説明

遠心分離装置

【課題】小型化が可能であり携帯して持ち歩くことができ、遠心力を与えようとする対象物を搭載して回転するディスク側に対してディスクの回転時に給電することができるディスクの回転時遠心分離装置を提供する。
【解決手段】遠心分離装置1は、ケース10と、ケース10内に配置される駆動部41と、ケース10内に配置されて駆動部41の作動により対象物であるセンサーチップ100を搭載した状態で連続回転可能して遠心力を与えるディスク40を備え、このディスク40は、センサーチップ100をディスク40の回転中心軸CLから離れた位置に位置決めして固定し、駆動部41は、ディスク40を連続回転させるモータ400とモータ400の作動に伴って発電を行ってディスク40側の回路に給電を行うための発電装置500とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に遠心力を与えて対象物の内容物を分離する遠心分離装置に関し、特
に小型で携帯可能な遠心分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小規模な診療所などや個人等でも使用可能な遠心分離機が提案されている。この遠心分離装置は、本体と蓋体を有しており、本体内には試験管状の試料採取容器を斜めに保持する回転軸部と、この回転軸部とともに試料採取容器を回転するモータが配置されている。本体から蓋体を開けて回転軸部に対して試料採取容器をはめ込んで、蓋体を閉じてモータを駆動することで試料採取容器の試料に遠心力を与えるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−333219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1に記載されている遠心分離機では、試験管状の試料採取容器を斜めに保持して回転させる構造であるので、携帯して持ち歩く用途には向かない。しかも、モータは単に試料採取容器を斜めに保持して回転させるだけである。そして、モータの作動を止めて、蓋体を開けて本体内から試料採取容器を取り出した後に、後工程において試料採取容器内において分離された成分を測定する。
そこで、本発明は上記課題を解消するために、小型化が可能であり携帯して持ち歩くことができ、遠心力を与えようとする対象物を搭載して回転するディスク側の回路に対してディスクの回転時に給電することができる遠心分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解消するために、本発明の遠心分離装置は、対象物に遠心力を与えて前記対象物の内容物を分離する遠心分離装置であって、
ケースと、
前記ケース内に配置される駆動部と、
前記ケース内に配置されて前記駆動部の作動により前記対象物を搭載した状態で連続回転して前記対象物に遠心力を与えるディスクであって、前記対象物を前記ディスクの回転中心軸から離れた位置に位置決めして固定するための前記ディスクと、を備え、
前記駆動部は、
前記ディスクを連続回転させるモータと、
前記モータの作動に伴って発電を行って前記ディスク側の回路に給電を行うための発電装置と、を有することを特徴とする。
【0005】
本発明の遠心分離装置は、好ましくは前記ディスクには前記第2基板が配置されており、前記対象物に遠心分離力を付加することにより前記対象物の電気特性変化を前記第2基板で検出して増幅し、無線信号で前記第1基板に伝達した後、前記第1基板で前記無線信号を電気処理することを特徴とする。
本発明の遠心分離装置は、好ましくは前記電源供給部は、
前記第2基板に配置された電源用のリング電極と、
前記第1基板に配置されて前記電源用のリング電極に接触して前記第2基板側に電源を供給するための電源用のブラシ部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の遠心分離装置は、好ましくは前記対象物から得られる測定データを伝送するための伝送部を備え、
前記伝送部は、
前記ディスクが回転している時には、前記第2基板側から前記第1基板側へ無線通信で前記測定データを伝送する無線通信部と、
前記第2基板に配置された信号用のリング電極と、前記第1基板に配置されて前記信号用のリング電極に接触している信号用のブラシ部材とを有している接触伝送部であって、前記ディスクが静止している時には、前記信号用のリング電極から前記信号用のブラシ部材を経て前記第2基板側から前記第1基板側に前記測定データを送る前記接触伝送部と、を備えることを特徴とする。
本発明の遠心分離装置は、好ましくは前記ケースには、前記対象物において分離された成分を検出した測定データを表示する表示部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遠心分離装置によれば、小型化が可能であり携帯して持ち歩くことができ、遠心力を与えようとする対象物を搭載して回転するディスク側に対してディスクの回転時に給電することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の遠心分離装置の好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1の遠心分離装置を別の方向から見た斜視図である。図3は、図1の遠心分離装置の底面側を示す斜視図である。
図1〜図3に示す遠心分離装置1は、小型で携帯可能な装置である。遠心分離装置1は、遠心分離処理を行おうとする対象物(検体)を高速で回転することにより、大きな遠心力を得て比重差を増幅させて、対象物内のサンプル液体の分散質の比重差がわずかであってもそれぞれの分散質を異なる複数の相に分離する。
【0009】
この対象物は、例えば図1に示すセンサーチップ100であり、センサーチップ100に収容された内容物(試料)は、遠心分離しようとする例えば液体である。センサーチップ100は、直方体形状を有するカプセルであり、センサーチップ100の内部には、センサーが配置されている。このセンサーは、遠心力により分離された測定対象物の量を検知して、電気信号として出力することができる。
【0010】
センサーチップ100の大きさは、ケース10の大きさに比べてかなり小さく、予めセンサーチップ100内には、内容物の液体として例えば血液が収容されている。このセンサーには例えば血液内のグルコース(ぶどう糖)の量を検出するための酵素層(バイオ層)が配置されており、センサーの酵素はグルコースの反応によりグルコースの量に応じた血糖値の測定データを出力する。これにより、遠心分離装置1は、例えば小型で高精度な携帯型の血糖値測定装置として使用できる。
【0011】
ここで、センサーチップ100におけるグルコースの測定方法の例を説明する。
図1には、センサーチップ100の構造例を示しており、例えばプラスチックのケース900と、第1吸収部材921と第2吸収部材922を有している。第1吸収部材921はケース900の第1収容室911内に配置され、第2吸収部材922はケース900の第2収容室912内に配置されている。第2吸収部材922側には、グルコースを検出するための電極100Sが配置されている。
【0012】
第1吸収部材921と第2吸収部材922内には、予めグルコースを吸着する薬液が注入されている。第1吸収部材921にグルコースを含む液体、例えば血液や汗成分が注入され、センサーチップ100を連続回転して遠心力を与えると、第1吸収部材921から第2吸収部材922側にグルコースを含む液体が遠心力により移動して、第2吸収部材922の端部には比重差によりグルコースが電極に付着する。これにより、グルコースの量を電気信号の測定値は、この電極から得ることができる。
【0013】
グルコース(血中糖分)は、酵素層(バイオ層)で過酸化水素層に変換して、白金の電極で電子を取り出し、血液中の糖分濃度を、図1に示す表示パネル21に表示する。一例として示すこの測定方法は、GOD(glucose oxidase)固定化酵素電極による最大反応加速解析法であり、以下の通りである。
測定原理(GOD電極法)
G0Dを固定化した酵素膜と、金陰電極、および銀塩化銀陽電極を組み合わせて、GOD反応により消費される酸素量を測定する。
(1)酵素の作用により電極表面で、下記のGOD反応が起こる。
グルコース+O2+H2O→グルコン酸+H
この反応で、反応液中の酸素が消費される。
【0014】
(2)この酸素消費量を金陰極と銀塩化銀陽極からなる電極により、電流量として測定する。電極内部では、下記の反応が起こり、電流が流れ、この電流量は酸素分圧に比例する。酸素消費量は検体中のグルコース濃度に比例する。
金陰極 :O+2HO+4e−→ 4OH−
銀−塩化銀陽極 :4Ag+4Cl→ 4AgCl+4e−
