説明

道路形状検出装置、走行制御装置、及び道路形状検出方法

【課題】認識しているカーブ数のハンチングを抑制する。
【解決手段】各カーブ区間の入口補間点について、演算周期における前回の演算結果と比較し、カーブ区間数が変動しているか否かを判定し(ステップS5)、カーブ区間数が変動していたら、前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正する(ステップS6)。先ず、カーブ区間が減少しているときには、n番目以前のカーブ区間には1番目〜n番目のカーブ情報を代入し、n番目より後のカーブ番号は一つずつ増加させる。一方、カーブ区間が増加しているときには、n番目以前のカーブ区間には1番目〜n番目のカーブ情報を代入し、n番目より後のカーブ番号は一つずつ減少させる。すなわち、今回のカーブ情報を、前回の配列に戻す補正を行うことで、前回のカーブ区間数を保持する(ステップS62)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路形状検出装置、これを備えた走行制御装置、及び道路形状検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置から取得した前方道路に関するノードデータに基づき前方道路の曲率半径を算出し、その曲率半径に応じた許容車速となるように、自車両の走行制御を行うものがある。このような技術では、連続した同一のカーブを構成する隣り合うノード間で許容車速の平滑化処理を行うことで、一つのカーブ内における許容車速のばらつきを抑制することも提案されていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−093090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、連続した同一のカーブを認識するには、道路曲率が所定値以上となる連続したノード点を検出する必要があるが、同じノード点であっても、検出するタイミングによっては異なる道路曲率となる場合がある。すなわち、算出結果に誤差が生じると、ある一つのノード点について、例えば前回の算出結果では道路曲率が所定値以上であったのに、今回の算出結果では道路曲率が所定値未満となる場合がある。
【0005】
このとき、前回の認識結果では、連続した一つのカーブだけを認識していたのに、今回の認識結果では、途中で途切れた二つのカーブを認識したことになるので、認識しているカーブの数が、一つから二つに増加してしまう。逆に、前回の算出結果では道路曲率が所定値未満だったのに、今回の算出結果では道路曲率が所定値以上となると、認識しているカーブの数が、二つから一つに減少してしまう。
【0006】
そのため、上記の従来技術のように、連続した同一のカーブを構成する隣り合うノード間で許容車速の平滑化処理を行うとすると、認識しているカーブの数がハンチングしたときに、走行制御において予期せぬ制御の作動や制御の作動応答遅れが発生する可能性がある。
本発明の課題は、認識しているカーブ数のハンチングを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る走行制御装置は、地図座標上で自車進路前方の道路に沿って並んだ複数の道路点を取得し、取得した各道路点におけるカーブ度合を算出し、算出した各カーブ度合に応じて自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数を検出する。また、前記複数の道路点、各道路点におけるカーブ度合、並びに自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数の夫々を対応付けしたカーブ情報を、予め定められた演算周期毎に記憶する。そして、カーブ区間数の変動を検出したら、記憶されている前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る走行制御装置によれば、カーブ区間数の変動を検出したときに、記憶されている前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正するので、認識しているカーブ数のハンチングを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両の概略構成である。
【図2】第一実施形態の減速制御処理を示すフローチャートである。
【図3】目標補間点の選出例である。
【図4】カーブ情報補正処理を示すフローチャートである。
【図5】係数Ksの算出に用いるマップである。
【図6】第二実施形態の減速制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第一実施形態》
《構成》
図1は、車両の概略構成である。
ブレーキペダル1は、ブレーキブースタ2を介してマスターシリンダ3に連結される。ブレーキブースタ2は、例えば負圧の供給量を変化させることで倍力比を調整できる制御型のブースタであり、コントローラ10によって駆動制御される。この倍力比の調整により、運転者のペダル操作に対する操作反力が制御される。
【0011】
