説明

遠位アクセスバルーンガイドカテーテル

【課題】血管(脳の血管等)における欠陥にアクセスするか、それを診断するか、またはそれを処置するために用いられるカテーテルベースのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】カテーテルデバイスであって、カテーテルデバイスは、内側管腔304、外表面、近位末端、および遠位末端を含む軸方向に細長い管状部材と、管状部材の管腔を通って延在し、カテーテルの内側管腔を画定する内側ライナー202と、管状部材の外表面上の外側カバーと、金属螺旋208と内側ライナーとの間に配置されるバルーン膨張チャネル302とを含み、管状部材は、螺旋状のギャップを有する金属螺旋、および螺旋状のギャップ内に配置されるポリマーポッティング材料を含み、螺旋状のギャップ内に配置されるポリマーポッティング材料は、内側ライナーおよび外側カバーの材料と異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
技術分野
本開示は、概ね医学デバイスおよび方法に関し、より具体的には、血管(脳の血管等)における欠陥にアクセスするか、それを診断するか、またはそれを処置するために用いられるカテーテルベースのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の背景
脳卒中は、死亡および身体障害の共通の原因である。米国において、毎年約700,000人の患者が、脳卒中に苦しんでいる。脳卒中は、中枢神経系の局所的な関わりを反映して、少なくとも24時間持続する神経学的障害の急性発症によって特徴付けられる症候群であり、大脳の循環の撹乱の結果である。その発生率は、年齢とともに増加する。脳卒中に対する危険因子としては、収縮期または拡張期高血圧、高コレステロール血症、喫煙、大量のアルコール消費、および経口避妊薬の使用が挙げられる。
【0003】
出血性脳卒中は、一年の脳卒中母集団の20%を占める。出血性脳卒中は、動脈瘤の破裂または動静脈奇形(AVM)に起因してしばしば起こり、脳組織の中に出血を引き起こし、結果として生じる脳組織の梗塞を引き起こす。脳卒中の残りの80%は、脳組織から酸素運搬血液を奪う、血管の閉塞に起因して起こる虚血に起因する。虚血性脳卒中は、より遠位の細い大脳動脈において閉塞するために、他の身体部位から、または大脳血管自身から押しのけられ、移動してきた塞栓または血栓組織の片によってしばしば引き起こされる。患者が、1時間以内に完全に解決される神経学的症状および徴候を示す場合、一過性脳虚血発作(TIA)という用語が使用される。病因学的には、TIAおよび虚血性脳卒中は同じ病態生理学的メカニズムを共有し、従って、虚血性傷害の症状および程度の持続に基づく連続体を表す。
【0004】
塞栓は、時折、不規則な心臓のリズムの期間中に心臓の弁の周りまたは左心耳に形成され、次に押しのけられ、身体の遠位領域の中へと血流に沿っていく。これらの塞栓は、脳まで通過し塞栓性脳卒中を引き起こし得る。下で議論されるように、多くのこのような閉塞は、中大脳動脈(MCA)において起こるが、このような部位は、塞栓がとどまるようになる唯一の部位ではない。
【0005】
患者が神経学的障害を示す場合に、脳卒中の原因に対する診断上の仮定が、患者の病歴、脳卒中の危険因子の再調査、および神経学的試験に基づいて生み出され得る。虚血性事象が疑われる場合、臨床医は、患者が塞栓の心臓性供給源、大きな動脈の頭蓋外または頭蓋内疾患(large artery extracranial or intracranial disease)、小さな動脈の実質内疾患(small artery intraparenchymal disease)、または血液学的もしくは他の全身性の障害を有するかどうかを試験的に評価し得る。頭のCTスキャンは、患者が虚血性傷害または出血性傷害を経験したかどうかを決定するためにしばしば行われる。クモ膜下出血、実質内血腫、または心室内出血において、血液がCTスキャンにおいて存在する。
【0006】
これらの病変または閉塞に到達するために、マイクロカテーテルおよびマイクロガイドワイヤーは、用いられなければならないが、しばしばこれらのマイクロカテーテルの柱状支持部は、神経血管の遠位範囲を通って移動してこれらの部位を有効に処置するために十分に強くない。しばしばガイドカテーテルは、マイクロカテーテルのアクセスを支持することを助けるためのコンジットとして働くために用いられる。冠状または末梢で使用するために設計された慣習的なガイドカテーテル(特許文献1および特許文献2(Fischell)、特許文献3(Castillo)、特許文献4(Castaneda)、特許文献5(Samson)、ならびに特許文献6(Gold))は、代表的に頭蓋底の上に位置決めされず、遠位脳脈管系においてマイクロカテーテルを支持することにおけるそれらの有効性を限定する。初期世代よりもわずかに長く、薄く、もう少し可撓であるが、特許文献1および特許文献2(Fischell)、特許文献3(Castillo)、特許文献4(Castaneda)、特許文献5(Samson)、ならびに特許文献6(Gold)に記載されるのと同じ製造技術を用いて構築されるより新しい遠位アクセスガイドカテーテルが開発されているが、キンク問題は、解決されていない(例えば、Neuron Penumbra Recall−10/02/09)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,180,376号明細書
【特許文献2】米国特許第5,484,425号明細書
【特許文献3】米国特許第5,045,072号明細書
【特許文献4】米国特許第5,279,596号明細書
【特許文献5】米国特許第5,454,795号明細書
【特許文献6】米国特許第5,733,400号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本記載は、「実施形態(複数可)において」、「いくつかの実施形態において」、または「他の実施形態において」という句を使用し得、これらの句は、本開示に従って、各々が1つ以上の同じかまたは異なる実施形態を指し得る。記載の目的のために、「A/B」の形態での句は、AまたはBを意味する。記載の目的のために、「Aおよび/またはB」の形態での句は、「(A)、(B)、または(AおよびB)」を意味する。記載の目的のために、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形態での句は、「(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、B、およびC)」を意味する。
【0009】
本明細書中で用いられる場合、近位および遠位という用語は、カテーテルまたは医学機器の長手方向の軸に沿った方向または位置を指す。用語「近位」は、操作者により近いカテーテルまたは医学機器の末端を指し、他方、用語「遠位」は、患者により近いカテーテルまたは医学機器の末端を指す。例えば、第一の点が、第二の点よりもカテーテルまたは医学機器の操作者側末端に近い場合に、第一の点は、第二の点に対して近位である。FrまたはFと略される測定用語「フレンチ」は、mmで測定される場合にデバイスの直径の3倍として定義される。従って、3mmの直径のカテーテルは、直径9フレンチである。用語「操作者」は、本明細書中に記載される本開示の局面を使用することを含む医学手順を行う任意の医学専門家(すなわち、医師、外科医、看護師等)を指す。
【0010】
下に記載されるデバイスおよび方法は、管状部材、内側ライナー、第二のバルーン膨張/収縮チャネル、および外側カバーを有するカテーテルデバイスを提供する。管状部材は、内側管腔および外表面を有する。管状部材は、螺旋状のギャップを有する金属螺旋、および螺旋状のギャップ内に配置されるポリマー材料を有する。内側ライナーは、管状部材の管腔を通って延在し、カテーテルの内側管腔を画定する。外側カバーは、管状部材の外表面に配置される。金属螺旋の直径(複数可)および/または螺旋状のギャップの幅は、カテーテルの長さ全体を覆って一定であり得るか、または曲げ性質および/もしくはキンク抵抗における領域化された違いを提供するために様々であり得る。螺旋状のギャップ内に配置されるポリマー材料は、内側ライナーおよび外側カバーの材料と異なる。カテーテルデバイスの構成要素は、カテーテルデバイスの遠位領域が、約16:1〜約24:1(好ましくは、約16:1)の内径 対 壁の厚さの比、ならびに以下の性質:a)1,200度/in−lbよりも大きい側方可撓性、および/またはb)約0.174インチ+/−0.008インチ以下のキンク半径、および/または22Nの極限引張強度(UTS)の引張強度を有するように、サイズを合わせられ、構築され得る。
【0011】
カテーテルを製造するための方法は、A)螺旋状のギャップを有する金属螺旋を形成するか、またはそれを得るステップ;B)ポリマー材料および金属螺旋が組み合わさって、外表面および管腔を有する管状部材を形成するように、ポリマー材料で螺旋状のギャップを充填するステップ;C)管状部材の管腔内に内側ライナーを位置決めするステップ;D)内側ライナーの外部に沿っておよび金属螺旋の下に、平らにされたポリマー側面チャネルを作り出すステップ;ならびにE)管状部材の外表面において外側カバーを配置するステップを含む。ポリマー材料は、キャストポリウレタン材料(ポリウレタン熱硬化性接着剤等)であり得る。あるいは、平らにされたポリマー側面チャネルは、外側カバー内の金属螺旋の外側に位置し得る。
【0012】
ヒトまたは動物被験体において障害を処置するか、または診断するための方法は、A)被験体の脈管系の中に本明細書中に記載されるタイプのカテーテルデバイスを挿入するステップ、B)脈管閉塞、血管形成術、脈管再構築、一時的なネックブリッジを形成すること、塞栓材料の固定のための形態を提供すること、ステント術、およびフローダイバージョン等の目的のために、カテーテルデバイスの遠位末端近くに付着されるバルーンを膨張させるステップ、ならびにC)カテーテルデバイスの管腔を通して物質またはデバイスを送達し、その物質またはデバイスを用いて障害を処置するか、または診断するステップを含む。カテーテルデバイスは、被験体の頭蓋内に位置する血管、または血液を脳までもしくは脳から運搬する血管の中に前進し得る。カテーテルデバイスが、中を前進し得る血管の例としては、頸動脈、大脳動脈、前大脳動脈、中大脳動脈、および後大脳動脈が挙げられる。
【0013】
ヒトまたは動物被験体の身体内のある場所において治療作業または診断作業を行うために用いられるシステムは、a)遠位アクセスバルーンカテーテルであって、近位部分、遠位部分、管腔、および遠位末端開口部を有し、高度にキンク抵抗で可撓であるカテーテル遠位先端を有し、16よりも大きいカテーテル壁に対する内径の比を有し、1,200度/in−lbよりも大きい側方剛性(可撓性)を有する、遠位アクセスバルーンカテーテル;およびb)カテーテルの管腔を通ってその遠位開口部から出るように前進可能である作動デバイスであって、治療作業または診断作業を行うために用いられる、作動デバイスを含む。このシステムにおいて使用され得る作動デバイスのタイプの例としては、i)血栓または他の閉塞物を身体の管腔からおよび/または吸引のためのアクセス吸引ガイドカテーテルの遠位開口部へと除去するためのデバイス;ii)身体の管腔内の閉塞を通った流体の流れ、またはその閉塞の周りの流体の流れを容易にするために用いられる流れ修復デバイス;iii)移植物(例えば、移植可能な閉塞コイルまたは移植可能な塞栓デバイス)を配備するか、または送達するためのデバイス;ならびに/あるいはiv)上記身体の管腔を一時的に閉塞するデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
