説明

遠心分離装置

【課題】遠心分離を一度に行うことができる遠心分離装置を提供することを目的とする。
【解決手段】平面状の円板24に、測定対象の液体である血液の導入口(開口部25)と空気穴27とをつなぎ、開口部25を血液の上流部、空気穴27を下流部としたときに、上流部から下流部へは、円板24の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して円板24の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型の複数の流路である溝26を備えることで、遠心分離を一度に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、採取された測定対象の液体を遠心分離させる遠心分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離装置は液体採取装置の一部として形成されている。液体採取装置として、血液を採取する、すなわち採血する採血装置を例にとって説明する。採血装置は、核医学診断(例えば、PET(Positron Emission Tomography)、SPECT(Single Photon Emission CT)など)における定量解析で用いられ、特に小動物(例えばマウスやラットなど)の動脈血中の放射能濃度の測定に用いられている。
【0003】
具体的には、上述の核医学診断装置で放射性薬剤を投与した小動物を撮像しながら、所定の時間に動脈採血を行い、全血中放射能濃度を測定する。さらに、各所定時間で採血された全血液を遠心分離させて血漿成分を取り出して、血漿中放射能濃度も測定する。小動物を用いた採血では、1匹から採血できる量が限られるので、1回に採血可能な血液は微小量になる。血液から血漿を取得する手法としては、U字型の流路において遠心分離によって血液を血漿および血球に分離(すなわち血漿分離)させる手法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述のU字型の流路以外でも遠心分離によって血漿分離させる手法がある(例えば、特許文献2参照)。また、光バイオディスクの分野で細胞検定を行う場合においても遠心分離によりサンプルを調整する手法がある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−109082号公報
【特許文献2】米国特許第5,061,381号明細書
【特許文献3】特公表2005−509882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[課題1]採血頻回性の課題
しかしながら、上述の特許文献1の装置では、1回の採血に対して1つの血液分析装置が必要で、遠心分離も一度に1つの血液分析装置の遠心分離操作しかできない。実際の小動物の場合、核医学診断装置で撮像しながら所定時間で複数の採血を行う。特に、撮像開始直後は数秒間隔で採血を行うので、血液分析装置を交換する時間がない。また、複数のサンプルに対して一度に遠心分離操作を行うことができない。
【0007】
[課題2]流路への血液導入に関する課題
血液は粘性があるので、微小体積の流路に進入しにくい。上述の特許文献1の装置ではポンプで引き入れているが、装置にポンプを組み込み、それを制御する必要が生じる。
【0008】
[課題3]血漿・血球の分離に関する課題
上述の特許文献1の装置の流路形状で血球溜めに対して血液量が少ない場合は血漿も血球溜めに入り込む可能性がある。逆に、血球溜めに対して血液量が多い場合は血球が血球溜めから溢れ、血液排出口側の血漿しか取り出すことができなくなる。これらの問題を解決するためには、採血量に合わせて流路の大きさを変えなければいけないことが考えられる。
【0009】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遠心分離を一度に行うことができる遠心分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る遠心分離装置は、平面状の円板に、測定対象の液体の導入口と空気穴とをつなぎ、前記導入口を液体の上流部、前記空気穴を下流部としたときに、前記上流部から前記下流部へは、前記円板の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して前記円板の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型の複数の流路を備えた遠心分離装置であって、採取された前記測定対象の液体を前記導入口から導入して遠心分離を行うことを特徴とするものである。
【0011】
[作用・効果]この発明に係る遠心分離装置によれば、平面状の円板に備えられた流路において、測定対象の液体の導入口と空気穴とをつなぐことで、採取された測定対象の液体を導入口から導入しても空気穴から流路内の空気が抜けるので、導入口を通して液体を流路に円滑に流すことができる。この流路は、導入口を液体の上流部、空気穴を下流部としたときに、上流部から下流部へは、円板の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して円板の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型の形状で形成されている。したがって、測定対象の液体を導入口から導入して遠心分離を行うと、流路のうち径方向の最も外側にある流路の折り返しにおいて、液体のうち比重の大きい成分が溜まり、比重の小さい成分は折り返し以外の箇所に流れるので、液体を遠心分離させるのが容易になる。また、流路はU字型の形状で形成されているので、導入口・流路の折り返し間の距離と、流路の折り返し・空気穴間の距離とがほぼ等しくなり、比重の小さい成分を流路全体に拡散させることが可能であり、遠心分離後の液体の長さを、流路の折り返しを基準にして揃えることができる。かかるU字型の複数の流路を円板に備えることで、遠心分離を一度に行うことができる。
