遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法
本発明は、全血や体液を遠心分離するとき使用する遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法に関するものであって、さらに詳しくは、全血や体液を採取した後、遠心分離チューブに注射器を装着して、遠心分離を通じて分離される標的物質(多血小板血漿や幹細胞)を注射器に直接採集することで、標的物質を容易に抽出することができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年10月28日出願の韓国特許出願第10‐2009‐0102762号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示された内容は、すべて本出願に参照として取り込まれている。本発明は、血液や体液を遠心分離するとき使われる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法に関するものであって、さらに詳しくは、遠心分離チューブに注射器を設置して、遠心分離を通じて分離される標的物質を注射器に採集することで、標的物質を容易に抽出することができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術が発達するにつれて幹細胞(stem cell)や血小板(platelet)など身体組織に存在する有益な成分を利用して疾病を治療するか、これを応用して施術している。
【0003】
上記幹細胞は、すでに知られているように、胚芽幹細胞と成体幹細胞とに分けられ、成体幹細胞は、骨髄、臍帯血、脂肪組織などに分化すると知られている。
【0004】
このような幹細胞は、細胞を繰り返し分裂する自己再生(self renewal)、多くの組織に分化する多分化能(multipotency)、すべての種類の細胞に分化する多能性(pluripotency)を有する細胞と定義される。
【0005】
また、血小板は傷ついたとき、特に止血する過程で一連の連鎖過程(cascade process)を通じて成長因子を分泌する。より具体的には、上記血小板は、全血(whole blood)に含まれた多血小板血漿(PRP:platelet‐rich plasma)であって、全血を遠心分離して得られる。このような多血小板血漿(PRP)は、血小板由来成長因子(PDGF)、形質組み換え成長因子(TGF)、上皮成長因子(EGF)などを含んでいる。このような成長因子は、治癒過程で、組織の再生に必須である新生血管の促進、細胞の化学走性及び分裂促進、幹細胞の刺激及び増殖、基質合成などを調節する因子として関与することが知られている。
【0006】
そこで、上記幹細胞及び多血小板血漿を利用した臨床での活用が各分野ごとに増えつつある。
【0007】
現在、幹細胞からターゲット細胞を抽出するか、全血から血小板そのものや多血小板血漿を効率的に獲得するために、多様な方法が実施されている。
【0008】
臨床的にターゲット細胞(成体幹細胞)を抽出する時は、脂肪組織や骨髄から抽出し、骨髄から幹細胞を抽出する過程は、全血から多血小板血漿(PRP)を抽出する過程とほとんど似ている。従って、以下では全血から多血小板血漿を抽出することに関して説明する。
【0009】
まず、血液を採取するための注射器と遠心分離のための遠心分離チューブとを用意する。このとき、上記注射器は注射針が設けられたシリンダーとピストンとからなった通常の注射器を使用し、遠心分離チューブは所定物質を受容し上部がキャップによって密閉されるようになった通常の容器である。
【0010】
上記血液採取用注射器で血液(全血)を採取する。ここで上記注射器は10cc用採血注射器を使う。例えば、抗凝固剤であるACD溶液(Acid Citrat Dextrose solutions)1.5ccを含む10cc注射器で8.5ccの血液を採取し、10cc用遠心分離チューブに入れた後、遠心分離機へ入れて遠心分離する。
【0011】
上記血液を遠心分離すれば、図1に示すように、比重によって遠心分離チューブ2の下から赤血球(RBC:red blood cell)層、血小板を多量に含んだ多血小板血漿(PRP)層、乏血小板血漿(PPP:platelet‐poor plasma)層の3層に分離される。このとき、上記多血小板血漿(PRP)は、軟膜(buffy coat)ともいう。すなわち、血液は、赤血球(RBC)層からなった血球成分と、多血小板血漿(PRP)及び乏血小板血漿(PPP)からなった血漿成分とに分けられる。このとき、上記赤血球(RBC)層と乏血小板血漿(PPP)を除いた中間層(PRP)から、長いスパイナルニードル(spinal needle)が装着された新たな5cc用注射器を利用して多血小板血漿を採取することになる。
【0012】
一方、血小板の濃縮のために、もう一回遠心分離過程及び濃縮された多血小板血漿(PRP)を採取する過程を繰り返すことになる。
【0013】
この過程において、上記多血小板血漿(PRP)の採取時、赤血球(RBC)層が共に採取されないように注意しなければならない。すなわち、多血小板血漿(血漿成分)のみを採取することが重要である。このため、上記多血小板血漿(PRP)層と赤血球(RBC)層とを分離するために、細胞分離ゲルを投入して遠心分離する方法を使用する。
【0014】
上記細胞分離ゲルとは、赤血球の比重と血小板の比重との間の濃度を有する分離溶液であって、フィコール(Ficoll、登録商標名)やパーコール(Percoll、登録商標名)やスクロース誘導体などが使われる。すなわち、図2に示すように、細胞分離ゲル(Vf)が内蔵された遠心分離チューブ2に血液を投入して遠心分離機(図示せず)で処理すれば、チューブ2内の血液は細胞分離ゲル(Vf)を境界層にして、上部の血漿成分と下部の血球成分とに分離される。
【0015】
したがって、上記赤血球(RBC)層と多血小板血漿(PRP)層が細胞分離ゲル(Vf)によって分離されることで、長いスパイナルニードルが装着された新たな5cc用注射器1を利用して、多血小板血漿(PRP)層から赤血球(RBC)層が共に抽出されないように安全に多血小板血漿(PRP)を採取するようになる(図3を参照)。
【0016】
上記のように遠心分離チューブと注射器とを利用して血液から多血小板血漿を抽出するための多様な種類の遠心分離チューブと注射器とが開示されている。例えば、特許文献1は、注射器を利用して血液を採取した後、これを遠心分離チューブとして使うようになった血清分離用注射器を開示しており、特許文献2は、採血管内にゲルコンテナーを形成し、その内部に血液を採血してコンテナーロッドを切断し、密封キャップで密封して遠心分離するようになった、血清分離ゲルを入れた遠心分離チューブと採血注射器とを開示している。
【0017】
しかし、このような方法は、長時間かかり、血小板層(血漿成分)の採取が一定ではないことは勿論、赤血球層が共に採取される恐れがある。従って、臨床的応用に正確性を付与し難いという問題がある。また、全血を採血して血漿成分を抽出するために使われる注射器及び遠心分離チューブの消耗コストが増加するという問題がある。
【0018】
これを解決するために、自動で分類する技術、多血小板血漿の分離キット、細胞分離ゲルが開発されてきた。
【0019】
しかし、自動で分類する自動化機器は、一般の小規模な病院で使うにはそのコスト及び効率を考慮すれば、備え難いという問題がある。
【0020】
また、多様な価格と性能を持つキットが各小規模な病院の実情に合わせて備えられているが、このようなキットも高い価格と消耗品の増加によって使うには負担になるのが実情である。
【0021】
さらに、施術時においては、必要な多血小板血漿を抽出して直ちに使わなければならないので、多血小板血漿を抽出するとき、待ち時間が増加して作業の効率性が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】韓国特許登録第10‐0430893号公報
【特許文献2】韓国実用新案登録第20‐0269465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上記のような問題を解決するために達成されたものであって、遠心分離を通じて標的物質を簡便且つ安定的に抽出することができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法を提供することにその目的がある。
【0024】
本発明の他の目的は、安価な消耗品を使うことはもちろん、消耗品の使用を減少させることができ、標的物質が注射器に採集されるようにすることで、施術者及び被施術者の待ち時間を減らして作業の効率性を向上させることができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明の遠心分離キットは、遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、下部が密閉され上部に開放部が形成されて、開放された上部を開閉するキャップが形成され、内部には集積管が形成された集積部が設けられ、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される遠心分離チューブを含み、上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するための本発明もしくは、他の遠心分離キットは、遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、内部には集積管が形成された集積部が設けられ、下部には内部と連通するチューブ引込部が形成された結合部が設けられ、上部が開放された遠心分離チューブと、上記遠心分離チューブの結合部に装着され、上記チューブ引込部を密封するように締結部が上部に突出して形成され、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される下部キャップと、を含み、上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする。
【0027】
望ましくは、上部に開口部が形成され開口された上部にゴムパッキングが設けられたピストンが移動可能に挿入され、下部には注射針が装着される引込部が形成され、内部に全血を採血するようになった注射器をさらに含む。
【0028】
望ましくは、上記ゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針が除去された注射器が、上部が開放された遠心分離チューブの内部に挿入されて遠心分離機に搭載されるように集積部の上部に装着される。
【0029】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになされる。
【0030】
望ましくは、上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応する形状になっており、上記注射器の引込部が集積管に挿入され密着するように設けられる。
【0031】
望ましくは、上記集積部の長さは、注射器引込部の長さよりも長く形成される。
【0032】
望ましくは、上記全血から遠心分離機によって分離された血漿成分が集積部を基準にして採集されるように、上記血球成分が生成される集積部の下部に位置した空間の体積容量(A)と、上記注射器から採血された全血(Wb)と、赤血球の容積(Vb)と、上記遠心分離された赤血球の容積比率(α)と、細胞分離ゲルの容積(Vf)との間には、次のような関係が成立する。
A=(α×Wb)+Vf=Vb+Vf及び
0≦Vf≦Wb
【0033】
望ましくは、上記集積部には、遠心分離チューブに全血が流入する場合、遠心分離チューブ内部の空気が抜け出すように通気孔が形成され、上記通気孔は、注射器が集積部に密着されて装着されることによって塞がれるようになる。
【0034】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内側面には遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになっている。
【0035】
望ましくは、上記遠心分離チューブは、透明な材質から製造され、その外周面には各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表すように目盛が表示されて、採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って集積部の位置が調節される。
【0036】
望ましくは、上記下部キャップは、遠心分離チューブの下部に密着されて結合される程度に従って、血漿成分が生成される位置の高さが調節される。
【0037】
望ましくは、上記下部キャップは、上記注射器の引込部を密封しながら注射器に装着可能になっている。
【0038】
上記目的を達成するための遠心分離キットを用いた遠心分離方法は、(a1)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、(b1)上記注射器で全血を採取するステップと、(c1)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、(d1)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、(e1)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含む。
【0039】
