通過と判定されたときから高速道路へ接続すると判定されたときまでの自走データが取付道を示す道路データとして設定される。
【0044】
従って、ETC通過をトリガーとすることにより、新規の高速道路を走行する場合に、ETC通過までの道路を高速道路本線を示す道路データと設定し、ETC通過後の道路を取付道を示す道路データとして設定して、記憶装置14に設定されていない道路データを自動的に追加作成することができる。
【0045】
上述のように第1自走データ作成処理ルーチン300又は第2自走データ作成処理ルーチン400の処理が終了すると、図2のステップ500において、座標データ送信処理がなされる。この処理では、ステップ200において、誤マッチングと判定されたときの自車の現在位置の座標データがマイクロコンピュータ13から無線通信装置15を介し、専用情報通信システム20に送信される。
【0046】
一方、専用情報通信システム20では、サーバ21が図5のステップ610でNOとの判定を繰り返している。このような状態において、サーバ21は、無線通信装置22を介し、無線通信装置15から上記座標データを取得すると、ステップ610において、YESと判定される。
【0047】
ついで、ステップ620において、ステップ610にて取得した座標データに対応する道路データが専用情報通信システム20の記憶装置23に設定されているか否かが判定される。記憶装置23に上記座標データに対応する道路データが設定されていなければ、NOと判定される。
【0048】
然る後、ステップ630において、データアップロード要求処理がなされる。この処理では、第1自走データ作成処理ルーチン300又は第2自走データ作成処理ルーチン400にて取得された取付道と高速道路本線とにおける道路データ及び料金データの送信要求がサーバ21から無線通信装置23を介し、ナビゲーションシステム10に送信される。
【0049】
一方、ナビゲーションシステム10では、マイクロコンピュータ13が図2のステップ700でNOとの判定を繰り返している。このような状態において、マイクロコンピュータ13は、無線通信装置15を介し、無線通信装置22から上記アップロード要求を取得すると、ステップ700において、YESと判定される。
【0050】
然る後、ステップ700aにおいて、データアップロード処理がなされる。この処理では、第1自走データ作成処理ルーチン300又は第2自走データ作成処理ルーチン400にて取得された取付道と高速道路本線とにおける道路データ及び料金データが送信される。
【0051】
一方、専用情報通信システム20では、サーバ21が図5のステップ640でNOとの判定を繰り返している。このような状態において、サーバ21は、無線通信装置22を介し、無線通信装置15から取付道及び高速道路本線における道路データ及び料金データを受信すると、ステップ640において、YESと判定される。
【0052】
然る後、ステップ650において、地図データ更新処理がなされる。この処理では、ステップ640にて取得された取付道及び高速道路本線における道路データに基づき、記憶装置23に設定された道路データが更新される。
【0053】
従って、ナビゲーション10にて自動的に追加作成された新規道路データが専用情報通信システム20の記憶装置23に設定されていなければ、当該新規道路データを用いて記憶装置23の道路データを自動的に追加作成することができる。
【0054】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上述したステップ150にて設定された案内経路に沿い自車が走行している場合にステップ200〜700aの処理を行うことに限らず、目的地を設定せずに自車が走行している場合にステップ200〜700aの処理を行ってもよい。
(2)上述したステップ500における座標データ送信処理は、ステップ200において誤マッチングと判定されたときの自車の現在位置の座標データを送信することに限らず、ステップ311又はステップ411にてETCを通過したと判定した際の当該ETCの座標データを送信してもよい。
(3)上述したステップ500における座標データ送信処理は、ステップ200において誤マッチングと判定される毎に自車の現在位置の座標データを送信することに限らず、複数の座標データを1度に送信してもよい。
【0055】
その際、サーバ21は、受信した複数の座標データのうち、記憶装置23に設定されている道路データに対応しない座標データに対応する道路データのみのデータアップロード要求処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0056】
11…現在位置検出装置、14…記憶装置、15…無線通信装置、20…交通情報通信システム、22…無線通信装置、23…記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車の走行履歴を記録する走行履歴記録手段とを設けた自動車用ナビゲーションシステムにおいて、
自車が前記地図データにない道路を走行することを判定する誤マッチング判定手段と、
