道路情報表示装置
【課題】分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる道路情報表示装置を提供する。
【解決手段】複数の看板情報を、現在位置からの距離及び方向に応じて、現在位置に最も近い看板情報Aを看板画面9bの左右方向の中央に配置し、現在位置に対して右前方に位置する看板情報Bを看板画面9bの右寄りに、現在位置に対して左前方に位置する看板情報Cを左寄りに配置するとともに、看板情報Aの表示サイズを最も大きく表示し、次いで看板情報Bの表示サイズを看板情報Aより小さく、看板情報Cの表示サイズを看板情報Bよりも小さく表示する。さらに、看板情報Aを看板画面9bの最も下方寄りに配置し、看板情報Bを看板情報Aよりやや上方に、看板情報Cを看板情報Bのさらに上方に配置する。
【解決手段】複数の看板情報を、現在位置からの距離及び方向に応じて、現在位置に最も近い看板情報Aを看板画面9bの左右方向の中央に配置し、現在位置に対して右前方に位置する看板情報Bを看板画面9bの右寄りに、現在位置に対して左前方に位置する看板情報Cを左寄りに配置するとともに、看板情報Aの表示サイズを最も大きく表示し、次いで看板情報Bの表示サイズを看板情報Aより小さく、看板情報Cの表示サイズを看板情報Bよりも小さく表示する。さらに、看板情報Aを看板画面9bの最も下方寄りに配置し、看板情報Bを看板情報Aよりやや上方に、看板情報Cを看板情報Bのさらに上方に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から取得した道路情報を表示可能な表示手段を備えた道路情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば渋滞や交通規制などの交通情報を外部から受信し、その道路情報を表示部に表示するものが知られている。例えば、特許文献1には、VICS(Vehicle Information and Communication System。(登録商標))受信機により道路情報としてのVICS情報を受信し、そのVICS情報に含まれる複数の簡易図形情報(VICSレベル2に相当する情報)の表示手段への表示順を設定することができるナビゲーション装置が開示されている。このような道路情報には、走行中の道路上に存在する分岐点(交差点)の分岐先の情報(行き先の地名や建物の名称など)を、簡易的な図形により所謂案内標識のように表示するための簡易図形情報が含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−292570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の場合、ある分岐点に近づいたときにその分岐点に対する簡易図形情報(以下、看板情報と称する)を表示するようになっている。しかしながら、そのような構成では、例えば市街地のように分岐点の数が多い場合、すなわち、分岐点間の距離が短く連続している場合、行き先の地名などの表示が代わることがあり、次に進むべき方向を把握しづらいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる道路情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した道路情報表示装置によれば、道路情報取得手段で取得した看板情報及びその看板情報の位置を示す看板情報位置を表示手段に表示する際に、制御手段は、地図データ上に所定の基準位置を設定し、当該基準位置に対する看板情報位置の位置関係と、前記表示手段の表示領域に表示される前記看板情報の位置関係とを対応付けて表示する。例えば、制御手段は、当該看板情報位置が基準位置における自車両の進行方向に対して左側に位置しているときには、表示手段の表示領域の中心より左寄りに当該看板情報を配置し、当該看板情報位置が自車両の進行方向に対して右側に位置しているときには、当該看板情報を表示領域の右寄りに配置する。これにより、看板情報が進行方向に対して左右のどちら側に位置しているか、すなわち、基準位置と看板情報との位置関係を直感的に把握することが可能になり、ユーザは、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる。
【0007】
請求項2に記載した道路情報表示装置によれば、基準位置と看板情報位置との距離に基づいて、距離が短いほど表示領域における看板情報の表示サイズを大きく、且つ、表示領域の中央より下方寄りに表示する。これにより、看板情報を表示手段に表示したときに擬似的に立体感や遠近感が生じ、ユーザは、看板情報の位置関係を容易に把握することができる。
【0008】
請求項3に記載した道路情報表示装置によれば、自車両の進行方向に対する左右方向において所定の上限角度以下の範囲内に位置する看板情報を表示する。これにより、車両の進行方向以外の看板情報を表示の対象から除外することができ、進行方向とは逆方向の看板情報は表示されないことから、ユーザに混乱を招くことがない。
【0009】
請求項4に記載した道路情報表示装置によれば、基準位置からの距離が所定の範囲内にある看板情報を表示する。これにより、過度の情報提供が抑制され、ユーザは、必要な看板情報を容易且つ素早く確認することができる。
【0010】
請求項5に記載した道路情報表示装置によれば、道路情報の受信に要する時間をT秒とし、自車両の車速をVメートル毎秒とすると、下限距離をT×Vメートル以上に設定する。これにより、受信が完了する前に通過してしまう看板情報を表示対象外にするので、無意味な情報をユーザに提供することがない。
【0011】
請求項6に記載した道路情報表示装置によれば、看板情報を、基準位置からの距離が短いものから順に所定の上限数まで表示する。ユーザは、通常、自身が走行している道路の分岐先などを知りたいと思うことが多い。そのため、走行中の道路の分岐点に関する看板情報を近いものから表示することにより、利用価値が高く有益な情報を提供することができる。
【0012】
請求項7に記載した道路情報表示装置によれば、表示領域切替手段により表示領域を切り替え可能に構成している。これにより、地図データ上の任意の位置の看板情報を表示することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
請求項8に記載した道路情報表示装置によれば、例えば市街地など、比較的分岐点が密集している地域においては、所定の基準位置として自車両の現在位置を設定することにより、ユーザに対して利用価値の高い看板情報を提供することができる。一方、高速道路などを走行している場合には、道路の分岐点(例えばインターチェンジなど)が遠方にある場合、高速道路に並行する側道の分岐点など、現在位置に近いものの利用価値が低い看板情報として表示されるおそれがある。その場合、所定の基準位置を自車両が走行している道路上において現在位置から最も距離の短い看板情報とすることにより、適切な看板情報を表示することができる。
【0014】
請求項9に記載した道路情報表示装置によれば、基準位置から看板情報位置までの距離として、地図データにおいて基準位置から看板情報位置までの移動に要する距離である経路距離を設定する。これにより、例えば一方通行などの道路規制がある道路や立体交差点等で直線距離は短いが経路距離が長い看板情報を除外することができ、より適切な看板情報を提供することができる。
【0015】
請求項10に記載した道路情報表示装置によれば、表示手段に複数の看板情報が表示されている場合、基準位置としてユーザが選択した看板情報位置を設定することが可能になる。これにより、選択した看板情報位置の更に先に位置する看板情報を順次表示することが可能になり、目的とする場所に至るまでの看板情報を確認することができる。
【0016】
この場合、請求項11に記載した道路情報表示装置のように、表示手段に看板情報と地図データとを同時に表示すれば、分岐先の情報と看板情報とを同時に把握することができる。その際、看板情報表示領域及び地図データ表示領域の何れにおいても選択操作を可能にすることにより、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
請求項12に記載した道路情報表示装置によれば、現在時刻と、同一地点における看板情報を前回取得した時刻との時間差が、例えばセンター側において看板情報を更新するタイミングである更新時間以内であれば、新たな看板情報の取得を行わない。これにより、受信処理及び表示処理の簡略化と負荷の低減とを実現することができる。
【0018】
この場合、請求項13に記載した道路情報表示装置のように、記憶手段に記憶されている看板情報を表示することにより、新たな看板情報の取得を行わなかった場合でも、最新の道路情報をユーザに提供することができる。
【0019】
請求項14に記載した道路情報表示装置によれば、看板情報に対応する看板情報位置を通過してから所定の消去時間が経過したとき、看板情報位置を通過してから所定の消去距離を走行したとき、或いは、看板情報に対応する分岐点を通過したときの何れかに看板情報を消去するので、看板情報位置を通過したとしても看板情報を必要としている期間は看板情報の表示が維持される。したがって、表示が突然切り替わることによりユーザが混乱するおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による道路情報表示装置の機能ブロック図
【図2】表示装置の画面表示例を示す図で、(a)は地図データの表示例を示す図、(b)は地図データを模式的に示した表示例を示す図
【図3】図2のIII領域の拡大図
【図4】看板表示処理を示すフローチャート
【図5】表示切替処理を示すフローチャート
【図6】看板情報位置を示す図で、(a)は検索範囲内の看板情報位置を示す図、(b)は表示対象となる看板情報位置を示す図
【図7】自車両、看板情報、分岐点及び分岐先の位置関係を模式的に示す図
【図8】看板情報を模式的に示す図で、(a)は看板情報Aを示す図、(b)は看板情報Bを示す図、(c)は看板情報Cを示す図
【図9】表示装置における看板情報の表示例を示す図
【図10】看板情報の表示例を示す図で、(a)は看板情報Bを選択したときの表示画面を示す図、(b)は看板情報Cを選択したときの表示画面を示す図
【図11】看板情報を消去する手順を示す図(その1)で、(a)は模式的な自車両と看板情報との位置関係を示す図、(b)は画面表示例を示す図
【図12】看板情報を消去する手順を示す図(その2)で、(a)は模式的な自車両と看板情報との位置関係を示す図、(b)は画面表示例を示す図
【図13】本発明の第1実施形態の変形例による画面表示例を示す図(その1)
【図14】本発明の第1実施形態の変形例による画面表示例を示す図(その2)で、(a)は図2(b)相当図、(b)は図9相当図
【図15】本発明の第2実施形態による図7相当図
【図16】画面表示例を示す図で、(a)は図9相当図、(b)は図10(a)相当図
【図17】本発明の第2実施形態による図7相当図
【図18】表示画面例を示す図で、(a)は図9相当図、(b)は図10(b)相当図
【図19】その他の実施形態による図7相当図(その1)
【図20】その他の実施形態による図7相当図(その2)
【図21】その他の実施形態による図9相当図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による道路情報表示装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による道路情報表示装置を図1から図12を参照して説明する。図1は道路情報表示装置の全体構成を機能ブロック図により示している。道路情報表示装置1は、制御部2(本発明でいう制御手段、時刻取得手段、記憶手段)、位置取得部3(本発明でいう車両位置取得手段、車速取得手段)、地図データ入力部4、地図データ記憶部4a(本発明でいう地図データ記憶手段)、操作入力部5(本発明でいう選択手段)、道路情報取得部6(本発明でいう道路情報取得手段)、通信装置7、外部メモリ8(本発明でいう記憶手段)、表示装置9(本発明でいう表示手段)、音声コントローラ10、音声認識部11、リモコンセンサ12及び車載LAN接続部13を備えて構成されている。
【0023】
制御部2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバスを備えたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部2は、例えばROMなどに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、道路情報表示装置1の全体の作動を制御する。位置取得部3は、車速センサ3a、ジャイロスコープ3b、距離センサ3c及びGPS受信機3d等を備えて構成され、これらの各構成要素は互いに性質の異なる検出誤差を有している。制御部2は、これら各構成要素から入力した検出信号を互いに補完して自車両の現在位置及び車速を取得する。この場合、位置取得部3は、要求される検出精度で自車両の現在位置を検出可能であれば、これら全ての構成要素を備える必要はなく、又、ステアリングの舵角を検出するステアリングセンサや各車輪の回転を検出する車輪センサ等が組み合わされて構成されていてもよい。
【0024】
地図データ入力部4は、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード又はHDD等の記録媒体で構成される地図データ記憶部4aに接続され、地図データ記憶部4aに記憶されている地図データや、所謂ナビゲーション機能用のマップマッチング用データ等を制御部2に入力する。操作入力部5は、表示装置9の周辺に配置されているメカニカルキーや表示装置9の表示画面上に形成されるタッチパネルから構成され、例えばユーザが何らかの操作(例えばメニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、表示画面変更及び音量調整等)を行った旨を検出すると、操作検出信号を制御部2に出力する。