望ましくは、上記(c1)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに注射器を挿入して集積部に接続させることを特徴とする遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【0040】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内側面には、遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになっている。
【0041】
望ましくは、上記遠心分離チューブの外周面に各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表す目盛が表示され、上記(a1)ステップの以前または(b1)ステップの以前に、採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って、注射器に血漿成分が採集されるように、集積部の位置を調節する。
【0042】
上記目的を達成するためのまたは他の遠心分離キットを用いた遠心分離方法は、(a2)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、(b2)遠心分離チューブの下側に下部キャップを装着するステップと、(c2)上記注射器で全血を採取するステップと、(d2)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、(e2)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、(f2)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含む。
【0043】
望ましくは、上記(d2)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに注射器を挿入して集積部に接続させる。
【0044】
望ましくは、上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応するようにテーパー状になり、上記注射器の引込部が集積管に挿入されて密着するように設けられる。
【0045】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになっている。
【0046】
望ましくは、上記集積部の長さは、注射器引込部の長さよりも長く形成される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本明細書に添付される下記の図面は本発明の望ましい実施例を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはいけない。
【図1】従来技術による遠心分離チューブに全血が遠心分離された状態を示す断面図である。
【図2】従来技術による細胞分離ゲルが受容された遠心分離チューブに全血が遠心分離された状態を示す写真である。
【図3】図2の遠心分離された血液から多血小板血漿を抽出する様子を示す写真である。
【図4】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた注射器を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた遠心分離チューブを示す分解斜視図である。
【図6】図4の注射器を利用して採血された状態を示す断面図である。
【図7】図5の遠心分離チューブに細胞分離ゲルが充填された状態を示す断面図である。
【図8】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを示す分解断面図である。
【図9】図8の組立断面図である。
【図10】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを用いた遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを用いて遠心分離された状態を示す断面図である。
【図12】図11の遠心分離された遠心分離キットに本発明の仮定に従って決められた数値を示した図面である。
【図13】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた他の遠心分離チューブを示す断面図である。
【図14】図13の遠心分離チューブに注射器が装着された状態を示す断面図である。
【図15】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられたまた他の遠心分離チューブを示す断面図である。
【図16】図15の遠心分離チューブを示す斜視図である。
【図17】本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットを示す分解断面図である。
【図18】図17の組立断面図である。
【図19】本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットを用いた遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。
【図20】本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットに備えられた下部キャップが注射器に装着された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立って、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は日常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという意味において、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とに解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施例は本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0049】
図4は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた注射器を示す分解斜視図であり、図5は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた遠心分離チューブを示す分解斜視図である。
【0050】
図面を参照すれば、上記遠心分離キット(図8の「100」を参照)は、注射器110と上記注射器110を装着可能な遠心分離チューブ120とを備える。
【0051】
上記注射器110は、その下部に引込部112が形成され上部に開口部113が形成されたシリンダー111と、上記シリンダー111の開口された上部から挿入されシリンダー111の長手方向に移動できるピストン115と、上記シリンダー111の下部に装着された注射針114とを備える。
【0052】
上記のような注射器110は通常使われるものであって、シリンダー111の内部に血液を採血するようになっている。このとき、上記ピストン115に設けられたゴムパッキング116は、ピストン115から分離できるようになっている。すなわち、ピストン115とゴムパッキング116との分離時、注射器110の内部にゴムパッキング116が残るようにしてピストン115を除去する。
【0053】
このような注射器110を利用して全血(Wb)を採血する(図6を参照)。
【0054】
上記遠心分離チューブ120は、所定物質を受容するように上部に開放部123が形成され、下部が詰まったチューブボディー121と、上記チューブボディー121の内部に設けられた集積部125と、上記上部を開閉するようになったキャップ126とを備える。
【0055】
上記チューブボディー121は、透明な材質からなることが望ましく、その上部にキャップ126と結合するためのネジ121’が形成されキャップ126とねじ結合される。このとき、上記キャップ126が結合された上部、すなわち集積部125を基準にして上側部分は支持部122である。上記支持部122は、注射器110が遠心分離チューブ120に挿入されるとき、注射器110を支持する役割を果たす。上記支持部122に関しては、後述する。
【0056】
上記集積部125は、その中心部に集積部125を基準にして上側と下側とを連通する集積管124が形成される。上記集積管124は、注射器110の引込部112と対応する形状及びサイズを有する。すなわち、上記集積部125の上部は、上記注射器110の引込部112が接続して、結果的に上記注射器110が遠心分離チューブ120に密着するように、注射器110の接触する面と対応する形状を有することが望ましい。これによって、上記集積部125に注射器110が接続するとき、集積管124には注射器110の引込部112が挿入される。ここで、上記集積管124の長さは注射器110の引込部112の長さよりも長く形成することが望ましい。上記集積管124は、標的物質を容易に集めることができ、精度よく採取ができるようにする。
【0057】
一方、上記遠心分離チューブ120の内部直径は注射器110、すなわちシリンダー111の外部直径よりも大きいかまたは同一に形成する。一例として、上記注射器110の外周面が遠心分離チューブ120の内周面に密着するように、上記遠心分離チューブ120の内部直径が設定される。
【0058】
このような遠心分離チューブ120には細胞分離ゲル(Vf)が充填されて使うことができる(図7を参照)。上記細胞分離ゲル(Vf)は図11に示すように、全血(Wb)を遠心分離するとき、血球成分(Vb)と血漿成分(Vp)とを分離するために使われるものである。このような細胞分離ゲル(Vf)は、標的物質の採集者によって最大1:1の容積率まで全血(Wb)と混合して使うことができ、場合によっては使われないこともある。
【0059】
本発明の実施例においては、全血(Wb)を遠心分離するとき、細胞分離ゲル(Vf)を使うと仮定して説明する。
【0060】
一方、本発明は、遠心分離時、集積部125に装着された注射器110に血漿成分(Vp)が採集されるようになったことにその特徴がある。従って、上記遠心分離チューブ120に、集積部125の位置を設定することが重要である。以下では、集積部125の位置を設定するための実施例と共に遠心分離方法に関して説明する。
【0061】
図8は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットの分解断面図であり、図9は図8の組立断面図であり、図10は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを用いた遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。
【0062】
図面に従うと、まず、遠心分離チューブ120と注射器110とを用意する(S11)。このとき、上記遠心分離チューブ120には図7に示すように、細胞分離ゲル(Vf)が充填された状態である。
【0063】
次いで、図6に示すように、注射器110で全血(Wb)を採取する(S12)。
【0064】
続いて、全血(Wb)を採血した注射器110を遠心分離チューブ120に装着する(S13)。このとき、上記注射器110は図8及び図9に示すように、注射針114及びピストン115が除去された状態である。ここで、ピストン115を除去するとき、ゴムパッキング116が注射器110に残存するようにピストン115を除去しなければならない。場合によっては、別個のゴムパッキング(図示せず)で注射器110の上部をパッキングすることもできる。上記注射針114及びピストン115が除去された注射器110はキャップ126が除去された遠心分離チューブ120の開放された上部から挿入されて装着される。ここで、上記注射針114を除去することは、遠心分離チューブ120に注射器110を容易に装着するためであり、上記ゴムパッキング116を除いたピストン115を除去することは、この後に遠心分離機(図示せず)に遠心分離キット100を容易に搭載するためである。
【0065】
上記注射器110は遠心分離チューブ120の上部に形成された支持部122によって緊密に装着される。すなわち、上記注射器110の外周面が遠心分離チューブ120の内周面に密着すると共に、支持部122の長さだけ注射器110を支持することになる。ここで、上記注射器110の引込部112は集積管124に挿入される。
【0066】
次いで、注射器110が装着された遠心分離チューブ120を遠心分離機に搭載させる(S14)。
【0067】
それから、図11に示すように、遠心分離機を作動させて全血(Wb)を血球成分(Vb)と血漿成分(Vp)とに分離する(S15)。上記遠心分離によって比重の大きい物質は下部に位置し、比重の小さい物質は上部に位置することになる。すなわち、上記集積部125の下端を基準にして、下側には血球成分(Vb)が形成され、上側には血漿成分(Vp)が形成される。これは、集積部125の位置を、遠心分離された全血(Wb)の赤血球(Vb)と細胞分離ゲル(Vf)との合算体積に該当する空間がその下部に形成されるようにしたからである。
【0068】
上記のようなステップを経て遠心分離と同時に注射器110に血漿成分(Vp)が採集されれば、直ちに血漿成分(Vp)が使用可能になるので、血漿成分(Vp)を利用した医療施術及び生命工学的活用に所要される作業時間を減少させて作業の効率性を向上させることはもちろん、血漿成分(Vp)を抽出するための別の注射器を使わないことで消耗品の浪費を防止できる。