【0012】
上述したこの発明に係る遠心分離装置において、円板の中央に円板を回転させる回転手段を備え、その回転手段による円板の遠心力を利用して、測定対象の液体を遠心分離させるのが好ましい。円板の中央に円板を回転させる回転手段を備えることで、U字型の複数の流路を同じ回転速度で回転させることができる。
【0013】
上述したこれらの発明に係る遠心分離装置において、複数の流路を、円板の径方向に沿って放射状にそれぞれ配設するのが好ましい。特に、上述のように円板の中央に円板を回転させる回転手段を備えると、U字型の複数の流路を同じ回転速度、同じ遠心力で回転させることができ、各々の流路間での遠心分離のバラツキを抑えることができる。
【0014】
上述したこれらの発明に係る遠心分離装置において、複数の各流路は、円板に対して所定の寸法で溝加工したもので形成されているのが好ましい。すなわち、所定の寸法で溝加工されていることから、流路に送り込まれた液体の溝長あるいは溝領域がわかれば、所定の寸法で溝加工された溝の断面積あるいは溝の深さに基づいて流路に送り込まれた液体の体積を規定することができる。また、所定の寸法で溝加工することで、採取量に合わせて流路の大きさを予測して設計することができる。
【0015】
上述したこれらの発明に係る遠心分離装置において、複数の各流路の内壁に親水加工を施すのが好ましい。親水加工を施すことで、液体を導入口に滴下するだけで流路内部にまで進入させることができる。したがって、従来のようなポンプが不要になり、それを制御することもなくなる。その後の遠心分離によって、液体は流路の折り返しの部分まで導入されて、比重の大きい成分が折り返しの部分に集まり、比重の小さい成分はその両端に来る。
【0016】
上述したこれらの発明に係る遠心分離装置において、複数の各流路の導入口は、上面を下面よりも広く形成したテーパ形状で形成されているのが好ましい。上面を下面よりも広く形成したテーパ形状で導入口は形成されているので、親水加工を施したときと同様に、液体を導入口に滴下するだけで流路内部にまで進入させることができる。親水加工を施したときと同様に、従来のようなポンプが不要になり、それを制御することもなくなる。その後の遠心分離によって、液体は流路の折り返しの部分まで導入されて、比重の大きい成分が折り返しの部分に集まり、比重の小さい成分はその両端に来る。
【0017】
上述したこれらの発明に係る遠心分離装置において、測定対象の液体の一例は血液である。この場合には、血液を遠心分離させて血漿および血球に分離する血漿分離を行う。なお、測定対象の液体であれば、血液に限定されずに、放射性物質や蛍光剤が含まれた液体や、分析装置に用いられる混合液などであってもよい。
【0018】
また、測定対象の液体が血液である場合には、導入口と空気穴とをつなぐことで、採取された血液(すなわち採血された血液)を導入口から導入しても空気穴から流路内の空気が抜けるので、導入口を通して血液を流路に円滑に流すことができる。血液を導入口から導入して遠心分離を行うと、流路のうち径方向の最も外側にある流路の折り返しにおいて、比重の大きい血球が溜まり、比重の小さい血漿は折り返し以外の箇所に流れるので、血液を遠心分離(すなわち血漿分離)させるのが容易になる。また、流路はU字型の形状で形成されているので、導入口・流路の折り返し間の距離と、流路の折り返し・空気穴間の距離とがほぼ等しくなり、比重の小さい血漿を流路全体に拡散させることが可能であり、遠心分離後の血液の長さを、流路の折り返しを基準にして揃えることができる。かかるU字型の複数の流路を円板に備えることで、遠心分離を一度に行うことができる。
【0019】
また、測定対象の液体が血液である場合には、複数の各流路の内壁に親水加工を施すことで、あるいは上面を下面よりも広く形成したテーパ形状で導入口を形成することで、血液を導入口に滴下するだけで流路内部にまで進入させることができる。したがって、従来のようなポンプが不要になり、それを制御することもなくなる。その後の遠心分離によって、血液は流路の折り返しの部分まで導入されて、比重の大きい血球が折り返しの部分に集まり、比重の小さい血漿はその両端に来る。
【0020】
測定対象の液体が血液の場合には、流路の折り返しにおける曲線部分の体積が、遠心分離する血液に含まれる血球の体積以下を満たす条件で、曲線部分の曲率半径を設定して流路を形成するのが好ましい。発明者らが鋭意研究した結果、流路の幅や深さ、円板の径および円板の回転速度などが一定である条件では、曲率半径を変えると、それによって曲線部分の体積が変わり、同じ採血量であっても分離不全を起こす可能性があるという知見に至った。すなわち、血球の体積よりも曲線部分の体積が大きい場合には、血漿も折り返しの曲線部分に寄って分離不全を起こすと考えられる。そこで、流路の折り返しにおける曲線部分の体積が、遠心分離する血液に含まれる血球の体積以下を満たす条件で、曲線部分の曲率半径を設定して流路を形成すると、血漿が折り返しの曲線部分に入り込むことなく、血漿分離を行うことができる。したがって、採血量に合わせた曲線部分の曲率半径を設定して流路を形成することができる。