マスターシリンダ3と各ホイールシリンダ4i(i=FL、FR、RL、RR)との間には、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられるブレーキアクチュエータ5が介装されている。このブレーキアクチュエータ5は、ソレノイドバルブやポンプ等の油圧機器を備え、これらをコントローラ10によって駆動制御することにより、運転者のブレーキ操作に関らず各ホイールシリンダ4iの液圧を個別に制御することができる。
【0012】
駆動力制御装置20は、エンジン21の燃料噴射量や点火時期、自動変速機22の変速比、及び電子制御スロットルバルブ23の開度を制御することにより、車両の駆動力を制御する。また、駆動力制御装置20は、コントローラ10からの駆動力指令を受けたときは、その駆動力指令に応じて車両の駆動力を制御する。
レーダ装置31は、車両前方の物体までの車間距離Dを検出し、それをコントローラ10へ入力する。
【0013】
ナビゲーション装置32は、GPSで計測した自車両の現在位置(X0,Y0)、及び道路地図情報に基づいて、自車進路前方の道路形状を検出する。ここで、道路形状とは、ノード点情報であり、Xj、Yj、Lj(j=1〜n、nは整数)からなる。Xj及びYjはノード点の位置情報であり、Ljは現在位置(X0,Y0)からノード点(Xj,Yj)までの距離である。なお、現在位置から遠いノード点ほど、jの値が大きくなるように配列されている。なお、車速及びヨーレートに基づいて、現在位置(X0,Y0)を補正してもよい。また、インフラストラクチャから道路形状を入手可能であれば、それを用いる。また、取得した道路地図情報、及び自車両の現在位置は、ディスプレイ等に表示される。
【0014】
モニタ33は、コントローラ10からの指令に応じて、運転者に通知すべき情報を表示すると共に、内蔵されたスピーカを介して音声やブザーで通知する。
加速度センサ11は、車両の前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出し、ヨーレートセンサ12は、車両のヨーレートγを検出し、舵角センサ13は、ステアリングホイール6の回転角、つまり運転者のステアリング操作量を検出する。また、圧力センサ14は、マスターシリンダ3の圧力を検出し、車輪速センサ15iは、車輪7iの回転速度を検出する。各検出信号は、コントローラ10へ入力される。
【0015】
アクセルペダル34には、反力モータ35が連結され、アクセルセンサ16は、反力モータ35の回転角に応じて運転者のアクセル操作量(アクセル開度)を検出しコントローラ10へ入力する。反力モータ35は、コントローラ10によって駆動制御され、この反力モータ35により、運転者のペダル操作に対する操作反力が制御される。
なお、上記の各種データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を負値とし、右方向を正値とする。すなわち、ヨー角φ及び操舵角δは、左旋回時を負値とし右旋回時を正値とする。
コントローラ10は、減速制御処理を所定時間毎のタイマ割込みで実行する。
【0016】
図2は、減速制御処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1では、各種データを読込む。
続くステップS2では、下記(1)式に示すように、非駆動側の従動輪の車輪速Vw1及びVw2を用い、その平均車輪速を車速Vとして算出する。
V=(Vw1+Vw2)/2 …………(1)
【0017】
続くステップS3では、各ノード点の座標に基づいて前方道路の曲率半径Rnを算出する。曲率半径Rnの自体の算出方法は、幾つかの方法が考えられるが、例えば自車位置から各ノード点に沿って所定距離d1(例えば25m)毎に補間点を設定し、各補間点における曲率半径Rnを算出する。補間点の設定については、各ノード点を線形補間した直線上に補間点を設定してからフィルタ処理を行うものとし、自車両に近い順に補間点番号を設定する。
【0018】
上記の他にも、下記(2)式に示すように、連続する三つのノード点の座標から、曲率半径Rnを算出してもよい。fは三つのノード点の座標から曲率半径Rnを算出する関数である。
Rn=f(X(j-1)、Y(j-1)、X(j)、Y(j)、X(j+1)、Y(j+1)
…………(2)
また、その都度、曲率半径Rnを算出するのではなく、地図データ内のノード情報として各ノード点の曲率半径Rnを予め記憶させておき、その値を読込むようにしてもよい。
【0019】
続くステップS4では、カーブ区間の検出を行う。具体的には、各補間点の順に並んだ曲率半径Rnのうち、予め設定された閾値th1(例えばth1=300m)以下となる区間をカーブ区間として検出する。そして、検出された各カーブ区間に対して、自車両に近い順にカーブ番号を設定すると共に、カーブ区間数を検出する。さらに、各カーブ区間の最初の補間点を、カーブ入口補間点とする。
【0020】
図3は、カーブ区間の概念図である。
続くステップS5では、演算周期における前回の演算結果と比較し、カーブ区間数の変動を検出する。
先ず各カーブ区間の入口補間点について、下記(3)式を満足するか否かを順に判定する。ここで、CSnはn番目のカーブ入口補間点番号であり、添え字(Z1)付きは前回値である。thCは予め定められた整数であり、例えば1である。
|CSn(Z1)−CSn|≦thC ………(3)