【0069】
図11は図10の方法に従って遠心分離された状態を示す断面図であり、図12は図11の遠心分離された遠心分離キットに本発明の仮定に従って決められた数値を示した図面であって、図11及び図12を参照しながら集積部の位置調節について説明する。
【0070】
以下、遠心分離機、注射器、及び遠心分離チューブの使用制限条件を考慮し、使われる物質の容積及び容積による高さを具体的に設定して本発明をより具体的に説明する。
【0071】
遠心分離チューブと注射器との高さは、通常、遠心分離機(図示せず)に搭載可能な高さを考慮して決定する。例えば、従来の一般的な10cc容積の遠心分離チューブは13cm程度であり、搭載可能な最大長さは14cmであるので、これを考慮して遠心分離チューブと注射器との高さを決定する。
【0072】
従って、本発明の実施例においては、14cmの長さを搭載可能な遠心分離機で使用できる遠心分離チューブと注射器とを例として挙げる。勿論、遠心分離機はその種類によって搭載可能な長さの制限が異なる。従って、遠心分離機の種類によって本発明による遠心分離チューブと注射器との設計条件は適切に選択できることは当業者には自明である。
【0073】
本発明の実施例において、上記注射器110は通常使われる10cc用注射器を例として挙げて記述する。上記注射器110には、血液の凝固を防止するために抗凝固剤であるACD溶液1.5ccを入れた後、患者の血液8.5ccを採血して遠心分離チューブ120に装着する。
【0074】
上記遠心分離チューブ120には、赤血球の排除及び正確な多血小板血漿(PRP)の獲得のために、細胞分離ゲル(Vf)を使用する。上記細胞分離ゲル(Vf)は、最大で、全血(Wb)と1:1の比率まで混合されて使うことができ、または使われないこともある。ここで、上記細胞分離ゲル(Vf)は2.5ccの容積を有し2cmの長さを有することにする。すなわち、上記細胞分離ゲル(Vf)が遠心分離チューブ120の内部に2.5cc充填されれば、細胞分離ゲル(Vf)の高さは2cmになる。
【0075】
一方、全血(Wb)を遠心分離したとき、血漿成分はVp、血球成分はVbとする。ここで、血球成分(Vb)の比重は血漿成分(Vp)の比重よりも大きいので、遠心分離時、血球成分(Vb)が下側に採集される。
【0076】
通常、全血(Wb)を遠心分離したとき、血球成分、すなわち赤血球(Vb)の容積率(α)は、採血者によって差はあるが、たいてい45%である。従って、全血(Wb)10ccに対する赤血球の容積(Vb)は4.5ccの体積容積を有し、遠心分離チューブ120の下側に3cmの高さにわたって採集されることになる。
【0077】
これをまとめると、Wb=Vp+Vbであり、10cc=5.5cc+4.5ccであることが分かる。また、細胞分離ゲル(Vf)の2.5ccと赤血球の容積(Vb)4.5ccとの和が7ccであるので、上記7ccの容積高さに軟膜、すなわち多血小板血漿層が形成されることが分かる。すなわち、7ccの容積高さの上側に血漿成分(Vp)が形成される。
【0078】
したがって、一定に製作された遠心分離チューブ120である場合、細胞分離ゲルの容積高さが2cmであり、血球容積量の容積高さが3cmであれば、集積部125を設ける高さ(h)は5cmになる。すなわち、集積部125の下側が5cm高さに位置されるべきである。
【0079】
以上をまとめると、下記数1のような関係式が導出される。
【数1】
(但し、0≦Vf≦Wb)
A:血球成分と細胞分離ゲルとを足した体積容量
Wb:全血の容積
Vb:赤血球の容積
α:遠心分離された赤血球の容積率
Vf:細胞分離ゲルの容積
【0080】
このような数1のように、集積部125が形成された下側空間の体積容量は、血球成分(Vb)と細胞分離ゲル(Vf)との容積を足した体積容量であることが分かる。すなわち、集積部125の下側にAの体積容量が受容可能に集積部125の下側位置を調節することが望ましい。
【0081】
また、数1を利用すれば、集積部125を設ける高さをh、赤血球(Vb)の容積高さをh(Vb)、細胞分離ゲル(Vf)の容積高さをh(Vf)として、次のような関係が成立する下記の数式を導出できる。
【数2】
h:集積部を設ける高さ
【0082】
すなわち、上記集積部125を設ける高さ(h)はh(Vf)+0.45×h(Wb)である。従って、上記数2に基づいて上記集積部125の高さを設定できる。
【0083】
一方、集積部125の長さをdとし、注射器110が装着される上記集積部125の上限の高さをh1とすれば、h1=h+dになり、これは、注射器が装着される高さになるのである。
【0084】
また、装着される注射器110の長さはl1とし、上記注射器110が遠心分離チューブ120に装着された全体長さ、すなわちキット100の長さをlとする。このとき、上記集積部125の長さ(d)は、遠心分離機に搭載可能な高さと空間範囲とを考慮して1.5cmに設定し、l1を7cmに設定すれば、キット100の全体長さl=l1+d+hである。すなわち、キット100の全体長さlは13.5cmである。従って、遠心分離機に搭載可能な最大長さである14cmよりも短い長さを有するようになるので、遠心分離機に搭載できる。
【0085】
また、上記注射器110を支持する遠心分離チューブ120の支持部122をsとし、注射器110の引込部112の長さをl2とする。
【0086】
ここで、遠心分離チューブ120の長さをHとすれば、H=h+d+s=h1+sになるのである。
【0087】
上記支持部(s)は、注射器110を支持するためのものであって、約1cmないし2cmであることが望ましい。このような支持部(s)の長さが全体長さ( l )に含まれないことは自明である。
【0088】
上記集積部125の長さdは引込部112の長さl2よりも長く形成される。ここで、上記引込部112の長さl2を1.2cmと設定すれば、l2=1.2cm<dになる。
【0089】
また、集積部125の集積管124の長さdと、注射器110の引込部112の長さl2との差によって集積管124には余裕空間が存在することになる。このような余裕空間を含んで集積管124及び注射器110に血漿成分(Vp)が採集されるようにすることができる。代案としては、細胞分離ゲル(Vf)の容積を調節することで、注射器110の引込部112から血漿成分(Vp)が採集されるようにすることもできる。これは、上記余裕空間だけの容積と同一の容積の細胞分離ゲル(Vf)をさらに使えば実現できる。
【0090】
一方、図12に示した数値は本発明の仮定に従って決められた任意の数値であって、使われる注射器と遠心分離チューブの種類、及び使われる容積量によって変更できることは自明である。
【0091】
結果的に、上記のように設定された条件及び数式を通じて集積部125が設けられる位置を設定することで、注射器110に血漿成分(Vp)が採集されるようにすることができる。従って、目的とする血漿成分(Vp)が注射器110に採集されることで、2次的に即時使用しやすいことは勿論、施術者及び被施術者の待ち時間が減少して作業の効率性を向上させる。
【0092】
図13は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた他の遠心分離チューブを示す断面図であり、図14は図13の遠心分離チューブに注射器が装着された状態を示す断面図である。
【0093】
図面を参照すれば、遠心分離キット200は、注射器110と、通気孔227が形成された集積部225が内部に形成された遠心分離チューブ120とを備える。上記遠心分離キット200の構成要素のうち、注射器110は図9に示した注射器110と同一であるのでここでの説明は省略する。また、図13及び図14の部材番号の中で図9の部材番号と同一であるのは同一の構成要素を示す。すなわち、集積部225に通気孔227が形成されたことを除いては、前述の実施例と構成が同一である。
【0094】
上記集積部225には通気孔227が形成される。上記通気孔227は、注射器110を遠心分離チューブ120に容易に装着するために形成されたものである。すなわち、注射器110から全血が滴下されるにつれて遠心分離チューブ120内の空気が外部に排出されて全血(Wb)が容易に滴下されるようにする。このような通気孔227は、注射器110が集積部225の上部に密着され接続されることによって塞がれるようになるので、全血(Wb)が通気孔227を通じては抜け出すことができなくなる。
【0095】
一方、上記通気孔227の代案として、注射器110にホール(図示せず)を形成できる。すなわち、注射器110の上側部分にホールを形成することによって、遠心分離チューブ120への全血(Wb)の流入が容易になる。
【0096】
このような通気孔227が形成された集積部225は、予め指定された位置に設けられて、前述の遠心分離方法を使用して注射器110に血漿成分(Vp)を採集できることは自明である。
【0097】
一方、本発明では、上記集積部125・225の高さが設定条件に従って決められたと説明したが、これに限定されず、集積部125・225の高さを調節可能にすることができる。
【0098】
例えば、図15に示すように、遠心分離チューブ320の内部に係止突起328が形成される。ここで、上記図15に示した遠心分離キット300は、遠心分離チューブ320が変形されたまた他の実施例であって、図15の部材番号の中で図9の部材番号と同一であるのは同一の構成要素を示す。
【0099】
上記遠心分離チューブ320に形成された係止突起328は、上記遠心分離チューブ320の長手方向に沿って一定の間隔で傾斜して形成される。すなわち、上記集積部325は、注射器110から加圧されて係止突起328の間隔だけ下側に移動する。このとき、下側に移動する集積部325は上側には移動できないようになっている。これは、注射器110を排出する方向に引っ張ったとき、集積管324と結合された注射器110の引込部112の間に採集された多血小板血漿(PRP)が、集積部325の移動によって他の層と混じらない状態を維持させるためである。
【0100】
より具体的に、上記係止突起328が形成された遠心分離チューブ320は、透明な材質からなり、その外周面に目盛(P)が表示される(図16を参照)。上記目盛(P)は、採血された全血の赤血球層の容積(Vb)及び充填される細胞分離ゲルの容積(Vf)の合算体積に従って、位置を調節するように表示されたものである。すなわち、上記目盛(P)を係止突起328が形成された間隔ごとに表示することで、赤血球の容積(Vb)及び細胞分離ゲルの容積(Vf)の合算体積に従って集積部325の位置を調節することになる。
【0101】
例えば、前述のように、全血10ccと細胞分離ゲル2.5cc(2cm)とを基本にするとき、全血9ccを採血すれば、赤血球の容積は4ccであり、それによる容積高さが2.5cmであれば、チューブの下側から4.5cmになる部分に「9」(図示せず)と目盛(P)を表示する。すなわち、「9」と表示された目盛(P)は、9cc採血されたときの高さを意味する。従って、施術者は、採血された容積及び細胞分離ゲルの合算容積によって集積部325をその位置だけ押して装着した後、遠心分離を行う。
【0102】
図17は本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットを示す分解断面図であり、図18は図17の組立断面図である。
【0103】
図17及び図18においては、上記遠心分離キット400は、注射器110と、上記注射器110が装着可能な遠心分離チューブ420と、上記遠心分離チューブ420の下側に装着される下部キャップ430とを備える。上記遠心分離キット400の構成要素のうち、注射器110は図9に示した注射器110と同一であるのでここでの説明は省略する。また、図17及び図18の部材番号の中で図9の部材番号と同一であるのは同一の構成要素を示す。
【0104】
上記遠心分離チューブ420は、上部に開放部が形成され下部にチューブ引込部429’が形成されたチューブボディー421と、上記チューブボディー421の内部に設けられた集積部425とを備える。
【0105】
上記チューブボディー421の上部の開放された部分から注射器110が挿入されて集積部425に接続される。このとき、注射器110は、その外周面がチューブボディー421の内周面と密着することで緊密に装着される。
【0106】
上記チューブボディー421の下部には、チューブ引込部429’が形成された結合部429が設けられる。上記チューブ引込部429’は、チューブボディー421の内部と外部とを連通するように形成される。
【0107】
上記下部キャップ430は、上記チューブ引込部429’を密封させるように締結部439’が上部に突出して形成され、上記結合部429に装着されるチューブ結合部439を備える。このとき、下部キャップ430には細胞分離ゲルを一定量充填できる。従って、チューブボディー421の上部を通じて細胞分離ゲルを充填せず、下部キャップ430の結合によってチューブ引込部429’が密封されるようになる。すなわち、上記チューブボディー421に下部キャップ430を装着することで、下部が密閉された遠心分離チューブとして使えるようになる。
【0108】
このような構造の遠心分離キット400を使用して遠心分離する方法に対して図19を参照しながら説明する。
【0109】
本発明による遠心分離方法は6ステップからなる。すなわち、遠心分離チューブ420と注射器110とを用意するステップ(S21)と、上記注射器110で全血を採取するステップ(S22)と、遠心分離チューブ420の下側に下部キャップ430を装着するステップ(S23)と、全血を採血した注射器110を遠心分離チューブ420に装着するステップ(S24)と、注射器110が装着された遠心分離チューブ420を遠心分離機(図示せず)に搭載するステップ(S25)と、遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップ(S26)とで行える。