【0015】
さらに、本測定方法では、酸素消費量の変化を二次微分することによって反応加速度を求め、この加速度の最大値を検知して、グルコースを測定する。反応加速度もまた検体中のグルコース濃度に比例する。
【0016】
図1と図2に示すように、遠心分離装置1は、ケース10と、可動フタ(開閉部材の一例)20と、表示パネル21を有している。ケース10は、例えば金属あるいはプラスチックにより作られた直方体の箱状の部材であり、ケース上側部(第1ケース部分)11とケース下側部(第2ケース部分)12を有している。遠心分離装置1は小型で軽量で携帯して持ち歩くことが可能であり、ケース10の寸法の一例を挙げれば、長さが140mm、幅が84mm、そして厚みが28mmである。
ケース10のケース上側部11とケース下側部12内には、遠心分離装置1の各要素が収容されており、図1〜図3に示す例では、ケース上側部11は収容空間を有する箱部材であり、ケース下側部12は板状部材である。しかし、ケース10の形状はこの形状に限らない。
【0017】
図1と図2に示すように、ケース上側部11は、表面部11A、側面部11B、側面部11C、側面部11D、側面部11Eを有している。ケース上側部11の表面部11Aには、可動フタ20と、表示パネル21が配置されている。表示パネル21は、例えば液晶表示パネル(LCD)を用いることができる。表示パネル21は、センサーチップ100において分離された成分(例えばグルコース)量の測定データを表示するための表示部の一例である。表示パネル21には、例えば検体の測定データ等を表示することができる。
一例として、1検体について3ヶ月の測定データ、最大データ、最小データ、平均値、回帰直線などを表示できる。
【0018】
図1に示すケース上側部11の側面部11Cには、外部給電端子22と、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)端子23が配置されている。USB端子23に外部機器を接続することで、USB端子23を経由してあるいは無線通信により外部アクセスすることにより、センサーチップ100からの測定データが、外部機器で表示できる。
【0019】
図2に示すケース上側部11の側面部11Eには、電源スイッチ24と、スタートスイッチ25と、エディットスイッチ26が配置されている。電源スイッチ24を押すと、遠心分離装置1の主電源がオンし、スタートスイッチ25を押すと、予め設定されているセット動作が開始される。エディットスイッチ26を押すことで、センサーチップ100からの測定データのデータ処理を行う。図3に示すように、ケース下側部12の表面には、電池カバー27が着脱可能に配置されている。
【0020】
図4は、ケース上側部11の内面11F側を示す斜視図である。図5は、ケース下側部12の内面28側を示す斜視図である。
図4に示すケース上側部11の内面11Fには、開口部29と支持プレート30と複数本のボス31が形成されている。開口部29には図1に示すように表示パネル21が配置される。支持プレート30は、開口部70を有しており、支持プレート30は、図1に示す可動フタ20をT方向あるいはその逆の方向に沿って直線移動可能に支持する。支持プレート30の上部には、可動フタ20をスライドするための凹部30Rが形成されている。可動フタ20が開口部70を閉じた状態では、凹部30Rは可動フタ20をケース上側部11内に納めている。
【0021】
一方、図5に示すケース下側部12の内面28には、複数の孔32が形成されており、各孔32にはボルト33が挿入されて、これらのボルト33が図4に示す対応する各ボス31にねじ込まれることにより、図1に示すようにケース上側部11とケース下側部12は、着脱可能に固定される。
【0022】
図5に示すように、ケース下側部12の内面28には電池34が固定されている。電池34は一次電池であっても、充電可能な二次電池であっても良い。電池34は電池カバー35によりカバーされている。この実施形態では、電池34は二次電池であり、電池34は、外部の商用のAC電源から図1に示す外部給電端子22を介して充電できる。
【0023】
ケース10内の回路要素に対しては、外部給電端子22を介して外部からAC電源を供給することができるばかりでなく、内蔵の電池34からの内部の回路要素に対して電源供給できることから、遠心分離装置1は2電源系統を有している。電池34は、例えば5V〜8Vの出力を有する。
【0024】
次に、図6を参照して、ケース10内に配置されている各要素について説明する。
図6は、遠心分離装置1の内部構造例を示しており、可動フタ20がケース上側部11の開口部を閉じた状態を示す斜視図である。図7は、可動フタ20が指でT方向に沿ってスライドされることで開口部70が露出されており、センサーチップ100がディスク40のほぼ中央位置に挿入された状態を示す斜視図である。
【0025】
図8は、センサーチップ100の検査位置を示す斜視図である。図9は、可動フタ20が開口部70を閉じてディスク40が回転して遠心分離を始めた状態を示し、センサーチップ100がA位置に位置決めされている斜視図である。図10は、ディスク40の回転が終わってセンサーチップ100がB位置に位置決めされた状態を示す斜視図である。図11は、センサーチップ100がケース10内からT方向に沿って排出(ノックアウト)された状態を示す斜視図である。
【0026】
図12は、図6に対応しており、可動フタ20がケース上側部11の開口部を閉じた状態を示す平面図である。図13は、図7に対応しており、センサーチップ100が挿入された状態を示す平面図である。図14は、図8に対応しており、センサーチップ100の検査位置を示す平面図である。図15は、図9に対応しており、可動フタ20が開口部70を閉じてセンサーチップ100がA位置に位置決めされている平面図である。図16は、図10に対応しており、ディスク40の回転が終わってセンサーチップ100がB位置に位置決めされた状態を示す平面図である。図17は、図11に対応しており、センサーチップ100がケース内からT方向に沿って排出された状態を示す平面図である。図18は、移動機構部43とディスク40付近を示す下側から見た斜視図である。
【0027】
図6と図12に示すように、可動フタ20は、ケース10の開口部70を開閉可能な開閉部材であり、使用者が可動フタ20をT方向に沿ってスライド操作することで、各種の動作を行う。ケース10内には、ディスク40と、ディスクディスク駆動部41と、スライダー42と、センサーチップの移動機構部43と、表示パネル21の保持部44と、ソレノイド49が収容されている。
【0028】
図6に示すように、表示パネル21の保持部44は、表示パネル21をケース下側部12の内面に対して間隔を離して保持しており、表示パネル21はケース10の側面部11B側寄りに配置されている。表示パネル21とケース下側部12の内面との間には、図5に示す電池34と電池カバー35が配置されている。
【0029】
図6と図12に示すディスク40は、ケース10内において側面部11D側に配置されており、ディスク40は金属材料、例えば軽量化のためにアルミニウムにより形成されている。
【0030】
ディスク40の表面45には、直線状のガイド溝101が直径方向にそって形成されている。このガイド溝101の幅は、センサーチップ100の幅SWとほぼ同じであり、ガイド溝101はセンサーチップ100をディスク40の直径方向にそってスライドして案内するための溝である。ガイドレール46,46は、センサーチップ100がディスク40のガイド溝101から浮き上がらないようにする。
【0031】
図6と図12に示すソレノイド49は、ディスク40を回転方向に関して2カ所の固定位置に固定するためのディスク固定部である。この2つの固定位置とは、後で説明する図9に示すA位置(第1位置)と図10に示すB位置(第2位置)である。ディスク40は、第1位置決め孔51と第2位置決め孔52を有している。例えば2つのホール素子が、ディスク40側の1つのマグネットの位置を検出することで、ディスク40はA位置とB位置に選択的に固定することができる。
【0032】
第1位置決め孔51と第2位置決め孔52は、ディスク40の外周面において、180度反対の位置において半径方向に沿って形成されている。ソレノイド49に通電することで、ソレノイド49の可動芯50は、ディスク40の外周面側に突出して、ディスク40の第1位置決め孔51または第2位置決め孔52に対して、選択的にはまり込むようになっている。
【0033】
