道路データ生成方法、装置及びプログラム
【課題】
画像データから道路データを生成する。
【解決手段】
線分抽出機能(24)が、オルソ画像データ(14)から線分を抽出する。道路エリア抽出機能(26)が、抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する。車道外側線解析・取得機能(28)が、当該道路エリア抽出手段(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する。道路ネットワーク線生成機能(30)が、車道外側線から道路ネットワーク線を生成する。
画像データから道路データを生成する。
【解決手段】
線分抽出機能(24)が、オルソ画像データ(14)から線分を抽出する。道路エリア抽出機能(26)が、抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する。車道外側線解析・取得機能(28)が、当該道路エリア抽出手段(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する。道路ネットワーク線生成機能(30)が、車道外側線から道路ネットワーク線を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路データ生成方法、装置及びプログラムに関し、より具体的には、航空写真オルソ画像などの実測画像から数式化又は関数化された道路データを生成する方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションはいうに及ばず、ITS(Intelligent Transport Systems)において、安全・安心のための運転支援及び車両制御の基礎情報としても、道路地図の正確さが重要になっている。
【0003】
既存の道路地図は、例えば、分離帯のある道路であっても、中心線が分離帯上に設定されるものや、上り線の中央と下り線の中央に設定されている例など、種々雑多である。また、車道の形状や、レーン数、幅員などが正確でない例もしばしば見られる。
【0004】
特許文献1には、カラー画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法が記載されている。
【特許文献1】特開2004−246554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実測に基づく、より正確な道路地図、それも、関数化又はベクトル化されたより高精度な道路地図が望まれている。
【0006】
本発明は、実測画像から関数化された高精度な道路データを生成する道路データ生成方法、装置及びプログラムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る道路データ生成方法は、道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する方法であって、当該画像データから線分を抽出する線分抽出ステップと、当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出ステップと、当該道路エリア抽出ステップで抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得ステップと、当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成ステップとを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る道路データ生成装置は、道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する装置であって、当該画像データから線分を抽出する線分抽出手段と、当該線分抽出手段で抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出手段と、当該道路エリア抽出手段で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得手段と、当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る道路データ生成プログラムは、道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データをコンピュータに生成させるコンピュータプログラムであって、当該画像データから線分を抽出する線分抽出機能と、当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出機能と、当該道路エリア抽出機能で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得機能と、当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成機能とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現場撮影で得られる画像データから高精度の道路データを一括して生成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例の概略機能ブロック図を示す。本実施例では、現場の航空写真から得られるオルソ画像等の画素ベースの画像データから、道路形状等を関数で表現する道路データを生成する。ただし、補助的に、既存の道路情報(ネットワーク線、幅員、レーン数及び上下線分離等の補助情報)と、地面を3次元計測した3次元計測データを参照する。
【0013】
パーソナルコンピュータ(PC)10のハードディスク装置12に、予め、オルソ画像データ14、道路ネットワーク線データベース16、補助情報(幅員、レーン数及び上下線分離等)18、及び3次元計測データ20を格納しておく。オルソ画像データ14は、ビットマップ形式又はTIFF形式等の画素ベースのデータ形式からなり、基準点の地上座標は、GPS(Global Positioning System)システム等を使った計測装置により高精度に計測されており、各画素の地上座標値も判明している。
【0014】
道路ネットワーク線データベース16は、別に構築済みの道路ネットワーク線のデータ、例えば、道路(の中心線)の所在を地上座標の関数で示す数式化された線データからなる。データベース16に格納されるネットワーク線の内には、欠落しているネットワーク線や、座標位置に誤差を含むネットワーク線があるが、道路エリアを限定するのに役立つ。
【0015】
補助情報18は、道路の幅員、レーン数、及び上下線が分離しているか否か等、ネットワーク線以外の、道路に関する副次的な情報からなり、道路ネットワーク線データベース16と一体に又は別に管理されている。補助情報18も欠落や誤差がある。本実施例は、補助情報18を、道路エリアの限定と車線境界線の確定に利用する。
【0016】
CPU22は、ハードディスク装置12に格納されるこれらのデータ14〜20を使って、道路形状等を地上座標及び標高の関数で表現する道路データを生成する。そのために、CPU22は、以下に説明する機能24〜36を具備する。これらの機能24〜36は、CPU22上で動作するソフトウエアプログラムとして実現されるが、その一部又は全部を専用ハードウエアで実現することも可能であることは明らかである。
【0017】
線分抽出機能24は、航空写真オルソ画像データ14から、公知の方法で線分を抽出する。例えば、色の相違等によるエッジ検出で、画像データ14内の線要素を抽出可能であり、このような機能のプログラムは公知である。線分抽出機能24は、抽出した線要素を、数式化された線分データとしてハードディスク装置38に格納する。ここで抽出される線要素は、道路に関するもの(中心線、外側線、車線境界線等)以外に、道路上の車両の外形線、建物の外形線、及び、その他の地物の外形線を含む。ハードディスク装置38に格納される抽出線分データは、線分の両端点の地上面の座標値(例えば、緯度と経度)からなり、両端点を結ぶ直線で表現される。勿論、抽出線分データを曲線として保持したい場合、抽出線分データは、両端点間を結ぶ曲線を示す関数の係数値を含む。汎用的に利用可能な曲線関数を予め決めておけばよい。
【0018】
道路エリア抽出機能26は、道路ネットワーク線データベース16及び補助情報18の幅員を参照して、計測対象の道路が存在する道路エリアを限定し、ハードディスク装置38に格納される抽出線分データから、当該道路エリア内の抽出線分データを抽出する。勿論、補助情報18の幅員の誤差を考慮し、道路エリアを少し広めの範囲で限定する。抽出された線分データは、ハードディスク装置40に格納される。道路ネットワーク線データベース16に無い新規な道路については、道路エリア抽出機能26にネットワーク線と幅員の情報を手入力して、道路エリアを指定する。道路エリア抽出機能26は、換言すると、道路ネットワーク線データベース16と補助情報18の幅員情報とから、道路が存在しない箇所の抽出線分データを除外する。道路エリア抽出機能26により、道路近辺の線分データのみを抜き出せる。
【0019】
道路を示す線分の抽出という特質上、道路ネットワーク線に対して一定以上に傾斜している線分は、道路を示す線要素(車道外側線、中央分離線、車線境界線及び中央分離帯のエッジ等)ではないので、ノイズとして除外する。例えば、既存ネットワーク線に対して20度を越える傾きを持った線分データは、ノイズと見做して除外する。また、既存ネットワーク線に対して20度以内の傾きであっても、路上の車両のエッジなど、単体で存在する一定長(例えば、5m)未満の線分もまた、ノイズと見做して除外してもよい。