【0110】
この過程において、(S23)ステップを除いた他のステップは、前述の(S11)ステップないし(S15)ステップと同一である。すなわち、(S23)ステップを含んだ遠心分離方法は、この技術に属する当業者であれば、前述の遠心分離方法から理解できることから、詳細な説明は省略する。
【0111】
上記(S23)ステップにおいて、上記遠心分離チューブ420に下部キャップ430を装着する。このとき、下部キャップ430には、細胞分離ゲルが一定量充填される。ここで、細胞分離ゲルは2ccないし2.5cc充填することが望ましい。
【0112】
上記下部キャップ430は、変化する多血小板血漿の高さを調節できるようになっている。例えば、多血小板血漿が集積部425の下方に位置すれば、下部キャップ430をチューブボディー421にさらに密着して結合し、逆の場合、下部キャップ430をチューブボディー421に密着されないように結合して装着する。
【0113】
付加的に、上記下部キャップ430は、注射器110の引込部112を密封するように注射器110と結合できる。すなわち、図20に示すように、下部キャップ430は注射器110と結合するようになされる。すなわち、上記注射器110の引込部112が下部キャップ430の締結部439’と結合され、下部キャップ430が注射器の下部を包むように結合される。
【0114】
このように、下部キャップ430と注射器110との結合は、2次的に血小板を濃縮するために使われる。すなわち、2次的に多血小板血漿を濃縮するとき、既に多血小板血漿が抽出された注射器110に、下部キャップ430を装着して遠心分離させる。2次遠心分離されれば、下部キャップ430に多血小板血漿が集積され、注射器110に乏血小板血漿が集積される。
【0115】
結果的に、上記のような遠心分離キット100・200・300・400を使用することで、容易且つ安定した血漿成分の抽出が可能になる。一方、前述の各実施例はそれぞれ独立的に使うこともでき、各実施例を選択的に組み合わせて使うこともできることは自明である。
【0116】
以上のように、本発明は、例示として実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術的思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明による遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法は、以下のような効果を有する。
【0118】
第一に、血液から多血小板血漿(PRP)を抽出するか、骨髄から幹細胞を抽出する遠心分離過程及び採集過程を簡略化することで、作業に所要される時間を減らすことができる。従って、施術者と被施術者の無駄な待ち時間を減らすことができる。
【0119】
第二に、所望の標的物質を注射器に安定的に採集可能になることで、実験の信頼性及び手術時の安定性を確保できる。すなわち、標的物質を抽出するための別の注射器を使わないことで、消耗品のコストを削減できる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年10月28日出願の韓国特許出願第10‐2009‐0102762号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示された内容は、すべて本出願に参照として取り込まれている。本発明は、血液や体液を遠心分離するとき使われる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法に関するものであって、さらに詳しくは、遠心分離チューブに注射器を設置して、遠心分離を通じて分離される標的物質を注射器に採集することで、標的物質を容易に抽出することができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術が発達するにつれて幹細胞(stem cell)や血小板(platelet)など身体組織に存在する有益な成分を利用して疾病を治療するか、これを応用して施術している。
【0003】
上記幹細胞は、すでに知られているように、胚芽幹細胞と成体幹細胞とに分けられ、成体幹細胞は、骨髄、臍帯血、脂肪組織などに分化すると知られている。
【0004】
このような幹細胞は、細胞を繰り返し分裂する自己再生(self renewal)、多くの組織に分化する多分化能(multipotency)、すべての種類の細胞に分化する多能性(pluripotency)を有する細胞と定義される。
【0005】
また、血小板は傷ついたとき、特に止血する過程で一連の連鎖過程(cascade process)を通じて成長因子を分泌する。より具体的には、上記血小板は、全血(whole blood)に含まれた多血小板血漿(PRP:platelet‐rich plasma)であって、全血を遠心分離して得られる。このような多血小板血漿(PRP)は、血小板由来成長因子(PDGF)、形質組み換え成長因子(TGF)、上皮成長因子(EGF)などを含んでいる。このような成長因子は、治癒過程で、組織の再生に必須である新生血管の促進、細胞の化学走性及び分裂促進、幹細胞の刺激及び増殖、基質合成などを調節する因子として関与することが知られている。
【0006】
そこで、上記幹細胞及び多血小板血漿を利用した臨床での活用が各分野ごとに増えつつある。
【0007】
現在、幹細胞からターゲット細胞を抽出するか、全血から血小板そのものや多血小板血漿を効率的に獲得するために、多様な方法が実施されている。
【0008】
臨床的にターゲット細胞(成体幹細胞)を抽出する時は、脂肪組織や骨髄から抽出し、骨髄から幹細胞を抽出する過程は、全血から多血小板血漿(PRP)を抽出する過程とほとんど似ている。従って、以下では全血から多血小板血漿を抽出することに関して説明する。
【0009】
まず、血液を採取するための注射器と遠心分離のための遠心分離チューブとを用意する。このとき、上記注射器は注射針が設けられたシリンダーとピストンとからなった通常の注射器を使用し、遠心分離チューブは所定物質を受容し上部がキャップによって密閉されるようになった通常の容器である。
【0010】
上記血液採取用注射器で血液(全血)を採取する。ここで上記注射器は10cc用採血注射器を使う。例えば、抗凝固剤であるACD溶液(Acid Citrat Dextrose solutions)1.5ccを含む10cc注射器で8.5ccの血液を採取し、10cc用遠心分離チューブに入れた後、遠心分離機へ入れて遠心分離する。
【0011】
上記血液を遠心分離すれば、図1に示すように、比重によって遠心分離チューブ2の下から赤血球(RBC:red blood cell)層、血小板を多量に含んだ多血小板血漿(PRP)層、乏血小板血漿(PPP:platelet‐poor plasma)層の3層に分離される。このとき、上記多血小板血漿(PRP)は、軟膜(buffy coat)ともいう。すなわち、血液は、赤血球(RBC)層からなった血球成分と、多血小板血漿(PRP)及び乏血小板血漿(PPP)からなった血漿成分とに分けられる。このとき、上記赤血球(RBC)層と乏血小板血漿(PPP)を除いた中間層(PRP)から、長いスパイナルニードル(spinal needle)が装着された新たな5cc用注射器を利用して多血小板血漿を採取することになる。
【0012】
一方、血小板の濃縮のために、もう一回遠心分離過程及び濃縮された多血小板血漿(PRP)を採取する過程を繰り返すことになる。
【0013】
この過程において、上記多血小板血漿(PRP)の採取時、赤血球(RBC)層が共に採取されないように注意しなければならない。すなわち、多血小板血漿(血漿成分)のみを採取することが重要である。このため、上記多血小板血漿(PRP)層と赤血球(RBC)層とを分離するために、細胞分離ゲルを投入して遠心分離する方法を使用する。
【0014】
上記細胞分離ゲルとは、赤血球の比重と血小板の比重との間の濃度を有する分離溶液であって、フィコール(Ficoll、登録商標名)やパーコール(Percoll、登録商標名)やスクロース誘導体などが使われる。すなわち、図2に示すように、細胞分離ゲル(Vf)が内蔵された遠心分離チューブ2に血液を投入して遠心分離機(図示せず)で処理すれば、チューブ2内の血液は細胞分離ゲル(Vf)を境界層にして、上部の血漿成分と下部の血球成分とに分離される。
【0015】
したがって、上記赤血球(RBC)層と多血小板血漿(PRP)層が細胞分離ゲル(Vf)によって分離されることで、長いスパイナルニードルが装着された新たな5cc用注射器1を利用して、多血小板血漿(PRP)層から赤血球(RBC)層が共に抽出されないように安全に多血小板血漿(PRP)を採取するようになる(図3を参照)。
【0016】
上記のように遠心分離チューブと注射器とを利用して血液から多血小板血漿を抽出するための多様な種類の遠心分離チューブと注射器とが開示されている。例えば、特許文献1は、注射器を利用して血液を採取した後、これを遠心分離チューブとして使うようになった血清分離用注射器を開示しており、特許文献2は、採血管内にゲルコンテナーを形成し、その内部に血液を採血してコンテナーロッドを切断し、密封キャップで密封して遠心分離するようになった、血清分離ゲルを入れた遠心分離チューブと採血注射器とを開示している。
【0017】
しかし、このような方法は、長時間かかり、血小板層(血漿成分)の採取が一定ではないことは勿論、赤血球層が共に採取される恐れがある。従って、臨床的応用に正確性を付与し難いという問題がある。また、全血を採血して血漿成分を抽出するために使われる注射器及び遠心分離チューブの消耗コストが増加するという問題がある。
【0018】
これを解決するために、自動で分類する技術、多血小板血漿の分離キット、細胞分離ゲルが開発されてきた。
【0019】
しかし、自動で分類する自動化機器は、一般の小規模な病院で使うにはそのコスト及び効率を考慮すれば、備え難いという問題がある。
【0020】
また、多様な価格と性能を持つキットが各小規模な病院の実情に合わせて備えられているが、このようなキットも高い価格と消耗品の増加によって使うには負担になるのが実情である。
【0021】
さらに、施術時においては、必要な多血小板血漿を抽出して直ちに使わなければならないので、多血小板血漿を抽出するとき、待ち時間が増加して作業の効率性が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】韓国特許登録第10‐0430893号公報
【特許文献2】韓国実用新案登録第20‐0269465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上記のような問題を解決するために達成されたものであって、遠心分離を通じて標的物質を簡便且つ安定的に抽出することができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法を提供することにその目的がある。
【0024】
本発明の他の目的は、安価な消耗品を使うことはもちろん、消耗品の使用を減少させることができ、標的物質が注射器に採集されるようにすることで、施術者及び被施術者の待ち時間を減らして作業の効率性を向上させることができる遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明の遠心分離キットは、遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、下部が密閉され上部に開放部が形成されて、開放された上部を開閉するキャップが形成され、内部には集積管が形成された集積部が設けられ、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される遠心分離チューブを含み、上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するための本発明もしくは、他の遠心分離キットは、遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、内部には集積管が形成された集積部が設けられ、下部には内部と連通するチューブ引込部が形成された結合部が設けられ、上部が開放された遠心分離チューブと、上記遠心分離チューブの結合部に装着され、上記チューブ引込部を密封するように締結部が上部に突出して形成され、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される下部キャップと、を含み、上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする。
【0027】
望ましくは、上部に開口部が形成され開口された上部にゴムパッキングが設けられたピストンが移動可能に挿入され、下部には注射針が装着される引込部が形成され、内部に全血を採血するようになった注射器をさらに含む。
【0028】
望ましくは、上記ゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針が除去された注射器が、上部が開放された遠心分離チューブの内部に挿入されて遠心分離機に搭載されるように集積部の上部に装着される。
【0029】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになされる。