【0025】
道路情報取得部6は、FM多重方法受信部、テレマティック送受信部、ビーコン受信部を有している。道路情報取得部6は、図示しないセンター側から道路情報を取得する。FM多重放送受信部は、FM多重放送での放送エリア内において送信される広域の道路情報を取得する。テレマティック送受信部は、携帯電話と同様の例えばCDMA(Code Division Multiple Access)方式の通信により、道路上の所定の位置において近傍の道路情報を取得する。ビーコン受信部は、道路に設けられている図示しないビーコン送信機から自車両の現在位置に比較的近い範囲内の道路情報を取得する。この道路情報には、詳細は後述するが、交差点などの分岐点及びその分岐点における分岐先の情報を示す所謂案内標識のような簡易図形情報である看板情報、分岐先の地名で示される位置に至るまでの経路における渋滞情報、交通規制情報、所要時間を示す情報、工事情報などの複数の情報が含まれている。また、道路情報としては、看板情報の地図データ上の座標に対応する位置を示す看板情報位置も含まれる。なお、必ずしもFM多重方法受信部、テレマティック送受信部及びビーコン受信部の全てを備えた構成でなくてもよく、例えばFM多重方法受信部及びテレマティック送受信部で道路情報取得部6を構成してもよい。
【0026】
外部メモリ8は、HDDやメモリカード等の記憶媒体から構成され、画像データや音楽データなどの保存や呼び出しをするために設けられている。外部メモリ8は、道路情報表示装置1から着脱可能に設けられている。表示装置9は、例えばカラー液晶ディスプレイ装置から構成され、メニュー選択画面、目的地設定画面、経路案内画面等の各種の表示画面を表示するとともに、自車両の現在位置を表す現在位置マークや走行軌跡等を地図データの地図上に重ねて表示する。また、表示装置9は、道路情報取得部6で取得した道路情報も表示する。なお、表示装置9は、有機ELやプラズマディスプレイ装置等から構成されていてもよい。なお、上述したように、表示装置9の表示画面上には、ユーザの操作入力を受付可能なタッチパネルが形成されている。
【0027】
音声コントローラ10は、例えば警告音や経路案内の案内音声等をスピーカ14から出力させる。音声認識部11は、制御部2により動作が制御され、起動状態ではマイク15(本発明でいう音声入力手段)から入力した音声を音声認識アルゴリズムにしたがって音声認識可能な状態となる。リモコンセンサ12は、リモコン16から送信された操作検出信号を受信すると、その受信した操作検出信号を制御部2に出力する。ユーザは、リモコン16を操作することにより、上述した音声コマンドと同様に、道路情報表示装置1に対する各種の操作信号を入力することができる。
【0028】
車載LAN接続部13は、車載LAN17との間のインタフェース機能を有している。車載LAN17は、専用の通信方式で構成してもよく、USBやBluetooth(登録商標)、あるいは所謂車載LANの規格であるCANやFlexRay(登録商標)などの通信方式で構成するようにしてもよい。車載LAN接続部13は、例えば図示しない車速センサ(図示せず)から出力された車速パルスに応じた車速信号やACC(アクセサリ)スイッチから出力されたACC信号などが入力され、それらの信号を制御部2に出力する。また、車載LAN接続部13は、制御部2から車載LAN側へデータを出力する。なお、車載LAN17経由で車速及び走行距離を取得することが可能な場合、位置取得部3には車速センサ3aや距離センサ3cなどを必ずしも設ける必要はない。
【0029】
また、制御部2は、地図データを利用して自車両の現在位置が存在する道路を特定するマップマッチング機能、自車両の現在位置からユーザにより設定された目的地までの経路を探索する経路探索機能、経路探索部により探索された経路及び地図データに含まれている道路データや交差点の位置データ等に基づいて目的地までの経路を案内する経路案内機能、自車両の現在位置周辺の地図や交差点付近の拡大図等を描画する描画機能等、ナビゲーション機能に必要な処理を実行する。つまり、道路情報表示装置1は、所謂ナビゲーション装置と一体に構成されており、その機能は、制御部2によりソフトウェア的に実現されている。
【0030】
次に上述した看板情報及び看板情報位置について詳細に説明する。
図2(a)は、表示装置9に表示される地図データを示している。表示装置9には、例えば自車両を中心に所定の範囲内の地図データ、自車両の現在位置、及び地名などの情報が表示される。本実施形態では、表示装置9には、これらの情報に加えて、道路情報取得部6で取得した看板情報、及び当該看板情報に対応する看板情報位置も表示される(後述する図9参照)。
【0031】
図2(b)は、図2(a)に示す地図データを簡略化して示したものであり、道路R上の各分岐点における看板情報位置を白丸(○)の記号で示している。この図2(b)に示すように、看板情報位置は、車両の進行方向に対応して各分岐点において複数存在している。具体的には、図3に示すように、自車両20が道路R上の分岐点21に対して図示下方から進行する場合、看板情報位置は地点22aとなる。或いは、自車両20が分岐点21に対して図示右方から進行する場合には看板情報位置は地点23aとなり、自車両20が分岐点21に対して図示上方から進行する場合には看板情報位置は地点24aとなる。この看板情報位置は、道路情報取得部6によって、図示しないセンター側からFM多重放送により取得される。換言すると、看板情報が存在する位置を示す看板情報位置は、FM多重放送の放送範囲内、例えば走行中の市街地全体、或いは近隣の地域をも含む数km〜数十kmにわたる広い範囲内で複数取得される。
【0032】
一方、各看板情報位置に対応する道路情報である看板情報は、自車両の現在位置に近いところで取得される。例えば、自車両20が分岐点21に対して図示下方から進行しているとき、地点22aの看板情報位置に対応する道路情報である看板情報は、地点22bにおいて取得される。同様に、地点23aに対応する看板情報は地点23bで取得され、地点24aに対応する看板情報は地点24bにおいて取得される。つまり、地図データ上において看板情報が設けられているとみなされる位置を示す看板情報位置は、その看板情報に対応する分岐点と自車両20の現在位置との間に位置し、その看板情報を取得する看板情報受信位置は、看板情報位置と自車両との間に位置している。
【0033】
看板情報は、自車両20に近い範囲内の渋滞や交通規制などの道路情報を含んでいる。例えば地点22aで受信する看板情報は、分岐点21における渋滞などの道路情報だけでなく、その分岐先の道路情報、及びさらに先の分岐点における道路情報を含んでいる。そのため、多くの道路情報を含んだ看板情報を取得する場合、その受信にはある程度の時間を必要とする。つまり、道路情報取得部6(より厳密にはテレマティック送受信部)が地点22aで看板情報の受信を開始した時点と、当該看板情報を表示装置9へ表示する時点との間には、時間的なずれが生じる。なお、「道路情報取得部6が道路情報の受信に要する時間」とは、受信動作そのものに要する時間だけでなく、制御部2において受信した看板情報を表示装置9に表示するための内部処理時間をも含んだ応答時間であってもよい。
【0034】
さて、道路情報取得部6が道路情報の受信に要する時間をT(秒)とし、自車両の車速をV(メートル/秒)とすると、自車両20は、受信の開始から終了までにT×V(メートル)の距離を走行する。この場合、表示装置9に適切に看板情報を表示するためには、表示対象となる看板情報に対応する看板情報位置の少なくともT×Vメートル以上手前で看板情報を受信することが必要となる。そこで、本実施形態では、表示装置9への表示対象となる看板情報位置と自車両20の現在位置と距離の最小値である下限距離を、T×Vメートル以上に設定している。図3の例では、下限距離は、例えば自車両20の現在位置から地点22aまでの距離、或いは、自車両20の現在位置から地点23aまでの距離や自車両20の現在位置から地点24aまでの距離となる。また、上述した下限距離は、看板情報を受信するための最低限の距離を意味するものであり、T×Vメートル以上であれば、例えばユーザの設定により下限距離を変更する構成であってもよい。
【0035】
次に上述した構成の道路情報表示装置1の作用について説明する。なお、本実施形態では、目的地までの経路を案内する所謂ナビゲーション機能は利用していない。
制御部2は、コンピュータプログラムを実行することにより、道路情報表示装置1の全体を制御する図示しないメイン処理を実行している。この状態で例えば図3の地点22bなどで看板情報を受信すると、制御部2は、図4に示す看板表示処理を実行する。以下、看板表示処理の各ステップについて、個別に説明する。
【0036】
<現在位置の取得:S101>
制御部2は、まず位置取得部3により自車両の現在位置を取得する(S101)。このとき、制御部2は、自車両の進行方向も同時に取得する。自車両の進行方向は、例えば自車両が走行した位置の履歴である走行履歴に基づいて取得する。
【0037】
<看板情報位置の取得:S102>
続いて、制御部2は、表示対象となる看板情報位置を取得する(S102)。制御部2は、道路情報取得部6で取得した広範囲の看板情報位置のうち、図6(a)に示すように、ステップS101で取得した自車両20の現在位置から一定の検索範囲内にある看板情報位置を取得する。つまり、制御部2は、基準位置として、自車両の現在位置を設定している。この場合、制御部2は、自車両20の進行方向(図示上方)を0度とすると、進行方向に対して左側に距離r1、角度θ1の範囲内、進行方向に対して右側に距離r2、角度θ2の検索範囲内にある看板情報位置を取得する。角度θ1及びθ2は、本発明でいう左右方向への上限角度に相当する。本実施形態では、左右方向の検索範囲を同一の領域(r1=r2=3km、且つ、θ1=θ2=90°)に設定しており、制御部2は、自車両の現在位置において進行方向にほぼ半円形の検索範囲内の看板情報位置を取得する。
【0038】
このとき、制御部2は、検索範囲内に存在する複数の看板情報位置のうち、自車両20が進行可能な看板情報位置、すなわち、現在位置と走行する可能性のある分岐点との間に存在する看板情報位置を取得する。これにより、図6(a)の例では、星印(☆)で示すように、検索範囲内に6個の看板情報位置が取得される。
【0039】
続いて、制御部2は、検索範囲内にある複数(6個)の看板情報位置のうち、自車両20の現在位置との距離が短いものから順にさらに3個の看板情報位置を抽出する。つまり、本実施形態では、所定の上限数を3に設定している。これにより、図6(b)に示すように、現在位置からの距離(X1<X2<X3)が最も短い位置にある看板情報位置A、次に短い位置にある看板情報位置B、その次に距離が短い位置にある看板情報位置Cが、表示装置9に表示される看板情報を示す位置として選択される。なお、図6(b)には、表示看板情報位置を黒丸(●)の記号で示している。
【0040】
図7は、自車両20と看板情報位置A、B、C、及び看板情報位置A〜Cに対応する分岐点A1、B1、C1の位置関係を模式的に示している。なお、以下の説明では、看板情報位置Aに対応する看板情報を看板情報Aと称し、看板情報位置Bに対応する看板情報を看板情報Bと称し、看板情報位置Cに対応する看板情報を看板情報Cと称する。なお、便宜的に、看板情報位置Aを「地点A」などと表現する。
【0041】
制御部2は、図7に示すように、自車両20が分岐点A1に向かって走行しているとき、各看板情報A〜Cは、図8に示すような画像情報(簡易図形情報)として取得される。例えば、看板情報Aは、図8(a)に示すように、看板情報位置A(地点A)に対応する分岐点A1から右方の分岐先には看板情報位置B(地点B)が存在し、その分岐先がK方面であり、左方の分岐先には看板情報位置C(地点C)が存在し、その分岐先がM方面であることを示す画像情報(簡易図形情報)している。同様に、看板情報Bは、図8(b)に示すように、看板情報位置B(地点B)に対応する分岐点B1から左方の分岐先がK方面であり、右方の分岐先がL方面であることを示す画像情報として取得される。また、看板情報Cは、図8(c)に示すように、看板情報位置C(地点C)に対応する分岐点C1から左方の分岐先がM方面であり、右方の分岐先がN方面であることを示す画像情報として取得される。
【0042】
<看板情報の表示:S103>
表示対象となる看板情報位置を選択すると、制御部2は、当該看板情報位置に対応する看板情報を表示する(S103)。このとき、制御部2は、図9に示すように、表示装置9の地図画面9aには地図データ(図7参照)を、看板画面9b(本発明でいる表示領域に相当)には、図8(a)〜(c)に示す看板情報30、31、32を表示する。以下、看板情報30を看板情報A、看板情報32を看板情報B、看板情報33を看板情報Cと称する。
【0043】
このとき、制御部2は、まず現在位置に最も近い看板情報位置Aに対応する看板情報Aを看板画面9bの左右方向の中央に配置し、現在位置に対して右前方に位置する看板情報Bを看板画面9bの左右方向の中央より右寄りに配置し、現在位置に対して左前方に位置する看板情報Cを看板画面9bの左右方向の中央より左寄りに配置する。つまり、制御部2は、各看板情報A〜Cを表示装置9に表示するとき、基準位置における自車両の進行方向に対して看板情報A〜Cが左右どちらの方向に位置しているかを識別可能に、すなわち、地図データ上の基準位置に対する看板情報位置A〜Cとの位置関係と表示装置9の看板画面9bに配置する看板情報A〜Cの位置関係とを対応付けて表示する。