ヒトまたは動物被験体の身体内のある場所において治療作業または診断作業を行うための方法は、a)カテーテルであって、近位部分、遠位部分、そこを通って延在している主管腔、および遠位末端開口部を有し、高度にキンク抵抗で可撓であるカテーテル遠位先端を有し、16よりも大きいカテーテル壁に対するカテーテル内径の比を有し、1,200度/in−lbよりも大きい側方剛性(可撓性)を有する、カテーテルを被験体の身体の中に挿入するステップを含む。カテーテルは、主管腔の軸に対して平行に配置される第二の側面管腔をさらに含み、ポリマーエラストマーの周囲内に埋め込まれるポリマーチューブを有し、上記方法は、b)所望される身体の管腔において、遠位にカテーテルの遠位末端開口部を位置決めするステップ、c)側面管腔を通して注入される流体でカテーテルの遠位末端近くに位置するバルーンを膨張させるステップ、およびd)カテーテルの主管腔を通ってその遠位開口部から出るように作動デバイスを前進させるステップ、ならびに治療作業または診断作業を行うために上記作動デバイスを用いるステップを含む。この方法において使用され得る作動デバイスのタイプの例としては、i)血栓または他の閉塞物を身体の管腔からおよび/または吸引のための遠位アクセス吸引ガイドカテーテルへと除去するためのデバイス;ii)身体の管腔内の閉塞を通った流体の流れ、またはその閉塞の周りの流体の流れを容易にするために用いられる流れ修復デバイス;およびiii)移植物(例えば、移植可能な閉塞コイルまたは移植可能な塞栓デバイス)を配備するか、または送達するためのデバイス;ならびに/あるいはiv)上記身体の管腔を一時的に閉塞するデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
身体の管腔から閉塞物を除去するための方法は、a)遠位アクセスカテーテルであって、近位部分、遠位部分、そこを通って延在している主管腔を有し、遠位末端開口部、側面管腔、バルーンをさらに含み、上記側面管腔は、それを通って流体通過を容易にするように構成され、上記バルーンは、カテーテルの遠位末端近くの側面管腔を覆って付着され、その側面管腔に操作可能に接続され、上記遠位アクセスカテーテルは、高度にキンク抵抗で可撓であるカテーテルの遠位先端を有し、16よりも大きいカテーテル壁に対する内径の比を有する、遠位アクセスカテーテルおよび;b)その遠位末端開口部が身体の管腔内にあるようにカテーテルを位置決めするステップ;c)側面管腔を通して注入される流体でバルーンを膨張させるステップ;d)遠位末端開口部を通ってカテーテルの管腔の中へと閉塞物を移動させるステップ;e)側面チャネルを用いてバルーンの内側から流体を引き抜くことによってバルーンを収縮させるステップ;ならびにf)カテーテルの管腔の中に移動させられた閉塞物と一緒にカテーテルを除去するステップを含む。負の圧力は、遠位末端開口部を通ってカテーテルの管腔の中へと閉塞物を吸引するために、カテーテルの管腔を通して付与され得る。また、上記方法のステップdは、カテーテルから閉塞物移動デバイス(例えば、塞栓摘出デバイスまたは血栓摘出デバイス)を前進させるステップ、および遠位末端開口部を通ってカテーテルの管腔の中へと閉塞物を移動させるために、閉塞物移動デバイスを用いるステップを含み得る。ステップdは、カテーテルの主管腔を通した治療用の流体、固体、デバイス、または材料の注入を含み得る。
【0016】
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
カテーテルデバイスであって、該カテーテルデバイスは、
内側管腔、外表面、近位末端、および遠位末端を含む軸方向に細長い管状部材であって、該管状部材は、螺旋状のギャップを有する金属螺旋と該螺旋状のギャップ内に配置されるポリマーポッティング材料とを含む、管状部材と、
該管状部材の該管腔を通って延在し、該カテーテルの内側管腔を画定する内側ライナーと、
該管状部材の該外表面上の外側カバーと、
該金属螺旋と該内側ライナーとの間に配置されるバルーン膨張チャネルと
を含み、
該螺旋状のギャップ内に配置される該ポリマーポッティング材料は、該内側ライナーおよび外側カバーの材料と異なる、
カテーテルデバイス。
(項目2)
上記金属螺旋はニッケルチタン合金を含む、上記項目に記載のカテーテルデバイス。
(項目3)
上記金属螺旋は平らなワイヤーまたはリボンを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目3A)
上記ポリマーポッティング材料は、エラストマー;キャストエラストマー;キャストポリウレタン;熱硬化性ポリウレタン接着剤;および熱硬化性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目4)
上記平らなワイヤーまたはリボンは、ニチノール1型(Nitinol Type 1)を含み、約0.003インチ〜約0.0125インチの幅、および約0.001インチ〜約0.005インチの厚さを有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目5)
上記螺旋状のギャップは非連続性の幅を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目6)
上記金属螺旋の寸法(複数可)および/または上記螺旋状のギャップの幅は変動する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目7)
上記螺旋状のギャップは、約0インチ〜約0.012インチの範囲に及ぶ幅を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目8)
上記ポリマーポッティング材料はエラストマーを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目9)
上記ポリマーポッティング材料はキャストエラストマーを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目10)
上記ポリマーポッティング材料はキャストポリウレタンを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目11)
上記キャストポリウレタンは熱硬化性ポリウレタン接着剤を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目12)
上記内側ライナーは、約0.00025インチ〜約0.002インチの範囲に及ぶ厚さを有するチューブを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目13)
上記内側ライナーは、フルオロポリマー;PTFE;PFA;およびFEPからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目14)
上記内側ライナーは、約0.0005インチの厚さを有するPTFEを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目15)
上記外側カバーは、約0.0005インチ〜約0.002インチの範囲に及ぶ厚さを有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目16)
上記外側カバーは、ポリエステルおよびポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目17)
上記外側カバーは、約0.0005インチの厚さを有するポリエステルおよび またはポリオレフィンを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目18)
上記カテーテルデバイスは、その長さに沿って複数の領域を有し、上記金属螺旋の寸法(複数可)および/または上記螺旋状のギャップの幅は、該複数の領域の間で異なる、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目19)
上記カテーテルデバイスは、近位領域および遠位領域を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目20)
上記近位領域における螺旋状の部材は、約0.008インチの幅、約0.0025インチの厚さ、および約0インチ〜約0.004インチの螺旋状のギャップを有し、上記遠位領域における螺旋状の部材は、約0.008インチの幅、約0.002インチの厚さ、および約0.002インチ〜約0.012インチの螺旋状のギャップを有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目21)
上記近位領域上の外側カバーは、約0.001インチの厚さを有するポリエステルを含み、上記遠位領域上の外側カバーは、約0.0005インチ〜約0.001インチの厚さを有するポリオレフィンまたはポリアミドコポリマーを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目22)
上記遠位領域は、1200度/in−lbよりも大きい側方可撓性を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目23)
上記遠位領域は、約0.174インチ+/−0.008インチ以下のキンク半径を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目24)
上記遠位領域は、16:1を超える壁の厚さ 対 内径の比を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目25)
上記遠位領域は、15Nよりも大きい極限引張強度を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目26)
上記カテーテルデバイスは、近位領域、中間領域、および遠位領域を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目27)
上記近位領域における螺旋状の部材は、約0.008インチの幅、約0.0025インチの厚さ、および約0インチ〜約0.002インチの螺旋状のギャップを有し;上記中間領域における螺旋状の部材は、約0.008インチの幅、約0.002インチの厚さ、および約0.002インチ〜約0.006インチの螺旋状のギャップを有し、ならびに上記遠位領域の螺旋状の部材は、約0.004インチの幅、約0.002インチの厚さ、および約0.002インチ〜約0.012インチの螺旋状のギャップを有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目28)
上記近位領域上の外側カバーは、約0.001インチの厚さを有するポリエステルを含み;上記中間領域上の外側カバーは、約0.0005インチ〜約0.001インチの厚さを有するポリエステルを含み、第一および第二の上記遠位領域の外側カバーは、約0.0005インチの厚さを有するポリオレフィンまたはナイロンコポリマーを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目29)