【0020】
例えば、道路の上に橋が架かっている場合、道路を示す線分が分断される。本実施例では、このような箇所は、自動で補充可能である。例えば、既存ネットワーク線を基準として、そこから抽出線分までの距離がほぼ同一の線分であって、線分同士の角度がほぼ同一で、2つの線分間の距離が一定以内であれば、両線分を接続する。また、必要により、手入力で補充する。
【0021】
道路エリア抽出機能26はまた、3次元計測データ20を参照して、抽出線分データに標高を付加する。即ち、ハードディスク装置40に格納される抽出線分データは3次元に拡張されている。
【0022】
例えば、高架の高速道路等は、3次元計測データ20でその位置を特定できる。これを利用し、3次元計測データ20で道路エリアを特定し、その特定された道路エリアより僅かに広いエリア内の抽出線分データを抽出するようにしてもよい。
【0023】
このようにして、ハードディスク装置40には、車道外側線、中央分離線、車線境界線及び中央分離帯のエッジ等の、道路を示す線要素が、格納される。但し、ハードディスク装置40に格納される抽出線分データは、しばしば分断された状態にあり、また、その他のノイズを含む。
【0024】
車道外側線解析・取得機能28は、ハードディスク装置40に格納される抽出線分データから車道外側線を決定する。本実施例は、主として幹線的に使用される道路に対して有用であり、対象道路を、(1)図2に示すように、中央分離帯で上りと下りが分離されている道路、(2)、図3に示すように、中央分離帯でなく1本の中央分離線で上りと下りが分離されている道路、並びに、(3)図3及び図4に示すように、中央分離線も無い道路の3種類に分類して解析する。
【0025】
図2は、中央分離帯のある道路の構造例を示す。車道外側線が合計4本存在し、これらは、線分抽出機能24及び道路エリア抽出機能26で抽出される。即ち、車道外側線を示す線分データが、ハードディスク40に格納されている。道路中央側に2本の車道外側線が存在し、道路縁側に2本の車道外側線が存在する。道路中央側の2本の車道外側線間が中央分離帯になる。上り道路と下り道路で、車線境界線が道路上にペイントされている場合、これを示す線分データが、線分抽出機能24及び道路エリア抽出機能26でも抽出されている。道路中央線は、上り道路と下り道路を合わせた道路の中央線(道路縁側の車道外側線から等距離にある位置の線)と見ても、個々の上り道路及び下り道路の中央線(道路縁側の車道外側線とこれに近い道路中央側の車道外側線とから等距離にある位置の線)とみてもよい。何れを道路中央線とするかは、処理内容に応じて使い分けられる。また、道路ネットワーク線も同様である。既存の道路ネットワーク線は、本来、何れかの方法の道路中央線に一致するはずであるが、種々の理由で一致しないことがある。
【0026】
図3は、道路中央に上りと下りを分離する1本の車道外側線、即ち、中央分離線が存在する道路の構造例を示す。中央分離線は白色又は黄色で道路上にペイントされており、これが線分抽出機能24及び道路エリア抽出機能26でも抽出される。道路中心線は、中央分離線(道路中央側の車道外側線)上に設定される。車線境界線については、図2の場合と同じである。既存の道路ネットワーク線は、本来、道路中央線に一致するはずであるが、種々の理由で一致しないことがある。
【0027】
図4及び図5は、中央分離線が無い道路の構造例を示す。これは、上り道路と下り道路を分離する中央分離線が道路面上にペイントされていないケースと、片側通行で、本来的に中央分離線が存在しないケースとを含む。図4に示す構造例では、車線境界線が道路面上にペイントされ、図5に示すケースでは、車線境界線がペイントされていない。図4及び図5のどちらでも、道路中央線は、道路縁側の車道外側線から等距離の位置に設定される。図4及び図5のケースでも、既存の道路ネットワーク線は、本来、何れかの方法の道路中央線に一致するはずであるが、種々の理由で一致しないことがある。
【0028】
図6は、車道外側線解析・取得機能28の動作フローチャートを示す。ここでは、選択された1つの道路に対する処理を示す。車道外側線は、(1)道路中心線に並行して継続的に存在し、(2)基本的に途切れがない線分であり、且つ、(3)道路中心側と道路縁側に存在する。この条件を満たす線要素を抽出線分データから検索し、より長い線分に連結する。
【0029】
対象道路の抽出線分データをハードディスク40から読み出し、一時格納領域に格納する(S1)。道路エリア抽出機能26で利用した道路エリアの中心線を道路中心線とし、当該道路中心線に垂直な方向に25cm、道路中心線に沿った方向に3mの幅のメッシュを設定する(S2)。図7は、中央分離帯を有する道路に対するメッシュ設定例を示す。各メッシュ内で抽出線分数を計数し、道路中心線に垂直な方向と道路中心線に沿った方向の、抽出線分数に関するマトリックスを生成する(S3)。
【0030】
対象道路の道路種別を判定する(S5)。即ち、対象道路が、図2に示すような中央分離帯(又は2本の中央側車道外側線)を有する道路か、図3に示すような1本の中央側車道外側線を有する道路か、図4又は図5に示すようなその他の道路かを判定する。このとき、道路ネットッワーク線データベース16及び補助情報18を参照できる場合には、これらを参照して、道路種別を判定する。
【0031】
道路ネットッワーク線データベース16及び補助情報18を参照することができない場合、ステップS3で生成した抽出線分数マトリックスを使って、道路種別を判定しても良い。例えば、道路の代表的な部分(分岐、合流、交差点等が無い部分)で、抽出線分数マトリックスを道路中央線に沿った方向で累積し、その累積値に対して、車線幅(通常、2.75m乃至3.5m)の間隔で累積値のピークが何個あるかを調べる。これにより、車道外側線を構成しうる線要素の数を検出でき、図2乃至図5の何れに該当するかを判別できる。
【0032】
図8は、中央分離帯のある道路(図2)に対する、道路中心線に垂直な方向での線分数の分布例を示す。図8(A)は、車道外側線の配置を示し、図8(B)は、図8(A)のA−A線における横断面の抽出線分数の分布を示す。車道外側線の位置で抽出線分数がピークとなる。破線の車線境界線がある場合、断面A−Aのとる位置に応じて、ピークが現れたり、消えたりする。道路中央側車道外側線が線として安定しているので、シャープなピークとなりやすい。これはまた、道路中央側車道外側線を精度良く決定しやすいことを意味し、本実施例では、道路中央側車道外側線を先ず決定し、その後、縁側車道外側線を決定する。
【0033】
図9は、抽出線分数マトリックスで、道路横断方向でピークになるメッシュ位置の模式図を示す。ピークとなるメッシュに対して斜線を付加してある。但し、図9は、中央側車道外側線の実際例を示すものではない。中央分離帯内の事物や右折車線等により、中央側車道外側線といえども、道路に沿って湾曲することがあることを例示する目的で図示されている。
【0034】
道路種別が中央分離帯のある道路(図2)を示す場合(S4)、抽出線分数マトリックスから片側の中央側車道外側線を取得する(S5)。図10は、中央側車道外側線を取得する処理のフローチャートを示す。
【0035】
道路長手方向の中央を探索の始端と設定し(S21)、線抽出範囲を設定する(S22)。線抽出範囲は、目的の車道外側線が確実に存在する範囲を現定するものであり、補助情報18から得られる場合には、それを利用する。
【0036】
設定された線抽出範囲内で抽出線分数マトリックスから、抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車道外側線候補とする(S23)。道路中央線に沿って1メッシュだけ上り方向に移動し(S24)、車道外側線候補のメッシュに隣接する範囲内で抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車道外側線候補とする(S25)。ステップS24,S25を、道路終端を越えるまで続ける(S26)。
【0037】
一方の道路終端まで探索したら、道路中央に戻る(S27)。そして、道路中央線に沿って1メッシュだけ下り方向に移動し(S28)、車道外側線候補のメッシュに隣接する範囲内で抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車道外側線候補とする(S29)。ステップS28,S29を、道路終端を越えるまで続ける(S30)。
【0038】
ステップS23,S25,S29で得られた車道外側線候補のメッシュを連結し、適宜の間隔で関数表現される線データに変換する(S31)。このような連結と関数化には、公知の種々の方法を利用できる。例えば、空間フィルタ処理を使用して、ある程度以上の空間周波数の凹凸を平滑化する。
【0039】
ステップS5の次に、又はステップS5と同時に、同様の方法で、抽出線分数マトリックスから反対側の中央側車道外側線を取得する(S6)。
【0040】
S5,S6で取得した中央側車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。このとき、これらの車道外側線データ44には、中央分離帯の両縁を示す車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0041】