【0044】
また、制御部2は、自車両の現在位置との距離に基づいて、現在位置との距離が最も短い看板情報Aの表示サイズを最も大きく表示するとともに、次に距離が短い看板情報Bの表示サイズを看板情報Aより小さく、また、最も距離が遠い看板情報Cの表示サイズを看板情報Bよりも小さく表示する。このとき、制御部2は、看板情報Aを最も手前に表示し、その背面側に看板情報Bを、看板情報Bの背面側に看板情報Cを配置する。さらに、制御部2は、看板情報Aを看板画面9bの最も下方寄りに配置し、看板情報Bを看板情報Aよりやや上方に、看板情報Cを看板情報Bのさらに上方に配置する。これにより、各看板情報A〜Cを表示する表示領域に擬似的な遠近感が生じ、奥行きを持った表示が可能になる。
【0045】
さらに、制御部2は、各看板情報A〜Cに、例えば渋滞や交通規制など看板情報に含まれる情報を重ねて表示する。図9では、地点CからM方面に向かう道路において、渋滞情報30aを表示することにより、地点C方面において渋滞が発生していることが示されている。この場合、渋滞情報や交通規制情報などは、例えば表示線の太さを太くしたり、表示色を変化させたりするなど、表示態様を変化させることにより表示する。
【0046】
さて、図9に示すように複数の看板情報A〜Cを距離順に重ねて表示する場合、ユーザは、看板情報B、Cが存在することは認識できるものの、看板情報B、Cの内容を視認することができない。そこで、制御部2は、ユーザの操作入力に対応して表示切替処理を実行することにより、看板情報A〜Cの表示順を変更する。
【0047】
図5は、表示切替処理を示すフローチャートである。制御部2は、例えば表示装置9の表示画面に設けられているタッチパネルなどの操作入力部5やリモコン16からの操作入力があると、割り込み処理などにより表示切替処理を実行する。制御部2は、例えば図9に示す状態において看板情報Bが表示されている領域をユーザがタッチ操作することにより(S201)、図10(a)に示すように、看板情報Bを最前面に表示することにより表示を切り替える(S202)。このとき、制御部2は、図9では看板情報Aよりやや小さめであった看板情報Bの表示サイズを大きくするようにしてもよい。これにより、ユーザは、看板情報Bの内容を容易に視認することができる。同様に、ユーザが看板情報Cの表示領域をタッチ操作した場合には、図10(b)に示すように、看板情報Cを最前面に表示するようにしてもよい。
【0048】
また、看板情報A〜Cの表示順は、表示装置9の地図画面9aをタッチ操作することによっても変更可能である。例えば、図9において地図画面9aの「B」の部分をタッチ操作することにより、図10(a)に示すように看板情報Bが最前面に表示される。このとき、地図画面9aでは、最前面には看板情報Bが表示されていることを示すために、「B」を反転表示(背景を着色して文字を白抜きする表示)する。なお、反転表示ではなく、文字の表示色やフォントなどの表示態様を変化させてもよい。制御部2は、表示切替処理を終了すると、看板表示処理にリターンする。
【0049】
<看板情報位置の消去:S104>
さて、看板情報の表示が終了すると、制御部2は、図4に示す看板表示処理において、自車両の走行にともなって看板情報を消去する(S104)。ここで、図11(a)に示すように、自車両20が看板情報Aに対応する地点Aを通り過ぎ、分岐点A1の手前に位置している状態を考えてみる。この状態では、自車両の現在位置が看板情報Aを利用する位置すなわち看板情報位置Aよりも手前の道路上ではないことから、看板情報Aは、上述した検索範囲から外れることになる。但し、まだ分岐点A1を通過していないことから、制御部2は、図11(b)に示すように看板情報Aの表示を継続する。これは、看板情報は、分岐点の手前で表示されていることに意味があり、その分岐点を通過するまでは有効な情報であるためである。なお、この状態で上述したステップS101〜103が繰り返された場合には例えば地点Dの看板情報Dが新たな表示候補となっている可能性があるが、その場合であっても制御部2は、分岐点A1を通過するまでは看板情報Aを表示装置9に表示し続ける。
【0050】
一方、自車両20が図12(a)に示すように、分岐点A1を通過した場合には、看板情報Aを消去するとともに、自車両20の進行方向に成り得ない地点Bに対応する看板情報Bも消去する。この状態で上述したステップS101〜103が繰り返された場合には例えば看板情報Dが新たな表示対象となり、制御部2は、図12(b)に示すように、地点Cに対応する看板情報C及び地点Dに対応する看板情報34(看板情報D)を表示装置9に表示する。
【0051】
なお、図12(a)においては、自車両の進行方向に対して左方に地点Cが存在しているが、現在位置から地点Cまでは一本道であるため、図12(b)の地図画面9aに示すように、自車両の進行方向と地点Cとが同一方向であると仮定して、看板情報Cを看板画面9bの中央に、看板情報Dを看板情報Cの右寄りに表示している。このように、地図データの道路形状に対応して看板情報の位置関係を設定することにより、ユーザに混乱を招くことなく看板情報を提示できる。
制御部2は、自車両の走行にともなって、上述した看板表示処理及び表示切替処理を繰り返し実行する。
【0052】
以上に説明した第1実施形態による道路情報表示装置1によれば、次のような効果を得ることができる。
道路情報表示装置1は、地図データ上に自車両の現在位置を基準位置として設定し、基準位置に対する看板情報位置A〜Cの位置関係と対応づけて、看板情報A〜Cを表示装置9の看板画面9bに表示する。例えば、基準位置における自車両の進行方向に対して右側に位置する看板情報Bは看板画面9bの右寄りに配置し、左側に位置する看板情報Cは看板画面9bの左寄りに配置する。これにより、看板情報B、Cが現在の進行方向に対して左右のどちら側に位置しているかを直感的に把握することが可能になる。したがって、ユーザは、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる。
【0053】
このとき、道路情報表示装置1は、基準位置と看板情報位置との距離が近いほど看板画面9bに表示する看板情報の表示サイズを大きくし、且つ、看板画面9bの中央より下方寄りに表示する。これにより、看板情報を表示したときに擬似的に立体的や遠近感が生じ、看板情報の位置関係を直感的且つ容易に把握することができる。
道路情報表示装置1は、自車両の進行方向における左右方向において90°の範囲内に位置する看板情報を表示する。このため、車両の進行方向以外の看板情報は表示対象から除外される。したがって、不必要な看板情報が表示されることが無く、ユーザに混乱を生じさせることがない。
【0054】
この場合、道路情報表示装置1は、基準位置からの距離が下限距離から上限距離(r1、r2)の範囲内にある看板情報を表示する。これにより、現在の走行に必要となる現在位置近傍の看板情報のみが表示されるので、情報の過度な提供を抑制することができ、ユーザは、必要な看板情報を素早く認識することができる。
道路情報表示装置1は、看板情報を、基準位置からの距離が短いものから順に所定の上限数(本実施形態では3個)まで表示する。このように走行中の道路において直近に遭遇する分岐点、およびその周辺の看板情報を表示することにより、利用価値が高く有益な情報をユーザに提供することができる。
【0055】
道路情報表示装置1は、下限距離をT×Vメートル以上に設定している。これにより、受信が完了する前に通過してしまう看板情報が表示対象外になるので、無意味な情報がユーザに提供されることがない。
道路情報表示装置1は、複数の看板情報を表示しているときに操作入力部5からの操作入力を受け付けると、最前面に表示する看板情報を変更する。看板情報は、例えば図8(a)〜(c)に示したように、看板情報Aで示される分岐先の地名(K方面、M方面)と、K方面に位置する看板情報Bで示される分岐先の地名(K方面、L方面)とが異なることがある。その場合でも、表示を変更することにより、ユーザが希望する看板情報を適切に提供することができるとともに、ユーザの利便性が向上する。
【0056】
道路情報表示装置1は、表示装置9に看板情報と地図データとを同時に表示する。これにより、分岐先の情報と看板情報とを同時に把握することができる。また、地図画面9a及び看板画面9bのどちらでも操作入力を受け付け可能にしているので、ユーザの利便性がさらに向上する。
道路情報表示装置1は、看板情報に対応する分岐点を通過したときに看板情報を表示装置9の画面から消去する。これにより、看板情報を必要としている区間すなわち分岐点の手前までの区間では、看板情報の表示が維持される。したがって、表示が突然切り替わることによりユーザが混乱するおそれを低減することができる。
【0057】
道路情報表示装置1をナビゲーション装置と一体に構成し、ナビゲーション装置が有する制御部2、位置取得部3や地図データ記憶部4aなどを共用しているので、新たなコストを追加することなく、道路情報を表示することができる。
【0058】
(第1実施形態の変形例)
本発明の第1実施形態の変形例による道路情報表示装置を図13及び図14に基づいて説明する。第1実施形態の変形例では、看板情報の表示の態様が第1実施形態と異なっている。なお、道路情報表示装置の構成は、第1実施形態と同一である。
【0059】
道路情報表示装置1の制御部2は、看板情報を取得すると、図13に示すように、取得した看板情報A〜Cを表示装置9に表示する。このとき、制御部2は、例えばRAMなどに設けた看板情報記憶領域40に各看板情報A〜Cを記憶し、表示装置9の看板画面9bには、個別の看板情報(図13では看板情報A)を表示する。また、制御部2は、看板画面9bの上部及び下部に、表示対象となる看板情報を切り替えるカーソル41a、41bを表示する。このとき、図13に示すように、カーソル41aを例えば色つきで表示し、カーソル41bには色づけをしないことにより、他の看板情報(B、C)が記憶されていることをユーザに報知する。
【0060】
ユーザは、このカーソル41a又は41bを操作することにより、所望の看板情報を看板画面9bに表示させる。つまり、操作入力部5は、本発明でいう表示領域切替手段に相当する。このとき、制御部2は、地図画面9aに表示枠9cを表示するとともに、ユーザの操作入力に応じて表示枠9cを移動させる。これにより、ユーザは、看板画面9bに表示されている看板情報Aが地図データ上のどの位置に相当するのかを容易に把握することができる。このとき、第1実施形態と同様に、看板情報A〜Cの表示サイズ及び表示位置を、距離や角度に応じて変化させて記憶領域40に記憶させておき、その表示サイズ及び表示位置を保ったまま表示装置9に表示するようにしてもよい。
【0061】
また、図14(a)に示すように、受信可能な範囲にある看板情報を記憶領域に多数記憶しておき、図14(b)に示すように、看板画面9bにカーソル42を表示するようにしてもよい。この場合、ユーザは、カーソル42を操作することにより、記憶領域内の任意の位置における看板情報を表示することができる。このとき、任意の位置において、図9に示すように複数の看板情報を重ねて表示するようにしてもよい。
【0062】
このように、第1実施形態の変形例による道路情報表示装置1では、操作入力部5により看板画面9bの表示を切り替え可能にしているので、地図データ上の任意の位置の看板情報、すなわちユーザが希望する看板情報を提供することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0063】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による道路情報表示装置を図15及び図16に基づいて説明する。第2実施形態では、看板情報を切り替え表示するときの自車両の進行方向の対応付けが第1実施形態と異なっている。なお、道路情報表示装置の構成及び看板情報の取得方法などは、第1実施形態と同一である。
【0064】
図15は、自車両20、分岐点A1、B1、C1、看板情報A、B、Cの位置関係を模式的に示している。この図15では、自車両20の現在位置における進行方向(図示上方)と、看板情報Bに正対したときの自車両20の進行方向(図示右方向)とが、第1実施形態(図7参照)と異なっている。
【0065】
制御部2は、図15に示す位置関係の看板情報Bを取得した場合、表示装置9に、図16(a)に示すように「地点B K方面 L方面」の文字列を看板情報Bの右端側に表示する。すなわち、自車両20の進行方向と看板情報を識別するための文字列の配置とを対応付けて、文字列が進行方向に正対するように表示する。この場合、第1実施形態と同様に、看板情報Bを選択すれば、図16(b)に示すように看板情報Bが看板画面9bの最前面に表示される。このとき、地図画面9aにおいては、自車両20の位置を仮想的に看板情報Bに正対する位置に表示するとよい。これにより、ユーザに、自車両20の進行方向が変わることを確実に認識させることができる。
【0066】