図6と図12に示す遠心分離装置1の初期状態では、ソレノイド49の可動芯50は第1位置決め孔51にはまり込んでおり、この停止状態が図9に示すA位置であり、ディスク40は回転しないように固定されている。逆に、ソレノイド49の可動芯50が第2位置決め孔52にはまり込むと、この停止状態が図10に示すB位置であり、ディスク40は回転しないように固定される。
【0034】
図6と図12に示すように、2つの板状のスライドホルダー55,55が、間隔をおいて平行に設けられている。これらのスライドホルダー55,55は、ケース上側部11の内面に対して固定されており、スライドホルダー55,55は、ディスク40の上方に間隔をおいて位置されている。スライドホルダー55,55の一端部56は、表示パネル21の保持部44の近くに位置しており、スライドホルダー55,55の他端部57は、側面部11Dの内面近くに位置している。ガイド溝101は、スライドホルダー55,55の内側の位置にある。2つのスライドホルダー55,55の長さはディスク40の直径よりも長い。
【0035】
図6と図12に示すスライダー42は、スライドホルダー55,55の間に配置されており、スライダー42はスライドホルダー55,55に沿ってT方向に沿って直線移動可能になっている。スライダー42は長方形の板材であり、連結部58を有している。連結部58と、ケース上側部11の側面部11Eの内面のバネホルダー60Aとの間には、トーションバネ59が配置されている。このトーションバネ59は、スライダー42に対してT方向とは反対の方向に、すなわち液晶パネル21側に向けて付勢力を予め与えている。
【0036】
スライダー42の下面には、けとばし部材79が固定されている。このけとばし部材79は、ディスク40のガイド溝101内のセンサーチップ100を、ガイド溝101にそってT方向に強制的に押して移動させるための部材である。使用者が指で可動フタ20をT方向に押してスライドさせることで、けとばし部材79とスライダー42は、移動機構部43を用いて、T方向に移動する。
【0037】
次に、図6と図12に示すセンサーチップ100の移動操作部(対象物の移動操作部)43について説明する。
移動機構部43は、前記スライダー42に固定されたアーム62の突起部68と係合可能なピン67を有する板状の可動ラック本体60と、ケース10に固定された板状の固定ラック本体61と、可動フタ20と連結部69で連結された板状のアーム62と、板状のアーム62の裏面側に回転可能に配置されている平歯車63からなる。
【0038】
可動ラック本体60と、固定ラック本体61と、アーム62と、平歯車63は、一方のスライドホルダー55と側面部11Cの内面との間に配置されている。可動ラック本体60はスライダー42の端部に固定されている。固定ラック本体61は、T方向にそってケース上側部11の内面に対してねじにより固定されている。可動ラック本体60と固定ラック本体61は間隔をおいて平行である。
【0039】
図6に示すように、可動ラック本体60は可動ラック本体60の全長にわたってT方向にそってラック60Rを有しており、固定ラック本体61は固定ラック本体61の途中部分からT方向にそってラック61Rを有している。可動ラック本体60にはピン67が突出して設けられている。ラック61Rは、固定ラック本体61の下面側に固定されている。
【0040】
図6のアーム62は上から見てほぼU字形を有しており、アーム62の一端部には突起部68が形成され、アーム62の他端部は、可動フタ20に連結された連結部69である。この突起部68はトーションバネ59の付勢力によりピン67を介して前記アーム62に固定された前記可動フタ20をT方向とは逆方向に付勢しており、可動フタ20がT方向に移動する際に、アーム62と可動ラック本体60がピン67を用いて一体的にT方向に移動可能である。アーム62の上面の中間位置には、平歯車63が設けられている。この平歯車63は可動ラック本体60のラック60Rと固定ラック本体61のラック61Rにかみ合うようになっている。
【0041】
図6に示す可動フタ20は、図4に示す支持プレート30の上面側の凹部30Rに配置されており、図4の支持プレート30は開口部70とセンサーチップ100を取り出すための取り出し孔71を有している。取り出し孔71は、側面部11Dに配置されている。
【0042】
図6の可動フタ20は、平面部72と突出部73を有している。突出部73は平面部72に対して垂直方向に形成されている。図6の初期状態では、可動フタ20の平面部72は図4の開口部70を閉じており、可動フタ20の突出部73は図4の取り出し孔71を閉じている。この可動フタ20は、開口部70を閉じた状態では、安全のために開口部70をケース10の外部には露出させない。
【0043】
また、可動フタ20は、指でT方向に所定ストローク分だけ移動することで、開口部70内にセンサーチップ100を挿入したり、検査の終わったセンサーチップ100を排出することができる。
【0044】
図7に示す原点位置を検知するための位置センサー76は、図6に示すように可動フタ20が開口部70を閉じて突き当てた状態を示す原点位置に位置されているかどうかを検出する。
【0045】
図7と図13に示すように、可動フタ20が指により所定ストローク分だけT方向にスライドされることにより、開口部70が開いて、この開口部70を通じてセンサーチップ100がディスク40のガイド溝101内に挿入して設定できる。つまり、センサーチップ100はディスク40のほぼ中央位置に配置される。これにより、センサーチップ100はディスク40のほぼ中央位置に挿入して配置できることにより、指でセンサーチップ100を持ってディスク40の外周位置に挿入して配置する場合に比べて、ディスク40に指などによる偏荷重が加わることがなく、指の力は回転軸のスラスト方向の保持力で支えることができるので、ディスク40が回転軸に対して傾き変形をしたりすることがなく、ディスク40の回転に影響を与えない。
【0046】
図8と図14に示すように、図7の可動フタ20の位置からさらに可動フタ20が指により所定ストローク分だけT方向にスライドされることにより、ガイド溝101内のセンサーチップ100は、ディスク100のガイド溝101にそって、けとばし部材79により強制的にT方向に押されることで、センサーチップ100はディスク100の外周面側のA位置に位置決めされる。このA位置は、側面部11D側である。
【0047】
ディスク100の外周面側のA位置に位置決めされた様子は、図18に示している。図18は、移動機構部43とディスク40付近を示す下側から見た斜視図であるが、平歯車は2つの対面しているラック60R、61Rにかみ合っている。スライダー42の下面にはけとばし部材79が固定されている。スライダー42とけとばし部材79と可動ラック本体60は相互に固定されている。
【0048】
図18に示すけとばし部材79は、センサーチップ100をガイドレール46,46の間でガイドレール46,46にそって移動させるための部材である。ストッパー80は、ディスク40の外周面に配置されている。図18に示すガイドレール46,46の裏面には、それぞれ固定バネ99,99が設けられており、ストッパー80と固定バネ99,99は、センサーチップ100をディスク40の外周面部付近の固定位置Pに固定する。この固定位置Pは、ディスク40の最も外側の位置であり、センサーチップ100がディスク40の固定位置Pに確実に機械的に固定されることにより、ディスク40を高速で連続回転させることで、センサーチップ100に対して大きな遠心力を確実に容易に与えることができる。
【0049】
図18に示す状態では、平歯車63は、板状のアーム62の裏面側に回転可能に配置されている。ラック61Rは、固定ラック本体61の下面側に固定されている。ラック60Rとラック61Rは平歯車63にかみ合っている。
【0050】
図9と図15に示すように、可動フタ20が指によりT方向とは反対のT1方向に押されると、開口部70が可動フタ20により閉鎖され図7により位置センサー76が作動する。位置センサ76が可動フタ20の閉状態を示す接点状態であり、ソレノイド49によるディスク40の固定状態がはずれると、ディスク40は回転方向Rにそって、高速回転例えば8000rpm(2150G)で回転される。これにより、センサーチップ100に遠心力をかけて、センサーチップ100の内容物(サンプル)の液体の分散質の密度差がわずかであっても、それぞれの分散質を異なる複数の相に分離する。そして、センサーチップ100のセンサーが、分離された相の成分量をセンサーにより測定して、その測定データを制御部側に通知する。
【0051】
センサーチップ100の内容物の液体としては例えば血液であり、分離される相の成分としては、例えばグルコースであり、センサーとしてグルコース量を検出する酵素である。
【0052】