そして、S5で取得した左側の中央側車道外側線を基準に、その左側の道路エリアをステップS2と同様に25cm×3mのメッシュで再区分し、ステップS3と同様に、抽出線分数のマトリックスを再作成する(S7)。再作成した抽出線分数のマトリックスから、左側の縁側車道外側線を取得する(S8)。中央側車道外側線は、縁側車道外側線よりも精度良く取得できるので、先に取得した中央側車道外側線を基準としてメッシュを再構成することにより、縁側車道外側線もまた精度良く取得できる。
【0042】
同様に、S6で取得した右側の中央側車道外側線を基準に、その右側の道路エリアをステップS2と同様に25cm×3mのメッシュで再区分し、ステップS3と同様に、抽出線分数のマトリックスを再作成する(S9)。再作成した抽出線分数のマトリックスから右側の縁側車道外側線を取得する(S10)。
【0043】
ステップS8,S10で取得した両縁側の車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。これらの車道外側線データ44には、道路縁側の車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0044】
道路種別が1本の中央分離線で上りと下りを分離される道路(図3)を示す場合(S4)、抽出線分数マトリックスから中央側車道外側線(中央分離線)を取得する(S11)。S11で取得した中央側車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。この車道外側線データ44には、中央分離線を示す車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0045】
S11で取得した中央側車道外側線を基準に、その両側の道路エリアをステップS2と同様に25cm×3mのメッシュで再区分し、ステップS3と同様に、抽出線分数のマトリックスを再作成する(S12)。再作成した抽出線分数のマトリックスから、左側の縁側車道外側線を取得し(S13)、右側の縁側車道外側線を取得する(S14)。ステップS13,S14で取得した両縁側の車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。これらの車道外側線データ44には、道路縁側の車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0046】
道路種別が、図2及び図3の何れの道路でも無い場合(S4)、図4又は図5に示す道路に相当する。この場合、図10に示すフローと同様のフローで、左側及び右側の縁側車道外側線を取得する(S15,S16)。但し、当初の線抽出範囲は、補助情報18の幅員を参照できる場合には、その幅員を利用して決定し、補助情報18を参照できない場合には、基本的な車線幅が2.75m乃至3.5mであることを利用して決定する。線抽出範囲が3箇所以上になることもある。
【0047】
道路ネットワーク線生成機能30は、車道外側線解析・取得機能28により取得された車道外側線(縁側車道外側線及び中央側車道外側線)から、道路ネットワーク線を生成する。単純に、縁側車道外側線と中央側車道外側線の中間を道路ネットワーク線とする。別の方法として、図2に示すような中央分離帯を有する道路では、上り道路の道路ネットワーク線と、下り道路の道路ネットワーク線と、全体の道路ネットワーク線の3種類の道路ネットワーク線を生成しても良い。道路全体の道路ネットワーク線は、例えば、2つの中央側車道外側線の中間の線、又は、両縁側車道外側線の中間の線とする。生成された道路ネットワーク線は、道路地図データを構成するデータ46としてハードディスク装置42に格納される。
【0048】
車線境界線取得機能32は、車道外側線解析・取得機能28により取得された車道外側線(縁側車道外側線及び中央側車道外側線)から、車線境界線を生成する。図11は、車線境界線取得機能32の動作フローチャートを示す。車線境界線は、道路に並行する連続的な又は断続的な線であり、車道外側線に挟まれるように車線間隔2.75m乃至3.5mで位置する線である。破線の場合、線分の長さは6乃至10m程度である。
【0049】
対象道路の車道外側線(縁側車道外側線及び中央側車道外側線)を車道外側線データ44から読出す(S41)。車線幅は通常、2.75mから3.5mであるので(S42)、これを使って、縁側車道外側線と中央側車道外側線の間で、車線境界線がペイントされるような1又は複数の線抽出範囲を設定する(S43)。
【0050】
道路長手方向の中央を探索の始端と設定する(S44)。ステップS43で設定された線抽出範囲内で抽出線分数マトリクスから抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車線境界線候補とする(S45)。道路中央線に沿って1メッシュずつ上り方向に移動しながら、車線境界線候補に隣接する範囲内で車線境界線候補を探索又は決定していく(S46)。ステップS46の処理は、図10のステップS24,S25,S26に対応する。
【0051】
一方の道路終端まで探索したら、道路中央に戻る(S47)。そして、今度は、道路下り方向に1メッシュずつ移動しながら、車線境界線候補に隣接する範囲内で車線境界線候補を探索又は決定していく(S48)。ステップS48の処理は、図10のステップS28,S29,S30に対応する。
【0052】
ステップS45,S46,S48で得られた車線境界線候補のメッシュを連結し、適宜の間隔で関数表現される線データに変換する(S49)。その際、既に数式化されている縁側車道外側線及び中央側車道外側線を参照することで、得られる車線境界線も、精度の良いものとなる。
【0053】
道路面にペイントされていた車線境界線の線パターンを調べる(S50)。線パターンが実線であれば(S50)、ステップS49で決定した車線境界線の線属性を実線に設定する(S51)。線パターンが破線であれば(S50)、ステップS49で決定した車線境界線の線属性を破線に設定する(S52)。
【0054】
ステップS49,S51,S52で得られる車線境界線データ及び線属性は、道路地図データの車線境界線データ48としてハードディスク装置42に格納される。
【0055】
補助情報算出機能34は、以上の処理で得られたハードディスク装置42の道路地図データを参照して、幅員、レーン数、車線幅、上下線分離及び曲率半径等の補助情報を算出し、算出結果を補助情報50としてハードディスク装置42に格納する。3次元データを利用できる場合には、勾配も算出し、補助情報50に含める。図12は、補助情報算出機能34で算出される幅員及びレーン数の一例である。
【0056】
道路面ポリゴン生成機能36は、以上の処理で得られたハードディスク装置42の道路地図データを参照して道路面のポリゴンを生成し、生成したポリゴンデータをハードディスク52に格納する。このポリゴンデータをカーナビゲーションシステムに搭載することで、道路形状等をCG(Computer Graphic)化して画面上に表現できる。その他の地物、例えば、建物等の形状データを併用することで、地上面の俯瞰図又は鳥瞰図等も正確に再現できるようになる。
【0057】
このようにして、本実施例を使うことで、現場計測データから正確な道路データ、即ち、車道外側線、道路ネットワーク線、道路中心線及び車線境界線等の道路を規定する線データ、並びに、曲率、勾配、幅員及びレーン数等の補助情報を得ることができる。
【0058】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例の概略機能ブロック図を示す。
【図2】中央分離帯で上りと下りが分離されている道路の構造例である。
【図3】1本の中央分離線で上り道路と下り道路が分離されている道路の構造例である。
【図4】中央分離線が無いが、車線境界線のある道路の構造例である。
【図5】中央分離線及び車線境界線が共に無い道路の構造例である。
【図6】車道外側線解析・取得機能28の動作フローチャートを示す。
【図7】中央分離帯を有する道路に対するメッシュ設定例を示す。
【図8】車道外側線の配置(A)と、横断面A−Aの抽出線分数の分布例を示す。
【図9】抽出線分数マトリックスで、道路横断方向でピークになるメッシュ位置の一例の模式図を示す。
【図10】中央側車道外側線を取得する処理のフローチャートを示す。
【図11】車線境界線取得機能32の動作フローチャートを示す。
【図12】補助情報算出機能34で算出される幅員及びレーン数の一例である。
【符号の説明】
【0060】
10:パーソナルコンピュータ(PC)
12:ハードディスク装置
14:オルソ画像データ
16:道路ネットワーク線データベース
18:補助情報(幅員、レーン数及び上下線分離等)
20:3次元計測データ
22:CPU
24:線分抽出機能
26:道路エリア抽出機能
28:車道外側線解析・取得機能
30:道路ネットワーク線生成機能
32:車線境界線取得機能
34:補助情報算出機能
36:道路面ポリゴン生成機能
38:ハードディスク装置(抽出線分データ)
40:ハードディスク装置(道路エリアの抽出線分データ)
42:ハードディスク装置(道路地図データ)
44:車道外側線データ
46:道路ネットワーク線データ
48:車線境界線データ
50:補助情報データ
52:ハードディスク装置(道路面ポリゴンデータ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路データ生成方法、装置及びプログラムに関し、より具体的には、航空写真オルソ画像などの実測画像から数式化又は関数化された道路データを生成する方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションはいうに及ばず、ITS(Intelligent Transport Systems)において、安全・安心のための運転支援及び車両制御の基礎情報としても、道路地図の正確さが重要になっている。