【0030】
望ましくは、上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応する形状になっており、上記注射器の引込部が集積管に挿入され密着するように設けられる。
【0031】
望ましくは、上記集積部の長さは、注射器引込部の長さよりも長く形成される。
【0032】
望ましくは、上記全血から遠心分離機によって分離された血漿成分が集積部を基準にして採集されるように、上記血球成分が生成される集積部の下部に位置した空間の体積容量(A)と、上記注射器から採血された全血(Wb)と、赤血球の容積(Vb)と、上記遠心分離された赤血球の容積比率(α)と、細胞分離ゲルの容積(Vf)との間には、次のような関係が成立する。
A=(α×Wb)+Vf=Vb+Vf及び
0≦Vf≦Wb
【0033】
望ましくは、上記集積部には、遠心分離チューブに全血が流入する場合、遠心分離チューブ内部の空気が抜け出すように通気孔が形成され、上記通気孔は、注射器が集積部に密着されて装着されることによって塞がれるようになる。
【0034】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内側面には遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになっている。
【0035】
望ましくは、上記遠心分離チューブは、透明な材質から製造され、その外周面には各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表すように目盛が表示されて、採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って集積部の位置が調節される。
【0036】
望ましくは、上記下部キャップは、遠心分離チューブの下部に密着されて結合される程度に従って、血漿成分が生成される位置の高さが調節される。
【0037】
望ましくは、上記下部キャップは、上記注射器の引込部を密封しながら注射器に装着可能になっている。
【0038】
上記目的を達成するための遠心分離キットを用いた遠心分離方法は、(a1)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、(b1)上記注射器で全血を採取するステップと、(c1)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、(d1)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、(e1)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含む。
【0039】
望ましくは、上記(c1)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに注射器を挿入して集積部に接続させることを特徴とする遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【0040】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内側面には、遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになっている。
【0041】
望ましくは、上記遠心分離チューブの外周面に各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表す目盛が表示され、上記(a1)ステップの以前または(b1)ステップの以前に、採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って、注射器に血漿成分が採集されるように、集積部の位置を調節する。
【0042】
上記目的を達成するためのまたは他の遠心分離キットを用いた遠心分離方法は、(a2)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、(b2)遠心分離チューブの下側に下部キャップを装着するステップと、(c2)上記注射器で全血を採取するステップと、(d2)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、(e2)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、(f2)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含む。
【0043】
望ましくは、上記(d2)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに注射器を挿入して集積部に接続させる。
【0044】
望ましくは、上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応するようにテーパー状になり、上記注射器の引込部が集積管に挿入されて密着するように設けられる。
【0045】
望ましくは、上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになっている。
【0046】
望ましくは、上記集積部の長さは、注射器引込部の長さよりも長く形成される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本明細書に添付される下記の図面は本発明の望ましい実施例を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはいけない。
【図1】従来技術による遠心分離チューブに全血が遠心分離された状態を示す断面図である。
【図2】従来技術による細胞分離ゲルが受容された遠心分離チューブに全血が遠心分離された状態を示す写真である。
【図3】図2の遠心分離された血液から多血小板血漿を抽出する様子を示す写真である。
【図4】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた注射器を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた遠心分離チューブを示す分解斜視図である。
【図6】図4の注射器を利用して採血された状態を示す断面図である。
【図7】図5の遠心分離チューブに細胞分離ゲルが充填された状態を示す断面図である。
【図8】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを示す分解断面図である。
【図9】図8の組立断面図である。
【図10】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを用いた遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを用いて遠心分離された状態を示す断面図である。
【図12】図11の遠心分離された遠心分離キットに本発明の仮定に従って決められた数値を示した図面である。
【図13】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた他の遠心分離チューブを示す断面図である。
【図14】図13の遠心分離チューブに注射器が装着された状態を示す断面図である。
【図15】本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられたまた他の遠心分離チューブを示す断面図である。
【図16】図15の遠心分離チューブを示す斜視図である。
【図17】本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットを示す分解断面図である。
【図18】図17の組立断面図である。
【図19】本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットを用いた遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。
【図20】本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットに備えられた下部キャップが注射器に装着された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立って、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は日常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという意味において、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とに解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施例は本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0049】
図4は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた注射器を示す分解斜視図であり、図5は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた遠心分離チューブを示す分解斜視図である。
【0050】
図面を参照すれば、上記遠心分離キット(図8の「100」を参照)は、注射器110と上記注射器110を装着可能な遠心分離チューブ120とを備える。
【0051】
上記注射器110は、その下部に引込部112が形成され上部に開口部113が形成されたシリンダー111と、上記シリンダー111の開口された上部から挿入されシリンダー111の長手方向に移動できるピストン115と、上記シリンダー111の下部に装着された注射針114とを備える。
【0052】
上記のような注射器110は通常使われるものであって、シリンダー111の内部に血液を採血するようになっている。このとき、上記ピストン115に設けられたゴムパッキング116は、ピストン115から分離できるようになっている。すなわち、ピストン115とゴムパッキング116との分離時、注射器110の内部にゴムパッキング116が残るようにしてピストン115を除去する。
【0053】
このような注射器110を利用して全血(Wb)を採血する(図6を参照)。
【0054】
上記遠心分離チューブ120は、所定物質を受容するように上部に開放部123が形成され、下部が詰まったチューブボディー121と、上記チューブボディー121の内部に設けられた集積部125と、上記上部を開閉するようになったキャップ126とを備える。
【0055】
上記チューブボディー121は、透明な材質からなることが望ましく、その上部にキャップ126と結合するためのネジ121’が形成されキャップ126とねじ結合される。このとき、上記キャップ126が結合された上部、すなわち集積部125を基準にして上側部分は支持部122である。上記支持部122は、注射器110が遠心分離チューブ120に挿入されるとき、注射器110を支持する役割を果たす。上記支持部122に関しては、後述する。
【0056】
上記集積部125は、その中心部に集積部125を基準にして上側と下側とを連通する集積管124が形成される。上記集積管124は、注射器110の引込部112と対応する形状及びサイズを有する。すなわち、上記集積部125の上部は、上記注射器110の引込部112が接続して、結果的に上記注射器110が遠心分離チューブ120に密着するように、注射器110の接触する面と対応する形状を有することが望ましい。これによって、上記集積部125に注射器110が接続するとき、集積管124には注射器110の引込部112が挿入される。ここで、上記集積管124の長さは注射器110の引込部112の長さよりも長く形成することが望ましい。上記集積管124は、標的物質を容易に集めることができ、精度よく採取ができるようにする。
【0057】
一方、上記遠心分離チューブ120の内部直径は注射器110、すなわちシリンダー111の外部直径よりも大きいかまたは同一に形成する。一例として、上記注射器110の外周面が遠心分離チューブ120の内周面に密着するように、上記遠心分離チューブ120の内部直径が設定される。
【0058】
このような遠心分離チューブ120には細胞分離ゲル(Vf)が充填されて使うことができる(図7を参照)。上記細胞分離ゲル(Vf)は図11に示すように、全血(Wb)を遠心分離するとき、血球成分(Vb)と血漿成分(Vp)とを分離するために使われるものである。このような細胞分離ゲル(Vf)は、標的物質の採集者によって最大1:1の容積率まで全血(Wb)と混合して使うことができ、場合によっては使われないこともある。
【0059】
本発明の実施例においては、全血(Wb)を遠心分離するとき、細胞分離ゲル(Vf)を使うと仮定して説明する。
【0060】
一方、本発明は、遠心分離時、集積部125に装着された注射器110に血漿成分(Vp)が採集されるようになったことにその特徴がある。従って、上記遠心分離チューブ120に、集積部125の位置を設定することが重要である。以下では、集積部125の位置を設定するための実施例と共に遠心分離方法に関して説明する。
【0061】
図8は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットの分解断面図であり、図9は図8の組立断面図であり、図10は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットを用いた遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。