その後、図10と図16に示すように、ディスク40のガイド溝101内のセンサーチップ100は、B位置に位置決めされる。この時、ソレノイド49の可動芯50が、ディスク40の第2位置決め孔52にはまり込むことで、ディスク40を固定して静止状態にする。
【0053】
そして、図11と図17に示すように、使用者が指で可動フタ20を最も大きい所定ストローク分だけT方向に移動することで、けとばし部材79がセンサーチップ100をガイド溝101にそってT方向に強制的に移動して、センサーチップ100をディスク40のガイド溝101から取り出し孔71を経て、ケース10の外に排出(ノックアウト)することができる。
【0054】
図19は、図8の状態に対応しており、可動フタ20が所定ストローク分T方向に移動されて、センサーチップ100がA位置に位置決めされている状態を示す断面図である。センサーチップ100はガイド溝101内に配置され、けとばし部材79とストッパー80によりT方向に移動しないように位置決めされている。
【0055】
図20は、図10の状態に対応しており、可動フタ20が開口部70を閉じており、スライダー42とけとばし部材79はセンサーチップ100とディスク40から離れた位置にある。センサーチップ100の端部はストッパー80に突き当たっている。
【0056】
図21は、図11の状態に対応しており、図20の状態から図21の状態のようにして、使用者が指で可動フタ20をT方向に押すことで、可動フタ20とともにスライダー79とけとばし部材79はT方向に一体的に移動して、センサーチップ100はガイド溝101にそってT方向に強制的に移動されて、ケース10の取り出し孔71から外に排出することができる。センサーが、可動フタ20が開口部70を閉めた位置を検出すると、電気回路は動作を停止するようになっている。
【0057】
図22と図23は、ケース10内の構造を示す断面図である。図22では、ディスク40のストッパー80と第1位置決め孔51と平歯車63とけとばし部材79などが示されている。図23では、ディスク駆動部41とディスク40の内部構造が示されている。
図19は、ディスク駆動部41、ディスク40の内部構造、ストッパー80、スライダー42、けとばし部材79、サブ基板300,センサー接点301、そしてメイン基板200を示している。
【0058】
次に、図19と図23を参照して、メイン基板200とサブ基板300について説明する。メイン基板200は固定側の第1基板であり、サブ基板300は移動側の第2基板である。
【0059】
図19と図23に示すように、メイン基板200は、ケース下側部12の内面に固定されていて、メイン基板200の上にはディスク駆動部41が搭載されている。円板状のサブ基板300は、ディスク40の下側に固定されており、サブ基板300はメイン基板200に対面しており、サブ基板300はメイン基板200に対して回転中心軸CLを中心としてディスク40とともに回転する。サブ基板300とディスク40との間には、各種部品を収容する空間が形成されている。メイン基板200はケース10のケース下側部12の内面において、電池カバー35以外の部分に配置されている。
【0060】
図24は、ディスク40と電気接続部材700を示す斜視図である。また、図29は、ディスク40に取り付けられた電気接続部材700を下側から示す斜視図である。図30は、センサーチップ100がガイド溝101に沿って直線移動して電気接続部材700の突起部750を押し下げてストッパー80に対して突き当てられた様子を示す図である。図31は、センサーチップ100がガイド溝101において電気接続部材700の突起部750とストッパー80との間に固定された状態を示す図である。
【0061】
図24に示すように、電気接続部材700は、ディスク40の下面側においてガイド溝101に沿って配置されている。電気接続部材700は、ディスク40の下面側とサブ基板300の上面の間の収容空間内に位置されており、電気接続部材700はサブ基板300と平行である。図31に示すように、電気接続部材700は、ディスク40のガイド溝101内において、固定位置Pに位置決めして固定されたセンサーチップ100の電気接点に対して電気的に接続され、電気接続部材700は、ディスク40に位置決めされたセンサーチップ100をサブ基板300に対して電気的に接続することができる。
【0062】
図24と図30に示すように、電気接続部材700は、本体部701と、複数本の接点部702と、支点ピン703と、トーションバネ704を有している。
【0063】
本体部701は、電気絶縁性を有する板状部材であり例えばプラスチックにより作られている。本体部701は、第1端部711と第2端部712を有している。図24に示すように、第1端部711は、切り欠き部分713と2つの貫通孔714を有しており、この切り欠き部分713内にはトーションバネ704が配置される。ディスク40の外周面40Kには2つの貫通孔40Dを有している。
【0064】
図24に示す支点ピン703は、ディスク40の2つの貫通孔40Dと第1端部711の2つの貫通孔714とトーションバネ704を通過させることで、図30に示すように本体部701の第1端部711は、ディスク40の収容部40MにおいてSR方向に回転可能に支持されている。ただし、トーションバネ704は、本体部701をSF方向に向けて付勢している。
【0065】
図24に示す本体部701の第2端部712の上面側には、例えば好ましくは半球状の突起部750が形成されている。しかし、この突起部750の形状は半球状に限らず、他の形状であっても良い。
【0066】
図24に示すディスク40のガイド溝101内には、固定位置Pの付近において貫通孔状の凹部40Gが形成されている。この凹部40Gの内周面は、図30に示すように半球状の突起部750を受けて止めるために球面状になっており、図31に示すように凹部40Gから半球状の突起部750の頂上部分が、トーションバネ704の付勢力により、Z方向に沿ってガイド溝101内に突出するようになっている。
【0067】
図24と図30に示すように、複数本の接点部702が本体部701に対して相互に間隔をおいて固定されている。各接点部702は導電性を有する例えば金属製の棒状の部材であり、各接点部702はセンサーチップ100の電極100Sに対して電気的に機械的に接続されることで、各接点部702は、センサーチップ100の電極100Sと図28に示すサブ基板300の検出部590の電気接点とを電気的に接続する。各接点部702は、本体部701に対して垂直に固定されている。
【0068】
図24に示すディスク40の開口領域40Hは、複数本の接点部702をセンサーチップ100の電極100S側に通すための開口である。
次に、図24と図30と図31を参照して、センサーチップ100が固定位置Pに固定されて、接点部702がセンサーチップ100の電極100Sに対して電気的に接続される動作を説明する。
【0069】
図24と図30に示すように、センサーチップ100は、当初ディスク40のほぼ中央位置においてガイド溝101内に挿入して配置される。図30に示すように、センサーチップ100がけとばし部材79によりT方向に沿ってストッパー80に向けて直線移動されて突出部750に達すると、センサーチップ100はガイド溝101内に突出している突起部750を、トーションバネ704の付勢力に抗して、Z1方向に沿って押し下げる。このため、突出部750は凹部40G内においてZ1方向に押し下げられ、センサーチップ100の先端部100Fは突起部750を乗り越えてストッパー80に突き当たる。
【0070】
図31に示すように、センサーチップ100の先端部100Fがストッパー80に突き当たると、センサーチップ100の後端部100Rは突起部750を完全に通過するので、突起部750は、トーションバネ704の付勢力により、ディスク40の凹部40Gから再び突出することができる。
【0071】
これにより、図31に示すように、センサーチップ100の先端部100Fはストッパー80に当たってストッパー80により固定され、センサーチップ100の後端部100Rは突出している突起部750により固定される。このため、センサーチップ100がT方向には移動できなくなり、固定位置Pにおいて確実に固定でき、ディスク40を高速回転してもセンサーチップ100は確実にディスク40の固定位置Pに固定でき、半径方向外側にはずれることがない。
【0072】
本体部701の複数本の接点部702が、センサーチップ100の電極100Sに電気的に機械的に接触することで、図28に示すように、3相交流整流回路570からセンサーチップ100の検出部590に対して電源供給でき、しかも電源供給されたセンサーチップ100の検出部590は、センサーチップ100からの測定データ信号を、サブ基板300の増幅回路572に伝えることができる。