上記遠位領域は、1,200度/in−lbよりも大きい側方可撓性を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目30)
上記遠位領域は、約0.174インチ+/−0.008インチ以下のキンク半径を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目31)
上記遠位領域は、16:1を超える壁の厚さ 対 内径の比を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目32)
上記遠位領域は、15Nよりも大きい極限引張強度を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目33)
バルーンをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目34)
上記バルーンは、コンプライアントバルーンを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目35)
上記バルーンは、実質的に非コンプライアント膜を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目36)
上記螺旋状のギャップ内に配置される上記ポリマーは熱硬化性ポリマーである、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目37)
上記バルーン膨張チャネルの壁はポリイミドを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目38)
上記バルーン膨張チャネルの管腔は、上記バルーンの下で終端し、該バルーンに操作可能に接続され、該バルーンは、該バルーン膨張チャネルの終端に対して近位および遠位の上記カテーテルチュービングに流体シールされ(fluidically sealed)ている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目39)
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋と異なる断面を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目40)
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋の断面よりも薄い異なる断面を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目41)
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋のピッチよりもゆるいピッチを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目42)
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋よりもきつく上記内側ライナーの周りに巻かれる、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目43)
相対的に剛な近位チュービングセグメント、相対的に可撓な遠位チュービングセグメント、および該相対的に剛な近位チュービングセグメントと該相対的に可撓な遠位チュービングセグメントとの間の通路を画定する少なくとも1つの中間セグメントをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目44)
上記近位セグメントと上記中間セグメントとの間に移行領域をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目45)
上記中間セグメントと上記遠位セグメントとの間に移行領域をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
(項目46)
カテーテルを製造するための方法であって、該方法は、
内側ポリマーライナーを製造形態ツールに付与するステップと、
管腔を有する側面チャネルであって、該側面チャネルは、該内側ポリマーライナーに対してその長さの少なくとも一部分に沿って付与される、側面チャネルを付与するステップと、
螺旋状のギャップを有する金属螺旋を形成するステップと、
ポリマー材料を、該ポリマー材料と該側面チャネルと該金属螺旋とが組み合わさって、外表面および複数の管腔を有する管状部材を形成するように、該螺旋状のギャップ内に配置させるステップと、
外側カバーを該管状部材の該外表面に配置させるステップと
を含む、
方法。
(項目47)
上記螺旋状のギャップの幅は連続的である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
上記螺旋状のギャップの幅は変動する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
上記内側ライナーはマンドレル上に配置され、上記側面チャネルは該内側ライナーに沿って配置され、上記金属螺旋は次に、該内側ライナーおよび該側面チャネルの上に配置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
上記金属螺旋は、上記内側ライナーの周りに螺旋状に巻かれ、次にヒートセットされたニッケルチタン合金を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
流動可能なポリマー混合物は、上記螺旋状のギャップの中に、および上記側面チャネルの周りにキャスティングされ、固められ、それにより、管状部材であって、その中に配置される上記内側ライナーおよび上記側面チャネルを有する、管状部材を形成する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
上記ポリマーはポリマー接着剤を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目53)
上記ポリマーは熱硬化性ポリマーを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
上記ポリマー接着剤が上記金属螺旋の選択された領域に対して接着することを阻止または妨害するために、該金属螺旋の1つ以上の選択された領域に対して離型剤またはバリアを付与するステップをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
上記ポリマー接着剤が、上記管状部材と上記内側ライナーとの間の接着を引き起こす、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目56)
上記管状部材と上記外側カバーとの間に接着を引き起こすために、該管状部材の外表面と該外側カバーの内表面との間にある量のポリマー接着剤を配置させるステップをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
上記外側カバーは、上記管状部材の外径よりも大きい内径を初めに有するチューブを含み、該外側カバーは、該管状部材を覆って前進させられ、次に該管状部材の外表面上のとまりばめに接続される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
上記外側カバーは、上記管状部材の外表面上に熱収縮される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
放射線不透過性のマーカーを上記カテーテルデバイスの上または中に配置させるステップをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
上記外側カバーの外表面に親水性のコーティングを付与するステップをさらにを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
カテーテルであって、該カテーテルは、
近位末端および遠位末端、およびそれらの末端の間に延在する内側管腔を画定する通路を有する細長い管状部材を含み、該細長い管状部材は、
相対的に剛な近位セグメントと、
相対的に可撓な遠位セグメントと、
該相対的に剛な近位セグメントと該相対的に可撓な遠位セグメントとの間の通路を画定する少なくとも1つの中間セグメントと
を有し、
該近位セグメントは、近位カバー材料を含む外側近位管状カバーと平行な長手方向の軸の関係にある近位ライナー材料を含む内側近位管状ライナー、該内側近位管状ライナーと平行な関係にある長手方向の軸を有する第二のチャネル、該外側近位管状カバーによって覆われた該内側近位管状ライナー上の編み組まれた、1インチあたり80ピックを超えるピック数を有する金属編組構造から構成され、
遠位の該細長い管状部材は、第一のカバー材料を含む外側管状カバーと同軸関係にある第一のライナー材料の内側管状ライナー、および少なくとも金属および熱硬化性ポリマーのキンク抵抗性部材構造を含み、同じ左右像を有し、その両方は、該内側管状ライナーに対して外部に巻きつき、該外側管状カバーによって覆われ、該遠位末端の領域におけるカテーテルセクションは、16:1を超える壁の厚さ 対 内径の比、1,200度/in−lbよりも大きい側方可撓性、および15Nよりも大きい極限引張強度を有し、
該少なくとも1つの中間セグメントは、編み組まれた補剛構造から該金属および熱硬化性ポリマーのキンク抵抗性部材構造までの移行部を有し、
該第二のチャネルは、該遠位セグメントの遠位末端前の箇所において、該細長い管状部材に付着したバルーンの内部の下で終端し、該バルーンの内部に操作可能に接続される、
細長い管状部材を含む、
カテーテル。
(摘要)
身体の管腔(血管の管腔等)内の、もしくは身体の管腔(血管の管腔等)近くの、および/または身体の管腔(血管の管腔等)内を通る流れを修復する移植可能なデバイス、カテーテル、もしくは物質を送達するための、またはガイドカテーテルシステムの遠位末端に付着するバルーンを膨らませるための遠位アクセスバルーンガイドカテーテルシステムおよび方法が記載される。近位領域、任意選択の中間の可撓性の中間領域、および高い可撓性を有する遠位領域、キンクに対する高い抵抗性、および壁の厚さに対する管腔の大きい比を有する遠位アクセスバルーンガイドカテーテル。バルーンは、バルーンガイドカテーテルシステムチュービングの壁内に埋め込まれたキンク抵抗性の第二の管腔によって膨らませられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、ハブ領域およびチュービングの2つの領域を有するバルーンカテーテルデバイスの側面図を例示する。
【図2A】図2Aは、主管腔およびバルーン膨張管腔を有するカテーテルチュービングの近位領域の側方断面図を例示する。
【図2B】図2Bは、カテーテルチュービングの遠位領域の側方断面図を例示する。
【図3A】図3Aは、内側ライナー、中央管腔、および側面管腔を含むチュービングサブアセンブリの近位領域の側方断面の斜視図を例示する。
【図3B】図3Bは、金属コイル強化材によって覆われた内側ライナーおよび側面管腔を有するチュービングの近位領域の斜視側方断面を例示する。
【図4A】図4Aは、コイルと内側ライナーとの間の空間にポッティングされ、さらに側面管腔を取り囲む接着剤材料を有するチュービングサブアセンブリの近位領域の側方断面の斜視図を例示する。