【0021】
ここで、上記(3)式を満足すれば、n番目のカーブ区間が前回の演算結果と同一であると判断する。一方、上記(3)式を満足せず、|CSn(Z1)−CSn|>thCであり、且つCSn(Z1)<CSnであれば、n番目のカーブ区間が前回の演算結果と異なっており、カーブ区間数が減少したと判断する。逆に、上記(3)式を満足をせず、|CSn(Z1)−CSn|>thCであり、且つCSn(Z1)>CSnであれば、n番目のカーブ区間が前回の演算結果と異なっており、カーブ区間数が増加したと判断する。
【0022】
なお、ここでは補間点を利用しているが、もちろんノード点番号を利用してもよい。
続くステップS6では、後述する図4のカーブ情報補正処理を実行し、カーブ区間数の変動に応じてカーブ情報を補正する。
続くステップS7では、各輪の制駆動力とスリップ率との関係に従い、下記(4)に示すように、路面の摩擦係数μを推定する。
μ=g(各輪の制駆動力、各輪のスリップ率) …………(4)
【0023】
なお、路面の摩擦係数μをインフラストラクチャから入手可能であれば、それを用いればよい。また、運転者の判断で摩擦係数μを推定してもよく、例えば高・中・低のように大まかな段階に切り替え可能なスイッチを設けて、これを運転者の判断で選択操作させてもよい。
【0024】
続くステップS8では、下記(5)式に示すように、路面の摩擦係数μに応じて許容横加速度YgLIMを算出する。Ksは係数であり、例えば0.8程度の値である。
YgLIM=Ks×μ …………(5)
なお、係数Ksをするのではなく、図5のマップを参照し、車速に応じて係数Ksを算出してもよい。このマップは、車速が高くなるほど、係数Ksが小さくなるように設定されている。したがって、車速が高くなるほど、許容横加速度YgLIMも小さくなる。
【0025】
続くステップS9では、制御対象地点となる目標補間点の算出を行う。本実施例では、運転者の目測ミスなどにより、実際のカーブの曲率半径から設定され、運転者が違和感を感じることなくカーブを通過可能な車速(通過可能速度)以上の車速でコーナーを走行しようとしているのを防止することが目的である。そこで、下記(6)式に示すように、各カーブ区間の最小の曲率半径とカーブ入口補間点までの距離を使用し、TTCが最小のカーブ区間に対して制御を行うので、各カーブ区間の中から、TTCが最小となるカーブ区間で曲率半径が最小となる地点を目標補間点とする。
TTC=Ln/{V−√(YgLIM×|Rn|)} ………(6)
【0026】
続くステップS10では、下記(7)式に示すように、車速V、目標車速Vr、及び目標補間点までの距離Ltに応じて、目標減速度Xgを算出する。目標減速度Xgは、正値のときに減速を指し、負値のときに加速を指す。
Xg=(V2−Vr2)/2Lt
=(V2−YgLIM×|Rn|)/2Lt ………(7)
【0027】
上記(6)式により、V>Vrの場合、車速Vが大きいほど、且つ目標車速Vrが小さいほど、目標減速度Xgが大きくなる。また、許容横加速度Ygが小さいほど、且つ曲率半径Rnが小さいほど、目標減速度Xgが大きくなる。また、目標ノード点までの距離Lが短いほど、目標減速度Xgが大きくなる。
【0028】
続くステップS11では、警報の作動状態を表す警報フラグがFW=0にリセットされているか否かを判定する。判定結果がFW=0であれば、警報が非作動状態であると判断してステップS12に移行する。一方、判定結果がFW=1であれば、既に警報が作動状態にあると判断してステップS15に移行する。
ステップS12では、目標減速度Xgが警報開始閾値thW以上であるか否かを判定する。判定結果がXg≧thWであれば、減速を促す警報が必要であると判断してステップS13に移行する。一方、判定結果がXg<thWであれば、減速を促す警報は不要であると判断してステップS16に移行する。
【0029】
ステップS13では、モニタ33を駆動し、表示や音声などによって減速を促す警報を発する。
続くステップS14では、警報フラグをFW=1にセットしてからステップS18に移行する。
ステップS15では、目標減速度Xgが警報解除閾値(thW−KW)以上であるか否かを判定する。KWは警報のON/OFFのハンチングを防ぐためのヒステリシスであり、例えば0.03G程度の値とする。判定結果がXg≧(thW−KW)であれば、依然として減速を促す警報が必要であると判断して前記ステップS13に移行する。一方、判定結果がXg<(thW−KW)であれば、もはや減速を促す警報は不要であると判断してステップS16に移行する。
【0030】
ステップS16では、警報を終了する。
続くステップS17では、警報フラグをFW=0にリセットしてからステップS18に移行する。
ステップS18では、減速制御の作動状態を表す減速フラグがFR=0にリセットされているか否かを判定する。判定結果がFR=0であれば、減速制御が非作動状態であると判断してステップS19に移行する。一方、判定結果がFR=1であれば、既に減速制御が作動状態にあると判断してステップS22に移行する。
【0031】
ステップS19では、目標減速度Xgが減速開始閾値thR以上であるか否かを判定する。thRはthWより少し大きい値とする。判定結果がXg≧thRであれば、減速制御が必要であると判断してステップS20に移行する。一方、判定結果がXg<thRであれば、減速制御は不要であると判断してステップS23に移行する。