このように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に看板情報を適切なタイミングで表示することができるとともに、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる。特に、第2実施形態では、分岐先における進行方向と現在の進行方向とが変化する場合であっても、その旨をユーザに確実に認識させることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0067】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による道路情報表示装置を図17及び図18に基づいて説明する。第3実施形態では、ユーザが任意の看板情報を選択することにより表示を切り替えた場合、選択された看板情報を新たな基準位置として設定し、その基準位置に基づいて新たな看板情報を表示する点が第1実施形態と異なっている。なお、道路情報表示装置の構成は、第1実施形態と同一である。また、看板情報の取得方法も第1実施形態と同様である。
【0068】
図17は、看板情報A、B、C、D、E、F、G、Hの位置関係を模式的に示している。自車両が表示領域A内を走行しているとき、制御部2は、図18(a)に示すように、看板情報A〜Cを表示装置9の看板画面9bに表示する。この状態において、ユーザが例えば看板情報Bを選択した場合、制御部2は、図18(b)に示すように、看板情報Bの位置を新たな基準位置に設定し、この基準位置を元に、所定の検索範囲内にある看板情報34(看板情報E)及び看板情報35(看板情報F)を看板画面9bに表示する。この場合、看板画面9bの表示範囲は、図17の表示領域Bとなる。同様に、ユーザが看板情報Cを選択した場合には、制御部2は、看板情報Cの位置を新たな基準位置に設定し、この基準位置を元に、所定の検索範囲内にある看板情報H、G(図17の表示領域Cを参照)を表示する。この場合、地図画面9aでは進行方向を図示上方としたが、看板情報に正対したときの進行方向が変化する場合には、第2実施形態のように看板情報の文字列と自車両の進行方向とを正対させて表示してもよい。
【0069】
このように、制御部2は、記憶領域に記憶している看板情報(既に受信している看板情報)を上限として、表示の切り替えを繰り返す。これにより、表示装置9に表示されている看板情報を選択し、その選択された看板情報を新たな基準位置に設定することにより、例えば地点A→地点B→地点Fのようにそれぞれの看板情報を基点として広範囲にわたる看板情報を表示することができる。したがって、ユーザは目的とする場所までの道路情報を確認でき、利便性が向上する。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
各実施形態に示した数値は一例であり、これに限定されない。
各実施形態では、自車両の現在位置又は選択された看板情報の位置を基準位置としたが、図19に示すように自車両が走行している道路において、直近の看板位置を基準位置として設定してもよい。例えば、高速道路などを走行している場合、道路の分岐点(例えばインターチェンジなど)が遠方にあるとき、並行して設置されている側道などの分岐点が現在位置に対する検索範囲内の看板情報として表示されるおそれがある。その場合、所定の基準位置を自車両が走行している道路上において現在位置から最も距離の短い看板情報とすることにより、的確な看板情報を表示することができる。
【0071】
また、基準位置と看板情報位置との距離を2点間の直線距離としたが、地図データに基づいて、基準位置から看板情報位置までの移動に要する距離である経路距離を基準としてもよい。例えば、図20に示すように、検索範囲内に看板情報A〜Dが存在し、その直線距離がX10<X11<X12<X13の関係にある場合であっても、経路距離の短い方から例えば3個までの看板情報A、B、Cを抽出して表示装置9に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザが利用する可能性の高い、適切な看板情報を表示することができる。
図9などでは、地図データ(図2参照)を簡略化した模式的な地図を地図画面9aに表示したが、図21に示すように地図データを部分的に切り出して地図画面9aに表示するようにしてもよい。
【0072】
表示切替処理において、例えば図9の渋滞情報30aをタッチ操作すると、より詳細な渋滞情報を例えばポップアップ表示するようにしてもよい。
下限距離及び上限距離を、走行中の道路の利用頻度に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、よく利用する道路であれば、遠方の看板情報を使用することが少ないと考えられるため、上限距離を短くしてもよく、初めて利用する道路であれば、分岐先の地名などを表示するために上限距離を長くすることなどが考えられる。また、受信した看板情報位置の密度(検索範囲内の看板情報位置の数の分布)に応じて、密度が高い場合には上限距離を短く、密度が低い場合には上限距離を長くするようにしてもよい。さらに、車速に応じて、車速が遅い場合には上限距離を短くすることも考えられる。
【0073】
上限角度を90°としたが、例えば車速に応じて変化させるようにしてもよい。この場合、速度が速い場合には上限角度を小さくするなど、適宜設定すればよい。
図6(a)に示すように検索範囲を同じ(r1=r2=3km、且つ、θ1=θ2=90°)に設定したが、例えば地図データや受信した看板情報位置に基づいて、左右で検索範囲の大きさを変化させてもよい。例えば、自車両が走行中の道路の左側に大きな河川が存在しているときなど、分岐点(看板情報位置)が存在しない領域がある場合には、その領域を検索範囲に含める意味がないため、左側の検索範囲を狭く設定するようにしてもよい。
【0074】
看板情報として図8(a)〜(c)に示す簡易図形を示したが、看板情報の種類はこれに限定されない。例えば分岐先までの所要時間や交通規制情報などを簡易図形にて表示するようにしてもよい。
表示装置9に表示する看板情報の上限数を3に設定したが、これに限定されない。例えば表示装置9の画面サイズや解像度などに応じて変化させてもよく、画面サイズが大きい場合あるいは解像度が高い場合には、上限数を増加させてもよい。
【0075】
現在時刻を取得する時刻取得手段及び看板情報を取得した看板情報取得時刻を記憶する記憶手段を設け、同一の看板情報位置に対応する看板情報に対して、現在時刻と記憶手段に記憶した看板情報取得時刻との時間差が所定の更新時間以内であれば、新たな看板情報の取得を行わないようにしてもよい。これにより、処理を簡略化することができ、負荷を低減することができる。この場合、記憶手段に記憶した看板情報を表示することにより、新たな看板情報の取得を行わなかった場合でも、最新の道路情報をユーザに提供することができる。
【0076】
各実施形態では目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を使用しない状況について説明したが、ナビゲーション機能を使用する場合には、例えば経路上の分岐点における分岐先の名所、観光案内、イベントなどの行楽情報を受信して看板情報として表示するようにしてもよい。勿論、ナビゲーション機能を使用しているときでも、各実施形態のように道路情報である看板情報を表示するようにしてもよい。
【0077】
車載用機器であるナビゲーション装置と共用する例を示したが、これに限定されない。本発明は、例えばGPS機能を備えた携帯電話機、携帯用GPS端末機、携帯用ゲーム機など、現在位置取得手段と外部との通信手段を備えている機器に適用することができる。
外部との通信方式は、各実施形態に限定されない。例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、あるいはGSM(Global System for Mobile Communications)など、他の通信方式を採用する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0078】
図面中、1は道路情報表示装置、2は制御部(制御手段、時刻取得手段、記憶手段)、3は位置取得部(車両位置取得手段、車速取得手段)、4aは地図データ記憶部(地図データ記憶手段)、5は操作入力部(表示領域切替手段、選択手段)、6は道路情報取得部(道路情報取得手段)、8は外部メモリ(記憶手段)、9は表示装置(表示手段)、30、31、32、33、34、35は看板情報、A1、B1、C1は分岐点を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から取得した道路情報を表示可能な表示手段を備えた道路情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば渋滞や交通規制などの交通情報を外部から受信し、その道路情報を表示部に表示するものが知られている。例えば、特許文献1には、VICS(Vehicle Information and Communication System。(登録商標))受信機により道路情報としてのVICS情報を受信し、そのVICS情報に含まれる複数の簡易図形情報(VICSレベル2に相当する情報)の表示手段への表示順を設定することができるナビゲーション装置が開示されている。このような道路情報には、走行中の道路上に存在する分岐点(交差点)の分岐先の情報(行き先の地名や建物の名称など)を、簡易的な図形により所謂案内標識のように表示するための簡易図形情報が含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−292570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の場合、ある分岐点に近づいたときにその分岐点に対する簡易図形情報(以下、看板情報と称する)を表示するようになっている。しかしながら、そのような構成では、例えば市街地のように分岐点の数が多い場合、すなわち、分岐点間の距離が短く連続している場合、行き先の地名などの表示が代わることがあり、次に進むべき方向を把握しづらいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる道路情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した道路情報表示装置によれば、道路情報取得手段で取得した看板情報及びその看板情報の位置を示す看板情報位置を表示手段に表示する際に、制御手段は、地図データ上に所定の基準位置を設定し、当該基準位置に対する看板情報位置の位置関係と、前記表示手段の表示領域に表示される前記看板情報の位置関係とを対応付けて表示する。例えば、制御手段は、当該看板情報位置が基準位置における自車両の進行方向に対して左側に位置しているときには、表示手段の表示領域の中心より左寄りに当該看板情報を配置し、当該看板情報位置が自車両の進行方向に対して右側に位置しているときには、当該看板情報を表示領域の右寄りに配置する。これにより、看板情報が進行方向に対して左右のどちら側に位置しているか、すなわち、基準位置と看板情報との位置関係を直感的に把握することが可能になり、ユーザは、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる。
【0007】
請求項2に記載した道路情報表示装置によれば、基準位置と看板情報位置との距離に基づいて、距離が短いほど表示領域における看板情報の表示サイズを大きく、且つ、表示領域の中央より下方寄りに表示する。これにより、看板情報を表示手段に表示したときに擬似的に立体感や遠近感が生じ、ユーザは、看板情報の位置関係を容易に把握することができる。
【0008】
請求項3に記載した道路情報表示装置によれば、自車両の進行方向に対する左右方向において所定の上限角度以下の範囲内に位置する看板情報を表示する。これにより、車両の進行方向以外の看板情報を表示の対象から除外することができ、進行方向とは逆方向の看板情報は表示されないことから、ユーザに混乱を招くことがない。
【0009】
請求項4に記載した道路情報表示装置によれば、基準位置からの距離が所定の範囲内にある看板情報を表示する。これにより、過度の情報提供が抑制され、ユーザは、必要な看板情報を容易且つ素早く確認することができる。
【0010】
請求項5に記載した道路情報表示装置によれば、道路情報の受信に要する時間をT秒とし、自車両の車速をVメートル毎秒とすると、下限距離をT×Vメートル以上に設定する。これにより、受信が完了する前に通過してしまう看板情報を表示対象外にするので、無意味な情報をユーザに提供することがない。
【0011】
請求項6に記載した道路情報表示装置によれば、看板情報を、基準位置からの距離が短いものから順に所定の上限数まで表示する。ユーザは、通常、自身が走行している道路の分岐先などを知りたいと思うことが多い。そのため、走行中の道路の分岐点に関する看板情報を近いものから表示することにより、利用価値が高く有益な情報を提供することができる。
【0012】
請求項7に記載した道路情報表示装置によれば、表示領域切替手段により表示領域を切り替え可能に構成している。これにより、地図データ上の任意の位置の看板情報を表示することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
請求項8に記載した道路情報表示装置によれば、例えば市街地など、比較的分岐点が密集している地域においては、所定の基準位置として自車両の現在位置を設定することにより、ユーザに対して利用価値の高い看板情報を提供することができる。一方、高速道路などを走行している場合には、道路の分岐点(例えばインターチェンジなど)が遠方にある場合、高速道路に並行する側道の分岐点など、現在位置に近いものの利用価値が低い看板情報として表示されるおそれがある。その場合、所定の基準位置を自車両が走行している道路上において現在位置から最も距離の短い看板情報とすることにより、適切な看板情報を表示することができる。
【0014】