【0003】
既存の道路地図は、例えば、分離帯のある道路であっても、中心線が分離帯上に設定されるものや、上り線の中央と下り線の中央に設定されている例など、種々雑多である。また、車道の形状や、レーン数、幅員などが正確でない例もしばしば見られる。
【0004】
特許文献1には、カラー画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法が記載されている。
【特許文献1】特開2004−246554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実測に基づく、より正確な道路地図、それも、関数化又はベクトル化されたより高精度な道路地図が望まれている。
【0006】
本発明は、実測画像から関数化された高精度な道路データを生成する道路データ生成方法、装置及びプログラムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る道路データ生成方法は、道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する方法であって、当該画像データから線分を抽出する線分抽出ステップと、当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出ステップと、当該道路エリア抽出ステップで抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得ステップと、当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成ステップとを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る道路データ生成装置は、道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する装置であって、当該画像データから線分を抽出する線分抽出手段と、当該線分抽出手段で抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出手段と、当該道路エリア抽出手段で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得手段と、当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る道路データ生成プログラムは、道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データをコンピュータに生成させるコンピュータプログラムであって、当該画像データから線分を抽出する線分抽出機能と、当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出機能と、当該道路エリア抽出機能で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得機能と、当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成機能とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現場撮影で得られる画像データから高精度の道路データを一括して生成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例の概略機能ブロック図を示す。本実施例では、現場の航空写真から得られるオルソ画像等の画素ベースの画像データから、道路形状等を関数で表現する道路データを生成する。ただし、補助的に、既存の道路情報(ネットワーク線、幅員、レーン数及び上下線分離等の補助情報)と、地面を3次元計測した3次元計測データを参照する。
【0013】
パーソナルコンピュータ(PC)10のハードディスク装置12に、予め、オルソ画像データ14、道路ネットワーク線データベース16、補助情報(幅員、レーン数及び上下線分離等)18、及び3次元計測データ20を格納しておく。オルソ画像データ14は、ビットマップ形式又はTIFF形式等の画素ベースのデータ形式からなり、基準点の地上座標は、GPS(Global Positioning System)システム等を使った計測装置により高精度に計測されており、各画素の地上座標値も判明している。
【0014】
道路ネットワーク線データベース16は、別に構築済みの道路ネットワーク線のデータ、例えば、道路(の中心線)の所在を地上座標の関数で示す数式化された線データからなる。データベース16に格納されるネットワーク線の内には、欠落しているネットワーク線や、座標位置に誤差を含むネットワーク線があるが、道路エリアを限定するのに役立つ。
【0015】
補助情報18は、道路の幅員、レーン数、及び上下線が分離しているか否か等、ネットワーク線以外の、道路に関する副次的な情報からなり、道路ネットワーク線データベース16と一体に又は別に管理されている。補助情報18も欠落や誤差がある。本実施例は、補助情報18を、道路エリアの限定と車線境界線の確定に利用する。
【0016】
CPU22は、ハードディスク装置12に格納されるこれらのデータ14〜20を使って、道路形状等を地上座標及び標高の関数で表現する道路データを生成する。そのために、CPU22は、以下に説明する機能24〜36を具備する。これらの機能24〜36は、CPU22上で動作するソフトウエアプログラムとして実現されるが、その一部又は全部を専用ハードウエアで実現することも可能であることは明らかである。
【0017】
線分抽出機能24は、航空写真オルソ画像データ14から、公知の方法で線分を抽出する。例えば、色の相違等によるエッジ検出で、画像データ14内の線要素を抽出可能であり、このような機能のプログラムは公知である。線分抽出機能24は、抽出した線要素を、数式化された線分データとしてハードディスク装置38に格納する。ここで抽出される線要素は、道路に関するもの(中心線、外側線、車線境界線等)以外に、道路上の車両の外形線、建物の外形線、及び、その他の地物の外形線を含む。ハードディスク装置38に格納される抽出線分データは、線分の両端点の地上面の座標値(例えば、緯度と経度)からなり、両端点を結ぶ直線で表現される。勿論、抽出線分データを曲線として保持したい場合、抽出線分データは、両端点間を結ぶ曲線を示す関数の係数値を含む。汎用的に利用可能な曲線関数を予め決めておけばよい。
【0018】
道路エリア抽出機能26は、道路ネットワーク線データベース16及び補助情報18の幅員を参照して、計測対象の道路が存在する道路エリアを限定し、ハードディスク装置38に格納される抽出線分データから、当該道路エリア内の抽出線分データを抽出する。勿論、補助情報18の幅員の誤差を考慮し、道路エリアを少し広めの範囲で限定する。抽出された線分データは、ハードディスク装置40に格納される。道路ネットワーク線データベース16に無い新規な道路については、道路エリア抽出機能26にネットワーク線と幅員の情報を手入力して、道路エリアを指定する。道路エリア抽出機能26は、換言すると、道路ネットワーク線データベース16と補助情報18の幅員情報とから、道路が存在しない箇所の抽出線分データを除外する。道路エリア抽出機能26により、道路近辺の線分データのみを抜き出せる。
【0019】
道路を示す線分の抽出という特質上、道路ネットワーク線に対して一定以上に傾斜している線分は、道路を示す線要素(車道外側線、中央分離線、車線境界線及び中央分離帯のエッジ等)ではないので、ノイズとして除外する。例えば、既存ネットワーク線に対して20度を越える傾きを持った線分データは、ノイズと見做して除外する。また、既存ネットワーク線に対して20度以内の傾きであっても、路上の車両のエッジなど、単体で存在する一定長(例えば、5m)未満の線分もまた、ノイズと見做して除外してもよい。
【0020】
例えば、道路の上に橋が架かっている場合、道路を示す線分が分断される。本実施例では、このような箇所は、自動で補充可能である。例えば、既存ネットワーク線を基準として、そこから抽出線分までの距離がほぼ同一の線分であって、線分同士の角度がほぼ同一で、2つの線分間の距離が一定以内であれば、両線分を接続する。また、必要により、手入力で補充する。
【0021】
道路エリア抽出機能26はまた、3次元計測データ20を参照して、抽出線分データに標高を付加する。即ち、ハードディスク装置40に格納される抽出線分データは3次元に拡張されている。
【0022】
例えば、高架の高速道路等は、3次元計測データ20でその位置を特定できる。これを利用し、3次元計測データ20で道路エリアを特定し、その特定された道路エリアより僅かに広いエリア内の抽出線分データを抽出するようにしてもよい。
【0023】
このようにして、ハードディスク装置40には、車道外側線、中央分離線、車線境界線及び中央分離帯のエッジ等の、道路を示す線要素が、格納される。但し、ハードディスク装置40に格納される抽出線分データは、しばしば分断された状態にあり、また、その他のノイズを含む。
【0024】