【図4B】図4Bは、コイルの外側の周りおよびコイル要素間にポッティングされ、さらに外側の巻きつきによって覆われた接着剤材料を有するチュービングサブアセンブリの近位領域の側方断面の斜視図を例示する。
【図5A】図5Aは、バルーン膨張管腔、バルーン膨張管腔がバルーンと連通することを可能にするスカイビング(skive)、および遠位コイル巻きを示すカテーテルチュービングサブアセンブリの遠位領域の側方セクションの斜視図を例示する。
【図5B】図5Bは、遠位コイル巻きの周りにエラストマー材料のポッティングをさらに組み込み、外側ジャケットによって取り囲まれる図5Aに例示されるセクションの斜視図を例示する。
【図6A】図6Aは、しぼんだ状態のバルーンを含むカテーテルチューブの遠位末端の側面図を例示する。
【図6B】図6Bは、膨張させたバルーンを含むカテーテルチューブの遠位末端の側面図を例示する。
【図7】図7は、遠位セグメントの外部の外側の側面チャネル管腔の出現を例示しているある長さのバルーンカテーテルチュービングの近位セグメントと遠位セグメントとの間の移行部の斜視図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の特定の実施形態は、添付の図面を参照して以下に記載されるが、開示される実施形態は、単に本開示の例であり、種々の形態において具体化され得る。周知の機能または構築物は、不必要な詳細において本開示を不明瞭にすることを避けるために詳細に記載されない。従って、本明細書中に開示される特定の構造上および機能上の詳細は、限定するものとしてではなく、単に特許請求の範囲に対する基礎として、および事実上任意の適切に詳述される構造において本開示を様々に用いるために、当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。参照数字のようなものは、図の記載を通して同様または同一な要素を指し得る。
【0019】
図1は、バルーンカテーテル100の側面図を例示し、バルーンカテーテル100は、ある長さのカテーテルチュービング102、ハブ114、ひずみリリーフ116、およびバルーン118をさらに有し、上記バルーン118は、近位結合120および遠位結合122をさらに含む。上記ある長さのカテーテルチュービング102は、遠位放射線不透過性マーカー128、バルーン放射線不透過性マーカー126、および移行帯124をさらに含む。近位チュービングの断面108−108は、図2Aのチュービングが側方断面化されている箇所を画定する。遠位チュービングの断面110−110は、図2Bが画定される箇所を画定する。カテーテル100は、全長104、および作動長または有効長106を含む。
【0020】
図1を参照すると、ガイドカテーテル100は、その近位末端においてハブ114で終端し、ガイドカテーテル100の中央貫通管腔(示されない)に操作可能に接続されているポート130に操作可能に接続されるルアーまたは止血弁(示されない)をさらに含み得る。ハブ114は、少なくとも1つの他のアクセスポート132を提供するコネクターをさらに含み得、ハブ114は、弁を取り付けられるか、または止め栓、ルアーロック、差込み台、ルアースリップフィッティング等で終端され得る。
【0021】
ガイドカテーテルチュービング102は、近位領域および遠位領域を含み得る。遠位領域は、近位領域よりも可撓である。遠位領域および近位領域は、両方とも高い柱強度、トルク抵抗、およびキンクに対する抵抗を維持する。カテーテルチュービング102は、内側中央管腔のサイズ(示されない)が所与のカテーテルチューブ102の外径に対して最大化されるように、非常に薄い壁を用いて構成されている。ガイドカテーテルチュービング102は、その遠位末端において遠位領域の近位末端に付着され、その近位末端において近位領域の遠位末端に付着される中間領域を含み得る。中間領域は側面チャネルを担持し得るか、または側面チャネルは中間領域の前に終端し得る。
【0022】
近位本体セグメントは、患者の脈管系を通ってカテーテルの軸方向の位置決めを可能にするために、十分な柱強度を示すように構成されている。カテーテル本体は、他の構成要素(放射線不透過性充填材;着色料;強化材料;強化層(編組および螺旋状の強化要素等);可撓な接着剤ポッティング、または同様のもの等)をさらに含み得る。特に、近位本体セグメントは、好ましくはその壁の厚さおよび外径を制限しながら、その柱強度およびトルク伝達性(torqueability)を高めるために強化され得る。
【0023】
ハブ114は、カテーテルチューブ102の近位末端に付着される。ひずみリリーフ116は、その近位末端において、ハブ114に付着される。2つの放射線不透過性(RO)マーカーバンド126、128は、埋め込まれるか、ポッティングされるか、接着剤により結合されるか、溶接されるか、または他の方法でカテーテルチュービング102に付着される。
【0024】
ハブ114は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、およびポリエステル等が挙げられるが、これらに限定されない材料から選択される多様なポリマーから製作され得る。ハブ114はまた、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン、およびコバルトニッケル合金等が挙げられるが、これらに限定されない)から製作され得る。ハブ114は、指示されるサイズまでのガイドカテーテルサブアセンブリ100(すなわち、例えば、約4フレンチ、約5フレンチ、約6フレンチ、約7フレンチ、約8フレンチ、および約9フレンチ)のデバイスを摺動可能に許容し得る貫通管腔(示されない)を含む。ハブ114は、キンクを最小化し、最大制御下でガイドカテーテルサブアセンブリ100に力を伝達するために、ガイドカテーテルサブアセンブリ100のチュービングに付着される領域においてひずみリリーフを含み得る。ハブ114とサブアセンブリ100の他の構成要素との間の取り付けは、紫外(UV)光硬化接着剤(DymaxTM 1128−M−VT UV硬化接着剤、または同様のもの等が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。ハブ114とカテーテルサブアセンブリ100の他の構成要素との間の取り付けはまた、シアノアクリレート接着剤(例えば、Loctite 4011等が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
【0025】
ひずみリリーフ116は、一般にエラストマー材料を含み、剛体であるハブ114がチュービング102に付着する領域においてチュービング102を支持し、キンクを防ぐために役立つ。
【0026】
本明細書中に開示されるカテーテル100は、非常に可撓である薄い壁のカテーテルおよびキンク抵抗を導入することが所望され得る場所はどこでも、身体を通して使用するために容易に適合され得、カテーテル100は、比較的大きい直径の吸引または支持された作動チャネル、およびカテーテルチュービングの遠位部分に配置されるバルーンを提供する。例えば、カテーテルシャフトは、冠状および末梢脈管系、胃腸管、尿道、尿管、ファロピウス管、および他の管腔、ならびにまた潜在的な管腔を通して使用するために寸法を合わせられ得る。管腔構造はまた、固体組織の標的(例えば、乳房生検または組織切除)に対する診断アクセスまたは治療アクセス等のための最小侵襲性の経皮的な組織管拡張器として使用され得る。カテーテルは、本明細書中でガイドカテーテルと称されるが、ガイドカテーテルというよりむしろ、そこを通る第二のカテーテルをガイドする以外の目的のために使用される最終カテーテルであり得る。さらに、カテーテルはまた、迅速な交換構成を有し得る。
【0027】
存在する場合、任意選択の放射線不透過性のマーカー128は、代表的に少なくともカテーテル100の遠位末端において提供される。他の放射線不透過性マーカー126は、すでに放射線不透過性であるのではない場合に、どこにでも(支持コイルにおいて等)提供され得る。使用され得る放射線不透過性マーカー126、128としては、近位本体セグメントの遠位末端内に完全にはめ込まれた金属バンドが挙げられる。適切なマーカーバンド126、128は、多様な材料(白金、金、およびタングステン/レニウム合金が挙げられる)から生成され得る。放射線不透過性金属バンドは、近位本体セグメントの遠位末端に形成される環状チャネルにはめ込まれ得る。
【0028】
放射線不透過性マーカーバンド126、128は、約0.002インチの直径を有する白金イリジウムワイヤーから製作され得る。放射線不透過性マーカー126、128に含まれる材料は、白金、白金−イリジウム、金、タンタル、硫酸バリウム、および硫酸ビスマス等を含み得る。放射線不透過性マーカー126、128は、まるいワイヤー、平らなワイヤー、もしくは任意の他の断面を有するワイヤーのコイルとして含むか、または構成され得、あるいは軸方向に細長い円柱のバンドとして、ワイヤーのヘビ状バンドとして、もしくは同様のものとして構成され得る。放射線不透過性マーカー126、128は、約0.5mm〜約5mmの長さを含み得る。放射線不透過性マーカー126、128は、エラストマー接着剤内に埋め込まれ、ポリマーの最内層102、220とポリマーの最外層206および216との間に配置され得る。
【0029】
開示される範囲外の直径はまた、直径の機能的結果が、カテーテルの意図される目的に対して許容可能であるという条件で使用され得る。例えば、所与の応用における管状本体の任意の部分に対する直径の下方限界は、許容可能な最小吸引流速および圧壊抵抗を伴う、カテーテルに含まれる流体管腔または他の機能的管腔の数の関数である。
【0030】
管状カテーテル本体102は、カテーテルが管状本体102の座屈または所望されない曲がりなしで、遠位位置まで前進することを可能にするために十分な構造上の完全性(例えば、柱強度または「押込力伝達性(pushability)」)を有する。トルクを伝達する管状カテーテル本体102の能力はまた、舵取りを助けるために回転の際のキンクを避け得る。管状カテーテル本体102、および特に遠位セクションは、構造を高める多様なトルクおよび/または柱強度のいずれかを提供し得る。例えば、軸方向に延在する補剛ワイヤー、螺旋状に巻かれた支持層、編組(複数可)、または10本の織られた強化フィラメントは、管状カテーテル本体の全てもしくは一部に組み込まれるか、または管状カテーテル本体の全てもしくは一部の上に層にされ得る。
【0031】
近位セクションは、特に低いプロフィールまたは曲がりくねった動脈を横断することを必要とされ得ない。冠状脈管応用のために、例えば、近位セクションは、その長さの実質的な部分にわたって、ほとんどもしくは完全に比較的大きな直径のガイドカテーテル内にあるか、または大動脈内、大静脈内、もしくは他の大きな直径の血管内に存在し得る。移行部は、バルーンおよび/または遠位末端が処置部位に有る場合に、ガイドカテーテルの遠位末端とほぼ一致するようにカテーテルシャフト上に位置し得る。特定の他の応用(頭蓋内カテーテル法等)のために、遠位セクションは、好ましくは少なくとも約5cmの長さであり、3mmまたは2mmまたはそれより小さいくらい小さい血管を通過するために直径が十分小さい。この応用のためのカテーテル100は、約60cm〜約150cmの間の近位セクションの長さ、および約5cm〜約15cmの間の遠位セクションの長さを有し得、遠位セクションは、約3mm未満の管腔IDの血管を通って、少なくとも約5cmの曲がりくねった経路を行くことができる。