請求項9に記載した道路情報表示装置によれば、基準位置から看板情報位置までの距離として、地図データにおいて基準位置から看板情報位置までの移動に要する距離である経路距離を設定する。これにより、例えば一方通行などの道路規制がある道路や立体交差点等で直線距離は短いが経路距離が長い看板情報を除外することができ、より適切な看板情報を提供することができる。
【0015】
請求項10に記載した道路情報表示装置によれば、表示手段に複数の看板情報が表示されている場合、基準位置としてユーザが選択した看板情報位置を設定することが可能になる。これにより、選択した看板情報位置の更に先に位置する看板情報を順次表示することが可能になり、目的とする場所に至るまでの看板情報を確認することができる。
【0016】
この場合、請求項11に記載した道路情報表示装置のように、表示手段に看板情報と地図データとを同時に表示すれば、分岐先の情報と看板情報とを同時に把握することができる。その際、看板情報表示領域及び地図データ表示領域の何れにおいても選択操作を可能にすることにより、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
請求項12に記載した道路情報表示装置によれば、現在時刻と、同一地点における看板情報を前回取得した時刻との時間差が、例えばセンター側において看板情報を更新するタイミングである更新時間以内であれば、新たな看板情報の取得を行わない。これにより、受信処理及び表示処理の簡略化と負荷の低減とを実現することができる。
【0018】
この場合、請求項13に記載した道路情報表示装置のように、記憶手段に記憶されている看板情報を表示することにより、新たな看板情報の取得を行わなかった場合でも、最新の道路情報をユーザに提供することができる。
【0019】
請求項14に記載した道路情報表示装置によれば、看板情報に対応する看板情報位置を通過してから所定の消去時間が経過したとき、看板情報位置を通過してから所定の消去距離を走行したとき、或いは、看板情報に対応する分岐点を通過したときの何れかに看板情報を消去するので、看板情報位置を通過したとしても看板情報を必要としている期間は看板情報の表示が維持される。したがって、表示が突然切り替わることによりユーザが混乱するおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による道路情報表示装置の機能ブロック図
【図2】表示装置の画面表示例を示す図で、(a)は地図データの表示例を示す図、(b)は地図データを模式的に示した表示例を示す図
【図3】図2のIII領域の拡大図
【図4】看板表示処理を示すフローチャート
【図5】表示切替処理を示すフローチャート
【図6】看板情報位置を示す図で、(a)は検索範囲内の看板情報位置を示す図、(b)は表示対象となる看板情報位置を示す図
【図7】自車両、看板情報、分岐点及び分岐先の位置関係を模式的に示す図
【図8】看板情報を模式的に示す図で、(a)は看板情報Aを示す図、(b)は看板情報Bを示す図、(c)は看板情報Cを示す図
【図9】表示装置における看板情報の表示例を示す図
【図10】看板情報の表示例を示す図で、(a)は看板情報Bを選択したときの表示画面を示す図、(b)は看板情報Cを選択したときの表示画面を示す図
【図11】看板情報を消去する手順を示す図(その1)で、(a)は模式的な自車両と看板情報との位置関係を示す図、(b)は画面表示例を示す図
【図12】看板情報を消去する手順を示す図(その2)で、(a)は模式的な自車両と看板情報との位置関係を示す図、(b)は画面表示例を示す図
【図13】本発明の第1実施形態の変形例による画面表示例を示す図(その1)
【図14】本発明の第1実施形態の変形例による画面表示例を示す図(その2)で、(a)は図2(b)相当図、(b)は図9相当図
【図15】本発明の第2実施形態による図7相当図
【図16】画面表示例を示す図で、(a)は図9相当図、(b)は図10(a)相当図
【図17】本発明の第2実施形態による図7相当図
【図18】表示画面例を示す図で、(a)は図9相当図、(b)は図10(b)相当図
【図19】その他の実施形態による図7相当図(その1)
【図20】その他の実施形態による図7相当図(その2)
【図21】その他の実施形態による図9相当図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による道路情報表示装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による道路情報表示装置を図1から図12を参照して説明する。図1は道路情報表示装置の全体構成を機能ブロック図により示している。道路情報表示装置1は、制御部2(本発明でいう制御手段、時刻取得手段、記憶手段)、位置取得部3(本発明でいう車両位置取得手段、車速取得手段)、地図データ入力部4、地図データ記憶部4a(本発明でいう地図データ記憶手段)、操作入力部5(本発明でいう選択手段)、道路情報取得部6(本発明でいう道路情報取得手段)、通信装置7、外部メモリ8(本発明でいう記憶手段)、表示装置9(本発明でいう表示手段)、音声コントローラ10、音声認識部11、リモコンセンサ12及び車載LAN接続部13を備えて構成されている。
【0023】
制御部2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバスを備えたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部2は、例えばROMなどに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、道路情報表示装置1の全体の作動を制御する。位置取得部3は、車速センサ3a、ジャイロスコープ3b、距離センサ3c及びGPS受信機3d等を備えて構成され、これらの各構成要素は互いに性質の異なる検出誤差を有している。制御部2は、これら各構成要素から入力した検出信号を互いに補完して自車両の現在位置及び車速を取得する。この場合、位置取得部3は、要求される検出精度で自車両の現在位置を検出可能であれば、これら全ての構成要素を備える必要はなく、又、ステアリングの舵角を検出するステアリングセンサや各車輪の回転を検出する車輪センサ等が組み合わされて構成されていてもよい。
【0024】
地図データ入力部4は、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード又はHDD等の記録媒体で構成される地図データ記憶部4aに接続され、地図データ記憶部4aに記憶されている地図データや、所謂ナビゲーション機能用のマップマッチング用データ等を制御部2に入力する。操作入力部5は、表示装置9の周辺に配置されているメカニカルキーや表示装置9の表示画面上に形成されるタッチパネルから構成され、例えばユーザが何らかの操作(例えばメニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、表示画面変更及び音量調整等)を行った旨を検出すると、操作検出信号を制御部2に出力する。
【0025】
道路情報取得部6は、FM多重方法受信部、テレマティック送受信部、ビーコン受信部を有している。道路情報取得部6は、図示しないセンター側から道路情報を取得する。FM多重放送受信部は、FM多重放送での放送エリア内において送信される広域の道路情報を取得する。テレマティック送受信部は、携帯電話と同様の例えばCDMA(Code Division Multiple Access)方式の通信により、道路上の所定の位置において近傍の道路情報を取得する。ビーコン受信部は、道路に設けられている図示しないビーコン送信機から自車両の現在位置に比較的近い範囲内の道路情報を取得する。この道路情報には、詳細は後述するが、交差点などの分岐点及びその分岐点における分岐先の情報を示す所謂案内標識のような簡易図形情報である看板情報、分岐先の地名で示される位置に至るまでの経路における渋滞情報、交通規制情報、所要時間を示す情報、工事情報などの複数の情報が含まれている。また、道路情報としては、看板情報の地図データ上の座標に対応する位置を示す看板情報位置も含まれる。なお、必ずしもFM多重方法受信部、テレマティック送受信部及びビーコン受信部の全てを備えた構成でなくてもよく、例えばFM多重方法受信部及びテレマティック送受信部で道路情報取得部6を構成してもよい。
【0026】
外部メモリ8は、HDDやメモリカード等の記憶媒体から構成され、画像データや音楽データなどの保存や呼び出しをするために設けられている。外部メモリ8は、道路情報表示装置1から着脱可能に設けられている。表示装置9は、例えばカラー液晶ディスプレイ装置から構成され、メニュー選択画面、目的地設定画面、経路案内画面等の各種の表示画面を表示するとともに、自車両の現在位置を表す現在位置マークや走行軌跡等を地図データの地図上に重ねて表示する。また、表示装置9は、道路情報取得部6で取得した道路情報も表示する。なお、表示装置9は、有機ELやプラズマディスプレイ装置等から構成されていてもよい。なお、上述したように、表示装置9の表示画面上には、ユーザの操作入力を受付可能なタッチパネルが形成されている。
【0027】
音声コントローラ10は、例えば警告音や経路案内の案内音声等をスピーカ14から出力させる。音声認識部11は、制御部2により動作が制御され、起動状態ではマイク15(本発明でいう音声入力手段)から入力した音声を音声認識アルゴリズムにしたがって音声認識可能な状態となる。リモコンセンサ12は、リモコン16から送信された操作検出信号を受信すると、その受信した操作検出信号を制御部2に出力する。ユーザは、リモコン16を操作することにより、上述した音声コマンドと同様に、道路情報表示装置1に対する各種の操作信号を入力することができる。
【0028】
車載LAN接続部13は、車載LAN17との間のインタフェース機能を有している。車載LAN17は、専用の通信方式で構成してもよく、USBやBluetooth(登録商標)、あるいは所謂車載LANの規格であるCANやFlexRay(登録商標)などの通信方式で構成するようにしてもよい。車載LAN接続部13は、例えば図示しない車速センサ(図示せず)から出力された車速パルスに応じた車速信号やACC(アクセサリ)スイッチから出力されたACC信号などが入力され、それらの信号を制御部2に出力する。また、車載LAN接続部13は、制御部2から車載LAN側へデータを出力する。なお、車載LAN17経由で車速及び走行距離を取得することが可能な場合、位置取得部3には車速センサ3aや距離センサ3cなどを必ずしも設ける必要はない。
【0029】
また、制御部2は、地図データを利用して自車両の現在位置が存在する道路を特定するマップマッチング機能、自車両の現在位置からユーザにより設定された目的地までの経路を探索する経路探索機能、経路探索部により探索された経路及び地図データに含まれている道路データや交差点の位置データ等に基づいて目的地までの経路を案内する経路案内機能、自車両の現在位置周辺の地図や交差点付近の拡大図等を描画する描画機能等、ナビゲーション機能に必要な処理を実行する。つまり、道路情報表示装置1は、所謂ナビゲーション装置と一体に構成されており、その機能は、制御部2によりソフトウェア的に実現されている。
【0030】
次に上述した看板情報及び看板情報位置について詳細に説明する。
図2(a)は、表示装置9に表示される地図データを示している。表示装置9には、例えば自車両を中心に所定の範囲内の地図データ、自車両の現在位置、及び地名などの情報が表示される。本実施形態では、表示装置9には、これらの情報に加えて、道路情報取得部6で取得した看板情報、及び当該看板情報に対応する看板情報位置も表示される(後述する図9参照)。
【0031】
図2(b)は、図2(a)に示す地図データを簡略化して示したものであり、道路R上の各分岐点における看板情報位置を白丸(○)の記号で示している。この図2(b)に示すように、看板情報位置は、車両の進行方向に対応して各分岐点において複数存在している。具体的には、図3に示すように、自車両20が道路R上の分岐点21に対して図示下方から進行する場合、看板情報位置は地点22aとなる。或いは、自車両20が分岐点21に対して図示右方から進行する場合には看板情報位置は地点23aとなり、自車両20が分岐点21に対して図示上方から進行する場合には看板情報位置は地点24aとなる。この看板情報位置は、道路情報取得部6によって、図示しないセンター側からFM多重放送により取得される。換言すると、看板情報が存在する位置を示す看板情報位置は、FM多重放送の放送範囲内、例えば走行中の市街地全体、或いは近隣の地域をも含む数km〜数十kmにわたる広い範囲内で複数取得される。
【0032】
一方、各看板情報位置に対応する道路情報である看板情報は、自車両の現在位置に近いところで取得される。例えば、自車両20が分岐点21に対して図示下方から進行しているとき、地点22aの看板情報位置に対応する道路情報である看板情報は、地点22bにおいて取得される。同様に、地点23aに対応する看板情報は地点23bで取得され、地点24aに対応する看板情報は地点24bにおいて取得される。つまり、地図データ上において看板情報が設けられているとみなされる位置を示す看板情報位置は、その看板情報に対応する分岐点と自車両20の現在位置との間に位置し、その看板情報を取得する看板情報受信位置は、看板情報位置と自車両との間に位置している。
【0033】