ステップS20では、制動力制御、及び駆動力抑制によって減速制御を実行する。
【0032】
[制動力制御]
先ず、下記(8)式に示すように、目標減速度Xgに応じて目標制動液圧Pcを算出する。Kbはブレーキ諸元に応じた定数である。
Pc=Kb×Xg …………(8)
そして、下記(9)式に示すように、目標制動液圧Pcとマスターシリンダ圧力Pmとを比較し、セレクトハイしたものを新たな目標制動液圧Pcとする。
Pc ← max〔Pc,Pm〕 …………(9)
そして、最適な前後輪制動力配分を決定し、目標制動液圧Pcに応じて各輪の目標制動液圧Piを算出し、この目標制動液圧Piを実現するためにブレーキアクチュエータ5を駆動制御する。
【0033】
[駆動力制御]
ここでは、下記(10)式に示すように、目標駆動トルクTを算出し、この目標駆動トルクTに応じた駆動力指令を駆動力制御装置20に出力する。Faは運転者のアクセル操作に応じた通常の駆動トルクであり、Gは目標制動液圧Pcに応じて発生すると予想される制動トルクである。
T=Fa−G …………(10)
こうして制動力の増加と、エンジン出力の抑制によって、車両を効果的に減速させる。
続くステップS21では、減速フラグをFR=1にセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
【0034】
ステップS22では、目標減速度Xgが減速解除閾値(thR−KR)以上であるか否かを判定する。KRは減速制御のON/OFFのハンチングを防ぐためのヒステリシスであり、例えば0.05G程度の値とする。判定結果がXg≧(thR−KR)であれば、依然として減速制御が必要であると判断して前記ステップS20に移行する。一方、判定結果がXg<(thR−KR)であれば、もはや減速制御は不要であると判断してステップS23に移行する。
ステップS23では、減速制御を終了する。
続くステップS24では、減速フラグをFR=0にリセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
【0035】
図4は、カーブ情報補正処理を示すフローチャートである。
先ずステップS61では、前述したステップS6の処理で、カーブ区間数の変動があったか否かを判定する。カーブ区間数の変動がなければ、そのまま図2の減速制御処理に復帰する。一方、カーブ区間数の変動があれば、ステップS62に移行する。
【0036】
ステップS62では、カーブ区間数の変動に応じて、カーブ情報を補正する。
先ず、カーブ区間が減少しているときには、下記(11)式に示すように、n番目以前のカーブ区間には1番目〜n番目のカーブ情報を代入し、n番目より後のカーブ番号は一つずつ増加させる。すなわち、カーブ情報を、前回の配列に戻す補正を行い、前回のカーブ区間数を保持する。ここで、Cnはn番目のカーブ区間を表す配列であり、添え字(Z1)付きは前回値である。
【0037】


n+2 = Cn+3
n+1 = Cn+2
n = Cn(Z1)
n-1 = Cn-1(Z1)


2 = C2(Z1)
1 = C1(Z1) ………(11)
【0038】
一方、カーブ区間が増加しているときには、下記(12)式に示すように、n番目以前のカーブ区間には1番目〜n番目のカーブ情報を代入し、n番目より後のカーブ番号は一つずつ減少させる。すなわち、カーブ情報を、前回の配列に戻す補正を行い、前回のカーブ区間数を保持する。ここで、Cnはn番目のカーブ区間を表す配列であり、添え字(Z1)付きは前回値である。
【0039】


n+2 = Cn+1
n+1 = Cn
n = Cn(Z1)
n-1 = Cn-1(Z1)


2 = C2(Z1)
1 = C1(Z1) ………(12)
【0040】
続くステップS63では、下記(13)式に示すように、車速Vと、コントローラ10の演算周期dsとに基づいて、前回演算した時点からの自車両の移動量Lvを算出する。
Lv=Σ(V×ds) ………(13)
【0041】
続くステップS64では、移動量Lvが、前述した補間点間隔d1よりも大きいか否かを判定する。判定結果がLv<d1であれば、各補間点の更新は不要であると判断してそのまま図2の減速制御処理に復帰する。一方、判定結果がLv≧d1であれば、各補間点の更新が必要であると判断してステップS65に移行する。
【0042】
ステップS65では、下記(14)式に基づいて、1番目〜n番目のカーブ情報に基づいて、カーブ区間数を保持し始めた時点からの自車両の移動量SDを算出する。ここで、min[]は最小値を選択する関数であり、n番目となるカーブ入口補間点番号CSnの添え字(h)付きは、カーブ区間数を保持し始めた時点のカーブ入口補間点番号である。なお、移動量SDは自車両の移動量に相当する値ではあるが、物理量ではなく、補間点番号を更新するための値である。
SD=min[(CS1−CS1(h)),……(CSn−CSn(h))]
………(14)
【0043】
続くステップS66では、下記(15)式を満足するか否かに応じて、カーブ情報を更新する。
|(Lv/d1)−SD|≦1 ………(15)