【0021】
測定対象の液体が放射性物質を含む液体である場合には、複数の各流路は上面または下面のいずれかをβ線が透過するのに十分な薄さに加工されていることが好ましい。流路の上面または下面を薄くすることで、流路内部に進入した放射性物質の液体から放射されるβ線が円板を形成する材質に吸収されることを減少させることができるので、より低い放射能濃度の液体であっても円板の外から放射線計測を行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係る遠心分離装置によれば、平面状の円板に、測定対象の液体の導入口と空気穴とをつなぎ、導入口を液体の上流部、空気穴を下流部としたときに、上流部から下流部へは、円板の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して円板の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型の複数の流路を備えることで、遠心分離を一度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)、(b)は、実施例に係る採血装置、それに備えられた円板およびその周辺機器の概略斜視図である。
【図2】実施例に係る円板の概略平面図である。
【図3】(a)は実施例に係るU字型の溝の概略平面図、(b)は実施例に係るU字型の溝の概略拡大断面図である。
【図4】(a)は実施例に係る開口部の概略平面図、(b)は実施例に係る開口部の概略断面図である。
【図5】曲率半径を変えたときにおける曲線部分の体積の関係を示したグラフである。
【図6】実施例に係る一連の採血処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】測定装置の撮像部におけるスキャナの概略斜視図である。
【図8】溝の下面からイメージングプレートまでのβ線の透過距離を変えたときにおける放射線量およびイメージングプレートで読み取られた画素値(イメージングプレート画素値)の関係を示したグラフである。
【実施例】
【0024】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る採血装置、それに備えられた円板およびその周辺機器の概略斜視図である。本実施例では、測定対象の液体として血液を例に採って説明するとともに、液体採取装置として採血装置を例に採って説明し、遠心分離装置として、円板を例に採って説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施例に係る採血装置10は、測定対象の血液を時系列に分離して採取する。また、採血装置10の周辺には、採血装置10で採取された血液中に含まれている放射線(例えばβ線やγ線など)を測定する測定装置30を備えている。本実施例では、マウスの体内への放射性薬剤の投与後の血液を採取(すなわち採血)して、血液中に含まれている放射線を測定する。また、血漿分離を行い、血漿分離された血漿および血球に含まれている放射線をそれぞれ測定する。
【0026】
採血装置10は、2枚のPDMS樹脂(Polydimethylsiloxane)からなるPDMS基板11,12を上下に重ねて構成された液体分割デバイス40を備えている。PDMS基板11,12に対して所定の寸法で溝加工を施しており、その溝加工の溝によって主流路13および側路41,42,43をそれぞれ形成している。ここで、採血装置10の素材はPDMSに限定されず、アクリル、ポリカーボネート、COP(シクロオレフィンポリマー)など樹脂光学的に透明なものであれば良い。
【0027】
主流路13の血液入口側にはカテーテル14を配設しており、主流路13とカテーテル14とを、コネクタ15を介して接続している。血液はカテーテル14から主流路13に連続的に送り込まれ、流入量はバルブ(図示省略)で制御される。主流路13の血液出口側には血液用配管16を配設しており、主流路13と血液用配管16とを、コネクタ17を介して接続している。
【0028】
主流路13を挟んで光源21およびフォトダイオード22を配設している。主流路13を流れる血液あるいは後述するヘパリン溶液に光源21から光を照射し、血液による遮光をフォトダイオード22が検知することで、その血液あるいはヘパリン溶液を光学的に監視(モニタ)しながら後述する血液あるいはヘパリン溶液の長さ情報を測定する。ここでは光学測定手段として光源21およびフォトダイオード22を例に採って説明したが、測定対象の液体を光学的に監視しながら液体の間隔を測定する手段であれば、光源21およびフォトダイオード22に限定されない。例えば、CCDカメラによって測定対象の液体の体積情報を取得してもよい。また、光源21およびフォトダイオード22は、図1に示すように主流路13を挟んで互いに対向配置される構成で、血液による遮光で検知する、いわゆる「透過型センサ」であったが、光源に対してフォトダイオードに代表される光検出手段を同じ側に配設し、血液による反射光で検知する、いわゆる「反射型センサ」であってもよい。