【0062】
図面に従うと、まず、遠心分離チューブ120と注射器110とを用意する(S11)。このとき、上記遠心分離チューブ120には図7に示すように、細胞分離ゲル(Vf)が充填された状態である。
【0063】
次いで、図6に示すように、注射器110で全血(Wb)を採取する(S12)。
【0064】
続いて、全血(Wb)を採血した注射器110を遠心分離チューブ120に装着する(S13)。このとき、上記注射器110は図8及び図9に示すように、注射針114及びピストン115が除去された状態である。ここで、ピストン115を除去するとき、ゴムパッキング116が注射器110に残存するようにピストン115を除去しなければならない。場合によっては、別個のゴムパッキング(図示せず)で注射器110の上部をパッキングすることもできる。上記注射針114及びピストン115が除去された注射器110はキャップ126が除去された遠心分離チューブ120の開放された上部から挿入されて装着される。ここで、上記注射針114を除去することは、遠心分離チューブ120に注射器110を容易に装着するためであり、上記ゴムパッキング116を除いたピストン115を除去することは、この後に遠心分離機(図示せず)に遠心分離キット100を容易に搭載するためである。
【0065】
上記注射器110は遠心分離チューブ120の上部に形成された支持部122によって緊密に装着される。すなわち、上記注射器110の外周面が遠心分離チューブ120の内周面に密着すると共に、支持部122の長さだけ注射器110を支持することになる。ここで、上記注射器110の引込部112は集積管124に挿入される。
【0066】
次いで、注射器110が装着された遠心分離チューブ120を遠心分離機に搭載させる(S14)。
【0067】
それから、図11に示すように、遠心分離機を作動させて全血(Wb)を血球成分(Vb)と血漿成分(Vp)とに分離する(S15)。上記遠心分離によって比重の大きい物質は下部に位置し、比重の小さい物質は上部に位置することになる。すなわち、上記集積部125の下端を基準にして、下側には血球成分(Vb)が形成され、上側には血漿成分(Vp)が形成される。これは、集積部125の位置を、遠心分離された全血(Wb)の赤血球(Vb)と細胞分離ゲル(Vf)との合算体積に該当する空間がその下部に形成されるようにしたからである。
【0068】
上記のようなステップを経て遠心分離と同時に注射器110に血漿成分(Vp)が採集されれば、直ちに血漿成分(Vp)が使用可能になるので、血漿成分(Vp)を利用した医療施術及び生命工学的活用に所要される作業時間を減少させて作業の効率性を向上させることはもちろん、血漿成分(Vp)を抽出するための別の注射器を使わないことで消耗品の浪費を防止できる。
【0069】
図11は図10の方法に従って遠心分離された状態を示す断面図であり、図12は図11の遠心分離された遠心分離キットに本発明の仮定に従って決められた数値を示した図面であって、図11及び図12を参照しながら集積部の位置調節について説明する。
【0070】
以下、遠心分離機、注射器、及び遠心分離チューブの使用制限条件を考慮し、使われる物質の容積及び容積による高さを具体的に設定して本発明をより具体的に説明する。
【0071】
遠心分離チューブと注射器との高さは、通常、遠心分離機(図示せず)に搭載可能な高さを考慮して決定する。例えば、従来の一般的な10cc容積の遠心分離チューブは13cm程度であり、搭載可能な最大長さは14cmであるので、これを考慮して遠心分離チューブと注射器との高さを決定する。
【0072】
従って、本発明の実施例においては、14cmの長さを搭載可能な遠心分離機で使用できる遠心分離チューブと注射器とを例として挙げる。勿論、遠心分離機はその種類によって搭載可能な長さの制限が異なる。従って、遠心分離機の種類によって本発明による遠心分離チューブと注射器との設計条件は適切に選択できることは当業者には自明である。
【0073】
本発明の実施例において、上記注射器110は通常使われる10cc用注射器を例として挙げて記述する。上記注射器110には、血液の凝固を防止するために抗凝固剤であるACD溶液1.5ccを入れた後、患者の血液8.5ccを採血して遠心分離チューブ120に装着する。
【0074】
上記遠心分離チューブ120には、赤血球の排除及び正確な多血小板血漿(PRP)の獲得のために、細胞分離ゲル(Vf)を使用する。上記細胞分離ゲル(Vf)は、最大で、全血(Wb)と1:1の比率まで混合されて使うことができ、または使われないこともある。ここで、上記細胞分離ゲル(Vf)は2.5ccの容積を有し2cmの長さを有することにする。すなわち、上記細胞分離ゲル(Vf)が遠心分離チューブ120の内部に2.5cc充填されれば、細胞分離ゲル(Vf)の高さは2cmになる。
【0075】
一方、全血(Wb)を遠心分離したとき、血漿成分はVp、血球成分はVbとする。ここで、血球成分(Vb)の比重は血漿成分(Vp)の比重よりも大きいので、遠心分離時、血球成分(Vb)が下側に採集される。
【0076】
通常、全血(Wb)を遠心分離したとき、血球成分、すなわち赤血球(Vb)の容積率(α)は、採血者によって差はあるが、たいてい45%である。従って、全血(Wb)10ccに対する赤血球の容積(Vb)は4.5ccの体積容積を有し、遠心分離チューブ120の下側に3cmの高さにわたって採集されることになる。
【0077】
これをまとめると、Wb=Vp+Vbであり、10cc=5.5cc+4.5ccであることが分かる。また、細胞分離ゲル(Vf)の2.5ccと赤血球の容積(Vb)4.5ccとの和が7ccであるので、上記7ccの容積高さに軟膜、すなわち多血小板血漿層が形成されることが分かる。すなわち、7ccの容積高さの上側に血漿成分(Vp)が形成される。
【0078】
したがって、一定に製作された遠心分離チューブ120である場合、細胞分離ゲルの容積高さが2cmであり、血球容積量の容積高さが3cmであれば、集積部125を設ける高さ(h)は5cmになる。すなわち、集積部125の下側が5cm高さに位置されるべきである。
【0079】
以上をまとめると、下記数1のような関係式が導出される。
【数1】
(但し、0≦Vf≦Wb)
A:血球成分と細胞分離ゲルとを足した体積容量
Wb:全血の容積
Vb:赤血球の容積
α:遠心分離された赤血球の容積率
Vf:細胞分離ゲルの容積
【0080】
このような数1のように、集積部125が形成された下側空間の体積容量は、血球成分(Vb)と細胞分離ゲル(Vf)との容積を足した体積容量であることが分かる。すなわち、集積部125の下側にAの体積容量が受容可能に集積部125の下側位置を調節することが望ましい。
【0081】
また、数1を利用すれば、集積部125を設ける高さをh、赤血球(Vb)の容積高さをh(Vb)、細胞分離ゲル(Vf)の容積高さをh(Vf)として、次のような関係が成立する下記の数式を導出できる。
【数2】
h:集積部を設ける高さ
【0082】
すなわち、上記集積部125を設ける高さ(h)はh(Vf)+0.45×h(Wb)である。従って、上記数2に基づいて上記集積部125の高さを設定できる。
【0083】
一方、集積部125の長さをdとし、注射器110が装着される上記集積部125の上限の高さをh1とすれば、h1=h+dになり、これは、注射器が装着される高さになるのである。
【0084】
また、装着される注射器110の長さはl1とし、上記注射器110が遠心分離チューブ120に装着された全体長さ、すなわちキット100の長さをlとする。このとき、上記集積部125の長さ(d)は、遠心分離機に搭載可能な高さと空間範囲とを考慮して1.5cmに設定し、l1を7cmに設定すれば、キット100の全体長さl=l1+d+hである。すなわち、キット100の全体長さlは13.5cmである。従って、遠心分離機に搭載可能な最大長さである14cmよりも短い長さを有するようになるので、遠心分離機に搭載できる。
【0085】
また、上記注射器110を支持する遠心分離チューブ120の支持部122をsとし、注射器110の引込部112の長さをl2とする。
【0086】
ここで、遠心分離チューブ120の長さをHとすれば、H=h+d+s=h1+sになるのである。
【0087】
上記支持部(s)は、注射器110を支持するためのものであって、約1cmないし2cmであることが望ましい。このような支持部(s)の長さが全体長さ( l )に含まれないことは自明である。
【0088】
上記集積部125の長さdは引込部112の長さl2よりも長く形成される。ここで、上記引込部112の長さl2を1.2cmと設定すれば、l2=1.2cm<dになる。
【0089】
また、集積部125の集積管124の長さdと、注射器110の引込部112の長さl2との差によって集積管124には余裕空間が存在することになる。このような余裕空間を含んで集積管124及び注射器110に血漿成分(Vp)が採集されるようにすることができる。代案としては、細胞分離ゲル(Vf)の容積を調節することで、注射器110の引込部112から血漿成分(Vp)が採集されるようにすることもできる。これは、上記余裕空間だけの容積と同一の容積の細胞分離ゲル(Vf)をさらに使えば実現できる。
【0090】
一方、図12に示した数値は本発明の仮定に従って決められた任意の数値であって、使われる注射器と遠心分離チューブの種類、及び使われる容積量によって変更できることは自明である。
【0091】
結果的に、上記のように設定された条件及び数式を通じて集積部125が設けられる位置を設定することで、注射器110に血漿成分(Vp)が採集されるようにすることができる。従って、目的とする血漿成分(Vp)が注射器110に採集されることで、2次的に即時使用しやすいことは勿論、施術者及び被施術者の待ち時間が減少して作業の効率性を向上させる。
【0092】
図13は本発明の望ましい実施例による遠心分離キットに備えられた他の遠心分離チューブを示す断面図であり、図14は図13の遠心分離チューブに注射器が装着された状態を示す断面図である。
【0093】
図面を参照すれば、遠心分離キット200は、注射器110と、通気孔227が形成された集積部225が内部に形成された遠心分離チューブ120とを備える。上記遠心分離キット200の構成要素のうち、注射器110は図9に示した注射器110と同一であるのでここでの説明は省略する。また、図13及び図14の部材番号の中で図9の部材番号と同一であるのは同一の構成要素を示す。すなわち、集積部225に通気孔227が形成されたことを除いては、前述の実施例と構成が同一である。
【0094】
上記集積部225には通気孔227が形成される。上記通気孔227は、注射器110を遠心分離チューブ120に容易に装着するために形成されたものである。すなわち、注射器110から全血が滴下されるにつれて遠心分離チューブ120内の空気が外部に排出されて全血(Wb)が容易に滴下されるようにする。このような通気孔227は、注射器110が集積部225の上部に密着され接続されることによって塞がれるようになるので、全血(Wb)が通気孔227を通じては抜け出すことができなくなる。
【0095】
一方、上記通気孔227の代案として、注射器110にホール(図示せず)を形成できる。すなわち、注射器110の上側部分にホールを形成することによって、遠心分離チューブ120への全血(Wb)の流入が容易になる。
【0096】
このような通気孔227が形成された集積部225は、予め指定された位置に設けられて、前述の遠心分離方法を使用して注射器110に血漿成分(Vp)を採集できることは自明である。
【0097】
一方、本発明では、上記集積部125・225の高さが設定条件に従って決められたと説明したが、これに限定されず、集積部125・225の高さを調節可能にすることができる。
【0098】
例えば、図15に示すように、遠心分離チューブ320の内部に係止突起328が形成される。ここで、上記図15に示した遠心分離キット300は、遠心分離チューブ320が変形されたまた他の実施例であって、図15の部材番号の中で図9の部材番号と同一であるのは同一の構成要素を示す。
【0099】
上記遠心分離チューブ320に形成された係止突起328は、上記遠心分離チューブ320の長手方向に沿って一定の間隔で傾斜して形成される。すなわち、上記集積部325は、注射器110から加圧されて係止突起328の間隔だけ下側に移動する。このとき、下側に移動する集積部325は上側には移動できないようになっている。これは、注射器110を排出する方向に引っ張ったとき、集積管324と結合された注射器110の引込部112の間に採集された多血小板血漿(PRP)が、集積部325の移動によって他の層と混じらない状態を維持させるためである。
【0100】
より具体的に、上記係止突起328が形成された遠心分離チューブ320は、透明な材質からなり、その外周面に目盛(P)が表示される(図16を参照)。上記目盛(P)は、採血された全血の赤血球層の容積(Vb)及び充填される細胞分離ゲルの容積(Vf)の合算体積に従って、位置を調節するように表示されたものである。すなわち、上記目盛(P)を係止突起328が形成された間隔ごとに表示することで、赤血球の容積(Vb)及び細胞分離ゲルの容積(Vf)の合算体積に従って集積部325の位置を調節することになる。
【0101】
例えば、前述のように、全血10ccと細胞分離ゲル2.5cc(2cm)とを基本にするとき、全血9ccを採血すれば、赤血球の容積は4ccであり、それによる容積高さが2.5cmであれば、チューブの下側から4.5cmになる部分に「9」(図示せず)と目盛(P)を表示する。すなわち、「9」と表示された目盛(P)は、9cc採血されたときの高さを意味する。従って、施術者は、採血された容積及び細胞分離ゲルの合算容積によって集積部325をその位置だけ押して装着した後、遠心分離を行う。