先ず上記(15)式を満足すれば、(Lv/d1)の整数部分と移動量SDとのうち、大きい方の値を、カーブ区間の補間点番号から減算することで、自車両がカーブ区間に近づいた分だけ各補間点を小さくする。さらに、各カーブ区間数を保持し始めた時点のカーブ入口補間点番号から移動量SDを減算する。こうして、カーブ情報を更新してから、図2の減速制御処理に復帰する。
【0044】
一方、上記(15)式を満足せず、|(Lv/d1)−SD|>1であれば、(Lv/d1)の整数部分と移動量SDとの平均値を、カーブ区間の補間点番号から減算することで、自車両がカーブ区間に近づいた分だけ各補間点を小さくする。さらに、各カーブ区間数を保持し始めた時点のカーブ入口補間点番号から移動量SDを減算する。こうして、カーブ情報を更新してから、図2の減速制御処理に復帰する。
【0045】
《作用》
先ず、ナビゲーション装置32から自車進路前方のノード点を取得し、連続した同一のカーブを認識するために、曲率半径Rnが閾値th1以上となる連続した補間点を検出する(ステップS4)。このとき、検出するタイミングによっては異なる曲率半径となる場合がある。すなわち、算出結果に誤差が生じると、ある一つのノード点について、例えば前回の算出結果では曲率半径が所定値以下であったのに、今回の算出結果では曲率半径が所定値を上回っている場合がある。
【0046】
この場合、前回の認識結果では、連続した一つのカーブだけを認識していたのに、今回の認識結果では、途中で途切れた二つのカーブを認識したことになるので、認識しているカーブの数が、一つから二つに増加してしまう。逆に、前回の算出結果では道路曲率が所定値未満だったのに、今回の算出結果では道路曲率が所定値以上となると、認識しているカーブの数が、二つから一つに減少してしまう。このように、認識しているカーブの数がハンチングすると、走行制御において予期せぬ制御の作動や制御の作動応答遅れが発生する可能性がある。
【0047】
そこで、本実施形態では、各カーブ区間の入口補間点について、演算周期における前回の演算結果と比較し、カーブ区間数が変動しているか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、各カーブ区間で、先頭となる補間点の位置が変動したときに、カーブ区間数が変動したと判定し、前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正する(ステップS6)。
【0048】
先ず、カーブ区間が減少しているときには、n番目以前のカーブ区間には1番目〜n番目のカーブ情報を代入し、n番目より後のカーブ番号は一つずつ増加させる。一方、カーブ区間が増加しているときには、n番目以前のカーブ区間には1番目〜n番目のカーブ情報を代入し、n番目より後のカーブ番号は一つずつ減少させる。すなわち、今回のカーブ情報を、前回の配列に戻す補正を行うことで、前回のカーブ区間数を保持する(ステップS62)。
【0049】
そして、車速Vに基づいて、演算周期dsの間に自車両が移動した量Lvを算出し(ステップS63)、この移動量Lvが補間点の間隔d1より大きい場合に(ステップS64の判定が“Yes”)、自車両が移動した分だけ、各補間点を自車両に近づける、つまり各補間点番号を小さくする補正を行う(ステップS65、S66)。
【0050】
ここで、補間点番号の補正には、移動量Lvだけではなく、移動量SDをも用いる。この移動量SDは、今回のカーブ情報のうち、カーブ区間数が変動していないカーブ区間のカーブ情報、つまりカーブ区間数の変動を検出した位置よりも自車両に対して近い側のカーブ情報に基づいて算出した値である。これら移動量Lv及びSDのセレクトハイ値、又は双方の平均値を最終的な移動量とし、この最終的な移動量を補間点番号の更新量とする。したがって、双方に含まれる誤差を互いに補うことができる。
【0051】
上記のように、カーブ区間数が変動していたときには、前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正することにより、認識しているカーブ数のハンチングを抑制することができる。したがって、走行制御において予期せぬ変動や応答遅れが発生する可能性も軽減される。
【0052】
次に、車速を制御する走行制御について説明する。
先ず、取得した道路形状に基づいて、車両の目標減速度Xgを算出する(ステップS7〜S10)。このとき、車両がカーブに近づいてくると、その道路形状に基づいて算出される目標減速度Xgが次第に増加してくる。
【0053】
そして、目標減速度Xgが警報開始閾値thW以上となるときに(ステップS12の判定が“Yes”)、モニタ33を駆動し、表示や音声などによって減速を促す警報を発する(ステップS13)。この警報により、運転者が速やかにアクセル操作を緩める、又は制動操作に移行する等、減速操作を実行することで、目標減速度Xgが警報開始閾値(thW−KW)未満になれば(ステップS15の判定が“No”)、警報を終了する(ステップS16)。減速開始閾値thRは警報開始閾値thWよりも大きいので、このときに減速制御が開始されることはない。
【0054】