【0073】
センサーチップ100に遠心力を与える動作が終了して、再びセンサーチップ100を固定位置PからT方向とは反対のT1方向に戻す場合には、ディスク40の位相を挿入位置から180°旋回させ、図6のソレノイド49の可動芯50が、第2位置決め孔52にはめて位置決めした後、センサーチップ100の先端部100Fをけとばし部材79により押すことで、センサーチップ100は強制的にT1方向に沿って移動させる。これにより、センサーチップ100の後端部100Rは、突起部750をトーションバネ704の付勢力に抗して押し下げることで、簡単に確実にT1方向に排出することができる。
【0074】
図25は、メイン基板200とサブ基板300との電気的な接続例を示している。
図25に示すように、メイン基板200には、複数のブラシ部材211,212,213,214,215が取り付けられている。これらのブラシ部材211,212の組と、ブラシ部材213,214,215の組は、図25と図26に示すように、例えば180度反対の位置に配置されている。しかし、ブラシ部材211,212の組と、ブラシ部材213,214,215の組が同じ側に配置されていても良い。
【0075】
図27は、サブ基板300のリング電極311,312,313,314,315を示す平面図である。リング電極311,312,313,314,315は、サブ基板300の下面側において回転中心軸CLを中心として同心円状に配置されている。リング電極311,312,313,314,315は、電気的に機械的にブラシ部材211,212,213,214,215に接触するためのスリップリングとも呼ぶことができる。
【0076】
図25に示すブラシ部材211,212,213,214,215の各ブラシ220は、図27と図25に示すサブ基板300のリング電極311,312,313,314,315に対して電気的に機械的に接触している。図27に示すように、リング電極311,312,313,314,315は、電源グランド用、電源用、信号グランド用、信号用、信号用に用いられる。すなわち、リング電極311,312は電源供給用のリング電極であり、リング電極313,314,315は信号伝達用のリング電極である。
【0077】
次に、図25を参照して、ディスク40のディスク駆動部41の構造例を説明する。
図25において、ディスク駆動部41は、ケース下側部12の内面側においてメイン基板200に対してねじ380により固定されている。ディスク駆動部41は、ディスク40を高速で回転駆動するためのモータ400と、発電装置500を有している。
モータ400と発電装置500は、共通したセンター軸部390と、外側の円筒状の金属製のハウジング391を有している。
【0078】
図25に示すモータ400の構成について説明する。
モータ400は、ステータ410とロータ411を有している。ステータ410は、複数のコイル412と、コイル412を固定するセンター軸部390からなる。ロータ411は、S極とN極が円周方向にそって多極着磁されたリング状のマグネット413を有していて、マグネット413はディスク40の円筒状のアウターローター部分414の内周面側に鉄製のリング413Rを介して固定されている。
ディスク40の円筒状のアウターローター部分414の外周部分と、ハウジング391の内周面の間には、アウター軸受393,394が配置されていて、ディスク40はアウター軸受393,394を用いてハウジング391に対して回転可能である。
【0079】
これにより、コイル412が、ブラシ部材211,212とサブ基板300のリング電極311,312を介して、メイン基板200側から電源の供給を受けることにより、コイル412の磁力とマグネット413の磁力により、ディスク40は、センター軸部390の回転中心軸CLを中心として、サブ基板300と共に回転方向Rに高速で連続回転できる。
【0080】
一方、図25に示す発電装置500は、ステータ510とロータ511を有している。
発電装置500は、モータ400とディスク40の間に配置されており、ステータ510は、マグネット512と、このマグネット512を固定するセンター軸部390からなる。マグネット512は、S極とN極が円周方向にそって多極着磁されたリング状のマグネットである。マグネット512は、鉄製のリング512Rを介してセンター軸部390に固定されている。ロータ511は、円筒状のアウターローター部分414の内周面に固定された複数のコイル513とアウターローター部分414からなる。
【0081】
これにより、ディスク40が回転すると、マグネット512の磁力の影響によりコイル513には電流が流れることから、発電装置500が生じる電力は、サブ基板200の各回路部品に電源として供給することができる。
【0082】
図28は、メイン基板200とサブ基板300の構成例を示すブロック図である。
図28に示すように、メイン基板200は、メインCPU(中央処理装置)470,ブザー471,USB472,キー473,インターロック474,メモリ475,電池監視部476,モータドライブ477,DC―DCコンバータ478,充電アダプタ479,受信モジュール480を有している。モータ400は電池34とモータドライブ477に接続されており、充電アダプタ479は電池(二次電池)34に接続されている。メインCPU470は、表示パネル21,モータドライブ477などに接続されている。
【0083】
図28に示すサブ基板300は、3相交流整流回路570,サブCPU(中央処理装置)571,増幅回路572,送信モジュール570,検出部590を有している。モータ400が作動してディスク40が回転している時には、発電装置500も同時に作動して発電をする。
【0084】
発電装置500は、3相交流整流回路570に対して3相交流電力を供給してDC変換されてDC電源となり、そのDC電源は、センサーチップ100の検出部590に供給されると共に、サブCPU571と送信モジュール573に対しても供給される。センサーチップ100の検出部590は、センサーチップ100の電極と、電極に接続されたセンサー部である。このセンサー部は、例えば酵素を備える。
【0085】
センサーチップ100では、液体の分離が行われて、分離された例えばグルコースの量が検出部590により検出される。検出部590はセンサーチップ100から例えばグルコースの量を測定データとして得て、その測定データは増幅回路572で増幅されて所定のデータ変換処理を行って、サブCPU571に送られる。
モータ400が作動してディスク40回転している場合には、センサーチップ100からの測定データは、送信モジュール573から無線通信により、受信モジュール480により受信される。受信された測定データは、メイン基板200のメインCPU470に送られ処理が行われて、表示パネル21に表示する。
【0086】
図28のモータ400が作動して図25のディスク40が回転している時には、図28の発電装置500は同時に自己発電してセンサーチップ100の検出部590とサブCPU571と送信モジュール573に対して電源供給している。このため、メイン基板20
0のDC―DCコンバータ478からリング電極311,312とブラシ部材211,212を介して、サブ基板300の3相交流整流回路570側に電源の供給をする必要がない。また、メイン基板200に対する電源供給は、電池34から供給するか、あるいは外部のAC電源からの変換により行うことができる。
【0087】
これに対して、図28のモータ400が作動しておらず図25のディスク40が静止状態である時には、図28の発電装置500は作動しておらず自己発電していない。このため、メイン基板200側からサブ基板300側に電源を供給する必要がある。
【0088】
そこで、メイン基板200の二次電池34は、DC―DCコンバータ478と電源用のリング電極311,312と電源用のブラシ部材211,212を介して、3相交流整流回路570に電源供給する。また、測定データの信号伝達を行う必要があるが、センサーチップ100からの測定データは、増幅回路572から信号用のリング313,314,315と、信号用のブラシ部材213,214,215を介して、メイン基板200のメインCPU470に直接伝送することで、測定データの信号処理を行うようになっている。
【0089】
このように、図28に示すモータ400が作動して図25のディスク40が回転する時には、図28のセンサーチップ100からの測定データは、サブ基板300の電気回路において信号処理が行われて測定データは送信モジュール573と受信モジュール480の間で無線信号に変換してメイン基板200側に転送される。メイン基板200では、測定データを受信して表示パネル21に表示する。サブ基板300の回路部品への電源の供給は、発電装置500から直接行われる。なお、ディスク40が回転中に測定データを得るのが基本であるが、ディスク40が停止している時にも測定することができる。