【0029】
一方、上述した血液用配管16の下流側にはディスペンサ23を接続している。このディスペンサ23から滴下した血液を受け取って収容する円板(「CDウェル」とも呼ばれる)24を配設している。円板24の中央側には、滴下された血液を受け取る複数の開口部25を放射状に配設している。円板24に対しても、上述したPDMS基板11,12と同様に、溝加工を施しており、その溝加工の溝によって複数本のU字型の溝26を放射状に形成している。各々のU字型の溝26は、上述した開口部25の外側一端に一対一でそれぞれ接続されており、各々のU字型の溝26は、円板24の径方向に延びて形成されている。このように、ディスペンサ23を介在させることで、主流路13に対して血液が流通可能に円板24が形成されることになる。円板24は、この発明における遠心分離装置に相当し、開口部25は、この発明における導入口に相当し、溝26は、この発明における流路に相当する。円板24の具体的な構成については、図2以降で後述する。
【0030】
一方、測定装置30は、読取部31を備えている。この読取部31には、露光後のイメージングプレートIPを挿入するためのカバー部を設けており、イメージングプレートIPから励起された光を読み取ることで血液中に含まれているβ線を検出する。具体的には、図1(b)に示すように、読取部31は、レーザ光源32とフォトマルチプライヤチューブ(光電子増倍管)33とを備えており、レーザ光源32からイメージングプレートIPにレーザを照射して、イメージングプレートIPへのレーザ照射によって励起された光をフォトマルチプライヤチューブ33が電子に変換して増倍させることで、β線を2次元的に同時に検出する。
【0031】
上述したように、液体分割デバイス40は、血液を送り込む主流路13と、血液凝固の発生を防ぐための抗凝固剤の一種であるヘパリン溶液を送り込む側路41と、空気あるいはガスを送り込む側路42と、血液あるいはヘパリン溶液を排出する側路43とを備えている。
【0032】
側路41の溶液入口側には洗浄液用配管44を配設しており、側路41と洗浄液用配管44とを、コネクタ45を介して接続している。必要に応じて主流路13にヘパリン溶液を洗浄液用配管44から側路41を介して流し込むことで流路を洗浄する。ヘパリン溶液の流入量はバルブで制御される。抗凝固剤はヘパリン溶液に限定されない。
【0033】
側路42の気体入口側には気泡用配管46を配設しており、側路42と気泡用配管46とを、コネクタ47を介して接続している。圧力発生器(図示省略)で制御された空気あるいはガスの流入時間をバルブで調整して、側路42を通して主流路13に送り込む。この気泡によって血液の長さ情報に基づく血液の取り出しと液体分割デバイス40の流路に残留する廃液(血液、ヘパリン溶液あるいはこれらの混合液)の排出を行う。ここで、送り込まれるガスについては限定されず、ヘリウムやネオンやアルゴンなどの希ガス、あるいは窒素ガスに例示されるように、血液やヘパリン溶液と反応しないガスであれば良い。
【0034】
気泡用配管46は、側路14を通って主流路13に気体(例えば空気やガスなど)を送り込み、指定された所定の間隔でその気体を気泡として挿入することで、測定対象の血液を時系列的に分離して円板24に送り出す。つまり、気泡は、セパレータとしての機能を果たす。なお、セパレータとして気体を使用したが、気体に限定されずに、測定対象の液体(本実施例では血液)に対して混合する可能性が少ない、あるいは可能性がなければ、測定対象の液体とは別の液体をセパレータとして使用してもよい。本実施例のように測定対象の液体が血液の場合には、ミネラルオイルやフッ素系のオイルなどに代表されるように血液と相互に混ざり合わない液体をセパレータとして使用してもよい。但し、液体をセパレータとして使用する場合には、血液と接触するのでセパレータとして使用できるが、円板24に送り出して採取する点では望ましくない。
【0035】
側路43の廃液出口側には廃液用配管48を配設しており、側路43と廃液用配管48とを、コネクタ49を介して接続している。バルブで排出量を調整して採血されるべき血液以外の血液や、流路洗浄後のヘパリン溶液や、これらの混合液を廃液として排出する。
【0036】
また、主流路13のコネクタ15よりも下流にバルブを配設し、主流路13のコネクタ17、光源21およびフォトダイオード22よりも上流にバルブを配設している。側路41のコネクタ45よりも下流にバルブを配設し、側路42のコネクタ47よりも下流にバルブを配設している。また、側路43のコネクタ49よりも上流にバルブを配設している。
【0037】
次に、円板24の具体的な構成について、図1も含めて図2〜図5を参照して説明する。図2は、実施例に係る円板の概略平面図であり、図3(a)は、実施例に係るU字型の溝の概略平面図であり、図3(b)は、実施例に係るU字型の溝の概略拡大断面図であり、図4(a)は、実施例に係る開口部の概略平面図であり、図4(b)は、実施例に係る開口部の概略断面図であり、図5は、曲率半径を変えたときにおける曲線部分の体積の関係を示したグラフである。
【0038】
円板24の溝26は、図2〜図4に示すように、上述の開口部25と空気穴27とをつないで形成されている。血液の導入口である開口部25を血液の上流部、空気穴27を下流部としたときに、上流部から下流部へは、溝26は、円板24の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して円板24の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型となっている。かかるU字型の溝26を複数に備えている。空気穴27は、この発明における空気穴に相当する。