一方、警報を開始しても、運転者が速やかに減速操作を実行せず、目標減速度Xgが減速開始閾値thR以上となるときに(ステップS19の判定が“Yes”)、ブレーキアクチュエータ5及び駆動力制御装置20を駆動し、制動力の増加と駆動力の抑制によって、減速制御を行う(ステップS20)。この減速制御により、目標減速度Xgが減速解除閾値(thR−KR)未満になれば(ステップS22の判定が“No”)、減速制御を終了する(ステップS23)。
【0055】
このように、自車進路前方の道路形状を取得し、カーブに進入する前に、そのカーブに適した進入速度となるように自動減速を行うと共に、その旨を音声や表示によって運転者に報知することで、運転支援を行うことができる。
【0056】
《応用例》
なお、本実施形態では、各カーブ区間で、先頭となる補間点の位置が変動したか否かを判定することで、カーブ区間数の変動を検出しているが、先にステップS7〜S10の処理を実行することで、目標補間点を含むカーブ区間を検出した場合には、そのカーブ区間で先頭となる補間点の位置が変動したか否かを判定するだけでもよい。すなわち、少なくとも自車両の減速を要する目標補間点を含むカーブ区間で、先頭となる補間点の位置が変動したか否かを判定することで、カーブ区間数の変動を検出してもよい。
このように、目標補間点を含むカーブ区間で、先頭となる補間点の位置が変動したか否かを判定することにより、より簡易的にカーブ区間数の変動を検出することができる。
【0057】
《効果》
以上より、ナビゲーション装置32が「取得手段」に対応し、ステップS3の処理が「カーブ度合算出手段」に対応し、ステップS4の処理が「カーブ区間検出手段」に対応し、コントローラ10が有するメモリが「記憶手段」に対応する。また、ステップS5の処理が「変動検出手段」に対応し、ステップS63、S65の処理が「移動量算出手段」に対応し、ステップS6(S62、S65)の処理が「カーブ情報補正手段」に対応する。また、補間点が「道路点」に対応し、曲率半径が「カーブ度合」に対応する。また、ステップS2の処理が「車速検出手段」に対応し、ステップS9の処理が「目標道路点算出手段」に対応する。
【0058】
(1)地図座標上で自車進路前方の道路に沿って並んだ複数の道路点を取得する取得手段と、該取得手段が取得した各道路点におけるカーブ度合を算出するカーブ度合算出手段と、該カーブ度合算出手段が算出した各カーブ度合に応じて自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数を検出するカーブ区間検出手段と、前記取得手段が取得した複数の道路点、前記カーブ度合算出手段が算出した各道路点におけるカーブ度合、並びに前記カーブ区間検出手段が検出した自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数の夫々を対応付けしたカーブ情報を、予め定められた演算周期毎に記憶する記憶手段と、前記カーブ区間検出手段が検出したカーブ区間数の変動を検出する変動検出手段と、自車両の移動量を算出する移動量算出手段と、前記変動検出手段がカーブ区間数の変動を検出したら、前記記憶手段に記憶されている前回のカーブ情報、及び前記移動量算出手段が算出した自車両の移動量に基づいて、当該記憶手段に記憶された今回のカーブ情報を補正するカーブ情報補正手段と、を備える。
このように、カーブ区間数の変動を検出したときに、記憶されている前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正するので、認識しているカーブ数のハンチングを抑制することができる。
【0059】
(2)前記変動検出手段は、前記カーブ区間検出手段が検出した各カーブ区間で、先頭となる道路点の位置が変動したときに、カーブ区間数が変動したことを検出する。
このように、各カーブ区間で、先頭となる道路点の位置が変動したか否かを判定することで、カーブ区間数の変動を容易に且つ正確に検出することができる。
【0060】
(3)自車両の減速を要する目標道路点を算出する目標道路点算出手段を備え、
前記変動検出手段は、前記カーブ区間検出手段が検出した各カーブ区間のうち、前記目標道路点算出手段が算出した目標道路点を含むカーブ区間で、カーブ区間数の変動を検出する。
このように、少なくとも目標道路点を含むカーブ区間で、カーブ区間数の変動を検出することで、より簡易的にカーブ区間数の変動を検出することができる。
【0061】
(4)前記カーブ情報補正手段は、前記記憶手段に記憶した今回のカーブ情報を、当該記憶手段に記憶されている前回のカーブ情報に戻す補正を行う。
このように、今回のカーブ情報を、前回のカーブ情報に戻す補正を行うことで、認識しているカーブ数のハンチングを抑制することができる。
【0062】
(5)前記カーブ情報補正手段は、前回のカーブ情報に戻す補正を行う場合、当該前回のカーブ情報に含まれる各道路点を、前記移動量算出手段が算出した自車両の移動量だけ自車両に近づける補正を行う。
このように、前回のカーブ情報に戻すと共に、各道路点を、自車両の移動量だけ車両に近づける補正を行うことで、自車位置を基準としたカーブ情報を常に正確な状態に保つことができる。
【0063】
(6)自車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記移動量算出手段は、前記車速検出手段が検出した車速に基づいて、自車両の移動量を算出する。
このように、車速を用いることで、自車両の移動量を容易に且つ正確に算出することができる。