【0032】
カテーテル100の管状本体セクションの数は、1〜5またはそれより多くに変動し得、セクションの数は2〜4の間で変動する。2つの本体セクションカテーテル100が表されるが、中間(第三)本体セクションが本開示を通して議論される。近位セクション、遠位セクションと、それらの間に位置する任意のセクションとの間の交差部、インターフェイス、移行部、または他の連結部としては、重なり、部分的な重なり、強化構造の重なり、接着剤(紫外(UV)硬化接着剤等)のリング等が挙げられ得る。連結部は、完全または不明瞭であり得るが、外部の外側ジャケット、内側ライナー、ポッティング材料、強化層、それらの組み合わせ、または同様のもののうちの1つ以上は、近位もしくは遠位セクション、または中間セクションのうちの1つのいずれかの中に適切に終端し得る。
【0033】
図2Aは、カテーテルチューブ102におけるチュービングの近位領域の側方断面108を例示する。チューブ102は、近位内側ライナー202、ある長さのチュービングによって画定された側面チャネル204、ある長さの近位コイル強化材208、ポリマー材料の外側ジャケット206、および近位内側ライナー202と外側ジャケット206との間のエラストマー接着剤の充填物またはポッティング210を含む。
【0034】
図2Aを参照すると、側面チャネル204は、材料(例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、およびポリイミドコポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない)から製作され得る。側面チャネル204は、ほぼまるい断面において押出され、次に、その湾曲した長円形状に圧縮され得る。側面チャネル204は、図2Aに示される湾曲した楕円または長円の断面において押出され得る。側面チャネル204は、内側ライナー202を直接覆って組み立てられ得るか、あるいはポリマー、エラストマー、ポッティング、金属、もしくはポリマーメッシュ、または同様のものの層によって、内側ライナー202から分離され得る。全般的な断面形状は、側面チャネル204が外側ジャケット206内で内側ライナー202とともに存在するので、概ね偏心である。
【0035】
図2Bは、2つのセクションのカテーテルチューブ102における遠位チューブの側方断面110を例示する。カテーテルチューブ102の断面110は、遠位ライナー218、エラストマー接着剤ポッティングの環状領域212の周囲の遠位スプリングテンパーコイル214、および外側ジャケット216を含む。
【0036】
図2Bを参照すると、遠位内側ライナー218は、近位内側ライナー202の延長であり得るか、または異なる材料、直径、厚さ等から製作される異なるライナーであり得る。遠位ライナー218は、近位ライナー202と同じ連続ライナーであり得る。遠位内側ライナー218は、近位内側ライナー202と同じであり得、その延長である。遠位内側ライナー218は、近位内側ライナー202と一体をなし得るが、壁の厚さは薄くされる。遠位内側ライナー218は、それを、製造後で包装の前のある時点において除去される除去可能なマンドレル(示されない)を覆って組み立てることによって調製される。遠位内側ライナー218は、近位内側ライナー202と同じであり得、近位内側ライナー202に対して密着するか、近位内側ライナー202と一体をなすか、または近位内側ライナー202と重なり得る。遠位内側ライナー218は、遠位強化コイル214によって取り囲まれ、次に、エラストマー材料212でポッティングされる。構造全体は、最終構造を形作るために、遠位外側ジャケット216内に入れられ、圧力および熱を用いて圧縮される。遠位強化コイル214は、厚さ、支柱幅、支柱断面形状、材料、または他の性質において、近位コイル208と異なり得る。遠位領域は、側面チャネル204が一切存在しないので、断面108における近位領域よりも直径が小さい。いくつかの実施形態において、断面110における遠位領域は、直径が近位領域よりも約1フレンチ小さいことがあり得る。遠位領域の直径は、近位領域の直径とおよそ同じ〜近位領域の直径よりも約2フレンチ小さい範囲に及び得る。
【0037】
遠位エラストマー材料212は、近位領域において使用されるエラストマーポッティング210と同じであり得るか、あるいは遠位エラストマー材料212は、異なる材料または異なる硬度もしくは他の機械的性質を有する同様の材料であり得る。エラストマー材料212は、二層を含み得、その一方は、遠位強化コイル214の内側に配置され、別の層は、遠位強化コイル214の外側に配置される。
【0038】
チュービングサブアセンブリ102は、少なくとも1つの放射線不透過性マーカーバンド128をさらに含み、UV接着剤の移行部リング124を含み得る。カテーテルチュービングサブアセンブリ102は、接着剤210の近位層と接着剤210の遠位層との間の移行部に配置される重なり領域126をさらに含み得る。チュービングサブアセンブリ102は、任意選択の中間領域(示されない)において、ポリマー収縮包装チュービング(示されない)の少なくとも1つの外層をさらに含み得る。
【0039】
図3Aは、中央管腔304をさらに含むライナー202、第二の管腔302をさらに含む第二のチュービング204を含む、断面108における近位カテーテルチュービングの初期サブアセンブリ102の斜視図を例示する。この例示は、製造の中間段階におけるチュービングサブアセンブリ102を記載する。
【0040】
図3Aを参照すると、内側ライナー202は、PTFE、PFA、FEP、または他の滑らかなポリマーを含み得る。内側ライナー202の外径表面は、その粗度を増加させるためにエッチングされ得る。このようなエッチングは、方法論(プラズマ放電処理、機械的研磨、およびレーザーエッチング等が挙げられるが、これらに限定されない)を用いて行われ得る。近位内側ライナー202は、適切な直径の除去可能なマンドレルを覆って、概ね配置され、上記マンドレル(示されない)は、金属コアおよび外部の滑らかなコーティング(PTFE、FEP、PFA、パリレン、または同様のもの等)を含む。このマンドレル(示されない)は、製造の完了前に除去される。
【0041】
図3Bは、中央管腔304をさらに含む近位ライナー202、第二の管腔302をさらに含む第二のチュービング204、強化コイル208、およびコイル208とライナー202との間の環状部306を含む、断面108における近位カテーテルチュービングの第二のサブアセンブリ102の斜視図を例示する。図3Bは、図3Aに例示されるものよりも後の製造の中間段階におけるチュービングサブアセンブリ102を例示する。
【0042】
図3Bを参照すると、環状部306は、側面チャネル204のチュービングを取り囲む。環状部306は、製造中にこの時点においてポッティング、エラストマー、接着剤、ポリマー、または他の材料で充填され得るか、または環状部306は、その中への材料の後の注入のために空にされ得る。
【0043】
図4Aは、近位ライナー202、第二のチュービングまたは側面チャネル204、近位強化コイル208、および近位コイル208と近位ライナー202との間のポッティング210の領域を含む、断面108における近位カテーテルチュービングサブアセンブリ102の斜視図を例示する。
【0044】
図4Aを参照すると、近位内側ライナー202は、マンドレル(示されない)を覆って付与されている。側面チャネル204は、平らにされ、内側ライナー202に向かって配置されている。近位コイル208は、近位内側ライナー202および側面チャネル204の周りに巻かれている。図3Bから、ポッティング210の第一の層は、近位コイル208と近位内側ライナー202との間、ならびに側面チャネル204の周りの環状部306に付与されている。ポッティング210はまた、コイル208のループの間にわずかに延在する。ポッティング210はまた、押出しプロセス、ディップコーティング、スプレーコーティング、蒸着、または同様のものによって付与され得る。
【0045】
ポッティング210の第一の層は、材料(例えば、以下に限定されないが、シリコーンエラストマー、イソプレン、ポリウレタンエラストマー、熱可塑性エラストマー、Bacon Co.,Irvine,CAによって供給されるFlexobond TMという商品名の下に販売される接着剤エラストマー材料等)を含み得る。ポッティング210はまた、溶媒の蒸発、架橋によって固められるポリマー、室温加硫(RTV)ポリマー、または同様のものであり得る。
【0046】
図4Bは、中央管腔304をさらに含む近位内側ライナー202、側面管腔302をさらに含む側面チャネル204、強化コイル208、近位強化コイル208の周りのポッティング210を含み、近位強化コイル208と近位外側ジャケット206との間のある量のポッティング210をさらに含む、断面108における近位カテーテルチュービング102のサブアセンブリを例示する。
【0047】
図4Aおよび4Bを参照すると、ポッティングまたは接着剤層210は、サブアセンブリ700の近位領域にわたって、近位外側ジャケット206と近位内側ライナー202との間、および側面チャネル204の周りに配置され、材料(以下に限定されないが、Flexobond 431TM等)を含む。ポッティング210は、図4Aに付与されるものと同じであり得るか、またはポッティング210は、異なる機械的性質、熱的性質、または電気的性質を有する材料を含み得る。
【0048】
図5Aは、遠位領域におけるカテーテルチュービング102の側方断面の斜視図を例示する。遠位カテーテルチュービング102は、内側ライナー218、遠位強化コイル214、遠位コイル214を取り囲むポッティング212の領域、スカイビングまたは窓502、および遠位外側ジャケット216を含む。
【0049】
図5Aおよび5Bを参照すると、断面110におけるカテーテルチュービングの遠位末端は、近位領域断面108よりも直径が小さい。側面チャネル204は、もはや遠位領域に延在せず、側面チャネル管腔302がバルーン(示されない)の下で終わる箇所において終端される。側面チャネル管腔302の末端が遠位ジャケット216内または遠位ジャケット216よりも下に存在し得るので、側面チャネル管腔302〜バルーン(示されない)の内部体積の間の流体連通を可能にするために、スカイビングまたは窓502が必要に応じて提供され得る。いくつかの実施形態において、側面チャネル管腔302は、遠位領域の外側ジャケット216よりも上で終端し、スカイビングまたは窓502は必要とされない。側面チャネル管腔は、外側ジャケット216の外部よりも上に出現する。
【0050】
8フレンチのカテーテル100において、壁の厚さは、約0.0045インチ〜約0.0055インチの範囲に及び得、約0.005インチの壁の厚さの場合、カテーテルチュービング102の内径は、好ましくは約0.094インチ〜約0.096インチの範囲に及び得る。
【0051】
7フレンチのカテーテル100において、壁の厚さは、約0.004インチ〜約0.005インチの範囲に及び得、約0.0045インチの壁の厚さの場合、カテーテルチュービング102の内径は、好ましくは約0.082インチ〜約0.084インチの範囲に及び得る。
【0052】
6フレンチのカテーテル100において、壁の厚さは、約0.003インチ〜約0.004インチの範囲に及び得、約0.0035インチの壁の厚さの場合、カテーテルチュービング102の内径は、好ましくは約0.072インチ〜約0.073インチの範囲に及び得る。
【0053】