該誤マッチング判定手段により自車が前記地図データにない道路を走行する前の走行状態を判定する走行履歴判定手段と、
走行履歴判定手段により自車が一般道路を走行していた状態から前記道路データにない道路を走行していると判定された後に自動料金収受システム(ETC)を通過するときその通過を判定するETC通過判定手段と、
自車が前記地図データにない道路を走行して前記ETCを通過するまでに前記走行履歴記録手段により記録された走行履歴を取付道路を示す道路データとして記録する取付道路記録手段と、
前記ETC通過判定手段により自車が前記ETCを通過したと判定された後に走行する道路が前記地図データに存在する高速道路に接続するとき、該接続するまでの走行履歴を高速道路を示す道路データとして記録する高速道路記録手段と、
自車が前記地図データに存在する高速道路を走行して別のETCを通過したとき同ETCにより収受された料金を通行料金データとして記録する通行料金記録手段とを備えた道路データの自動処理装置。
【請求項2】
前記記録された取付道路と高速道路を示す道路データと前記通行料金データを前記記憶手段の地図データに設定する地図データ設定手段を更に備えた請求項1に記載した道路データの自動処理装置。
【請求項3】
自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車の走行履歴を記録する走行履歴記録手段とを設けた自動車用ナビゲーションシステムにおいて、
自車が前記地図データにない道路を走行することを判定する誤マッチング判定手段と、
該誤マッチング判定手段により自車が前記地図データにない道路を走行する前の走行状態を判定する走行履歴判定手段と、
走行履歴判定手段により自車が高速道路を走行していた状態から前記地図データにない道路を走行していると判定された後に自動料金収受システム(ETC)の出口を通過するときその通過を判定するETC通過判定手段と、
自車が前記地図データにない道路を走行して前記ETCを通過するまでに前記走行履歴記録手段により記録された走行履歴を高速道路を示す道路データとして記録する高速道路記録手段と、
自車が前記ETCを通過したとき同ETCにより収受された料金を通行料金データとして記録する通行料金記録手段と、
を備えた道路データの自動処理装置。
【請求項4】
前記記録された先の高速道路を示す道路データと前記通行料金データを前記記憶手段の前記地図データに設定する地図データ設定手段とを更に備えた請求項3に記載した道路データの自動処理装置。
【請求項5】
前記地図データ設定手段によって前記記憶手段の地図データに設定される前記道路データと前記通行料金データを専用情報システムに送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項2又は4に記載した道路データの自動処理装置。
【請求項6】
自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車の走行履歴を記録する走行履歴記録手段とを設けた自動車用ナビゲーションシステムにおいて、
自車が一般道路を走行していた状態から前記地図データにない道路を走行していると判定したときその後に自動料金収受システム(ETC)を通過すると、同ETCを通過するまでに前記走行履歴記録手段により記録された走行履歴を取付道路を示す道路データとして記録し、前記ETCを通過した後に走行する道路が前記地図データに存在する高速道路に接続するとき、該接続するまでの走行履歴を高速道路を示す道路データとして記録し、前記地図データに存在する高速道路を走行して別のETCを通過したとき同ETCにより収受された料金を通行料金データとして記録するようにした道路データの自動処理方法。
【請求項7】
自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車の走行履歴を記録する走行履歴記録手段とを設けた自動車用ナビゲーションシステムにおいて、
自車が高速道路を走行していた状態から前記地図データにない道路を走行していると判定したときその後に自動料金収受システム(ETC)を通過すると、同ETCを通過するまでに前記走行履歴記録手段により記録された走行履歴を高速道路を示す道路データとして記録し、
前記ETCを通過したとき同ETCにより収受された料金を通行料金データとして記録するようにした道路データの自動処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−258127(P2009−258127A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180850(P2009−180850)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【分割の表示】特願2004−131589(P2004−131589)の分割
【原出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】