【0039】
図1に示すように、円板24の中央に円板24を回転させるモータ28を備えている。モータ28の回転軸29を円板24に連結させることで、モータ28による円板24の遠心力を利用して、血液を遠心分離させて血漿および血球に分離する血漿分離を行う。
【0040】
本実施例では、複数の溝26を、図2に示すように、円板24の径方向に沿って放射状にそれぞれ配設している。上述したように複数の各溝26を、円板24に対して所定の寸法で溝加工したもので形成している。
【0041】
より具体的には、図3(a)の平面図、図4(a)の平面図に示すように、溝26の幅をwとし、図3(b)の断面図、図4(b)の断面図に示すように、溝26の深さをdとする。また、図4に示すように、開口部25の上面25Aの直径をtとし、下面25Bの直径をtとし、上面25Aを下面25Bよりも広く形成したテーパ形状で開口部25を形成する。また、図3(a)の平面図に示すように、溝26の折り返しにおける曲線部分の曲率半径をRとする。ここでの曲率半径は溝26中心までの距離である。
【0042】
本実施例では、円板24は、幅wが0.5mm、深さdが0.2mm、長さが40mmの溝26が36本加工された厚さ1mmのアクリル板と、厚さ0.2mmのアクリル板とを上下に重ねて圧着して形成されており、36本のU字型の溝26(U字型微小体積流路)を形成している。円板24の直径は50mmであり、溝26の折り返しにおける曲線部分の曲率半径Rは0.75mmである。溝26の内壁にはエキシマランプによる親水加工を施している。さらに、開口部25の上面25Aの直径tが2.6mm、下面25Bの直径tが1.5mmで形成することで、上面25Aを下面25Bよりも広く形成したテーパ形状となっている。なお、親水加工については、エキシマランプに限定されず、例えば薬品、プラズマ処理や紫外線照射による親水加工のように、通常において用いられる親水加工であれば特に限定されない。
【0043】
実際の実験データとして、1μLの血液を溝26に滴下して、14000rpmで5分間の遠心分離操作をして血漿分離を行った結果、溝26の折り返しの曲線部分に血球が集まり、血球よりも軽い血漿が血球の両端側に存在する様子が確認されている。なお、溝26の折り返しの曲線部分の体積が、遠心分離する血液に含まれる血球の体積以下を満たす条件で、曲線部分の曲率半径R(ここでは曲率半径Rは0.75mm)を設定して溝26を形成している。
【0044】
発明者らが鋭意研究した結果、溝26の幅wや深さh、円板24の径および円板24の回転速度などが一定である条件では、曲率半径Rを変えると、それによって曲線部分の体積が変わり、同じ採血量であっても分離不全を起こす可能性があるという知見に至った。すなわち、血球の体積よりも曲線部分の体積が大きい場合には、血漿も折り返しの曲線部分に寄って分離不全を起こすと考えられる。曲線部分の体積をVとしたときに、幅w、深さh、曲率半径Rを用いると、曲線部分の体積Vは下記(1)式のように表される。
【0045】
V=πh/2{(R+w/2)−(R−w/2)
=πhwR …(1)
ただし、上記(1)式中のπは円周率である。幅w、深さhが一定の場合には、上記(1)式中では曲率半径Rを変えると曲線部分の体積Vが変わることを示しており、図5のグラフのようになる。ここで、血液の約45%が血球であるので、1μLの血液では0.45μLが血球となる。図5中の一点鎖線の直線は、血球が0.45μLとなる境界である。このグラフおよび上記(1)式により、研究開始当初の曲率半径RはRが1.5mmのときには体積Vが0.45μLを上回り、1μLの血液を分離しようとした場合、血漿も折り返しの曲線部分に寄ることになる。
【0046】
以上の検討により、溝26の折り返しの曲線部分の体積が、遠心分離する血液に含まれる血球の体積以下である必要があると言える。分離対象となる血液の体積をVとしたときに、上記(1)式を変形することで下記(2)式の条件で表すことができる。
【0047】
πhwR≦0.45V …(2)
上記(2)式中の右辺(=0.45V)は、血液の約45%を示す血球の体積を示し、上記(2)式中の左辺(=πhwR)は、溝26の折り返しの曲線部分の体積を示し、上記(2)式は、溝26の折り返しの曲線部分の体積が、遠心分離する血液に含まれる血球の体積以下を満たす条件である。このように、上記(2)式を満たす条件で、曲線部分の曲率半径Rを設定して溝26を形成すると、血漿が折り返しの曲線部分に入り込むことなく、血漿分離を行うことができる。したがって、採血量に合わせた曲線部分の曲率半径Rを設定して溝26を形成することができる。
【0048】
次に、一連の採血処理について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、実施例に係る一連の採血処理の流れを示したフローチャートであり、図7は、測定装置の撮像部におけるスキャナの概略斜視図であり、図8は、溝の下面からイメージングプレートまでのβ線の透過距離を変えたときにおける放射線量およびイメージングプレートで読み取られた画素値(イメージングプレート画素値)の関係を示したグラフである。
【0049】
