説明

道路構造

【課題】津波に対する避難場所の提供と、避難場所の有効活用方法および雇用場所を提供する。
【解決手段】階段状外形の道路構造1は内部空間2を有し、内部空間2を工場、倉庫などに利用すると共に、内部空間2の下に水を貯める構造を有する。階段状外形部は移動速度の異なる車、バイク、歩道専用であり、交通事故を減少させる。内部空間2は植物工場として利用し、水槽3からの水を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波対策を講じた道路技術に属する。
【背景技術】
【0002】
大地震に伴う津波などにより多大な人的損害を受ける。津波に対する対策は防波堤防の構築、防波林の育成、海岸近くに設けた避難場所の設置など総合的になされる必要がある。避難場所への通路として特開2009−7851には両側から張り出す部材で外界から隔離する半円の通路を構成する方法が開示されている。特に海岸近くに設ける避難場所は、これが適切に設けられるならば人的損害を最少にとどめるために有効である。高盛土して構築された道路、鉄道などは防波堤と避難場所を兼ね、海岸近くに設ければ特にその効果は大きい。本願発明は避難場所の提供に有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−7851
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、津波に対する避難場所の提供と、避難場所の有効活用方法および雇用場所の提案にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、階段状外形の道路構造にあって、当該道路構造は内部に地下空間を有し、当該地下空間を工場、倉庫などに利用すると共に、地下空間の下に水を貯める構造を有することを特徴とする道路構造である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、(1)内部に地下空間を設けたため、その空間を倉庫、植物工場に提供できる。(2)地下構造となるため内部空間の気温、湿度はほぼ一定に保たれ植物の品質が一定に保てる。(3)内部空間の下に水を貯めることができるため、上部植物工場に水を供給できる。(4)階段状の外形を利用し、各段を自転車、歩道、バイクなどの専用道路とすることができる。(5)最上部を道路、鉄道用とし、津波時には避難場所となる。(6)内部空間の工場で雇用の機会を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、本発明の道路構造の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明の道路構造を、図を用いて説明する。
図に示すように本道路構造は、(1)階段状の外形を有する、(2)内部に空間を有する、(3)内部空間の下部に水槽を有する。
【0009】
階段状の外形部は、歩道、自転車道、バイク道の専用道路として利用する。
移動スピードの異なる車、人を分離するため事故の可能性が減少する。最上部は一般車道あるいは鉄道用として利用する。
最上部は津波などの発生時には避難場所として利用可能となる。必要に応じ道路上の休憩所その他の施設を避難民に開放することもできる。また、格階段に通ずる避難用の通路を用意する。
【0010】
内部空間は、必要に応じ上下あるいは長手方向に区画し、倉庫、工場その他多目的な利用が可能である。植物工場として利用するならば、中の温度湿度が一定に保たれるため品質の安定した植物が栽培可能となる。照明の程度は調節可能のため、きのこ類から野菜まで栽培可能な空間を提供できる。
【0011】
内部空間の下部には水槽が設けられ、雨水など適宜貯留することができる。
水槽中の水は上の植物工場に供給可能である。地下においては、水温はほぼ一定であり、15度前後に保たれる。従い魚の養殖に使用すれば、5度以下になると魚は餌を食べないが、この温度では魚は一年中餌を食べるため成長が早くなり経済効果が高まる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
道路の構築に利用できる。特に津波の恐れの有る海岸地方に設けるとその利用効果が高くなる。
【符号の説明】
【0013】
1 道路構造
2 内部空間
3 水槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段状外形の道路構造にあって、当該道路構造は内部に地下空間を有し、当該地下空間を工場、倉庫などに利用すると共に、地下空間の下に水を貯める構造を有することを特徴とする道路構造。


【図1】
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【公開番号】特開2013−23899(P2013−23899A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159455(P2011−159455)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】