車道外側線解析・取得機能28は、ハードディスク装置40に格納される抽出線分データから車道外側線を決定する。本実施例は、主として幹線的に使用される道路に対して有用であり、対象道路を、(1)図2に示すように、中央分離帯で上りと下りが分離されている道路、(2)、図3に示すように、中央分離帯でなく1本の中央分離線で上りと下りが分離されている道路、並びに、(3)図3及び図4に示すように、中央分離線も無い道路の3種類に分類して解析する。
【0025】
図2は、中央分離帯のある道路の構造例を示す。車道外側線が合計4本存在し、これらは、線分抽出機能24及び道路エリア抽出機能26で抽出される。即ち、車道外側線を示す線分データが、ハードディスク40に格納されている。道路中央側に2本の車道外側線が存在し、道路縁側に2本の車道外側線が存在する。道路中央側の2本の車道外側線間が中央分離帯になる。上り道路と下り道路で、車線境界線が道路上にペイントされている場合、これを示す線分データが、線分抽出機能24及び道路エリア抽出機能26でも抽出されている。道路中央線は、上り道路と下り道路を合わせた道路の中央線(道路縁側の車道外側線から等距離にある位置の線)と見ても、個々の上り道路及び下り道路の中央線(道路縁側の車道外側線とこれに近い道路中央側の車道外側線とから等距離にある位置の線)とみてもよい。何れを道路中央線とするかは、処理内容に応じて使い分けられる。また、道路ネットワーク線も同様である。既存の道路ネットワーク線は、本来、何れかの方法の道路中央線に一致するはずであるが、種々の理由で一致しないことがある。
【0026】
図3は、道路中央に上りと下りを分離する1本の車道外側線、即ち、中央分離線が存在する道路の構造例を示す。中央分離線は白色又は黄色で道路上にペイントされており、これが線分抽出機能24及び道路エリア抽出機能26でも抽出される。道路中心線は、中央分離線(道路中央側の車道外側線)上に設定される。車線境界線については、図2の場合と同じである。既存の道路ネットワーク線は、本来、道路中央線に一致するはずであるが、種々の理由で一致しないことがある。
【0027】
図4及び図5は、中央分離線が無い道路の構造例を示す。これは、上り道路と下り道路を分離する中央分離線が道路面上にペイントされていないケースと、片側通行で、本来的に中央分離線が存在しないケースとを含む。図4に示す構造例では、車線境界線が道路面上にペイントされ、図5に示すケースでは、車線境界線がペイントされていない。図4及び図5のどちらでも、道路中央線は、道路縁側の車道外側線から等距離の位置に設定される。図4及び図5のケースでも、既存の道路ネットワーク線は、本来、何れかの方法の道路中央線に一致するはずであるが、種々の理由で一致しないことがある。
【0028】
図6は、車道外側線解析・取得機能28の動作フローチャートを示す。ここでは、選択された1つの道路に対する処理を示す。車道外側線は、(1)道路中心線に並行して継続的に存在し、(2)基本的に途切れがない線分であり、且つ、(3)道路中心側と道路縁側に存在する。この条件を満たす線要素を抽出線分データから検索し、より長い線分に連結する。
【0029】
対象道路の抽出線分データをハードディスク40から読み出し、一時格納領域に格納する(S1)。道路エリア抽出機能26で利用した道路エリアの中心線を道路中心線とし、当該道路中心線に垂直な方向に25cm、道路中心線に沿った方向に3mの幅のメッシュを設定する(S2)。図7は、中央分離帯を有する道路に対するメッシュ設定例を示す。各メッシュ内で抽出線分数を計数し、道路中心線に垂直な方向と道路中心線に沿った方向の、抽出線分数に関するマトリックスを生成する(S3)。
【0030】
対象道路の道路種別を判定する(S5)。即ち、対象道路が、図2に示すような中央分離帯(又は2本の中央側車道外側線)を有する道路か、図3に示すような1本の中央側車道外側線を有する道路か、図4又は図5に示すようなその他の道路かを判定する。このとき、道路ネットッワーク線データベース16及び補助情報18を参照できる場合には、これらを参照して、道路種別を判定する。
【0031】
道路ネットッワーク線データベース16及び補助情報18を参照することができない場合、ステップS3で生成した抽出線分数マトリックスを使って、道路種別を判定しても良い。例えば、道路の代表的な部分(分岐、合流、交差点等が無い部分)で、抽出線分数マトリックスを道路中央線に沿った方向で累積し、その累積値に対して、車線幅(通常、2.75m乃至3.5m)の間隔で累積値のピークが何個あるかを調べる。これにより、車道外側線を構成しうる線要素の数を検出でき、図2乃至図5の何れに該当するかを判別できる。
【0032】
図8は、中央分離帯のある道路(図2)に対する、道路中心線に垂直な方向での線分数の分布例を示す。図8(A)は、車道外側線の配置を示し、図8(B)は、図8(A)のA−A線における横断面の抽出線分数の分布を示す。車道外側線の位置で抽出線分数がピークとなる。破線の車線境界線がある場合、断面A−Aのとる位置に応じて、ピークが現れたり、消えたりする。道路中央側車道外側線が線として安定しているので、シャープなピークとなりやすい。これはまた、道路中央側車道外側線を精度良く決定しやすいことを意味し、本実施例では、道路中央側車道外側線を先ず決定し、その後、縁側車道外側線を決定する。
【0033】
図9は、抽出線分数マトリックスで、道路横断方向でピークになるメッシュ位置の模式図を示す。ピークとなるメッシュに対して斜線を付加してある。但し、図9は、中央側車道外側線の実際例を示すものではない。中央分離帯内の事物や右折車線等により、中央側車道外側線といえども、道路に沿って湾曲することがあることを例示する目的で図示されている。
【0034】
道路種別が中央分離帯のある道路(図2)を示す場合(S4)、抽出線分数マトリックスから片側の中央側車道外側線を取得する(S5)。図10は、中央側車道外側線を取得する処理のフローチャートを示す。
【0035】
道路長手方向の中央を探索の始端と設定し(S21)、線抽出範囲を設定する(S22)。線抽出範囲は、目的の車道外側線が確実に存在する範囲を現定するものであり、補助情報18から得られる場合には、それを利用する。
【0036】
設定された線抽出範囲内で抽出線分数マトリックスから、抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車道外側線候補とする(S23)。道路中央線に沿って1メッシュだけ上り方向に移動し(S24)、車道外側線候補のメッシュに隣接する範囲内で抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車道外側線候補とする(S25)。ステップS24,S25を、道路終端を越えるまで続ける(S26)。
【0037】
一方の道路終端まで探索したら、道路中央に戻る(S27)。そして、道路中央線に沿って1メッシュだけ下り方向に移動し(S28)、車道外側線候補のメッシュに隣接する範囲内で抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車道外側線候補とする(S29)。ステップS28,S29を、道路終端を越えるまで続ける(S30)。
【0038】
ステップS23,S25,S29で得られた車道外側線候補のメッシュを連結し、適宜の間隔で関数表現される線データに変換する(S31)。このような連結と関数化には、公知の種々の方法を利用できる。例えば、空間フィルタ処理を使用して、ある程度以上の空間周波数の凹凸を平滑化する。
【0039】
ステップS5の次に、又はステップS5と同時に、同様の方法で、抽出線分数マトリックスから反対側の中央側車道外側線を取得する(S6)。
【0040】
S5,S6で取得した中央側車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。このとき、これらの車道外側線データ44には、中央分離帯の両縁を示す車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0041】
そして、S5で取得した左側の中央側車道外側線を基準に、その左側の道路エリアをステップS2と同様に25cm×3mのメッシュで再区分し、ステップS3と同様に、抽出線分数のマトリックスを再作成する(S7)。再作成した抽出線分数のマトリックスから、左側の縁側車道外側線を取得する(S8)。中央側車道外側線は、縁側車道外側線よりも精度良く取得できるので、先に取得した中央側車道外側線を基準としてメッシュを再構成することにより、縁側車道外側線もまた精度良く取得できる。
【0042】
同様に、S6で取得した右側の中央側車道外側線を基準に、その右側の道路エリアをステップS2と同様に25cm×3mのメッシュで再区分し、ステップS3と同様に、抽出線分数のマトリックスを再作成する(S9)。再作成した抽出線分数のマトリックスから右側の縁側車道外側線を取得する(S10)。
【0043】
ステップS8,S10で取得した両縁側の車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。これらの車道外側線データ44には、道路縁側の車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0044】
道路種別が1本の中央分離線で上りと下りを分離される道路(図3)を示す場合(S4)、抽出線分数マトリックスから中央側車道外側線(中央分離線)を取得する(S11)。S11で取得した中央側車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。この車道外側線データ44には、中央分離線を示す車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0045】