5フレンチのカテーテル100において、壁の厚さは、約0.003インチ〜約0.0035インチの範囲に及び得、約0.00325インチの壁の厚さの場合、カテーテルチュービング102の内径は、好ましくは約0.059インチ〜約0.060インチの範囲に及び得る。
【0054】
4フレンチのカテーテル100において、壁の厚さは、約0.0025インチ〜約0.003インチの範囲に及び得、約0.00275インチの壁の厚さの場合、カテーテルチュービング102の内径は、好ましくは約0.046インチ〜約0.047インチの範囲に及び得る。
【0055】
遠位コイル214における間隔は、約0.008インチであり得、約0.006インチ〜約0.010インチの範囲を有し得る。中間コイル(示されない)における間隔は、約0.004インチであり得、約0.002インチ〜約0.006インチの範囲を有し得る。近位コイル208における間隔は、約0.001インチであり得、約0.0005インチ〜約0.002インチの範囲を有し得る。コイル208、214の間隔が狭ければ狭いほど、システムはより剛であり、システムはより大きなトルクを担持する能力を有する。従って、近位コイル208は、中間コイル(示されない)よりも剛であり、次いで上記中間コイルは、遠位コイル214よりも剛である。コイル208、214は、好ましくは平らなワイヤー形状で、超弾性性質または擬弾性性質を有するニチノールから製作され得るが、まるいワイヤーまたは任意の断面プロフィールを有するワイヤーはまた、特定の状況下で使用され得る。コイルワイヤー208、214は、幅が約0.001インチ〜約0.010インチの範囲に及び得、コイルワイヤーの厚さは、約0.0005インチ〜約0.005インチに及び得る。コイルワイヤー208、214は、好ましくは、ばね特性を有し、可鍛性ではない。コイルワイヤー208、214は、前に言及されるようにニチノールから製作され得るが、また、材料(例えば、以下に限定されないが、コバルトニッケル合金、チタン、ステンレス鋼、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)から製作され得る。
【0056】
遠位コイルワイヤー214は、近位コイルワイヤー208が近位内側ライナー202の周りに巻かれるよりもきつく遠位内側ライナー216の周りに巻かれ得る。コイル214の巻きつきのこのきつさの増加は、近位チュービング102の領域に対して、より小さい直径の遠位チュービング102の領域を促進する。さらに、遠位領域におけるコイル214の間隔は、近位領域におけるコイル208よりも開いていることが可能である。近位コイル208において、コイル巻き208の間のギャップは、約0インチ〜約0.004インチの範囲に及び得、約0.001インチ〜約0.002インチのギャップ範囲を有し得る。遠位コイル214は、約0.002インチ〜約0.012インチの範囲に及ぶ巻きの間のギャップを含み得、そのギャップは約0.004インチ〜約0.008インチの範囲を有し得る。
【0057】
コイル208および214は、側面チャネルに対して外側に巻かれることの他に、内側ライナー202に対して外側および側面チャネル204に対して内側に巻かれ得る。
【0058】
本明細書中に記載されるコイルは、平らなワイヤー断面、円形断面、または任意の他の多角形断面を有するワイヤーから構成され得る。あるいは、他の実施形態において、コイル208および214は、所望されるパターンを形成するために、レーザーで切断されたか、化学的にエッチングされたか、または研削された金属のチューブから形成され得る。別の実施形態において、コイル208および214は、電着、蒸着、焼結、または除去可能な基材上にコイル208および214を築くために使用され得る任意の他のプロセスによって除去可能な基材上に築かれ得る。さらに、コイル巻きのピッチ、コイルの内径、およびコイルの外径は、その長さに沿って変動し得る。
【0059】
代替の実施形態において、近位編組および遠位編組は、それぞれコイル208および214の代わりに使用され得る。編組は、螺旋状のコイルまたは編組を形成するために1つ以上のワイヤーを巻くことによるものであり得る。ワイヤーは、平らなワイヤー断面、円形断面、または任意の他の多角形断面を有し得る。あるいは、他の実施形態において、編組は、編組のための所望されるパターンを形成するために、レーザーで切断されたか、化学的にエッチングされたか、または研削された金属のチューブから形成され得る。別の実施形態において、編組は、電着、蒸着、焼結、または除去可能な基材上に編組を築くために使用され得る任意の他のプロセスによって除去可能な基材上に築かれ得る。編組に対する1インチあたりのピック(pic)(PPI:pics per inch)は、遠位末端に向かってカテーテルの可撓性を増加させるために、カテーテルの長手方向の長さに沿って変動し得る。
【0060】
105cmの作動長106(ハブ114、ひずみリリーフ116、または任意の他の取り付け物を除いたカテーテルの長さ)を有するカテーテル100のためのチュービングサブアセンブリ102構築物は、以下の通りである:全長104は、約113cmであり得、作動長または使用に適した長さ106は、約105cmであり得、ライナー202の長さは、約110cmであり得、近位コイル208の長さは、約96cmであり得、中間コイルの長さ(示されない)は、約6cmであり得、遠位コイル214の長さは、約8cmであり得る。
【0061】
115cmの作動長106を有するカテーテル100のためのライナー202およびコイル208のサブアセンブリ構築物は、以下の通りである:全長104は、約123cmであり得、作動長または使用に適した長さ106は、約115cmであり得、ライナー202の長さは、約120cmであり得、近位コイル208の長さは、約106cmであり得、中間コイル(示されない}の長さは、約6cmであり得、遠位コイル214の長さは、約8cmであり得る。
【0062】
チュービングサブアセンブリ102の遠位領域を覆って配置される遠位ポッティング層212は、材料(以下に限定されないが、Bacon Co.,Irvine,CAによって供給されるFlexobond430TM等)を含む。近位第一接着剤層210は、遠位第一ポッティング層212の剛性に対して増加した剛性を提供するように構成されている。遠位接着剤またはポッティング層212は、一般に、チュービング102の長さ全体に沿ってサブアセンブリに付与され、層210、212の厚さは、コイル巻き208、214の厚さとほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに大きい。
【0063】
接着剤の近位第二層は、105cmの作動長を有するカテーテルに対して約91cm(約80cm〜約100cmの範囲)の長さ、115cmの作動長を有するカテーテルに対して約101cm(約90cm〜約110cmの範囲)の長さを有し得る。エラストマー接着剤の中間第二層の長さは、約5.5cmであり得、約3cm〜約7cmの範囲を有し得る。エラストマー接着剤の遠位層の長さは、約15cmと約25cmとの間の範囲に及び得、約105cm〜約115cmの範囲の作動長を有するカテーテルに対して約19.5cmの例示的な値を有し得る。124または126の周りの重なり領域は、約0.5cmの長さを有し得、その長さは約0.1cm〜約1.0cmの範囲を有し得る。UV硬化可能接着剤リング124の長さは、約0.5mm〜約2mmの範囲に及び得、約1.0mmの例示的な値を有し得る。
【0064】
ポリマーの最外層206、216は、材料(以下に限定されないが、ポリエステル(PET)、ポリイミド、PebaxTM、ポリアミド、または同様のもの等)から製作され得る。いくつかの実施形態において、近位領域におけるポリマーの最外層206は、約0.00025インチ〜約0.002インチの厚さを有する熱収縮チュービングとして構成され得、その厚さは約0.005インチ〜約0.0015インチの範囲を有し得る。遠位領域におけるポリマーの最外層216は、約0.0005インチと約0.002インチとの間の厚さを有するポリイミド(PebaxTM)熱収縮チュービングを含み得る。遠位外側ポリマー層216は、Iridium Corporationから調達され得る。任意選択のポリマーの中間外層(示されない}は、約0.00025インチの壁の厚さを有するポリエステル(PET}を含み得、その厚さは約0.0001インチ〜約0.001インチの範囲を有する。熱収縮包装材料である外側ポリマー層は、カテーテルチュービングサブアセンブリ102を覆って摺動可能に配置され、接着剤の第二層および任意の他のチュービング構成要素を覆って下方へきつく熱収縮され得る。熱収縮は、滑らかで一定の直径の外側構成を生成するために、ホットボックスを用いて、またはカテーテルチュービングの長さに沿ってリングまたはC形状の加熱要素を自動的に移動させる水平または垂直の収縮機械で行われ得る。
【0065】
近位領域210における接着剤の第二層は、好ましくはFlexobond 431を含むが、他の同様の材料(以下に限定されないが、他の2液型ウレタン接着剤、1液型ウレタン接着剤、または同様のもの等)も含み得る。中間領域(示されない)における接着剤の第二層は、好ましくはFlexobond 430を含むが、他の同様の材料(以下に限定されないが、他の2液型ウレタン接着剤、1液型ウレタン接着剤、または同様のもの等)も含み得る。遠位領域における接着剤212の第二層は、好ましくはFlexobond 430ソフトミックスを含むが、他の同様の材料も使用され得る。
【0066】
材料選択の鍵となる要素は、特定の溶媒による分解に対する抵抗性である。本明細書中に言及される実施形態は、溶媒ジメチルスルホキシド(DMSO)による攻撃に対して抵抗力を示す。DMSOは、時折、脳血管動脈瘤を満たすために、動静脈奇形(AVM)を閉塞するのに脳において使用される塞栓薬剤のための担体として使用され、DMSOとの適合性は、脳血管ガイドカテーテルまたは脳血管吸引カテーテルにとって極めて重要である。接着剤、ポッティング材料、および吸引ガイドカテーテル構成要素(ライナー、接着剤層、外側ポリマー層、コイル、編組等が挙げられる)は全て、DMSOと接触させられる場合、長期の接触でさえ、任意の実質的な化学変化に対して抵抗力を示す。
【0067】
バルーン118は、材料(ラテックス、シリコーン、ポリウレタン、C−FlexTM熱可塑性エラストマー、ChronopreneTM、SantopreneTM、または同様のもの等)から形成されるコンプライアントバルーンを含み得、細長いカテーテル本体102の遠位末端において、または細長いカテーテル本体102の遠位末端近くに配置され得る。そのようなバルーン118は、中にカテーテルが配置される血管を通る流れを、そのような流れの閉塞が所望される場合に、閉塞するために有用であり得る。他の実施形態において、バルーン118は、実質的に非弾性材料(例えば、以下に限定されないが、ポリエステル(PET)、ポリイミド、ポリアミド、および架橋ポリマー等)を含み得る。
【0068】
最終カテーテルサブアセンブリ100の構築後、任意の製造マンドレル(示されない)は除去される。オブトラトール(示されない)は、包装中、輸送中、および保存中に、破壊抵抗性(crush resistance)を維持するために、カテーテルサブアセンブリ100に挿入され得る。オブトラトールは、包装および輸送のために使用され得るか、またはガイドワイヤー等を覆って吸引ガイドカテーテルを追跡するための吸引ガイドカテーテルの一部として使用され得る。従って、任意のオブトラトールは、約0.010インチの直径のガイドワイヤー〜約0.018インチの直径のガイドワイヤーを摺動可能に許容することが可能な直径を有する中央貫通管腔を有益に含み得る。