看板情報は、自車両20に近い範囲内の渋滞や交通規制などの道路情報を含んでいる。例えば地点22aで受信する看板情報は、分岐点21における渋滞などの道路情報だけでなく、その分岐先の道路情報、及びさらに先の分岐点における道路情報を含んでいる。そのため、多くの道路情報を含んだ看板情報を取得する場合、その受信にはある程度の時間を必要とする。つまり、道路情報取得部6(より厳密にはテレマティック送受信部)が地点22aで看板情報の受信を開始した時点と、当該看板情報を表示装置9へ表示する時点との間には、時間的なずれが生じる。なお、「道路情報取得部6が道路情報の受信に要する時間」とは、受信動作そのものに要する時間だけでなく、制御部2において受信した看板情報を表示装置9に表示するための内部処理時間をも含んだ応答時間であってもよい。
【0034】
さて、道路情報取得部6が道路情報の受信に要する時間をT(秒)とし、自車両の車速をV(メートル/秒)とすると、自車両20は、受信の開始から終了までにT×V(メートル)の距離を走行する。この場合、表示装置9に適切に看板情報を表示するためには、表示対象となる看板情報に対応する看板情報位置の少なくともT×Vメートル以上手前で看板情報を受信することが必要となる。そこで、本実施形態では、表示装置9への表示対象となる看板情報位置と自車両20の現在位置と距離の最小値である下限距離を、T×Vメートル以上に設定している。図3の例では、下限距離は、例えば自車両20の現在位置から地点22aまでの距離、或いは、自車両20の現在位置から地点23aまでの距離や自車両20の現在位置から地点24aまでの距離となる。また、上述した下限距離は、看板情報を受信するための最低限の距離を意味するものであり、T×Vメートル以上であれば、例えばユーザの設定により下限距離を変更する構成であってもよい。
【0035】
次に上述した構成の道路情報表示装置1の作用について説明する。なお、本実施形態では、目的地までの経路を案内する所謂ナビゲーション機能は利用していない。
制御部2は、コンピュータプログラムを実行することにより、道路情報表示装置1の全体を制御する図示しないメイン処理を実行している。この状態で例えば図3の地点22bなどで看板情報を受信すると、制御部2は、図4に示す看板表示処理を実行する。以下、看板表示処理の各ステップについて、個別に説明する。
【0036】
<現在位置の取得:S101>
制御部2は、まず位置取得部3により自車両の現在位置を取得する(S101)。このとき、制御部2は、自車両の進行方向も同時に取得する。自車両の進行方向は、例えば自車両が走行した位置の履歴である走行履歴に基づいて取得する。
【0037】
<看板情報位置の取得:S102>
続いて、制御部2は、表示対象となる看板情報位置を取得する(S102)。制御部2は、道路情報取得部6で取得した広範囲の看板情報位置のうち、図6(a)に示すように、ステップS101で取得した自車両20の現在位置から一定の検索範囲内にある看板情報位置を取得する。つまり、制御部2は、基準位置として、自車両の現在位置を設定している。この場合、制御部2は、自車両20の進行方向(図示上方)を0度とすると、進行方向に対して左側に距離r1、角度θ1の範囲内、進行方向に対して右側に距離r2、角度θ2の検索範囲内にある看板情報位置を取得する。角度θ1及びθ2は、本発明でいう左右方向への上限角度に相当する。本実施形態では、左右方向の検索範囲を同一の領域(r1=r2=3km、且つ、θ1=θ2=90°)に設定しており、制御部2は、自車両の現在位置において進行方向にほぼ半円形の検索範囲内の看板情報位置を取得する。
【0038】
このとき、制御部2は、検索範囲内に存在する複数の看板情報位置のうち、自車両20が進行可能な看板情報位置、すなわち、現在位置と走行する可能性のある分岐点との間に存在する看板情報位置を取得する。これにより、図6(a)の例では、星印(☆)で示すように、検索範囲内に6個の看板情報位置が取得される。
【0039】
続いて、制御部2は、検索範囲内にある複数(6個)の看板情報位置のうち、自車両20の現在位置との距離が短いものから順にさらに3個の看板情報位置を抽出する。つまり、本実施形態では、所定の上限数を3に設定している。これにより、図6(b)に示すように、現在位置からの距離(X1<X2<X3)が最も短い位置にある看板情報位置A、次に短い位置にある看板情報位置B、その次に距離が短い位置にある看板情報位置Cが、表示装置9に表示される看板情報を示す位置として選択される。なお、図6(b)には、表示看板情報位置を黒丸(●)の記号で示している。
【0040】
図7は、自車両20と看板情報位置A、B、C、及び看板情報位置A〜Cに対応する分岐点A1、B1、C1の位置関係を模式的に示している。なお、以下の説明では、看板情報位置Aに対応する看板情報を看板情報Aと称し、看板情報位置Bに対応する看板情報を看板情報Bと称し、看板情報位置Cに対応する看板情報を看板情報Cと称する。なお、便宜的に、看板情報位置Aを「地点A」などと表現する。
【0041】
制御部2は、図7に示すように、自車両20が分岐点A1に向かって走行しているとき、各看板情報A〜Cは、図8に示すような画像情報(簡易図形情報)として取得される。例えば、看板情報Aは、図8(a)に示すように、看板情報位置A(地点A)に対応する分岐点A1から右方の分岐先には看板情報位置B(地点B)が存在し、その分岐先がK方面であり、左方の分岐先には看板情報位置C(地点C)が存在し、その分岐先がM方面であることを示す画像情報(簡易図形情報)している。同様に、看板情報Bは、図8(b)に示すように、看板情報位置B(地点B)に対応する分岐点B1から左方の分岐先がK方面であり、右方の分岐先がL方面であることを示す画像情報として取得される。また、看板情報Cは、図8(c)に示すように、看板情報位置C(地点C)に対応する分岐点C1から左方の分岐先がM方面であり、右方の分岐先がN方面であることを示す画像情報として取得される。
【0042】
<看板情報の表示:S103>
表示対象となる看板情報位置を選択すると、制御部2は、当該看板情報位置に対応する看板情報を表示する(S103)。このとき、制御部2は、図9に示すように、表示装置9の地図画面9aには地図データ(図7参照)を、看板画面9b(本発明でいる表示領域に相当)には、図8(a)〜(c)に示す看板情報30、31、32を表示する。以下、看板情報30を看板情報A、看板情報32を看板情報B、看板情報33を看板情報Cと称する。
【0043】
このとき、制御部2は、まず現在位置に最も近い看板情報位置Aに対応する看板情報Aを看板画面9bの左右方向の中央に配置し、現在位置に対して右前方に位置する看板情報Bを看板画面9bの左右方向の中央より右寄りに配置し、現在位置に対して左前方に位置する看板情報Cを看板画面9bの左右方向の中央より左寄りに配置する。つまり、制御部2は、各看板情報A〜Cを表示装置9に表示するとき、基準位置における自車両の進行方向に対して看板情報A〜Cが左右どちらの方向に位置しているかを識別可能に、すなわち、地図データ上の基準位置に対する看板情報位置A〜Cとの位置関係と表示装置9の看板画面9bに配置する看板情報A〜Cの位置関係とを対応付けて表示する。
【0044】
また、制御部2は、自車両の現在位置との距離に基づいて、現在位置との距離が最も短い看板情報Aの表示サイズを最も大きく表示するとともに、次に距離が短い看板情報Bの表示サイズを看板情報Aより小さく、また、最も距離が遠い看板情報Cの表示サイズを看板情報Bよりも小さく表示する。このとき、制御部2は、看板情報Aを最も手前に表示し、その背面側に看板情報Bを、看板情報Bの背面側に看板情報Cを配置する。さらに、制御部2は、看板情報Aを看板画面9bの最も下方寄りに配置し、看板情報Bを看板情報Aよりやや上方に、看板情報Cを看板情報Bのさらに上方に配置する。これにより、各看板情報A〜Cを表示する表示領域に擬似的な遠近感が生じ、奥行きを持った表示が可能になる。
【0045】
さらに、制御部2は、各看板情報A〜Cに、例えば渋滞や交通規制など看板情報に含まれる情報を重ねて表示する。図9では、地点CからM方面に向かう道路において、渋滞情報30aを表示することにより、地点C方面において渋滞が発生していることが示されている。この場合、渋滞情報や交通規制情報などは、例えば表示線の太さを太くしたり、表示色を変化させたりするなど、表示態様を変化させることにより表示する。
【0046】
さて、図9に示すように複数の看板情報A〜Cを距離順に重ねて表示する場合、ユーザは、看板情報B、Cが存在することは認識できるものの、看板情報B、Cの内容を視認することができない。そこで、制御部2は、ユーザの操作入力に対応して表示切替処理を実行することにより、看板情報A〜Cの表示順を変更する。
【0047】
図5は、表示切替処理を示すフローチャートである。制御部2は、例えば表示装置9の表示画面に設けられているタッチパネルなどの操作入力部5やリモコン16からの操作入力があると、割り込み処理などにより表示切替処理を実行する。制御部2は、例えば図9に示す状態において看板情報Bが表示されている領域をユーザがタッチ操作することにより(S201)、図10(a)に示すように、看板情報Bを最前面に表示することにより表示を切り替える(S202)。このとき、制御部2は、図9では看板情報Aよりやや小さめであった看板情報Bの表示サイズを大きくするようにしてもよい。これにより、ユーザは、看板情報Bの内容を容易に視認することができる。同様に、ユーザが看板情報Cの表示領域をタッチ操作した場合には、図10(b)に示すように、看板情報Cを最前面に表示するようにしてもよい。
【0048】
また、看板情報A〜Cの表示順は、表示装置9の地図画面9aをタッチ操作することによっても変更可能である。例えば、図9において地図画面9aの「B」の部分をタッチ操作することにより、図10(a)に示すように看板情報Bが最前面に表示される。このとき、地図画面9aでは、最前面には看板情報Bが表示されていることを示すために、「B」を反転表示(背景を着色して文字を白抜きする表示)する。なお、反転表示ではなく、文字の表示色やフォントなどの表示態様を変化させてもよい。制御部2は、表示切替処理を終了すると、看板表示処理にリターンする。
【0049】
<看板情報位置の消去:S104>
さて、看板情報の表示が終了すると、制御部2は、図4に示す看板表示処理において、自車両の走行にともなって看板情報を消去する(S104)。ここで、図11(a)に示すように、自車両20が看板情報Aに対応する地点Aを通り過ぎ、分岐点A1の手前に位置している状態を考えてみる。この状態では、自車両の現在位置が看板情報Aを利用する位置すなわち看板情報位置Aよりも手前の道路上ではないことから、看板情報Aは、上述した検索範囲から外れることになる。但し、まだ分岐点A1を通過していないことから、制御部2は、図11(b)に示すように看板情報Aの表示を継続する。これは、看板情報は、分岐点の手前で表示されていることに意味があり、その分岐点を通過するまでは有効な情報であるためである。なお、この状態で上述したステップS101〜103が繰り返された場合には例えば地点Dの看板情報Dが新たな表示候補となっている可能性があるが、その場合であっても制御部2は、分岐点A1を通過するまでは看板情報Aを表示装置9に表示し続ける。
【0050】
一方、自車両20が図12(a)に示すように、分岐点A1を通過した場合には、看板情報Aを消去するとともに、自車両20の進行方向に成り得ない地点Bに対応する看板情報Bも消去する。この状態で上述したステップS101〜103が繰り返された場合には例えば看板情報Dが新たな表示対象となり、制御部2は、図12(b)に示すように、地点Cに対応する看板情報C及び地点Dに対応する看板情報34(看板情報D)を表示装置9に表示する。
【0051】
なお、図12(a)においては、自車両の進行方向に対して左方に地点Cが存在しているが、現在位置から地点Cまでは一本道であるため、図12(b)の地図画面9aに示すように、自車両の進行方向と地点Cとが同一方向であると仮定して、看板情報Cを看板画面9bの中央に、看板情報Dを看板情報Cの右寄りに表示している。このように、地図データの道路形状に対応して看板情報の位置関係を設定することにより、ユーザに混乱を招くことなく看板情報を提示できる。
制御部2は、自車両の走行にともなって、上述した看板表示処理及び表示切替処理を繰り返し実行する。
【0052】
以上に説明した第1実施形態による道路情報表示装置1によれば、次のような効果を得ることができる。
道路情報表示装置1は、地図データ上に自車両の現在位置を基準位置として設定し、基準位置に対する看板情報位置A〜Cの位置関係と対応づけて、看板情報A〜Cを表示装置9の看板画面9bに表示する。例えば、基準位置における自車両の進行方向に対して右側に位置する看板情報Bは看板画面9bの右寄りに配置し、左側に位置する看板情報Cは看板画面9bの左寄りに配置する。これにより、看板情報B、Cが現在の進行方向に対して左右のどちら側に位置しているかを直感的に把握することが可能になる。したがって、ユーザは、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる。
【0053】
このとき、道路情報表示装置1は、基準位置と看板情報位置との距離が近いほど看板画面9bに表示する看板情報の表示サイズを大きくし、且つ、看板画面9bの中央より下方寄りに表示する。これにより、看板情報を表示したときに擬似的に立体的や遠近感が生じ、看板情報の位置関係を直感的且つ容易に把握することができる。
道路情報表示装置1は、自車両の進行方向における左右方向において90°の範囲内に位置する看板情報を表示する。このため、車両の進行方向以外の看板情報は表示対象から除外される。したがって、不必要な看板情報が表示されることが無く、ユーザに混乱を生じさせることがない。
【0054】
この場合、道路情報表示装置1は、基準位置からの距離が下限距離から上限距離(r1、r2)の範囲内にある看板情報を表示する。これにより、現在の走行に必要となる現在位置近傍の看板情報のみが表示されるので、情報の過度な提供を抑制することができ、ユーザは、必要な看板情報を素早く認識することができる。