S11で取得した中央側車道外側線を基準に、その両側の道路エリアをステップS2と同様に25cm×3mのメッシュで再区分し、ステップS3と同様に、抽出線分数のマトリックスを再作成する(S12)。再作成した抽出線分数のマトリックスから、左側の縁側車道外側線を取得し(S13)、右側の縁側車道外側線を取得する(S14)。ステップS13,S14で取得した両縁側の車道外側線を示す線データ又は関数データは、道路地図データを格納するハードディスク42に、車道外側線データ44の一部として格納される。これらの車道外側線データ44には、道路縁側の車道外側線であることを示す属性データが付加される。
【0046】
道路種別が、図2及び図3の何れの道路でも無い場合(S4)、図4又は図5に示す道路に相当する。この場合、図10に示すフローと同様のフローで、左側及び右側の縁側車道外側線を取得する(S15,S16)。但し、当初の線抽出範囲は、補助情報18の幅員を参照できる場合には、その幅員を利用して決定し、補助情報18を参照できない場合には、基本的な車線幅が2.75m乃至3.5mであることを利用して決定する。線抽出範囲が3箇所以上になることもある。
【0047】
道路ネットワーク線生成機能30は、車道外側線解析・取得機能28により取得された車道外側線(縁側車道外側線及び中央側車道外側線)から、道路ネットワーク線を生成する。単純に、縁側車道外側線と中央側車道外側線の中間を道路ネットワーク線とする。別の方法として、図2に示すような中央分離帯を有する道路では、上り道路の道路ネットワーク線と、下り道路の道路ネットワーク線と、全体の道路ネットワーク線の3種類の道路ネットワーク線を生成しても良い。道路全体の道路ネットワーク線は、例えば、2つの中央側車道外側線の中間の線、又は、両縁側車道外側線の中間の線とする。生成された道路ネットワーク線は、道路地図データを構成するデータ46としてハードディスク装置42に格納される。
【0048】
車線境界線取得機能32は、車道外側線解析・取得機能28により取得された車道外側線(縁側車道外側線及び中央側車道外側線)から、車線境界線を生成する。図11は、車線境界線取得機能32の動作フローチャートを示す。車線境界線は、道路に並行する連続的な又は断続的な線であり、車道外側線に挟まれるように車線間隔2.75m乃至3.5mで位置する線である。破線の場合、線分の長さは6乃至10m程度である。
【0049】
対象道路の車道外側線(縁側車道外側線及び中央側車道外側線)を車道外側線データ44から読出す(S41)。車線幅は通常、2.75mから3.5mであるので(S42)、これを使って、縁側車道外側線と中央側車道外側線の間で、車線境界線がペイントされるような1又は複数の線抽出範囲を設定する(S43)。
【0050】
道路長手方向の中央を探索の始端と設定する(S44)。ステップS43で設定された線抽出範囲内で抽出線分数マトリクスから抽出線分数がピークになるメッシュを探索し、車線境界線候補とする(S45)。道路中央線に沿って1メッシュずつ上り方向に移動しながら、車線境界線候補に隣接する範囲内で車線境界線候補を探索又は決定していく(S46)。ステップS46の処理は、図10のステップS24,S25,S26に対応する。
【0051】
一方の道路終端まで探索したら、道路中央に戻る(S47)。そして、今度は、道路下り方向に1メッシュずつ移動しながら、車線境界線候補に隣接する範囲内で車線境界線候補を探索又は決定していく(S48)。ステップS48の処理は、図10のステップS28,S29,S30に対応する。
【0052】
ステップS45,S46,S48で得られた車線境界線候補のメッシュを連結し、適宜の間隔で関数表現される線データに変換する(S49)。その際、既に数式化されている縁側車道外側線及び中央側車道外側線を参照することで、得られる車線境界線も、精度の良いものとなる。
【0053】
道路面にペイントされていた車線境界線の線パターンを調べる(S50)。線パターンが実線であれば(S50)、ステップS49で決定した車線境界線の線属性を実線に設定する(S51)。線パターンが破線であれば(S50)、ステップS49で決定した車線境界線の線属性を破線に設定する(S52)。
【0054】
ステップS49,S51,S52で得られる車線境界線データ及び線属性は、道路地図データの車線境界線データ48としてハードディスク装置42に格納される。
【0055】
補助情報算出機能34は、以上の処理で得られたハードディスク装置42の道路地図データを参照して、幅員、レーン数、車線幅、上下線分離及び曲率半径等の補助情報を算出し、算出結果を補助情報50としてハードディスク装置42に格納する。3次元データを利用できる場合には、勾配も算出し、補助情報50に含める。図12は、補助情報算出機能34で算出される幅員及びレーン数の一例である。
【0056】
道路面ポリゴン生成機能36は、以上の処理で得られたハードディスク装置42の道路地図データを参照して道路面のポリゴンを生成し、生成したポリゴンデータをハードディスク52に格納する。このポリゴンデータをカーナビゲーションシステムに搭載することで、道路形状等をCG(Computer Graphic)化して画面上に表現できる。その他の地物、例えば、建物等の形状データを併用することで、地上面の俯瞰図又は鳥瞰図等も正確に再現できるようになる。
【0057】
このようにして、本実施例を使うことで、現場計測データから正確な道路データ、即ち、車道外側線、道路ネットワーク線、道路中心線及び車線境界線等の道路を規定する線データ、並びに、曲率、勾配、幅員及びレーン数等の補助情報を得ることができる。
【0058】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例の概略機能ブロック図を示す。
【図2】中央分離帯で上りと下りが分離されている道路の構造例である。
【図3】1本の中央分離線で上り道路と下り道路が分離されている道路の構造例である。
【図4】中央分離線が無いが、車線境界線のある道路の構造例である。
【図5】中央分離線及び車線境界線が共に無い道路の構造例である。
【図6】車道外側線解析・取得機能28の動作フローチャートを示す。
【図7】中央分離帯を有する道路に対するメッシュ設定例を示す。
【図8】車道外側線の配置(A)と、横断面A−Aの抽出線分数の分布例を示す。
【図9】抽出線分数マトリックスで、道路横断方向でピークになるメッシュ位置の一例の模式図を示す。
【図10】中央側車道外側線を取得する処理のフローチャートを示す。
【図11】車線境界線取得機能32の動作フローチャートを示す。
【図12】補助情報算出機能34で算出される幅員及びレーン数の一例である。
【符号の説明】
【0060】
10:パーソナルコンピュータ(PC)
12:ハードディスク装置
14:オルソ画像データ
16:道路ネットワーク線データベース
18:補助情報(幅員、レーン数及び上下線分離等)
20:3次元計測データ
22:CPU
24:線分抽出機能
26:道路エリア抽出機能
28:車道外側線解析・取得機能
30:道路ネットワーク線生成機能
32:車線境界線取得機能
34:補助情報算出機能
36:道路面ポリゴン生成機能
38:ハードディスク装置(抽出線分データ)
40:ハードディスク装置(道路エリアの抽出線分データ)
42:ハードディスク装置(道路地図データ)
44:車道外側線データ
46:道路ネットワーク線データ
48:車線境界線データ
50:補助情報データ
52:ハードディスク装置(道路面ポリゴンデータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する方法であって、
当該画像データから線分を抽出する線分抽出ステップ(24)と、
当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出ステップ(26)と、
当該道路エリア抽出ステップ(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得ステップ(28)と、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成ステップ(30)
とを具備することを特徴とする道路データ生成方法。
【請求項2】
当該車道外側線取得ステップが、
道路中央側の車道外側線を取得する中央側車道外側線取得ステップと、
当該道路中央側の車道外側線を基準に道路縁側の車道外側線を取得する縁側車道外側線取得ステップ
とを具備することを特徴とする請求項1に記載の道路データ生成方法。
【請求項3】
当該中央側車道外側線取得ステップが、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長い第1メッシュに区分するステップと、
各第1メッシュに含まれる線分数の第1マトリックスを生成するステップと、
当該道路の横断線上の当該第1マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを中央側車道外側線候補とするステップと、
当該中央側車道外側線候補を連結して、数式化された中央側車道外側線を示すデータを生成するステップ
とを具備することを特徴とする請求項2に記載の道路データ生成方法。
【請求項4】
当該縁側車道外側線取得ステップが、
当該道路エリアの当該中央側車道外側線から当該縁側車道外側線側の部分を当該中央側車道外側線に沿って細長い第2メッシュに区分するステップと、
各第2メッシュに含まれる線分数の第2マトリックスを生成するステップと、