【0090】
例えば図25のディスク40が停止している場合には、図28に示すモータ400が動作しておらず、発電装置500の発電はしておらず、センサーチップ100からの測定データは、図24に示すサブ基板300の電気回路において信号処理が行われるが、無線通信ではなく、図25に示す信号用のリング電極313,314,315と信号用のブラシ部材213,214,215を通じて、メイン基板200側に送られる。メイン基板200では、測定データを受信して表示パネル21に表示することができる。モータ400の動作が停止している時には、サブ基板300の回路部品への電源の供給は、メイン基板200側から、電源用のブラシ部材211,212と電源用のリング電極311,312を通じて行われる。
【0091】
図28を参照すると、メイン基板200からサブ基板300に対して電源を供給する場合には電源供給部610が用いられる。電源供給部610は、電源用のリング電極311,312と電源用のブラシ部材211,212から構成されており、電源供給部610は、ディスク40が回転している時には、サブ基板300の発電装置500からサブ基板300の各回路要素への電源供給を行い、ディスク40が停止している時には、メイン基板200側からサブ基板300側に電源を供給する。
【0092】
図28に示す伝送部650は、センサーチップ100からの測定データをサブ基板300からメイン基板200側へ伝送する。伝送部650は、無線通信部670と、接触伝送部680を有する。この無線通信部670は、ディスク40が回転している時には、サブ基板300側からメイン基板200側へ、無線通信で測定データを伝送する。
【0093】
図28に示す接触伝送部680は、サブ基板300に配置された信号用のリング電極313,314,315と、信号用のブラシ部材213,214,215を有する。ディスク40が停止している時には、信号用のリング電極313,314,315から信号用のブラシ部材213,214,215を経て、サブ基板300側からメイン基板200側に測定データを接触伝送方式で送るようになっている。
【0094】
次に、上述した遠心分離装置1の動作例について説明する。
まず、図11を参照して、可動フタ20の位置決め機構について説明しておく。可動フタ20は、ケース10に対してT方向に沿って複数箇所で位置決めする必要がある。図11に示す位置決めフック90は、ケース上側部11の原点位置決め溝91、挿入位置決め溝92、検査位置決め溝93,そしてノックアウト位置決め溝94に対してそれぞれはめ込まれることで、可動フタ20が、原点位置、センサーチップ100の挿入位置、検体検査位置、センサーチップ100のノックアウト位置の合計4つのポジションに位置決めすることができる。
【0095】
図6に示すように、遠心分離装置1が初期状態では、可動フタ20が閉じた位置にあり、開口部70は可動フタ20により閉鎖されている。ディスク40のガイドレール46,46は、A位置側に位置されており、ディスク40の第1位置決め孔51にはソレノイド49の可動芯50がはまり込んでいることで、ディスク40は停止状態である。この場合に、図6の位置決めフック90は、原点位置決め溝91にはめ込まれていることで、可動フタ20の位置が固定されている。可動フタ20が開口部70を閉じていると、電気回路は動作しないようになっている。
【0096】
使用者は指で、図7に示すように可動フタ20をT方向に少しスライドすると、開口部70が露出するとともに、位置決めフック90は、挿入位置決め溝92にはめ込まれることで、可動フタ20の位置が固定される。この可動フタ20の移動とともにアーム62と
スライダー42とけとばし部材79が、トーションバネ59の付勢力に抗してT方向にスライドされる。これにより、スライダー42とけとばし部材79が、開口部70の付近に位置される。
【0097】
図7に示すように、使用者の指で摘んだセンサーチップ100が、開口部70を通じて、ディスク40のガイド溝101内に挿入される。これにより、センサーチップ100はけとばし部材79の付近に配置され、センサーチップ100をディスク40へ挿入して配置する作業が終了する。
【0098】
次に、図8はセンサーチップ100の内容物を検査する検体検査位置を示している。図8に示すように、可動フタ20は指によりさらにT方向に移動されることで、位置決めフック90は、検査位置決め溝93にはめ込まれることで、可動フタ20の位置が固定される。センサーチップ100は開口部70に対応する位置からディスク40の外周部側へT方向にそってガイド溝101内を強制的に移動される。
【0099】
この場合に、図6と図18に示すように、可動ラック本体60のラック60Rは、スライダー42と、けとばし部材79に一体に固定されている。固定ラック本体61のラック61Rはケース下側部12に固定されている。平歯車(ピ二オン)63はアーム62に設けられており、アーム62は可動フタ20側に固定されている。可動ラック本体60にはピン67が設けられている。
【0100】
これにより、可動フタ20が指で押されてT方向に沿ってスライドされることで、可動フタ20と一体のアーム62が可動ラック本体60のピン67に引掛かる。アーム62の平歯車63はすでにラック60Rにかみ合っているが、アーム62がT方向へ移動している途中からは、アーム62の平歯車63は、もう1つのラック61Rにかみ合い始める。
このため、可動ラック本体60は、可動フタ20と一体のアーム62に比べてT方向に沿って相対的にさらに移動を早めるので、可動ラック本体60のピン67は、アーム62からは離れて、けとばし部材79とセンサーチップ100は、可動フタ20とアーム62がT方向へ移動する際の速度の倍速でT方向に移動することができる。これにより、可動ラック本体60と一体のけとばし部材79が、センサーチップ100をT方向にそって開口部70に対応する位置からディスク40の外周部側へT方向にそってガイド溝101内を強制的に移動できる。
【0101】
図7に示す可動フタ20の位置は、センサーチップ100をディスク40に挿入するために開口部70を開ける位置である。図8に示す可動フタ20の位置は、ディスク40の外周部近傍に位置決めするために可動フタ20の移動によりセンサーチップ100の移動を付勢させて位置決めしたときの位置である。
【0102】
可動フタ20の位置に比べて、センサーチップ100はさらにT方向に移動されている。センサーチップ100は、ディスク40のガイドレール46,46の間のガイド溝101内において、図18に示す固定位置Pに位置決めできる。すなわち、センサーチップ100が、図18のけとばし部材79によりストッパー80に向けてディスク40の半径方向外側に押されることで、センサーチップ100はストッパー80と固定バネ99,99により、ディスク40の半径方向に移動しないように固定できる。
【0103】
次に、図9に示すように、可動フタ20が指によりT1方向に押し戻されることで開口部70が閉鎖され、スライダー42とけとばし部材79はディスク40の外側のB位置に退出される。これにより、スライダー42とけとばし部材79は、ディスク40の回転に影響を与えない位置に退出される。
【0104】
図9において、センサーチップ100がディスク40のガイド溝101内に固定された状態で、ディスク40の第1位置決め孔51からソレノイド49の可動芯50がはずれる。そして、ディスク駆動部41のモータ400が作動してディスク40がR方向に高速で連続回転すると、センサーチップ100に対して遠心力を与えることができる。
【0105】
遠心力を与えたセンサーチップ100の液体、例えば体液は、液体の分散質の密度差がわずかであってもそれぞれの分散質を異なる複数の相に分離され、例えば血液中からグルコースが分離される。このグルコースの量は例えば酵素センサーを用いて検出部590にて検出して、増幅回路572により増幅された測定データは、所定のデータ変換処理を経てサブCPU571に送られる。そして、モータ400が作動してディスク40が回転している場合には、センサーチップ100からの測定データは、送信モジュール573から無線通信により、受信モジュール480により受信される。受信された測定データは、メイン基板200のメインCPU470に送られ処理が行われて、表示パネル21に表示する。
【0106】
そして、測定データがサブCPU571に送られた後に、図10に示すように、ディスク40上のセンサーチップ100は、B位置に停止する。このB位置は、上述したA位置とは180度反対位置であり、この状態で、ソレノイド49の可動芯50が第2位置決め孔52にはまり込むことで、ディスク40は静止状態になる。