(ステップS1)血液の主流路への送り込み
マウス動脈にカテーテル14(図1および図2を参照)を挿入して、マウス血圧にて自出された動脈血を、カテーテル14を介して主流路13(図1および図2を参照)に導くことで、主流路13に血液を連続的に送り込む。
【0050】
(ステップS2)セパレータの間隔制御
主流路13(図1および図2を参照)を血液が流れていないときには、主流路13を挟んで光源21(図1および図2を参照)に対向配置されたフォトダイオード22(図1および図2を参照)に光源21から照射された光が入射されるので、フォトダイオード22で光電変換された検出器信号がHighレベルとなってフォトダイオード22から出力される。逆に、主流路13を血液が流れているときには、光源21から照射された光がその血液によって遮られるので、フォトダイオード22に光が入射されずに、検出器信号がLowレベルとなってフォトダイオード22から出力される。このように、血液による遮光をフォトダイオード22が検知することで、その血液を光学的に監視(モニタ)しながら血液の長さ情報を測定し、そのフォトダイオード22による測定結果に基づいてバルブを制御する。バルブを制御することで、側路42から主流路13に送り込まれる空気あるいはガスの間隔、すなわちセパレータの間隔を制御する。主流路13は所定の寸法で溝加工したもので形成されているので、光学的に監視(モニタ)して得られる血液の長さ情報から、取り出されるべき血液の体積を得ることができる。
【0051】
(ステップS3)円板へ移送
ステップS2で取り出された微量血液を、血液用配管16(図1および図2を参照)を介してディスペンサ23(図1および図2を参照)に送り込む。ディスペンサ23は円板(CDウェル)24(図1および図2を参照)の開口部25(図1を参照)に、取り出された微量血液毎にそれぞれ滴下する。この滴下によって、取り出された微量血液が円板24に移送される。
【0052】
(ステップS4)血漿分離
ステップS3で円板24(図1および図2を参照)に血液を移送したら、円板24を回転させて血漿および血球に分離する血漿分離を行う。
【0053】
(ステップS5)円板の撮像
血漿および血球に血漿分離された円板24(図1および図2参照)ごとにサンプルとして、図示を省略するカセッテを開いて収容して、その上にイメージングプレートIP(図1を参照)を収容して、カセッテを閉じる。一定時間後、カセッテから円板24を取り出し、イメージングプレートIPに光を照射して露光を行う。この露光によって、血液中に含まれているβ線の電離能により、イメージングプレートIPの蛍光体(図示を省略)の格子欠陥に電子が捕獲される。露光後のイメージングプレートIPをカセッテから取り出して、測定装置30(図1を参照)の読取部31(図1を参照)のカバー部に挿入する。
【0054】
読取部31(図1を参照)のレーザ光源32(図1を参照)からイメージングプレートIP(図1を参照)にレーザを照射する。捕獲された電子がこの照射によって伝導体に励起され正孔と再結合し、蛍光体から光として励起される。このイメージングプレートIPへのレーザ照射によって励起された光をフォトマルチプライヤチューブ33(図1を参照)が電子に変換して増倍させることで、電気パルスとして2次元的に同時に検出して計数する。なお、レーザ光源32からイメージングプレートIPへ照射した後には、再利用するために消去用光源(図示省略)から光をイメージングプレートIPへ照射することで、捕獲された電子を消去する。イメージングプレートIPと読取部31で求められたβ線の計数情報に基づいて、β線の計数情報である血中の放射線量を求める。
【0055】
図7に示すように、測定装置30(図1を参照)の撮像部34は、円板24を撮像する。本実施例では、撮像部34としてフラットヘッドスキャナを採用する。円板24の直径分の長さを少なくとも有する線状の光源34aと円板24を挟んで光源34aに対して対向配置された線状のフォトダイオードアレイ(すなわちラインセンサ)34bでフラットヘッドスキャナを構成する。フラットヘッドスキャナで円板24上を走査(スキャン)することで円板24を撮像して、円板24の画像を取得する。円板24の画像より血液の体積を計算し、それとイメージングプレートIP(図1を参照)より求めた血中の放射線量から血中放射能濃度を求める。
【0056】
本実施例では、好ましくは、複数の各流路(実施例では溝26)の上面または下面のいずれかをβ線が透過するのに十分な薄さに加工されている。複数の各流路は流路の上面または下面を薄くすることで、放射性物質を含む測定対象の液体(実施例では血液)から放射されるβ線が円板24を形成する材質に吸収されることを減少させることができ、より低い放射線量であっても円板の外から放射線計測を行うことができる。
【0057】
図8に示すように、溝26の下面からイメージングプレートまでのβ線の透過距離をtとする。円板24の厚さが1mmのアクリル板の場合に、溝26の深さdが200nmのときには透過距離tは800nmとなり、溝26の深さdが500nmのときには透過距離tは500nmとなる。このように透過距離tを800nm、500nmと変えたときの放射線量およびイメージングプレートIPで読み取られた画素値(イメージングプレート画素値)の関係は、図8のグラフのようになる。図8のグラフからも、溝26の下面からイメージングプレートまでのβ線の透過距離tが800nmの流路(溝26)では、500nmのときと比べるとβ線がより吸収されるので、画素値が低くなり、低放射能濃度では測定できないことが確認されている。したがって、透過距離tを500nmに加工すると、血液から放射されるβ線が円板24を形成する材質に吸収されることを減少させることができる。