当該道路の横断線上の当該第2マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを縁側車道外側線候補とするステップと、
当該縁側車道外側線候補を連結して、数式化された縁側車道外側線を示すデータを生成するステップ
とを具備することを特徴とする請求項3に記載の道路データ生成方法。
【請求項5】
当該車道外側線取得ステップが、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長いメッシュに区分するステップと、
各メッシュに含まれる線分数のマトリックスを生成するステップと、
当該道路の横断線上の当該マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを車道外側線候補とするステップと、
当該車道外側線候補を連結して、数式化された車道外側線を示すデータを生成するステップ
とを具備することを特徴とする道路データ生成方法。
【請求項6】
更に、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の車線境界線を生成する車線境界線取得ステップ(30)
とを具備することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の道路データ生成方法。
【請求項7】
道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する装置であって、
当該画像データから線分を抽出する線分抽出手段(24)と、
当該線分抽出手段で抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出手段(26)と、
当該道路エリア抽出手段(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得手段(28)と、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成手段(30)
とを具備することを特徴とする道路データ生成装置。
【請求項8】
当該車道外側線取得手段が、
道路中央側の車道外側線を取得する中央側車道外側線取得手段と、
当該道路中央側の車道外側線を基準に道路縁側の車道外側線を取得する縁側車道外側線取得手段
とを具備することを特徴とする請求項7に記載の道路データ生成装置。
【請求項9】
当該中央側車道外側線取得手段が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長い第1メッシュに区分する手段と、
各第1メッシュに含まれる線分数の第1マトリックスを生成する手段と、
当該道路の横断線上の当該第1マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを中央側車道外側線候補とする手段と、
当該中央側車道外側線候補を連結して、数式化された中央側車道外側線を示すデータを生成する手段
とを具備することを特徴とする請求項8に記載の道路データ生成装置。
【請求項10】
当該縁側車道外側線取得手段が、
当該道路エリアの当該中央側車道外側線から当該縁側車道外側線側の部分を当該中央側車道外側線に沿って細長い第2メッシュに区分する手段と、
各第2メッシュに含まれる線分数の第2マトリックスを生成する手段と、
当該道路の横断線上の当該第2マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを縁側車道外側線候補とする手段と、
当該縁側車道外側線候補を連結して、数式化された縁側車道外側線を示すデータを生成する手段
とを具備することを特徴とする請求項9に記載の道路データ生成装置。
【請求項11】
当該車道外側線取得手段が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長いメッシュに区分する手段と、
各メッシュに含まれる線分数のマトリックスを生成する手段と、
当該道路の横断線上の当該マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを車道外側線候補とする手段と、
当該車道外側線候補を連結して、数式化された車道外側線を示すデータを生成する手段
とを具備することを特徴とする道路データ生成装置。
【請求項12】
更に、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の車線境界線を生成する車線境界線取得手段(30)
とを具備することを特徴とする請求項7乃至11の何れか1項に記載の道路データ生成装置。
【請求項13】
道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データをコンピュータに生成させるコンピュータプログラムであって、
当該画像データから線分を抽出する線分抽出機能(24)と、
当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出機能(26)と、
当該道路エリア抽出機能(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得機能(28)と、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成機能(30)
とを具備することを特徴とする道路データ生成プログラム。
【請求項14】
当該車道外側線取得機能が、
道路中央側の車道外側線を取得する中央側車道外側線取得機能と、
当該道路中央側の車道外側線を基準に道路縁側の車道外側線を取得する縁側車道外側線取得機能
とを具備することを特徴とする請求項13に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項15】
当該中央側車道外側線取得機能が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長い第1メッシュに区分する機能と、
各第1メッシュに含まれる線分数の第1マトリックスを生成する機能と、
当該道路の横断線上の当該第1マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを中央側車道外側線候補とする機能と、
当該中央側車道外側線候補を連結して、数式化された中央側車道外側線を示すデータを生成する機能
とを具備することを特徴とする請求項14に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項16】
当該縁側車道外側線取得機能が、
当該道路エリアの当該中央側車道外側線から当該縁側車道外側線側の部分を当該中央側車道外側線に沿って細長い第2メッシュに区分する機能と、
各第2メッシュに含まれる線分数の第2マトリックスを生成する機能と、
当該道路の横断線上の当該第2マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを縁側車道外側線候補とする機能と、
当該縁側車道外側線候補を連結して、数式化された縁側車道外側線を示すデータを生成する機能
とを具備することを特徴とする請求項15に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項17】
当該車道外側線取得機能が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長いメッシュに区分する機能と、
各メッシュに含まれる線分数のマトリックスを生成する機能と、
当該道路の横断線上の当該マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを車道外側線候補とする機能と、
当該車道外側線候補を連結して、数式化された車道外側線を示すデータを生成する機能
とを具備することを特徴とする道路データ生成プログラム。
【請求項18】
更に、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の車線境界線を生成する車線境界線取得機能(30)
とを具備することを特徴とする請求項13乃至17の何れか1項に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項1】
道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する方法であって、
当該画像データから線分を抽出する線分抽出ステップ(24)と、
当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出ステップ(26)と、
当該道路エリア抽出ステップ(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得ステップ(28)と、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成ステップ(30)
とを具備することを特徴とする道路データ生成方法。
【請求項2】
当該車道外側線取得ステップが、
道路中央側の車道外側線を取得する中央側車道外側線取得ステップと、
当該道路中央側の車道外側線を基準に道路縁側の車道外側線を取得する縁側車道外側線取得ステップ
とを具備することを特徴とする請求項1に記載の道路データ生成方法。
【請求項3】
当該中央側車道外側線取得ステップが、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長い第1メッシュに区分するステップと、