【0102】
図17は本発明の望ましい実施例による他の遠心分離キットを示す分解断面図であり、図18は図17の組立断面図である。
【0103】
図17及び図18においては、上記遠心分離キット400は、注射器110と、上記注射器110が装着可能な遠心分離チューブ420と、上記遠心分離チューブ420の下側に装着される下部キャップ430とを備える。上記遠心分離キット400の構成要素のうち、注射器110は図9に示した注射器110と同一であるのでここでの説明は省略する。また、図17及び図18の部材番号の中で図9の部材番号と同一であるのは同一の構成要素を示す。
【0104】
上記遠心分離チューブ420は、上部に開放部が形成され下部にチューブ引込部429’が形成されたチューブボディー421と、上記チューブボディー421の内部に設けられた集積部425とを備える。
【0105】
上記チューブボディー421の上部の開放された部分から注射器110が挿入されて集積部425に接続される。このとき、注射器110は、その外周面がチューブボディー421の内周面と密着することで緊密に装着される。
【0106】
上記チューブボディー421の下部には、チューブ引込部429’が形成された結合部429が設けられる。上記チューブ引込部429’は、チューブボディー421の内部と外部とを連通するように形成される。
【0107】
上記下部キャップ430は、上記チューブ引込部429’を密封させるように締結部439’が上部に突出して形成され、上記結合部429に装着されるチューブ結合部439を備える。このとき、下部キャップ430には細胞分離ゲルを一定量充填できる。従って、チューブボディー421の上部を通じて細胞分離ゲルを充填せず、下部キャップ430の結合によってチューブ引込部429’が密封されるようになる。すなわち、上記チューブボディー421に下部キャップ430を装着することで、下部が密閉された遠心分離チューブとして使えるようになる。
【0108】
このような構造の遠心分離キット400を使用して遠心分離する方法に対して図19を参照しながら説明する。
【0109】
本発明による遠心分離方法は6ステップからなる。すなわち、遠心分離チューブ420と注射器110とを用意するステップ(S21)と、上記注射器110で全血を採取するステップ(S22)と、遠心分離チューブ420の下側に下部キャップ430を装着するステップ(S23)と、全血を採血した注射器110を遠心分離チューブ420に装着するステップ(S24)と、注射器110が装着された遠心分離チューブ420を遠心分離機(図示せず)に搭載するステップ(S25)と、遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップ(S26)とで行える。
【0110】
この過程において、(S23)ステップを除いた他のステップは、前述の(S11)ステップないし(S15)ステップと同一である。すなわち、(S23)ステップを含んだ遠心分離方法は、この技術に属する当業者であれば、前述の遠心分離方法から理解できることから、詳細な説明は省略する。
【0111】
上記(S23)ステップにおいて、上記遠心分離チューブ420に下部キャップ430を装着する。このとき、下部キャップ430には、細胞分離ゲルが一定量充填される。ここで、細胞分離ゲルは2ccないし2.5cc充填することが望ましい。
【0112】
上記下部キャップ430は、変化する多血小板血漿の高さを調節できるようになっている。例えば、多血小板血漿が集積部425の下方に位置すれば、下部キャップ430をチューブボディー421にさらに密着して結合し、逆の場合、下部キャップ430をチューブボディー421に密着されないように結合して装着する。
【0113】
付加的に、上記下部キャップ430は、注射器110の引込部112を密封するように注射器110と結合できる。すなわち、図20に示すように、下部キャップ430は注射器110と結合するようになされる。すなわち、上記注射器110の引込部112が下部キャップ430の締結部439’と結合され、下部キャップ430が注射器の下部を包むように結合される。
【0114】
このように、下部キャップ430と注射器110との結合は、2次的に血小板を濃縮するために使われる。すなわち、2次的に多血小板血漿を濃縮するとき、既に多血小板血漿が抽出された注射器110に、下部キャップ430を装着して遠心分離させる。2次遠心分離されれば、下部キャップ430に多血小板血漿が集積され、注射器110に乏血小板血漿が集積される。
【0115】
結果的に、上記のような遠心分離キット100・200・300・400を使用することで、容易且つ安定した血漿成分の抽出が可能になる。一方、前述の各実施例はそれぞれ独立的に使うこともでき、各実施例を選択的に組み合わせて使うこともできることは自明である。
【0116】
以上のように、本発明は、例示として実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術的思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明による遠心分離キット及びこれを用いた遠心分離方法は、以下のような効果を有する。
【0118】
第一に、血液から多血小板血漿(PRP)を抽出するか、骨髄から幹細胞を抽出する遠心分離過程及び採集過程を簡略化することで、作業に所要される時間を減らすことができる。従って、施術者と被施術者の無駄な待ち時間を減らすことができる。
【0119】
第二に、所望の標的物質を注射器に安定的に採集可能になることで、実験の信頼性及び手術時の安定性を確保できる。すなわち、標的物質を抽出するための別の注射器を使わないことで、消耗品のコストを削減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、
下部が密閉され上部に開放部が形成されて、開放された上部を開閉するキャップが形成され、内部には集積管が形成された集積部が設けられ、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される遠心分離チューブを含み、
上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする遠心分離キット。
【請求項2】
遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、
内部には集積管が形成された集積部が設けられ、下部には内部と連通するチューブ引込部が形成された結合部が設けられ、上部が開放された遠心分離チューブと、
上記遠心分離チューブの結合部に装着され、上記チューブ引込部を密封するように締結部が上部に突出して形成され、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される下部キャップとを含み、
上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする遠心分離キット。
【請求項3】
上部に開口部が形成され、開口された上部にゴムパッキングが設けられたピストンが移動可能に挿入され、下部には注射針が装着される引込部が形成され、内部に全血を採血するようになった注射器をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項4】
上記ゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針が除去された注射器が、上部が開放された遠心分離チューブの内部に挿入され遠心分離機に搭載されるように集積部の上部に装着されることを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項5】
上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、
上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになったことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項6】
上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応する形状になっており、上記注射器の引込部が集積管に挿入されて密着するように設けられることを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項7】
上記集積部の長さは、注射器引込部の長さよりも長く形成されたことを特徴とする請求項6に記載の遠心分離キット。
【請求項8】
上記全血から遠心分離機によって分離された血漿成分が集積部を基準にして採集されるように、上記血球成分が生成される集積部の下部に位置した空間の体積容量(A)と、注射器から採血された全血(Wb)と、赤血球の容積(Vb)と、上記遠心分離された赤血球の容積比率(α)と、細胞分離ゲルの容積(Vf)との間には、次のような関係が成立することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離キット。
及び
(0≦Vf≦Wb)
【請求項9】
上記集積部には、遠心分離チューブに全血が流入する場合遠心分離チューブの内部の空気が抜け出すように通気孔が形成され、
上記通気孔は、注射器が集積部に密着されて装着されることで塞がれるようになることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項10】
上記遠心分離チューブの内側面には、遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになったことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項11】
上記遠心分離チューブは、透明な材質から製造され、その外周面には各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表すように目盛が表示されて、採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って、集積部の位置が調節されることを特徴とする請求項10に記載の遠心分離キット。
【請求項12】
上記下部キャップは、遠心分離チューブの下部に密着されて結合される程度に従って血漿成分が生成される位置の高さが調節されることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項13】
上記下部キャップは、注射器の引込部を密封しながら注射器に装着されるようになったことを特徴とする請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項14】
請求項1に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法において、
(a1)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、
(b1)上記注射器で全血を採取するステップと、
(c1)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、
(d1)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、
(e1)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含むことを特徴とする遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項15】
上記(c1)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに上記注射器を挿入して集積部に接続させることを特徴とする請求項14に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項16】
上記遠心分離チューブの内側面には、遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになったことを特徴とする請求項14に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項17】
上記遠心分離チューブの外周面に各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表す目盛が表示され、
上記(a1)ステップ以前または(b1)ステップ以前に、
採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って、注射器に血漿成分が採集されるように、集積部の位置を調節することを特徴とする請求項16に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項18】
請求項2に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法において、
(a2)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、
(b2)上記注射器で全血を採取するステップと、
(c2)遠心分離チューブの下側に下部キャップを装着するステップと、
(d2)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、