【0107】
さらに、図10に示すように、可動フタ20が閉じた状態から可動フタ20が図11に示す指によりT方向にさらにスライドされると、位置決めフック90は、ノックアウト位置決め溝94にはめ込まれることで、可動フタ20の位置が固定される。図20の状態から図21の状態に変化して、けとばし部材79がセンサーチップ100を、ディスク40のガイド溝101にそって強制的に押すことで、センサーチップ100は、ガイドレール46,46の間からディスク40の回転中心軸CLを通り、直径方向の外側に向けて移動される。これにより、センサーチップ100は、取り出し孔71からケース10の外に排出(ノックアウト)することができる。
【0108】
このようにセンサーチップ100を本体10から排出する際には、図11と図17に示すように、可動フタ20が指で押されてT方向に沿ってスライドされることで、可動フタ20と一体のアーム62が可動ラック本体60のピン67に引掛かる。このため、可動ラック本体60と一体のけとばし部材79がセンサーチップ100をT方向に移動し始める。
【0109】
アーム62の平歯車63はすでにラック60Rにかみ合っているが、アーム62がT方向へ移動している途中からは、アーム62の平歯車63は、もう1つのラック61Rにかみ合い始める。このため、可動ラック本体60は、可動フタ20と一体のアーム62に比べてT方向に沿って相対的にさらに移動を早めるので、可動ラック本体60のピン67は、アーム62からは離れて、けとばし部材79とセンサーチップ100は、可動フタ20とアーム62がT方向へ移動する際の速度の2倍速でT方向に移動することができる。
【0110】
従って、けとばし部材79がセンサーチップ100をケース10のガイド溝101からケース10の外に排出する際に、可動フタ20のT方向へのスライド距離が短くても、けとばし部材79がセンサーチップ100をケース10のガイド溝101からケース10の外に確実に排出することができる。
このように、可動ラック本体60,固定ラック本体61により、可動フタ20の移動量に比して、開口部70の位置から外周部近傍の位置決め位置間での距離で、けとばし部材79は2倍速でT方向に移動してセンサーチップ100を排出できる。
【0111】
ところで、図11と図12と図18に示すように、可動フタ20は、1つの位置決めフック90を有している。一方、ケース上側部11の凹部30Rは、原点位置決め溝91、挿入位置決め溝92、検査位置決め溝93,そしてノックアウト位置決め溝94を、T方向にそって順次有している。
【0112】
このように、位置決めフック90は、ケース上側部11の原点位置決め溝91、挿入位置決め溝92、検査位置決め溝93,そしてノックアウト位置決め溝94に対してそれぞれはめ込まれることで、可動フタ20が、原点位置、センサーチップ100の挿入位置、検体検査位置、センサーチップ100のノックアウト位置の合計4つのポジションに位置決めすることができる。つまり、原点位置決め溝91、挿入位置決め溝92、検査位置決め溝93,そしてノックアウト位置決め溝94はそれぞれ凹状の部分であり、図11の位置決めフック90が溝部分にはまり込むことで、可動フタ20はT方向にそって4段階で確実に位置決めでき、使用者は可動フタ20を間違いなくスライドして位置決めできる。
【0113】
センサーチップ100は、ディスク40上のガイド溝101に挿入して配置され、センサーチップ100はこのガイド溝101に沿ってスライドされることで、ディスク40の外周部位置まで移動して検査位置に配置される。しかも、検査後は、センサーチップ100は、ディスク40のガイド溝101に沿って強制的に排出できる。これにより、センサーチップ100は、T方向に沿ってディスク40上を移動させるだけなので、センサーチップ100内の液体がこぼれることがなく、ケース10内が汚れない。
【0114】
図25に示すように、モータ400と発電装置500は、センター軸部390とアウターローター部分414を共通して使用している構造なので、ディスク駆動部41の小型化が図れる。
【0115】
センサーチップ100は、ディスク40に対して挿入して配置する際に、開口部70を通じてディスク40の回転中心軸CLの近くに挿入して配置できる。これにより、使用者が指でセンサーチップ100をディスク40の回転中心軸CLの近くに挿入して配置する際に力がディスク40に対して指の力が加わったとしても、ディスク40に加わった力は回転中心軸CLのセンター軸部390により支えることができるので、センサーチップ100をディスク40の外周部に挿入して配置する場合に比べて、ディスク40の水平状態が変化するのを防ぎ、回転中心軸CLに対するディスク40の直角度を維持し、高速で回転させてもバランスが崩れず、騒音の原因となったり所定の回転数まで上げられないというトラブルを防ぐことができる。
【0116】
このため、ディスク40側のサブ基板300のリング電極311,312,313,314,315は、メイン基板200側のブラシ部材211,212,213,214,215に対して電気的に機械的に確実に接触した状態を維持できる。
【0117】
本発明の実施形態では、遠心分離装置1は、対象物であるセンサーチップ100に遠心力を与えてセンサーチップ100の内容物を分離する。
この遠心分離装置1は、ケース10と、ケース10内に配置される駆動部41と、ケース10内に配置されて駆動部41の作動により対象物であるセンサーチップ100を搭載した状態で連続回転可能して遠心力を与えるディスク40を備える。このディスク40は、センサーチップ100をディスク40の回転中心軸CLから離れた位置に位置決めして固定するようになっている。
【0118】
駆動部41は、ディスク40を連続回転させるモータ400と、モータ400の作動に伴って発電を行ってディスク40側の回路に給電を行うための発電装置500と、を有する。これにより、小型化が可能であり携帯して持ち歩くことができ、遠心力を与えようとするセンサーチップ100を搭載して回転するディスク側に対して回転時に給電してセンサーチップ100から得られる測定データを処理できる。
【0119】
ケース10は、表面部11Aと表面部11Aの側面に形成された側面部11B〜11Eを有する第1ケース部分11と、第1ケース部分11の側面部に組み合わされる平板状の第2ケース部分12を有している。そして、駆動部41は、第2ケース部分12の内面に配置されている。これにより、ケースを簡単な構造にできるので、ケースの厚みを薄くして小型化が可能である。
【0120】
ケース10の第2ケース部分12の内面には第1基板であるメイン基板200が配置され、ディスク40には第2基板であるサブ基板300が配置されている。ディスク40が回転している時には、発電装置500からサブ基板300への電源供給を行い、ディスク40が静止している時には、メイン基板200側からサブ基板300側に電源を供給するための電源供給部610を有する。これにより、ディスク40が回転していても静止していてもサブ基板300側には電源を供給することができる。
【0121】
ディスク40には第2基板であるサブ基板300が配置されており、対象物であるセンサーチップ100に遠心分離力を付加することによりセンサーチップ100の電気特性変化をサブ基板300で検出して増幅し、無線信号で第1基板であるメイン基板200に伝達した後、メイン基板200で無線信号を電気処理することで、測定データの表示や記憶を行うことができる。
【0122】
電源供給部610は、サブ基板300に配置された電源用のリング電極311,312と、メイン基板200に配置されて電源用のリング電極311,312に接触してサブ基板300側に電源を供給するための電源用のブラシ部材211,212と、を有する。これにより、電源供給部610は、メイン基板300側からサブ基板200側に対して、ディスク40が回転していても確実に電源を供給できる。
【0123】
センサーチップ100から得られる測定データを伝送するための伝送部650を備える。伝送部650は、ディスク40が回転している時には、サブ基板300側からメイン基板200側へ無線通信で測定データを伝送する無線通信部670と、サブ基板300に配置された信号用のリング電極313,314,315と、メイン基板200に配置されて信号用のリング電極313,314,315に接触している信号用のブラシ部材213,214,215とを有している接触伝送部680を有している。接触伝送部680は、ディスク40が静止している時には、信号用のリング電極313,314,315から信号用のブラシ部材213,214,215を経てサブ基板300側からメイン基板200側に測定データを送る。これにより、ディスク40が回転しているときであっても停止しているときであっても、センサーチップ100の測定データは、サブ基板300側からメイン基板200側に確実に伝送できる。