各第1メッシュに含まれる線分数の第1マトリックスを生成するステップと、
当該道路の横断線上の当該第1マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを中央側車道外側線候補とするステップと、
当該中央側車道外側線候補を連結して、数式化された中央側車道外側線を示すデータを生成するステップ
とを具備することを特徴とする請求項2に記載の道路データ生成方法。
【請求項4】
当該縁側車道外側線取得ステップが、
当該道路エリアの当該中央側車道外側線から当該縁側車道外側線側の部分を当該中央側車道外側線に沿って細長い第2メッシュに区分するステップと、
各第2メッシュに含まれる線分数の第2マトリックスを生成するステップと、
当該道路の横断線上の当該第2マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを縁側車道外側線候補とするステップと、
当該縁側車道外側線候補を連結して、数式化された縁側車道外側線を示すデータを生成するステップ
とを具備することを特徴とする請求項3に記載の道路データ生成方法。
【請求項5】
当該車道外側線取得ステップが、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長いメッシュに区分するステップと、
各メッシュに含まれる線分数のマトリックスを生成するステップと、
当該道路の横断線上の当該マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを車道外側線候補とするステップと、
当該車道外側線候補を連結して、数式化された車道外側線を示すデータを生成するステップ
とを具備することを特徴とする道路データ生成方法。
【請求項6】
更に、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の車線境界線を生成する車線境界線取得ステップ(30)
とを具備することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の道路データ生成方法。
【請求項7】
道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データを生成する装置であって、
当該画像データから線分を抽出する線分抽出手段(24)と、
当該線分抽出手段で抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出手段(26)と、
当該道路エリア抽出手段(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得手段(28)と、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成手段(30)
とを具備することを特徴とする道路データ生成装置。
【請求項8】
当該車道外側線取得手段が、
道路中央側の車道外側線を取得する中央側車道外側線取得手段と、
当該道路中央側の車道外側線を基準に道路縁側の車道外側線を取得する縁側車道外側線取得手段
とを具備することを特徴とする請求項7に記載の道路データ生成装置。
【請求項9】
当該中央側車道外側線取得手段が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長い第1メッシュに区分する手段と、
各第1メッシュに含まれる線分数の第1マトリックスを生成する手段と、
当該道路の横断線上の当該第1マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを中央側車道外側線候補とする手段と、
当該中央側車道外側線候補を連結して、数式化された中央側車道外側線を示すデータを生成する手段
とを具備することを特徴とする請求項8に記載の道路データ生成装置。
【請求項10】
当該縁側車道外側線取得手段が、
当該道路エリアの当該中央側車道外側線から当該縁側車道外側線側の部分を当該中央側車道外側線に沿って細長い第2メッシュに区分する手段と、
各第2メッシュに含まれる線分数の第2マトリックスを生成する手段と、
当該道路の横断線上の当該第2マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを縁側車道外側線候補とする手段と、
当該縁側車道外側線候補を連結して、数式化された縁側車道外側線を示すデータを生成する手段
とを具備することを特徴とする請求項9に記載の道路データ生成装置。
【請求項11】
当該車道外側線取得手段が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長いメッシュに区分する手段と、
各メッシュに含まれる線分数のマトリックスを生成する手段と、
当該道路の横断線上の当該マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを車道外側線候補とする手段と、
当該車道外側線候補を連結して、数式化された車道外側線を示すデータを生成する手段
とを具備することを特徴とする道路データ生成装置。
【請求項12】
更に、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の車線境界線を生成する車線境界線取得手段(30)
とを具備することを特徴とする請求項7乃至11の何れか1項に記載の道路データ生成装置。
【請求項13】
道路を含む画像データから当該道路の数式化された道路データをコンピュータに生成させるコンピュータプログラムであって、
当該画像データから線分を抽出する線分抽出機能(24)と、
当該線分抽出ステップで抽出された線分から道路エリアの線分を抽出する道路エリア抽出機能(26)と、
当該道路エリア抽出機能(26)で抽出された線分から当該道路の車道外側線を取得する車道外側線取得機能(28)と、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の道路ネットワーク線を生成する道路ネットワーク線生成機能(30)
とを具備することを特徴とする道路データ生成プログラム。
【請求項14】
当該車道外側線取得機能が、
道路中央側の車道外側線を取得する中央側車道外側線取得機能と、
当該道路中央側の車道外側線を基準に道路縁側の車道外側線を取得する縁側車道外側線取得機能
とを具備することを特徴とする請求項13に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項15】
当該中央側車道外側線取得機能が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長い第1メッシュに区分する機能と、
各第1メッシュに含まれる線分数の第1マトリックスを生成する機能と、
当該道路の横断線上の当該第1マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを中央側車道外側線候補とする機能と、
当該中央側車道外側線候補を連結して、数式化された中央側車道外側線を示すデータを生成する機能
とを具備することを特徴とする請求項14に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項16】
当該縁側車道外側線取得機能が、
当該道路エリアの当該中央側車道外側線から当該縁側車道外側線側の部分を当該中央側車道外側線に沿って細長い第2メッシュに区分する機能と、
各第2メッシュに含まれる線分数の第2マトリックスを生成する機能と、
当該道路の横断線上の当該第2マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを縁側車道外側線候補とする機能と、
当該縁側車道外側線候補を連結して、数式化された縁側車道外側線を示すデータを生成する機能
とを具備することを特徴とする請求項15に記載の道路データ生成プログラム。
【請求項17】
当該車道外側線取得機能が、
当該道路エリアを当該道路に沿って細長いメッシュに区分する機能と、
各メッシュに含まれる線分数のマトリックスを生成する機能と、
当該道路の横断線上の当該マトリックスの要素中で当該線分数がピークになるメッシュを車道外側線候補とする機能と、
当該車道外側線候補を連結して、数式化された車道外側線を示すデータを生成する機能
とを具備することを特徴とする道路データ生成プログラム。
【請求項18】
更に、
当該道路の当該車道外側線から当該道路の車線境界線を生成する車線境界線取得機能(30)
とを具備することを特徴とする請求項13乃至17の何れか1項に記載の道路データ生成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−170611(P2008−170611A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2351(P2007−2351)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000213909)朝日航洋株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000213909)朝日航洋株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
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