道路情報表示装置1は、看板情報を、基準位置からの距離が短いものから順に所定の上限数(本実施形態では3個)まで表示する。このように走行中の道路において直近に遭遇する分岐点、およびその周辺の看板情報を表示することにより、利用価値が高く有益な情報をユーザに提供することができる。
【0055】
道路情報表示装置1は、下限距離をT×Vメートル以上に設定している。これにより、受信が完了する前に通過してしまう看板情報が表示対象外になるので、無意味な情報がユーザに提供されることがない。
道路情報表示装置1は、複数の看板情報を表示しているときに操作入力部5からの操作入力を受け付けると、最前面に表示する看板情報を変更する。看板情報は、例えば図8(a)〜(c)に示したように、看板情報Aで示される分岐先の地名(K方面、M方面)と、K方面に位置する看板情報Bで示される分岐先の地名(K方面、L方面)とが異なることがある。その場合でも、表示を変更することにより、ユーザが希望する看板情報を適切に提供することができるとともに、ユーザの利便性が向上する。
【0056】
道路情報表示装置1は、表示装置9に看板情報と地図データとを同時に表示する。これにより、分岐先の情報と看板情報とを同時に把握することができる。また、地図画面9a及び看板画面9bのどちらでも操作入力を受け付け可能にしているので、ユーザの利便性がさらに向上する。
道路情報表示装置1は、看板情報に対応する分岐点を通過したときに看板情報を表示装置9の画面から消去する。これにより、看板情報を必要としている区間すなわち分岐点の手前までの区間では、看板情報の表示が維持される。したがって、表示が突然切り替わることによりユーザが混乱するおそれを低減することができる。
【0057】
道路情報表示装置1をナビゲーション装置と一体に構成し、ナビゲーション装置が有する制御部2、位置取得部3や地図データ記憶部4aなどを共用しているので、新たなコストを追加することなく、道路情報を表示することができる。
【0058】
(第1実施形態の変形例)
本発明の第1実施形態の変形例による道路情報表示装置を図13及び図14に基づいて説明する。第1実施形態の変形例では、看板情報の表示の態様が第1実施形態と異なっている。なお、道路情報表示装置の構成は、第1実施形態と同一である。
【0059】
道路情報表示装置1の制御部2は、看板情報を取得すると、図13に示すように、取得した看板情報A〜Cを表示装置9に表示する。このとき、制御部2は、例えばRAMなどに設けた看板情報記憶領域40に各看板情報A〜Cを記憶し、表示装置9の看板画面9bには、個別の看板情報(図13では看板情報A)を表示する。また、制御部2は、看板画面9bの上部及び下部に、表示対象となる看板情報を切り替えるカーソル41a、41bを表示する。このとき、図13に示すように、カーソル41aを例えば色つきで表示し、カーソル41bには色づけをしないことにより、他の看板情報(B、C)が記憶されていることをユーザに報知する。
【0060】
ユーザは、このカーソル41a又は41bを操作することにより、所望の看板情報を看板画面9bに表示させる。つまり、操作入力部5は、本発明でいう表示領域切替手段に相当する。このとき、制御部2は、地図画面9aに表示枠9cを表示するとともに、ユーザの操作入力に応じて表示枠9cを移動させる。これにより、ユーザは、看板画面9bに表示されている看板情報Aが地図データ上のどの位置に相当するのかを容易に把握することができる。このとき、第1実施形態と同様に、看板情報A〜Cの表示サイズ及び表示位置を、距離や角度に応じて変化させて記憶領域40に記憶させておき、その表示サイズ及び表示位置を保ったまま表示装置9に表示するようにしてもよい。
【0061】
また、図14(a)に示すように、受信可能な範囲にある看板情報を記憶領域に多数記憶しておき、図14(b)に示すように、看板画面9bにカーソル42を表示するようにしてもよい。この場合、ユーザは、カーソル42を操作することにより、記憶領域内の任意の位置における看板情報を表示することができる。このとき、任意の位置において、図9に示すように複数の看板情報を重ねて表示するようにしてもよい。
【0062】
このように、第1実施形態の変形例による道路情報表示装置1では、操作入力部5により看板画面9bの表示を切り替え可能にしているので、地図データ上の任意の位置の看板情報、すなわちユーザが希望する看板情報を提供することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0063】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による道路情報表示装置を図15及び図16に基づいて説明する。第2実施形態では、看板情報を切り替え表示するときの自車両の進行方向の対応付けが第1実施形態と異なっている。なお、道路情報表示装置の構成及び看板情報の取得方法などは、第1実施形態と同一である。
【0064】
図15は、自車両20、分岐点A1、B1、C1、看板情報A、B、Cの位置関係を模式的に示している。この図15では、自車両20の現在位置における進行方向(図示上方)と、看板情報Bに正対したときの自車両20の進行方向(図示右方向)とが、第1実施形態(図7参照)と異なっている。
【0065】
制御部2は、図15に示す位置関係の看板情報Bを取得した場合、表示装置9に、図16(a)に示すように「地点B K方面 L方面」の文字列を看板情報Bの右端側に表示する。すなわち、自車両20の進行方向と看板情報を識別するための文字列の配置とを対応付けて、文字列が進行方向に正対するように表示する。この場合、第1実施形態と同様に、看板情報Bを選択すれば、図16(b)に示すように看板情報Bが看板画面9bの最前面に表示される。このとき、地図画面9aにおいては、自車両20の位置を仮想的に看板情報Bに正対する位置に表示するとよい。これにより、ユーザに、自車両20の進行方向が変わることを確実に認識させることができる。
【0066】
このように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に看板情報を適切なタイミングで表示することができるとともに、分岐点において次に進むべき方向を容易に把握することができる。特に、第2実施形態では、分岐先における進行方向と現在の進行方向とが変化する場合であっても、その旨をユーザに確実に認識させることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0067】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による道路情報表示装置を図17及び図18に基づいて説明する。第3実施形態では、ユーザが任意の看板情報を選択することにより表示を切り替えた場合、選択された看板情報を新たな基準位置として設定し、その基準位置に基づいて新たな看板情報を表示する点が第1実施形態と異なっている。なお、道路情報表示装置の構成は、第1実施形態と同一である。また、看板情報の取得方法も第1実施形態と同様である。
【0068】
図17は、看板情報A、B、C、D、E、F、G、Hの位置関係を模式的に示している。自車両が表示領域A内を走行しているとき、制御部2は、図18(a)に示すように、看板情報A〜Cを表示装置9の看板画面9bに表示する。この状態において、ユーザが例えば看板情報Bを選択した場合、制御部2は、図18(b)に示すように、看板情報Bの位置を新たな基準位置に設定し、この基準位置を元に、所定の検索範囲内にある看板情報34(看板情報E)及び看板情報35(看板情報F)を看板画面9bに表示する。この場合、看板画面9bの表示範囲は、図17の表示領域Bとなる。同様に、ユーザが看板情報Cを選択した場合には、制御部2は、看板情報Cの位置を新たな基準位置に設定し、この基準位置を元に、所定の検索範囲内にある看板情報H、G(図17の表示領域Cを参照)を表示する。この場合、地図画面9aでは進行方向を図示上方としたが、看板情報に正対したときの進行方向が変化する場合には、第2実施形態のように看板情報の文字列と自車両の進行方向とを正対させて表示してもよい。
【0069】
このように、制御部2は、記憶領域に記憶している看板情報(既に受信している看板情報)を上限として、表示の切り替えを繰り返す。これにより、表示装置9に表示されている看板情報を選択し、その選択された看板情報を新たな基準位置に設定することにより、例えば地点A→地点B→地点Fのようにそれぞれの看板情報を基点として広範囲にわたる看板情報を表示することができる。したがって、ユーザは目的とする場所までの道路情報を確認でき、利便性が向上する。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
各実施形態に示した数値は一例であり、これに限定されない。
各実施形態では、自車両の現在位置又は選択された看板情報の位置を基準位置としたが、図19に示すように自車両が走行している道路において、直近の看板位置を基準位置として設定してもよい。例えば、高速道路などを走行している場合、道路の分岐点(例えばインターチェンジなど)が遠方にあるとき、並行して設置されている側道などの分岐点が現在位置に対する検索範囲内の看板情報として表示されるおそれがある。その場合、所定の基準位置を自車両が走行している道路上において現在位置から最も距離の短い看板情報とすることにより、的確な看板情報を表示することができる。
【0071】
また、基準位置と看板情報位置との距離を2点間の直線距離としたが、地図データに基づいて、基準位置から看板情報位置までの移動に要する距離である経路距離を基準としてもよい。例えば、図20に示すように、検索範囲内に看板情報A〜Dが存在し、その直線距離がX10<X11<X12<X13の関係にある場合であっても、経路距離の短い方から例えば3個までの看板情報A、B、Cを抽出して表示装置9に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザが利用する可能性の高い、適切な看板情報を表示することができる。
図9などでは、地図データ(図2参照)を簡略化した模式的な地図を地図画面9aに表示したが、図21に示すように地図データを部分的に切り出して地図画面9aに表示するようにしてもよい。
【0072】
表示切替処理において、例えば図9の渋滞情報30aをタッチ操作すると、より詳細な渋滞情報を例えばポップアップ表示するようにしてもよい。
下限距離及び上限距離を、走行中の道路の利用頻度に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、よく利用する道路であれば、遠方の看板情報を使用することが少ないと考えられるため、上限距離を短くしてもよく、初めて利用する道路であれば、分岐先の地名などを表示するために上限距離を長くすることなどが考えられる。また、受信した看板情報位置の密度(検索範囲内の看板情報位置の数の分布)に応じて、密度が高い場合には上限距離を短く、密度が低い場合には上限距離を長くするようにしてもよい。さらに、車速に応じて、車速が遅い場合には上限距離を短くすることも考えられる。
【0073】
上限角度を90°としたが、例えば車速に応じて変化させるようにしてもよい。この場合、速度が速い場合には上限角度を小さくするなど、適宜設定すればよい。
図6(a)に示すように検索範囲を同じ(r1=r2=3km、且つ、θ1=θ2=90°)に設定したが、例えば地図データや受信した看板情報位置に基づいて、左右で検索範囲の大きさを変化させてもよい。例えば、自車両が走行中の道路の左側に大きな河川が存在しているときなど、分岐点(看板情報位置)が存在しない領域がある場合には、その領域を検索範囲に含める意味がないため、左側の検索範囲を狭く設定するようにしてもよい。
【0074】
看板情報として図8(a)〜(c)に示す簡易図形を示したが、看板情報の種類はこれに限定されない。例えば分岐先までの所要時間や交通規制情報などを簡易図形にて表示するようにしてもよい。
表示装置9に表示する看板情報の上限数を3に設定したが、これに限定されない。例えば表示装置9の画面サイズや解像度などに応じて変化させてもよく、画面サイズが大きい場合あるいは解像度が高い場合には、上限数を増加させてもよい。
【0075】
現在時刻を取得する時刻取得手段及び看板情報を取得した看板情報取得時刻を記憶する記憶手段を設け、同一の看板情報位置に対応する看板情報に対して、現在時刻と記憶手段に記憶した看板情報取得時刻との時間差が所定の更新時間以内であれば、新たな看板情報の取得を行わないようにしてもよい。これにより、処理を簡略化することができ、負荷を低減することができる。この場合、記憶手段に記憶した看板情報を表示することにより、新たな看板情報の取得を行わなかった場合でも、最新の道路情報をユーザに提供することができる。
【0076】
各実施形態では目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を使用しない状況について説明したが、ナビゲーション機能を使用する場合には、例えば経路上の分岐点における分岐先の名所、観光案内、イベントなどの行楽情報を受信して看板情報として表示するようにしてもよい。勿論、ナビゲーション機能を使用しているときでも、各実施形態のように道路情報である看板情報を表示するようにしてもよい。
【0077】
車載用機器であるナビゲーション装置と共用する例を示したが、これに限定されない。本発明は、例えばGPS機能を備えた携帯電話機、携帯用GPS端末機、携帯用ゲーム機など、現在位置取得手段と外部との通信手段を備えている機器に適用することができる。