【0069】
チュービング102の近位セクションは、半径方向の強度を保持し得るが、側方可撓性を提供し得る。さらに、そのセクションは、例えば、Tinius−OlsenTM Stiffness Testerによって測定されるような、少なくとも1,200度のたわみ/インチポンド(0.25’’の範囲にわたって、20度〜30度のたわみで、0.005lbの荷重で測定される)、好ましくは2,500度のたわみ/インチポンドの側方可撓性(剛性}を望ましくは有する。セクションの半径方向の圧縮強度は、先行技術のガイドカテーテルの同等のカテーテル遠位セクションにおいて見出される他の遠位セクションと比較して非常に高い。
【0070】
カテーテル100のためのアクセスは、末梢の動脈(右大腿動脈、左大腿動脈、右橈骨動脈、左橈骨動脈、右上腕動脈、左上腕動脈、右腋窩動脈、左腋窩動脈、右鎖骨下動脈、または左鎖骨下動脈等)における切開を通る従来の技術を用いて達成され得る。切開はまた、緊急事態において、右頸動脈または左頸動脈においてなされ得る。
【0071】
本明細書中に記載される構築物は、独立型のデバイスとして、ガイドカテーテル、カテーテル導入器、またはバルーンカテーテルに適している。この構築物は、これほどのサイズの薄い壁のチューブおよび高い引張強度を有して、先行技術のデバイスにおいて達成不可能な高い柱強度、トルク伝達性、優れたキンク抵抗性を有する高度に可撓なデバイスをもたらす。コイル208、214および側面チャネル204を取り囲む接着剤ポッティングは、カテーテルチュービング102が、ひどく小さい半径の周りに曲げられる場合でさえ、側面管腔302が開口しているか、または開出していることを維持する。内側管腔304は、同様に、強化コイル208、214、およびポッティング210、212のパッキング効果によって、キンクまたは圧壊に対して保護される。
【0072】
図6Aは、膨張していないバルーン118、近位バルーン結合120、遠位バルーン結合122、バルーン118の内側の間隔604の内部バルーン領域、側面チャネル管腔204、側面チャネル管腔の出口ポート602、チュービング移行帯606、近位チュービング領域608、遠位チュービング領域610、および遠位放射線不透過性マーカー128を含むカテーテルチューブ102の側面図を例示する。
【0073】
図6Aは、膨張したバルーン118、近位バルーン結合120、遠位バルーン結合122、バルーン118の内側の間隔604の内部バルーン領域、側面チャネル管腔204、側面チャネル管腔の出口ポート602、チュービング移行帯606、近位チュービング領域608、遠位チュービング領域610、および遠位放射線不透過性マーカー128を含むカテーテルチューブ102の側面図を例示する。
【0074】
カテーテル100の製作は、サイズを合わせるために内側ライナーを伸縮させるステップ、ならびに同心性および直径に関して非常にきつい許容度を有するPTFEコーティングされた金属マンドレルを覆って、所望されるカテーテルの長さ全体に沿ってPTFEの内側ライナー202を位置決めするステップを含み得る。PTFEの内側ライナー202は、内側ライナーの外壁において作り出された微視的粗度に対して、プラズマ放電または他の処理を用いて有益にエッチングされる。ポリイミドの側面チャネルチュービング204のセクションは、圧延機を用いて平らにされ、次に約180°Fで約2時間、焼きなまされる。白金イリジウムまたは白金のワイヤー128は、遠位末端の周りに、および提供されたバルーン領域においてコイルへと巻かれ、次に、シアノアクリレート接着剤を用いて内側ライナー202に対して適所に結合される。異なる特性を有する2つのニチノールコイル、近位コイル210、および遠位コイル214は、2つのコイルが互いに付着される移行点において一緒にレーザー溶接される。溶接されたコイル210、214は、平らにされたポリイミドのチュービングおよびPTFEのライナーを覆って位置決めされる。溶接されたコイルアセンブリの近位セグメントは、Flexobond 431でポッティングされる。溶接されたコイルアセンブリの遠位セグメントは、Flexobond 430でポッティングされる。PETの外層は、カテーテルチュービング102の近位長全体に沿って、コイル、ポリイミドの側面チャネル、PTFEの内側ライナー202、およびポッティングされたFlexobond材料を覆って熱収縮される。PalladiumTM PebaxTMチュービングは、カテーテルチュービング102の遠位長全体に沿って、コイルアセンブリ、平らなポリイミド、PTFE、およびFlexobondを覆って熱収縮される。PebaxTM 250チュービングは、エラストマーバルーンチュービング(例えば、ChronopreneTM)の予め切ってある長さの両端において熱融合される。ハブ(Y−コネクター)114は、UV硬化可能接着剤を用いてチュービング102の近位末端に結合される。ひずみリリーフ116は、シアノアクリレート接着剤またはUV硬化可能接着剤を用いてハブ114に付着される。側面チャネル管腔302の出口は、バルーンチュービング下の概ね中央に位置する。側面チャネル管腔302は、好ましくはカテーテルチュービング102の遠位部分の外部レベルよりも上において出るか、または終端するように構成されている。万一、側面チャネル管腔302が遠位チュービング102の外表面の下で部分的または完全に終端する場合、カテーテルチュービング102の外部の領域およびバルーン118の下に側面チャネル管腔302を操作可能に接続することを可能にするために、側面チャネル管腔302への出口を覆うチュービングにおいてポート、開窓(fenestration)、または窓502を削り出すことは有益である。
【0075】
図7は、近位ジャケットまたは外層206、遠位ジャケットまたは外層216、近位コイル208、遠位コイル214、遠位ライナー218、近位ライナー202(示されない)、側面チャネル204、側面チャネル管腔302、近位ポッティング210、遠位ポッティング212、および側面チャネル管腔302に対する出口702を含むカテーテルチューブ102における移行部108を例示する。
【0076】
図7を参照すると、出口または終端702は、遠位ジャケット216に対して半径方向に外部に位置する。近位ポッティング210および近位コイル208は、近位側面チャネル204の終端において可視であるが、いくつかの実施形態において、近位コイル208は、終端702の前に終端される。図7に例示される実施形態において、遠位ジャケット216における窓は必要ではない。遠位ライナー218は、好ましくは近位ライナー202(示されない)の延長であり、近位ライナー202(示されない)と同じである。遠位コイル214は、出口702の露出を容易にするために、近位コイル208が近位ライナー202の周りに巻かれるよりもきつく遠位ライナー218の周りに巻かれ得る。外側ジャケット216はまた、より遠位ではないポッティング212を用いて、近位外側ジャケット206が巻かれるよりもきつく巻かれ得、より厚い量の近位ポッティング210がもたらされる。近位外側ジャケット206および遠位外側ジャケット216の非対称性(非同心性)は、バルーン118が出口702にまたがるので、バルーン(示されない)における可撓性によって適合され得、遠位バルーン結合122は外側遠位ジャケット216の外側に付着され、他方、近位バルーン結合120は近位外側ジャケット206の外側に付着される。バルーン118の内部604は、側面チャネル管腔302に操作可能に接続された出口702に操作可能に接続される。
【0077】
カテーテルデバイスは、カテーテルデバイスの遠位領域が、約16:1〜約24:1(好ましくは、約16:1)の内径 対 壁の厚さの比、ならびに以下の性質:a)1,200度/in−lbよりも大きい側方可撓性、および/またはb)約0.174インチ+/−0.008インチ以下のキンク半径、および/または22Nの極限引張強度(UTS)の引張強度を有するように、サイズを合わせられ、構築され得る。
【0078】
上に記載されるデバイスは、カテーテルを製造するための方法において使用することが意図され、A)螺旋状のギャップを有する金属螺旋を形成するか、またはそれを得るステップ;B)ポリマー材料および金属螺旋が組み合わさって、外表面および管腔を有する管状部材を形成するように、ポリマー材料で螺旋状のギャップを充填するステップ;C)管状部材の管腔内に内側ライナーを位置決めするステップ;D)内側ライナーの外部に沿っておよび金属螺旋の下に、平らにされたポリマー側面チャネルを作り出すステップ;ならびにE)管状部材の外表面において外側カバーを配置するステップを含む。ポリマー材料は、キャストポリウレタン材料(ポリウレタン熱硬化性接着剤等)であり得る。
【0079】
上に記載されるデバイスは、ヒトまたは動物被験体において障害を処置するか、または診断するための方法において使用することが意図され、A)被験体の脈管系の中に本明細書中に記載されるタイプのカテーテルデバイスを挿入するステップ、B)脈管閉塞、血管形成術、脈管再構築、一時的なネックブリッジを形成すること、塞栓材料の固定のための形態を提供すること、ステント術、およびフローダイバージョン等の目的のために、カテーテルデバイスの遠位末端近くに付着されるバルーンを膨張させるステップ、ならびにC)カテーテルデバイスの管腔を通して物質またはデバイスを送達し、その物質またはデバイスを用いて障害を処置するか、または診断するステップを含む。カテーテルデバイスは、被験体の頭蓋内に位置する血管、または血液を脳までもしくは脳から運搬する血管の中に前進し得る。カテーテルデバイスが、中を前進し得る血管の例としては、頸動脈、大脳動脈、前大脳動脈、中大脳動脈、および後大脳動脈が挙げられる。
【0080】
上に記載されるデバイスは、ヒトまたは動物被験体の身体内のある場所において治療作業または診断作業を行うためのシステムにおいて使用することが意図される。上記デバイスは、a)遠位アクセスバルーンカテーテルであって、近位部分、遠位部分、管腔、および遠位末端開口部を有し、高度にキンク抵抗で可撓であるカテーテル遠位先端を有し、16よりも大きいカテーテル壁に対する内径の比を有し、1,200度/in−lbよりも大きい側方剛性(可撓性)を有する、遠位アクセスバルーンカテーテル;およびb)カテーテルの管腔を通ってその遠位開口部から出るように前進可能である作動デバイスであって、治療作業または診断作業を行うために用いられる、作動デバイスを含む。このシステムにおいて使用され得る作動デバイスのタイプの例としては、i)血栓または他の閉塞物を身体の管腔からおよび/または吸引のためのアクセス吸引ガイドカテーテルの遠位開口部へと除去するためのデバイス;ii)身体の管腔内の閉塞を通った流体の流れ、またはその閉塞の周りの流体の流れを容易にするために用いられる流れ修復デバイス;ならびにiii)移植物(例えば、移植可能な閉塞コイルまたは移植可能な塞栓デバイス)を配備するか、または送達するためのデバイス;ならびに/あるいはiv)上記身体の管腔を一時的に閉塞するデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