【0064】
(7)前記移動量算出手段は、前記記憶手段に記憶された今回のカーブ情報のうち、カーブ区間数が変動していない区間のカーブ情報に基づいて自車両の移動量を算出する。
このように、カーブ区間数が変動していない区間のカーブ情報を用いることで、自車両の移動量を容易に且つ正確に算出することができる。
【0065】
(8)自車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記移動量算出手段は、前記車速検出手段が検出した車速に基づいて、自車両の第一の移動量を算出すると共に、前記記憶手段に記憶された今回のカーブ情報のうち、カーブ区間数が変動していない区間のカーブ情報に基づいて自車両の第二の移動量を算出し、前記第一の移動量と前記第二の移動量とに基づいて、自車両の最終的な移動量を算出する。
このように、第一の移動量と第二の移動量とを用いることで、双方に含まれる誤差を互いに補い、自車両の移動量を正確に算出することができる。
【0066】
(9)道路形状検出装置と、該道路形状検出装置が検出した道路形状に応じて自車両の目標減速度を算出し、当該目標減速度が予め定められた減速開始閾値よりも大きいときに、自車両を減速させる制御手段と、を備える。
このように、目標減速度に応じて自車両を減速させるので、カーブ区間を通過する際の車速を最適化することができる。
【0067】
(10)地図座標上で自車進路前方の道路に沿って並んだ複数の道路点を取得し、取得した各道路点におけるカーブ度合を算出し、算出した各カーブ度合に応じて自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数を検出し、前記複数の道路点、各道路点におけるカーブ度合、並びに自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数の夫々を対応付けしたカーブ情報を、予め定められた演算周期毎に記憶し、カーブ区間数の変動を検出したら、記憶されている前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正する。
このように、カーブ区間数の変動を検出したときに、記憶されている前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正するので、認識しているカーブ数のハンチングを抑制することができる。
【0068】
《第二実施形態》
《構成》
この第二実施形態では、カーブ区間数の変動があった位置と、目標補間点を含む制御対象区間とを記憶することで、目標補間点までの距離Lt、及び曲率半径Rnを簡易的に設定するものである。
【0069】
図6は、第二実施形態の減速制御処理を示すフローチャートである。
前記ステップS6を省略し、前記ステップS5に続くステップS71と、前記ステップS9に続くステップS72、S73とを追加したことを除いては、前述した図2のフローチャートと同様の処理を実行し、同一部分については説明を省略する。
【0070】
先ずステップS71では、カーブ区間数に変動があった位置を変動検出区間CCとして検出する。例えば、n番目のカーブ区間が変動していた場合には、CC=nとしてセットする。
またステップS72では、目標補間点を含むカーブ区間を制御対象区間TCとして検出する。例えば、n番目のカーブ区間が制御対象となった場合には、TC=nとしてセットする。
【0071】
続くステップS73では、変動検出区間CCと制御対象区間TCとが、下記(16)式の関係を満足するか否かを判定する。
TC≧CC−1 ………(16)
ここで、上記(16)式を満足すれば、目標補間点までの距離Ltと、そこでの曲率半径Rnとを下記(17)式に従って設定する。すなわち、目標補間点までの距離Ltは、前回値Lt(Z1)から移動量Lvだけ補正した値とし、曲率半径Rnは、前回値Rn(Z1)とする。
Lt=Lt(Z1)−Lv
Rn=Rn(Z1) ………(17)
【0072】
《作用》
変動検出区間CCと制御対象区間TCとが前記(16)式を満足するとき、つまり変動検出区間CCよりも制御対象区間TCが自車両に対して更に遠方にあるときには、目標補間点までの距離Lt、及び曲率半径Rnを、前回値Lt(Z1)及びRn(Z1)、並びに自車両の移動量Lvに基づいて設定する(ステップS73)。
これにより、走行制御に必要となる目標補間点Lt及び曲率半径Rnを簡易的に求めることができる。
【0073】
《効果》
(1)前記カーブ情報補正手段は、前回のカーブ情報に戻す補正を行う場合、当該前回のカーブ情報に含まれる各道路点を、前記移動量算出手段が算出した自車両の移動量だけ自車両に近づける補正を行う。
このように、前回のカーブ情報に戻すと共に、各道路点を、自車両の移動量だけ車両に近づける補正を行うことで、自車位置を基準としたカーブ情報を常に正確な状態に保つことができる。
【符号の説明】
【0074】
1 ブレーキペダル
2 ブレーキブースタ
5 ブレーキアクチュエータ
10 コントローラ
20 駆動力制御装置
32 ナビゲーション装置
34 アクセルペダル