外部との通信方式は、各実施形態に限定されない。例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、あるいはGSM(Global System for Mobile Communications)など、他の通信方式を採用する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0078】
図面中、1は道路情報表示装置、2は制御部(制御手段、時刻取得手段、記憶手段)、3は位置取得部(車両位置取得手段、車速取得手段)、4aは地図データ記憶部(地図データ記憶手段)、5は操作入力部(表示領域切替手段、選択手段)、6は道路情報取得部(道路情報取得手段)、8は外部メモリ(記憶手段)、9は表示装置(表示手段)、30、31、32、33、34、35は看板情報、A1、B1、C1は分岐点を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
自車両の現在位置及び進行方向を取得する車両位置取得手段と、
道路情報を取得する道路情報取得手段と、
前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データ、前記車両位置取得手段により取得した自車両の現在位置、及び前記道路情報取得手段により取得した道路情報を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示態様を制御する制御手段と、を備え、
前記道路情報取得手段は、自車両が走行している道路の分岐点及び当該分岐点における分岐先の情報を含む道路情報である複数の看板情報、及び、前記地図データにおいて当該看板情報が利用される位置に相当する看板情報位置を取得し、
前記制御手段は、前記看板情報を前記表示手段に表示する際に、地図データ上の自車両の進行方向に所定の基準位置を設定し、前記地図データにおける当該基準位置に対する前記看板情報位置の位置関係と、前記表示手段の表示領域に表示される前記看板情報の位置関係とを対応付けて表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置と前記看板情報位置との距離に基づいて、当該距離が短いほど前記表示領域における当該看板情報の表示サイズを大きくするとともに、前記表示手段の表示領域の中央より下方寄りに表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置において自車両の進行方向を0度とすると、当該進行方向の左右方向に対してそれぞれ所定の上限角度以下の範囲内に位置する前記看板情報を前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置からの距離が所定の下限距離以上且つ所定の上限距離以下の範囲内にある看板情報を前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の道路情報表示装置において、
自車両の車速を取得する車速取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記道路情報の受信に要する時間をT秒とし、前記車速取得手段で取得する車速をVメートル毎秒とした場合、前記下限距離をT×Vメートル以上に設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記看板情報を、前記基準位置からの距離が短いものから順に所定の上限数まで前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記表示手段に表示される表示領域を切り替える表示領域切替手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記表示領域切替手段により切り替えられた前記表示領域の範囲内に位置する前記看板情報を、前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記所定の基準位置として、自車両の現在位置、又は、自車両が走行している道路上において現在位置から最も距離の短い看板情報に対応する前記看板情報位置のいずれかを設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置から前記看板情報位置までの距離として、前記地図データにおいて前記基準位置から当該看板情報位置までの移動に要する距離である経路距離を設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記表示手段に表示されている前記看板情報を選択する選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記表示手段に複数の前記看板情報を表示している場合、前記所定の基準位置として、前記選択手段により選択された看板情報に対応する看板情報位置を設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項11】
請求項10記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記看板情報と、当該看板情報に対応する前記看板情報位置を含む前記地図データとを前記表示手段に同時に表示可能であり、
前記選択手段は、前記看板情報又は前記地図データに含まれる前記看板情報位置の何れかを選択することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
現在時刻を取得する時刻取得手段と、
前記看板情報を取得した看板情報取得時刻を記憶する記憶手段と、をさらに備え、
前記道路情報取得部は、同一の看板情報位置に対応する看板情報に対し、前記時刻取得手段で取得した前記現在時刻と、前記記憶手段に記憶されている前記看板情報取得時刻との時間差が所定の更新時間以内であれば、新たな看板情報の取得を行わないことを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項13】
請求項12記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記表示手段に前記看板情報を表示する場合、前記道路情報取得手段が新たな看板情報の取得を行わなかったときには、前記記憶手段に記憶されている看板情報を表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項14】
請求項1から13の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記表示手段に表示している看板情報を、当該看板情報に対応する看板情報位置を通過してから所定の消去時間が経過したとき、当該看板情報位置を通過してから所定の消去距離を走行したとき、或いは、当該看板情報に対応する前記分岐点を通過したときの何れかに消去することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項1】
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
自車両の現在位置及び進行方向を取得する車両位置取得手段と、
道路情報を取得する道路情報取得手段と、
前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データ、前記車両位置取得手段により取得した自車両の現在位置、及び前記道路情報取得手段により取得した道路情報を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示態様を制御する制御手段と、を備え、
前記道路情報取得手段は、自車両が走行している道路の分岐点及び当該分岐点における分岐先の情報を含む道路情報である複数の看板情報、及び、前記地図データにおいて当該看板情報が利用される位置に相当する看板情報位置を取得し、
前記制御手段は、前記看板情報を前記表示手段に表示する際に、地図データ上の自車両の進行方向に所定の基準位置を設定し、前記地図データにおける当該基準位置に対する前記看板情報位置の位置関係と、前記表示手段の表示領域に表示される前記看板情報の位置関係とを対応付けて表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置と前記看板情報位置との距離に基づいて、当該距離が短いほど前記表示領域における当該看板情報の表示サイズを大きくするとともに、前記表示手段の表示領域の中央より下方寄りに表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置において自車両の進行方向を0度とすると、当該進行方向の左右方向に対してそれぞれ所定の上限角度以下の範囲内に位置する前記看板情報を前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置からの距離が所定の下限距離以上且つ所定の上限距離以下の範囲内にある看板情報を前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の道路情報表示装置において、
自車両の車速を取得する車速取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記道路情報の受信に要する時間をT秒とし、前記車速取得手段で取得する車速をVメートル毎秒とした場合、前記下限距離をT×Vメートル以上に設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記看板情報を、前記基準位置からの距離が短いものから順に所定の上限数まで前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記表示手段に表示される表示領域を切り替える表示領域切替手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記表示領域切替手段により切り替えられた前記表示領域の範囲内に位置する前記看板情報を、前記表示手段に表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記所定の基準位置として、自車両の現在位置、又は、自車両が走行している道路上において現在位置から最も距離の短い看板情報に対応する前記看板情報位置のいずれかを設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記基準位置から前記看板情報位置までの距離として、前記地図データにおいて前記基準位置から当該看板情報位置までの移動に要する距離である経路距離を設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記表示手段に表示されている前記看板情報を選択する選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記表示手段に複数の前記看板情報を表示している場合、前記所定の基準位置として、前記選択手段により選択された看板情報に対応する看板情報位置を設定することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項11】
請求項10記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記看板情報と、当該看板情報に対応する前記看板情報位置を含む前記地図データとを前記表示手段に同時に表示可能であり、
前記選択手段は、前記看板情報又は前記地図データに含まれる前記看板情報位置の何れかを選択することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
現在時刻を取得する時刻取得手段と、
前記看板情報を取得した看板情報取得時刻を記憶する記憶手段と、をさらに備え、
前記道路情報取得部は、同一の看板情報位置に対応する看板情報に対し、前記時刻取得手段で取得した前記現在時刻と、前記記憶手段に記憶されている前記看板情報取得時刻との時間差が所定の更新時間以内であれば、新たな看板情報の取得を行わないことを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項13】
請求項12記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記表示手段に前記看板情報を表示する場合、前記道路情報取得手段が新たな看板情報の取得を行わなかったときには、前記記憶手段に記憶されている看板情報を表示することを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項14】
請求項1から13の何れか一項に記載の道路情報表示装置において、
前記制御手段は、前記表示手段に表示している看板情報を、当該看板情報に対応する看板情報位置を通過してから所定の消去時間が経過したとき、当該看板情報位置を通過してから所定の消去距離を走行したとき、或いは、当該看板情報に対応する前記分岐点を通過したときの何れかに消去することを特徴とする道路情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−214936(P2011−214936A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82168(P2010−82168)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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