【0124】
ケース10には、センサーチップ100において分離された成分を検出した測定データを表示する表示部としての表示パネル21を備える。これにより、使用者は、この遠心分離装置1において表示パネル21により測定データを知ることができる。
【0125】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
センサーチップ100内の内容物(試料)としては、例えば血液に限らず、細胞や汗や唾液など生体から出る液体、あるいはその他の種類のものであっても良く、特に限定されない。
【0126】
ケース10の形状は、直方体の箱状であるが、これに限らず他の形状であっても良い。
ソレノイド49は、ディスク40を2カ所の固定位置に固定するが、ソレノイド49を用いずに、別の要素を用いてディスク40を2カ所の固定位置にインデックスして固定するようにしても良い。
【0127】
また、ケース10内に電池を配置しないで、電池をケースの外に配置してこの電池をケース側に接続するようにしても良い。
センサーチップ100は、図示例では長方形の小さな部材であるがこれに限らず他の形状を採用できる。
表示パネル21は、液晶表示パネルに代えて、例えば有機ELディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネルなどを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の遠心分離装置の好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の遠心分離装置を別の方向から見た斜視図である。
【図3】図1の遠心分離装置の底面側を示す斜視図である。
【図4】ケース上側部の内面側を示す斜視図である。
【図5】ケース下側部の内面側を示す斜視図である。
【図6】遠心分離装置の内部構造を示しており、スライドアームがケース上側部に対して閉じた状態を示す斜視図である。
【図7】センサーチップが挿入された状態を示す斜視図である。
【図8】センサーチップの検査位置を示す斜視図である。
【図9】スライドアームが開口部を閉じてディスクが回転を始めた状態を示す斜視図である。
【図10】ディスクの回転が終わってセンサーチップがB位置に位置決めされた状態を示す斜視図である。
【図11】センサーチップがケース内からT方向に沿って排出された状態を示す斜視図である。
【図12】図6に対応しており、スライドアームがケース上側部に対して閉じた状態を示す平面図である。
【図13】図7に対応しており、センサーチップが挿入された状態を示す平面図である。
【図14】図8に対応しており、センサーチップの検査位置を示す平面図である。
【図15】図9に対応しており、スライドアームが開口部を閉じてディスクが回転を始めた状態を示す平面図である。
【図16】図10に対応しており、ディスクの回転が終わってセンサーチップがB位置に位置決めされた状態を示す平面図である。
【図17】図11に対応しており、センサーチップがケース内からT方向に沿って排出された状態を示す平面図である。
【図18】移動操作部とディスク付近を示す下側から見た斜視図である。
【図19】スライドアームがT方向に移動されて、センサーチップがA位置に位置決めされている状態を示す断面図である。
【図20】スライドアームが開口部を閉じており、スライダーとけとばし部材はセンサーチップとディスクから離れた状態を示す断面図である。
【図21】センサーチップが排出される状態を示す断面図である。
【図22】ケース内の構造を示す断面図である。
【図23】ケース内の構造を示す断面図である。
【図24】ディスクと電気接続部材を示す斜視図である。
【図25】メイン基板とサブ基板との電気的な接続例を示す図である。
【図26】図25におけるブラシ部材の配列例を示す平面図である。
【図27】サブ基板のリング電極を示す平面図である。
【図28】メイン基板とサブ基板の構成例を示す回路ブロック図である。
【図29】電気接続部材の取付状態を示す下側から見た斜視図である。
【図30】電気接続部材がセンサーチップに接続される前の状態を示す図である。
【図31】電気接続部材がセンサーチップに接続された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0129】
1 遠心分離装置
10 ケース
11 ケース上側部
12 ケース下側部
20 可動フタ(開閉部材)
21 表示パネル(表示部の一例)
30 支持プレート
34 電池
41 ディスク駆動部
42 スライダー(対象物の移動機構部)
43 センサーチップの移動機構部(対象物の移動機構部)
46 ガイドレール
49 ソレノイド(ディスク固定部)
55 スライドホルダー
60 可動ラック本体(対象物の移動機構部)
61 固定ラック本体(対象物の移動機構部)
60R、61R ラック(対象物の移動機構部)
62 アーム(対象物の移動機構部)
63 平歯車
70 開口部
71 取り出し孔
79 けとばし部材(対象物の移動機構部)
80 ストッパー(対象物固定部)
100 センサーチップ(検体、対象物)
101 ディスクのガイド溝
200 メイン基板(第1基板)
211,212 電源用のブラシ部材
213,214,215 信号用のブラシ部材
300 サブ基板(第2基板)
311,312 電源用のリング電極
313,314,315 信号用のリング電極
400 モータ
500 発電装置
600 対象物固定部
610 電源供給部
650 伝送部
670 無線通信部
680 接触伝送部
CL 回転中心軸



【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に遠心力を与えて前記対象物の内容物を分離する遠心分離装置であって、
ケースと、
前記ケース内に配置される駆動部と、
前記ケース内に配置されて前記駆動部の作動により前記対象物を搭載した状態で連続回転して前記対象物に遠心力を与えるディスクであって、前記対象物を前記ディスクの回転中心軸から離れた位置に位置決めして固定するための前記ディスクと、を備え、
前記駆動部は、
前記ディスクを連続回転させるモータと、
前記モータの作動に伴って発電を行って前記ディスク側の回路に給電を行うための発電装置と、を有することを特徴とする遠心分離装置。
【請求項2】
前記ディスクには前記第2基板が配置されており、前記対象物に遠心分離力を付加することにより前記対象物の電気特性変化を前記第2基板で検出して増幅し、無線信号で前記第1基板に伝達した後、前記第1基板で前記無線信号を電気処理することを特徴とする請求項1に記載の遠心分離装置。
【請求項3】
前記電源供給部は、
前記第2基板に配置された電源用のリング電極と、
前記第1基板に配置されて前記電源用のリング電極に接触して前記第2基板側に電源を供給するための電源用のブラシ部材と、を有することを特徴とする請求項2に記載の遠心分離装置。
【請求項4】
前記対象物から得られる測定データを伝送するための伝送部を備え、
前記伝送部は、
前記ディスクが回転している時には、前記第2基板側から前記第1基板側へ無線通信で前記測定データを伝送する無線通信部と、
前記第2基板に配置された信号用のリング電極と、前記第1基板に配置されて前記信号用のリング電極に接触している信号用のブラシ部材とを有している接触伝送部であって、前記ディスクが静止している時には、前記信号用のリング電極から前記信号用のブラシ部材を経て前記第2基板側から前記第1基板側に前記測定データを送る前記接触伝送部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の遠心分離装置。
【請求項5】
前記ケースには、前記対象物において分離された成分を検出した測定データを表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の遠心分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−224652(P2008−224652A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234865(P2007−234865)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(394000493)ヒーハイスト精工株式会社 (76)
【Fターム(参考)】