上に記載されるデバイスは、ヒトまたは動物被験体の身体内のある場所において治療作業または診断作業を行うための方法において使用することが意図され、a)カテーテルであって、近位部分、遠位部分、そこを通って延在している主管腔、および遠位末端開口部を有し、高度にキンク抵抗で可撓であるカテーテル遠位先端を有し、16よりも大きいカテーテル壁に対するカテーテル内径の比を有し、1,200度/in−lbよりも大きい側方剛性(可撓性)を有し、主管腔の軸に対して平行に配置される第二の側面管腔、およびポリマーエラストマーの周囲内に埋め込まれるポリマーチューブを有する、カテーテルを被験体の身体の中に挿入するステップ;b)所望される身体の管腔において、遠位にカテーテルの遠位末端開口部を位置決めするステップ;c)側面管腔を通して注入される流体でカテーテルの遠位末端近くに位置するバルーンを膨張させるステップ;ならびにd)カテーテルの主管腔を通ってその遠位開口部から出るように作動デバイスを前進させるステップ;ならびにe)治療作業または診断作業を行うために上記作動デバイスを用いるステップを含む。この方法において使用され得る作動デバイスのタイプの例としては、i)血栓または他の閉塞物を身体の管腔からおよび/または吸引のための遠位アクセス吸引ガイドカテーテルへと除去するためのデバイス;ii)身体の管腔内の閉塞を通った流体の流れ、またはその閉塞の周りの流体の流れを容易にするために用いられる流れ修復デバイス;およびiii)移植物(例えば、移植可能な閉塞コイルまたは移植可能な塞栓デバイス)を配備するか、または送達するためのデバイス;ならびに/あるいはiv)上記身体の管腔を一時的に閉塞するデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
上に記載されるデバイスは、身体の管腔から閉塞物を除去するための方法において使用することが意図され、a)遠位アクセスカテーテルであって、近位部分、遠位部分、そこを通って延在している主管腔を有し、遠位末端開口部、側面管腔、バルーンをさらに含み、上記側面管腔は、それを通って流体通過を容易にするように構成され、上記バルーンは、カテーテルの遠位末端近くの側面管腔を覆って付着され、その側面管腔に操作可能に接続され、上記遠位アクセスカテーテルは、高度にキンク抵抗で可撓であるカテーテルの遠位先端を有し、16よりも大きいカテーテル壁に対する内径の比を有する、遠位アクセスカテーテルおよび;b)その遠位末端開口部が身体の管腔内にあるようにカテーテルを位置決めするステップ;c)側面管腔を通して注入される流体でバルーンを膨張させるステップ;d)遠位末端開口部を通ってカテーテルの管腔の中へと閉塞物を移動させるステップ;e)側面チャネルを用いてバルーンの内側から流体を引き抜くことによってバルーンを収縮させるステップ;ならびにf)カテーテルの管腔の中に移動させられた閉塞物と一緒にカテーテルを除去するステップを含む。負の圧力は、遠位末端開口部を通ってカテーテルの管腔の中へと閉塞物を吸引するために、カテーテルの管腔を通して付与され得る。また、上記方法のステップd)は、カテーテルから閉塞物移動デバイス(例えば、塞栓摘出デバイスまたは血栓摘出デバイス)を前進させるステップ、および遠位末端開口部を通ってカテーテルの管腔の中へと閉塞物を移動させるために、閉塞物移動デバイスを用いるステップを含み得る。ステップd)は、カテーテルの主管腔を通した治療用の流体、固体、デバイス、または材料の注入を含み得る。
【0083】
本開示は、本開示の特定の例または実施形態を参照してここの上に記載されているが、本開示の意図される趣旨および範囲から外れることなく、それらの例および実施形態に対して種々の追加、削除、変更、および改変がなされ得ることが認識されるべきである。例えば、1つの実施形態または例の任意の要素または属性は、そうでないと指定されない限り、またはそうすることがその意図される使用に対して実施形態または例を不適切にさせることがない限り、別の実施形態または例に組み込まれるか、または別の実施形態または例とともに使用され得る。また、方法またはプロセスのステップが特定の順序で記載されるか、または列挙されている場合、このようなステップの順序は、そうでないと指定されない限り、またはそうすることがその意図される目的に対して上記方法またはプロセスを実行不可能にさせることがない限り変更され得る。全ての妥当な追加、削除、改変、および変更は、記載された例および実施形態の等価物とみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0084】
本デバイスおよび方法の実施形態は、それらが開発された環境を参照して記載されているが、それらは本発明の原理について単なる例示である。種々の実施形態の要素は、それらの要素の利益を他の種と組み合わせて得るために、このような他の種の各々に組み込まれ得、種々の有益な特徴は、実施形態において、単独で、または互いに組み合わせて用いられ得る。他の実施形態および構成は、本発明の趣旨、および添付の特許請求の範囲から外れることなく考案され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルデバイスであって、該カテーテルデバイスは、
内側管腔、外表面、近位末端、および遠位末端を含む軸方向に細長い管状部材であって、該管状部材は、螺旋状のギャップを有する金属螺旋と該螺旋状のギャップ内に配置されるポリマーポッティング材料とを含む、管状部材と、
該管状部材の該管腔を通って延在し、該カテーテルの内側管腔を画定する内側ライナーと、
該管状部材の該外表面上の外側カバーと、
該金属螺旋と該内側ライナーとの間に配置されるバルーン膨張チャネルと
を含み、
該螺旋状のギャップ内に配置される該ポリマーポッティング材料は、該内側ライナーおよび外側カバーの材料と異なる、
カテーテルデバイス。
【請求項2】
前記金属螺旋はニッケルチタン合金を含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項3】
前記ポリマーポッティング材料は、エラストマー;キャストエラストマー;キャストポリウレタン;熱硬化性ポリウレタン接着剤;および熱硬化性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項4】
前記内側ライナーは、フルオロポリマー;PTFE;PFA;およびFEPからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項5】
前記外側カバーは、ポリエステルおよびポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項6】
バルーンをさらに含む、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のカテーテルデバイス。
【請求項7】
前記バルーン膨張チャネルの壁はポリイミドを含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項8】
前記バルーン膨張チャネルの管腔は、前記バルーンの下で終端し、該バルーンに操作可能に接続され、該バルーンは、該バルーン膨張チャネルの終端に対して近位および遠位の前記カテーテルチュービングに流体シールされている、請求項6に記載のカテーテルデバイス。
【請求項9】
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋と異なる断面を含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項10】
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋の断面よりも薄い異なる断面を有する、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項11】
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋のピッチよりもゆるいピッチを含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項12】
異なる可撓性を有する近位領域および遠位領域をさらに含み、該遠位領域における金属螺旋は、該近位領域における金属螺旋よりもきつく前記内側ライナーの周りに巻かれる、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項13】
相対的に剛な近位チュービングセグメント、相対的に可撓な遠位チュービングセグメント、および該相対的に剛な近位チュービングセグメントと該相対的に可撓な遠位チュービングセグメントとの間の通路を画定する少なくとも1つの中間セグメントをさらに含む、請求項1に記載のカテーテルデバイス。
【請求項14】
カテーテルを製造するための方法であって、該方法は、
内側ポリマーライナーを製造形態ツールに付与するステップと、
管腔を有する側面チャネルであって、該側面チャネルは、該内側ポリマーライナーに対してその長さの少なくとも一部分に沿って付与される、側面チャネルを付与するステップと、
螺旋状のギャップを有する金属螺旋を形成するステップと、
ポリマー材料を、該ポリマー材料と該側面チャネルと該金属螺旋とが組み合わさって、外表面および複数の管腔を有する管状部材を形成するように、該螺旋状のギャップ内に配置させるステップと、
外側カバーを該管状部材の該外表面に配置させるステップと
を含む、
方法。
【請求項15】
カテーテルであって、該カテーテルは、
近位末端および遠位末端、およびそれらの末端の間に延在する内側管腔を画定する通路を有する細長い管状部材を含み、該細長い管状部材は、
相対的に剛な近位セグメントと、
相対的に可撓な遠位セグメントと、
該相対的に剛な近位セグメントと該相対的に可撓な遠位セグメントとの間の通路を画定する少なくとも1つの中間セグメントと
を有し、
該近位セグメントは、近位カバー材料を含む外側近位管状カバーと平行な長手方向の軸の関係にある近位ライナー材料を含む内側近位管状ライナー、該内側近位管状ライナーと平行な関係にある長手方向の軸を有する第二のチャネル、該外側近位管状カバーによって覆われた該内側近位管状ライナー上の編み組まれた、1インチあたり80ピックを超えるピック数を有する金属編組構造から構成され、
遠位の該細長い管状部材は、第一のカバー材料を含む外側管状カバーと同軸関係にある第一のライナー材料の内側管状ライナー、および少なくとも金属および熱硬化性ポリマーのキンク抵抗性部材構造を含み、同じ左右像を有し、その両方は、該内側管状ライナーに対して外部に巻きつき、該外側管状カバーによって覆われ、該遠位末端の領域におけるカテーテルセクションは、16:1を超える壁の厚さ 対 内径の比、1,200度/in−lbよりも大きい側方可撓性、および15Nよりも大きい極限引張強度を有し、
該少なくとも1つの中間セグメントは、編み組まれた補剛構造から該金属および熱硬化性ポリマーのキンク抵抗性部材構造までの移行部を有し、
該第二のチャネルは、該遠位セグメントの遠位末端前の箇所において、該細長い管状部材に付着したバルーンの内部の下で終端し、該バルーンの内部に操作可能に接続される、
細長い管状部材を含む、
カテーテル。

【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−66720(P2013−66720A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−208569(P2012−208569)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】