(e2)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、
(f2)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含むことを特徴とする遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項19】
上記(d2)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに上記注射器を挿入して集積部に接続させることを特徴とする請求項18に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項20】
上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応する形状になっており、上記注射器の引込部が集積管に挿入されて密着するように設けられることを特徴とする請求項14または請求項18に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項21】
上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、
上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになったことを特徴とする請求項14または請求項18に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項22】
上記集積部の長さは、注射器の引込部の長さよりも長く形成されたことを特徴とする請求項21に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項1】
遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、
下部が密閉され上部に開放部が形成されて、開放された上部を開閉するキャップが形成され、内部には集積管が形成された集積部が設けられ、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される遠心分離チューブを含み、
上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする遠心分離キット。
【請求項2】
遠心分離機に搭載されて、全血を下から順次、赤血球層からなる血球成分と、多血小板血漿(PRP)層及び乏血小板血漿(PPP)層からなる血漿成分とに分離する遠心分離キットであって、
内部には集積管が形成された集積部が設けられ、下部には内部と連通するチューブ引込部が形成された結合部が設けられ、上部が開放された遠心分離チューブと、
上記遠心分離チューブの結合部に装着され、上記チューブ引込部を密封するように締結部が上部に突出して形成され、内部に細胞分離ゲルが一定量充填される下部キャップとを含み、
上記集積部は、遠心分離された全血の赤血球と細胞分離ゲルとの合算体積に該当する空間がその下部に形成されるように設けられたことを特徴とする遠心分離キット。
【請求項3】
上部に開口部が形成され、開口された上部にゴムパッキングが設けられたピストンが移動可能に挿入され、下部には注射針が装着される引込部が形成され、内部に全血を採血するようになった注射器をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項4】
上記ゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針が除去された注射器が、上部が開放された遠心分離チューブの内部に挿入され遠心分離機に搭載されるように集積部の上部に装着されることを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項5】
上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、
上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになったことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項6】
上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応する形状になっており、上記注射器の引込部が集積管に挿入されて密着するように設けられることを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項7】
上記集積部の長さは、注射器引込部の長さよりも長く形成されたことを特徴とする請求項6に記載の遠心分離キット。
【請求項8】
上記全血から遠心分離機によって分離された血漿成分が集積部を基準にして採集されるように、上記血球成分が生成される集積部の下部に位置した空間の体積容量(A)と、注射器から採血された全血(Wb)と、赤血球の容積(Vb)と、上記遠心分離された赤血球の容積比率(α)と、細胞分離ゲルの容積(Vf)との間には、次のような関係が成立することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離キット。
及び
(0≦Vf≦Wb)
【請求項9】
上記集積部には、遠心分離チューブに全血が流入する場合遠心分離チューブの内部の空気が抜け出すように通気孔が形成され、
上記通気孔は、注射器が集積部に密着されて装着されることで塞がれるようになることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項10】
上記遠心分離チューブの内側面には、遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになったことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離キット。
【請求項11】
上記遠心分離チューブは、透明な材質から製造され、その外周面には各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表すように目盛が表示されて、採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って、集積部の位置が調節されることを特徴とする請求項10に記載の遠心分離キット。
【請求項12】
上記下部キャップは、遠心分離チューブの下部に密着されて結合される程度に従って血漿成分が生成される位置の高さが調節されることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項13】
上記下部キャップは、注射器の引込部を密封しながら注射器に装着されるようになったことを特徴とする請求項2に記載の遠心分離キット。
【請求項14】
請求項1に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法において、
(a1)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、
(b1)上記注射器で全血を採取するステップと、
(c1)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、
(d1)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、
(e1)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含むことを特徴とする遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項15】
上記(c1)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに上記注射器を挿入して集積部に接続させることを特徴とする請求項14に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項16】
上記遠心分離チューブの内側面には、遠心分離チューブの長手方向に沿って一定の間隔で傾斜した係止突起が形成され、上記集積部が注射器から加えられた加圧力によって上記係止突起の間隔だけ下側に移動し、上側には移動できないようになったことを特徴とする請求項14に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項17】
上記遠心分離チューブの外周面に各係止突起が形成された間隔に位置した空間の体積量を表す目盛が表示され、
上記(a1)ステップ以前または(b1)ステップ以前に、
採血された全血の赤血球の容積及び充填される細胞分離ゲルの容積の合算体積に従って、注射器に血漿成分が採集されるように、集積部の位置を調節することを特徴とする請求項16に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項18】
請求項2に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法において、
(a2)遠心分離チューブと注射器とを用意するステップと、
(b2)上記注射器で全血を採取するステップと、
(c2)遠心分離チューブの下側に下部キャップを装着するステップと、
(d2)全血を採血した注射器を遠心分離チューブに装着するステップと、
(e2)注射器が装着された遠心分離チューブを遠心分離機に搭載するステップと、
(f2)遠心分離機を作動させて血漿成分を注射器に採集するステップとを含むことを特徴とする遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項19】
上記(d2)ステップにおいて、全血を採血した注射器のゴムパッキングが注射器に残存するようにピストン及び注射針を除去した後、キャップが除去された遠心分離チューブに上記注射器を挿入して集積部に接続させることを特徴とする請求項18に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項20】
上記集積部の上部は、上記注射器の接触面と対応する形状になっており、上記注射器の引込部が集積管に挿入されて密着するように設けられることを特徴とする請求項14または請求項18に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項21】
上記遠心分離チューブの内部直径は、注射器の外部直径よりも大きく形成され、
上記注射器の外周面が遠心分離チューブの内周面に密着するようになったことを特徴とする請求項14または請求項18に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【請求項22】
上記集積部の長さは、注射器の引込部の長さよりも長く形成されたことを特徴とする請求項21に記載の遠心分離キットを用いた遠心分離方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2013−504755(P2013−504755A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528759(P2012−528759)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006973
【国際公開番号】WO2011/052910
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512063221)グロテック シーオー.,エル ティー ディー. (1)
【氏名又は名称原語表記】GLOTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】4−209,Hoseo TBI.,165,Sechul−ri,Baebang−eup,Asan−si,Chungcheongnam−do,336−851,Republic of Korea
【出願人】(512063232)
【氏名又は名称原語表記】IHM,Khi−Pyo
【住所又は居所原語表記】501,Igang Bldg.,901−48,Daechi−dong,Gangnam−gu,Seoul,135−841,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006973
【国際公開番号】WO2011/052910
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512063221)グロテック シーオー.,エル ティー ディー. (1)
【氏名又は名称原語表記】GLOTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】4−209,Hoseo TBI.,165,Sechul−ri,Baebang−eup,Asan−si,Chungcheongnam−do,336−851,Republic of Korea
【出願人】(512063232)
【氏名又は名称原語表記】IHM,Khi−Pyo
【住所又は居所原語表記】501,Igang Bldg.,901−48,Daechi−dong,Gangnam−gu,Seoul,135−841,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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