【0058】
なお、必要に応じて、カテーテル14(図1および図2を参照)を洗浄したり、ヘパリン溶液や空気あるいはガスを送り込んで、液体分割デバイス40の流路に残留する廃液(血液、ヘパリン溶液あるいはこれらの混合液)の排出を行う。
【0059】
本実施例に係る遠心分離装置(円板24)によれば、平面状の円板24に備えられた流路(本実施例では溝26)において、測定対象の液体(本実施例では血液)の導入口(本実施例では開口部25)と空気穴27とをつなぐことで、採取された測定対象の液体(血液)を導入口(開口部25)から導入しても空気穴27から流路(溝26)内の空気が抜けるので、導入口(開口部25)を通して液体(血液)を流路(溝26)に円滑に流すことができる。この流路(溝26)は、導入口(開口部25)を液体(血液)の上流部、空気穴27を下流部としたときに、上流部から下流部へは、円板24の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して円板24の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型の形状で形成されている。したがって、測定対象の液体(血液)を導入口(開口部25)から導入して遠心分離を行うと、流路のうち径方向の最も外側にある流路(溝26)の折り返しにおいて、液体(血液)のうち比重の大きい成分(本実施例では血球)が溜まり、比重の小さい成分(本実施例では血漿)は折り返し以外の箇所に流れるので、液体(血液)を遠心分離させるのが容易になる。また、流路(溝26)はU字型の形状で形成されているので、導入口(開口部25)・流路(溝26)の折り返し間の距離と、流路(溝26)の折り返し・空気穴27間の距離とがほぼ等しくなり、比重の小さい成分(血漿)を流路(溝26)全体に拡散させることが可能であり、遠心分離後の液体(血液)の長さを、流路(溝26)の折り返しを基準にして揃えることができる。かかるU字型の複数の流路(溝26)を円板24に備えることで、遠心分離を一度に行うことができる。
【0060】
本実施例では、好ましくは、円板24の中央に円板24を回転させる回転手段(本実施例ではモータ28)を備え、その回転手段(モータ28)による円板24の遠心力を利用して、測定対象の液体(本実施例では血液)を遠心分離させている。円板24の中央に円板24を回転させる回転手段(モータ28)を備えることで、U字型の複数の流路(本実施例では溝26)を同じ回転速度で回転させることができる。
【0061】
本実施例では、好ましくは、複数の流路(本実施例では溝26)を、円板24の径方向に沿って放射状にそれぞれ配設している。特に、上述のように円板24の中央に円板24を回転させる回転手段(本実施例ではモータ28)を備えると、U字型の複数の流路(溝26)を同じ回転速度、同じ遠心力で回転させることができ、各々の流路(溝26)間での遠心分離のバラツキを抑えることができる。
【0062】
本実施例では、複数の各流路(本実施例では溝26)は、円板24に対して所定の寸法で溝加工したもので形成されている。すなわち、所定の寸法で溝加工されていることから、流路(溝26)に送り込まれた液体(本実施例では血液)の溝長あるいは溝領域がわかれば、所定の寸法で溝加工された溝26の断面積あるいは溝26の深さに基づいて流路に送り込まれた液体の体積(血液)を規定することができる。また、所定の寸法で溝加工することで、採取量に合わせて流路(溝26)の大きさを予測して設計することができる。
【0063】
本実施例では、好ましくは、複数の各流路(本実施例では溝26)の内壁に親水加工を施している。親水加工を施すことで、液体(本実施例では血液)を導入口(本実施例では開口部25)に滴下するだけで流路(溝26)内部にまで進入させることができる。したがって、従来のようなポンプが不要になり、それを制御することもなくなる。その後の遠心分離によって、液体(血液)は流路(溝26)の折り返しの部分まで導入されて、比重の大きい成分(本実施例では血球)が折り返しの部分に集まり、比重の小さい成分(本実施例では血漿)はその両端に来る。
【0064】
本実施例では、好ましくは、複数の各流路(本実施例では溝26)の導入口(本実施例では開口部25)は、上面25Aを下面25Bよりも広く形成したテーパ形状で形成されている。上面25Aを下面25Bよりも広く形成したテーパ形状で導入口(開口部25)は形成されているので、親水加工を施したときと同様に、液体(本実施例では血液)を導入口(開口部25)に滴下するだけで流路(溝26)内部にまで進入させることができる。親水加工を施したときと同様に、従来のようなポンプが不要になり、それを制御することもなくなる。その後の遠心分離によって、液体(血液)は流路(溝26)の折り返しの部分まで導入されて、比重の大きい成分(本実施例では血球)が折り返しの部分に集まり、比重の小さい成分(本実施例では血漿)はその両端に来る。
【0065】
本実施例では、測定対象の液体の一例は血液である。この場合には、血液を遠心分離させて血漿および血球に分離する血漿分離を行う。
【0066】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0067】