35 反力モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図座標上で自車進路前方の道路に沿って並んだ複数の道路点を取得する取得手段と、該取得手段が取得した各道路点におけるカーブ度合を算出するカーブ度合算出手段と、該カーブ度合算出手段が算出した各カーブ度合に応じて自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数を検出するカーブ区間検出手段と、
前記取得手段が取得した複数の道路点、前記カーブ度合算出手段が算出した各道路点におけるカーブ度合、並びに前記カーブ区間検出手段が検出した自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数の夫々を対応付けしたカーブ情報を、予め定められた演算周期毎に記憶する記憶手段と、
前記カーブ区間検出手段が検出したカーブ区間数の変動を検出する変動検出手段と、自車両の移動量を算出する移動量算出手段と、前記変動検出手段がカーブ区間数の変動を検出したら、前記記憶手段に記憶されている前回のカーブ情報、及び前記移動量算出手段が算出した自車両の移動量に基づいて、当該記憶手段に記憶された今回のカーブ情報を補正するカーブ情報補正手段と、を備えることを特徴とする道路形状検出装置。
【請求項2】
前記変動検出手段は、前記カーブ区間検出手段が検出した各カーブ区間で、先頭となる道路点の位置が変動したときに、カーブ区間数が変動したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の道路形状検出装置。
【請求項3】
自車両の減速を要する目標道路点を算出する目標道路点算出手段を備え、
前記変動検出手段は、前記カーブ区間検出手段が検出した各カーブ区間のうち、前記目標道路点算出手段が算出した目標道路点を含むカーブ区間で、カーブ区間数の変動を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の道路形状検出装置。
【請求項4】
前記カーブ情報補正手段は、前記記憶手段に記憶した今回のカーブ情報を、当該記憶手段に記憶されている前回のカーブ情報に戻す補正を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の道路形状検出装置。
【請求項5】
前記カーブ情報補正手段は、前回のカーブ情報に戻す補正を行う場合、当該前回のカーブ情報に含まれる各道路点を、前記移動量算出手段が算出した自車両の移動量だけ自車両に近づける補正を行うことを特徴とする請求項4に記載の道路形状検出装置。
【請求項6】
自車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記移動量算出手段は、前記車速検出手段が検出した車速に基づいて、自車両の移動量を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の道路形状検出装置。
【請求項7】
前記移動量算出手段は、前記記憶手段に記憶された今回のカーブ情報のうち、カーブ区間数が変動していない区間のカーブ情報に基づいて自車両の移動量を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の道路形状検出装置。
【請求項8】
自車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記移動量算出手段は、前記車速検出手段が検出した車速に基づいて、自車両の第一の移動量を算出すると共に、前記記憶手段に記憶された今回のカーブ情報のうち、カーブ区間数が変動していない区間のカーブ情報に基づいて自車両の第二の移動量を算出し、前記第一の移動量と前記第二の移動量とに基づいて、自車両の最終的な移動量を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の道路形状検出装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の道路形状検出装置と、該道路形状検出装置が検出した道路形状に応じて自車両の目標減速度を算出し、当該目標減速度が予め定められた減速開始閾値よりも大きいときに、自車両を減速させる制御手段と、を備えたことを特徴とする走行制御装置。
【請求項10】
地図座標上で自車進路前方の道路に沿って並んだ複数の道路点を取得し、取得した各道路点におけるカーブ度合を算出し、算出した各カーブ度合に応じて自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数を検出し、前記複数の道路点、各道路点におけるカーブ度合、並びに自車進路前方のカーブ区間及びカーブ区間数の夫々を対応付けしたカーブ情報を、予め定められた演算周期毎に記憶し、カーブ区間数の変動を検出したら、記憶されている前回のカーブ情報と自車両の移動量とに基づいて、今回のカーブ情報を補正することを特徴とする道路形状検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−95822(P2011−95822A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246502(P2009−246502)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】