(1)上述した実施例では、遠心分離装置において、測定対象の液体として血液を例に採って説明したが、測定対象の液体であれば、血液に限定されずに、放射性物質や蛍光剤が含まれた液体や、分析装置に用いられる混合液などであってもよい。
【0068】
(2)上述した実施例では、円板24の中央に円板24を回転させる回転手段(実施例ではモータ28)を備えたが、必ずしも円板の中央に回転手段を備える必要はない。円板の端部に回転手段を備えてもよい。
【0069】
(3)上述した実施例では、複数の流路(実施例では溝26)を、円板24の径方向に沿って放射状にそれぞれ配設したが、必ずしも放射状に配設する必要はない。例えば、互いに平行に配設してもよい。
【0070】
(4)上述した実施例では、複数の各流路(実施例では溝26)の内壁に親水加工を施すことで、あるいは上面を下面よりも広く形成したテーパ形状で導入口(実施例では開口部25)を形成することで、測定対象の液体(実施例では血液)を導入口(開口部25)に滴下するだけで流路(溝26)内部にまで進入させたが、必ずしも親水加工やテーパ形状に限定されない。
【符号の説明】
【0071】
24 … 円板
25 … 開口部
25A … 上面
25B … 下面
26 … 溝
27 … 空気穴
V … 曲線部分の体積
R … 曲線部分の曲率半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の円板に、測定対象の液体の導入口と空気穴とをつなぎ、前記導入口を液体の上流部、前記空気穴を下流部としたときに、前記上流部から前記下流部へは、前記円板の径方向に内側から外側に向かって延びて、折り返して前記円板の径方向に外側から内側に向かって延びて形成されたU字型の複数の流路を備えた遠心分離装置であって、採取された前記測定対象の液体を前記導入口から導入して遠心分離を行うことを特徴とする遠心分離装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遠心分離装置において、前記円板の中央に円板を回転させる回転手段を備え、その回転手段による円板の遠心力を利用して、前記測定対象の液体を遠心分離させることを特徴とする遠心分離装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の遠心分離装置において、前記複数の流路を、前記円板の径方向に沿って放射状にそれぞれ配設することを特徴とする遠心分離装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の遠心分離装置において、前記複数の各流路は、前記円板に対して所定の寸法で溝加工したもので形成されていることを特徴とする遠心分離装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかの記載の遠心分離装置において、前記複数の各流路の内壁に親水加工を施したことを特徴とする遠心分離装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の遠心分離装置において、前記複数の各流路の前記導入口は、上面を下面よりも広く形成したテーパ形状で形成されていることを特徴とする遠心分離装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の遠心分離装置において、前記測定対象の液体は血液であって、前記血液を遠心分離させて血漿および血球に分離する血漿分離を行うことを特徴とする遠心分離装置。
【請求項8】
請求項7に記載の遠心分離装置において、前記流路の折り返しにおける曲線部分の体積が、遠心分離する前記血液に含まれる前記血球の体積以下を満たす条件で、前記曲線部分の曲率半径を設定して前記流路を形成することを特徴とする遠心分離装置。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の遠心分離装置において、前記測定対象の液体は放射性物質を含む液体であって、前記測定対象の液体を遠心分離させることを特徴とする遠心分離装置。
【請求項10】
請求項9に記載の遠心分離装置において、前記流路の上面または下面をβ線が透過するのに十分な薄さに加工することを特徴とする遠心分離装置。
【請求項11】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の遠心分離装置において、前記測定対象の液体は蛍光剤を含む液体であって、前記測定対象の液体を遠心分離させることを特徴とする遠心分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−75420(P2011−75420A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227513(P2009−227513)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔研究集会名〕 第4回日本分子イメージング学会学術集会 〔主催者名〕 日本分子イメージング学会 〔開催日〕 2009年5月14日
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【出願人】(301032942)独立行政法人放射線医学総合研究所 (149)
【Fターム(参考)】